説明

車両情報記憶装置

【課題】ユーザが所望とする任意の車両情報とナビゲーション情報とを関連付けて記憶させる。
【解決手段】車両情報記憶装置1は、ユーザが例えばカメラ画像や加速度等の車両情報を選択する車両情報選択操作を行い、ユーザが例えば交差点やカーブ等の位置を設定する詳細項目選択操作を行い、車両位置が当該ユーザより設定された位置から所定距離以内になり、ナビゲーション装置28から入力したナビゲーション情報が所定条件を満たすと、RAM4に記憶されている車両情報のうちユーザが選択したカメラ画像や加速度等と交差点やカーブ等とを関連付けてフラッシュメモリ5に記憶させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両走行中の車両情報を順次記憶する揮発性記憶手段と、揮発性記憶手段に記憶されている車両情報を記憶可能な不揮発性記憶手段とを備えた車両情報記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両走行中の車両情報(例えばカメラ画像や加速度情報等)を順次記憶させておくことで、車両事故発生前後の車両情報を証拠として残す車両情報記憶装置が普及し始めている(例えば特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−62689号公報
【特許文献2】特開2008−165433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び2に開示されている従来の車両情報記憶装置は、装置電源がオフで記憶内容が消去されるRAM(揮発性メモリ)と、装置電源がオフでも記憶内容が消去されないフラッシュメモリ(不揮発性メモリ)とを備え、車両走行中の車両情報をRAMに順次記憶させておき、所定条件(例えば加速度が閾値以上になった等の条件)が成立すると、RAMに記憶されている車両情報のうち所定の車両情報(例えば車両事故を解析する際に有用となる車両情報)をフラッシュメモリに記憶させることで、車両事故発生前後の車両情報をフラッシュメモリに記憶させ、フラッシュメモリに記憶された車両情報を読出して車両事故を解析するように構成されている。
【0005】
このように従来の車両情報記憶装置は、所定条件が成立した場合に所定の車両情報を記憶させることができるが、任意の車両情報を記憶させることができない。その一方、ユーザにおいては、ナビゲーション装置が広く普及していることに伴い、例えば自分の運転癖を把握したりするために車両情報とナビゲーション情報とを関連付けて記憶させたいという要望がある。しかしながら、従来の車両情報記憶装置では、このようなユーザの要望に応えることはできない。
【0006】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザが所望とする任意の車両情報とナビゲーション情報とを関連付けて記憶させることができ、付加価値を高めることができる車両情報記憶装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載した発明によれば、揮発性記憶手段は、車両情報出力手段から車両情報入力手段に入力された車両情報を順次記憶し、不揮発性記憶手段は、揮発性記憶手段に記憶されている車両情報を記憶可能である。車両情報選択操作受付手段は、ユーザによる車両情報を選択する車両情報選択操作を受付け、制御手段は、ナビゲーション装置からナビゲーション情報入力手段に入力されたナビゲーション情報が所定条件を満たしたと判定すると、揮発性記憶手段に記憶されている車両情報のうち車両情報選択操作受付手段に受付けられた車両情報選択操作により選択された車両情報と、ナビゲーション情報とを関連付けて不揮発性記憶手段に記憶させる。
【0008】
これにより、ユーザが車両情報を選択する車両情報選択操作を行い、ナビゲーション情報が所定条件を満たすと、そのユーザが選択した車両情報とナビゲーション情報とが関連付けられて不揮発性記憶手段に記憶されるので、ユーザが所望とする任意の車両情報とナビゲーション情報とを関連付けて記憶させることができ、付加価値を高めることができる。即ち、ユーザにおいては、このようにして関連付けられて記憶された車両情報とナビゲーション情報とを読出して分析することで、例えば自分の運転癖を把握したりすることができる。
【0009】
請求項2に記載した発明によれば、制御手段は、車両位置と、ユーザがナビゲーション装置にて設定した設定位置とが所定条件を満たしたと判定すると、揮発性記憶手段に記憶されている車両情報のうち車両情報選択操作受付手段に受付けられた車両情報選択操作により選択された車両情報と、ユーザがナビゲーション装置にて設定した設定位置とを関連付けて不揮発性記憶手段に記憶させる。
【0010】
これにより、ユーザが設定位置を設定し、車両位置と設定位置とが所定条件を満たすと、ユーザが選択した車両情報と、ユーザが設定した設定位置とが関連付けられて不揮発性記憶手段に記憶されるので、ユーザが所望とする任意の車両情報と設定位置とを関連付けて記憶させることができる。即ち、ユーザにおいては、予め設定した設定位置でどのような運転をしたか等を把握することができ、例えば交差点やカーブ等を設定位置として設定することで、交差点やカーブ等でどのような運転をしたか等を把握することができる。
【0011】
請求項3に記載した発明によれば、制御手段は、車両走行経路と、ユーザがナビゲーション装置にて設定した案内経路とが所定条件を満たしたと判定すると、揮発性記憶手段に記憶されている車両情報のうち車両情報選択操作受付手段に受付けられた車両情報選択操作により選択された車両情報と、ユーザがナビゲーション装置にて設定した案内経路とを関連付けて不揮発性記憶手段に記憶させる。
【0012】
これにより、ユーザが案内経路を設定し、車両走行経路と案内経路とが所定条件を満たすと、ユーザが選択した車両情報と、ユーザが設定した案内経路とが関連付けられて不揮発性記憶手段に記憶されるので、ユーザが所望とする任意の車両情報と案内経路とを関連付けて記憶させることができる。即ち、ユーザにおいては、予め設定した案内経路でどのような運転をしたか等を把握することができ、目的地に至るまでどのような運転をしたか等を把握することができる。
【0013】
