説明

通信制御装置および通信制御方法

【課題】通信品質の保持と、傍受に対するセキュリティの確保と、通信が途切れることのない通信経路の切り替えとを行うことを可能とし、また、処理時間と調整パラメータの数とを抑えることができる技術を提供する。
【解決手段】通信情報を複数の情報ブロックに分割して符号化したときに前記複数の情報ブロックから元の通信情報に復号化するために所定の閾値以上の数の情報ブロックを必要とする、そのような符号化方式で符号化し、前記情報ブロックを相手通信装置に送出する際に使用可能な通信経路が2つ以上ある場合に、1つの通信経路当たりに送出する前記情報ブロックの数を前記情報ブロックの復号化に必要な前記閾値未満の数で前記通信経路のそれぞれに割り当て、前記割り当てた数の前記情報ブロックを前記通信経路のそれぞれに送出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信制御装置および通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯網、Hot spot(登録商標)、インターネット等、様々な通信網が存在している。そして、これらの通信網において、通信品質の保持と、傍受に対するセキュリティの確保と、通信が途切れることのない通信経路の切替とは個々の技術で対応がなされている。
【0003】
通信品質の保持に関しては、先行誤り訂正符号の適用が一般的である。先行誤り訂正符号は、デジタル・データに冗長な情報を付加する符号化を行う。そして、先行誤り訂正符号は、符号化したデジタル・データの転送中にノイズなどでその一部に誤りが生じた場合、デジタル・データに付加した冗長な情報によって、その誤りを正す方法である。インターネットのパケット通信に先行誤り訂正符号を適用する場合を考える。その場合、パケットのサイズは、データに付加した冗長な情報によって大きくなる。また、パケットのサイズが大きくなると、通信ネットワーク上の通信制御装置に輻輳が生じやすくなる。そして、通信ネットワーク上の通信制御装置に輻輳が生じると、誤りが訂正可能なパケット量以上にパケットが破棄されることがある。したがって、このような輻輳を避けるために、パケットを送出する時間に幅を持たせ、輻輳を避ける必要がある。このことから、先行誤り訂正符号は、パケットのサイズが大きくなることと、パケットを送出する時間幅の調整とのために処理遅延が大きくなるという欠点を持つ。
【0004】
傍受に対するセキュリティの確保に関してはIPsec(IP security protocol)が一
般的である。この方法はパケットをDES(Data Encryption Standard)やAES(Advanced Encryption Standard)といった算法で暗号化することによって傍受者が通信情報の内容を解読不可能にする技術である。
【0005】
一方、通信が途切れることのない通信経路の切替は、使用中の通信経路を確保したまま、切り替え先の通信経路を確保し、送受信の両端で同期を取って通信経路を切り替えるマルチホーミング技術が一般的である。マルチホーミング技術を使用した複数経路の接続を支援するトランスポート層のプロトコルとしてはSCTP(Stream Control Transmission Protocol)が挙げられる。また、通信経路を同期を取って切り替える方式の他に、マルチキャストを使用して新旧両方の通信経路に同一のパケットを送信する方法も存在する。
【0006】
本発明に係る先行技術文献としては、次に示すものがある。
【特許文献1】特開2004−274703号公報
【特許文献2】特開2005−57487号公報
【特許文献3】特表2004−529533号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述のように、通信品質の保持と、傍受に対するセキュリティの確保と、通信が途切れることのない通信経路の切り替えとは個々の技術で対応がなされていた。したがって、これらの技術を逐次的に実行するための処理時間が必要となるといった欠点があった。
【0008】
また、これらの技術を実装するために様々な調整パラメータが必要であるため、通信制御装置はこれらの調整パラメータを数多く保持する必要があった。
【0009】
本発明の目的は、通信品質の保持と、傍受に対するセキュリティの確保と、通信が途切れることのない通信経路の切り替えとを行うことを可能とし、また、処理時間と調整パラメータの数とを抑えることができる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。
(1)すなわち、本発明の通信制御装置は、通信情報を複数の情報ブロックに分割して符号化したときに前記複数の情報ブロックから元の通信情報に復号化するために所定の閾値以上の数の情報ブロックを必要とする、そのような符号化方式で符号化する符号化手段と、前記情報ブロックを相手通信装置に送信する際に使用可能な通信経路が2つ以上ある場合に、1つの通信経路当たりに送出する前記情報ブロックの数を前記情報ブロックの復号化に必要な前記閾値未満の数で前記通信経路のそれぞれに割り当てる割当手段と、前記割り当てた数の前記情報ブロックを前記通信経路のそれぞれに送出する手段とを有する。
【0011】
