説明

軸受装置およびこれを備えた遠心圧縮機

【課題】簡単な構成で負荷容量を大きくして、フォイル軸受の摩耗を抑制することができる軸受装置、およびこれを備えた遠心圧縮機を提供する。
【解決手段】軸受装置1は、フランジ部11aを備えたロータ10と、ロータ10とラジアル方向Rにおいて対向して配設されて、ロータ10をラジアル方向Rに支持するフォイル軸受30aと、フランジ部11aとアキシアル方向Aにおいて対向して配設されて、ロータ10をアキシアル方向Aに支持する磁気軸受40aとを備える。ロータ10が回転することによって、ロータ10とフォイル軸受30aの間に空間部Dが形成される。フランジ部11aには、ロータ10が回転することによって空間部Dへ気体を圧送する送風部14が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォイル軸受の摩耗を抑制するための軸受装置、およびこれを備えた遠心圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、例えば、圧縮機、送風機等の回転機械において、回転体を回転可能に支持するために、軸受装置を用いることが知られている。軸受装置に用いられる軸受としては、転がり軸受やすべり軸受等を用いることが可能であるが、回転体と軸受との接触を抑制して寿命の長い軸受装置を得るとの観点から、一般に、非接触軸受(即ち、回転体を非接触支持する軸受)である磁気軸受やフォイル軸受が用いられている。
【0003】
非接触軸受であるフォイル軸受を用いた軸受装置としては、ラジアル方向(即ち、回転体の回転軸に垂直な方向)において回転体を支持する軸受としてフォイル軸受を用いたものが知られている。このようなフォイル軸受は、ラジアル方向において回転体と対向して配設され、回転体が回転することによって、ラジアル方向において回転体とフォイル軸受とが対向する部分の隙間に動圧が発生する。そして、この動圧による気体潤滑作用によって、回転体がフォイル軸受から浮上して回転体とフォイル軸受の間に空間部が形成され、回転体はフォイル軸受と非接触の状態で回転する。
【0004】
ここで、従来、フォイル軸受は、フォイル軸受内における回転体の回転によって発生する動圧のみにより回転体を支持しているため、回転体がフォイル軸受と非接触の状態を維持して回転するための負荷容量が小さい。従って、フォイル軸受を備えた軸受装置に負荷容量を超過する負荷が発生した場合は、フォイル軸受と回転体とが接触するため、回転体の回転によりフォイル軸受が摩耗する。その結果、負荷容量が小さいため、フォイル軸受と回転体とが接触して、フォイル軸受が摩耗しやすいという問題があった。
【0005】
そこで、フォイル軸受の摩耗を抑制するために、回転体とフォイル軸受の間に形成された空間部に、圧縮空気を噴射することが知られている。より具体的には、例えば、フォイル軸受等に圧縮空気を噴射するための貫通孔を形成し、この貫通孔から回転体とフォイル軸受の間の空間部へ圧縮空気を噴射することにより、フォイル軸受内の内部圧力を増加させて、フォイル軸受の摩耗を抑制する構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−197606号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記従来技術においては、圧縮空気を噴射するために、フォイル軸受等に貫通孔を形成したり、回転体やフォイル軸受とは別に圧縮気体を噴出する装置が必要となるため、フォイル軸受の摩耗を抑制するための構成が複雑になるという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で、回転体がフォイル軸受と非接触の状態を維持して回転するための負荷容量を大きくして、フォイル軸受の摩耗を抑制することができる軸受装置、およびこれを備えた遠心圧縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、フランジ部を備えた回転体と、回転体とラジアル方向において対向して配設されて、回転体をラジアル方向に支持するフォイル軸受と、フランジ部とアキシアル方向において対向して配設されて、回転体をアキシアル方向に支持する磁気軸受とを備え、回転体が回転することによって、回転体とフォイル軸受の間に空間部が形成される軸受装置であって、フランジ部には、回転体が回転することによって空間部へ気体を圧送する送風部が設けられていることを特徴とする。
【0009】
