走行案内装置、走行案内方法及びコンピュータプログラム
【課題】車両が目的地に設定された施設から所定距離以内に位置する状態で適切な時間が経過したタイミングで目的地の設定を解除することを可能とした走行案内装置、走行案内方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】ユーザが入力した検索条件に基づいて施設の検索を行い、検索された施設の周辺地図を液晶ディスプレイに表示し、表示された周辺地図上で選択された地点又は施設を目的地に設定する。そして、車両が目的地から所定距離以内で停車した場合において、目的地の施設以外の検索施設を介して目的地が設定された場合には、車両が目的地の所定距離以内で停車してから該検索施設の予定滞在時間以上経過したか否か判定し(S28)、予定滞在時間以上経過したと判定された場合に目的地の設定を解除する(S29)ように構成する。
【解決手段】ユーザが入力した検索条件に基づいて施設の検索を行い、検索された施設の周辺地図を液晶ディスプレイに表示し、表示された周辺地図上で選択された地点又は施設を目的地に設定する。そして、車両が目的地から所定距離以内で停車した場合において、目的地の施設以外の検索施設を介して目的地が設定された場合には、車両が目的地の所定距離以内で停車してから該検索施設の予定滞在時間以上経過したか否か判定し(S28)、予定滞在時間以上経過したと判定された場合に目的地の設定を解除する(S29)ように構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地に設定された施設への走行の案内を行う走行案内装置、走行案内方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の走行案内を行い、運転者が所望の目的地に容易に到着できるようにしたナビゲーション装置が車両に搭載されていることが多い。ここで、ナビゲーション装置とは、GPS受信機などにより自車の現在位置を検出し、その現在位置に対応する地図データをDVD−ROMやHDDなどの記録媒体またはネットワークを通じて取得して液晶モニタに表示することが可能な装置である。更に、かかるナビゲーション装置には、所望する目的地を入力すると、自車位置から目的地までの最適経路を探索する経路探索機能を備えており、ディスプレイ画面に案内経路を表示するとともに、交差点に接近した場合等には音声による案内をすることによって、運転者を所望の目的地まで確実に案内するようになっている。また、近年は携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ等においても上記ナビゲーション装置と同様の機能を有するものがある。
【0003】
ここで、上記ナビゲーション装置等では、車両が目的地として設定された地点や施設から所定距離以内に到達すると、車両が目的地に到着したと判断し、目的地の設定が解除され、経路案内を終了する。また、特開2009−300175号公報には、目的地に設定された地点や施設から所定距離内に車両が位置する状態で、予め決められた所定時間以上停車した場合に目的地の設定を解除することについて提案されている。また、目的地として施設が設定された場合には、その施設での平均滞在時間から上記所定時間を設定することについて提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−300175号公報(第5頁〜第8頁、図2、図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記特許文献1に記載された技術では、目的地として例えば駐車場が設定された場合には、その駐車場の平均滞在時間が目的地の設定を解除する基準となる。しかしながら、目的地に設定された駐車場が例えばショッピングモールやテーマパーク等の大型施設に属する駐車場である場合には、ユーザは駐車場に車を駐車した後にショッピングモールやテーマパーク等に滞在すると考えられる。従って、目的地である駐車場の平均滞在時間ではなく、駐車場の従属の主体となる施設であるショッピングモールやテーマパーク等の平均滞在時間を目的地の設定を解除する基準とするのが望ましい。
【0006】
そして、上記特許文献1に記載された技術では、上記事項を考慮しておらず、目的地に到着していないにもかかわらず目的地の設定が解除されたり、目的地に到着したにもかかわらず目的地の設定が解除されない問題があった。
【0007】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、車両が目的地に設定された施設から所定距離以内に位置する状態で適切な時間が経過したタイミングで目的地の設定を解除することが可能となり、目的地に到着していないにもかかわらず目的地の設定が解除されたり、目的地に到着したにもかかわらず目的地の設定が解除されないことを防止した走行案内装置、走行案内方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため本願の請求項1に係る走行案内装置(1)は、施設毎に予定滞在時間を設定する予定滞在時間設定手段(43)と、施設を目的地に設定する目的地設定手段(41)と、前記目的地設定手段により目的地に設定された前記施設である目的地施設に関する施設情報を取得する施設情報取得手段(44)と、車両の現在位置を取得する現在位置取得手段(45)と、前記現在位置取得手段により取得された前記車両の現在位置と前記施設情報とに基づいて、前記車両が前記目的地施設から所定距離以内において該目的地施設に設定された予定滞在時間以上滞在したか否かを判定する滞在判定手段(46)と、前記滞在判定手段によって前記車両が前記目的地施設から所定距離以内において前記予定滞在時間以上滞在したと判定された場合に、該目的地施設の目的地への設定を解除する目的地解除手段(47)と、前記目的地施設が該目的地施設以外の施設を介して目的地に設定されたか否かを判定する目的地判定手段(48)と、を有し、前記予定滞在時間設定手段は前記目的地判定手段の判定結果に基づいて予定滞在時間を設定することを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に係る走行案内装置(1)は、請求項1に記載の走行案内装置において、施設を検索する施設検索手段(49)と、前記施設検索手段により検索された前記施設である検索施設の周辺地図を表示する周辺地図表示手段(50)と、を有し、前記目的地判定手段(48)は、前記周辺地図表示手段によって前記周辺地図が表示された後に、前記検索施設以外の施設を目的地として設定した場合に、前記目的地施設が該目的地施設以外の施設を介して目的地に設定されたと判定することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に係る走行案内装置(1)は、請求項1に記載の走行案内装置において、前記検索施設に属する駐車場の一覧を表示する駐車場表示手段(55)を有し、前記駐車場表示手段によって表示された駐車場の一覧からいずれかの駐車場が選択された場合に、前記目的地設定手段(41)は、選択された駐車場を前記目的地施設に設定し、前記目的地判定手段は、前記目的地施設が該目的地施設以外の施設を介して目的地に設定されたと判定することを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に係る走行案内方法は、施設毎に予定滞在時間を設定して記憶媒体(12)に記憶する予定滞在時間設定ステップと、施設を目的地に設定する目的地設定ステップと、前記目的地設定ステップにより目的地に設定された前記施設である目的地施設に関する施設情報を取得する施設情報取得ステップと、車両の現在位置を取得する現在位置取得ステップと、前記目的地施設に設定された予定滞在時間を前記記憶媒体より読み出す読出ステップと、前記現在位置取得ステップにより取得された前記車両の現在位置と前記施設情報とに基づいて、前記車両が前記目的地施設から所定距離以内において該目的地施設に設定された予定滞在時間以上滞在したか否かを判定する滞在判定ステップと、前記滞在判定ステップによって前記車両が前記目的地施設から所定距離以内において前記予定滞在時間以上滞在したと判定された場合に、該目的地施設の目的地への設定を解除する目的地解除ステップと、前記目的地施設が該目的地施設以外の施設を介して目的地に設定されたか否かを判定する目的地判定ステップと、を有し、前記予定滞在時間設定ステップは前記目的地判定ステップの判定結果に基づいて予定滞在時間を設定することを特徴とする。
【0012】
更に、請求項5に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに搭載され、施設毎に予定滞在時間を設定して記憶媒体(12)に記憶する予定滞在時間設定機能と、施設を目的地に設定する目的地設定機能と、前記目的地設定機能により目的地に設定された前記施設である目的地施設に関する施設情報を取得する施設情報取得機能と、車両の現在位置を取得する現在位置取得機能と、前記目的地施設に設定された予定滞在時間を前記記憶媒体より読み出す読出機能と、前記現在位置取得機能により取得された前記車両の現在位置と前記施設情報とに基づいて、前記車両が前記目的地施設から所定距離以内において該目的地施設に設定された予定滞在時間以上滞在したか否かを判定する滞在判定機能と、前記滞在判定機能によって前記車両が前記目的地施設から所定距離以内において前記予定滞在時間以上滞在したと判定された場合に、該目的地施設の目的地への設定を解除する目的地解除機能と、前記目的地施設が該目的地施設以外の施設を介して目的地に設定されたか否かを判定する目的地判定機能と、を実行させるコンピュータプログラムであって、前記予定滞在時間設定機能は前記目的地判定機能の判定結果に基づいて予定滞在時間を設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
前記構成を有する請求項1に記載の走行案内装置によれば、他の施設を介して目的地施設が目的地に設定された場合において、目的地施設でなく該他の施設の予定滞在時間を基準として目的地の設定を解除するので、車両が目的地に設定された施設から所定距離以内に位置する状態で適切な時間が経過したタイミングで目的地の設定を解除することが可能となる。その結果、目的地に到着していないにもかかわらず目的地の設定が解除されたり、目的地に到着したにもかかわらず目的地の設定が解除されないことを防止することができる。
【0014】
また、請求項2に記載の走行案内装置によれば、検索された施設の周辺地図が表示された後に、検索された施設と異なる他の施設を目的地に設定した場合には、ユーザは目的地に設定された施設ではなく検索された施設に滞在すると予測し、目的地に設定された施設ではなく検索された施設の予定滞在時間を基準として目的地の設定を解除する。従って、車両が目的地に設定された施設から所定距離以内に位置する状態で適切な時間が経過したタイミングで目的地の設定を解除することが可能となる。
【0015】
また、請求項3に記載の走行案内装置によれば、検索された施設に属する駐車場を目的地に設定した場合には、ユーザは目的地に設定された駐車場ではなく検索された施設に滞在すると予測し、目的地に設定された駐車場ではなく検索された施設の予定滞在時間を基準として目的地の設定を解除する。従って、車両が目的地に設定された駐車場から所定距離以内に位置する状態で適切な時間が経過したタイミングで目的地の設定を解除することが可能となる。
【0016】
また、請求項4に記載の走行案内方法によれば、他の施設を介して目的地施設が目的地に設定された場合において、目的地施設でなく該他の施設の予定滞在時間を基準として目的地の設定を解除するので、車両が目的地に設定された施設から所定距離以内に位置する状態で適切な時間が経過したタイミングで目的地の設定を解除することが可能となる。その結果、目的地に到着していないにもかかわらず目的地の設定が解除されたり、目的地に到着したにもかかわらず目的地の設定が解除されないことを防止することができる。
【0017】
