説明

路面勾配判定方法及び車載内燃機関の制御装置

【課題】運転者によるブレーキ踏み込み量を反映する値であるブレーキマスタ圧と車輪速度の減速度とを用いた路面勾配の判定精度を向上させることのできる路面勾配判定方法、及び該路面勾配判定方法を用いて内燃機関の運転を制御する車載内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】
ブレーキフルードの加圧度合いとしてのブレーキマスタ圧と、ブレーキペダルの踏み込みにより減速される車両の車輪速度の変化度合いに基づき算出される減速度とを用いて走行路面の勾配を判定する。このブレーキマスタ圧として該ブレーキマスタ圧の変化が検出されてから「500ms」後に検出されるブレーキマスタ圧を用い、減速度としてこの「500ms」後にブレーキマスタ圧が検出されたときに検出される車輪速度とこの車輪速度の検出から更に「500ms」後に検出される車輪速度とから算出される減速度を用いて、走行路面が平坦路及び坂路のいずれであるかを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両の制動に際して、当該車両の走行している路面に勾配があるか否かを判定する路面勾配判定方法、及びこの方法により判定された路面勾配の有無を用いて同車両に搭載された内燃機関の運転を制御する車載内燃機関の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両制動時の路面が平坦であるか、あるいは登り、降り等の勾配を有するかを車両の運転状況に基づいて判定する方法が広く知られている。そして通常は、例えば特許文献1に記載のように、ブレーキペダルの踏み込みに連動するマスターシリンダでのブレーキフルードの加圧度合いすなわちブレーキマスタ圧と車輪速度の減速度とを含む車両の運転状況を表す値から判定される。すなわち、運転者によるブレーキペダルの踏み込み量を反映する値である上記ブレーキマスタ圧が同一であったとしても、路面状況によっては車輪速度の減速度は異なったものとなる。具体的には、平坦路における減速度を基準とした場合、登坂路では該減速度が大きくなり、逆に、降坂路では該減速度が小さくなる。このため、これらブレーキマスタ圧と車輪速度の減速度とを用いることで車両制動時における路面の勾配の有無を判定することが可能となる。なお、このように判定される路面勾配に係る情報は、例えば前方を走行する車両を追従する走行が可能な車両(特許文献2参照)、あるいは所定の条件が成立した場合に、運転者によるブレーキペダルの踏み込みがなくともブレーキによる車両の制動を維持するブレーキホールドシステムを搭載する車両(特許文献3参照)等々において、坂路での発進を円滑且つ適切なものとする制御に用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−283882号公報
【特許文献2】特開2005−035347号公報
【特許文献3】特開平10−329671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記路面勾配の判定に用いられる車輪速度の減速度は路面勾配の判定に用いられるブレーキマスタ圧に応じて変化する。しかしながらこの車輪速度の減速度とは、ブレーキマスタ圧が所定の圧力になると同時に変化するものではなく、通常、こうしたブレーキマスタ圧の変化から所定時間のずれをもって変化する。すなわち、運転者によりブレーキペダルが踏み込まれると、まずこの踏み込みに連動するピストンによりマスターシリンダ内に充填されたブレーキフルードが加圧され、ブレーキフルードの圧力としてのブレーキマスタ圧が変化する。その後、このブレーキマスタ圧は、上記マスターシリンダと各車輪の近傍に設けられたブレーキとを連絡する油圧回路を通じてブレーキに伝達され、車輪が減速される。このように、車輪が減速されてはじめて上記車輪速度の減速度は変化するものであることから、ブレーキマスタ圧が変化してからこの変化が上記油圧回路を通じてブレーキに伝達され、これによりブレーキが駆動して車輪の速度が減速されるまでの間は、車輪速はもとより車輪速度の減速度にも変化は生じないことになる。
【0005】
そのため、上述のようにブレーキマスタ圧と車輪速度の減速度とを路面勾配の判定に用いる場合に、ブレーキマスタ圧検出時の車輪速度の減速度によって路面勾配の判定を行ってしまうと、ブレーキマスタ圧と車輪速度の減速度とが正確に対応しないことになり、ひいては路面勾配の判定に係る精度が低下することともなる。
