車両用情報表示装置
【課題】
表示画面と操作画面とが分離して配置された構造の車両用情報表示装置において、表示画面に表示された画像情報を見ながら操作画面を操作しようとする操作者の誤操作を抑制することを課題とする。
【解決手段】
種々の画像が表示される表示画面11と、該表示画面11よりも操作者に近接して位置するように該表示画面11から所定距離だけ離間して配置されて操作者の接触操作による接触位置を検出する操作画面12とを有する車両用情報表示装置において、操作画面12に対する操作者の指Cによる操作動作を検出すると共に、該操作動作が操作画面12に対していずれの側から行われているかを検出し、上記操作動作が検出されたときは、表示画面11に表示される画像X28が上記検出された側に向かって指向するように、該画像X18の形態を変更する。
表示画面と操作画面とが分離して配置された構造の車両用情報表示装置において、表示画面に表示された画像情報を見ながら操作画面を操作しようとする操作者の誤操作を抑制することを課題とする。
【解決手段】
種々の画像が表示される表示画面11と、該表示画面11よりも操作者に近接して位置するように該表示画面11から所定距離だけ離間して配置されて操作者の接触操作による接触位置を検出する操作画面12とを有する車両用情報表示装置において、操作画面12に対する操作者の指Cによる操作動作を検出すると共に、該操作動作が操作画面12に対していずれの側から行われているかを検出し、上記操作動作が検出されたときは、表示画面11に表示される画像X28が上記検出された側に向かって指向するように、該画像X18の形態を変更する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報表示画面とタッチ操作面とが分離された車両用情報表示装置に関し、その誤操作防止技術の分野に属する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両には、例えばナビゲーション装置やオーディオ装置の情報表示及び操作用として液晶ディスプレー(情報表示画面)等の表面に透明なタッチパネル(タッチ操作面)が設けられた情報表示装置が備えられることがある。
【0003】
この情報表示装置は、上記タッチパネルに乗員の指先が届くように、例えばインパネ上における乗員から比較的近い位置に設けられるが、このような設置環境においては、走行中遠方を注視している運転者がディスプレーに表示された情報を見ようとすると、目の焦点を遠方から近くに切り換えなければならず、目に疲労を生じやすい等の問題がある。
【0004】
この問題に対処するものとして、例えば、特許文献1には、ディスプレーの所定距離前方に透明の状態と表示の状態とを切替え可能な透明液晶とタッチパネルとを重ねて設け、例えば地図等の情報については視認性確保のために奥側のディスプレーに表示し、機能選択用の操作スイッチ表示部については操作性確保のために手前の透明液晶に表示してその表面のタッチパネルにタッチさせ、これにより視認性と操作性とを両立させるようにしたものが開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−126354号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の情報表示装置においては、高価な透明液晶が別途必要となるので、コストが高くなるだけでなく、表示制御が複雑となるという問題がある。また、透明液晶に操作スイッチ表示部が表示されるので、ディスプレーの画面表示を見ながらそのまま画面表示の操作スイッチ表示部の操作を行うことができるというタッチパネルの良さはない。つまり乗員が操作する際には手前の透明液晶に表示される操作スイッチ表示部を認識しなおさなければならない。
【0007】
そこで、本願発明者たちが検討したところ、上記特許文献1とは全く異なる構成、すなわち、透明液晶を用いないでディスプレーに操作スイッチ表示部を表示させ、かつディスプレーとタッチパネルとを離間させる構成とすることにより、前述のタッチパネルの良さを確保しつつ視認性と操作性との両立が可能となることを見出した。
【0008】
しかしながら、このような構成とすると以下のような問題が生じる。
【0009】
すなわち、図22(情報表示装置のディスプレー及びタッチパネルの水平断面図)に示すように、ディスプレー100上に例えば操作スイッチ表示部xが表示された場合、該操作スイッチ表示部xに対応するタッチパネル101上の感応領域y(図22には表記したが、実際は透明なままで操作者からは認知することができない)は、一般にスイッチ表示部xと同寸法同形状でかつ正面視で上記スイッチ表示部xに重なる位置に設定されるが、通常、情報表示装置は左側座席と右側座席との間に設けられるので、操作者はディスプレー100上の操作スイッチ表示部xを例えば矢印で示すように斜めに見ることとなる。そのため、操作者が例えば左側座席に着座している場合には、操作者の方向からでは、図23にも示すように、操作スイッチ表示部xと感応領域yとにずれが生じ、例えば、操作者の指が操作スイッチ表示部xの左端に重なるようにタッチパネル101にタッチした場合でも、タッチパネル101上の感応領域yにタッチしたこととはならず、操作スイッチ表示部xに対応する機能が動作しないこととなる。
【0010】
また、図24、図25に示すように、ディスプレー100上に例えば複数の操作スイッチ表示部x1,x2,x3が表示された場合、前述の1個だけ操作スイッチ表示部が表示された場合同様、これらに対応して3つの感応領域y1、y2,y3がタッチパネル101上に設定されるが、この場合、例えば、操作者の指が操作スイッチ表示部x2に重なるようにタッチパネル101にタッチした場合、操作スイッチ表示部x1に対応する感応領域y1にタッチすることとなり、操作スイッチ表示部x1に対応する機能が作動してしまう。
【0011】
また、これらの問題は、例えば車両のゆれや指のふるえ等によっても発生し易くなることがあり、特に操作スイッチ表示部が小さい場合に顕著となる。
【0012】
そこで、本発明は、情報表示画面とタッチ操作面とが分離された情報表示装置において、タッチ操作面に対するタッチ操作時の誤操作を防止することができる車両用情報表示装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明は、次のように構成したことを特徴とする。
【0014】
まず、本願の請求項1に記載の発明は、車両に設置される情報表示装置であって、操作スイッチ表示部を含む表示情報が表示される情報表示画面と、該情報表示画面よりも操作者に近い位置に間隔を空けて配置された透明なタッチ操作面と、該タッチ操作面における、上記情報表示画面に表示された操作スイッチ表示部に対応する部分がタッチされたときに、該スイッチ表示部に対応する信号を出力する信号出力手段と、操作者の操作動作を検出する操作動作検出手段と、操作者の着座位置を検出する着座位置検出手段と、上記操作動作検出手段で操作者の操作動作が検出されたときに、上記表示情報の表示形態が上記着座位置検出手段で検出された操作者に向かって指向するように変更する表示形態変更手段とが備えられていることを特徴とする。
【0015】
また、本願の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、表示形態変更手段は、すべての表示情報の表示形態が指向するように変更することを特徴とする。
【0016】
また、本願の請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、表示形態変更手段は、表示情報のうち操作者の操作対象となる表示情報の表示形態のみが指向するように変更することを特徴とする。
【0017】
また、本願の請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、表示形態変更手段は、操作者の操作対象となる表示情報のうち、着座位置検出手段で検出された操作者の側にある表示情報の表示形態のみが指向するように変更することを特徴とする。
【0018】
また、本願の請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、操作者の操作が行われる確定度を検出する操作確定度検出手段が備えられ、表示形態変更手段は、上記検出手段で確定度が相対的に高いと検出された表示情報の表示形態が指向するように変更することを特徴とする。
【0019】
また、本願の請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、表示形態変更手段は、操作確定度検出手段で確定度が相対的に低いと検出された表示情報の表示形態が相対的に小さい量で指向し、上記検出手段で確定度が相対的に高いと検出された表示情報の表示形態が相対的に大きい量で指向するように変更することを特徴とする。
【0020】
また、本願の請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の発明において、表示形態変更手段による表示形態の変更が明確となるように、操作確定度検出手段で確定度が相対的に低いと検出された表示情報の表示形態を変更する第2の表示形態変更手段が備えられていることを特徴とする。
【0021】
また、本願の請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれかに記載の発明において、表示形態変更手段は、操作動作検出手段で操作者の操作動作が検出されてから所定時間が経過するまでは、表示形態の変更量及び変更速度を小さくすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
次に、本発明の効果について説明する。
【0023】
まず、請求項1に記載の発明によれば、情報表示画面とタッチ操作面とが間隔を空けて配置された車両用情報表示装置において、操作者の操作動作が検出されたときに、上記表示情報の表示形態が操作者に向かって指向するように変更されるので、操作者が、タッチ操作面における、上記情報表示画面に表示された操作スイッチ表示部に対応する部分を確実にタッチすることができ、誤操作が防止されることとなる。
【0024】
また、情報表示画面よりも操作者に近い位置に間隔を空けてタッチ操作面が配置されているので、情報表示画面の視認性及びタッチ操作面に対する操作性を両立することができる。加えて、タッチ操作面には操作スイッチ表示部等の表示情報を表示する必要がないので、表示制御が複雑にならず、両方に表示する場合よりもコストが安くなる。
【0025】
また、請求項2に記載の発明によれば、すべての表示情報の表示形態が指向するように変更されるので、操作者の操作時の違和感が抑制されることとなる。
【0026】
また、請求項3に記載の発明によれば、表示情報のうち操作者の操作対象となる表示情報の表示形態のみが指向するように変更されるので、表示形態変更による違和感が抑制されることとなる。
【0027】
また、請求項4に記載の発明によれば、操作者の操作対象となる表示情報のうち、着座位置検出手段で検出された操作者の側にある表示情報の表示形態のみが指向するように変更されるので、操作者の操作時の違和感が抑制されると共に、表示形態変更による違和感も抑制されることとなる。
【0028】
