説明

車載装置

【課題】公共交通機関の利用を促進することができる車載装置を提供する。
【解決手段】車両に搭載される車載装置20であって、出発地点から目的地点までの車両を利用した経路をユーザに案内する車両経路案内部と、出発地点から目的地点までの公共交通機関を利用した経路を探索する公共交通機関経路探索部208と、公共交通機関経路探索部208によって探索された経路が、予め定められた条件を満たすか否かを判定する条件判定部207と、条件判定部が、公共交通機関経路探索部208によって探索された経路が予め定められた条件を満たすと判定した場合に、公共交通機関経路探索部208によって探索された経路をユーザに案内する公共交通機関経路案内部206とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される車載装置に関し、特に出発地点から目的地点までの経路を案内する車載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1には、自動車、列車、およびバス等の複数の交通手段の中から、ユーザによって選択された交通手段について、出発地点から目的地点までの経路、所要時間、および運賃等を案内する自動案内システム装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−31418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、自家用車等の特定の者のみが使用する交通手段を利用するよりも、鉄道やバス等の不特定多数の者が使用する交通手段である公共交通機関を利用する方が、CO2排出等の環境負荷の軽減の観点から好ましい場合がある。近年、環境保護の意識の高まりから、公共交通機関のさらなる利用促進が望まれている。
【0005】
上記特許文献1に開示されている技術は、ユーザによって選択された交通手段を利用する経路を探索して案内するのみであり、ユーザが交通手段として自動車を選択した場合には、公共交通機関を利用する経路の方がより経済的である等の何らかの利点があったとしても、そのことがユーザに通知されることはない。そのため、公共交通機関の利用が促進されることはない。
【0006】
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、公共交通機関の利用を促進することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、例えば、車両に搭載される車載装置であって、出発地点から目的地点までの車両を利用した経路をユーザに案内する車両経路案内部と、出発地点から目的地点までの公共交通機関を利用した経路を探索する公共交通機関経路探索部と、公共交通機関経路探索部によって探索された経路が、予め定められた条件を満たすか否かを判定する条件判定部と、条件判定部が、公共交通機関経路探索部によって探索された経路が予め定められた条件を満たすと判定した場合に、公共交通機関経路探索部によって探索された経路をユーザに案内する公共交通機関経路案内部とを備えることを特徴とする車載装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の車載装置によれば、公共交通機関の利用を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係る車載システム10の構成を示すブロック図である。
【図2】道路情報格納部203に格納されるデータの構造の一例を示す図である。
【図3】路線情報格納部210に格納されるデータの構造の一例を示す図である。
【図4】CO2排出量格納部211に格納されるデータの構造の一例を示す図である。
【図5】車両を用いた経路と公共交通機関を用いた経路の一例を説明するための概念図である。
【図6】ポップアップ30の一例を示す概念図である。
【図7】ECO案内31の一例を示す概念図である。
【図8】車載装置20の動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】ECO案内処理(S200)の一例を示すフローチャートである。
【図10】車載装置20の機能を実現するコンピュータ40の構成の一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態における車載システム10の構成を示すブロック図である。車載システム10は、GPS受信機11、入力装置12、表示装置13、および車載装置20を備える。車載装置20は、現在位置算出部200、出発地点設定部201、出発地点格納部202、道路情報格納部203、経路記録部204、停止時間判定部205、公共交通機関経路案内部206、条件判定部207、公共交通機関経路探索部208、CO2排出量算出部209、路線情報格納部210、およびCO2排出量格納部211を有する。車載システム10は、特定の者に利用される車両に搭載される。
