説明

遊技台

【課題】遊技演出制御部の負荷を減らしながらも遊技演出制御部が音出力装置の異常を把握することができる遊技台を提供する。
【解決手段】アンプ426は、異常が検知された場合にスピーカへの音声信号の出力を停止するとともに音声制御部418へ故障信号Sを出力し、起動信号(例えば、起動信号S)の入力によって起動処理を実行し、音声制御部418は、アンプ426から故障信号Sが入力された場合に起動指示信号Sを遊技演出制御部404へ出力し、遊技演出制御部404は、音声制御部418から起動指示信号Sが入力された場合に起動信号Sを音声制御部418およびアンプ425へ出力し、アンプ425が起動信号Sをアンプ426へ出力するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシン等の遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の遊技台は、例えば特許文献1に開示されているように、所定の演出に紐付けられた音声データに基づいて音声信号を生成する音源IC、音源ICから入力された音声信号を増幅するアンプおよびアンプで増幅された音声信号を音声として出力するスピーカとを有する音声制御出力回路と、この音声制御出力回路にコマンドを出力する遊技演出制御部としての制御回路とを備えている。
【0003】
アンプはスピーカ故障を未然に防止するために、過電流保護回路などの保護回路を内部に備えている。保護回路が作動した場合、アンプの動作が停止し、その結果スピーカからの出音が停止するので、アンプを再起動させてスピーカからの出音を再開させる必要があるが、保護回路が動作した要因を取り除くために、音生成・出力に関与する音源ICおよびアンプの両方を再起動させたい。そのため、アンプは制御回路にリセット信号(起動指示信号)を出力し、制御回路は上記リセット信号を受信した場合に起動信号を音源ICおよびアンプの両方に出力するのが一般的である。また、音源ICに異常が生じた場合には、音源ICからも制御回路にリセット信号が出力されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−000814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、制御回路に音源ICが出力するリセット信号とアンプが出力するリセット信号の両方を入力すると、制御回路の監視にかかる負荷が大きいという課題が生じる。元来、遊技機の制御回路が監視すべき対象となる装置数は多く、この数はできるだけ減らすことが好ましい。
【0006】
本発明は、斯かる実情に鑑み、遊技演出制御部の負荷を減らしながらも遊技演出制御部が音出力装置の異常を把握することができる遊技台を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の遊技台は、遊技に係わる演出の制御を行う遊技演出制御部と、前記演出に係る音声を出力するスピーカと、前記スピーカが出力する前記音声に係る音声信号を増幅させるアンプと前記遊技演出制御部の命令に基づいて前記音声に係る音声データの設定を行う音声制御部と、を有する音出力装置を備えた遊技台であって、前記アンプは、前記音出力装置に生じた異常を検知する異常検知手段と、前記異常検知手段により異常が検知された場合に、前記スピーカへの音声信号の出力を停止する出音保護手段と、前記出音保護手段によって前記スピーカへの音声信号の出力が停止された場合に故障信号を前記音声制御部へ出力する故障信号出力手段と、起動信号の入力によって起動処理を実行し、前記スピーカへの音声信号の出力を再開させる起動手段と、を備え、前記音声制御部は、前記アンプから前記故障信号が入力された場合に起動指示信号を前記遊技演出制御部へ出力する起動指示信号出力手段を備え、前記遊技演出制御部は、前記音声制御部から前記起動指示信号が入力された場合に前記起動信号を前記音声制御部および前記アンプへ出力する起動信号出力手段を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の遊技台によれば、アンプは故障信号を音声制御部へ出力し、音声制御部はそれを受けて起動指示信号を遊技演出制御部へ出力するので、遊技演出制御部は音声制御部から入力される起動指示信号を監視しておくだけでよく、遊技演出制御部の負荷を減らしながらも遊技演出制御部が音出力装置の異常を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明のスロットマシンの外観を示す斜視図である。
【図2】本発明のスロットマシンの前面扉を開放した状態を示す正面図である。
【図3】(a)は本発明の各リール(左リール、中リール、右リール)に施された図柄の配列を平面的に展開して示した図、(b)は本発明の入賞役を示す図である。
【図4】本発明のスロットマシンの主制御部、第1副制御部および第2副制御部を示すブロック図である。
【図5】(a)は本発明のアンプの構成を示すブロック図、(b)はそのアンプの保護回路の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る音出力装置の信号の送受信に係る構成を示す模式図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る音出力装置の低音アンプがシャットダウンしたときの起動処理を示すフローチャートである。
【図8】(a)は本発明の第1実施形態に係る音出力装置の音源ICがシャットダウンしたときの起動処理を示すフローチャートであり、(b)は高音アンプがシャットダウンしたときの起動処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の主制御部が実行するメイン処理のフローチャートである。
【図10】本発明の主制御部が実行するタイマ割込処理のフローチャートである。
【図11】本発明の第1副制御部が実行する処理を示すものであって、(a)はメイン処理のフローチャート、(b)はコマンド受信割込処理のフローチャート、(c)はタイマ割込処理のフローチャート、(d)は起動信号割込処理のフローチャートである。
【図12】(a)は本発明の音源ICが実行するメイン処理のフローチャートであり、(b)は本発明の第1実施形態に係る音源ICの低音アンプ監視処理のフローチャートである。
【図13】本発明の第2副制御部が実行する処理を示すものであって、(a)はメイン処理のフローチャート、(b)はコマンド受信割込処理のフローチャート、(c)はタイマ割込処理のフローチャート、(d)は画像制御処理のフローチャート、である。
【図14】本発明の第2実施形態に係る低音アンプ監視処理のフローチャートである。
【図15】本発明の第2実施形態に係る音出力装置の信号の送受信に係る構成を示す模式図である。
【図16】本発明の第3実施形態に係る音出力装置の信号の送受信に係る構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
<全体構成>
図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取り付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、外周面に複数種類の図柄(図3参照)が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110乃至112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
【0011】
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組合せが変動することとなる。つまり、各リール110乃至112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【0012】
各々のリール110乃至112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
【0013】
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ライン114は、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ライン114は5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよく、ベット数に関係なく、一律に同一数の入賞ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよい。
【0014】
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
【0015】
ベットボタン130乃至132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
【0016】
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130乃至132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口134から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器とした。
【0017】
スタートレバー135は、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口134に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130乃至132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
【0018】
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110乃至112に対応づけられている。以下、ストップボタン137乃至139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
【0019】