また、請求項5に記載の発明によれば、操作者の操作が行われる確定度が相対的に高いと検出された表示情報の表示形態が指向するように変更されるので、より一層確実に誤操作が防止されることとなる。
【0029】
また、請求項6に記載の発明によれば、操作者の操作が行われる確定度が相対的に低いと検出された表示情報の表示形態が相対的に小さい量で指向し、上記確定度が相対的に高いと検出された表示情報の表示形態が相対的に大きい量で指向するように変更されるので、これによって、より一層確実に誤操作が防止されることとなる。
【0030】
また、請求項7に記載の発明によれば、表示形態の変更が明確となるように、操作者の操作が行われる確定度が相対的に低いと検出された表示情報の表示形態が変更されるので、これによっても、より一層確実に誤操作が防止されることとなる。
【0031】
また、請求項8に記載の発明によれば、操作者の操作動作が検出されてから所定時間が経過するまでは、表示形態の変更量及び変更速度が小さくされるので、操作者が本当にタッチ操作をするかどうかがはっきりしない操作動作の初期の段階で表示形態が変更されることの違和感が効果的に抑制されることとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
図1に示すように、本実施の形態に係る車両1は、いわゆる左ハンドル仕様車であり、左側のフロントシート(すなわち運転席)の前方に、ステアリングホイール2及び各種計器3…3等が配設され、左側のフロントシートと右側のフロントシート(すなわち助手席)との間の空間の前方のインストルメントパネル4に、ハザードランプスイッチ5、空調制御スイッチ6,6、及び本発明に係る情報表示装置10等が配設されている。
【0033】
図2に示すように、情報表示装置10は、インストルメントパネル4の中央部に形成された円形開口に組み込まれている。情報表示装置10は、インストルメントパネル4のフレーム4aに固定された液晶ディスプレイ11、すなわち表示画面と、タッチパネル12、すなわち操作画面とを有している。両部材11,12とも正面視で円形状に作製されている。
【0034】
図3に示すように、液晶ディスプレイ11は、車室内でシートに着座した乗員に対して相対的に遠い位置に、またタッチパネル12は、シートに着座した乗員に対して相対的に近い位置に、それぞれ分離して配置されている。乗員である操作者が指Cで接触操作をするタッチパネル12は透明な素材で作製されており、操作者が奥方のディスプレイ11に表示された種々の画像をタッチパネル12越しに明瞭に観察できるようになっている。タッチパネル12は表面が球面状に作製されており、ディスプレイ11から操作者側に所定距離だけ離間して浮いたように位置している。タッチパネル12は操作者の接触操作による接触位置を検出し、その接触位置に関する信号を出力する。
【0035】
図2に示したように、情報表示装置10の周囲に、複数(図例では6つ)の赤外線センサ21〜26が配設されている。それらのうち、フレーム部材4aに縦に並んで配置された第1〜第3赤外線センサ21〜23は、タッチパネル12の直上空間で左右方向に細長く延びるエリアB1,B2,B3を検知エリアとする。一方、フレーム部材4aに横に並んで配置された第4〜第6赤外線センサ24〜26は、タッチパネル12の直上空間で上下方向に細長く延びるエリアB4,B5,B6を検知エリアとする。
【0036】
これらの赤外線センサ21〜26は、焦電型の赤外線センサであって、赤外線の受光量が少なくなるほど、つまり検知エリアB1〜B6内の物体(ここではタッチパネル12を接触操作しようとする操作者の指C)の存在量(又は侵入量)が大きくなるほど、より大きな電圧(又は電流)を発生する。
【0037】
図4に示すように、情報表示装置10のコントロールユニット30は、タッチパネル12で検出された接触位置に関する信号と、赤外線センサ21〜26で検出された物体の存在量に関する信号とを入力し、これらの信号に基いて、ディスプレイ11に表示させるべき画像を決定し、その画像がディスプレイ11に表示されるように、該ディスプレイ11に制御信号を出力する。
【0038】
その場合に、コントロールユニット30は、図5に示すように、第1〜第3赤外線センサ21〜23のうち、最も大きな電圧を発生している赤外線センサ、つまり左右方向に延びる検知エリアB1〜B3内の操作者の指Cの存在量が最大である赤外線センサと、第4〜第6赤外線センサ24〜26のうち、最も大きな電圧を発生している赤外線センサ、つまり上下方向に延びる検知エリアB4〜B6内の操作者の指Cの存在量が最大である赤外線センサとの組合せに基いて、図6に示すように、タッチパネル12の直上空間を区分する複数(図例では9つ)の領域Z1〜Z9のうち、どの領域に操作者の指Cが存在するかを判定する。換言すれば、タッチパネル12への操作者の接触操作が行われる確度(確からしさ)を判定する。
【0039】
そして、コントロールユニット30は、操作者の指Cが存在する領域Z(領域Z1〜Z9を包括していうとき符号Zを用いる)を、タッチパネル12への操作者の接触操作が行われる確度が相対的に高い領域Zであると判定する。逆に、コントロールユニット30は、操作者の指Cが存在しない領域Zを、タッチパネル12への操作者の接触操作が行われる確度が相対的に低い領域Zであると判定する。もちろん、この判定は操作者の操作動作に伴う指Cの移動に応じて時々刻々変化する。
【0040】
ここで、上記第1領域Z1〜第9領域Z9は、図2に示した第1〜第3赤外線センサ21〜23の検知エリアB1,B2,B3と、第4〜第6赤外線センサ24〜26の検知エリアB4,B5,B6とが相互に重なり合う部分である。
【0041】
なお、隣接する2つの赤外線センサが共に最大電圧(又は最大電流)を発生しているときは、両赤外線センサの検知エリアB,B(検知エリアB1〜B6を包括していうとき符号Bを用いる)の境界付近、すなわち隣接する2つの領域Z,Zの境界付近に操作者の指Cが存在するものと判定する。
【0042】
また、コントロールユニット30は、操作者の指Cが存在すると判定した領域Zに係る赤外線センサの発生電圧に基いて、操作者の指Cとタッチパネル12の表面との間の距離、つまり操作者の指Cがタッチパネル12の表面にどの程度近接しているかを判定する。
【0043】
さらに、コントロールユニット30は、操作者の指Cとタッチパネル12の表面との間の距離の時間的変化に基いて、操作者の指Cがタッチパネル12に近接中か又はタッチパネル12から離反中かを判定し、かつその際の近接速度又は離反速度を判定する。
【0044】
そして、コントロールユニット30は、操作者の指Cが存在すると判定した領域Zの移り変りに基いて、操作者の操作動作がタッチパネル12に対していずれの側から行われているかを判定する。換言すれば、操作者の着座位置、つまり操作者は運転席に座っている運転者か又は助手席に座っている他の乗員かを判定する。
【0045】
すなわち、図6に矢印アで示したように、操作者の指Cが存在すると判定した領域Zが、例えば領域Z4,Z5,Z6の順に、左から右へ移り変ったときは、操作者は左側のフロントシートに着座している運転者であると判定する。一方、図6に矢印イで示したように、操作者の指Cが存在すると判定した領域Zが、例えば領域Z3,Z2,Z1の順に、右から左へ移り変ったときは、操作者は右側のフロントシートに着座している他の乗員であると判定する。
【0046】
次に、本発明の特徴部である、上記液晶ディスプレイ11に表示させる画像の形態の変更について説明する。まず、第1の画像形態変更例を説明する。例えば、この車両1の電気系統の電源がONされると、ディスプレイ11には、図2に示したような画像が表示される。すなわち、「START」という文字が記された楕円形状のスイッチ画像がディスプレイ11の中央部に表示される。操作者は、このスイッチ画像を、透明なタッチパネル12越しに明瞭に見ることができる。そして、この状態で、操作者がタッチパネル12の表面を接触操作すると、ディスプレイ11の表示は、図7に示すような表示に切り換わる。
【0047】
ここで、コントロールユニット30は、スイッチ画像に対応した感応領域をタッチパネル12上に設定する。操作者は、その感応領域内でタッチパネル12を接触操作しなければ、ディスプレイ11の表示は切り換わらない。換言すれば、コントロールユニット30は、タッチパネル12で検出された接触位置が感応領域内にある場合に限り、その接触操作を有効とする。
【0048】
一般に、感応領域は、ディスプレイ11に表示されたスイッチ画像の形状とほぼ同じ形状の領域とされ、情報表示装置10を正面から見たときに、ディスプレイ11上のスイッチ画像と、タッチパネル12上の感応領域とが重なり合ってほぼ一致するように設定される。以上のようなことは、以下に説明する他のスイッチ画像の接触操作においても事情は同じであるので、その都度の詳しい説明は省略する。
【0049】
図7に示したディスプレイ11の表示は、相互に上下に並んで配置された、「オーディオ」という文字が記された楕円形状のスイッチ画像X1と、「カーナビ」という文字が記された楕円形状のスイッチ画像X2とを含んでいる。
【0050】
ここで、図7以下の図面において、タッチパネル12上に表した交差する一点鎖線は、タッチパネル12の左右の中心線及び上下の中心線(見えるわけではない)を表している。また、図7以下の図面のうち、図8、図12、図14〜図17、図19及び図21において、ディスプレイ11及びタッチパネル12が幅方向に狭く小さくなり、かつタッチパネル12の左右の中心線が右方に少し湾曲しているのは、これらの図例が、情報表示装置10を運転席に着座した運転者から見た場合を示しているからである。つまり、情報表示装置10の左側にいる運転者は、情報表示装置10のディスプレイ11及びタッチパネル12を左斜めから見ることになる。その結果、例えば図8に示すように、この角度からは、本来、各スイッチ画像X1,X2の真正面に設定されたタッチパネル12上の感応領域Y1,Y2(見えるわけではない)は、各スイッチ画像X1,X2と一致せず、ズレを生じている。
【0051】
そして、この状態で、操作者が「オーディオ」のスイッチ画像X1を接触操作すると(より詳しくは、タッチパネル12上の感応領域Y1を接触操作すると)、ディスプレイ11の表示は、図9に示すような表示に切り換わり、一方、操作者が「カーナビ」のスイッチ画像X2を接触操作すると(より詳しくは、タッチパネル12上の感応領域Y2を接触操作すると)、ディスプレイ11の表示は、図10に示すような表示に切り換わる。
【0052】
図9に示したディスプレイ11の表示は、最上部に配置された、「オーディオ」という文字が記されたタイトル画像X11と、その下部に、相互に上下に並んで配置された、「FM」、「CD」、「HDD」、「TV」及び「AM」という文字がそれぞれ記された5つの楕円形状のスイッチ画像X12〜X16とを含んでいる。
【0053】
ここで、タイトル画像X11は、操作者の接触操作の対象となる画像ではなく、スイッチ画像X12〜X16のみが、操作者の接触操作の対象となる画像である。そして、この状態で、操作者が「FM」のスイッチ画像X12を接触操作すると、コントロールユニット30は、図4に示したように、FMラジオ41に所定の操作信号を出力して、FMラジオ41を起動させる。同様に、操作者が「CD」のスイッチ画像X13、「HDD」のスイッチ画像X14、「TV」のスイッチ画像X15、又は「AM」のスイッチ画像X16を接触操作すると、コントロールユニット30は、CD(コンパクトディスク)プレイヤ42、HDD(ハードディスク)プレイヤ43、テレビ44、又はAMラジオ45に所定の操作信号を出力して、それらを起動させる。
