遊技機
【課題】遊技機のウェイト時間における遊技性を向上する。
【解決手段】リールと、リールの回転を開始させる開始操作部と、リールを個別に停止させる停止操作部とを少なくとも含む、操作手段と、開始操作部に対する操作を契機に役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、開始操作部に対する操作を契機に複数のリールを回転させ、停止操作部に対する操作を契機に内部抽選手段による抽選結果に応じた態様で回転中のリールを停止させるリール制御手段と、内部抽選手段による内部抽選の結果に応じた演出を決定し、決定した演出を実行する演出制御手段と、1回の遊技に要する時間が規定時間に満たない場合、リール制御手段を制御して遊技の進行を一時的に停留させるウェイト処理手段と、を備え、演出制御手段は、ウェイト時間中に操作手段に対する所定操作が行われた場合、ウェイト時間の経過後に実行する既定の演出を、ウェイト時間中に前倒しで実行する。
【解決手段】リールと、リールの回転を開始させる開始操作部と、リールを個別に停止させる停止操作部とを少なくとも含む、操作手段と、開始操作部に対する操作を契機に役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、開始操作部に対する操作を契機に複数のリールを回転させ、停止操作部に対する操作を契機に内部抽選手段による抽選結果に応じた態様で回転中のリールを停止させるリール制御手段と、内部抽選手段による内部抽選の結果に応じた演出を決定し、決定した演出を実行する演出制御手段と、1回の遊技に要する時間が規定時間に満たない場合、リール制御手段を制御して遊技の進行を一時的に停留させるウェイト処理手段と、を備え、演出制御手段は、ウェイト時間中に操作手段に対する所定操作が行われた場合、ウェイト時間の経過後に実行する既定の演出を、ウェイト時間中に前倒しで実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にスロットマシンと称される、外周面に図柄が配列された複数のリールを備えた遊技機(正式名称:回胴式遊技機)が知られている。この種の遊技機では、遊技者の開始操作を契機として、内部抽選を行うと共に複数のリールが回転する。また、遊技者の停止操作を契機として、内部抽選の結果に応じた態様で複数のリールが停止する。停止した複数のリールの図柄組み合わせが役の入賞形態を示す図柄組み合わせである場合、役に応じた遊技媒体(メダル)の払い出しが行われる。また、この種の遊技機では、遊技者が一定時間に過度のメダルを投入できないよう、1回の遊技に要する最小の時間(規定時間)が決められている。従って、例えば前回遊技のリール回転開始から今回遊技のリール回転開始までの時間がこの規定時間未満の場合、この種の遊技機では、例えば遊技者が開始操作を行ってもリールが回転せず、又は停止操作ができない状態となる。このように、開始操作や停止操作が行われても遊技の進行が一時的に停留する時間が、いわゆるウェイト時間である。
【0003】
ウェイト時間では、例えば遊技者が開始操作を行ってもリールが回転せず、又は停止操作ができない状態となる。従って、ウェイト時間は、遊技者の思うように遊技が進行しないことから、遊技者にストレスを与えて遊技者が遊技を行う意欲を喪失させるおそれがある。このような問題に鑑み、従来よりいくつかの技術が提案されている。例えば、特許文献1には、ウェイトタイム中(ウェイト時間中に相当)に特有の演出画面を液晶表示器に表示する技術が開示されている。その他、ウェイト時間に関する技術として、例えば特許文献2から4に記載の技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−126172号公報
【特許文献2】特開2007−252558号公報
【特許文献3】特開2008−178448号公報
【特許文献4】特開2005−111087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ウェイト時間中にウェイト時間特有の演出画面を液晶表示器に表示する従来技術によれば、ウェイト時間中に一切演出を行わない場合と比較すると、遊技者のストレスを軽減することができる。但し、ウェイト時間特有の演出画面は、文字通りウェイト時間中に表示することを目的として特別に用意された演出画面である。つまり、上記従来技術は、ウェイト時間が発生しなければ実行されない演出、換言すると遊技の進行上必要とされていなかった演出を遊技者の退屈しのぎのためにあえて実行しているにすぎない。また、ウェイト時間を待ちきれずに遊技者がウェイト時間中に停止操作等を行うことがあるが、ウェイト時間中における停止操作等は遊技を進める上で無駄な操作となってしまう。遊技者はウェイト時間において思うように遊技が進行しないことに最もストレスを感じており、この点が上記従来技術では改善されておらず、遊技性に乏しかった。
【0006】
本発明は、遊技機のウェイト時間における遊技性を向上することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、上述した課題を解決するため、ウェイト時間中に操作が行われた場合に、ウェイト時間経過後に実行する既定の演出を前倒しで行うこととした。
【0008】
より詳細には、本発明に係る遊技機は、外周面に複数の図柄が配列された複数のリールと、前記複数のリールの回転を開始させる開始操作部と、回転中の前記複数のリールを個別に停止させる停止操作部とを少なくとも含む、遊技者からの操作を受け付ける操作手段と、前記開始操作部に対する操作を契機に役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、前記開始操作部に対する操作を契機に前記複数のリールを回転させ、前記停止操作部に対する操作を契機に前記内部抽選手段による抽選結果に応じた態様で回転中のリールを停止させるリール制御手段と、前記内部抽選手段による内部抽選の結果に応じた演出を決定し、決定した演出を実行する演出制御手段と、1回の遊技に要する時間が規定時間に満たない場合、前記リール制御手段を制御して遊技の進行を一時的に停留させるウェイト処理手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記遊技の進行が一時的に停留するウェイト時間中に前記操作手段に対する所定操作が行われた場合、前記ウェイト時間の経過後に実行する既定の演出を、前記ウェイト時間中に前倒しで実行することを特徴とする。
【0009】
本発明に係る遊技機では、ウェイト時間が発生しなかったとしても実行される演出、換言すると遊技の進行に伴って行われる演出が、所定操作を契機に前倒しで実行される。よって、ウェイト時間を待ちきれずに行った所定操作が無駄になることもなく、この所定操作を有効に生かすことができる。これにより、ウェイト時間においても遊技者の思うように遊技が進行していると遊技者が感じることができ、遊技を行う意欲の喪失を防止できる。また、思うように進行せずにストレスを感じる従来技術と比較して、遊技性を向上させることができる。
【0010】
ウェイト時間経過後に実行される既定の演出とは、ウェイト時間の発生の有無に拘らず、演出制御手段が内部抽選の結果に応じて決定する演出である。演出には、音、光、映像等で表現される種々の演出が含まれる。本発明では、ウェイト時間の発生とウェイト時間中に操作手段に対する所定操作が行われることを条件に、内部抽選の結果に応じて決定された演出が前倒しで実行される。操作手段は、遊技者からの操作を受け付けるものであればよく、開始操作部や停止操作部以外のものも含む。所定操作とは、操作手段を構成する各操作部に対応した操作である。所定操作には、例えば、リールの回転を開始させる操作、リールを停止させる操作が含まれる。既定の演出は、このような所定操作と関連付けて前倒しで実行することができる。つまり、ウェイト時間中に所定操作が行われることを条件に、内部抽選の結果に応じて決定された演出であって、この所定操作と予め関連付けがなされた演出が前倒しで実行される。
【0011】
ここで、本発明に係る遊技機では、前記演出制御手段が演出内容を段階的に変化させるステップアップ演出を行う場合において、前記演出制御手段は、前記ウェイト時間中に前記所定操作が行われた場合、前記ウェイト時間の経過後に実行する既定の演出としての前記ステップアップ演出を前倒しで実行するようにしてもよい。
【0012】