【0006】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、運転者によるブレーキ踏み込み量を反映する値であるブレーキマスタ圧と車輪速度の減速度とを用いた路面勾配の判定精度を向上させることのできる路面勾配判定方法、及び該路面勾配判定方法を用いて内燃機関の運転を制御する車載内燃機関の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、運転者によるブレーキペダルの踏み込み量に対応したマスターシリンダにおけるブレーキフルードの加圧度合いとしてのブレーキマスタ圧と、前記ブレーキペダルの踏み込みにより減速される車両の車輪速度の変化度合いに基づいて算出される減速度とを用いて車両が走行している路面の勾配を判定する路面勾配判定方法であって、前記ブレーキマスタ圧として、該ブレーキマスタ圧の変化が検出されてから一定時間後に検出されるブレーキマスタ圧を用いるとともに、前記減速度として、この一定時間後にブレーキマスタ圧が検出されたときに検出される車輪速度とこの車輪速度の検出から更に一定時間後に検出される車輪速度とから算出される減速度を用いて、前記車両の走行している路面が平坦路及び坂路のいずれであるかを判定することをその要旨とする。
【0008】
上記構成によれば、車両が走行している路面の勾配を判定するに際してブレーキマスタ圧と車輪速度の減速度とを用いるにあたり、ブレーキマスタ圧として、同ブレーキマスタ圧の変化が検出されてから一定時間後に検出されるブレーキマスタ圧を用いるとともに、車輪速度の減速度として、上記判定に用いられるブレーキマスタ圧が検出されたときに検出される車輪速度と、この検出時から更に一定時間後に検出される車輪速度とから算出される減速度を用いるようにしているため、この一定時間によりブレーキマスタ圧が変化してから車輪速度の減速度の変化として現れるまでの時間ずれを解消することができ、当該路面判定に係る精度を向上させることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の路面勾配判定方法において、前記路面の勾配判定が、車両の走行に伴う慣性エネルギを無視し得る所定の速度以下にて実行されることをその要旨とする。
【0010】
周知のように、車両制動時における慣性エネルギは、その質量が同一である場合、速度に比例するものである。そこで、請求項2に記載の発明のように、こうした慣性エネルギが無視できる、すなわち、慣性エネルギにより車輪速度の減速度が影響されない程度の低速域に限って当該路面勾配判定方法により路面勾配判定を実行するようにすれば、該判定に係る精度を向上させることができるようになる。
【0011】
なお、請求項2に記載の路面勾配判定方法における車両の走行に伴う慣性エネルギを無視し得る所定の速度は、請求項3に記載の発明によるように、「15km/h」以下に設定することが望ましい。
【0012】
また、上記車輪速度は通常、車輪の回転に同期して検出されるものであるが、この車輪速度の検出毎に上記減速度を算出すると、走行路面の勾配に限らず、例えば路面の凹凸や路面の粗さ、あるいは微少な砂石等による走行路面の微細な変化、いわゆる外乱が減速度に反映されることとなり、走行路面の勾配判定に際し、減速度に反映される路面勾配以外の要素が無視し難いものとなる、そこで、上述のような路面勾配判定を行うにあたっては、こうした走行路面の微細な変化を吸収するだけの所定の時間をおいて車輪速度の減速度を算出するいわゆるなまし演算により減速度の算出を行うことが望ましい。
【0013】
この点、請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のいずれか一項に記載の路面勾配判
定方法において、前記減速度を算出するための車輪速度の検出間隔についてはこれを、「500ms」程度に設定することで上述のようななまし演算を行うようにしている。なお、このように車輪速度の減速度を算出するに際し、いわゆるなまし処理を実行することで、上記外乱による影響を排除することは可能ではあるものの、この減速度の算出は「500ms」毎にしか行われないため、この演算に起因するブレーキマスタ圧の変化と減速度とのずれか生じることになる。より正確には、ある時点でのブレーキマスタ圧に応じた車輪速度の減速度は、このブレーキマスタ圧取得時の車輪速度と、次回の車輪速度取得時、且つ減速度算出時に算出された減速度に反映されることになる。
【0014】
よって、ブレーキマスタ圧の変化が検出されてから、これが車輪速度の減速度として反映されるまでには、上記マスターシリンダとブレーキとを連絡する油圧回路を通じてブレーキマスタ圧がブレーキに伝達されるまでのいわゆる機械的なずれと、車輪速度の減速度への上記外乱の影響を排除するためのなまし処理により生じる演算によるずれとが存在する。ところが、本発明によれば、上記演算に起因する時間のずれが、機械的なずれに対してこれを無視できる程度に大きいため、ブレーキマスタ圧と車輪速度の減速度の間のずれとは、見かけ上、演算によるずれのみのように現れる。
【0015】
結局のところ、上記「500ms」という一定時間は、機械的なずれのみならず演算によるずれも含めて、ブレーキマスタ圧が変化してから、このブレーキマスタ圧の変化が車輪速度の減速度として反映されるまでの時間に相当する。
【0016】