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
【0020】
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。
【0021】
音孔180は、スロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能な表示装置であればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
【0022】
図2は、前面扉102を開けた状態のスロットマシン100を示す正面図である。本体101は、上面板261、左側の側面板260、右側の側面板260、下面板264および背面板242で囲われ、前面に開口する箱体である。本体101の内部には、背面板242の上部に設けた通風口249と重ならない位置に、内部に主制御基板を収納した主制御基板収納ケース210が配置され、この主制御基板収納ケース210の下方に、3つのリール110乃至112が配置されている。主制御基板収納ケース210及びリール110乃至112の側方、即ち向って左側の側面板260には、内部に副制御基板を収納した副制御基板収納ケース220が配設してある。また、向かって右側の側面板260には、主制御基板に接続されて、スロットマシン100の情報を外部装置に出力する外部集中端子板248が取り付けられている。
【0023】
そして、下面板264には、メダル払出装置180(バケットに溜まったメダルを払出す装置)が配設され、このメダル払出装置180の上方、即ちリール110乃至112の下方には、電源基板を有する電源装置252が配設され、電源装置252正面には電源スイッチ244を配設している。電源装置252は、スロットマシン100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して後述する主制御部300、副制御部400、500等の各制御部、各装置に供給する。さらには、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
【0024】
メダル払出装置180の右側には、メダル補助収納庫240が配設してあり、この背後にはオーバーフロー端子が配設されている(図示省略)。電源装置252には、電源コード264を接続する電源コード接続部が設けられ、ここに接続された電源コード264が、本体101の背面板242に開設した電源コード用穴262を通して外部に延出している。前面扉102は、本体101の左側の側面板260にヒンジ装置276を介して蝶着され、図柄表示窓113の上部には、演出装置160、および、この演出装置160を制御する演出制御基板(図示省略)、高音スピーカL272,R272、を設けている。図柄表示窓113の下部には、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、このメダルセレクタ170が不正なメダル等をメダル受皿161に落下させる際にメダルが通過する通路266等を設けている。さらに、音孔180に対応する位置には低音スピーカ277を設けている。
【0025】
<図柄配列>
図3(a)を用いて、上述の各リール110乃至112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
【0026】
各リール110乃至112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では8種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110乃至112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号1のコマには「リプレイ」の図柄、中リール111の番号0のコマには「ベル」の図柄、右リール112の番号2のコマには「スイカ」の図柄、がそれぞれ配置されている。
【0027】
<入賞役の種類>
次に、図3(b)を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の作動または払出を示している。
【0028】
本実施形態における入賞役のうち、ビッグボーナス(BB1、BB2)および、レギュラーボーナス(RB)はボーナス遊技に移行する役として、また、再遊技(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「入賞役」には、作動役である、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技が含まれる。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技への入賞が含まれる。
【0029】
スロットマシン100の入賞役には、ビッグボーナス(BB1、BB2)と、レギュラーボーナス(RB)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)と、再遊技(リプレイ)がある。なお、入賞役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
【0030】
「ビッグボーナス(BB1、BB2)」(以下、単に、「BB」と称する場合がある)は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。対応する図柄組合せは、BB1が「白7−白7−白7」、BB2が「青7−青7−青7」である。また、BB1、BB2についてはフラグ持越しを行う。すなわち、BB1、BB2に内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBB1、BB2に入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBB1、BB2に内部当選中となり、BB1に対応する図柄組合せ「白7−白7−白7」、BB2に対応する図柄組組合せ「青7−青7−青7」が、揃って入賞する状態にある。
【0031】
「レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)が開始される特殊役(作動役)である。対応する図柄組合せは、「ボーナス−ボーナス−ボーナス」である。なお、RBについても上述のBBと同様にフラグ持越しを行う。但し、(詳細は後述するが)ビッグボーナス遊技(BB遊技)においては、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)が内部当選することや、図柄組合せが入賞ライン上に表示されること、を開始条件とせずに、ビッグボーナス遊技の開始後からレギュラーボーナス遊技を開始し、1回のレギュラーボーナス遊技を終了した場合には次のレギュラーボーナス遊技をすぐに開始するような自動的にレギュラーボーナス遊技を開始させる設定としてもよい。
【0032】
「小役(チェリー、スイカ、ベル)」(以下、単に、「チェリー」、「スイカ」、「ベル」と称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組合せは、チェリーが「チェリー−ANY−ANY」、スイカが「スイカ−スイカ−スイカ」、ベルが「ベル−ベル−ベル」である。また、対応する払出枚数は同図に示す通りである。なお、「チェリー−ANY−ANY」の場合、左リール110の図柄が「チェリー」であればよく、中リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
【0033】
「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組合せは、再遊技は「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。
【0034】
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類について説明する。遊技状態とは、抽選などにおいて選択する抽選データの種別を識別するための情報である。本実施形態では、スロットマシン100の遊技状態は、通常遊技と、BB遊技と、RB遊技と、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技と、に大別した。但し、内部当選遊技は、通常遊技に含まれる区分けであってもよい。
【0035】
<通常遊技>
通常遊技に内部当選する入賞役には、ビッグボーナス(BB)と、レギュラーボーナス(RB)と、再遊技(リプレイ)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)がある。
【0036】
「ビッグボーナス(BB)」は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。「レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)を開始する特殊役(作動役)である。「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダルの投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出も行われない。「小役」は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役である。なお、各々の役の内部当選確率は、通常遊技に用意された抽選データから、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(例えば65535)で除した値で求められる。通常遊技に用意された抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、何れの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部抽選役を決定する。この抽選データは少なくとも1つの役の当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
【0037】
