農作業機の変速操作構造
【課題】 操向操作される前車輪より後方にエンジンを配備し、操向不能な後車輪を装備したミッションケースと前記エンジンとを連動連結し、前記ミッションケースから取り出した走行動力を前記前車輪に伝達するよう構成するとともに、機体後部に作業装置を駆動昇降自在に連結した農作業機において、前方見通しが良好で運転しやすい特徴を活かしながら他物との接触無く軽快に変速操作できるようにする。
【解決手段】 ミッションケースに備えた変速機構を操作する変速レバー91を、操縦ハンドル11を支持したステアリング軸83と平行に近接配備した変速操作軸90を介して縦軸心g回りに揺動操作可能に操縦ハンドル11の近傍に配備するとともに、変速操作軸90と変速機構の変速操作部とを連動連結してある。
【解決手段】 ミッションケースに備えた変速機構を操作する変速レバー91を、操縦ハンドル11を支持したステアリング軸83と平行に近接配備した変速操作軸90を介して縦軸心g回りに揺動操作可能に操縦ハンドル11の近傍に配備するとともに、変速操作軸90と変速機構の変速操作部とを連動連結してある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型の乗用田植機などの農作業機に用いる変速操作構造に関する。
【背景技術】
【0002】
小型の乗用田植機としては、例えば、特許文献1に開示されているように、操向操作される前車輪より後方にエンジンを配備し、操向不能な後車輪を装備したミッションケースとエンジンとを連動連結し、ミッションケースから取り出した走行動力を前車輪に伝達するよう構成するとともに、機体後部に苗植付け装置(作業装置)を駆動昇降自在に連結し、
かつ、ミッションケースに備えた変速機構を操作する変速レバーを足元前方に立設して、操縦ハンドルの下方近傍において前後に揺動操作するよう配備したものが知られている。
【特許文献1】特開2004−180632号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記機体構成の乗用田植機は、運転座席の前方に大きいエンジンボンネットがないので、前方見通しが良好で運転しやすい特徴を有するものであるが、変速レバーがステップ上で上下に長く露出しているために、その分、他物に接触しやすいものとなっており、作業者が操縦ハンドル周りを移動する際に変速レバーに接触して不用意に操作してしまうおそれもあった。
【0004】
また、このような不具合をなくすために、変速レバーをカバーで覆って他物に接触しないようにすることも考えられるが、ステップ近くを支点にして揺動操作される変速レバーを囲繞するカバーが大きいものとなり、運転座席前方の構造物を小さくした上記利点を損なうことになる。
【0005】
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、前方見通しが良好で運転しやすい特徴を活かしながら他物との接触無く操作することのできる変速操作構造を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、操向操作される前車輪より後方にエンジンを配備し、操向不能な後車輪を装備したミッションケースと前記エンジンとを連動連結し、前記ミッションケースから取り出した走行動力を前記前車輪に伝達するよう構成するとともに、機体後部に作業装置を駆動昇降自在に連結した農作業機において、
前記ミッションケースに備えた変速機構を操作する変速レバーを、操縦ハンドルを支持したステアリング軸と平行に近接配備した変速操作軸を介して縦軸心周りに揺動操作可能に操縦ハンドルの近傍に配備するとともに、前記変速操作軸と前記変速機構の変速操作部とを連動連結してあることを特徴とする。
【0007】
上記構成によると、変速レバーの操作力をステアリング軸と平行に配備した変速操作軸を介して伝達し、この変速操作軸とミッションケースに備えられた変速機構を連動連結する変速操作構造を構成することができる。この場合、変速操作軸はステアリング軸と平行な一定姿勢に立設されたままで姿勢変化しないので、変速操作軸が前方視界を妨げることはない。
【0008】
従って、第1の発明によると、前方見通しが良好で運転しやすい特徴を活かしながら他物との接触無く操作することのできる変速操作構造を構成することができた。
【0009】
第2の発明は、上記第1の発明において、
前記ミッションケースに前記変速操作軸と略並行な縦向き軸心周りに回動自在な中間軸を配備し、この中間軸を介して変速操作軸と前記変速機構の変速操作部とを連動連結してあるものである。
【0010】
上記構成によると、例えば、変速操作軸のアームと中間軸のアームとをロッドなどで連動連結することで、変速操作軸の回動操作力を中間軸に効率よく伝達することができ、操作抵抗の少ない軽快な変速操作系を構成することができる。
【0011】
第3の発明は、上記第1または2の発明において、
前記操縦ハンドルの下方に前記変速レバーの操作位置視認用のレバーガイドを設けるとともに、このレバーガイドを操縦ハンドルの外径内に配備してあるものである。
【0012】
上記構成によると、操縦ハンドルのループ内空間を通してレバーガイドを見通すことで変速操作位置を容易に確認することができるものでありながら、レバーガイドが邪魔になることがなく、操作性の向上に有効となる。
【0013】
第4の発明は、上記第3の発明において、
前記レバーガイドの前側端縁を機体中心線に一致させてあるものである。
【0014】
上記構成によると、着座した運転者がレバーガイドの前側端縁をセンター照準に利用することができ、機体前端中央に立設するセンター照準を省略することができる。
【0015】
第5の発明は、上記第3または4の発明において、
前記レバーガイドに前記変速レバーの操作可能域を制限する牽制金具を、牽制作用位置と牽制解除位置とに切換え可能に装着してあるものである。
【0016】
上記構成によると、通常の作業走行を行う際の変速操作域は全操作域に比べて小さいものであるので、作業走行時には牽制金具を牽制作用位置に切換えておくことで、誤って不必要な変速位置に操作してしまうことなく、少ないレバー移動で速やかな変速操作を行うことができ、また、非作業走行時には全変速域を使っての任意の走行を行うことができ、走行形態に合わせた変速を的確に行うことができる。
【0017】
第6の発明は、上記第5の発明において、
前記牽制金具が牽制作用位置にある状態では、中立位置と作業用の前進位置と後進位置との範囲で前記変速レバーの変速操作が許容され、牽制金具が牽制解除位置にある状態では、作業用の前記前進位置より前方の低速の前進位置を含む全域で変速レバーの変速操作が許容されるように構成してあるものである。
【0018】
上記構成によると、上記第5の発明を好適に実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1に、本発明に係る農用作業機の一例である乗用田植機の全体側面が、また、図2に、その全体平面がそれぞれ示されている。この乗用田植機は、操向自在な前車輪1と操向不能な後車輪2を備えた四輪駆動型の走行機体3の後部に、単動型の油圧シリンダ4で上下に揺動駆動される四連リンク機構5を介して3条植え仕様の苗植付け装置(作業装置)6が昇降可能に連結されている。走行機体3の後部にエンジン7が搭載配備されるとともに、エンジン7および走行機体3を上方から覆うステップ8が脱着自在に設けられ、この、ステップ8における後方隆起部の左右中央部位に運転座席9が設けられ、この運転座席9の左右横側には左側に2枚、右側に1枚の予備苗を載置収容する予備苗のせ台100が配備され、また、走行機体3の前端部に立設されたセンターポスト10の上部に操縦ハンドル11が配備された構造となっている。
【0020】
前記苗植付け装置6には、3条分のマット状苗を並列載置して一定ストロークで往復横移動する苗のせ台12、この苗のせ台12の下端から1株分づつ苗を切り出して田面に植付けてゆく3組のクランク式の植付け機構13、田面の植付け箇所を均平整地する整地フロート14、等を備えられている。後支点p周りに上下揺動自在な前記整地フロート14と前記油圧シリンダ4の作動を司る後述する制御バルブ15とが機械的に連動連結され、整地フロート14の上下揺動変位に基づいて制御バルブ15が操作されて、走行機体3の浮沈や前後傾斜にかかわらず苗植付け装置6を田面に対して設定された高さに安定維持し、もって、植付け深さを一定に維持する植付け深さ自動制御が行われるようになっている。
【0021】
図3に示すように、前記走行機体3は、太いパイプ材からなる主フレーム20の後端に、後車輪2を軸支したミッションケース21が連結されるとともに、主フレーム20の前端に、前車輪1を装備した前車軸ケース22が連結された構造となっており、主フレーム20はミッションケース21からの走行動力を前車軸ケース22に伝達する前輪駆動軸23が挿通される動力伝達ケースとしての機能を備えている。
【0022】
図5に示すように、前記エンジン7は、左側面に出力軸16が突出された空冷式のガソリンエンジンが使用されており、シリンダ軸心が後傾斜したかさ低い姿勢で主フレーム20とミッションケース21とに亘って防振支持されるとともに、マフラ18がエンジン左横側に後下がりの傾斜姿勢で装備されて排気が機体の後方下方に向けて排出されるようになっている。そして、前記出力軸16とミッションケース21の左側面に突設された入力軸17とが伝動ベルト25を介して巻掛け連動されるとともに、出力軸16とミッションケース21の前部に左右水平に貫通支承したポンプ駆動用の回転軸26とが補助伝動ベルト27を介して巻掛け連動されている。なお、エンジン7におけるクランクケースの下端後面にドレンプラグ33が配備され、シリンダ部下方の空間から排油操作できるようになっている。
【0023】
