説明

路面画像作成装置と作成方法

【課題】 曲線を描く路面を、曲線を描く路面画像で再現する技術を提案する。
【解決手段】 本発明の路面画像作成装置は、路面を走行する車両と、車両の走行距離を測定する手段と、車両の幅方向には長くて車両の縦方向には狭い視野内の路面を撮影する車載のラインカメラと、車両の縦方向の視野幅に実質的に等しい距離を車両が走行する毎にラインカメラで撮影して得られた撮影データを記憶する手段と、撮影データを記憶した時点におけるラインカメラの視野の位置を決定する手段と、決定した視野の位置と記憶している撮影データに基づいて面的に広がる路面画像を出力する手段を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は路面(道路表面)を撮影し、道路の長手方向と幅方向に面的に広がる路面画像を作成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
路面は、長くて細いことから撮影することが難しい。飛行機等を利用して高い位置から撮影すれば、長い路面を一度に撮影することができるが、路面の状態(例えばクラックや剥がれの有無等)を調査できるほど細かな画素で撮影することはできない。また、道路を走行する車両の直下位置の路面は撮影できない。
【0003】
そこで本出願人は路面撮影カメラを車載し、その車両で走行しながら路面を撮影する技術を開発した。その技術は、特許文献1に開示されている。この技術では、ラインカメラを用いる。ラインカメラによって、車両幅方向には1車線分の長さに亘って伸び、車両縦方向(進行方向)には所定距離(例えば1mm)だけ伸びる線(ライン)状の領域を撮影する。車両の縦方向の視野幅に実質的に等しい距離(例示の場合には1mm)を走行する毎に、線状視野内の路面の撮影を繰返すことによって、長い路面を細かな画素で撮影することができる。走行する車両から路面を撮影して得た撮影データを記憶することによって路面画像用データファイルが作成される。この路面画像用データファイルが得られると、路面画像を表示することができ、路面のひび割れの程度や、路面に存在するマンホールの種類と位置や、路面にペイントされた各種の道路標識の鮮明さの程度等を把握しやすくなり、道路の維持管理に必要な負担を軽減することができる。道路の維持管理には、路面の数mm程度のひび割れをも検出することができる高解像度の路面画像が求められる。
【0004】
路面を走行することによって縦振動することが避けられない車両から、進行方向に向かって1mm程度の幅しかない線状領域を撮影すると、車両の縦振動に起因して、進行方向遠方側の線状領域が先に撮影され、車両に近い側の線状領域が後に撮影される現象が発生することが避けられないと予想され、撮影された順序で撮影された線状路面画像を連続させてみても面的に広がる路面画像は再現されないと予想されていたのに反し、実際には線状領域の撮影順序と線状領域の進行方向に沿った順序が逆転することがなく、撮影された順序で撮影された線状路面画像を連続させることによって、面的に広がる路面画像を再現できることが確認された。この路面画像作成技術を用いると、路面の状態を細かく調べる(例えば、クラックや剥がれの有無等)ことができる程度の解像度で、長くて細い路面を撮影することができる。
【0005】
【特許文献1】特開2002−54911号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
走行車線が直線的に伸びており、撮影用車両が直線に沿って走行していれば、撮影された順序で撮影された線状路面画像を連続させることによって、面的に広がる路面画像を再現することができる。図13(1)は、直線的に伸びる走行車線300を、走行する車両から、線状領域304a、304b、304c、304d、304eの順に撮影した場合を示し、この場合には、(2)に示すように、線状路面画像306a、306b、306c、306d、306eを直線308に沿って並べてゆくことによって、直線的に伸びる路面300の画像が再現される。
【0007】
しかしながら走行車線が曲線を描く場合には、問題が生じる。図13(3)は、曲線を描く走行車線310を走行する車両から、線状領域314a、314b、314c、314d、314eの順に撮影した場合を示し、この場合には、(4)に示すように、線状路面画像316a、316b、316c、316d、316eを直線318に沿って並べてゆくと、曲線を描く走行車線310が直線的に伸びる路面画像に変換されてしまう。
【0008】
本発明は上記課題を解決するために創作されたものであり、(5)に示すように、曲線を描く路面については、曲線を描く路面画像が再現される技術を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の路面画像作成装置は、路面を走行する車両と、車両の走行距離を測定する手段と、車両の幅方向には長くて車両の縦方向には狭い視野内の路面を撮影する車載のラインカメラと、車両の縦方向の視野幅に実質的に等しい距離を車両が走行する毎にラインカメラで撮影して得られた撮影データを記憶する手段と、撮影データを記憶した時点におけるラインカメラの視野の位置を決定する手段と、決定した視野の位置と記憶している撮影データに基づいて面的に広がる路面画像を出力する手段を備えている。
車両の縦方向の視野幅に実質的に等しい距離とは、隣接する視野同士の間にわずかなオーバラップ又は隙間が形成される程度のことをいい、実用的な画質が保証される範囲のことをいう。
【0010】
本発明の路面画像作成装置では、車載のラインカメラを使用し、車両の縦方向の視野幅に実質的に等しい距離を車両が走行する毎にラインカメラで路面を撮影し、得られた撮影データを記憶する。図13(3)に例示する場合には、線状視野314a、314b、314c、314d、314eの順で、路面を撮影し、得られた撮影データを記憶する。