請求項4に記載した発明によれば、制御手段は、現在時刻と、ユーザがナビゲーション装置にて設定した設定時刻とが所定条件を満たしたと判定すると、揮発性記憶手段に記憶されている車両情報のうち車両情報選択操作受付手段に受付けられた車両情報選択操作により選択された車両情報と、ユーザがナビゲーション装置にて設定した設定時刻とを関連付けて不揮発性記憶手段に記憶させる。
【0014】
これにより、ユーザが設定時刻を設定し、現在時刻と設定時刻とが所定条件を満たすと、ユーザが選択した車両情報と、ユーザが設定した設定時刻とが関連付けられて不揮発性記憶手段に記憶されるので、ユーザが所望とする任意の車両情報と設定時刻とを関連付けて記憶させることができる。即ち、ユーザにおいては、予め設定した設定時刻でどのような運転をしたか等を把握することができ、例えば夜間の時間帯を設定時刻として設定することで、夜間の時間帯でどのような運転をしたか等を把握することができる。
【0015】
請求項5に記載した発明によれば、車両情報出力手段は、車両周囲を撮影した画像を特定可能な画像情報を出力する撮影手段を含み、制御手段は、ナビゲーション情報が所定条件を満たしたと判定すると、揮発性記憶手段に記憶されている車両情報のうち車両情報選択操作受付手段に受付けられた車両情報選択操作により選択された画像情報とナビゲーション情報とを関連付けて不揮発性記憶手段に記憶させる。
【0016】
これにより、ユーザが車両情報を選択する車両情報選択操作として画像情報を選択する操作を行うことで、ユーザが選択した画像情報とナビゲーション情報とを関連付けて記憶させることができる。即ち、ユーザにおいては、このようにして関連付けられて記憶された画像情報とナビゲーション情報とを読出して分析することで、車両がどのような地点を走行している場合にどのような運転をしたか等を把握することができる。
【0017】
請求項6に記載した発明によれば、車両情報出力手段は、車両の加速度を特定可能な加速度情報を出力する加速度検出手段を含み、制御手段は、ナビゲーション情報が所定条件を満たしたと判定すると、揮発性記憶手段に記憶されている車両情報のうち車両情報選択操作受付手段に受付けられた車両情報選択操作により選択された加速度情報とナビゲーション情報とを関連付けて不揮発性記憶手段に記憶させる。
【0018】
これにより、ユーザが車両情報を選択する車両情報選択操作として加速度情報を選択する操作を行うことで、ユーザが選択した加速度情報とナビゲーション情報とを関連付けて記憶させることができる。即ち、ユーザにおいては、このようにして関連付けられて記憶された加速度情報とナビゲーション情報とを読出して分析することで、どのくらいの加速度が生じている場合にどのような運転をしたか等を把握することができる。
【0019】
請求項7に記載した発明によれば、ナビゲーション機能選択操作受付手段は、ユーザによるナビゲーション機能を選択するナビゲーション機能選択操作を受付け、制御手段は、ナビゲーション機能選択操作受付手段に受付けられたナビゲーション機能選択操作により選択されたナビゲーション機能に基づいて車両情報を選択し、ナビゲーション情報が記憶条件を満たしたと判定すると、揮発性記憶手段に記憶されている車両情報のうち当該ナビゲーション機能に基づいて選択した車両情報とナビゲーション情報とを関連付けて不揮発性記憶手段に記憶させる。
【0020】
これにより、ユーザがナビゲーション機能を選択するナビゲーション機能選択操作を行い、ナビゲーション情報が所定条件を満たすと、そのユーザが選択したナビゲーション機能に基づいて選択した車両情報と、ナビゲーション情報とが関連付けられて不揮発性記憶手段に記憶されるので、ユーザが車両情報を選択する車両情報選択操作を行わなくとも、ユーザが選択したナビゲーション機能に基づいた車両情報とナビゲーション情報とを関連付けて記憶させることができる。
【0021】
請求項8に記載した発明によれば、駆動源停止判定手段は、車両の駆動源が停止したか否かを判定し、外部出力手段は、車両の駆動源が停止したと駆動源停止判定手段が判定したことを条件として、不揮発性記憶手段に関連付けられて記憶された車両情報とナビゲーション情報とを装置外部に出力可能となる。
【0022】
これにより、車両の駆動源が停止したタイミング、即ち、ユーザが降車することが想定されるタイミングで、不揮発性記憶手段に関連付けられて記憶された車両情報とナビゲーション情報とを装置外部に出力させることができ、利便性を高めることができる。又、この場合、揮発性記憶手段に記憶されている車両情報を装置外部に出力させるのではなく、ユーザが選択することで不揮発性記憶手段にナビゲーション情報と関連付けられて記憶された車両情報、即ち、ユーザが必要とする車両情報だけを選択的に装置外部に出力させることができ、利便性を高めることができる。
【0023】
請求項9に記載した発明によれば、制御手段は、車両情報選択操作受付手段に受付けられた車両情報選択操作により選択された一の車両情報が所定条件を満たしたと判定すると、揮発性記憶手段に記憶されている車両情報のうち車両情報選択操作受付手段に受付けられた車両情報選択操作により選択された他の車両情報とナビゲーション情報とを不揮発性記憶手段に関連付けて記憶させる。
【0024】
これにより、ナビゲーション情報が所定条件を満たした場合に、ユーザが所望とする任意の車両情報とナビゲーション情報とを関連付けて記憶させることだけでなく、ユーザが選択した一の車両情報が所定条件を満たした場合にも、ユーザが選択した他の車両情報とナビゲーション情報とを関連付けて記憶させることができる。
【0025】
請求項10に記載した発明によれば、強制記憶操作受付手段は、ユーザによる強制記憶操作を受付け、制御手段は、ユーザによる強制記憶操作が強制記憶操作受付手段に受付けられると、揮発性記憶手段に記憶されている車両情報を不揮発性記憶手段に記憶させる。
【0026】
これにより、ユーザが強制記憶操作を行うことで、ナビゲーション情報が所定条件を満たしたか否かに関係なく、揮発性記憶手段に記憶されている車両情報を不揮発性記憶手段に記憶させることができ、例えば緊急事態(例えば車両事故等)が発生した場合にユーザが強制記憶操作を行うことで、緊急事態が発生した直後の車両情報を記憶させることができ、従来からの車両事故を解析する際に有用となる車両情報を記憶する機能を担保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態を示す機能ブロック図
【図2】(a)は選択対象選択画面を示す図、(b)はカメラ選択画面を示す図
【図3】(a)は加速度選択画面を示す図、(b)は詳細項目選択画面を示す図
