説明

車載機、その出力態様設定方法

【課題】車載機において、ユーザに特別な操作を要求することなく、搭乗者の構成に応じて、出力態様を変更する。
【解決手段】出力装置を有する車載機であって、車両の搭乗者の構成ごとに出力装置の出力態様を対応付けた出力態様特定データを記憶する記憶手段を備える。そして、車両内の各シートについて着席状態か否かを検出する検出処理と、検出処理の検出結果から車両の搭乗差者数を求め、搭乗者の構成を特定する搭乗者構成特定処理と、出力態様特定データを読み込み、搭乗者構成特定処理で特定した搭乗者の構成に対応する出力装置の出力態様を特定し、特定した出力態様を用いて、出力装置の出力態様を設定する出力態様設定処理と、を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用ナビゲーション装置などの車載機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車載用ナビゲーション装置等の車載機の表示画面の視認性を向上させるために、使用者の年齢層に応じて画面外観(表示色、コントラスト、文字サイズ等)を変更する技術が開示されている。特許文献1の技術では、ユーザに年齢層を入力させ、その年齢層の視覚特性や聴覚特性に適合するように、画面の外観や音量を調整している。
【0003】
【特許文献1】特開平11−183181号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来技術では、ユーザが自ら年齢層の入力をしなければならず、操作が煩雑である。また、年齢層を入力しない限り、出力態様(表示画面外観等)は調整されず、使い勝手が悪い。
【0005】
そこで、本発明の目的は、車載機において、ユーザに特別な操作を要求することなく、搭乗者の構成に応じて、出力態様を変更することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明のナビゲーション装置は、各種センサや音声入力装置からの出力を用いて、車両の搭乗者の構成を算出し、搭乗者の構成に応じて、画面外観(画面スキン)などの出力態様を設定する。
【0007】
例えば、本発明は、出力装置を有する車載機であって、車両の搭乗者の構成ごとに出力装置の出力態様を対応付けた出力態様特定データを記憶する記憶手段を備える。そして、前記車両内の各シートについて着席状態か否かを検出する検出処理と、前記検出処理の検出結果から前記車両の搭乗差者数を求め、搭乗者の構成を特定する搭乗者構成特定処理と、前記出力態様特定データを読み込み、前記搭乗者構成特定処理で特定した搭乗者の構成に対応する出力装置の出力態様を特定し、特定した出力態様を用いて、前記出力装置の出力態様を設定する出力態様設定処理と、を行う。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態が適用された車載用ナビゲーション装置100の概略構成図である。図示するように、車載用ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4(マイクロフォン41、スピーカ42)と、入力装置5と、車速センサ6と、ジャイロセンサ7と、GPS(Global Positioning System)受信装置8と、着席検出センサ9と、を備えている。
【0010】
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば各種センサ6、7やGPS受信装置8から出力される情報を基にして現在地を検出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置3から読み出す。また、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2へ表示する。また、記憶装置3に記憶されている地図データを用いて、ユーザから指示された出発地(現在地)と目的地とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。また、ディスプレイ2やスピーカ42を用いてユーザを誘導する。また、着席検出センサ9やマイクロフォン41で検出した信号に基づいて、搭乗者の構成(人数、年齢層、性別等)を算出し、搭乗者の構成にふさわしい画面外観(画面スキン)や、再生する楽曲を設定する。そして、設定した画面外観でディスプレイ2上へ情報を表示する処理や、設定した楽曲をスピーカ42を介して出力する処理を行う。さらに、施設検索モードにおいては、搭乗者の構成にふさわしい施設を含むリストを設定し表示する処理を行う。
