説明

転写装置及び該転写装置を備えた画像形成装置

【課題】転写ローラが中間転写ベルトを感光体ドラムに圧接/開放する動作と、画像形成装置に転写装置が装着されているか否かの検知、及び、装着されている転写装置が新規装着か既装着かのいずれであるかの検知を、1個のセンサで行うことが可能な転写装置を提供する。
【解決手段】感光体ドラム3を備えた画像形成部に対して着脱可能であり、移動片68の往復移動に連動して中間転写ベルト61を感光体ドラム3に対して圧接する圧接動作、または、開放する開放動作を行うほか、特別移動片69を備えた転写機構部6と、画像形成部に取付られて上記の移動片68の移動及び特別移動片69の存在を検知するセンサ60とを備えて転写装置を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、及び、ファクシミリ装置などの画像形成装置に用いられる転写装置で、詳しくは、中間転写ベルトを用いた転写装置、及び、それを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カラー複写機やカラープリンタ等、多色画像形成を可能とした電子写真方式の画像形成装置が、開発されている。例えば、各色毎の感光体ドラム等の潜像担持体上に、各色毎のトナー像を形成し、その各色毎のトナー像を、中間転写体である中間転写ベルトに順次重ね合わせ、一次転写して多色画像を形成した後、その多色画像を転写紙である記録用紙に二次転写すると共に、定着して画像形成を行う中間転写方式のカラー画像形成装置がよく知られている。
【0003】
上記のカラー画像形成装置では、各色毎の感光体ドラム等の潜像担持体上に、各色毎のトナー像を形成し、その各色毎のトナー像を、中間転写体である中間転写ベルトに転写する一次転写を行うのに、転写装置が用いられる。
【0004】
この転写装置では、一般に、感光体ドラム上に形成されたトナー像を中間転写ベルトに転写する際に、中間転写ベルトを感光体ドラムに圧接/開放する中間転写ローラが用いられる。この中間転写ローラが中間転写ベルトを感光体ドラムに圧接/開放する動作は、回転するカムを備えたカム機構と、その動作状態を検知するための1個のセンサを用いた仕組が、よく用いられる。
【0005】
また、この中間転写ベルトを用いた転写装置では、使用時間が長くなるにつれて、中間転写ベルトが汚れる等の経年変化が生じる。そのため、画像形成装置は、この転写装置が使用された回数等をカウントして寿命の到来の有無等を判断する等の対処を行っている。また、寿命が到来した転写装置が交換が可能なように、転写装置は、画像形成装置において、着脱可能に形成されている。
【0006】
そこで、転写装置の交換等により、新たに製作されて一度も使用されていない状態の転写装置が、初めて画像形成装置に装着されて使用開始される場合は、画像形成装置は、上述したような、転写装置が使用される回数等をカウントするカウンタのリセット等の、転写装置が新たに使用開始されることに伴う処理を行う必要がある。
【0007】
そのため、このような場合には、当該画像形成装置に装着されている転写装置が、新たに製作されて一度も使用されていない状態で初めて画像形成装置に装着されて使用開始される転写装置であることを、画像形成装置に知らせる必要がある。
【0008】
ここで、本明細書では、転写装置が新たに製作されて一度も使用されていない状態で初めて画像形成装置に装着されて使用開始される場合に、当該転写装置を新規装着の転写装置、或いは、当該転写装置が新規装着であると称する。
【0009】
また、転写装置が既に画像形成装置に装着されて使用された実績のある場合に、当該転写装置を既装着の転写装置、或いは、当該転写装置が既装着であると称する。即ち、新規装着の転写装置が使用開始されて、転写装置が新たに使用開始されることに伴う処理が全て完了した以降の転写装置に対して、当該転写装置を既装着の転写装置、或いは、当該転写装置が既装着であると称する。
【0010】
そこで、上記のような要請に対処するための仕組が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、1個のセンサを用いて、画像形成装置に感光体が装着されているか否かと、装着されている感光体が新規装着であるか既装着であるかのいずれであるかを、検知可能な画像形成装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平5−204195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、上述した、中間転写ローラが中間転写ベルトを感光体ドラムに圧接/開放する動作を1個のセンサを用いて検知する転写装置において、新規装着の転写装置が画像形成装置に装着されている場合は、この転写装置が使用される画像形成装置に対して、上述したように、新規装着の転写装置が装着されていることを知らせる必要がある。
【0013】
そこで、この中間転写ベルトを備えた転写装置において、特許文献1に記載されているような仕組を用いて、この転写装置が使用される画像形成装置に対して、新規装着の転写装置が装着されていることを知らせる仕組を形成することは、可能である。
【0014】
しかし、上記の特許文献1に記載されているような仕組を用いた場合は、既に使用されている1個のセンサを含めて2個のセンサが必要となり、部品点数の増加による信頼性の低下、及び、コストアップとなってしまう問題がある。
【0015】
即ち、転写装置において、中間転写ローラが中間転写ベルトを感光体ドラムに圧接/開放する動作を行わせるのに用いる1個のセンサと、画像形成装置に転写装置が装着されているか否かと、装着されている転写装置が未使用であるか既使用であるかのいずれであるかを、検知するのに用いる1個のセンサとの、2個のセンサが必要である。
【0016】
そこで、この発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、転写装置において、中間転写ベルトを感光体ドラムに圧接/開放する動作と、画像形成装置に転写装置が装着されているか否かの検知、及び、装着されている転写装置が新規装着かまたは既装着かのいずれであるかの検知を、1個のセンサで行うことが可能な転写装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の転写装置は、転写機構部とセンサとで構成されている。この内、転写機構部は、感光体ドラム上にトナー像が形成される該感光体ドラムを備えた画像形成部に対して着脱可能であり、該画像形成部に装着されて、移動片の往復移動に連動して中間転写ベルトを感光体ドラムに対して圧接する圧接動作、または、開放する開放動作を行い、該圧接動作によりトナー像を中間転写ベルトに転写する機能を備えている。
【0018】
また、センサは、画像形成部に取付られており、転写機構部が既装着の場合に、転写機構部が圧接動作中は、移動片が検知位置に侵入せず検知無を出力し、転写機構部が開放動作中は、移動片が検知位置に侵入して検知有を出力する機能を備えている。
【0019】
上記の転写装置において、転写機構部は、特別移動片を備えており、転写機構部が新規装着の場合には、特別移動片は検知位置に侵入していると共にセンサは検知有を出力しており、移動片が往移動して検知位置に侵入すると、特別移動片は検知位置から押出されて検知位置の外側に排出され、該排出された状態を維持することを特徴としている。
【0020】
尚、上記の転写装置において、転写機構部が新たに製作されて一度も使用されていない状態で初めて画像形成部に装着されて使用開始される場合に、当該転写機構部を新規装着の転写機構部、或いは、当該転写機構部が新規装着であると称する。
【0021】
また、転写機構部が既に画像形成部に装着されて使用された実績のある場合に、当該転写機構部を既装着の転写機構部、或いは、当該転写機構部が既装着であると称する。
【0022】
上記の転写装置では、画像形成部に対して既装着の転写機構部が装着されている場合に、転写機構部は、中間転写ベルトを感光体ドラムに対して圧接する圧接動作、または、開放する開放動作を行う。
【0023】
また、この転写装置は、新規装着の転写機構部が装着されている場合に、検知位置に侵入した状態でセンサの出力が検知有となるような特別移動片を備えている。そのため、後述するように、装着されている転写装置が、新規装着であるか既装着であるかを判別することができる。また、上記の転写装置では、後述するように、画像形成装置に転写機構部が装着されているか否かの判別を行うことができる。
【0024】
従って、転写装置において、中間転写ベルトを感光体ドラムに圧接/開放する動作と、画像形成部に転写機構部が装着されているか否かの検知、及び、装着されている転写機構部が新規装着かまたは既装着かのいずれであるかの検知を、1個のセンサで行うことができる。
【0025】
上記の転写装置において、特別移動片は、次のように構成するようにしてもよい。即ち、この特別移動片は、一方端が回動可能に支持されたアームの他方端に取付られており、移動片により検知位置から押出されると、アームが回動して検知位置の外側に排出されるようにするのである。
【0026】
このようにすることにより、特別移動片をシンプルな構成で形成することができる。
【0027】
また、上記の転写装置を次のように構成するようにしてもよい。即ち、転写機構部に、カムのホームポジションから1回転して戻る間に移動片を1往復移動させるカムを備える。
【0028】
そして、転写機構部が既装着の場合に、カムの回転による移動片の往移動により、該移動片は原位置から移動してセンサの検知位置に侵入し、センサの出力は検知無から検知有に変化し、カムの回転による移動片の復移動により、該移動片は検知位置から原位置に戻るように退出し、センサの出力は検知有から検知無に変化するようにする。
【0029】
さらに、転写機構部が新規装着の場合に、特別移動片は、検知位置から移動片が退出する方向とは反対の方向に押出されるようにするのである。
【0030】
このようにすることにより、転写機構部をシンプルな構成で形成することができると共に、確実に動作させることができる。
【0031】
上記の転写装置において、画像形成部に対して装着されている転写機構部が、新規装着であるか既装着であるかの判別は、次のようにして行われる。即ち、転写機構部が装着されたときに、カムを回転させて、該回転開始後におけるセンサの出力の検知無から検知有になるまでの時間が、新規装着/既装着判別基準時間よりも長いと、転写機構部は新規装着、短いと既装着と判別される。
