説明

車輪制御装置および車輪制御方法、車両

【課題】キャンバ角の変化に伴い、車輪接地面にスリップが発生する。
【解決手段】可動バー24の両端には、それぞれ車輪12L、12Rと接続されるアッパーアーム26L、26Rが連結される。電動モータ20は、可動バー24を駆動して車輪12L、12Rを傾斜させ、キャンバ角を変化させる。また、可動バー34の両端には、それぞれ車輪12L、12Rと接続と接続されるロッド36L、36Rが連結される。電動モータ30は、可動バー34を駆動して車輪12L、12Rのトー角を変化させる。ECU110内のキャンバ角制御量演算部は、ステアリングホイールの回転角に応じた旋回を車両に発生させるように、電動モータ20の制御量を決定し、トー角制御量演算部は、キャンバ角の制御量を参照し、車輪が旋回円の中心側に倒されたとき、車輪が旋回円の外側に開くように電動モータ30の制御量を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャンバスラストを利用して旋回する車両において、車輪のトー角を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両の車輪にはキャンバ角が付けられている。車両の旋回時には、このキャンバ角のためにキャンバスラストが発生し、車両の旋回力に影響を与える。特許文献1には、キャンバ角を制御するアクチュエータを備えた車両の操舵装置が開示されている。これによると、旋回時に車輪を積極的に旋回中心側へ傾けることによって、キャンバスラストを旋回力に利用している。
【特許文献1】特開平5−116637号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1においては、キャンバ角の変化に伴い車輪の接地面にスリップ角が生じる。接地面スリップ角が生じると、車輪の転がり抵抗力が増加するため、車両の燃費を悪化させる。
【0004】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、キャンバスラストを利用して旋回する車両において、スリップ角に起因した転がり抵抗力を低減する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のある態様の車輪制御装置は、ステアリングホイールの回転角を検出する検出手段と、車輪を傾斜させてキャンバ角を変化させるキャンバ角アクチュエータと、検出された回転角に応じた旋回を車両に発生させるように、前記キャンバ角アクチュエータの制御量を決定するキャンバ角制御手段と、車輪のトー角を変化させるトー角アクチュエータと、前記キャンバ角アクチュエータの制御量に応じて、前記トー角アクチュエータの制御量を決定するトー角制御手段と、を備える。
【0006】
この態様によると、車輪のキャンバ角とトー角の両方を制御する車輪制御装置において、キャンバ角の制御量に応じてトー角を変化させることで、車輪の接地面に所望の力を発生させることができる。
【0007】
前記キャンバ角アクチュエータによって車輪が旋回内側に倒されたとき、前記トー角制御手段は、車輪が旋回外側に開くように前記トー角アクチュエータの制御量を決定してもよい。これによると、車輪が旋回円の中心側に傾斜されたとき、キャンバ角の変化に応じて車輪が旋回外側に開くようにトー角を変化させて、車輪の接地面のスリップ角を小さくするので、スリップ角に起因する転がり抵抗力を低減することができる。
【0008】
前記トー角制御手段は、車両に備えられる各車輪について個別に前記キャンバ角アクチュエータの制御量および前記トー角アクチュエータの制御量を決定してもよい。これによると、各車輪について個別にキャンバ角とトー角を制御することで、車両の旋回軌跡に合わせて正確に制御を実行し、旋回中の全行程においてスリップ角を減じることができる。
【0009】
本発明の別の態様は、ステアリングホイールの回転角を検出する検出手段と、車輪を傾斜させてキャンバ角を変化させるキャンバ角アクチュエータと、検出された回転角に応じた旋回を車両に発生させるように、前記キャンバ角アクチュエータの制御量を決定するキャンバ角制御手段と、車輪のトー角を変化させるトー角アクチュエータと、前記キャンバ角アクチュエータの制御量に応じて、前記トー角アクチュエータの制御量を決定するトー角制御手段と、を備える車両である。
【0010】