すなわち、上記請求項4に記載の発明によるように、減速度を算出するための車輪速度の検出間隔についてはこれを、「500ms」としたときに、ブレーキマスタ圧の変化が検出されてからブレーキマスタ圧を取得するまでの時間もこの「500ms」に設定し、こうして得られたブレーキマスタ圧と車輪速度の減速度とに基づき路面勾配の判定を行うこととすれば、取得されたブレーキマスタ圧と減速度とがより精度良く対応するようになり、ひいては路面勾配の判定に係る精度も向上することともなる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、運転者によるブレーキペダルの踏み込み量に対応したマスターシリンダにおけるブレーキフルードの加圧度合いとしてのブレーキマスタ圧を検出するセンサと、車両の車輪速度を検出するセンサとを備えるとともに、車両操作の所定の条件のもとに停止指令を発して内燃機関を停止させて且つ、この自動停止の後に再始動条件が成立したとの判断に基づいて同内燃機関を再始動させる車載内燃機関の制御装置であって、請求項1〜4のいずれか一項に記載の路面勾配判定方法により前記車両の走行している路面が平坦路であると判定されたときには、前記内燃機関の運転を停止させることをその要旨とする。
【0018】
運転者による車両の減速は、該車両の停止を目的としたものであることが多く、上記自動停止及び再始動の可能な車両においては、こうした減速が完了して、車速が「0」km/h近傍になるとともに、他の所定の条件が成立したとき内燃機関の運転を停止するようにしている。そこで、この請求項5に記載の発明では、こうした自動停止・再始動の可能な車載内燃機関を制御する装置にあって、上記路面勾配判定方法により車両制動時の路面が平坦路であると判定されたことを条件に、車両が完全に停止していなくとも、換言すれば上記自動停止の条件以上の車速であっても内燃機関の運転を停止するようにしている。これにより、内燃機関の運転を停止する期間をより長くすることができ、ひいてはこうした内燃機関での燃料消費量をより低減することが可能となる。また、この構成では、上記精度の高い路面勾配判定方法により、走行路面が平坦であると判定されたときに限りこのような制御を実行するようにしているため、坂路での機関運転の停止に起因する不都合の発生を回避しつつ、上述の効果を得ることができる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の車載内燃機関の制御装置において、前記路面勾配判定方法により、前記車両の走行している路面の勾配が判定されて以降は、次回内燃機関が再始動されるまで、同路面勾配判定方法による路面勾配の判定を禁止することをその要旨とする。
【0020】
上記構成によれば、車両の一回の制動動作について路面勾配が一度判定された後は、内燃機関が次回再始動されるまでの間、上記路面勾配の判定が行われないため、制御装置の最低限の演算負荷で上述した燃費の改善効果が得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る車載内燃機関の制御装置の一実施の形態についてその搭載車両の概略構成を示すブロック図。
【図2】同実施の形態に係る制御装置の路面勾配判定処理についてその処理手順を示すフローチャート。
【図3】上記路面勾配判定処理において、ブレーキマスタ圧と車輪速度の減速度とから平坦路、登坂路、及び降坂路の別を判定する際に用いられるマップの例を示すグラフ。
【図4】上記路面勾配判定処理の実行時におけるブレーキマスタ圧、車輪速度、及び車輪速度の減速度の挙動の一例を示すタイミングチャート。
【図5】同実施の形態に係る制御装置、すなわち自動停止・再始動可能な内燃機関の制御装置による機関運転制御の制御手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る路面勾配判定方法、及びこの方法を用いた路面勾配判定処理を実行する車載内燃機関の制御装置の一実施の形態について、図1〜図5を参照して説明する。
まず、本実施の形態の制御装置が制御の対象とする車載内燃機関の概要について図1を参照して説明する。
【0023】
同図1は、車両に搭載される内燃機関及びその周辺構成の概要を示したものである。なおここでは、本実施の形態の制御装置が搭載される車両として内燃機関が同車両の前方側に設けられた後輪駆動車(FR車)を例示している。しかしながら、上記車両の駆動様式、及び内燃機関の配置はこれに限らず、駆動様式が前輪駆動若しくは四輪駆動等であって、内燃機関の配設位置が車両の後方側であってもよい。
【0024】
この図1に示されるように、内燃機関10の出力軸11には、車両の走行状態あるいは内燃機関10の運転状態に応じて同機関の回転速度を所定の比率に減速する自動変速機12が接続されている。また、自動変速機12に接続されて、これにより減速された回転を伝達するプロペラシャフト13は、その他端が左右の車輪16の回転差を吸収するディファレンシャル14に接続されている。このディファレンシャル14には、左右のドライブシャフト15が連結されるとともに、これらの先端には車輪16がそれぞれ設けられている。