【図4】位置選択画面を示す図
【図5】(a)はナビゲーション機能選択画面を示す図、(b)は燃費選択画面を示す図
【図6】(a)は安全運転選択画面を示す図、(b)は旅の記録選択画面を示す図
【図7】表示画面の遷移を示す図
【図8】フローチャート
【図9】図8相当図
【図10】図8相当図
【図11】図8相当図
【図12】図8相当図
【図13】車両情報がフラッシュメモリに記憶される条件を示す図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は車両情報記憶装置の全体構成を機能ブロック図により示している。車両情報記憶装置1は、車両に搭載されており、特に車両事故により衝撃を受けたとしても損傷し難いように例えば後部座席の下に固定状態で設置され、強固な筐体で保護されている。
【0029】
車両情報記憶装置1は、制御部2(本発明でいう制御手段、駆動源停止判定手段に相当)と、車両LANインタフェースIF(IF)部3(本発明でいう車両情報入力手段に相当)と、RAM4(本発明でいう揮発性記憶手段に相当)と、フラッシュメモリ5(本発明でいう不揮発性記憶手段に相当)と、出力IF部6(本発明でいう外部出力手段に相当)と、ナビゲーション装置IF部7(本発明でいうナビゲーション情報入力手段)と、ディスプレイ装置IF部8(本発明でいう車両情報選択操作受付手段、ナビゲーション機能選択操作受付手段に相当)と、緊急スイッチIF部9(本発明でいう強制記憶操作受付手段に相当)を備えて構成されている。
【0030】
制御部2は、周知のマイクロコンピュータからなるCPU、RAM、ROM及びI/Oバス等を有し、制御プログラムを実行することで、車両LANIF部3、RAM4、フラッシュメモリ5、出力IF部6、ナビゲーション装置IF部7、ディスプレイ装置IF部8の動作を制御する。
【0031】
車両LANIF部3は、車両に搭載されている各種装置10(本発明でいう車両情報出力手段に相当)、各種センサ11(本発明でいう車両情報出力手段に相当)、各種スイッチ12(本発明でいう車両情報出力手段に相当)と車載LAN13を介して接続されている。各種装置10は、カメラ装置14(本発明でいう撮影手段に相当)、エンジン制御装置15、ブレーキ制御装置16、トランスミッション制御装置17、エアバッグ制御装置18等を含む。カメラ装置14はカメラ画像を特定可能な信号を出力し、エンジン制御装置15はエンジン回転数を特定可能な信号を出力し、ブレーキ制御装置16はブレーキ油圧を特定可能な信号を出力し、トランスミッション制御装置17はシフトポジションを特定可能な信号を出力し、エアバッグ制御装置18はエアバッグ開閉状態を特定可能な信号を出力する。
【0032】
各種センサ11は、加速度センサ19(本発明でいう加速度検出手段に相当)、速度センサ20、アクセルセンサ21、ブレーキセンサ22、ステアリングセンサ23、シートベルトセンサ24等を含む。加速度センサ19は加速度を特定可能な信号を出力し、速度センサ20は速度(車速)を特定可能な信号を出力し、アクセルセンサ21はアクセル開度を特定可能な信号を出力し、ブレーキセンサ22はブレーキ踏み量を特定可能な信号を出力し、ステアリングセンサ23はステアリング角度を特定可能な信号を出力し、シートベルトセンサ24はシートベルト装着状態を特定可能な信号を出力する。
【0033】
各種スイッチ12は、イグニッションスイッチ25、アクセサリスイッチ26等を含む。イグニッションスイッチ25は当該イグニッションスイッチ25のオンオフを特定可能な信号を出力する。アクセサリスイッチ26は当該アクセサリスイッチ26のオンオフを特定可能な信号を出力する。これら各種装置10、各種センサ11、各種スイッチ12から出力される信号により特定される情報は車両情報として総称される。尚、上記した以外の装置、センサ、スイッチを含んでいても良い。
【0034】
車両LANIF部3は、これら各種装置10、各種センサ11、各種スイッチ12から出力された信号を車載LAN13を介して入力すると、その入力した信号を制御部2及びRAM4に出力する。制御部2は、車両LANIF部3から出力された信号を入力すると、その入力した信号により特定される車両情報を解析する。
【0035】
RAM4は、車両LANIF部3から出力された信号を入力すると、その入力した信号により特定される車両情報を順次記憶する。即ち、RAM4は、記憶容量を超えて車両LANIF部3から信号を入力した場合には、その時点で記憶している最古の車両情報を消去しながら最新の信号により特定される車両情報を記憶する(上書きする)ことで、車両LANIF部3から入力した信号により特定される車両情報を順次記憶する。尚、車両情報記憶装置1の装置電源がオフすると、RAM4に記憶されている記憶内容(車両情報)は消去される。
【0036】
フラッシュメモリ5は、RAM4に記憶されている車両情報の一部を記憶可能に構成されている。制御部2は、転送指令をRAM4に出力すると共に書込指令をフラッシュメモリ5に出力することで、RAM4に記憶されている車両情報の一部をフラッシュメモリ5に記憶させる(コピーする)。尚、車両情報記憶装置1の装置電源がオフしても、フラッシュメモリ5に記憶されている記憶内容は消去されずに保持される。
【0037】
出力IF部6は、例えばユーザが携帯可能な外部装置27との間で通信機能を有し、外部装置27との間で通信可能な状態であることを条件として、制御部2から読出指令を入力すると、フラッシュメモリ5に記憶されている情報(後述する車両情報とナビゲーション情報)を読出し、その読出した情報を外部装置27に送信する。外部装置27は、表示機能を有し、出力IF部6から送信された情報を受信すると、その受信した情報を表示することで、フラッシュメモリ5に記憶されている情報をユーザに提供する。尚、出力IF部6と外部装置27との間で行う通信は、有線通信であっても良いし近距離無線通信であっても良く、有線通信の例としてはUSB通信が挙げられ、近距離無線通信の例としてはBluetooth(登録商標)通信等が挙げられる。
【0038】
ナビゲーション装置IF部7は、ナビゲーション装置28から送信されたナビゲーション情報を受信する機能を有し、ナビゲーション装置28から送信されたナビゲーション情報を受信すると、その受信したナビゲーション情報を制御部2に出力する。ナビゲーション装置28から送信されたナビゲーション情報には、車両位置(車両の現在位置)、車両走行経路、現在時刻が含まれる。又、ナビゲーション装置28は、車両位置を特定する機能、目的地を設定する機能、車両位置から目的地までの経路を探索する機能、記録媒体に格納されている地図データベース29から読出した地図を描画する機能、車両位置や経路を重畳表示する機能、経路を案内する機能等、周知のナビゲーション動作に関する機能を有する。尚、車両情報記憶装置1とナビゲーション装置28とは例えば有線接続されている。
