説明

遊技機

【課題】特定の役について入賞させないこととして、遊技者にとって、その後の遊技進行にあたって、直接的な不利益を受ける遊技となることによって、外部から外力が加えられることを防止可能な遊技機を提供する。
【解決手段】外部からの外力が加えられたことを検知するための外力検知手段(120)と、外力検知手段(120)により外力が加えられたことを検知したときには、特定の役については入賞させないこととして遊技を進行させる入賞制限手段(140)とを備え、外力検知手段(120)により外力が加えられたことを検知したときに、入賞制限手段(140)により特定の役について入賞することができないようにしたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、外部からの外力が加えられたことにより、特定の役については入賞させないこととして遊技を進行させる遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機、具体的にはスロットマシンとしては、複数の図柄を周囲に配置して、回転表示又は停止表示するための回転リールと、回転リールを停止表示から回転表示へ移行させるためのスタートスイッチと、回転リールを回転表示から停止表示へ移行させるためのストップスイッチと、図柄の組み合わせにより構成される役を抽選により決定するとともに、抽選の結果、所定の役に当選することにより役に対応する当選フラグを成立させるための当選抽選手段と、所定数の遊技媒体の投入を条件として遊技を開始可能とし、ストップスイッチの押下タイミングによって当選抽選手段の抽選結果に対応した停止制御を回転リールに対して行うとともに、当選抽選手段の抽選の結果、所定の役の当選フラグが成立して、且つ役に応じて予め定められた入賞図柄が所定の停止位置に停止することにより入賞となって所定数の遊技媒体の払い出しが実施可能となり、或いは入賞図柄が所定の停止位置に停止しないことにより外れとなって1回の遊技を終了させるための遊技制御手段とを備えたものが知られている。
【0003】
そして、パチンコ店などの遊技場に設置して使用されるスロットマシンでは、その遊技媒体としての遊技メダルに一定の価値が与えられ、ゲームを行って遊技利益として獲得した遊技メダルを種々の景品に交換することができる。このため、遊技者は遊技メダルを大量に獲得するということを目的としている。そして、遊技者の中には、遊技が遊技者にとって都合良く進まないとき、例えば、回転リールの入賞図柄が入賞有効ライン上にうまく揃わないときに遊技機を叩く行為、いわゆる「どつき」と呼ばれるような行為を行う者がいる。これは、叩くことによって鬱憤をはらしたり、叩くことによって遊技が自己に都合よく進むよう(入賞図柄が入賞有効ライン上に停止するよう)に操作しようとする不正行為を行っている。かかる行為は、遊技機内部の電子部品や、精密部品の破損や故障の原因となるため、従来から、その行為を防止するための種々の検討がなされている。
【0004】
例えば、遊技機が振動を検知すると、警告表示等をするものが検討されている(例えば、特許文献1及び特許文献2。)。また、遊技機が所定の振動を検知すると、所定の場合、現在の遊技状態が中断するものが検討されている(例えば、特許文献3。)。
【特許文献1】実開平06−7787号公報
【特許文献2】特開07−178239号公報
【特許文献3】特開2004−243021号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記した従来の遊技機では、遊技機を強打したこと(いわゆるどつき行為)が明らかでなく、罪に問われないような場合、警告表示等が実施されても、また、遊技が途中で中断されても、遊技が再開された場合、遊技者にとって、遊技進行にあたって、直接的に不利益となるような被害はなく、そのまま遊技を再開させて、直接的な不利益を被ることなく、強打をしていない他の遊技者と同一の遊技を実施することができてしまうといった問題点があった。
そこで、各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次の点にある。
【0006】
(請求項1) すなわち、請求項1記載の発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、特定の役について入賞させないこととして、遊技者にとって、その後の遊技進行にあたって、直接的な不利益を受ける遊技となることによって、外部から外力が加えられることを防止可能な遊技機を提供しようとするものである。
(請求項2) 請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。すなわち、請求項2記載の発明は、遊技者にとって持ち越し可能役を入賞することができないという不利益を受けることによって、外部から外力が加えられることを防止可能な遊技機を提供しようとするものである。
【0007】
(請求項3) 請求項3記載の発明は、上記した請求項1又は請求項2記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。すなわち、請求項3記載の発明は、所定の遊技回数経過又は所定の時間経過まで特定の役の入賞をすることができず、遊技者の不利益を著しく増大させて、強打防止を図ることができるようにした遊技機を提供しようとするものである。
(請求項4) 請求項4記載の発明は、上記した請求項1から3までのいずれか1項に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。すなわち、請求項4記載の発明は、ペナルティを受けている最中に更に強打した場合、入賞できない特定の役を増加させて、より大きなペナルティを課すことによって、強打防止を図ることができるようにした遊技機を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(請求項1)
(特徴点) 請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。すなわち、複数の図柄(61)を周囲に配置して、回転表示又は停止表示するための回転リール(40)と、前記回転リール(40)を停止表示から回転表示へ移行させるためのスタートスイッチ(30)と、前記回転リール(40)を回転表示から停止表示へ移行させるためのストップスイッチ(50)と、前記図柄(61)の組み合わせにより構成される役を抽選により決定するとともに、前記抽選の結果、所定の前記役に当選することにより前記役に対応する当選フラグを成立させるための当選抽選手段(110)と、所定数の遊技媒体の投入を条件として遊技を開始可能とし、前記ストップスイッチ(50)の押下タイミングによって前記当選抽選手段(110)の抽選結果に対応した停止制御を前記回転リール(40)に対して行うとともに、前記当選抽選手段(110)の抽選の結果、所定の前記役の当選フラグが成立して、且つ前記役に応じて予め定められた入賞図柄(61)が所定の停止位置に停止することにより入賞となって所定数の前記遊技媒体の払い出しが実施可能となり、或いは入賞図柄(61)が所定の停止位置に停止しないことにより外れとなって1回の遊技を終了させるための遊技制御手段(27)とを備えた遊技機(10)において、外部からの外力が加えられたことを検知するための外力検知手段(120)と、前記外力検知手段(120)により前記外力が加えられたことを検知したときには、特定の役については入賞させないこととして遊技を進行させる入賞制限手段(140)とを備え、前記外力検知手段(120)により前記外力が加えられたことを検知したときに、前記入賞制限手段(140)により特定の役について入賞することができないようにしたことを特徴とする。
【0009】
また、ここで、「回転リール(40)」とあるのは、周囲に複数の図柄を表示したものが、実際に回転するようなものに限定されるものではなく、液晶画面に表示されるようなものも含まれるものである。具体的には、例えば、パチンコ機等の遊技盤面の中央に設けた液晶装置を使用することにより、周囲に複数の図柄を表示した回転リールが回転するような画像を当該液晶装置によって遊技者に向かって表示するものも含まれる。
また、ここで、「役」とは、原則として図柄の組み合わせにより構成されるもので、通常、回転リールに表示される図柄を、3つ揃えた形が基本形となるものである。但し、チェリーのように、3つ揃わなくとも、特定の回転リールの入賞有効ライン上に止まるだけで、入賞となる役もある。なお、役の構成は、スロットマシンの前面側の何処かに表示されている。そして、「役」は、予め定めた入賞態様の組み合わせを意味するものであって、具体的には、例えば、左、中、右の回転リール(40)の停止図柄が、それぞれ7、7、7となることにより、入賞可能となるような入賞態様の組み合わせを含むものである。
【0010】
また、ここで、「遊技機(10)」とは、具体的には、例えば、スロットマシンであるが、上述した回転リール(40)を有するパチンコ機や、その他の遊技機を含むものである。
また、ここで、「遊技媒体」とは、遊技機(10)内部への投入により遊技開始の条件となり、また、入賞により所定数が遊技者へ払い出される価値物であって、具体的には、例えば、円板状の遊技メダルであるが、それに限定されるものではなく、通常のコインでもよく、また、球状のボール球でもよいものである。
また、ここで、「前記外力検知手段により前記外力が加えられたことを検知したときには、特定の役については入賞させないこととして遊技を進行させる」とは、外力検知手段(120)により外力が加えられたことを検知したときだけの遊技に適用させる場合や、外力が加えられことを検知したときの遊技だけに限定せずに、当該遊技以降の複数の遊技に渡って適用させる場合のいずれも含むものである。
【0011】
また、ここで、「特定の役について入賞させない」とは、特定の役の当選フラグを消滅させるものや、特定の役の当選フラグは消滅させないものの停止制御によって、入賞図柄を入賞有効ライン上に停止させないように制御するものの両方を含むものである。
また、ここで、「外力検知手段(120)」とは、外部からの瞬間的な外力を直接、検知する圧力センサや、外部からの瞬間的な外力によって遊技機(10)が振動することで、かかる振動を検知することにより、外部からの外力を間接的に振動を用いて検知する振動センサを含むものである。
(作用) 本発明は、遊技機(10)に外部からの外力が加えられると、外力検知手段(120)が、かかる外力を検知する。そして、外力検知手段(120)により外力が加えられたことを検知したとき、入賞制限手段(140)は、特定の役については入賞させないこととして遊技を進行させる。このため、遊技者は、特定の役について入賞することができず、特定の役の入賞により得られる利益を獲得することができない。これにより、遊技者は、特定の役の入賞の利益を得ることができないという不利益を受けないように、遊技機(10)に外部からの外力を加える、いわゆる「どつき」と呼ばれるような叩き行為を行わないようになる。結果として、強打による不正行為や、強打による遊技機(10)の損傷や内部機器の故障等を防止することが可能となる。
【0012】
(請求項2)
(特徴点) 請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。すなわち、前記役には、当選した後、入賞図柄(61)を所定の停止位置に停止させることができずに入賞できなかった場合に、入賞図柄(61)を所定の停止位置に停止させて入賞するまで当選の権利を次以降の遊技に持ち越すことができるようにした持ち越し可能役を設け、前記入賞制限手段(140)は、前記外力検知手段(120)により前記外力が加えられたことを検知したときには、その検知時に存在する当選の権利に対応する前記特定の役を入賞させないこととして遊技を進行させることを特徴とする。
【0013】
なお、ここで、「その検知時に存在する当選の権利」とは、当該遊技で、当選抽選手段(110)の抽選の結果、持ち越し可能役に当選して存在する当選の権利と、当該遊技よりも以前の遊技で、当選抽選手段(110)の抽選の結果、持ち越し可能役に当選して、当該遊技より1つ前の遊技まで、当該遊技に入賞できずに今回遊技まで持ち越し可能役の当選の権利を持ち越していて存在する当選の権利との両方を含む。もちろん、持ち越し可能役だけに限定することもでき、また、持ち越し不可能役だけに限定することもできる。
(作用) 本発明は、遊技機(10)に外部からの外力が加えられると、外力検知手段(120)が、かかる外力を検知する。そして、外力検知手段(120)により外力が加えられたことを検知したとき、入賞制限手段(140)は、その検知時に存在する当選の権利に対応する特定の役を入賞させない。
【0014】
すなわち、今回遊技で持ち越し可能役に当選している状態であったとしても、或いは、今回より過去の遊技で持ち越し可能役に当選し、入賞できずに今回遊技まで当選の権利が持ち越されて、持ち越し可能役に当選している当選の権利が存在している状態であったとしても、その特定の役を入賞させない。
このため、遊技者は、その当選の権利に対応する特定の役を入賞させることができず、遊技者にとって持ち越し可能役の当選による利益を得ることができないという直接的な不利益を受けてしまう。これにより、遊技者は、持ち越し可能役の入賞により得られる利益を獲得することができないという不利益を受けないように、遊技機(10)に外部からの外力を加える、いわゆる「どつき」と呼ばれるような叩き行為を行わないようになる。結果として、強打による不正行為や、強打による遊技機(10)の損傷や内部機器の故障等を防止することが可能となる。
【0015】
(請求項3)
(特徴点) 請求項3記載の発明は、上記した請求項1又は請求項2記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。すなわち、前記入賞制限手段(140)は、前記外力検知手段(120)により前記外力が加えられたことを検知したときから所定の遊技回数経過又は所定の時間経過までの遊技を、特定の役については入賞させないこととして遊技を進行させることを特徴とする。
(作用) 本発明は、入賞制限手段(140)は、外力検知手段(120)による外力が加えられたことを検知したときから、所定の遊技回数経過又は所定の時間経過までの遊技を、特定の役について入賞させない。これにより、特定の役について入賞することができないという不利益(ペナルティ)を、強打した遊技1回だけにとどまらず、複数回の遊技に渡って、或いは、所定の時間にわたって、受けることになり、遊技者の不利益を著しく増大させることができる。結果として、かかる不利益を避けるため、強打防止を図ることができる。