【0025】
他方、車室内に設けられて、車両の制動時に運転者によって踏み込まれるブレーキペダル20は、運転者の踏力を増大させるブレーキブースタ21を介して、この踏力を内部に充填されたブレーキフルードに伝達するブレーキマスターシリンダ22に連結されている。なお、正確には、ブレーキマスターシリンダ22にピストンが設けられており、このピストンが運転者によるブレーキペダル20の踏み込み具合に対応して上記マスターシリンダ22内を移動する。そして、このブレーキマスターシリンダ22は、これと同じく上記ブレーキフルードが充填された油圧回路23を通じて、上記車輪16の減速あるいは停止、ひいてはこの車輪16を備える車両の減速あるいは停止を行うブレーキ24と連結されている。
【0026】
こうした車両にあっては、その前進走行時、搭載する内燃機関10の回転が出力軸11を介して自動変速機12に入力されて、例えば車両の走行状態や該機関の運転状態に応じた回転速度に減速される。次いで、この減速された回転は、プロペラシャフト13からディファレンシャル14に伝達された後、左右の車輪16のそれぞれに応じた回転速度に変換されて、ドライブシャフト15を介して車輪16へと伝達される。
【0027】
一方、車両の減速時には、運転者によりブレーキペダル20が踏み込まれ、このときの踏力がブレーキブースタ21にて増大されるとともに、この増大された踏力に応じてブレーキマスターシリンダ22内に充填されたブレーキフルードが、上記ピストンの移動により加圧される、すなわち、ブレーキフルードが所定の油圧を有するようになる。この油圧は油圧回路23を介してブレーキ24へと伝達され、該油圧に応じた制動力により車輪16が制動されることとなる。
【0028】
また、同じく図1に示されるように、上記油圧回路23には、運転者によるブレーキペダル20の踏み込みに応じてブレーキマスターシリンダ22内にて生じた油圧である、いわゆるブレーキマスタ圧を検出する油圧センサ31が設けられている。さらに、上記車輪16の近傍には、その回転速度を検出する車輪速度センサ32が設けられている。そして、これらセンサ31,32の検出信号は、その他車両の走行状態や内燃機関10の運転状態を示す検出信号とともに電子制御装置30に入力される。
【0029】
なお、同図1には便宜上、後左輪近傍のみにこれを制動するブレーキ24、及びこの回転速度を検出する車輪速度センサ32を示している。しかしながら実際には、後右輪近傍、あるいは図示しない左右の前輪近傍にも、これらブレーキ24及び車輪速度センサ32が設けられている。また、上記ブレーキマスターシリンダ22内で生じたブレーキマスタ圧は、油圧回路23により4つの車輪16それぞれの近傍に設けられたブレーキ24の全てに伝達される。
【0030】
上記電子制御装置30は、演算処理装置(CPU)やプログラムメモリ(ROM)、データメモリ(RAM)等を有して内燃機関10の運転状態を制御するための各種制御を実行するマイクロコンピュータを中心に構成されている。そして、このマイクロコンピュータの周辺回路として、上記油圧センサ31及び車輪速度センサ32をはじめ各種センサ等の検出信号が取り込まれる入力部、そしてマイクロコンピュータからの指令に基づき各種アクチュエータを駆動するドライバ等が設けられている。この電子制御装置30の入力部には上述の各種センサが、他方出力部には、各々対応するドライバを介してこれにより駆動される装置類が電気的に接続されている。
【0031】
また、このように構成された電子制御装置30では、上記内燃機関10の運転状態を制御するための各種制御に加え、上記油圧センサ31により検出されたブレーキマスタ圧と、車輪速度センサ32により検出された車輪速度の減速度とから、当該車両が走行している路面勾配の判定も行っている。なお、本実施の形態では、前輪及び後輪のそれぞれに設けられた4つの車輪速度センサ32の検出信号の平均が上記車両の車輪速度として、また、同車輪速度が車両の走行速度に等しいものとして、該電子制御装置30にて算出される。
【0032】
以下に、上記電子制御装置30にて実行される路面勾配判定処理の詳細を図2及び図3を参照して説明する。
図2は、電子制御装置30を通じて実行される路面勾配判定処理の処理手順、換言すれば路面勾配判定の方法を示すフローチャートである。この路面勾配判定に係る処理は、例えば100ms等の所定時間毎に実行される。
【0033】
同図2に示されるように、この判定処理は、ブレーキマスタ圧が「0」より大きい、すなわち運転者によるブレーキペダル20の踏み込みがあり、これがブレーキマスターシリンダ22内のブレーキフルードの油圧として反映されているとともに、車速、すなわち4つの車輪速度センサ32により検出された車輪速度の平均値が、「0km/h」より大きく、「15km/h」以下であることを条件に実行される(ステップS201、ステップS202)。