【0011】
演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)11と、記憶装置3から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)12と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)13と、外部との情報の授受を行うインターフェース14とを備えるコンピュータシステムにより達成される。なお、演算処理部1は、各処理を専用に行う専用のDSP(Digital Signal Processor)を備えていてもよい。
【0012】
ディスプレイ2は、演算処理部1で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。ディスプレイ2は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどで構成される。
【0013】
記憶装置3は、CD-ROMやDVD-ROMやHDDやICカードといった記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、地図データ31、楽曲データ32等が記憶されている。
【0014】
地図データ31は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)ごとに、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータを含んでいる。また、地図データは、地図上の施設(店、レストラン、公園、競技場等)に関する情報(施設情報)を含んでいる。施設情報は、ジャンル(「レストラン」、「公園」、「若い人が好む場所」、「夜景がきれいな場所」、「デートスポット」など)ごとに、分類されている。
【0015】
楽曲データ32は、音声入出力装置4で楽曲を再生出力するためのデータであり、ジャンル(「クラシック」、「ポップ」、「ロック」、「若い人が好む曲」、「落ち着いた曲」など)ごとに分類されている。
【0016】
音声入出力装置4は、音声入力装置としてマイクロフォン41と、音声出力装置としてスピーカ42とを備える。マイクロフォン41は、ユーザやその他の搭乗者の発した音声などの車載機の外部の音声を取得する。スピーカ42は、演算処理部1で生成したユーザへのメッセージや、楽曲データ32に基づいて演算処理部1で生成された音声信号を出力する。マイクロフォン41とスピーカ42は、車両の所定の部位に、別個に配されている。ただし、一体の筐体に収納されていてもよい。車載用ナビゲーション装置100は、マイクロフォン41及びスピーカ42を、それぞれ複数備えることができる。
【0017】
入力装置5は、ユーザからの指示を、ユーザの操作により受け付けるユニットである。入力装置5は、スクロールキー、縮尺変更キーなどのハードスイッチ、ジョイスティック、ディスプレイ上に貼られたタッチパネルなどで構成される。
【0018】
車速センサ6、ジャイロセンサ7およびGPS受信装置8は、車載用ナビゲーション装置100で現在地(自車位置)を検出するために使用されるものである。
【0019】
着席検出センサ9は、車両内のシートへの着席状態を検出するためのセンサである。着席検出センサ9は、各シートに設置された感圧センサであってもよいし、シートベルトの着脱を検出するシートベルト着脱検出センサなどであってもよい。
【0020】
ただし、必ずしも、車載用ナビゲーション装置100が、着席を検出するためのセンサを備えている必要はない。車載用ナビゲーション装置100は、車両に設置された、着席を検出するセンサから取得した着席状態を示す情報を、車内LAN(Local Area Network)やECU(electronic control unit)を介して、取得してもよい。
【0021】
図2は、車内に設置された着席検出センサ9を説明するための図である。
【0022】
車両の車内201には、各シート202の座板に感圧センサ203が設置されている。感圧センサ203は、搭乗者の体重により着席状態か否かを検出する。
【0023】
図3は、演算処理部1の機能ブロック図である。
【0024】
