説明

貫通ウェーハ相互接続

貫通ウェーハ相互接続および同相互接続を製造する方法が開示される。本方法は、導電ウェーハの材料を除去することによって、パターン形成したトレンチを形成するために導電ウェーハから出発する。パターン形成したトレンチは、深さがウェーハの前面から裏面に達し、全体的に導電ウェーハを内部分と外部分とに分割する環状開口部を有し、それによって導電ウェーハの内部分は、外部分から絶縁されて貫通ウェーハ導体としての役目をする。誘電材料が、パターン形成したトレンチの中へ形成または追加され、貫通ウェーハ導体を機械的に支持しおよび電気絶縁する。多導体を、アレイとして形成することもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超小型電子技術製造に関し、より詳細には超小型電子技術製造における貫通ウェーハ相互接続に関する。
【背景技術】
【0002】
貫通ウェーハ相互接続とは、デバイス(例えば、集積回路ならびにセンサ、イメージャ、および変換素子などの超小型電子デバイス)をウェーハの前面上から裏面まで電気接続する構造である。デバイスを前面上から裏面に接続するためにウェーハ外の配線を必要とする従来のボンドパッド相互接続構造とは異なり、貫通ウェーハ相互接続は、ウェーハを直接貫通して延びる導体を使用して電気接続を作製する。
【0003】
貫通ウェーハ相互接続は、ウェーハ表面上の空間を節約するためにデバイスの高密度アレイにとって大いに望ましい。IC;センサアレイ、変換素子アレイ、およびフォトイメージャアレイで使用される超小型電子デバイス;ならびに携帯電話および携帯型情報端末(PDA)のような携帯装置で使用されるモジュールなど、電子部品の小型化に対する大きな要望が存在する。小型化は、プリント基板上における部品の占有面積の低減をもたらすばかりでなく、それはデバイス性能にも積極的な効果を及ぼすことができる。究極の小型化は、部品がチップサイズパッケージの中へ実装されるときに到達される。チップサイズ実装を可能にする従来の方法は、ICの接合パッドを、例えば、ボールグリッドアレイ構成の中へ配線することを含む。垂直の個別部品および積層平面ダイを有するものなど、幾つかのデバイスでは、再配線するだけでは不十分である。これらのデバイスがCSPの中へ実装され得るように裏面の対処を可能にするために異なる方法が必要である。この点において、貫通ウェーハ相互接続は有力な技術であることがわかっている。さらには、貫通ウェーハ相互接続は、多数のパッケージの同時製造をもたらすウェーハレベルの処理を可能とする。この利点は、技術の高度な複雑さにより発生する恐れのある追加的な実装費用を抑える。それはまた、ウェーハ表面中にまたはウェーハを横切って延びる長い配線を回避し、したがって望ましくない寄生静電容量および高い相互接続抵抗を低減する。
【0004】
ほとんどの貫通ウェーハ相互接続は、接続材料が充填される貫通ウェーハビアまたは穴を用いて実施される。従来技術の貫通ウェーハ相互接続が、図1に示されている。この貫通ウェーハ相互接続は、最初に穴12を空け、次いでこの穴12の表面上にシード層14を形成し、引き続いて(例えば、電気メッキ法を使用して)シード層14の上に金属層16を形成することによって、基板10を貫通するビアの中に構築される。金属層16は、基板10の一方の面上にあるデバイスまたはコネクタ(図示せず)を他方の面上のデバイスまたはコネクタに電気接続するための貫通ウェーハ導体としての役目をする。典型的な用途では、デバイスは基板10の上面にある。貫通ウェーハ導体(金属層16)は、デバイスを裏面上のコネクタ(接続パッドまたは接続ボールなど)に接続する。
【0005】
本出願は、2005年5月18日に出願した米国特許仮出願第60/682619号の優先権を主張するものであり、該出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0006】
本出願はさらに、本出願人によって本出願と同日に出願した3つの国際出願(PCT)(特許文献1、特許文献2および特許文献3)の全体を参照により本明細書に組み込むものである。
【0007】
【特許文献1】国際出願(PCT)(整理番号03004−02)明細書‘METHODS FOR FABRICATING MICRO-ELECTRO-MECHANICAL DEVICES'
【特許文献2】国際出願(PCT)(整理番号03004−03)明細書‘MICRO-ELECTRO-MECHANICAL TRANSDUCERS'
【特許文献3】国際出願(PCT)(整理番号03004−04)明細書‘MICRO-ELECTRO-MECHANICAL TRANSDUCERS'
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上に示した貫通ウェーハ相互接続の製造プロセスは、通常複雑であり、かなり高度な技術を要する。この製造プロセスはまた、設計を最適化する自由度にも欠ける。例えば、図1に示した金属層16の厚さは、既存の電気メッキ技術によって本来的に限定されている。得られる貫通ウェーハ相互接続も物理的な柔軟性に欠ける。したがって、貫通ウェーハ相互接続の製造プロセスおよび性能を向上させるために貫通ウェーハ相互接続の新規の設計を導入することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本出願は、貫通ウェーハ相互接続および同相互接続を製造する方法を開示する。ウェーハ中にビアを形成し、このビアの中へ(例えば、電気メッキ、薄膜堆積などによって)導電材料を導入することによって貫通ウェーハ相互接続を作製する既存の方法とは異なり、本発明の方法は、導電ウェーハの固有材料から貫通ウェーハ導体を形成するために、導電ウェーハ、例えば、高度にドープしたシリコンウェーハから出発することによって逆の手法を取る。
【0010】
本発明の1つの態様は、超小型電子構造の中に貫通ウェーハ相互接続を製造する方法である。本方法は、(1)前面および裏面を有する導電ウェーハを備えるステップと、(2)導電ウェーハの材料を除去することによって、パターン形成したトレンチを形成するステップとを含む。パターン形成したトレンチは、環状周囲開口部であって、この開口部に沿って全体的に導電ウェーハを内部分と外部分とに分割する環状周囲開口部を有し、それによって導電ウェーハの内部分は、外部分から絶縁されて貫通ウェーハ導体としての役目をする。誘電材料が、導体と包囲構造とを互いに機械的に連結するために、パターン形成したトレンチの中へ追加されるかまたはその中に形成され得る。
【0011】
様々な形状が、パターン形成したトレンチに適切である。例えば、パターン形成したトレンチは、ウェーハの異なる深さにある2つの部分で異なる断面サイズ(直径など)を有してもよい。1つの実施形態では、貫通ウェーハ導体は、パターン形成したトレンチの下部分によって包囲されおよび画定された下部分と、パターン形成したトレンチの上部分によって包囲されおよび画定された上部分とを有する。貫通ウェーハ導体の下部分は、貫通ウェーハ導体の上部分よりも小さい断面サイズを有する。
【0012】
貫通ウェーハ導体は、2つの連続的な区間を有する導電層の中に形成されてもよいし、または互いに接合された2つの別体の層である上部層および下部層を有する導電ウェーハの中に形成されてもよい。別の実施形態では、導電ウェーハは、異なるドーピング水準を有する上部区間および下部区間を有するドープされたシリコンウェーハである。好ましい実施形態では、パターン形成したトレンチの下部分は、上部分のトレンチ開口部よりも広いトレンチ開口部を有し、それによってパターン形成したトレンチの下部分によって包囲されおよび画定された、貫通ウェーハ導体の下部分は、パターン形成したトレンチの上部分によって包囲されおよび画定された、貫通ウェーハ導体の上部分よりも小さい断面サイズを有する。
【0013】
1つの実施形態では、本方法は、パターン形成したトレンチの第1の部分を前面または裏面の一方から形成するステップと、パターン形成したトレンチの第2の部分を他方の面から形成するステップとを追加的に有する。パターン形成したトレンチの第1の部分は、パターン形成したトレンチの第2の部分を形成するステップが止まるためのストップ位置を画定するために、この第1の部分の上にストップ層を形成するように酸化され得る。誘電材料が、パターン形成したトレンチの第1の部分および第2の部分の少なくとも一方の中へ追加されるか、またはその中に形成され得る。
【0014】
別の実施形態では、パターン形成したトレンチの少なくとも一部が、除去されなかった導電ウェーハ材料の線が介挿された開放通路を備えるように、トレンチ開口部の内部でさらに微細パターン形成される。除去されなかった導電ウェーハ材料の線は、誘電材料を追加する効果を実現するために酸化され得る。別法としてまたは追加的に、充填剤材料が、除去されなかった導電ウェーハ材料の酸化された線の間に追加され得る。別の実施形態では、第1の誘電材料が、パターン形成したトレンチの上部分の中へ追加され、第2の誘電材料が、パターン形成したトレンチの下部分の中へ追加される。
【0015】
除去されなかった導電ウェーハ材料の線は、導電ウェーハの内部分および外部分を連結しかつ支持するために、これらの2つの部分間に枠組を形成するようにパターン形成され得る。1つの実施形態では、除去されなかった導電ウェーハ材料の線の少なくとも一部は、枠組が導電ウェーハの内部分と外部分との間を電気絶縁するように、完全に酸化される。別の実施形態では、充填剤材料がトレンチの中へ追加され、次いで、除去されなかった導電ウェーハ材料の線の少なくとも一部は、枠組が導電ウェーハの内部分と外部分との間を電気絶縁するようにエッチングで除去される。
【0016】
本方法は、同じように特徴付けられた複数のパターン形成したトレンチを形成するために用いられ得る。複数のパターン形成したトレンチはアレイとして横並びに配置可能であり、隣接するパターン形成したトレンチは共通のトレンチ面を共有するか、または隣接するパターン形成したトレンチが、介在する空間によって分離される。介在する空間は、隣接する導体をデカップリングするために導電材料によって占有され得る。介在する空間の中の導電材料は、導電ウェーハの除去されなかった固有導電材料であり得る。
【0017】
製造方法の1つの実施形態では、導電ウェーハは導電シリコンウェーハであり、パターン形成したトレンチは、半導体製造方法を使用して形成され得る。例示的な製造方法は、(1)導電シリコンウェーハの前面からエッチングによって、パターン形成したトレンチの上部分を形成するステップと、(2)パターン形成したトレンチの上部分の表面を覆って酸化層を形成するステップと、(3)パターン形成したトレンチの上部分の下部の上の酸化層の少なくとも一部を除去するステップと、(4)パターン形成したトレンチの上部分の下部に、拡大した空洞を等方性シリコンエッチングによって形成し、この拡大した空洞の下部表面を酸化することによって裏面シリコンエッチング用のストップ層を形成するステップと、(5)導電シリコンウェーハの裏面からストップ層までエッチングすることによって、パターン形成したトレンチの下部分を形成するステップと、を含む。
【0018】
本発明の別の態様は、2つの導電ウェーハを互いに接合することによって、超小型電子構造の中に貫通ウェーハ相互接続を製造する方法である。本方法は、(1)第1の導電ウェーハおよび第2の導電ウェーハであって、この第1の導電ウェーハの下面が第2の導電ウェーハの上面に接触するように、第1の導電ウェーハおよび第2の導電ウェーハを接合するステップと、(2)第1の導電ウェーハの材料を除去することによって、パターン形成したトレンチの上部分を第2の導電ウェーハの上面を貫通して形成するステップと、(3)上部分と接続するために、パターン形成したトレンチの下部分を第1の導電ウェーハの裏面を貫通して形成するステップとを含む。パターン形成したトレンチの第1の部分および第2の部分は、それぞれが全体的にそれぞれの導電ウェーハを内部分と外部分とに分割する環状周囲開口部を有する。それぞれの導電ウェーハの内部分は、それぞれの導電ウェーハの外部分から絶縁され、第1の導電ウェーハの内部分および第2の導電ウェーハの内部分は、貫通ウェーハ導体としての役目をするように電気接続される。
【0019】
1つの実施形態では、第2の導電ウェーハを接合する前に、空洞が第1の導電ウェーハの上面側に形成され、この空洞の少なくとも下部表面の上にエッチングストップ層を形成するために、この下部表面が酸化される。次いで、パターン形成したトレンチの下部分は、第1の導電ウェーハの裏面を貫通してエッチングストップ層までエッチングすることによって形成される。
【0020】
第2の導電ウェーハは、超小型電子デバイスの少なくとも一部を収容するために予め製造可能であるか、または第1の導電ウェーハに接合した後に、超小型電子デバイスを製造することを可能にする。後者の場合には、第2の導電ウェーハを接合した後に、超小型電子デバイスの少なくとも一部が、第2の導電ウェーハの上に製造され得る。次いで、金属層が、第2の導電ウェーハの上に堆積され、およびパターン形成され得る。