【0032】
この場合に、上記の新規装着/既装着判別基準時間は、カムがホームポジションにいる状態から1回転した場合において、転写機構部が新規装着の場合におけるセンサの出力の検知有から検知無になるまでの時間よりも短く、転写機構部が既装着の場合におけるセンサの出力の検知有から検知無になるまでの時間よりも長い時間とする。
【0033】
上記の転写装置では、既装着の転写機構部が装着されているときは、カムがホームポジションから1回転して戻る間に、センサの出力は、次のようになる。
【0034】
即ち、既装着の転写機構部が装着されているときは、カムの回転による移動片の往移動により、該移動片が原位置から移動してセンサの検知位置に侵入してセンサの出力が検知無から検知有に変化すると共に、移動片の復移動により、該移動片が検知位置から原位置に戻るように退出してセンサの出力が検知有から検知無に変化する。
【0035】
これに対して、新規装着の転写機構部が装着されているときに、カムはホームポジションにいると共に、特別移動片は検知位置に侵入した状態でセンサの出力が検知有状態であり、カムが回転してホームポジションから移動すると、移動片は原位置から移動して検知位置に侵入すると共に、特別移動片を検知位置から押出して検知位置の外側に排出し、排出された特別移動片は該排出された状態を維持する。即ち、特別移動片は検知位置には戻らない。
【0036】
そのため、検知位置には、特別移動片と移動片が、連続して進入しており、移動片が検知位置から退出するまで、センサの出力は検知有状態が継続される。
【0037】
従って、新規装着の転写機構部が装着されているときには、カムの回転による移動片の往移動が生じる前に、既に、特別移動片は検知位置に侵入した状態でセンサの出力が検知有状態である。
【0038】
そのため、カムを回転させると共に、該回転開始後におけるセンサの出力の検知有状態から検知無状態になるまでの時間は、新規装着の転写機構部が装着されているときの方が、既装着の転写機構部が装着されているときよりも長くなる。
【0039】
そこで、新規装着/既装着判別基準時間を、カムがホームポジションにいる状態から回転を始めた場合において、新規装着の転写機構部が装着されているときにおけるセンサの出力が検知有から検知無になるまでの時間よりも短く、既装着の転写機構部が装着されているときのセンサの出力が検知有から検知無になるまでの時間よりも長い時間とする。
【0040】
このようにすることで、該転写機構部が装着されたときに、カムを回転させると共に、該回転開始後におけるセンサの出力の検知有から検知無になるまでの時間が、新規装着/既装着判別基準時間よりも長いと、転写機構部は、新規装着、短いと既装着と判別することができる。
【0041】
また、上記の転写装置において、感光体ドラムに対して該転写機構部が装着されているか否かの判別は、次のようにして行われる。即ち、まず、カムの停止状態で、センサの出力が検知有であると、転写機構部は装着有と判別される。
【0042】
また、カムの停止状態で、センサの出力が検知無であると、カムを回転させて、該回転開始後から装着有無判別基準時間経過後に、センサの出力が検知有であると、転写機構部は装着有と判別し、センサの出力が検知無であると、転写機構部は装着無と判別される。
【0043】
この場合に、上記の装着有無判別基準時間は、転写機構部が既装着の場合に、カムを回転させて、センサの出力が検知有から検知無に変化した時点から、検知無から検知有に変化した時点までの時間よりも長い時間とする。
【0044】
上記の転写装置では、新規装着の転写機構部が装着されているときには、上述したように、特別移動片は検知位置に侵入した状態でセンサの出力が検知有である。また、既装着の転写機構部が装着されているときに、センサの出力が検知有であるときは、センサの検知位置に転写機構部の移動片が侵入した状態であるときであるので、この場合は、転写機構部が装着されている状態である。
【0045】
また、転写機構部が装着されている場合には、センサの出力が検知無状態である場合、カムを回転させると、転写機構部の移動片がカムの回転に連動して移動し、いずれ、センサの検知位置に転写機構部の移動片が侵入した状態となり、センサの出力が検知有となる。
【0046】
また、上述したように、既装着の転写機構部が装着されているときに、カムの回転による移動片の往移動により、該移動片が原位置から移動してセンサの検知位置に侵入してセンサの出力が検知無から検知有に変化すると共に、移動片の復移動により、該移動片が検知位置から原位置に戻るように退出してセンサの出力が検知有から検知無に変化する。
【0047】
そこで、カムを回転させたときに、センサの出力が検知無となるのは、センサの出力が検知無となる時点から検知有となる時点までの間であるので、装着有無判別基準時間を、既装着の転写機構部が装着されているときのカムが回転している状態で、センサの出力が検知無となる時点から検知有となる時点までの時間よりも長い時間とする。
【0048】
このようにすることにより、カムの停止状態で、センサの出力が検知無状態である場合は、カムを回転させると共に、該回転開始後から装着有無判別基準時間経過後に、センサの出力が検知有であると、転写機構部の装着有と判別し、センサの出力が検知無であると、転写機構部の装着無と判別することができる。
【0049】
また、上記の転写装置において、上記のカムの動作、転写機構部の中間転写ベルトの圧接動作/開放動作、及び、上記のセンサの出力の関係は、次のようになる。即ち、転写機構部が既装着で、カムがホームポジションにいる場合は、まず、センサの出力は検知無であると共に、転写機構部は開放動作中である。
【0050】
この状態から、カムが回転すると共にホームポジションから移動し、センサの出力が検知無から検知有に変化した時点から位置決め時間経過した時点で、カムは停止してカムの圧接ポジションになると共に、転写機構部は圧接動作中となる。
【0051】
さらに、カムが回転すると共に圧接ポジションから移動し、センサの出力が検知有から検知無に変化した時点からリカバリー時間経過した時点で、カムは停止することによりホームポジションに戻る。
【0052】
このような状態の下で、上記の転写装置において、1個のセンサで、上述した転写装置の新規装着と既装着との判別や、転写装置の装着有無の判別のみならず、上記の中間転写ローラの圧接動作/開放動作を、支障なくスムースに行うことができる。
【0053】
また、上述した転写装置を備えた画像形成装置を形成することができる。この画像形成装置では、この画像形成装置が備えている転写装置において、上述した転写装置と同様の作用効果を有している。
【発明の効果】
【0054】
本発明によれば、転写装置において、画像形成部に対して既装着の転写機構部が装着されている場合に、転写機構部は、中間転写ベルトを感光体ドラムに対して圧接する圧接動作、または、開放する開放動作を行う。
【0055】
また、この転写装置では、画像形成部に対して新規装着の転写機構部が装着されている場合に、検知位置に侵入した状態でセンサの出力が検知有となるような特別移動片を備えている。そのため、上述したように、装着されている転写機構部が、新規装着であるか既装着であるかを判別することができる。また、同じく上述したように、転写機構部が装着されているか否かの判別を行うことができる。
【0056】
従って、転写装置において、中間転写ローラが中間転写ベルトを感光体ドラムに圧接/開放する動作と、画像形成部に対して装着されている転写機構部が新規装着であるか既装着であるかの判別、及び、画像形成部に対して転写機構部が装着されているか否かの判別を、1個のセンサで行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】実施の形態における転写ユニット(前述の転写装置に相当)が用いられている画像形成装置の構成を示した構成図である。
【図2】実施の形態における転写ユニットの構成及び動作状態を示した説明図(その1)である。
【図3】実施の形態における転写ユニットの構成及び動作状態を示した説明図(その2)である。
【図4】実施の形態における転写ユニットの構成及び動作状態を示した説明図(その3)である。
【図5】実施の形態における転写ユニットの構成及び動作状態を示した説明図(その4)である。
【図6】実施の形態における転写ユニットの構成及び動作状態を示した説明図(その5)である。
【図7】実施の形態における転写ユニットの構成及び動作状態を示した説明図(その6)である。
【図8】(a)は、実施の形態における転写ユニットに使用される移動片及び特別移動片とフォトセンサとの関係を示した該フォトセンサの斜視図、(b)は、移動片の取付状態を示した斜視図である。
【図9】実施の形態における転写ユニットに使用されるカムの回転位置を示したカム支軸の正面図である。
【図10】(a)〜(i)は、実施の形態における転写ユニットに使用される特別移動片及び移動片とフォトセンサのセンサ検知エリアとの関係を示した説明図である。
【図11】実施の形態における転写ユニットに使用されるフォトセンサの出力の状態を示したタイムチャートである。
【図12】実施の形態における転写ユニットに使用されるソフトウエア上のフラグやタイマを示したテーブルである。
【図13】実施の形態における転写ユニットに使用されるソフトウエア上のタイマに対するタイマ値を示したテーブルである。
【図14】実施の形態における転写ユニットの動作を示したフローチャート(その1)である。
【図15】実施の形態における転写ユニットの動作を示したフローチャート(その2)である。
【図16】実施の形態における転写ユニットの動作を示したフローチャート(その3)である。
【図17】実施の形態における転写ユニットの動作を示したフローチャート(その4)である。
【図18】実施の形態における転写ユニットの動作を示したフローチャート(その5)である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
次に、本発明の実施の形態における転写装置について、図面に基づき詳細に説明する。この転写装置は、一般に、画像形成装置で使用される。そこで、最初に、この転写装置(以下に述べる転写ユニット)が備えられた画像形成装置全体について説明した後、次に、この画像形成装置に備えられている本発明の実施の形態における転写ユニット(前述の転写装置に相当)について説明する。