【0012】
道路情報格納部203には、例えば図2に示すように、道路を識別する道路ID2030に対応付けて、当該道路の始点座標2031、当該道路の終点座標2032、当該道路の道路長2033、および当該道路の旅行時間2034が予め格納されている。
【0013】
路線情報格納部210には、例えば図3に示すように、交通手段2100毎にリンクテーブル2101が予め格納されている。それぞれのリンクテーブル2101には、駅や停留所等の停車場間の経路を識別するリンクID2102毎に、当該経路の始点座標2103、当該経路の終点座標2104、当該経路の長さを示すリンク長2105、および当該経路の旅行時間2106が予め格納されている。なお、路線情報格納部210には、それぞれの交通手段毎に、停車場間の運賃を示す情報が格納されている。
【0014】
CO2排出量格納部211には、例えば図4に示すように、交通手段2110毎に、当該交通手段2110を利用した場合に排出される単位走行距離あたりのCO2排出量2111が予め格納されている。
【0015】
図1に戻って説明を続ける。GPS受信機11は、測地衛星から送信されたGPS信号を受信して現在位置算出部200に提供する。現在位置算出部200は、GPS受信機11から提供されたGPS信号に基づいて、車載装置20が搭載された車両の位置を算出する。
【0016】
出発地点設定部201は、車載装置20の初期起動時、または、公共交通機関経路案内部206から出発地点の更新を指示された場合に、現在位置算出部200が算出した現在位置を出発地点として出発地点格納部202に設定すると共に、出発地点の位置を示す情報を経路記録部204に通知することにより経路の記録開始を経路記録部204に指示する。
【0017】
停止時間判定部205は、車載装置20が搭載された車両から、エンジンが始動したことを示す信号、および、エンジンが停止したことを示す信号を受信する。また、停止時間判定部205は、エンジンが停止してから予め定められた時間(例えば15分)が経過したか否かを判定する。エンジンが停止してから予め定められた時間が経過した場合、停止時間判定部205は、その旨を経路記録部204および公共交通機関経路探索部208に通知する。
【0018】
経路記録部204は、出発地点設定部201から出発地点を通知された場合に、現在位置算出部200によって算出された車両の位置に基づいて道路情報格納部203を参照し、出発地点設定部201から通知された出発地点から、車両が走行した道路の道路IDを順次記録して保持する処理を開始する。
【0019】
そして、経路記録部204は、停止時間判定部205よりエンジンが停止してから予め定められた時間が経過した旨を通知された場合に、道路IDを記録する処理を停止し、保持しているそれぞれの道路IDに対応する道路長および旅行時間を道路情報格納部203から抽出して条件判定部207およびCO2排出量算出部209へ送る。
【0020】
例えば、図5に示すように、経路記録部204は、車両の移動に伴って図5の太線の車両ルートに含まれる道路の道路IDを順次記録して保持する(自宅の位置が出発地点として設定されていると仮定する)。そして、車両が「ABCデパート」に駐車し、エンジン停止後に予め定められた時間が経過した場合、停止時間判定部205は、経路記録部204にその旨を通知し、経路記録部204は、道路IDの記録を停止し、図5の太線の車両ルートについて、当該車両ルートに含まれる道路の道路長および旅行時間を条件判定部207およびCO2排出量算出部209へ送る。
【0021】
公共交通機関経路探索部208は、停止時間判定部205よりエンジンが停止してから予め定められた時間が経過した旨を通知された場合に、現在位置算出部200によって算出された車両の現在位置を取得して目的地点に設定する。そして、公共交通機関経路探索部208は、出発地点格納部202に格納されている出発地点の位置から、設定した目的地点の位置までの公共交通機関を利用した経路を、路線情報格納部210内のデータを用いて探索する。
【0022】
そして、公共交通機関経路探索部208は、探索した結果(交通手段毎の旅行距離、待ち時間や徒歩時間も含めた総旅行時間、および運賃等の情報)を条件判定部207およびCO2排出量算出部209へ送る。公共交通機関を利用する経路の探索には既存技術を用いることができるため、その詳細については省略する。
【0023】
例えば、図5に示すように、自宅の位置を出発地点とし、「ABCデパート」でエンジン停止後に予め定められた時間が経過した場合、公共交通機関経路探索部208は、図5の点線で示される公共交通機関を利用した経路を探索し、探索結果を条件判定部207およびCO2排出量算出部209へ送る。
【0024】