本発明の路面画像作成装置では、撮影データを記憶した時点におけるラインカメラの視野の位置を決定する手段を備えている。例えば、路面画像316aを示す撮影データに対して、その時の視野314aの位置を示すデータが対応づけられている。同様に、路面画像316bを示す撮影データに対して、その時の視野314bの位置を示すデータが対応づけられている。
本発明の路面画像作成装置では、視野の位置と撮影データに基づいて面的に広がる路面画像を得るために、図13(4)の路面画像ではなく、図13(5)に例示する路面画像が得られ、これが出力される。
本発明の路面画像作成装置によると、曲線を描く路面については、曲線を描く路面画像を作成することができる。
【0011】
ラインカメラの視野の位置を決定するためには様々な技術を利用することができるが、例えば、車両の進行方位を検出する手段と、車両の走行距離とその走行距離における車両の進行方位から車両の走行軌道を演算する手段と、演算した車両の走行軌道からラインカメラの視野の位置を演算する手段を利用することができる。
【0012】
車両の走行距離とその走行距離における車両の進行方位が判明すれば、車両の走行軌道を演算することができる。ラインカメラが車両に対して固定されていれば、車両の走行軌道から、例えばラインカメラの視野中心位置の軌道を演算することができる。また車両の進行方位から、ラインカメラの線状視野が伸びている方位が判明する。
以上によって、ラインカメラの視野の位置を演算することができる。
【0013】
車両の進行方位を検出するためには様々な技術を利用することができる。例えば磁気コンパスを車載しておけば、北から測定した方位角を検出することができる。
あるいは、車両の左右輪の走行距離の差と左右輪の間隔から、車両の進行方位の変化角を演算することができる。例えば左右輪の間隔をAmmとし、左輪が1mm走行する間に右輪が(1+A×tan1°)mmだけ走行したとすれば、その間に車両は1°だけ進行方位を変化させたことがわかる。変化角を累積してゆけば、進行方位を知ることができる。
【0014】
あるいは、車載のエリアカメラを利用することもできる。車両が所定距離を走行する毎にエリアカメラで路面を撮影し、得られた撮影データを記憶する手段を設けておけば、連続して撮影されたエリアカメラの画像同士の位置関係から車両の進行方位の変化角を演算することができる。
例えば車両が500mm走行する毎に、600×600mmの路面エリアを撮影すれば、連続して撮影された2枚の路面画像に同一の被写体が撮影されている。そこで2以上の対応点を重ねあわせることで、2枚の路面画像の位置関係を決定することができ、車両が500mm走行する間に生じた進行方位の変化角を演算することができる。これが判明すれば、その間の変化角を補完計算することによって、ライカメラの各線状視野の位置を走行距離に対応付けて演算することができる。
【0015】
あるいはジャイロセンサを車載し、走行距離とジャイロセンサの出力を対応付けて記憶するようにしてもよい。
車両の走行距離に対応付けて車両の進行方位を演算するのに必要なデータを収集することができる。
【0016】
ラインカメラの視野の位置は、撮影結果から逆算してもよい。例えば、路面に直線的に伸びるストライプが描かれている場合、撮影されたストライプが直線的に伸びるように、各線状路面画像を配列してゆけば、各線状路面画像を撮影したときの視野位置に合わせて各線状路面画像を配列したことになる。
そこで、車両の走行距離と路面に付されたストライプの視野内位置に基づいて視野の位置を決定する手段を用意することができ、その手段を利用すれば、各線状路面画像をそれが撮影されたときの位置関係に再現して配列することができる。
【0017】
本発明は方法として捉えることもできる。本発明で具現化される路面画像作成方法は、路面を走行しながら車両の走行距離を測定する工程と、車両が所定距離を走行する毎に、車両の幅方向に長くて車両の縦方向に狭い視野内の路面を撮影する車載のラインカメラで路面を撮影し、撮影して得られた撮影データを記憶する工程と、撮影データを記憶した時点におけるラインカメラの視野の位置を決定する工程と、決定した視野の位置と記憶している撮影データに基づいて面的に広がる路面画像を出力する工程を備える。
【0018】
上記方法によると、車両で走行しながらライカメラで撮影した線状路面画像群を、それらが撮影されたときの位置関係に再現して配列することができる。曲線を描く路面については曲線を描く路面画像を作成することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の装置や方法を用いることによって、長くて細い路面を細かな解像度で撮影することができ、長くて細い路面画像を作成することができる。本発明の装置や方法を用いると、直線的に伸びる路面については直線的に伸びる路面画像を作成することができ、曲線を描く路面については曲線を描く路面画像を作成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を具現化した実施例について図面を参照して説明する。最初に実施例の主要な特徴を列記する。
(形態1):車両の走行距離を測定する手段は、車両に搭載されており、路面に接して回転するロータリーエンコーダである。
【実施例】
【0021】
(第1実施例)
本発明に係る路面画像作成装置6について、図面を参照しながら説明する。
図1に示されているように、路面画像作成装置6は、測定車12、撮影部2、ロータリーエンコーダ22、24、制御装置8、記憶装置10、電子計算機14、外部記憶装置16、ディスプレイ18、印刷装置20を備えている。
測定車12は、マイクロバスを測定用に改造したものである。