主伝動用の前記伝動ベルト25は出力プーリ16aと入力プーリ17aに亘って巻回されるとともにテンション機構28で緊張され、また、補助伝動ベルト27は、出力プー16bと入力プーリ28aに亘って巻回されるとともにテンション機構29で緊張されている。両テンション機構28,29は、共通の支点軸30周りに揺動可能に支持したテンションアーム31,32をそれぞれテンションバネ66,67によって付勢揺動して、伝動及び補助伝動ベルト25,27を押圧緊張するよう構成されており、支点軸30およびテンションバネ66,67固定端を支持する共通のバネ受け部材としてボルト68がそれぞれエンジン7の左側面に取付けられている。ここで、バネ受け部材としてのボルト68はネジ部が長く露出するものが用いられており、このネジ部にテンションバネ66,67の固定側端部が左右にずれ動くことなく係止支持されるようになっている。
【0024】
前記テンション機構28はミッションケース21への動力伝達を断続するテンション式の主クラッチとして機能するものであり、テンションアーム31がステップ8の右側前方の足元に配備された停止ペダル19にリンク機構55を介して連動されている。そして、停止ペダル19を踏み込み操作するとテンションアーム31がテンションバネ66に抗して弛緩側に揺動操作されて、ミッションケース21への動力伝達が遮断され、走行および植付け装置6の駆動が停止される。他方、ポンプ駆動系のテンション機構29は常に補助伝動ベルト27を緊張するものであり、ペダル操作によって主クラッチが切り操作されても、エンジン7が運転されている間はポンプ駆動が持続されて油圧シリンダ4を駆動作動させることができるようになっている。なお、テンションアーム31には伝動ベルト25に近接するベルト押え片31aが折り曲げ形成されており、テンションアーム31が上方に揺動操作される主クラッチ切り作動の際、伝動ベルト25をベルト押え片31aで受け止め支持することで、弛緩した伝動ベルト25が出力プーリ16aから確実に浮き上げられて共回りすることが防止されるようになっている。
【0025】
ここで、エンジン7の出力軸16は、クランク軸7aに対して2分の1に減速されて回転するカム軸が利用されており、これによってミッションケース内での減速負担が軽減されている。また、出力軸16がクランク軸7aよりも機体後方に位置されており、これによって出力軸16と入力軸17との軸間距離が短縮化され、ベルト伝動構造の小型化が図られている。また、エンジン7の出力軸16をカム軸としたことで、伝動ベルト25および補助伝動ベルト27の張り側がベルト巻回径路の下側となり、大きい負荷張力を受けるベルト張り側がエンジン7における高熱部であるシリンダ部から下方に大きく離れて位置することで、伝動ベルト25および補助伝動ベルト27が高温雰囲気に晒されて早期に伸びることが回避されている。
【0026】
図7に示すように、エンジン7の上部には気化器70に連動連結された調速レバー71が縦軸心e周りに揺動可能に装着されるとともに、この調速レバー71に連係バネ72を介して連動連結されたアクセルレバー73が、エンジン7上面に備えたブラケット74に縦向き支点f周りに揺動可能、かつ、支点部における摩擦で任意の操作位置に保持可能に配備されている。
【0027】
図6に示すように、エンジン7の右側面にはリコイル始動装置を内装した冷却風導入ケース75が備えられている。この冷却風導入ケース75の前部から下向きに導出された始動ロープ76が案内ローラ77介して上方に巻回案内され、そのロープ端に備えた操作ノブ78が運転座席9の右外側下方に露出配備されており、着座した姿勢で楽に操作ノブ78を引き操作することができるようになっている。なお、詳細な構造は省略するが、停止ペダル19を踏み込んだ状態でのみ操作ノブ78の引き操作が許容されるように構成して、エンジン始動のとたんに走行機体3が発進移動することが未然に回避されるようになっている。
【0028】
図15に示すように、補助伝動ベルト27を介して常時駆動される前記回転軸26はミッションケース21の右側面に連結した制御バルブ15のケーシング15aに挿入され、ケーシング15aの左側面に埋設配備したトロコイド型の油圧ポンプ79に連結されており、油圧ポンプ79からの吐出油がケーシング15aの内部に形成された油路aに送出され、かつ、制御バルブ15のシリンダポートc(図5参照)と前記油圧シリンダ4とが配管接続されている。
【0029】
前記油圧ポンプ79はミッションケース21に貯留された潤滑油を作動油としており、その吸入油路bがミッションケース21の右側壁内に形成されるとともに、図6中に示すように、その吸入油を浄化するオイルフィルタ80がミッションケース21の前部に下方から挿抜可能に取り付けられている。
【0030】
図12〜14に、前記ミッションケース21の内部構造が示されている。前記入力軸17に伝達されたエンジン動力は先ず走行系と作業系に分岐され、走行系動力はギヤ式の変速機構34によって前進3段、後進1段に変速されて変速軸35に伝達された後、横長のカウンター軸36にギヤ伝達され、さらに、このカウンター軸36から左右のサイドクラッチ37およびギヤ減速機構38を介して左右の車軸39に伝達されるとともに、カウンター軸36の中間部位から前記前輪駆動軸23に前輪駆動動力が取り出されるようになっている。なお、前記変速機構34は、変速軸35に内装したシフト軸40を軸心方向にシフト操作して、前進用の3組の常噛みギヤ対、および、後進用の1組の常噛みギヤ対のいずれか一つにキー40aを選択咬合させることで前進3段、後進1段の変速を行うよう構成されている。
【0031】
図8に示すように、前記ミッションケース21は、前記主フレーム20の後端に連結されるケース本体21Aと、このケース本体21Aの左右端に脱着自在にボルト連結される左右のカバーケース21Bとから構成されるとともに、ケース本体21A自体も左右の分割ケース部分21Aa,21Abを接合してボルト連結した構造となっている。そして、左右のカバーケース21Bによって前記カウンター軸36の両端が支承されるとともに、各カバーケース21Bに左右の車軸39がそれぞれ挿通支承されている。
【0032】
また、入力軸17で分岐された作業系動力は、トルクリミッタ41を介して中間軸42にギヤ伝達された後、ケース外側に形成されたギヤ室43においてギヤG1,G2を介して植付け伝動軸44に伝達され、この植付け伝動軸44から植付けクラッチ45を介して後ろ向きのPTO軸46に取り出され、伸縮伝動軸47を介して苗植付け装置6に伝達されるようになっている。なお、前記ギヤ室43のカバー48を開いてギヤG1,G2を入れ替え、あるいは、交換することで、走行系に対する作業系の速度比を変更設定して、苗植付け装置6における走行方向での植付けピッチ(株間)を変更調節することが可能となっている。
【0033】
図3中に示すように、前車軸ケース22にはデフ機構は装備されておらず、伝達された動力は前車軸ケース22に挿通された横向き伝動軸49を介して左右に分岐され、左右の前車輪1が常に等速で駆動されるようになっている。また、前車軸ケース22の入力部位には前記横向き伝動軸49に作用する多板式のブレーキ50が装備されている。このブレーキ50は前記停止ペダル19にリンク連動されており、停止ペダル19を踏み込むことでテンション機構(主クラッチ)28が切り操作されるとともにブレーキ50が制動操作されるようになっている。なお、停止ペダル19にはペダルアームを延長した操作レバー19aが備えられており、地上に降りて運転する場合でも、この操作レバー19aを持って停止ペダル19を押し下げ操作して走行を停止させることが可能となっている。また、停止ペダル19の近傍には、この停止ペダル19を踏み込み操作位置で係止固定する駐車レバー48が配備されている。
【0034】
図5,6に示すように、前記主フレーム20に横架連結した前部ステー20aの左右端とミッションケース21の後部左右箇所に設けた取付け座51とに亘って、丸パイプ材をアーチ形に屈曲してなる左右一対のフレーム杆52が架設固定され、板金プレス加工されてなる前記ステップ8の後部がフレーム杆52の上部に載置連結されている。
【0035】
また、ミッションケース21は、前記四連リンク機構5の前端部を支持する部材としても機能している。つまり、前記四連リンク機構5は、左右一対のロアリンク5aとアッパリンク5bとの前端をミッションケース21に枢支連結するとともに、ロアリンク5aとアッパリンク5bとの後端を縦リンク5cで枢支連結して平行四連リンク構造に構成されたものであり、アッパリンク前端の連結点dとロアリンク後部とに亘って架設した前記油圧シリンダ4を伸縮作動させることで、縦リンク5cに連結した前記苗植付け装置6を平行に昇降することができるようになっている。
【0036】
ここで、図8に示すように、四連リンク機構5を構成する左右のロアリンク5aの前端には支点軸53が貫通して溶接固定され、ロアリンク5aから左右に突設された支点軸53がケース本体21Aを構成する左右の分割ケース部分21Aa,21Abから突設された支点ボス部54に内側から嵌入支持されている。そして、左右の分割ケース部分21Aa,21Abが接合連結された状態において、左右のロアリンク5aの外側面の間隔が左右支点ボス部54の内向き端面の間隔より僅かに小さく設定されており、左右のロアリンク5aの外側面が左右の支点ボス部54の内向き端面に接当することで四連リンク機構5全体の横移動が規制されるようになっている。
【0037】
図9に示すように、板金プレス構造のステップ8は、その後方がエンジン7を越える高さまで隆起されるとともに、この後方隆起部8aの左右中央部位にエンジン7およびフレーム杆52の一部が挿通される開口56が形成され、かつ、この開口56は、脱着可能に係止連結されたカバー57で閉塞されている。そして、前記フレーム杆52から延出された左右一対の連結金具58がカバー57に形成されたスリット59を通して上方に突出され、この連結金具58に前記運転座席9が前後に回倒可能、かつ、前後位置変更可能にピン連結されている。なお、着座姿勢に回倒された運転座席9は隆起部8aの上面に取付けられた左右のクッションバネ60によって弾性的に受止め支持されるようになっている。なお、ステップ8の床面中央部には補強用のリブ8bが隆起形成されるとともに、床面左右部には乗降時の滑り止めのために上向きにバーリング処理された打ち抜き8c群が形成されている。