CO2排出量算出部209は、経路記録部204から車両が走行したそれぞれの道路の道路長を受け取った場合に、CO2排出量格納部211を参照して、走行した道路の道路長の合計に対応するCO2排出量を算出し、算出したCO2排出量を公共交通機関経路案内部206に通知する。
【0025】
また、CO2排出量算出部209は、公共交通機関経路探索部208から交通手段毎の旅行距離を受け取った場合に、CO2排出量格納部211を参照して、交通手段毎に、旅行距離に対応するCO2排出量を算出し、算出したCO2排出量を交通手段毎に公共交通機関経路案内部206に通知する。
【0026】
条件判定部207は、公共交通機関経路探索部208から、交通手段毎の旅行距離、旅行時間、および運賃等を受け取った場合に、経路記録部204から受け取った、車両が走行したそれぞれの道路の道路長および旅行時間に基づいて、公共交通機関を利用する経路が、車載装置20のユーザによって予め設定された条件を満たすか否かを判定する。公共交通機関を利用する経路が予め設定された条件を満たす場合、条件判定部207は、公共交通機関の探索結果を公共交通機関経路案内部206へ送る。
【0027】
予め設定された条件とは、例えば、出発地点から目的地点までの所要時間が、車両を利用する場合よりも、公共交通機関を利用する場合の方が短いことである。また、他の例として、予め設定された条件とは、公共交通機関において徒歩で移動する時間または距離が予め定められた値よりも短いこと、公共交通機関において待ち時間が予め定められた値よりも短いこと等であってもよい。
【0028】
公共交通機関経路案内部206は、条件判定部207から公共交通機関の探索結果を受け取った場合に、CO2排出量算出部209から通知された、車両を利用した場合および公共交通機関を利用した場合のそれぞれのCO2排出量を参照して、公共交通機関を利用した場合に、車両を利用した場合よりも削減可能なCO2排出量を算出する。
【0029】
そして、公共交通機関経路案内部206は、車両のエンジンが始動した場合に、例えば図6に示すポップアップ30を表示装置13に表示する。そして、入力装置12を介してユーザからECO案内の表示を指示された場合、公共交通機関経路案内部206は、例えば図7に示すECO案内31を表示装置13に表示し、出発地点設定部201に出発地点の更新を指示する。
【0030】
ECO案内31には、図7に示すように、公共交通機関を利用した場合に、車両を利用した場合よりも削減可能なCO2排出量を表示する領域32と、交通手段毎の経路、所要時間、および運賃等を表示する領域33とが含まれる。
【0031】
次に、車載装置20の動作を図8および図9のフローチャートを用いて説明する。図8は、車載装置20の動作の一例を示すフローチャートである。
【0032】
まず、出発地点設定部201は、現在位置算出部200が算出した現在位置を出発地点として出発地点格納部202に設定すると共に、出発地点の位置を示す情報を経路記録部204に通知することにより経路の記録開始を経路記録部204に指示する(S100)。経路記録部204は、現在位置算出部200によって算出された車両の位置に基づいて道路情報格納部203を参照し、出発地点設定部201から通知された出発地点から、車両が走行した道路の道路IDを順次記録して保持する処理を開始する(S101)。
【0033】
次に、停止時間判定部205は、車載装置20が搭載された車両から、エンジンが停止したことを示す信号を受信したか否かを判定することにより、エンジンが停止したか否かを判定する(S102)。エンジンが停止していない場合(S102:No)、停止時間判定部205は、エンジンが停止するまでステップS102に示した処理を実行する。
【0034】
一方、エンジンが停止した場合(S102:Yes)、停止時間判定部205は、内蔵しているタイマの値Tを0にリセットしてスタートさせ(S103)、タイマの値Tが予め定められた値t1(例えば15分)を超えたか否かを判定する(S104)。
【0035】
タイマの値Tが予め定められた値t1を超えた場合(S104:Yes)、停止時間判定部205は、エンジン停止後に予め定められた時間が経過した旨を経路記録部204および公共交通機関経路探索部208に通知する。そして、車載装置20は、後述するECO案内処理を実行し(S200)、停止時間判定部205は、再びステップS102に示した処理を実行する。
【0036】
一方、タイマの値Tが予め定められた値t1以下である場合(S103:No)、停止時間判定部205は、車載装置20が搭載された車両から、エンジンが始動したことを示す信号を受信したか否かを判定することにより、エンジンが始動したか否かを判定する(S105)。エンジンが始動した場合(S105:Yes)、停止時間判定部205は、再びステップS102に示した処理を実行する。一方、エンジンが始動していない場合(S105:No)、停止時間判定部205は、再びステップS104に示した処理を実行する。