この構成によれば、受信側の装置は、複数の通信経路から情報ブロックを受け、受信した情報ブロックの数がある閾値を超えたとき、情報ブロックを通信情報に復号できる。したがって、ある通信経路で情報ブロックの伝送が遅れることがあっても、他の通信経路からの情報ブロックで不足分の情報ブロックを補うことができる。したがって、例えば、ある通信経路でジッタが大きくなっても、その他の通信経路からの情報ブロックでその不足分を補えるので、結果として、そのジッタを抑えることができる。また、1つの通信経路を流れる情報ブロックの総数からでは通信情報に復号できないため、例えば、1つの通信経路上の情報ブロックの全てが傍受されたとしても、この通信制御装置が送信する情報のセキュリティを確保できる。また、この受信側の装置は複数の通信経路を流れる情報ブロックが閾値以上あれば通信情報に復号できるという特徴と、この通信制御装置は通信経路に情報ブロックを割り当てる数を変化させることにより複数の通信経路に流す情報ブロックを制御するという特徴により、例えば、通信が途切れることのない通信経路の切り替えができる。
(2)また、本発明の通信制御装置は、前記符号化手段が、SSS(Secret Sharing Scheme)符号化方式を使用してもよい。
【0012】
この構成によれば、前記符号化手段にSSS符号化方式を使用することができる。
(3)また、本発明の通信制御装置は、前記割当手段が、前記通信経路ごとに通信品質を示す評価値を算出する手段と、前記評価値が大きい通信経路から順に前記情報ブロックを前記所定の割合で割り当てる手段とを更に有してもよい。
【0013】
この構成によれば、通信品質を示す評価値が大きい通信経路から順に情報ブロックを割り当てるので、通信品質を示す評価値が通信速度の評価値で支配的に決定されている場合には、速度優先の情報ブロックの分配ができる。
(4)また、本発明の通信制御装置は、通信情報を複数の情報ブロックに分割して符号化したときに前記複数の情報ブロックから元の通信情報に復号化するために所定の閾値以上の数の情報ブロックを必要とする、そのような符号化方式で符号化された通信情報である情報ブロックを複数の通信経路から受信する受信手段と、前記受信手段により受信した前記情報ブロックのうち、前記通信情報への復号化に必要な閾値の数の情報ブロックで前記通信情報に復号化する手段とを有する。
【0014】
この構成によれば、受信した情報ブロックのうち、通信情報への復号化に必要な閾値の数の情報ブロックで通信情報に復号化することができる。
【0015】
本発明は、以上のような処理を実行する通信制御方法であってもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、通信品質の保持と、傍受に対するセキュリティの確保と、通信が途切れることのない通信経路の切り替えとを行うことを可能とし、また、処理時間と調整パラメータの数とを抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。
【0018】
《通信情報の符号化の原理》
本発明の実施形態では、通信情報の送受信にSSS(Secret Sharing Scheme)符号化
方式を使用する。SSS符号化方式は、1つまたは複数のパケット(通信情報)をn個の情報ブロックに分割して符号化する。その際、パケットをまとめる数S、情報ブロックへの分割数n、および復号化の閾値m(<n)を符号化に使用する符号化パラメータとして設定する。そして、閾値m以上の数の任意の情報ブロックがあれば情報ブロックを通信情報に復号することができる。また、閾値m以上の数の任意の情報ブロックがなければ情報ブロックを通信情報に復号化できないという特徴を持つ。また、通信経路でn−m個まで情報ブロックが消失しても残るm個の情報ブロックで通信情報に復号できる。
【0019】
SSS符号化は線形連立方程式の解を使用する。線形連立方程式の例として、M個の変数を持つN(>M)個の線形連立方程式を考える。この場合、M個の線形連立方程式があればM個の変数の解を求めることができる。一方で、M−1個の線形連立方程式からではM個の変数を特定の値として求めることができない。SSS符号化は以上の原理を利用する。したがって、SSS符号化されたデータの送信は、M個の変数を持つ線形連立方程式の係数行列を送信することとみなしてもよい。SSS復号化は、線形連立方程式の係数行列に対して、M個の変数の解を求める原理を利用することにより復号化を実行することができる。
【0020】
また、本発明にSSS符号化方式を使用しなくてもよい。例えば、通信情報をn個の情報ブロックに分割し、閾値としてm(<n)を設定し、閾値m以上の数の任意の情報ブロックがあれば通信情報に復号でき、また、閾値m以上の数の任意の情報ブロックがなければ情報ブロックを通信情報に復号できない特徴を持つ他の方法を用いることもできる。
【0021】
また、本発明で使用する符号化方式の特徴、すなわち、m以上の数の任意の情報ブロックがあれば通信情報に復号でき、また、m以上の数の任意の情報ブロックがなければ通信情報に復号できないという特徴は、通信情報に冗長な情報を付加する先行誤り訂正符号にはない特徴である。
【0022】
《実施形態》
以下、本発明の実施形態に係る通信制御装置を図1−図3の図面に基づいて説明する。