通常遊技は、内部抽選の結果が概ねハズレ(ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、再遊技(リプレイ)および小役に当選していない)となる設定、又は、停止表示結果がいずれの役の図柄組合せに該当しないハズレの停止表示結果が概ね導出される設定がされており、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数に満たない遊技状態になっている。よって、遊技者にとっては不利益となる遊技状態である。但し、予め定めた条件を満たした場合(例えば、特定の図柄組合せが表示された場合)には、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせてもよい遊技状態であり、この場合、遊技に用いられるメダルの消費が抑えられ、小役の入賞によって所定数のメダルが払い出されることにより、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態になり、遊技者にとっては利益となる遊技状態になる場合がある。
【0038】
<BB遊技>
BB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、BB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。BB遊技は、本実施形態では、ビッグボーナス(BB)の入賞により開始され、RB遊技(後述する)を連続して繰り返し実行可能になっており、遊技中に予め定められた一の数(例えば、465枚)を超えるメダルが獲得された場合に終了する。但し、BB遊技はRB遊技を複数回数実行可能であればよく、例えば、RB遊技を開始する役(図柄組み合わせは例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイ)を設定し、この役が内部当選した場合、または、入賞した場合に、RB遊技を開始するように設定してもよい。さらには、BB遊技は、BB遊技中のRB遊技を除くBB一般遊技を予め定めた回数(例えば、30回)実行した場合、または、BB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、3回)に終了するようにしてもよい。
【0039】
<RB遊技>
RB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、RB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。RB遊技は、本実施形態では、レギュラーボーナス(RB)の入賞により開始され、予め定めた一の役が内部当選の確率を上昇させる変動(例えば、「設定1」「通常遊技」に設定された「小役1」の内部当選確率1/15を、予め定めた一の値である内部当選確率1/1.2に上昇させる)をし、予め定めた一の数(例えば、8回)の入賞があった場合に終了する。RB遊技は、予め定めた回数(少なくとも2回)の入賞があった場合(例えば、8回)、または、RB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、8回)に終了するようにしてもよい。上述したBB遊技は、RB遊技を複数回数実行可能であるので、一回のRB遊技を行った場合には、BB遊技で得られるメダルの総数よりも少ないメダル数を獲得して終了することとなる。
<ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技>
【0040】
ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技に内部当選する入賞役には、再遊技(リプレイ)と、小役がある。ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)は内部当選することはなく、ビッグボーナス(BB)かレギュラーボーナス(RB)に対応する図柄組合せを入賞させることが可能となっている遊技状態である。
【0041】
但し、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)に内部当選した次遊技から、再遊技の内部当選の確率を変動させてもよく、例えば、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせて、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)対応する図柄組み合わせが入賞するまでの間は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数とほぼ同じとなる遊技状態とし、通常遊技と比べると遊技者にとっては利益となる遊技状態としてもよい。なお、BB遊技、RB遊技は両者とも遊技者にとって利益となる遊技状態であるため、総じて、ボーナス遊技、又は、特別遊技と称する場合がある。
【0042】
<制御部>
図4を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
【0043】
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
【0044】
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、WDT(ウォッチドックタイマ)314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器314が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器314が出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
【0045】
主制御部300は、0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を備えており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
【0046】
また、主制御部300には、センサ回路320を備えており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、リール112のインデックスセンサ、等)の状態を監視している。
【0047】
なお、センサ回路320がスタートレバー135センサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
【0048】
メダル受付センサは、メダル投入口134の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139センサは、各々のストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者によるストップボタン137乃至139の操作を検出する。
【0049】
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130乃至132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
【0050】
リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、および、リール112のインデックスセンサは、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
【0051】
主制御部300は、リール装置110乃至112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、各種ランプ338(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328を備えている。
【0052】
また、基本回路302には、情報出力回路334(外部集中端子板248)を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
【0053】
また、主制御部300は、電源管理部(図示省略)から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路330を備えており、電圧監視回路330は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
【0054】
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
【0055】
<第1副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM406は、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等を記憶する。
【0056】
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。
【0057】
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)が接続されている。
【0058】
<出音処理部>
また、第1副制御部400には、基本回路402におけるCPU404に入出力端子を介して接続され、CPU404によって、主制御部300の遊技制御に関連して制御される出音処理部416が設けられている。さらに、出音処理部416には、出力インタフェースを介して、高音用音声出力部としての高音スピーカ272と、低音用音声出力部としての低音スピーカ277が設けられている。高音スピーカ272は、本体101において向かって左側に配置される高音スピーカL272と、向かって右側に配置される高音スピーカR272の2つが左右一対で設けられている。
【0059】
出音処理部416は、遊技に関連して出音される遊技音(音声)の基となる音声データが記憶されたROM(サウンドROM)423と、一時的に音声データを記憶するためのRAM(サウンドRAM)424と、スピーカ272,277が出力する音声に係る音声信号を生成する音源IC418と、音源IC418が生成した音声信号を増幅するアンプ425,426と、を備えている。アンプ425,426は、高音スピーカ272に対応した高音アンプ425と、低音スピーカ277に対応した低音アンプ426とで構成されている。
