説明

連携サービス提供装置及びシステム

【課題】ユーザがWeb等の情報ネットワークサービスに事前にアクセスすることなしに情報サービスを提供できる連携サービス提供装置及びシステムを提供する。
【解決手段】情報通信端末からの音声信号から音声認識処理によりキーワードを抽出し、当該キーワードと同一のキーワードを含むコンテンツをデータベースから検索する。また、当該情報通信端末からのパスワード要求に応じてパスワードを生成し、当該パスワードと、検索されたコンテンツのコンテンツ識別子とを対応付けて記憶すると共に、当該パスワードを当該情報通信端末へ送信する。また、当該情報通信端末からの当該パスワードの到来を待ってこれに対応するコンテンツ識別子が示すコンテンツにアクセスするためのコンテンツアクセス情報を生成してこれを当該情報通信端末へ送信する。また、当該情報通信端末からの当該コンテンツアクセス情報の到来を待ってこれに対応するコンテンツをデータベースから取得してこれを当該情報通信端末へ配信する連携サービス提供装置及びシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声通話サービスとWeb等の情報提供サービスとを連携させてサービスを提供する連携サービス提供装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
音声通話サービスと例えばWeb等の情報提供サービスとを連携させてサービスを提供するいわゆるマルチモーダル(multi modal)連携方式においては、サービス利用者がWeb等の情報ネットワークサービスに事前にアクセスして自身の電話番号やユーザIDなどの識別情報を入力することにより、後の音声通話やSIP(Session Initiation Protocol)等の通信ネットワークサービスとの連携を可能としていた。
【0003】
例えば特許文献1には、通信ネットワークに加入しているユーザ毎に登録された情報ネットワークの加入情報に基づいて、通信ネットワークを介した情報要求処理をし、個別のサービスを提供する連携システムが開示されている。また、特許文献2及び3には、それぞれ識別情報の関連付けが異なるものの、情報ネットワークサービスと通信ネットワークとを連携させてサービスを提供する連携システム及び装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−165703号公報
【特許文献2】特開2006−74618号公報
【特許文献3】特開2008−59262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来のマルチモーダル連携方式によるサービス提供においては、サービス利用者を識別するためにサービス利用者自身が事前に情報ネットワークを介してWeb等のサービスにアクセスしなければならないという問題があった。この場合、サービス利用者は必ずしも情報ネットワーク上に多数存在するサービスのうちから適切なサービスにアクセスするだけの知識があるとは限らないので、サービス利用者にとっては非常に不便である。
【0006】
また、従来のマルチモーダル連携方式によるサービス提供においては、Web等の情報サービスにアクセスして、音声通話サービスの利用者を識別するための例えば電話番号等の情報の入力操作が必要であった。このような方式の場合、誤入力による個人識別の失敗や、サービス開始までに多くの操作を要求されることによって利用者のサービス離脱率が増加してしまうという問題があった。更に、第三者が他人の電話番号を故意に入力することにより、他人の情報を入手することが可能になるといった問題点があった。
【0007】
本発明は上記した如き問題点に鑑みてなされたものであって、ユーザがWeb等の情報ネットワークサービスに事前にアクセスすることなしに情報サービスを提供できる連携サービス提供装置及びシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による連携サービス提供装置は、音声通話サービスと情報提供サービスとを連携させつつデータベースに記憶されているコンテンツを複数の情報通信端末へ提供する連携サービス提供装置であって、前記情報通信端末の1からの着信呼に応じて前記情報通信端末の1と呼接続する通話部と、前記情報通信端末の1から到来した音声信号から音声認識処理によりキーワードを抽出する音声認識部と