【0059】
<画像形成装置全体の説明>
まず、最初に、本発明の実施の形態における転写ユニットが備えられた画像形成装置について、説明する。図1は、この画像形成装置の構成を示した構成図である。図1において、画像形成装置100は、原稿から読取った画像データや外部から伝達された画像データに応じて、所定の記録用紙に対して多色及び単色の画像を形成する装置である。この画像形成装置100は、画像形成装置本体110と、この画像形成装置本体110の上に設けられた自動原稿処理装置120とで構成されている。
【0060】
自動原稿処理装置120は、原稿載置台92、及び、照光ユニット90を備えており、この原稿載置台92は、透明ガラスで構成され、画像形成装置本体110の上部に設けられている。また、照光ユニットは、原稿の読取を行うための光を提供する機能を備えている。
【0061】
この自動原稿処理装置120は、原稿載置台92の上に自動で原稿を搬送する機能を備えている。また、この原稿処理装置120は、矢印M方向に回動自在に構成され、原稿載置台92の上を開放することにより、原稿を手動で載置することができる。
【0062】
画像形成装置100の画像形成装置本体110は、露光ユニット1、現像器2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、帯電器5、転写ユニット6、2次転写ユニット10、定着ユニット7、給紙カセット81、及び、排紙トレイ91等で構成されている。
【0063】
上記の画像形成装置100で扱われる画像データは、ブラック(B)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像データである。従って、上記の構成要素の内、現像器2、感光体ドラム3、帯電器5、及び、クリーナユニット4は、これらの各色に応じた4種類の潜像を形成するために、それぞれ4個ずつ用いられており、これらにより、ブラック、シアン、マゼンタ、及び、イエローの4つの画像ステーションが構成されている。
【0064】
感光体ドラム3は、回転するドラムで構成され、その円周表面に、以下に述べるようにして静電潜像が形成される。帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図1に示すようなチャージャ型の他、接触型のローラ型やブラシ型の帯電器が用いられる場合もある。
【0065】
露光ユニット1は、レーザ出射部及び反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成される。この露光ユニット1は、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム3に導くためのレンズや、ミラー等の光学要素で構成されている。
【0066】
また、露光ユニット1としては、このほか、発光素子をアレイ状に並べた、例えば、ELやLED書込みヘッドを用いるようにしてもよい。この露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を入力された画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する機能を備えている。
【0067】
現像器2は、それぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を、4色(Y、M、C、K)のトナーにより顕像化する機能を備えている。またクリーナユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを、除去・回収する機能を備えている。
【0068】
尚、前述の画像形成部は、上記の露光ユニット1、現像器2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、及び、帯電器5で構成される部分が該当し、この部分を、画像形成部と称する。
【0069】
転写ユニット6は、中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、及び、中間転写ローラ64で構成されている。これらの内、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、及び、中間転写ローラ64は、中間転写ベルト61を張架して回転駆動させるのに用いられる。また、各中間転写ローラ64は、感光体ドラム3のトナー像を、中間転写ベルト61上に転写するための転写バイアスを与える機能を備えている。
【0070】
上記の中間転写ベルト61は、各感光体ドラム3に接触するように設けられている、そして、この中間転写ベルト61は、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を、中間転写ベルト61に順次的に重ねて転写することによって、中間転写ベルト61上に、カラーのトナー像(多色トナー像)を形成する機能を有している。このような機能を備えた中間転写ベルト61は、例えば、厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて、無端状に形成されている。
【0071】
上記の転写ユニット6において、感光体ドラム3から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している中間転写ローラ64によって行われる。中間転写ローラ64には、トナー像を転写するために、高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。
【0072】
この中間転写ローラ64は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して、均一に高電圧を印加することができる。本実施形態では、転写電極としてローラ形状の転写電極を使用しているが、そのほか、ブラシ等を用いるようにしてもよい。
【0073】
上記のようにして、各感光体ドラム3上で各色相に応じて顕像化されて形成されたトナー像は、中間転写ベルト61で積層される。このようにして積層されたトナー像は、中間転写ベルト61の回転によって、2次転写ユニット10へ搬送されて、記録用紙上に転写される。
【0074】
2次転写ユニット10は、転写ローラ10aを備えており、この転写ローラ10aによって、中間転写ベルト61上に形成されたトナー像が記録用紙上に転写される。この際、中間転写ベルト61と転写ローラ10は、これらの中間転写ベルト61と転写ローラ10とが接して形成されるニップで圧接されると共に、転写ローラ10には、トナーを記録用紙に転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。
【0075】
上記の2次転写ユニット10において、上記のニップを定常的に得るために、転写ローラ10、または、上記の中間転写ベルト駆動ローラ62のいずれか一方が、硬質材料(金属等)で形成されると共に、他方が、弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラ、または発泡性樹脂ローラ等々)で形成される。
【0076】
また、上記の転写ユニット6において、感光体ドラム3に接触することにより中間転写ベルト61に付着したトナー、または、転写ローラ10によっては記録用紙上に転写されず、中間転写ベルト61上に残存したトナーは、次工程で、トナーの混色を発生させる原因となる。
【0077】
そこで、中間転写ベルト61上に残存したトナーは、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去・回収される。この中間転写ベルトクリーニングユニット65には、中間転写ベルト61に接触してこの中間転写ベルト61をクリーニングするクリーニング部材が備えられている。
【0078】
このクリーニング部材としては、例えば、クリーニングブレードが用いられる。このクリーニングブレードは、上述したように中間転写ベルト61に接触してこの中間転写ベルト61をクリーニングする。また、このクリーニングブレードが接触する中間転写ベルト61の部分の裏側は、中間転写ベルト従動ローラ63により支持されている。
【0079】
定着ユニット7は、定着ローラ71、及び、加圧ローラ72を備えている。この定着ユニット7は、記録用紙上に形成された未定着トナー像を、加熱溶融して固着させることで、記録用紙上に定着させる機能を備えている。この定着ユニット7では、定着ローラ71、及び、加圧ローラ72が記録用紙を挟んで回転して、この記録用紙を、図1に示すように、搬送ローラ12bへ向けて搬送する。
【0080】
給紙カセット81は、画像形成に使用する記録用紙を蓄積しておくためのトレイであり、画像形成装置本体110の露光ユニット1の下側に設けられている。また、手動により給紙を行う手差し給紙カセット82を用いることもできる。また、画像形成装置本体110の上方に設けられている排紙トレイ91は、印刷済みの記録用紙をフェイスダウンで集積するためのトレイである。
【0081】
また、画像形成装置本体110には、給紙カセット81、及び、手差し給紙カセット82から給紙された記録用紙を、上述した転写ローラ10aや定着ユニット7を経由して排紙トレイ91に搬送するための、略垂直形状の用紙搬送路Sが設けられている。
【0082】
また、給紙カセット81、或いは、手差し給紙カセット82から、排紙トレイ91までの用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ11a,11b、複数の搬送ローラ12a〜12d、レジストローラ13、転写ローラ10a、及び、定着ユニット7等が備えられている。
【0083】
搬送ローラ12a〜12dは、記録用紙の搬送を促進・補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って複数設けられている。また、ピックアップローラ11aは、給紙カセット81の端部近傍に備えられ、給紙カセット81から記録用紙を1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する機能を備えている。同様に、ピックアップローラ11bは、手差し給紙カセット82の端部近傍に備えられ、手差し給紙カセット82から記録用紙を1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する機能を備えている。