図示するように、演算処理部1は、主制御部101と、入力処理部102と、搭乗者数算出部103と、年齢層判定部104と、性別判定部105と、出力態様設定部106と、表示処理部107と、楽曲再生部108と、を備えている。なお、演算処理部1の各機能部は、CPUがメモリにロードしたプログラムを実行することにより達成される。
【0025】
主制御部101は、各機能部を制御する中心的なユニットである。例えば、主制御部101は、入力処理部102を介して入力装置5やマイクロフォン41への入力を検出し、ユーザからの要求を解析し、要求された内容に対応する処理が実行されるように各機能部を制御する。なお、主制御部101は、マイクロフォン41へ入力されたユーザの発話した音声を認識する機能(音声認識機能)を備えている。
【0026】
また、主制御部101は、ナビゲーション装置本来の動作、例えば、地点検索、目的地設定、住所検索、経路探索、経路誘導などの処理を行うものとする。
【0027】
入力処理部102は、マイクロフォン41、入力装置5、及び着席検出センサ9から、入力信号を受信し、主制御部101に送る。
【0028】
搭乗者数算出部103は、着席を検出した着席検出センサ9の数に基づいて、車両内の搭乗者の数を算出する。
【0029】
年齢層判定部104は、車内の搭乗者の年齢層を判定する。具体的には、年齢層判定部104は、年齢層別に対応付けられた音声周波数帯を予め保持している。そして、マイクロフォン41から取得した音声の平均周波数を求め、求めた平均周波数が、いずれの音声周波数帯に属するかによって、平均的な年齢層を求める。なお、予め定めたいずれの音声周波数帯にも属さない場合は、「不明」との結果を出力する。
【0030】
また、上記に限られず、年齢層判定部104は、取得した音声の周波数の分布と、予め定めた年齢層別の周波数分布とを比較して、年齢層を求めてもよい。また、マイクロフォン41が複数設置されており、搭乗者ごとの音声を取得できる場合は、年齢層判定部104は、搭乗者ごとの年齢層を求めた後、平均して、車内の平均年齢層を求めるようにしてもよい。また、複数のマイクロフォン41で音声を取得した場合、遅延時間を利用した音声分離の技術により、取得した音声を、音源ごとの音声に分離し、それぞれの年齢層を求めた後、平均して、車内の平均年齢層を求めるようにしてもよい。
【0031】
また、年齢層判定部104は、年齢層の幅(分布)を求めてもよい。例えば、取得した音声の周波数分布から、最低年齢層と最高年齢層を求め、年齢層の幅(例えば、10〜50歳代)を求めるようにしてもよい。
【0032】
上記に限らず、取得した音声から年齢層を求める公知の技術を採用することができる。
【0033】
年齢層判定部104は、年齢層判定方法として、上記のいずれかの方法を用いればよい。また、ユーザからの要求により、いずれの判定方法を用いるかについて、設定できるようにしてもよい。
【0034】
性別判定部105は、車内の搭乗者の性別構成を判定する。具体的には、性別判定部105は、年齢層判定処理と同様にして、性別(男性のみ、女性のみ、男女混合)に対応付けられた平均周波数帯を予め保持している。そして、マイクロフォン41から取得した音声の平均周波数を求め、求めた平均周波数が、いずれの周波数帯に属するかによって、性別構成を求める。なお、予め定めたいずれの周波数帯にも属さない場合、「不明」との結果を出力する。
【0035】
また、上記に限らず、性別判定部105は、平均周波数を求めるのではなく、取得した音声の周波数の分布と、予め定めた性別構成別の周波数分布とを比較して、年齢層を求めてもよい。また、マイクロフォン41が複数設置されており、搭乗者ごとの音声を取得できる場合は、性別判定部105は、搭乗者ごとの性別を求めた後、車内の性別構成(男性のみ、女性のみ、男女混同)を求めるようにしてもよい。また、複数のマイクロフォン41で音声を取得した場合、遅延時間を利用した音声分離の技術により、取得した音声を、音源ごとの音声に分離し、それぞれの性別を求めた後、車内の性別構成を求めるようにしてもよい。
【0036】
また、音声から性別構成を求める公知の方法を採用することができる。
【0037】
出力態様設定部106は、後述の出力態様変更データ310を用いて、搭乗者の構成に応じて、表示画面の外観の設定、再生する楽曲ジャンルの設定等を行う。また、施設検索モードなどの所定の情報を提示するモードにおいては、搭乗者の構成に応じて、提示する施設ジャンルを設定する処理を行う。
【0038】