【0034】
このように、路面勾配の判定処理を実行する車輪速度の平均値、すなわち車両の走行速度を「15km/h」以下とする、すなわち、車両の走行速度が比較的低速であるときに限ることにより、路面勾配判定に用いられる車輪速度の減速度が、車両の走行に伴う慣性エネルギに影響されないようになるため、路面勾配の判定に係る精度を向上させることができる。
【0035】
そして、上記条件が満たされた状態が継続した時間、正確には当該処理フローが実行された回数を計測するカウンタ値nが「5」となり、同条件が満たされた状態で「500ms」が経過して初めて、このときのブレーキマスタ圧と車輪速度とが取得されるとともに、これらの値が電子制御装置30のデータメモリに書き込まれる(ステップS203〜ステップS206、ステップS211、ステップS221)。
【0036】
次いで、上記カウンタ値nが「10」となったとき、すなわち、上記ブレーキマスタ圧及び車輪速度の取得と書き込みとが実行された時点から「500ms」が経過したとき、再びこのときの車輪速度が読み込まれるとともに、この車輪速度の値と、「500ms」前に取得してデータメモリに書き込まれた車輪速度を読み込み、これら2つの車輪速度の値から該車輪速度の減速度を算出する(ステップS211〜ステップS213)。
【0037】
ここで、上記車輪速度は、これも上述の車輪速度センサ32により検出される。一般に、この車輪速度センサ32は、車輪16の回転毎に信号を出力するものであり、これにより高い感度で車輪速度が検出されることとなる。そのため、上記車輪速度の減速度とは、車輪速度センサ32による信号出力毎に、前回の出力信号と今回の出力信号とに基づいて算出することとすれば、その検出頻度及び感度ともに最も高くすることが可能である。
【0038】
しかしながら、このように車輪16の回転に同期して検出される車輪速度毎に上記減速度を算出すると、走行路面の勾配に限らず、例えば路面の凹凸や路面の粗さ、あるいは微少な砂石等による走行路面の微細な変化、いわゆる外乱が減速度に反映されることとなり、走行路面の勾配判定に際し、減速度に反映される路面勾配以外の要素が無視し難いものとなる。そこで、上述のような路面勾配判定を行うにあたっては、こうした走行路面の微細な変化を吸収するだけの所定の時間をおいて車輪速度の減速度を算出する、いわゆるなまし演算により減速度の算出を行うことが望ましい。
【0039】
そこで、本実施の形態によるように、上述のようにある時点の車輪速度とこの車輪速度の取得時から「500ms」だけ後の車輪速度とにより減速度を算出することとすれば、上記種々の外乱の影響を可能な限り排除し、走行路面の勾配と運転者によるブレーキペダル20の踏み込みによるブレーキマスタ圧とにのみ依存したかたちで上記減速度を算出することが可能である。
【0040】
このように車輪速度の減速度を算出するに際し、いわゆるなまし処理を実行することで、上記外乱による影響を排除することは可能ではあるものの、この減速度の算出は「500ms」毎にしか行われないため、この演算に起因するブレーキマスタ圧の変化と減速度とのずれが生じることになる。より正確には、ある時点でのブレーキマスタ圧に応じた車
輪速度の減速度は、このブレーキマスタ圧取得時の車輪速度と、次回の車輪速度取得時、且つ減速度算出時に算出された減速度に反映されることになる。
【0041】
よって、ブレーキマスタ圧の変化が検出されてから、これが車輪速度の減速度として反映されるまでには、上述のような油圧回路を通じてブレーキマスタ圧がブレーキに伝達されるまでのいわゆる機械的なずれと、車輪速度の減速度への上記外乱の影響を排除するためのなまし処理により生ずる演算によるずれとが存在する。ところが、本実施の形態においては、上記演算に起因する時間のずれが、機械的なずれに対してこれを無視できる程度に大きいため、ブレーキマスタ圧と車輪速度の減速度の間のずれとは、見かけ上、演算によるずれのみのように現れる。
【0042】
結局のところ、上記「500ms」という一定時間は、機械的なずれのみならず演算によるずれも含めて、ブレーキマスタ圧が変化してから、このブレーキマスタ圧の変化が車輪速度の減速度として反映されるまでの時間に相当する。
【0043】
すなわち、上述のようにブレーキマスタ圧の変化が検出されてからこうしたずれ時間に相当する「500ms」遅れてブレーキマスタ圧を取得するとともに、このときの車輪速度と更に「500ms」後の車輪速度とにより算出された減速度を用いて路面勾配の判定を行うこととすれば、取得されたブレーキマスタ圧と減速度とがより精度良く対応するようになり、ひいては路面勾配の判定に係る精度も向上することともなる。
【0044】