本発明のさらに別の態様は、車輪制御方法である。この方法は、ステアリングホイールの回転角を検出し、検出された回転角に応じた旋回を車両に発生させるように、車輪を傾斜させてキャンバ角を変化させるキャンバ角アクチュエータの制御量を決定し、前記キャンバ角アクチュエータの制御量に応じて、車輪のトー角を変化させるトー角アクチュエータの制御量を決定し、決定された制御量にしたがって前記キャンバ角アクチュエータおよび前記トー角アクチュエータを駆動する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、キャンバスラストにより旋回する車両において、スリップ角に起因して発生する力を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の一実施形態は、車輪のキャンバ角を変化させてキャンバスラストにより旋回を実現する車両において、車輪の接地面のスリップ角を減じるようにトー角を車輪のトー角を制御することで、車輪のスリップに起因する転がり抵抗力を低減する車輪制御装置である。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る車輪制御装置を搭載した車両100の模式図であり、車両を上側から見た平面図を示す。図2は、図1の車両100の背面図である。
【0014】
タイヤを有する左輪12Lと右輪12Rとの間には、図示しないサスペンションフレームが設けられる。サスペンションフレームには、車輪12L、12Rのキャンバ角を調整するキャンバ角調整機構70と、車輪12L、12Rのトー角を調整するトー角調整機構80とが設けられる。キャンバ角調整機構70およびトー角調整機構80は、駆動輪に設けられることが好ましいが、従動輪にも同様の機構を設けてもよい。
【0015】
キャンバ角調整機構70は、車両の左右方向に延びる可動バー24を備える。可動バー24の両端には、左輪12Lに接続されるアッパーアーム26L、右輪12Rに接続されるアッパーアーム26Rがそれぞれ連結される。アッパーアーム26L、26Rの他端は、車輪12に取り付けられた車輪支持台40L、40Rの上端にそれぞれ回転可能に接続される。ロアーアーム42L、42Rは、その一端がサスペンションフレームに取り付けられ、他端は車輪支持台40L、40Rの下端に接続される。ロアーアーム42L、42Rと車体50との間は、車体を懸架する図示しないコイルスプリングおよびダンパで接続される。
【0016】
トー角調整機構80は、車両の左右方向に延びる可動バー34を備える。可動バー34の両端には、左輪12Lに接続されるロッド36L、右輪12Rに接続されるロッド36Rがそれぞれ連結される。ロッド36L、36Rの他端は、車輪支持台40L、40Rの前端にそれぞれ回転可能に接続される。
【0017】
可動バー24の中央部分には、ピニオン22と係合するラック25が形成されている。ピニオン22は、サスペンションフレームに支持された電動モータ20の出力軸に嵌合される。同様に、可動バー34の中央部分にも、ピニオン32と係合するラック35が形成されている。ピニオン32は、サスペンションフレームに支持された電動モータ30の出力軸に嵌合される。電動モータ20、30は、車体50に設けられた図示しないバッテリから電力供給を受けて動作する。
【0018】
車体50には、車両100の全体を制御する電子制御装置(以下「ECU」という)110、車輪の回転数から車速を検出する車速センサ102、ドライバーが操作する図示しないステアリングホイールの操舵量を検出する操舵角センサ104も設けられる。
【0019】
次に、キャンバ角調整機構70およびトー角調整機構80の動作について説明する。ドライバーがステアリングホイールを操作すると、その操舵量が操舵角センサ104により検出される。ECU110は、操舵量を参照して、所望の旋回を達成するための車輪のキャンバ角およびトー角を計算する。ECU110が電動モータ20を駆動すると、電動モータ20の出力軸に嵌合されたピニオン22が回転し、これによってラック25の形成された可動バー24が左右いずれかの方向に移動する。すると、アッパーアーム26Lおよび26Rが車輪12L、12Rの車輪支持台40L、40Rを押すかまたは引っ張り、車輪支持台40L、40Rの上端が下端に対してずれることによって、車輪を路面に対して傾斜させる。これによって、所望のキャンバ角を車輪に与えることができる。