【0037】
図9は、ECO案内処理(S200)の一例を示すフローチャートである。
【0038】
まず、経路記録部204は、道路IDを記録する処理を停止し、保持しているそれぞれの道路IDに対応する道路長および旅行時間を道路情報格納部203から抽出して条件判定部207およびCO2排出量算出部209へ送る(S201)。そして、公共交通機関経路探索部208は、現在位置算出部200によって算出された車両の現在位置を取得して目的地点として設定する(S202)。
【0039】
次に、公共交通機関経路探索部208は、出発地点格納部202に格納されている出発地点の位置から、ステップS202において設定した目的地点の位置までの公共交通機関を利用した経路を、路線情報格納部210内のデータを用いて探索し(S203)、探索結果を条件判定部207およびCO2排出量算出部209へ送る。
【0040】
次に、条件判定部207は、CO2排出量算出部209から受け取った、車両が走行したそれぞれの道路の道路長および旅行時間に基づいて、公共交通機関を利用する経路が、車載装置20のユーザによって予め設定された条件を満たすか否かを判定する(S204)。条件が満たされない場合(S204:No)、出発地点設定部201は、ステップS211に示す処理を実行する。
【0041】
一方、条件が満たされた場合(S204:Yes)、CO2排出量算出部209は、CO2排出量格納部211を参照して、車両を利用した場合の経路の長さに対応するCO2排出量、および、公共交通機関を利用した場合の経路の長さに対応するCO2排出量を算出し、算出したCO2排出量を公共交通機関経路案内部206に通知する。
【0042】
次に、公共交通機関経路案内部206は、CO2排出量算出部209から通知された、車両を利用した場合および公共交通機関を利用した場合のそれぞれのCO2排出量を参照して、公共交通機関を利用した場合に、車両を利用した場合よりも削減可能なCO2排出量を算出する(S205)。そして、公共交通機関経路案内部206は、エンジンが始動したか否かを判定する(S206)。エンジンが始動していない場合(S206:No)、公共交通機関経路案内部206は、エンジンが始動するまでステップS206に示した処理を実行する。
【0043】
一方、エンジンが始動した場合(S206:Yes)、公共交通機関経路案内部206は、例えば図6に示したポップアップ30を表示装置13に表示する(S207)。そして、公共交通機関経路案内部206は、入力装置12を介してユーザからECO案内の表示を指示されたか否かを判定する(S208)。
【0044】
ECO案内の表示を指示されていない場合(S208:No)、公共交通機関経路案内部206は、ECO案内の表示キャンセルが指示されたか、あるいは、ポップアップ30を表示装置13に表示してから所定時間(例えば10秒)が経過したか否かを判定する(S210)。
【0045】
ECO案内の表示キャンセルが指示されたか、あるいは、ポップアップ30を表示装置13に表示してから所定時間が経過した場合(S210:Yes)、出発地点設定部201は、ステップS211に示す処理を実行する。一方、ECO案内の表示キャンセルが指示されておらず、かつ、ポップアップ30を表示装置13に表示してから所定時間が経過してもいない場合(S210:No)、公共交通機関経路案内部206は、再びステップS208に示した処理を実行する。
【0046】
ステップS208において、ECO案内の表示を指示された場合(S208:Yes)、公共交通機関経路案内部206は、例えば図7に示したECO案内31を表示装置13に表示する(S209)。そして、出発地点設定部201は、現在位置算出部200が算出した現在位置を出発地点として出発地点格納部202に設定すると共に、出発地点の位置を示す情報を経路記録部204に通知することにより経路の記録開始を経路記録部204に指示する(S211)。
【0047】
経路記録部204は、現在位置算出部200によって算出された車両の位置に基づいて道路情報格納部203を参照し、出発地点設定部201から通知された出発地点から、車両が走行した道路の道路IDを順次記録して保持する処理を開始し(S212)、車載装置20は、本フローチャートに示す動作を終了する。
【0048】
図10は、車載装置20の機能を実現するコンピュータ40の構成の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ40は、CPU(Central Processing Unit)41、RAM(Random Access Memory)42、ROM(Read Only Memory)43、HDD(Hard Disk Drive)44、入出力インターフェイス(I/F)45、およびメディアインターフェイス(I/F)46を備える。