こうしたブレーキマスタ圧と、このブレーキマスタ圧が検出された時点から「500ms」後の車輪速度の減速度とにより決定される「点」が、図3に示されるマップ上の平坦路領域に包含される場合、当該車両の走行路は平坦路であり、また、この平坦路領域よりも上部にある場合、走行路は降坂路であり、あるいはまた、平坦路領域よりも下部にある場合、走行路は登坂路であると判定される(ステップS214〜ステップS218)。なお、同図3に示されるマップは、その作成に際し、まず、実験あるいはシミュレーション等により、車両が平坦路を走行しているときのブレーキマスタ圧と車輪速度の減速度とのサンプルから、平坦路を走行したときのブレーキマスタ圧と車輪速度の減速度との関係を示す一次関数としての近似線A「y=ax+b」を算出する。その後、この近似線Aに対し、上記油圧センサ31や車輪速度センサ32の精度、及び車両の個体毎に生じ得るばらつきを考慮して、上記近似線Aよりも上側の領域及び下側の領域をも含め、この近似線Aを含む上下の領域を平坦路領域とする。そして、この平坦路領域よりも上側の領域を降坂路領域とし、他方、平坦路領域よりも下側の領域を登坂路領域とする。ちなみに、車両の走行路が降坂路である場合、あるブレーキマスタ圧に対応する車輪速度の減速度は、平坦路走行時よりも小さくなるため、先の図3に示される平坦路領域よりも上側が降坂路領域として、他方、車両の走行路が登坂路である場合、あるブレーキマスタ圧に対応する車輪速度の減速度は、平坦路走行時よりも大きくなるため、上記平坦路領域の下側が登坂路領域として設定されている。こうしたマップは、予め作成されて上記電子制御装置30の備えるプログラムメモリに記憶されている。
【0045】
このように、本実施の形態では、ブレーキマスタ圧と車輪速度の減速度とに、車両の走行路面の勾配が対応付けされたマップにより路面勾配の判定を行うこととしているため、路面勾配の判定時にマップを参照するのみで済み、この路面勾配判定毎における電子制御装置30の演算負荷を最小限に抑えることができる。
【0046】
上述したような路面勾配判定方法によれば、ブレーキマスタ圧と車輪速度の減速度とにより車両の走行路の勾配を判定する精度が向上するようになる。
図4は、先の図2、図3に示した坂路状態判定処理が実行される際の、ブレーキマスタ圧、車輪速度、及び車輪速度の減速度の挙動の一例をタイミングチャートとして示したも
のである。
【0047】
同図4に示されるように、この挙動の一例では、ブレーキマスタ圧が「0」でない値として検出されたタイミングt1以前に、路面勾配判定処理の実行条件の1つである、車速「15km/h」以下が満たされている。そして、タイミングt1にてブレーキマスタ圧の変化が検出されると、「500ms」後のタイミングt2にてこのときのブレーキマスタ圧及び車輪速度が取得され、電子制御装置30のデータメモリに書き込まれる。このタイミングt2から「500ms」後のタイミングt3にてこのときの車輪速度が再び取得されるとともに、このタイミングt3での車輪速度と、上記タイミングt2にて取得及び記憶された車輪速度とに基づいてタイミングt3での車輪速度の減速度が算出される。加えて、この車輪速度の減速度と上記タイミングt2にて取得されたブレーキマスタ圧とにより、車両走行路の路面勾配が判定される。なお、タイミングt3〜タイミングt4に渡り、ブレーキマスタ圧が「0」より大きく、且つ、車輪速度が「0km/h」より大きいとともに「15km/h」以下であるため、上述した条件は満たされているものの、カウンタ値nが「10」よりも大きい値であるため、実際には坂路状態の判定は行われない。そして、タイミングt4にて車輪速度が「0」となるため、カウンタ値nが「0」にリセットされる。
【0048】
こうした路面勾配判定の方法は、例えば、車両操作、車両の走行状態、及び内燃機関の運転状態について所定の条件が成立したときに内燃機関の運転を自動的に停止し、他方、これらの条件が解除されたときに同機関の運転を同じく自動的に再始動する、自動停止・再始動の可能な内燃機関の制御装置にも適用可能である。こうした、いわゆるエコノミーランニングの可能な車両は、内燃機関の自動停止・再始動を実行することにより、当該機関にて消費される燃料量の削減を図っている。
【0049】
この自動停止再始動可能な内燃機関の制御装置に、上記路面勾配判定の方法、すなわち路面勾配判定処理が適用された場合、同処理は、制御装置の機関運転制御の一部として実行されることとなる。
【0050】
すなわち、上記機関運転制御の制御手順を図5に示すように、この制御は、判定フラグが「0」であることを条件に実行される(ステップS501)。詳細には、上記判定フラグとは、ステップS502の路面勾配判定処理、すなわち先の図2の処理にてカウンタ値nが「10」となり、車両の走行路が平坦路、降坂路、及び登坂路のいずれであるかが判定されていない場合に「0」となるものである。
【0051】
そして、走行路面が平坦路、降坂路、及び登坂路のいずれであるかが判定されると、判定フラグが「1」に変更され、この判定結果が平坦路であるときには、内燃機関の運転が自動的に停止される(ステップS502〜ステップS505)。なお、この自動停止された内燃機関は、上述のような自動停止・再始動可能な内燃機関にて再始動条件として設定される適宜の条件が成立したときに、その始動が実行されるとともに、上記判定フラグも「0」にリセットされる。