【0054】
一方、図10に示したディスプレイ11の表示は、最上部に配置された、「カーナビ」という文字が記されたタイトル画像X21と、その下部に、相互に上下に並んで配置された、「名称で探す」、「住所で探す」及び「登録で探す」という文字がそれぞれ記された3つの楕円形状のスイッチ画像X22〜X24とを含んでいる。
【0055】
ここで、タイトル画像X21は、操作者の接触操作の対象となる画像ではなく、スイッチ画像X22〜X24のみが、操作者の接触操作の対象となる画像である。そして、この状態で、操作者がいずれかのスイッチ画像X22〜X24を接触操作すると、コントロールユニット30は、図4に示したように、カーナビゲーションシステム46に所定の操作信号を出力して、該システム46を起動させる。
【0056】
そして、例えば、図10に示した「カーナビ」機能選択画面において、「住所で探す」のスイッチ画像X23を接触操作すると、ディスプレイ11の表示は、図11に示すような表示に切り換わる。図11に示したディスプレイ11の表示は、最上部に配置された、「住所で探す」という文字が記されたタイトル画像X25と、その下部に、相互に左右に並んで配置された、選択文字表示窓画像X26及び検索スイッチ画像X27と、さらにその下部に配置された、1群の文字選択用スイッチ画像X28とを含んでいる。
【0057】
ここで、タイトル画像X25及び選択文字表示窓画像X26は、操作者の接触操作の対象となる画像ではなく、検索スイッチ画像X27と文字選択用スイッチ画像X28とが、操作者の接触操作の対象となる画像である。いま、操作者として、情報表示装置10の左側にいる運転者が、「か」を選択した後、次に「み」を選択しようとして、指Cを左側方からタッチパネル12へ近接させ、「み」のスイッチ画像X28が属するタッチパネル12の第2領域Z2(図6参照)に指Cを近接させているとする。
【0058】
このときの状況を運転者からの視点で見ると、図12に示すようになる。すなわち、情報表示装置10の左側にいる運転者は、情報表示装置10のディスプレイ11及びタッチパネル12を左斜めから見ることになるので、ディスプレイ11及びタッチパネル12が幅方向に狭く小さくなり、それに伴い、タイトル画像X25、選択文字表示窓画像X26、検索スイッチ画像X27、及び文字選択用スイッチ画像X28もまた同様に幅方向に狭く小さくなり混雑して見難くなるので、誤操作が起こり易くなる。
【0059】
一方、コントロールユニット30は、操作者が「み」のスイッチ画像X28を接触操作しようとして、タッチパネル12に手を伸ばし、指Cをタッチパネル12へ近接させたときは、赤外線センサ21〜26からの信号に基いて(より詳しくは、いずれかの赤外線センサの発生電圧が上昇したことに基いて)、そのようなタッチパネル12に対する操作者の操作動作を検出することができる。
【0060】
さらに、コントロールユニット30は、操作者が「み」のスイッチ画像X28を接触操作しようとして、タッチパネル12に左側方から手を伸ばし、指Cを左側方からタッチパネル12へ近接させ、「み」のスイッチ画像X28が属するタッチパネル12の第2領域Z2(図6参照)に指Cを左側方から近接させたときは、赤外線センサ21〜26からの信号に基いて(より詳しくは、発生電圧が上昇した赤外線センサの移り変りに基いて)、そのようなタッチパネル12に対する操作者の操作動作がいずれの側から行われているか、つまり操作者は誰であるかを判定することができる。
【0061】
そして、コントロールユニット30は、上記操作者の操作動作を検出したときは、図13に示すように、ディスプレイ11に表示されるタイトル画像X25、選択文字表示窓画像X26、検索スイッチ画像X27及び文字選択用スイッチ画像群X28が、上記判定した操作者の側に向かって指向するように、該画像X25〜X28の形態を変更する。
【0062】
より詳しくは、情報表示装置10の左側にいる運転者が情報表示装置10のディスプレイ11及びタッチパネル12を左斜めから見ても、上記画像X25〜X28が正対視したときと同じように見えるように、該画像X25〜X28を所定の割合で幅方向に広げて大きくする。その場合に、タイトル画像X25や表示窓画像X26、あるいはスイッチ画像X27,X28の輪郭形状を幅方向に広げて大きくするだけでなく、それらの画像X25〜X28に記された文字及び文字間隔等も幅方向に広げて大きくする。
【0063】
さらに、その場合に、画像X25〜X28が正対視したときと同じように見える精度を上げるために、操作者から遠い側にある画像の幅方向の拡大率を、操作者に近い側にある画像の幅方向の拡大率よりも、大きくする。例えば、図例のように、操作者が情報表示装置10の左側に着座している運転者である場合は、図13において、左側にある画像(「住」、「わ」、「ら」、「を」等)ほど、幅方向の拡大率を小さくし、右側にある画像(「索」、「あ」、「か」、「い」等)ほど、幅方向の拡大率を大きくする。操作者が情報表示装置10の右側に着座している他の乗員である場合は、事情は逆になる。
【0064】
これにより、図14に示すように、「住所で探す」画面に表示された画像X25〜X28の視認性が改善されて、ディスプレイ11に表示された画像X25〜X28を見ながらタッチパネル12を接触操作しようとする操作者の誤操作が抑制される。
【0065】
つまり、この情報表示装置10においては、種々の画像が表示されるディスプレイ11と、操作者によって接触操作されるタッチパネル12とが、車体前後方向に所定距離だけ離間して配置されているから、操作者がディスプレイ11に表示された画像情報を見ながら実際に指Cで接触操作しようとするタッチパネル12は、ディスプレイ11よりも手前に離れて浮いたように位置している。それゆえ、操作者は、ディスプレイ11上の画像情報から得られる視覚的感覚と、タッチパネル12に接触したときに得られる触覚的感覚とが一致せず、その結果、例えば図12の「住所で探す」画面において、目的としない隣のスイッチ画像X28を不測にタッチする等して、タッチパネル12の接触操作に誤操作が生じ易いのである。そこで、図13に示すように、画像X25〜X28を幅方向に拡大する等して操作者の側に向かって指向させることにより、操作者が上記画像X25〜X28にタッチし易くして、たとえタッチパネル12がディスプレイ11よりも手前に離れて浮いたように位置しているような状況であっても、ディスプレイ11に表示された画像情報を見ながらタッチパネル12を操作しようとする操作者の操作性を向上させるようにしたのである。なお、このとき、ディスプレイ11上の画像X25〜X28を幅方向に拡大等すると同時に、タッチパネル12上の各画像X25〜X28に対応する感応領域も併せて幅方向に拡大等してもよい。
【0066】
特に、たとえ情報表示装置10が操作者の正面になく、図12に示したように、操作者はディスプレイ11を側方から斜めに見るような状態であっても、図14に示したように、ディスプレイ11に表示される画像X25〜X28が正対視したときと同じように幅広く大きくなって見易くなるので、視認性が確保されて、操作者の誤操作が抑制される。
【0067】
しかも、その場合に、ディスプレイ11に表示されるすべての画像X25〜X28が画像が操作者の方に指向するようにしたから(図13参照)、操作者は違和感を感じることがなく、良好な操作性が確保される。
【0068】
次に、第2の画像形態変更例を説明する。なお、以下に示すいくつかの画像形態変更例においては、それぞれ特徴部のみ説明し、その他の構成は先行する変更例に準じて同じであるため、その都度の詳しい説明は省略する。
【0069】
図15に示すように、タッチパネル12への操作者の接触操作が行われる確度が相対的に高いと検出されたタッチパネル12の領域Z(図例では、「み」のスイッチ画像X28が属するタッチパネル12の第2領域Z2)に対応するディスプレイ11上の画像X28が操作者の方に指向するようにしてもよい。
【0070】
より具体的には、図15では、操作者の接触操作が行われる確度が相対的に低いと検出されたタッチパネル12の第3領域Z3、第6領域Z6及び第9領域Z9(図6参照)に対応するディスプレイ11上のスイッチ画像群X28(あ行〜さ行)が消え、操作者の接触操作が行われる確度が相対的に高いと検出されたタッチパネル12の第1領域Z1、第2領域Z2、第4領域Z4、第5領域Z5、第7領域Z7及び第8領域Z8(図6参照)に対応するディスプレイ11上のスイッチ画像群X28(た行〜わ行)が残った上で、その操作確度が相対的に高いスイッチ画像群X28のなかでもさらに操作確度が相対的に高いスイッチ画像群X28、すなわち「み」のスイッチ画像X28とその周辺のスイッチ画像群X28(「な」、「ね」、「ら」、「れ」等)のみが操作者の方に指向しているのである(図15に点線(見えるわけではない)で囲んで示した部分)。
【0071】
その場合は、操作者は、自己が接触操作を行おうとしているスイッチ画像X28が見易くなって、これによっても、確実にタッチパネル12への接触操作を行うことができる。
【0072】
また、この第2の画像形態変更例では、ディスプレイ11に表示される画像X25〜X28のうち、操作者の接触操作の対象となる文字選択用スイッチ画像群X28のみが操作者の方に指向するようにしたから(タイトル画像X25及び選択文字表示窓画像X26は幅方向に拡大等していない)、操作者の良好な操作性が確保されると共に、操作者以外の他の乗員がディスプレイ11を見たときの違和感が低減される。
【0073】
次に、第3の画像形態変更例を説明する。図16に示すように、タッチパネル12への操作者の接触操作が行われる確度が相対的に低いと検出されたタッチパネル12の領域Zに対応するディスプレイ11上の画像X28(図例では、「た」、「と」、「わ」、「ん」等)が相対的に小さい量で操作者の方に指向し、上記操作確度が相対的に高いと検出されたタッチパネル12の領域Zに対応するディスプレイ11上の画像X28(図例では、「な」、「は」、「よ」、「る」等)が相対的に大きい量で操作者の方に指向するようにしてもよい。
【0074】
より具体的には、図16では、操作者の接触操作が行われる確度が相対的に高いと検出されたスイッチ画像群X28のなかでも最も操作確度が高いスイッチ画像群X28(「み」のスイッチ画像X28とその周辺のスイッチ画像群X28「は」、「ふ」、「や」、「よ」等)が操作者の方に最も大きい量で指向し、次に操作確度が高いスイッチ画像群X28(「な」、「ね」、「ら」、「れ」等)が操作者の方に次に大きい量で指向し、そして最も操作確度が低いスイッチ画像群X28(「た」、「と」、「わ」、「ん」等)が操作者の方に最も小さい量で指向しているのである(図16に点線(見えるわけではない)で囲んで示した部分)。
【0075】
その場合は、操作者は、自己が接触操作を行おうとしているスイッチ画像X28が他のスイッチ画像X28よりも見易くなって、これによって、より一層確実にタッチパネル12への接触操作を行うことができる。
【0076】