既定の演出には種々の演出が含まれるが、本発明は、既定の演出としてステップアップ演出を実行する態様である。本発明では、ウェイト時間中の所定操作を契機にステップアップ演出が実行される。従って、遊技者はウェイト時間中に、ステップアップ演出による効果、例えば何らかの役が当選したかもしれないなどの期待感を得ることができる。また、上記のようにステップアップ演出は演出内容が段階的に変化するものである。従って、従来、遊技者は操作を行ってもその操作が無駄となってしまっていたウェイト時間中に更に操作を行いたいという意欲、すなわち次の段階の演出を確認したいという意欲を持つことができる。なお、本発明では、前記ウェイト時間中に前記所定操作が連続して行われた
場合、この連続して行われる所定操作と連動して前記ステップアップ演出を段階的に前倒しで実行するようにしてもよい。これにより、ウェイト時間中に連続して所定操作が行われても、何れの所定操作も無駄になることはない。従って、遊技者は、更に所定操作を行い次の段階の演出を確認したいという意欲を持つことができる。
【0013】
ここで、本発明に係る遊技機において、前記演出制御手段は、前記ウェイト時間の経過後に実行する既定の演出を、前記ウェイト時間中に前倒しで実行した場合、前記ウェイト時間の経過後に前記既定の演出と異なる追加の演出を実行するようにしてもよい。
【0014】
ここで、本発明では、ウェイト時間中に演出が前倒しで実行された場合、ウェイト時間の経過後において、既定の演出と異なる追加の演出を実行するようにしてもよい。追加の演出は演出の前倒しが無ければ実行されない演出であるので、追加の演出を実行することで、演出が更に多彩化する。これにより、ウェイト時間経過後において、遊技者は退屈することなく遊技を行うことができる。
【0015】
なお、本発明に係る遊技機において、前記演出制御手段が演出内容を段階的に変化させるステップアップ演出を行う場合において、前記演出制御手段は、前記追加の演出を、前記ステップアップ演出を更にステップアップさせて発展の演出として実行するようにしてもよい。
【0016】
本発明は、追加の演出として、ステップアップ演出を発展させた演出を行う態様である。ステップアップ演出を更にステップアップさせて発展の演出として実行することで、ステップアップ演出をより面白みのある演出とすることができる。その結果、ステップアップ演出が実行される際の期待度をより高めることができる。
【0017】
また、本発明に係る遊技機では、前記内部抽選手段が前記内部抽選によって前記停止操作部の押し順が設定された押し順のある役を決定し、前記演出制御手段が前記押し順のある役に対する前記停止操作部の実際の押し順の正解又は不正解の演出を行う場合において、前記演出制御手段は、前記ウェイト時間中に前記所定操作として所定の押し順で停止操作が行われると、前記ウェイト時間の経過後に実行する既定の演出としての前記実際の押し順の正解又は不正解の演出を前倒しで実行することを特徴とするようにしてもよい。
【0018】
本発明では、内部抽選によって押し順のある役が決定された場合において、実際の押し順の正解又は不正解の演出が前倒しで実行される。そのため、遊技者は、ウェイト時間中に押し順の正解又は不正解を確認することができる。従って、遊技者はウェイト時間の経過後では、ウェイト時間中に確認した押し順の正解又は不正解を考慮した操作を行うことができる。押し順の正解を既に確認済みであれば、遊技者は正解の押し順に従った操作を行えばよい。また、押し順の正解を確認できていない場合でも、不正解の押し順を確認済みであることから、遊技者はウェイト時間経過後では、不正解の押し順以外の押し順で操作を行えばよい。従って、本発明によれば、ウェイト時間経過後における押し順の正解率を向上することができる。すなわち、本発明によれば、ウェイト時間中の遊技意欲を向上し、押し順の正解率を向上するといった新たな技術介入の要素を付与することができる。
【0019】
ここで、本発明は、上述した遊技機で実行される処理を実現させるプログラムや、そのようなプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体として特定してもよい。この場合、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。なお、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、又は化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。なお、プログラムは、遊技機用のプログラムのみならず、業務用又は家庭用のテレビゲー
ム機、インターネットに接続可能なモニタ付コンピュータ等に組み込まれることにより、それらを遊技機として機能させるためのプログラムも含む。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、遊技機のウェイト時間における遊技性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。
【図2】実施形態に係る遊技機のリールの図柄配列を説明する図である。
【図3】実施形態に係る遊技機の機能ブロック図である。
【図4】実施形態に係る遊技機における内部抽選テーブルを説明する図である。
【図5A】実施形態に係る遊技機における入賞役と図柄組み合わせとの関係を説明する図である。
【図5B】実施形態に係る遊技機における重複役の当選エリアの例を説明する図である。
【図6】実施形態に係る遊技機における遊技状態の状態遷移図である。
【図7】実施形態に係る遊技機で実行される基本的な処理のフローチャートである。
【図8】ステップアップ演出の例を説明する図である。
【図9】実施形態に係る遊技機で実行されるウェイト時間中の演出処理(ステップアップ演出)を説明する図である。
【図10A】実施形態に係る遊技機で実行されるウェイト時間中の演出処理(ステップアップ演出)のフローチャート(1)である。
【図10B】実施形態に係る遊技機で実行されるウェイト時間中の演出処理(ステップアップ演出)のフローチャート(2)である。
【図10C】実施形態に係る遊技機で実行されるウェイト時間中の演出処理(ステップアップ演出)のフローチャート(3)である。
【図10D】実施形態に係る遊技機で実行されるウェイト時間中の演出処理(ステップアップ演出)のフローチャート(4)である。
【図10E】実施形態に係る遊技機で実行されるウェイト時間中の演出処理(ステップアップ演出)のフローチャート(5)である。
【図11】実施形態に係る遊技機で実行されるウェイト時間中の演出処理(押し順チャレンジ演出)を説明する図である。
【図12】実施形態に係る遊技機で実行されるウェイト時間中の演出処理(押し順チャレンジ演出)のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面に基づき本発明に係る遊技機の実施形態について説明する。なお、以下に説明する遊技機は例示であり、本発明に係る遊技機は以下に説明する遊技機に限定されるものではない。
【0023】
<外観構成>
実施形態に係る遊技機1は、収納箱2、前面上扉3、および前面下扉4を含む箱形の筐体5を備える。この筐体5には、第1リールR1、第2リールR2、第3リールR3を含むリールユニット310(図3参照)、リールユニット310の下方に設けられ、メダル(遊技媒体)の払出装置としてのホッパーユニット320(図3参照)、遊技機の動作を制御する、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM
(Random Access Memory)等を含む制御基板100(図3参照)等が収容されている。
【0024】
前面上扉3と前面下扉4とは個別に開閉可能である。前面上扉3には、表示窓6、遊技情報表示部7、液晶ディスプレイ8、スピーカSP1が設けられている。前面下扉4には
、各種の操作手段、メダル投入口9、メダル払い出し口10、メダル受け皿11、灰皿12、スピーカSP2が設けられている。
【0025】
図2に示すように、リールユニット310を構成する、第1リールR1、第2リールR2、第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で21の領域(各領域を「コマ」と称する)に区画されている。各コマには、複数種類の図柄のいずれかが配列されている。第1リールR1〜第3リールR3は、リール駆動手段としてのステップモータに軸支され、それぞれステップモータの軸周りに回転駆動される。また、第1リールR1〜第3リールR3は、ステップモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などが制御されることで、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能である。その結果、遊技機1では、ステップモータが制御基板100(図3参照)から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1〜第3リールR3が回転駆動する。そして、制御基板100から駆動パルスの供給が断たれると、ステップモータの回転が停止することに伴って第1リールR1〜第3リールR3が停止する。