【0052】
このように、自動停止・再始動の可能な車載内燃機関を制御する装置にあって、上記路面勾配判定方法により車両制動時の路面勾配が平坦であると判定されたことを条件に、車両が完全に停止していなくとも、換言すれば上記自動停止の条件以上の車速であっても内燃機関の運転を停止するようにしている。
【0053】
これにより、内燃機関の運転を停止する期間をより長くすることができ、こうした内燃機関での燃料消費量をより低減することが可能となる。また、この構成では、上記精度の高い路面状態判定方法により、走行路面が平坦であると判定されたときに限りこのような
制御を実行するようにしているため、坂路での機関運転の停止に起因する不都合の発生を回避しつつ、上述の効果を得ることができる。
【0054】
本実施の形態によれば上述のように、以下に列挙する効果を奏することができる。
(1)車両が走行している路面の勾配判定に、ブレーキマスタ圧と車輪速度の減速度とを用いるにあたり、ブレーキマスタ圧として、同ブレーキマスタ圧の変化が検出されてから「500ms」後に検出されるブレーキマスタ圧を用いるとともに、車輪速度の減速度として、上記判定に用いられるブレーキマスタ圧が検出されたときに検出される車輪速度と、この検出時から更に「500ms」後に検出される車輪速度とから算出される減速度を用いるようにした。そのため、この「500ms」によりブレーキマスタ圧が変化してから車輪速度の減速度の変化として現れるまでの時間ずれを解消することができ、当該路面判定に係る精度を向上させることができる。
【0055】
(2)慣性エネルギが無視できる、すなわち、慣性エネルギにより車輪速度の減速度が影響されない程度の低速域、具体的には「15km/h」に限って当該路面勾配判定方法による路面勾配判定を実行するようにした。これにより、路面勾配判定に用いられる車輪速度の減速度に対する種々の外乱による影響を排除することができ、路面勾配の判定に係る精度を向上させることができるようになる。
【0056】
(3)自動停止・再始動の可能な車載内燃機関の制御装置において、本実施の形態での路面勾配判定方法により車両制動時の路面が平坦であると判定されたことを条件に、車両が完全に停止していなくとも、換言すれば上記自動停止の条件以上の車速であっても内燃機関の運転を停止するようにした。これにより、内燃機関の運転を停止する期間をより長くすることができ、こうした自動停止・再始動の可能な内燃機関での燃料消費量をより低減することが可能となる。また、上記精度の高い路面勾配判定方法により、走行路面が平坦であると判定されたときに限りこのような制御を実行するようにしているため、坂路での機関運転の停止に起因する不都合の発生を回避しつつ、上述の効果を得ることができる。
【0057】
(4)車両の制動動作一回について路面勾配が一度判定された後は、内燃機関が次回再始動されるまでの間、路面勾配の判定を行わないようにした。これにより、制御装置の最小限の演算負荷で上述した燃費の改善効果が得られるようになる。
【0058】
なお、上記本実施の形態は、以下のように適宜変更して実施することも可能である。
・先の図5に示したように、自動停止・再始動可能な内燃機関を制御対象とする制御装置における機関運転制御処理では、走行路の路面勾配が判定されたか否かを示す判定フラグを用いるとともに、このフラグが「1」であるときには、同図5のステップS502での処理、すなわち、先の図2に示される処理を実行しないようにした。これに限らず、一旦路面勾配の判定が完了すると、それ以降はカウンタ値nの操作のみで、該路面勾配の判定が行われないようになるため、上記判定フラグを必ずしも設けなくともよい。
【0059】
・当該制御装置の制御対象となる内燃機関が搭載された車両は、自動変速機12付きの車両、いわゆるAT車とした。これに限らず、手動変速機付きの車両、いわゆるMT車であってもよい。
【0060】
・車輪速度センサ32の検出値を車両の走行速度とするようにした。これに限らず、車輪速度センサ32とは別途に車両の走行速度を検出する車速センサ、例えば、自動変速機12やディファレンシャル14の出力軸の回転を検出するセンサを設け、これにより車速を検出するようにしてもよい。
【0061】
・車輪速度センサ32を4つ設ける、すなわち、前輪、後輪のそれぞれの車輪16毎の速度を検出するセンサを設けるとともに、これら検出値の平均から車輪速度を算出するようにした。これに限らず、車輪速度センサ32は、特定の車輪16近傍に設けるのみであってもよい。
【0062】
・先の図5に示したように、当該制御装置を自動停止・再始動可能な内燃機関に適用することにより、同自動停止・再始動可能な内燃機関での燃料消費量の低減効果を向上させるようにした。これに限らず、自動停止のみが可能な内燃機関にこうした制御装置を適用し、走行路が平坦である場合には、自動停止条件の成立以前に内燃機関を停止するようにすれば、上記と同様に、燃料消費量の低減効果を向上させることができる。