【0084】
<転写ユニットの説明>
次に、本実施の形態における転写ユニット6について、図面を参照しつつ説明する。まず、転写ユニット6の構成について説明する。図2は、図1に示す画像形成装置100に備えられた転写ユニット6の構成を示した説明図である。
【0085】
図2において、転写ユニット6は、上述したように、主に、中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、及び、中間転写ローラ64で構成されている。
【0086】
この転写ユニット6は、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を、中間転写ベルト61に順次的に重ねて転写することによって、中間転写ベルト61上に、カラーのトナー像(多色トナー像)を形成する。或いは、ブラック(B)のみの感光体ドラム3に形成されたトナー像を転写することによって、中間転写ベルト61上にモノクロのトナー像を形成する。
【0087】
この転写ユニット6では、感光体ドラム3に形成されたトナー像を転写する際に、中間転写ベルト61を、この中間転写ベルト61の裏側から中間転写ローラ64で感光体ドラム3に圧接する必要がある。このため、転写ユニット6では、この中間転写ローラ64の圧接/開放制御を行う必要がある。
【0088】
そのため、転写ユニット6には、5個の中間転写ローラホルダ64a、モノクロ用カム66a及びカラー用カム66bの2個が一体化して形成されたカム66、モノクロ用スライド壁67a、カラー用スライド壁67b、スプリング67c,67c、及び、移動片68を備えている。
【0089】
また、中間転写ベルト61を用いた転写ユニット6は、使用時間が長くなるにつれて、中間転写ベルトが61汚れる等の経年変化が生じる。そのため、寿命が到来した転写ユニット6が交換が可能なように、転写ユニット6は、感光体ドラム3,3,3,3を含む上述した画像形成部に対して、着脱可能に構成されている。
【0090】
そこで、上述した中間転写ローラ64の圧接/開放制御、及び、感光体ドラム3に対する転写ユニット6の装着の有無の検知を行うために、転写ユニット6が装着される上述した画像形成部には、フォトセンサ60が備えられている。
【0091】
尚、前述した転写装置は、転写機構部とセンサとで構成されているが、本実施の形態では、上記の転写ユニット6が前述の転写機構部に該当し、フォトセンサ60が、前述のセンサに該当する。従って、厳密には、上記の転写ユニット6と上記のフォトセンサ60とを合わせたものが、前述の転写装置に該当する。
【0092】
上記のフォトセンサ60は、図8(a)に示すように、センサ投光部60aとセンサ受光部60bとで構成されている。これらのセンサ投光部60aとセンサ受光部60bとは、センサ保持部60cに固定されており、このセンサ保持部60cが、感光体ドラム3側の図示されていないフレームに固定されて、フォトセンサ60が感光体ドラム3側に取付されている。
【0093】
このフォトセンサ60では、センサ投光部60aとセンサ受光部60bとの間に、センサ検知エリア(前述の検知位置に該当)が形成されている。このセンサ検知エリアへ、センサ投光部60aとセンサ受光部60bとの間を遮蔽するものが侵入した状態であると、フォトセンサ60の出力はOFF(前述の検知有に該当)となり、センサ投光部60aとセンサ受光部60bとの間を遮蔽するものがこのセンサ検知エリアから退出した状態であると、フォトセンサ60の出力はON(前述の検知無に該当)となる。
【0094】
次に、上記の転写ユニット6の構成について、さらに詳しく説明する。図2において、転写ユニット6は、5この中間転写ローラ64を備えている。これらの中間転写ローラ64の内、4個は、それぞれ、ブラック(B)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)用の感光体ドラム3,3,3,3に対して、中間転写ベルト61を圧接する位置に備えられている。残りの1個は、ブラック(B)用の感光体ドラム3に対する補助として用いられる。
【0095】
中間転写ローラ64は、L形をした中間転写ローラホルダ64aの一端に、回転可能に取付けられている。この中間転写ローラホルダ64aのL形の角部には、中間転写ローラホルダ支軸64bが形成されており、この中間転写ローラホルダ支軸64bは、回動可能に、転写ユニット6の図示されていないフレームに固定されている。
【0096】
また、中間転写ローラホルダ64aの他端は、中間転写ベルト61に略平行に設けられたモノクロ用スライド壁67a、または、カラー用スライド壁67bに、回動可能に固定されている。
【0097】
モノクロ用スライド壁67aは、転写ユニット6における中間転写ベルト駆動ローラ62側に設けられており、カラー用スライド壁67bは、転写ユニット6における中間転写ベルト従動ローラ63側に設けられている。
【0098】
また、上記の、中間転写ローラホルダ64aの内、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)用の感光体ドラム3,3,3へ中間転写ベルト61を圧接する中間転写ローラ64,64,64が固定されている中間転写ローラホルダ64a,64a,64aは、カラー用スライド壁67bに結合されている。
【0099】
これに対して、ブラック(B)用の感光体ドラム3へ中間転写ベルト61を圧接する中間転写ローラ64が固定されている中間転写ローラホルダ64aは、モノクロ用スライド壁67aに結合されている。
【0100】
そして、カラー用スライド壁67bとモノクロ用スライド壁67aとの間には、カム66が備えられている。このカム66は、図示されていないモータによって、図2の矢印の方向に回転制御される。このモータには、パルスモータ等が用いられる。
【0101】
また、このカム66は、上述したように、モノクロ用カム66a及びカラー用カム66bの2個が一体化して形成されている。モノクロ用カム66aには、モノクロ用スライド壁67aの左端が当接しており、このモノクロ用スライド壁67aは、スプリング67cによって、モノクロ用カム66aの方向に付勢されている。
【0102】
また、カラー用カム66bには、カラー用スライド壁67bの右端が当接しており、このカラー用スライド壁67bは、スプリング67cによって、カラー用カム66bの方向に付勢されている。
【0103】
そのため、このカム66、即ち、モノクロ用カム66a及びカラー用カム66bが一体で、図2の矢印の方向に回転すると、カラー用スライド壁67b及びモノクロ用スライド壁67aが、それぞれ中間転写ベルト61の張設方向に往復移動する。即ち、図2の左右方向に移動する。このカラー用スライド壁67b及びモノクロ用スライド壁67aが、それぞれ中間転写ベルト61の張設方向に往復移動することにより、カラー用スライド壁67bに結合されている中間転写ローラ64,64,64、及び、モノクロ用スライド壁67aに結合されている中間転写ローラ64の圧接/開放が行われる。
【0104】
また、モノクロ用スライド壁67aには、図8(b)に示すように、移動片68が備えられている。この移動片68は、カム66の回転に伴って、モノクロ用スライド壁67aが中間転写ベルト61の張設方向に往復移動することにより、モノクロ用スライド壁67aと共に、往復移動する。
【0105】
この移動片68の往復移動の往移動により、この移動片68は、原位置から中間転写ベルト駆動ローラ62の方向に向かって移動し、転写ユニット6が装着される側である感光体ドラム3側に備えられているフォトセンサ60のセンサ投光部60aとセンサ受光部60bとの間に形成されているセンサ検知エリアに、侵入する。
【0106】
尚、図8(a)は、移動片68が原位置に存在している状態を示していると共に、フォトセンサ60のセンサ検知エリアには、後述する特別移動片69の突起部69aが存在している状態を示している。
【0107】
また、この移動片68の往復移動の復移動により、この移動片68は、上記のセンサ検知エリアから中間転写ベルト従動ローラ63の方向に向かって移動して、フォトセンサ60のセンサ検知エリアから退出して上記の原位置に戻る。
【0108】
また、上記の転写ユニット6は、上述したように、使用時間が長くなるにつれて、中間転写ベルトが61汚れる等の経年変化が生じる。そのため、寿命が到来した転写ユニット6が交換が可能なように、転写ユニット6は、感光体ドラム3,3,3,3を含む上述した画像形成部に対して、着脱可能に構成されている。
【0109】
そこで、転写ユニット6の交換等により、新たに製作されて一度も使用されていない状態の転写ユニット6が、初めて画像形成装置に装着されて使用開始される場合は、画像形成装置は、上述したような、転写ユニット6が使用される回数等をカウントするカウンタのリセット等の、転写ユニット6が新たに使用開始されることに伴う処理を行う必要がある。
【0110】
そのため、このような場合には、当該画像形成装置に装着されている転写ユニット6が、新たに製作されて一度も使用されていない状態で初めて画像形成装置に装着されて使用開始される転写ユニット6であることを、転写ユニット6に知らせる必要がある。
【0111】
尚、本実施の形態では、転写ユニット6が新たに製作されて一度も使用されていない状態で初めて画像形成装置に装着されて使用開始される場合に、当該転写ユニット6を新規装着の転写ユニット6、或いは、当該転写ユニット6が新規装着であると称する。
【0112】
また、転写ユニット6が既に画像形成装置に装着されて使用された実績のある場合に、当該転写ユニット6を既装着の転写ユニット6、或いは、当該転写ユニット6が既装着であると称する。即ち、新規装着の転写ユニット6が使用開始されて、転写ユニット6が新たに使用開始されることに伴う処理が全て完了した以降の転写ユニット6に対して、当該転写ユニット6を既装着の転写ユニット6、或いは、当該転写ユニット6が既装着であると称する。
【0113】
上述したように、転写ユニット6が新規装着の場合は、画像形成装置に対して知らせる必要がある。そのためには、装着されている転写ユニット6が、新規装着、或いは、既装着のいずれであるかを、判別する必要がある。
【0114】
