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輸液製剤用薬液及び混合方法
説明

輸液製剤用薬液及び混合方法

【課題】 輸液製剤を収容する輸液バッグ内への患者に必要な少量の薬液の混合を安全且つ容易に行うことができる輸液製剤用薬液及び混合方法を提供する。
【解決手段】 複数の室を備える容器の第1区画にビタミンB2を含有する薬液が収容さ
れ、第2区画に鉄供給源を含有する薬液が収容され、該鉄供給源を含有する薬液は、亜鉛供給源、銅供給源、マンガン供給源又はヨウ素供給源を含有するものである輸液製剤用薬液を提供し、ビタミンB2を含有する薬液を収容する第1区画(A)及び鉄供給源を含有
する薬液を収容する第2区画(B)のそれぞれから薬液を輸液バッグ内へ送出することにより、ビタミンB2と微量元素製剤に含まれる鉄供給源由来の析出物を生じることなく安
全且つ容易な混合が可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の室を備える薬液容器に関する。より詳細には、人体に点滴により供給される輸液製剤、例えば、高カロリー輸液、アミノ酸輸液、電解質輸液、糖類輸液、その他の医療用輸液に、反応を生じ易い薬液を使用前に注入するために好適な複数の室を備える薬液容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、点滴により人体に供給される輸液成分、例えば、アミノ酸液、ブドウ糖液等は、混合すると変質するため、剥離可能な隔離手段により仕切られた輸液容器、特に輸液バッグ内の複数の個室へそれぞれ収容し、使用時に輸液バッグを外から押圧して隔離手段を剥離させて混合することが工夫されており、このような技術は、例えば、特開昭62−176451号公報、特開平8−182739号公報、特表平8−509631号公報等に開示されている。また点滴により患者に輸液を投与する場合、患者の病態により、アミノ酸液、ブドウ糖液等の輸液製剤に少量の各種薬液、例えば、トレースミネラル(微量元素)、ビタミン剤、鎮痛剤、脂肪輸液、抗生物質、ミネラル分、強心剤等を混合することが必要になる。通常、輸液製剤に少量の薬液を混合する作業(混注)は、病院内のクリーンブース内で行われ、混合すべき薬液を注射器を用いて輸液バッグ内の輸液へ注入する。この場合、薬液の細菌感染を起こさないように注意深く行われる。これらの混注操作は煩雑であり、簡便な操作で混注が行なえることが望まれている。
【0003】
他方、近年、在宅医療が好まれ増加する傾向にあり、家庭で患者に輸液を点滴により投与することが多くなっている。輸液は、1日の投与量が約1kgの輸液バッグ2個の場合が多く、比較的重量があり、また在宅医療用の輸液への薬液の混注が病院で行われる場合、混注後に変質しない間に患者に投与するため、病院から輸液を頻繁に運搬することが必要となり、在宅看護の負担を重くしている。
【0004】
特開平10−24088号は、無菌保証が成された状態で、薬剤封入バイアル等を少ない部品で簡易に接続した輸液容器を提供することを目的とした薬剤封入容器セットを開示する。この薬剤封入容器セットは、樹脂製容器であり複数の室を有し、室と室との隔離条部の少なくとも一部が外側から開放可能なピールシール部又は弱シール部で形成され、第1室に薬液が収容され、第2室に充填容器が接続され、充填容器は薬液に混合される薬剤を収容し、充填容器の開口を閉じる蓋体又は膜体が第2室の外側から押圧することにより充填容器内へ押し込むことが可能であり、蓋体又は膜体が充填容器内へ押し込まれることにより第2室内と充填容器内が連通される。高圧蒸気滅菌処理した樹脂製容器と薬剤を収容したバイアルは、無菌、無塵室内で接続され、その後第2室のみが電子照射滅菌され、第2室内の一旦外界に晒された充填容器の外面と共に滅菌処理される。
【0005】