【0023】
図1は、本実施形態に係る通信制御装置の基本構成図である。この通信制御装置は、通信情報の送信側に分配器1を、通信情報の受信側に統合器2を有している。図1は、分配器1が接続する端末からデータ(通信情報)を受信し、SSS符号化をして、7個の情報ブロックにし、携帯網、Hot spot(登録商標)、インターネット(Internet)の3つのネットワークを通じて統合器2に送出する様子を示している。また、図1は、統合器2が受信した情報ブロックを元のデータに復号化して、接続する端末に送出する様子を示している。図1では、分配器1が符号化して統合器2に向けて送出した1番目から7番目までの情報ブロックを1〜7の番号を付した矩形、c1〜c7でそれぞれ表わしている。
【0024】
分配器1は、分配器1に接続する端末から送信するデータを受け取る。そして、分配器1は、受け取った通信情報を情報ブロックに分割して符号化する。本実施形態では、符号化にSSS符号化方式を使用する。そして、分配器1は、携帯網、Hot spot(登録商標)、Internet等の複数のネットワークの通信経路を介して統合器2にSSS符号化した情報ブロックを送出する。
【0025】
統合器2は、分配器1が送出した情報ブロックを複数の通信経路を通して受信する。そして、統合器2は、受信した情報ブロックを復号して符号化前のデータに変換し、統合器2に接続する端末に送出する。
【0026】
図2は、分配器1の構成を示すブロック図である。分配器1は、SSS符号化部3、配分部4、および多経路通信管理部5Aを有している。また、図3は、統合器2の構成を示すブロック図である。統合器2は、SSS復号化部6、および多経路通信管理部5Bを有している。まず、図2の分配器1の構成を説明し、それから図3の統合器2の構成を説明する。
【0027】
SSS符号化部3は、SSS符号化部3に接続する端末からデータを受ける。SSS符号化部3は、多経路通信管理部5Aから、データの符号化に使用する符号化パラメータの指定を受ける。符号化パラメータの指定には、データをまとめる数(パケットをまとめる数)Sと、情報ブロックの数nと、復号化の閾値mとが含まれている。SSS符号化部3は、指定された符号化パラメータに基づいて、指定された数のデータを指定された数の情報ブロックに分割し、指定された閾値を有するようにSSS符号化する。SSS符号化部3が本発明の「符号化手段」に相当する。そして、SSS符号化部3は、符号化したデータ、すなわち情報ブロックを配分部4に送出する。
【0028】
配分部4は、SSS符号化部3からSSS符号化したデータ、すなわち情報ブロックを受ける。そして、配分部4は、多経路通信管理部5Aから、分配パラメータの指定を受ける。分配パラメータの指定は、情報ブロックを送出する先の相手通信装置の情報と、使用する通信経路の指定と、それぞれの通信経路に対する情報ブロックの配分量の指定と、情報ブロックを送出する通信経路の順番とを含んでいる。そして、配分部4は、多経路通信管理部5Aからの分配パラメータの指定に基づき、情報ブロックを複数の通信経路を介して統合器2に送出する。配分部4が本発明の「送出する手段」に相当する。
【0029】
多経路通信管理部5Aは、統合器2の多経路通信管理部5Bと、回線速度、無線信号の強度、パケットロス率(情報ブロックのロス率)、ジッタの大きさ、および回線使用の可否等の回線状況に関する情報を複数の通信経路を介して送受信する。また、多経路通信管理部5Aは、相手通信装置からの無線信号の強度を測定してもよい。また、多経路通信管理部5Aは、多経路通信管理部5Bと、IPアドレスやMACアドレス等の通信に必要な情報に関しても複数の通信経路を介して送受信する。多経路通信管理部5Aは、これらの情報を定期的に調べ、内蔵する中央処理装置やメモリによって情報ブロックの分配の仕方を分配パラメータとして求める。それから、多経路通信管理部5Aは、その分配パラメータを配分部4に指定する。
【0030】
また、多経路通信管理部5Aは、分配器1が接続する端末からデータ特性の情報を受ける。データ特性の情報には、例えば、分配器1が接続する端末で使用するアプリケーションのポート番号がある。そして、多経路通信管理部5Aは、そのポート番号から、分配器1が接続している端末が使用しているアプリケーションが実時間性アプリーケーションか否かを判定してもよい。また、多経路通信管理部5Aは、受信するデータ特性の判定処理では、データの大きさを実際に測定し、その測定結果をデータ特性として使用してもよい
。また、多経路通信管理部5Aは、接続する端末装置からデータ特性に関する入力データを受信し、その入力データをデータ特性として使用してもよい。
【0031】
また、多経路通信管理部5Aは、データ特性の情報と、無線信号の強度、回線速度、パケットロス率、ジッタの大きさ、および回線使用の可否等から、パケット(通信情報)をまとめる数Sと、情報ブロックの数nと、閾値mとを多経路通信管理部5Aに内蔵する中央処理装置やメモリによって求め,SSS符号化部3に符号化パラメータとして指定する。
【0032】
また、多経路通信管理部5Aは、SSS復号化に必要な復号化パラメータを統合部2の多経路通信管理部5Bに通知する。
【0033】