撮影部2は、測定車12のルーフ上に取付けられたルーフキャリアに固定されており、ブーム4とラインカメラ28を有している。ブーム4の先端は、測定車12の前端よりも前方側にオーバーハングしている。ラインカメラ28は、ブーム4の先端下部に装着されており、路面26を真上から測定車12の走行直角方向(測定車12の車両幅方向)に沿って撮影する。ラインカメラ28は、レンズを透過して入力された画像をCMOS、CCD等の撮像素子で撮影する。このラインカメラ28は、4096個の撮像素子を持ち、各撮像素子は、「1mm×1mm」を撮影するので、一度に4096mmの長さに亘って撮影を行うことができる。4096mmは、1車線の幅よりも若干大きい。
【0022】
ロータリーエンコーダ22、24は路面26と接触しており、測定車12の走行にともなって回転する回転部22a、24aと、回転部22a、24aの回転を検出する回転検出部(図示省略)を備えている。ロータリーエンコーダ22は測定車12の右側後輪の近傍で路面26と接触しており、実質的に測定車12の右側後輪の走行距離を検出する。またロータリーエンコーダ24は測定車12の左側後輪の近傍で路面26と接触しており、実質的に測定車12の左側後輪の走行距離を検出する。ロータリーエンコーダ22は、測定車12の右側後輪が1mm走行する毎にパルスを出力し、ロータリーエンコーダ24は、測定車12の左側後輪が1mm走行する毎にパルスを出力する。
記憶装置10は、入力されたデータを、複数のハードディスクに分散して記憶する。
制御装置8には、ラインカメラ28、ロータリーエンコーダ22、24、記憶装置10が接続されている。制御装置8は、CPU、ROM、RAM等を備えるコンピュータである。制御装置8は、ロータリーエンコーダ24から入力されるパルス信号を用いて、ROMに格納されている制御プログラムを実行して、パルスを受信する毎に制御信号(露光開始信号)をラインカメラ28に出力することにより、測定車12の左側後輪が1mm走行する毎にラインカメラ28に撮影を行わせる。従って、路面26は、ラインカメラ28によって連続的に撮影される。また、制御装置8は、ロータリーエンコーダ24から入力されるパルス信号に基づいて、路面26の撮影を開始してからの測定車12の走行距離を把握している。制御装置8は、ラインカメラ28で撮影した各撮影データと、路面の撮影を開始してからの測定車12の左側後輪の走行距離とを対応付けて、記憶装置10に記憶させる。さらに制御装置8は、ロータリーエンコーダ22と24から入力されるパルス信号に基づいて、測定車12の左側後輪の走行距離が1000mm増加する毎の右側後輪の走行距離の増加分を計測し、記憶装置10に記憶させる。
【0023】
電子計算機14、外部記憶装置16、ディスプレイ18、印刷装置20は、道路管理所等に設置されている。
電子計算機14は、CPU、ROM、RAM等を備えるコンピュータである。外部記憶装置16は、ハードディスク等の記憶媒体を備える。電子計算機14は、測定車12の記憶装置10に記憶されている撮影データおよび走行距離のデータを、有線または無線通信を介してダウンロードし、外部記憶装置16に記憶する。
電子計算機14は、外部記憶装置16に記憶された撮影データおよび走行距離データを用いて、路面画像を作成する。作成された路面画像は、ディスプレイ18に表示される。また作成した路面画像は印刷装置20を用いて印刷される。
【0024】
図2は測定車12と曲線道路の路面26との関係を模式的に示す図である。測定車12の左側後輪が1mm走行するごとに路面26上の視野30を撮影部2のラインカメラ28で撮影する。視野30の車両縦方向の幅は1mmであり、図2では拡大して表現されている。ラインカメラ28で撮影された視野30の撮影データは、撮影ライン上の長手方向の位置と、その位置での画像の特徴を示す数値データ、例えば明るさや色などを数値化したデータ、の組み合わせとして表現されている。ここで言う撮影ラインとは、ラインカメラ28の視野30を車両の縦方向に等分する線分であり、視野30の位置と角度を特徴付ける。撮影データは、ロータリーエンコーダ24から検出される測定車12の左側後輪の走行距離を対応付けられて記憶装置10へ記憶される。また路面画像作成装置6は、左側後輪の走行距離がある一定値だけ増加する度に、右側後輪の走行距離の増加分を記憶していく。たとえば左側後輪の走行距離が1000mm増加する度に、右側後輪の走行距離の増加分を記憶していく。
記憶装置10に記憶された撮影データと走行距離のデータは、道路管理所等に設置された電子計算機14によって外部記憶装置16にダウンロードされ、記憶される。
【0025】
電子計算機14は、外部記憶装置16にダウンロードされた撮影データと対応付けられた左右後輪の走行距離データから、路面画像の作成を行う。
路面画像の作成は、走行軌道の決定、視野移動軌跡の決定、撮影ラインの配置、画像情報の配置からなる。
まず電子計算機14は、ダウンロードされたデータから、測定車12の走行軌道を決定する。ダウンロードされたデータには、測定車12の左右後輪の走行距離の関係が含まれている。詳しくは、左側後輪の走行距離が1000mm増加する毎の、右側後輪の走行距離増加分が含まれている。
上記のデータから、測定車12の左側後輪が1000mm走行する間の測定車12の進行方位の変化角を算出する。進行方位の変化角は、測定車12の後輪の左右の走行距離の差を、左右の後輪の間隔で除することによって算出される。
例えば図3に示すように、測定車12が点X1から点X2まで移動し、左側後輪は軌道34で1000mm走行し、右側後輪は軌道32で980mm走行した場合を考える。点X1での測定車12の北方向から時計回りに計った進行方位角度をθ1、点X2での測定車12の北方向から時計回りに計った進行方位角度をθ2とする。左右の後輪の軌道を円弧で近似すると、左右の後輪の間隔が2000mmであれば、進行方位の変化角はΔθ=θ2−θ1=(1000mm−980mm)/2000mm×180°/π=0.57°である。この場合の曲率は、0.57°/1000mm=0.00057°/mmである。