更に、請求項5に記載のコンピュータプログラムによれば、他の施設を介して目的地施設が目的地に設定された場合において、目的地施設でなく該他の施設の予定滞在時間を基準として目的地の設定を解除させるので、車両が目的地に設定された施設から所定距離以内に位置する状態で適切な時間が経過したタイミングで目的地の設定を解除させることが可能となる。その結果、目的地に到着していないにもかかわらず目的地の設定が解除されたり、目的地に到着したにもかかわらず目的地の設定が解除されないことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態に係るナビゲーション装置を示したブロック図である。
【図2】地図情報DBに記憶される施設データの一例を示した図である。
【図3】滞在履歴DBの記憶領域の一例を示した図である。
【図4】予定滞在時間設定データの一例を示した図である。
【図5】ナビゲーションECUの構成を示した図である。
【図6】本実施形態に係る目的地設定処理プログラムのフローチャートである。
【図7】液晶ディスプレイに表示される施設案内画面の一例を示した図である。
【図8】液晶ディスプレイに表示される周辺地図案内画面の一例を示した図である。
【図9】液晶ディスプレイに表示される周辺地図案内画面の一例を示した図である。
【図10】本実施形態に係る予定滞在時間設定処理プログラムのフローチャートである。
【図11】本実施形態に係る目的地解除処理プログラムのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る走行案内装置をナビゲーション装置に具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係るナビゲーション装置1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は本実施形態に係るナビゲーション装置1を示したブロック図である。
【0020】
図1に示すように本実施形態に係るナビゲーション装置1は、ナビゲーション装置1が搭載された車両の現在位置を検出する現在位置検出部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU13と、ユーザからの操作を受け付ける操作部14と、ユーザに対して車両周辺の地図や施設の検索結果等を表示する液晶ディスプレイ15と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、プログラムを記憶した記憶媒体であるDVDを読み取るDVDドライブ17と、プローブセンタやVICSセンタ等の情報センタとの間で通信を行う通信モジュール18と、から構成されている。
【0021】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について順に説明する。
現在位置検出部11は、GPS21、車速センサ22、ステアリングセンサ23、ジャイロセンサ24等からなり、現在の車両の位置、方位、車両の走行速度、現在時刻等を検出することが可能となっている。ここで、特に車速センサ22は、車両の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両の駆動輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号をナビゲーションECU13に出力する。そして、ナビゲーションECU13は発生するパルスを計数することにより駆動輪の回転速度や移動距離を算出する。尚、上記5種類のセンサをナビゲーション装置1が全て備える必要はなく、これらの内の1又は複数種類のセンサのみをナビゲーション装置1が備える構成としても良い。
【0022】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された地図情報DB31、滞在履歴DB32、予定滞在時間設定データ33及び所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。
【0023】
ここで、地図情報DB31は、例えば、道路(リンク)に関するリンクデータ34、ノード点に関するノードデータ35、施設に関する施設データ36、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ等が記憶された記憶手段である。
【0024】
また、施設データ36としては、ナビゲーション装置1において出発地、目的地、案内対象等となる施設に関する情報が記憶される。例えば、ホテル、旅館等の宿泊施設、ガソリンスタンド等の給油施設、ショッピングモール、スーパーマーケット、ショッピングセンタ等の商業施設、テーマパーク、ゲームセンタ等の娯楽施設、レストラン、バー、居酒屋等の飲食施設、公共駐車場等の駐車施設、交通施設、寺院、教会等の宗教施設、美術館、博物館等の公共施設等の施設に関する情報が該当する。
また、施設データ36は、施設毎に、施設の識別子である施設番号、施設の名称を示す施設名称、施設のジャンル(「駐車場」、「郵便局」、「レストラン」等)を示す施設ジャンル、施設の位置を示す位置座標等から構成されている。更に、施設データ36には、施設間の従属関係についても記憶される。例えば、施設が駐車場の場合であって、その駐車場が周辺にある他の施設に属する駐車場(例えば、テーマパークやショッピングモールの利用者の為の駐車場)である場合には、駐車場の施設データとして、その従属の主体となる施設についても記憶される。
【0025】
ここで、図2は施設データ36の一例を示した図である。
例えば、図2に示す施設データ36の例では、座標(x1,y1)の地点において施設番号:「10001」に該当する“○○ランド”(ジャンル:遊園地)が設置されていることを示している。また、座標(x2,y2)の地点において施設番号:「10002」に該当する“○×駐車場”(ジャンル:駐車場)が設置されていることを示している。更に、○×駐車場は○○ランドに属する駐車場であることを示している。同様に他の施設に関する情報についても記憶されている。
【0026】
そして、ナビゲーション装置1は、施設の検索処理を行う場合において、上記施設データ36を用いてユーザに選択されたジャンルに該当する施設を検索し、検索条件に適合する施設に関する施設情報を地図情報DB31から取得する。そして、液晶ディスプレイ15に表示された地図画像の該当位置に対してランドマークを表示したり、検索条件に適合する施設の施設名称、現在位置からの距離、所要時間等の一覧を表示することにより、施設に関する情報をユーザに対して案内する。また、ユーザが案内された施設やその周辺に位置する施設を目的地や経由地に設定する操作を行った場合には、該施設を目的地や経由地に設定した案内経路を設定する。
【0027】
また、滞在履歴DB32は、過去にユーザが施設に滞在した時間の履歴を累積して記憶するDBである。具体的には、ナビゲーション装置1に目的地が設定された状態で車両が目的地の所定距離以内(例えば100m以内)に到達し、イグニションがオフされ、その後にオンされた場合に、イグニションがオフされてからオンされるまでの期間を、目的地に設定された施設に滞在した時間として記憶する。但し、後述のように目的地に設定された施設(例えば、テーマパークやショッピングモールに属する駐車場)が該施設以外の施設(例えば、テーマパークやショッピングモール)を介して目的地に設定されている場合には、該施設以外の施設(例えば、テーマパークやショッピングモール)に滞在した時間として記憶される。
【0028】
ここで、図3は滞在履歴DB32の記憶領域の一例を示した図である。
図3に示すように滞在履歴DB32には、施設に滞在した日時と、施設の滞在時間と、滞在した施設(即ち、目的地に設定されていた施設)が対応づけて記憶される。例えば、図3に示す例では、ユーザは2010年7月25日の17:45に“×○デパート”に1時間45分間滞在した(即ち、“×○デパート”又は“×○デパート”に属する他の施設(駐車場等)が目的地に設定された状態で車両が目的地の所定距離以内に到達し、イグニションがオフされ、1時間45分後にオンされた)ことを示す。同様に他の滞在履歴についても記憶されている。
そして、ナビゲーションECU13は、滞在履歴DB32に記憶されたユーザの施設への滞在履歴に基づいて、後述のように施設毎或いは施設のジャンル毎の予定滞在時間を設定する。
【0029】
また、予定滞在時間設定データ33は、施設毎にユーザが滞在すると予測される時間(以下、予定滞在時間という)を特定するデータである。尚、本実施形態では予定滞在時間は過去にユーザが施設に滞在した時間の平均とし、滞在履歴DB32に記憶された滞在履歴に基づいて算出される。尚、施設毎ではなくジャンル毎の予定滞在時間を設定しても良い。
【0030】
ここで、図4は予定滞在時間設定データ33の一例を示した図である。
図4に示すように予定滞在時間設定データ33には、施設と、その施設にユーザが滞在すると予測される予定滞在時間が対応づけて記憶される。例えば、図4に示す例では、“○○ランド”の予定滞在時間は5時間50分に設定されている。同様に他の施設についても施設毎に予定滞在時間が設定されている。
そして、ナビゲーションECU13は予定滞在時間設定データ33に記憶された予定滞在時間の設定に基づいて、後述のように目的地の設定を解除する。
【0031】
一方、ナビゲーションECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)13は、図5に示すように目的地に設定する目的地設定手段41、出発地から目的地までの案内経路を設定する案内経路設定手段42、施設毎に予定滞在時間を設定する予定滞在時間設定手段43、目的地に設定された施設(以下、目的地施設という)に関する施設情報を取得する施設情報取得手段44、車両の現在位置を取得する現在位置取得手段45、車両の現在位置と施設情報とに基づいて車両が目的地施設から所定距離以内において該目的地施設に設定された予定滞在時間以上滞在したか否かを判定する滞在判定手段46、滞在判定手段によって車両が目的地施設から所定距離以内において予定滞在時間以上滞在したと判定された場合に、該目的地施設の目的地への設定を解除する目的地解除手段47、目的地施設が該目的地施設以外の施設を介して目的地に設定されたか否かを判定する目的地判定手段48、施設を検索する施設検索手段49、施設検索手段により検索された施設の周辺地図を表示する周辺地図表示手段50、施設検索手段により検索された施設に属する駐車場(所謂提携駐車場)の一覧を表示する駐車場一覧表示手段55等を構成し、ナビゲーション装置1の全体の制御を行う電子制御ユニットである。そして、演算装置及び制御装置としてのCPU51、並びにCPU51が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM52、制御用のプログラムのほか、目的地設定処理プログラム(図6)や予定滞在時間設定処理プログラム(図10)や目的地解除処理プログラム(図11)等が記録されたROM53、ROM53から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ54等の内部記憶装置を備えている。
【0032】
操作部14は、走行開始地点としての出発地及び走行終了地点としての目的地を入力する際等に操作され、各種のキー、ボタン等の複数の操作スイッチ(図示せず)から構成される。そして、ナビゲーションECU13は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。また、施設検索を行う際にユーザが検索条件(施設名称、住所、ジャンル等)を入力する際や目的地を設定する際にも用いられる。尚、操作部14は液晶ディスプレイ15の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。また、マイクと音声認識装置によって構成することもできる。
【0033】