【0021】
好ましい実施形態では、寄生静電容量を最小化するために、パターン形成したトレンチの下部分が、パターン形成したトレンチの上部分のトレンチ開口部よりも広いトレンチ開口部を有し、それによって、パターン形成したトレンチの下部分によって包囲されおよび画定された貫通ウェーハ導体の下部分が、パターン形成したトレンチの上部分によって包囲されおよび画定された貫通ウェーハ導体の上部分よりも小さい断面サイズを有する。
【0022】
別の好ましい実施形態では、パターン形成したトレンチの下部分が、除去されなかった導電ウェーハ材料の線が介挿された開放通路を備えるように、トレンチ開口部の内部でさらに微細パターン形成される。除去されなかった導電ウェーハ材料の線は、導電ウェーハの内部分および外部分を連結しおよび支持するために、これらの2つの部分間に枠組を形成するようにパターン形成され得る。除去されなかった導電ウェーハ材料の線の少なくとも一部は、別の誘電材料がトレンチの中へ追加された後に、完全に酸化されるかまたはエッチングによって除去され得る。
【0023】
本発明の別の態様は、超小型電子構造の中で、ウェーハの前面および裏面上の電気接点間に電気伝導性の相互接続を設ける貫通ウェーハ相互接続である。貫通ウェーハ相互接続は、(1)ウェーハの前面を通過してウェーハの裏面に達する貫通ウェーハ導体と、(2)導体の少なくとも主要本体部分を包囲する絶縁体と、(3)貫通ウェーハ導体および絶縁体を包囲するフレームとを備える。貫通ウェーハ導体の少なくとも一部およびフレームのそれぞれの包囲部分は、それぞれがウェーハの固有材料を含む。1つの実施形態では、導体の少なくとも一部およびフレームのそれぞれの包囲部分はウェーハの共通固有材料を含む。ウェーハは、導電ウェーハであることが好ましい。
【0024】
絶縁体は、ウェーハの固有材料を除去することによってウェーハの中に形成された環状トレンチに追加された誘電材料であり得る。例えば、酸化物が、環状トレンチの中にパターン形成されたウェーハの除去されなかった固有材料の線の上に形成され得る。別法としてまたは追加的に、充填剤材料が、環状トレンチの中にパターン形成されたウェーハの除去されなかった固有材料の線の間に充填されてもよい。
【0025】
貫通ウェーハ相互接続の1つの実施形態では、フレームが、伸張または圧縮によって撓み得るジグザグ形状壁を有する。
【0026】
本発明の別の態様は、(1)それぞれの導体が導電ウェーハの前面を通過して導電ウェーハの裏面に達する、アレイとして配置された複数の導体と、(2)それぞれの導体を包囲する絶縁体と、(3)複数の導体および絶縁体を支持するフレームと、を有する貫通ウェーハ相互接続部品である。それぞれの導体の少なくとも一部およびフレームの一部は、それぞれが導電ウェーハの固有材料を含む。1つの実施形態では、絶縁体は、それぞれがそれぞれの導体を包囲する複数の環状トレンチの中に配置される。環状トレンチは、導電ウェーハの固有材料を除去することによって形成される。1つの実施形態では、フレームは、外部周囲壁および複数の導体間壁を有し、外部周囲壁デバイスは、複数の導体および絶縁体が配置される全体領域を画定し、複数の導体間壁が、この全体領域を、それぞれが導体とこの導体を包囲する絶縁体のそれぞれの部分とを含む複数の小領域に分割する。フレームの導体間壁は、複数の導体間のデカップリング導体として機能するために導電材料を含み得る。
【0027】
本発明の独特な設計は、伸張または圧縮によって撓み得るジグザグ形状壁を有するフレームを備えるフレキシブル貫通ウェーハ相互接続を可能にする。
【0028】
本発明は、貫通ウェーハ相互接続を作製するために導体をウェーハに導入する従来の手順を回避する。その代わりに、本発明は、貫通ウェーハ導体を形成するために導電ウェーハの固有の導電材料を使用することを可能にする。導体は、標準的な半導体製造プロセスを用いて形成され得る絶縁体を使用して、ウェーハの他の部分から絶縁される。本方法は、寄生静電容量を最小化するための導体の形状、絶縁体の形状および特性ならびに貫通ウェーハ相互接続全体の形状および機械的特性の設計に関して、より大きな工学的自由を導入する。本方法は、例えば、シリコンウェーハ上で用いられるとき、様々な形状および構造を創出するために半導体製造および微細機械加工を利用することができる。対照的に、従来の方法は、ビア穴の寸法および形状ならびに薄膜堆積、酸化もしくは電気メッキなどのプロセスによって形成された薄膜の厚さによって限定される。
【0029】
本発明に係る本方法および貫通ウェーハ相互接続は、より広範な技術領域に用途を有する。それは、デジタルカメラおよび画像能力を有する無線装置で使用される超小型電子イメージャ;微細機械加工された超音波変換素子;光学通信、光学表示器等用の微小ミラーアレイなどの超小型電子デバイスを組み立ておよび実装するのに特に有用である。
【0030】
以上のおよび他の特徴ならびに利点は、添付図を参照しながら行われる、幾つかの実施形態に関する以下の詳細な説明からより明白になるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明に係る貫通ウェーハ相互接続が図と一緒に詳細に説明される。これらの図では、同じ部品が同じ参照数字または文字で示されている。
【0032】
本明細書では、「円形の」および「環状の」という言葉は、形状が輪状の形態、ほぼ輪状の湾曲形状、または概ね円環状に形作られる配置を有するという最も広い意味において示唆するに過ぎず、丸い形状または他のいかなる形状を特に示唆するものでもなく、それは必ずしも全体的に完全なもしくは切れ目のない輪または円環を示唆するものでもない。
【0033】
図2は、本発明に係る貫通ウェーハ相互接続の模式的な断面図である。この貫通ウェーハ相互接続は、ウェーハ200の中に構築される。この貫通ウェーハ相互接続は、ウェーハ200の前面(上部)を貫通してウェーハの裏面(下部)に達する導体210を含む。導体210は絶縁体220によって包囲されており、導体210および絶縁体220は共にフレーム230によって包囲されている。本発明に係る貫通ウェーハ相互接続は、導体210の少なくとも一部およびフレーム230のそれぞれの包囲部分が、それぞれにウェーハ200の固有材料を含むことを特徴とする。これは、本明細書に説明される製造方法の文脈でより明確に示されるように、ウェーハ200が導電材料から作製される場合、導体210がウェーハ200から直接製造され得ることを意味する。
【0034】
本明細書においては、導電材料は、1×10Ω−cm未満の抵抗率を有するものとして定義される。本製造方法の説明で示されるように、本発明の貫通ウェーハ相互接続を製造するために特に有用な1つの導電材料は、ドープしたシリコンウェーハである。
【0035】
導体210はウェーハ200の前面(上部)および裏面(下部)の両方から導電的にアクセス可能であるので、適切なコネクタ(図示せず)が備わっていれば、本発明に係る貫通ウェーハ相互接続は、ウェーハ200の前面および裏面上の電気的接点間に電気的に伝導性の相互接続を設ける。これはより広い技術領域で多くの用途を有する。それは、デジタルカメラおよび画像機能を有する無線装置で使用される超小型電子イメージャ;微細機械加工された超音波変換素子;光通信、光表示器等のための微小ミラーアレイなど、超小型電子デバイスの組立および実装に特に有用である。
【0036】
例えば、超小型電子デバイス(図示せず)は、ウェーハ200の前面(上部)上に直接配置または製造されて、ウェーハ200の前面上に配置される集積回路(図示せず)に接続可能である。次いで、この集積回路は、電気接点(図示せず)を介して導体210に接続される。導体210自体は、ウェーハ200の裏面上にある別の電気接点(図示せず)に接続可能である。原理上は、貫通ウェーハ相互接続を必要とし、またはそれによって利益を受け得る任意のデバイスが、本発明に係る貫通ウェーハ相互接続を使用することができる。
【0037】
貫通ウェーハ相互接続の従来技術の構想とは異なり、本発明の貫通ウェーハ相互接続における導体210は、ウェーハ中の穴またはビアに導入される外部導電材料から作製されるのではなく、導電ウェーハ200の固有材料から作製され得る。絶縁体220は、ウェーハ200から形成された間隙空間に追加された1つまたは複数の絶縁材料(誘電材料など)から作製されてもよい。本発明は、その独特の設計の故に、導体210、絶縁体220、ならびにフレーム230の形状、サイズ、電気的および機械的特性を設計しおよび製造する上で、高い水準の自由度を与える。例えば、導体210の寸法は、従来技術の貫通ウェーハ相互接続設計における薄膜堆積または電気メッキ技術によってもはや限定されることがない。例えば、導体210の導電率全体がより高いことが必要であれば、その要件を、導体210の断面サイズ(厚さ)を増大させることによって満たすことができる。
【0038】
以下でさらに示されるように、本発明の上述の基本的な構想は、多数の変型において応用可能である。
【0039】
図3は、本発明に係る別の貫通ウェーハ相互接続の模式的な断面図である。これは図2で図示した一般的な構想よりも特定的な実施形態である。導体310は、ここでは上部分310Aおよび下部分310Bを有する。下部分310Bは上部分310Aよりも小さい断面サイズを有し、裏面上により小さい電気接点領域をもたらし、よって寄生静電容量を低減する。絶縁体320は、導体310の上部分310Aを包囲する第1の部分320Aと、導体310の下部分310Bを包囲する第2の部分320Bとを有する。同様に、貫通ウェーハ相互接続は、導体310(310Aおよび310B)と絶縁体(320Aおよび320B)とを包囲するフレーム330を有する。
【0040】
導体の上部分310Aまたは導体の下部分310Bのどちらか一方、または上部分310Aおよび下部分310Bの両方は、ウェーハ300の固有導電材料を含んでもよいことが理解される。それに対応して、フレーム330のそれぞれの包囲部分もウェーハ330の同じ固有導電材料を含んでもよい。ウェーハ300は、モノリシックウェーハであってもよいし、または導体の上部分310Aまでの深さに対応する上部区間300Aと、導体の下部分310Bに対応する下部区間300Bとを含んでもよいことがさらに理解される。上部区間300Aおよび下部区間300Bは、単一の連続ウェーハ(ウェーハ300)の単に2つの異なる区間であってもよい。例えば、ウェーハ300はドープした導電シリコンウェーハであってもよく、上部区間300Aおよび下部区間300Bが異なるドーピング水準を有する。別法として、上部区間300Aおよび下部区間300Bが、複合ウェーハ300を形成するように互いに接合された2つの別体の層であってもよい。ウェーハ300の2つの別体の層(300Aおよび300B)は、介在層を有することなく互いに直接接合されてもよいし、または介在層を備えて間接的に接合されてもよい。2つの別体の層300Aおよび300Bが、これらの間にサンドイッチ状に挟まれた介在層を備えて互いに間接的に接合される構成では、導体の上部分310Aから下部分300Bへの導電性が中断されないことが不可欠である。
【0041】
本発明に係る貫通ウェーハ相互接続の基本的な設計を、より複雑化された貫通ウェーハ相互接続構造を製造するために使用することができる。
【0042】
図4A〜図4Cは、多導体を有する貫通ウェーハ相互接続設計の模式図を示す。図4Aは、本設計の上面図を示し、図4Bは本設計の下面図を示し、ならびに図4Cは、図4Aおよび図4Bにおける破線を通る本設計の断面図を示す。
【0043】
この貫通ウェーハ相互接続構造は、導電ウェーハ400の中に構築されて4つの導体410、412、414および416のアレイを有し、それぞれが導電ウェーハ400の前面(上部)を通過して導電ウェーハ400の裏面(下部)に達する。この貫通ウェーハ相互接続構造は、上部分420Aおよび下部分420Bを有するパターン形成した絶縁体をさらに有する。絶縁体(420Aおよび420B)は、導電ウェーハ400の前面を通過して導電ウェーハ400の裏面に達する。この絶縁体は導体410、412、414および416のそれぞれを包囲する。フレーム430が、導体410、412、414および416と絶縁体(420Aおよび420B)とを支持する。図2〜図3に示した貫通ウェーハ相互接続と同様に、図4A〜図4Cにおける貫通ウェーハ相互接続構造は、それぞれの導体410、412、414および416の少なくとも一部と、フレーム430の少なくとも一部とが、それぞれに導電ウェーハ400の固有材料を含み、導体410、412、414および416と、フレーム430の少なくとも一部とが、導電ウェーハ400から直接製造されることを可能とすることを特徴とする。
【0044】