さらに、図17に示すように、操作者が「み」のスイッチ画像X28をタッチしようとして、「み」のスイッチ画像X28により一層指Cを近接させたときに、操作者の方に指向させたスイッチ画像X28(図例では、「み」のスイッチ画像X28とその周辺のスイッチ画像群X28「は」、「ふ」、「や」、「よ」等)の形態変更が明確化するように、操作確度が相対的に低いと検出されたスイッチ画像X28(図例では、「な」、「ね」、「ら」、「れ」等)の形態を変更するようにしてもよい。
【0077】
より具体的には、図17では、操作者の接触操作が行われる確度が最も高いスイッチ画像群X28(「み」、「は」、「ふ」、「や」、「よ」等)の大きさが相対的に大きくなり(図17に点線(見えるわけではない)で囲んで示した部分)、その他のスイッチ画像群X28(「な」、「ね」、「ら」、「れ」等)の大きさが相対的に小さくなり、かつ一層幅が細くなっているのである。
【0078】
その場合は、操作確度の高い画像X28(「み」、「は」、「ふ」、「や」、「よ」等)の形態変更と、操作確度の低い画像X28(「な」、「ね」、「ら」、「れ」等)の形態変更との相乗効果により、操作者は、自己が接触操作を行おうとしているスイッチ画像X28がより一層他のスイッチ画像X28よりも見易くなって、これによって、さらにより一層確実にタッチパネル12への接触操作を行うことができる。
【0079】
次に、第4の画像形態変更例を説明する。図18に示した「登録した食事処」選択画面は、最上部に配置された、「登録した食事処」という文字が記されたタイトル画像X29と、その下部に、相互に上下に並んで配置された、登録内容表示画像X30と、その側方に、縦に延びて配置された、スクロールバー画像X31と、登録内容表示画像X30の下部に配置された、目的地指定スイッチ画像X32とを含んでいる。
【0080】
ここで、タイトル画像X29及び登録内容表示画像X30は、操作者の接触操作の対象となる画像ではなく、スクロールバー画像X31と目的地指定スイッチ画像X32とが、操作者の接触操作の対象となる画像である。いま、操作者として、情報表示装置10の左側にいる運転者が、スクロールバー画像X31を操作しようとして、指Cを左側方からタッチパネル12へ近接させている。
【0081】
このときの状況を運転者からの視点で見ると、図19に示すようになる。すなわち、情報表示装置10の左側にいる運転者は、情報表示装置10のディスプレイ11及びタッチパネル12を左斜めから見ることになるので、ディスプレイ11及びタッチパネル12が幅方向に狭く小さくなり、それに伴い、タイトル画像X29、登録内容表示画像X30、スクロールバー画像X31、及び目的地指定スイッチ画像X32もまた同様に幅方向に狭く小さくなり細くなって見難くなるので、誤操作が起こり易くなる。
【0082】
その場合に、コントロールユニット30は、上記操作者の操作動作を検出したときは、図20に示すように、ディスプレイ11に表示される画像X29〜X32のうち、あるいは、操作者の接触操作の対象となる画像X31,X32のうち、操作者のいる左側にある画像、すなわちスクロールバー画像X31が操作者の方に指向するように、該スクロールバー画像X31の形態を変更する(スクロールバー画像X31が幅広くなっている)。なお、図例では、併せて、タイトル画像X29及び目的地指定スイッチ画像X32も操作者の方に指向して幅広くなっている。
【0083】
このときの状況を運転者からの視点で見ると、図21に示すようになる。すなわち、スクロールバー画像X31を始めとして、タイトル画像X29及び目的地指定スイッチ画像X32が正対視したときと同じような大きさ・形態に見えている。
【0084】
これにより、形態が変更する画像が限定されるから、操作者以外の他の乗員がディスプレイ11を見たときの違和感がより一層低減される。また、形態が変更する画像と形態が変更しない画像とがいろいろに組み合わされて配置されることとなって、ディスプレイ11の表示に意匠的な面白さが得られる。
【0085】
なお、上記各画像形態変更例において、操作者の操作動作を検出してから所定時間が経過するまでは、画像の形態の変更量及び変更速度を小さくするようにしてもよい。その場合は、操作者が実際に接触操作を最終的にするかどうかがはっきりしない操作動作の初期の段階で画像の形態が変化することの違和感、特に操作者以外の他の乗員がディスプレイ11を見たときの違和感が効果的に低減される。
【0086】
以上のように、本発明によれば、操作者が、タッチ操作面における、上記情報表示画面に表示された操作スイッチ表示部に対応する部分を確実にタッチすることができ、誤操作が防止される。また、情報表示画面よりも操作者に近い位置に間隔を空けてタッチ操作面が配置されているので、情報表示画面の視認性及びタッチ操作面に対する操作性を両立することができる。加えて、タッチ操作面には操作スイッチ表示部等の表示情報を表示する必要がないので、表示制御が複雑にならず、両方に表示する場合よりもコストが安くなる。また、操作者の操作時の違和感が抑制される。また、表示形態変更による違和感が抑制される。また、操作者の操作時の違和感抑制と、表示形態変更による違和感抑制とが両立する。また、操作者が本当にタッチ操作をするかどうかがはっきりしない操作動作の初期の段階で表示形態が変更されることの違和感が効果的に抑制されることとなる。
【0087】
以上に加えて、本実施形態に係る情報表示装置10においては、液晶ディスプレイ11よりも操作者に近い位置に間隔をあけてタッチパネル12を配置したから、液晶ディスプレイ11の視認性とタッチパネル12に対する操作性とを両立することができる。また、タッチパネル12のほうに画像表示機能を付加していないから、コストアップや画像表示制御の複雑化を招来しない。
【0088】
なお、上記の実施形態は、本発明の最良の実施形態ではあるが、特許請求の範囲を逸脱しない限り、なお種々の修正・変更が可能であることはいうまでもない。例えば、上記実施形態では、操作者の操作動作の検出や、操作者の接触操作が行われる確度の判定、あるいは操作者が誰であるかの判定等に、赤外線センサ21〜26を用いたが、これに代えて、操作者の視線の方向を検出するカメラをインストルメントパネル4の上に設けたり、操作者の手及び指の動き及び位置を検出するカメラを車室内の天井に設けたりしてもよい。また、操作者が発声する命令を音声認識する音声認識装置を車室内に設けることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、表示画面と操作画面とが分離して配置された構造の車両用情報表示装置において、表示画面に表示された画像情報を見ながら操作画面を操作しようとする操作者の誤操作を抑制することができ、自動車等の車両に搭載される車両用情報表示装置の技術分野において幅広い産業上の利用可能性が期待される。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用情報表示装置の設置位置を示す車室内前方の斜視図である。
【図2】上記情報表示装置の正面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】上記情報表示装置の制御システム図である。
【図5】上記情報表示装置に備えられた赤外線センサの組合せパターン図である。
【図6】上記組合せパターン図から得られる領域Z1〜Z9の位置を示すタッチパネルの正面図である。
【図7】上記情報表示装置の初期画面の正対視図である。
【図8】上記初期画面を運転席から見た左斜視図である。
【図9】上記情報表示装置の「オーディオ」機種選択画面の正対視図である。
【図10】同じく「カーナビ」機能選択画面の正対視図である。
【図11】同じく「住所で探す」画面の正対視図である。
【図12】上記「住所で探す」画面を運転席から見た左斜視図である。
【図13】第1の画像形態変更例に係る図11の「住所で探す」画面の正対視図である。
【図14】上記第1の画像形態変更例に係る「住所で探す」画面を運転席から見た左斜視図である。
【図15】第2の画像形態変更例に係る「住所で探す」画面を運転席から見た左斜視図である。
【図16】第3の画像形態変更例に係る「住所で探す」画面を運転席から見た左斜視図である。
【図17】図16の次に表れる「住所で探す」画面を運転席から見た左斜視図である。
【図18】上記情報表示装置の「登録した食事処」選択画面の正対視図である。
【図19】上記「登録した食事処」選択画面を運転席から見た左斜視図である。
【図20】第4の画像形態変更例に係る図18の「登録した食事処」選択画面の正対視図である。
【図21】上記第4の画像形態変更例に係る「登録した食事処」選択画面を運転席から見た左斜視図である。
【図22】従来の情報表示装置における問題点の説明図である(その1)。
【図23】同じく問題点の説明図である(その2)。
【図24】同じく問題点の説明図である(その3)。
【図25】同じく問題点の説明図である(その4)。
【符号の説明】
【0091】
1 車両
10 情報表示装置
11 液晶ディスプレイ(表示画面)
12 タッチパネル(操作画面)
21〜26 赤外線センサ
30 コントロールユニット(信号出力手段、操作動作検出手段、着座位置検出手段、表示形態変更手段、操作確定度検出手段、第2の表示形態変更手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報表示画面とタッチ操作面とが分離された車両用情報表示装置に関し、その誤操作防止技術の分野に属する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両には、例えばナビゲーション装置やオーディオ装置の情報表示及び操作用として液晶ディスプレー(情報表示画面)等の表面に透明なタッチパネル(タッチ操作面)が設けられた情報表示装置が備えられることがある。
【0003】
この情報表示装置は、上記タッチパネルに乗員の指先が届くように、例えばインパネ上における乗員から比較的近い位置に設けられるが、このような設置環境においては、走行中遠方を注視している運転者がディスプレーに表示された情報を見ようとすると、目の焦点を遠方から近くに切り換えなければならず、目に疲労を生じやすい等の問題がある。
【0004】
この問題に対処するものとして、例えば、特許文献1には、ディスプレーの所定距離前方に透明の状態と表示の状態とを切替え可能な透明液晶とタッチパネルとを重ねて設け、例えば地図等の情報については視認性確保のために奥側のディスプレーに表示し、機能選択用の操作スイッチ表示部については操作性確保のために手前の透明液晶に表示してその表面のタッチパネルにタッチさせ、これにより視認性と操作性とを両立させるようにしたものが開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−126354号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の情報表示装置においては、高価な透明液晶が別途必要となるので、コストが高くなるだけでなく、表示制御が複雑となるという問題がある。また、透明液晶に操作スイッチ表示部が表示されるので、ディスプレーの画面表示を見ながらそのまま画面表示の操作スイッチ表示部の操作を行うことができるというタッチパネルの良さはない。つまり乗員が操作する際には手前の透明液晶に表示される操作スイッチ表示部を認識しなおさなければならない。