【0060】
音源IC418は、CPU404からの命令(コマンド)に応じて、サウンドROM423から音声データを読み出すとともに、その音声データに対して音量や音質等の各種設定を行い、スピーカ272,277が出力する音声に係る音声信号を生成してアンプ425,426に出力する。このとき、サウンドRAM424に、生成した音声信号を一時的に記憶させる。また、音源IC418には、ユーザ(例えば、遊技店の店員等)が手動操作で音出力装置をリセットできる保護機能として、保護スイッチ等の保護操作手段や、自身の異常を自動的に検知し、保護動作を実行する保護回路が備えられている。
【0061】
<アンプ>
アンプ425,426は、高音用および低音用のいずれもD級アンプとして構成され、図5(a)に示すように、ゲインコントロール部431と、デルタシグマ変換回路432と、PWM変換回路433と、スイッチング増幅回路434と、CPU435と、フィルタ(LPF)436と、を備えている。
【0062】
ゲインコントロール部431は、音源IC418からオーディオ端子を介して入力されたデジタル音声信号のゲイン調整を行い、そのゲイン調整したデジタル音声信号をデルタシグマ変換回路432に出力する。
【0063】
デルタシグマ変換回路432は、ゲインコントロール部431から入力された音声信号を1ビットのデジタル音声信号に変換し、その1ビットデジタル音声信号をPWM変換回路433に出力する。
【0064】
PWM変換回路433は、デルタシグマ変換回路432から入力された1ビットデジタル音声信号のパルス幅を変調してPWM信号を生成し、そのPWM信号をスイッチング増幅回路434に出力する。
【0065】
スイッチング増幅回路434は、後で詳述する保護回路440が内蔵された構成となっており、PWM変換回路433から入力されたPWM信号を増幅し、フィルタ436に出力する。
【0066】
CPU435は、スイッチング増幅回路434の保護回路440が作動しているか否か、すなわち、異常を検知しているか否かを判別する。高音アンプ425においては、CPU435は、保護回路440が作動していると判別したら自身の保護回路440を自動復帰(自己復帰)させ、また、音源IC418から後述する起動信号Sが入力された場合には、それを受けて低音アンプ425に起動信号Sを出力する機能も果たす。一方、低音アンプ426においては、CPU435は、保護回路440が作動していると判別したら音源IC418に後述する故障信号Sを出力する機能を果たす。
【0067】
フィルタ436は、ローパスフィルタ(LPF)であって、スイッチング増幅回路434によって増幅されたPWM信号の周波数のうちの低域成分のみを通過させて音声信号を復元し、スピーカL272,R272,277に出力する。換言すれば、フィルタ436は、低周波を良く通し、所定の帯域より高い帯域の周波数(特定帯域の周波数)を通さない(減衰させる)フィルタであり、音声信号に含まれる必要のない高周波成分を取り除くのに有用なフィルタである。なお、フィルタ436において減衰させる特定帯域の周波数、すなわち遮断すべき周波数(以下、これを遮断周波数と称する)は、フィルタ436の設計者が任意に選ぶことができ、本実施形態の場合、30kHz以上の高周波数成分をカットするように設計されている。
【0068】
また、フィルタ436は、対応するスピーカ(高音スピーカL272、高音スピーカR272および低音スピーカ277)において、配線を接続するためのコネクタ(図示省略)の接続不良や配線の断線(短絡)もしくはスピーカ自体の故障など、要はスピーカL272,R272,277に対して流れるべき電流が流れない非常事態(異常)が生じる第1の条件と、フィルタ436が遮断すべき遮断周波数を含むチェック音信号が入力される第2の条件とが満たされることに起因して、所定値(例えば、6.5A)以上の電流(過電流)が流れるようになっている。なお、上記チェック音信号は、CPU404による音源IC418の制御に基づいて、予め定めた所定のタイミング(例えば、ボーナス遊技が終了してボーナス音の出力が停止してから、通常遊技音が出力されるまでのボーナス終了音が出力されている期間)でフィルタ436へ出力される。
【0069】
<保護回路>
前述のスイッチング増幅回路434に内蔵された保護回路440は、図5(b)に示すように、過電流保護回路441と、温度保護回路442と、低電圧保護回路443と、過電圧保護回路444と、を有して構成されている。なお、ここでは図示を省略するが、保護回路440として、PWM変換回路433が出力するPWM信号の異常や、スイッチング増幅回路434でスイッチングされた出力の異常(短絡)などを検知する回路を設けるようにしてもよい。
【0070】
過電流保護回路441は、CPU404の制御に基づいて電源回路(電源電圧252)から入力される電流の異常(例えば、スピーカ272,277の異常でフィルタ436に過電流が流れることに起因して、スイッチング増幅回路434に過電流が流れること)を検知する。このとき、スイッチング増幅回路434の電流値が所定値(例えば、約6.5A)を超えると作動してスイッチング増幅回路434を停止させる。この停止後、高音アンプ425においては、約300ms後に自動的に再起動する(自動復帰する)。一方、低音アンプ426においては、高音アンプ425から後述する起動信号Sが入力されることを待って再起動する。
【0071】
換言すると、過電流保護回路441は、前述の第1の条件と第2の条件とが満たされることに起因してフィルタ436に過電流が流れることを、スイッチング増幅回路434における電流値が所定値(例えば、6.5A)以上になることによって検知し得るようになっている(過電流保護機能)。
【0072】
温度保護回路442は、アンプ425,426におけるジャンクション温度の異常(例えば、アンプ425のジャンクション温度が150度以上に上昇すること)を検知する。このとき、アンプ425におけるジャンクション温度が約150度で作動してスイッチング増幅回路434を停止させる。この停止後、高音アンプ425においては、ジャンクション温度が約135度まで下がると自動的に再起動する(自動復帰する)。一方、低音アンプ426においては、高音アンプ425から後述する起動信号Sが入力されることを待って再起動する。
【0073】
低電圧保護回路443は、電源回路から入力される電圧が所定値(例えば、8.4V)以下となる異常を検知する。このとき、電源回路から入力される電源電圧が8.4V以下で作動してスイッチング増幅回路434を停止させる。この停止後、高音アンプ425においては、電源電圧が8.5Vまで上昇すると自動的に再起動する(自動復帰する)。一方、低音アンプ426においては、高音アンプ425から後述する起動信号Sが入力されることを待って再起動する。
【0074】
過電圧保護回路444は、電源回路から入力される電圧が所定値(例えば、27.5V)以上となる異常を検知する。このとき、電源回路から入力される電源電圧が27.5V以上で作動してスイッチング増幅回路425dを停止させる。この停止後、高音アンプ425においては、電源電圧が27.2Vまで下がると自動的に再起動する(自動復帰する)。一方、低音アンプ426においては、高音アンプ425から後述する起動信号Sが入力されることを待って再起動する。
【0075】
このように、保護回路440は、スイッチング増幅回路434に対して電源回路から入力される電源電圧・電源電流の異常やアンプ425,426のジャンクション温度、さらには、PWM変換回路433が出力するPWM信号の異常やスイッチング増幅回路434でスイッチングした出力の異常(短絡など)を検出し、その異常検出時には保護動作を実行してスイッチング増幅回路434のスイッチング動作を停止させて(シャットダウンさせて)、スイッチング増幅回路434からの出力、すなわち、各スピーカL272,R272,277へのスピーカ駆動信号の出力を停止させる構成となっている。
【0076】
低音アンプ426のCPU435は、保護回路440の保護動作が作動した場合には故障信号Sを音源IC418に出力する。これにより、音源IC418は、低音スピーカ277において上述したような非常事態が発生したことを把握することが可能となっている。
【0077】
そして、高音アンプ425の保護回路440は自動復帰するのに対して、低音アンプ426の保護回路440は、前述のように、高音アンプ425のCPU435から供給される起動信号Sにより保護動作がリセットされるように設計されている。すなわち、低音アンプ426の保護回路440に起動信号Sが入力されると、保護回路440による保護動作がリセットされて、スイッチング増幅回路434でのスイッチング動作が復帰し、接続された低音スピーカ277からの音声の出力が再開される。
【0078】
なお、高音アンプ425も低音アンプ426もともに、スイッチング増幅回路434は、保護回路440の保護動作が作動しているとき以外は常時スイッチング動作を行うように設計されており、例えば無音状態のときでも、一定の周波数のパルス信号が出力される。
【0079】
上述の出音処理部416を含む音出力装置の信号の送受信に係る構成を図6に模式的に示す。ここで、音出力装置とは、音源IC418およびアンプ425,426を含む出音処理部416とスピーカ272,277と第1副制御部400のCPU404とを少なくとも備えて構成されたものである。
【0080】
CPU404はリセット用出力端子(T1)と再起動用入力端子(T2)とを備え、音源IC418は再起動用出力端子(T3)とリセット用入力端子(T4)と故障用入力端子(T5)とを備え、高音アンプ425はリセット用入力端子(T6)とリセット用出力端子(T7)とを備え、低音アンプ426はリセット用入力端子(T8)と故障用出力端子(T9)とを備えている。
【0081】
CPU404のリセット用出力端子(T1)と音源IC418のリセット用入力端子(T4)および高音アンプ425のリセット用入力端子(T6)とは配線部材で接続されている。また、CPU404の再起動用入力端子(T2)と音源IC418の再起動用出力端子(T3)とは配線部材で接続されている。また、高音アンプ425のリセット用出力端子(T7)と低音アンプ426のリセット用入力端子(T8)とは配線部材で接続されている。また、低音アンプ426の故障用出力端子(T9)と音源IC418の故障用入力端子(T5)とは配線部材で接続されている。
