説明

車両の制御装置

【課題】予期しない駆動力の発生を防止する。
【解決手段】ECU200は、シフト操作を受け付けるシフト操作受付部201と、アクセル開度θを検出する開度検出部202と、車両が停止状態であるか否かを判定する停止判定部204と、シフト操作受付部201によってニュートラルポジションから走行ポジションへのシフト操作が受け付けられたときに、停止判定部204によってハイブリッド車両HVが停止状態であると判定され、且つ、開度検出部202によって検出されたアクセル開度θが、予め設定された開度閾値θ0以上である場合に、ニュートラルポジションを維持する位置制御実行部205と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行用の駆動源として電動機が搭載された車両の制御装置に関する。特に、本発明は、走行用の駆動源として内燃機関及び電動機が搭載されたハイブリッド車両の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
走行用の駆動源としてエンジン(「内燃機関」に相当する。)及びモータ(「電動機」に相当する。)が搭載されたハイブリッド自動車では、停車してエンジンが自立運転されている状態から発進する際に、運転者によるシフト操作における誤操作のためにシフトポジションが走行ポジションでなくニュートラルポジションのときには、次のような事態が発生する。すなわち、アクセル操作を行っても、車両が発進しない状態にも拘わらず、エンジンからの動力のみによって走行する自動車(いわゆる、コンベンショナル自動車)のように、エンジン回転数が上昇することはないため、運転者はシフト操作における誤操作に気付きにくく違和感を持ってしまう。
【0003】
上記課題を解消するために、従来、停車時にシフトポジションがニュートラルポジションの状態でエンジンが自立運転されているときに、アクセル開度が所定開度以上になったときには、運転者のシフト操作が誤りである旨の警告情報、シフトポジションの走行ポジションへの変更を要求する旨の警告情報、及び、警告音を運転者に報知するハイブリッド自動車が開示されている(特許文献1参照)。このハイブリッド自動車によれば、上述の警告情報等の報知によって、運転者はシフトレバーの誤操作に気付き易くなるため、発進しようとする運転者に対して、車両が発進しない原因が不明であることによる違和感を解消することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−241243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のハイブリッド自動車では、運転者がブレーキ操作をしているつもりで、アクセルペダルを踏み間違いしている場合に、走行ポジションへ変更するシフト操作を行うと、運転者の予期しない駆動力が発生する虞がある。
【0006】
すなわち、運転者がブレーキ操作をしているつもりで、アクセルペダルを踏み間違いしている場合に、運転者が走行ポジションへの変更するシフト操作を行うと、アクセルペダルが踏み込まれているために、運転者の予期しない大きな駆動力が発生する虞があるのである。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、予期しない駆動力の発生を防止することが可能な車両の制御装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る車両の制御装置は、以下のように構成されている。
【0009】
すなわち、本発明に係る車両の制御装置は、走行用の駆動源として電動機が搭載された車両のシフト位置を制御するシフト位置制御装置であって、シフト操作を受け付けるシフト操作受付手段と、アクセル開度を検出する開度検出手段と、車両が停止状態であるか否かを判定する停止判定手段と、前記操作受付手段によってニュートラルポジションから走行ポジションへのシフト操作が受け付けられたときに、前記停止判定手段によって車両が停止状態であると判定され、且つ、前記開度検出手段によって検出されたアクセル開度が、予め設定された開度閾値以上である場合に、ニュートラルポジションを維持する位置制御実行手段と、を備えることを特徴としている。
【0010】
かかる構成を備える車両の制御装置によれば、ニュートラルポジションから走行ポジションへのシフト操作が受け付けられたときに、車両が停止状態であると判定され、且つ、検出されたアクセル開度が、予め設定された開度閾値以上である場合に、ニュートラルポジションが維持されるため、予期しない駆動力の発生を防止することができる。
【0011】
すなわち、例えば、運転者がブレーキ操作をしているつもりで、アクセルペダルを踏み間違いしている場合に、ニュートラルポジションから走行ポジションへのシフト操作が受け付けられたときであっても、検出されたアクセル開度が、予め設定された開度閾値以上である場合には、ニュートラルポジションが維持されて駆動力が発生しないため、前記開度閾値を適正な値に設定することによって、予期しない駆動力の発生を防止することができるのである。
【0012】
つまり、前記開度閾値を、運転者がブレーキ操作をしているつもりで、アクセルペダルを踏み間違いしている場合に、検出され得るアクセル開度の下限値以下に設定することによって、予期しない駆動力の発生を確実に防止することができる。
【0013】
また、本発明に係る車両の制御装置は、前記走行ポジションが、前進走行用の全てのシフトポジション及び後進走行用の全てのシフトポジションを含むことが好ましい。
【0014】