、前記音声認識部によって抽出されたキーワードと同一のキーワードを含むコンテンツを前記データベースから検索するコンテンツ検索部と、前記情報通信端末の1からのパスワード要求に応じてパスワードを生成するパスワード生成部と、前記パスワードと前記コンテンツ検索部によって検索されたコンテンツのコンテンツ識別子とを対応付けて記憶する記憶部と、前記パスワードを前記情報通信端末の1へ送信するパスワード送信部と、前記情報通信端末の1からのパスワードの到来を待ってこれに対応するコンテンツ識別子が示すコンテンツにアクセスするためのコンテンツアクセス情報を生成してこれを前記情報通信端末へ送信するアクセス情報生成送信部と、前記情報通信端末の1からの前記コンテンツアクセス情報の到来を待ってこれに対応するコンテンツを前記データベースから取得してこれを前記情報通信端末の1へ配信するコンテンツ配信部と、を含むことを特徴とする。
【0009】
本発明による連携サービス提供システムは、SIPサーバと音声認識サーバと情報管理サーバとコンテンツサーバとが音声通話サービスと情報提供サービスとを連携させつつデータベースに記憶されているコンテンツを複数の情報通信端末へ提供する連携サービス提供システムであって、前記SIPサーバは、前記情報通信端末の1からの着信呼に応じて前記情報通信端末の1と呼接続する通話部を含み、前記音声認識サーバは、前記情報通信端末の1から到来した音声信号から音声認識処理によりキーワードを抽出する音声認識部を含み、前記SIPサーバは、前記音声認識部によって抽出されたキーワードと同一のキーワードを含むコンテンツを前記データベースから検索するコンテンツ検索部を更に含み、前記情報管理サーバは、前記情報通信端末の1からのパスワード要求に応じてパスワードを生成するパスワード生成部と、前記パスワードと前記コンテンツ検索部によって検索されたコンテンツのコンテンツ識別子とを対応付けて記憶する記憶部と、を含み、前記SIPサーバは、前記パスワードを前記情報通信端末の1へ送信するパスワード送信部と、前記情報通信端末の1からのパスワードの到来を待ってこれに対応するコンテンツ識別子が示すコンテンツにアクセスするためのコンテンツアクセス情報を生成してこれを前記情報通信端末へ送信するアクセス情報生成送信部と、を更に含み、前記コンテンツサーバは、前記情報通信端末の1からの前記コンテンツアクセス情報の到来を待ってこれに対応するコンテンツを前記データベースから取得してこれを前記情報通信端末の1へ配信するコンテンツ配信部を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明による連携サービス提供装置及びシステムによれば、ユーザがWeb等の情報ネットワークサービスに事前にアクセスすることなしに情報サービスを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】連携サービス提供装置を情報通信端末、IP網及び電話網と共に表すブロック図である。
【図2】(a)は、パスワード記憶テーブルを示す図である。(b)は、識別子記憶テーブルを示す図である。
【図3】コンテンツ提供処理を表すシーケンス図である。
【図4】コンテンツ提供処理を表すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る実施例について添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0013】
図1は本実施例の連携サービス提供装置1を情報通信端末50−1〜50−n(nは2以上の整数)、IP網60及び電話網61と共に表すブロック図である。
【0014】
連携サービス提供装置1は、IP(Internet Protocol)網60及び電話網61と接続し、例えば携帯型電話端末などの情報通信端末50に対して、例えば音声通話等の通信サービスと、例えばWeb等のコンテンツを提供する情報サービスとを連携させたいわゆるマルチモーダル連携方式によるサービス提供を行う例えばサーバなどのコンピュータによって構成された装置であり、本実施例においては、SIPアプリケーションサーバ(以下、SIP−APサーバと称する)10と、音声認識サーバ20と、情報管理サーバ30と、コンテンツサーバ40と、からなる。SIP−APサーバ10、音声認識サーバ20、情報管理サーバ30、コンテンツサーバ40及び情報通信端末50−1〜50−nの各々は、IP網60又は電話網61を介して各種信号及びデータを送受信する。情報通信端末50−1〜50−nの各々は同一の構成からなる。以下、情報通信端末50−1との通信を例に説明する。