導体410、412、414および416は、ウェーハ400の裏面(下部)からウェーハ400の前面(上部)上のデバイス(図示せず)にアクセスするために使用される。
【0045】
さらに図4A〜図4Cを参照すると、導体410、412、414および416は、それぞれが上部分(410A、412A、414Aおよび416Aのそれぞれ)と、下部分(410B、412B、414Bおよび416Bのそれぞれ)とを有することが示されている。下部分410B、412B、414Bおよび416Bはそれぞれが、上部分410A、412A、414Aおよび416Aのそれぞれよりも小さい断面サイズを有する。導体410、412、414および416の上部分(410A、412A、414Aおよび416A)は、導電ウェーハ400の上部区間400Aの中にある絶縁体の上部分420Aに対応する。導体410、412、414および416の下部分(410B、412BA、414Bおよび416B)は、導電ウェーハ400の下部区間400Bの中にある絶縁体の下部分420Bに対応する。したがって、下部分420Bは、それぞれの上部分420Aよりも大きい断面サイズを有する。
【0046】
図4Cでは、2つの区間400Aおよび400Bが、同じ連続的なモノリシックの単一ウェーハ400に属することが示されている。2つの区間400Aおよび400Bは同一の材料であってもよいが、異なるドーピング水準を有する同じウェーハでもあり得る。
【0047】
図4Dには、別の構成が示されているが、そこでは上部分410A、412A、414Aおよび416Aと、下部分410B、412B、414Bおよび416Bとが、2つの別体の層、すなわち、互いに接合されて複合ウェーハ400を形成する上部層401Aと下部層401Bとに属する。2つの別体の層401Aおよび401Bは、図4Dに示したように直接互いに接合されてもよいし、または介在材料(図示せず)を介して間接的に接合されてもよいことが理解される。
【0048】
ウェーハ400が上部層410Aおよび下部層401Bから作製される場合は、導体の上部分および絶縁体の上部分は上部層401Aの中に形成されてもよく、他方で導体の下部分および絶縁体の下部分は下部層401Bの中に形成されてもよい。断面サイズの差異に加えて、導体の上部分および導体の下部分はまた、異なる材料から作製可能である。同様に絶縁体の上部分および絶縁体の下部分も異なる材料から作製可能である。本明細書に例示された基本設計に基づいて、多くの変型または変更が実施可能であることが理解される。唯一の要件は、ウェーハ400の上面と下面との間の導体410、412、414および416に沿って、導電性経路が維持されることである。
【0049】
図4A〜図4Dおよび以下の他の図では、4つの同一の導体アレイを使用する相互接続設計を示す。しかし、貫通ウェーハ相互接続設計は、任意の数のデバイス、デバイスの任意のアレイ、貫通ウェーハ導体の任意のアレイ、または異なる数のデバイスおよび導体を有する多連アレイ、ならびに貫通ウェーハ相互接続を必要とし得るかまたはそれから利益を受け得る他の任意の構成に使用可能であることが理解される。さらには、図示の実施例では、導体、絶縁体、およびフレームの断面が正方形を有するが、これらの部分は、その配置が本発明に従って所望の貫通ウェーハ相互接続を設ける限り、任意の幾何学形状であり得ることが理解される。
【0050】
図5A〜図5Cは、多導体を有する別の貫通ウェーハ相互接続設計の模式図を示す。図5Aは本設計の上面図を示し、図5Bは本設計の下面図を示し、ならびに図5Cは図5Aおよび5Bにおける破線を通る本設計の断面図を示す。
【0051】
図5A〜図5Cにおける貫通ウェーハ相互接続構造は、図4A〜図4Cにおけるものと同様である。貫通ウェーハ相互接続構造は導電ウェーハ500の中に構築されて4つの導体510、512、514および516のアレイを有し、それぞれが導電ウェーハ500の前面(上部)を通過して導電ウェーハ500の裏面(下部)に達する。貫通ウェーハ相互接続構造は、それぞれが対応する導体510、512、514および516を包囲する絶縁体520、522、524および526を有するパターン形成した絶縁体アセンブリと、導体510、512、514および516と絶縁体アセンブリ(絶縁体520、522、524および526)とを機械的に支持するフレーム530とをさらに有する。図2〜図3および図4A〜図4Cに示した貫通ウェーハ相互接続と同様に、図5A〜図5Cにおける貫通ウェーハ相互接続構造は、それぞれの導体510、512、514および516の少なくとも一部とフレーム530の少なくとも一部とが、それぞれに導電ウェーハ500の固有材料を含み、導体510、512、514および516とフレーム530の少なくとも一部とが、導電ウェーハ500から直接製造されることを可能にすることを特徴とする。
【0052】
図5A〜図5Cでは、導体510、512、514および516は、それぞれが上部分(510A、512A、514Aおよび516Aのそれぞれ)と下部分(510B、512B、514Bおよび516Bのそれぞれ)とを有することも示されている。下部分510B、512B、514Bおよび516Bは、それぞれが上部分510A、512A、514Aおよび516Aのそれぞれよりも小さい断面サイズを有する。これは、過剰に大きな貫通ウェーハ導体をもたらすことで、高い寄生静電容量などの望ましくない効果を引き起こす必要もなく、貫通ウェーハ導体の上部分510A、512A、514Aおよび516Aを貫通する大きな相互接続接点領域の実現を可能とする。
【0053】
上部分510A、512A、514Aおよび516Aと下部分510B、512B、514Bおよび516Bとが、同じ連続的な単一ウェーハ500の異なる区間に属してもよいし、または複合ウェーハ500を形成するために互いに接合された2つの別体の層に属してもよいことが理解される。2つの別体の層は、直接互いに接合されてもよいし、または介在材料(図示せず)を介して間接的に接合されてもよい。
【0054】
図4A〜図4Cにおける貫通ウェーハ相互接続構造とは異なり、図5A〜図5Cの貫通ウェーハ相互接続は、わずかにより精緻なフレーム530を有する。フレーム530は、外部周囲壁530aおよび複数の導体間壁530bを有する。外部周囲壁530aは、導体510、512、514および516と絶縁体520、522、524および526の絶縁体アセンブリとが配置される全体領域を画定し、他方で複数の導体間壁530bは全体領域を複数の小領域にさらに分割し、それぞれが導体510、512、514および516の1つと、導体を包囲する絶縁体アセンブリ(本実施例では、それぞれ絶縁体520、522、524および526)のそれぞれの包囲部分とを含む。
【0055】
フレーム530の導体間壁530bはまた、複数の導体510、512、514および516間のデカップリング導体として機能する導電材料を有することができる。この導電材料も導電ウェーハ500の固有材料であってもよく、よってデカップリング導体(フレーム530の導体間壁530b)が、貫通ウェーハ導体510、512、514および516と一緒に導電ウェーハ500から製造されることを可能にする。デカップリング導体は、ある一定の電圧源(DCまたはAC)に接続可能である。このデカップリング設計は、電気AC信号が絶縁材料を介して導体間を結合できるので、本明細書に示された貫通ウェーハ相互接続設計に有用である。導体510、512、514および516間にデカップリング導体530bなどの導電性の層または壁を配置することは、これらの導体間の電気的結合を遮断する助けになる。
【0056】
図5Dは、図5A〜図5Cにおける貫通ウェーハ相互接続構造の変型の断面図を示す。図5Dでは、導体間壁531bが外部周囲壁530aよりも低く、ウェーハ500の下方部分のみを横切って延びる。
【0057】
幾つかの特殊な用途では、変換素子が、フレキシブル貫通ウェーハ接続に接続される必要があり得る。フレキシブル貫通ウェーハ接続は、接続の厚さを薄くすることによって実現可能である。しかし、本発明の貫通ウェーハ相互接続の独特な設計では、貫通ウェーハ接続に沿った部分(導体、絶縁体およびフレーム)が、ただその薄さだけではなく、その形状によってもフレキシブル構造として設計され得る。
【0058】
図6は、本発明に係るフレキシブル貫通ウェーハ相互接続構造の下面図を示す。図6の貫通ウェーハ相互接続構造は、図5A〜図5Cにおけるものと同様である。示された破線から断面図が取られると、それは図5Cに示してある断面図と同様に見える。フレーム630は、導体610、612、614および616(図示の下部分610B、612B、614Bおよび616B)と、絶縁体620、622、624および626の絶縁体アセンブリとが配置される全体領域を画定する外部周囲壁630−1、630−2、630−3および630−4を有する。フレーム630はまた、それぞれが導体610、612、614および616の1つと、導体を包囲する絶縁体アセンブリのそれぞれの部分(本実施例では、絶縁体620、622、624および626のそれぞれ)とを含む小領域に、全体領域をさらに分割する導体間壁630−5および630−6も有する。
【0059】
図5A〜図5Cにおける貫通ウェーハ相互接続構造とは異なり、フレーム630の壁630−2、630−4および630−6は、薄いセグメントから作製されてジグザグ形状を有する。これらの薄いジグザグ形状壁は、伸張または圧縮によってある一定程度の柔軟性を与える。このような柔軟性は、貫通ウェーハ相互接続構造が、可動部分を有するか、または曲げを蒙る部分を有する超小型電子デバイスを製造および実装するために使用されるときに特に有用であり得る。
【0060】
製造方法の説明でより明確に説明されるように、図4A〜図4C、図5A〜図5Dおよび図6で上に示した貫通ウェーハ相互接続中の1つまたは複数の絶縁体は、環状トレンチの中に配置されてそれぞれが各導体を包囲する。環状トレンチは、導電ウェーハの固有材料を除去することによって形成される。絶縁体は、環状トレンチに追加された誘電材料を含んでもよい。
【0061】
図7は、本発明に係る貫通ウェーハ相互接続導体を包囲する絶縁体の実施例である。絶縁体720は、ウェーハ(図示せず)上に形成された環状トレンチの中に配置されて、空間745が介挿された、ウェーハの除去されなかった固有材料の線740を構成する。除去されなかった固有材料の線740は、パターン形成エッチング法(詳細が製造方法の説明の中で以下に本明細書で示される)などのパターン形成材料除去方法を使用して環状トレンチを形成するときに形成される。除去されなかった固有材料の線740は、導体(例えば、図4A〜図4Cにおける導体410および412)とそれらの包囲フレーム(例えば、図4A〜図4Cにおけるフレーム430)との間に支持枠組を形成することができる。絶縁体720による電気絶縁を保証するために、ウェーハの除去されなかった固有材料の線740が酸化され得る。電気絶縁をさらに保証するために、除去されなかった固有材料の線740の少なくとも一部は、線740によって形成された支持枠組が導体とフレーム(これも導電ウェーハの一部であり、したがって導電性である)との間で十分に絶縁性があるように完全に酸化され得る。別法としてまたは追加的に、除去されなかった固有材料の線740間の空間745を充填するために誘電充填剤材料が追加されてもよい。
【0062】
図8は、本発明に従って変更された導体の実施例を示す。この導体は、最初にウェーハの固有材料から作製されたが、ウェーハの元の固有材料とは一部が異なるようにさらに変更され得る。図8に示されているように、導体810は、上部分810Aおよび下部分810Bを有する。下部分810Bにおける元のウェーハ固有材料の一部が、下部端810Cから除去されて、除去されなかった固有材料の線840間に空間845を形成する。次いで、新たな材料が、この一部が中空になった構造に導入され、導体810の物理的特性を変更することができる。例えば、線840は、酸化を形成するために酸化されてもよいし、または新たな材料によって被覆されてもよい。追加的にまたは別法として、空間850に別の材料が充填されてもよい。
【0063】
貫通ウェーハ導体に関して図8に示したものと同様の変更が、デカップリング導体(図5A〜図5Cにおける530b)にも実施され得る。図9は、本発明に従って変更されたデカップリング導体の実施例を示す。例示的なデカップリング導体930は上部分930Aおよび下部分930Bを有する。下部分930B中における元のウェーハ固有材料の一部が、下部端930Cから除去されて、除去されなかった固有材料の線940間に空間945を形成する。次いで、新たな材料が、この一部が中空にされた構造に導入され、デカップリング導体930の物理的特性を変更することができる。例えば、線940は、酸化を形成するために酸化されてもよいし、または新たな材料によって被覆されてもよい。別法として、空間945に別の材料が充填されてもよい。
【0064】