かかる構成を備える車両の制御装置によれば、前記走行ポジションに、前進走行用の全てのシフトポジション及び後進走行用の全てのシフトポジションが含まれるため、予期しない駆動力の発生を更に確実に防止することができる。
【0015】
また、本発明に係る車両の制御装置は、車速を検出する車速検出手段を更に備え、前記停止判定手段が、前記車速検出手段によって検出された車速の絶対値が、予め設定された車速閾値以下である場合に、車両が停止状態であると判定することが好ましい。
【0016】
かかる構成を備える車両の制御装置によれば、車速が検出され、検出された車速の絶対値が、予め設定された車速閾値以下である場合に、車両が停止状態であると判定されるため、車両が停止状態であるか否かを適正に判定することができる。
【0017】
また、本発明に係る車両の制御装置は、車両には、走行用の駆動源として更に内燃機関が搭載され、発進時は、電動機によって駆動されることが好ましい。
【0018】
かかる構成を備える車両の制御装置によれば、車両には、走行用の駆動源として更に内燃機関が搭載され、発進時は、電動機によって駆動されるため、走行用の駆動源として電動機及び内燃機関が搭載された、いわゆるハイブリッド車両において、予期しない駆動力の発生を防止することができる。
【0019】
また、本発明に係る車両の制御装置は、前記位置制御実行手段によってニュートラルポジションが維持された場合に、誤操作の可能性があるためにニュートラルポジションが維持された旨の警報を出力する警報出力手段を更に備えることが好ましい。
【0020】
かかる構成を備える車両の制御装置によれば、ニュートラルポジションから走行ポジションへのシフト操作が受け付けられたときに、車両が停止状態であると判定され、且つ、検出されたアクセル開度が、予め設定された開度閾値以上であると判定されて、ニュートラルポジションが維持された場合に、誤操作の可能性があるためにニュートラルポジションが維持された旨の警報が出力されるため、運転者は、誤操作(具体的には、ブレーキ操作をしているつもりで、アクセルペダルを踏み間違いしていること)を容易に認識することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る車両の制御装置によれば、シフト操作が受け付けられ、アクセル開度が検出される。また、車両が停止状態であるか否かが判定される。そして、ニュートラルポジションから走行ポジションへのシフト操作が受け付けられたときに、車両が停止状態であると判定され、且つ、検出されたアクセル開度が、予め設定された開度閾値以上である場合に、ニュートラルポジションが維持されるため、予期しない駆動力の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る車両の制御装置が搭載されるハイブリッド車両の一例を示す概略構成図である。
【図2】図1に示すエンジンの一例を示す構成図である。
【図3】図1に示すECUの入出力の一例を示すブロック図である。
【図4】本発明に係る車両の制御装置における主要部の一例を示す機能構成図である。
【図5】図4に示す車両の制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。本実施形態では、本発明に係る「車両の制御装置」をFF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式のハイブリッド車両に適用した場合について説明する。
【0024】
−ハイブリッド車両HV−
図1は、本発明に係る「車両の制御装置」が搭載されるハイブリッド車両HVの一例を示す概略構成図である。図1に示すように、ハイブリッド車両HVは、車両走行用の駆動力を発生するエンジン1、主に発電機として機能する第1モータジェネレータMG1、主に電動機として機能する第2モータジェネレータMG2、動力分割機構3、リダクション機構4、カウンタドライブギヤ51、カウンタドリブンギヤ52、ファイナルギヤ53、デファレンシャル装置54、前輪車軸(ドライブシャフト)61、左右の駆動輪(前輪)6L,6R、及び、ECU200を備えており、ECU200のROM等に記憶されたプログラムが実行されることによって本発明に係る「車両の制御装置」が実現される。
【0025】
なお、ECU200(Electronic Control Unit)は、例えば、ハイブリッド車両HVを統括的に制御するHV(ハイブリッド)ECU、インバータ8(図3参照)の駆動を制御するインバータECU、エンジン1の駆動を制御するエンジンECU、バッテリ9(図3参照)の状態を管理するバッテリECUなどによって構成されており、これらのECUが互いに通信可能に接続されている。
【0026】
次に、エンジン1、モータジェネレータMG1,MG2、動力分割機構3、リダクション機構4、及び、ECU200などの各部について説明する。
【0027】
−エンジン1−
まず、図2を参照してエンジン1について説明する。図2は、図1に示すエンジン1の一例を示す構成図である。なお、図2にはエンジン1における1つの気筒の構成のみを示している。なお、エンジン1は、特許請求の範囲に記載の「内燃機関」に相当する。
【0028】
エンジン1は、ここでは、ポート噴射型多気筒ガソリンエンジンであって、その各気筒を構成するシリンダブロック1a内には上下方向に往復動ずるピストン1cが設けられている。ピストン1cはコネクティングロッド106を介してクランクシャフト105に連結されており、ピストン1cの往復運動がコネクティングロッド106によってクランクシャフト105の回転に変換される。
【0029】