【0082】
このような配線構造により、図6および図7に示すように、低音アンプ426の保護回路440のうち、少なくとも1つの回路441〜444が作動して低音アンプ426がシャットダウンすると、低音アンプ426のCPU435が音源IC418に故障信号Sを出力する。次いで、音源IC418が、故障信号Sが入力されたことに基づいてCPU404に起動指示信号Sを出力する。次いで、CPU404が、起動指示信号Sが入力されたことに基づいて音源IC418および高音アンプ425に起動信号Sを出力する。次いで、音源IC418が起動処理を実行すると同時に、高音アンプ425が、起動信号Sが入力されたことに基づいて起動処理を実行するとともに、低音アンプ426に起動信号Sを出力する。次いで、低音アンプ426が、起動信号Sが入力されたことに基づいて起動処理を実行する。
【0083】
また、図8(a)に示すように、音源IC418の保護機能が作動して音源IC418がシャットダウンした場合には、音源IC418が起動指示信号SをCPU404に出力する。この後に続く動作は、低音アンプ426から音源IC418に故障信号Sが入力される上述の場合と同様である。
【0084】
また、図8(b)に示すように、高音アンプ425の保護回路440のうち、少なくとも1つの回路441〜444が作動した場合は、高音アンプ425はシャットダウンの後に自動復帰し、低音アンプ426や音源IC418の動作に影響を与えない。高音アンプ425の自動復帰の条件は、いずれの回路441〜444により保護動作が実行されているかに左右される。例えば、過電流保護回路441による保護動作が実行されている場合には、約300ms後に自動復帰する。
【0085】
<第2副制御部>
第2副制御部500は、液晶表示装置157の表示制御を含む演出装置160の各種制御を行う。なお、第2副制御部500は、例えば、液晶表示装置157の表示の制御を行う制御部、各種演出用駆動装置の制御を行う制御部(例えば、シャッタ163のモータ駆動を制御する制御部)とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。
【0086】
第2副制御部500は、図4に示すように、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えている。この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512と、を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM506は、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等を記憶する。
【0087】
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU504に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0088】
また、第2副制御部500には、シャッタ163のステッピングモータ(図示省略)を駆動する駆動回路530を設けており、駆動回路530には出力インタフェースを介してシャッタ163を設けている。この駆動回路530は、CPU504からの命令に応じてシャッタ163に設けたステッピングモータに駆動信号を出力する。
【0089】
また、第2副制御部500には、センサ回路532を設けており、センサ回路532には入力インタフェースを介してシャッタセンサ538を接続している。CPU504は、割り込み時間ごとにシャッタセンサ538の状態を監視している。
【0090】
また、第2副制御部500には、VDP534(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)を設けており、このVDP534には、バスを介してROM506、VRAM536が接続されている。VDP534は、CPU504からの信号に基づいてROM306に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM536のワークエリアを使用して表示画像を生成し、液晶表示装置157に画像を表示する。
【0091】
第2副制御部500のCPU504は、左右一対の高音スピーカL272,R272の少なくとも一方において異常が発生し、高音アンプ425の保護回路440にて異常が検知された場合、第1副制御部400のCPU404が音源IC418から起動指示信号Sを入力されるタイミングで、CPU404からスピーカ異常を示す異常コマンドが入力される。これに応じて、CPU504はVDP534に対し、液晶表示装置157にスピーカ異常の検知を報知するためのトラブル報知画像を表示するように命令(制御)する。このトラブル報知画像は、通常遊技等に対応した表示画像と一緒に液晶表示装置157に表示されることが好ましいが、この限りではない。
【0092】
<主制御部メイン処理>
図9を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図9に示す主制御部メイン処理を実行する。
【0093】
電源投入が行われると、まず、ステップS101で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。
【0094】
ステップS103では、メダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればステップS105へ進む。
【0095】
ステップS105では、投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。
【0096】
ステップS107では、乱数発生回路316で発生させた乱数を取得する。
【0097】
ステップS109では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップS107で取得した乱数とを用いて内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがONになる。
【0098】
ステップS111では、内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。
【0099】
ステップS113では、全リール110乃至112の回転を開始させる。
【0100】
ステップS115では、ストップボタン137乃至139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110乃至112の何れかをステップS111で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。全リール110乃至112が停止するとステップS117へ進む。
【0101】
ステップS117では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する図柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン114上に「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。
【0102】
ステップS119では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。
【0103】
ステップS121では、遊技状態制御処理を行う。遊技状態制御処理では、通常遊技、BB遊技、RB遊技、内部当選遊技、の各遊技状態の移行に関する処理を行い、それらの開始条件、終了条件の成立により、遊技状態を移行する。以上により1ゲームが終了する。以降ステップS103へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
【0104】
<主制御部タイマ割込処理>
図10を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
【0105】
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
【0106】
ステップS201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
【0107】
ステップS203では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
【0108】
ステップS205では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種センサ318のセンサ回路320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
【0109】
ステップS207では、各種遊技処理を行う。具体的には、割込みステータスを取得し(各種センサ318からの信号に基づいて各種割込みステータスを取得する)、このステータスに従った処理を行う(例えば、取得した各ストップボタン137乃至139の割込みステータスに基づいて、停止ボタン受付処理を行う)。
【0110】
ステップS209では、タイマ更新処理を行う。各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。
【0111】
ステップS211では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、スタートレバー受付コマンド、演出抽選処理に伴う演出コマンド、リール110乃至112の回転を開始に伴う回転開始コマンド、ストップボタン137乃至139の操作の受け付けに伴う停止ボタン受付コマンド、リール110乃至112の停止処理に伴う停止位置情報コマンド、メダル払出処理に伴う払出枚数コマンド及び払出終了コマンド、遊技状態を示すコマンド等)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成されている。