実公平6−42676号公報は、バイアル中の薬剤を、容易且つ安全にバッグ内の点滴用薬液に添加する目的の輸液バッグを開示する。この輸液バッグは、ゴム栓によって封止されたバイアルの口部を接続可能な口部材を有する。口部材は、外周面下部が合成樹脂製フィルムの一方の開口端に融着され、下端が封止膜により密閉され、上部外周に雄ネジを備える有底円筒状部品3、有底円筒状部品に挿入され、上端が閉塞され、この閉塞された部分を貫通して、先端が穿刺刃の中空針6が固定され、下端が穿刺刃である棒状部品4、有底円筒状部品の雄ネジに螺合する雌ネジを備える下部小径部及び小径部と区画部を介して一体成形されバイアルの口部が嵌合される大径部を有し区画部を中空針が刺通する第2部品5、並びに第2部品の大径部の開口端を閉塞するシール10を有する。先端が穿刺刃である代わりに棒状部品の端部に固定したゴム栓63を設けることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
輸液製剤に混注すべき、各種の少量の薬液を少ない操作で混注できる薬液容器を検討するにあたり、各薬液同志が混合によって汚濁が生じたり分解が促進されるものを考慮する必要がある。特に、ビタミン剤は、光や温度により品質劣化が促進されるばかりでなく、微量元素類と配合すると不溶性の析出物あるいは微粒子が生じたり、分解が促進される恐れがある。
【0007】
高カロリー輸液用糖・電解質・アミノ酸液には、ビタミンB2他のビタミン剤、及び鉄
供給源他の複数の微量元素を含有する微量元素製剤を混注する例が多くみられる。ビタミン剤と微量元素製剤を混合した薬液は、短期間に品質劣化し、とくにビタミンB2と微量
元素製剤に含まれる鉄供給源由来の析出物が確認できる。この析出物の生成には、温度、光、還元物質、酸素などの要因が関与するが、きわめて短時間に生成することから同一容器内に充填することは困難である。
【0008】
本発明は、高カロリー輸液、アミノ酸輸液、電解質輸液、糖類輸液その他の薬液収容する輸液バッグ内へ患者に必要な少量の薬液を混注する作業を、病院において安全に且つ容易に行うことができ、また在宅医療がなされる家庭において混注作業を可能にする薬液容器を提供することを目的とする。本発明は、また混注すべき異種の薬液間の品質劣化の原因となる相互作用を排除し選択的に隔壁手段で隔離された複数の室に薬液を分離収容することが可能な薬液容器を提供するとを目的とする。本発明のその他の目的は、以下の説明において明らかにされる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の薬液容器は、ビタミンB2を含有する薬液を収容する第1区画、鉄供給源を含
有する薬液を収容する第2区画、及び両区画から薬液を輸液容器内へ送出可能な連通機構を備える。鉄供給源を含有する薬液は、亜鉛供給源、銅供給源、マンガン供給源又はヨウ素供給源を含有する。第1区画は第1室(A1)、第2室及び副室に分割され、第1室にビタミンB2を含有する薬液が収容され、第2室にビタミンA、ビタミンD、ビタミンE
又はビタミンKを含有する薬液が収容され、ビタミンB12又は葉酸が第1室又は第2室の薬液に含有され、副室は連通機構を具備する。連通機構は、特願2000−321487号に記載の連通機構を用いることができる。
【0010】
第1室と副室との間が第1隔離手段により区画され、第2室と副室との間にが第2隔離手段により区画され、第1隔離手段及び第2隔離手段は第1室又は第2室の薬液を外部から押圧することにより開放される。第1室が第1小室及び第2小室に区画され、第1小室がビタミンB1を含有する薬液を収容し、第2小室がビタミンCを含有する薬液を収容し
、ビタミンB2が第1小室又は第2小室に収容される薬液に含有される。ビタミンB6、ニコチン酸類、パントテン酸類又はビオチンが第1小室及び第2小室のいずれかの薬液に含有される。
【0011】
連通機構は、輸液容器内部と薬液容器のいずれかの区画又は室を連通する通路、通路を閉鎖する閉鎖体、及び閉鎖体を移動させるか又は閉鎖体に貫通路を形成し通路を開通させる手段を含む。
【0012】