クランクシャフト105にはシグナルロータ107が取り付けられている。シグナルロータ107の外周面には複数の突起(歯)107aが等角度ごとに設けられている。シグナルロータ107の側方近傍にはクランクポジションセンサ(エンジン回転数センサ)197が配置されている。クランクポジションセンサ197は、例えば電磁ピックアップであって、クランクシャフト105が回転する際にシグナルロータ17の突起17aに対応するパルス状の信号(出力パルス)を発生する。
【0030】
エンジン1のシリンダブロック1aには冷却水温を検出する水温センサ191が配置されている。また、シリンダブロック1aの上端にはシリンダヘッド1bが設けられており、このシリンダヘッド1bとピストン1cとの間に燃焼室1dが形成されている。エンジン1の燃焼室1dには点火プラグ13が配置されている。点火プラグ13の点火タイミングはイグナイタ14によって調整される。
【0031】
エンジン1のシリンダブロック1aの下部には、潤滑油を貯留するオイルパン108が設けられている。このオイルパン108に貯留された潤滑油は、エンジン1の運転時に、異物を除去するオイルストレーナを介してオイルポンプ109によって汲み上げられて、ピストン1c、クランクシャフト105、コネクティングロッド106などに供給され、各部の潤滑、冷却等に使用される。そして、このようにして供給された潤滑油は、エンジン1の各部の潤滑・冷却等のために使用された後、オイルパン108に戻され、再びオイルポンプ109によって汲み上げられるまでオイルパン108内に貯留される。
【0032】
エンジン1の燃焼室1dには吸気通路11と排気通路12とが接続されている。吸気通路11の一部は吸気ポート11a及び吸気マニホールド11bによって形成されている。また、排気通路12の一部は排気ポート12a及び排気マニホールド12bによって形成されている。
【0033】
吸気通路11には、エアクリーナ115、熱線式のエアフローメータ192、エアフローメータ192に内蔵されている吸気温センサ193、及び、エンジン1の吸入空気量を調整するための電子制御式のスロットルバルブ113などが配置されている。スロットルバルブ113はスロットルモータ114によって駆動される。スロットルバルブ113の開度はスロットル開度センサ196によって検出される。エンジン1の排気通路12には、排気ガス中の酸素濃度を検出する02センサ194及び三元触媒122が配置されている。
【0034】
そして、吸気通路11には、燃料噴射用のインジェクタ(燃料噴射装置)112が配置されている。燃料噴射装置112には燃料タンクから燃料ポンプによって所定圧力の燃料が供給され、吸気通路11の吸気ポート11a内に燃料が噴射される。この噴射燃料は吸入空気と混合されて混合気となってエンジン1の燃焼室1dに導入される。燃焼室1dに導入された混合気(ここで、混合気=「燃料+空気」である)は点火プラグ13にて点火されて燃焼、爆発する。この混合気の燃焼室1d内での燃焼、爆発によってピストン1cが往復運動してクランクシャフト105が回転する。
【0035】
また、図1に示すように、エンジン1の出力は、クランクシャフト105及びダンパ2を介してインプットシャフト21に伝達される。ダンパ2は、エンジン1のトルク変動を吸収するダンパであって、例えば、コイルスプリング式トランスアクスルダンパである。
【0036】
−モータジェネレータ−
次に、図1を参照して、第1モータジェネレータMG1及び第2モータジェネレータMG2について説明する。第1モータジェネレータMG1は、インプットシャフト21に対して相対回転自在に支持された永久磁石からなるロータMG1Rと、3相巻線が巻回されたステータMG1Sとを備えた交流同期発電機であって、発電機として機能するとともに電動機(電動モータ)としても機能する。なお、第1モータジェネレータMG1は、特許請求の範囲に記載の「電動機」の一部に相当する。
【0037】
また、第2モータジェネレータMG2も同様に、インプットシャフト21に対して相対回転自在に支持された永久磁石からなるロータMG2Rと、3相巻線が巻回されたステータMG2Sとを備えた交流同期発電機であって、電動機(電動モータ)として機能するとともに発電機としても機能する。第2モータジェネレータMG2は、特許請求の範囲に記載の「電動機」の一部に相当する。
【0038】
また、第1モータジェネレータMG1及び第2モータジェネレータMG2は、それぞれ、インバータ8を介してバッテリ(蓄電装置)9に接続されている(図3参照)。インバータ8はECU200によって制御され、インバータ8が制御されることによって、各モータジェネレータMG1、MG2の回生及び駆動の動作が制御される。また、各モータジェネレータMG1、MG2によって発生する回生電力は、インバータ8を介してバッテリ9に充電される。更に、各モータジェネレータMG1,MG2の駆動用電力は、それぞれ、バッテリ9からインバータ8を介して供給される。
【0039】
−動力分割機構−
次に、図1を参照して、動力分割機構3について説明する。図1に示すように、動力分割機構3は、複数の歯車要素の中心で自転する外歯歯車のサンギヤ3Sと、サンギヤ3Sに外接しながらその周辺を自転しつつ公転する外歯歯車のピニオンギヤ3Pと、ピニオンギヤ3Pと噛合するべく中空環状に形成された内歯歯車のリングギヤ3Rと、ピニオンギヤ3Pを支持するとともに、ピニオンギヤ3Pの公転を通じて自転するプラネタリキャリア3CAと、を有する遊星歯車機構によって構成されている。なお、プラネタリキャリア3CAは、エンジン1側のインプットシャフト21に回転一体に連結されている。サンギヤ3Sは、第1モータジェネレータMG1のロータMG1Rに回転一体に連結されている。
【0040】