また、液晶ディスプレイ15には、道路を含む地図画像、交通情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、出発地から目的地までの走行予定経路、走行予定経路に沿った案内情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。また、施設検索を行った場合に検索された検索施設に関する情報や検索施設の周辺の地図を表示する際にも用いられる。
【0034】
また、スピーカ16は、ナビゲーションECU13からの指示に基づいて走行予定経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、交通情報の案内を出力する。
【0035】
また、DVDドライブ17は、DVDやCD等の記録媒体に記録されたデータを読み取り可能なドライブである。そして、読み取ったデータに基づいて地図情報DB31の更新等が行われる。
【0036】
また、通信モジュール18は、交通情報センタ、例えば、VICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタやプローブセンタ等から送信された渋滞情報、規制情報、交通事故情報等の各情報から成る交通情報を受信する為の通信装置であり、例えば携帯電話機やDCMが該当する。
【0037】
続いて、前記構成を有するナビゲーション装置1においてCPU51が実行する目的地設定処理プログラムについて図6に基づき説明する。図6は本実施形態に係る目的地設定処理プログラムのフローチャートである。ここで、目的地設定処理プログラムは車両のACCがONされた後に実行され、入力した条件を満たす施設を検索するとともに検索された施設又は検索された施設の周辺に位置する他の施設を目的地に設定するプログラムである。尚、以下の図6、図10及び図11にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置1が備えているRAM52やROM53に記憶されており、CPU51により実行される。
【0038】
先ず、目的地設定処理プログラムではステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU51は、施設検索処理を行う。施設検索処理では、地図情報DB31に記憶された施設データ36に基づいて、ユーザによって入力された施設名称、住所、ジャンル等の検索条件に適合する施設を検索する。
【0039】
次に、S2においてCPU51は、前記S1の施設検索処理の結果、検索条件に適合する施設が少なくとも1件以上検索できたか否か判定する。そして、検索条件に適合する施設が少なくとも1件以上検索できたと判定された場合(S2:YES)には、S3へと移行する。一方、検索条件に適合する施設が検索できなかったと判定された場合(S2:NO)には、当該目的地設定処理プログラムを終了する。
【0040】
S3においてCPU51は、前記S1の検索処理の結果に基づいて、地図情報DB31から検索条件に適合すると判定された施設の施設データ36(施設名称、位置座標等)を抽出する。そして、抽出した施設データ36に基づいて、検索条件に適合すると判定された施設の一覧を液晶ディスプレイ15に表示する。
【0041】
ここで、図7は前記S3において液晶ディスプレイ15に表示される施設案内画面61の一例を示した図である。図7に示すように施設案内画面61では、検索条件(図7に示す例ではジャンル「テーマパーク」)に適合する施設に関する情報が、車両の現在位置から近い順に情報ウィンドウ62に表示される。また、施設に関する情報としては、施設名称、現在位置からの距離、所要時間等が表示される。そして、ユーザは施設案内画面61を視認することによって、検索条件に適合する施設に関する情報を取得することができる。また、情報ウィンドウ62を選択することによって、後述するように該当する施設の周辺地図を表示したり、目的地に設定することが可能となる。
【0042】
続いて、S4においてCPU51は、前記S3で液晶ディスプレイ15に表示された施設の一覧からユーザの操作に基づいて施設が選択されたか否か判定する。具体的には、図7に示す施設案内画面61に表示された情報ウィンドウ62が選択された場合に、情報ウィンドウ62によって示される施設が選択されたと判定する。
【0043】
そして、施設の一覧から施設が選択されたと判定された場合(S4:YES)には、S5へと移行する。それに対して、施設の一覧から施設が選択されていないと判定された場合(S4:NO)には、選択されるまで待機する。
【0044】
S5においてCPU51は、施設の一覧から選択された施設の周辺の地図を液晶ディスプレイ15に表示する。
【0045】
ここで、図8は前記S5において液晶ディスプレイ15に表示される周辺地図案内画面71の一例を示した図である。図8に示すように周辺地図案内画面71では、施設の一覧から選択された施設72(即ち、ユーザによって検索された施設であり、図8に示す例では“○○ランド”)と、その施設の周辺の地図が表示される。また、周辺地図案内画面71には、画面中央に表示されるカーソル73、カーソル73の周囲8方向に配置された移動矢印74、提携駐車場ボタン75、目的地設定ボタン76等が配置される。そして、移動矢印74が押下されると押下された矢印の示す方向に地図が移動する。また、提携駐車場ボタン75が押下されると、施設の一覧から選択された施設に属する駐車場(所謂提携駐車場)が検索され、検索された提携駐車場の一覧が表示される。また、目的地設定ボタン76が押下されると、押下された時点のカーソル73の示す地点や施設が目的地に設定される。
【0046】
従って、周辺地図案内画面71では、周辺地図案内画面71が表示された最初の状態で目的地設定ボタン76を押下することによって、検索された施設72を目的地に設定することが可能であるが、移動矢印74を操作することによって他の施設や地点を目的地に設定することが可能である。例えば、テーマパークやショッピングモール等の大型施設では施設と駐車場の位置が離れている場合もあり、その場合には施設ではなく駐車場を目的地に設定する方が適切な案内経路を検索することが可能となる。そこで、図8及び図9に示すように、検索された施設72である“○○ランド”の周囲に“○○ランド”に属する駐車場77〜79が3箇所配置されている場合には、移動矢印74を押下することによってカーソル73をいずれかの駐車場77〜79に移動させ、目的地設定ボタン76を押下することによって、検索された施設72ではなく駐車場77〜79のいずれかを目的地に設定することが可能となる。また、提携駐車場ボタン75を押下することによって検索された施設72に属する駐車場77〜79の一覧を表示させ、表示された駐車場77〜79の中から駐車場を選択することによって、選択された駐車場を目的地に設定することも可能である。そして、本実施形態では、上記のように施設検索処理によって検索された施設(以下、検索施設という)の周辺地図を表示した後に、表示された周辺地図上で検索施設以外の施設を目的地として設定した場合や、提携駐車場の一覧を表示させて、表示された提携駐車場の一覧から目的地を設定した場合には、目的地に設定された施設は該施設以外の施設を介して目的地に設定されたとみなす。
【0047】
次に、S6においてCPU51は、前記S5において液晶ディスプレイ15に表示された周辺地図上でユーザによる目的地の設定操作が行われたか否か判定する。具体的には、周辺地図案内画面71が表示された状態で目的地設定ボタン76が押下されたか否かを判定する。
【0048】
そして、目的地の設定操作が行われたと判定された場合(S6:YES)には、S7へと移行する。それに対して、目的地の設定操作が行われなかったと判定された場合(S6:NO)には、目的地を設定することなく当該目的地設定処理を終了する。
【0049】
S7においてCPU51は、周辺地図案内画面71のカーソル73によって選択されていた地点又は施設をナビゲーション装置1の目的地に設定する。また、CPU51は設定された目的地までの案内経路の探索を行う。その後は、探索された案内経路に従って走行の案内を行う。尚、走行案内中において地図上の目的地の位置を示す為に表示するマークは、目的地に設定された施設が該施設以外の検索施設を介して目的地に設定された場合には、目的地に設定された施設上に表示しても良いし、検索施設上に表示しても良い。また、目的地に設定された施設上と検索施設上にそれぞれ表示しても良いし、それぞれの表示態様を変えても良い。例えば、どちらかをトーンダウンして表示しても良い
【0050】
次に、ナビゲーション装置1においてCPU51が実行する予定滞在時間設定処理プログラムについて図10に基づき説明する。図10は本実施形態に係る予定滞在時間設定処理プログラムのフローチャートである。ここで、予定滞在時間設定処理プログラムは車両のACCがONされた後に実行され、施設における滞在時間の履歴から施設毎の予定滞在時間を設定するプログラムである。
【0051】
先ず、予定滞在時間設定処理プログラムではS11において、CPU51は、車両のイグニションがONされたか否か判定する。
【0052】
そして、イグニションがONされたと判定された場合(S11:YES)には、S12へと移行する。それに対して、イグニションがONされていないと判定された場合(S11:NO)には、当該予定滞在時間設定処理プログラムを終了する。
【0053】
次に、S12においてCPU51は、直前のイグニションがOFFされた時点でナビゲーション装置1に目的地が設定され、且つその目的地の所定距離以内(例えば100m以内)に車両が位置するか否か判定する。
【0054】
そして、直前のイグニションがOFFされた時点で目的地が設定され、且つその目的地の所定距離以内に車両が位置すると判定された場合(S12:YES)には、S13へと移行する。それに対して、直前のイグニションがOFFされた時点で目的地が設定されていないと判定された場合又は目的地の所定距離以内に車両が位置しないと判定された場合(S12:NO)には、当該予定滞在時間設定処理プログラムを終了する。
【0055】
S13においてCPU51は、ユーザの施設における滞在時間を算出する。具体的には、直前にイグニションがオフされてからオンされるまでの期間を、施設に滞在した時間として算出する。
【0056】
次に、S14においてCPU51は、直前のイグニションがOFFされた時点で設定されていた目的地が施設であって、該施設以外の検索施設を介して目的地に設定されていたか否か判定する。尚、本実施形態では前述したように、施設検索処理(S1)によって検索された検索施設の周辺地図を表示した後に、表示された周辺地図上で検索施設以外の施設を目的地として設定した場合や、提携駐車場の一覧を表示させて、表示された提携駐車場の一覧から目的地を設定した場合には、目的地に設定された施設は該施設以外の施設を介して目的地に設定されたとみなす(図8、図9参照)。
【0057】
そして、直前のイグニションがOFFされた時点で設定されていた目的地が施設であって、該施設以外の検索施設を介して目的地に設定されていたと判定された場合(S14:YES)には、S16へと移行する。それに対して、直前のイグニションがOFFされた時点で設定されていた目的地が施設でない場合又は該施設以外の検索施設を介して目的地に設定されていなかった場合(S14:NO)には、S15へと移行する。
【0058】
S15においてCPU51は、前記S13で算出された滞在時間を目的地に設定されていた施設(以下、目的地施設という)の滞在時間として滞在履歴DB32(図3)に記憶する。その後、S17へと移行する。
【0059】
一方、S16においてCPU51は、前記S13で算出された滞在時間を検索施設の滞在時間として滞在履歴DB32(図3)に記憶する。例えば、図8及び図9に示すように検索された施設72である“○○ランド”の周辺地図を表示した後に“○○ランド”に属する駐車場77〜79を選択した場合には、“○○ランド”が検索施設となる。
【0060】