本明細書に説明された導体は任意の導電材料から作製可能である。1つの適切な選択は、半導体ウェーハ(例えば、シリコン、GaA等)を使用して導体を形成することである。多量にドープされた半導体ウェーハは、導電率を向上させるために使用され得る。図4A〜図4D、図5A〜図5Dおよび図6〜図9で論じられたように、貫通ウェーハ導体は2つの部分から作製され得る。上部分が、ウェーハの前表面上のデバイスを接続するために使用される。それぞれの導体における上部分の形状は、通常、貫通ウェーハ相互接続に接続するデバイスの寸法および形状によって決定される。例えば、導体の上部分は、容量性の微細機械加工された超音波変換素子(cMUT)の電極の1つとしての役目を果たし得る。導体の下部分は、相互接続の静電容量と抵抗との間の兼ね合いを図って設計される。静電容量は導体の直径の長さと伴に増大する。より大きな断面サイズの(すなわち、より厚い)貫通ウェーハ導体は、より大きな寄生静電容量を意味する。他方で、抵抗は導体の断面サイズと伴に減少する。これらの性能を最適化するために平衡が取られる。
【0065】
絶縁体の上部分および絶縁体の下部分は、同じ材料から作製されてもよいし、または異なる材料から作製されても良い。限定するものではないが、両方が真空、空気、シリコン、酸化物、窒化物、シリコンオングラス(SOG)、テトラエトキシシラン(TEOS)、ポリイミド、重合体、ゴム、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、エポキシ、ゲル、および超音波変換素子用の任意の充填材料、またはこれらの組合せを含めて、任意の種類の媒体または材料から作製され得る。しかし、適切な絶縁を保証するために、有用な組合せによって、全体として非導電性である絶縁体が得られるべきである。異なる材料の組合せが絶縁体の一部(上部分または下部分)に使用されるとき、少なくとも1つの材料が絶縁材料であることが好ましい。さらには、絶縁体の構成は、ウェーハまたはデバイスがデバイス製造プロセス時にならびにデバイス組立および実装時に耐え得るように、機械的な強さをウェーハに与えるべきであることが望ましい。
【0066】
本明細書に説明された製造方法に示されているように、貫通ウェーハ接続は、ある一定の製造工程において、処理されたウェーハの研削および研磨を使用して所望の厚さに制御され得る。より容易でかつより信頼性のある製造プロセスおよび実装処理のためには、通常、より厚い貫通ウェーハ接続が好ましいが、デバイス性能を向上させるためにはより薄い貫通ウェーハ接続が通常は望ましい。しばしば均衡が取られる必要がある。しかし、このような矛盾は、慎重に設計された製造プロセスによって少なくとも一部が回避される。例えば、ウェーハを薄くすることは、貫通ウェーハ接続の製造の前、後または最中に実施可能である。ウェーハの厚さが薄すぎてプロセス時に処理できない場合には、貫通ウェーハ接続を有する薄いウェーハは、適切なウェーハ接合技術または適切な静摩擦層を使用して別のウェーハに接合または粘着されてもよい。この技術を使用すると、得られる接合ウェーハは、全体として、処理されるのに十分に堅牢になり得る。
【0067】
電気的特性の他に、貫通ウェーハ接続に接続する特定のデバイスの特殊な必要性を満たすために、貫通ウェーハ接続の設計上の他のパラメータも考慮され得る。例えば、IRセンサでは、熱伝導性および熱キャパシタンスが重要なパラメータである。例えば、慣性センサでは、貫通ウェーハ相互接続が、環境からの振動結合に非感受性であるように設計され得る。超音波変換素子では、貫通ウェーハ相互接続の材料選択および構造構成は、幾つかの音響特性を実現するために使用されるべきである。例えば、相互接続は、cMUT要素間を音響的にデカップリングし、変換素子から基板の中へ漏れる音響エネルギーを吸収するべきである。本発明における貫通ウェーハ相互接続は、所望の性能を実現するために、多くの様々な材料を選択し、さらに様々な形状および構成を有する導体、絶縁体ならびにデカップリング導体を設計するための融通性を与える。
【0068】
貫通ウェーハ相互接続の製造方法
多様な製造方法を用いて本発明に係る貫通ウェーハ相互接続を作製することができる。貫通ウェーハ相互接続の製造は、デバイス製造プロセスの前または後に実施可能である。さらには、貫通ウェーハ相互接続の製造がデバイスの製造と統合されてもよい。
【0069】
製造方法の選択は、デバイス製造および貫通ウェーハ相互接続製造の材料互換性およびプロセス互換性(例えば、プロセス熱予算、エッチング選択性、ウェーハ表面微細構成、およびウェーハ剛性等)に応じる。プロセス方法および使用材料は、互換性を保証するために、プロセス温度などの要素に配慮して、それぞれの製造工程で慎重に評価されるべきである。これは、デバイスおよび相互接続の製造が統合されるときに特に重要である。
【0070】
以下に、本発明の貫通ウェーハ相互接続に関する幾つかの例示的な製造方法が説明される。シリコンウェーハが、例示目的のためのこれらの実施例で使用される。しかし、材料およびプロセス選択を含めて、これらの例示的な実施例によって製造方法が限定されることはない。
【0071】
採用された個々の工程は、その所期の目的の文脈で広く解釈されるべきである。例えば、「材料を追加する」という語句は、追加される材料が外部材料でなければならないことを意味するものではない。材料は、別法としてまたは追加的に、酸化などの新たな材料を形成するプロセスによって追加されてもよいことが理解される。さらには、薄くするプロセスは、下のプロセスの流れの実施例には示されていない。ウェーハを薄くするプロセスは、製造プロセスの前および/または最中に実施可能であることが理解される。
【0072】
下で説明される幾つかの製造方法は、デバイス製造と貫通ウェーハ相互接続製造との統合の程度を示す。しかし、相互接続の製造方法は、デバイス製造と統合されてもまたは統合されなくてもよいことが理解される。
【0073】
さらには、貫通ウェーハ相互接続は、本明細書に説明された様々な製造方法の幾つかの工程を組み合わせることによって、または工程の順番を変更することによって製造されてもよい。
【0074】
(1)製造方法I
図10−1〜図10−5は、第1の例示的な製造方法の工程の流れを示す。図10−4Bは、プロセス中の別法の工程を示す。図10−3Bは、図10−3Aに示した工程後の貫通ウェーハ相互接続構造の下面図である。プロセスの流れが以下のステップで概説される。
【0075】
ステップ1(図10−1)では、パターン形成した上部トレンチ1010が、貫通ウェーハ導体の上部分1020と導体間フレーム1025の上部分とを画定するためにシリコンエッチングによってシリコンウェーハ1000の上に形成される。導体間フレーム1025の実施例が、図5A〜5Dで導体間壁530bとして例示されている。しかし、導体間フレーム1025を備えない貫通ウェーハ相互接続(図4A〜図4Dに示したものなど)を製造するために、同様のプロセスを使用してもよいことが理解される。
【0076】
シリコンウェーハ1000の上部から眺めると、パターン形成した上部トレンチ1010は、上面図である図4Aおよび図5Aに例示したものと同様の環状円周開口部を示す。本明細書では、「環状の」という用語は、開口部が概ね円環状に形作られていることを意味するが、円環の任意特定の形状を示唆するものでもなければ、それは円環が全体的に完全であるかまたは切れ目がないことを示唆するものでもない。
【0077】
図4Aおよび図5Aなどの例示的な上面図に示したように、環状上部トレンチ1010は、シリコンウェーハ1000をトレンチ開口部に沿って全体的に内部分と外部分とに分割し、それによってシリコンウェーハの内部分が、作製されている貫通ウェーハ相互接続の貫通ウェーハ導体としての役目をすることになる。
【0078】
ステップ2(図10−2)では、熱酸化1030(または低温酸化物(LTO)、窒化物等)が、次のステップにおける裏面シリコンエッチングのためにエッチングストップ層1040を形成するために上部トレンチ1010を覆って成長させられる。追加的にまたは別法として、必要であれば、充填材料(図示せず)がトレンチ1010の中へ追加されてもよい。充填材料は、外部材料でもよいし、またはトレンチ1010中の除去されなかった固有材料を酸化することによって形成されてもよい。裏面シリコンエッチングは、導体の下部分の形状を画定することになる。
【0079】
ステップ3(図10−3A)では、裏面シリコンエッチングが下部トレンチ1060を形成するために実施される。下部トレンチ1060のパターン全体が、貫通ウェーハ導体1050の下部分を画定する。例示した特定の実施例では、下部トレンチ1060にウェーハ材料が全く存在しないわけではない。そうではなく、それぞれの下部トレンチ1060が、除去されなかった導電ウェーハ材料の薄いシリコン線1065が介挿された開放通路(間隙または空間)1045を備えるように、トレンチ開口部の内部で微細パターン形成される。下部トレンチ1060内部の微細パターンの形状、サイズ、および空間は、それが空虚なトレンチの特性の有意味な変更または次のステップの適正な準備を行う限り、特定のモデルのいずれにも限定されない。
【0080】
ステップ4(図10−4A)では、薄いシリコン線1065の微細パターンが酸化される。随意選択的には(図10−4B)、薄いシリコン線1065間の開放通路1045が、シリコン線1065を酸化することなく、充填材料1055で充填されてもよい。充填材料1055は、酸化物、ポリジメチルシロキサン、シリコンオングラス(SOG)、または所望の電気的もしくは機械的特性を実現するための別の材料でもよい。
【0081】
ステップ5(図10−5)では、薄いシリコン線1065が上のステップ4で酸化される場合には、随意選択的に、薄いシリコン線1065間の開放通路1045が充填材料1055で依然として充填され得るが、この充填材料は、酸化物、ポリジメチルシロキサン、シリコンオングラス、または所望の電気的もしくは機械的特性を実現するための別の材料でよい。
【0082】
薄いシリコン線1065は、これらの薄い線1065が酸化され得るように、空間(開放通路1045)が充填され得るように、かつ酸化により誘発される応力が最小化されるように設計されることが好ましい。
【0083】
パターン形成した薄いシリコン線1065の2つの例示的な設計が、ステップ3(図10−3A)の終了時におけるシリコンウェーハ1000の下面図を示す図10−3Bおよび10−3Cに例示されている。図10−3Bに示したパターンは、図10−4Aおよび図10−5に示したステップに続く。図10−3Cに示したパターンは、図10−4Bに示したステップに続く。シリコン線の他の多くの可能なパターンおよび多様な異なる厚さが使用可能である。パターンは、望ましくは製造および実装プロセス時にウェーハに十分な機械的強度を与えるべきである。例えば、除去されなかった導電ウェーハ材料の線は、導電ウェーハの内部分(導体1050)および外部分(フレーム1005)を連結しかつ支持するために、これらの2つの部分間に枠組を形成することができる。
【0084】
微細パターン中の薄いシリコン線1065の少なくとも一部または薄いシリコン線1065の幾つかのセグメントは、それが導体間に絶縁を形成するために完全に酸化され得るように、十分に薄いことが好ましい。図11−1〜図11−2は、完全に酸化され得るセグメントを有する例示的な薄いシリコン線を示す。図11−1は酸化前の薄いシリコン線1100を示す。図11−2は、セグメント1110および1120が完全に酸化されている、酸化後の薄いシリコン線1100を示す。
【0085】
さらには、パターンは、酸化プロセス時に蓄積される応力を最小化するように、かつ、必要であれば、所望の特性を有する選択材料(例えば、低温酸化物、シリコンオングラス、テトラエトキシシラン、窒化物、ポリイミド、重合体、ゴム、ポリジメチルシロキサン、メタクリル酸メチル、エポキシ、ゲル等)によって容易に充填されるように設計可能である。最後に、パターン自体は、貫通ウェーハ相互接続によって支持されるデバイスに特に関連する所望の特性を有するように設計可能である。例えば、パターンは、貫通ウェーハ相互接続が微細機械加工された超音波変換素子を支持するために使用されるとき、ある一定の音響インピーダンスを実現するように設計される。さらには、必要であれば、パターン形成した構造は、所望の方向へ撓み得るように設計可能である。
【0086】
デバイス製造(例えば、cMUTの製造)は、酸化ステップ(ステップ3)の後で開始されてもよい。本実施例で示した貫通ウェーハ接続は、デバイス製造の前または最中に実施可能である。
【0087】
さらには、ステップ2(図10−2)の後で、(好ましくは絶縁性の)充填材料が上部トレンチ1010の中へ追加されてもよい。この手順によって、上部トレンチ1010自体の内部の絶縁材料が、プロセス時に導体(またはウェーハ)を十分に堅牢に保持する程に十分な強度を与えることが可能である。この場合には、トレンチ1060の形状および内部パターンは、導体を支持しかつそれを接続するための枠組を形成するように設計せずに済ますことができる。図10−3Cに実施例が示されている。したがって、導体間の電気絶縁は、パターン形成したトレンチ中の微細パターンの酸化を利用するのではなく、単に絶縁充填剤材料をトレンチの中へ追加することによって実現されてもよい。