そこで、装着された転写ユニット6が新規装着であるか既装着であるかの判別を行うために、転写ユニット6には、上述した図8(a)に示す特別移動片69が備えられている。この特別移動片69は、突起部69a、アーム69b、及び、特別移動片支軸69cで構成されており、下端部に支軸69cを有するアーム69bの先端に、このアーム69bと直角で支軸69cと平行な支軸69cを備えた形状をしている。
【0115】
この特別移動片69は、転写ユニット6の図示されていないフレームに、特別移動片支軸69cが回動可能に取付られている。また、この特別移動片69は、転写ユニット6が新規装着の状態で感光体ドラム3,3,3,3を含む上述した画像形成部に対して装着されたときは、図8(a)に示すように、原位置に存在している移動片68の中間転写ベルト駆動ローラ62の隣に並んだ状態で配設されており、上述したように、この特別移動片69の特別移動片突起部69aが、フォトセンサ60のセンサ検知エリアに進入した状態で存在している。
【0116】
次に、転写ユニット6における、カム66、モノクロ用スライド壁67aに結合されている中間転写ローラ(以下、モノクロ用中間転写ローラと称する)64、カラー用スライド壁67bに結合されている中間転写ローラ(以下、カラー用中間転写ローラと称する)64,64,64、移動片68、特別移動片69、及び、フォトセンサ60の出力の相互の関係について、説明する。
【0117】
図2〜図7は、転写ユニット6の動作状態を示した説明図である。この内、図2は、転写ユニット6が感光体ドラム3,3,3,3に対して装着されたときの状態を示している。この転写ユニット6が感光体ドラム3,3,3,3に対して装着されたときは、モノクロ用中間転写ローラ64、及び、カラー用中間転写ローラ64,64,64は、いずれも、感光体ドラム3に対して圧接しておらず、開放状態である。また、このときのカム66の位置を、ホームポジションと称する。
【0118】
図9は、カム66の中心軸であるカム支軸66cを示した説明図である。図9において、太い矢印は、カム66の回転位置を示している。このカム66は、細い矢印の方向に回転し、回転に従って、カム66の回転位置が、ホームポジション(HP)から順に、センサ通常OFFポジション(OFFP)、ブラックポジション(BP)、カラーポジション(CP)、センサONポジション(ONP)と移動して、ホームポジション(HP)に戻る。
【0119】
図9において、センサ通常OFFポジション(OFFP)は、カム66が回転して、移動片68がフォトセンサ60のセンサ検知エリアへ侵入して、フォトセンサ60の出力がOFFとなるカム66の位置である。
【0120】
ブラックポジション(BP)は、カム66が回転して、モノクロ用中間転写ローラ64が圧接状態となるカム66の位置である。このブラックポジション(BP)は、回転しているカム66を、上記のフォトセンサ60の出力がOFFとなった後、後述する所定の時間Tb経過後にカム66を停止させた位置である。この所定の時間Tbは、前述の位置決め時間に相当する。また、このブラックポジション(BP)は、前述の圧接ポジションに相当する。
【0121】
カラーポジション(CP)は、カラー用中間転写ローラ64,64,64が圧接状態となるカム66の位置である。このカラーポジション(CP)は、回転しているカム66を、上記のフォトセンサ60の出力がOFFとなった後、後述する所定の時間Tc経過後にカム66を停止させた位置である。この所定の時間Tcは、前述の位置決め時間に相当する。また、このカラーポジション(CP)は、前述の圧接ポジションに相当する。
【0122】
センサONポジション(ONP)は、カム66が回転して、移動片68がフォトセンサ60のセンサ検知エリアから退出して、フォトセンサ60の出力がONとなるカム66の位置である。また、上記のホームポジション(HP)は、回転しているカム66を、上記のフォトセンサ60の出力がONとなった後、後述する所定の時間Tr経過後にカム66を停止させた位置である。この所定の時間Trは、前述のリカバリー時間に相当する。
【0123】
図10は、特別移動片69、及び、上記の移動片68と、フォトセンサ60のセンサ検知エリアとの関係を示した説明図である。次に、この図10と、上記の図9、及び、図2〜図7を用いて、転写ユニット6における、カム66、モノクロ用中間転写ローラ64、カラー用中間転写ローラ64,64,64、移動片68、特別移動片69、フォトセンサ60の検知エリア、及び、フォトセンサ60の出力の相互の関係について、具体的に説明する。
【0124】
上述したように、転写ユニット6が新規装着の状態で感光体ドラム3,3,3,3に対して装着されたときは、カム66はホームポジションに位置しており、転写ユニット6は、図2に示す状態である。そして、特別移動片69は、図8(a)に示すように、原位置に存在している移動片68の中間転写ベルト駆動ローラ62の隣に並んだ状態で配設されており、上述したように、この特別移動片69の特別移動片突起部69aが、フォトセンサ60のセンサ検知エリアに進入した状態で存在している。即ち、特別移動片69と移動片68は、図10(a)の状態であり、フォトセンサ60の出力は、OFFである。
【0125】
図10(a)の状態からカム66が回転すると、移動片68は、原位置からフォトセンサ60のセンサ検知エリアへ向かって移動し、図10(b)の状態を経由して、図10(c)の状態となり、特別移動片69を押し出す。この間、フォトセンサ60のセンサ検知エリアは、移動片68、または、特別移動片69のいずれかが侵入しており、フォトセンサ60の出力はOFF状態を継続する。このときのカム66の位置は、略センサ通常OFFポジション(OFFP)である。また、転写ユニット6は、略図3の状態である。
【0126】
図10(c)の状態からカム66が回転すると、移動片68は、フォトセンサ60のセンサ検知エリアから退出して、原位置に向かって戻り始め、図10(d)の状態を経由して、図10(e)の状態となり、略原位置に戻る。この間、カム66は、回転を続けてブラックポジション(BP)、及び、カラーポジション(CP)を経由して、略センサONポジション(ONP)となる。また、この間に、転写ユニット6は、図4の状態を経由する。一方、特別移動片69は、フォトセンサ60のセンサ検知エリアから押し出されたままで、以後、この状態を継続する。そのため、フォトセンサ60のセンサ検知エリアには何も存在しなくなり、フォトセンサ60の出力はONとなる。
【0127】
そして、上記のフォトセンサ60の出力がONとなった時点から所定の時間Tr経過した時点で、カム66を停止すると、カム66は、ホームポジション(HP)に戻った状態となる。また、転写ユニット6は、図5の状態となる。この状態は、既装着の転写装置が正常な状態で装着されている状態であり、転写ユニット6にモノクロ用の転写や、カラー用の転写を行わせるための通常待機状態である。この状態では、上述したように、移動片68は略原位置に存在すると共に、特別移動片69は、フォトセンサ60のセンサ検知エリアから押し出されたままであるので、フォトセンサ60の出力はONの状態である。
【0128】
図10(e)の状態、即ち、転写ユニット6の通常待機状態から、新たにカム66が回転すると、移動片68は、原位置からフォトセンサ60のセンサ検知エリアへ向かって移動し、図10(f)の状態を経由して、図10(g)の状態となり、フォトセンサ60のセンサ検知エリアに侵入する。そこで、フォトセンサ60の出力はOFFとなる。このときのカム66の位置は、センサ通常OFFポジション(OFFP)である。
【0129】
カム66の位置が、センサ通常OFFポジション(OFFP)となった時点、即ち、上記のフォトセンサ60の出力がONとなった時点から所定の時間Tb経過した時点で、カム66を停止すると、カム66は、ブラックポジション(BP)となる。また、このときの転写ユニット6は、図6の状態である。この状態は、転写ユニット6にモノクロ用の転写を行わせる状態である。
【0130】
カム66が、ブラックポジション(BP)の位置から再度回転させると、移動片68は、フォトセンサ60のセンサ検知エリアから退出して、原位置に向かって戻り始め、図10(g)の状態から図10(h)の状態を経由して、図10(i)の状態となり、略原位置に戻る。そのため、フォトセンサ60の出力はONとなる。この間、カム66は、回転を続けてカラーポジション(CP)を経由して、略センサONポジション(ONP)となる。また、この間に、転写ユニット6は、図7の状態を経由する。
【0131】
そして、上記のフォトセンサ60の出力がONとなった時点から所定の時間Tr経過した時点で、カム66を停止すると、カム66は、ホームポジション(HP)に戻った状態となる。また、転写ユニット6は、図5の状態となる。この状態は、上記の通常待機状態である。
【0132】
上述したカム66の位置が、センサ通常OFFポジション(OFFP)となった時点、即ち、上記のフォトセンサ60の出力がONとなった時点から所定の時間Tc経過した時点で、カム66を停止すると、カム66は、ブラックポジション(BP)を経由してカラーポジション(CP)となる。また、このときの転写ユニット6は、図6の状態を経由して図7の状態となる。この状態は、転写ユニット6にカラー用の転写を行わせる状態である。
【0133】
カム66が、カラーポジション(CP)の位置から再度回転させると、移動片68は、フォトセンサ60のセンサ検知エリアから退出して、原位置に向かって戻り始め、図10(g)の状態から図10(h)の状態を経由して、図10(i)の状態となり、略原位置に戻る。そのため、フォトセンサ60の出力はONとなる。この間、カム66は、回転を続けて略センサONポジション(ONP)となる。
【0134】
そして、上記のフォトセンサ60の出力がONとなった時点から所定の時間Tr経過した時点で、カム66を停止すると、カム66は、ホームポジション(HP)に戻った状態となる。また、転写ユニット6は、図5の状態となる。この状態は、上記の通常待機状態である。
【0135】
次に、上記の説明に基づいて、転写ユニット6の各種の状態におけるフォトセンサ60の出力の状態について説明する。図11は、転写ユニット6に使用されるフォトセンサ60の出力の状態を示したタイムチャートである。
【0136】
図11のタイムチャートでは、感光体ドラム3,3,3,3を含む上述した画像形成部に対して装着されている転写ユニット6が、新規装着の転写ユニット6であるか、既装着の転写ユニット6であるかや、転写ユニット6の動作開始時におけるカム66の位置が、ホームポジション(HP)であるか否か等の条件に基づいた、各種の条件下での、転写ユニット6におけるフォトセンサ60の出力の状態を示している。