【0016】
(請求項4)
(特徴点) 請求項4記載の発明は、上記した請求項1から3までのいずれか1項に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。すなわち、前記入賞制限手段(140)が、特定の役について入賞させないこととして遊技を進行させているときに、更に、前記外力検知手段(120)による前記外力が加えられたことを検知したときには、入賞させない特定の役を増加させることを特徴とする。
(作用) 本発明は、強打したことのペナルティとして、特定の役について入賞させないこととして遊技を進行させている最中に、更に、強打した場合、入賞できなくする特定の役の数を増加させる。これにより、強打の回数によって、遊技者にとって、より大きなペナルティが課せられることになる。したがって、強打だけでなく、強打の回数も抑えることができ、より一層の強打防止を図ることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
(請求項1) 請求項1記載の発明によれば、次のような効果を奏する。すなわち、請求項1記載の発明によれば、特定の役について入賞させないこととして、遊技者にとって、その後の遊技進行にあたって、直接的な不利益を受ける遊技となることによって、外部から外力が加えられることを防止可能な遊技機を提供することができる。
(請求項2) 請求項2記載の発明によれば、上記した請求項1記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。すなわち、請求項2記載の発明によれば、遊技者にとって持ち越し可能役を入賞することができないという不利益を受けることによって、外部から外力が加えられることを防止可能な遊技機を提供することができる。
【0018】
(請求項3) 請求項3記載の発明によれば、上記した請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。すなわち、請求項3記載の発明によれば、所定の遊技回数経過又は所定の時間経過まで特定の役の入賞をすることができず、遊技者の不利益を著しく増大させて、強打防止を図ることができるようにした遊技機を提供することができる。
(請求項4) 請求項4記載の発明によれば、上記した請求項1から3までのいずれか1項に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。すなわち、請求項4記載の発明によれば、ペナルティを受けている最中に更に強打した場合、入賞できない特定の役を増加させて、より大きなペナルティを課すことによって、強打防止を図ることができるようにした遊技機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(第1の実施の形態)
(図面の説明) 図1から図8までは、本発明の第1の実施の形態を示すものである。図1は遊技機の入力、制御及び出力のブロック図、図2は遊技制御手段のブロック図、図3は当選抽選手段のブロック図、図4は入賞制限手段のブロック図、図5は遊技機の外観正面図、図6から図8までは遊技機の遊技の動作の概略のフローをそれぞれ示すものである。
(遊技機10) 遊技機10は、正面に向かって開口する正面開口部を有する四角箱状の筐体11を有する。この筐体11の正面開口部の向かって左縁側には、筐体11の正面開口部を開閉自在に塞ぐ前扉14がヒンジにより軸支されている。前記前扉14の中央部から上部には、遊技者側に向かって臨む略四角窓状の表示窓12が形成されている。そして、この表示窓12の略中央には、三個の回転リール40の図柄61、いわゆる停止図柄61を見ることができる図柄表示窓13が形成されている。そして、前扉14の下部には、入賞した場合に、賞品としての遊技媒体である遊技メダルが払い出される払い出し口32が形成されている。そして、この払い出し口32の下方には、払い出し口32から払い出された遊技メダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状の払い出し皿33が形成されている。
【0020】
前記回転リール40は、図5の向かって左端側に位置する左側回転リール43と、図5の向かって右端側に位置する右側回転リール45と、この左側回転リール43及び右側回転リール45の間に位置する中央回転リール44とからなるものである。そして、遊技機10の前面側には、特に図示しないが、横方向に三本、左右の対角線上の斜め方向に二本の合計五本の入賞ラインが形成されている。そして、この入賞ラインは、投入メダルの枚数に応じて入賞が有効になる入賞有効ラインとなるものである。具体的には、遊技メダルの投入枚数が、1枚の場合、五本の入賞ラインのうち、横中央の一本が入賞有効ラインとなる。そして、遊技メダルの投入枚数が、2枚の場合、五本の入賞ラインのうち、横方向の三本が入賞有効ラインとなる。そして、遊技メダルの投入枚数が、3枚の場合、対角線も含めた五本の入賞ラインの全部が、入賞有効ラインとなる。
【0021】
遊技機10の内部には、図示していないが、遊技機10の全体の動作を制御するための制御装置20(図1参照)が内蔵されている。
なお、ここで、「前面」や「前方向」や「手前方向」とは、遊技者が、遊技機10の正面側の前に遊技機10の方に顔を向けて座って、或いは、立っているような場合のかかる遊技者から見た場合の奥から手前への方向を意味する。したがって、前方向や手前方向とは、遊技機10の奥から正面へ向かう方向を意味する。
また、「背面」や「後方向」や「奥方向」とは、遊技者が、遊技機10の正面側に遊技機10の方を向いて位置しているような場合のかかる遊技者から見たときの手前から奥への方向を意味する。したがって、後方向とは、遊技機10の正面から奥(後ろ)へ向かう方向を意味する。また、本明細書における「左方向」や「右方向」等の左右方向も、かかる遊技機10の前面の方を向いて位置している者から見た場合の右方向や、左方向を意味する。
【0022】
(制御装置20) 前記制御装置20は、図示しないが、CPUを中心に構成され、ROM、RAM、I/O等を備えている。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、次の(1)遊技制御装置21及び(2)演出制御装置22の装置を有するものである。
図1に示すように、スタートスイッチ30及びストップスイッチ50の操作により、回転リール40の回転及び停止を制御するための遊技制御装置21と、ランプやスピーカー等の報知手段66を制御するための演出制御装置22とが内蔵されている。また、CPUは、遊技制御装置21及び演出制御装置22に、それぞれ一個ずつ配置されているが、特にこれに限定されるものではなく、一個のCPUで制御しても良く、或いは、二個以上のCPUで制御するようにしても良いものである。また、CPU、ROM、RAM及びI/O等は一体化されてワンチップを構成しても良いものである。
【0023】
(遊技制御装置21) 前記遊技制御装置21は、スタートスイッチ30及びストップスイッチ50の遊技者による操作により、回転リール40の回転及び停止を制御するためのものである。この遊技制御装置21は、次の手段として機能する。
(1)遊技制御手段27(通常遊技制御手段70、特別遊技制御手段80)
(2)当選抽選手段110
(3)クレジット数演算手段250
(4)入賞制限手段140
なお、本遊技機により行う遊技は、メダル投入を条件として、一般的(通常)に行われる通常遊技と、同一の遊技回数を基準として遊技期間で比較した場合に、この通常遊技よりも遊技者に大きな利益を付与可能な特別遊技とを備えている。この特別遊技は、通常遊技中に予め定めた所定の役に入賞することにより移行するとともに通常遊技よりも単位時間あたりの獲得可能な遊技媒体数が多くなることが可能に形成されている。
【0024】
そして、前記通常遊技制御手段70は、通常遊技を行わせるために通常遊技に関する制御を行うものであり、前記特別遊技制御手段80は、特別遊技を行わせるために特別遊技に関する制御を行うものである。
また、遊技制御装置21としては、上記した手段に限定されるものではなく、他の手段を含んでいても良い。
(演出制御装置22) 前記演出制御装置22は、主として演出データに関するものであって、報知ランプ69やスピーカー67等の報知手段66を制御するためのものである。そして、遊技制御装置21の内部データの信頼性を担保するため、遊技制御装置21と演出制御装置22との間での信号のやりとりは、一方通行となるように設定されている。すなわち、遊技制御装置21から、演出制御装置22に向かって出力信号のみが送出され、この演出制御装置22から遊技制御装置21に向かっていかなる信号も送出されないように設定されている。これにより、当選率等の抽選に関するデータを有する遊技制御装置21のデータ保護を容易なものにすることができる。
【0025】
そして、この演出制御装置22は、次の手段として機能する。
(1)演出データ記憶手段25
(2)演出制御手段26
また、演出制御装置22としては、上記した手段に限定されるものではなく、他の手段を含んでいても良い。
前記制御装置20の入力側には、主として制御装置20に信号を送る入力手段が配置され、前記制御装置20の出力側には、主として制御装置20からの信号が送り込まれる出力手段が配置されている。
【0026】
(入力手段) 前記制御装置20の入力側には、図1に示すように、次のパーツが接続されている。
(1)投入スイッチ15
(2)ベットスイッチ16
(3)精算スイッチ17
(4)スタートスイッチ30(変動表示開始手段31)
(5)ストップスイッチ50(変動表示停止手段51)
(6)外力検知手段120(振動検知センサー121)
(7)リセットスイッチ160
なお、入力手段としては、上記した(1)から(7)のパーツに限定されるものではない。
【0027】
(出力手段) 前記制御装置20の出力側には、図1に示すように、次のパーツが接続されている。
(1)貯留払い出し手段65
(2)リールユニット60(モータードライバ62及び駆動モーター63)
(3)報知手段66(スピーカー67、報知ランプ69及び表示装置68)
なお、出力手段としては、上記した(1)から(3)までのパーツに限定されるものではない。
(投入スイッチ15) 前記投入スイッチ15は、図5に示すように、回転リール40の斜め下方に位置するスイッチであって、遊技メダルのメダル投入口18から投入された遊技メダルを検知するためのものである。
【0028】
(ベットスイッチ16) 前記ベットスイッチ16は、図5に示すように、回転リール40の下方に位置するスイッチであって、遊技者により予め投入されて遊技機内部に貯留した貯留メダル数を減じてメダル投入に代えるためのものである。
(精算スイッチ17) 前記精算スイッチ17は、図5に示すように、回転リール40の斜め下方に位置するスイッチであって、貯留した投入メダルを払い出すためのものである。
(スタートスイッチ30) 前記スタートスイッチ30は、前記図柄表示手段41としての回転リール40の回転停止表示を回転変動表示へ移行させるために遊技者により変動開始操作が可能な変動表示開始手段31である。このスタートスイッチ30は、図5に示すように、回転リール40の斜め下方に位置するレバーであって、遊技メダルの投入若しくはベットスイッチ16の投入を条件に、または、「再遊技(リプレイ、Replay)」時には前遊技から所定時間経過を条件に、リールユニット60の駆動を開始させるためのものである。
【0029】
なお、ここで、「再遊技(リプレイ、Replay)」とは、当選抽選手段110の抽選により、「再遊技(リプレイ、Replay)」のフラグが成立し、「再遊技(リプレイ、Replay)」の図柄が入賞有効ライン上に揃うことにより、次の遊技において、遊技メダルを新たに投入することなく、再度、遊技を行うことができるものである。
(ストップスイッチ50) 前記ストップスイッチ50は、前記図柄表示手段41の回転変動表示を回転停止表示へ移行させるために遊技者により複数個の前記図柄表示手段41を別個独立に停止操作が可能な変動表示停止手段51であって、リールユニット60の駆動モーターの回転を停止させるためのものである。具体的には、ストップスイッチ50は、図5に示すように、各回転リール40に対応した三個のスイッチから構成され、各回転リール40の下方に1個ずつ配置されているものである。遊技者が回転リール40に対応したストップスイッチ50を指で押す又は触れる等の停止操作により、当該対応した回転リール40が回転を停止するように設定されているものである。
【0030】
(外力検知手段120) 前記外力検知手段120は、外部からの瞬間的な外力が加えられたことを検知するためのものである。具体的には、この外力検知手段120は、外部からの瞬間的な外力が加えられて、遊技機10が揺れることにより、かかる遊技機10の揺れを検知して、間接的に外部からの瞬間的な外力を検知することが可能な振動検知センサー121を使用している。ここで、「外部からの瞬間的な外力」とは、外部からの短い時間での外力、いわゆる外部からの衝撃であって、遊技機10に対して急激に加えられる力を意味するものである。したがって、遊技機10を固定するため等に恒常的に加えられる外力や、隣接する周囲部材等から遊技機10に恒常的に加えられる外力等は含まれないものである。要するに、外力検知手段120は、外部からの衝撃を検知することができるものであれば良いものである。
【0031】
この振動検知センサー121は、図5に示すように、リールユニット60とストップスイッチ50との間の前扉14の裏面側に配設されている。これは、遊技者が右手で、回転リール40付近や、ストップスイッチ50付近を、叩く者が多いので、リールユニット60とストップスイッチ50との間の右側に位置して、強打(どつき)により生じた遊技機10の振動を良好に検知することができるようにしているものである。