【0026】
なお、図柄の配列について言及すると、本実施形態では、リールユニット310を構成する第1リールR1〜第3リールR3の外周面に対して、赤7図柄「赤7」、黒7図柄「黒7」、ベル図柄「ベル」、スイカ図柄A「スイカA」、スイカ図柄B「スイカB」、リプレイ図柄「RP」、ダミー図柄「DUM」が配列されている。ベルは、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の操作順序やタイミングに拘わらず、引き込み可能となっている。一方、スイカA、スイカBは、図2に示すように、取りこぼしが発生するよう配置されている。また、ベルとスイカA若しくはスイカBは、図柄間隔と有効ラインL1からL5との関係から、1のリール(例えば、第1リールR1)について、同時に有効ライン上に表示されることはない。一方、ベルとスイカA、スイカBは、一方の図柄を狙えば必ず他方が引き込み範囲内にあるよう図柄が配置されている。また、スイカAとスイカBとは、図柄間隔と有効ラインL1からL5との関係から、1のリールについて、一方を有効ラインL1からL5上に引き込める操作タイミングで操作した場合、他方は有効ラインL1からL5上へ引き込めないように図柄が配置されている。また、図5Aに示すように、正解役と不正解役の払出し枚数は同一に設定されている。
【0027】
表示窓6は、第1リールR1〜第3リールR3の回転状態及び停止状態を遊技者が視認するための窓である。第1リールR1〜第3リールR3の停止状態では、第1リールR1〜第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が遊技機1の正面から表示窓6を通じて視認可能である。
【0028】
また、本実施形態では、表示窓6を通じて図柄を視認するための表示位置として、第1リールR1〜第3リールR3の夫々に上段、中段、下段が設けられている。また、第1リールR1〜第3リールR3の図柄の表示位置の組合せによって有効ラインL1〜L5が設定されている。有効ラインL1は、第1リールR1の上段、第2リールR2の中段、および第3リールR3の上段の組合せからなる。有効ラインL2は、第1リールR1の上段、第2リールR2の中段、および第3リールR3の下段の組合せからなる。有効ラインL3は、第1リールR1の中段、第2リールR2の中段、および第3リールR3の中段の組合せからなる。有効ラインL4は、第1リールR1の下段、第2リールR2の中段、および第3リールR3の上段の組合せからなる。有効ラインL5は、第1リールR1の下段、第2リールR2の中段、および第3リールR3の下段の組合せからなる。
【0029】
また、表示窓6内の有効ラインL1〜L5に停止表示された図柄組合せによって遊技結果が判断される。有効ラインL1〜L5上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合、その役が入賞したものとしてホッパーユニット320からメダルが
払い出される。なお、本実施形態では、1回の遊技に必要となるメダル数、すなわち規定投入数が3枚である。規定投入数のメダルが投入されることで、有効ラインL1〜L5が設定される。なお規定投入数は、遊技状態に応じて変更することができる。また、規定投入数が複数種類設定されている場合、規定投入数に応じて有効ラインL1〜L5の数や種類を異なるようにしてもよい。
【0030】
遊技情報表示部7は、表示窓6の下方に設けられ、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス遊技の残り回数等の各種遊技情報を表示する。遊技情報表示部7には、LED、ランプ、7セグメント表示器が例示される。
【0031】
液晶ディスプレイ8は、表示窓6の上方に設けられ、遊技状態に応じて各種演出を表示する。例えば、液晶ディスプレイ8には、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(または画像)が表示される。本発明における演出(例えば、ステップアップ演出、当選結果の演出、追加の演出)も液晶ディスプレイ8に表示される。
【0032】
スピーカSP1は、液晶ディスプレイの両側に設けられ、遊技状態に応じて各種演出を行う。スピーカSP1からは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。スピーカSP1から出力される音声も本発明の演出の一態様に含まれる。
【0033】
操作手段は、遊技者からの操作を受け付けるものであり、ベットボタン13、スタートレバー14、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3を含む。ベットボタン13は、前面下扉4の左側(遊技機1の正面に向かって左側)に設けられ、クレジット(貯留)されたメダルの投入操作を受け付ける。スタートレバー14は、ベットボタン13の下方に設けられ、第1リールR1〜第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる操作を受け付ける。スタートレバー14は、本発明の開始操作部に相当する。第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3は、スタートレバー14とほぼ同じ高さかつ前面下扉4の中央付近に設けられ、ステップモータにより回転駆動される第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる操作を受け付ける。第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3は、本発明の停止操作部に相当し、本実施形態では、第1リールR1を停止させるストップボタンB1、第2リールR2を停止させるストップボタンB2、第3リールR3を停止させるストップボタンB3を含む。
【0034】
メダル投入口9は、前面下扉4の右側上部に設けられ、メダルの投入を受け付ける。メダル払い出し口10は、前面下扉4の中央下部に設けられ、遊技の結果に応じた枚数のメダルを払い出す。メダル受け皿11は、メダル払い出し口10の下方に設けられ、メダル払い出し口10から払い出されるメダルを収容する。メダル払い出し口10の両側には、スピーカSP2が設けられている。このスピーカSP2からは、液晶ディスプレイ8の両側に設けられたスピーカSP1と同じく、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。また、メダル受け皿11の左側には、灰皿12が設けられている。
【0035】
<制御基板>
次に、遊技機1を制御する制御基板100について説明する。図3は、実施形態に係る遊技機の機能ブロック図である。制御基板100は、メイン基板110とサブ基板120とを含む。制御基板100には、入力装置200、出力装置300、演出装置400が電気的に接続されている。
【0036】
入力装置200は、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240を含む。メダル投入スイッチ210は、メダル投入
口9に投入されるメダルの枚数を検知し、メダルの投入枚数に対応する信号を出力する。ベットスイッチ220は、ベットボタン13が操作(押下)されたことを検知し、ベットボタン13が操作されたことを示す信号を出力する。スタートスイッチ230は、スタートレバー14が操作されたことを検知し、スタートレバー14が操作されたことを示す信号を出力する。ストップスイッチ240は、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3が操作(押下)されたことを検知し、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3が操作されたことを示す信号を出力する。
【0037】