【0015】
SIP−APサーバ10は、SIP通信プロトコルによって情報通信端末50−1との間にセッションを確立して、情報通信端末50−1との間で各種信号やデータを送受信できる。SIP−APサーバ10は、ワンタイムパス通知部11(パスワード送信部)と、ワンタイムパス要求部12と、コンテンツ検索部13と、通話部14と、アクセス情報送信部15と、を含む。
【0016】
ワンタイムパス通知部11は、ワンタイムパス発行部33によって生成されたパスワードを、電話網61を介して情報通信端末50−1へ送信する。パスワードは、セキュリティの観点からは、1回の認証のためにのみ用いられる固有のパスワードであるいわゆるワンタイムパスであることが望ましい。
【0017】
ワンタイムパス要求部12は、情報通信端末50−1からのワンタイムパス要求(パスワード要求)に応じて、ワンタイムパス発行部33に対してワンタイムパスの発行を要求する。
【0018】
コンテンツ検索部13は、音声認識部21から供給されたキーワードに基づくコンテンツ検索指示をコンテンツ検索部41へ与える。
【0019】
通話部14は、情報通信端末50−1からの着信呼(呼接続要求)に応じて情報通信端末50−1と呼接続し、電話網61を介して通話部50との間で音声信号を送受信する。また、通話部14は、着信呼に応じて当該呼接続に固有の通話識別子(以下、CALL−IDと称する)を生成する。通話部14と通話部50とは1つの通話セッションにおいては同一のCALL−IDによってSIP信号を送受信する。
【0020】
アクセス情報送信部15は、ワンタイムパス認証部34によって生成されたコンテンツアクセス情報を情報通信端末50−1へ送信する。以下、アクセス情報送信部15とワンタイムパス認証部34とからなる機能ブロックをアクセス情報生成送信部と称する。
【0021】
音声認識サーバ20は、音声認識処理を行うサーバであり、音声認識部21を含む。
【0022】
音声認識部21は、SIP−APサーバ10の通話部14が情報通信端末50−1の通話部51から受信した音声信号から音声認識処理によりキーワードを抽出する。音声認識の手法には特に制限は無いが、例えば発話音声の特徴を学習データとして蓄積し、入力された音声信号と、当該学習データを構成する複数のキーワードの各々とを比較して、最も近いキーワードを認識結果として抽出する手法である統計的手法などが用いられる。
【0023】
情報管理サーバ30は、ワンタイムパス等の情報を管理するサーバである。情報管理サーバ30は、セッション管理部31と、ユーザ情報管理データベース(記憶部)32と、ワンタイムパス発行部(パスワード生成部)33と、ワンタイムパス認証部(アクセス情報生成部)34と、を含む。
【0024】
セッション管理部31は、IP網60を介して確立された情報セッションと、電話網61を介して確立された音声セッションとを対応付けて管理する。
【0025】
ユーザ情報管理データベース32は、ワンタイムパス発行部33によって生成されたパスワードと、コンテンツ検索部41によって検索されたコンテンツのコンテンツ識別子とを例えば図2(a)(パスワード記憶テーブル)のように対応付けて記憶する例えばハードディスクなどの記憶媒体である。また、ユーザ情報管理データベース32は、コンテンツ検索部41から供給されたコンテンツ識別子とCALL−IDとを例えば図2(b)(識別子記憶テーブル)のように対応付けて記憶する。更に、ユーザ情報管理データベース32は、当該CALL−IDと、当該コンテンツ識別子が示すコンテンツについての付随情報とを対応付けて記憶することもできる。
【0026】
ワンタイムパス発行部33は、情報通信端末50−1からのCALL−IDを伴うパスワード要求をワンタイムパス要求部12を介して受信し、これに応じてパスワードを生成する。パスワードは、パスワード要求毎に互いに異なるいわゆるワンタイムパスであることが望ましい。
【0027】