【0039】
ディスプレイ装置30は、ナビゲーション装置28の操作入力装置として機能する操作入力部31、ナビゲーション装置28の表示装置として機能する表示部32を有する。即ち、ディスプレイ装置30は、例えばユーザによる目的地を設定すべく目的地設定操作、地図の縮尺を変更すべく縮尺変更操作等の各種操作を操作入力部31にて受付ける機能を有すると共に、メニュー画面、目的地設定画面、経路案内画面等の各種画面を表示部32にて表示する機能を有する。
【0040】
又、ディスプレイ装置30は、ユーザが所望とする車両情報を選択すべく車両情報選択操作を操作入力部31にて受付けると、ユーザが選択した車両情報を特定可能な車両情報選択信号をディスプレイ装置IF部8に送信する。ディスプレイ装置IF部8は、ディスプレイ装置30から送信された車両情報選択信号を受信すると、その受信した車両情報選択信号を制御部2に出力する。制御部2は、ディスプレイ装置IF部8から出力された車両情報選択信号を入力すると、その入力した車両情報選択信号により特定される車両情報、即ち、ユーザが操作入力部31にて選択した車両情報を設定する(記憶する)。
【0041】
又、ディスプレイ装置30は、ユーザが所望とする詳細項目(後述する「地図」、「案内経路」、「時刻」)を選択すべく詳細項目選択操作を操作入力部31にて受付けると、ユーザが選択した詳細項目を特定可能な詳細項目選択信号をディスプレイ装置IF部8に送信する。ディスプレイ装置IF部8は、ディスプレイ装置30から送信された詳細項目選択信号を受信すると、その受信した詳細項目選択信号を制御部2に出力する。制御部2は、ディスプレイ装置IF部8から出力された詳細項目選択信号を入力すると、その入力した詳細項目選択信号により特定される詳細項目、即ち、ユーザが操作入力部31にて選択した詳細項目を設定する。
【0042】
更に、ディスプレイ装置30は、ユーザが所望とするナビゲーション機能(後述する「燃費」、「安全運転」、「旅の記録」)を選択すべくナビゲーション機能選択操作を操作入力部31にて受付けると、ユーザが選択したナビゲーション機能を特定可能なナビゲーション機能選択信号をディスプレイ装置IF部8に送信する。ディスプレイ装置IF部8は、ディスプレイ装置30から送信されたナビゲーション機能選択信号を受信すると、その受信したナビゲーション機能選択信号を制御部2に出力する。制御部2は、ディスプレイ装置IF部8から出力されたナビゲーション機能選択信号を入力すると、その入力したナビゲーション機能選択信号により特定されるナビゲーション機能、即ち、ユーザが操作入力部31にて選択したナビゲーション機能を設定する。尚、車両情報記憶装置1とディスプレイ装置30とは例えば有線接続されている。
【0043】
緊急スイッチIF部9は、ユーザが緊急スイッチ33を操作したことに応じて当該緊急スイッチ33から送信された緊急信号を受信すると、その受信した緊急信号を制御部2に出力する。緊急スイッチ33は、例えばユーザが緊急事態の発生を感知したことで迅速に操作可能な位置に配置されており、ユーザが運転中でも容易に操作可能なスイッチである。又、車両情報記憶装置1と緊急スイッチ33とは例えば有線接続されている。
【0044】
このように構成された車両情報記憶装置1は、車両に搭載されている状態では、上記したアクセサリスイッチ26からアクセサリ信号を入力することでアクセサリスイッチ26のオンオフと連動するように接続されており、アクセサリスイッチ26がオンである場合に装置電源がオンし(起動し)、アクセサリスイッチ26がオフである場合に装置電源がオフする(停止する)ように構成されている。尚、車両情報記憶装置1は、装置電源がオンしている状態(起動している状態)では、通常動作することで機能を制限することなく動作し、装置電源がオフしている状態(停止している状態)では、通常動作よりも消費電力が少ない低消費電力動作することで機能を制限して動作する。
【0045】
上記した構成では、ユーザが車両情報選択操作、詳細項目選択操作(上記した「地図」、「案内経路」、「時刻」を選択する操作)、ナビゲーション機能選択操作(上記した「燃費」、「安全運転」、「旅の記録」を選択する操作)をディスプレイ装置30の操作入力部31にて行うことで、ユーザが選択した車両情報、詳細項目、ナビゲーション機能を制御部2に設定可能である。以下、ユーザが行う車両情報選択操作、詳細項目選択操作、ナビゲーション機能選択操作について、図2乃至図7を参照して説明する。図2乃至図7は、ユーザが車両情報選択操作、詳細項目選択操作、ナビゲーション機能選択操作を行う過程で表示される表示画面の一例を示しており、図7は当該表示画面の遷移の一例を示している。
【0046】
制御部2は、メニュー画面(図示せず)をディスプレイ装置30(の表示部32)に表示させている状態では、「選択対象選択画面」キー、「ナビゲーション機能選択画面」キーを表示させており、ユーザがメニュー画面にて「選択対象選択画面」キー、「ナビゲーション機能選択画面」キーを操作可能としている。制御部2は、ユーザがメニュー画面にて「選択対象選択画面」キーを操作したと判定すると、図2(a)に示すように、選択対象選択画面41をディスプレイ装置30に表示させ、ユーザが「カメラ」キー41a、「加速度」キー41b、「ナビ」キー41c、「速度」キー41d、「アクセル」キー41e、「ブレーキ」キー41fを操作可能とする。
【0047】
制御部2は、ユーザが選択対象選択画面41にて「カメラ」キー41aを操作したと判定すると、図2(b)に示すように、カメラ選択画面42をディスプレイ装置30に表示させ、ユーザが「前(左)」キー42a、「前(右)」キー42b、「後(左)」キー42c、「後(右)」キー42dを操作可能とする。この場合、ユーザは、車両左前方を撮影する「前(左)」、車両右前方を撮影する「前(右)」、車両左後方を撮影する「後(左)」、車両右後方を撮影する「後(右)」の4台のカメラ装置のうち少なくとも何れか1つを選択可能である。尚、カメラ装置は4台に限られるものではなく、前方正面を撮影するカメラ装置、後方正面を撮影するカメラ装置、左右を撮影するカメラ装置等が選択可能であっても良い。又、撮像角度を可変なカメラ装置であれば、撮影角度を指定可能としても良い。