出力装置300は、リールユニット310、ホッパーユニット320を含む。先に説明したように、リールユニット310は、第1リールR1〜第3リールR3、ステップモータを含む。第1リールR1〜第3リールR3は、リール駆動手段としてのステップモータに軸支され、それぞれステップモータの軸周りに回転駆動される。ホッパーユニット320は、払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出す。ホッパーユニット320は、メダルを1枚払い出す毎に作動する払出メダル検出スイッチ325を備える。払出制御手段150は、払出メダル検出スイッチ325からの信号に基づいてホッパーユニット320から実際に払い出されたメダルの数を管理する。なおメダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合、ホッパーユニット320によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、メインメモリ190Mのクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
【0038】
演出装置400は、表示装置330や音響装置340を含む。表示装置330には、液晶ディスプレイ8が含まれる。また、音響装置340には、スピーカSP1、スピーカSP2が含まれる。
【0039】
メイン基板110は、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等の入力装置200からの信号を受け、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット310や、ホッパーユニット320等の出力装置の動作制御を行う。サブ基板120は、メイン基板110から送られる信号を受けて、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて表示装置330や、音響装置340等の演出装置400の動作制御を行う。またメイン基板110やサブ基板120等の各基板の機能は各種のプロセッサ(CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processing)など)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit、ゲートアレイなど)、ROM
(Read Only Memory、情報記憶媒体の一例)、あるいはRAM(Random Access Memory)などのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0040】
<<メイン基板の詳細>>
メイン基板110は、投入受付手段105、乱数発生手段107、内部抽選手段125、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、リプレイ確率変動手段172、ウェイト処理手段174、通信制御手段176、メインメモリ190Mを備える。
【0041】
投入受付手段105は、規定投入数に相当する3枚のメダルの投入、又はベットボタン13の押下に基づいて、スタートレバー14に対する遊技開始操作を許可する処理を行う。すなわち、投入受付手段105は、メダル投入スイッチ210からの信号、又はベットスイッチ220からの信号に基づいて、スタートレバー14に対する遊技開始操作を許可する処理を行う。遊技機1では、スタートレバー14の押下操作が、第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始させる契機、及び内部抽選を実行する契機となる。なお、遊技
機1では、メダル投入口9にメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入受付手段105が、遊技状態に応じた規定投入数である3枚を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。メダル投入口9に規定投入数である3枚を超えるメダルが投入されると、3枚を超えた分のメダルについては、クレジットメダルとしてメインメモリ190Mのクレジット記憶領域(図示省略)に記憶される。遊技機1にメダルがクレジットされた状態で、ベットボタン13が押下されると、ベットスイッチ220が作動する。これに伴い投入受付手段105が、規定投入数である3枚を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
【0042】
乱数発生手段107は、抽選用の乱数値を発生させる。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0043】
内部抽選手段125は、遊技者がスタートレバー14の押下操作により作動するスタートスイッチ230からの信号(スタート信号ともいう)に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う。内部抽選手段125は、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理などを行う。
【0044】
抽選テーブル選択処理では、メインメモリ190Mの内部抽選テーブル記憶手段191Mに格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかが決定される。遊技機1では、内部抽選テーブル記憶手段191Mに、図4に示すような4種類の内部抽選テーブルA〜Eが記憶されている。そして各抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ(リプレイA〜D)、重複役(1〜3)、小役(スイカA、スイカB、ベル)およびビッグボーナス(BB1、BB2)のいずれかが対応づけられている。なお、図4では、重複役を簡略化している。重複役の詳細は、後述する図5Bの重複役の当選エリアの例で説明する。
【0045】
遊技機1では、リプレイとして、リプレイA、リプレイB、リプレイC、リプレイDが用意されている。ここで、図5Aは、入賞役と図柄組合せと関係を説明する図であり、各種リプレイの図柄組合せについても図5Aで説明されている。これらの各種リプレイは、図4に示すように、重複して当選する場合が存在するように役と乱数値との対応関係が設定されている。内部抽選テーブルAにおけるリプレイの重複パターンには、リプレイA、Bが重複する場合、リプレイA、B、Cが重複する場合、リプレイA、B、Dが重複する場合、リプレイA、Cが重複する場合、リプレイA、Dが重複する場合、リプレイA、C、Dが重複する場合が含まれる。内部抽選テーブルB、内部抽選テーブルC、および内部抽選テーブルDでは、リプレイAが単独で当選する場合が存在するように役と乱数値との対応関係が設定されている。
【0046】
また、遊技機1では、小役として、スイカA、スイカB(スイカA、スイカBを区別する必要が無い場合には、単に「スイカ」と称する。)、ベルが用意されている。そして、内部抽選テーブルA〜Eのそれぞれにおいて、スイカとベルが重複して当選する場合が存在するように役と乱数値との対応関係が設定されている。ここで、図5Bは、重複役の当選エリアの例を説明する図である。本実施形態における重複役(押し順のある小役)は、スイカA、スイカB、ベルが重複当選するように対応づけられている。具体的には、押し順が正解である場合には、ベルが必ず入賞し、押し順が不正解である場合には、スイカの取りこぼしが発生しうる。押し順に応じた停止制御の詳細については、後述する。なお、重複役1、重複役2、重複役3以外の重複役を設けてもよい。この場合、スイカA、スイ
カB、ベルが重複当選するパターンを増やすため、当選エリアを更に多く設定すればよい。
【0047】
次に、遊技機1の遊技状態について説明する。図6に示すように、遊技機1では、遊技状態(内部抽選の状態)として、通常状態、ボーナス成立状態、及びボーナス状態が存在する。また、遊技機1では、更にリプレイの抽選状態として、リプレイ低確率状態A、リプレイ低確率状態B(第1遊技状態、特定遊技状態、特定遊技区間)、リプレイ低確率状態C、リプレイ高確率状態A(第2遊技状態)、リプレイ高確率状態B、リプレイ無抽選状態が設定可能である。そして、抽選テーブル選択処理では、遊技状態とリプレイの抽選状態に応じて内部抽選テーブルA〜Eのいずれか1つが内部抽選で使用する内部抽選テーブルとして選択される。
【0048】
乱数判定処理では、スタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、遊技毎に乱数発生手段107から乱数値(抽選用乱数)が取得される。取得した乱数値について記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段191Mに記憶されている内部抽選テーブルを参照して役に当選したか否かが判定される。
【0049】