【0007】
そこで、本願発明者たちが検討したところ、上記特許文献1とは全く異なる構成、すなわち、透明液晶を用いないでディスプレーに操作スイッチ表示部を表示させ、かつディスプレーとタッチパネルとを離間させる構成とすることにより、前述のタッチパネルの良さを確保しつつ視認性と操作性との両立が可能となることを見出した。
【0008】
しかしながら、このような構成とすると以下のような問題が生じる。
【0009】
すなわち、図22(情報表示装置のディスプレー及びタッチパネルの水平断面図)に示すように、ディスプレー100上に例えば操作スイッチ表示部xが表示された場合、該操作スイッチ表示部xに対応するタッチパネル101上の感応領域y(図22には表記したが、実際は透明なままで操作者からは認知することができない)は、一般にスイッチ表示部xと同寸法同形状でかつ正面視で上記スイッチ表示部xに重なる位置に設定されるが、通常、情報表示装置は左側座席と右側座席との間に設けられるので、操作者はディスプレー100上の操作スイッチ表示部xを例えば矢印で示すように斜めに見ることとなる。そのため、操作者が例えば左側座席に着座している場合には、操作者の方向からでは、図23にも示すように、操作スイッチ表示部xと感応領域yとにずれが生じ、例えば、操作者の指が操作スイッチ表示部xの左端に重なるようにタッチパネル101にタッチした場合でも、タッチパネル101上の感応領域yにタッチしたこととはならず、操作スイッチ表示部xに対応する機能が動作しないこととなる。
【0010】
また、図24、図25に示すように、ディスプレー100上に例えば複数の操作スイッチ表示部x1,x2,x3が表示された場合、前述の1個だけ操作スイッチ表示部が表示された場合同様、これらに対応して3つの感応領域y1、y2,y3がタッチパネル101上に設定されるが、この場合、例えば、操作者の指が操作スイッチ表示部x2に重なるようにタッチパネル101にタッチした場合、操作スイッチ表示部x1に対応する感応領域y1にタッチすることとなり、操作スイッチ表示部x1に対応する機能が作動してしまう。
【0011】
また、これらの問題は、例えば車両のゆれや指のふるえ等によっても発生し易くなることがあり、特に操作スイッチ表示部が小さい場合に顕著となる。
【0012】
そこで、本発明は、情報表示画面とタッチ操作面とが分離された情報表示装置において、タッチ操作面に対するタッチ操作時の誤操作を防止することができる車両用情報表示装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明は、次のように構成したことを特徴とする。
【0014】
まず、本願の請求項1に記載の発明は、車両に設置される情報表示装置であって、操作スイッチ表示部を含む表示情報が表示される情報表示画面と、該情報表示画面よりも操作者に近い位置に間隔を空けて配置された透明なタッチ操作面と、該タッチ操作面における、上記情報表示画面に表示された操作スイッチ表示部に対応する部分がタッチされたときに、該スイッチ表示部に対応する信号を出力する信号出力手段と、操作者の操作動作を検出する操作動作検出手段と、操作者の着座位置を検出する着座位置検出手段と、上記操作動作検出手段で操作者の操作動作が検出されたときに、上記表示情報の表示形態が上記着座位置検出手段で検出された操作者に向かって指向するように変更する表示形態変更手段とが備えられていることを特徴とする。
【0015】
また、本願の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、表示形態変更手段は、すべての表示情報の表示形態が指向するように変更することを特徴とする。
【0016】
また、本願の請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、表示形態変更手段は、表示情報のうち操作者の操作対象となる表示情報の表示形態のみが指向するように変更することを特徴とする。
【0017】
また、本願の請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、表示形態変更手段は、操作者の操作対象となる表示情報のうち、着座位置検出手段で検出された操作者の側にある表示情報の表示形態のみが指向するように変更することを特徴とする。
【0018】
また、本願の請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、操作者の操作が行われる確定度を検出する操作確定度検出手段が備えられ、表示形態変更手段は、上記検出手段で確定度が相対的に高いと検出された表示情報の表示形態が指向するように変更することを特徴とする。
【0019】
また、本願の請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、表示形態変更手段は、操作確定度検出手段で確定度が相対的に低いと検出された表示情報の表示形態が相対的に小さい量で指向し、上記検出手段で確定度が相対的に高いと検出された表示情報の表示形態が相対的に大きい量で指向するように変更することを特徴とする。
【0020】
また、本願の請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の発明において、表示形態変更手段による表示形態の変更が明確となるように、操作確定度検出手段で確定度が相対的に低いと検出された表示情報の表示形態を変更する第2の表示形態変更手段が備えられていることを特徴とする。
【0021】
また、本願の請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれかに記載の発明において、表示形態変更手段は、操作動作検出手段で操作者の操作動作が検出されてから所定時間が経過するまでは、表示形態の変更量及び変更速度を小さくすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
次に、本発明の効果について説明する。
【0023】
まず、請求項1に記載の発明によれば、情報表示画面とタッチ操作面とが間隔を空けて配置された車両用情報表示装置において、操作者の操作動作が検出されたときに、上記表示情報の表示形態が操作者に向かって指向するように変更されるので、操作者が、タッチ操作面における、上記情報表示画面に表示された操作スイッチ表示部に対応する部分を確実にタッチすることができ、誤操作が防止されることとなる。
【0024】
また、情報表示画面よりも操作者に近い位置に間隔を空けてタッチ操作面が配置されているので、情報表示画面の視認性及びタッチ操作面に対する操作性を両立することができる。加えて、タッチ操作面には操作スイッチ表示部等の表示情報を表示する必要がないので、表示制御が複雑にならず、両方に表示する場合よりもコストが安くなる。
【0025】
また、請求項2に記載の発明によれば、すべての表示情報の表示形態が指向するように変更されるので、操作者の操作時の違和感が抑制されることとなる。
【0026】
また、請求項3に記載の発明によれば、表示情報のうち操作者の操作対象となる表示情報の表示形態のみが指向するように変更されるので、表示形態変更による違和感が抑制されることとなる。
【0027】
また、請求項4に記載の発明によれば、操作者の操作対象となる表示情報のうち、着座位置検出手段で検出された操作者の側にある表示情報の表示形態のみが指向するように変更されるので、操作者の操作時の違和感が抑制されると共に、表示形態変更による違和感も抑制されることとなる。
【0028】
また、請求項5に記載の発明によれば、操作者の操作が行われる確定度が相対的に高いと検出された表示情報の表示形態が指向するように変更されるので、より一層確実に誤操作が防止されることとなる。
【0029】
また、請求項6に記載の発明によれば、操作者の操作が行われる確定度が相対的に低いと検出された表示情報の表示形態が相対的に小さい量で指向し、上記確定度が相対的に高いと検出された表示情報の表示形態が相対的に大きい量で指向するように変更されるので、これによって、より一層確実に誤操作が防止されることとなる。
【0030】
また、請求項7に記載の発明によれば、表示形態の変更が明確となるように、操作者の操作が行われる確定度が相対的に低いと検出された表示情報の表示形態が変更されるので、これによっても、より一層確実に誤操作が防止されることとなる。
【0031】
また、請求項8に記載の発明によれば、操作者の操作動作が検出されてから所定時間が経過するまでは、表示形態の変更量及び変更速度が小さくされるので、操作者が本当にタッチ操作をするかどうかがはっきりしない操作動作の初期の段階で表示形態が変更されることの違和感が効果的に抑制されることとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
図1に示すように、本実施の形態に係る車両1は、いわゆる左ハンドル仕様車であり、左側のフロントシート(すなわち運転席)の前方に、ステアリングホイール2及び各種計器3…3等が配設され、左側のフロントシートと右側のフロントシート(すなわち助手席)との間の空間の前方のインストルメントパネル4に、ハザードランプスイッチ5、空調制御スイッチ6,6、及び本発明に係る情報表示装置10等が配設されている。
【0033】
図2に示すように、情報表示装置10は、インストルメントパネル4の中央部に形成された円形開口に組み込まれている。情報表示装置10は、インストルメントパネル4のフレーム4aに固定された液晶ディスプレイ11、すなわち表示画面と、タッチパネル12、すなわち操作画面とを有している。両部材11,12とも正面視で円形状に作製されている。
【0034】
図3に示すように、液晶ディスプレイ11は、車室内でシートに着座した乗員に対して相対的に遠い位置に、またタッチパネル12は、シートに着座した乗員に対して相対的に近い位置に、それぞれ分離して配置されている。乗員である操作者が指Cで接触操作をするタッチパネル12は透明な素材で作製されており、操作者が奥方のディスプレイ11に表示された種々の画像をタッチパネル12越しに明瞭に観察できるようになっている。タッチパネル12は表面が球面状に作製されており、ディスプレイ11から操作者側に所定距離だけ離間して浮いたように位置している。タッチパネル12は操作者の接触操作による接触位置を検出し、その接触位置に関する信号を出力する。
【0035】
図2に示したように、情報表示装置10の周囲に、複数(図例では6つ)の赤外線センサ21〜26が配設されている。それらのうち、フレーム部材4aに縦に並んで配置された第1〜第3赤外線センサ21〜23は、タッチパネル12の直上空間で左右方向に細長く延びるエリアB1,B2,B3を検知エリアとする。一方、フレーム部材4aに横に並んで配置された第4〜第6赤外線センサ24〜26は、タッチパネル12の直上空間で上下方向に細長く延びるエリアB4,B5,B6を検知エリアとする。
【0036】
これらの赤外線センサ21〜26は、焦電型の赤外線センサであって、赤外線の受光量が少なくなるほど、つまり検知エリアB1〜B6内の物体(ここではタッチパネル12を接触操作しようとする操作者の指C)の存在量(又は侵入量)が大きくなるほど、より大きな電圧(又は電流)を発生する。
【0037】