本発明の薬液容器は、ビタミンを含有する薬液を収容する第1区画、鉄供給源を含有する薬液を収容する第2区画、及び両区画から薬液を輸液容器内へ送出可能な連通機構を備える。第1区画及び第2区画は、可撓性樹脂フイルムの周縁部を相互に強固に接着して形成される袋状空間を強固な密封部により仕切ることにより形成され、連通機構は第1区画
及び第2区画にそれぞれ配置される。好適には、第1区画は第1室、第2室及び副室に分割され、第2室と副室との間にが第2隔離手段により区画され、第1隔離手段及び第2隔離手段は第1室又は第2室の薬液を外部から押圧することにより開放される。第1隔離手段及び第2隔離手段は樹脂フィルムが弱接着されることにより形成される。
【0013】
本発明の薬液容器は、2枚重ねた可撓性樹脂フイルムの2つの側縁部、上縁部、下縁部を強固に接着し袋状空間を形成し、該袋状空間を3つの弱シール(72、73、74)により仕切って形成される4つの室(E、V1、V2、V3)を含む。室内の薬液を輸液容器内へ送出可能な連通機構が下縁に配置され、3つの弱シール(75、73、74)は、連通機構52から遠いものほど強く接着し、遠いものほど開放するために大きな押圧力が必要であるように構成される。
【0014】
本発明の薬液容器は、ガラスやポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテンやシクロオレフィンポリマー(Cyclo Olefine Polymer(COP)、商品名 ゼオノア、日本ゼオン社製)等の熱可塑性樹脂で製することができる。本発明の薬液容器として、成形性や柔軟性に富む熱可塑性樹脂が好適に使用されるが、ビタミン剤のうち特に脂溶性ビタミン類(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE及びビタミンK)が吸着しにくい熱可塑性樹脂を用いることが好ましく、緒特性に優れた前記シクロオレフィンポリマー(商品名 ゼオノア、日本ゼオン社製)が特に好ましい。また、シクロオレフィンポリマーとポリエチレンとをTダイ押出機あるいはインフレーション成形機により2層あるいは3層に積層した多層フィルムを形成し薬液容器として使用することが好ましい。また、ポリエチレンに替えて、ポリプロピレンあるいはポリエチレンとポリプロピレンの混合組成の樹脂との多層フィルムを形成してもよい。
【0015】
本発明の連通機構としては、金属あるいは熱可塑性樹脂性の先端が鋭利な針体や、混注操作時の針刺し事故を防止するため先端が鈍角となった連通針を好適に利用できる。また、隔離手段で区画された薬液容器の各室をガラスあるいは剛性、あるいは準剛性の熱可塑性樹脂で製した場合の連通機構としては、特願2000−321487号公報記載の操作ロッドにより可動する栓体を閉鎖体として使用してもよい。更に、長さの異なる2つの菅が隣接するか、菅内部に細径の内菅を備えた2重筒形状の針体を連通機構として利用してもよい。
【0016】
本発明の薬液容器を用いて輸液容器に各薬液を混注する際、連通機構を輸液容器側の連通口部に容易に接合でき、迅速に混注操作を行なうために、連通機構が備わった薬液容器低部の剛性度を高めることが好ましい。特に、薬液を収容する各室を可撓性樹脂で構成する場合は前記低部の剛性度を薬液収容室より高く設定すると好ましい混注操作性が得られる。また、可撓性の樹脂フィルムにて複数の室を区画するにあたり、下面に針体、上面に溶着用リブが具備され、且つ内部に薬液通路を有する熱可塑性樹脂製の低部部材に前記フィルムを接着することが好ましい。この低部材が変形し難いようにその剛性が調整されていると、可撓性フィイルムの接着精度、接着スピードがあがり、また混注操作性も向上し特に好ましい態様といえる。
【0017】
本発明の薬液容器において、一つのみ連通機構を設ける場合は、連通機構に隣接する室に微量元素を含有する薬液を収容し、その室の上層に微量元素と配合変化し難いビタミンA、ビタミンD、ビタミンE及びビタミンKを含有する薬液を収容した室を弱接着した隔壁を介して設け、更に前記ビタミンA他を含有する室の上層にビタミンA、ビタミンD、ビタミンE及びビタミンK以外のビタミンB2をはじめとする水溶性ビタミン群を収容する室を弱接着した隔壁を介して設けることが好ましい。この際、弱接着された隔壁の接着強度を、上層に比べ下層側のほうが弱い押圧力で連通するように調整することにより、混注操作を開始し最初に微量元素を収容した室が輸液容器に注入され、その後にビタミンA