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグが非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定される。遊技機1では、2種類以上の役が重複して当選した場合、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。なお抽選フラグの設定情報は、メインメモリ190Mのフラグ記憶手段192Mに格納される。
【0050】
また、遊技機1では、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナスBB1、BB2(以下、ビッグボーナスBB1、BB2を特に区別する必要が無い場合には、単にビッグボーナスまたはBBと称する。)があり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ)は後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、当選したビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が、当選したビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理が行われる。なお、内部抽選手段125は、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、ビッグボーナス以外の役(例えば、小役、リプレイ)についての当否を決定する内部抽選を行う。すなわち、抽選フラグ設定処理では、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選でビッグボーナス以外の役が当選した場合、既に当選しているビッグボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選したビッグボーナス以外の役の抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグが当選状態に設定される。
【0051】
リール制御手段130は、スタートレバー14の押下操作を契機に第1リールR1〜第3リールR3を回転させる。具体的には、リール制御手段130は、遊技者がスタートレバー14の押下操作を行うことにより作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、第1リールR1〜第3リールR3をステップモータにより回転駆動させる。また、リール制御手段130は、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)に達した状態において回転中のリールに対応する第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の押下操作(停止操作)を許可する制御を行うとともに、ステップモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3を抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じて停止させる制御を行う。第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の押下操作は、本発
明の所定操作の一例である。
【0052】
また、リール制御手段130は、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の押下操作を契機に、抽選結果に応じた態様で回転中の第1リールR1〜第3リールR3を停止させる。具体的には、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3に対する押下操作(停止操作)が許可(有効化)された状態において、遊技者が第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3を押下することによりストップスイッチ240が作動すると、ストップスイッチ240からのリール停止信号がリール制御手段130に入力される。リール制御手段130は、このリール停止信号に基づいて、リールユニット310のステップモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれを停止させる制御を行う。すなわちリール制御手段130は、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の各ボタンが押下される毎に、第1リールR1〜第3リールR3のうち押下されたストップボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる制御を行う。なお、遊技機1では、第1ストップボタンB1を押下することが第1リールR1の停止操作に対応し、第2ストップボタンB2を押下することが第2リールR2の停止操作に対応し、第3ストップボタンB3を押下することが第3リールR3の停止操作に対応する。すなわち遊技機1では、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の押下順序が変化すると、第1リールR1〜第3リールR3の停止順序が変化する。
【0053】
また遊技機1では、第1リールR1〜第3リールR3が、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3が押下された時点から190ms以内に、押下された第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の何れかに対応する回転中の第1リールR1〜第3リールR3を停止させる制御状態に設定されている。すなわち回転している第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれの停止位置は、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の押下時点から第1リールR1〜第3リールR3が停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で決定される。そして、リール制御手段130は、図柄が所定の範囲内にある場合、当選した役に対応する図柄が有効ラインL1〜L5上の表示位置に表示されるように、押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行う。図柄が所定の範囲内にある場合とは、押下操作が行われた第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3に対応する回転中の第1リールR1〜第3リールR3の外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3に対する押下操作が行われた時点で入賞判定ライン上の表示位置に対して0コマ〜4コマの範囲内に位置する場合である。具体的には、リール制御手段130は、ロジック演算により回転中の第1リールR1〜第3リールR3の停止位置を求める処理(ロジック演算処理)と、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段193Mに記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中の第1リールR1〜第3リールR3の停止位置を決定する処理(テーブル参照処理)とを行う。
【0054】
ロジック演算処理では、役毎に定められた優先順位データに従ってストップスイッチ240の作動時点(第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の押下操作が検出された時点)における第1リールR1〜第3リールR3の位置である押下検出位置から0コマ〜4コマの範囲内に存在する5コマ分の停止位置の候補に対して優先度を求める。そして各停止位置の候補の優先度のうち最も優先度の高い停止位置の候補を実際の停止位置として決定する。ただしロジック演算処理では、内部抽選の結果や押下検出位置などに応じて複数の停止位置の候補に対して同一の優先度が求まる場合がある。この場合、最も優先度の高い停止位置の候補が複数となった場合、後述するテーブル参照処理によって実際の停止位置が決定される。これにより、ロジック演算処理で停止位置が決定される場合については、テーブル参照処理で停止位置を決定する必要がなくなる。その結果、停止制御テーブルを設計する際に、全てのデータについて詳細な検証作業を行わなくてもよくなる分
だけ遊技機の開発環境を改善することができる。
【0055】