【0049】
CPU41は、ROM43またはHDD44に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM43は、コンピュータ40の起動時にCPU41によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ40のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0050】
HDD44は、CPU41によって実行されるプログラムおよび当該プログラムによって使用されるデータ等を格納する。なお、このHDD44は、例えば、図1に示した出発地点格納部202、道路情報格納部203、路線情報格納部210、およびCO2排出量格納部211を構成することができる。CPU41は、入出力インターフェイス45を介して、スピーカや表示装置13等の出力装置、および、キーパッドやタッチパネル、マイク等の入力装置12を制御する。
【0051】
CPU41は、入出力インターフェイス45を介して、入力装置12からデータを取得する。また、CPU41は、生成したデータを、入出力インターフェイス45を介して出力装置へ出力する。また、CPU41は、入出力インターフェイス45を介してGPS受信機11からデータを取得する。また、CPU41は、入出力インターフェイス45を介して車載装置20が搭載された車両からエンジンの始動または停止を示す信号を取得する。
【0052】
このCPU41は、例えば、図1に示した現在位置算出部200、出発地点設定部201、停止時間判定部205、公共交通機関経路案内部206、条件判定部207、公共交通機関経路探索部208、およびCO2排出量算出部209を構成し、RAM42は、経路記録部204を構成することができる。
【0053】
メディアインターフェイス46は、記録媒体47に格納されているプログラムを読み取り、RAM42を介してCPU41に提供する。CPU41は、記録媒体47から読み取ったプログラムデータを、メディアインターフェイス46を介して記録媒体47からRAM42上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体47は、例えばDVD、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0054】
CPU41は、これらのプログラムを、記録媒体47から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、無線または有線通信により、これらのプログラムを取得してもよい。
【0055】
以上、本発明の実施の形態について説明した。
【0056】
上記説明から明らかなように、本実施形態の車載装置20によれば、公共交通機関の利用を促進することができる。
【0057】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0058】
例えば、上記した実施形態において、車載装置20は、エンジンが停止してから予め定められた時間が経過した場合に、目的地点に到着したものと仮定して、出発地点から目的地点までの公共交通機関を利用した経路を探索し、出発地点から目的地点までの車両の走行軌跡との比較結果をユーザに通知するが、本発明はこれに限られない。
【0059】
例えば、車載装置20内に、ユーザから入力された出発地点および目的地点に基づいて車両を利用する経路を探索して案内する経路案内部を設け、経路案内部による経路探索と並行して、公共交通機関経路探索部208が公共交通機関を利用する経路を探索し、公共交通機関を利用する経路の方により経済的である等の何らかの利点がある場合に、公共交通機関経路案内部206がその旨をユーザに通知するようにしてもよい。これにより、ユーザは、出発前に公共交通機関の利用を検討することができる。
【0060】
また、上記した実施形態において、車載装置20は、車両のエンジンの始動/停止に応じて、公共交通機関の経路を探索したり、ECO案内のポップアップを表示装置13に表示したが、本発明はこれに限られず、車両のアクセサリ電源がONからOFFになった場合に公共交通機関の経路を探索し、OFFからONになった場合にECO案内のポップアップを表示装置13に表示するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0061】