同構成によれば、フランジ部には、回転体が回転することによって、回転体とフォイル軸受の間に形成される空間部へ、気体を圧送する送風部が設けられている。このため、送風部により圧送された気体によって、回転体とフォイル軸受がラジアル方向において対向する部分に静圧を加えて、フォイル軸受内の内部圧力を増加させることができる。従って、簡単な構成で、回転体がフォイル軸受と非接触の状態を維持して回転するための負荷容量を大きくして、フォイル軸受の摩耗を抑制することができ、その結果、フォイル軸受の寿命を向上させることができる。なお、ラジアル方向とは、回転体の回転軸に垂直な方向のことであり、アキシアル方向とは、回転体の回転軸に平行な方向のことである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の軸受装置であって、送風部は、スパイラル状の凹溝により形成されていることを特徴とする。
同構成によれば、送風部は、スパイラル状の凹溝により形成されているため、簡単な構成により送風部を形成することができる。従って、より簡単な構成で負荷容量を大きくして、フォイル軸受の摩耗を抑制することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の軸受装置であって、回転体は、フランジ部と一対になってフォイル軸受および磁気軸受をアキシアル方向において挟むように形成された大径部をさらに備え、大径部と磁気軸受の間には、空間部からフォイル軸受の外部へ気体が漏れないようにするためのシール部が設けられていることを特徴とする。
【0012】
同構成によれば、上述の空間部からフォイル軸受の外部へ気体が漏れないようにするためのシール部が設けられているため、フォイル軸受内の内部圧力を保つことができる。従って、フォイル軸受内の内部圧力を効果的に増加させることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の軸受装置であって、シール部は、回転体および磁気軸受の少なくとも一方に形成された環状の溝により形成されていることを特徴とする。
【0014】
同構成によれば、シール部は、回転体および磁気軸受の少なくとも一方に形成された環状の溝により形成されているため、簡単な構成によりシール部を形成することができる。従って、フォイル軸受内の内部圧力を簡単な構成で効果的に増加させることができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の軸受装置を備えることを特徴とする。
同構成によれば、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の軸受装置を備えているため、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の軸受装置と同じ効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、簡単な構成で、回転体がフォイル軸受と非接触の状態を維持して回転するための負荷容量を大きくして、フォイル軸受の摩耗を抑制することができ、フォイル軸受の寿命を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る軸受装置の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る軸受装置を備えた遠心圧縮機を示す断面図であり、図2(a)〜(b)は、それぞれ、図1のS−S断面図とT−T断面図である。軸受装置1は、図1に示すように、回転体としてのロータ10と、ロータ10を回転させるための回転磁界を発生させるステータ20と、ロータ10を回転可能に支持するフォイル軸受30a,30bおよび磁気軸受40a,40bを備えている。また、上述のロータ10とステータ20により電動モータが構成されている。さらに、軸受装置1は、アキシアル方向(ロータ10の回転軸に平行な方向であって、図中の矢印Aの方向)におけるロータ10の位置を検出するための変位センサ50を備えている。
【0018】