【0088】
さらには、本実施例における貫通ウェーハ相互接続の製造方法は、最初に下部トレンチ1060を形成し、次いで上部トレンチ形成1010および誘電材料の充填(図示せず)を完了することによって、逆の順序で実施可能である。
【0089】
(2)製造方法II
図12−1〜図12−7は、第2の例示的な製造方法のプロセスの流れを示す。このプロセスの流れは、以下のステップにより説明される。
【0090】
ステップ1(図12−1)では、上部トレンチ1210が、シリコンウェーハ1200の上にエッチングされる。酸化物1220が空洞1210を覆って成長させられる。酸化物1220は、上部トレンチ1210中の酸化物のみが、引き続くステップにおいて裏面シリコンエッチングのエッチングストップ1225として維持されるようにパターン形成される。
【0091】
ステップ2(図12−2)では、第2のウェーハ1230が、上部トレンチ1210の上部の上方でシリコンウェーハ1200に接合される。ウェーハ1230は、導体の上部分を形成するために所望の厚さに研削される。層1230もシリコンオンインシュレータ(SOI)ウェーハ中のシリコン層から取られてもよい。
【0092】
ステップ3(図12−3)では、デバイス1235(例えば、cMUT)が、後段で酸化が必要な場合に、この製造されたデバイスが依然として高温プロセスを許容する段階まで第2のウェーハ1230の面上にまたは上方に製造される。デバイス1235は、細部または厳密な位置を示すことなく単純な箱によって表されている。デバイス1235の製造は、さらなる後続の高温プロセスステップがなければ、このステップで終了してもよい。第2のウェーハ1230は、デバイス1235の下部電極などの電気接点としての役目をする。
【0093】
ステップ4(12−4)では、パターン形成した下部トレンチ1240が、導体の下部分1250を画定するために裏面エッチングを用いて形成される。パターン形成した下部トレンチ1240は、間隙もしくは空間1245が介挿されるかまたはそれによって相互から離間される、シリコンウェーハ1200の除去されなかった固有材料のパターン形成した線1265を有する。図10−3Bまたは図10−3Cに示されたものなど、線1265および空間1245の任意のパターンが、所望のプロセスおよび特性に応じて設計されかつ使用されてもよいことが理解される。
【0094】
ステップ5(図12−5)では、パターン形成した下部トレンチ1240が、導体1250間に絶縁を形成するために酸化される。好ましくは、先のシリコンエッチングステップ(ステップ4)で画定されたシリコン線1265の少なくとも一部が完全に酸化される。より好ましくは、シリコン線1265のすべてが完全に酸化される。この酸化はまた、貫通ウェーハ相互接続の下部分1250ばかりでなく、外部フレーム1205および導体間フレーム1255の下部分を覆う酸化物層1270を形成する。
【0095】
ステップ4(図12−4)で、層1230およびデバイス1235が、プロセスに耐えるために導体(またはウェーハ)を保持する程に十分な強度を与え得る場合には、トレンチ1240の形状およびパターンは、このような目的を果たすように設計されずに済ますことができる。例えば、トレンチ1240は、導体とフレームとの間の電気絶縁を直接実現するために(図10−3Cに示したパターンなど)、ウェーハを切り通すように設計されてもよい。したがって、酸化ステップ(ステップ5、図12−5)は、導体間に絶縁を形成する必要がない。しかし、プロセスを終了するために必要であれば、依然として充填材料がトレンチ内部の空洞の中へ追加されてもよい。
【0096】
ステップ6(図12−6)では、パターン形成した下部トレンチ1240中の間隙または空間1245が、所望の特性を有する材料1260を使用して充填される。導体にアクセスするために、ビアが、貫通ウェーハ導体の下部分1250の下部表面上の酸化物1270の上に空けられる。その後に、所望の特性を有する金属層1280が堆積されかつパターン形成される。その後で導体間の間隙が充填されることになっていなければ、ハードマスクを使用して貫通ウェーハ相互接続の裏面上に金属パターンを形成してもよい。
【0097】
ステップ7(図12−7)では、前部表面上へのデバイス1235の製造が完了され、導体の上部分1252がシリコンエッチングによってさらに画定される。
【0098】
本方法では、本明細書に説明された他の方法と同様に、幾つかのステップ(酸化および充填材料の追加など)が随意選択的であることが理解される。これは、本明細書で随意選択的であると特に指摘されたものだけに限定されるものではない。
【0099】
(3)製造方法III
図13−1〜図13−8は、第3の例示的な製造方法のプロセスの流れを示す。本方法は、導体の下部分を画定する裏面シリコンエッチングのためのエッチングストップを画定するために異なる技術を使用する以外は、上の第2の方法と同様である。プロセスの流れが、以下のステップで説明される。
【0100】
ステップ1(図13−1)では、上部トレンチ1310がシリコンウェーハ1300の上にエッチングされる。酸化物1320が、上部トレンチ1310を覆って成長させられる。次いで、上部トレンチ1310の下部1322にある酸化物が除去される。
【0101】
ステップ2(図13−2)では、等方性シリコンエッチングが空洞1324を形成するために実行される。等方性シリコンエッチングによって創出された空洞1324の表面は、裏面シリコンエッチングのためのストップ層1325を形成するために酸化される。所望であれば、トレンチ1310には、このステップにおいて充填剤材料(図示せず)が充填され得る。
【0102】
ステップ3(図13−3)では、デバイス1330(例えば、cMUT)が、後段で酸化が必要な場合に、この製造されたデバイスが依然として高温プロセスを許容する段階までウェーハ1300の面上にまたは上方に製造される。デバイス1330の製造は、さらなる後続の高温プロセスステップがなければ、このステップで終了されてもよい。
【0103】
ステップ4からステップ8までのプロセス(図13−4〜図13−8)は、製造方法IIにおけるステップ4(図12−4)からステップ7(図12−7)までに説明されたプロセスと同様である。これらの図では、パターン形成された下部トレンチ1340、シリコンウェーハ1300の除去されなかった固有材料のパターン形成した線1365、空間1345、貫通ウェーハ導体の下部分1350、導体間フレーム1355、充填剤材料1360、酸化物層1370、金属層1380、および導体の上部分1352は、製造方法IIにおけるその均等物と同様である。
【0104】
本方法では、本明細書に説明された他の方法と同様に、幾つかのステップが随意選択的であることが再び理解される。
【0105】
(4)製造方法IV
図14−1〜図14−6は、第4の例示的な製造方法のプロセスの流れを示す。プロセスの流れが以下のステップで概説される。
【0106】
ステップ1(図14−1)では、図12−1、図12−2および図12−3に示された上記製造方法IIの最初の3ステップで説明された同じステップが、シリコンウェーハ1400上で最初に実行される。上部トレンチ1420および裏面エッチングストップ層1425が、これらのステップで形成される。デバイス1490の製造方法は、この段階で完了されてもよい。
【0107】
ステップ2(図14−2A)では、パターン形成された下部トレンチ1440が、貫通ウェーハ導体の下部分1450を画定するために裏面エッチングを用いて形成される。パターン形成した下部トレンチ1440は、間隙または空間1445が介挿されるかまたはそれによって相互から離間される、シリコンウェーハ1400の除去されなかった固有材料のパターン形成した線1465を有する。線1465および空間1445の任意のパターンが、所望のプロセスおよび特性に応じて設計されかつ使用されてよいことが理解される。このステップでは、デカップリング導体としての役目を果たし得る導体間フレーム1455が、所望であれば形成されてもよい。
【0108】
さらには、ステップ2では、導体の構造および特性をさらに変更するために、裏面エッチングが、貫通ウェーハ導体のフレーム1405、導体間フレーム1455、および下部分1450の上にも実行されてもよい。この技術を用いて、貫通ウェーハ相互接続技術を使用して製造されかつ実装されている特定種類のデバイスのために、幾つかの所望の効果を実現することができる。例えば、デバイスが、微細機械加工された超音波変換素子(MUT)である場合に特殊な音響特性を実現するために、特殊なパターンがエッチング可能であり、材料が追加可能であり、およびエッチングされたパターンの中に酸化が実行可能である。
【0109】
図14−2Bに、この余分の図示された裏面エッチングおよびウェーハ変更の実施例が例示されており、それは、ステップ2における断面図14−2Aの別法であるが、追加的なエッチングを伴う。この余分の製造ステップは同様の方式で他の製造方法に組み込まれ得ることが理解される。
【0110】
ステップ3(図14−3)では、パターン形成した下部トレンチ1440中の間隙または空間1445が、所望の特性を有する材料1460を使用して充填される。
【0111】
ステップ4(図14−4A)では、下部トレンチ1440中のシリコンパターンの全部または一部が、導体1450と導電性フレーム(1405および1455)との間を絶縁するためにエッチングされる。例えば、ここでは、先に除去されなかったシリコン線1465の少なくとも一部が、間隙(空間)1466を形成するために除去されてもよい。ステップ2で論じられたように、このようなエッチングが先のステップ(例えば、ステップ2)で実行済みでない場合には、貫通ウェーハ導体の下部分1450および導電性フレーム(外部フレーム1405および導体間フレーム1455)もこのステップにおいて所望のパターンにエッチングされ得る。
【0112】
図14−4Bは、ステップ4の後の下面図である。
【0113】
ステップ5(図14−5)では、ステップ4におけるシリコンエッチングから創出された間隙1466が、所望の特性を有する1つまたは複数の材料1467を使用して充填される。このステップは随意選択的である。次いで、金属層1480が、貫通ウェーハ導体および導電性フレームの下部表面上に堆積されかつパターン形成される。
【0114】
ステップ6(図14−6)では、デバイス製造がウェーハ表面上で完了され、貫通ウェーハ導体の上部分1452が、ウェーハの上面からのエッチングによってさらに画定される。
【0115】
製造方法1〜3と比べて、製造方法4は、導体と導電性フレームとの間を絶縁するために熱酸化の高温プロセスを使用しない。その代わりに、導体間のシリコンパターンの全部または一部が、これらの間の絶縁を実現するためにエッチングされる(ステップ4参照)。この理由のために、所望の特性を有する少なくとも1つの材料が、貫通ウェーハ導体の下部分も画定する裏面シリコンエッチングによって創出されたシリコンパターン内部の間隙または空間を充填するために使用されるべきである。対照的に、製造方法1〜3では、酸化物パターン内部の間隙を充填するステップは完全に随意選択的である。
【0116】
上の製造方法IVも、得られる方法が、上部トレンチ1420および裏面エッチングストップ層1425が異なるように形成されることを除いて、実質的に製造方法IVと同様であるように製造方法I〜IIIと組み合わせられてもよい。
【0117】
本明細書に説明された他の製造法におけるように、必要であれば、ウェーハを薄くすることが実行され得る。導体間の間隙が充填されることがない場合には、ハードマスクを使用して貫通ウェーハ相互接続の裏面上に金属パターンを形成してもよい。
【0118】
(5)製造方法V
図15−1〜図15−8は、第5の例示的な製造方法のプロセスの流れを示す。図15−1B、図15−2Bおよび図15−3Bは、それぞれのステップにおける貫通ウェーハ相互接続の上面図を示す。プロセスの流れが以下のステップで概説される。
【0119】
ステップ1(図15−1Aおよび図15−1B)では、導体間の絶縁を形成するために酸化され得るシリコンパターン1512有する深いトレンチ1511を形成するように、深いシリコンエッチングが、ウェーハ1500の前面から所望の厚さまで実行される。所望であれば、エッチングはウェーハ1500全体を貫通してもよい。シリコン表面上の凹所1513が、必要であれば最初にエッチングされ得る。図15−1Aは、この形成体の断面図であり、他方で図15−1Bは同形成体の上面図である。本図に示された例示的なシリコンパターンは、この構造中の酸化物容積および熱応力効果を最小化するように設計されている。他のパターンも、それらが酸化され、かつ製造完了後に導体間に絶縁を形成できる限り使用されてもよい。