【0112】
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
【0113】
ステップS213では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してスロットマシン100とは別体の情報入力回路652に出力する。
【0114】
ステップS215では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まずはステップS205において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ318の信号状態を読み出して、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合には(図示省略)エラー処理を実行させる。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ170(メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ)、各種ランプ338、各種の7セグメント(SEG)表示器の設定を行う。
【0115】
ステップS217では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS221に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS219に進む。
【0116】
ステップS219では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。その後、図5に示す主制御部メイン処理に復帰する。
【0117】
一方、ステップS221では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、図5に示す主制御部メイン処理に復帰する。
【0118】
<第1副制御部の処理>
図11(a)〜(d)を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、図11(a)〜(d)に示す各処理は、第1副制御部のCPU404によって実行される。
<第1副制御部メイン処理>
【0119】
まず、図11(a)に示す第1副制御部メイン処理のステップS301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS301で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
【0120】
ステップS303では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS305の処理に移行する。
【0121】
ステップS305では、タイマ変数に0を代入する。
【0122】
ステップS307では、コマンド処理を行う。コマンド処理では第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。
【0123】
ステップS309では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS307で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。この処理には、例えば、演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
【0124】
ステップS311では、ステップS309の処理結果に基づいて音制御処理を行う。例えば、ステップS309で読み出した演出データの中に音源IC418への命令(コマンド)がある場合には、この命令を音源IC418に出力する。
【0125】
ステップS313では、ステップS309の処理結果に基づいてランプ制御処理を行う。例えば、ステップS309で読み出した演出データの中に各種ランプ420への命令(コマンド)がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
【0126】
ステップS315では、ステップS309の処理結果に基づいて第2副制御部500に制御コマンドを送信する設定を行う情報出力処理を行う。例えば、ステップS309で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS303へ戻る。
【0127】
<第1副制御部コマンド受信割込処理>
次に、図11(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS321では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
【0128】
<第1副制御部タイマ割込処理>
次に、図11(c)を用いて、第1副制御部400のタイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
【0129】
ステップS331では、図11(a)に示す第1副制御部メイン処理のステップS303において用いるタイマ変数の値に1を加算して、元のRAM408のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS303において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
【0130】
ステップS333では、ステップS315で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
【0131】
<第1副制御部起動信号割込処理>
次に、図11(d)を用いて、第1副制御部400の起動信号割込処理について説明する。なお、この割込処理は、音源IC418の後述する低音アンプ監視処理による監視の結果、把握された起動指示信号Sに基づいて実行されるものである。
【0132】
ステップS341では、CPU404は、音源IC418から起動指示信号Sが入力されると、音源IC418および高音アンプ425に直ちに起動信号Sを出力する。
【0133】
ステップS343では、CPU404は、起動信号出力情報をRAM408に一時的に記憶する。
【0134】
<音源ICのメイン処理>
次に、図12(a)を用いて、音源IC418のメイン処理について説明する。
【0135】
まず、最初のステップS401では、音源IC418は、自身に設けられて一時的に音声データを記憶する記憶部の初期化等の初期化処理を行う。
【0136】
ステップS403では、タイマ処理(例えば、CPU404からのアクセスや記憶部への書き込みおよび読み込みを初期化直後の所定期間中は禁止する処理)を行う。
【0137】
ステップS405では、前述の第1副制御部メイン処理のステップS311でCPU404から入力されたコマンドの正否を判定する処理を行う。
【0138】
ステップS407では、ステップS405で判定したコマンドに基づき、サウンドROM423から音声データを読み出す読出処理を行う。
【0139】
ステップS409では、ステップS407で読み出した音声データに対して、ボリューム調整、パン調整およびループ設定等の音調整処理を行う。その後、調整した音声データをサウンドRAM424に一時的に記憶する。
【0140】
ステップS411では、ステップS409で調整した音声データに基づき、高音アンプ425および低音アンプ426に対してデジタル音声信号を出力する音出力処理を行う。
【0141】
ステップS413では、後述する低音アンプ監視処理を行う。
【0142】
<低音アンプ監視処理>
図12(b)を用いて、低音アンプ監視処理について説明する。なお、この低音アンプ監視処理は常時実行するものとする。
【0143】
まず、最初のステップS421では、音源IC418は、低音用アンプ425の出力する故障信号Sがハイレベルからローレベルに切り替わったか否かを判別する。なお、故障信号Sがハイレベルからローレベルに切り替わることを、故障信号Sの出力ともいう。故障信号Sがハイレベルからローレベルに切り替わっていればステップS423に進み、そうでなければこの低音アンプ監視処理を終了する。
【0144】
ステップS423では、CPU404に起動指示信号Sを出力する。この起動指示信号Sを出力するタイミングは、スピーカL272,R272,277から音が出力中であるか否かに左右されない。
【0145】
<第2副制御部の処理>
図13を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。なお、図13(a)〜(d)に示す各処理は、第2副制御部のCPU504によって実行される。
【0146】
まず、図13(a)に示す第2副制御部メイン処理のステップS501では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS501で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポート初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理等を行う。
【0147】
ステップS503では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS505の処理に移行する。
【0148】
ステップS505では、タイマ変数に0を代入する。
【0149】
ステップS507では、コマンド処理を行う。コマンド処理では第2副制御部500のCPU504は、第1副制御部400のCPU404からコマンドを受信したか否かを判別する。
【0150】
ステップS509では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS507で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。この処理には、例えば、演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
【0151】