【0038】
ステップ8における後方隆起部8aの右側には、苗植付け装置6の昇降と苗植付け装置6への動力断続を行う昇降レバー61、前記植付け深さ自動制御の感度を調節する感度調節レバー62、および、油圧シリンダ4の伸長作動を油圧ロックして阻止する下降ロックレバー63が突出されるとともに、カバー57の右横側からは前記アクセルレバー73が突設されている。また、ステップ8における後方隆起部8aの後部には矩形の開口64が形成され、フレーム杆52に連結支持された燃料タンク65の上半部が開口64から上方に突出されている。
【0039】
ステップ8の前端における左右中央部位は前方に解放された凹部8dが形成されており、走行機体3の前端部に立設された前記センターポスト10が上下に挿通されることで凹部8dが閉塞されるようになっている。
【0040】
図4に示すように、前記センターポスト10は、板金材で形成された剛性の高い半割り筒状の主部10Rと樹脂材で形成されたフロントカバー部10Fとから構成されており、主部10Rの下端が前車軸ケース22から前方に突設された鋳造製のブラケット81にボルト締め固定されるとともに、この主部10Rの前部にフロントカバー部10Fが脱着可能に係止連結されるようになっている。なお、前記ブラケット81は走行機体3の前後重量バランスをとるためのフロントウエイトとしの機能を備えており、ブラケット81の前端突出部がフロントカバー部10Fの下方延長部で前方から覆い隠されている。
【0041】
センターポスト10の内部には、ブラケット81から立設された丸パイプ製のハンドルポスト82が配備され、このハンドルポスト82の上端部がセンターポスト10の主部10Rに連結され、もってハンドルポスト82の立設強度が高められている。そして上端に前記操縦ハンドル11を連結したステアリング軸83がハンドルポスト82に挿通支持されるとともに、ステアリング軸83の下部が前記ブラケッ81に貫通支持され、ステアリング軸83の下端に一体形成されたピニオンギヤ84が、ブラケット81の下方に回動自在に軸支された大径のセクトギヤ85に咬合され、図4に示すように、このセクトギヤ85と左右の前車輪1を操向回動するナックルアーム86とがタイロッド87で連動連結されて前車輪操向用のステアリング機構88が構成されている。
【0042】
また、図3に示すように、前記セクトギヤ85から後方に延出された左右一対の操作ロッド89が左右のサイドクラッチ37の操作軸37aにそれぞれ連係されており、セクトギヤ85が回動操作されて前車輪1が直進位置から左方あるいは右方に設定角度(例えば30°)以上に操向されると、これに連動して旋回内側となる後車輪2のサイドクラッチ37が自動的に切り操作され、操向された左右の前車輪1と旋回外側の一方の後車輪2との3輪駆動状態での小回り旋回が行われるようになっている。なお、図12中に示すように、左右の前記サイドクラッチ37を入り切りする操作軸37aはミッションケース21に貫通装着されるとともに、ミッションケース21にボルト連結した共通の当て板115によって抜け出し不能に支持されている。
【0043】
センターポスト10の内部には、変速操作軸90がハンドルポスト82に沿う縦軸心g周りに回動自在に配備されており、この変速操作軸90の上端部を左横側方に屈曲して形成した変速レバー91が、センターポスト10の上端に備えたレバーガイド92の外周から突出されている。そして、変速操作軸90の下端部とミッションケース21における変速機構34の変速操作部とが、エンジン7の下方空間において前後向きに配備され連係部材としての押し引きロッド93を介して以下のように連動連結されている。
【0044】
つまり、図5に示すように、ミッションケース21の左側部には変速操作軸90の軸心gと略平行な縦向きの支点h周りに回動自在な中間操作軸94(中間軸に相当)が装備され、この中間操作軸94の上端に固着した操作レバー94aと変速機構34における前記シフト軸40の外方端部とが連結され、かつ、中間操作軸94の下端屈曲部94bと前記変速操作軸90の下端部から突設した操作アーム90aとに亘って前記押し引きロッド93が架設され、変速レバー91を縦向き軸心g周りに回動操作して変速操作軸90を回動させると、押し引きロッド93を介して中間操作軸94が回動されてシフト軸40が左右に押し引き操作されるようになっている。ここで、変速レバー91を最前方位置から後方に揺動操作ことで、非作業時の移動走行に用いる前進3速(「移動」)、主として畦越えなどの低速走行に用いる前進1速(「畦越」)、通常の植付け走行に用いる前進2速(「植付」)、中立(「N」)、および、「後進」が順次得られるようになっている。
【0045】
また、図10,11に示すように、レバーガイド92の上面には変速レバー91の操作域を制限する牽制金具95が備えられている。この牽制金具95は、丸棒材を逆U形に屈曲して構成されたものであり、その前端支点軸95aがレバーガイド92に回動可能および上下スライド可能に貫通されるとともに、その貫通部に装着した圧縮コイルバネ96によって牽制金具95が下方にスライド付勢されている。牽制金具95は前端支点軸95aまわりに回動することで、その後端を屈曲して形成した牽制作用部95bがレバーガイド92に形成された孔97に貫通してガイド下方へ大きく突出する牽制位置と、牽制作用部95bがレバーガイド92の上面に形成された凹部98に支持されてガイド下方への突出が阻止された牽制解除位置とに切換え回動可能となっており、牽制位置では牽制作用部95bが変速レバー91の揺動操作径路に干渉することで、変速レバー91が「植付」と「後進」の範囲でのみ操作可能となり、また、牽制金具95を圧縮コイルバネ96に抗して持上げて牽制作用部95bを孔97から抜き出して牽制解除位置に移動させることで、変速レバー91が「移動」から「後進」までの全域で操作可能となる。
【0046】
なお、牽制金具95の前端支点軸95aに貫通装着されたバネ受け用のベータピン99は、牽制金具95の長手方向に沿った方向から前端支点軸95aに挿通装着されることで、ベータピン99に受け止められた圧縮コイルバネ96が牽制金具95に対して直交した姿勢に安定保持されて、牽制金具95が適正に下方にスライド付勢されるようになっている。
【0047】
また、図2中に示すように、前記レバーガイド92は、その前側の端縁mが機体中心線xと一致するよう固定され、着座した運転者がレバーガイド92の前側端縁mをセンター照準に利用できるよう構成されている。
【0048】
図16,17に、前記制御バルブ15の操作構造が示されている。この制御バルブ15には流路切換え用のスプール101が前後スライド可能に組み込まれ、その前端がケーシング15aから突出されている。このスプール101は、前方突出位置から後方に押し込み変位するにつれて「下降」,「中立],「上昇」に順次切換えられるものであり、内装バネによって前方の「下降」位置がわに向けてスライド付勢されている。そして、制御バルブ15におけるケーシング15aの前部に、前記スプール101を整地フロート14の上下揺動変位に基づいて操作する自動操作アーム102と、スプール101を手動で任意に操作する手動操作アーム103とが配備されている。そして、ケーシング15aの前端下部には横向きの支点ボス104が一体形成されており、この支点ボス104に挿通した支点軸105に前記自動操作アーム102が回動可能に遊嵌支持されるとともに、支点軸105に前記手動操作アーム103が溶接固定されている。
【0049】
自動操作アーム102にはスプール101の先端に接当する横向きの操作ピン102aが装着されるとともに、苗植付け装置6から延出されてきたセンサワイヤ106におけるインナ前部106iの先端が自動操作アーム102の上端に連結されている。センサワイヤ106は、そのアウタワイヤ106oの前端部が前記感度調節レバー62の下端部に連結支持されており、前記整地フロート14が基準位置から上方に揺動変位するとインナ前部106iが後方に引き操作され、また、整地フロート14が基準位置から下方に揺動変位するとインナ前部106iが弛められるように装着されている。
【0050】
従って、苗植付け装置6が田面に対して所定の高さにあると整地フロート14が前記基準位置にあり、この時、前方に突出付勢されたスプール101は自動操作アーム102の操作ピン102aに受け止め支持されて「中立」Nに保持される。走行機体3が耕盤の凹凸によって沈下したり後下がり姿勢すると、苗植付け装置6が田面に対して沈下しかかって整地フロート14の接地圧が大きくなり、整地フロート14が基準位置から上方に揺動変位してセンサワイヤ106のインナ前部106iが後方に引かれ、自動操作アーム102の後方への揺動によってスプール101が操作ピン102aを介して後方の「上昇」U側に押し込み操作され、油圧シリンダ4が圧油供給によって短縮作動して苗植付け装置6が上昇され、整地フロート14が元の基準位置に復帰すると上昇作動が停止する。また、走行機体3が耕盤の凹凸によって持上げられたり後上がり姿勢すると、苗植付け装置6が田面に対して浮上しかかって整地フロート14の接地圧が小さくなり、整地フロート14が基準位置から下方に揺動変位してセンサワイヤ106のインナ前部106iが弛められ、自動操作アーム102の前方への揺動が許容されることでスプール101が付勢力によって前方の「下降」D側に突出変位し、油圧シリンダ4が排油によって伸長作動して苗植付け装置6が自重下降され、整地フロート14が元の基準位置に復帰すると下降作動が停止する。このように、整地フロート14の姿勢を基準位置に安定維持することで苗植付け装置6の田面に対する高さを一定範囲に維持して植付け深さを安定化することができるのである。
【0051】