そして、この振動検知センサー121は、配設された位置における振動の周期及び振幅を検知して、予め定めた所定範囲の振動の周期及び振幅を検知した場合に、入賞制限手段140へ検知信号を出力するものである。予め定めた所定範囲の振動の周期範囲及び振幅範囲を適切なものに設定することにより、遊技機10の外部から遊技者が強打することにより外力が加えられたことを検知することができるものである。このように振動の周期及び振幅を検知することにより、強打された(どつかれた)か否かを検知するだけでなく、強打された(どつかれた)強さも検知することができものである。これにより、特定の強さ以上(或いは所定範囲の強さ)で強打された場合にのみ、検知信号を出力することができる。そして、かかる振動の周囲範囲及び振幅範囲を、適切なものにすることにより、強打以外の振動である遊技場の近くの道路を大型車両や電車が通行した際の振動や、地震による振動を除くことができるように設定されている。もちろん、振動検知センサー121は、上述したものに限定されるものではなく、少なくとも所定範囲の遊技機10の振動(揺れ)を検知することができるものであればその他の構造のものでも良いものである。具体的に、例えば、振り子と、その振り子の周りに電気センサーを設けて、振り子が所定範囲振れることにより、検知信号を出力するような簡単な構造からなるようなものでも良い。また、遊技機10の設置角度を常時、検知して、所定角度範囲になった場合に検知信号を出力することができるようなその他の構造のものでも良い。
【0032】
更に、外力検知手段120は、上述した振動検知センサー121だけに限定されることなく、外部からの瞬間的な外力を直接、検知する圧力センサーを使用したものでも良いものである。具体的には、例えば、表示窓12の背面に圧力センサーを設けて、遊技者が表示窓12を叩いた場合等に、表示窓12を介して所定範囲の大きさの圧力が圧力センサーに加わると、検知信号を出力することができるようなものでも良いものである。また、圧力センサーを多数、埋め込んだフィルム状のものを前扉14の前面側の表示窓12や操作部の前面に貼付しても良いものである。
(リセットスイッチ160) 前記リセットスイッチ160は、遊技者は操作することができず、遊技ホールの当該遊技機10の前扉14の開閉用の鍵を持っている者だけが操作することができるものである。このリセットスイッチ160を操作することにより、ON状態になっている外力検出フラグをOFF状態にすることができる。また、このリセットスイッチ160は、ON状態の外力検出フラグをOFF状態に戻すだけでなく、種々のエラーが発生して、エラー警告や、エラー処理が発生した場合にも、それらのエラー警告をリセットし、通常状態に戻すことができるものである。
【0033】
前記リセットスイッチ160は、図4に示すように、遊技機10の前扉14の前面側の中央の操作部の右側に形成されている。このリセットスイッチ160は、前扉14を開閉するために鍵を差し込んでロックを解除するための鍵穴内部に形成され、鍵を右側に回転すると前扉14のロックを解除するが、鍵を左側に回転するとリセットスイッチ160が作動するように形成されている。また、リセットスイッチ160は、この鍵穴内部だけでなく、前扉14を開いて、遊技機10の内部の電源ユニットの前面にも、設けられている。これらのいずれのリセットスイッチ160を操作することにより、リセットスイッチ160が作動するように設定されている。
【0034】
(貯留払い出し手段65) 前記貯留払い出し手段65は、いわゆるホッパーユニットであって、図示しないが、投入された遊技メダルを貯留することができるとともに、入賞した場合に、遊技者に向かって所定数の遊技媒体としての遊技メダルを払い出すためのものである。
(リールユニット60(モータードライバ62、駆動モーター63)) 前記リールユニット60は、複数の配列された図柄を回転変動表示又は回転停止表示するための複数個の図柄表示手段41を備えているものである。この図柄表示手段41は、21個の図柄を周囲に均等に配列した筒状の回転リール40を有している。すなわち、リールユニット60には、3個の駆動モーター63が、基体としての枠体に固定或いは支持されている。そして、各々の駆動モーター63の回転駆動軸には、三個の回転リール40の回転中心軸が固定されている。そして、各回転リール40は、合成樹脂からなる回転ドラムと、この回転ドラムの周囲に貼付されるテープ状のリールテープ42とを備えている。このリールテープ42の外周面には、複数個(21個)の図柄61が表示されている。そして、回転リール40の一部に、突出している突出片状のいわゆるスタートインデックスが形成してある。そして、駆動モーター63による回転を開始した後、前記スタートインデックスを光センサー等により検知してからの回転角度を認識することで、現在位置を特定し、その後、所定角度で停止させることによって、停止制御が行われるものである。この光センサーは、全体形状が、略コ字状であって、一端に発光素子(LED)が配置され、他端に受光素子(フォトトランジスタ)が配置され、そのコ字状の内部を、突出片状のスタートインデックスが移動することにより、発光素子からの光が遮断され、スタートインデックスの位置を検知可能なものである。
【0035】
以下、具体的に説明すると、この回転リール40の外周表面の21個の図柄61には、各図柄61の表示位置により異なる図柄番号が付与されている。そして、この回転リール40の回転駆動軸には、回転リール40を回転駆動させるための回転駆動源である駆動モーター63としてのステッピングモーター64が固定されている。このステッピングモーター64は、リールユニット60の基体である枠体に固定されて所定の回転角度だけ回転リール40を回転させるための回転駆動力を発生するものである。このリールユニット60には、このステッピングモーター64を回転駆動させるためのモータードライバ62が形成されている。このモータードライバ62には、遊技制御装置21からの制御信号としてのパルス信号が入力されることにより、ステッピングモーター64を回転駆動させるように形成されている。
【0036】
(報知手段66) 前記報知手段66は、遊技者に当選や入賞等を音や光や映像で報知させるためのものである。具体的には、報知手段66は、筐体11に埋め込まれた左右のスピーカー67と、表示窓12の上部中央に配置された液晶表示装置からなる表示装置68と、表示窓12の周囲縁に配置された5個の報知ランプ69とを備えているものである。そして、この報知手段66は、演出制御装置22の制御により、当選時や入賞時にスピーカー67から当選音や入賞音を発生させ、報知ランプ69を点灯又は点滅させることにより、また、表示装置68に図柄模様や文字列を点灯表示させることにより、遊技者に当選や入賞等を報知させるためのものである。
【0037】
(遊技制御手段27) 前記遊技制御手段27は、遊技を行わせるためのものであって、当選抽選手段110の抽選の結果に対応した停止制御を図柄表示手段41に対して行うためのものである。具体的には、遊技制御手段27は、通常遊技の制御を行う通常遊技制御手段70と、特別遊技の制御を行う特別遊技制御手段80とを備えている。
なお、ここで、遊技制御手段27が行わせる遊技は、遊技メダルの投入を条件として遊技が開始可能となり、当選抽選手段の抽選結果、所定の役に当選し、且つ遊技状況が役に応じて予め定められた図柄表示の態様になること(役に対応する図柄が入賞有効ライン上に揃うこと)により入賞となり、或いは、かかる図柄表示の態様にならないこと(役に対応する図柄が入賞有効ライン上に揃わないこと)により外れとなって1回の遊技が終了するように設定されている。
【0038】
(通常遊技制御手段70) 前記通常遊技制御手段70は、通常遊技を行わせるためのものである。すなわち、メダルの投入若しくはベットスイッチ16の押下投入が実施され(再遊技(リプレイ、Replay)を除く)、且つ前遊技から所定時間が経過することを条件として、スタートスイッチ30が押下可能な状態(遊技開始可能な状態)となり、スタートスイッチ30を操作すると、リールユニット60が駆動され、三個の回転リール40が回転を開始する。
或いは、「再遊技(リプレイ、Replay)」時にはメダル投入やベットスイッチ16の押下投入が実施されることなく、且つ前遊技から所定時間が経過することを条件として、スタートスイッチ30が押下可能な状態(遊技開始可能な状態)となり、スタートスイッチ30を操作すると、リールユニット60が駆動され、三個の回転リール40が回転を開始する。
【0039】
その後、ストップスイッチ50の一個を操作すると、当該対応する回転リール40の回転が停止する。そして、ストップスイッチ50を三個全て操作し終わると、三個の回転リール40の回転が全て停止する。このとき、表示窓12の入賞有効ライン上に、予め設定された図柄61が停止すると、貯留払い出し手段65を介して所定枚数のメダルが払い出される。なお、メダルを払い出す代わりに、クレジットしても良い。
当選には、入賞した場合、遊技メダルの払い出しを伴い、遊技者に利益を付与する小役当選(この小役当選が入賞した場合は小役入賞となる)と、入賞した場合、この小役当選よりもさらに大きな利益を遊技者に付与する特別当選(この特別当選が入賞した場合は特別入賞となる)と、入賞した場合、遊技メダルの払い出しは無いが、遊技メダルを新たに投入することなく再度の遊技を行うことができる「再遊技(リプレイ、Replay)当選」(この再遊技当選が入賞した場合は再遊技入賞となる)の当選とを備えている。そして、その抽選結果がいずれかの当選となった場合(内部入賞とも言う。)、その当選に対応した当選フラグが成立する。
【0040】
ここで、「フラグ」とは、当選抽選手段110の抽選結果が所定の役に当選の場合に、当選であることを記憶しておくためのメモリーであり、小役当選の場合には、小役当選の当選フラグを成立させ、抽選結果が特別当選である場合には特別当選の当選フラグを成立させるものである。そして、この特別当選の当選フラグ成立中に、リールユニット60の回転リール40の停止図柄61の組み合わせが、予め定められた所定の入賞図柄(例えば、入賞有効ライン上に「7」が三個揃うもの)と一致したことを条件に入賞し、遊技者に有利な特別遊技を行わせるように形成されている。そして、抽選により特別当選の当選フラグが成立したが、回転リール40の停止図柄61の組み合わせが入賞図柄と一致していない場合、すなわち、特別当選の当選フラグが成立している遊技で入賞できなかった場合、原則として、それ以後の遊技に特別当選の当選フラグ成立の権利が持ち越されるように設定されている。そして、原則として、当該特別当選の当選フラグを持ち越した遊技でも、入賞できなかった場合、更に、それ以後の遊技に特別当選の当選フラグの権利は、入賞できるまで持ち越されるように形成されている。(具体的には、BBゲーム及び後述する独立RBゲームへの移行当選役の当選フラグの権利は、入賞できるまで持ち越し可能に形成されている。)なお、小役当選及び再遊技当選(リプレイ当選)の当選フラグは、当選フラグが成立した遊技で入賞させられない場合、当選フラグ成立の権利の次の遊技への持ち越しはない。
【0041】
(持ち越し可能役と、持ち越し不可能役) 本実施の形態に係る遊技機10における前記役には、当選した後、入賞図柄を所定の停止位置(入賞有効ライン)に停止させることができずに入賞できなかった場合に、入賞図柄を所定の停止位置(入賞有効ライン)に停止させて入賞するまで当選の権利を次以降の遊技に持ち越すことができるようにした持ち越し可能役と、当選した後、入賞図柄を所定の停止位置に停止させることができずに入賞できなかった場合に、当選の権利を次以降の遊技に持ち越すことができない持ち越し不可能役とを備えている。そして、持ち越し可能役には、BBゲーム及び独立RBゲームへの移行当選役が設定されている。そして、持ち越し不可能役には、チェリーその他の小役、再遊技役(リプレイ役)及び従属RBゲームへの移行当選役が設定されている。なお、従属RBゲームへの移行当選役を持ち越し可能役に設定して、特別当選の場合は全て持ち越し可能役に設定するようにしても良いものである。
【0042】
(蹴飛ばし設定と、引き込み設定) 前記回転リール40の回転及び停止を制御する停止制御として、入賞図柄の組み合わせを遊技者がストップスイッチ50を操作して所定位置に停止させようとしても、回転リール40が回転して、かかる入賞図柄が所定位置に揃わないように設定した蹴飛ばし設定と、ストップスイッチ50を操作した状態から所定の図柄数だけ回転リール40の回転上流側に位置する引き込み可能図柄の中に、当選フラグ成立中の入賞図柄が含まれているような場合に、入賞図柄を所定位置にまで引き込んで停止するように設定した引き込み設定とを備えている。
なお、ストップスイッチ50を押下操作タイミング時の基準位置の図柄において、蹴飛ばし設定も、引き込み設定のいずれも設定されていない場合は、蹴飛ばし設定及び引き込み設定のいずれの設定も達成されたとみなして、蹴飛ばし設定及び引き込み設定のいずれも行わないで、当該基準位置の図柄で停止することになる。かかる場合、ストップスイッチ50の押下操作タイミングですぐに止まる、いわゆるビタ止めとなるものである。
【0043】
また、いずれかの当選フラグが成立中に、対応する入賞図柄を入賞有効ライン上に揃えることができるか否かは、回転リール40の回転速度が一定の場合、ストップスイッチ50のタイミングによるものである。具体的には、ストップスイッチ50を操作した後、190ms以内に回転リール40が停止するように設定されているため、ストップスイッチ50を操作した後、そのまま停止させるか、或いは190ms以内に停止可能な回転リール40の円周上の引き込み可能図柄61、例えば停止位置の図柄の上の図柄から連続する4個の引き込み可能図柄61の中、すなわち停止位置の図柄も含めて全部で5個の図柄中に、対応する入賞図柄が含まれているような場合には、停止するまでの時間を遅らせて、回転リール40は入賞有効ライン上にその入賞図柄を引き込んで停止する。一方、停止位置の図柄及びかかる4個の引き込み可能図柄61の中、すなわち全部で5個の図柄中に、対応する入賞図柄が含まれていないような場合には、入賞有効ライン上にその入賞図柄を引き込んで停止することができない。また、いずれの当選フラグも成立していない場合には、入賞図柄の入賞確定は不可能となるように設定されている。すなわち、いずれの当選フラグも成立していない場合には、蹴飛ばし設定により、入賞図柄が、所定の入賞有効ライン上に揃わないような位置に停止する、いわゆる蹴飛ばされる。
【0044】