【0020】
また、ECU110が電動モータ30を駆動すると、電動モータ30の出力軸に嵌合されたピニオン32が回転し、これによってラック35の形成された可動バー34が左右いずれかの方向に移動する。すると、ロッド36L、36Rが車輪12L、12Rの車輪支持台40L、40Rを押すか引っ張り、車輪支持台40L、40Rの前端が後端に対してずれることによって、路面上での車輪の向きを変化させる。これによって、所望のトー角を車輪に与えることができる。
【0021】
次に、図3を参照して本発明の原理について説明する。図3(a)は、図1に示した車両の右輪12Rを傾斜させた状態の背面図であり、図3(b)、(c)は車輪の接地面の平面図である。一般の車両では、車両を旋回させる場合には、車輪に舵角を与えることで車両の進行方向に対するスリップ角を生じさせる。すると、車輪の接地面にそのスリップ角に応じた横力が発生し、その横力を中心力として車両が旋回する。これに対し、本実施形態の車両100では、車両を旋回させる場合に、車輪を旋回円の中心側へ傾けることによって、車輪にその傾き角(キャンバ角)に応じたキャンバスラストを発生させる。このキャンバスラストを中心力として、車両の旋回を達成する。
【0022】
しかしながら、キャンバ角を付けるために車輪を傾けると、図3(a)に示すように、車輪12Rの接地面が路面に対して車両の左右方向に移動し、接地面を車輪の外側に押し出す格好になる。すると、図3(b)に示すように。車輪の中心線の方向と接地面の移動方向とがずれるために、接地面にスリップ角が生じる。一般に、スリップ角が増加すると、それに伴って車輪の転がり抵抗力も増加するので、車両の燃費が悪化してしまう。
【0023】
そこで、本実施の形態では、スリップ角に合わせるように車輪にトー角を付けて、図3(c)に示すように、車輪中心線の方向と接地面の進行方向とを一致させるようにする。つまり、キャンバ制御に伴うスリップ角が生じないように、強制的にトー角を補正する。これによって、車輪の転がり抵抗力の内、スリップ角に起因する分を低減することができる。
【0024】
図4は、ECUのうち、本実施の形態によるキャンバ角制御およびトー角制御に関与する部分の構成を示す機能ブロック図である。ここに示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUやメモリをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックとして描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0025】
旋回軌跡推定部112は、車速センサ102、操舵角センサ104からそれぞれ車速、操舵角に関する情報を受け取って、車両の旋回軌跡を推定し、車両がその軌跡上のいずれの位置にあるかを推定する。この情報は、キャンバ角制御量演算部114とトー角制御量演算部120に送られる。旋回軌跡を推定する意味については、図5を参照して後述する。
【0026】
キャンバ角制御量演算部114は、操舵角センサ104からステアリングホイールの操舵量に関する情報を受け取って、操舵量に応じた旋回を車両100に発生させるために必要なキャンバスラストを計算する。さらに、そのキャンバスラストを発生させるキャンバ角を計算し、キャンバ角調整機構70の電動モータ20の制御量を決定する。キャンバ角アクチュエータ駆動部116は、決定された制御量に応じて電動モータ20を駆動する。
【0027】
スリップ角計算部118は、電動モータ20の制御量に基づいて、対応するキャンバ角が与えられたときに車輪の接地面で生じるスリップ角を推定する。
【0028】
トー角制御量演算部120は、キャンバ制御に伴う接地面の左右移動による力の発生を防止するようにトー角を制御する。具体的には、スリップ角計算部118で推定されたスリップ角に合わせたトー角を車輪に発生させるように、トー角調整機構80の電動モータ30の制御量を決定する。このとき、車輪12L、12Rが旋回円の中心側に傾斜したとき、車輪が旋回外側に開くようにトー角を決定する。トー角アクチュエータ駆動部122は、決定された制御量に応じて電動モータ30を駆動する。
【0029】