【0063】
・路面勾配判定処理では、平坦路、登坂路、及び降坂路の別を判定することができるようにした。これに限らず、上記路面勾配判定処理は、登坂路及び降坂路の両方を含む坂路と平坦路との別のみが判定できるものであってもよい。
【0064】
・車輪速度の減速度の算出を「500ms」毎に実行し、これにあわせて、ブレーキマスタ圧の取得に際しては、同ブレーキマスタ圧の変化が検出されてからこの「500ms」経過したときのブレーキマスタ圧を取得することで、ブレーキマスタ圧が変化してから車輪速度の減速度が変化するまでの上記機械的なずれも含めて解消することとした。これに限らず、車輪速度の減速度の算出間隔は、任意の間隔に設定することが可能である。ただし、この設定された減速度の算出間隔が、上記機械的なずれを無視し得る程の期間でない場合、あるいは、算出間隔が機械的なずれよりも短い場合には、この機械的なずれの期間を考慮して上記一定時間を設定することが望ましい。
【0065】
・車速が「15km/h」以下であるときに限り、路面勾配判定処理を実行するようにした。これに限らず、制動時における車両の慣性エネルギが無視し得るような任意の速度であればよい。
【0066】
・また、車速が「15km/h」以下であるときに限り、路面勾配判定処理を実行するようにしたが、こうした車速による路面勾配判定処理の実行制限を設けなくともよい。これによっても、上記(1)、(2)〜(4)に準ずる効果を得ることはできる。
【符号の説明】
【0067】
10…内燃機関、11…出力軸、12…自動変速機、13…プロペラシャフト、14…ディファレンシャル、15…ドライブシャフト、16…車輪、20…ブレーキペダル、21…ブレーキブースタ、22…ブレーキマスターシリンダ、23…油圧回路、24…ブレーキ、30…電子制御装置、31…油圧センサ、32…車輪速度センサ、A…近似線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者によるブレーキペダルの踏み込み量に対応したマスターシリンダにおけるブレーキフルードの加圧度合いとしてのブレーキマスタ圧と、前記ブレーキペダルの踏み込みにより減速される車両の車輪速度の変化度合いに基づいて算出される減速度とを用いて車両が走行している路面の勾配を判定する路面勾配判定方法であって、
前記ブレーキマスタ圧として、該ブレーキマスタ圧の変化が検出されてから一定時間後に検出されるブレーキマスタ圧を用いるとともに、前記減速度として、この一定時間後にブレーキマスタ圧が検出されたときに検出される車輪速度とこの車輪速度の検出から更に一定時間後に検出される車輪速度とから算出される減速度を用いて、前記車両の走行している路面が平坦路及び坂路のいずれであるかを判定する
ことを特徴とする路面勾配判定方法。
【請求項2】
前記路面の勾配判定が、車両の走行に伴う慣性エネルギを無視し得る所定の速度以下にて実行される
請求項1に記載の路面勾配判定方法。
【請求項3】
前記慣性エネルギを無視し得る所定の速度を15km/h以下とする
請求項2に記載の路面勾配判定方法。
【請求項4】
前記減速度を算出するための前記車輪速度の検出間隔が500msに設定される
請求項1〜3のいずれか一項に記載の路面勾配判定方法。
【請求項5】
運転者によるブレーキペダルの踏み込み量に対応したマスターシリンダにおけるブレーキフルードの加圧度合いとしてのブレーキマスタ圧を検出するセンサと、車両の車輪速度を検出するセンサとを備えるとともに、車両操作の所定の条件のもとに停止指令を発して内燃機関を停止させて且つ、この自動停止の後に再始動条件が成立したとの判断に基づいて同内燃機関を再始動させる車載内燃機関の制御装置であって、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の路面勾配判定方法により前記車両の走行している路面が平坦路であると判定されたときには、前記内燃機関の運転を停止させる
ことを特徴とする車載内燃機関の制御装置。
【請求項6】
前記路面勾配判定方法により、前記車両の走行している路面の勾配が判定されて以降は、次回内燃機関が再始動されるまで、同路面勾配判定方法による路面勾配の判定を禁止する
請求項5に記載の車載内燃機関の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−249080(P2010−249080A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−101341(P2009−101341)
【出願日】平成21年4月17日(2009.4.17)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】