また、動力分割機構3は、エンジン1及び第2モータジェネレータMG2の少なくとも一方の駆動力を、カウンタドライブギヤ51、カウンタドリブンギヤ52、ファイナルギヤ53、デファレンシャル装置54、及び、ドライブシャフト61を順次介して左右の駆動輪6L、6Rに伝達する。
【0041】
−リダクション機構−
次に、図1を参照して、リダクション機構4について説明する。図1に示すように、リダクション機構4は、複数の歯車要素の中心で自転する外歯歯車のサンギヤ4Sと、キャリア(トランスアクスルケース)4CAに回転自在に支持され、サンギヤ4Sに外接しながら自転する外歯歯車のピニオンギヤ4Pと、ピニオンギヤ4Pと噛合するべく中空環状に形成された内歯歯車のリングギヤ4Rと、を有する遊星歯車機構によって構成されている。なお、リダクション機構4のリングギヤ4Rと、動力分割機構3のリングギヤ3Rと、カウンタドライブギヤ51とは互いに一体に構成されている。サンギヤ4Sは、第2モータジェネレータMG2のロータMG2Rと回転一体に連結されている。
【0042】
また、リダクション機構4は、第2モータジェネレータMG2の駆動力を適正な減速比で減速し、減速された駆動力は、カウンタドライブギヤ51、カウンタドリブンギヤ52、ファイナルギヤ53、デファレンシャル装置54、及び、ドライブシャフト61を順次介して左右の駆動輪6L、6Rに伝達される。
【0043】
−シフト操作装置−
ハイブリッド車両HVにおける運転席の近傍にシフト操作装置7(図3参照)が配置されている。図3は、図1に示すECU200の入出力の一例を示すブロック図である。図3に示すように、シフト操作装置7には、シフトレバー71が変位可能に設けられている。また、シフト操作装置7には、前進走行用のドライブポジション(Dポジション)、Dポジションと比較してアクセルオフ時の制動力(エンジンブレーキ)が大きく制御される前進走行用のブレーキポジション(Bポジション)、後進走行用のリバースポジション(Rポジション)、及び、中立のニュートラルポジション(Nポジション)が配設されており、ドライバが所望のポジションへシフトレバー71を変位させることが可能に構成されている。
【0044】
なお、シフト操作装置7は、いわゆるシフト・バイ・ワイヤ(SBW:Shift By Wire)方式のシフト操作装置7である。すなわち、シフト操作装置7において、シフトレバー71のシフトポジションがシフトポジションセンサ190によって電気的に検出され、この検出信号に基づいてシフト用モータが駆動されて自動変速機のマニュアルバルブが切り換えられることによって、P(パーキング)、R(リバース)、N(ニュートラル)、D(ドライブ)、B(ブレーキ)等のシフトポジションが切り換えられるのである。
【0045】
このように、Dポジション、Bポジション、Rポジション、及び、Nポジションの各位置は、シフトポジションセンサ190によって検出される。シフトポジションセンサ190の出力信号はECU200に入力される。更に、駐車用のパーキングポジション(Pポジション)への設定を受け付けるPポジションスイッチ72が、例えば、シフトレバー71の近傍に設けられている。ここで、Pポジションスイッチ72は、ドライバによって押下された場合に、パーキングポジション(Pポジション)に設定する旨の操作信号をECU200に出力する。
【0046】
なお、本実施形態に係るハイブリッド車両HVにおいては、Pポジションから他のポジション(Dポジション、Bポジション、Rポジション、及び、Nポジション)へのシフト操作は、ECU200によって、ブレーキペダルが踏まれている状態に限って許可される。すなわち、ブレーキペダルが踏まれていない場合には、Pポジションから他のポジション(Dポジション、Bポジション、Rポジション、及び、Nポジション)へシフトポジションが変更されることはない。
【0047】
−バッテリ、インバータ−
更に、ECU200は、バッテリ9の状態を管理するために、バッテリ9の充放電電流を検出する電流センサによって検出された充放電電流の積算値、バッテリ温度センサによって検出されたバッテリ温度等に基づいて、バッテリ9の充電状態(SOC:State of Charge)、バッテリ9の入力制限Win及び出力制限Wout等を求める。
【0048】
また、ECU200にはインバータ8が接続されている。インバータ8は、モータジェネレータMG1,MG2をそれぞれ制御するIPM(Intelligent Power Module)を備えている。各IPMは、複数個(例えば、6個)の半導体スイッチング素子(例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ))等によって構成されている。
【0049】
インバータ8は、例えば、ECU200からの指令信号(例えば、第1モータジェネレータMG1のトルク指令値、第2モータジェネレータMG2のトルク指令値)に応じてバッテリ9からの直流電流を、モータジェネレータMG1,MG2を駆動する電流に変換する一方、エンジン1の動力によって第1モータジェネレータMG1において発電された交流電流、及び、回生動作によって第2モータジェネレータMG2において発電された交流電流を、バッテリ9に充電するための直流電流に変換する。また、インバータ8は、第1モータジェネレータMG1で発電された交流電流を走行状態に応じて、第2モータジェネレータMG2の駆動用電力として供給する。
【0050】
−ECU−
次に、図4を用いて、ECU200の構成について説明する。図4は、本発明に係る車両の制御装置における主要部の一例を示す機能構成図である。ECU200は、エンジン1の運転制御、エンジン1及びモータジェネレータMG1,MG2の協調制御などを含む各種制御を実行する電子制御装置であって、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びバックアップRAMなどを備えている。