表示処理部107は、主制御部101等からの指示に従って、ディスプレイ2に、指示された情報を表示する処理を行う。この際、出力態様設定部106により設定された外観で画面の表示を行う。
【0039】
楽曲再生部108は、主制御部101等からの指示に従って、楽曲データ32から楽曲の再生に必要なデータを取得し、スピーカ42を介して音声出力する。この際、出力態様設定部106により設定された楽曲ジャンルの楽曲を選択して再生を行う。
【0040】
図4は、出力態様変更データ310の構成を示す図である。
【0041】
出力態様変更データ310は、搭乗者の構成と、設定すべき出力態様とを対応つけたデータである。出力態様変更データ310は、搭乗者数311と、年齢層312と、性別構成313と、に対応させて、画面スキン314と、楽曲ジャンル315と、施設ジャンル316とを、格納している。なお、出力態様変更データ310には、搭乗者数311、平均年齢層312、及び性別構成313のそれぞれについて「不明」の場合の出力態様(画面スキン314、楽曲ジャンル315、施設ジャンル316)も含まれている。
【0042】
画面スキン314は、画面の外観を規定する。画面スキン314は、画面を構成するオブジェクトの配色、配置等を設定するためのデータである。ただし、記憶装置3に画面スキンの生成データが格納されている場合には、画面スキン314として、画面スキンを識別するコードが格納されていてもよい。
【0043】
楽曲ジャンル315は、楽曲のジャンルを規定する。楽曲のジャンルには、上述の楽曲データ32に格納されている楽曲のジャンルに対応して、「クラシック」、「ポップ」、「ロック」、「若い人が好む曲」、「落ち着いた曲」などがある。
【0044】
施設ジャンル316は、地点検索などで提示する施設のジャンルを規定する。施設のジャンルには、上述の地図データ31に格納されている施設のジャンルに対応して、「レストラン」、「公園」、「若い人が好む場所」、「夜景がきれいな場所」、「デートスポット」等がある。
【0045】
なお、年齢層判定部104が平均年齢ではなく、年齢層の幅を求めた場合に備えて、年齢層312として、年齢層の幅が格納されていてもよい。かかる場合、出力態様変更データ310は、搭乗者数311と、年齢層の幅と、性別構成313と、に対応させて、画面スキン314と、楽曲ジャンル315と、施設ジャンル316とを、格納していることになる。
【0046】
[動作の説明]次に、上記構成の車載用ナビゲーション装置100の特徴的な動作について説明する。
【0047】
図5は、出力態様設定処理のフローチャートである。
【0048】
このフローは、電源がONされた後、あるいは、定期的に行われる。または、車内LAN等を介して、車両の停止及びドアの開閉を検出した場合に実施されるようにしてもよい。
【0049】
まず、搭乗者数算出部103は、着席を検出した着席検出センサ9の数から、搭乗者数を求める(S101)。
【0050】
次に、年齢層判定部104は、音声入出力装置4から取得した音声から、上述した方法により、年齢層(平均年齢層、あるいは年齢層の幅)を求める(S102)。
【0051】
そして、性別判定部105は、マイクロフォン41から取得した音声から、上述した方法により、性別構成を求める(S103)。
【0052】
そして、出力態様設定部106は、搭乗者数、年齢層、性別構成に基づいて、出力態様を設定する(S104)。具体的には、図4の出力態様データ310を読み込んで、S101で算出された搭乗者数、S102で求められた年齢層、S103で求められた性別構成に対応する、出力態様(画面スキン314、楽曲ジャンル315、施設ジャンル316)を特定する。そして、特定した出力態様で出力がなされるように、主制御部101に設定する。
【0053】
これを受けて、主制御部101は、出力態様設定部106により設定された出力態様で出力処理が行われるように、表示処理部107、楽曲再生部108を制御する。以下、搭乗者の構成に応じて、(1)画面スキンを変更する場合、(2)再生する楽曲ジャンルを変更する場合、(3)提示する施設ジャンルを変更する場合、について説明する。
【0054】
(1)画面スキンを変更する場合
表示処理部107は、搭乗者の構成に応じた画面スキンで、ディスプレイ2に画面を表示する。
【0055】
図6は、画面スキンが変更される様子を説明するための図である。
【0056】