図4に示すように、情報表示装置10のコントロールユニット30は、タッチパネル12で検出された接触位置に関する信号と、赤外線センサ21〜26で検出された物体の存在量に関する信号とを入力し、これらの信号に基いて、ディスプレイ11に表示させるべき画像を決定し、その画像がディスプレイ11に表示されるように、該ディスプレイ11に制御信号を出力する。
【0038】
その場合に、コントロールユニット30は、図5に示すように、第1〜第3赤外線センサ21〜23のうち、最も大きな電圧を発生している赤外線センサ、つまり左右方向に延びる検知エリアB1〜B3内の操作者の指Cの存在量が最大である赤外線センサと、第4〜第6赤外線センサ24〜26のうち、最も大きな電圧を発生している赤外線センサ、つまり上下方向に延びる検知エリアB4〜B6内の操作者の指Cの存在量が最大である赤外線センサとの組合せに基いて、図6に示すように、タッチパネル12の直上空間を区分する複数(図例では9つ)の領域Z1〜Z9のうち、どの領域に操作者の指Cが存在するかを判定する。換言すれば、タッチパネル12への操作者の接触操作が行われる確度(確からしさ)を判定する。
【0039】
そして、コントロールユニット30は、操作者の指Cが存在する領域Z(領域Z1〜Z9を包括していうとき符号Zを用いる)を、タッチパネル12への操作者の接触操作が行われる確度が相対的に高い領域Zであると判定する。逆に、コントロールユニット30は、操作者の指Cが存在しない領域Zを、タッチパネル12への操作者の接触操作が行われる確度が相対的に低い領域Zであると判定する。もちろん、この判定は操作者の操作動作に伴う指Cの移動に応じて時々刻々変化する。
【0040】
ここで、上記第1領域Z1〜第9領域Z9は、図2に示した第1〜第3赤外線センサ21〜23の検知エリアB1,B2,B3と、第4〜第6赤外線センサ24〜26の検知エリアB4,B5,B6とが相互に重なり合う部分である。
【0041】
なお、隣接する2つの赤外線センサが共に最大電圧(又は最大電流)を発生しているときは、両赤外線センサの検知エリアB,B(検知エリアB1〜B6を包括していうとき符号Bを用いる)の境界付近、すなわち隣接する2つの領域Z,Zの境界付近に操作者の指Cが存在するものと判定する。
【0042】
また、コントロールユニット30は、操作者の指Cが存在すると判定した領域Zに係る赤外線センサの発生電圧に基いて、操作者の指Cとタッチパネル12の表面との間の距離、つまり操作者の指Cがタッチパネル12の表面にどの程度近接しているかを判定する。
【0043】
さらに、コントロールユニット30は、操作者の指Cとタッチパネル12の表面との間の距離の時間的変化に基いて、操作者の指Cがタッチパネル12に近接中か又はタッチパネル12から離反中かを判定し、かつその際の近接速度又は離反速度を判定する。
【0044】
そして、コントロールユニット30は、操作者の指Cが存在すると判定した領域Zの移り変りに基いて、操作者の操作動作がタッチパネル12に対していずれの側から行われているかを判定する。換言すれば、操作者の着座位置、つまり操作者は運転席に座っている運転者か又は助手席に座っている他の乗員かを判定する。
【0045】
すなわち、図6に矢印アで示したように、操作者の指Cが存在すると判定した領域Zが、例えば領域Z4,Z5,Z6の順に、左から右へ移り変ったときは、操作者は左側のフロントシートに着座している運転者であると判定する。一方、図6に矢印イで示したように、操作者の指Cが存在すると判定した領域Zが、例えば領域Z3,Z2,Z1の順に、右から左へ移り変ったときは、操作者は右側のフロントシートに着座している他の乗員であると判定する。
【0046】
次に、本発明の特徴部である、上記液晶ディスプレイ11に表示させる画像の形態の変更について説明する。まず、第1の画像形態変更例を説明する。例えば、この車両1の電気系統の電源がONされると、ディスプレイ11には、図2に示したような画像が表示される。すなわち、「START」という文字が記された楕円形状のスイッチ画像がディスプレイ11の中央部に表示される。操作者は、このスイッチ画像を、透明なタッチパネル12越しに明瞭に見ることができる。そして、この状態で、操作者がタッチパネル12の表面を接触操作すると、ディスプレイ11の表示は、図7に示すような表示に切り換わる。
【0047】
ここで、コントロールユニット30は、スイッチ画像に対応した感応領域をタッチパネル12上に設定する。操作者は、その感応領域内でタッチパネル12を接触操作しなければ、ディスプレイ11の表示は切り換わらない。換言すれば、コントロールユニット30は、タッチパネル12で検出された接触位置が感応領域内にある場合に限り、その接触操作を有効とする。
【0048】
一般に、感応領域は、ディスプレイ11に表示されたスイッチ画像の形状とほぼ同じ形状の領域とされ、情報表示装置10を正面から見たときに、ディスプレイ11上のスイッチ画像と、タッチパネル12上の感応領域とが重なり合ってほぼ一致するように設定される。以上のようなことは、以下に説明する他のスイッチ画像の接触操作においても事情は同じであるので、その都度の詳しい説明は省略する。
【0049】
図7に示したディスプレイ11の表示は、相互に上下に並んで配置された、「オーディオ」という文字が記された楕円形状のスイッチ画像X1と、「カーナビ」という文字が記された楕円形状のスイッチ画像X2とを含んでいる。
【0050】
ここで、図7以下の図面において、タッチパネル12上に表した交差する一点鎖線は、タッチパネル12の左右の中心線及び上下の中心線(見えるわけではない)を表している。また、図7以下の図面のうち、図8、図12、図14〜図17、図19及び図21において、ディスプレイ11及びタッチパネル12が幅方向に狭く小さくなり、かつタッチパネル12の左右の中心線が右方に少し湾曲しているのは、これらの図例が、情報表示装置10を運転席に着座した運転者から見た場合を示しているからである。つまり、情報表示装置10の左側にいる運転者は、情報表示装置10のディスプレイ11及びタッチパネル12を左斜めから見ることになる。その結果、例えば図8に示すように、この角度からは、本来、各スイッチ画像X1,X2の真正面に設定されたタッチパネル12上の感応領域Y1,Y2(見えるわけではない)は、各スイッチ画像X1,X2と一致せず、ズレを生じている。
【0051】
そして、この状態で、操作者が「オーディオ」のスイッチ画像X1を接触操作すると(より詳しくは、タッチパネル12上の感応領域Y1を接触操作すると)、ディスプレイ11の表示は、図9に示すような表示に切り換わり、一方、操作者が「カーナビ」のスイッチ画像X2を接触操作すると(より詳しくは、タッチパネル12上の感応領域Y2を接触操作すると)、ディスプレイ11の表示は、図10に示すような表示に切り換わる。
【0052】
図9に示したディスプレイ11の表示は、最上部に配置された、「オーディオ」という文字が記されたタイトル画像X11と、その下部に、相互に上下に並んで配置された、「FM」、「CD」、「HDD」、「TV」及び「AM」という文字がそれぞれ記された5つの楕円形状のスイッチ画像X12〜X16とを含んでいる。
【0053】
ここで、タイトル画像X11は、操作者の接触操作の対象となる画像ではなく、スイッチ画像X12〜X16のみが、操作者の接触操作の対象となる画像である。そして、この状態で、操作者が「FM」のスイッチ画像X12を接触操作すると、コントロールユニット30は、図4に示したように、FMラジオ41に所定の操作信号を出力して、FMラジオ41を起動させる。同様に、操作者が「CD」のスイッチ画像X13、「HDD」のスイッチ画像X14、「TV」のスイッチ画像X15、又は「AM」のスイッチ画像X16を接触操作すると、コントロールユニット30は、CD(コンパクトディスク)プレイヤ42、HDD(ハードディスク)プレイヤ43、テレビ44、又はAMラジオ45に所定の操作信号を出力して、それらを起動させる。
【0054】
一方、図10に示したディスプレイ11の表示は、最上部に配置された、「カーナビ」という文字が記されたタイトル画像X21と、その下部に、相互に上下に並んで配置された、「名称で探す」、「住所で探す」及び「登録で探す」という文字がそれぞれ記された3つの楕円形状のスイッチ画像X22〜X24とを含んでいる。
【0055】
ここで、タイトル画像X21は、操作者の接触操作の対象となる画像ではなく、スイッチ画像X22〜X24のみが、操作者の接触操作の対象となる画像である。そして、この状態で、操作者がいずれかのスイッチ画像X22〜X24を接触操作すると、コントロールユニット30は、図4に示したように、カーナビゲーションシステム46に所定の操作信号を出力して、該システム46を起動させる。
【0056】
そして、例えば、図10に示した「カーナビ」機能選択画面において、「住所で探す」のスイッチ画像X23を接触操作すると、ディスプレイ11の表示は、図11に示すような表示に切り換わる。図11に示したディスプレイ11の表示は、最上部に配置された、「住所で探す」という文字が記されたタイトル画像X25と、その下部に、相互に左右に並んで配置された、選択文字表示窓画像X26及び検索スイッチ画像X27と、さらにその下部に配置された、1群の文字選択用スイッチ画像X28とを含んでいる。
【0057】
ここで、タイトル画像X25及び選択文字表示窓画像X26は、操作者の接触操作の対象となる画像ではなく、検索スイッチ画像X27と文字選択用スイッチ画像X28とが、操作者の接触操作の対象となる画像である。いま、操作者として、情報表示装置10の左側にいる運転者が、「か」を選択した後、次に「み」を選択しようとして、指Cを左側方からタッチパネル12へ近接させ、「み」のスイッチ画像X28が属するタッチパネル12の第2領域Z2(図6参照)に指Cを近接させているとする。
【0058】
このときの状況を運転者からの視点で見ると、図12に示すようになる。すなわち、情報表示装置10の左側にいる運転者は、情報表示装置10のディスプレイ11及びタッチパネル12を左斜めから見ることになるので、ディスプレイ11及びタッチパネル12が幅方向に狭く小さくなり、それに伴い、タイトル画像X25、選択文字表示窓画像X26、検索スイッチ画像X27、及び文字選択用スイッチ画像X28もまた同様に幅方向に狭く小さくなり混雑して見難くなるので、誤操作が起こり易くなる。
【0059】
一方、コントロールユニット30は、操作者が「み」のスイッチ画像X28を接触操作しようとして、タッチパネル12に手を伸ばし、指Cをタッチパネル12へ近接させたときは、赤外線センサ21〜26からの信号に基いて(より詳しくは、いずれかの赤外線センサの発生電圧が上昇したことに基いて)、そのようなタッチパネル12に対する操作者の操作動作を検出することができる。
【0060】
さらに、コントロールユニット30は、操作者が「み」のスイッチ画像X28を接触操作しようとして、タッチパネル12に左側方から手を伸ばし、指Cを左側方からタッチパネル12へ近接させ、「み」のスイッチ画像X28が属するタッチパネル12の第2領域Z2(図6参照)に指Cを左側方から近接させたときは、赤外線センサ21〜26からの信号に基いて(より詳しくは、発生電圧が上昇した赤外線センサの移り変りに基いて)、そのようなタッチパネル12に対する操作者の操作動作がいずれの側から行われているか、つまり操作者は誰であるかを判定することができる。