遊技機1では、「リプレイ(リプレイA〜D)>小役(スイカA、スイカB、ベル)>ビッグボーナス(BB1、BB2)」の順序で優先順位が定められている。ロジック演算処理では、2種類以上の役に関する抽選フラグが内部当選状態に設定されている場合、各役に対応付けられた優先順位に従って、優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補よりも優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補の方が優先度が高くなるように優先度が求められる。なお、内部抽選で複数種類のリプレイが重複して当選した場合、第1リールR1〜第3リールR3のうち少なくとも1本のリールに関する停止位置を求めるロジック演算処理において、最も優先度の高い停止位置の候補が複数となるように優先度が求められる。
【0056】
またロジック演算処理では、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理がリールの停止位置の候補を求める処理として行われる。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるようにリールの停止位置の候補を求める処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役を入賞させることができないようにリールの停止位置の候補を求める処理である。このようにリール制御手段130は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないようにリールの停止位置の候補を求めるロジック演算処理を行う。
【0057】
ここで、遊技機1では、リールユニット310がフォトセンサからなるリールインデックス315を備える。そこで、リール制御手段130は、リールが1回転する毎にリールインデックス315で検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができる。すなわちリール制御手段130は、ストップスイッチ240の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
【0058】
テーブル参照処理では、ロジック演算処理を行った結果、最も優先度の高い停止位置の候補が複数得られた場合、いずれの位置を停止位置とするかが、メインメモリ190Mの停止制御テーブル記憶手段193Mに記憶されている停止制御テーブルを参照することで決定される。
【0059】
停止制御テーブルでは、抽選フラグの設定状態に応じて、ストップスイッチ240の作動時点(第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の押下操作が検出された時点)におけるリールの位置である押下検出位置と、押下検出位置から実際の停止位置までの回転量を示す滑りコマ数との対応関係が設定されている。なお停止制御テーブルでは、抽選フラグの設定状態に応じて、押下検出位置と実際の停止位置との対応関係が設定されていてもよい。
【0060】
ここで、図5Bの重複役の当選エリアに従った停止制御について説明する。例えば、重複役1の当選エリアに当選した場合、最初に第1ストップボタンB1が押下操作されると、第1リールR1ではベルを引き込むよう停止制御が行われる。ベルは、押下操作のタイミングに拘わらず引き込めるよう配置されていることから、第2ストップボタンB2、第3ストップボタンB3の押下順序に拘わらず、第2リールR2、第3リールR3においてもベルを引き込む停止制御が行われる。その結果、ベルが入賞する。以上が正解の際の停止制御である。一方、最初に第2ストップボタンB2又は第3ストップボタンB3が押下操作されると、重複当選しているスイカA又はスイカBのうち、引き込めるスイカが表示させるように停止制御が行われる。その後、スイカが入賞可能となるタイミングで、最初
に押下操作が行われたストップボタン以外のストップボタンの押下操作が行われると、スイカが入賞する。一方、スイカが入賞可能となるタイミングで無い場合には、スイカは入賞しない。以上が不正解の際の停止制御である。
【0061】
また、例えば重複役2の当選エリアに当選した場合、最初に第2ストップボタンB2が押下操作されると、第2リールR2ではベルを引き込むよう停止制御が行われる。ベルは、押下操作のタイミングに拘わらず引き込めるよう配置されていることから、第1ストップボタンB1、第3ストップボタンB1の押下順序に拘わらず、ベルが入賞する。以上が、正解の際の停止制御である。一方で、最初に第2ストップボタンB2又は第3ストップボタンB3が押下操作されると、先に説明した不正解の際の停止制御が行われる。
【0062】
また、例えば重複役3の当選エリアに当選した場合、最初に第3ストップボタンB3が押下操作されると、第3リールR3ではベルを引き込むよう停止制御が行われる。ベルは、押下操作のタイミングに拘わらず引き込めるよう配置されていることから、第1ストップボタンB1、第2ストップボタンB2の押下順序に拘わらず、ベルが入賞する。以上が、正解の際の停止制御である。一方で、最初に第1ストップボタンB1又は第2ストップボタンB2が押下操作されると、先に説明した不正解の際の停止制御が行われる。
【0063】
ウェイト処理手段174は、1回の遊技に要する時間が規定時間に満たない場合、リール制御手段130を制御して遊技の進行を一時的に停留させる。具体的には、ウェイト処理手段174は、まず、スタートレバー14の操作間隔を計測する。そして、スタートレバー14が押下された際に、操作間隔が予め定められた最小の時間(規定時間、例えば、4.1秒)に達していない場合、第1リールR1〜第3リールR3の回転駆動の開始を規定時間が経過するまで保留させる。換言すると、遊技機1では、リール制御手段130が、スタートレバー14が押下された際に、スタートレバー14の操作間隔が規定時間を経過していることを条件に、第1リールR1〜第3リールR3の回転駆動を開始させる。なお本実施形態では、規定時間を、スタートレバー14の操作間隔によって計測しているが、第1リールR1〜第3リールR3の回転駆動の開始タイミングの間隔を規定時間として計測するようにしてもよい。遊技の進行が一時的に停留する時間は、本発明におけるウェイト時間に相当する。
【0064】
ウェイト時間では、上記のように遊技の進行が一時的に停留する。具体的には、リールの回転開始が遅れるとともに、リールの停止操作も無効となる。すなわち、ウェイト時間ではない場合、リール制御手段130は、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の押下操作を契機に、抽選結果に応じた態様で回転中のリールを停止させる。しかし、ウェイト時間中の場合、リール制御手段130は、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の押下操作が行われても、第1リールR1〜第3リールR3を停止させる処理を実行しなくなる。すなわち、第1リールR1〜第3リールR3の停止操作の無効は、リール制御手段130がストップスイッチ240からのリール停止信号を無視することで実現される。なお、ウェイト時間中は、ストップスイッチ240からのリール停止信号がリール制御手段130に入力されないようにしてもよい。これにより、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3に対する押下操作が許可されない(無効化された)状態となり、遊技者が第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3を押下したとしてもストップスイッチ240が作動しないようになる。
【0065】
入賞判定手段140は、第1リールR1〜第3リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する。具体的には、メインメモリ190Mの入賞判定テーブル記憶手段194Mに記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リールR1〜第3リールR3の全てが停止した時点で有効ラインL1〜L5上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
【0066】
本実施形態では、図5Aに示すように、有効ラインL1〜L5上に「赤7・赤7、赤7」の図柄組合せ、又は「黒7・黒7・黒7」の図柄組合せが表示された場合、ビッグボーナスBB1が入賞したと判定される。また、有効ラインL1〜L5上に有効ラインL上に「BAR・BAR、BAR」の図柄組合せが表示された場合、ビッグボーナスBB2が入賞したと判定される。
【0067】