次に、S17においてCPU51は、データ記録部12に記憶された予定滞在時間設定データ33(図4)を読み出し、該当する施設の予定滞在時間を更新する。即ち、前記S15で目的地施設の滞在履歴が記憶された場合には、該目的地施設の予定滞在時間を更新し、前記S16で検索施設の滞在履歴が記憶された場合には、該検索施設の予定滞在時間を更新する。尚、本実施形態では予定滞在時間は、過去にユーザが施設に滞在した時間の平均であり、更新対象となる施設の滞在時間の履歴に基づいて算出される。
【0061】
次に、ナビゲーション装置1においてCPU51が実行する目的地解除処理プログラムについて図11に基づき説明する。図11は本実施形態に係る目的地解除処理プログラムのフローチャートである。ここで、目的地解除処理プログラムは車両のACCがONされた後に実行され、所定の条件を満たした場合に目的地の設定を解除するプログラムである。
【0062】
先ず、目的地解除処理プログラムではS21において、CPU51は、ナビゲーション装置1において目的地が設定されているか否かを判定する。尚、ナビゲーション装置1の目的地の設定は前述した目的地設定処理プログラム(図10)において行われる。
【0063】
そして、ナビゲーション装置1に目的地が設定されていると判定された場合(S21:YES)には、S22へと移行する。それに対して、目的地が設定されていないと判定された場合(S21:NO)には、当該目的地解除処理プログラムを終了する。
【0064】
S22において、CPU51は車両が停車したか否かを判定する。
【0065】
そして、車両が停車したと判定された場合(S22:YES)には、S23へと移行する。それに対して、車両が停車していないと判定された場合(S22:NO)には、当該目的地解除処理プログラムを終了する。
【0066】
S23において、CPU51は車両の現在位置を現在位置検出部11から取得するとともに、ナビゲーション装置1で設定されている目的地の位置座標に関する情報を地図情報DB31から取得する。
【0067】
続いて、S24においてCPU51は、前記S23で取得した情報に基づいて、車両の現在位置がナビゲーション装置1に設定された目的地から所定距離以内(例えば100m以内)に位置するか否かを判定する。
【0068】
そして、車両が目的地から所定距離以内に位置すると判定された場合(S24:YES)には、S25へと移行する。それに対して、車両が目的地から所定距離以内に位置しないと判定された場合(S24:NO)には、当該目的地解除処理プログラムを終了する。
【0069】
S25においてCPU51は、ナビゲーション装置1で設定されている目的地が施設であって、該施設以外の検索施設を介して目的地に設定されたか否か判定する。尚、本実施形態では前述したように、施設検索処理(S1)によって検索された検索施設の周辺地図を表示した後に、表示された周辺地図上で検索施設以外の施設を目的地として設定した場合や、提携駐車場の一覧を表示させて、表示された提携駐車場の一覧から目的地を設定した場合には、目的地に設定された施設は該施設以外の施設を介して目的地に設定されたとみなす(図8、図9参照)。
【0070】
そして、ナビゲーション装置1で設定されている目的地が施設であって、該施設以外の検索施設を介して目的地に設定されたと判定された場合(S25:YES)には、S27へと移行する。それに対して、ナビゲーション装置1で設定されている目的地が施設でない場合又は該施設以外の検索施設を介して目的地に設定されなかった場合(S25:NO)には、S26へと移行する。
【0071】
S26においてCPU51は、ナビゲーション装置1で目的地に設定されている目的地施設の予定滞在時間を予定滞在時間設定データ33から読み出す。その後、S28へと移行する。
【0072】
一方、S27においてCPU51は、検索施設の予定滞在時間を予定滞在時間設定データ33から読み出す。例えば、図8及び図9に示すように検索された施設72である“○○ランド”の周辺地図を表示した後に“○○ランド”に属する駐車場77〜79を選択した場合には、“○○ランド”の予定滞在時間が読み出される。
【0073】
次に、S28においてCPU51は、車両が目的地から所定距離以内で停車してから、前記S26又はS27で読み出した予定滞在時間以上経過したか否か判定する。
【0074】
そして、車両が目的地から所定距離以内で停車してから、前記S26又はS27で読み出した予定滞在時間以上経過したと判定された場合(S28:YES)には、目的地施設の目的地への設定を解除する(S29)。それに伴って、案内経路も削除され、走行案内も停止される。また、地図上の目的地の位置を示す為に表示するマークについても消去される。
【0075】
一方、車両が目的地から所定距離以内で停車してから、前記S25又はS26で読み出した予定滞在時間を経過していないと判定された場合(S28:NO)には、目的地の設定を解除することなく当該目的地解除処理プログラムを終了する。
【0076】
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係るナビゲーション装置1、ナビゲーション装置1による走行案内方法及びナビゲーション装置1で実行されるコンピュータプログラムでは、ユーザが入力した検索条件に基づいて施設の検索を行い(S1)、検索された施設の周辺地図を液晶ディスプレイ15に表示し(S5)、表示された周辺地図上で選択された地点又は施設を目的地に設定する(S7)。そして、車両が目的地から所定距離以内で停車した場合において、目的地の施設以外の検索施設を介して目的地が設定された場合には、車両が目的地の所定距離以内で停車してから該検索施設の予定滞在時間以上経過したか否か判定し(S28)、予定滞在時間以上経過したと判定された場合に目的地の設定を解除する(S29)ので、車両が目的地に設定された施設から所定距離以内に位置する状態で適切な時間が経過したタイミングで目的地の設定を解除することが可能となる。その結果、目的地に到着していないにもかかわらず目的地の設定が解除されたり、目的地に到着したにもかかわらず目的地の設定が解除されないことを防止することができる。
また、目的地の設定処理において、検索された施設の周辺地図が表示された後に、表示された周辺地図上で検索施設以外の施設を目的地として設定した場合や、提携駐車場の一覧を表示させて、表示された提携駐車場の一覧から目的地を設定した場合には、ユーザは目的地に設定された施設ではなく検索された施設に滞在すると予測し、目的地に設定された施設ではなく検索された施設の予定滞在時間を基準として目的地の設定を解除することとなる。従って、車両が目的地に設定された施設から所定距離以内に位置する状態で適切な時間が経過したタイミングで目的地の設定を解除することが可能となる。
【0077】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態では予定滞在時間設定データ33において、予定滞在時間を施設毎に設定しているが、施設のジャンル毎に設定しても良い。その場合には、同一のジャンルに属する施設の滞在時間の平均を、そのジャンルの予定滞在時間に設定する。そして、前記S26では、目的地施設の属するジャンルに対応する予定滞在時間を読み出し、前記S27では、検索施設の属するジャンルに対応する予定滞在時間を読み出す構成とすることが望ましい。
【0078】
また、本実施形態では車両が目的地から所定距離以内において該当する予定滞在時間以上停車した場合に目的地を解除することとしているが、停車しているか否かを問わずに車両が目的地から所定距離以内において該当する予定滞在時間以上滞在した場合に目的地を解除する構成としても良い。また、上記所定距離を目的地の施設や目的地の施設ジャンル毎に変更する構成としても良い。
【0079】
また、本実施形態では、施設検索処理(S1)によって検索された検索施設の周辺地図を表示した後に、表示された周辺地図上で検索施設以外の施設を目的地として設定した場合に、目的地に設定された施設は該施設以外の施設を介して目的地に設定されたとみなす(図8、図9参照)が、更に目的地施設が検索施設に属する施設(特に、検索施設に属する駐車場)であることを条件に追加しても良い。
【符号の説明】
【0080】
1 ナビゲーション装置
13 ナビゲーションECU
15 液晶ディスプレイ
16 スピーカ
32 滞在履歴DB
33 予定滞在時間設定データ
36 施設データ
51 CPU
52 RAM
53 ROM
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地に設定された施設への走行の案内を行う走行案内装置、走行案内方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の走行案内を行い、運転者が所望の目的地に容易に到着できるようにしたナビゲーション装置が車両に搭載されていることが多い。ここで、ナビゲーション装置とは、GPS受信機などにより自車の現在位置を検出し、その現在位置に対応する地図データをDVD−ROMやHDDなどの記録媒体またはネットワークを通じて取得して液晶モニタに表示することが可能な装置である。更に、かかるナビゲーション装置には、所望する目的地を入力すると、自車位置から目的地までの最適経路を探索する経路探索機能を備えており、ディスプレイ画面に案内経路を表示するとともに、交差点に接近した場合等には音声による案内をすることによって、運転者を所望の目的地まで確実に案内するようになっている。また、近年は携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ等においても上記ナビゲーション装置と同様の機能を有するものがある。
【0003】
ここで、上記ナビゲーション装置等では、車両が目的地として設定された地点や施設から所定距離以内に到達すると、車両が目的地に到着したと判断し、目的地の設定が解除され、経路案内を終了する。また、特開2009−300175号公報には、目的地に設定された地点や施設から所定距離内に車両が位置する状態で、予め決められた所定時間以上停車した場合に目的地の設定を解除することについて提案されている。また、目的地として施設が設定された場合には、その施設での平均滞在時間から上記所定時間を設定することについて提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−300175号公報(第5頁〜第8頁、図2、図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記特許文献1に記載された技術では、目的地として例えば駐車場が設定された場合には、その駐車場の平均滞在時間が目的地の設定を解除する基準となる。しかしながら、目的地に設定された駐車場が例えばショッピングモールやテーマパーク等の大型施設に属する駐車場である場合には、ユーザは駐車場に車を駐車した後にショッピングモールやテーマパーク等に滞在すると考えられる。従って、目的地である駐車場の平均滞在時間ではなく、駐車場の従属の主体となる施設であるショッピングモールやテーマパーク等の平均滞在時間を目的地の設定を解除する基準とするのが望ましい。
【0006】
そして、上記特許文献1に記載された技術では、上記事項を考慮しておらず、目的地に到着していないにもかかわらず目的地の設定が解除されたり、目的地に到着したにもかかわらず目的地の設定が解除されない問題があった。