なお、前記感動調節レバー62を揺動調節すると、センサワイヤ106におけるアウタワイヤ106oの前端が前後に位置調節されることになり、これによって制御バルブ15が「中立」にある時の整地フロート14の前記基準位置が変更される。つまり、感動調節レバー62を前方に操作するほどアウタワイヤ106oの前端固定位置が後方に変更され、これによって整地フロート14の前記基準位置が前下がり方向に変更され、小さい接地圧増大でも整地フロート14が上方変位しやすくなる状態がもたらされ、制御感度が敏感になる。逆に、感動調節レバー62を後方に操作するほどアウタワイヤ106oの前端固定位置が前方に変更され、これによって整地フロート14の前記基準位置が前上がり方向に変更され、接地圧が大きく増大しないと整地フロート14が上方変位しなくなる状態がもたらされ、制御感度が鈍感になる。従って、田面が軟弱な場合には感動調節レバー62を前方に操作して制御感度を敏感にし、また、田面が硬い場合には感動調節レバー62を後方に操作して制御感度を鈍感にして使用する。
【0052】
前記支点軸105は前記昇降レバー61の基部を屈曲して形成されたものであり、昇降レバー61を前後に揺動操作することで、前記手動操作アーム103をレバー操作方向と同方向に揺動させて、自動操作アーム102の操作ピン102aを前方から接当操作するようになっている。ここで、手動操作アーム103には外周に4個の凹部107を形成したデテント板108が一体連設されており、ミッションケース21の右側面に枢支されるとともにバネ109で揺動付勢されたアーム110の先端デテントローラ111を凹部107のいずれかに弾性係入させることで昇降レバー61を4つの操作位置「植付」,「下降」,「中立」,「上昇」に切換え保持することができるようになっている。
【0053】
昇降レバー61が図示された「中立」位置にあると、手動操作アーム103は操作ピン102aを介してスプール101を「中立」に接当保持することになり、苗植付け装置6は任意の高さに保持される。
【0054】
昇降レバー61を「上昇」位置に切換えると、手動操作アーム103が操作ピン102aを介してスプール101を「上昇」に接当移動させることになり、苗植付け装置6は駆動上昇される。なお、昇降レバー61の操作によって上昇された苗植付け装置6が所定の上限位置に到達すると、自動的に昇降レバー61が「中立」に戻されて上昇が停止するようになっている。つまり、前記四連リンク機構5のアッパリンク5bの基部から牽制アーム112が起立され、この牽制アーム112の先端から前方に向けて延出した牽制ロッド113が前記自動操作アーム102の上部に挿通されており、アッパリンク5bが所定の高まで上昇揺動すると、牽制ロッド113に装着したストッパピン114が「上昇」位置の自動操作アーム102を前方に押し戻し、自動操作アーム102に操作ピン102aを介して前方から接当されている手動操作アーム103および昇降レバー61が「中立」まで移動されるのである。
【0055】
昇降レバー61を「下降」位置に切換えると、手動操作アーム103は操作ピン102aの作動範囲から前方に離れた位置にあり、自動操作アーム102が上記のように整地フロート14の上下揺動変位に基づいて揺動作動する自動昇降制御状態が得られ、苗植付け装置6が田面より浮上上昇されている状態で昇降レバー61を「下降」位置に操作すると、苗植付け装置6は田面に接地するまで下降されることになる。
【0056】
また、昇降レバー61を「植付」位置に切換えると、手動操作アーム103は操作ピン102aの作動範囲から更に前方に大きく離れた位置に移動して上記自動昇降制御状態となる。
【0057】
ここで、昇降レバー61が「植付」位置にある時のみ前記植付けクラッチ45が入り操作されて苗植付けが可能となり、昇降レバー61が「下降」,「中立],および、「上昇」のいずれの位置に操作されていても植付けクラッチ45が切り操作されるようになっている。
【0058】
つまり、図6,7,16に示すように、ミッションケース21の右側面には前記植付けクラッチ45を操作するクラッチ操作軸116が左右スライド可能に装備されるとともに、このクラッチ操作軸116を出退操作するベルクランク状のクラッチ操作レバー117が縦向き支点i周りに回動可能に装備されており、このクラッチ操作レバー117の一端から前方に延出された操作ロッド118の前端が、昇降レバー61と一体揺動する前記デテント板108に形成したスリット119に後方から係入されている。
【0059】
前記植付けクラッチ45は入り付勢されており、クラッチ操作軸116が抜き出し操作されるとクラッチ入り状態にあり、クラッチ操作軸116が突入操作されると所定回転位相においてクラッチ切り操作される周知の定位置停止構造が採用されており、かつ、クラッチ操作レバー117は支点に備えたねじりバネ120によってクラッチ切り方向に回動付勢されている。従って、昇降レバー61が「下降」,「中立],および、「上昇」の各位置にある時には前記操作ロッド118の先端はスリット119の範囲内にあり、クラッチ操作レバー117によってクラッチ操作軸116はクラッチ切り位置に突入操作されているが、昇降レバー61が「植付」位置に操作されると、デテント板108の後方回動に伴ってスリット119の前端が操作ロッド118の先端を後方に押圧し、これによってクラッチ操作レバー117が回動付勢力に抗してクラッチ入り方向に回動され、クラッチ操作軸116が抜き出し操作されて植え付けクラッチ45が入り状態になるのである。
【0060】
図17〜19に示すように、前記下降ロックレバー63は制御バルブ15の上面に突設した縦向きの操作軸121にボル連結されており、油路を開放して油圧シリンダ4の伸縮を許容する「開」位置と、油路を閉じて油圧シリンダ4の伸長作動(下降)を油圧ロックする「閉」位置とに切換え回動可能に構成されるとともに、この下降ロックレバー63を両操作位置に切換え保持するデテント構造がレバー基部に備えられている。
【0061】
つまり、前記操作軸121にはバネ線材を屈曲してなるデテント部材122が下降ロックレバー63と共締め固定されおり、このデテント部材122に形成された片持ちアーム部122aがバルブ上面に突設されたボス部123の外周に当て付けられている。ボス部123の外周には所定の角度をもって二つの扁平なカム面S1,S2が形成されており、デテント部材122の片持ちアーム部122aはこれらカム面S1,S2のいずれかに受け止め支持されることで下降ロックレバー63が「開」位置あるいは「閉」位置で安定保持され、また、下降ロックレバー63を回動操作すると片持ちアーム部122aが両カム面S1,S2の交差する頂部を弾性変形しながら通過してデッドポイント越え作動するようになっている。
【0062】
〔他の実施例〕
前記変速機構34としては、上記のようにミッションケース21に内装したギヤ式のものの他に、ミッションケース21の側面に装着した油圧式無段変速装置、あるいは、エンジン7とミッションケース21との巻き掛け伝動系に装備したベルト式無段変速装置、などの任意の変速機構を利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】乗用田植機の全体側面図
【図2】乗用田植機の全体平面図
【図3】走行系の平面図
【図4】操向操作部の縦断側面図
【図5】機体後部の左側面図
【図6】機体後部の右側面図
【図7】機体後部の平面図
【図8】機体後部の背面図
【図9】ステップの分解斜視図
【図10】変速レバー操作部の平面図
【図11】変速牽制構造を示す縦断側面図
【図12】伝動ケースの縦断背面図
【図13】伝動ケースの一部を示す横断平面図
【図14】伝動ケースの一部を示す横断平面図
【図15】ポンプ駆動部の横断平面図
【図16】制御バルブ操作構造の側面図
【図17】制御バルブ操作構造の分解斜視図
【図18】下降ロックレバーの正面図
【図19】下降ロックレバーのデテント作動を説明する平面図
【符号の説明】
【0064】
1 前車輪
2 後車輪
6 作業装置(苗植付け装置)
7 エンジン
11 操縦ハンドル
21 ミッションケース
34 変速機構
83 ステアリング軸
90 変速操作軸
91 変速レバー
92 レバーガイド
94 中間軸
95 牽制金具
g 縦軸心
h 縦向き軸心
m 前側端縁
x 機体中心線
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型の乗用田植機などの農作業機に用いる変速操作構造に関する。
【背景技術】
【0002】
小型の乗用田植機としては、例えば、特許文献1に開示されているように、操向操作される前車輪より後方にエンジンを配備し、操向不能な後車輪を装備したミッションケースとエンジンとを連動連結し、ミッションケースから取り出した走行動力を前車輪に伝達するよう構成するとともに、機体後部に苗植付け装置(作業装置)を駆動昇降自在に連結し、
かつ、ミッションケースに備えた変速機構を操作する変速レバーを足元前方に立設して、操縦ハンドルの下方近傍において前後に揺動操作するよう配備したものが知られている。
【特許文献1】特開2004−180632号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記機体構成の乗用田植機は、運転座席の前方に大きいエンジンボンネットがないので、前方見通しが良好で運転しやすい特徴を有するものであるが、変速レバーがステップ上で上下に長く露出しているために、その分、他物に接触しやすいものとなっており、作業者が操縦ハンドル周りを移動する際に変速レバーに接触して不用意に操作してしまうおそれもあった。
【0004】
また、このような不具合をなくすために、変速レバーをカバーで覆って他物に接触しないようにすることも考えられるが、ステップ近くを支点にして揺動操作される変速レバーを囲繞するカバーが大きいものとなり、運転座席前方の構造物を小さくした上記利点を損なうことになる。
【0005】