【0048】
制御部2は、ユーザが選択対象選択画面41にて「加速度」キー41bを操作したと判定すると、図3(a)に示すように、加速度選択画面43をディスプレイ装置30に表示させ、ユーザが「発進」キー43a、「停止」キー43b、「カーブ」キー43c、「小」キー43d〜43f、「中」キー43g〜43i、「大」キー43j〜43lを操作可能とする。この場合、ユーザは、発進、停止、カーブというように記憶させたい運転動作や道路形状を選択可能であり、更に、各々の加速度の程度を「小」、「中」、「大」のうちから選択可能である。ユーザが「発進」や「停止」を選択した場合であれば、車両の前後方向の加速度を検出する加速度センサが用いられ、続けて「小」を選択した場合であれば、車両の前後方向の加速度を検出する加速度センサから出力される値の大きさが「小」の数値を記憶する。又、「小」と「中」とを選択した場合であれば、車両の前後方向の加速度を検出する加速度センサから出力される値の大きさが「小」と「中」の両方の数値を記憶する。又、ユーザが「カーブ」を選択した場合であれば、車両の左右方向の加速度を検出する加速度センサが用いられる。尚、これら「小」、「中」、「大」に代えて、具体的な加速度の数値を入力するようにしても良い。
【0049】
制御部2は、ユーザが選択対象選択画面41にて「ナビ」キー41cを操作したと判定すると、図3(b)に示すように、詳細項目選択画面44をディスプレイ装置30に表示させ、ユーザが「地図」キー44a、「案内経路」キー44b、「時刻」キー44cを操作可能とする。即ち、ユーザは詳細項目選択画面44にて「地図」キー44a、「案内経路」キー44b、「時刻」キー44cを操作することで、詳細項目を選択可能である。
【0050】
制御部2は、ユーザが詳細項目選択画面44にて「地図」キー44aを操作したと判定すると、図4に示すように、位置選択画面45をディスプレイ装置30に表示させ、ユーザが位置(本発明でいう設定位置に相当)を選択可能とする。この場合、ユーザは自分が選択した車両情報を記憶させたい位置を位置選択画面45にて選択可能である。即ち、ユーザは、表示されている地図上の所望の位置(図4では「P1」、「P2」にて示す位置)を指定することで、その指定した位置を、自分が選択した車両情報を記憶させたい位置として選択可能である。同様に、ユーザは、詳細項目選択画面44にて「案内経路」キー44bを操作し、所望の案内経路を指定することで、その指定した案内経路を、自分が選択した車両情報を記憶させたい経路として選択可能であり、詳細項目選択画面44にて「時刻」キー44cを操作し、所望の時刻を指定することで、その指定した時刻を、自分が選択した車両情報を記憶させたい時刻として選択可能である。
【0051】
又、制御部2は、ユーザがメニュー画面にて「ナビゲーション機能選択画面」キーを操作したと判定すると、図5(a)に示すように、ナビゲーション機能選択画面46をディスプレイ装置30に表示させ、ユーザが「燃費」キー46a、「安全運転」キー46b、「旅の記録」キー46cを操作可能とする。即ち、ユーザはナビゲーション機能選択画面46にて「燃費」キー46a、「安全運転」キー46b、「旅の記録」キー46cを操作することで、ナビゲーション機能を選択可能である。
【0052】
制御部2は、ユーザがナビゲーション機能選択画面46にて「燃費」キー46aを操作したと判定すると、上記した各種装置10、各種センサ11、各種スイッチ12から出力される信号により特定される車両情報のうち燃費に関する車両情報を自動的に選択し、図5(b)に示すように、その選択した車両情報を示す燃費選択画面47をディスプレイ装置30に表示させ、ユーザが「アクセル開度」キー47a、「燃料噴射量」キー47b、「エアコン温度」キー47c、「アイドル時間」キー47dを操作可能とする。この場合、制御部2は、ユーザが燃費選択画面47にて例えば「アクセル開度」キー47aを操作すると、燃費に関する車両情報としてアクセル開度を記憶対象とする。
【0053】
制御部2は、ユーザがナビゲーション機能選択画面46にて「安全運転」キー46bを操作したと判定すると、上記した各種装置10、各種センサ11、各種スイッチ12から出力される信号により特定される車両情報のうち安全運転に関する車両情報を自動的に選択し、図6(a)に示すように、その選択した車両情報を示す安全運転選択画面48をディスプレイ装置30に表示させ、ユーザが「位置」キー48a、「時刻」キー48b、「アクセル開度」キー48c、「ブレーキ踏力」キー48dを操作可能とする。この場合、制御部2は、ユーザが安全運転選択画面48にて例えば「位置」キー48aを操作すると、安全運転に関する車両情報として位置を記憶対象とする。
【0054】
制御部2は、ユーザがナビゲーション機能選択画面46にて「旅の記録」キー46cを操作したと判定すると、上記した各種装置10、各種センサ11、各種スイッチ12から出力される信号により特定される車両情報のうち旅の記録に関する車両情報を自動的に選択し、図6(b)に示すように、その選択した車両情報を示す旅の記録選択画面49をディスプレイ装置30に表示させ、ユーザが「位置」キー49a、「時刻」キー49b、「カメラ」キー49c、「マイク」キー49dを操作可能とする。この場合、制御部2は、ユーザが旅の記録選択画面49にて例えば「位置」キー49aを操作すると、旅の記録に関する車両情報として位置を記憶対象とする。
【0055】
このようにして、制御部2は、ナビゲーション機能として、燃費、安全運転、旅の記録のうち何れかがユーザにより選択されると、そのユーザにより選択されたナビゲーション機能に必要な車両情報を自動的に選択することで、ユーザが自らで車両情報を選択する手間を省略させる。
【0056】
次に、上記した構成の作用について、図8乃至図13を参照して説明する。
車両情報制御装置1において、制御部2は、車両情報制御装置1の装置電源がオン(アクセサリスイッチ26がオン)している状態では、メイン処理を行い、メイン処理におけるサブ処理として、選択操作受付処理(ステップS1)、車両情報記憶処理(ステップS2)、車両情報出力処理(ステップS3)、強制記憶操作受付処理(ステップS4)を行う。即ち、制御部2は、選択操作受付処理、車両情報記憶処理、車両情報出力処理、強制記憶操作受付処理を所定周期で定期的に行う。以下、各処理について順次説明する。