、ビタミンD、ビタミンE及びビタミンKを含有する薬液が微量元素を洗い出し、最後に微量元素と配合変化しやすいビタミンB2等をを含む薬液が注入されるよう区画すること
が好ましい。弱接着部の接着強度の調整は、隔壁幅や、その形状により調整可能であり、またシール時の温度、圧力、加圧時間を調整することにより制御可能である。
【0018】
本発明の薬液容器の連通機構は、混注操作前に取り外しもしくは連通機構例えば針体により開封可能な密封手段が備えられていることが好ましい。更に、本発明の隔離手段で区画された薬液容器において、各室を液密状態で分離可能ように、機械的、人為的に切断できる隔離手段としてもよい。これにより、例えば滅菌工程を終えた本発明の薬液容器を微量元素を含有する薬液を収容した室部分と、ビタミン剤を収容した室部分とをそれぞれ独立して包装することができ、輸液容器にビタミン剤のみを混注すべき場合あるいは微量元素のみを混注すべき場合の薬液容器として利用できる。本発明の薬液容器は、脱酸素剤と共に着色遮光フィルムもしくはアルミラミネートフィルムからなる酸素難透過性の外装袋に封入され最終製品とすることが好ましい。
【0019】
高カロリー輸液に混注されるべきビタミン剤としては、ビタミンA、B1、B6、B12、C、D、E、K、パントテン酸、ビオチン、ニコチン酸及び葉酸の13種類の必須ビタミンを挙げることができる。13種類のビタミンはそれぞれ薬液に調整する際、至適なpHが存在し、また同一薬液に配合するとビタミン間で配合変化することがあるので、適切な群に分離して各室に充填、収容することが好ましい。また、ビタミン剤を含有する薬液の量としては1〜5mlが好ましいが、各室には薬液とともに窒素ガス、二酸化炭素ガス等の不活性ガスを充填し操作性の良い薬液容器容量に調整することが好ましい。薬液容器の薬液収容部の容量が5ml以下と小さすぎると混注操作が困難となり、また200ml以上の容量とすると片手で混注することが困難となりかつ容器材料のコストがかさみ好ましくない。
【0020】
微量元素を含む薬液に配合される鉄供給源としては、硫酸鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄及びグルコン酸鉄を挙げることが出きる。亜鉛供給源としては硫酸亜鉛、塩化亜鉛、グルコン酸亜鉛、乳酸亜鉛、酢酸亜鉛を挙げることができる。マンガン供給源としては硫酸マンガン、銅供給源としては硫酸銅を挙げることができる。微量元素製剤の好ましい各供給源の組合せについては、特願2001−54370号に記載の表1記載の塩化第二鉄(六水和物)、塩化マンガン(四水和物)、硫酸亜鉛(七水和物)、硫酸銅(五水和物)及びヨウ化カリウムを含有することが好ましい。なお、特願2000−394260号記載の微量元素配合製剤は、肝機能障害患者用に混注する微量元素製剤としてマンガンを含有しないので薬液として好適に使用される。
【0021】
本発明の薬液容器は、総合ビタミン剤及び微量元素製剤が好適に充填、収容されるが、それに加え注射液として上市されている各種の薬剤も収容することができる。患者の状態に応じて輸液組成を変化させることができる無機質塩類剤、アルギニンやグルタミンの投与量を増加することができるアルギニンとグルタミンが配合された注射用アミノ酸製剤、大豆油などの脂肪配合注射剤及びヘパリンナトリウム注射剤などの血液凝固防止剤も収容することができる。
【0022】
ビタミン剤として配合されるビタミンCは、ビタミンCそのものであってもよく、その誘導体及びその塩であってもよい。具体的には、ビタミンC(アスコルビン酸)、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸パルミテート、アスコルビン酸ジパルミテート、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩などがあげられる。ビタミンB1としては、