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、前方見通しが良好で運転しやすい特徴を活かしながら他物との接触無く操作することのできる変速操作構造を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、操向操作される前車輪より後方にエンジンを配備し、操向不能な後車輪を装備したミッションケースと前記エンジンとを連動連結し、前記ミッションケースから取り出した走行動力を前記前車輪に伝達するよう構成するとともに、機体後部に作業装置を駆動昇降自在に連結した農作業機において、
前記ミッションケースに備えた変速機構を操作する変速レバーを、操縦ハンドルを支持したステアリング軸と平行に近接配備した変速操作軸を介して縦軸心周りに揺動操作可能に操縦ハンドルの近傍に配備するとともに、前記変速操作軸と前記変速機構の変速操作部とを連動連結してあることを特徴とする。
【0007】
上記構成によると、変速レバーの操作力をステアリング軸と平行に配備した変速操作軸を介して伝達し、この変速操作軸とミッションケースに備えられた変速機構を連動連結する変速操作構造を構成することができる。この場合、変速操作軸はステアリング軸と平行な一定姿勢に立設されたままで姿勢変化しないので、変速操作軸が前方視界を妨げることはない。
【0008】
従って、第1の発明によると、前方見通しが良好で運転しやすい特徴を活かしながら他物との接触無く操作することのできる変速操作構造を構成することができた。
【0009】
第2の発明は、上記第1の発明において、
前記ミッションケースに前記変速操作軸と略並行な縦向き軸心周りに回動自在な中間軸を配備し、この中間軸を介して変速操作軸と前記変速機構の変速操作部とを連動連結してあるものである。
【0010】
上記構成によると、例えば、変速操作軸のアームと中間軸のアームとをロッドなどで連動連結することで、変速操作軸の回動操作力を中間軸に効率よく伝達することができ、操作抵抗の少ない軽快な変速操作系を構成することができる。
【0011】
第3の発明は、上記第1または2の発明において、
前記操縦ハンドルの下方に前記変速レバーの操作位置視認用のレバーガイドを設けるとともに、このレバーガイドを操縦ハンドルの外径内に配備してあるものである。
【0012】
上記構成によると、操縦ハンドルのループ内空間を通してレバーガイドを見通すことで変速操作位置を容易に確認することができるものでありながら、レバーガイドが邪魔になることがなく、操作性の向上に有効となる。
【0013】
第4の発明は、上記第3の発明において、
前記レバーガイドの前側端縁を機体中心線に一致させてあるものである。
【0014】
上記構成によると、着座した運転者がレバーガイドの前側端縁をセンター照準に利用することができ、機体前端中央に立設するセンター照準を省略することができる。
【0015】
第5の発明は、上記第3または4の発明において、
前記レバーガイドに前記変速レバーの操作可能域を制限する牽制金具を、牽制作用位置と牽制解除位置とに切換え可能に装着してあるものである。
【0016】
上記構成によると、通常の作業走行を行う際の変速操作域は全操作域に比べて小さいものであるので、作業走行時には牽制金具を牽制作用位置に切換えておくことで、誤って不必要な変速位置に操作してしまうことなく、少ないレバー移動で速やかな変速操作を行うことができ、また、非作業走行時には全変速域を使っての任意の走行を行うことができ、走行形態に合わせた変速を的確に行うことができる。
【0017】
第6の発明は、上記第5の発明において、
前記牽制金具が牽制作用位置にある状態では、中立位置と作業用の前進位置と後進位置との範囲で前記変速レバーの変速操作が許容され、牽制金具が牽制解除位置にある状態では、作業用の前記前進位置より前方の低速の前進位置を含む全域で変速レバーの変速操作が許容されるように構成してあるものである。
【0018】
上記構成によると、上記第5の発明を好適に実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1に、本発明に係る農用作業機の一例である乗用田植機の全体側面が、また、図2に、その全体平面がそれぞれ示されている。この乗用田植機は、操向自在な前車輪1と操向不能な後車輪2を備えた四輪駆動型の走行機体3の後部に、単動型の油圧シリンダ4で上下に揺動駆動される四連リンク機構5を介して3条植え仕様の苗植付け装置(作業装置)6が昇降可能に連結されている。走行機体3の後部にエンジン7が搭載配備されるとともに、エンジン7および走行機体3を上方から覆うステップ8が脱着自在に設けられ、この、ステップ8における後方隆起部の左右中央部位に運転座席9が設けられ、この運転座席9の左右横側には左側に2枚、右側に1枚の予備苗を載置収容する予備苗のせ台100が配備され、また、走行機体3の前端部に立設されたセンターポスト10の上部に操縦ハンドル11が配備された構造となっている。
【0020】
前記苗植付け装置6には、3条分のマット状苗を並列載置して一定ストロークで往復横移動する苗のせ台12、この苗のせ台12の下端から1株分づつ苗を切り出して田面に植付けてゆく3組のクランク式の植付け機構13、田面の植付け箇所を均平整地する整地フロート14、等を備えられている。後支点p周りに上下揺動自在な前記整地フロート14と前記油圧シリンダ4の作動を司る後述する制御バルブ15とが機械的に連動連結され、整地フロート14の上下揺動変位に基づいて制御バルブ15が操作されて、走行機体3の浮沈や前後傾斜にかかわらず苗植付け装置6を田面に対して設定された高さに安定維持し、もって、植付け深さを一定に維持する植付け深さ自動制御が行われるようになっている。
【0021】
図3に示すように、前記走行機体3は、太いパイプ材からなる主フレーム20の後端に、後車輪2を軸支したミッションケース21が連結されるとともに、主フレーム20の前端に、前車輪1を装備した前車軸ケース22が連結された構造となっており、主フレーム20はミッションケース21からの走行動力を前車軸ケース22に伝達する前輪駆動軸23が挿通される動力伝達ケースとしての機能を備えている。
【0022】
図5に示すように、前記エンジン7は、左側面に出力軸16が突出された空冷式のガソリンエンジンが使用されており、シリンダ軸心が後傾斜したかさ低い姿勢で主フレーム20とミッションケース21とに亘って防振支持されるとともに、マフラ18がエンジン左横側に後下がりの傾斜姿勢で装備されて排気が機体の後方下方に向けて排出されるようになっている。そして、前記出力軸16とミッションケース21の左側面に突設された入力軸17とが伝動ベルト25を介して巻掛け連動されるとともに、出力軸16とミッションケース21の前部に左右水平に貫通支承したポンプ駆動用の回転軸26とが補助伝動ベルト27を介して巻掛け連動されている。なお、エンジン7におけるクランクケースの下端後面にドレンプラグ33が配備され、シリンダ部下方の空間から排油操作できるようになっている。
【0023】
主伝動用の前記伝動ベルト25は出力プーリ16aと入力プーリ17aに亘って巻回されるとともにテンション機構28で緊張され、また、補助伝動ベルト27は、出力プー16bと入力プーリ28aに亘って巻回されるとともにテンション機構29で緊張されている。両テンション機構28,29は、共通の支点軸30周りに揺動可能に支持したテンションアーム31,32をそれぞれテンションバネ66,67によって付勢揺動して、伝動及び補助伝動ベルト25,27を押圧緊張するよう構成されており、支点軸30およびテンションバネ66,67固定端を支持する共通のバネ受け部材としてボルト68がそれぞれエンジン7の左側面に取付けられている。ここで、バネ受け部材としてのボルト68はネジ部が長く露出するものが用いられており、このネジ部にテンションバネ66,67の固定側端部が左右にずれ動くことなく係止支持されるようになっている。
【0024】
前記テンション機構28はミッションケース21への動力伝達を断続するテンション式の主クラッチとして機能するものであり、テンションアーム31がステップ8の右側前方の足元に配備された停止ペダル19にリンク機構55を介して連動されている。そして、停止ペダル19を踏み込み操作するとテンションアーム31がテンションバネ66に抗して弛緩側に揺動操作されて、ミッションケース21への動力伝達が遮断され、走行および植付け装置6の駆動が停止される。他方、ポンプ駆動系のテンション機構29は常に補助伝動ベルト27を緊張するものであり、ペダル操作によって主クラッチが切り操作されても、エンジン7が運転されている間はポンプ駆動が持続されて油圧シリンダ4を駆動作動させることができるようになっている。なお、テンションアーム31には伝動ベルト25に近接するベルト押え片31aが折り曲げ形成されており、テンションアーム31が上方に揺動操作される主クラッチ切り作動の際、伝動ベルト25をベルト押え片31aで受け止め支持することで、弛緩した伝動ベルト25が出力プーリ16aから確実に浮き上げられて共回りすることが防止されるようになっている。
【0025】
ここで、エンジン7の出力軸16は、クランク軸7aに対して2分の1に減速されて回転するカム軸が利用されており、これによってミッションケース内での減速負担が軽減されている。また、出力軸16がクランク軸7aよりも機体後方に位置されており、これによって出力軸16と入力軸17との軸間距離が短縮化され、ベルト伝動構造の小型化が図られている。また、エンジン7の出力軸16をカム軸としたことで、伝動ベルト25および補助伝動ベルト27の張り側がベルト巻回径路の下側となり、大きい負荷張力を受けるベルト張り側がエンジン7における高熱部であるシリンダ部から下方に大きく離れて位置することで、伝動ベルト25および補助伝動ベルト27が高温雰囲気に晒されて早期に伸びることが回避されている。
【0026】