【0007】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、車両が目的地に設定された施設から所定距離以内に位置する状態で適切な時間が経過したタイミングで目的地の設定を解除することが可能となり、目的地に到着していないにもかかわらず目的地の設定が解除されたり、目的地に到着したにもかかわらず目的地の設定が解除されないことを防止した走行案内装置、走行案内方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため本願の請求項1に係る走行案内装置(1)は、施設毎に予定滞在時間を設定する予定滞在時間設定手段(43)と、施設を目的地に設定する目的地設定手段(41)と、前記目的地設定手段により目的地に設定された前記施設である目的地施設に関する施設情報を取得する施設情報取得手段(44)と、車両の現在位置を取得する現在位置取得手段(45)と、前記現在位置取得手段により取得された前記車両の現在位置と前記施設情報とに基づいて、前記車両が前記目的地施設から所定距離以内において該目的地施設に設定された予定滞在時間以上滞在したか否かを判定する滞在判定手段(46)と、前記滞在判定手段によって前記車両が前記目的地施設から所定距離以内において前記予定滞在時間以上滞在したと判定された場合に、該目的地施設の目的地への設定を解除する目的地解除手段(47)と、前記目的地施設が該目的地施設以外の施設を介して目的地に設定されたか否かを判定する目的地判定手段(48)と、を有し、前記予定滞在時間設定手段は前記目的地判定手段の判定結果に基づいて予定滞在時間を設定することを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に係る走行案内装置(1)は、請求項1に記載の走行案内装置において、施設を検索する施設検索手段(49)と、前記施設検索手段により検索された前記施設である検索施設の周辺地図を表示する周辺地図表示手段(50)と、を有し、前記目的地判定手段(48)は、前記周辺地図表示手段によって前記周辺地図が表示された後に、前記検索施設以外の施設を目的地として設定した場合に、前記目的地施設が該目的地施設以外の施設を介して目的地に設定されたと判定することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に係る走行案内装置(1)は、請求項1に記載の走行案内装置において、前記検索施設に属する駐車場の一覧を表示する駐車場表示手段(55)を有し、前記駐車場表示手段によって表示された駐車場の一覧からいずれかの駐車場が選択された場合に、前記目的地設定手段(41)は、選択された駐車場を前記目的地施設に設定し、前記目的地判定手段は、前記目的地施設が該目的地施設以外の施設を介して目的地に設定されたと判定することを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に係る走行案内方法は、施設毎に予定滞在時間を設定して記憶媒体(12)に記憶する予定滞在時間設定ステップと、施設を目的地に設定する目的地設定ステップと、前記目的地設定ステップにより目的地に設定された前記施設である目的地施設に関する施設情報を取得する施設情報取得ステップと、車両の現在位置を取得する現在位置取得ステップと、前記目的地施設に設定された予定滞在時間を前記記憶媒体より読み出す読出ステップと、前記現在位置取得ステップにより取得された前記車両の現在位置と前記施設情報とに基づいて、前記車両が前記目的地施設から所定距離以内において該目的地施設に設定された予定滞在時間以上滞在したか否かを判定する滞在判定ステップと、前記滞在判定ステップによって前記車両が前記目的地施設から所定距離以内において前記予定滞在時間以上滞在したと判定された場合に、該目的地施設の目的地への設定を解除する目的地解除ステップと、前記目的地施設が該目的地施設以外の施設を介して目的地に設定されたか否かを判定する目的地判定ステップと、を有し、前記予定滞在時間設定ステップは前記目的地判定ステップの判定結果に基づいて予定滞在時間を設定することを特徴とする。
【0012】
更に、請求項5に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに搭載され、施設毎に予定滞在時間を設定して記憶媒体(12)に記憶する予定滞在時間設定機能と、施設を目的地に設定する目的地設定機能と、前記目的地設定機能により目的地に設定された前記施設である目的地施設に関する施設情報を取得する施設情報取得機能と、車両の現在位置を取得する現在位置取得機能と、前記目的地施設に設定された予定滞在時間を前記記憶媒体より読み出す読出機能と、前記現在位置取得機能により取得された前記車両の現在位置と前記施設情報とに基づいて、前記車両が前記目的地施設から所定距離以内において該目的地施設に設定された予定滞在時間以上滞在したか否かを判定する滞在判定機能と、前記滞在判定機能によって前記車両が前記目的地施設から所定距離以内において前記予定滞在時間以上滞在したと判定された場合に、該目的地施設の目的地への設定を解除する目的地解除機能と、前記目的地施設が該目的地施設以外の施設を介して目的地に設定されたか否かを判定する目的地判定機能と、を実行させるコンピュータプログラムであって、前記予定滞在時間設定機能は前記目的地判定機能の判定結果に基づいて予定滞在時間を設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
前記構成を有する請求項1に記載の走行案内装置によれば、他の施設を介して目的地施設が目的地に設定された場合において、目的地施設でなく該他の施設の予定滞在時間を基準として目的地の設定を解除するので、車両が目的地に設定された施設から所定距離以内に位置する状態で適切な時間が経過したタイミングで目的地の設定を解除することが可能となる。その結果、目的地に到着していないにもかかわらず目的地の設定が解除されたり、目的地に到着したにもかかわらず目的地の設定が解除されないことを防止することができる。
【0014】
また、請求項2に記載の走行案内装置によれば、検索された施設の周辺地図が表示された後に、検索された施設と異なる他の施設を目的地に設定した場合には、ユーザは目的地に設定された施設ではなく検索された施設に滞在すると予測し、目的地に設定された施設ではなく検索された施設の予定滞在時間を基準として目的地の設定を解除する。従って、車両が目的地に設定された施設から所定距離以内に位置する状態で適切な時間が経過したタイミングで目的地の設定を解除することが可能となる。
【0015】
また、請求項3に記載の走行案内装置によれば、検索された施設に属する駐車場を目的地に設定した場合には、ユーザは目的地に設定された駐車場ではなく検索された施設に滞在すると予測し、目的地に設定された駐車場ではなく検索された施設の予定滞在時間を基準として目的地の設定を解除する。従って、車両が目的地に設定された駐車場から所定距離以内に位置する状態で適切な時間が経過したタイミングで目的地の設定を解除することが可能となる。
【0016】
また、請求項4に記載の走行案内方法によれば、他の施設を介して目的地施設が目的地に設定された場合において、目的地施設でなく該他の施設の予定滞在時間を基準として目的地の設定を解除するので、車両が目的地に設定された施設から所定距離以内に位置する状態で適切な時間が経過したタイミングで目的地の設定を解除することが可能となる。その結果、目的地に到着していないにもかかわらず目的地の設定が解除されたり、目的地に到着したにもかかわらず目的地の設定が解除されないことを防止することができる。
【0017】
更に、請求項5に記載のコンピュータプログラムによれば、他の施設を介して目的地施設が目的地に設定された場合において、目的地施設でなく該他の施設の予定滞在時間を基準として目的地の設定を解除させるので、車両が目的地に設定された施設から所定距離以内に位置する状態で適切な時間が経過したタイミングで目的地の設定を解除させることが可能となる。その結果、目的地に到着していないにもかかわらず目的地の設定が解除されたり、目的地に到着したにもかかわらず目的地の設定が解除されないことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態に係るナビゲーション装置を示したブロック図である。
【図2】地図情報DBに記憶される施設データの一例を示した図である。
【図3】滞在履歴DBの記憶領域の一例を示した図である。
【図4】予定滞在時間設定データの一例を示した図である。
【図5】ナビゲーションECUの構成を示した図である。
【図6】本実施形態に係る目的地設定処理プログラムのフローチャートである。
【図7】液晶ディスプレイに表示される施設案内画面の一例を示した図である。
【図8】液晶ディスプレイに表示される周辺地図案内画面の一例を示した図である。
【図9】液晶ディスプレイに表示される周辺地図案内画面の一例を示した図である。
【図10】本実施形態に係る予定滞在時間設定処理プログラムのフローチャートである。
【図11】本実施形態に係る目的地解除処理プログラムのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る走行案内装置をナビゲーション装置に具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係るナビゲーション装置1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は本実施形態に係るナビゲーション装置1を示したブロック図である。
【0020】
図1に示すように本実施形態に係るナビゲーション装置1は、ナビゲーション装置1が搭載された車両の現在位置を検出する現在位置検出部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU13と、ユーザからの操作を受け付ける操作部14と、ユーザに対して車両周辺の地図や施設の検索結果等を表示する液晶ディスプレイ15と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、プログラムを記憶した記憶媒体であるDVDを読み取るDVDドライブ17と、プローブセンタやVICSセンタ等の情報センタとの間で通信を行う通信モジュール18と、から構成されている。
【0021】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について順に説明する。
現在位置検出部11は、GPS21、車速センサ22、ステアリングセンサ23、ジャイロセンサ24等からなり、現在の車両の位置、方位、車両の走行速度、現在時刻等を検出することが可能となっている。ここで、特に車速センサ22は、車両の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両の駆動輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号をナビゲーションECU13に出力する。そして、ナビゲーションECU13は発生するパルスを計数することにより駆動輪の回転速度や移動距離を算出する。尚、上記5種類のセンサをナビゲーション装置1が全て備える必要はなく、これらの内の1又は複数種類のセンサのみをナビゲーション装置1が備える構成としても良い。
【0022】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された地図情報DB31、滞在履歴DB32、予定滞在時間設定データ33及び所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。
【0023】
ここで、地図情報DB31は、例えば、道路(リンク)に関するリンクデータ34、ノード点に関するノードデータ35、施設に関する施設データ36、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ等が記憶された記憶手段である。
【0024】
また、施設データ36としては、ナビゲーション装置1において出発地、目的地、案内対象等となる施設に関する情報が記憶される。例えば、ホテル、旅館等の宿泊施設、ガソリンスタンド等の給油施設、ショッピングモール、スーパーマーケット、ショッピングセンタ等の商業施設、テーマパーク、ゲームセンタ等の娯楽施設、レストラン、バー、居酒屋等の飲食施設、公共駐車場等の駐車施設、交通施設、寺院、教会等の宗教施設、美術館、博物館等の公共施設等の施設に関する情報が該当する。
また、施設データ36は、施設毎に、施設の識別子である施設番号、施設の名称を示す施設名称、施設のジャンル(「駐車場」、「郵便局」、「レストラン」等)を示す施設ジャンル、施設の位置を示す位置座標等から構成されている。更に、施設データ36には、施設間の従属関係についても記憶される。例えば、施設が駐車場の場合であって、その駐車場が周辺にある他の施設に属する駐車場(例えば、テーマパークやショッピングモールの利用者の為の駐車場)である場合には、駐車場の施設データとして、その従属の主体となる施設についても記憶される。