ワンタイムパス認証部34は、情報通信端末50−1からのパスワードをSIP−APサーバ10を介して受信し、当該パスワードの認証を行う。すなわち、ワンタイムパス認証部34は、当該パスワードが、ワンタイムパス発行部33によって発行されたパスワードと一致することの判定を行う。また、ワンタイムパス認証部34は、当該認証後、ユーザ情報管理データベース32を参照し、情報通信端末50−1からのパスワードに対応するコンテンツ識別子が示すコンテンツにアクセスするためのコンテンツアクセス情報を生成し、これを情報通信端末50−1へ送信する。
【0028】
コンテンツサーバ40は、少なくとも1つのコンテンツを保持し、コンテンツの検索及び配信等の処理を行うサーバである。コンテンツサーバ40は、コンテンツ検索部41と、コンテンツ通知部42と、コンテンツデータベース43と、コンテンツ配信部44と、を含む。
【0029】
コンテンツ検索部41は、コンテンツ検索部13からのキーワードを伴う検索指示に応じて、当該キーワードと同一のキーワードを含むコンテンツをコンテンツデータベース43から検索する。また、コンテンツ検索部41は、検索したコンテンツを示すコンテンツ識別子をSIP−APサーバ10へ通知する。
【0030】
また、コンテンツ検索部13は、コンテンツ検索部41から供給されたコンテンツ識別子と、通話部14によって生成されたCALL−IDとを対応付けて、情報管理サーバ30に送信し(ステップS14)、ユーザ情報管理データベース32に記憶させる(以下、識別子記憶手段と称する)。
【0031】
コンテンツ通知部42は、コンテンツデータベース43に記憶されているコンテンツについての例えば種類等の情報(コンテンツ関連情報)を、IP網60を介して情報通信端末50−1へ送信できる。
【0032】
コンテンツデータベース43は、少なくとも1つのコンテンツを記憶する例えばハードディスク等の記憶媒体である。コンテンツは、例えばWeb(ホームページ)、静止画、動画、音声等のデータである。
【0033】
コンテンツ配信部44は、情報通信端末50−1からのコンテンツアクセス情報に対応するコンテンツをデータベース43から取得してこれをIP網60を介して情報通信端末50−1へ配信する。
【0034】
なお、本実施例の連携サービス提供装置1は、4つのサーバ(SIP−APサーバ10、音声認識サーバ20、情報管理サーバ30及びコンテンツサーバ40)から構成されたものであるが、単体のサーバとして構成しても良い。また、これらのサーバは、例えばマイクロプロセッサ等の演算処理装置やハードディスク等の記憶媒体によって構成することができる。
【0035】
情報通信端末50−1は、音声通話サービスとWeb等の情報提供サービスとを利用可能な例えば携帯型電話端末やパーソナルコンピュータである。情報通信端末50−1は、通話部51と、ワンタイムパス要求部52と、ワンタイムパス受信部53と、アクセス情報要求部54と、アクセス情報受信部55と、コンテンツ受信部56と、表示部57と、を含む。
【0036】
通話部51は、情報通信端末50−1のユーザによる例えばプッシュボタン(図示せず)押下による発呼指示に応じて、SIP−APサーバ10へ発呼し、通話部14と呼接続する。また、通話部51は、ユーザの発話音声をマイク(図示せず)で集音し、これを音声信号に変換して通話部14へ電話網61を介して送信する。また、通話部51は、通話部14からの例えばIVR(Interactive Voice Response:音声自動応答)機能によって生成されたガイダンス等の音声信号を電話網61を介して受信して、スピーカ(図示せず)から出力することもできる。また、通話部51は、ユーザによるプッシュボタン押下による通話終了指示に応じて呼接続を切断する。
【0037】
ワンタイムパス要求部52は、所望のコンテンツを取得するためのパスワードの送信要求(以下、パスワード要求と称する)を、電話網61を介してSIP−APサーバ10のワンタイムパス要求部12へ送信する。ワンタイムパス要求部52は、SIPアプリケーションサーバ10の通話部14と情報通信端末50−1の通話部51との間の呼接続が確立した時点から所定時間経過後にパスワード要求を送信する。この際、ワンタイムパス要求部52は、当該呼接続について通話部14が生成したCALL−IDについても、パスワード要求と共に送信する。
【0038】
ワンタイムパス受信部53は、ワンタイムパス通知部11からのパスワード(例えばワンタイムパス)を電話網61を介して受信する。また、ワンタイムパス受信部53は、パスワードを受信した後、SIPアプリケーションサーバ10の通話部14と情報通信端末50−1の通話部51との間の呼接続を切断させる指示を通話部51に与えるようにしても良い。この場合、通話部51は当該指示に応じて通話セッションを終了させる。