図6(A)は、初期状態、あるいは搭乗者の構成が「不明」の場合の画面スキン510を示す。図6(B)は、搭乗者の構成(例えば、4人、30歳代、男女混合)に応じて変更された画面スキン520を示す。
【0057】
(2)再生する楽曲ジャンルを変更する場合
楽曲再生部108は、記憶装置3の楽曲データ32の楽曲の中から、出力態様設定部106により設定されたジャンルの楽曲を抽出し、順に、スピーカ42から出力する。
【0058】
例えば、出力態様変更データ310に、家族のように、複数人数(3〜5人)でかつ年齢層に幅(10〜50歳代)がある場合として、楽曲ジャンル315に、「軽快なリズムのポップ」が設定されているとする。車内の搭乗者の構成がこれに一致する場合、楽曲再生部108は、「軽快なリズムのポップ」ジャンルに属する楽曲を選択して再生することになる。
【0059】
(3)提示する施設ジャンルを設定する場合
主制御部101は、「地点検索」などの施設検索を行うモードにおいて、候補となる施設を抽出し、表示処理部107を介して、ディスプレイ2に表示する。このとき、地図データ31の中から、出力態様設定部106で設定されたジャンルの施設を抽出して、表示する。
【0060】
例えば、出力態様変更データ310に、搭乗者2〜3人、20歳代、男女混合の場合として、施設ジャンル316に、「イタリアレストラン」が設定されているとする。車内の搭乗者の構成がこれに一致する場合、主制御部101は、「地点検索モード」において、現在位置周辺の「イタリアレストラン」に属する施設を抽出し、候補として表示することになる。また、こうして抽出した施設のアイコンを、他の施設のアイコンと異なる態様で表示するなどして、強調して表示してもよい。
【0061】
以上、本発明の一実施形態について説明した。なお、図5で示したS101〜S103の処理の順番は、これに限られない。
【0062】
上記実施形態によれば、ユーザに煩雑な入力操作を要求することなく、車内の搭乗者の構成を判別し、搭乗者の構成に合わせて、画面スキンを設定したり、再生する楽曲を設定したりすることができる。また、搭乗者の構成に応じて、提示する情報を設定することができる。
【0063】
上記実施形態は、さまざまな変形が可能である。
【0064】
例えば、搭乗者数に関しては、センサで検知する一方、年齢層、性別については、ユーザから入力を受け付けてもよい。かかる場合でも、搭乗者数に関しては、ユーザに入力を要求しないので、ユーザの手間を省くことができる。
【0065】
また、上記実施形態では、搭乗者数、年齢層、性別を求めて搭乗者の構成を求めたが、適宜省略することができる。例えば、搭乗者数のみを求めて、求めた搭乗者数に応じて、出力態様(画面スキン、楽曲ジャンル等)を設定してもよい。
【0066】
また、出力態様設定部106は、搭乗者の構成を求めた場合、それをメモリに記憶しておき、搭乗者数の変化が検知されない限り、出力態様の設定の変更を行わないようにしてもよい。上述の通り、年齢層、性別、については、音声から判定している。したがって、年齢層の判定や性別の判定の際に、搭乗者の全員の音声が取得できないと、正確な判定ができない。そこで、一定音量の音声が取得できて、年齢層及び性別を含めた搭乗者の構成が求められた場合、出力態様設定部106は、求めた搭乗者の構成(搭乗者数、年齢層、性別構成)をメモリに記憶しておく。そして、搭乗者数算出部103により算出された搭乗者に変化がない限り、出力態様の設定を変更しない。こうすれば、搭乗者が発話せずに搭乗している場合に生じる不都合を回避できる。
【0067】
上記の実施形態では、本発明を車載用ナビゲーション装置に適用した例について説明したが、本発明はナビゲーション装置以外の車載機(オーディオ機器など)にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の一実施形態が適用された車載用ナビゲーション装置の概略構成図である。
【図2】着席検出センサの設置位置を示す図である。
【図3】演算処理部1の機能構成図である。
【図4】出力態様変更データの構成を示す図である。
【図5】出力態様設定処理のフロー図である。
【図6】搭乗者の構成に応じて、画面スキンを変更する様子を示す図である。
【符号の説明】
【0069】
100・・・車載用ナビゲーション装置、
1・・・演算処理部、2・・・ディスプレイ、3・・・記憶装置、4・・・音声出入力装置(41・・・マイクロフォン、42・・・スピーカ)、5・・・入力装置、6・・・車速センサ、7・・・ジャイロセンサ、8・・・GPS受信装置、9・・・着席検出センサ、11・・・CPU、12・・・RAM、13・・・ROM、14・・・I/F、