【0051】
ROMには、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるテーブル、マップ等が記憶されている。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラム、マップに基づいて演算処理を実行する。また、RAMはCPUでの演算結果、各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAMはイグニッションスイッチのOFF時などにおいて保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
【0052】
ECU200には、図4に示すように、シフトポジションセンサ190、アクセルペダルの踏み込み量であるアクセル開度Accを検出するアクセル開度センサ195、及び、車輪の回転速度を検出する車輪速センサ19A等が接続されており、これらの各センサ(又はスイッチ)からの信号がECU200に入力されるようになっている。また、図略の空燃比センサ、バッテリ9の充放電電流を検出する電流センサ、バッテリ温度センサ等も接続されており、これらの各センサからの信号もECU200に入力される。
【0053】
ここで、また、シフトポジションセンサ190は、特許請求の範囲に記載の「シフト操作受付手段」の一部に相当する。また、アクセル開度センサ195は、特許請求の範囲に記載の「開度検出手段」の一部に相当する。更に、車輪速センサ19Aは、特許請求の範囲に記載の「車速検出手段」の一部に相当する。
【0054】
また、ECU200には、エンジン1のスロットルバルブ113を開閉駆動するスロットルモータ114、燃料噴射装置112、点火装置13等が接続されている。また、ECU200は、上記の各種センサの出力信号に基づいて、スロットルモータ114に対して制御信号を出力してエンジン1のスロットル開度制御(吸入空気量制御)を実行する。更に、ECU200は、上記の各種センサの出力信号に基づいて、燃料噴射装置112に対して制御信号を出力してエンジン1の燃料噴射量制御を実行する。加えて、ECU200は、上記の各種センサの出力信号に基づいて、点火装置13に対して制御信号を出力してエンジン1の点火時期制御を実行する。
【0055】
−車両の制御装置−
次に、本発明に係る「車両の制御装置」について図4を参照して説明する。図4は、本発明に係る「車両の制御装置」における主要部の一例を示す機能構成図である。ECU200は、上記CPUが上記ROM等に記憶された制御プログラムを読み出して実行することによって、機能的に、シフト操作受付部201、開度検出部202、車速検出部203、停止判定部204、位置制御実行部205、走行制御部206、及び、警報出力部207等の機能部として機能する。ここで、シフト操作受付部201、開度検出部202、車速検出部203、停止判定部204、位置制御実行部205、及び、警報出力部207は、本発明に係る「車両の制御装置」を構成する。
【0056】
走行制御部206は、上記の各種センサの出力信号に基づいて、図1に示すハイブリッド車両HVの走行制御を行う機能部であって、「EV走行モード」、「通常走行モード」、「高速走行モード」等の走行状態を規定する「走行モード」を設定すると共に、車両の運転状態及びバッテリ9の状態に基づいて、エンジン1の停止及び再始動を指示する。
【0057】
−走行制御−
ここで、図1を参照して、走行制御部206によって行われる走行制御について説明する。なお、ここでは、便宜上、シフトレバー71によって「Dポジション」が設定されている場合の走行制御について説明する。なお、以下の制御は全て走行制御部206によって行われる。
【0058】
まず、発進時、低速走行時等であって、エンジン1の運転効率が悪い場合には、第2モータジェネレータMG2のみによって駆動されて走行を行う状態(以下、この走行状態を「EV走行モード」ともいう。)に制御される。また、車室内に配置された図略の走行モード選択スイッチによって運転者等によって「EV走行モード」が選択された場合にも「EV走行モード」に制御される。
【0059】
次に、通常走行時には、動力分割機構3によってエンジン1の駆動力が2経路に分けられ(トルクスプリット)、一方で、駆動輪6L、6Rがエンジン1によって直接駆動(直達トルクによる駆動)され、他方で、エンジン1によって第1モータジェネレータMG1が駆動されて発電が行われる走行状態(以下、この走行状態を「通常走行モード」ともいう。)に制御される。このとき、第1モータジェネレータMG1によって発生される電力によって第2モータジェネレータMG2が駆動されて、駆動輪6L、6Rの駆動補助が行われる(電気パスによる駆動)。
【0060】
このように、動力分割機構3が差動機構として機能し、その差動作用によってエンジン1からの動力の主部が駆動輪6L、6Rに機械的に伝達され、エンジン1からの動力の残部が第1モータジェネレータMG1から第2モータジェネレータMG2への電気パスを用いて電気的に伝達されることによって、電気的に変速比が変更される変速機としての機能が発揮される。これによって、駆動輪6L、6R(リングギヤ3R、4R)の回転数及びトルクに依存することなく、エンジン回転数及びエンジントルクを自由に操作することが可能となり、駆動輪6L、6Rに要求される駆動力を得ながらも、燃料消費率が最適化されたエンジンの運転状態を得ることが可能となる。
【0061】