図7に示すように、エンジン7の上部には気化器70に連動連結された調速レバー71が縦軸心e周りに揺動可能に装着されるとともに、この調速レバー71に連係バネ72を介して連動連結されたアクセルレバー73が、エンジン7上面に備えたブラケット74に縦向き支点f周りに揺動可能、かつ、支点部における摩擦で任意の操作位置に保持可能に配備されている。
【0027】
図6に示すように、エンジン7の右側面にはリコイル始動装置を内装した冷却風導入ケース75が備えられている。この冷却風導入ケース75の前部から下向きに導出された始動ロープ76が案内ローラ77介して上方に巻回案内され、そのロープ端に備えた操作ノブ78が運転座席9の右外側下方に露出配備されており、着座した姿勢で楽に操作ノブ78を引き操作することができるようになっている。なお、詳細な構造は省略するが、停止ペダル19を踏み込んだ状態でのみ操作ノブ78の引き操作が許容されるように構成して、エンジン始動のとたんに走行機体3が発進移動することが未然に回避されるようになっている。
【0028】
図15に示すように、補助伝動ベルト27を介して常時駆動される前記回転軸26はミッションケース21の右側面に連結した制御バルブ15のケーシング15aに挿入され、ケーシング15aの左側面に埋設配備したトロコイド型の油圧ポンプ79に連結されており、油圧ポンプ79からの吐出油がケーシング15aの内部に形成された油路aに送出され、かつ、制御バルブ15のシリンダポートc(図5参照)と前記油圧シリンダ4とが配管接続されている。
【0029】
前記油圧ポンプ79はミッションケース21に貯留された潤滑油を作動油としており、その吸入油路bがミッションケース21の右側壁内に形成されるとともに、図6中に示すように、その吸入油を浄化するオイルフィルタ80がミッションケース21の前部に下方から挿抜可能に取り付けられている。
【0030】
図12〜14に、前記ミッションケース21の内部構造が示されている。前記入力軸17に伝達されたエンジン動力は先ず走行系と作業系に分岐され、走行系動力はギヤ式の変速機構34によって前進3段、後進1段に変速されて変速軸35に伝達された後、横長のカウンター軸36にギヤ伝達され、さらに、このカウンター軸36から左右のサイドクラッチ37およびギヤ減速機構38を介して左右の車軸39に伝達されるとともに、カウンター軸36の中間部位から前記前輪駆動軸23に前輪駆動動力が取り出されるようになっている。なお、前記変速機構34は、変速軸35に内装したシフト軸40を軸心方向にシフト操作して、前進用の3組の常噛みギヤ対、および、後進用の1組の常噛みギヤ対のいずれか一つにキー40aを選択咬合させることで前進3段、後進1段の変速を行うよう構成されている。
【0031】
図8に示すように、前記ミッションケース21は、前記主フレーム20の後端に連結されるケース本体21Aと、このケース本体21Aの左右端に脱着自在にボルト連結される左右のカバーケース21Bとから構成されるとともに、ケース本体21A自体も左右の分割ケース部分21Aa,21Abを接合してボルト連結した構造となっている。そして、左右のカバーケース21Bによって前記カウンター軸36の両端が支承されるとともに、各カバーケース21Bに左右の車軸39がそれぞれ挿通支承されている。
【0032】
また、入力軸17で分岐された作業系動力は、トルクリミッタ41を介して中間軸42にギヤ伝達された後、ケース外側に形成されたギヤ室43においてギヤG1,G2を介して植付け伝動軸44に伝達され、この植付け伝動軸44から植付けクラッチ45を介して後ろ向きのPTO軸46に取り出され、伸縮伝動軸47を介して苗植付け装置6に伝達されるようになっている。なお、前記ギヤ室43のカバー48を開いてギヤG1,G2を入れ替え、あるいは、交換することで、走行系に対する作業系の速度比を変更設定して、苗植付け装置6における走行方向での植付けピッチ(株間)を変更調節することが可能となっている。
【0033】
図3中に示すように、前車軸ケース22にはデフ機構は装備されておらず、伝達された動力は前車軸ケース22に挿通された横向き伝動軸49を介して左右に分岐され、左右の前車輪1が常に等速で駆動されるようになっている。また、前車軸ケース22の入力部位には前記横向き伝動軸49に作用する多板式のブレーキ50が装備されている。このブレーキ50は前記停止ペダル19にリンク連動されており、停止ペダル19を踏み込むことでテンション機構(主クラッチ)28が切り操作されるとともにブレーキ50が制動操作されるようになっている。なお、停止ペダル19にはペダルアームを延長した操作レバー19aが備えられており、地上に降りて運転する場合でも、この操作レバー19aを持って停止ペダル19を押し下げ操作して走行を停止させることが可能となっている。また、停止ペダル19の近傍には、この停止ペダル19を踏み込み操作位置で係止固定する駐車レバー48が配備されている。
【0034】
図5,6に示すように、前記主フレーム20に横架連結した前部ステー20aの左右端とミッションケース21の後部左右箇所に設けた取付け座51とに亘って、丸パイプ材をアーチ形に屈曲してなる左右一対のフレーム杆52が架設固定され、板金プレス加工されてなる前記ステップ8の後部がフレーム杆52の上部に載置連結されている。
【0035】
また、ミッションケース21は、前記四連リンク機構5の前端部を支持する部材としても機能している。つまり、前記四連リンク機構5は、左右一対のロアリンク5aとアッパリンク5bとの前端をミッションケース21に枢支連結するとともに、ロアリンク5aとアッパリンク5bとの後端を縦リンク5cで枢支連結して平行四連リンク構造に構成されたものであり、アッパリンク前端の連結点dとロアリンク後部とに亘って架設した前記油圧シリンダ4を伸縮作動させることで、縦リンク5cに連結した前記苗植付け装置6を平行に昇降することができるようになっている。
【0036】
ここで、図8に示すように、四連リンク機構5を構成する左右のロアリンク5aの前端には支点軸53が貫通して溶接固定され、ロアリンク5aから左右に突設された支点軸53がケース本体21Aを構成する左右の分割ケース部分21Aa,21Abから突設された支点ボス部54に内側から嵌入支持されている。そして、左右の分割ケース部分21Aa,21Abが接合連結された状態において、左右のロアリンク5aの外側面の間隔が左右支点ボス部54の内向き端面の間隔より僅かに小さく設定されており、左右のロアリンク5aの外側面が左右の支点ボス部54の内向き端面に接当することで四連リンク機構5全体の横移動が規制されるようになっている。
【0037】
図9に示すように、板金プレス構造のステップ8は、その後方がエンジン7を越える高さまで隆起されるとともに、この後方隆起部8aの左右中央部位にエンジン7およびフレーム杆52の一部が挿通される開口56が形成され、かつ、この開口56は、脱着可能に係止連結されたカバー57で閉塞されている。そして、前記フレーム杆52から延出された左右一対の連結金具58がカバー57に形成されたスリット59を通して上方に突出され、この連結金具58に前記運転座席9が前後に回倒可能、かつ、前後位置変更可能にピン連結されている。なお、着座姿勢に回倒された運転座席9は隆起部8aの上面に取付けられた左右のクッションバネ60によって弾性的に受止め支持されるようになっている。なお、ステップ8の床面中央部には補強用のリブ8bが隆起形成されるとともに、床面左右部には乗降時の滑り止めのために上向きにバーリング処理された打ち抜き8c群が形成されている。
【0038】
ステップ8における後方隆起部8aの右側には、苗植付け装置6の昇降と苗植付け装置6への動力断続を行う昇降レバー61、前記植付け深さ自動制御の感度を調節する感度調節レバー62、および、油圧シリンダ4の伸長作動を油圧ロックして阻止する下降ロックレバー63が突出されるとともに、カバー57の右横側からは前記アクセルレバー73が突設されている。また、ステップ8における後方隆起部8aの後部には矩形の開口64が形成され、フレーム杆52に連結支持された燃料タンク65の上半部が開口64から上方に突出されている。
【0039】
ステップ8の前端における左右中央部位は前方に解放された凹部8dが形成されており、走行機体3の前端部に立設された前記センターポスト10が上下に挿通されることで凹部8dが閉塞されるようになっている。
【0040】
図4に示すように、前記センターポスト10は、板金材で形成された剛性の高い半割り筒状の主部10Rと樹脂材で形成されたフロントカバー部10Fとから構成されており、主部10Rの下端が前車軸ケース22から前方に突設された鋳造製のブラケット81にボルト締め固定されるとともに、この主部10Rの前部にフロントカバー部10Fが脱着可能に係止連結されるようになっている。なお、前記ブラケット81は走行機体3の前後重量バランスをとるためのフロントウエイトとしの機能を備えており、ブラケット81の前端突出部がフロントカバー部10Fの下方延長部で前方から覆い隠されている。
【0041】
センターポスト10の内部には、ブラケット81から立設された丸パイプ製のハンドルポスト82が配備され、このハンドルポスト82の上端部がセンターポスト10の主部10Rに連結され、もってハンドルポスト82の立設強度が高められている。そして上端に前記操縦ハンドル11を連結したステアリング軸83がハンドルポスト82に挿通支持されるとともに、ステアリング軸83の下部が前記ブラケッ81に貫通支持され、ステアリング軸83の下端に一体形成されたピニオンギヤ84が、ブラケット81の下方に回動自在に軸支された大径のセクトギヤ85に咬合され、図4に示すように、このセクトギヤ85と左右の前車輪1を操向回動するナックルアーム86とがタイロッド87で連動連結されて前車輪操向用のステアリング機構88が構成されている。
【0042】