101・・・主制御部、102・・・搭乗者数算出部、103・・・年齢層判定部、104・・・性別判定部、106・・・出力態様設定部、107・・・表示処理部、108・・・楽曲再生部
310・・・出力態様変更データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力装置を有する車載機であって、
車両の搭乗者の構成ごとに出力装置の出力態様を対応付けた出力態様特定データを記憶する記憶手段を備え、
前記車両内の各シートについて着席状態か否かを検出する検出処理と、
前記検出処理の検出結果から前記車両の搭乗差者数を求め、搭乗者の構成を特定する搭乗者構成特定処理と、
前記出力態様特定データを読み込み、前記搭乗者構成特定処理で特定した搭乗者の構成に対応する出力装置の出力態様を特定し、特定した出力態様を用いて、前記出力装置の出力態様を設定する出力態様設定処理と、
を行うことを特徴とする車載機。
【請求項2】
請求項1に記載の車載機であって、
表示装置を備え、
前記出力態様設定処理では、
前記搭乗者の構成に応じて、前記表示装置の画面の外観を設定する
ことを特徴とする車載機。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車載機であって、
音声出力装置を備え、
前記出力態様設定処理では、
前記搭乗者の構成に応じて、前記音声出力装置の再生する楽曲を設定する
ことを特徴とする車載機。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の車載機であって、
前記検出処理では、
前記車両の各シートに設置された感圧センサの出力を用いて、前記車両内の各シートについて着席状態か否かを検出し、前記搭乗者数を求める
ことを特徴とする車載機。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の車載機であって、
前記検出処理では、
シートベルトの着脱センサの出力を用いて、前記車両内の各シートについて着席状態か否かを検出し、前記搭乗者数を求める
ことを特徴とする車載機。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の車載機であって、
音声入力装置を備え、
前記搭乗者構成算出処理では、当該音声入力装置で取得した音声の周波数を用いて、前記搭乗者の年齢層または性別を求め、当該年齢層または性別を含む前記搭乗者の構成を求める、
ことを特徴とする車載機。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の車載機であって、
前記出力態様設定処理では、
前記搭乗者の構成に応じて、所定の施設を表示するモードにおける、表示する施設を設定する
ことを特徴とする車載機。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の車載機であって、
前記出力態様設定処理では、
前記搭乗者構成特定処理において新たに搭乗者の構成が特定された場合でも、搭乗者数に変更がない場合は、出力態様の変更をしない
ことを特徴とする車載機。
【請求項9】
出力装置を有する車載機の出力態様設定方法であって、
前記車載機は、
車両の搭乗者の構成ごとに出力装置の出力態様を対応付けた出力態様特定データを記憶する記憶手段を備え、
前記車両内の各シートについて着席状態か否かを検出する検出処理と、
前記検出処理の検出結果から前記車両の搭乗差者数を求め、搭乗者の構成を特定する搭乗者構成特定処理と、
前記出力態様特定データを読み込み、前記搭乗者構成特定処理で特定した搭乗者の構成に対応する出力装置の出力態様を特定し、特定した出力態様を用いて、前記出力装置の出力態様を設定する出力態様設定処理と、
を行うことを特徴とする車載機の出力態様設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−98000(P2009−98000A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−269905(P2007−269905)
【出願日】平成19年10月17日(2007.10.17)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】