【0061】
そして、コントロールユニット30は、上記操作者の操作動作を検出したときは、図13に示すように、ディスプレイ11に表示されるタイトル画像X25、選択文字表示窓画像X26、検索スイッチ画像X27及び文字選択用スイッチ画像群X28が、上記判定した操作者の側に向かって指向するように、該画像X25〜X28の形態を変更する。
【0062】
より詳しくは、情報表示装置10の左側にいる運転者が情報表示装置10のディスプレイ11及びタッチパネル12を左斜めから見ても、上記画像X25〜X28が正対視したときと同じように見えるように、該画像X25〜X28を所定の割合で幅方向に広げて大きくする。その場合に、タイトル画像X25や表示窓画像X26、あるいはスイッチ画像X27,X28の輪郭形状を幅方向に広げて大きくするだけでなく、それらの画像X25〜X28に記された文字及び文字間隔等も幅方向に広げて大きくする。
【0063】
さらに、その場合に、画像X25〜X28が正対視したときと同じように見える精度を上げるために、操作者から遠い側にある画像の幅方向の拡大率を、操作者に近い側にある画像の幅方向の拡大率よりも、大きくする。例えば、図例のように、操作者が情報表示装置10の左側に着座している運転者である場合は、図13において、左側にある画像(「住」、「わ」、「ら」、「を」等)ほど、幅方向の拡大率を小さくし、右側にある画像(「索」、「あ」、「か」、「い」等)ほど、幅方向の拡大率を大きくする。操作者が情報表示装置10の右側に着座している他の乗員である場合は、事情は逆になる。
【0064】
これにより、図14に示すように、「住所で探す」画面に表示された画像X25〜X28の視認性が改善されて、ディスプレイ11に表示された画像X25〜X28を見ながらタッチパネル12を接触操作しようとする操作者の誤操作が抑制される。
【0065】
つまり、この情報表示装置10においては、種々の画像が表示されるディスプレイ11と、操作者によって接触操作されるタッチパネル12とが、車体前後方向に所定距離だけ離間して配置されているから、操作者がディスプレイ11に表示された画像情報を見ながら実際に指Cで接触操作しようとするタッチパネル12は、ディスプレイ11よりも手前に離れて浮いたように位置している。それゆえ、操作者は、ディスプレイ11上の画像情報から得られる視覚的感覚と、タッチパネル12に接触したときに得られる触覚的感覚とが一致せず、その結果、例えば図12の「住所で探す」画面において、目的としない隣のスイッチ画像X28を不測にタッチする等して、タッチパネル12の接触操作に誤操作が生じ易いのである。そこで、図13に示すように、画像X25〜X28を幅方向に拡大する等して操作者の側に向かって指向させることにより、操作者が上記画像X25〜X28にタッチし易くして、たとえタッチパネル12がディスプレイ11よりも手前に離れて浮いたように位置しているような状況であっても、ディスプレイ11に表示された画像情報を見ながらタッチパネル12を操作しようとする操作者の操作性を向上させるようにしたのである。なお、このとき、ディスプレイ11上の画像X25〜X28を幅方向に拡大等すると同時に、タッチパネル12上の各画像X25〜X28に対応する感応領域も併せて幅方向に拡大等してもよい。
【0066】
特に、たとえ情報表示装置10が操作者の正面になく、図12に示したように、操作者はディスプレイ11を側方から斜めに見るような状態であっても、図14に示したように、ディスプレイ11に表示される画像X25〜X28が正対視したときと同じように幅広く大きくなって見易くなるので、視認性が確保されて、操作者の誤操作が抑制される。
【0067】
しかも、その場合に、ディスプレイ11に表示されるすべての画像X25〜X28が画像が操作者の方に指向するようにしたから(図13参照)、操作者は違和感を感じることがなく、良好な操作性が確保される。
【0068】
次に、第2の画像形態変更例を説明する。なお、以下に示すいくつかの画像形態変更例においては、それぞれ特徴部のみ説明し、その他の構成は先行する変更例に準じて同じであるため、その都度の詳しい説明は省略する。
【0069】
図15に示すように、タッチパネル12への操作者の接触操作が行われる確度が相対的に高いと検出されたタッチパネル12の領域Z(図例では、「み」のスイッチ画像X28が属するタッチパネル12の第2領域Z2)に対応するディスプレイ11上の画像X28が操作者の方に指向するようにしてもよい。
【0070】
より具体的には、図15では、操作者の接触操作が行われる確度が相対的に低いと検出されたタッチパネル12の第3領域Z3、第6領域Z6及び第9領域Z9(図6参照)に対応するディスプレイ11上のスイッチ画像群X28(あ行〜さ行)が消え、操作者の接触操作が行われる確度が相対的に高いと検出されたタッチパネル12の第1領域Z1、第2領域Z2、第4領域Z4、第5領域Z5、第7領域Z7及び第8領域Z8(図6参照)に対応するディスプレイ11上のスイッチ画像群X28(た行〜わ行)が残った上で、その操作確度が相対的に高いスイッチ画像群X28のなかでもさらに操作確度が相対的に高いスイッチ画像群X28、すなわち「み」のスイッチ画像X28とその周辺のスイッチ画像群X28(「な」、「ね」、「ら」、「れ」等)のみが操作者の方に指向しているのである(図15に点線(見えるわけではない)で囲んで示した部分)。
【0071】
その場合は、操作者は、自己が接触操作を行おうとしているスイッチ画像X28が見易くなって、これによっても、確実にタッチパネル12への接触操作を行うことができる。
【0072】
また、この第2の画像形態変更例では、ディスプレイ11に表示される画像X25〜X28のうち、操作者の接触操作の対象となる文字選択用スイッチ画像群X28のみが操作者の方に指向するようにしたから(タイトル画像X25及び選択文字表示窓画像X26は幅方向に拡大等していない)、操作者の良好な操作性が確保されると共に、操作者以外の他の乗員がディスプレイ11を見たときの違和感が低減される。
【0073】
次に、第3の画像形態変更例を説明する。図16に示すように、タッチパネル12への操作者の接触操作が行われる確度が相対的に低いと検出されたタッチパネル12の領域Zに対応するディスプレイ11上の画像X28(図例では、「た」、「と」、「わ」、「ん」等)が相対的に小さい量で操作者の方に指向し、上記操作確度が相対的に高いと検出されたタッチパネル12の領域Zに対応するディスプレイ11上の画像X28(図例では、「な」、「は」、「よ」、「る」等)が相対的に大きい量で操作者の方に指向するようにしてもよい。
【0074】
より具体的には、図16では、操作者の接触操作が行われる確度が相対的に高いと検出されたスイッチ画像群X28のなかでも最も操作確度が高いスイッチ画像群X28(「み」のスイッチ画像X28とその周辺のスイッチ画像群X28「は」、「ふ」、「や」、「よ」等)が操作者の方に最も大きい量で指向し、次に操作確度が高いスイッチ画像群X28(「な」、「ね」、「ら」、「れ」等)が操作者の方に次に大きい量で指向し、そして最も操作確度が低いスイッチ画像群X28(「た」、「と」、「わ」、「ん」等)が操作者の方に最も小さい量で指向しているのである(図16に点線(見えるわけではない)で囲んで示した部分)。
【0075】
その場合は、操作者は、自己が接触操作を行おうとしているスイッチ画像X28が他のスイッチ画像X28よりも見易くなって、これによって、より一層確実にタッチパネル12への接触操作を行うことができる。
【0076】
さらに、図17に示すように、操作者が「み」のスイッチ画像X28をタッチしようとして、「み」のスイッチ画像X28により一層指Cを近接させたときに、操作者の方に指向させたスイッチ画像X28(図例では、「み」のスイッチ画像X28とその周辺のスイッチ画像群X28「は」、「ふ」、「や」、「よ」等)の形態変更が明確化するように、操作確度が相対的に低いと検出されたスイッチ画像X28(図例では、「な」、「ね」、「ら」、「れ」等)の形態を変更するようにしてもよい。
【0077】
より具体的には、図17では、操作者の接触操作が行われる確度が最も高いスイッチ画像群X28(「み」、「は」、「ふ」、「や」、「よ」等)の大きさが相対的に大きくなり(図17に点線(見えるわけではない)で囲んで示した部分)、その他のスイッチ画像群X28(「な」、「ね」、「ら」、「れ」等)の大きさが相対的に小さくなり、かつ一層幅が細くなっているのである。
【0078】
その場合は、操作確度の高い画像X28(「み」、「は」、「ふ」、「や」、「よ」等)の形態変更と、操作確度の低い画像X28(「な」、「ね」、「ら」、「れ」等)の形態変更との相乗効果により、操作者は、自己が接触操作を行おうとしているスイッチ画像X28がより一層他のスイッチ画像X28よりも見易くなって、これによって、さらにより一層確実にタッチパネル12への接触操作を行うことができる。
【0079】
次に、第4の画像形態変更例を説明する。図18に示した「登録した食事処」選択画面は、最上部に配置された、「登録した食事処」という文字が記されたタイトル画像X29と、その下部に、相互に上下に並んで配置された、登録内容表示画像X30と、その側方に、縦に延びて配置された、スクロールバー画像X31と、登録内容表示画像X30の下部に配置された、目的地指定スイッチ画像X32とを含んでいる。
【0080】
ここで、タイトル画像X29及び登録内容表示画像X30は、操作者の接触操作の対象となる画像ではなく、スクロールバー画像X31と目的地指定スイッチ画像X32とが、操作者の接触操作の対象となる画像である。いま、操作者として、情報表示装置10の左側にいる運転者が、スクロールバー画像X31を操作しようとして、指Cを左側方からタッチパネル12へ近接させている。
【0081】
このときの状況を運転者からの視点で見ると、図19に示すようになる。すなわち、情報表示装置10の左側にいる運転者は、情報表示装置10のディスプレイ11及びタッチパネル12を左斜めから見ることになるので、ディスプレイ11及びタッチパネル12が幅方向に狭く小さくなり、それに伴い、タイトル画像X29、登録内容表示画像X30、スクロールバー画像X31、及び目的地指定スイッチ画像X32もまた同様に幅方向に狭く小さくなり細くなって見難くなるので、誤操作が起こり易くなる。
【0082】
その場合に、コントロールユニット30は、上記操作者の操作動作を検出したときは、図20に示すように、ディスプレイ11に表示される画像X29〜X32のうち、あるいは、操作者の接触操作の対象となる画像X31,X32のうち、操作者のいる左側にある画像、すなわちスクロールバー画像X31が操作者の方に指向するように、該スクロールバー画像X31の形態を変更する(スクロールバー画像X31が幅広くなっている)。なお、図例では、併せて、タイトル画像X29及び目的地指定スイッチ画像X32も操作者の方に指向して幅広くなっている。
【0083】
このときの状況を運転者からの視点で見ると、図21に示すようになる。すなわち、スクロールバー画像X31を始めとして、タイトル画像X29及び目的地指定スイッチ画像X32が正対視したときと同じような大きさ・形態に見えている。
【0084】