左右の後輪の中央部が移動する軌道を測定車12の走行軌道36とする。走行軌道36を円弧で近似すると、算出された進行方位の変化角と、左右の後輪の走行距離と、左右の後輪の間隔から、左側後輪が1000mm走行したときの走行軌道36を決定することができる。
上記の演算を測定車12の左側後輪の走行距離が1000mm増加する毎に繰り返し実施することによって、各走行区間での測定車12の走行距離と進行方位の変化角との対応が決定され、その走行区間での走行軌道が決定される。観測範囲内の全ての走行区間について、測定車12の走行距離と進行方位の変化角の対応が分かると、測定車12が走行した軌道36を決定することができる。
【0026】
測定車12の後輪中央部が走行した軌道36が決定されると、ラインカメラ28の視野30の中心が移動した軌跡38についても決定することができる。ラインカメラ28は、測定車12の前方側にオーバーハングして配置され、測定車20の進行方向の前方にある路面を撮影している。このため図3に示すように、ラインカメラ28の視野30は、測定車12の後輪中央部の位置から車両進行方向に向けて一定の長さをオフセットした位置を通る。本実施例では、測定車12のラインカメラ28の視野30は、後輪中央部の位置から3m前方にオフセットしている。図3に示す測定車12の走行軌道36の点X1に測定車12があるとき、ラインカメラ28の視野30の中心は点X1から進行方向に3mオフセットした点Y1に存在する。同じように、走行軌道36の点X2に測定車があるとき、ラインカメラ28の視野30の中心は進行方向に3mオフセットした点Y2にある。測定車12の走行軌道36上のすべての計測点X1、X2、・・・について、点Y1、Y2、・・・を決定し、それらを繋ぎあわせていくことで、ラインカメラ28の視野30の中心が移動した軌跡38を決定することができる。
【0027】
決定された走行軌道36と、ラインカメラ28の視野30の移動軌跡38に基づいて、電子計算機14は撮影ラインの配置を行う。撮影ラインの配置は、撮影データを記憶した時点での測定車12の位置と進行方位から決定される。
図3に示すように、撮影ラインは中心が視野30の移動軌跡38上の点にあり、角度がその移動軌跡38上の点と対応する走行軌道36上の点を結ぶ線に垂直となるように配置される。例えば、測定車12が点X1にあるときの撮影ライン40は、中心が点Y1上にあり、点X1と点Y1を結ぶ直線と垂直になるように配置される。点X2についても同じように撮影ライン42が決定される。
上記の撮影ラインの決定を、すべての計測点について繰り返し実施することで、観測範囲内の路面についての撮影ラインの配置がなされる。
図4は決定された走行軌道36と移動軌跡38に基づいて配置された撮影ライン50を示す。
【0028】
全ての撮影ライン50が配置されると、電子計算機14は画像情報の配置を行う。
図5に示すように、電子計算機14は配置された撮影ライン62、64、66、・・・を基準として網目状の区画60を設定し、各区画に画像を特徴付ける数値データを割り当てる。
上記の網目状の区画60は、撮影ラインの伸びる方向(図中の矢印Aの方向)には撮影ラインを4096分割し、測定車12が進行する方向(図中の矢印Bの方向)には隣接する撮影ライン間を等分するように設定する。
例えば撮影ライン64の周辺の区画は、撮影ライン64の伸びる方向には撮影ライン64を4096分割する円弧68、70、72で分割され、測定車12が進行する方向には隣接する撮影ライン66との間を等分する線分74と、隣接する撮影ライン62との間を等分する線分78で分割される。円弧68、70、72の曲率は、図4の走行軌道36の曲率に応じて決定される。
上記のように網目状の区画を設定すると、撮影ライン上の画像を特徴付ける数値データから、各区画に画像情報を割り当てることができる。例えば区画79内には撮影データとして明度を付与された点76が存在する。点76に付与された明度を区画79全体に割り当て、明度に対応する濃度で区画79の形状を表示することで、区画79の画像が作成される。
上記の処理を全ての区画について実施し、各区画の画像を作成することで、路面26についての路面画像を作成することができる。作成される路面画像は、路面26が直線的な道路の場合は直線状に表示され、路面26が曲線を描く道路の場合は曲線を描いて表示される。
【0029】
電子計算機14は、作成された路面画像を、ディスプレイ18上に表示する。さらに電子計算機14は、作成された路面画像を印刷装置20で印刷して出力する。
【0030】
本実施例では、ラインカメラ28の視野30の位置を、測定車12の進行方位を検出し、測定車12の走行距離とその走行距離における測定車12の進行方位から、測定車12の走行軌道36を演算し、演算した測定車12の走行軌道36から、ラインカメラ28の視野30の位置を演算することで決定する。測定車12の進行方位を検出する手段は、ロータリーエンコーダ22、24で計測される測定車12の左右輪の走行距離の差と左右輪の間隔から、測定車12の進行方位の変化角を演算する、電子計算機14である。
【0031】
(第2実施例)
本発明の他の一つの路面画像作成装置106について、図面を参照しながら説明する。第1実施例と同一の事柄に関しては、同一符号を付して説明を略す。
図6に示されているように、路面画像作成装置106は、測定車12、撮影部2、ロータリーエンコーダ118、エリアカメラ撮影部116、制御装置108、記憶装置10、電子計算機114、外部記憶装置16、ディスプレイ18、印刷装置20を備えている。
エリアカメラ撮影部116は、測定車12の前方に取り付けられており、エリアカメラ80を備えている。エリアカメラ80は、測定車12前方の路面26を垂直上方から車両の幅方向に600mm、測定車12の進行方向に600mmの範囲を撮影する。エリアカメラ80は、レンズを透過して入力された画像をCMOS、CCD等の撮像素子で撮影する。