本形態では、停止制御として、上述したような条件判断停止制御を使用しているが、特にこれに限定されるものではなく、停止制御として、停止テーブルを使用しても良い。これは、いずれかの当選フラグが成立中に、対応する入賞図柄を入賞有効ライン上に揃えることができるか否かは、選択した停止テーブル上に予め記載されている21個の図柄に対応する各停止操作位置(No0〜No20)でのすべりコマ数により決定されるものである。例えば、左側回転リール43、中央回転リール44及び右側回転リール45の入賞有効ライン上の図柄が順にセブン、セブン、セブンと停止することにより、BBゲームに入賞するように設定されている。そして、かかるBBゲームの当選フラグが成立している場合に、右側回転リール45での基準位置での停止操作位置がNo6であるとき、選択された停止テーブルのNo6の位置から3コマ後にセブンが位置して、そのNo6の位置のすべりコマ数には3が予め設定されているとする。かかる場合、その基準位置には、No6の図柄から3コマだけ回転移動してセブンの入賞図柄が停止することとなるものである。このように、停止テーブルには、各停止操作位置でのすべりコマ数が予め設定されている。そして、BBゲームの当選の場合の停止テーブルのように、各役が当選しているときの停止テーブルや、ハズレの場合の停止テーブルが予め用意されてあり、当選抽選手段110の抽選結果によって、所定の停止テーブルが選択されるものである。
【0045】
なお、ここで、「基準位置」とは、図柄表示窓13内部に停止する図柄の停止位置の範囲のうち、予め定めた所定の位置を意味する。この基準位置は、図柄表示窓13内部の位置であれば、いずれの位置に設定しても良いものであり、回転リール40の図柄の停止位置を定めるための基準となる位置である。具体的には、この基準位置は、図柄表示窓13の上段に停止する図柄位置の中央の位置に設定されているが、もちろん、他の基準位置に設定しても良い。
なお、ここで、「役」とは、各回転リール40で予め定めた入賞図柄の組み合わせを意味するものであって、入賞となる入賞態様の総称を意味するものである。具体的には、役とは、例えば、左、中、右の回転リール40の所定の入賞有効ライン上の停止図柄が、それぞれセブン、セブン、セブンとなることにより、入賞となるような入賞図柄の組み合わせ(入賞態様)を意味するものである。
【0046】
(特別遊技制御手段80) 前記特別遊技制御手段80は、抽選手段の抽選結果に基づいて、通常遊技よりも遊技者に大きな利益を付与することができて、遊技者に有利な特別遊技を行わせるためのものである。前記特別遊技としては、大別すると、次のゲームがある。なお、当選していない役が入賞しないように不当入賞を回避するための蹴飛ばし設定や、ストップスイッチ50の操作タイミングにおける所定の位置の図柄の上から4図柄(当該図柄を含めると5図柄)の所定範囲の引き込み範囲から、引き込み可能な引き込み設定を有しているのは、通常遊技制御手段70で説明したものと同様である。
(1)特定導入遊技(BBゲーム)
(2)特定遊技(RBゲーム)
(3)特定当選遊技(JACゲーム)
上述した特別遊技のうち、特定導入遊技(BBゲーム)と、特定遊技(RBゲーム)とは、通常遊技及び特殊遊技中に単独に実施可能に設定されている。具体的には、前記特定遊技(RBゲーム)は、通常遊技及び特殊遊技から移行して単独で実施される独立RBゲームと、この独立RBゲームと遊技内容は同一であるが特定導入遊技(BBゲーム)中に移行可能な従属RBゲームとを実施可能に形成されている。
【0047】
前記特定当選遊技(JACゲーム)は、本形態において通常遊技から移行することはできず(単独では実施されず)、RBゲーム(独立RBゲーム及び従属RBゲーム)の内部で実施されるものである。すなわち、前記特定当選遊技、いわゆるJACゲームは、RBゲーム中に行われるものである。
また、特定遊技(RBゲーム)のうち、従属RBゲームは、特定導入遊技、いわゆるBBゲーム中に、所定の条件の範囲内(具体的には、所定の獲得遊技メダル枚数の範囲内)で入賞した場合には何回でも行われるように設定されている。そして、独立RBゲームは、BBゲーム中で無い場合、通常遊技や特殊遊技から移行して単独で実施される。
【0048】
そして、特別遊技制御手段80は、図1に示すように、大別すると、次の手段を備える。
(1)特定導入遊技制御手段91(BBゲーム制御手段90)
(2)特定遊技制御手段101(RBゲーム制御手段100)
(特定導入遊技制御手段91)
前記特定導入遊技制御手段91は、BBゲームを制御するためのBBゲーム制御手段90である。具体的には、BBゲームに移行すると、通常遊技と同様のBB中小役遊技が、最大3枚のメダルの投入によって開始され、3つの回転リール40の回転を各々停止させた際に、入賞有効ライン上に入賞図柄が揃っているか否かによって、メダルの払い出しが行われるものである。したがって、BBゲーム中のBB中小役遊技では、通常遊技と同様に小役を含めた抽選が毎回行われるものである。ただ、このBBゲーム中に従属RBゲームに移行するための入賞図柄が入賞有効ライン上に揃った場合には、その後、従属RBゲームに移行するものである。
【0049】
なお、BBゲーム中は、従属RBゲームへの移行が、所定獲得枚数までは何回でも行われることになっているために、1回目の従属RBゲームが終了した後は、また前述したような通常遊技と同様なBB中小役遊技の抽選及び制御が行われるものである。
そして、BBゲームでは、BBゲーム中の獲得遊技メダル枚数が、予め定めた特定枚数を超えるまでは、BBゲーム中の従属RBゲームを何回でも行うことができるように設定されている。そして、BBゲーム中の獲得遊技メダル枚数が特定枚数を超えたときに、当該BBゲームは終了するものである。もちろん、終了条件はこれに限定されるものではなく、例えば、BBゲーム中の従属RBゲームが所定の最大回数、例えば3回か、或いはBBゲーム中のBB中小役遊技が所定の最大回数、例えば最大30回の終了により、BBゲームは終了するように設定しても良い。また、かかる場合のBBゲーム中のRBゲームや、BB中小役遊技の最大回数は、上述したものに限定されるものではなく、遊技機10の種類の違いにより、他の回数(例えば、RBゲームの最大回数が2回)に設定されているものでも良い。
【0050】
(特定遊技制御手段101) 前記特定遊技制御手段101は、RBゲームを制御するためのものである。具体的には、RBゲームに移行すると、メダルが1枚投入となり、回転リール40の所定の図柄61が表示窓12のセンターライン上に揃った場合に入賞となる特定当選遊技(いわゆるJACゲーム)が行われるものである。そして、RBゲームでは、当選するか否かの特定当選遊技(いわゆるJACゲーム)が最大12回行えるものであり、そのうち、最大8回の入賞が可能である。すなわち、最大8回の入賞となるか、或いは最大12回の特定当選遊技(いわゆるJACゲーム)の終了により、RBゲームは終了するものである。もちろん、終了条件は、これに限定されるものではなく、予め定めた特定の獲得遊技メダル枚数に到達することにより終了するように設定しても良い。
【0051】
(当選抽選手段110) 前記当選抽選手段110は、予め定めた当選率に基づいて当選か否かの当選判定の抽選を行うものである。そして、当選抽選手段110による抽選結果が当選である場合(内部入賞とも言う。)に当選フラグが成立し、この当選フラグ成立中に、回転リール40の停止図柄の組み合わせが予め定められた入賞図柄と一致したことを条件に入賞し、遊技者にメダルの払い出しや、特別遊技等の利益が付与されるように設定されている。
前記当選抽選手段110は、図1に示すように、大別すると、次の手段を備える。
(1)当選乱数発生手段111
(2)当選乱数抽出手段112
(3)当選判定テーブル記憶手段113
(4)当選判定手段114
なお、当選抽選手段110としては、上記した(1)から(4)までに限定されるものではない。
【0052】
(当選乱数発生手段111) 前記当選乱数発生手段111は、抽選用の乱数を所定の領域内(十進数で0〜65535)で発生させるものである。この当選乱数発生手段111は、一定範囲の数字を高速で1ずつ加算するカウンタを用いて構成するものであって、0から65535までの範囲の数字を、1秒間に数百万回程度順次繰り返すようにしたカウンタである。そして、「当選乱数抽出手段」としては、スタートスイッチ30を押したタイミングでカウンタの数字を読みとるものである。これは、「当選乱数発生手段」では乱数を発生しているわけではないものの、「当選乱数抽出手段」によって抽出される数字は、あたかも乱数のような分布となるものである。
【0053】
なお、ここで、「当選乱数発生手段」には、ソフト乱数としての平均採中法(n桁の数字を2乗して中央のn桁の数を取り出すことの繰り返しによる乱数発生方法)等で乱数を発生させることができるものでも良い。このように結果として乱数のような分布を示す数字が得られる手段を、ここでは、「当選乱数発生手段」或いは「当選乱数抽出手段」に含めて考えるものである。
(当選乱数抽出手段112) 前記当選乱数抽出手段112は、当選乱数発生手段111が発生する乱数を、所定の条件(具体的には、スタートスイッチ30の操作)で抽出するものである。なお、この抽出した乱数を抽出乱数データとする。
【0054】
(当選判定テーブル記憶手段113) 前記当選判定テーブル記憶手段113は、当選乱数発生手段111がとる乱数の全領域中、各当選項目の当選領域を有するものである。この当選判定テーブル記憶手段113は、異なる抽選確率を記憶した複数のものが形成されている。具体的には、当選判定テーブル記憶手段113は、図3に示すように、強打によるペナルティが課せられおらず制限が無い制限無当選判定テーブル115と、強打によるペナルティが課せられてあり制限が有る制限有当選判定テーブル116とを備えている。前記制限有当選判定テーブル116は、強打が行われていない遊技で、使用される抽選テーブルであって、全ての役の抽選確率が設定されている。それに対して、制限有当選判定テーブル116は、強打が行われた遊技で、使用される抽選テーブルであって、一部の役の抽選確率が設定されていないものである。具体的には、本実施の形態に係る制限有当選判定テーブル116は、BBゲームへの移行役の抽選確率が設定されていない、すなわち、BBゲームの役が抽選テーブルの役の項目に存在しないような抽選テーブルであり、この制限有当選判定テーブル116を使用すると、BBゲームに当選することが無いように設定されている。そして、制限無当選判定テーブル115と制限有当選判定テーブル116とは、このBBゲームの抽選確率以外の抽選確率は、全て同一に形成されている。
【0055】
(当選判定手段114) 前記当選判定手段114は、当選乱数抽出手段112が抽出した抽出乱数データと、当選判定テーブル記憶手段113の当選率データを基に当選乱数発生手段111がとる乱数の全領域中の各当選項目の当選領域からなる当選判定領域データとを照合し、当該抽出乱数データが属する当選領域に対応する当選を決定するものである。
(クレジット数演算手段250) 前記クレジット数演算手段250は、メダル投入口18から貯留払い出し手段65に投入された遊技媒体としての遊技メダルの数を、クレジット数としてカウントするものである。それとともに、クレジット数演算手段250は、ベットスイッチ16又は精算スイッチ17の操作に基づいて、或いは、自動精算処理の場合に、クレジット数から所定数の遊技メダル数を減じて、新たなクレジット数にするためのものである。
【0056】
具体的には、遊技機10の初期状態において、メダル投入口18へ遊技メダルを3枚投入すると、その3枚の投入された遊技メダルは、遊技開始の条件としての投入メダルとしてカウントされる。そして、更に、それ以降、遊技メダルが続けてメダル投入口18から投入された場合、クレジット数演算手段250は、クレジット数として、カウントして、最大50枚まで貯留することができるように形成されている。50枚を超える遊技メダルが、メダル投入口18から投入されると、投入された遊技メダルは、払い出し皿33へ直接、返却される。そして、それ以降の遊技では、メダル投入口18から直接、遊技メダルを投入することなく、ベットスイッチ16を押下するだけで、クレジットされている遊技メダル枚数(クレジットメダル)から遊技開始の条件としての遊技メダルが内部投入されることになる。そして、入賞した際の払い出しの遊技メダルも、最大貯留枚数(50枚)までは、払い出し皿33へ払い出されることなく、クレジットとして加算されるものである。
【0057】
なお、本実施の形態に係る遊技機10は、予め投入してクレジットした遊技メダルをベットスイッチ16の押下による所定数の遊技メダルの内部投入、或いは、所定数の遊技メダルのメダル投入口18からの直接投入を条件として、遊技が開始可能となるように形成されている。
(入賞制限手段140) 前記入賞制限手段140は、外力検知手段120により外力が加えられたことを検知したときには、特定の役については入賞させないこととして遊技を進行させるためのものである。これにより、外力検知手段120により外力が加えられたことを検知したときに、入賞制限手段140により特定の役について入賞することができないようにしているものである。
【0058】
前記入賞制限手段140は、外力検知手段120により外力が加えられたことを検知したときから所定の遊技回数(具体的には、10回)経過までの遊技を、特定の役(具体的には、BBゲームへの移行役)については入賞させないこととして遊技を進行させる。
本実施の形態に係る遊技機10は、役には、当選した後、入賞図柄61を所定の停止位置に停止させることができずに入賞できなかった場合に、入賞図柄61を所定の停止位置に停止させて入賞するまで当選の権利を次以降の遊技に持ち越すことができるようにした持ち越し可能役を設けている。具体的には、持ち越し可能役として、BBゲームへ移行可能な役と、独立RBゲームへ移行可能な役とが、設定されてある。そして、前記入賞制限手段140は、外力検知手段120により外力が加えられたことを検知したときには、その検知時に存在する当選の権利に対応する特定の役(具体的には、BBゲームへ移行可能な役)を入賞させないこととして遊技を進行させるように形成されている。
【0059】
本実施の形態では、外力が加えられる前から、持ち越し可能役であるBBゲームへの移行可能な役に当選しており、その当選フラグを持ち越しているような場合、その外力を検知した時に存在する当選の権利であるBBゲームへの移行役の当選フラグを消失させ、当選の権利を持ち越しているBBゲームの移行役について入賞することができないように形成されている。もちろん、外力が加えられる前から成立している当選フラグの権利は、外力が加えられた後も入賞することができて、外力が加えられた以後にだけ上述した制限有当選判定テーブル116を使用することにより当該役の入賞が無いように形成することもできる。
【0060】
そして、本実施の形態では、外力が加えられて外力検出フラグがON状態になって持ち越し可能役の入賞が無いように当該当選フラグの権利が消失した後、更に、外力検出フラグがOFF状態に戻ると、消失したBBゲームの移行役の当選フラグは、復活するように形成されている。もちろん、かかる場合に消失させた当選フラグの権利を、復活させないように形成することもできる。