次に、図3に示す統合器2の構成を説明する。統合器2は、SSS復号化部6、および多経路通信管理部5Bを有している。
【0034】
多経路通信管理部5Bは、分配器1の多経路通信管理部5Aと、回線速度、無線信号の強度、パケットロス率、ジッタ、および回線の使用の可否等の回線状況に関しての情報を複数の通信経路を介して送受信する。また、多経路通信管理部5Bは、多経路通信管理部5Aと、IPアドレスやMACアドレス等の通信に必要な情報も送受信する。また、多経路通信管理部5Bは、分配器1の多経路通信管理部5Aから復号化パラメータを受信する。また、多経路通信管理部5Bは受信した復号化パラメータをSSS復号化部6に復号化パラメータとして指定する。
【0035】
SSS復号化部6は、相手通信装置から複数の通信経路を介して情報ブロックを受信する。SSS復号化部6が本発明の「受信手段」に相当する。また、SSS復号化部6は、復号化の閾値を超える数の情報ブロックを受信するまで、復号化パラメータを基に、復号化のための処理を逐次的に行い、情報ブロックの数が閾値mとなったところで復号化を完了してもよい。SSS復号化部6が本発明の「復号化する手段」に相当する。また、SSS復号化部6は、受信した情報ブロックの数が閾値mの数に達するまで情報ブロックをメモリに登録した後に、その情報ブロックを通信情報に復号してもよい。また、統合器2は、閾値を超える数の情報ブロックを受信しても、これらの情報ブロックを通信情報に復号する必要がない。したがって、SSS復号化部6は、これらの復号の必要のない情報ブロックを破棄してもよい。SSS復号化部6は、復号後のデータをSSS復号化部6に接続する端末に送出する。
【0036】
《SSS符号化方式の適用》
SSS符号化方式は、1つのパケット、もしくは複数のパケットをまとめて符号化してもよい。したがって、パケットをまとめる数も符号化を行う際のパラメータの一つとなる。その数をSとする。その他に、SSS符号化のために必要なパラメータとして、情報ブロックへの分割数nと、復号の閾値mとがある。ここでは、S、n、およびmの決定方法を説明する。S、n、およびmは、内蔵する中央処理装置とメモリとを用いて多経路通信管理部5Aにて符号化パラメータとして決定される。そして、多経路通信管理部5Aは、その符号化パラメータをSSS符号化部3に指定する。
【0037】
SSS符号化によって元のデータ(通信情報)はn個のデータに分割される。単純に1つのパケットをnパケットに分割すると短いパケットを多数生成してしまい、パケット処理効率と伝送効率とを低下させる。したがって、SSS符号化の際には、パケットの処理効率と伝送効率とを考慮し、いくつかのパケットをまとめて符号化してもよい。
【0038】
例として、ストリーミングの通信などで、定常的にsバイトの大きさのデータをSSS
符号化部3が接続する端末から受信する場合を考える。その際、データをまとめる数Sは、以下のように選択してもよい。
(1)情報ブロックの分割数nをデータをまとめる数Sとしてもよい。このとき、符号化
後の各データサイズは元データと同程度のサイズとなる。したがって、通常のパケ
ットと同程度の処理効率と伝送効率とで情報ブロックの送受信ができる。
(2)最大転送単位(MTU(Maximum Transfer Unit))、すなわち、データ伝送時に
、一度に送信できる最大データサイズを考慮したSを考えてもよい。例えば、複数
の通信経路の中で最小の最大転送単位のサイズをlとした場合、l=a×s/nと
なるaの整数部分bを求め、このbをデータをまとめる数Sとしてもよい。この場
合、S個(b個)分の通信情報をまとめた後にn個の情報ブロックに分割して符号
化するので、符号化後の情報ブロックのデータサイズはS×s/n=b×s/n≦
a×s/n=lとなり、最大転送単位に収まる。したがって、S個(b個)分の通
信情報をまとめてn個に分割した情報ブロックを、通信経路に対して一度に送出す
ることができる。
(3)実時間性アプリケーションを使用する通信か否かをポート番号で識別することによ
り、Sを決めてもよい。実時間アプリケーションの場合、パケットをまとめること
によるバッファリング遅延を抑制する必要がある。したがって、データをまとめる
数Sを少なくすると、実時間アプリケーションにより適した通信ができる。したが
って、各々のアプリケーションが要求する実時間性とネットワークの効率性とによ
り、動的に、データをまとめる数Sを変化させてもよい。
【0039】
また、SSS符号化方式の適用には復号化閾値mを決定する必要がある。閾値mは以下の指針で決定してもよい。分配器1と統合器2との間で使用する複数の通信経路全体の情報ブロックのロス率をPとする。各通信経路を示すインデックスをiとし、t(i)を通信経路iに送出する情報ブロックの数、ρ(i)を通信経路iでの情報ブロックのロス率とすると、複数の通信経路全体での情報ブロックのロス率はP=Σiρ(i)×t(i)