【0025】
ここで、図2は施設データ36の一例を示した図である。
例えば、図2に示す施設データ36の例では、座標(x1,y1)の地点において施設番号:「10001」に該当する“○○ランド”(ジャンル:遊園地)が設置されていることを示している。また、座標(x2,y2)の地点において施設番号:「10002」に該当する“○×駐車場”(ジャンル:駐車場)が設置されていることを示している。更に、○×駐車場は○○ランドに属する駐車場であることを示している。同様に他の施設に関する情報についても記憶されている。
【0026】
そして、ナビゲーション装置1は、施設の検索処理を行う場合において、上記施設データ36を用いてユーザに選択されたジャンルに該当する施設を検索し、検索条件に適合する施設に関する施設情報を地図情報DB31から取得する。そして、液晶ディスプレイ15に表示された地図画像の該当位置に対してランドマークを表示したり、検索条件に適合する施設の施設名称、現在位置からの距離、所要時間等の一覧を表示することにより、施設に関する情報をユーザに対して案内する。また、ユーザが案内された施設やその周辺に位置する施設を目的地や経由地に設定する操作を行った場合には、該施設を目的地や経由地に設定した案内経路を設定する。
【0027】
また、滞在履歴DB32は、過去にユーザが施設に滞在した時間の履歴を累積して記憶するDBである。具体的には、ナビゲーション装置1に目的地が設定された状態で車両が目的地の所定距離以内(例えば100m以内)に到達し、イグニションがオフされ、その後にオンされた場合に、イグニションがオフされてからオンされるまでの期間を、目的地に設定された施設に滞在した時間として記憶する。但し、後述のように目的地に設定された施設(例えば、テーマパークやショッピングモールに属する駐車場)が該施設以外の施設(例えば、テーマパークやショッピングモール)を介して目的地に設定されている場合には、該施設以外の施設(例えば、テーマパークやショッピングモール)に滞在した時間として記憶される。
【0028】
ここで、図3は滞在履歴DB32の記憶領域の一例を示した図である。
図3に示すように滞在履歴DB32には、施設に滞在した日時と、施設の滞在時間と、滞在した施設(即ち、目的地に設定されていた施設)が対応づけて記憶される。例えば、図3に示す例では、ユーザは2010年7月25日の17:45に“×○デパート”に1時間45分間滞在した(即ち、“×○デパート”又は“×○デパート”に属する他の施設(駐車場等)が目的地に設定された状態で車両が目的地の所定距離以内に到達し、イグニションがオフされ、1時間45分後にオンされた)ことを示す。同様に他の滞在履歴についても記憶されている。
そして、ナビゲーションECU13は、滞在履歴DB32に記憶されたユーザの施設への滞在履歴に基づいて、後述のように施設毎或いは施設のジャンル毎の予定滞在時間を設定する。
【0029】
また、予定滞在時間設定データ33は、施設毎にユーザが滞在すると予測される時間(以下、予定滞在時間という)を特定するデータである。尚、本実施形態では予定滞在時間は過去にユーザが施設に滞在した時間の平均とし、滞在履歴DB32に記憶された滞在履歴に基づいて算出される。尚、施設毎ではなくジャンル毎の予定滞在時間を設定しても良い。
【0030】
ここで、図4は予定滞在時間設定データ33の一例を示した図である。
図4に示すように予定滞在時間設定データ33には、施設と、その施設にユーザが滞在すると予測される予定滞在時間が対応づけて記憶される。例えば、図4に示す例では、“○○ランド”の予定滞在時間は5時間50分に設定されている。同様に他の施設についても施設毎に予定滞在時間が設定されている。
そして、ナビゲーションECU13は予定滞在時間設定データ33に記憶された予定滞在時間の設定に基づいて、後述のように目的地の設定を解除する。
【0031】
一方、ナビゲーションECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)13は、図5に示すように目的地に設定する目的地設定手段41、出発地から目的地までの案内経路を設定する案内経路設定手段42、施設毎に予定滞在時間を設定する予定滞在時間設定手段43、目的地に設定された施設(以下、目的地施設という)に関する施設情報を取得する施設情報取得手段44、車両の現在位置を取得する現在位置取得手段45、車両の現在位置と施設情報とに基づいて車両が目的地施設から所定距離以内において該目的地施設に設定された予定滞在時間以上滞在したか否かを判定する滞在判定手段46、滞在判定手段によって車両が目的地施設から所定距離以内において予定滞在時間以上滞在したと判定された場合に、該目的地施設の目的地への設定を解除する目的地解除手段47、目的地施設が該目的地施設以外の施設を介して目的地に設定されたか否かを判定する目的地判定手段48、施設を検索する施設検索手段49、施設検索手段により検索された施設の周辺地図を表示する周辺地図表示手段50、施設検索手段により検索された施設に属する駐車場(所謂提携駐車場)の一覧を表示する駐車場一覧表示手段55等を構成し、ナビゲーション装置1の全体の制御を行う電子制御ユニットである。そして、演算装置及び制御装置としてのCPU51、並びにCPU51が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM52、制御用のプログラムのほか、目的地設定処理プログラム(図6)や予定滞在時間設定処理プログラム(図10)や目的地解除処理プログラム(図11)等が記録されたROM53、ROM53から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ54等の内部記憶装置を備えている。
【0032】
操作部14は、走行開始地点としての出発地及び走行終了地点としての目的地を入力する際等に操作され、各種のキー、ボタン等の複数の操作スイッチ(図示せず)から構成される。そして、ナビゲーションECU13は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。また、施設検索を行う際にユーザが検索条件(施設名称、住所、ジャンル等)を入力する際や目的地を設定する際にも用いられる。尚、操作部14は液晶ディスプレイ15の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。また、マイクと音声認識装置によって構成することもできる。
【0033】
また、液晶ディスプレイ15には、道路を含む地図画像、交通情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、出発地から目的地までの走行予定経路、走行予定経路に沿った案内情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。また、施設検索を行った場合に検索された検索施設に関する情報や検索施設の周辺の地図を表示する際にも用いられる。
【0034】
また、スピーカ16は、ナビゲーションECU13からの指示に基づいて走行予定経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、交通情報の案内を出力する。
【0035】
また、DVDドライブ17は、DVDやCD等の記録媒体に記録されたデータを読み取り可能なドライブである。そして、読み取ったデータに基づいて地図情報DB31の更新等が行われる。
【0036】
また、通信モジュール18は、交通情報センタ、例えば、VICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタやプローブセンタ等から送信された渋滞情報、規制情報、交通事故情報等の各情報から成る交通情報を受信する為の通信装置であり、例えば携帯電話機やDCMが該当する。
【0037】
続いて、前記構成を有するナビゲーション装置1においてCPU51が実行する目的地設定処理プログラムについて図6に基づき説明する。図6は本実施形態に係る目的地設定処理プログラムのフローチャートである。ここで、目的地設定処理プログラムは車両のACCがONされた後に実行され、入力した条件を満たす施設を検索するとともに検索された施設又は検索された施設の周辺に位置する他の施設を目的地に設定するプログラムである。尚、以下の図6、図10及び図11にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置1が備えているRAM52やROM53に記憶されており、CPU51により実行される。
【0038】
先ず、目的地設定処理プログラムではステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU51は、施設検索処理を行う。施設検索処理では、地図情報DB31に記憶された施設データ36に基づいて、ユーザによって入力された施設名称、住所、ジャンル等の検索条件に適合する施設を検索する。
【0039】
次に、S2においてCPU51は、前記S1の施設検索処理の結果、検索条件に適合する施設が少なくとも1件以上検索できたか否か判定する。そして、検索条件に適合する施設が少なくとも1件以上検索できたと判定された場合(S2:YES)には、S3へと移行する。一方、検索条件に適合する施設が検索できなかったと判定された場合(S2:NO)には、当該目的地設定処理プログラムを終了する。
【0040】
S3においてCPU51は、前記S1の検索処理の結果に基づいて、地図情報DB31から検索条件に適合すると判定された施設の施設データ36(施設名称、位置座標等)を抽出する。そして、抽出した施設データ36に基づいて、検索条件に適合すると判定された施設の一覧を液晶ディスプレイ15に表示する。
【0041】
ここで、図7は前記S3において液晶ディスプレイ15に表示される施設案内画面61の一例を示した図である。図7に示すように施設案内画面61では、検索条件(図7に示す例ではジャンル「テーマパーク」)に適合する施設に関する情報が、車両の現在位置から近い順に情報ウィンドウ62に表示される。また、施設に関する情報としては、施設名称、現在位置からの距離、所要時間等が表示される。そして、ユーザは施設案内画面61を視認することによって、検索条件に適合する施設に関する情報を取得することができる。また、情報ウィンドウ62を選択することによって、後述するように該当する施設の周辺地図を表示したり、目的地に設定することが可能となる。
【0042】
続いて、S4においてCPU51は、前記S3で液晶ディスプレイ15に表示された施設の一覧からユーザの操作に基づいて施設が選択されたか否か判定する。具体的には、図7に示す施設案内画面61に表示された情報ウィンドウ62が選択された場合に、情報ウィンドウ62によって示される施設が選択されたと判定する。
【0043】
そして、施設の一覧から施設が選択されたと判定された場合(S4:YES)には、S5へと移行する。それに対して、施設の一覧から施設が選択されていないと判定された場合(S4:NO)には、選択されるまで待機する。
【0044】
S5においてCPU51は、施設の一覧から選択された施設の周辺の地図を液晶ディスプレイ15に表示する。
【0045】
ここで、図8は前記S5において液晶ディスプレイ15に表示される周辺地図案内画面71の一例を示した図である。図8に示すように周辺地図案内画面71では、施設の一覧から選択された施設72(即ち、ユーザによって検索された施設であり、図8に示す例では“○○ランド”)と、その施設の周辺の地図が表示される。また、周辺地図案内画面71には、画面中央に表示されるカーソル73、カーソル73の周囲8方向に配置された移動矢印74、提携駐車場ボタン75、目的地設定ボタン76等が配置される。そして、移動矢印74が押下されると押下された矢印の示す方向に地図が移動する。また、提携駐車場ボタン75が押下されると、施設の一覧から選択された施設に属する駐車場(所謂提携駐車場)が検索され、検索された提携駐車場の一覧が表示される。また、目的地設定ボタン76が押下されると、押下された時点のカーソル73の示す地点や施設が目的地に設定される。