また、有効ラインL1〜L5上に「RP・RP・RP」の図柄組合せが表示された場合、リプレイAが入賞したと判定される。有効ラインL1〜L5上に「蝶A・RP・RP」の図柄組合せが表示された場合、リプレイBが入賞したと判定される。有効ラインL1〜L5上に「蝶B・RP・RP」の図柄組合せが表示された場合、リプレイCが入賞したと判定される。有効ラインL1〜L5上に「BAR・BAR・RP」の図柄組合せが表示された場合、リプレイDが入賞したと判定される。有効ラインL1〜L5上にスイカA、スイカBの図柄組合せが表示された場合、スイカが入賞したと判定される。有効ラインL1〜L5上に「ベル・ベル・ベル」の図柄組合せが表示された場合、ベルが入賞したと判定される。
【0068】
そして遊技機1では、入賞判定手段140の判定結果に基づいて、入賞時処理が実行される。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段150によってメダルの払出制御処理が行われる。また、リプレイ(リプレイA〜リプレイD)が入賞した場合にはリプレイ処理手段160によってリプレイ処理が行われる。
【0069】
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、払出制御手段150は、小役が入賞した場合、図5Aに示すような役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパーユニット320(払出装置)に払い出させる制御を行う。なお、遊技の結果、リプレイA〜リプレイDが入賞した場合には、図5Aに示すように、リプレイA〜Dに対して配当が設定されていない。従って、ホッパーユニット320からのメダルの払い出しは行われず、形式的に0枚のメダルを払い出したとする処理(0枚処理)が行われる。
【0070】
リプレイ処理手段160は、リプレイ(リプレイA〜D)が入賞した場合、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち遊技機1では、リプレイ(リプレイA〜D)が入賞した場合、前回の遊技と同じ枚数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインL1〜L5を有効化した状態で次回の遊技の開始操作が受け付けられる。
【0071】
遊技状態移行制御手段170は、所定の移行条件の成立に基づいて、内部抽選の態様が互いに異なる複数の遊技状態(通常状態、ボーナス成立状態、ボーナス状態)の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
【0072】
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。また通常状態では、図4に示す内部抽選テーブルA〜Eのうち、ビッグボーナスが抽選対象として設定されている内部抽選テーブルA〜Cの何れかを参照した内部抽選が行われる。遊技機1では、リプレイの抽選状態
に応じて通常状態での内部抽選で参照される内部抽選テーブルが選択される。具体的には、通常状態においてリプレイの抽選状態が第1リプレイ低確率状態である場合には、内部抽選テーブルAを参照して内部抽選が行われ、通常状態においてリプレイの抽選状態がリプレイ高確率状態である場合には、内部抽選テーブルAよりもリプレイの当選確率が高い内部抽選テーブルBを参照して内部抽選が行われる。
【0073】
ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態(リプレイ低確率状態C)である。ボーナス成立状態では、図4に示す内部抽選テーブルA〜Eのうち、小役の当選確率が通常状態と同一に設定され、ビッグボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブルEを参照した内部抽選が行われる。
【0074】
またボーナス成立状態では、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持される。ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態移行制御手段170は、遊技状態をボーナス成立状態からボーナス状態へ移行させる制御を行う。
【0075】
ボーナス状態は、ボーナス成立状態においてビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ラインL1〜L5上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス状態では、リプレイの抽選状態がリプレイ無抽選状態に設定され、図4に示す内部抽選テーブルA〜Eのうち、ビッグボーナスおよびリプレイ(リプレイA〜D)が内部抽選の対象から除外され、小役の当選確率が内部抽選テーブルA〜Eよりも高く設定された内部抽選テーブルEを参照した内部抽選が行われる。すなわちボーナス状態では、他の遊技状態よりも小役が頻繁に当選するようになっている点で、通常状態やボーナス成立状態よりも遊技者に有利な遊技状態となっている。
【0076】
またボーナス状態では、ボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かが判断される。入賞したボーナスの種類に応じて予め定められた払出上限数(例えば、ビッグボーナスBB1が入賞した場合350枚、ビッグボーナスBB2が入賞した場合には48枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技状態移行制御手段170は、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる制御を行う。
【0077】
リプレイ確率変動手段172は、所定条件下で内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる制御を行う。遊技機1では、リプレイの抽選状態として、リプレイ内部抽選の対象から除外されるリプレイ無抽選状態、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されるリプレイ低確率状態A、リプレイ低確率状態B、リプレイ低確率状態C、ならびにリプレイの当選確率が約1/1.5に設定されるリプレイ高確率状態A及びリプレイ高確率状態Bという複数種類の抽選状態を設定可能とされている。リプレイ確率変動手段172は、図6に示すように、リプレイの抽選状態を変化させることにより、内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる。
【0078】
具体的には、リプレイ確率変動手段172は、初期状態としてリプレイの抽選状態をリプレイ高確率状態Aに設定し、既定された第2特殊図柄組み合わせが有効ラインL1〜L5上に表示されることを条件に、リプレイの抽選状態をリプレイ低確率状態Bに設定する。
【0079】
またリプレイ確率変動手段172は、リプレイの抽選状態がリプレイ低確率状態Bに設定されること契機として、メインメモリ190MのRT(リプレイタイム)終了判定カウンタ195Mに40回分の遊技回数に相当する値(例えば、40)を書き込む。そして、リプレイ確率変動手段172は、リプレイ低確率状態Bでの遊技が行われる毎にスタートレバー14の押下操作などを契機としてRT終了判定カウンタ195Mの記憶値から1回
分の遊技回数に相当する値(例えば、1)を減産するデクリメント更新を行う。リプレイ確率変動手段172は、RT終了判定カウンタ195Mの記憶値がしきい値(例えば、0)に達すると、リプレイの抽選状態をリプレイ高確率状態Aに復帰させる。
【0080】
また、リプレイの抽選状態がリプレイ高確率状態Aに設定されている場合において、リプレイBの入賞、すなわちリプレイBの入賞形態を示す図柄組合せが有効ラインL1〜L5上に表示されると、リプレイ確率変動手段172は、リプレイの抽選状態をリプレイ高確率状態Bに設定する。また、リプレイ確率変動手段172は、リプレイ高確率状態Bにおいて既定の第1特殊図柄組合せが有効ラインL1〜L5上に表示されると、リプレイの抽選状態をリプレイ高確率状態Aに復帰させる。
【0081】
また、リプレイ確率変動手段172は、リプレイの抽選状態がリプレイ低確率状態A、リプレイ低確率状態B、リプレイ高確率状態A、あるいはリプレイ高確率状態Bに設定されている場合において、ビッグボーナスが入賞すると、リプレイの抽選状態をリプレイ低確率状態Cに設定する。また、リプレイ確率変動手段172は、リプレイの抽選状態がリプレイ低確率状態Bに設定されている遊技においてビッグボーナスが当選した場合、RT終了判定カウンタ195Mの記憶値がしきい値に達していなくてもリプレイの抽選状態をリプレイ低確率状態Cに変動させる。また、リプレイ確率変動手段172は、RT終了判定カウンタ195Mの記憶値を初初期値(例えば、0)にリセットする。