これにより、形態が変更する画像が限定されるから、操作者以外の他の乗員がディスプレイ11を見たときの違和感がより一層低減される。また、形態が変更する画像と形態が変更しない画像とがいろいろに組み合わされて配置されることとなって、ディスプレイ11の表示に意匠的な面白さが得られる。
【0085】
なお、上記各画像形態変更例において、操作者の操作動作を検出してから所定時間が経過するまでは、画像の形態の変更量及び変更速度を小さくするようにしてもよい。その場合は、操作者が実際に接触操作を最終的にするかどうかがはっきりしない操作動作の初期の段階で画像の形態が変化することの違和感、特に操作者以外の他の乗員がディスプレイ11を見たときの違和感が効果的に低減される。
【0086】
以上のように、本発明によれば、操作者が、タッチ操作面における、上記情報表示画面に表示された操作スイッチ表示部に対応する部分を確実にタッチすることができ、誤操作が防止される。また、情報表示画面よりも操作者に近い位置に間隔を空けてタッチ操作面が配置されているので、情報表示画面の視認性及びタッチ操作面に対する操作性を両立することができる。加えて、タッチ操作面には操作スイッチ表示部等の表示情報を表示する必要がないので、表示制御が複雑にならず、両方に表示する場合よりもコストが安くなる。また、操作者の操作時の違和感が抑制される。また、表示形態変更による違和感が抑制される。また、操作者の操作時の違和感抑制と、表示形態変更による違和感抑制とが両立する。また、操作者が本当にタッチ操作をするかどうかがはっきりしない操作動作の初期の段階で表示形態が変更されることの違和感が効果的に抑制されることとなる。
【0087】
以上に加えて、本実施形態に係る情報表示装置10においては、液晶ディスプレイ11よりも操作者に近い位置に間隔をあけてタッチパネル12を配置したから、液晶ディスプレイ11の視認性とタッチパネル12に対する操作性とを両立することができる。また、タッチパネル12のほうに画像表示機能を付加していないから、コストアップや画像表示制御の複雑化を招来しない。
【0088】
なお、上記の実施形態は、本発明の最良の実施形態ではあるが、特許請求の範囲を逸脱しない限り、なお種々の修正・変更が可能であることはいうまでもない。例えば、上記実施形態では、操作者の操作動作の検出や、操作者の接触操作が行われる確度の判定、あるいは操作者が誰であるかの判定等に、赤外線センサ21〜26を用いたが、これに代えて、操作者の視線の方向を検出するカメラをインストルメントパネル4の上に設けたり、操作者の手及び指の動き及び位置を検出するカメラを車室内の天井に設けたりしてもよい。また、操作者が発声する命令を音声認識する音声認識装置を車室内に設けることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、表示画面と操作画面とが分離して配置された構造の車両用情報表示装置において、表示画面に表示された画像情報を見ながら操作画面を操作しようとする操作者の誤操作を抑制することができ、自動車等の車両に搭載される車両用情報表示装置の技術分野において幅広い産業上の利用可能性が期待される。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用情報表示装置の設置位置を示す車室内前方の斜視図である。
【図2】上記情報表示装置の正面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】上記情報表示装置の制御システム図である。
【図5】上記情報表示装置に備えられた赤外線センサの組合せパターン図である。
【図6】上記組合せパターン図から得られる領域Z1〜Z9の位置を示すタッチパネルの正面図である。
【図7】上記情報表示装置の初期画面の正対視図である。
【図8】上記初期画面を運転席から見た左斜視図である。
【図9】上記情報表示装置の「オーディオ」機種選択画面の正対視図である。
【図10】同じく「カーナビ」機能選択画面の正対視図である。
【図11】同じく「住所で探す」画面の正対視図である。
【図12】上記「住所で探す」画面を運転席から見た左斜視図である。
【図13】第1の画像形態変更例に係る図11の「住所で探す」画面の正対視図である。
【図14】上記第1の画像形態変更例に係る「住所で探す」画面を運転席から見た左斜視図である。
【図15】第2の画像形態変更例に係る「住所で探す」画面を運転席から見た左斜視図である。
【図16】第3の画像形態変更例に係る「住所で探す」画面を運転席から見た左斜視図である。
【図17】図16の次に表れる「住所で探す」画面を運転席から見た左斜視図である。
【図18】上記情報表示装置の「登録した食事処」選択画面の正対視図である。
【図19】上記「登録した食事処」選択画面を運転席から見た左斜視図である。
【図20】第4の画像形態変更例に係る図18の「登録した食事処」選択画面の正対視図である。
【図21】上記第4の画像形態変更例に係る「登録した食事処」選択画面を運転席から見た左斜視図である。
【図22】従来の情報表示装置における問題点の説明図である(その1)。
【図23】同じく問題点の説明図である(その2)。
【図24】同じく問題点の説明図である(その3)。
【図25】同じく問題点の説明図である(その4)。
【符号の説明】
【0091】
1 車両
10 情報表示装置
11 液晶ディスプレイ(表示画面)
12 タッチパネル(操作画面)
21〜26 赤外線センサ
30 コントロールユニット(信号出力手段、操作動作検出手段、着座位置検出手段、表示形態変更手段、操作確定度検出手段、第2の表示形態変更手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設置される情報表示装置であって、操作スイッチ表示部を含む表示情報が表示される情報表示画面と、該情報表示画面よりも操作者に近い位置に間隔を空けて配置された透明なタッチ操作面と、該タッチ操作面における、上記情報表示画面に表示された操作スイッチ表示部に対応する部分がタッチされたときに、該スイッチ表示部に対応する信号を出力する信号出力手段と、操作者の操作動作を検出する操作動作検出手段と、操作者の着座位置を検出する着座位置検出手段と、上記操作動作検出手段で操作者の操作動作が検出されたときに、上記表示情報の表示形態が上記着座位置検出手段で検出された操作者に向かって指向するように変更する表示形態変更手段とが備えられていることを特徴とする車両用情報表示装置。
【請求項2】
表示形態変更手段は、すべての表示情報の表示形態が指向するように変更することを特徴とする請求項1に記載の車両用情報表示装置。
【請求項3】
表示形態変更手段は、表示情報のうち操作者の操作対象となる表示情報の表示形態のみが指向するように変更することを特徴とする請求項1に記載の車両用情報表示装置。
【請求項4】
表示形態変更手段は、操作者の操作対象となる表示情報のうち、着座位置検出手段で検出された操作者の側にある表示情報の表示形態のみが指向するように変更することを特徴とする請求項3に記載の車両用情報表示装置。
【請求項5】
操作者の操作が行われる確定度を検出する操作確定度検出手段が備えられ、表示形態変更手段は、上記検出手段で確定度が相対的に高いと検出された表示情報の表示形態が指向するように変更することを特徴とする請求項1に記載の車両用情報表示装置。
【請求項6】
表示形態変更手段は、操作確定度検出手段で確定度が相対的に低いと検出された表示情報の表示形態が相対的に小さい量で指向し、上記検出手段で確定度が相対的に高いと検出された表示情報の表示形態が相対的に大きい量で指向するように変更することを特徴とする請求項5に記載の車両用情報表示装置。
【請求項7】
表示形態変更手段による表示形態の変更が明確となるように、操作確定度検出手段で確定度が相対的に低いと検出された表示情報の表示形態を変更する第2の表示形態変更手段が備えられていることを特徴とする請求項5又は6に記載の車両用情報表示装置。
【請求項8】
表示形態変更手段は、操作動作検出手段で操作者の操作動作が検出されてから所定時間が経過するまでは、表示形態の変更量及び変更速度を小さくすることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の車両用情報表示装置。
【請求項1】
車両に設置される情報表示装置であって、操作スイッチ表示部を含む表示情報が表示される情報表示画面と、該情報表示画面よりも操作者に近い位置に間隔を空けて配置された透明なタッチ操作面と、該タッチ操作面における、上記情報表示画面に表示された操作スイッチ表示部に対応する部分がタッチされたときに、該スイッチ表示部に対応する信号を出力する信号出力手段と、操作者の操作動作を検出する操作動作検出手段と、操作者の着座位置を検出する着座位置検出手段と、上記操作動作検出手段で操作者の操作動作が検出されたときに、上記表示情報の表示形態が上記着座位置検出手段で検出された操作者に向かって指向するように変更する表示形態変更手段とが備えられていることを特徴とする車両用情報表示装置。
【請求項2】
表示形態変更手段は、すべての表示情報の表示形態が指向するように変更することを特徴とする請求項1に記載の車両用情報表示装置。
【請求項3】
表示形態変更手段は、表示情報のうち操作者の操作対象となる表示情報の表示形態のみが指向するように変更することを特徴とする請求項1に記載の車両用情報表示装置。
【請求項4】
表示形態変更手段は、操作者の操作対象となる表示情報のうち、着座位置検出手段で検出された操作者の側にある表示情報の表示形態のみが指向するように変更することを特徴とする請求項3に記載の車両用情報表示装置。
【請求項5】
操作者の操作が行われる確定度を検出する操作確定度検出手段が備えられ、表示形態変更手段は、上記検出手段で確定度が相対的に高いと検出された表示情報の表示形態が指向するように変更することを特徴とする請求項1に記載の車両用情報表示装置。
【請求項6】
表示形態変更手段は、操作確定度検出手段で確定度が相対的に低いと検出された表示情報の表示形態が相対的に小さい量で指向し、上記検出手段で確定度が相対的に高いと検出された表示情報の表示形態が相対的に大きい量で指向するように変更することを特徴とする請求項5に記載の車両用情報表示装置。
【請求項7】
表示形態変更手段による表示形態の変更が明確となるように、操作確定度検出手段で確定度が相対的に低いと検出された表示情報の表示形態を変更する第2の表示形態変更手段が備えられていることを特徴とする請求項5又は6に記載の車両用情報表示装置。
【請求項8】
表示形態変更手段は、操作動作検出手段で操作者の操作動作が検出されてから所定時間が経過するまでは、表示形態の変更量及び変更速度を小さくすることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の車両用情報表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2006−103357(P2006−103357A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−288763(P2004−288763)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
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