【0057】
(1)選択操作受付処理
制御部2は、メイン処理から選択操作受付処理への移行タイミングになると、選択操作受付処理を開始する。制御部2は、選択操作受付処理を開始すると、ユーザが車両情報選択操作を行ったか否かを判定し(ステップS11)、ユーザが詳細項目選択操作を行ったか否かを判定し(ステップS12)、ユーザがナビゲーション機能選択操作を行ったか否かを判定する(ステップS13)。
【0058】
ここで、制御部2は、ユーザが車両情報選択操作を操作入力部31にて行ったことに応じて、ディスプレイ装置30から送信された車両情報選択信号をディスプレイ装置IF部8を通じて入力すると、ユーザが車両情報選択操作を行ったと判定し(ステップS11にて「YES」)、その入力した車両情報選択信号に基づいて、ユーザにより選択された車両情報を設定する(ステップS14)。
【0059】
又、制御部2は、ユーザが詳細項目選択操作を操作入力部31にて行ったことに応じて、ディスプレイ装置30から送信された詳細項目選択信号をディスプレイ装置IF部8を通じて入力すると、ユーザが詳細項目選択操作を行ったと判定し(ステップS12にて「YES」)、その入力した詳細項目選択信号に基づいて、ユーザにより選択された詳細項目を設定する(ステップS15)。
【0060】
更に、制御部2は、ユーザがナビゲーション機能選択操作を操作入力部31にて行ったことに応じて、ディスプレイ装置30から送信されたナビゲーション機能選択信号をディスプレイ装置IF部8を通じて入力すると、ユーザがナビゲーション機能選択操作を行ったと判定し(ステップS13にて「YES」)、その入力したナビゲーション機能選択信号に基づいて、ユーザにより選択されたナビゲーション機能を設定する(ステップS16)。
【0061】
即ち、制御部2は、ユーザが車両情報選択操作、詳細項目選択操作、ナビゲーション機能選択操作のうち何れも行っていないと判定すると、選択操作受付処理を終了してメイン処理にリターンするが、ユーザが車両情報選択操作、詳細項目選択操作、ナビゲーション機能選択操作のうち何れかを行ったと判定すると、ユーザにより選択された車両情報、詳細項目、ナビゲーション機能のうち何れかを設定し、選択操作受付処理を終了してメイン処理にリターンする。
【0062】
(2)車両情報記憶処理
制御部2は、メイン処理から車両情報記憶処理への移行タイミングになると、車両情報記憶処理を開始する。制御部2は、車両情報記憶処理を開始すると、ナビゲーション装置28からナビゲーション装置IF部8を通じて入力したナビゲーション情報が所定条件を満たしたか否かを判定する(ステップS21)。制御部2は、ナビゲーション装置28からナビゲーション装置IF部8を通じて入力したナビゲーション情報が所定条件を満たしていないと判定すると(ステップS21にて「NO」)、車両情報記憶処理を終了してメイン処理にリターンする。
【0063】
一方、制御部2は、例えばナビゲーション装置28からナビゲーション装置IF部7を通じて入力した車両位置が、ユーザによる詳細項目選択操作により選択された位置から所定距離以内になったり(本発明でいう車両位置と設定位置とが所定条件を満たしたり)、ナビゲーション装置28からナビゲーション装置IF部7を通じて入力した車両走行経路が、ユーザによる詳細項目選択操作により選択された案内経路と一致したり(本発明でいう車両走行経路と案内経路とが所定条件を満たしたり)、ナビゲーション装置28からナビゲーション装置IF部7を通じて入力した現在時刻が、ユーザによる詳細項目選択操作により選択された時刻と一致したり(本発明でいう現在時刻と設定時刻とが所定条件を満たしたり)したと判定し、ナビゲーション情報が所定条件を満たしたと判定すると(ステップS21にて「YES」)、転送指令をRAM4に出力すると共に書込指令をフラッシュメモリ5に出力することで、RAM4に記憶されている車両情報のうちユーザによる車両情報選択操作により選択された車両情報と、ナビゲーション装置28からナビゲーション装置IF部8を通じて入力したナビゲーション情報とを関連付けてフラッシュメモリ5に記憶させ(ステップS22)、車両情報記憶処理を終了してメイン処理にリターンする。
【0064】
即ち、制御部2は、例えばユーザが車両情報選択操作にてカメラ画像や加速度を選択し、ユーザが詳細項目選択操作にて位置を選択していれば、車両位置が当該ユーザより設定された位置から所定距離以内になると、RAM4に記憶されている車両情報のうちカメラ画像や加速度と、ナビゲーション装置28から入力したナビゲーション情報とを関連付けてフラッシュメモリ5に記憶させる。同様に、ユーザが詳細項目選択操作にて案内経路を選択していれば、車両走行経路が当該ユーザにより選択された案内経路と一致すると、RAM4に記憶されている車両情報のうちカメラ画像や加速度と、ナビゲーション装置28から入力したナビゲーション情報とを関連付けてフラッシュメモリ5に記憶させる。又、ユーザが詳細項目選択操作にて時刻を選択していれば、現在時刻が当該ユーザにより選択された時刻と一致すると、RAM4に記憶されている車両情報のうちカメラ画像や加速度と、ナビゲーション装置28から入力したナビゲーション情報とを関連付けてフラッシュメモリ5に記憶させる。
【0065】
(3)車両情報出力処理
制御部2は、メイン処理から車両情報出力処理への移行タイミングになると、車両情報出力処理を開始する。制御部2は、車両情報出力処理を開始すると、装置電源がオフしたか否かを判定する(ステップS31)。制御部2は、装置電源がオフしていないと判定すると(ステップS31にて「NO」)、車両情報出力処理を終了してメイン処理にリターンする。
【0066】
一方、制御部2は、アクセサリスイッチ26から車両LANIF部3を通じて入力したアクセサリ信号に基づいて装置電源がオフした判定すると(ステップS31にて「YES」)、出力IF部6と外部装置27とが通信可能であることを条件として、読出指令を出力IF部6に出力することで、フラッシュメモリ5に関連付けられて記憶された車両情報とナビゲーション情報とを読出し、その読出した車両情報とナビゲーション情報とを出力IF部6から外部装置27に送信させ(ステップS32)、車両情報出力処理を終了してメイン処理にリターンする。尚、制御部2は、装置電源がオフしていることを条件に車両情報出力処理を行うので、車両情報出力処理を上記した低消費電力動作により行う。
【0067】
(4)強制記憶操作受付処理