【0046】
従って、周辺地図案内画面71では、周辺地図案内画面71が表示された最初の状態で目的地設定ボタン76を押下することによって、検索された施設72を目的地に設定することが可能であるが、移動矢印74を操作することによって他の施設や地点を目的地に設定することが可能である。例えば、テーマパークやショッピングモール等の大型施設では施設と駐車場の位置が離れている場合もあり、その場合には施設ではなく駐車場を目的地に設定する方が適切な案内経路を検索することが可能となる。そこで、図8及び図9に示すように、検索された施設72である“○○ランド”の周囲に“○○ランド”に属する駐車場77〜79が3箇所配置されている場合には、移動矢印74を押下することによってカーソル73をいずれかの駐車場77〜79に移動させ、目的地設定ボタン76を押下することによって、検索された施設72ではなく駐車場77〜79のいずれかを目的地に設定することが可能となる。また、提携駐車場ボタン75を押下することによって検索された施設72に属する駐車場77〜79の一覧を表示させ、表示された駐車場77〜79の中から駐車場を選択することによって、選択された駐車場を目的地に設定することも可能である。そして、本実施形態では、上記のように施設検索処理によって検索された施設(以下、検索施設という)の周辺地図を表示した後に、表示された周辺地図上で検索施設以外の施設を目的地として設定した場合や、提携駐車場の一覧を表示させて、表示された提携駐車場の一覧から目的地を設定した場合には、目的地に設定された施設は該施設以外の施設を介して目的地に設定されたとみなす。
【0047】
次に、S6においてCPU51は、前記S5において液晶ディスプレイ15に表示された周辺地図上でユーザによる目的地の設定操作が行われたか否か判定する。具体的には、周辺地図案内画面71が表示された状態で目的地設定ボタン76が押下されたか否かを判定する。
【0048】
そして、目的地の設定操作が行われたと判定された場合(S6:YES)には、S7へと移行する。それに対して、目的地の設定操作が行われなかったと判定された場合(S6:NO)には、目的地を設定することなく当該目的地設定処理を終了する。
【0049】
S7においてCPU51は、周辺地図案内画面71のカーソル73によって選択されていた地点又は施設をナビゲーション装置1の目的地に設定する。また、CPU51は設定された目的地までの案内経路の探索を行う。その後は、探索された案内経路に従って走行の案内を行う。尚、走行案内中において地図上の目的地の位置を示す為に表示するマークは、目的地に設定された施設が該施設以外の検索施設を介して目的地に設定された場合には、目的地に設定された施設上に表示しても良いし、検索施設上に表示しても良い。また、目的地に設定された施設上と検索施設上にそれぞれ表示しても良いし、それぞれの表示態様を変えても良い。例えば、どちらかをトーンダウンして表示しても良い
【0050】
次に、ナビゲーション装置1においてCPU51が実行する予定滞在時間設定処理プログラムについて図10に基づき説明する。図10は本実施形態に係る予定滞在時間設定処理プログラムのフローチャートである。ここで、予定滞在時間設定処理プログラムは車両のACCがONされた後に実行され、施設における滞在時間の履歴から施設毎の予定滞在時間を設定するプログラムである。
【0051】
先ず、予定滞在時間設定処理プログラムではS11において、CPU51は、車両のイグニションがONされたか否か判定する。
【0052】
そして、イグニションがONされたと判定された場合(S11:YES)には、S12へと移行する。それに対して、イグニションがONされていないと判定された場合(S11:NO)には、当該予定滞在時間設定処理プログラムを終了する。
【0053】
次に、S12においてCPU51は、直前のイグニションがOFFされた時点でナビゲーション装置1に目的地が設定され、且つその目的地の所定距離以内(例えば100m以内)に車両が位置するか否か判定する。
【0054】
そして、直前のイグニションがOFFされた時点で目的地が設定され、且つその目的地の所定距離以内に車両が位置すると判定された場合(S12:YES)には、S13へと移行する。それに対して、直前のイグニションがOFFされた時点で目的地が設定されていないと判定された場合又は目的地の所定距離以内に車両が位置しないと判定された場合(S12:NO)には、当該予定滞在時間設定処理プログラムを終了する。
【0055】
S13においてCPU51は、ユーザの施設における滞在時間を算出する。具体的には、直前にイグニションがオフされてからオンされるまでの期間を、施設に滞在した時間として算出する。
【0056】
次に、S14においてCPU51は、直前のイグニションがOFFされた時点で設定されていた目的地が施設であって、該施設以外の検索施設を介して目的地に設定されていたか否か判定する。尚、本実施形態では前述したように、施設検索処理(S1)によって検索された検索施設の周辺地図を表示した後に、表示された周辺地図上で検索施設以外の施設を目的地として設定した場合や、提携駐車場の一覧を表示させて、表示された提携駐車場の一覧から目的地を設定した場合には、目的地に設定された施設は該施設以外の施設を介して目的地に設定されたとみなす(図8、図9参照)。
【0057】
そして、直前のイグニションがOFFされた時点で設定されていた目的地が施設であって、該施設以外の検索施設を介して目的地に設定されていたと判定された場合(S14:YES)には、S16へと移行する。それに対して、直前のイグニションがOFFされた時点で設定されていた目的地が施設でない場合又は該施設以外の検索施設を介して目的地に設定されていなかった場合(S14:NO)には、S15へと移行する。
【0058】
S15においてCPU51は、前記S13で算出された滞在時間を目的地に設定されていた施設(以下、目的地施設という)の滞在時間として滞在履歴DB32(図3)に記憶する。その後、S17へと移行する。
【0059】
一方、S16においてCPU51は、前記S13で算出された滞在時間を検索施設の滞在時間として滞在履歴DB32(図3)に記憶する。例えば、図8及び図9に示すように検索された施設72である“○○ランド”の周辺地図を表示した後に“○○ランド”に属する駐車場77〜79を選択した場合には、“○○ランド”が検索施設となる。
【0060】
次に、S17においてCPU51は、データ記録部12に記憶された予定滞在時間設定データ33(図4)を読み出し、該当する施設の予定滞在時間を更新する。即ち、前記S15で目的地施設の滞在履歴が記憶された場合には、該目的地施設の予定滞在時間を更新し、前記S16で検索施設の滞在履歴が記憶された場合には、該検索施設の予定滞在時間を更新する。尚、本実施形態では予定滞在時間は、過去にユーザが施設に滞在した時間の平均であり、更新対象となる施設の滞在時間の履歴に基づいて算出される。
【0061】
次に、ナビゲーション装置1においてCPU51が実行する目的地解除処理プログラムについて図11に基づき説明する。図11は本実施形態に係る目的地解除処理プログラムのフローチャートである。ここで、目的地解除処理プログラムは車両のACCがONされた後に実行され、所定の条件を満たした場合に目的地の設定を解除するプログラムである。
【0062】
先ず、目的地解除処理プログラムではS21において、CPU51は、ナビゲーション装置1において目的地が設定されているか否かを判定する。尚、ナビゲーション装置1の目的地の設定は前述した目的地設定処理プログラム(図10)において行われる。
【0063】
そして、ナビゲーション装置1に目的地が設定されていると判定された場合(S21:YES)には、S22へと移行する。それに対して、目的地が設定されていないと判定された場合(S21:NO)には、当該目的地解除処理プログラムを終了する。
【0064】
S22において、CPU51は車両が停車したか否かを判定する。
【0065】
そして、車両が停車したと判定された場合(S22:YES)には、S23へと移行する。それに対して、車両が停車していないと判定された場合(S22:NO)には、当該目的地解除処理プログラムを終了する。
【0066】
S23において、CPU51は車両の現在位置を現在位置検出部11から取得するとともに、ナビゲーション装置1で設定されている目的地の位置座標に関する情報を地図情報DB31から取得する。
【0067】
続いて、S24においてCPU51は、前記S23で取得した情報に基づいて、車両の現在位置がナビゲーション装置1に設定された目的地から所定距離以内(例えば100m以内)に位置するか否かを判定する。
【0068】
そして、車両が目的地から所定距離以内に位置すると判定された場合(S24:YES)には、S25へと移行する。それに対して、車両が目的地から所定距離以内に位置しないと判定された場合(S24:NO)には、当該目的地解除処理プログラムを終了する。
【0069】
S25においてCPU51は、ナビゲーション装置1で設定されている目的地が施設であって、該施設以外の検索施設を介して目的地に設定されたか否か判定する。尚、本実施形態では前述したように、施設検索処理(S1)によって検索された検索施設の周辺地図を表示した後に、表示された周辺地図上で検索施設以外の施設を目的地として設定した場合や、提携駐車場の一覧を表示させて、表示された提携駐車場の一覧から目的地を設定した場合には、目的地に設定された施設は該施設以外の施設を介して目的地に設定されたとみなす(図8、図9参照)。
【0070】
そして、ナビゲーション装置1で設定されている目的地が施設であって、該施設以外の検索施設を介して目的地に設定されたと判定された場合(S25:YES)には、S27へと移行する。それに対して、ナビゲーション装置1で設定されている目的地が施設でない場合又は該施設以外の検索施設を介して目的地に設定されなかった場合(S25:NO)には、S26へと移行する。
【0071】
S26においてCPU51は、ナビゲーション装置1で目的地に設定されている目的地施設の予定滞在時間を予定滞在時間設定データ33から読み出す。その後、S28へと移行する。
【0072】
一方、S27においてCPU51は、検索施設の予定滞在時間を予定滞在時間設定データ33から読み出す。例えば、図8及び図9に示すように検索された施設72である“○○ランド”の周辺地図を表示した後に“○○ランド”に属する駐車場77〜79を選択した場合には、“○○ランド”の予定滞在時間が読み出される。
【0073】
次に、S28においてCPU51は、車両が目的地から所定距離以内で停車してから、前記S26又はS27で読み出した予定滞在時間以上経過したか否か判定する。
【0074】
そして、車両が目的地から所定距離以内で停車してから、前記S26又はS27で読み出した予定滞在時間以上経過したと判定された場合(S28:YES)には、目的地施設の目的地への設定を解除する(S29)。それに伴って、案内経路も削除され、走行案内も停止される。また、地図上の目的地の位置を示す為に表示するマークについても消去される。
【0075】
一方、車両が目的地から所定距離以内で停車してから、前記S25又はS26で読み出した予定滞在時間を経過していないと判定された場合(S28:NO)には、目的地の設定を解除することなく当該目的地解除処理プログラムを終了する。
【0076】
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係るナビゲーション装置1、ナビゲーション装置1による走行案内方法及びナビゲーション装置1で実行されるコンピュータプログラムでは、ユーザが入力した検索条件に基づいて施設の検索を行い(S1)、検索された施設の周辺地図を液晶ディスプレイ15に表示し(S5)、表示された周辺地図上で選択された地点又は施設を目的地に設定する(S7)。そして、車両が目的地から所定距離以内で停車した場合において、目的地の施設以外の検索施設を介して目的地が設定された場合には、車両が目的地の所定距離以内で停車してから該検索施設の予定滞在時間以上経過したか否か判定し(S28)、予定滞在時間以上経過したと判定された場合に目的地の設定を解除する(S29)ので、車両が目的地に設定された施設から所定距離以内に位置する状態で適切な時間が経過したタイミングで目的地の設定を解除することが可能となる。その結果、目的地に到着していないにもかかわらず目的地の設定が解除されたり、目的地に到着したにもかかわらず目的地の設定が解除されないことを防止することができる。