従来から使用されているものは何れも使用可能であり、たとえばチアミンであってもよく、その誘導体、具体的には、プロスルチアミン、アクトチアミン、チアミンジスルフィド、フルスルチアミンなどや、それらの塩、たとえば塩酸チアミン、硝酸チアミンなどであ
ってもよい。ビタミンB1としては、従来から使用されているものは何れも使用可能であり、たとえばチアミンであってもよく、その誘導体、具体的には、プロスルチアミン、アクトチアミン、チアミンジスルフィド、フルスルチアミンなどや、それらの塩、たとえば塩酸チアミン、硝酸チアミンなどであってもよい。
【0023】
ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE及びビタミンKは、そのものであってもよく、その誘導体の形で用いてもよい。具体的には、ビタミンA及びその誘導体としては、ビタミンA1(レチノール)、ビタミンA2(3−デヒドロレチノール)、ビタミンA3(サブビ
タミンA)、レチネン(ビタミンAアルデヒド)、ビタミンA酸、パルミチン酸レチノール、酢酸レチノールなどをあげることができる。ビタミンD及びその誘導体としてはビタミンD2(エルゴカルシフェロール)、ビタミンD3(コレカルシフェロール)、ビタミンD4、プロビタミンD2(エルゴステリン)、プロビタミンD3(デヒドロコレステリン)
などをあげることができる。ビタミンE及びその誘導体としてはα−トコフェロール、酢酸トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールなどをあげることができる。ビタミンK及びその誘導体としてはビタミンK1(フィロキノン
、フィトナジオン)、ビタミンK2(ファルノキノン)、ビタミンK3(メナジオン)、ビタミンK4、ビタミンK5、ビタミンK6、ビタミンK7などをあげることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1実施例の薬液容器を示す概略平面図。
【図2】本発明の第2実施例の薬液容器を示す概略平面図。
【図3】本発明の第3実施例の薬液容器を示す概略平面図。
【図4】本発明の第4実施例の薬液容器を示す概略平面図。
【図5】本発明の第5実施例の薬液容器を示す概略平面図。
【図6】本発明の第6実施例の薬液容器を示す概略平面図。
【図7】本発明の薬液容器から薬剤を注入可能な輸液バッグを示す概略平面図。
【図8】図7の輸液バッグに組込まれる注入口本体を示す斜視図。
【図9】本発明の薬剤容器に適用可能な連通具を輸液バッグの注入口本体に取付けて示す断面図である。
【図10】本発明の第7実施例の薬液容器を示す概略平面図。
【図11】図10の連通機構の側面図。
【図12】図10の連通機構の側面図であり、図11と90度回転させた側面図。
【図13】図10の2重中空針の側断面図。
【図14】図13の2重中空針の下方から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1乃至図6は、本発明の薬液容器の第1乃至第6実施例の薬液容器を示す概略平面図であり、同様の部分又は部品には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図1の本発明の第1実施例の薬液容器10は、ビタミンB2を含有する薬液を収容する第1区画A
、鉄供給源を含有する薬液を収容する第2区画B、並びに両区画から薬液を送出するための連通機構52、53を備える。薬液容器10の第1区画A、第2区画Bは、2つの側縁部12、12、上縁部14、下縁部18、連結縁部16を備える柔軟な樹脂フィルムにより形成される。薬液容器10の連通機構52、53は、中空針、図9を参照し後述する連通具等により構成される。連通機構52、53の外表面は、使用直前まで保護カバー53で覆って無菌状態に維持される。第2区画B内の鉄供給源を含有する薬液は、亜鉛供給源、銅供給源、マンガン供給源又はヨウ素供給源を含有する。
【0026】