また、図3に示すように、前記セクトギヤ85から後方に延出された左右一対の操作ロッド89が左右のサイドクラッチ37の操作軸37aにそれぞれ連係されており、セクトギヤ85が回動操作されて前車輪1が直進位置から左方あるいは右方に設定角度(例えば30°)以上に操向されると、これに連動して旋回内側となる後車輪2のサイドクラッチ37が自動的に切り操作され、操向された左右の前車輪1と旋回外側の一方の後車輪2との3輪駆動状態での小回り旋回が行われるようになっている。なお、図12中に示すように、左右の前記サイドクラッチ37を入り切りする操作軸37aはミッションケース21に貫通装着されるとともに、ミッションケース21にボルト連結した共通の当て板115によって抜け出し不能に支持されている。
【0043】
センターポスト10の内部には、変速操作軸90がハンドルポスト82に沿う縦軸心g周りに回動自在に配備されており、この変速操作軸90の上端部を左横側方に屈曲して形成した変速レバー91が、センターポスト10の上端に備えたレバーガイド92の外周から突出されている。そして、変速操作軸90の下端部とミッションケース21における変速機構34の変速操作部とが、エンジン7の下方空間において前後向きに配備され連係部材としての押し引きロッド93を介して以下のように連動連結されている。
【0044】
つまり、図5に示すように、ミッションケース21の左側部には変速操作軸90の軸心gと略平行な縦向きの支点h周りに回動自在な中間操作軸94(中間軸に相当)が装備され、この中間操作軸94の上端に固着した操作レバー94aと変速機構34における前記シフト軸40の外方端部とが連結され、かつ、中間操作軸94の下端屈曲部94bと前記変速操作軸90の下端部から突設した操作アーム90aとに亘って前記押し引きロッド93が架設され、変速レバー91を縦向き軸心g周りに回動操作して変速操作軸90を回動させると、押し引きロッド93を介して中間操作軸94が回動されてシフト軸40が左右に押し引き操作されるようになっている。ここで、変速レバー91を最前方位置から後方に揺動操作ことで、非作業時の移動走行に用いる前進3速(「移動」)、主として畦越えなどの低速走行に用いる前進1速(「畦越」)、通常の植付け走行に用いる前進2速(「植付」)、中立(「N」)、および、「後進」が順次得られるようになっている。
【0045】
また、図10,11に示すように、レバーガイド92の上面には変速レバー91の操作域を制限する牽制金具95が備えられている。この牽制金具95は、丸棒材を逆U形に屈曲して構成されたものであり、その前端支点軸95aがレバーガイド92に回動可能および上下スライド可能に貫通されるとともに、その貫通部に装着した圧縮コイルバネ96によって牽制金具95が下方にスライド付勢されている。牽制金具95は前端支点軸95aまわりに回動することで、その後端を屈曲して形成した牽制作用部95bがレバーガイド92に形成された孔97に貫通してガイド下方へ大きく突出する牽制位置と、牽制作用部95bがレバーガイド92の上面に形成された凹部98に支持されてガイド下方への突出が阻止された牽制解除位置とに切換え回動可能となっており、牽制位置では牽制作用部95bが変速レバー91の揺動操作径路に干渉することで、変速レバー91が「植付」と「後進」の範囲でのみ操作可能となり、また、牽制金具95を圧縮コイルバネ96に抗して持上げて牽制作用部95bを孔97から抜き出して牽制解除位置に移動させることで、変速レバー91が「移動」から「後進」までの全域で操作可能となる。
【0046】
なお、牽制金具95の前端支点軸95aに貫通装着されたバネ受け用のベータピン99は、牽制金具95の長手方向に沿った方向から前端支点軸95aに挿通装着されることで、ベータピン99に受け止められた圧縮コイルバネ96が牽制金具95に対して直交した姿勢に安定保持されて、牽制金具95が適正に下方にスライド付勢されるようになっている。
【0047】
また、図2中に示すように、前記レバーガイド92は、その前側の端縁mが機体中心線xと一致するよう固定され、着座した運転者がレバーガイド92の前側端縁mをセンター照準に利用できるよう構成されている。
【0048】
図16,17に、前記制御バルブ15の操作構造が示されている。この制御バルブ15には流路切換え用のスプール101が前後スライド可能に組み込まれ、その前端がケーシング15aから突出されている。このスプール101は、前方突出位置から後方に押し込み変位するにつれて「下降」,「中立],「上昇」に順次切換えられるものであり、内装バネによって前方の「下降」位置がわに向けてスライド付勢されている。そして、制御バルブ15におけるケーシング15aの前部に、前記スプール101を整地フロート14の上下揺動変位に基づいて操作する自動操作アーム102と、スプール101を手動で任意に操作する手動操作アーム103とが配備されている。そして、ケーシング15aの前端下部には横向きの支点ボス104が一体形成されており、この支点ボス104に挿通した支点軸105に前記自動操作アーム102が回動可能に遊嵌支持されるとともに、支点軸105に前記手動操作アーム103が溶接固定されている。
【0049】
自動操作アーム102にはスプール101の先端に接当する横向きの操作ピン102aが装着されるとともに、苗植付け装置6から延出されてきたセンサワイヤ106におけるインナ前部106iの先端が自動操作アーム102の上端に連結されている。センサワイヤ106は、そのアウタワイヤ106oの前端部が前記感度調節レバー62の下端部に連結支持されており、前記整地フロート14が基準位置から上方に揺動変位するとインナ前部106iが後方に引き操作され、また、整地フロート14が基準位置から下方に揺動変位するとインナ前部106iが弛められるように装着されている。
【0050】
従って、苗植付け装置6が田面に対して所定の高さにあると整地フロート14が前記基準位置にあり、この時、前方に突出付勢されたスプール101は自動操作アーム102の操作ピン102aに受け止め支持されて「中立」Nに保持される。走行機体3が耕盤の凹凸によって沈下したり後下がり姿勢すると、苗植付け装置6が田面に対して沈下しかかって整地フロート14の接地圧が大きくなり、整地フロート14が基準位置から上方に揺動変位してセンサワイヤ106のインナ前部106iが後方に引かれ、自動操作アーム102の後方への揺動によってスプール101が操作ピン102aを介して後方の「上昇」U側に押し込み操作され、油圧シリンダ4が圧油供給によって短縮作動して苗植付け装置6が上昇され、整地フロート14が元の基準位置に復帰すると上昇作動が停止する。また、走行機体3が耕盤の凹凸によって持上げられたり後上がり姿勢すると、苗植付け装置6が田面に対して浮上しかかって整地フロート14の接地圧が小さくなり、整地フロート14が基準位置から下方に揺動変位してセンサワイヤ106のインナ前部106iが弛められ、自動操作アーム102の前方への揺動が許容されることでスプール101が付勢力によって前方の「下降」D側に突出変位し、油圧シリンダ4が排油によって伸長作動して苗植付け装置6が自重下降され、整地フロート14が元の基準位置に復帰すると下降作動が停止する。このように、整地フロート14の姿勢を基準位置に安定維持することで苗植付け装置6の田面に対する高さを一定範囲に維持して植付け深さを安定化することができるのである。
【0051】
なお、前記感動調節レバー62を揺動調節すると、センサワイヤ106におけるアウタワイヤ106oの前端が前後に位置調節されることになり、これによって制御バルブ15が「中立」にある時の整地フロート14の前記基準位置が変更される。つまり、感動調節レバー62を前方に操作するほどアウタワイヤ106oの前端固定位置が後方に変更され、これによって整地フロート14の前記基準位置が前下がり方向に変更され、小さい接地圧増大でも整地フロート14が上方変位しやすくなる状態がもたらされ、制御感度が敏感になる。逆に、感動調節レバー62を後方に操作するほどアウタワイヤ106oの前端固定位置が前方に変更され、これによって整地フロート14の前記基準位置が前上がり方向に変更され、接地圧が大きく増大しないと整地フロート14が上方変位しなくなる状態がもたらされ、制御感度が鈍感になる。従って、田面が軟弱な場合には感動調節レバー62を前方に操作して制御感度を敏感にし、また、田面が硬い場合には感動調節レバー62を後方に操作して制御感度を鈍感にして使用する。
【0052】
前記支点軸105は前記昇降レバー61の基部を屈曲して形成されたものであり、昇降レバー61を前後に揺動操作することで、前記手動操作アーム103をレバー操作方向と同方向に揺動させて、自動操作アーム102の操作ピン102aを前方から接当操作するようになっている。ここで、手動操作アーム103には外周に4個の凹部107を形成したデテント板108が一体連設されており、ミッションケース21の右側面に枢支されるとともにバネ109で揺動付勢されたアーム110の先端デテントローラ111を凹部107のいずれかに弾性係入させることで昇降レバー61を4つの操作位置「植付」,「下降」,「中立」,「上昇」に切換え保持することができるようになっている。
【0053】
昇降レバー61が図示された「中立」位置にあると、手動操作アーム103は操作ピン102aを介してスプール101を「中立」に接当保持することになり、苗植付け装置6は任意の高さに保持される。
【0054】
昇降レバー61を「上昇」位置に切換えると、手動操作アーム103が操作ピン102aを介してスプール101を「上昇」に接当移動させることになり、苗植付け装置6は駆動上昇される。なお、昇降レバー61の操作によって上昇された苗植付け装置6が所定の上限位置に到達すると、自動的に昇降レバー61が「中立」に戻されて上昇が停止するようになっている。つまり、前記四連リンク機構5のアッパリンク5bの基部から牽制アーム112が起立され、この牽制アーム112の先端から前方に向けて延出した牽制ロッド113が前記自動操作アーム102の上部に挿通されており、アッパリンク5bが所定の高まで上昇揺動すると、牽制ロッド113に装着したストッパピン114が「上昇」位置の自動操作アーム102を前方に押し戻し、自動操作アーム102に操作ピン102aを介して前方から接当されている手動操作アーム103および昇降レバー61が「中立」まで移動されるのである。