ステップS511では、ステップS509の処理結果に基づいてシャッタ制御処理を行う。例えば、ステップS509読み出した演出データの中にシャッタ制御の命令がある場合には、この命令に対応するシャッタ制御を行う。
【0152】
ステップS513では、ステップS509の処理結果に基づいて画像制御処理を行う。例えば、ステップS509読み出した演出データの中に画像制御の命令がある場合には、この命令に対応する画像制御を行い(詳細は後述する)、ステップS503へ戻る。
【0153】
次に、図13(b)を用いて、第2副制御部コマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS521では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
【0154】
次に、図13(c)を用いて、第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
【0155】
ステップS531では、図10(a)に示す第2副制御部メイン処理のステップS503において説明したタイマ変数の値に1を加算して、元のRAM508のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS503において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。ステップS533では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
【0156】
次に、図13(d)を用いて、第2副制御部メイン処理におけるステップS513の画像制御処理について説明する。
【0157】
ステップS541では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU504は、まず、VRAM536の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が演出画像表示装置157に表示される。次に、CPU504は、VDP534のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM536の転送先アドレス)などを設定した後、ROM506からVRAM536への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP534は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM506からVRAM536に転送する。その後、VDP536は、転送終了割込信号をCPU504に対して出力する。
【0158】
ステップS543では、VDP534からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップSI05に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
【0159】
ステップS545では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU504は、ステップSI01でVRAM536に転送した画像データに基づいてVRAM536の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM536の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP534に指示する。VDP534はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
【0160】
ステップS547では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU504は、VDP534に画像の描画開始を指示する。VDP534は、CPU504の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
【0161】
ステップS549では、画像の描画終了に基づくVDP534からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS551に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。
【0162】
ステップS551では、RAM508の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
【0163】
<作用効果>
本実施形態のスロットマシン100の音出力装置は上述のように構成されているので、次のような作用効果を奏する。
【0164】
低音アンプ426がシャットダウンした場合、低音アンプ425は故障信号Sを音源IC418に出力し(ステップS421)、次いで音源IC418はCPU404に起動指示信号Sを出力し(ステップS423)、次いでCPU404は音源IC418および高音アンプ425に起動信号Sを出力し(ステップS343)、次いで、高音アンプ425は低音アンプ426に起動信号Sを出力し、且つ、高音アンプ425がシャットダウンした場合には高音アンプ425は自動復帰する。また、音源IC418がシャットダウンした場合には、音源IC418はCPU404に起動指示信号Sを出力する。
【0165】
そのため、CPU404は、音源IC418から入力される起動指示信号Sを監視しておくだけで、低音アンプ426、音源IC418および高音アンプ425のシャットダウンに良好に対応することができる。すなわち、CPU404に低音アンプ426、高音アンプ425、音源IC418から直接、別々に起動指示信号Sが入力されないので、CPU404の監視負荷を軽減することができる。
【0166】
また、低音アンプ426は音源IC418を介してCPU404に起動指示信号Sを出力するように構成されているので、音源IC418が低音アンプ426の故障を把握することができる。したがって、低音アンプ426にシャットダウンが生じても、読み出した音声データのうちのどこまでがスピーカ272,277から音声として出力されたかという音声情報を音源IC418が記憶することが可能となり、スピーカ272,277から出力される音声が途中でぶつ切りされることなく、シャットダウンが生じた時点から音声の出力を再開することができる。
【0167】
また、高音アンプ425はシャットダウンした場合には自動復帰するように構成されているので、CPU404の監視負荷を軽減しながらも、高音アンプ425は低音アンプ426に比べて音量が通常小さいために自動復帰による違和感を遊技者にあまり与えないですむという利点がある。
【0168】
また、CPU404が起動信号Sを出力するように構成されているので、CPU404が起動回数をRAM408に記憶し、低音アンプ426で異常が発生した回数を把握することができる。
【0169】
また、液晶表示装置157がトラブル報知画像を表示して異常を報知するので、ユーザが液晶表示装置157を視認して容易に異常を把握することができる。
【0170】
<第2実施形態>
第2実施形態は、低音アンプ監視処理の内容が第1実施形態と異なっている。第1実施形態と同様の他の構成については説明を省略する。
【0171】
本実施形態の低音アンプ監視処理は、スピーカ272,277が音を出力していないときにアンプ425,426を起動させるものである。この前提として、音出力用のタイマ(以下、出音タイマという)を音源IC418に備えるとともに、図14に示すように、CPU404が音源IC418と高音アンプ425と低音アンプ426とを同時に再起動するようになっている。この点、第1実施形態では、CPU404が音源IC418および高音用アンプ425に起動信号Sを送信してそれらに起動処理を実行させ、低音用アンプ426の起動処理は高音用アンプ425からの起動信号Sを受けて実行されるように構成されているために、第1実施形態と異なっている。
【0172】
音出力装置の信号の送受信に係る構成について、図15を用いて詳述する。本実施形態では、第1実施形態と異なり、高音アンプ425にはリセット用出力端子(T7)が備えられておらず、CPU404のリセット用出力端子(T1)に対して、音源IC418のリセット用入力端子(T4)、高音アンプ425のリセット用入力端子(T6)および低音アンプ426のリセット用入力端子(T8)が配線部材で接続されている。
【0173】
このような配線構造により、低音アンプ426の保護回路440のうち、少なくとも1つの回路441〜444が作動すると、低音アンプ426のCPU435が音源IC418に故障信号Sを出力する。次いで、音源IC418が、故障信号Sが入力されたことに基づいてCPU404に起動指示信号Sを出力する。次いで、CPU404が、起動指示信号Sが入力されたことに基づいて、音源IC418および高音アンプ425および低音アンプ426に起動信号Sを出力する。次いで、音源IC418、高音アンプ425および低音アンプ426が一斉に起動処理を実行する。
【0174】
次に、図14を用いて、本実施形態の低音アンプ監視処理について説明する。なお、スピーカ272,277から出音する出音処理を実行する際に、音源IC418は出音タイマのカウントを開始する。複数音を出力する場合は、全ての音に対して出音タイマを設定する。そして、タイマ切れの期間を狙って起動指示信号Sを出力するように構成する。
【0175】
まず最初のステップS601では、故障信号Sがハイレベルからローレベルに切り替わったか否かを判別する。ハイレベルからローレベルに切り替わっていればステップS603に進み、そうでなければステップS605に進む。
【0176】
ステップS603では、故障フラグをセットしてこの低音アンプ監視処理を終了する。
【0177】
ステップS605では、故障フラグがセットされているか否かを判別する。故障フラグがセットされていればステップS607に進み、そうでなければこの低音アンプ監視処理を終了する。
【0178】
ステップS607では、出音タイマが切れたか否かを判別する。出音タイマが切れていればステップS609に進み、そうでなければこの低音アンプ監視処理を終了する。
【0179】