制御部2は、メイン処理から強制記憶操作受付処理への移行タイミングになると、強制記憶操作受付処理を開始する。制御部2は、強制記憶操作受付処理を開始すると、ユーザが緊急スイッチ33を操作したか否かを判定する(ステップS41)。制御部2は、ユーザが緊急スイッチ33を操作していないと判定すると(ステップS41にて「NO」)、強制記憶操作受付処理を終了してメイン処理にリターンする。
【0068】
一方、制御部2は、ユーザが緊急スイッチ33を操作したことに応じて、緊急スイッチ33から送信された緊急信号を緊急スイッチIF部9を通じて入力し、ユーザが緊急スイッチ33を操作したと判定すると(ステップS41にて「YES」)、ナビゲーション装置28からナビゲーション装置IF部8を通じて入力したナビゲーション情報が所定条件を満たしたか否かに関係なく、転送指令をRAM4に出力すると共に書込指令をフラッシュメモリ5に出力することで、RAM4に記憶されている車両情報をフラッシュメモリに記憶させ(ステップS42)、強制記憶操作受付処理を終了してメイン処理にリターンする。
【0069】
ところで、以上は、ナビゲーション情報が所定条件を満たした場合に、RAM4に記憶されている車両情報のうちユーザにより選択された車両情報と、ナビゲーション装置28から入力したナビゲーション情報とを関連付けてフラッシュメモリ5に記憶させたり、ユーザが緊急スイッチ33を操作した場合に、RAM4に記憶されている車両情報をフラッシュメモリ5に強制記憶させたりする場合を説明したが、ユーザが選択した何れかの車両情報(本発明でいう一の車両情報に相当)が所定条件を満たした場合に、RAM4に記憶されている車両情報のうちユーザが選択した何れかの別の車両情報(本発明でいう他の車両情報に相当)と、ナビゲーション装置28から入力したナビゲーション情報とを関連付けてフラッシュメモリ5に記憶させるようにしても良い。
【0070】
即ち、制御部2は、ユーザが例えば車速と加速度とを選択している場合には、図13(a)に示すように、車速を基準とすれば、車速が閾値以上である期間(「t1」〜「t2」にて示す期間)で、RAM4に記憶されている車両情報のうちユーザが選択した加速度と、ナビゲーション装置28から入力したナビゲーション情報とを関連付けてフラッシュメモリ5に記憶させる。又、制御部2は、図13(b)に示すように、加速度を基準とすれば、加速度が閾値以上である期間(「t11」〜「t12」にて示す期間)で、RAM4に記憶されている車両情報のうちユーザが選択した車速と、ナビゲーション装置28から入力したナビゲーション情報とを関連付けてフラッシュメモリ5に記憶させる。
【0071】
以上に説明したように本実施形態によれば、車両情報記憶装置1において、ユーザが例えばカメラ画像や加速度等の車両情報を選択する車両情報選択操作を行い、ユーザが例えば交差点やカーブ等の位置を設定する詳細項目選択操作を行い、車両位置が当該ユーザより設定された位置から所定距離以内になり、ナビゲーション装置28から入力したナビゲーション情報が所定条件を満たすと、RAM4に記憶されている車両情報のうちユーザが選択したカメラ画像や加速度等と交差点やカーブ等とを関連付けてフラッシュメモリ5に記憶させるように構成したので、ユーザが所望とする任意の車両情報とナビゲーション情報とを関連付けて記憶させることができ、付加価値を高めることができる。即ち、ユーザにおいては、例えば交差点やカーブ等でのカメラ画像や加速度を分析することで、どのような運転をしたか等を把握することができる。
【0072】
又、ユーザが緊急スイッチ33を操作することで、ナビゲーション情報が所定条件を満たしたか否かに関係なく、RAM4に記憶されている車両情報をフラッシュメモリ5に記憶させるように構成したので、例えばユーザが緊急事態(例えば車両事故等)を感知して緊急スイッチ33を操作することで、従来からの車両事故を解析する際に有用となる車両情報を記憶する機能を担保することができる。
【0073】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形または拡張することができる。
RAM4に記憶されている車両情報をフラッシュメモリ5に強制記憶させる条件としては、ユーザが緊急スイッチ33を操作した場合に限らず、加速度が閾値以上になった場合やエアバッグが展開した場合等、車両事故が発生する可能性が高い現象を特定し得る条件でも良く、それらが単独であっても良いし複数が組み合わされても良い。
フラッシュメモリ5における記憶領域をユーザ識別情報(ユーザID)と対応付けて複数に分割し、複数のユーザの各人が選択した車両情報をユーザ識別情報と対応付け、ユーザ識別情報毎にユーザが選択した車両情報とナビゲーション情報とをフラッシュメモリ5に関連付けて記憶させることで、複数のユーザがフラッシュメモリ5を共有するようにしても良い。
【0074】
フラッシュメモリ5に関連付けられて記憶された車両情報とナビゲーション情報とを読出す手段として外部装置27を用いることに限らず、フラッシュメモリ5に相当する記憶媒体を車両情報記憶装置1に対して着脱可能に設け、ユーザが降車する際に記憶媒体を車両情報記憶装置1から取外し、車両情報記憶装置1から取外した記憶媒体を例えば読出装置等に接続することで、記憶媒体に関連付けられて記憶された車両情報とナビゲーション情報とを読出すようにしても良い。
【符号の説明】
【0075】
図面中、1は車両情報記憶装置、2は制御部(制御手段、駆動源停止判定手段)、3は車両LANIF部(車両情報入力手段)、4はRAM(揮発性記憶手段)、5はフラッシュメモリ(不揮発性記憶手段)、6は出力IF部(外部出力手段)、7はナビゲーション装置IF部(ナビゲーション情報入力手段)、8はディスプレイ装置IF部(車両情報選択操作受付手段、ナビゲーション機能選択操作受付手段)、9は緊急スイッチIF部(強制記憶操作受付手段、10は各種装置(車両情報出力手段)、11は各種センサ(車両情報出力手段)、12は各種スイッチ(車両情報出力手段)、14はカメラ装置(撮影手段)、19は加速度センサ(加速度検出手段)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両情報出力手段から出力された車両走行中の車両情報を入力する車両情報入力手段と、
前記車両情報入力手段に入力された車両情報を順次記憶する揮発性記憶手段と、
前記揮発性記憶手段に記憶されている車両情報を記憶可能な不揮発性記憶手段と、