【0120】
ステップ2(図15−2Aおよび図15−2B)では、先のステップで形成されたシリコンパターン1512が、酸化物形成体1514を形成するために酸化される。図15−2Aはこの形成体の断面図であり、他方で図15−2Bは同形成体の上面図である。
【0121】
ステップ3(図15−3Aおよび図15−3B)では、パターン形成した環状の深いトレンチ1541が形成される。図15−3Aは、この形成体の断面図であり、他方で図15−3Bは同形成体の上面図である。環状の深いトレンチ1541は、フレーム1505と導体1550との間で一緒に枠組を形成する、除去されなかったシリコン線1543と空虚な空間(間隙)1542とを有する。環状の深いトレンチ1541は、導体を絶縁し、かつ導体の下部分を画定することになる。薄い酸化物が、後段のプロセス用のストップ層を形成するために成長させられてもよい。
【0122】
ステップ4(図15−4)では、プライムウェーハ1551が凹所1513の上方でパターン形成したウェーハ1500に接合され、所望の厚さに研削および研磨される。層1551はまた、シリコンオンインシュレータのウェーハとの接合によって獲得されてもよい。
【0123】
ステップ5(図15−5)では、プライムウェーハ1551が、導体の上部分1552を形成するためにパターン形成されかつエッチングされる。ステップ5は随意選択的である。
【0124】
ステップ6(図15−6)では、デバイス1535が製造される。エッチングプロセスが、導体の上部分を画定するために実行され得る。
【0125】
ステップ7(図15−7)では、ウェーハ1500が、このウェーハの裏面から環状の深いトレンチ1541の下部に到達するように研削(および必要に応じて研磨)されるか、またはエッチングされる。エッチングストップ層が先のステップで環状の深いトレンチ1541の下部に形成された場合には、裏面エッチングは各エッチングストップ層で止まる。
【0126】
ステップ8(図15−8)では、シリコンパターン中の間隙1545には、必要であれば所望の材料1560が充填される。次いで、金属層1580がウェーハの裏面上に堆積されかつパターン形成される。
【0127】
貫通ウェーハ相互接続がcMUT用に使用される場合には、貫通ウェーハ導体の上部分1552が、cMUTの下部電極としてばかりでなく、基板としての役目も果たし得る。導体間の間隙が再充填されることがない場合には、ハードマスクを使用して貫通ウェーハ相互接続の裏面上に金属パターンを形成してもよい。
【0128】
本発明の貫通ウェーハ相互接続のより広い応用領域が存在する。一般に、それは、IC;センサアレイ、変換素子アレイ、およびフォトイメージャアレイで使用される超小型電子デバイス;ならびに携帯電話および携帯型情報端末のような携帯式装置で使用されるモジュールなどの電子部品を小型化するために使用され得る。本発明を応用すると、ウェーハ表面中またはそれを横切って延びる長い配線を回避し、よって望ましくない寄生静電容量および高い相互接続抵抗を低減する助けとなる。したがって、本発明は部品のチップサイズ実装(CSP)に到達する際に、究極の小型化の実現を促進する。これは、可能性としてより効率的な製造プロセス、プリント基板上における部品の占有面積の低減、より大きなフィルファクタ(fill factor)をもたらし、ならびにデバイス性能も向上させることができる。特に、本発明の設計は、従来の再配線方法では不十分である垂直の個別部品および積層平面ダイを有するデバイス用に使用可能である。本発明の貫通ウェーハ相互接続の製造方法は、多数のパッケージの同時製造をもたらすウェーハレベルの処理を可能にする。
【0129】
貫通ウェーハ相互接続の1つの例示的な構想された用途は、限定するものではないが、デジタルカメラおよび携帯電話に使用されるフォトイメージャ、微細機械加工された超音波変換素子(cMUT、圧電性の超音波変換素子(pMUT)、および磁気的な超音波変換素子(mMUT)などのMUT)、ならびに超微小ミラーアレイを含めた、微小機械的なスマートセンサおよびアクチュエータシステムに存在する。このようなシステムは、機械的機能が異なるウェーハにわたって分布され、これらのウェーハの1つが読出し回路を内蔵するために専用である多ウェーハデバイスとしてしばしば実現される。個々に処理されたウェーハは、関連するプロセスが能動的な電気および微小機械システムの適切な動作によって課せられた制約条件と適合すれば、ウェーハツーウェーハ接合を使用して組立可能であり、本発明の貫通ウェーハ相互接続を使用して単一の機能的な電子機械ユニットに組合せ可能である。
【0130】
特に、本発明に係る貫通ウェーハ相互接続技術は、すべてが本出願人によって本特許出願と同日に出願された国際特許出願(PCT)(例えば、特許文献1、特許文献2および特許文献3参照)に開示された、新規のMUT(特に、cMUT)の製造および実装で使用可能である。これらの特許出願は、ここで参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0131】
以上の明細書では、本開示がその特定の実施形態を参照して説明されるが、本開示はそれらに限定されないことを当業者は認識されよう。以上に説明された開示の様々な特徴および態様は、個々にまたは併せて使用可能である。さらには、本開示は、本明細書のより広い趣旨および範囲から逸脱することなく、本開示で説明されたものを超える任意の数の環境および用途で活用可能である。本出願人は、以下の特許請求の範囲および趣旨の中に入るこのような変更および変型のすべてを請求するものである。したがって、本明細書および図面は、限定ではなく例示として考えられるべきである。本明細書で使用されたように、「備える」、「含む」および「有する」という用語は、技術の範囲が設定されない用語として読まれるべく特に企図されたものであることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】従来技術の貫通ウェーハ相互接続を示す図である。
【図2】本発明に係る貫通ウェーハ相互接続の模式的な断面図である。
【図3】本発明に係る別の貫通ウェーハ相互接続の模式的な断面図である。
【図4A】多導体を有する貫通ウェーハ相互接続設計の模式図である。
【図4B】多導体を有する貫通ウェーハ相互接続設計の模式図である。
【図4C】多導体を有する貫通ウェーハ相互接続設計の模式図である。
【図4D】図4Cの変型を示す図である。
【図5A】多導体を有する別の貫通ウェーハ相互接続設計の模式図である。
【図5B】多導体を有する別の貫通ウェーハ相互接続設計の模式図である。
【図5C】多導体を有する別の貫通ウェーハ相互接続設計の模式図である。
【図5D】図5A〜図5Cの貫通ウェーハ相互接続構造の変型を示す断面図である。
【図6】本発明に係るフレキシブル貫通ウェーハ相互接続構造を示す下面図である。
【図7】本発明に係る貫通ウェーハ相互接続導体を包囲する絶縁体の実施例を示す図である。
【図8】本発明に係る変更された導体の実施例を示す図である。
【図9】本発明に係る変更されたデカップリング導体の実施例を示す図である。
【図10−1】第1の例示的な製造方法のプロセスの流れを示す図である。
【図10−2】第1の例示的な製造方法のプロセスの流れを示す図である。
【図10−3A】第1の例示的な製造方法のプロセスの流れを示す図である。
【図10−3B】図10−3Aに示したステップで、貫通ウェーハ相互接続構造における例示的なトレンチパターン設計を示す下面図である。
【図10−3C】図10−3Aに示したステップで、貫通ウェーハ相互接続構造における別の例示的なトレンチパターン設計を示す下面図である。
【図10−4A】第1の例示的な製造方法のプロセスの流れを示す図である。
【図10−4B】第1の例示的な製造方法のプロセスにおける別法のステップを示す図である。
【図10−5】第1の例示的な製造方法のプロセスの流れを示す図である。
【図11−1】完全に酸化されるセグメントを有する例示的な薄いシリコン線を示す図である。
【図11−2】完全に酸化されるセグメントを有する例示的な薄いシリコン線を示す図である。
【図12−1】第2の例示的な製造方法のプロセスのステップ1を示す図である。
【図12−2】第2の例示的な製造方法のプロセスのステップ2を示す図である。
【図12−3】第2の例示的な製造方法のプロセスのステップ3を示す図である。
【図12−4】第2の例示的な製造方法のプロセスのステップ4を示す図である。
【図12−5】第2の例示的な製造方法のプロセスのステップ5を示す図である。
【図12−6】第2の例示的な製造方法のプロセスのステップ6を示す図である。
【図12−7】第2の例示的な製造方法のプロセスのステップ7を示す図である。
【図13−1】第3の例示的な製造方法のプロセスのステップ1を示す図である。
【図13−2】第3の例示的な製造方法のプロセスのステップ2を示す図である。
【図13−3】第3の例示的な製造方法のプロセスのステップ3を示す図である。
【図13−4】第3の例示的な製造方法のプロセスのステップ4を示す図である。
【図13−5】第3の例示的な製造方法のプロセスのステップ5を示す図である。
【図13−6】第3の例示的な製造方法のプロセスのステップ6を示す図である。
【図13−7】第3の例示的な製造方法のプロセスのステップ7を示す図である。
【図13−8】第3の例示的な製造方法のプロセスのステップ8を示す図である。
【図14−1】第4の例示的な製造方法のプロセスのステップ1を示す図である。
【図14−2A】第4の例示的な製造方法のプロセスのステップ2を示す図である。
【図14−2B】第4の例示的な製造方法のプロセスにおける別法のステップを示す図である。
【図14−3】第4の例示的な製造方法のプロセスのステップ3を示す図である。
【図14−4A】第4の例示的な製造方法のプロセスのステップ4を示す図である。
【図14−4B】図14−4Aに示したステップにおける貫通ウェーハ相互接続構造を示す下面図である。
【図14−5】第4の例示的な製造方法のプロセスのステップ5を示す図である。
【図14−6】第4の例示的な製造方法のプロセスのステップ6を示す図である。
【図15−1A】第5の例示的な製造方法のプロセスのステップ1を示す図である。
【図15−1B】図15−1Aに示した工程における貫通ウェーハ相互接続の上面図である。
【図15−2A】第5の例示的な製造方法のプロセスのステップ2を示す図である。
【図15−2B】図15−2Aに示した工程における貫通ウェーハ相互接続の上面図である。
【図15−3A】第5の例示的な製造方法のプロセスのステップ3を示す図である。
【図15−3B】図15−3Aに示した工程における貫通ウェーハ相互接続の上面図である。
【図15−4】第5の例示的な製造方法のプロセスのステップ4を示す図である。
【図15−5】第5の例示的な製造方法のプロセスのステップ5を示す図である。
【図15−6】第5の例示的な製造方法のプロセスのステップ6を示す図である。
【図15−7】第5の例示的な製造方法のプロセスのステップ7を示す図である。
【図15−8】第5の例示的な製造方法のプロセスのステップ8を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超小型電子構造の中に貫通ウェーハ相互接続を製造する方法であって、
前面および裏面を有する導電ウェーハを備えるステップと、
前記導電ウェーハの材料を除去することによって、前記導電ウェーハの中にパターン形成したトレンチを形成するステップであって、前記パターン形成したトレンチは、環状周囲開口部であって、前記開口部に沿って全体的に前記導電ウェーハを内部分と外部分とに分割する環状周囲開口部を有し、前記導電ウェーハの前記内部分は、前記外部分から絶縁されて貫通ウェーハ導体としての役目をすることと、