ステップS609では、CPU404に起動指示信号Sを出力すると同時に、故障フラグを解除する。
【0180】
このように、低音アンプ監視処理を音出力のない期間に限定して実行すれば、突然のスピーカ272,277からの出音により遊技者を不用意に驚かせないという利点がある。
【0181】
<第3実施形態>
第3実施形態は、CPU404が音源IC418とアンプ425,426とを別々に起動する点で第2実施形態と異なっている。高音アンプ425に自動復帰機能がない点は第2実施形態と同様である。第2実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0182】
第2実施形態では、CPU404は1つのリセット用出力端子(T1)を備え、その端子(T1)から音源IC418のリセット用入力端子(T4)と高音アンプ425のリセット用入力端子(T6)とに向かって起動信号Sが出力されるようにしたが、本実施形態では、図16に示すように、CPU404は音源IC418とアンプ425,426とに別々に起動信号Sを出力するように構成されている。
【0183】
つまり、CPU404は第1のリセット用出力端子(T1)と第2のリセット用出力端子(T11)と再起動用入力端子(T2)とを備え、音源IC418は再起動用出力端子(T3)とリセット用入力端子(T4)と故障用入力端子(T5)とを備え、高音アンプ425はリセット用入力端子(T6)を備え、低音アンプ426はリセット用入力端子(T8)と故障用出力端子(T9)とを備えている。
【0184】
低音アンプ426の保護回路440のうち、少なくとも1つの回路441〜444が作動してシャットダウンすると、低音アンプ426のCPU435が音源IC418に故障信号Sを出力する。次いで、音源IC418が、故障信号Sが入力されたことに基づいてCPU404に起動指示信号Sを出力する。次いで、CPU404が、起動指示信号Sが入力されたことに基づいて、まず、高音アンプ425および低音アンプ426に起動信号Sを出力し、その後、音源IC418に起動信号Sを出力する。
【0185】
これにより、CPU404が先にアンプ425,426を起動させ、アンプ425,426が起動している状態で音源IC418を起動させることが可能となる。したがって、音源IC418の起動時に確認音を出力する構成とした場合、確実にこの確認音をスピーカ272,277から出音することができる。
【0186】
<その他>
尚、本発明の遊技台は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0187】
例えば、上記実施形態の音源IC418を音源LSI等の他の構成の音声制御部に替えてもよい。また、例えば上記実施形態では本発明の基板に係る構成をスロットマシンに適用した場合について説明したが、パチンコ機等のスロットマシン以外の遊技台に適用してももちろんよい。
【0188】
つまり、本発明の遊技台は少なくとも、遊技に係わる演出の制御を行う遊技演出制御部(例えば、第1副制御部400のCPU404)と、前記演出に係る音声を出力するスピーカ(例えば、高音スピーカ272、低音スピーカ277)と、前記スピーカが出力する前記音声に係る音声信号を増幅させるアンプ(例えば、高音アンプ425、低音アンプ426)と前記遊技演出制御部の命令に基づいて前記音声に係る音声データの設定を行う音声制御部(例えば、音源IC418)と、を有する音出力装置を備えた遊技台であって、前記アンプは、前記音出力装置に生じた異常を検知する異常検知手段(例えば、保護回路440)と、前記異常検知手段により異常が検知された場合に、前記スピーカへの音声信号の出力を停止する出音保護手段(例えば、保護回路440)と、前記出音保護手段によって前記スピーカへの音声信号の出力が停止された場合に故障信号(例えば、故障信号S)を前記音声制御部へ出力する故障信号出力手段(例えば、CPU435)と、起動信号(例えば、起動信号S,S)の入力によって起動処理を実行し、前記スピーカへの音声信号の出力を再開させる起動手段(例えば、CPU435)と、を備え、前記音声制御部は、前記アンプから前記故障信号が入力された場合に起動指示信号(例えば、起動指示信号S)を前記遊技演出制御部へ出力する起動指示信号出力手段(例えば、ステップS423)を備え、前記遊技演出制御部は、前記音声制御部から前記起動指示信号が入力された場合に前記起動信号を前記音声制御部および前記アンプへ出力する起動信号出力手段(例えば、ステップS341)を備えたものであればよい。
【0189】
このような遊技台によれば、アンプは故障信号を音声制御部へ出力し、音声制御部は起動指示信号を遊技演出制御部へ出力するので、遊技演出制御部は音声制御部から入力される起動指示信号についてのみ監視しておくだけでよく、遊技演出制御部の負荷を減らしながらも遊技演出制御部が音出力装置の異常を把握することができる。
【0190】
また、上記の遊技台において、前記異常検知手段により異常が検知されたことを視認可能な態様で報知する報知手段(例えば、液晶表示装置157)をさらに備えていれば好ましい。
【0191】
このような遊技台によれば、ユーザが報知手段を視認することで、容易に異常を把握することができる。
【0192】
また、上記の遊技台において、前記スピーカは、出力する音域が異なる高音スピーカと低音スピーカとを備え、前記アンプは、前記高音スピーカ用の高音アンプと前記低音スピーカ用の低音アンプとを備え、前記高音アンプは、前記出音保護手段と前記起動手段とに加えて前記出音保護手段によって出音が停止された場合に自己復帰する復帰手段をさらに備えていれば好ましい。
【0193】
このような遊技台によれば、高音アンプは自己復帰するように構成されているので、遊技演出制御部の監視負荷をさらに軽減しながら、高音アンプは低音アンプに比べて音量が通常小さいために自己復帰による違和感を遊技者にあまり与えずにすむという利点がある。
【0194】
また、上記の遊技台において、前記音声制御部の前記起動指示信号出力手段は、前記故障信号が入力された場合に音出力のない所定時期に前記起動指示信号を出力すれば好ましい。
【0195】
このような遊技台によれば、スピーカからの突然の出音により遊技者を不用意に驚かせないという利点がある。
【0196】
また、上記の遊技台において、前記遊技演出制御部の前記起動信号出力手段は、前記音声制御部から前記起動指示信号が入力された場合に、前記起動信号を前記音声制御部よりも先に前記アンプへ出力すれば好ましい。
【0197】
このような遊技台によれば、アンプが起動している状態で音声制御部を起動させることが可能となる。したがって、音声制御部の起動時に確認音を出力する構成とした場合、確実にこの確認音をスピーカから出力することができる。
【産業上の利用可能性】
【0198】
本発明の遊技台は、スロットマシンやパチンコ機に代表される遊技台の分野で特に利用することができる。
【符号の説明】
【0199】
100 スロットマシン(遊技台)
157 液晶表示装置(報知装置)
272 高音スピーカ
277 低音スピーカ
418 音源IC(音声制御部)
425 高音アンプ
426 低音アンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技に係わる演出の制御を行う遊技演出制御部と、
前記演出に係る音声を出力するスピーカと、
前記スピーカが出力する前記音声に係る音声信号を増幅させるアンプと
前記遊技演出制御部の命令に基づいて前記音声に係る音声データの設定を行う音声制御部と、を有する音出力装置を備えた遊技台であって、
前記アンプは、
前記音出力装置に生じた異常を検知する異常検知手段と、
前記異常検知手段により異常が検知された場合に、前記スピーカへの音声信号の出力を停止する出音保護手段と、
前記出音保護手段によって前記スピーカへの音声信号の出力が停止された場合に故障信号を前記音声制御部へ出力する故障信号出力手段と、
起動信号の入力によって起動処理を実行し、前記スピーカへの音声信号の出力を再開させる起動手段と、を備え、
前記音声制御部は、
前記アンプから前記故障信号が入力された場合に起動指示信号を前記遊技演出制御部へ出力する起動指示信号出力手段を備え、
前記遊技演出制御部は、
前記音声制御部から前記起動指示信号が入力された場合に前記起動信号を前記音声制御部および前記アンプへ出力する起動信号出力手段を備えた
ことを特徴とする、遊技台。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技台であって、
前記異常検知手段により異常が検知されたことを視認可能な態様で報知する報知装置をさらに備えた
ことを特徴とする、遊技台。
【請求項3】
請求項1または2に記載の遊技台であって、
前記スピーカは、出力する音域が異なる高音スピーカと低音スピーカとを備え、
前記アンプは、前記高音スピーカ用の高音アンプと前記低音スピーカ用の低音アンプとを備え、
前記高音アンプは、前記出音保護手段と前記起動手段とに加えて前記出音保護手段によって出音が停止された場合に自己復帰する復帰手段をさらに備えている
ことを特徴とする、遊技台。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の遊技台であって、
前記音声制御部の前記起動指示信号出力手段は、前記故障信号が入力された場合に音出力のない所定時期に前記起動指示信号を出力する
ことを特徴とする、遊技台。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の遊技台であって、
前記遊技演出制御部の前記起動信号出力手段は、前記音声制御部から前記起動指示信号が入力された場合に、前記起動信号を前記音声制御部よりも先に前記アンプへ出力する
ことを特徴とする、遊技台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−110511(P2012−110511A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−262241(P2010−262241)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)
【Fターム(参考)】