ロータ10は、図1に示すように、円盤状に形成された一対のフランジ部11a,11bと、アキシアル方向Aにおける端部に形成されたインペラ12と、ラジアル方向(ロ―タ10の回転軸に垂直な方向であって、図中の矢印Rの方向)においてステータ20と対向する位置に形成された大径部13とを備えている。一対のフランジ部11a,11bは、大径部13をアキシアル方向Aにおいて挟むように配設されている。また、本実施形態においては、フランジ部11a,11bの全体が磁性体により形成されている。なお、フランジ部11a,11bは、その一部が磁性体により形成されているものを使用しても良く、例えば、フランジ部11aの少なくとも磁気軸受40aと対向する部分が磁性体により形成されているものや、同様に、フランジ部11bの少なくとも磁気軸受40bと対向する部分が磁性体により形成されているものが使用できる。また、大径部13は、フランジ部11aと一対になってフォイル軸受30aおよび磁気軸受40aをアキシアル方向Aにおいて挟むように形成されるとともに、フランジ部11bと一対になってフォイル軸受30bおよび磁気軸受40bをアキシアル方向Aにおいて挟むように形成されている。この大径部13の、ステータ20と対向する部分には、ロータ10が回転する方向に沿って交互に磁極が着磁された永久磁石(不図示)が埋め込まれている。
【0019】
さらに、ロータ10のフランジ部11aには、図1および図2(a)に示すように、ロータ10が回転することによってロータ10とフォイル軸受30aの間に形成される空間部Dへ、ロータ10が回転することによって気体を圧送する送風部14が設けられている。そして、本実施形態においては、送風部14として、フランジ部11aの、アキシアル方向Aにおいてフォイル軸受30aおよび磁気軸受40aと対向する部分に形成された、スパイラル状の凹溝15を設ける構成としている。また、このスパイラル状の凹溝15は、図2(a)に示すように、ロータ10の中心O側から送風部14の外周14a側へ(即ち、図中の矢印Tの方向へ)向けて、凹溝15の円周方向(図中の矢印Sの方向)における幅が漸増するように形成されており、さらに、凹溝15は円周方向Sにおいて湾曲するように形成されている。
【0020】
また、ロータ10の大径部13には、図1および図2(b)に示すように、環状の溝16が形成されている。より具体的には、大径部13の、フォイル軸受30aおよび磁気軸受40aと対向する部分には、環状の溝16が同心円上に複数形成されており、これらの溝16は、空間部Dからフォイル軸受30aの外部80へ気体が漏れないようにするためのシール部を形成している。
【0021】
ステータ20は、図1に示すように、ステータコア21と、ステータコア21に巻かれた導線からなるコイル22から構成されている。このコイル22に電流を流すことで回転磁界が発生するため、永久磁石が埋め込まれた大径部13が回転する。従って、ロータ10の大径部13の回転に伴って、ロータ10に形成されたインペラ12が回転するため、インペラ12によって、気体(空気)が遠心方向(即ち、アキシアル方向Aに対して垂直な方向)へ送風される。
【0022】
フォイル軸受30a,30bは、図1に示すように、ステータ20をアキシアル方向Aにおいて挟むように配置されるとともに、それぞれロータ10とラジアル方向Rにおいて対向して配設されて、ロータ10をラジアル方向Rに支持する。フォイル軸受30a,30bは、それぞれ、波形状に形成された環状のバンプフォイル31a,31bと、バンプフォイル31a,31b内に形成されたスリーブ状のトップフォイル32a,32bから構成されている。
【0023】
磁気軸受40a,40bは、ステータ20をアキシアル方向Aにおいて挟むように配置されるとともに、それぞれフランジ部11a,11bとアキシアル方向Aにおいて対向して配設されて、ロータ10をラジアル方向Rに支持する。磁気軸受40a,40bは、それぞれ、環状の凹溝43a,43bが形成された環状のヨーク部材41a,41bと、凹溝43a,43bに収容された電磁石42a,42bから構成されている。このように構成された磁気軸受40a,40bは、電磁石42a,42bに電流を供給することにより発生する磁気吸引力によって、磁性体により形成されたフランジ部11a,11bをアキシアル方向Aにおいて吸引し、ロータ10を非接触状態で支持する。また、アキシアル方向Aにおいて軸受装置1を小型化するとの観点から、環状のヨーク部材41a,41bの内側(即ち、磁気軸受40a,40b)には、それぞれフォイル軸受30a,30bが設けられており、ヨーク部材41a,41bはフォイル軸受30a,30bのハウジングとなっている。
【0024】
変位センサ50は、アキシアル方向Aにおけるロータ10の端部と対向する位置に配設され、アキシアル方向Aにおけるロータ10の位置を検出する。変位センサ50によって検出されたロータ10の位置に基づいて、制御部(不図示)が電磁石42a,42bに供給される電流を制御する。
【0025】