図5は、旋回軌跡推定部112の意義を説明する図である。図中のFL、FR、RL、RRは、車両200を底面から見たときの左前輪、右前輪、左後輪、右後輪を示す。図示するように、旋回中、各車輪の中心線が向かう方向は、各車輪でそれぞれ異なる。したがって、各車輪で旋回軌跡に沿うようにキャンバ角とトー角とを制御する必要がある。そこで、キャンバ角制御量演算部114とトー角制御量演算部120は、推定された旋回軌跡における各車輪の現在位置に応じて、キャンバ角とトー角を変化させる。
【0030】
図6は、車両が図中で左方向に旋回するときに、旋回量に応じてキャンバ角を制御した状態での車両100の模式図であり、車両を上側から見た平面図を表す。図7は、その背面図である。図1および図2と同一の符号を付した要素は同様の機能を有するので、詳細な説明は省略する。
【0031】
ドライバーがステアリングホイールを操作すると、その操舵量が操舵角センサ104により検出され、ECU110は、左旋回を達成するための車輪のキャンバ角を計算する。ECU110が電動モータ20を駆動すると、図6に示すように、電動モータ20の出力軸に嵌合されたピニオン22が回転し、これによってラック25が形成された可動バー24が左方向に移動する。これに伴い、アッパーアーム26Lが車輪12Lの車輪支持台40L押す。また、アッパーアーム26Rが車輪12Rの車輪支持台40Rを引っ張る。すると、車輪支持台40L、40Rの上端が下端に対してずれることによって、図7に示すように、車輪12L、12Rが旋回円の中心側に傾斜する。このように、車両100は、左右の車輪を旋回円の中心側へ傾けてキャンバスラストを発生させることで、旋回を達成する。
【0032】
図8は、車両が図中で左方向に旋回するときに、キャンバ角の制御量に応じてトー角を制御した状態での車両100の模式図であり、車両を上側から見た平面図を表す。図9は、図8の車両100の背面図である。図1および図2と同一の符号を付した要素は同様の機能を有するので、詳細な説明は省略する。
【0033】
上述したように、ECU110は、車輪の接地面に生じるスリップ角に合わせてトー角を計算する。ECU110が電動モータ30を駆動すると、図8に示すように、電動モータ30の出力軸に接続されたピニオン32が回転し、これによってラック35が形成された可動バー34が右方向に移動する。これに伴い、ロッド36Lが車輪12Lの車輪支持台40L、40Rを引っ張る。また、ロッド36Rが車輪12Rの車輪支持台40Rを押す。すると、車輪支持台40L、40Rの前端が後端に対してずれることによって、路面上での車輪の向きを変化させる。
【0034】
このように、車輪が旋回内側に傾斜されたとき、すなわち、キャンバ角がネガティブにされたとき、キャンバ角の変化に応じて車輪が旋回外側に開くように、すなわち、トーアウト側にトー角を変化させる。これによって、車輪接地面のスリップ角が小さくなり、車輪の転がり抵抗力の内スリップ角に起因する分を低減して車両の燃費を改善することができる。
【0035】
図10は、本実施形態における旋回時の車輪制御のフローチャートである。ドライバーがステアリングホイールを回転させて旋回を開始すると(S10)、旋回軌跡推定部112は各車輪の軌跡を計算し、その情報をキャンバ角制御量演算部114、トー角制御量演算部120に与える(S12)。キャンバ角制御量演算部114は、各車輪において旋回を達成するためのキャンバスラストを発生させるキャンバ角を計算し、キャンバ角調整機構70によって車輪12L、12Rを傾斜させる(S14)。さらに、スリップ角計算部118は、S14で計算されたキャンバ角を車輪12L、12Rに発生させたときに車輪接地面に生じるスリップ角を計算する(S16)。トー角制御量演算部120は、各車輪においてスリップ角に合わせるトー角を計算し、トー角調整機構80によって車輪12L、12Rの向きを変化させる(S18)。
【0036】
以上、実施の形態をもとに本発明を説明した。これらの実施形態は例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0037】
実施の形態では、左右の車輪が可動バーで連結され、ひとつの可動バーによって左右の車輪のキャンバ角またはトー角を調整することを述べたが、各輪独立にキャンバ角調整機構とトー角調整機構を備えるようにしてもよい。この場合、車両の各車輪について個別にキャンバ角アクチュエータの制御量およびトー角アクチュエータの制御量を決定することができる。
【0038】