ユーザによる車両情報を選択する車両情報選択操作を受付ける車両情報選択操作受付手段と、
ナビゲーション装置から出力されたナビゲーション情報を入力するナビゲーション情報入力手段と、
ナビゲーション装置から前記ナビゲーション情報入力手段に入力されたナビゲーション情報が所定条件を満たしたか否かを判定する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、ナビゲーション情報が所定条件を満たしたと判定した場合に、前記揮発性記憶手段に記憶されている車両情報のうち前記車両情報選択操作受付手段に受付けられた車両情報選択操作により選択された車両情報とナビゲーション情報とを関連付けて前記不揮発性記憶手段に記憶させることを特徴とする車両情報記憶装置。
【請求項2】
請求項1に記載した車両情報記憶装置において、
前記制御手段は、車両位置と、ユーザがナビゲーション装置にて設定した設定位置とが所定条件を満たしたと判定した場合に、前記揮発性記憶手段に記憶されている車両情報のうち前記車両情報選択操作受付手段に受付けられた車両情報選択操作により選択された車両情報と、ユーザがナビゲーション装置にて設定した設定位置とを関連付けて前記不揮発性記憶手段に記憶させることを特徴とする車両情報記憶装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載した車両情報記憶装置において、
前記制御手段は、車両走行経路と、ユーザがナビゲーション装置にて設定した案内経路とが所定条件を満たしたと判定した場合に、前記揮発性記憶手段に記憶されている車両情報のうち前記車両情報選択操作受付手段に受付けられた車両情報選択操作により選択された車両情報と、ユーザがナビゲーション装置にて設定した案内経路とを関連付けて前記不揮発性記憶手段に記憶させることを特徴とする車両情報記憶装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載した車両情報記憶装置において、
前記制御手段は、現在時刻と、ユーザがナビゲーション装置にて設定した設定時刻とが所定条件を満たしたと判定した場合に、前記揮発性記憶手段に記憶されている車両情報のうち前記車両情報選択操作受付手段に受付けられた車両情報選択操作により選択された車両情報と、ユーザがナビゲーション装置にて設定した設定時刻とを関連付けて前記不揮発性記憶手段に記憶させることを特徴とする車両情報記憶装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかに記載した車両情報記憶装置において、
前記車両情報出力手段は、車両周囲を撮影した画像を特定可能な画像情報を出力する撮影手段を含み、
前記制御手段は、ナビゲーション情報が所定条件を満たしたと判定した場合に、前記揮発性記憶手段に記憶されている車両情報のうち前記車両情報選択操作受付手段に受付けられた車両情報選択操作により選択された画像情報とナビゲーション情報とを関連付けて前記不揮発性記憶手段に記憶させることを特徴とする車両情報記憶装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れかに記載した車両情報記憶装置において、
前記車両情報出力手段は、車両の加速度を特定可能な加速度情報を出力する加速度検出手段を含み、
前記制御手段は、ナビゲーション情報が所定条件を満たしたと判定した場合に、前記揮発性記憶手段に記憶されている車両情報のうち前記車両情報選択操作受付手段に受付けられた車両情報選択操作により選択された加速度情報とナビゲーション情報とを関連付けて前記不揮発性記憶手段に記憶させることを特徴とする車両情報記憶装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れかに記載した車両情報記憶装置において、
ユーザによるナビゲーション機能を選択するナビゲーション機能選択操作を受付けるナビゲーション機能選択操作受付手段を備え、
前記制御手段は、前記ナビゲーション機能選択操作受付手段に受付けられたナビゲーション機能選択操作により選択されたナビゲーション機能に基づいて車両情報を選択し、ナビゲーション情報が所定条件を満たしたと判定した場合に、前記揮発性記憶手段に記憶されている車両情報のうち当該ナビゲーション機能に基づいて選択した車両情報と、ナビゲーション情報とを関連付けて前記不揮発性記憶手段に記憶させることを特徴とする車両情報記憶装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れかに記載した車両情報記憶装置において、
車両の駆動源が停止したか否かを判定する駆動源停止判定手段と、
車両の駆動源が停止したと前記駆動源停止判定手段が判定したことを条件として、前記不揮発性記憶手段に関連付けられて記憶された車両情報とナビゲーション情報とを装置外部に出力可能となる外部出力手段と、を備えたことを特徴とする車両情報記憶装置。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れかに記載した車両情報記憶装置において、
前記制御手段は、前記車両情報選択操作受付手段に受付けられた車両情報選択操作により選択された一の車両情報が所定条件を満たしたと判定した場合に、前記揮発性記憶手段に記憶されている車両情報のうち前記車両情報選択操作受付手段に受付けられた車両情報選択操作により選択された他の車両情報とナビゲーション情報とを関連付けて前記不揮発性記憶手段に記憶させることを特徴とする車両情報記憶装置。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れかに記載した車両情報記憶装置において、
ユーザによる強制記憶操作を受付ける強制記憶操作受付手段を備え、
前記制御手段は、ユーザによる強制記憶操作が前記強制記憶操作受付手段に受付けられた場合に、前記揮発性記憶手段に記憶されている車両情報を前記不揮発性記憶手段に記憶させることを特徴とする車両情報記憶装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−93828(P2012−93828A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−238504(P2010−238504)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】