充填剤材料を前記パターン形成したトレンチの中へ追加するステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記充填剤材料は、前記内部分と前記外部分との間の機械的支持体として機能するように前記パターン形成したトレンチの中へ追加されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記充填剤材料は、前記内部分を前記外部分から電気絶縁する誘電材料であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記パターン形成したトレンチは、第1の断面サイズを有する第1のトレンチ部分と、前記第1の断面サイズとは異なる第2の断面サイズを有する第2のトレンチ部分とを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記貫通ウェーハ導体は、前記パターン形成したトレンチの第1の部分によって包囲されおよび画定された第1の部分と、前記パターン形成したトレンチの第2の部分によって包囲されおよび画定された第2の部分とを有し、前記貫通ウェーハ導体の前記第2の部分は前記貫通ウェーハ導体の前記第1の部分よりも小さい断面サイズを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記導電ウェーハは、互いに接合された2つの別体の層である上部層および下部層を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記導電ウェーハの前記2つの別体の層は、介在する材料層を備えることなく直接互いに接合されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記導電ウェーハは、ドープされたシリコンウェーハであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記導電ウェーハは、異なるドーピング水準を有する上部区間および下部区間を有するドープされたシリコンウェーハであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記パターン形成したトレンチを前記形成するステップは、
前記パターン形成したトレンチの第1の部分を前記前面および前記裏面の一方から形成するステップと、
前記パターン形成したトレンチの第2の部分を他方の面から形成するステップと
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記パターン形成したトレンチを前記形成するステップは、ストップ位置を画定するために前記第1の部分の下部の上にストップ層を形成するように、前記パターン形成したトレンチの前記第1の部分を酸化するステップをさらに含み、前記パターン形成したトレンチの前記第2の部分が前記ストップ位置に達するとき、前記パターン形成したトレンチの前記第2の部分を前記形成するステップが止まることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記パターン形成したトレンチを前記形成するステップは、前記パターン形成したトレンチの前記第1の部分および前記第2の部分の少なくとも一方の中に誘電材料を追加するステップを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記パターン形成したトレンチの少なくとも一部は、除去されなかった導電ウェーハ材料の線が介挿された開放通路を備えるように、トレンチ開口部の内部でさらに微細パターン形成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
除去されなかった導電ウェーハ材料の前記線の間に充填剤材料を追加するステップをさらに備えることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
除去されなかった導電ウェーハ材料の前記線を酸化するステップをさらに備えることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
除去されなかった導電ウェーハ材料の前記酸化された線の間に充填剤材料を追加するステップをさらに備えることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
パターン形成したトレンチを前記形成するステップは、同じように特徴付けられた複数のパターン形成したトレンチを形成するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記複数のパターン形成したトレンチはアレイとして横並びに配置され、隣接するパターン形成したトレンチは共通のトレンチ面を共有することを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記複数のパターン形成したトレンチはアレイとして横並びに配置され、隣接するパターン形成したトレンチは介在する空間によって分離されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記介在する空間は、隣接する導体をデカップリングするために導電材料によって占有されることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記介在する空間の中の前記導電材料は、前記導電ウェーハの除去されなかった導電材料を含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記導電ウェーハは導電シリコンウェーハであり、パターン形成したトレンチを前記形成するステップは、
前記導電シリコンウェーハの前記前面および前記裏面の一方からエッチングによって、前記パターン形成したトレンチの第1の部分を形成するステップと、
前記パターン形成したトレンチの前記第1の部分の表面を覆って酸化層を形成するステップと、
前記パターン形成したトレンチの前記第1の部分の下部の上の前記酸化層の少なくとも一部を除去するステップと、
前記パターン形成したトレンチの前記第1の部分の前記下部に、拡大した空洞を等方性シリコンエッチングによって形成するステップと、
前記拡大した空洞の下部表面を酸化することによってストップ層を形成するステップと、
前記ストップ層に達するために、前記導電シリコンウェーハの他方の面からエッチングすることによって、前記パターン形成したトレンチの第2の部分を形成するステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項23】
超小型電子構造の中に貫通ウェーハ相互接続を形成する方法であって、
前面および裏面を有する導電ウェーハを備えるステップと、
前記導電ウェーハの材料を除去することによって、前記導電ウェーハの中にパターン形成したトレンチを形成するステップと、
を含み、
(a) 前記パターン形成したトレンチは、環状周囲開口部であって、前記開口部に沿って全体的に前記導電ウェーハを内部分と外部分とに分割する環状周囲開口部を有し、それによって前記導電ウェーハの前記内部分は、前記外部分から絶縁されて貫通ウェーハ導体としての役目をし、
(b) 前記パターン形成したトレンチの少なくとも一部は、除去されなかった導電ウェーハ材料の線が介挿された開放通路を備えるように、トレンチ開口部の内部でさらに微細パターン形成されることを特徴とする方法。
【請求項24】
除去されなかった導電ウェーハ材料の前記線は、前記2つの部分間に枠組を形成して、前記導電ウェーハの前記内部分および前記外部分を連結しおよび支持することを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記枠組が前記導電ウェーハの前記内部分と前記外部分との間を電気絶縁するように、除去されなかった導電ウェーハ材料の前記線の少なくとも一部を完全に酸化するステップをさらに含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
除去されなかった導電ウェーハ材料の前記線を酸化するステップをさらに含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項27】
除去されなかった導電ウェーハ材料の前記酸化された線の間に充填剤材料を追加するステップをさらに含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
除去されなかった導電ウェーハ材料の前記線の間に充填剤材料を追加するステップをさらに含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項29】
除去されなかった導電ウェーハ材料の前記線の少なくとも一部をエッチングするステップをさらに含むことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
除去されなかったウェーハ材料の前記線を除去することによって形成された間隙の内部に別の充填剤材料を追加するステップをさらに含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記パターン形成したトレンチの上部分の中へ第1の誘電材料を追加するステップと、
前記パターン形成したトレンチの下部分の中へ第2の誘電材料を追加するステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項32】
パターン形成したトレンチを前記形成するステップは、
前面からエッチングストップ層を形成するステップと、
前記裏面から前記エッチングストップ層までエッチングすることによって、前記パターン形成したトレンチを形成するステップと
を含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項33】
パターン形成したトレンチを前記形成するステップは、前記導電ウェーハの前記前面から深いシリコンエッチングによって、前記パターン形成したトレンチを形成するステップを含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項34】
前記導電ウェーハの前記前面の上に上部導電ウェーハを接合するステップと、
前記上部導電ウェーハの材料を除去することによって、前記上部導電ウェーハの中に上部パターン形成したトレンチを形成するステップと、をさらに含み、
(a) 前記上部パターン形成したトレンチは、環状周囲開口部であって、前記開口部に沿って全体的に前記上部導電ウェーハを内部分と外部分とに分割する環状周囲開口部を有し、それによって前記導電ウェーハの前記内部分は、前記外部分から絶縁されて上部貫通ウェーハ導体としての役目をし、
(b) 前記上部貫通ウェーハ導体および前記貫通ウェーハ導体は、組み合わせられた貫通ウェーハ導体を形成するために導電的に接続されることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項35】
前記上部貫通ウェーハ導体は、前記貫通ウェーハ導体の断面サイズよりもかなり大きな断面サイズを有することを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記上部パターン形成したトレンチを形成する前に、デバイスを前記上部導電ウェーハの面上にまたは上方に少なくとも部分的に形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項37】
超小型電子構造の中に貫通ウェーハ相互接続を製造する方法であって、
第1の導電ウェーハおよび第2の導電ウェーハであって、前記第1の導電ウェーハの下面が前記第2の導電ウェーハの上面に接触するように、第1の導電ウェーハおよび第2の導電ウェーハを接合するステップと、
パターン形成したトレンチの第1の部分を前記第1の導電ウェーハの上面を貫通して形成するステップと、
前記パターン形成したトレンチの第2の部分を前記第2の導電ウェーハの裏面を貫通して形成するステップと、
を含み、
パターン形成したトレンチの前記第1の部分および前記第2の部分は、それぞれが全体的に前記それぞれの導電ウェーハを内部分と外部分とに分割する環状周囲開口部を有し、前記それぞれの導電ウェーハの前記内部分は前記それぞれの導電ウェーハの前記外部分から絶縁され、前記第1の導電ウェーハの前記内部分および前記第2の導電ウェーハの前記内部分は、貫通ウェーハ導体としての役目をするように電気接続されることを特徴とする方法。
【請求項38】
前記第1の導電ウェーハおよび前記第2の導電ウェーハは、これらの間に介在層を備えることなく、直接互いに接合されることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記第1の導電ウェーハおよび前記第2の導電ウェーハを接合する前に、前記第2の導電ウェーハの前記上面側に空洞を形成するステップと、前記空洞の少なくとも下部表面の上にエッチングストップ層を形成するために、前記下部表面を酸化するステップと、をさらに含み、前記パターン形成したトレンチの下部分を前記形成するステップは、前記第2の導電ウェーハの前記裏面を貫通して前記エッチングストップ層までエッチングするステップを含むことを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記第1の導電ウェーハおよび前記第2の導電ウェーハを接合した後に、前記第1の導電ウェーハおよび前記第2の導電ウェーハの一方の上に超小型電子デバイスの少なくとも一部を製造するステップをさらに含むことを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項41】