【0039】
アクセス情報要求部54は、SIP−APサーバ10へ当該パスワードを送信する。アクセス情報要求部54は、SIPアプリケーションサーバ10の通話部14と情報通信端末50−1の通話部51との間の呼接続が切断した時点から所定時間経過後にパスワードを送信する。また、アクセス情報要求部54は、情報通信端末50−1のユーザによる例えばプッシュボタン(図示せず)押下によるパスワード要求指示に応じてパスワードを送信するようにしても良い。
【0040】
アクセス情報受信部55は、ワンタイムパス認証部34によって生成されたコンテンツアクセス情報をSIP−APサーバを経由してIP網60を介して受信する。
【0041】
コンテンツ受信部56は、アクセス情報をIP網60を介してコンテンツサーバ40へ送信し、当該アクセス情報を受信したコンテンツサーバ40からの例えばWeb等のコンテンツをIP網60を介して受信する。
【0042】
表示部57は、ホームページや動画等のコンテンツを表示する例えば液晶パネル等のディスプレイである。
【0043】
連携サービス提供装置1は、例えばマイクロプロセッサなどの演算処理装置や例えばハードディスクなどの記憶媒体等のハードウェア資源によって構成することができる。
【0044】
図3及び図4は、連携サービス提供装置1及び情報通信端末50−1によるコンテンツ提供処理を表すシーケンス図である。以下、図3及び図4を参照しつつ、コンテンツ提供処理について説明する。
【0045】
先ず、情報通信端末50−1のユーザによる例えばプッシュボタン(図示せず)押下による発呼指示に応じて、通話部51がSIP又は電話による呼接続要求(INVITE)を電話網61を介してSIP−APサーバ10へ発する(ステップS1)。SIP−APサーバ10の通話部14は、当該呼接続要求に応じて、1つの呼接続に固有のCALL−IDを生成する。そして、通話部14は、通話部51との間で当該CALL−IDよるSIP信号すなわち180Ringing(ステップS2)、200OK(ステップS3)、ACK(ステップS4)を送受信して、通話部51との間に呼接続を確立する(ステップS5)。
【0046】
通話部51は、呼接続の確立後、情報通信端末50−1のユーザの発話音声をマイク(図示せず)で集音し、これを音声信号に変換して通話部14へ電話網61を介して送信する(ステップS6)。ユーザは、自身が得たいと考えているコンテンツに関する内容について発話する。ユーザは、例えば自身が現在滞在している駅周辺のラーメン店に関するホームページ(コンテンツ)を閲覧したいと考えている場合には、その駅名や「ラーメン」を含む発話を行う。なお、通話部14は、例えばIVR機能によって発話を促すガイダンス等の音声信号を電話網61を介して通話部51へ送信するようにしても良い。
【0047】
通話部14は、受信した音声信号を音声認識部21へ中継する(ステップS7)。音声認識部21は、当該音声信号から音声認識処理によりキーワードを抽出し(ステップS8)、これをSIP−APサーバ10へ供給する(ステップS9)。上記の例の場合、駅名や「ラーメン」等のキーワードが抽出される。SIP−APサーバ10のコンテンツ検索部13は、音声認識部21から供給されたキーワードと共にコンテンツ検索指示をコンテンツ検索部41へ与える(ステップS10)。
【0048】
コンテンツ検索部41は、当該検索指示に応じて、当該キーワードと同一のキーワードを含むコンテンツをコンテンツデータベース43から検索する(ステップS11)。上記の例の場合、駅名や「ラーメン」等のキーワードを含むホームページ等のコンテンツを検索する。コンテンツ検索部41は、検索したコンテンツを示すコンテンツ識別子をSIP−APサーバ10へ通知する(ステップS12)。
【0049】
コンテンツ検索部13は、コンテンツ検索部41から供給されたコンテンツ識別子と、通話部14によって生成されたCALL−IDとを対応付けて(ステップS13)、情報管理サーバ30に送信し(ステップS14)、ユーザ情報管理データベース32に記憶させる(図2(b)。ステップS15)。
【0050】