10・・・車載システム、11・・・GPS受信機、12・・・入力装置、13・・・表示装置、20・・・車載装置、200・・・現在位置算出部、201・・・出発地点設定部、202・・・出発地点格納部、203・・・道路情報格納部、204・・・経路記録部、205・・・停止時間判定部、206・・・公共交通機関経路案内部、207・・・条件判定部、208・・・公共交通機関経路探索部、209・・・CO2排出量算出部、210・・・路線情報格納部、211・・・CO2排出量格納部、30・・・ポップアップ、31・・・ECO案内、40・・・コンピュータ、41・・・CPU、42・・・RAM、43・・・ROM、44・・・HDD、45・・・入出力インターフェイス、46・・・メディアインターフェイス、47・・・記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される車載装置であって、
出発地点から目的地点までの前記車両を利用した経路をユーザに案内する車両経路案内部と、
出発地点から目的地点までの公共交通機関を利用した経路を探索する公共交通機関経路探索部と、
前記公共交通機関経路探索部によって探索された経路が、予め定められた条件を満たすか否かを判定する条件判定部と、
前記条件判定部が、前記公共交通機関経路探索部によって探索された経路が予め定められた条件を満たすと判定した場合に、前記公共交通機関経路探索部によって探索された経路をユーザに案内する公共交通機関経路案内部と
を備えることを特徴とする車載装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車載装置であって、
前記車両の現在位置を算出する現在位置算出部と、
出発地点の位置を格納する出発地点格納部と、
車両のエンジンが停止してから予め定められた時間が経過したか否かを判定する停止時間判定部と、
前記現在位置算出部によって算出された現在位置を、出発地点の位置として前記出発地点格納部に設定する出発地点設定部と
をさらに備え、
前記公共交通機関経路探索部は、
前記停止時間判定部により、車両のエンジンが停止してから予め定められた時間が経過したと判定された場合に、前記現在位置算出部によって算出された現在位置を目的地点として、前記出発地点から前記目的地点までの公共交通機関を利用した経路を探索し、
前記出発地点設定部は、
前記公共交通機関経路探索部によって公共交通機関を利用した経路が探索された後に、前記現在位置算出部によって算出された現在位置を、出発地点の位置として前記出発地点格納部に設定することを特徴とする車載装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車載装置であって、
公共交通機関経路案内部は、
前記公共交通機関経路探索部によって探索された経路の所要時間、費用、またはその両方をユーザに案内することを特徴とする車載装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の車載装置であって、
出発地点から目的地点までに前記車両が走行した経路を記録する経路記録部と、
交通手段毎に、当該交通手段を利用した場合に発生する単位走行距離あたりのCO2排出量を格納するCO2排出量格納部と、
前記経路記録部によって記録された、前記車両を利用した経路について前記CO2排出量格納部を参照し、前記車両を用いて当該経路を移動した場合のCO2排出量を算出すると共に、前記公共交通機関経路探索部によって算出された、公共交通機関を利用した経路について前記CO2排出量格納部を参照し、公共交通機関を用いて当該経路を移動した場合のCO2排出量を算出するCO2排出量算出部と
をさらに備え、
前記公共交通機関経路案内部は、
前記CO2排出量算出部によって算出されたそれぞれの経路のCO2排出量を参照して、公共交通機関を用いて移動した場合に、前記車両を用いて移動した場合よりも削減可能なCO2排出量をユーザに案内することを特徴とする車載装置。
【請求項5】
請求項4に記載の車載装置であって、
前記予め定められた条件は、
公共交通機関を利用する経路の所要時間が、前記車両を利用した経路の所要時間よりも短いことであることを特徴とする車載装置。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項に記載の車載装置であって、
前記予め定められた条件は、
公共交通機関を利用する経路において、徒歩で移動する時間が予め定められた時間未満であることを特徴とする車載装置。
【請求項7】
請求項1から4のいずれか一項に記載の車載装置であって、
前記予め定められた条件は、
公共交通機関を利用する経路において、待ち時間が予め定められた時間未満であることを特徴とする車載装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−133429(P2011−133429A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−294955(P2009−294955)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】