前記入賞制限手段140は、外力検知手段120により外力が加えられたことを検知したときには、使用する抽選テーブルを、全ての役について入賞することができるようにした制限無当選判定テーブル115から、特定の役(BBゲームへの移行役)について入賞することができないように、かかる特定の役が当選項目として当初から形成されていない制限有当選判定テーブル116へ変更するものである。そして、制限有当選判定テーブル116を抽選テーブルとして使用すると、BBゲームの当選項目が設定されていないため、当該抽選テーブルを用いた抽選では、BBゲームの移行役に当選することはない。これにより、BBゲームの移行役が入賞することはない。
【0061】
なお、本実施の形態では、外力が加えられたときに入賞することができない特定の役をBBゲームへの移行役に設定しているが、特にこれに限定するものではなく、チェリーや、ベルや、リプレイ等のように入賞しなかったときに次の遊技への持ち越しが無い他の小役を特定の役に設定してもよい。
また、入賞することができない特定の役を、BBゲームの移行役、独立RBゲームへの移行役、チェリーその他の小役、再遊技役(リプレイ役)、従属RBゲームへの移行役のうちから抽選等により又は予め定めた所定の順番等により選択する少なくとも1つの予め定めた特定の役に設定しても良いものである。そして、かかる特定の役を、抽選により、毎回、変更するようにしても良い。
【0062】
前記入賞制限手段140は、図4に示すように、大別すると、次の手段を備える。
(1)外力検出フラグ成立手段141
(2)抽選テーブル変更手段142
なお、入賞制限手段140としては、上記した(1)及び(2)に限定されるものではない。
(外力検出フラグ成立手段141) 前記外力検出フラグ成立手段141は、外力検知手段120が遊技機10に対する瞬間的な所定の外力を検知したときに、外力検出フラグを立てる(ON状態にする)ためのものである。この外力検出フラグ成立手段141は、外力検知手段120の振動検知センサー121からの所定範囲の周期及び振幅からなる振動を検知したという検知信号を入力したときに、外部からの外力が加えられたことを意味する外力検出フラグを立てる(ON状態にする、成立させる)ものである。
【0063】
前記外力検出フラグ成立手段141は、外力検出フラグがON状態になった遊技から、遊技回数のカウントを開始し、10回の遊技まで、外力検出フラグのON状態を維持するものである。そして、外力検出フラグ成立手段141は、かかる所定遊技回数に到達したときに、外力検出フラグをON状態からOFF状態へ変更させる。
なお、外力検出フラグは、電源投入時の初期状態において、OFF状態、すなわち不成立状態に設定されている。
(抽選テーブル変更手段142) 前記抽選テーブル変更手段142は、外力検出フラグがON状態、すなわち立っている(成立している)ことを条件に、この当選抽選手段110の抽選に使用する抽選テーブルを制限無当選判定テーブル115から制限有当選判定テーブル116へ変更する。したがって、抽選テーブル変更手段142は、外力検出フラグがOFF状態の際は、制限無当選判定テーブル115を抽選テーブルとして選択し、外力検出フラグがON状態の際は、制限有当選判定テーブル116を抽選テーブルとして選択するものである。
【0064】
そして、前記外力検出フラグ成立手段141は、外力検出フラグがON状態になった遊技から、遊技回数のカウントを開始し、10回の遊技まで、外力検出フラグをON状態に維持する。これにより、強打してから10回の遊技期間中は、抽選テーブルとして、制限有当選判定テーブル116を採用することになり、BBゲームへの移行役について入賞することができない。なお、このように入賞することができない遊技は、複数回の遊技に限定するものではなく、当該遊技だけに限定しても良い。
(演出データ記憶手段25) 前記演出データ記憶手段25は、報知手段66の演出データを記憶するためのものである。具体的には、例えば、BBゲームの入賞時の報知手段66のスピーカー67から発生させるサウンドや、報知ランプ69の点灯、点滅の時間や順序等のデータや、表示装置68に表示される図柄模様及び文字列のデータが記憶されているものである。もちろん、記憶する演出内容は、これらに限定されるものではなく、予め記憶された音声や、振動や、他のランプの点灯等の種々の報知手段によるものでも良いものである。
【0065】
(演出制御手段26) 前記演出制御手段26は、演出データ記憶手段25からの各演出データを、制御装置20等からの制御信号に基づいて、報知手段66に出力し、かかる装置を制御するためのものである。
具体的には、BBゲームや、RBゲーム等や、他の小役等の当選フラグ成立の可能性が大きいときや、所定の当選フラグ成立中に所定の入賞有効ライン上に当該入賞図柄が揃うことにより入賞したときに、演出データ記憶手段25からの演出情報に基づいて、報知ランプ69の所定位置のランプを点灯や点滅させたり、スピーカー67から所定の電子音を発生させたり、表示装置68に所定の図柄模様及び文字列を点灯表示させるためのものである。
【0066】
本実施の形態では、外力検知手段120により外力が加えられたとして検知信号が出力されても、その旨を表示装置68等を用いて遊技者に報知していないが、強打により当選フラグを消去した旨を表示装置68を用いて遊技者に報知するようにしても良い。これにより、遊技者による強打を控えさせることが可能となる。
(遊技機10の動作) 次に、前記構成を備えた遊技機の遊技の動作の概略について、図6から図8に示したフローを用いて説明する。
先ず、図6に示すステップ101において、入賞制限手段140により、外力検出フラグがON状態になっているか否かが判定される。そして、外力検出フラグがON状態になっていると判定された場合、次のステップ102に進む。
【0067】
ステップ102において、入賞制限手段140の抽選テーブル変更手段142により、抽選に用いる抽選テーブルとして、制限有当選判定テーブル116が採用される。そして、次のステップ103に進む。
ステップ103において、スタートスイッチ30が操作されることにより、スタートスイッチ30がONとなる。そして、次のステップ104に進む。
ステップ104において、当選抽選手段110により抽選処理が行われる。そして、次のステップ105に進む。
ステップ105において、回転リール40の回転が開始する。そして、次のステップ106に進む。
【0068】
ステップ106において、ストップスイッチ50が操作されることにより、ストップスイッチ50がONとなる。そして、次のステップ107に進む。
ステップ107において、回転リール40の回転停止処理が行われる。そして、次のステップ108に進む。
ステップ108において、三個の回転リール40に対応するストップスイッチ50の操作が行われたか否かが判定される。そして、三個の回転リール40に対応するストップスイッチ50の操作が行われたと判定された場合、次のステップ109に進む。
ステップ109において、当選フラグ成立中に当該当選フラグに対応する入賞図柄が入賞有効ライン上に揃ったか否か、すなわち、入賞したか否かが判定される。そして、入賞したと判定された場合、次のステップ110に進む。
【0069】
ステップ110において、入賞図柄に相当する予め定めた特定の枚数の遊技メダルが払い出される。そして、次のステップ111に進む。
ステップ111において、リセットスイッチ160が操作されたか否かが判定される。そして、リセットスイッチ160が操作されていないと判定された場合、次のステップ112に進む。
ステップ112において、外力検出フラグがON状態になってから、所定の遊技回数(具体的には、10回)が経過したか否かが判定される。そして、外力検出フラグがON状態になってから所定の遊技回数(10回)が経過していると判定された場合、次のステップ113に進む。
【0070】
ステップ113において、外力検出フラグ成立手段141により、外力検出フラグがOFF状態に設定される。そして、当該遊技が終了する。
前記ステップ101において、外力検出フラグがON状態になっていないと判定された場合、ステップ103に進む。
前記ステップ108において、三個の回転リール40に対応するストップスイッチ50の操作が行われていないと判定された場合、ステップ106に戻る。
前記ステップ109において、入賞していないと判定された場合、ステップ110を飛び越して、ステップ111に進む。
【0071】
前記ステップ111において、リセットスイッチ160が操作されていると判定された場合、次のステップ113に進む。
前記ステップ112において、外力検出フラグがON状態になってから所定の遊技回数(10回)が経過していないと判定された場合、当該遊技が終了する。
上述したステップ104の当選抽選処理について、図7のフローを用いて説明する。
ステップ200において、当選抽選手段110の当選乱数発生手段111により発生された乱数の中から当選乱数抽出手段112により乱数が抽出される。そして、次のステップ201に進む。
【0072】
ステップ201において、抽出された乱数が当選乱数抽出手段112の内部に記憶される。そして、次のステップ202に進む。
ステップ202において、当選判定手段114により、抽出された乱数と、当選判定テーブル記憶手段113の当選判定領域データとの比較が行われる。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、当選判定手段114により、抽出された乱数が、当選判定テーブル記憶手段113のどの当選領域に含まれるか決定され、抽選処理の評価が決定される。そして、次のステップ204に進む。
【0073】
ステップ204において、所定の図柄の蹴飛ばしと、所定図柄の引き込みとが設定される。そして、当選抽選処理が終了する。
上述したステップ107の回転リール40の回転停止処理について、図8を用いて説明する。
ステップ400において、所定の図柄に対して、蹴飛ばしの設定が達成されたか否かが判定される。この蹴飛ばしの設定は、全ての入賞有効ライン上で、当選抽選手段110の抽選結果に基づいて不当入賞が発生しないように全ての停止操作タイミングにおいて、設定されているものである。なお、蹴飛ばし設定が設定されていたがその蹴飛ばし設定を全て達成した場合と、蹴飛ばし設定は1つも設定されていなかった場合とは、いずれも蹴飛ばし設定は達成されたものとみなされる。そして、所定の図柄の蹴飛ばしの設定が達成されていないと判定された場合、次のステップ401に進む。
【0074】
ステップ401において、1個の図柄分だけ、回転リール40を回転させる。すなわち、1個の図柄分だけ蹴飛ばしを行う。そして、次のステップ402に進む。
ステップ402において、上述した1個の図柄分だけ回転リール40を回転させた当該図柄の数がストップスイッチ50の操作後の4個目に該当するか否かが判定される。そして、ストップスイッチ50を操作した後、1図柄ずつ回転リール40を回転させてずらした図柄の数が4個目の場合には、次のステップ403に進む。
ステップ403において、回転リール40の回転を停止させる。これにより、メダル投入から回転リール40の回転停止までの遊技機10の動作が終了する。
【0075】
前記ステップ400において、所定の図柄の蹴飛ばしの設定が達成されていると判定された場合、次のステップ404に進む。
ステップ404において、いずれかの図柄に対して引き込みが設定されているか否かが判定される。そして、いずれかの図柄に対して引き込みが設定されていると判定された場合、次のステップ405に進む。
ステップ405において、引き込み設定が達成されたか否かが判定される。なお、引き込み設定が設定されていたがその引き込み設定を全て達成した場合と、引き込み設定は1つも設定されていなかった場合とは、いずれも引き込み設定は達成されたものとみなされる。そして、引き込み設定が達成されたと判定された場合、次のステップ403に進む。
【0076】
前記ステップ404において、いずれの図柄に対しても引き込みが設定されていないと判定された場合、ステップ403に進む。
前記ステップ405において、引き込み設定が達成されていないと判定された場合、ステップ401に進む。
前記ステップ402において、ストップスイッチ50を操作した後、1図柄ずつ回転リール40を回転させてずらした図柄の数が4個目でない場合には、ステップ400に戻る。
なお、上述した実施の形態において、回転リール40の停止処理に関してステップ401からステップ405までに説明しているが、この例は、引き込み範囲図柄のうち、基準位置に近い図柄から条件を調査する、いわゆる最小引き込み停止制御の例である。逆に、引き込み範囲図柄のうち、基準位置に遠い図柄から条件を調査する、いわゆる最大引き込み停止制御としても良い。
【0077】
なお、ここで、「基準位置」とは、図柄表示窓13内部に停止する図柄の停止位置の範囲のうち、予め定めた所定の位置を意味する。この基準位置は、図柄表示窓13内部の位置であれば、いずれの位置に設定しても良いものであり、回転リール40の図柄の停止位置を定めるための基準となる位置である。具体的には、この基準位置は、図柄表示窓13の上段に停止する図柄位置の中央の位置に設定されているが、もちろん、他の基準位置に設定しても良い。
更には、例えば、ストップスイッチ50を押すタイミングで予め定めたテーブルに従って回転リール40の停止位置を決定する、いわゆるテーブル停止制御の方法によるものでも良いものである。このテーブル停止制御は、当選フラグ成立の有無や、当選フラグ成立中の入賞図柄に基づいた複数のテーブルを有し、この複数のテーブルから適宜、遊技状況に応じたテーブルが選択されるものである。
【0078】
なお、テーブル停止制御においても、当選フラグが成立しているときには、その当選フラグに対応する図柄が入賞有効ライン上に揃うように、予めテーブルの上で停止位置が決定されてあり、いわゆる引き込み設定の一種を備えているものである。また、当選フラグが成立していないときには、他の入賞図柄が入賞有効ライン上に揃わないように、予めテーブルの上で停止位置が決定されてあり、いわゆる蹴飛ばし設定の一種を備えているものである。