/nである。また、n×(1−P)は情報ブロックのロスなしに相手通信装置に届く情報ブロックの数を意味する。また、n×(1−P)<mとなるmを復号化の閾値として設定した場合を考える。その場合、分配器1が送出した情報ブロックは通信経路でnPの情報ブロックをロスするので、統合器2に復号できる閾値以上の数の情報ブロックが届かないと見積もることができる。したがって、n×(1−P)>=mであれば、統合器2が受信する情報ブロックの数が閾値を越えると見積もることができるので、mをこの条件のもとで決めてもよい。また、このt(i)の値は、それぞれの通信経路に分配する情報ブロックの数の決定後にわかる値である。したがって、t(i)が多経路通信管理部5Aにて一度求められる前は、Pのデフォルトの値を使用してもよい。例えば、Pを0.1としてもよい。そして、t(i)の値が一度求まった後、多経路通信管理部5Aは、t(i)の値を符号化パラメータの決定に使用してもよい。
【0040】
実施にあたって、情報ブロックの数nの閾値に対する比(n/m)は1.1〜1.2程度を使用してもよい。また、閾値mを情報ブロックの数nに近づけることは、SSS符号化時に分割された情報ブロックの大半が揃わないと復号できないことを意味する。このような閾値mを設定するとセキュリティ強化になるので、(n/m)の値を更に1に近い値に設定してもよい。
【0041】
情報ブロックの数nの値が大きい場合、SSS符号化とSSS復号化の実行による処理負荷、すなわち、SSS符号化部3とSSS復号化部6における処理負荷はそれぞれ大きくなる。したがって、nの値はシステムの処理能力に応じた値とする。
【0042】
《分配パラメータの指定》
以下、図4に示すフローチャートを用いて、多経路通信管理部5Aが分配パラメータを
設定する動作を説明する。多経路通信管理部5Aは、この分配パラメータを配分部4に指定する。
【0043】
図4に示すフローチャートは、分配器1が情報ブロックを統合器2に送出するために使用する通信経路が2つ以上ある場合の多経路通信管理部5Aの動作例である。分配器1が情報ブロックを統合器2に送出するために使用する通信経路が1つしかない場合、多経路通信管理部5Aは、以下のフローチャートにはしたがわない。その際、n個の情報ブロックを1つの通信経路に送出するよう配分部4に分配パラメータを指定してもよい。
【0044】
図4に示すフローチャートに基づく処理により、分配パラメータの設定、すなわち複数の通信経路に対する情報ブロックの割り当ての設定が行われる。ここでは、通信品質の評価値が最も大きい通信経路の順、もしくは最も小さい通信経路の順で情報ブロックを通信経路に割り当てる。そして、通信経路に情報ブロックを割り当てる数は、全通信経路の評価値に対する通信経路の評価値の比で割り当てる。以下、図4を用いて、この割当処理を詳しく説明する。
【0045】
図4では、まず、分配器1から統合器2への通信に使用する通信経路のインデックスをiとし、通信経路iに対する評価値をe(i)とし、e(i)の値を通信経路のそれぞれ(すなわち、それぞれのi)に対して求める(S1)。例えば、e(i)は通信経路iでの情報ブロックの伝送速度v(i)、情報ブロックのロス率ρ(i)、ジッタσ(i)、通信経路が無線の場合には無線受信強度I(i)から構成される。例えば、e(i)=v(i)(1−ρ(i))+aI(i)−bσ(i)のようにして、係数a,bを重みとして決めてもよい。また、e(i)は、通信品質を評価する式であればどのような式でも良いので、例で示した式の形には限定されない。
【0046】
次に、評価値e(i)の総和Eを計算する(S2)。分配器1と統合器2との間で情報ブロックを送受信するのに使用可能な通信経路の数をkとする。通信品質の評価値e(i)の総和EはΣike(i)となる。
【0047】
次に、多経路通信管理部5Aは、内蔵する中央処理装置を用いて、内蔵するメモリに、統合器2に情報ブロックを送出するのに使用可能な通信経路のインデックスを通信品質の評価値e(i)の大きい順、または小さい順に通信経路のインデックスの格納変数l(1)からl(k)に格納する(S3)。したがって、通信経路のインデックスの格納変数l(1)は、通信品質の評価値が最も大きい、もしくは最も小さい通信経路のインデックスを示す。ここで、多経路通信管理部5Aが通信品質の評価値の大きい順に通信経路のインデックスを格納する場合で、かつ、通信品質の評価値が通信速度で支配的に決定されている場合には、多経路通信管理部5Aが指定する分配パラメータは、速度重視の情報ブロックの配分を行うよう指定するパラメータとなる。多経路通信管理部5Aが本発明の「所定の割合で割り当てる手段」に相当する。また、評価値の小さい順に通信経路のインデックスを格納する場合を考える。その場合、評価値の小さい通信経路から順に、評価値の比率に応じた数の情報ブロックが割り当てられる。このため、多経路通信管理部5Aが指定する分配パラメータは、情報ブロックを数多くの通信経路を使用して送出し、1つの通信経路当たりに流れる情報ブロックの数を少なくするよう指定するパラメータとなる。したがって、この分配パラメータは、セキュリティ重視の情報ブロックの配分を行うよう指定するパラメータとなる。
【0048】
次に、繰り返しカウンタc、割付余りr、および割付減算ブロックカウンタbという3つの変数を多経路通信管理部5A内における処理に使用するために用意する。そして、初期条件として、c←1、r←0、およびb←nとする(S4)。ここで、cは通信経路のインデックスを示すために、rは1つの通信経路当たりに送出する情報ブロックの数を制
限することから生じる情報ブロックの余りを割り付けるために、bは割り付けられていない情報ブロックの数を示すためにそれぞれ使用される。