【0055】
昇降レバー61を「下降」位置に切換えると、手動操作アーム103は操作ピン102aの作動範囲から前方に離れた位置にあり、自動操作アーム102が上記のように整地フロート14の上下揺動変位に基づいて揺動作動する自動昇降制御状態が得られ、苗植付け装置6が田面より浮上上昇されている状態で昇降レバー61を「下降」位置に操作すると、苗植付け装置6は田面に接地するまで下降されることになる。
【0056】
また、昇降レバー61を「植付」位置に切換えると、手動操作アーム103は操作ピン102aの作動範囲から更に前方に大きく離れた位置に移動して上記自動昇降制御状態となる。
【0057】
ここで、昇降レバー61が「植付」位置にある時のみ前記植付けクラッチ45が入り操作されて苗植付けが可能となり、昇降レバー61が「下降」,「中立],および、「上昇」のいずれの位置に操作されていても植付けクラッチ45が切り操作されるようになっている。
【0058】
つまり、図6,7,16に示すように、ミッションケース21の右側面には前記植付けクラッチ45を操作するクラッチ操作軸116が左右スライド可能に装備されるとともに、このクラッチ操作軸116を出退操作するベルクランク状のクラッチ操作レバー117が縦向き支点i周りに回動可能に装備されており、このクラッチ操作レバー117の一端から前方に延出された操作ロッド118の前端が、昇降レバー61と一体揺動する前記デテント板108に形成したスリット119に後方から係入されている。
【0059】
前記植付けクラッチ45は入り付勢されており、クラッチ操作軸116が抜き出し操作されるとクラッチ入り状態にあり、クラッチ操作軸116が突入操作されると所定回転位相においてクラッチ切り操作される周知の定位置停止構造が採用されており、かつ、クラッチ操作レバー117は支点に備えたねじりバネ120によってクラッチ切り方向に回動付勢されている。従って、昇降レバー61が「下降」,「中立],および、「上昇」の各位置にある時には前記操作ロッド118の先端はスリット119の範囲内にあり、クラッチ操作レバー117によってクラッチ操作軸116はクラッチ切り位置に突入操作されているが、昇降レバー61が「植付」位置に操作されると、デテント板108の後方回動に伴ってスリット119の前端が操作ロッド118の先端を後方に押圧し、これによってクラッチ操作レバー117が回動付勢力に抗してクラッチ入り方向に回動され、クラッチ操作軸116が抜き出し操作されて植え付けクラッチ45が入り状態になるのである。
【0060】
図17〜19に示すように、前記下降ロックレバー63は制御バルブ15の上面に突設した縦向きの操作軸121にボル連結されており、油路を開放して油圧シリンダ4の伸縮を許容する「開」位置と、油路を閉じて油圧シリンダ4の伸長作動(下降)を油圧ロックする「閉」位置とに切換え回動可能に構成されるとともに、この下降ロックレバー63を両操作位置に切換え保持するデテント構造がレバー基部に備えられている。
【0061】
つまり、前記操作軸121にはバネ線材を屈曲してなるデテント部材122が下降ロックレバー63と共締め固定されおり、このデテント部材122に形成された片持ちアーム部122aがバルブ上面に突設されたボス部123の外周に当て付けられている。ボス部123の外周には所定の角度をもって二つの扁平なカム面S1,S2が形成されており、デテント部材122の片持ちアーム部122aはこれらカム面S1,S2のいずれかに受け止め支持されることで下降ロックレバー63が「開」位置あるいは「閉」位置で安定保持され、また、下降ロックレバー63を回動操作すると片持ちアーム部122aが両カム面S1,S2の交差する頂部を弾性変形しながら通過してデッドポイント越え作動するようになっている。
【0062】
〔他の実施例〕
前記変速機構34としては、上記のようにミッションケース21に内装したギヤ式のものの他に、ミッションケース21の側面に装着した油圧式無段変速装置、あるいは、エンジン7とミッションケース21との巻き掛け伝動系に装備したベルト式無段変速装置、などの任意の変速機構を利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】乗用田植機の全体側面図
【図2】乗用田植機の全体平面図
【図3】走行系の平面図
【図4】操向操作部の縦断側面図
【図5】機体後部の左側面図
【図6】機体後部の右側面図
【図7】機体後部の平面図
【図8】機体後部の背面図
【図9】ステップの分解斜視図
【図10】変速レバー操作部の平面図
【図11】変速牽制構造を示す縦断側面図
【図12】伝動ケースの縦断背面図
【図13】伝動ケースの一部を示す横断平面図
【図14】伝動ケースの一部を示す横断平面図
【図15】ポンプ駆動部の横断平面図
【図16】制御バルブ操作構造の側面図
【図17】制御バルブ操作構造の分解斜視図
【図18】下降ロックレバーの正面図
【図19】下降ロックレバーのデテント作動を説明する平面図
【符号の説明】
【0064】
1 前車輪
2 後車輪
6 作業装置(苗植付け装置)
7 エンジン
11 操縦ハンドル
21 ミッションケース
34 変速機構
83 ステアリング軸
90 変速操作軸
91 変速レバー
92 レバーガイド
94 中間軸
95 牽制金具
g 縦軸心
h 縦向き軸心
m 前側端縁
x 機体中心線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操向操作される前車輪より後方にエンジンを配備し、操向不能な後車輪を装備したミッションケースと前記エンジンとを連動連結し、前記ミッションケースから取り出した走行動力を前記前車輪に伝達するよう構成するとともに、機体後部に作業装置を駆動昇降自在に連結した農作業機において、
前記ミッションケースに備えた変速機構を操作する変速レバーを、操縦ハンドルを支持したステアリング軸と平行に近接配備した変速操作軸を介して縦軸心周りに揺動操作可能に操縦ハンドルの近傍に配備するとともに、前記変速操作軸と前記変速機構の変速操作部とを連動連結してあることを特徴とする農作業機の変速操作構造。
【請求項2】
前記ミッションケースに前記変速操作軸と略並行な縦向き軸心周りに回動自在な中間軸を配備し、この中間軸を介して変速操作軸と前記変速機構の変速操作部とを連動連結してある請求項1記載の農作業機の変速操作構造。
【請求項3】
前記操縦ハンドルの下方に前記変速レバーの操作位置視認用のレバーガイドを設けるとともに、このレバーガイドを操縦ハンドルの外径内に配備してある請求項1または2記載の農作業機の変速操作構造。
【請求項4】
前記レバーガイドの前側端縁を機体中心線に一致させてある請求項3記載の農作業機の変速操作構造。
【請求項5】
前記レバーガイドに前記変速レバーの操作可能域を制限する牽制金具を、牽制作用位置と牽制解除位置とに切換え可能に装着してある請求項3または4記載の農作業機の変速操作構造。
【請求項6】
前記牽制金具が牽制作用位置にある状態では、中立位置と作業用の前進位置と後進位置との範囲で前記変速レバーの変速操作が許容され、牽制金具が牽制解除位置にある状態では、作業用の前記前進位置より前方の低速の前進位置を含む全域で変速レバーの変速操作が許容されるように構成してある請求項5記載の農作業機の変速操作構造。
【請求項1】
操向操作される前車輪より後方にエンジンを配備し、操向不能な後車輪を装備したミッションケースと前記エンジンとを連動連結し、前記ミッションケースから取り出した走行動力を前記前車輪に伝達するよう構成するとともに、機体後部に作業装置を駆動昇降自在に連結した農作業機において、
前記ミッションケースに備えた変速機構を操作する変速レバーを、操縦ハンドルを支持したステアリング軸と平行に近接配備した変速操作軸を介して縦軸心周りに揺動操作可能に操縦ハンドルの近傍に配備するとともに、前記変速操作軸と前記変速機構の変速操作部とを連動連結してあることを特徴とする農作業機の変速操作構造。
【請求項2】
前記ミッションケースに前記変速操作軸と略並行な縦向き軸心周りに回動自在な中間軸を配備し、この中間軸を介して変速操作軸と前記変速機構の変速操作部とを連動連結してある請求項1記載の農作業機の変速操作構造。
【請求項3】
前記操縦ハンドルの下方に前記変速レバーの操作位置視認用のレバーガイドを設けるとともに、このレバーガイドを操縦ハンドルの外径内に配備してある請求項1または2記載の農作業機の変速操作構造。
【請求項4】
前記レバーガイドの前側端縁を機体中心線に一致させてある請求項3記載の農作業機の変速操作構造。
【請求項5】
前記レバーガイドに前記変速レバーの操作可能域を制限する牽制金具を、牽制作用位置と牽制解除位置とに切換え可能に装着してある請求項3または4記載の農作業機の変速操作構造。
【請求項6】
前記牽制金具が牽制作用位置にある状態では、中立位置と作業用の前進位置と後進位置との範囲で前記変速レバーの変速操作が許容され、牽制金具が牽制解除位置にある状態では、作業用の前記前進位置より前方の低速の前進位置を含む全域で変速レバーの変速操作が許容されるように構成してある請求項5記載の農作業機の変速操作構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2006−218895(P2006−218895A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−31854(P2005−31854)
【出願日】平成17年2月8日(2005.2.8)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月8日(2005.2.8)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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