図2の第2実施例の薬液容器20において、図1の第1区画Aに相当する部分が、隔離手段22により、第1室A1、第2室A2及び副室28に区画されている。第1室A1と副室28の間が第1弱シール24により仕切られ、第2室A2と副室28の間が第2弱シ
ール25により仕切られる。第1弱シール24、第225は、それぞれ第1室A1又は第2室A2内の薬液を外部から押圧することにより剥離させ、各室内の薬液を副室28及び連通機構52を介し図示しない輸液容器内へ送出し輸液と混合させることができる。第2区画Bは、鉄供給源を含有する薬液を収容する。第2区画Bの薬液は、亜鉛供給源、銅供給源、マンガン供給源又はヨウ素供給源を含有させることができる。薬液容器20の第1室A1は、ビタミンB2を含有する薬液を収容する。第2室A2は、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE又はビタミンKを含有する薬液を収容する。ビタミンB12又は葉酸が、第1室又は第2室内の薬液に含有される。
【0027】
図3の第3実施例の薬液容器30において、図2の第1室A1に相当する部分が、隔離手段23により、第1小室A11、第2小室A12に区画される。第1小室A11と副室28の間が第3弱シール241により仕切られ、第2小室A12と副室28の間が第4弱シール242により仕切られる。第3弱シール241、第4弱シール242は、それぞれ第1小室A11又は第2小室A12内の薬液を外部から押圧することにより剥離可能であり、各室内の薬液を副室28及び連通機構52を介し図示しない輸液容器内へ送出し輸液と混合させることができる。第2区画Bは、鉄供給源を含有する薬液を収容する。第2区画Bの薬液は、亜鉛供給源、銅供給源、マンガン供給源又はヨウ素供給源を含有させる。
【0028】
第1小室A11はビタミンB1を含有する薬液を収容し、第2小室A12はビタミンC
を含有する薬液を収容する。ビタミンB2が第1小室A11又は第2小室A12に収容される薬液に含有される。第2室A2は、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE又はビタミンKを含有する薬液を収容する。第2区画B内の鉄供給源を含有する薬液は、亜鉛供給源、銅供給源、マンガン供給源又はヨウ素供給源を含有する。
【0029】
図4の本発明の第4実施例の薬液容器60は、2枚重ねた可撓性樹脂フイルムの2つの側縁部12、12、上縁部14、下縁部18、連結縁部16を強固に接着して袋状空間を形成し、その袋状空間を3つの弱シール72、73、74により仕切って形成される4つの室E、V1、V2、V3を有する。室Eは、鉄供給源を含有する薬液を収容すると共に、連通機構52を備える。連通機構52の外表面は、使用直前まで保護カバー53で覆われ無菌状態に維持される。室V1は、図3の第1小室A11と同様の薬液を収容し、室V2は、図3の第2小室A12と同様の薬液を収容し、室V3は、第2室A2と同様の薬液を収容する。
【0030】
図4の本発明の第4実施例の薬液容器60において、3つの弱シール72、73、74は、連通機構52から遠いものほど強く接着し、遠いものほど開放するために大きな押圧力が必要であるようにされる。弱シール72、73、74のこのような構成により、連通機構52を介し薬液容器60内の薬液を図示しない輸液容器内へ送出するとき、薬液容器60に外部から圧力を加えることにより、連通機構52に近い方の室から薬液が順次送出される。それ故、薬液容器60内における異なる室内の薬液の混合量が最少になり、混合による変化が最少となる。
【0031】
図5の第5実施例の薬液容器70は、2枚重ねた可撓性樹脂フイルムの2つの側縁部12、12、上縁部14、下縁部18、連結縁部16を強固に接着して袋状空間を形成し、その袋状空間を1つの強シール16及び2つの弱シール73、74により仕切って形成される4つの室E、V1、V2、V3を有する。室Eは、鉄供給源を含有する薬液を収容すると共に連通機構54を備える。室V1は、連通機構52を備える。連通機構52、54のそれぞれ室V1側及び室E側の端部は、弱シール75、76で覆われる。室E、V1、V2、V3は、それぞれ図4の第4実施例の薬液容器60の室E、V1、V2、V3と同様の薬液を収容する。また3つの弱シール75、73、74は、連通機構52から遠いものほど強く接着し、遠いものほど開放するために大きな押圧力が必要であるようにする。