【0049】
次に、天井関数ceil(x)を定義する。天井関数ceil(x)は、Nを自然数の集合とするとceil(x)=min[n: n∈N, x≦n]となる関数で、実数xの最大の整数部分を意味する。例えば、ceil(2.1)=2、ceil(1.9)=1となる関数である。 そして、カウンタの値cに対応した通信経路のインデックスの格納変数l(c)から通信経路のインデックスを取り出し、iとする。また、通信経路iに送出する情報ブロックの数をt(i)とする。t(i)を、t(i)←ceil(n×e(i)/E)+rと割り当てる(S5)。すなわち、通信経路において、通信品質の評価値e(i)の全通信経路に対する通信品質の評価値Eに対する比率e(i)/Eに応じた情報ブロックを割り当てる。ここで、rは、1つの通信経路当たりに送出する情報ブロックの数を制限することから生じる割付余りで、初期条件では0が代入されている。
【0050】
次に、t(i)が1つの通信経路に送出することができる最大の情報ブロック数m−1を超えるかを判定する(S6)。ステップS6において、t(i)がm−1を超える場合(t(i)>m−1の場合)、1つの通信経路を流れる情報ブロックのみで通信情報を復号できてしまう。したがって、ステップS6は、1つの通信経路を流れる情報ブロックのみから通信情報に復号できなくするために必要な判定である。
【0051】
ステップS6でYesの場合、すなわち、t(i)>m−1の場合、通信経路iに割り振られた情報ブロックのみで通信情報を復号できてしまう。したがって、r←t(i)−(m−1),t(i)←m−1として、t(i)がm−1を超えないよう制御する。また、rには、n個ある情報ブロックが分配器1から全て送出されるよう、t(i)からm−1を引いた値を割り当てる。
【0052】
次に、b←b−t(i),c←c+1を行う(S9)。ここでbは、前回のt(i)の値の割当処理で情報ブロックが通信経路に割り当てられずに残った数を示しており、その初期条件はb←nである。また、cは、通信経路のインデックスの格納変数l(c)のインデックス(c=1,2,・・・)である。インデックスcは、通信経路のインデックス(l(c)の値)を取り出すために使用され、その初期条件はc←1である。
【0053】
次に、b>0かを判定する(S9)。ステップS9で、b>0であれば、未だ割り振られていない情報ブロックがあることを示している。したがって、b>0であれば、他の通信経路に情報ブロックを割り当てる必要があるので、ステップS5に進む。
【0054】
以上のようにして、多経路通信管理部5Aは分配パラメータを設定することができる。また、多経路通信管理部5Aはこの分配パラメータを配分部4に指定する。
【0055】
したがって、多経路通信管理部5Aが本発明の「割当手段」に相当する。
【0056】
《第1実施例》
以下、本発明の第1実施例に係る通信制御装置を図5の図面に基づいて説明する。
【0057】
第1実施例として、この通信制御装置は、情報ブロックのロス(消失)に対する品質の保持と通信情報のジッタ(揺らぎ)とを抑制できることを示す。
【0058】
図5は、図1と同様に、情報ブロックを分配器1から複数の通信経路を通じて統合器2に送出する様子を示している。図1を用いて説明を行った部分に関しては、図5中に図1と同符号を付すことにより説明を省略する。例として、分配器1は、分配器1に接続する
端末からデータ(通信情報)を受信し、1つまたは複数のパケット(データ)を符号化して統合器2に送出する場合を考える。ここで、符号化パラメータとして、データの分割数を7、復号化の閾値を5とする。そして、分配器1が送出した7個の情報ブロックのうち、3番目に送出した情報ブロックが、通信路のノイズ等により消失が生じた場合を考える。図5では、番号を付した矩形で情報ブロックのそれぞれを示している。分配器1が3番目に送出した情報ブロックはc3と表わされ、その上に×印が描かれている。
【0059】
図5の場合、×印が描かれている3番目に送出した情報ブロックが消失しても、残りの6個の情報ブロックのうち5個の情報ブロックを統合器2が受信すれば、5個の情報ブロックから符号化前の通信情報を統合器2は得ることができる。そのため、冗長な情報ブロックの数が多いほど、すなわち、n−mの値が大きいほど、この通信制御装置は情報ブロックの消失に対して強い。
【0060】
また、統合器2は、受信した情報ブロックから順に復号化し、先頭から閾値の数の情報ブロックで通信情報に復号でき、それ以降の閾値を超えた数の情報ブロックを復号化しなくてもよい。したがって、情報ブロックの受信が遅い通信経路を通る情報ブロックの全てを通信情報を得るために扱わなくても良いので、個々の通信経路で生じるジッタの影響を統合器2は抑えることができる。
【0061】
《第2実施例》
以下、本発明の第2実施例に係る通信制御装置を図6の図面に基づいて説明する。
【0062】
第2実施例として、この通信制御装置は、通信経路における情報ブロックの傍受に対してセキュリティを確保できることを示す。
【0063】