【0032】
ロータリーエンコーダ118は路面26と接触しており、測定車12の走行にともなって回転する回転部118aと、回転部118aの回転を検出する回転検出部(図示省略)を備えている。ロータリーエンコーダ118は測定車12の後輪中心部の近傍で路面26と接触しており、ロータリーエンコーダ118は実質的に左右の後輪の走行距離の平均値を検出する。本実施例では、測定車12の左右の後輪の走行距離の平均値を、測定車12の走行距離という。ロータリーエンコーダ18は、測定車12が1mm走行する毎にパルスを出力する。
制御装置108には、ラインカメラ28、ロータリーエンコーダ118、記憶装置10、エリアカメラ80が接続されている。制御装置108は、CPU、ROM、RAM等を備えるコンピュータである。制御装置108は、ロータリーエンコーダ118から入力されるパルス信号を用いて、ROMに格納されている制御プログラムを実行して、パルスを受信する毎に制御信号(露光開始信号)をラインカメラ28に出力することにより、測定車12が1mm走行する毎にラインカメラ28に撮影を行わせる。また、制御装置108は、ロータリーエンコーダ118から入力されるパルス信号に基づいて、路面26の撮影を開始してからの測定車12の走行距離を把握している。そして制御装置108は、撮影したライン撮影データと、路面の撮影を開始してからの測定車12の走行距離とを対応付けて、記憶装置10に記憶させる。また制御装置108はロータリーエンコーダ118からパルスを500回受信する度に、すなわち測定車12が500mm走行する度に、エリアカメラ80に撮影を行わせる。そして、制御装置108は撮影したエリア撮影データと、路面の撮影を開始してからの測定車12の走行距離とを対応付けて、記憶装置10に記憶させる。
【0033】
電子計算機114、外部記憶装置16、ディスプレイ18、印刷装置20は、道路管理所等に設置されている。
電子計算機114は、CPU、ROM、RAM等を備えるコンピュータである。電子計算機114は、測定車12の記憶装置10に記憶されている撮影データおよび走行距離のデータを、有線または無線通信を介してダウンロードし、外部記憶装置16に記憶する。さらに、エリアカメラの撮影データと走行距離のデータも記憶する。電子計算機114は、外部記憶装置16に記憶された撮影データと走行距離データおよびエリアカメラの撮影データと走行距離データを用いて、路面画像を作成する。作成された路面画像は、ディスプレイ18に表示される。また作成した路面画像は印刷装置20を用いて印刷される。
【0034】
路面画像作成装置106の動作を説明する。
路面画像作成装置106は、測定車12が1mm走行するごとに路面26を撮影部2のラインカメラ28で撮影する。ラインカメラ28によって撮影されたライン撮影データは、測定車12の走行距離を対応付けられて記憶装置10へ記憶される。
また路面画像作成装置106は、測定車12が500mm走行するごとに路面26をエリアカメラ撮影部116のエリアカメラ80で撮影する。エリアカメラ80によって撮影されたエリア撮影データは、測定車12の走行距離を対応付けられて記憶装置10へ記憶される。
記憶装置10に記憶されたデータは、道路管理所等に設置された電子計算機114によって外部記憶装置16にダウンロードされ、記憶される。
【0035】
電子計算機114は、外部記憶装置16に記憶されたライン撮影データとエリア撮影データと走行距離データから、道路画像の再現を行う。
路面画像の作成は、走行軌道の決定、視野移動軌跡の決定、撮影ラインの配置、画像情報の配置からなる。
まず電子計算機114は、エリア撮影データと走行距離データから、測定車12の走行軌道を決定する。エリア撮影データは、測定車12が500mm走行するごとに撮影されている。以下ではエリア撮影データをエリア画像と呼ぶ。エリア画像は、測定車12の進行方向に600mmの範囲を撮影している。従って、連続するエリア画像間には、同一の被写体の映像が含まれている。そこで2以上の対応点を重ねあわせることで、2枚のエリア画像の位置関係を決定することができる。連続して撮影されたエリア画像同士の位置関係が決定されると、測定車12の走行距離に応じた進行方位の変化角を計測することができる。
図7を参照しながら、連続するエリア画像の位置関係の決定について説明する。図7に示すように、連続するエリア画像82と84が重なり合うように、エリア画像84の位置関係を設定する。エリア画像82と84の重なり合う領域について、一致度を算出する。一致度の算出は、画像同士の相関を算出することで実施する。上記の演算をエリア画像84の位置を変更しながら繰り返し実施して、最も高い一致度を与えるエリア画像84の位置を決定する。このようにして決定された位置関係から、エリア画像82とエリア画像84の成す角度Δθが計測できる。エリアカメラ80は測定車12に対して位置と取付け角度を固定されているから、上記の角度Δθは測定車12が500mm走行する間の進行方位の変化角を与える。
例えば図7に示す場合では、エリア画像82と84の成す角度はΔθ=0.5°である。測定車12が500mm走行する間に、測定車12の進行方位の角度は0.5°変化する。進行方位の変化角は、0.5°/500mm=0.001°/mmである。
上記の演算を測定車12の走行距離500mmごとに繰り返し実施することによって、観測範囲内における測定車12の走行距離と進行方位の変化角との対応が決定される。測定車12の走行距離と進行方位の変化角の対応が分かると、測定車12が走行した軌道36を決定することができる。
【0036】
視野移動軌跡の決定、撮影ラインの配置、画像情報の配置ついては、第1実施例と同様であるため、説明を略す。これによって、路面26の路面画像を作成することができる。作成された路面画像は、ディスプレイ18上に表示される。さらに印刷装置20で印刷されて出力される。