(作用) 本実施の形態は、遊技機10に外部からの瞬間的な外力が加えられると、外力検知手段120が、かかる外力を検知する。そして、外力検知手段120により外力が加えられたことを検知したとき、入賞制限手段140は、特定の役については入賞させないこととして遊技を進行させる。このため、遊技者は、特定の役について入賞することができず、特定の役の入賞により得られる利益を獲得することができない。これにより、遊技者は、特定の役の入賞の利益を得ることができないという不利益を受けないように、遊技機10に外部からの瞬間的な外力を加える、いわゆる「どつき」と呼ばれるような叩き行為を行わないようになる。結果として、強打による不正行為や、強打による遊技機10の損傷や内部機器の故障等を防止することが可能となる。
【0079】
ここで、外力検知手段120により外力が加えられたことを検知したとき、入賞制限手段140は、その検知時に存在する当選の権利に対応する特定の役を入賞させない。本実施の形態では、かかる特定の役を、持ち越し可能役であるBBゲームの移行役に設定している。これにより、今回遊技で持ち越し可能役のBBゲームへの移行役に当選している状態であったとしても、或いは、今回より過去の遊技で持ち越し可能役のBBゲームへの移行役に当選し、入賞できずに今回遊技まで当選の権利が持ち越されて、持ち越し可能役に当選している当選の権利が存在している状態であったとしても、その特定の役であるBBゲームへの移行役を入賞させない。
【0080】
このため、遊技者は、外力検出フラグがON状態の遊技中、BBゲームへの移行役を入賞させることができず、遊技者にとって持ち越し可能役であるBBゲームへの移行役の当選による利益を得ることができないという直接的な不利益を受けてしまう。これにより、遊技者は、BBゲームへの移行役の入賞により得られる利益を獲得することができないという不利益を受けないように、遊技機10に外部からの瞬間的な外力を加える、いわゆる「どつき」と呼ばれるような叩き行為を行わないようになる。結果として、強打による不正行為や、強打による遊技機10の損傷や内部機器の故障等を防止することが可能となる。
本実施の形態は、入賞制限手段140は、外力検知手段120によって外力が加えられたことを検知したときから、所定の遊技回数(具体的には10回)経過までの遊技を、特定の役(BBゲームへの移行役)について入賞させない。これにより、特定の役(BBゲームへの移行役)について入賞することができないという不利益(ペナルティ)を、強打した遊技1回だけにとどまらず、複数回の遊技に渡って、受けることになり、遊技者の不利益を著しく増大させることができる。結果として、かかる不利益を避けるため、強打防止を図ることができる。
【0081】
(第2の実施の形態)
図9は、本発明の第2の実施の形態であって、遊技機の遊技の動作の概略のフローを示すものである。
第1の実施の形態では、入賞制限手段140は、外力が加えられたことを検知したときから、所定の遊技回数(10回)経過までの遊技を特定の役について入賞させないようにしていたのに対して、本実施の形態では、外力検出フラグ成立手段141は、外力が加えられたことを検知したときから、所定の時間(具体的には、20分間)経過までの遊技を特定の役について入賞させないようにしているものである。
【0082】
本実施の形態では、強打によるペナルティ期間を遊技回数ではなくて、遊技時間とすることにより、遊技の進行速度が遊技者の熟練度の違いによって差があるような場合であっても、熟練者も初心者も、公平に同じ時間だけ特定の役に入賞することができないというペナルティを与えることができる。
なお、本実施の形態は、第1の実施の形態で説明した図6のステップ112の代わりに、本実施の形態の図9のステップ512になっているもので、図9のその他のフローは同じものである。また、図6以外のその他の図面も第1の実施の形態と同様であって、上述した相違点以外の構成、作用及び効果も、第1の実施の形態と同様のものである。
【0083】
(第3の実施の形態)
図10は、本発明の第3の実施の形態であって、遊技機の遊技の動作の概略のフローを示すものである。
第1の実施の形態では、入賞制限手段140は、外力検出フラグがON状態のときに、当選抽選手段110の抽選テーブルを、制限有当選判定テーブル116に変更することで、特定の役に当選することができず、結果として、特定の役の入賞を行わせなかった。それに対して、本実施の形態に係る入賞制限手段140は、使用する抽選テーブルは、強打の前後で共通の同じものを使用するが、外力検出フラグがON状態のときに、抽選の結果、特定の役に当選して、その特定の役の当選フラグが成立しても、かかる特定の役の当選フラグの成立を消去して、不成立とすることにより、結果として、その特定の役の入賞を回避するものである。本実施の形態は、第1の実施の形態と比べて、複数の抽選テーブルを用意する必要がなく、記憶容量の節約を図ることができるものである。
【0084】
本実施の形態は、第1の実施の形態で説明した図3の当選判定テーブル記憶手段113のように制限有当選判定テーブル116及び制限無当選判定テーブル115の2種類の抽選テーブルを持たずに、強打の前後で共通して使用する1種類の抽選テーブルとしての当選判定テーブル記憶手段113だけを持つものである。また、本実施の形態は、第1の実施の形態で説明した図6のステップ501及び502を消去して、ステップ504と505との間に、本実施の形態の図9のステップ603、604及び605を挿入しているもので、図10の他のステップの内容は第1の実施の形態と同じものである。なお、ステップ604において、特定役に当選したか否かの判定は、当該遊技のステップ602の抽選処理で当選したか否かだけではなく、今回遊技より前の遊技で持ち越し可能役に当選して、当選フラグを持ち越している当選も含むものである。すなわち、その時点において、成立している特定役の当選フラグが存在するか否かを判定しているものである。
【0085】
また、上述した図3及び図6以外の図面は第1の実施の形態と同様であって、上述した相違点以外の構成、作用及び効果も、第1の実施の形態と同様のものである。
また、本実施の形態では、ステップ613において、第1の実施の形態と同様に、外力検出フラグがON状態になってから所定の遊技回数経過を条件に外力検出フラグをOFF状態に設定しているが、本実施の形態でも、第2の実施の形態のステップ512と同様に、外力検出フラグがON状態になってから所定の時間経過を条件に、外力検出フラグをOFF状態に戻すようにしても良いものである。
(第4の実施の形態)
図11は、本発明の第4の実施の形態であって、遊技機の遊技の動作の概略のフローを示すものである。
【0086】
第1の実施の形態では、入賞制限手段140は、外力検出フラグがON状態のときに、当選抽選手段110の抽選テーブルを、制限有当選判定テーブル116に変更することで、特定の役に当選することができず、結果として、特定の役の入賞を行わせなかった。それに対して、本実施の形態に係る入賞制限手段140は、使用する抽選テーブルは、強打の前後で共通の同一のものを使用するが、外力検出フラグがON状態のときには、停止制御に使用する停止テーブルを、特定の役が入賞することができないような停止テーブルに変更するものである。
なお、第1の実施の形態での停止制御は、停止テーブルを用いずに停止条件を判断しながら停止させる判断停止制御であったが、本実施の形態では、停止位置が予め設定されている停止テーブルを複数、用意し、その複数の停止テーブルから、抽選結果に整合する停止テーブルを選択して停止させるテーブル停止制御を採用しているものである。
【0087】
本実施の形態では、外力検出フラグがOFF状態のときは、特定の役の停止テーブルとして、特定の役の当選フラグが成立しているときには、特定の役を入賞有効ライン上に停止させることができる停止テーブルを選択するように設定し、特定の役の当選フラグが成立していないときには、特定の役を入賞有効ライン上に停止させることができない停止テーブルを選択するように設定する。
一方、外力検出フラグがON状態のときは、特定の役の停止テーブルとして、特定の役の当選フラグが成立していないときには、特定の役を入賞有効ライン上に停止させることができない停止テーブルを選択するように設定する。そして、外力検出フラグがON状態のときは、特定の役の停止テーブルとして、特定の役の当選フラグが成立しているときにも、特定の役を入賞有効ライン上に停止させることができない停止テーブルを選択するように設定するものである。そして、入賞制限手段140は、外力検出フラグがON状態とOFF状態とのときとで、予め用意する停止テーブルを上述したように変更設定するものである。
【0088】
本実施の形態では、入賞制限手段140が強打の有無により停止テーブルを変更することにより、抽選テーブルは、強打の前後で同一のテーブルを使用することができ、また、当選フラグの成立、不成立も、強打の前後で、変更することなく、使用することができる。
なお、本実施の形態は、第1の実施の形態で説明した図3の当選判定テーブル記憶手段113のように制限有当選判定テーブル116及び制限無当選判定テーブル115の2種類の抽選テーブルを持たずに、強打の前後で共通して使用する1種類の当選判定テーブル記憶手段113だけを持つものである。また、本実施の形態は、第1の実施の形態で説明した図6のステップ102を消去して、ステップ102の代わりに、本実施の形態の図11のステップ702を行っているもので、図11のその他のステップの内容は同じものである。
【0089】
また、上述した図3及び図6以外の図面は第1の実施の形態と同様であって、上述した相違点以外の構成、作用及び効果も、第1の実施の形態と同様のものである。
また、本実施の形態では、ステップ712において、第1の実施の形態と同様に、外力検出フラグがON状態になってから所定の遊技回数経過を条件に外力検出フラグをOFF状態に設定しているが、本実施の形態でも、第2の実施の形態のステップ512と同様に、外力検出フラグがON状態になってから所定の時間経過を条件に、外力検出フラグをOFF状態に戻すようにしても良い。
(第5の実施の形態)
本実施の形態は、入賞制限手段140が、特定の役について入賞させないこととして遊技を進行させているときに、更に、外力検知手段120による外力が加えられたことを検知したときには、入賞させない特定の役を増加させることを特徴とするものである。
【0090】
本実施の形態に係る入賞制限手段140は、外力検出フラグを複数個、成立させる(ON状態にする)ことができ、複数個の外力検出フラグを記憶維持することができるものである。
そして、本実施の形態に係る当選判定テーブル記憶手段113の制限有当選判定テーブル116は、特に図示していないが、成立している(ON状態になっている)外力検出フラグの数に対応する抽選テーブルとして、第1〜第Nの制限有当選判定テーブル116を備えているものである。すなわち、外力検出フラグが1個だけ成立している場合には、入賞制限手段140は、入賞することができない特定の役が1個だけに設定されている第1の制限有当選判定テーブル116を抽選テーブルとして選択するように設定されている。そして、外力検出フラグが2個、成立している場合には、入賞制限手段140は、入賞することができない特定の役が2個に設定されている第2の制限有当選判定テーブル116を抽選テーブルとして選択するように設定されている。そして、外力検出フラグが3個、成立している場合には、入賞制限手段140は、入賞することができない特定の役が3個に設定されている第3の制限有当選判定テーブル116を抽選テーブルとして選択するように設定されている。そして、外力検出フラグが4個、成立している場合には、入賞制限手段140は、入賞することができない特定の役が4個に設定されている第4の制限有当選判定テーブル116を抽選テーブルとして選択するように設定されている。そして、外力検出フラグがN個、成立している場合には、入賞制限手段140は、入賞することができない特定の役がN個に設定されている第Nの制限有当選判定テーブル116を抽選テーブルとして選択するように設定されている。このNの数値は、1以上の整数であって、遊技機10が有する役の個数に設定されているものである。
【0091】
その他の構成、作用及び効果は、第1の実施の形態で説明したものと同様であって、使用する図面も、図1〜図8を使用するものである。
本実施の形態は、強打したことのペナルティとして、特定の役について入賞させないこととして遊技を進行させている最中に、更に、強打した場合、入賞できなくする特定の役の数を、強打した回数だけ、すなわち、ON状態になった(成立した)外力検出フラグの数に対応して増加させることができる。これにより、強打の回数によって、遊技者にとって、より大きなペナルティが課せられることになる。したがって、強打だけでなく、強打の回数も抑えることができ、より一層の強打防止を図ることができる。
【0092】
なお、本実施の形態は、第1の実施の形態だけでなく、第2〜第5の実施の形態の構成にして、複数の外力が加えられたときに、複数の外力検出フラグが成立するようにすることもできる。
(第6の実施の形態)
図12及び図13は、本発明の第6の実施の形態であって、図12は遊技機の入力、制御及び出力のブロック図、図13はクレジット投入機能の判断処理のフローをそれぞれ示すものである。本実施の形態で使用する図面は、図2〜図5、図7、図8、図12及び図13を使用するものである。
【0093】
上述した第1から第5の実施の形態では、外力検知手段120により外力を検知したときには、入賞制限手段140により特定の役について、入賞することができないように形成されていた。本実施の形態では、外力検知手段120により外力を検知したときには、入賞制限手段140により特定の役について、入賞することができないことに加えて、クレジット数演算手段250によりクレジットされている遊技メダルがある場合に後述するクレジット投入無効化手段240によりクレジット投入機能を無効化するものである。これにより、特定の役について入賞することができないことに加えて、遊技者がベットスイッチ16を操作しても、クレジットした遊技メダルを、遊技開始の条件となる遊技メダルの投入に代えることができないように形成しているものである。
【0094】
本実施の形態に係る遊技機10は、第1の実施の形態の構成に加えて、外力検知手段120により外力が加えられたことを検知したときには、クレジット数演算手段250によりクレジットされている遊技メダルがある場合にベットスイッチ16によるクレジット投入機能を無効化するクレジット投入無効化手段240を備えている。そして、外力検知手段120により外力が加えられたことを検知したときに、クレジット数演算手段250によりクレジットされている遊技メダルがある場合、クレジット投入無効化手段240がクレジット投入機能を無効化することで、遊技者がベットスイッチ16を操作しても、クレジットした遊技媒体を、遊技開始の条件となる遊技媒体の投入に代えることができないようにしたことを特徴とするものである。これにより、強打を検知したとき、ベットスイッチを操作不能として強打を抑制することができるものである。