図6は、図5と同様に、分配器1が1つまたは複数のパケットを符号化して統合器2に送出した例を示している。ここで、符号化パラメータとして、データの分割数を7、復号化の閾値を5として考える。図1を用いて説明を行った部分に関しては、図6中に図1と同符号を付すことにより説明を省略する。図6では、情報ブロックc2、c5、c7が1つの通信経路において、統合器2が受信する前に傍受されたと考える。図6に示す例の場合、情報ブロックを通信情報に復号するには、最低5個の情報ブロックが必要である。一方、通信経路で傍受された情報ブロックの数は3個である。したがって、この通信を傍受した者は、たとえ、復号化パラメータをも傍受していても、1つの通信経路から傍受した情報ブロックを用いて通信情報に復号することはできない。
【0064】
《第3実施例》
以下、本発明の第3実施例に係る通信制御装置を図7の図面に基づいて説明する。
【0065】
第3実施例として、この通信制御装置は、使用する無線アンテナを通信の途切れなく切り替えることができることを示す。
【0066】
図7は、この通信制御装置が、アンテナ1からアンテナ2へ通信経路を切り替える例を示している。図1を用いて説明を行った部分に関しては、図7中に図1と同符号を付すことにより説明を省略する。多経路通信管理部5Aは、通信経路の伝送速度、無線信号の強度、パケットロス率、ジッタの大きさ、および通信経路の使用の可否等を常にモニターしながら、配分部4に個々の通信経路に対するブロックの配分を分配パラメータとして指示する。例として、当初、アンテナ2よりもアンテナ1を用いる通信の方が通信品質の評価値が良かったが、その後、アンテナ1よりもアンテナ2を用いる通信の方が通信品質の評価値が良くなった場合を考える。その場合には、配分部4は、通信品質の評価値e(i)にしたがって、アンテナ1へ送出する情報ブロックの数を徐々に少なくし、アンテナ2へ
送出する情報ブロックの数を徐々に多くする。また、統合器2は、情報ブロックがどの通信経路を介するかに関係なく、n個の情報ブロックの中の任意のm個の情報ブロックを受信すると復号できる。したがって、この通信制御装置は、無線アンテナの切り替えの際にも通信が途切れることなく、無線アンテナを切り替えることができる。
【0067】
また、この通信制御装置は、通信品質の評価値e(i)に基づいて情報ブロックを分配する数を通信経路毎に変化させることにより通信経路の切り替えを行うので、送受信機間の同期等に必要な処理負荷を抑えることができる。
【0068】
以上、図8に示すように、本発明を適用した通信制御装置は、傍受に対するセキュリティの確保(暗号化の機能)と、品質保持(誤り訂正符号化の機能)およびジッタ抑制と、通信が途切れることのない通信経路の切り替え(経路選択、切替の機能)とを統合した方式で行うことができる。したがって、この通信制御装置は、これらの技術を統合した方式であるので、これらの技術を実行するために要する処理時間を抑えることができ、また、従来技術において各方法で必要とした調整パラメータの数を抑えることができる。
《その他》
さらに、本実施の形態は以下の発明(以下付記と呼ぶ)を開示する。
(付記1)通信情報を複数の情報ブロックに分割して符号化したときに前記複数の情報ブロックから元の通信情報に復号化するために所定の閾値以上の数の情報ブロックを必要とする、そのような符号化方式で符号化する符号化手段と、
前記情報ブロックを相手通信装置に送出する際に使用可能な通信経路が2つ以上ある場合に、1つの通信経路当たりに送出する前記情報ブロックの数を前記情報ブロックの復号化に必要な前記閾値未満の数で前記通信経路のそれぞれに割り当てる割当手段と、
前記割り当てた数の前記情報ブロックを前記通信経路のそれぞれに送出する手段と
を有する通信制御装置。
(付記2) 前記符号化手段は、SSS(Secret Sharing Scheme)符号化方式を使用す
る付記1記載の通信制御装置。
(付記3) 前記割当手段は、前記通信経路ごとに通信品質を示す評価値を算出する手段と、
前記評価値が大きい通信経路から順に前記情報ブロックを前記所定の割合で割り当てる手段と
を更に有する付記1記載の通信制御装置。
(付記4) 通信情報を複数の情報ブロックに分割して符号化したときに前記複数の情報ブロックから元の通信情報に復号化するために所定の閾値以上の数の情報ブロックを必要とする、そのような符号化方式で符号化された通信情報である情報ブロックを複数の通信経路から受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した前記情報ブロックのうち、前記通信情報への復号化に必要な閾値の数の情報ブロックで前記通信情報に復号化する手段と
を有する通信制御装置。
(付記5) 通信情報を複数の情報ブロックに分割して符号化したときに前記複数の情報ブロックから元の通信情報に復号化するために所定の閾値以上の数の情報ブロックを必要とする、そのような符号化方式で符号化する符号化ステップと、
前記情報ブロックを相手通信装置に送出する際に使用可能な通信経路が2つ以上ある場合に、1つの通信経路当たりに送出する前記情報ブロックの数を前記情報ブロックの復号化に必要な前記閾値未満の数で前記通信経路のそれぞれに割り当てる割当ステップと、
前記割り当てた数の前記情報ブロックを前記通信経路のそれぞれに送出するステップと
を実行する通信制御方法。
(付記6) 前記割当手段は、前記通信経路ごとに通信品質を示す評価値を算出する手段と、