連通機構52の端部を覆う弱シール75の剥離強度は弱シール76より大とし、室E内の薬液を他の室の薬液より先に送出可能とする。
【0032】
図6の第6実施例の薬液容器80は、図5の第5実施例の薬液容器70を一部変更したものであり、副室88を設けると共に、2つの連通機構に代え、1つの連通機構52を設けている。副室88は、空室とするか又は適当な液体又は薬剤を収容する。副室88と室Eの間は、弱シール76により区画され、副室88と室Eの間は弱シール76により区画される。その他の構造及び各室に収容する薬液は、図5の第5実施例と同様とすることができる。
【0033】
図7は、本発明の薬液容器から薬剤を注入可能な輸液バッグ(輸液容器)100を示す概略平面図であり、図8は、図7の輸液バッグに組込まれる注入口本体90を示す斜視図である。輸液バッグ100は、2枚重ねた可撓性樹脂フイルムの2つの側縁部112、112、上縁部114、及び下縁部118を強固に接着して袋状空間を形成し、その袋状空間を1つの弱シール107により仕切って形成される2つの室101、102を有する。室101、102は、周知のように輸液成分の混合変化を避けるため、アミノ酸液とブドウ糖液をそれぞれ収容する。輸液バッグの上縁114は、注入口本体90及び吊下げ穴104、105、106を備える。輸液バッグの下縁128は、保護キャップで覆われたポート112を備える。輸液バッグ内の輸液は、ポート112中の栓体を中空針で刺通し、中空針及びチューブ等を介し患者に投与される。
【0034】
注入口本体90は、4個の注入口91〜94を有する。注入口91、92は、スリットの入った栓体を備え、先端が鋭利でない一対の連通機構を受け入れることができる。注入口93、94は、スリットなしの栓体を備え、中空針のような鋭利な一対の連通機構を受け入れることができる。注入口91〜94は、汚染を防ぐため使用直前まで図示しない保護キャップにより覆われる。
【0035】
図9は、薬剤容器10の連通機構52が連通状態にされた状態の概略断面図である。図9の実施例においては、薬剤容器10側に配置される栓体151を中空の連通具144により刺通することにより連通具144内の通路142を経て薬剤容器10の内部と輸液バッグ100の第1室101とを連通する連通路が形成される。連通具144は、支持体156内を伸長し薬剤容器10内に端部141を有し、連通具144内の通路142が端部141において輸液バッグ内部と連通する。連通具144は可撓性輸液バッグの外側から手動で薬剤容器10の方へ押圧することにより、鋭利な先端145が薬剤容器10の筒状口部を閉鎖する栓体151を刺通し、連通具144の先端開口143が薬剤容器10内に位置され、薬剤容器10内と輸液バッグ100内が、開口143及び通路142を介し液体連通状態にされる。連通具144は、その外周部で支持孔114に係合し、栓体151を刺通する前後の連通具144の位置を維持するための複数のリブ146を備える。
【0036】
図9に示す薬剤容器及び輸液バッグの組立の手順を説明する。まず柔軟な輸液バッグ100の注入口本体90の注入口91へ連通機構52の幾分膨大化された端部141を挿入する。次に連通具144の鋭利な先端145を隔壁140及び栓体151を貫通して進め、先端145に隣接する先端開口143を薬剤容器10内部と連通させ、それにより、輸液バッグ100内と薬剤容器10内を、先端開口143、通路142を介し連通させる。この連通路を介し薬剤容器10内の薬剤を輸液バッグ100内へ流入させ、混合液を薬液バッグ100内に形成する。次に吊下げ用穴104〜106を利用し薬液バッグ100を点滴用架台(図示しない)に係合し薬液排出口112の栓体を中空針で穿刺し中空針及び中空針に連通されるチューブ等を介し混合薬液を患者に点滴投与する。