ワンタイムパス要求部52は、パスワード要求を電話網61を介してSIP−APサーバ10のワンタイムパス要求部12へ送信する(ステップS16)。ワンタイムパス要求部52は、通話部14と通話部51との間の呼接続が確立した時点から所定時間経過後にパスワード要求を送信する。この際、ワンタイムパス要求部52は、当該呼接続について通話部14が生成したCALL−IDについても、パスワード要求と共に送信する。ワンタイムパス要求部12は、情報通信端末50−1へ200OKを返信した後(ステップS17)、CALL−IDを情報管理サーバ30へ送信する(ステップS18)。
【0051】
情報管理サーバ30のワンタイムパス発行部33は、ワンタイムパス要求部12からのCALL−IDを受信し、当該CALL−IDと、ユーザ情報管理データベース32の識別子記憶テーブル(図2(b))に記憶されているCALL−IDとを照合する(ステップS19)。ワンタイムパス発行部33は、一致するCALL−IDが記憶されていると判別した場合には、パスワード(例えばワンタイムパス)を生成する(ステップS20)。続いて、ワンタイムパス発行部33は、パスワードとコンテンツ識別子とを対応付けてユーザ情報管理データベース32のパスワード記憶テーブル(図2(a))に記憶させると共に、当該パスワード及びコンテンツ識別子をSIP−APサーバ10へ送信する(ステップS21)。
【0052】
SIP−APサーバ10のワンタイムパス通知部11は、ワンタイムパス発行部33からのパスワードをNOTIFYメッセージにより、電話網61を介して情報通信端末50−1へ通知する(ステップS22)。この際、ワンタイムパス通知部11は、コンテンツ識別子を含むコンテンツ情報も通知しても良い。ワンタイムパス受信部53は、ワンタイムパス通知部11からのパスワードを受信する。通話部14は、通話部51との間でSIP信号すなわち200OK(ステップS23)、BYE(ステップS24)、200OK(ステップS25)を送受信して呼接続を切断する。
【0053】
その後、アクセス情報生成送信部(アクセス情報送信部15とワンタイムパス認証部34とからなる)は、情報通信端末50−1からのパスワードの到来を待つ。アクセス情報要求部54は、SIPアプリケーションサーバ10の通話部14と情報通信端末50−1の通話部51との間の呼接続が切断した時点から所定時間経過後に、ワンタイムパス受信部53によって受信されたパスワードを含むアクセス情報要求を例えばSUBSCRIBEメッセージ信号によってIP網60を介してSIP−APサーバ10へ送信する(ステップS26)。
【0054】
SIP−APサーバ10のコンテンツ検索部13は、アクセス情報要求に応じて200OK信号を情報通信端末50−1に返信すると共に(ステップS27)、当該パスワードを伴うアクセス情報要求を情報管理サーバ30へ中継する(ステップS28)。情報管理サーバ30のワンタイムパス認証部34は、当該中継されたパスワードの認証を行う(ステップS29)。ワンタイムパス認証部34は、当該認証後、ユーザ情報管理データベース32のパスワード記憶テーブル(図2(a))を参照し、当該パスワードに対応するコンテンツ識別子が示すコンテンツにアクセスするためのコンテンツアクセス情報を生成する(ステップS30)。コンテンツアクセス情報は、例えばコンテンツの所在を示すURL(以下、コンテンツURLと称する)である。その後、ワンタイムパス認証部34は、コンテンツURLをSIP−APサーバ10へ送信する(ステップS31)。
【0055】
SIP−APサーバ10のアクセス情報送信部15は、ワンタイムパス認証部34からのコンテンツURLを例えばNOTIFYメッセージ信号によりIP網60を介して情報通信端末50−1へ送信する(ステップS32)。その後、コンテンツ配信部44は、情報通信端末50−1からのコンテンツアクセス情報の到来を待つ。アクセス情報受信部55は、コンテンツURLを受信したときに、200OK信号をSIP−APサーバ10へ送信し(ステップS33)、当該コンテンツURLに対応するコンテンツへのアクセスを開始する(ステップS34)。詳細には、当該コンテンツURLを含むHTTPリクエスト信号をIP網60を介してコンテンツサーバ40へ送信する(ステップS35)。
【0056】
コンテンツサーバ40のコンテンツ配信部44は、HTTPリクエスト信号に応じて当該コンテンツURLに対応するコンテンツのデータを例えばHTTPレスポンス信号によりIP網60を介して情報通信端末50−1へ送信する(ステップS36)。コンテンツのデータは、例えば駅周辺のラーメン店の一覧を示すホームページのデータである。コンテンツ受信部56はコンテンツ配信部44からのコンテンツを受信し、表示部57は当該受信したコンテンツを表示する(ステップS37)。