【0095】
更に、前記クレジット投入無効化手段240は、無効化したクレジット投入機能を、精算スイッチ17の操作によりクレジットされている遊技媒体を精算した後、有効化するように形成したことを特徴とするものである。このように、クレジットされている遊技媒体を精算しなければベットスイッチを有効化することできないことにより、より一層、強打を抑制することができるものである。
本実施の形態は、第1の実施の形態で説明した遊技制御装置21に、クレジット投入無効化手段240を加えているものである。その他の構成は、第1の実施の形態で説明したものと同様の構成を備え、同様の作用及び効果を奏するものである。以下、第1の実施の形態と比較して相違する構成、作用及び効果について説明する。なお、本実施の形態は、第1の実施の形態の構成にクレジット投入無効化手段240を加えたが、第2から第5の実施の形態においても、同様に、クレジット投入無効化手段240を加えることによって、本実施の形態と同様の作用及び効果を奏するものである。
【0096】
(クレジット投入無効化手段240) 前記クレジット投入無効化手段240は、外力検知手段120により外力が加えられたことを検知したときには、クレジット数演算手段250によりクレジットされている遊技メダルがある場合にベットスイッチ16によるクレジット投入機能を無効化するためのものである。
このように、外力検知手段120により外力が加えられたことを検知したときに、クレジット数演算手段250によりクレジットされている遊技メダルがある場合、クレジット投入無効化手段240がクレジット投入機能を無効化することで、遊技者がベットスイッチ16を操作しても、クレジットした遊技メダルを、遊技開始の条件となる遊技メダルの投入に代えることができないようにしたものである。
【0097】
すなわち、外力検知手段120により外力が加えられたことを検知したときには、クレジット数演算手段250によりクレジットされている遊技メダルがある場合にクレジット投入機能が無効化されるものである。かかるときには、ベットスイッチ16を押下しても、クレジットされている遊技メダルが、遊技開始の条件としての遊技メダルの投入とはならない。かかるときに、新たにメダル投入口18から遊技メダルを投入すると、遊技開始の条件としての遊技メダルの投入となり、遊技を開始することができるが、ベットスイッチ16による投入に慣れたものにとって毎回、遊技メダルをメダル投入口18から投入するのは、大変な手間となる。
【0098】
前記クレジット投入無効化手段240は、無効化したクレジット投入機能を、精算スイッチ17の操作によりクレジットされている遊技メダルを精算した後、有効化するように形成されている。すなわち、クレジット投入無効化手段240は、外力検知手段120が外部からの外力が加えられたことを検知した場合、クレジット数演算手段250によりクレジットされている遊技メダルがある場合にクレジット投入機能を無効化する。その状態において、クレジット投入無効化手段240は、遊技者により精算スイッチ17が操作されて、クレジットされている遊技メダルが精算されると、その後、クレジット投入機能を有効化する。その時点において、クレジット数は0枚となっているので、再度、メダル投入口18から遊技メダルを投入して、所定枚数、クレジットし、ベットスイッチ16を操作して、通常のクレジット投入機能を使用した遊技を実施することができるものである。したがって、外力検知手段120により外力が検知された後、無効化されたクレジット投入機能を有効化させるためには、精算スイッチ17を操作して、全てのクレジットメダルを払い出し皿33へ払い出さなければならない。そして、再度、メダル投入口18から遊技メダルを投入して、クレジットした後、有効化されたベットスイッチ16の操作により、クレジットメダルからの内部投入が可能となるものであり、大変な手間となるものである。
【0099】
前記クレジット投入無効化手段240は、外力検知手段120が遊技機10に対する瞬間的な所定の外力を検知したときに、クレジット数演算手段250によりクレジットされている遊技メダルがある場合、外力検出フラグを立てる(ON状態にする)。具体的には、このクレジット投入無効化手段240は、外力検知手段120の振動検知センサー121からの所定範囲の周期及び振幅からなる振動を検知したという検知信号を入力したときに、クレジット数演算手段250によりクレジットされている遊技メダルがある場合、外部からの瞬間的な外力が加えられたことを意味する外力検出フラグを立てる(ON状態にする、成立させる)。
ここで、クレジット投入無効化手段240が成立させる外力検出フラグと、入賞制限手段140の外力検出フラグ成立手段141が成立させる外力検出フラグとは、連動しており、クレジット投入無効化手段240と外力検出フラグ成立手段141とのうち、一方が所定条件を満足して外力検出フラグを成立させると、他方の外力検出フラグも成立する(ON状態になる)ように形成されている。そして、クレジット投入無効化手段240と外力検出フラグ成立手段141とのうち、一方の外力検出フラグが不成立になると(OFF状態になると)、他方の外力検出フラグも不成立状態(OFF状態)になるように形成されている。結果として、両者で共通の外力検出フラグを成立或いは不成立にさせることができるようになっている。これは、クレジット投入無効化手段240と外力検出フラグ成立手段141との間で、相互に制御信号を入出力することにより実現されている。
【0100】
なお、この外力検出フラグは、電源投入時の初期状態において、OFF状態であるが、一旦、ON状態になると、後述するクレジット投入機能を有効化するための精算処理又はリセットスイッチ160の操作処理、或いはON状態になってから所定の遊技回数が経過したか等の予め定めた所定の条件を満足しない限り、OFF状態へ移行せず、ON状態(外力検出フラグの成立状態)が、遊技に関係なく、次の遊技にも持ち越されるように形成されている。
前記クレジット投入無効化手段240は、外力検出フラグがON状態、すなわち立っている(成立している)ことを条件に、ベットスイッチ16が押下されたときの信号を、無効化する。すなわち、外力検出フラグがON状態の場合、ベットスイッチ16が押下されても、その信号を無効化し、ベットスイッチ16が押下されていない状態となる。
【0101】
なお、本実施の形態では、外力が加えられたことを検知したときに、クレジット数演算手段250によりカウントされているクレジット数の遊技メダルが存在するときに限って、ベットスイッチ16の操作を不能にして、クレジット投入機能を無効化するように形成している。しかし、特にこれに限定されるものではなく、外力が加えられたことを検知したときには、クレジット数演算手段250によりカウントされているクレジット数の遊技メダルが存在するか否かに拘わらず、ベットスイッチ16の操作を不能にして、クレジット投入機能を無効化するようにしても良い。
図13のフローは、クレジット投入機能の判断処理を示すフローであって、図6のフローとは、別個独立に、併行して、繰り返し実施されるものである。
【0102】
なお、図13のフローは、図6の遊技のフローの遊技中であるか否かに拘わらず、繰り返し実施されるものである。もちろん、図5のフローが作動している間、すなわち、遊技中の間のみ、図8のフローが作動するように設定しても良い。
先ず、ステップ811において、クレジット数演算手段250にクレジットされている遊技メダルがあるか否かが判定されるものである。そして、クレジットされている遊技メダルがあると判定された場合、次のステップ812に進む。
ステップ812において、クレジット投入無効化手段240により、外力検出フラグがON状態であるか否かが判定される。なお、この外力検出フラグは、電源投入時の初期状態において、OFF状態であるが、一旦、ON状態になると、OFF設定(ステップ819、ステップ821又は図6のステップ113)を行わない限り、ON状態が、遊技に関係なく、次の遊技にも持ち越されるように形成されている。そして、外力検出フラグがON状態であると判定された場合、次のステップ813に進む。
【0103】
ステップ813において、クレジット投入無効化手段240により、ベットスイッチ16の不能化処理が実施される。これにより、ベットスイッチ16を遊技者が操作しても、その押下操作は有効とならず、クレジット投入機能が作動しなくなる。そして、次のステップ814に進む。
ステップ814において、リセットスイッチ160が操作されたか否かが判定される。そして、リセットスイッチ160が操作されていないと判定された場合、次のステップ815に進む。
ステップ815において、遊技者が精算スイッチ17を操作したか否かが判定される。そして、遊技者が精算スイッチ17を操作したと判定された場合、次のステップ816に進む。
【0104】
ステップ816において、クレジットされている遊技メダルの精算処理が実施される。具体的には、クレジットされている枚数の遊技メダルが、貯留払い出し手段65から払い出し皿33へ払い出し口32を介して、払い出されるものである。そして、次のステップ817に進む。
ステップ817において、精算音をスピーカー67から発生させる。そして、次のステップ818に進む。
ステップ818において、精算が終了したか否かが判定される。具体的には、クレジットされている枚数の遊技メダルが貯留払い出し手段65から全枚数、払い出し口32を介して、払い出し皿33へ払い出されたか否かが判定されるものである。そして、クレジットされている全ての枚数の遊技メダルが払い出し皿33へ払い出されて、精算が終了していると判定された場合、次のステップ819に進む。
【0105】
ステップ819において、クレジット投入無効化手段240により、外力検出フラグがOFF状態に設定される。具体的には、クレジット投入無効化手段240により、外力検出フラグがON状態の場合には、OFF状態に設定され、外力検出フラグがOFF状態の場合には、そのOFF状態をそのまま維持するように設定される。そして、次のステップ820に進む。
ステップ820において、操作不能となっていたベットスイッチ16が、操作可能となるための処理が実施される。この処理により、ベットスイッチ16の押下操作が有効となるものである。そして、クレジット投入機能の判断処理が終了する。
【0106】
前記ステップ811において、クレジットされている遊技メダルがないと判定された場合、ステップ821に進む。
ステップ821において、クレジット投入無効化手段240により、外力検出フラグがOFF状態に設定される。具体的には、クレジット投入無効化手段240により、外力検出フラグがON状態の場合には、OFF状態に設定され、外力検出フラグがOFF状態の場合には、そのOFF状態をそのまま維持するように設定される。そして、ステップ811の前に戻る。
前記ステップ812において、外力検出フラグがON状態でないと判定された場合、ステップ821に進む。
【0107】
前記ステップ814において、リセットスイッチ160が操作されていると判定された場合、次のステップ819に進む。
前記ステップ815において、遊技者が精算スイッチ17を操作していないと判定された場合、ステップ814の前に戻る。
前記ステップ818において、クレジットされている全ての枚数の遊技メダルが払い出し皿33へ払い出されておらず、精算が終了していないと判定された場合、ステップ815の前に戻る。
(作用) 本実施の形態は、第1の実施の形態の作用に加えて、行われるものである。本実施の形態は、遊技機10に外部からの瞬間的な外力が加えられると、外力検知手段120が、かかる外力を検知する。そして、外力検知手段120により外力が加えられたことを検知したとき、外力検知手段120は、検知信号を、入賞制限手段140に加えて、クレジット投入無効化手段240にも出力する。そして、外力検知手段120からの検知信号が入力されたクレジット投入無効化手段240は、クレジット数演算手段250によりクレジットされている遊技メダルがある場合に外力検出フラグをON状態にする。そして、クレジット投入無効化手段240は、外力検出フラグがON状態になったことを条件として、ベットスイッチ16によるクレジット投入機能を無効化する。これにより、強打した遊技者は、その時点から、ベットスイッチ16を操作しても、クレジットした遊技メダルを、遊技開始の条件となる遊技メダルの投入に代えることができなくなる(いわゆる内部投入ができなくなる)。
【0108】
したがって、遊技者は、遊技を進行させるためには、クレジット投入機能を使用せずに、直接、遊技開始の条件となる遊技メダルを、手で掴んで直接、投入するか、或いは、クレジット投入機能の回復作業を実施しなければならず、大変、手間がかかり、不便なものとなる。これにより、強打によりクレジット投入機能を無効化することで、遊技者の強打を抑制することができる。
結果として、遊技者は、遊技機10に外部からの瞬間的な外力を加える、いわゆる「どつき」と呼ばれるような叩き行為を行わないようになる。結果として、強打による不正行為や、強打による遊技機10の損傷や内部機器の故障等を防止することが可能となる。
【0109】
本実施の形態に係るクレジット投入無効化手段240は、無効化したクレジット投入機能を、精算スイッチ17の操作によりクレジットされている遊技メダルを精算した後、有効化している。すなわち、第1の実施の形態の作用の場合を除いて、クレジットされている遊技メダルの全部を、精算しなければ、クレジット投入機能が有効化されない。このため、クレジットされている遊技メダルの精算が、クレジット投入機能の有効化の条件となっているものである。クレジットされている遊技メダルの精算は、貯留払い出し手段65から遊技メダルが払い出される際の音が大きく、けたたましいものとなる。更に、本実施の形態では、精算時の精算音をスピーカー67から発生させるため、より一層、周囲に精算行為が行われていることが報知されることになる。このため、精算すると、強打によるペナルティを受けたことが周囲に完全に気付かれてしまい、遊技者の羞恥心を更に煽ることができる。また、遊技ホールの店員にも強打をしたことがばれてしまう。
【0110】
そして、遊技者が、再び、ベットスイッチ16を操作してクレジット投入機能を利用して遊技を再開するためには、精算して払い出された遊技メダルを、再度、投入してクレジットしなおさなければならず、大変、手間なことになる。