また、遠心圧縮機は、図1に示すように、軸受装置1を保護するケーシング60と、インペラ12によって遠心方向へ送られた気体の流路を形成するボリュート70とを備えている。ケーシング60には、ロータ10を除く軸受装置1の各部(即ち、ステータ20、フォイル軸受30a,30b、磁気軸受40a,40b、および変位センサ50)とボリュート70が固定されている。インペラ12によって送られた気体は、ボリュート70により吐出口(不図示)へ圧送される。
【0026】
次に、前述のように構成された遠心圧縮機の軸受装置1の動作態様について説明する。
ロータ10が、所定の回転数以上で回転することにより、ラジアル方向においてロータ10とフォイル軸受30a,30bとが対向する部分の隙間に動圧が発生する。そして、この動圧による気体潤滑作用によって、ロータ10がフォイル軸受30a,30bから浮上してロータ10とフォイル軸受30a,30bの間に空間部D,Eが形成され、図1に示すように、ロータ10はフォイル軸受30a,30bと非接触の状態で回転する。
【0027】
ここで、本実施形態においては、上述のごとく、ロータ10のフランジ部11aに、ロータ10が回転することによって空間部Dへ気体を圧送する送風部14が設けられているため、ロータ10が回転する際に、図3に示すような気体の流れが発生する。即ち、ロータ10が、図3(a)に示す矢印Kの方向(以下、「回転方向K」という。)へ回転することによって、ロータ10の中心O側から送風部14の外周14a側へ向けて回転方向Kへ湾曲したスパイラル状の凹溝15に、気体が導かれる。気体は、ロータ10の内径側、即ち、図3(a)および(b)に示す矢印G1の方向へ圧縮されながら凹溝15に流れ込み、矢印G1の方向へ流れた気体は、図3(b)に示す矢印G2の方向へ流れる。このため、送風部14により圧送された気体によって、ロータ10が回転することによって発生するロータ10とフォイル軸受30aとの間に形成された空間部Dに静圧が加えられて、フォイル軸受30a内の内部圧力が増加する。
【0028】
また、上述のごとく、大径部13と磁気軸受40aとの間には、空間部Dからフォイル軸受30aの外部80へ気体が漏れないようにするためのシール部が設けられているため、図3(b)に示す矢印G3の方向へ気体が流れることを抑えて、フォイル軸受30a内の内部圧力を保つことができる。本実施形態においては、シール部は、アキシアル方向Aにおいてフォイル軸受30aおよび磁気軸受40aと大径部13の間に形成された環状の溝16により形成されているため、いわゆる、ラビリンス効果によって気体が漏れないように作用する。
【0029】
上記実施形態の軸受装置1によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)フランジ部11aには、ロータ10が回転することによって空間部Dへ気体を圧送する送風部14が設けられている。このため、ロータ10とフォイル軸受30aとの間に形成された空間部Dに静圧を加えて、フォイル軸受30a内の内部圧力を増加させることができる。従って、簡単な構成で、ロータ10がフォイル軸受30aと非接触の状態を維持して回転するための負荷容量を大きくして、フォイル軸受30aの摩耗を抑制することができ、その結果、フォイル軸受30aの寿命を向上させることができる。
【0030】
(2)送風部14は、スパイラル状の凹溝15により形成されているため、簡単な構成により送風部14を形成することができる。従って、より簡単な構成で負荷容量を大きくして、フォイル軸受30aの摩耗を抑制することができる。
【0031】
(3)大径部13と磁気軸受40aの間には、空間部Dからフォイル軸受30aの外部80へ気体が漏れないようにするためのシール部が設けられているため、フォイル軸受30a内の内部圧力を保つことができる。従って、フォイル軸受30a内の内部圧力を効果的に増加させることができる。
【0032】
(4)シール部は、ロータ10に形成された溝16により形成されているため、簡単な構成によりシール部を形成することができる。従って、フォイル軸受30a内の内部圧力を簡単な構成で効果的に増加させることができる。
【0033】
また、上記実施形態において、ロータ10の回転により気体を圧送する遠心圧縮機は、軸受装置1を備えているため、上記(1)乃至(4)に記載の効果と同じ効果を得ることができる。
【0034】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の設計変更をすることが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。例えば、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