また、高速走行時には、更にバッテリ(走行用バッテリ)9からの電力が第2モータジェネレータMG2に供給されて、第2モータジェネレータMG2の出力が増大されて駆動輪6L、6Rに対して駆動力の追加(駆動力アシスト)が行われる走行状態(以下、この走行状態を「高速走行モード」ともいう。)に制御される。
【0062】
更に、減速時には、第2モータジェネレータMG2が発電機として機能して回生発電が行われ、回収した電力がバッテリ9に蓄えられる。なお、バッテリ9の充電量が低下し、充電が特に必要な場合には、エンジン1の出力を増加して第1モータジェネレータMG1による発電量を増やしてバッテリ9に対する充電量を増加する。もちろん、低速走行時においても必要に応じてエンジン1の駆動力を増大する制御を行う場合もある。例えば、上述のようにバッテリ9の充電が必要な場合、エアコン等の補機を駆動する場合、エンジン1の冷却水の温度を所定温度まで上げる場合等である。
【0063】
また、ハイブリッド車両HVにおいては、車両の運転状態及びバッテリ9の状態に基づいて、燃費を向上させる等の目的で、エンジン1を停止させる場合がある。そして、その後も、車両の運転状態及びバッテリ9の状態に基づいて、エンジン1を再始動させる。このように、ハイブリッド車両HVにおいては、エンジン1は、停止及び再始動を繰り返して間欠運転されることになる。
【0064】
−シフトポジション制御−
次に、図4に戻って、ECU200の機能構成について説明する。
【0065】
シフト操作受付部201は、シフトポジションセンサ190を介して、「シフト操作」を受け付ける機能部である。ここで、シフト操作受付部201は、特許請求の範囲に記載の「シフト操作受付手段」の一部に相当する。また、「シフト操作」とは、現在のシフトポジションを別のシフトポジションに変更する操作であって、例えば、NポジションからDポジション(又は、Bポジション)への操作、NポジションからRポジションへの操作である。
【0066】
開度検出部202は、アクセル開度センサ195を介して、アクセル開度θを検出する機能部である。ここで、開度検出部202は、特許請求の範囲に記載の「開度検出手段」の一部に相当する。
【0067】
車速検出部203は、車輪速センサ19Aを介して、車速Vを検出する機能部である。ここで、車速検出部203は、特許請求の範囲に記載の「車速検出手段」の一部に相当する。
【0068】
停止判定部204は、ハイブリッド車両HVが停止状態であるか否かを判定する機能部である。ここで、停止判定部204は、特許請求の範囲に記載の「停止判定手段」に相当する。具体的には、停止判定部204は、車速検出部203によって検出された車速Vの絶対値が、予め設定された車速閾値V0(例えば、5km/時)以下である場合に、ハイブリッド車両HVが停止状態であると判定する。
【0069】
このようにして、車速Vが検出され、検出された車速Vの絶対値が、予め設定された車速閾値N0以下である場合に、ハイブリッド車両HVが停止状態であると判定されるため、ハイブリッド車両HVが停止状態であるか否かを適正に判定することができる。
【0070】
本実施形態では、車速Vに基づいてハイブリッド車両HVが停止状態であるか否かを判定する場合について説明するが、その他の方法でハイブリッド車両HVが停止状態であるか否かを判定する形態でもよい。例えば、GPS(Global Positioning System)を用いてハイブリッド車両HVの位置情報を求めるナビゲーションシステムによって検出されたハイブリッド車両HVの位置の推移に基づき、ハイブリッド車両HVが停止状態であるか否かを判定する形態でもよい。ただし、上記方法で停止状態であるか否かを正確に判定するめには、GPSによるハイブリッド車両HVの位置検出精度が、少なくとも1m程度(望ましくは10cm程度)である必要がある。
【0071】
位置制御実行部205は、シフト操作受付部201によってニュートラルポジション(Nポジション)から「走行ポジション」へのシフト操作が受け付けられたときに、停止判定部204によって車両が停止状態であると判定され、且つ、開度検出部202によって検出されたアクセル開度θが、予め設定された開度閾値θ0(例えば、15%)以上である場合に、Nポジションを維持する機能部である。ここで、位置制御実行部205は、特許請求の範囲に記載の「位置制御実行手段」に相当する。
【0072】
また、「走行ポジション」は、前進走行用の全てのシフトポジション及び後進走行用の全てのシフトポジションを含む。具体的には、本実施形態では、「走行ポジション」には、前進走行用のドライブポジション(Dポジション)、ブレーキポジション(Bポジション)、及び、後進走行用のリバースポジション(Rポジション)が含まれる。
【0073】
このように、「走行ポジション」に、前進走行用の全てのシフトポジション及び後進走行用の全てのシフトポジションが含まれるため、予期しない駆動力の発生を更に確実に防止することができる。
【0074】
本実施形態では、「走行ポジション」に、前進走行用のドライブポジション(Dポジション)、ブレーキポジション(Bポジション)、及び、後進走行用のリバースポジション(Rポジション)が含まれる場合について説明するが、「走行ポジション」に、前進走行用のドライブポジション(Dポジション)、ブレーキポジション(Bポジション)、及び、後進走行用のリバースポジション(Rポジション)の少なくとも1つのポジションが含まれる形態でもよい。例えば、「走行ポジション」に、Dポジションが含まれる形態でもよいし、「走行ポジション」に、前進走行用のドライブポジション(Dポジション)、及び、ブレーキポジション(Bポジション)が含まれる形態でもよい。「走行ポジション」に、多くの走行用ポジションが含まれる程、予期しない駆動力の発生を確実に防止することができる。
【0075】