【0137】
尚、図11において、各タイムチャートの上側が、フォトセンサ60の出力がOFFの状態であり、下側が、フォトセンサ60の出力がONの状態である。また、CRはカム66の回転開始を表し、CSはカム66の回転停止を表している。
【0138】
図11において、ケース1は、新規装着の転写ユニット6におけるカム66の1回転動作の場合である。上述したように、新規装着の転写ユニット6が感光体ドラム3,3,3,3に装着されたときは、カム66はホームポジション(HP)に位置しているので、ケース1は、ホームポジション(HP)から1回転する場合である。
【0139】
ケース1では、フォトセンサ60の出力は、カム66の回転開始時はOFF状態であり、このOFF状態は、カム66がセンサONポジション(ONP)位置に至るまで継続する。このときのフォトセンサ60の出力がOFF状態を継続する時間、即ち、新規装着の転写ユニット6が装着されており、カム66がホームポジション(HP)にいる状態でフォトセンサ60の出力がOFFの状態から、カム66が回転を始めて、フォトセンサ60の出力がON状態になるまでの時間を、T1とする。
【0140】
そして、カム66がセンサONポジション(ONP)位置に到達した時点で、フォトセンサ60の出力は、ON状態となると共に、フォトセンサ60の出力がON状態となった時点から所定の時間Tr経過後に、カム66を停止する。このとき、カム66はホームポジション(HP)に戻っており、転写ユニット6は、通常待機状態となる。
【0141】
ケース2は、既装着の転写ユニット6の正常状態(通常待機状態)におけるカム66の1回転動作の場合である。この場合は、ホームポジション(HP)からの1回転動作の場合である。ケース2では、フォトセンサ60の出力は、カム66の回転開始時はON状態であり、このON状態は、カム66がセンサ通常OFFポジション(OFFP)位置に至るまで継続する。
【0142】
そして、カム66がセンサ通常OFFポジション(OFFP)位置に到達した時点で、フォトセンサ60の出力は、OFF状態となる。さらに、カム66が回転して、カム66がセンサONポジション(ONP)位置に到達した時点までOFF状態は継続する。このときのフォトセンサ60の出力がOFF状態を継続する時間、即ち、既装着の転写ユニット6が装着されており、カム66の回転開始時はON状態であり、カム66の回転により、フォトセンサ60の出力が、OFF状態からON状態になるまでの時間を、T2とする。
【0143】
そして、カム66がセンサONポジション(ONP)位置に到達した時点で、フォトセンサ60の出力は、ON状態となると共に、フォトセンサ60の出力がON状態となった時点から所定の時間Tr経過後に、カム66を停止する。このとき、カム66はホームポジション(HP)に戻っており、転写ユニット6は、通常待機状態となる。
【0144】
ケース3は、既装着の転写ユニット6の異常状態(通常待機状態ではない状態)におけるカム66を、ホームポジション(HP)に戻す場合である。この場合は、カム66の回転開始時に、フォトセンサ60の出力がOFFしているワーストケースとして、カム66の位置がセンサ通常OFFポジション(OFFP)である場合である。
【0145】
ケース3では、フォトセンサ60の出力は、カム66の回転開始時は、上述したように、OFF状態であり、このOFF状態は、カム66がセンサONポジション(ONP)位置に至るまで継続する。そして、カム66がセンサONポジション(ONP)位置に到達した時点で、フォトセンサ60の出力は、ON状態となると共に、フォトセンサ60の出力がON状態となった時点から所定の時間Tr経過後に、カム66を停止する。このとき、カム66はホームポジション(HP)に戻っており、転写ユニット6は、通常待機状態となる。
【0146】
ケース4は、既装着の転写ユニット6の異常状態(通常待機状態ではない状態)におけるカム66を、ホームポジション(HP)に戻す場合である。この場合は、カム66の回転開始時に、フォトセンサ60の出力がONしているワーストケースとして、カム66の位置がセンサ通常OFFポジション(OFFP)である場合である。ケース2では、フォトセンサ60の出力は、カム66の回転開始時は、上述したように、ON状態であり、このON状態は、カム66がセンサ通常OFFポジション(OFFP)位置に至るまで継続する。このときのフォトセンサ60の出力がON状態を継続する時間、即ち、既装着の転写ユニット6が装着されており、フォトセンサ60の出力がONの状態から、カム66が回転を始めて、フォトセンサ60の出力がOFF状態になるまでの時間を、T3とする。
【0147】
そして、カム66がセンサ通常OFFポジション(OFFP)位置に到達した時点で、フォトセンサ60の出力は、OFF状態となる。さらに、カム66が回転して、カム66がセンサONポジション(ONP)位置に到達した時点までOFF状態は継続する。このカム66がセンサONポジション(ONP)位置に到達した時点で、フォトセンサ60の出力は、ON状態となると共に、フォトセンサ60の出力がON状態となった時点から所定の時間Tr経過後に、カム66を停止する。このとき、カム66はホームポジション(HP)に戻っており、転写ユニット6は、通常待機状態となる。
【0148】
ケース5は、既装着の転写ユニット6の正常状態(通常待機状態)におけるモノクロ転写を行う場合である。ケース5では、フォトセンサ60の出力は、カム66の回転開始時はON状態であり、このON状態は、カム66がセンサ通常OFFポジション(OFFP)位置に至るまで継続する。
【0149】
そして、カム66がセンサ通常OFFポジション(OFFP)位置に到達した時点で、フォトセンサ60の出力は、OFF状態となる。さらに、カム66は、回転するが、フォトセンサ60の出力がOFF状態となった時点から所定の時間Tb経過後に、カム66を停止する。このとき、転写ユニット6は、モノクロ転写を行う状態となる。
【0150】
モノクロ転写が終了すると、再度、カム66は回転し、この間、フォトセンサ60の出力は、OFF状態を継続しており、このOFF状態の継続は、カム66が、カラーポジション(CP)を経由してセンサONポジション(ONP)位置に到達する時点まで続く。そして、このカム66が、センサONポジション(ONP)位置に到達した時点で、フォトセンサ60の出力は、ON状態となると共に、フォトセンサ60の出力がON状態となった時点から所定の時間Tr経過後に、カム66を停止する。このとき、カム66はホームポジション(HP)に戻っており、転写ユニット6は、通常待機状態となる。
【0151】
ケース6は、既装着の転写ユニット6の正常状態(通常待機状態)におけるカラー転写を行う場合である。ケース6では、ケース5と同様、フォトセンサ60の出力は、カム66の回転開始時はON状態であり、このON状態は、カム66がセンサ通常OFFポジション(OFFP)位置に至るまで継続する。
【0152】
そして、カム66がセンサ通常OFFポジション(OFFP)位置に到達した時点で、フォトセンサ60の出力は、OFF状態となる。さらに、カム66は、ブラックポジション(BP)を経由して回転するが、フォトセンサ60の出力がOFF状態となった時点から所定の時間Tc経過後に、カム66を停止する。このとき、転写ユニット6は、カラー転写を行う状態となる。
【0153】
カラー転写転写が終了すると、再度、カム66は回転し、この間、フォトセンサ60の出力は、OFF状態を継続しており、このOFF状態の継続は、カム66がセンサONポジション(ONP)位置に到達する時点まで続く。そして、このカム66が、センサONポジション(ONP)位置に到達した時点で、フォトセンサ60の出力は、ON状態となると共に、フォトセンサ60の出力がON状態となった時点から所定の時間Tr経過後に、カム66を停止する。このとき、転写ユニット6は、通常待機状態となる。
【0154】
上記の説明、及び、図11から、次のようにすることが可能であることが分かる。まず、装着された転写ユニット6が、新規装着であるか既装着であるかを判別するために、新規装着/既装着判別基準時間Tnを設けると共に、このTnを、T1<Tn<T2を満足する値とする。
【0155】
すると、転写ユニット6が装着されたときに、カム66を回転させると共に、該回転開始後におけるフォトセンサ60の出力が、OFF状態からON状態になるまでの時間が、新規装着/既装着判別基準時間Tnよりも長いと、新規装着、短いと既装着と判別することができる。
【0156】
また、転写ユニット6が、感光体ドラム3,3,3,3に対して装着されているか否かを判別するために、装着有無判別基準時間Ts、を設けると共に、このTsを、T3<Tsを満足する値とする。
【0157】
そうすると、まず、転写ユニット6において、仮に、転写ユニット6が感光体ドラム3,3,3,3に対して装着されていないと、フォトセンサ60の出力は、絶対にOFF状態にはならない。そこで、カム66の停止状態で、フォトセンサ60の出力がOFF状態であると、装着有と判別することができる。
【0158】
これに対して、カム66の停止状態で、フォトセンサ60の出力がON状態の場合は、このままでは、装着有無を判別することはできない。しかし、このカム66の停止状態でフォトセンサ60の出力がON状態である場合は、カム66を装着有無判別基準時間Ts以上の時間、回転させると、転写ユニット6が装着されているとすると、フォトセンサ60の出力はOFF状態となるはずである。
【0159】
そこで、カム66を回転させると共に、該回転開始後から装着有無判別基準時間Ts経過後に、センサの出力がOFF状態であると、装着有と判別し、フォトセンサ60の出力がON状態であると、装着無と判別することができる。
【0160】
次に、装着された転写ユニット6が、新規装着であるか既装着であるかの判別や、転写ユニット6の装着有無の判別を含む、転写ユニット6の動作について説明する。この転写ユニット6の動作に対処するために、転写ユニット6を制御する処理用ソフトウエアでは、図12に示すフラグやタイマが備えられている。
【0161】
図12において、装着有無フラグF1は、転写ユニット6が感光体ドラム3,3,3,3に対して装着されているか否かを示すフラグで、F1=1は、装着無を、F1=0は、装着有を示す。
【0162】