また、遊技者は、無効化されたクレジット投入機能を有効化するために、遊技ホールの店員を呼んで、店員だけが持っている鍵により、リセットスイッチ160を操作してもらい、クレジット投入機能を有効化することもできる。かかる場合には、店員に強打によりクレジット投入機能が無効化されたことが、ばれてしまい、店員に問い詰められ、注意や勧告を受けることになり、叩き行為を抑制することができる。
【0111】
結果として、精算処理により払い出された遊技メダルの再投入の手間や、強打による精算処理の羞恥心を回避するために、遊技者は、より一層、遊技機10に外部からの瞬間的な外力を加える、いわゆる「どつき」と呼ばれるような叩き行為を行わないようになる。結果として、強打による不正行為や、強打による遊技機10の損傷や内部機器の故障等を防止することが可能となる。
本実施の形態では、クレジット投入機能を有効化するための精算処理の際、精算音だけを鳴らして、その他の報知手段66による報知は行っていないが、周囲への報知をより強烈なものにするため、表示装置68には、強打によるクレジット投入機能の無効化回復処理のための精算中の文字を表示し、アーチ状の報知ランプ69は、短い時間間隔で、点滅するようにしても良いものである。これにより、周囲へ、強打の結果、クレジット投入機能を有効化するための精算であることを強烈に知らしめることができて、遊技者の羞恥心を煽ることができる。
【0112】
また、上述した実施の形態では、外力検知手段120の振動検知センサー121は、遊技機10が受けた外力による振動の周期及び振幅を検知している。このため、かかる振動の周期及び振幅に基づくデータを解析することにより、遊技機10に加わった強打の力の大きさを類推することができる。そして、この強打の力の大きさの大小に対応して、クレジット投入機能の有効化に必要な精算量を、調整するように形成することもできる。すなわち、強打の力の大きさによって、クレジット投入機能の有効化に必要な精算の量を調整することができるように形成することが可能となる。具体的には、例えば、遊技機10に加えられた力の大きさの大小によって、所定の範囲毎の複数のグループに分類し、加えられた外力がいずれの強度の大きさの分類に含まれるかよって、クレジット投入機能を有効化させるために必要な遊技メダルの精算する量を変更するものである。具体的には、例えば、遊技機10に加えられた力の大きさの大小によって、大、中、小の3つに分類し、大に分類される外力が加えられたときには、クレジットメダルの全部を、精算しなければクレジット投入機能が有効化されない。また、中に分類される外力が加えられたときには、クレジットメダルの3分の2に相当する量を、払い出し口32から払い出し皿33へ払い出さなければ、クレジット投入機能が有効化されない。また、小に分類される外力が加えられたときには、クレジットメダルの3分の1に相当する量の遊技メダルを、払い出し口32から払い出し皿33へ払い出さなければ、クレジット投入機能が有効化されない。これにより、大きな力を加える程、クレジット投入機能の有効化に必要な払い出しメダル枚数が多くなり、再投入の手間がかかるように形成することができる。
【0113】
上述したように、加えられた外力が大きくなる程、その力の大きさに対応して、クレジット投入機能の有効化に必要な払い出しメダル枚数が多くなり、遊技者に与えられるペナルティーとしての払い出しの量を多くすることができ、遊技者に対する罰則として、より合理的なものとなる。
また、上述した第6の実施の形態は、第1の実施の形態の構成に、クレジット投入無効化手段240を加えていたが、特にこれに限定されるものではなく、第2〜第5の実施の形態のいずれか1つの構成に、クレジット投入無効化手段240の構成を加えるようにしても良いものである。かかる場合、上述した作用及び効果を奏することができるものである。
【0114】
上述した第6の実施の形態では、入賞制限手段140の外力検出フラグ成立手段141の外力検出フラグをON状態にする条件と、クレジット投入無効化手段240の外力検出フラグをON状態にする条件とのうち、いずれかの外力検出フラグをON状態にする条件を満足したときには、共通の外力検出フラグを成立させている。そして、外力検出フラグ成立手段141の外力検出フラグをOFF状態にする条件と、クレジット投入無効化手段240の外力検出フラグをOFF状態にする条件とのいずれかの条件が満足することにより、共通の外力検出フラグを不成立状態(OFF状態)にするように形成されていた。すなわち、現在が外力検出フラグがOFF状態の場合、外力検出フラグ成立手段141とクレジット投入無効化手段240とのうち、いずれのON状態にする条件が満足したときに外力検出フラグはON状態に移行し、外力検出フラグがON状態の場合、外力検出フラグ成立手段141とクレジット投入無効化手段240とのうち、いずれかのOFF状態にする条件が満足したときに外力検出フラグはOFF状態に移行する。しかし、特にこれに限定されるものではなく、外力検出フラグ成立手段141と、クレジット投入無効化手段240とのそれぞれにおいて、所定条件を満足した場合、別個独立の外力検出フラグを成立させて、外力検出フラグ成立手段141とクレジット投入無効化手段240とのそれぞれの外力検出フラグをOFF状態にする条件を満足することにより、それぞれの外力検出フラグをOFF状態にするように形成しても良いものである。
【0115】
すなわち、外力を検知する等の所定条件を満足した場合、外力検出フラグ成立手段141と、クレジット投入無効化手段240との両方で、それぞれ別個独立の外力検出フラグを成立させる。そして、外力検出フラグ成立手段141の外力検出フラグは、ON状態になってから所定の遊技回数を経過しなければ、外力検出フラグ成立手段141の外力検出フラグはOFF状態にならず、精算が終了してもOFF状態にならない。一方、クレジット投入無効化手段240の外力検出フラグは、ON状態になってから、精算が終了しなければ、クレジット投入無効化手段240の外力検出フラグは、OFF状態にならず、所定の遊技回数が経過してもOFF状態にならないものである。これにより、それぞれの外力検出フラグをOFF状態にするためには、それぞれの予め定めた所定の条件を満足しなければならず、強打のペナルティをより強固なものにすることができて強打を抑制することができる。
【0116】
また、上述した第1から第6までの実施の形態では、外力検知手段120の振動検知センサー121は、遊技機10が受けた外力による振動の周期及び振幅を検知している。このため、かかる振動の周期及び振幅に基づくデータを解析することにより、遊技機10に加わった強打の力の大きさを類推することができる。そして、この強打の力の大きさの大小に対応して、当選しなかったものとして権利を制限する量を、調整するように形成することもできる。すなわち、強打の力の大きさによって、遊技者に与えるペナルティの量も調整することができるように形成することが可能となる。具体的には、例えば、遊技機10に加えられた力の大きさの大小によって、所定の範囲毎の複数のグループに分類し、加えられた外力がいずれの強度の大きさの分類に含まれるかよって、入賞制限手段140により入賞させない特定の役の個数を増加させるようにすることができる。
【0117】
また、加えられた外力がいずれの強度の大きさの分類に含まれるかよって、外力が加えられたことを検知したときから特定の役を入賞させない所定の遊技回数や、特定の役を入賞させない所定の遊技時間を、変更するように形成することもできる。これにより、例えば、加えられた外力の大きさが、1倍、2倍、3倍と大きくなるにつれて、特定の役を入賞させないものとする遊技回数を、順に、10回、20回、30回となるように選択したり、或いは、特定の役を入賞させないものとする時間を、10分、20分、30分となるように選択することが可能となる。
上述したように、加えられた外力が大きくなる程、その力の大きさに対応して、遊技者に与えられるペナルティーの量を大きくすることができ、遊技者に対する罰則として、より合理的なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明の第1の実施の形態であって、遊技機の入力、制御及び出力を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態であって、遊技制御手段を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態であって、当選抽選手段を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態であって、入賞制限手段を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態であって、遊技機を示す外観正面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態であって、遊技機の動作の概略を示すフローである。
【図7】本発明の第1の実施の形態であって、遊技機の動作のうち、抽選処理の概略を示すフローである。
【図8】本発明の第1の実施の形態であって、遊技機の動作のうち、回転リールの回転停止処理の概略を示すフローである。
【図9】本発明の第2の実施の形態であって、遊技機の動作の概略を示すフローである。
【図10】本発明の第3の実施の形態であって、遊技機の動作の概略を示すフローである。
【図11】本発明の第4の実施の形態であって、遊技機の動作の概略を示すフローである。
【図12】本発明の第6の実施の形態であって、遊技機の入力、制御及び出力を示すブロック図である。
【図13】本発明の第6の実施の形態であって、クレジット投入機能の判断処理を示すフローである。
【符号の説明】
【0119】
10 遊技機 11 筐体
12 表示窓 13 図柄表示窓
14 前扉 15 投入スイッチ
16 ベットスイッチ 17 精算スイッチ
18 メダル投入口 20 制御装置
21 遊技制御装置 22 演出制御装置
25 演出データ記憶手段 26 演出制御手段
27 遊技制御手段 30 スタートスイッチ
31 変動表示開始手段 32 払い出し口
33 払い出し皿 40 回転リール
41 図柄表示手段 42 リールテープ
43 左側回転リール 44 中央回転リール
45 右側回転リール 50 ストップスイッチ
51 変動表示停止手段 60 リールユニット
61 図柄 62 モータードライバ
63 駆動モーター 64 ステッピングモーター
65 貯留払い出し手段 66 報知手段
67 スピーカー 68 表示装置
69 報知ランプ 70 通常遊技制御手段
80 特別遊技制御手段 90 BBゲーム制御手段
91 特定導入遊技制御手段 100 RBゲーム制御手段
101 特定遊技制御手段 110 当選抽選手段
111 当選乱数発生手段 112 当選乱数抽出手段
113 当選判定テーブル記憶手段 114 当選判定手段
115 制限無当選判定テーブル 116 制限有当選判定テーブル
120 外力検知手段 121 振動検知センサー
140 入賞制限手段 141 外力検出フラグ成立手段
142 抽選テーブル変更手段 143 停止制御変更手段
144 判断停止制御変更手段 145 停止テーブル変更手段
151 当選フラグ不成立手段 160 リセットスイッチ
240 クレジット投入無効化手段 250 クレジット数演算手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の図柄を周囲に配置して、回転表示又は停止表示するための回転リールと、
前記回転リールを停止表示から回転表示へ移行させるためのスタートスイッチと、
前記回転リールを回転表示から停止表示へ移行させるためのストップスイッチと、
前記図柄の組み合わせにより構成される役を抽選により決定するとともに、前記抽選の結果、所定の前記役に当選することにより前記役に対応する当選フラグを成立させるための当選抽選手段と、
所定数の遊技媒体の投入を条件として遊技を開始可能とし、前記ストップスイッチの押下タイミングによって前記当選抽選手段の抽選結果に対応した停止制御を前記回転リールに対して行うとともに、
前記当選抽選手段の抽選の結果、所定の前記役の当選フラグが成立して、且つ前記役に応じて予め定められた入賞図柄が所定の停止位置に停止することにより入賞となって所定数の前記遊技媒体の払い出しが実施可能となり、或いは入賞図柄が所定の停止位置に停止しないことにより外れとなって1回の遊技を終了させるための遊技制御手段とを備えた遊技機において、
外部からの外力が加えられたことを検知するための外力検知手段と、
前記外力検知手段により前記外力が加えられたことを検知したときには、特定の役については入賞させないこととして遊技を進行させる入賞制限手段とを備え、
前記外力検知手段により前記外力が加えられたことを検知したときに、前記入賞制限手段により特定の役について入賞することができないようにしたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記役には、当選した後、入賞図柄を所定の停止位置に停止させることができずに入賞できなかった場合に、入賞図柄を所定の停止位置に停止させて入賞するまで当選の権利を次以降の遊技に持ち越すことができるようにした持ち越し可能役を設け、
前記入賞制限手段は、前記外力検知手段により前記外力が加えられたことを検知したときには、その検知時に存在する当選の権利に対応する前記特定の役を入賞させないこととして遊技を進行させることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記入賞制限手段は、前記外力検知手段により前記外力が加えられたことを検知したときから所定の遊技回数経過又は所定の時間経過までの遊技を、特定の役については入賞させないこととして遊技を進行させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の遊技機。
【請求項4】
前記入賞制限手段が、特定の役について入賞させないこととして遊技を進行させているときに、更に、前記外力検知手段による前記外力が加えられたことを検知したときには、入賞させない特定の役を増加させることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−273619(P2009−273619A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−126802(P2008−126802)
【出願日】平成20年5月14日(2008.5.14)
【出願人】(390031772)株式会社オリンピア (2,719)
【Fターム(参考)】