【0037】
図10は、本発明の第7実施例の薬液容器170を示す概略平面図である。この薬液容
器は、図5の薬液容器70とほぼ同様の構造を備え、連通機構が変更されている。薬液容器170の連通機構52は、図11及び図12に90度異なる角度から見た側面図で示すように、円板状部分51、板状突起55、二重中空針121を含む。図13は、二重中空針121の内外の中空部を偏心させたものを示す側断面面、図14は、図13の2重中空針の下方から見た平面図である。
【0038】
連通機構52の円周部分は、下縁部28を形成する樹脂フィルムの内側面に強固に接着され、板状突起55の端縁56は、連結縁部16を形成する樹脂フィルムの内側面に強固に接着される。
【0039】
本発明の薬液容器は、高カロリー輸液、アミノ酸輸液、電解質輸液、糖類輸液その他の薬液収容する輸液バッグ内へ患者に必要な少量の薬液を混注する作業を、病院において安全に且つ容易に行うことができ、また在宅医療がなされる家庭において混注作業を可能にする。本発明の薬液容器は、また混注すべき異種の薬液間の品質劣化の原因となる相互作用を排除し選択的に隔壁手段で隔離された複数の室に薬液を分離収容することができる。
【符号の説明】
【0040】
10、20、30、40:薬液容器、12:側縁部羽、14:上縁部、18:下縁部、23:隔離手段、28:副室、52:連通機構、53:保護カバー、72〜74:弱シール、A:第1区画、B:第2区画、A11:第1小室、A12:第2小室、A2:第2小室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビタミンB2及び鉄供給源を含有する輸液製剤用薬液であって、該薬液は輸液製剤に使
用前に注入されるものであり、複数の室を備える容器に収容され、第1区画にビタミンB2を含有する薬液が収容され、第2区画に鉄供給源を含有する薬液が収容され、該鉄供給
源を含有する薬液は、亜鉛供給源、銅供給源、マンガン供給源又はヨウ素供給源を含有するものである輸液製剤用薬液。
【請求項2】
鉄供給源を含有する薬液が、銅供給源を含有するものである請求項1記載の輸液製剤用薬液。
【請求項3】
鉄供給源を含有する薬液の、鉄供給源が、硫酸鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄及びグルコン酸鉄から選ばれ、銅供給源が硫酸銅である請求項2記載の輸液製剤用薬液。
【請求項4】
鉄供給源を含有する薬液が、塩化第二鉄(六水和物)、塩化マンガン(四水和物)、硫酸亜鉛(七水和物)、硫酸銅(五水和物)及びヨウ化カリウムを含有する請求項3記載の輸液製剤用薬液。
【請求項5】
第1区画の薬液が、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB12又は葉酸をさらに含有する請求項1〜4のいずれかに記載の輸液製剤用薬液。
【請求項6】
高カロリー輸液、アミノ酸輸液、電解質輸液、糖類輸液その他の輸液製剤を収容する輸液バッグ内へ、患者に必要な薬液を混合する方法において、ビタミンB2を含有する薬液
を収容する第1区画(A)及び鉄供給源を含有する薬液を収容する第2区画(B)のそれぞれから薬液を輸液バッグ内へ送出することを特徴とする方法。
【請求項7】
鉄供給源を含有する薬液が、銅供給源を含有するものである請求項6記載の輸液製剤と薬液の混合方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−49689(P2013−49689A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−234522(P2012−234522)
【出願日】平成24年10月24日(2012.10.24)
【分割の表示】特願2008−97738(P2008−97738)の分割
【原出願日】平成14年1月31日(2002.1.31)
【出願人】(000000066)味の素株式会社 (887)
【Fターム(参考)】