【0037】
上記の実施例では、エリアカメラ80が路面26を垂直上方から撮影する例を説明したが、エリアカメラ80が路面26を撮影する角度は垂直でなくてもよい。エリアカメラ80は車両の前方に向けて、所定の角度傾けて撮影してもよい。このような場合、エリアカメラで撮影される画像は、画像の下部(車両の進行方向の反対側)にくらべて画像の上部(車両の進行方向側)が、左右方向(車両の幅方向)に縮んだ映像となる。エリアカメラ80で所定の角度傾けて路面を撮影する場合は、上記した画像の縮尺の影響を試験等によって予め把握しておき、エリアカメラ80で撮影された画像を補正することで、路面を垂直上方から撮影する場合と同様にして、連続するエリア画像の位置関係を決定することができる。
【0038】
本実施例では、ラインカメラ28の視野30の位置を、測定車12の進行方位を検出し、測定車12の走行距離とその走行距離における測定車12の進行方位から、測定車12の走行軌道36を演算し、演算した測定車12の走行軌道36から、ラインカメラ28の視野30の位置を演算することで決定する。測定車12の進行方位を検出する手段は、車載のエリアカメラ80と、測定車12が所定距離を走行する毎にエリアカメラ80で撮影して得られた撮影データを記憶する記憶装置10と、連続して撮影されたエリアカメラ80の画像同士の位置関係から、車両の進行方位の変化角を演算する電子計算機114を備えている。
【0039】
(第3実施例)
本発明に係る路面画像作成装置206について、図面を参照しながら説明する。第1実施例および/または第2実施例と同様のものについては、同一符号を付して説明を略す。
図8に示されているように、路面画像作成装置206は、測定車12、撮影部2、ロータリーエンコーダ118、ジャイロセンサ202、制御装置208、記憶装置10、電子計算機214、外部記憶装置16、ディスプレイ18、印刷装置20を備えている。
【0040】
ジャイロセンサ202は、測定車12の後輪中心部の近傍に配置され、測定車12の進行方位を逐次計測する。ジャイロセンサ202は制御装置208からの計測信号に応じて、検出される路面画像作成装置206の進行方位を制御装置208へ出力する。
【0041】
制御装置208には、ラインカメラ28、ロータリーエンコーダ118、ジャイロセンサ202、記憶装置10が接続されている。制御装置208は、CPU、ROM、RAM等を備えるコンピュータである。
制御装置208は、ロータリーエンコーダ118から入力されるパルス信号を用いて、ROMに格納されている制御プログラムを実行して、パルスを受信する毎に制御信号(露光開始信号)をラインカメラ28に出力することにより、測定車12が1mm走行する毎にラインカメラ28に撮影を行わせる。また、制御装置208は、ロータリーエンコーダ118から入力されるパルス信号に基づいて、路面26の撮影を開始してからの測定車12の走行距離を把握している。そして、制御装置208は、ラインカメラ28の撮影データと、路面の撮影を開始してからの測定車12の走行距離とを対応付けて、記憶装置10に記憶させる。さらに制御装置208は、ロータリーエンコーダ118からパルスを1000回受信する度に、すなわち測定車12が1000mm走行する度に、ジャイロセンサ202で計測される測定車12の進行方位を記憶装置10に記憶させる。
【0042】
図9は測定車12と曲線道路の路面26との関係を模式的に示す図である。測定車12が1mm走行するごとに路面26を撮影部2のラインカメラ28で撮影する。ラインカメラ26で撮影された視野30の画像データは、ロータリーエンコーダ118から検出される測定車12の走行距離を対応付けられて記憶装置10へ記憶される。測定車12の進行方位θは、測定車12が1000mm走行する度にジャイロセンサ202によって計測され、記憶装置10へ記憶される。
記憶装置10に記憶された撮影データと進行方位のデータは、道路管理所等に設置された電子計算機214によって外部記憶装置16にダウンロードされ、記憶される。
【0043】
電子計算機214、外部記憶装置16、ディスプレイ18、印刷装置20は、道路管理所等に設置されている。
電子計算機214は、CPU、ROM、RAM等を備えるコンピュータである。電子計算機214は、記憶装置10からダウンロードされ、外部記憶装置16に記憶された撮影データ、進行方位データおよび走行距離データを用いて、路面画像を作成する。
【0044】
電子計算機214は、ダウンロードされた撮影データと、測定車20の進行方位のデータと、走行距離のデータから、路面画像の作成を行う。
路面画像の作成は、走行軌道の決定、視野移動軌跡の決定、撮影ラインの配置、画像情報の配置からなる。
まず電子計算機214は、ダウンロードされたデータから、測定車12の走行軌道を決定する。ダウンロードされたデータには、測定車12の走行距離と、ジャイロセンサ202によって計測された測定車12の進行方位との対応が含まれている。測定車12の走行距離と進行方位の変化角の対応が分かると、測定車12が走行した軌道36を決定することができる。
【0045】
視野移動軌跡の決定、撮影ラインの配置、画像情報の配置については、第1実施例および第2実施例と同様である。これによって、路面26の路面画像を作成することができる。作成された路面画像は、ディスプレイ18上に表示される。さらに印刷装置20で印刷されて出力される。
【0046】
本実施例では、ラインカメラ28の視野30の位置を、測定車12の進行方位を検出し、測定車12の走行距離とその走行距離における測定車12の進行方位から、測定車12の走行軌道36を演算し、演算した測定車12の走行軌道36から、ラインカメラ28の視野30の位置を演算することで決定する。測定車12の進行方位を検出する手段は、車載のジャイロセンサ202と、走行距離とジャイロセンサの出力を対応付けて記憶する記憶装置10とを備えている。