前記パターン形成したトレンチの前記第2の部分は、前記パターン形成したトレンチの前記第1の部分のトレンチ開口よりも広いトレンチ開口を有し、それによって前記パターン形成したトレンチの前記第2の部分によって包囲されおよび画定された前記貫通ウェーハ導体の第2の部分は、前記パターン形成したトレンチの前記第2の部分によって包囲されおよび画定された前記貫通ウェーハ導体の第1の部分よりも小さい断面サイズを有することを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項42】
前記第1の導電ウェーハおよび前記第2の導電ウェーハの少なくとも一方は、超小型電子デバイスの少なくとも一部を収容するために予め製造されるか、または他方の導電ウェーハに接合された後に、前記少なくとも一方の導電ウェーハの上に超小型電子デバイスを製造することを可能にすることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項43】
前記パターン形成したトレンチの前記第2の部分は、除去されなかった導電ウェーハ材料の線が介挿された開放通路を備えるように、前記トレンチ開口部の内部でさらに微細パターン形成されることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項44】
除去されなかった導電ウェーハ材料の前記線は、前記2つの部分間に枠組を形成して、前記導電ウェーハの前記内部分および前記外部分を連結しおよび支持することを特徴とする請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記枠組が前記導電ウェーハの前記内部分と前記外部分との間を電気絶縁するように、除去されなかった導電ウェーハ材料の前記線の少なくとも一部を完全に酸化するステップをさらに含むことを特徴とする請求項44に記載の方法。
【請求項46】
超小型電子構造の中で、ウェーハの前面および裏面上の電気接点間に電気伝導性の相互接続を設ける貫通ウェーハ相互接続であって、
前記ウェーハの前記前面を通過して前記ウェーハの前記裏面に達する貫通ウェーハ導体と、
前記導体の少なくとも主要本体部分を包囲する絶縁体と、
前記貫通ウェーハ導体および前記絶縁体を包囲するフレームと、を備え、
前記貫通ウェーハ導体の少なくとも一部および前記フレームのそれぞれの包囲部分は、それぞれが前記ウェーハの固有材料を含むことを特徴とする貫通ウェーハ相互接続。
【請求項47】
前記ウェーハは導電ウェーハであることを特徴とする請求項46に記載の貫通ウェーハ相互接続。
【請求項48】
前記貫通ウェーハ導体は、断面サイズおよび材料特性の少なくとも一方の態様が相互に異なる上部分および下部分を含むことを特徴とする請求項46に記載の貫通ウェーハ相互接続。
【請求項49】
前記絶縁体は、断面サイズおよび材料特性の少なくとも一方の態様が相互に異なる上部分および下部分を含むことを特徴とする請求項46に記載の貫通ウェーハ相互接続。
【請求項50】
前記ウェーハは、互いに接合された上部層および下部層を含むことを特徴とする請求項46に記載の貫通ウェーハ相互接続。
【請求項51】
前記絶縁体は、前記ウェーハの固有材料を除去することによって前記ウェーハの中に形成された環状トレンチに追加された誘電材料を含むことを特徴とする請求項46に記載の貫通ウェーハ相互接続。
【請求項52】
前記絶縁体は、環状トレンチの中にパターン形成された前記ウェーハの除去されなかった固有材料の線を含むことを特徴とする請求項46に記載の貫通ウェーハ相互接続。
【請求項53】
前記ウェーハの除去されなかった固有材料の前記線は、前記導体と前記フレームとの間に支持枠組を形成することを特徴とする請求項52に記載の貫通ウェーハ相互接続。
【請求項54】
前記環状トレンチの中にパターン形成された前記ウェーハの除去されなかった固有材料の前記線の間に充填された充填剤材料をさらに含むことを特徴とする請求項52に記載の貫通ウェーハ相互接続。
【請求項55】
除去されなかった固有材料の前記線の少なくとも一部が酸化されることを特徴とする請求項52に記載の貫通ウェーハ相互接続。
【請求項56】
前記ウェーハの除去されなかった固有材料の前記線の少なくとも一部が完全に酸化されることを特徴とする請求項52に記載の貫通ウェーハ相互接続。
【請求項57】
前記絶縁体は、トレンチの中に充填された充填剤材料を含むことを特徴とする請求項46に記載の貫通ウェーハ相互接続。
【請求項58】
前記フレームは、伸張または圧縮によって撓み得るジグザグ形状壁を含むことを特徴とする請求項46に記載の貫通ウェーハ相互接続。
【請求項59】
それぞれの導体が導電ウェーハの前面を通過してウェーハの裏面に達する、アレイとして配置された複数の導体と、
それぞれの導体を包囲する絶縁体と、
前記複数の導体および前記絶縁体を支持するフレームとを有し、それぞれの導体の少なくとも一部および前記フレームの一部は、それぞれが前記ウェーハの固有材料を含むことを特徴とする貫通ウェーハ相互接続部品。
【請求項60】
前記絶縁体は、それぞれが導体のそれぞれを包囲する複数の環状トレンチの中に配置され、前記環状トレンチは、前記ウェーハの固有材料を除去することによって形成されることを特徴とする請求項59に記載の貫通ウェーハ相互接続。
【請求項61】
前記フレームは、外部周囲壁および複数の導体間壁を有し、前記外部周囲壁は、前記複数の導体および前記絶縁体が配置される全体領域を画定し、前記複数の導体間壁が、前記全体領域を、それぞれが前記導体の1つと前記導体を包囲する前記絶縁体のそれぞれの部分とを含む複数の小領域に分割することを特徴とする請求項59に記載の貫通ウェーハ相互接続。
【請求項62】
前記フレームの前記導体間壁は、前記複数の導体間でデカップリング導体として機能するために導電材料を含むことを特徴とする請求項61に記載の貫通ウェーハ相互接続。
【請求項63】
前記導電材料は、前記層の前記固有材料であることを特徴とする請求項62に記載の貫通ウェーハ相互接続。
【請求項64】
前記フレームは、伸張および圧縮により撓み得るジグザグ形状壁を含むことを特徴とする請求項59に記載の貫通ウェーハ相互接続。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10−1】
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【図10−2】
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【図10−3A】
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【図10−3B】
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【図10−3C】
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【図10−4A】
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【図10−4B】
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【図10−5】
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【図11−1】
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【図11−2】
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【図12−1】
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【図12−2】
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【図12−3】
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【図12−4】
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【図12−5】
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【図12−6】
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【図12−7】
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【図13−1】
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【図13−2】
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【図13−3】
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【図13−4】
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【図13−5】
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【図13−6】
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【図13−7】
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【図13−8】
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【図14−1】
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【図14−2A】
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【図14−2B】
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【図14−3】
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【図14−4A】
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【図14−4B】
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【図14−5】
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【図14−6】
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【図15−1A】
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【図15−1B】
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【図15−2A】
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【図15−2B】
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【図15−3A】
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【図15−3B】
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【図15−4】
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【図15−5】
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【図15−6】
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【図15−7】
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【図15−8】
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【公表番号】特表2008−541473(P2008−541473A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−511846(P2008−511846)
【出願日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際出願番号】PCT/IB2006/051566
【国際公開番号】WO2006/123298
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(507382119)コロ テクノロジーズ インコーポレイテッド (12)
【Fターム(参考)】