新規装着/既装着フラグF2は、装着された転写ユニット6が、新規装着であるか既装着であるかを示すフラグで、F2=1は、新規装着を、F2=0は、既装着を示す。
【0163】
カラー/モノクロフラグは、転写ユニット6に対する指示がカラー用転写であるか、モノクロ用転写であるかを示すフラグで、F3=1は、モノクロ用転写を、F2=0は、カラー用転写を示す。
【0164】
また、タイマTMは、上記の動作における各種の処理に用いられるソフトウエア上のタイマであり、設定されたタイマ値に対して時間経過を計測し、タイムアップすると、タイムアップしたことを示すタイマである。
【0165】
また、上記の転写ユニット6の動作に対処するために、上記のタイマTMに設定する各種のタイマ値が、ソフトウエア上に備えられている。図13は、このタイマ値を示したものである。これらは、タイマ値が、上記の装着有無判別基準時間Tsである装着有無判別用タイマ値Ts、上記の新規装着/既装着判別基準時間Tnである新規装着/既装着判別用タイマ値Tn、上記の所定の時間Trであるホームポジション(HP)停止用タイマ値Tr、上記の所定の時間Tbであるブラックポジション(BP)停止用タイマ値Tb、及び、上記の所定の時間Tcであるカラーポジション(CP)停止用タイマ値Tcである。
【0166】
また、図14〜18は、転写ユニット6の動作を示したフローチャートである。この内、図14は、基本動作のフローチャートである。これらのフローチャートに基づいて、以下、転写ユニット6の動作について説明する。尚、以下の動作説明では、フォトセンサ60の出力をPSで表している。
【0167】
図14において、転写ユニット6では、まず、装着有無フラグF1、及び、新規装着/既装着フラグF2をリセットして、F1=0、F2=0として(S1)、S2へ進む。S2では、フォトセンサ60の出力PSをチェックする。
【0168】
S2におけるフォトセンサ60の出力PSのチェックで、PS:OFFであると、この場合は、転写ユニット6が装着されていることは、上述したように、明らかである。そこで、装着有無の判別は行わず、装着有無フラグF1=0のままとして、イニシャル処理1(S100)を行う。イニシャル処理1(S100)は、新規装着/既装着の判別を行うと共に、カム66をホームポジション(HP)に戻して、転写ユニット6を通常待機状態にする処理である。
【0169】
S2におけるフォトセンサ60の出力PSのチェックで、PS:ONであると、この場合は、上述したように、転写ユニット6が装着されているか否かは明らかではない。また、装着されているとしても、新規装着の転写ユニット6でないことは、明らかである。
【0170】
というのは、転写ユニット6が新規装着された状態であるとすると、上述したように、カム66はホームポジションに位置していると共に、特別移動片69は、図8(a)に示すように、原位置に存在している移動片68の中間転写ベルト駆動ローラ62の隣に並んだ状態で配設されており、この特別移動片69が、フォトセンサ60のセンサ検知エリアに進入した状態で存在しているので、フォトセンサ60の出力は、OFF状態となっているはずであるからである。
【0171】
そこで、S2におけるフォトセンサ60の出力PSのチェックで、PS:ONであると、イニシャル処理2(S200)を行う。イニシャル処理2(S200)は、装着有無の判別を行うと共に、カム66をホームポジション(HP)に戻して、転写ユニット6を通常待機状態にする処理である。
【0172】
図15は、イニシャル処理1(S100)の内容を示したフローチャートである。図15において、タイマTMに、新規装着/既装着判別用タイマ値Tnをセットして、TM=Tnとして(S101)、タイマTMをスタートさせると共に(S102)、カムの回転を開始して(S103)、次に、フォトセンサ60の出力PSをチェックし(S104)、PS:ONになると、次に、S105へ進む。
【0173】
S105では、タイマTMがタイムアップしているか否かをチェックし(S105)、タイマTMがタイムアップしていると、フォトセンサ60の出力PSがOFFである状態が、新規装着/既装着判別基準時間Tnよりも長いので、この場合は、上述したように、装着されているのは新規装着の転写ユニット6である。そこで、新規装着/既装着フラグF2をセットして、F2=1として(S106)、S107へ進む。
【0174】
S105におけるタイマTMがタイムアップしているか否かのチェックで、タイマTMがタイムアップしていないと、フォトセンサ60の出力PSがOFFである状態が、新規装着/既装着判別基準時間Tnよりも短いので、この場合は、上述したように、装着されているのは新規装着の転写ユニット6ではない。そこで、新規装着/既装着フラグF2=0のままで何もしないで、S107へ進む。
【0175】
S107では、既に、上記のS104で、PS:ONとなっている状態である。そこで、この状態からカム66をホームポジション(HP)に戻して、転写ユニット6を通常待機状態にするために、タイマTMにホームポジション(HP)停止用タイマ値Trをセットして、TM=Trとして(S107)、タイマTMをスタートさせ(S108)、タイマTMがタイムアップすると(S109)、カム66の回転を停止して(S110)、イニシャル処理1(S100)を終了する。
【0176】
図16は、イニシャル処理2(S200)の内容を示したフローチャートである。図16において、まず、タイマTMに、装着有無判別用タイマ値Tsをセットして、TM=Tsとして(S201)、タイマTMをスタートさせると共に(S202)、カムの回転を開始して(S103)、S204へ進む。
【0177】
S204では、タイマTMがタイムアップしているか否かをチェックし、タイマTMがタイムアップしていないと、フォトセンサ60の出力PSをチェックし(S206)、PS:OFFであるか否かをチェックする。
【0178】
上記のS204とS206において、PS:OFFとなる前に(S206)タイマTMがタイムアップすると(S204)、この場合は、上述したように、転写ユニット6が装着されていない状態である。そこで、装着有無フラグF1をセットして、F1=1として(S205)、S211へ進み、カム66の回転を停止して、イニシャル処理2(S200)を終了する。
【0179】
上記のS204とS206とにおけるチェックで、タイマTMがタイムアップする前に(S204)、PS:OFFとなると(S206)、この場合は、上述したように、転写ユニット6が装着されている状態である。そこで、装着有無フラグF1=0のままで何もしないで、S207へ進む。
【0180】
S207からは、カム66をホームポジション(HP)に戻して、転写ユニット6を通常待機状態にする処理である。即ち、まず、フォトセンサ60の出力PSをチェックし(S207)、PS:ONとなると、次に、タイマTMにホームポジション(HP)停止用タイマ値Trをセットして、TM=Trとして(S208)、タイマTMをスタートさせ(S209)、タイマTMがタイムアップすると(S210)、カム66の回転を停止して(S211)、イニシャル処理2(S200)を終了する。
【0181】
図14に示す転写ユニット6の基本動作のフローチャートにおいて、イニシャル処理1(S100)、または、イニシャル処理2(S200)が終了すると、S3へ進む。
【0182】
S3では、装着有無フラグF1が、F1=1であるか否かをチェックし、F1=1であると、転写ユニット6は装着されていないので、画像形成装置100に備えられている表示部等に、転写ユニット6の未装着を表示して(S7)、転写ユニット6の基本動作の処理を終了する。
【0183】
S3における装着有無フラグF1が、F1=1であるか否かのチェックで、F1=1ではないと、転写ユニット6は装着されているので、次に、S4へ進む。
【0184】
S4では、新規装着/既装着フラグF2が、F2=1であるか否かをチェックし、F2=1であると、これは、新規装着の転写ユニット6が装着されている状態である。そこで、画像形成装置100において、転写ユニット6が使用された回数等をカウントするカウンタのリセット等の、新規装着の転写ユニット6が新たに使用開始されることに伴う処理である新規装着用処理を実施して(S5)、通常処理(S300)へ進む。
【0185】
S4における新規装着/既装着フラグF2が、F2=1であるか否かのチェックで、F2=1ではないと、これは、新規装着の転写ユニット6が新規装着されている状態ではない。即ち、既装着の転写ユニット6が新規装着されている状態である。そこで、新規装着用処理を実施する必要はなく、何もしないで、通常処理(S300)へ進む。
【0186】
図17は、通常処理(S300)の内容を示したフローチャートである。この通常処理(S300)は、通常待機状態の転写ユニット6が、モノクロ転写、または、カラー転写を行うと共に、その終了後には、再度、通常待機状態に戻る処理である。
【0187】
この通常処理(S300)は、図17において、まず、カラー/モノクロフラグF3をリセットして、F3=0とし、次に、転写ユニット6に対する転写指令の有無をチェックする。
【0188】
転写ユニット6に対する転写指令があると、次に、この転写指令は、カラー、または、モノクロのいずれであるかをチェックし、カラーでない場合、即ち、モノクロの場合は、カラー/モノクロフラグF3を、F3=1とし、カラーの場合は、F3=0のままとして、S307へ進む。
【0189】
S307からS312までは、転写ユニット6が装着されているか否かをチェックする処理を行っている。即ち、まず、タイマTMに、装着有無判別用タイマ値Tsをセットして、TM=Tsとして(S307)、タイマTMをスタートさせると共に(S308)、カムの回転を開始して(S309)、S310へ進む。
【0190】
S310では、タイマTMがタイムアップしているか否かをチェックし、タイマTMがタイムアップしていないと、フォトセンサ60の出力PSをチェックし(S312)、PS:OFFであるか否かをチェックする。
【0191】
上記のS310とS312とにおいて、PS:OFFとなる前に(S312)タイマTMがタイムアップすると(S310)、この場合は、上述したように、転写ユニット6が装着されていない状態である。そこで、装着有無フラグF1をセットして、F1=1として(S311)、S326へ進み、カム66の回転を停止して、通常処理(S300)を終了する。
【0192】