前記評価値が小さい通信経路から順に前記情報ブロックを前記所定の割合で割り当てる
手段と
を更に有する付記1記載の通信制御装置。
(付記7) 前記符号化ステップは、SSS(Secret Sharing Scheme)符号化方式を使
用する付記5記載の通信制御方法。
(付記8) 前記割当ステップは、前記通信経路ごとに通信品質を示す評価値を算出するステップと、
前記評価値が大きい通信経路から順に前記情報ブロックを前記所定の割合で割り当てるステップと
を更に実行する付記5記載の通信制御方法。
(付記9) 前記割当ステップは、前記通信経路ごとに通信品質を示す評価値を算出するステップと、
前記評価値が小さい通信経路から順に前記情報ブロックを前記所定の割合で割り当てるステップと
を更に実行する付記5記載の通信制御方法。
(付記10) 通信情報を複数の情報ブロックに分割して符号化したときに前記複数の情報ブロックから元の通信情報に復号化するために所定の閾値以上の数の情報ブロックを必要とする、そのような符号化方式で符号化された通信情報である情報ブロックを複数の通信経路から受信する受信ステップと、
前記受信ステップにより受信した前記情報ブロックのうち、前記通信情報への復号化に必要な閾値の数の情報ブロックで前記通信情報に復号化するステップと
を実行する通信制御方法。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の通信制御装置のシステム構成図である。
【図2】本発明の通信制御装置の送信側のシステム構成図である。
【図3】本発明の通信制御装置の受信側のシステム構成図である。
【図4】多経路通信管理部が分配パラメータを設定する動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の通信制御装置が通信品質の保持およびジッタ抑制をすることを示す図である。
【図6】本発明の通信制御装置が傍受に対するセキュリティの確保をすることを示す図である。
【図7】本発明の通信制御装置が通信が途切れることのない通信経路の切り替えをすることを示す図である。
【図8】本発明の通信制御装置が暗号化と誤り訂正符号化と通信経路の切り替えの機能を有することを示す図である。
【符号の説明】
【0070】
c1〜c7 情報ブロック
1 分配器
2 統合器
3 SSS符号化部
4 配分部
5A,5B 多経路通信管理部
6 SSS復号化部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信情報を複数の情報ブロックに分割して符号化したときに前記複数の情報ブロックから元の通信情報に復号化するために所定の閾値以上の数の情報ブロックを必要とする、そのような符号化方式で符号化する符号化手段と、
前記情報ブロックを相手通信装置に送出する際に使用可能な通信経路が2つ以上ある場合に、1つの通信経路当たりに送出する前記情報ブロックの数を前記情報ブロックの復号化に必要な前記閾値未満の数で前記通信経路のそれぞれに割り当てる割当手段と、
前記割り当てた数の前記情報ブロックを前記通信経路のそれぞれに送出する手段と
を有する通信制御装置。
【請求項2】
前記符号化手段は、SSS(Secret Sharing Scheme)符号化方式を使用する請求項1記
載の通信制御装置。
【請求項3】
前記割当手段は、前記通信経路ごとに通信品質を示す評価値を算出する手段と、
前記評価値が大きい通信経路から順に前記情報ブロックを前記所定の割合で割り当てる手段と
を有する請求項1記載の通信制御装置。
【請求項4】
通信情報を複数の情報ブロックに分割して符号化したときに前記複数の情報ブロックから元の通信情報に復号化するために所定の閾値以上の数の情報ブロックを必要とする、そのような符号化方式で符号化された通信情報である情報ブロックを複数の通信経路から受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した前記情報ブロックのうち、前記通信情報への復号化に必要な閾値の数の情報ブロックで前記通信情報に復号化する手段と
を有する通信制御装置。
【請求項5】
通信情報を複数の情報ブロックに分割して符号化したときに前記複数の情報ブロックから元の通信情報に復号化するために所定の閾値以上の数の情報ブロックを必要とする、そのような符号化方式で符号化する符号化ステップと、
前記情報ブロックを相手通信装置に送出する際に使用可能な通信経路が2つ以上ある場合に、1つの通信経路当たりに送出する前記情報ブロックの数を前記情報ブロックの復号化に必要な前記閾値未満の数で前記通信経路のそれぞれに割り当てる割当ステップと、
前記割り当てた数の前記情報ブロックを前記通信経路のそれぞれに送出するステップと
を実行する通信制御方法。










【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−352357(P2006−352357A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−173973(P2005−173973)
【出願日】平成17年6月14日(2005.6.14)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】