また、目的地の設定処理において、検索された施設の周辺地図が表示された後に、表示された周辺地図上で検索施設以外の施設を目的地として設定した場合や、提携駐車場の一覧を表示させて、表示された提携駐車場の一覧から目的地を設定した場合には、ユーザは目的地に設定された施設ではなく検索された施設に滞在すると予測し、目的地に設定された施設ではなく検索された施設の予定滞在時間を基準として目的地の設定を解除することとなる。従って、車両が目的地に設定された施設から所定距離以内に位置する状態で適切な時間が経過したタイミングで目的地の設定を解除することが可能となる。
【0077】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態では予定滞在時間設定データ33において、予定滞在時間を施設毎に設定しているが、施設のジャンル毎に設定しても良い。その場合には、同一のジャンルに属する施設の滞在時間の平均を、そのジャンルの予定滞在時間に設定する。そして、前記S26では、目的地施設の属するジャンルに対応する予定滞在時間を読み出し、前記S27では、検索施設の属するジャンルに対応する予定滞在時間を読み出す構成とすることが望ましい。
【0078】
また、本実施形態では車両が目的地から所定距離以内において該当する予定滞在時間以上停車した場合に目的地を解除することとしているが、停車しているか否かを問わずに車両が目的地から所定距離以内において該当する予定滞在時間以上滞在した場合に目的地を解除する構成としても良い。また、上記所定距離を目的地の施設や目的地の施設ジャンル毎に変更する構成としても良い。
【0079】
また、本実施形態では、施設検索処理(S1)によって検索された検索施設の周辺地図を表示した後に、表示された周辺地図上で検索施設以外の施設を目的地として設定した場合に、目的地に設定された施設は該施設以外の施設を介して目的地に設定されたとみなす(図8、図9参照)が、更に目的地施設が検索施設に属する施設(特に、検索施設に属する駐車場)であることを条件に追加しても良い。
【符号の説明】
【0080】
1 ナビゲーション装置
13 ナビゲーションECU
15 液晶ディスプレイ
16 スピーカ
32 滞在履歴DB
33 予定滞在時間設定データ
36 施設データ
51 CPU
52 RAM
53 ROM
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設毎に予定滞在時間を設定する予定滞在時間設定手段と、
施設を目的地に設定する目的地設定手段と、
前記目的地設定手段により目的地に設定された前記施設である目的地施設に関する施設情報を取得する施設情報取得手段と、
車両の現在位置を取得する現在位置取得手段と、
前記現在位置取得手段により取得された前記車両の現在位置と前記施設情報とに基づいて、前記車両が前記目的地施設から所定距離以内において該目的地施設に設定された予定滞在時間以上滞在したか否かを判定する滞在判定手段と、
前記滞在判定手段によって前記車両が前記目的地施設から所定距離以内において前記予定滞在時間以上滞在したと判定された場合に、該目的地施設の目的地への設定を解除する目的地解除手段と、
前記目的地施設が該目的地施設以外の施設を介して目的地に設定されたか否かを判定する目的地判定手段と、を有し、
前記予定滞在時間設定手段は前記目的地判定手段の判定結果に基づいて予定滞在時間を設定することを特徴とする走行案内装置。
【請求項2】
施設を検索する施設検索手段と、
前記施設検索手段により検索された前記施設である検索施設の周辺地図を表示する周辺地図表示手段と、を有し、
前記目的地判定手段は、前記周辺地図表示手段によって前記周辺地図が表示された後に、前記検索施設以外の施設を目的地として設定した場合に、前記目的地施設が該目的地施設以外の施設を介して目的地に設定されたと判定することを特徴とする請求項1に記載の走行案内装置。
【請求項3】
前記検索施設に属する駐車場の一覧を表示する駐車場一覧表示手段を有し、
前記駐車場一覧表示手段によって表示された駐車場の一覧からいずれかの駐車場が選択された場合に、
前記目的地設定手段は、選択された駐車場を前記目的地施設に設定し、
前記目的地判定手段は、前記目的地施設が該目的地施設以外の施設を介して目的地に設定されたと判定することを特徴とする請求項1に記載の走行案内装置。
【請求項4】
施設毎に予定滞在時間を設定して記憶媒体に記憶する予定滞在時間設定ステップと、
施設を目的地に設定する目的地設定ステップと、
前記目的地設定ステップにより目的地に設定された前記施設である目的地施設に関する施設情報を取得する施設情報取得ステップと、
車両の現在位置を取得する現在位置取得ステップと、
前記目的地施設に設定された予定滞在時間を前記記憶媒体より読み出す読出ステップと、
前記現在位置取得ステップにより取得された前記車両の現在位置と前記施設情報とに基づいて、前記車両が前記目的地施設から所定距離以内において該目的地施設に設定された予定滞在時間以上滞在したか否かを判定する滞在判定ステップと、
前記滞在判定ステップによって前記車両が前記目的地施設から所定距離以内において前記予定滞在時間以上滞在したと判定された場合に、該目的地施設の目的地への設定を解除する目的地解除ステップと、
前記目的地施設が該目的地施設以外の施設を介して目的地に設定されたか否かを判定する目的地判定ステップと、を有し、
前記予定滞在時間設定ステップは前記目的地判定ステップの判定結果に基づいて予定滞在時間を設定することを特徴とする走行案内方法。
【請求項5】
コンピュータに搭載され、
施設毎に予定滞在時間を設定して記憶媒体に記憶する予定滞在時間設定機能と、
施設を目的地に設定する目的地設定機能と、
前記目的地設定機能により目的地に設定された前記施設である目的地施設に関する施設情報を取得する施設情報取得機能と、
車両の現在位置を取得する現在位置取得機能と、
前記目的地施設に設定された予定滞在時間を前記記憶媒体より読み出す読出機能と、
前記現在位置取得機能により取得された前記車両の現在位置と前記施設情報とに基づいて、前記車両が前記目的地施設から所定距離以内において該目的地施設に設定された予定滞在時間以上滞在したか否かを判定する滞在判定機能と、
前記滞在判定機能によって前記車両が前記目的地施設から所定距離以内において前記予定滞在時間以上滞在したと判定された場合に、該目的地施設の目的地への設定を解除する目的地解除機能と、
前記目的地施設が該目的地施設以外の施設を介して目的地に設定されたか否かを判定する目的地判定機能と、を実行させるコンピュータプログラムであって、
前記予定滞在時間設定機能は前記目的地判定機能の判定結果に基づいて予定滞在時間を設定することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項1】
施設毎に予定滞在時間を設定する予定滞在時間設定手段と、
施設を目的地に設定する目的地設定手段と、
前記目的地設定手段により目的地に設定された前記施設である目的地施設に関する施設情報を取得する施設情報取得手段と、
車両の現在位置を取得する現在位置取得手段と、
前記現在位置取得手段により取得された前記車両の現在位置と前記施設情報とに基づいて、前記車両が前記目的地施設から所定距離以内において該目的地施設に設定された予定滞在時間以上滞在したか否かを判定する滞在判定手段と、
前記滞在判定手段によって前記車両が前記目的地施設から所定距離以内において前記予定滞在時間以上滞在したと判定された場合に、該目的地施設の目的地への設定を解除する目的地解除手段と、
前記目的地施設が該目的地施設以外の施設を介して目的地に設定されたか否かを判定する目的地判定手段と、を有し、
前記予定滞在時間設定手段は前記目的地判定手段の判定結果に基づいて予定滞在時間を設定することを特徴とする走行案内装置。
【請求項2】
施設を検索する施設検索手段と、
前記施設検索手段により検索された前記施設である検索施設の周辺地図を表示する周辺地図表示手段と、を有し、
前記目的地判定手段は、前記周辺地図表示手段によって前記周辺地図が表示された後に、前記検索施設以外の施設を目的地として設定した場合に、前記目的地施設が該目的地施設以外の施設を介して目的地に設定されたと判定することを特徴とする請求項1に記載の走行案内装置。
【請求項3】
前記検索施設に属する駐車場の一覧を表示する駐車場一覧表示手段を有し、
前記駐車場一覧表示手段によって表示された駐車場の一覧からいずれかの駐車場が選択された場合に、
前記目的地設定手段は、選択された駐車場を前記目的地施設に設定し、
前記目的地判定手段は、前記目的地施設が該目的地施設以外の施設を介して目的地に設定されたと判定することを特徴とする請求項1に記載の走行案内装置。
【請求項4】
施設毎に予定滞在時間を設定して記憶媒体に記憶する予定滞在時間設定ステップと、
施設を目的地に設定する目的地設定ステップと、
前記目的地設定ステップにより目的地に設定された前記施設である目的地施設に関する施設情報を取得する施設情報取得ステップと、
車両の現在位置を取得する現在位置取得ステップと、
前記目的地施設に設定された予定滞在時間を前記記憶媒体より読み出す読出ステップと、
前記現在位置取得ステップにより取得された前記車両の現在位置と前記施設情報とに基づいて、前記車両が前記目的地施設から所定距離以内において該目的地施設に設定された予定滞在時間以上滞在したか否かを判定する滞在判定ステップと、
前記滞在判定ステップによって前記車両が前記目的地施設から所定距離以内において前記予定滞在時間以上滞在したと判定された場合に、該目的地施設の目的地への設定を解除する目的地解除ステップと、
前記目的地施設が該目的地施設以外の施設を介して目的地に設定されたか否かを判定する目的地判定ステップと、を有し、
前記予定滞在時間設定ステップは前記目的地判定ステップの判定結果に基づいて予定滞在時間を設定することを特徴とする走行案内方法。
【請求項5】
コンピュータに搭載され、
施設毎に予定滞在時間を設定して記憶媒体に記憶する予定滞在時間設定機能と、
施設を目的地に設定する目的地設定機能と、
前記目的地設定機能により目的地に設定された前記施設である目的地施設に関する施設情報を取得する施設情報取得機能と、
車両の現在位置を取得する現在位置取得機能と、
前記目的地施設に設定された予定滞在時間を前記記憶媒体より読み出す読出機能と、
前記現在位置取得機能により取得された前記車両の現在位置と前記施設情報とに基づいて、前記車両が前記目的地施設から所定距離以内において該目的地施設に設定された予定滞在時間以上滞在したか否かを判定する滞在判定機能と、
前記滞在判定機能によって前記車両が前記目的地施設から所定距離以内において前記予定滞在時間以上滞在したと判定された場合に、該目的地施設の目的地への設定を解除する目的地解除機能と、
前記目的地施設が該目的地施設以外の施設を介して目的地に設定されたか否かを判定する目的地判定機能と、を実行させるコンピュータプログラムであって、
前記予定滞在時間設定機能は前記目的地判定機能の判定結果に基づいて予定滞在時間を設定することを特徴とするコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−18088(P2012−18088A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−155891(P2010−155891)
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
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