上記のS310とS312とにおけるチェックで、タイマTMがタイムアップする前に(S310)、PS:OFFとなると(S312)、この場合は、上述したように、転写ユニット6が装着されている状態である。そこで、装着有無フラグF1=0のままで何もしないで、S313へ進む。
【0193】
S313からS318までは、モノクロ転写、または、カラー転写を行うようにするために、モノクロ用中間転写ローラ64、または、モノクロ用中間転写ローラ64とカラー用中間転写ローラ64,64,64とを圧接状態にする処理を行う。即ち、まず、カラー/モノクロフラグF3をチェックし(S313)、F3=1であると、これは、モノクロの転写指令であるので、タイマTMに、ブラックポジション(BP)停止用タイマ値Tbをセットして(S314)、S316へ進む。F3=0であると、これは、カラーの転写指令であるので、タイマTMに、カラーポジション(CP)停止用タイマ値Tcをセットして(S315)、S316へ進む。
【0194】
S316では、タイマTMをスタートさせ、タイマTMがタイムアップすると(S317)、カム66の回転を停止する(S318)。この状態は、タイマTMにセットされたのがブラックポジション(BP)停止用タイマ値Tbであると、モノクロ用中間転写ローラ64が圧接状態であり(図6参照)、タイマTMにセットされたのがカラーポジション(CP)停止用タイマ値Tcであると、モノクロ用中間転写ローラ64、及び、カラー用中間転写ローラ64,64,64の双方が圧接状態である(図7参照)。
【0195】
即ち、モノクロ転写、または、カラー転写が行える状態である。そこで、次に、これらの転写が終了したか否かをチェックし(S319)、終了すると(S320)、S321へ進む。
【0196】
S321からは、カム66をホームポジション(HP)に戻して、転写ユニット6を通常待機状態にする処理である。即ち、まず、カム66の回転を開始し(S321)、次に、フォトセンサ60の出力PSをチェックする(S322)。
【0197】
このS322におけるフォトセンサ60の出力PSのチェックで、PS:ONとなると、次に、タイマTMにホームポジション(HP)停止用タイマ値Trをセットして、TM=Trとして(S323)、タイマTMをスタートさせ(S324)、タイマTMがタイムアップすると(S325)、カム66の回転を停止して(S326)、通常処理(S300)を終了する。
【0198】
図14に示す転写ユニット6の基本動作のフローチャートにおいて、通常処理(S300)が終了すると、次に、S6に進む。
【0199】
S6では、装着有無フラグF1が、F1=1であるか否かをチェックし、F1=1であると、転写ユニット6は装着されていないので、画像形成装置100に備えられている表示部等に、転写ユニット6の未装着を表示して(S7)、転写ユニット6の基本動作の処理を終了する。
【0200】
S6における装着有無フラグF1が、F1=1であるか否かのチェックで、F1=1ではないと、転写ユニット6は装着されているので、S300の通常処理に戻って、この通常処理(S300)を繰返す。
上記の転写ユニット6によれば、感光体ドラム3,3,3,3を含む上述した画像形成部に対して、既装着の転写ユニット6が装着されているときに、フォトセンサ60の出力を用いて、中間転写ローラ64の圧接/開放制御を行う。また、この転写ユニット6は、新規装着の転写ユニット6が装着されたときに、フォトセンサ60のセンサ検知エリアに侵入した状態でフォトセンサ60の出力PSがOFF状態となるような特別移動片69を備えている。
【0201】
そのため、上述したように、装着されている転写ユニット6が、新規装着の転写ユニット6の新規装着であるか、或いは、そうでない既装着であるかを判別することができる。また、同じく上述したように、転写ユニット6が装着されているか否かの判別を行うことができる。
【0202】
従って、転写ユニット6において、中間転写ローラ64が中間転写ベルト61を感光体ドラム3に圧接/開放する動作と、感光体ドラム3に対して装着されている転写ユニット6が新規装着か既装着かのいずれであるかの判別、及び、感光体ドラム3に対して転写ユニット6が装着されているか否かの判別を、1個のセンサで行うことができる。
【符号の説明】
【0203】
1 露光ユニット
2 現像器
3 感光体ドラム
4 クリーナユニット
5 帯電器
6 転写ユニット
7 定着ユニット
10 2次転写ユニット
10a 転写ローラ
11a,11b ピックアップローラ、
12a〜12d 搬送ローラ
13 レジストローラ
60 フォトセンサ
60a センサ投光部
60b センサ受光部
60c センサ保持部
61 中間転写ベルト
62 中間転写ベルト駆動ローラ
63 中間転写ベルト従動ローラ
64 中間転写ローラ
64a 中間転写ローラホルダ
64b 中間転写ローラホルダ支軸
65 中間転写ベルトクリーニングユニット
66 カム
66a モノクロ用カム
66b カラー用カム
66c カム支軸
67a モノクロ用スライド壁
67b カラー用スライド壁
67c スプリング
68 移動片
69 特別移動片
69a 突起部
69b アーム
69c 支軸
71 定着ローラ
72 加圧ローラ
81 給紙カセット
82 手差し給紙カセット
90 照光ユニット
91 排紙トレイ
92 原稿載置台
100 画像形成装置
110 画像形成装置本体
120 自動原稿処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体ドラム上にトナー像が形成される該感光体ドラムを備えた画像形成部に対して着脱可能であり、該画像形成部に装着されて、移動片の往復移動に連動して中間転写ベルトを前記感光体ドラムに対して圧接する圧接動作、または、開放する開放動作を行い、該圧接動作により前記トナー像を前記中間転写ベルトに転写する転写機構部と、
前記画像形成部に取付られており、前記転写機構部が既装着の場合に、前記転写機構部が前記圧接動作中は、前記移動片が検知位置に侵入せず検知無を出力し、前記転写機構部が前記開放動作中は、前記移動片が前記検知位置に侵入して検知有を出力するセンサと、を備えた転写装置であって、
前記転写機構部は、特別移動片を備えており、前記転写機構部が新規装着の場合には、前記特別移動片は前記検知位置に侵入していると共に前記センサは前記検知有を出力しており、前記移動片が往移動して前記検知位置に侵入すると、前記特別移動片は前記検知位置から押出されて前記検知位置の外側に排出され、該排出された状態を維持することを特徴とする転写装置。
【請求項2】
請求項1記載の転写装置において、
前記特別移動片は、一方端が回動可能に支持されたアームの他方端に取付られており、前記移動片により前記検知位置から押出されると、前記アームが回動して前記検知位置の外側に排出される転写装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の転写装置において、
前記転写機構部は、カムのホームポジションから1回転して戻る間に前記移動片を1往復移動させる前記カムを備えており、
前記転写機構部が前記既装着の場合に、前記カムの回転による前記移動片の往移動により、該移動片は原位置から移動して前記センサの前記検知位置に侵入し、前記センサの出力は前記検知無から前記検知有に変化し、前記カムの回転による前記移動片の復移動により、該移動片は前記検知位置から前記原位置に戻るように退出し、前記センサの出力は前記検知有から前記検知無に変化し、
前記転写機構部が前記新規装着の場合に、前記特別移動片は、前記検知位置から前記移動片が前記退出する方向とは反対の方向に前記押出される転写装置。
【請求項4】
請求項3記載の転写装置において、
前記転写機構部が装着されたときに、前記カムを回転させて、該回転開始後における前記センサの出力の前記検知無から前記検知有になるまでの時間が、新規装着/既装着判別基準時間よりも長いと、前記転写機構部は前記新規装着、短いと前記既装着と判別し、
前記新規装着/既装着判別基準時間は、前記カムが前記ホームポジションにいる状態から1回転した場合において、前記転写機構部が前記新規装着の場合における前記センサの出力の前記検知有から前記検知無になるまでの時間よりも短く、前記転写機構部が前記既装着の場合における前記センサの出力の前記検知有から前記検知無になるまでの時間よりも長い時間とした転写装置。
【請求項5】
請求項3または請求項4記載の転写装置において、
前記カムの停止状態で、前記センサの出力が前記検知有であると、前記転写機構部は装着有と判別し、
前記カムの停止状態で、前記センサの出力が前記検知無であると、前記カムを回転させて、該回転開始後から装着有無判別基準時間経過後に、前記センサの出力が前記検知有であると、前記転写機構部は装着有と判別し、前記センサの出力が前記検知無であると、前記転写機構部は装着無と判別し、
前記装着有無判別基準時間は、前記転写機構部が前記既装着の場合に、前記カムを回転させて、前記センサの出力が前記検知有から前記検知無に変化した時点から、前記検知無から前記検知有に変化した時点までの時間よりも長い時間とした転写装置。
【請求項6】
請求項3から請求項5までのいずれか1項記載の転写装置において、
前記転写機構部が前記既装着で、前記カムが前記ホームポジションにいる場合は、前記センサの出力は前記検知無であると共に、前記転写機構部は前記開放動作中であり、
前記カムが回転すると共に前記ホームポジションから移動し、前記センサの出力が前記検知無から前記検知有に変化した時点から位置決め時間経過した時点で、前記カムは停止して前記カムの圧接ポジションになると共に、前記転写機構部は前記圧接動作中となり、
さらに、前記カムが回転すると共に前記圧接ポジションから移動し、前記センサの出力が前記検知有から前記検知無に変化した時点からリカバリー時間経過した時点で、前記カムは停止することにより前記ホームポジションに戻る転写装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1項記載の転写装置を備えた画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−250206(P2010−250206A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−101755(P2009−101755)
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】