警報出力部207は、位置制御実行部205によってニュートラルポジションが維持された場合に、誤操作の可能性があるためにニュートラルポジションが維持された旨の警報を出力する機能部である。ここで、警報出力部207は、特許請求の範囲に記載の「警報出力手段」の一部に相当する。
【0076】
具体的には、警報出力部207は、ハイブリッド車両HVのメインパネル等に配設されたLCD(Liquid Crystal Display)75に、誤操作の可能性があるためにニュートラルポジションが維持された旨の文字、図形、及び動画像の表示を運転者に視認可能に行うものである。例えば、「Dポジションへのシフト操作時にアクセルペダルが踏み込まれすぎていたため、Nポジションが維持されました」との文字が表示される。また、警報出力部207は、スピーカ76に誤操作の可能性があるためにニュートラルポジションが維持された旨の音声を出力するものである。
【0077】
このようにして、位置制御実行部205によって、ニュートラルポジションから走行ポジションへのシフト操作が受け付けられたときに、ハイブリッド車両HVが停止状態であると判定され、且つ、検出されたアクセル開度θが、予め設定された開度閾値θ0以上であると判定されて、ニュートラルポジションが維持された場合に、警報出力部207によって、誤操作の可能性があるためにニュートラルポジションが維持された旨の警報が出力されるため、運転者は、誤操作(具体的には、ブレーキ操作をしているつもりで、アクセルペダルを踏み間違いしていること)を容易に認識することができる。
【0078】
本実施形態においては、警報出力部207が、運転者が視認可能な情報及び音声情報を出力する場合について説明するが、警報出力部207が、運転者が視認可能な情報又は音声情報を出力する形態でもよい。
【0079】
−ECU200の動作−
次に、図5を参照して、本発明に係る車両の制御装置(ECU200)の動作について説明する。図5は、図4に示す車両の制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。まず、シフト操作受付部201によって、シフト操作が受け付けられたか否かの判定が行われる(ステップS101)。ステップS101でNOの場合には、処理が待機状態とされる。ステップS101でYESの場合には、処理がステップS103へ進められる。そして、位置制御実行部205によって、ステップS101で受け付けられたシフト操作が走行ポジションへの操作か否かの判定が行われる(ステップS103)。
【0080】
ステップS103でNOの場合には、処理が後述するステップS115へ進められる。ステップS103でYESの場合には、処理がステップS105へ進められる。そして、位置制御実行部205によって、ステップS101で受け付けられたシフト操作がNポジションからの操作か否かの判定が行われる(ステップS105)。ステップS105でNOの場合には、処理が後述するステップS115へ進められる。ステップS105でYESの場合には、処理がステップS107へ進められる。
【0081】
次いで、開度検出部202によって、アクセル開度θが検出されて、位置制御実行部205によって、検出されたアクセル開度θが開度閾値θ0以上であるか否かの判定が行われる(ステップS107)。ステップS107でNOの場合には、処理が後述するステップS115へ進められる。ステップS107でYESの場合には、車速検出部203によって車速Vが検出されて、停止判定部204によって、検出された車速Vの絶対値が、車速閾値V0以下である(ハイブリッド車両HVが停止状態である)か否かの判定が行われる(ステップS109)。ステップS109でNOの場合には、処理が後述するステップS115へ進められる。ステップS109でYESの場合には、処理がステップS111へ進められる。
【0082】
そして、位置制御実行部205によって、Nポジションが維持される(ステップS111)。次いで、警報出力部207によって、警報が出力される(ステップS113)。次に、処理がステップS101に戻され、ステップS101以降の処理が繰り返し実行される。
【0083】
ステップS103でNOの場合、ステップS105でNOの場合、ステップS107でNOの場合、又は、ステップS109でNOの場合には、ステップS101で受け付けられたシフト操作に応じてシフトポジションが変更される(ステップS115)。そして、処理が処理がステップS101に戻され、ステップS101以降の処理が繰り返し実行される。
【0084】
このようにして、Nポジションから走行ポジションへのシフト操作が受け付けられたときに、ハイブリッド車両HVが停止状態であると判定され、且つ、検出されたアクセル開度θが、開度閾値θ0以上である場合に、Nポジションが維持されるため、予期しない駆動力の発生を防止することができる。
【0085】
すなわち、例えば、運転者がブレーキ操作をしているつもりで、アクセルペダルを踏み間違いしている場合に、Nポジションから走行ポジションへのシフト操作が受け付けられたときであっても、検出されたアクセル開度θが、開度閾値θ0以上である場合には、Nポジションが維持されて駆動力が発生しないため、開度閾値θ0を適正な値に設定することによって、予期しない駆動力の発生を防止することができるのである。
【0086】
つまり、開度閾値θ0を、運転者がブレーキ操作をしているつもりで、アクセルペダルを踏み間違いしている場合に、検出され得るアクセル開度θの下限値(例えば、20%)以下(例えば、15%)に設定することによって、予期しない駆動力の発生を確実に防止することができる。
【0087】