【0057】
上記したように、本実施例の連携サービス提供装置1は、情報通信端末50−1からの着信呼に応じて呼接続を確立し、情報通信端末50−1からの音声信号から音声認識処理によりキーワードを抽出する。そして、そのキーワードを含むコンテンツをコンテンツデータベース43から検索する。その後、情報通信端末50−1からのパスワード要求に応じてパスワードを生成し、当該パスワードと、検索されたコンテンツのコンテンツ識別子とを対応付けて記憶すると共に、当該パスワードを情報通信端末50−1へ送信する。
【0058】
更に、情報通信端末50−1からのパスワードを認証し、これに対応するコンテンツ識別子が示すコンテンツにアクセスするためのコンテンツアクセス情報を生成してこれを情報通信端末50−1へ送信する。そして、情報通信端末50−1からの当該コンテンツアクセス情報に対応するコンテンツをコンテンツデータベース43から取得してこれを情報通信端末50−1へ配信する。
【0059】
かかる構成により、ユーザはWeb等の情報サービスに事前にアクセスして例えばユーザの電話番号やユーザ固有のIDなどのユーザに関する情報を事前に登録することなく、通話サービスにアクセスして音声通話を開始するのみで、例えばWebの閲覧などの所望の情報サービス提供を受けることができる。また、パスワードをワンタイムパスとすることにより、情報サービスの提供に際してのセキュリティの向上を図ることができる。
【0060】
更に、呼接続時に生成したCALL−IDとコンテンツIDとを対応付けて記憶し、ユーザからワンタイムパスの発行要求があった場合にCALL−IDに基づいて対応するコンテンツについてのアクセス情報を提供するので、サービス利用者による個人情報の利用を不要とすることができる。
【符号の説明】
【0061】
1 連携サービス提供装置
10 SIPアプリケーションサーバ
11 ワンタイムパス通知部(パスワード送信部)
12 ワンタイムパス要求部
13 コンテンツ検索部
14 通話部
15 アクセス情報送信部
20 音声認識サーバ
21 音声認識部
30 情報管理サーバ
31 セッション管理部
32 ユーザ情報管理データベース(記憶部)
33 ワンタイムパス発行部(パスワード生成部)
34 ワンタイムパス認証部(アクセス情報生成部)
40 コンテンツサーバ
41 コンテンツ検索部
42 コンテンツ通知部
43 コンテンツデータベース
44 コンテンツ配信部
50−1〜50−n 情報通信端末
51 通話部
52 ワンタイムパス要求部
53 ワンタイムパス受信部
54 アクセス情報要求部
55 アクセス情報受信部
56 コンテンツ受信部
57 表示部
60 IP網
61 電話網


【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声通話サービスと情報提供サービスとを連携させつつデータベースに記憶されているコンテンツを複数の情報通信端末へ提供する連携サービス提供装置であって、
前記情報通信端末の1からの着信呼に応じて前記情報通信端末の1と呼接続する通話部と、
前記情報通信端末の1から到来した音声信号から音声認識処理によりキーワードを抽出する音声認識部と、
前記音声認識部によって抽出されたキーワードと同一のキーワードを含むコンテンツを前記データベースから検索するコンテンツ検索部と、
前記情報通信端末の1からのパスワード要求に応じてパスワードを生成するパスワード生成部と、
前記パスワードと前記コンテンツ検索部によって検索されたコンテンツのコンテンツ識別子とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記パスワードを前記情報通信端末の1へ送信するパスワード送信部と、
前記情報通信端末の1からのパスワードの到来を待ってこれに対応するコンテンツ識別子が示すコンテンツにアクセスするためのコンテンツアクセス情報を生成してこれを前記情報通信端末へ送信するアクセス情報生成送信部と、
前記情報通信端末の1からの前記コンテンツアクセス情報の到来を待ってこれに対応するコンテンツを前記データベースから取得してこれを前記情報通信端末の1へ配信するコンテンツ配信部と、を含むことを特徴とする連携サービス提供装置。
【請求項2】