【0047】
(第4実施例)
本発明に係る路面画像作成装置406について、図面を参照しながら説明する。第1実施例から第3実施例と同様のものについては、同一符号を付して説明を省略する。
図10に示されているように、路面画像作成装置406は、測定車12、撮影部2、ロータリーエンコーダ118、制御装置408、記憶装置10、電子計算機414、外部記憶装置16、ディスプレイ18、印刷装置20を備えている。
制御装置408には、ラインカメラ28、ロータリーエンコーダ118、記憶装置10が接続されている。制御装置408は、CPU、ROM、RAM等を備えるコンピュータである。制御装置408は、ロータリーエンコーダ118から入力されるパルス信号を用いて、ROMに格納されている制御プログラムを実行して、指定された本数のパルス毎に制御信号(露光開始信号)をラインカメラ28に出力することにより、測定車12が1mm走行する毎にラインカメラ28に撮影を行わせる。従って路面426は、ラインカメラ28によって連続的に撮影される。また、制御装置408は、ロータリーエンコーダ118から入力されるパルス信号に基づいて、路面426の撮影を開始してからの測定車12の走行距離を把握している。そして制御装置408は、ラインカメラ28の撮影データと、路面の撮影を開始してからの測定車12の走行距離とを対応付けて、記憶装置10に記憶させる。
【0048】
図11は測定車12が走行する曲線道路の路面426を撮影する様子を模式的に示す図である。測定車12が走行する道路の路面426には、線の太さが均等で、かつ線の間隔も均等である、直線的に伸びるストライプ430が予め付されている。ラインカメラ28は、測定車12が1mm走行するごとに路面426上の視野30を撮影する。ラインカメラ28の撮影データには、視野30内の路面426とともにストライプ430が映されている。ラインカメラ28の視野30の撮影データは、ロータリーエンコーダ118から検出される測定車12の走行距離と対応付けられて記憶装置10へ記憶される。記憶装置10に記憶された撮影データは、道路管理所等に設置された電子計算機14にダウンロードされ、記憶される。
【0049】
電子計算機414、外部記憶装置16、ディスプレイ18、印刷装置20は、道路管理所等に設置されている。電子計算機414は、CPU、ROM、RAM等を備えるコンピュータである。電子計算機414は、記憶装置10からダウンロードされ、外部記憶装置16に記憶された撮影データおよび走行距離データを用いて、路面画像を作成する。
【0050】
電子計算機414は、ダウンロードされた撮影データから、路面画像の作成を行う。
路面画像の作成は、撮影ラインの配置、画像情報の配置からなる。
電子計算機414は、ダウンロードされたデータから、ラインカメラ28の視野30の撮影ラインの配置を決定する。
図12に示すように、電子計算機414は画像合成領域450を備え、その上に撮影データ474、468、・・・に対応する撮影ライン482、484、・・・を配置していく。
撮影ライン482、484、・・・の中心の点を、それぞれ基準点478、464、・・・とする。例えば、画像デー474は基準点478を備え、画像データ468は基準点464を備える。
撮影ライン482、484、・・・に対応する画像データ474、468、・・・には、路面426上のストライブ430が撮影されている。例えば、画像データ474には、ストライプ撮影部位472、476、480が存在する。また画像データ468には、ストライプ撮影部位460、462、466、470が存在する。
画像合成領域450は、ストライプ452を備えている。直線的に伸びるストライプ452は、路面426上のストライプ430をラインカメラ28で撮影した場合の映像上での寸法と、線の太さおよび線の間隔が同一となるように予め調整されている。
【0051】
電子計算機414は、連続して撮影されたデータについて、撮影ラインの基準点間隔が1mmであり、かつ撮影データのストライプ撮影部位がストライプ452上に存在するように、撮影ラインを配置していく。
例えば図12に示すライン画像474は、既に画像合成領域450上に配置されている。ライン画像474は基準点478を備え、ストライプ430を撮影したストライプ撮影部位472、476、480がストライプ452上に存在する。
ライン画像468は、ライン画像474から連続して撮影されたデータであり、ライン画像474から1mm走行した後に撮影されたデータである。ライン画像468は基準点464を備え、ストライプ430を撮影したストライプ撮影部位460、462、466、470を備える。
ライン画像468は、ライン画像474に対して、
(a)基準点464と基準点478の距離が1mmであり、
(b)ストライプ撮影部位460、462、466、470がストライプ452上に位置する、
ように配置される。上記のようにして、ライン画像474に対応する撮影ライン482に対して、連続するライン画像474の撮影ライン484が配置される。
上記の処理を繰り返し実施し、全ての撮影データに対応する撮影ラインの位置を決定することで、ラインカメラ28の視野30の撮影ラインの配置を決定することができる。
【0052】
画像情報の配置については、第1実施例から第3実施例と同様である。これによって、路面426の路面画像を作成することができる。作成された路面画像は、ディスプレイ18上に表示される。さらに印刷装置20で印刷されて出力される。
【0053】
本実施例では、ラインカメラ28の視野30の位置を、測定車12の走行距離と路面426に付されたストライプ430の視野内位置に基づいて決定する。
【0054】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の路面画像作成装置の概要を示す模式図である。(第1実施例)