実施の形態では、車両がキャンバスラストを利用して旋回することを述べたが、従来の操舵装置を備えた車両において、操舵装置による車輪の向きの変化に加えてキャンバスラストを利用して旋回を行う車両についても、車輪のスリップ角を小さくするために本発明を適用することができる。
【0039】
実施の形態では、キャンバ角調整機構およびトー角調整機構の可動バーを駆動するのに電動モータを用いることを述べたが、油圧シリンダまたはエアシリンダなどの他の装置を用いて可動バーを駆動してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施形態に係る車輪制御装置を搭載した車両の平面図である。
【図2】図1の車両の背面図である。
【図3】本発明の原理を説明する図である。
【図4】図1に示したECUの機能ブロック図である。
【図5】旋回軌跡推定部の意義を説明する図である。
【図6】車輪制御装置によりキャンバ角が制御されたときの車両の平面図である。
【図7】図6の車両の背面図である。
【図8】車輪制御装置により、キャンバ角の制御量に応じてトー角が制御されたときの車両の平面図である。
【図9】図8の車両の背面図である。
【図10】一実施形態による旋回時の車輪制御のフローチャートである。
【符号の説明】
【0041】
12 車輪、 20、30 電動モータ、 24、34 可動バー、 26 アッパーアーム、 36 ロッド、 40 車輪支持台、 42 ロアーアーム、 50 車体、 70 キャンバ角調整機構、 80 トー角調整機構、 100 車両、 102 車速センサ、 104 操舵角センサ、 110 ECU、 112 旋回軌跡推定部、 114 キャンバ角制御量演算部、 116 キャンバ角アクチュエータ駆動部、 118 スリップ角計算部、 120 トー角制御量演算部、 122 トー角アクチュエータ駆動部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングホイールの回転角を検出する検出手段と、
車輪を傾斜させてキャンバ角を変化させるキャンバ角アクチュエータと、
検出された回転角に応じた旋回を車両に発生させるように、前記キャンバ角アクチュエータの制御量を決定するキャンバ角制御手段と、
車輪のトー角を変化させるトー角アクチュエータと、
前記キャンバ角アクチュエータの制御量に応じて、前記トー角アクチュエータの制御量を決定するトー角制御手段と、
を備えることを特徴とする車輪制御装置。
【請求項2】
前記キャンバ角アクチュエータによって車輪が旋回内側に倒されたとき、前記トー角制御手段は、車輪が旋回外側に開くように前記トー角アクチュエータの制御量を決定することを特徴とする請求項1に記載の車輪制御装置。
【請求項3】
前記トー角制御手段は、車両に備えられる各車輪について個別に前記キャンバ角アクチュエータの制御量および前記トー角アクチュエータの制御量を決定することを特徴とする請求項2に記載の車輪制御装置。
【請求項4】
ステアリングホイールの回転角を検出する検出手段と、
車輪を傾斜させてキャンバ角を変化させるキャンバ角アクチュエータと、
検出された回転角に応じた旋回を車両に発生させるように、前記キャンバ角アクチュエータの制御量を決定するキャンバ角制御手段と、
車輪のトー角を変化させるトー角アクチュエータと、
前記キャンバ角アクチュエータの制御量に応じて、前記トー角アクチュエータの制御量を決定するトー角制御手段と、
を備えることを特徴とする車両。
【請求項5】
ステアリングホイールの回転角を検出し、
検出された回転角に応じた旋回を車両に発生させるように、車輪を傾斜させてキャンバ角を変化させるキャンバ角アクチュエータの制御量を決定し、
前記キャンバ角アクチュエータの制御量に応じて、車輪のトー角を変化させるトー角アクチュエータの制御量を決定し、
決定された制御量にしたがって前記キャンバ角アクチュエータおよび前記トー角アクチュエータを駆動することを特徴とする車輪制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−106332(P2007−106332A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−300992(P2005−300992)
【出願日】平成17年10月14日(2005.10.14)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】