前記通話部は、前記着信呼に応じて通話識別子を生成し、
前記コンテンツ検索部は、前記コンテンツ識別子と前記通話識別子とを対応付けて前記記憶部に記憶させる識別子記憶手段を更に含み、
前記パスワード生成部は、前記パスワード要求と共に受信した通話識別子と、前記識別子記憶手段に記憶されている通話識別子とが一致した場合に、当該通話識別子に対応するコンテンツ識別子が示すコンテンツについての前記パスワードを生成することを特徴とする請求項1に記載の連携サービス提供装置。
【請求項3】
前記パスワードは、前記パスワード要求毎に異なるパスワードであることを特徴とする請求項1に記載の連携サービス提供装置。
【請求項4】
前記コンテンツアクセス情報は、前記コンテンツの所在を示すURL情報であることを特徴とする請求項1に記載の連携サービス提供装置。
【請求項5】
前記識別子記憶手段は、前記通話識別子と、前記コンテンツ識別子が示すコンテンツについての付随情報とを更に対応付けて記憶し、
前記パスワード送信部は、前記パスワードに前記付随情報を付加することを特徴とする請求項2に記載の連携サービス提供装置。
【請求項6】
SIPサーバと音声認識サーバと情報管理サーバとコンテンツサーバとが音声通話サービスと情報提供サービスとを連携させつつデータベースに記憶されているコンテンツを複数の情報通信端末へ提供する連携サービス提供システムであって、
前記SIPサーバは、前記情報通信端末の1からの着信呼に応じて前記情報通信端末の1と呼接続する通話部を含み、
前記音声認識サーバは、前記情報通信端末の1から到来した音声信号から音声認識処理によりキーワードを抽出する音声認識部を含み、
前記SIPサーバは、前記音声認識部によって抽出されたキーワードと同一のキーワードを含むコンテンツを前記データベースから検索するコンテンツ検索部を更に含み、
前記情報管理サーバは、前記情報通信端末の1からのパスワード要求に応じてパスワードを生成するパスワード生成部と、前記パスワードと前記コンテンツ検索部によって検索されたコンテンツのコンテンツ識別子とを対応付けて記憶する記憶部と、を含み、
前記SIPサーバは、前記パスワードを前記情報通信端末の1へ送信するパスワード送信部と、前記情報通信端末の1からのパスワードの到来を待ってこれに対応するコンテンツ識別子が示すコンテンツにアクセスするためのコンテンツアクセス情報を生成してこれを前記情報通信端末へ送信するアクセス情報生成送信部と、を更に含み、
前記コンテンツサーバは、前記情報通信端末の1からの前記コンテンツアクセス情報の到来を待ってこれに対応するコンテンツを前記データベースから取得してこれを前記情報通信端末の1へ配信するコンテンツ配信部を含むことを特徴とする連携サービス提供システム。
【請求項7】
前記通話部は、前記着信呼に応じて通話識別子を生成し、
前記コンテンツ検索部は、前記コンテンツ識別子と前記通話識別子とを対応付けて前記記憶部に記憶させる識別子記憶手段を更に含み、
前記パスワード生成部は、前記パスワード要求と共に受信した通話識別子と、前記識別子記憶手段に記憶されている通話識別子とが一致した場合に、当該通話識別子に対応するコンテンツ識別子が示すコンテンツについての前記パスワードを生成することを特徴とする請求項6に記載の連携サービス提供システム。
【請求項8】
前記パスワードは、前記パスワード要求毎に異なるパスワードであることを特徴とする請求項6に記載の連携サービス提供システム。
【請求項9】
前記コンテンツアクセス情報は、前記コンテンツの所在を示すURL情報であることを特徴とする請求項6に記載の連携サービス提供システム。
【請求項10】
前記識別子記憶手段は、前記通話識別子と、前記コンテンツ識別子が示すコンテンツについての付随情報とを更に対応付けて記憶し、
前記パスワード送信部は、前記パスワードに前記付随情報を付加することを特徴とする請求項7に記載の連携サービス提供システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−192056(P2011−192056A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−58103(P2010−58103)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(308033722)株式会社OKIネットワークス (165)
【Fターム(参考)】