【図2】路面画像作成装置の動作を示す図である。(第1実施例)
【図3】測定車の姿勢角検出の原理を示す図である。(第1実施例)
【図4】配置された撮影ラインを示す図である。(第1実施例)
【図5】路面画像の作成の様子を示す図である。(第1実施例)
【図6】本発明の路面画像作成装置の概要を示す模式図である。(第2実施例)
【図7】測定車の姿勢角検出の原理を示す図である。(第2実施例)
【図8】本発明の路面画像作成装置の概要を示す模式図である。(第3実施例)
【図9】測定車の姿勢角検出の原理を示す図である。(第3実施例)
【図10】本発明の路面画像作成装置の概要を示す模式図である。(第4実施例)
【図11】路面画像作成装置の動作を示す図である。(第4実施例)
【図12】配置された撮影ラインを示す図である。(第4実施例)
【図13】路面画像の作成の原理を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
2・・・撮影部
4・・・ブーム
6・・・路面画像作成装置
8・・・制御装置
10・・・記憶装置
12・・・測定車
14・・・電子計算機
16・・・外部記憶装置
18・・・ディスプレイ
20・・・印刷装置
22、24・・・ロータリーエンコーダ
22a、24a・・・回転部
26・・・路面
28・・・ラインカメラ
30・・・視野
32・・・右側後輪軌道
34・・・左側後輪軌道
36・・・走行軌道
38・・・移動軌跡
40、42、50、62、64、66・・・撮影ライン
68、70、72・・・円弧
74、78・・・線分
76・・・点
79・・・区画
80・・・エリアカメラ
82、84・・・エリア画像
106・・・路面画像作成装置
108・・・制御装置
114・・・電子計算機
116・・・エリアカメラ撮影部
118・・・ロータリーエンコーダ
118a・・・回転部
202・・・ジャイロセンサ
206・・・路面画像作成装置
208・・・制御装置
214・・・電子計算機
300・・・走行車線
304a、304b、304c、304d、304e・・・線状領域
306a、306b、306c、306d、306e・・・線状路面画像
308・・・直線
310・・・走行車線
314a、314b、314c、314d、314e・・・線状領域
316a、316b、316c、316d、316e・・・線状路面画像
318・・・直線
406・・・路面画像作成装置
408・・・制御装置
414・・・電子計算機
426・・・路面
430、452・・・ストライプ
450・・・画像合成領域
468、474・・・画像データ
482、484・・・撮影ライン
464、478・・・基準点
460、462、466、470、472、476、480・・・ストライプ撮影部位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
路面を走行する車両、
車両の走行距離を測定する手段、
車両の幅方向に長く車両の縦方向に狭い視野内の路面を撮影する車載のラインカメラ、
車両の縦方向の視野幅に実質的に等しい距離を車両が走行する毎にラインカメラで撮影して得られた撮影データを記憶する手段、
撮影データを記憶した時点におけるラインカメラの視野の位置を決定する手段、
決定した視野の位置と記憶している撮影データに基づいて、面的に広がる路面画像を出力する手段、を備える路面画像作成装置。
【請求項2】
ラインカメラの視野の位置を決定する手段は、
車両の進行方位を検出する手段、
車両の走行距離とその走行距離における車両の進行方位から、車両の走行軌道を演算する手段、
演算した車両の走行軌道から、ラインカメラの視野の位置を演算する手段、を備えることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項3】
車両の進行方位を検出する手段は、
車両の左右輪の走行距離の差と左右輪の間隔から、車両の進行方位の変化角を演算する手段、を備えることを特徴とする請求項2の装置。
【請求項4】
車両の進行方位を検出する手段は、
車載のエリアカメラ、
車両が所定距離を走行する毎にエリアカメラで撮影して得られた撮影データを記憶する手段、
連続して撮影されたエリアカメラの画像同士の位置関係から、車両の進行方位の変化角を演算する手段、を備えることを特徴とする請求項2の装置。
【請求項5】
車両の進行方位を検出する手段は、
車載のジャイロセンサと、
走行距離とジャイロセンサの出力を対応付けて記憶する手段、を備えることを特徴とする請求項2の装置。
【請求項6】
ラインカメラの視野の位置を決定する手段は、
車両の走行距離と路面に付されたストライプの視野内位置に基づいて、視野の位置を決定する手段、を備えることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項7】
路面を走行しながら車両の走行距離を測定する工程、
車両が所定距離を走行する毎に、車両の幅方向に長く車両の縦方向に狭い視野内の路面を撮影する車載のラインカメラで路面を撮影し、撮影して得られた撮影データを記憶する工程、
撮影データを記憶した時点におけるラインカメラの視野の位置を決定する工程、
決定した視野の位置と記憶している撮影データに基づいて、面的に広がる路面画像を出力する工程、を備える路面画像作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−214854(P2006−214854A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−27460(P2005−27460)
【出願日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(591270556)名古屋市 (77)
【出願人】(599137828)株式会社 サンウェイブレックス (15)
【Fターム(参考)】