本実施形態では、開度閾値θ0が予め設定されている場合について説明するが、開度閾値θ0が学習等によって更新される形態でもよい。例えば、運転者が急発進を好む場合には、開度閾値θ0を大きく設定する必要がある。したがって、運転者の運転特性を学習して、運転者が急発進を好むと判定された場合には、開度閾値θ0を大きな値(例えば、25%)に設定変更する。この場合には、運転者の所望する走行性能を維持した状態で、予期しない駆動力の発生を防止することができる。また、逆に、運転者が高齢者等であって、予期しない駆動力の発生を確実に防止する要求が高い場合には、開度閾値θ0を小さな値(例えば、10%)に設定変更することが好ましい。
【0088】
−他の実施形態−
本実施形態では、本発明に係る車両の制御装置が、ECU200においてシフト操作受付部201、開度検出部202、車速検出部203、停止判定部204、位置制御実行部205、及び、警報出力部207等の機能部として構成されている場合について説明したが、シフト操作受付部201、開度検出部202、車速検出部203、停止判定部204、位置制御実行部205、及び、警報出力部207のうち、少なくとも1つの機能部が、電子回路等のハードウェアで構成されている形態でもよい。
【0089】
本実施形態では、車両が、いわゆる「シリーズ・パラレル型」のハイブリッド車両HVである場合について説明したが、車両が、「シリーズ型」又は「パラレル型」のハイブリッド車両である形態でもよい。また、車両が、いわゆるプラグインハイブリッド車両である形態でもよい。
【0090】
本実施形態では、車両が、ハイブリッド車両HVである場合について説明したが、本発明に係る車両の制御装置は、いわゆる電気自動車(すなわち、走行用の駆動源が電動機のみである車両)についても適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、走行用の駆動源として電動機が搭載された車両の制御装置に利用することができる。特に、走行用の駆動源として内燃機関及び電動機が搭載されたハイブリッド車両の制御装置に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0092】
1 エンジン(内燃機関)
190 シフトポジションセンサ(シフト操作受付手段の一部)
195 アクセル開度センサ(開度検出手段の一部)
19A 車輪速センサ(車速検出手段の一部)
2 ダンパ
3 動力分割機構
4 リダクション機構
7 シフト操作装置
71 シフトレバー
72 Pポジションスイッチ
75 LCD(警報出力手段の一部)
76 スピーカ(警報出力手段の一部)
8 インバータ
9 バッテリ
200 ECU(車両の制御装置)
201 シフト操作受付部(シフト操作受付手段の一部)
202 開度検出部(開度検出手段の一部)
203 車速検出部(車速検出手段の一部)
204 停止判定部(停止判定手段)
205 位置制御実行部(位置制御実行手段)
206 走行制御部
207 警報出力部(警報出力手段の一部)
HV ハイブリッド車両
MG1 第1モータジェネレータ(電動機の一部)
MG2 第2モータジェネレータ(電動機の一部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行用の駆動源として電動機が搭載された車両のシフト位置を制御するシフト位置制御装置であって、
シフト操作を受け付けるシフト操作受付手段と、
アクセル開度を検出する開度検出手段と、
車両が停止状態であるか否かを判定する停止判定手段と、
前記操作受付手段によってニュートラルポジションから走行ポジションへのシフト操作が受け付けられたときに、前記停止判定手段によって車両が停止状態であると判定され、且つ、前記開度検出手段によって検出されたアクセル開度が、予め設定された開度閾値以上である場合に、ニュートラルポジションを維持する位置制御実行手段と、を備えることを特徴とする車両の制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両の制御装置において、
前記走行ポジションは、前進走行用の全てのシフトポジション及び後進走行用の全てのシフトポジションを含むことを特徴とする車両の制御装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の車両の制御装置において、
車速を検出する車速検出手段を更に備え、
前記停止判定手段は、前記車速検出手段によって検出された車速の絶対値が、予め設定された車速閾値以下である場合に、車両が停止状態であると判定することを特徴とする車両の制御装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに1つに記載の車両の制御装置において、
車両には、走行用の駆動源として更に内燃機関が搭載され、
発進時は、電動機によって駆動されることを特徴とする車両の制御装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに1つに記載の車両の制御装置において、
前記位置制御実行手段によってニュートラルポジションが維持された場合に、誤操作の可能性があるためにニュートラルポジションが維持された旨の警報を出力する警報出力手段を更に備えることを特徴とする車両の制御装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2013−104459(P2013−104459A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247386(P2011−247386)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】