【0035】
・上記実施形態においては、ロータ10の大径部13に環状の溝16が形成されていたが、図4に示すように、磁気軸受40aの、大径部13と対向する部分に環状の溝44aを形成してもよい。このようにしても、大径部13と磁気軸受40aの間に、空間部Dからフォイル軸受30aの外部80へ気体が漏れないようにするためのシール部を形成することができる。
【0036】
・上記実施形態においては、シール部は大径部13に形成された環状の溝16により形成されていたが、大径部13と対向する磁気軸受40aに対して摺動可能な環状の弾性部材(不図示)を、ロータ10の大径部13に固定して、この弾性部材によりシール部を形成するようにしてもよい。
【0037】
・上記実施形態においては、送風部14は、スパイラル状の凹溝15により形成されていたが、フランジ部11aの、フォイル軸受30aと対向する図4に示す環状の部分Fに軸流ファン(不図示)を形成し、この軸流ファンにより送風部14を形成するようにしてもよい。
【0038】
・図4に示すように、フランジ部11bにも、ロータ10が回転することによってロータ10とフォイル軸受30bの間に形成される空間部Eへ気体を圧送する送風部17を設けてもよい。また、大径部13の、フォイル軸受30bおよび磁気軸受40bと対向する部分に、環状の溝18を形成して、大径部13と磁気軸受40bの間に空間部Eからフォイル軸受30bの外部へ気体が漏れないようにするためのシール部を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態に係る軸受装置を備えた遠心圧縮機を示す断面図。
【図2】(a)図1のS−S断面図、(b)図1のT−T断面図。
【図3】(a)軸受装置の動作を説明するためのS−S断面図、(b)軸受装置の動作を説明するための軸受装置の部分断面図。
【図4】本発明の別の例に係る軸受装置を備えた遠心圧縮機を示す断面図。
【符号の説明】
【0040】
A…アキシアル方向、D…空間部、R…ラジアル方向、1…軸受装置、10…ロータ、11a…フランジ部、13…大径部、14…送風部、15…凹溝、16…溝、20…ステータ、30a…フォイル軸受、40a…磁気軸受、80…外部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フランジ部を備えた回転体と、
前記回転体とラジアル方向において対向して配設されて、前記回転体をラジアル方向に支持するフォイル軸受と、
前記フランジ部とアキシアル方向において対向して配設されて、前記回転体をアキシアル方向に支持する磁気軸受とを備え、
前記回転体が回転することによって、前記回転体と前記フォイル軸受の間に空間部が形成される軸受装置であって、
前記フランジ部には、前記回転体が回転することによって前記空間部へ気体を圧送する送風部が設けられていることを特徴とする軸受装置。
【請求項2】
前記送風部は、スパイラル状の凹溝により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の軸受装置。
【請求項3】
前記回転体は、前記フランジ部と一対になって前記フォイル軸受および前記磁気軸受をアキシアル方向において挟むように形成された大径部をさらに備え、
前記大径部と前記磁気軸受の間には、前記空間部から前記フォイル軸受の外部へ前記気体が漏れないようにするためのシール部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の軸受装置。
【請求項4】
前記シール部は、前記回転体および前記磁気軸受の少なくとも一方に形成された環状の溝により形成されていることを特徴とする請求項3に記載の軸受装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の軸受装置を備えることを特徴とする遠心圧縮機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−14083(P2009−14083A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−175530(P2007−175530)
【出願日】平成19年7月3日(2007.7.3)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】