【0082】
また、リプレイ確率変動手段172は、リプレイの抽選状態がリプレイ低確率状態Cに設定されている場合において、ビッグボーナス(BB1、BB2)が入賞すると、リプレイの抽選状態をリプレイ無抽選状態に設定する。また、リプレイ確率変動手段172は、ボーナス状態の終了を契機として、リプレイの抽選状態をリプレイ無抽選状態からリプレイ低確率状態Aに復帰させる。
【0083】
更に、リプレイ確率変動手段172は、リプレイの抽選状態がリプレイ低確率状態Aに設定されている場合において、第1特殊図柄組合せが有効ラインL1〜L5上に表示されると、リプレイの抽選状態をリプレイ高確率状態Aに設定する。
【0084】
通信制御手段176は、サブ基板120に信号を送信する制御と、外部装置であるホールコンピュータ(遊技場に設置されている遊技機を集中管理するコンピュータ)やデータカウンタ(遊技場に設置されている各遊技機に個別接続され、遊技機の遊技履歴に関する情報を表示する機器)などに信号を送信する制御とを行う。なお本実施形態の遊技機では、メイン基板110とサブ基板120との間では、メイン基板110からサブ基板120への単方向通信のみが可能である。
【0085】
<<サブ基板の詳細>>
次にサブ基板120について説明する。サブ基板120は、演出制御手段180と、サブメモリ190Sとを含む。
【0086】
演出制御手段180は、サブメモリ190Sの演出データ記憶手段191Sに記憶されている演出データに基づいて、表示装置330としての液晶ディスプレイ8に表示演出を実行させたり、音響装置340としてのスピーカSP1、スピーカSP2に音響演出を実行させたりする制御を行う。例えば、演出制御手段180は、メダルの投入やベットボタン13、スタートレバー14、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3に対する操作、遊技状態の変動などの遊技イベントの発生に応じてランプやLEDを点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイ8の表示内容を変化させたり、スピーカSP1、スピーカSP2から音を出力させたりすることにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。
【0087】
例えば、演出制御手段180は、正解の際の停止制御が実行された場合、「正解」の旨の演出を実行する。また、演出制御手段180は、不正解の際の停止制御が実行された場合、「不正解」の旨の演出を実行する。
【0088】
また、演出制御手段180は、所定の条件に基づいてサブメモリ190Sの演出用フラグ記憶手段192SにATフラグを設定して演出状態をAT(アシストタイム)状態に設定する。例えば、演出制御手段180は、メイン基板110から送信される状態通信信号に基づいて、遊技状態がリプレイ低確率状態Bからリプレイ高確率状態Aに移行したことを契機として演出用フラグ記憶手段にATフラグが設定されているか否かを判定する。演出制御手段180は、ATフラグが設定されている場合、サブメモリ190SのAT終了判定カウンタに40回分の遊技回数に想到する値(例えば、40)を記録する。また、演出制御手段180は、AT状態の終了条件の成立にともないATフラグをクリアすることでAT状態を終了させる。例えば、演出制御手段180は、遊技が行われる毎にAT終了判定カウンタ194Sの記憶値から1回分の遊技回数に相当する値(例えば、1)を減算するデクリメント更新を開始させる。そして、演出制御手段180は、AT終了判定カウンタ194Sの記憶値が初期値(例えば、0)に達すると、AT状態を終了させる。なお、演出状態がAT状態である場合に内部抽選でビッグボーナスが当選すると、演出制御手段180は、強制終了条件が成立したと判定してAT状態を終了させ、AT終了判定カウンタ194Sの記憶値を初期値である0にリセットする。
【0089】
AT状態では、演出制御手段180は、内部抽選で当選した小役の種類を報知する演出を表示装置330や音響装置340に実行させる。例えば、演出制御手段180は、当選した小役を入賞させるために最初に押下すべき第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の種類を報知する演出画像を液晶ディスプレイ8に表示させる。液晶ディスプレイ8への表示に代えて、もしくは液晶ディスプレイ8への表示とともに、ストップボタンの種類を報知する音声をスピーカSP1やスピーカSP2から出力させてもよい。
【0090】
本実施形態では、演出状態がAT状態に設定され、かつリプレイの抽選状態がリプレイ高確率状態Aあるいはリプレイ高確率状態Bに設定されている遊技区間が、当選した小役の種類を報知する演出を表示装置330や音響装置340に実行させる特別演出区間である。特別演出区間では、当選した小役の種類を報知する演出が行われる。従って、遊技者は、報知された種類の小役を揃えることが可能となる。その結果、特別演出区間以外の遊技空間よりも小役の入賞率が高くなるため、遊技者の手持ちメダルが増加しやすくなる。
【0091】
なお、以上説明した実施形態に係る遊技機1の機能は、コンピュータシステム(ゲームシステムを含む)によって仮想的に実現することができる。仮想的に実現するとは、物理的なスイッチ、ボタンなどの操作部品、ランプなどの表示部品を用いる代わりに、ディスプレイ上にコンピュータグラフィックスを用いて表示されるオブジェクトで実現することを意味する。このようなシステムでは、実施形態に係るメイン基板110やサブ基板120としてのコンピュータを機能させるプログラムを、CD、DVDなどの情報記憶媒体から読み込み、又はインターネット上のWebサーバからネットワークを介してダウンロードすることで、その機能を実現できる。また、上記コンピュータシステムでは、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240などは、キーボードやポインティングデバイス(例えば、マウス)、又はコントローラなどの操作手段に対してそれらの機能を割り当てることにより実現することができる。また、上記コンピュータシステムでは、リールユニット310、ホッパーユニット320などは必須の構成要件ではない。これらの装置ユニットは、ディスプレイに表示出力される画像の制御によってそれらの機能を仮想的に実現することができる。
【0092】
<処理>
次に上述した実施形態に係る遊技機1で実行される処理について説明する。以下に説明する処理は、遊技機1の制御基板100によって実行される。
【0093】
<<基本的な処理>>
まず、実施形態に係る遊技機1で実行される基本的な処理の流れについて説明する。図7は、実施形態に係る遊技機で実行される基本的な処理のフローチャートである。ステップS01では、遊技を行うために必要なメダルの投入を受け付ける投入受付処理が行われる。具体的には、まず遊技者がメダル投入口9にメダルを投入し、又は遊技者がベットボタン13を押下してベットスイッチ220が作動することにより予め遊技機内にクレジットされたメダルが投入状態に設定される。前回の遊技でリプレイが入賞した場合には、前回の遊技におけるリプレイ入賞時のリプレイ処理によって遊技者の手持ちのメダルを要さずに、遊技機側で自動的に前回の遊技と同じ投入数のメダルが投入状態に設定される。メダルが投入状態に設定されると、ステップS02へ進む。
【0094】
ステップS02では、遊技開始条件として設定されている規定投入数(例えば、3枚)のメダルの投入が完了したか判定される。具体的には、メダル投入スイッチ210からの信号、又はベットスイッチ220からの信号に基づいて、規定投入数(例えば、3枚)のメダルの投入が完了したか判定される。処理規定投入数のメダルが投入されたと判定されると、ステップS03へ進む。一方、規定投入数のメダルが投入されたと判定されなかった場合、再度ステップS01へ戻る。
【0095】
ステップS03では、スタートレバー14が押下されたか否かが判定される。スタートレバー14が押下されるとスタートスイッチ230が作動しスタート信号が制御基板100に入力される。その結果、スタートレバー14が押下されたと判定される。スタートレバー14が押下されたと判定されると、ステップS04へ進む。一方、スタートレバーが押下されたと判定されなかった場合、再度ステップS03へ戻る。
【0096】
ステップS04では、内部抽選が行われるとともに、内部抽選の抽選結果としての抽選結果の信号がサブ基板120に通知される。内部抽選では、スタートスイッチ230の作動に伴って取得した乱数値が、遊技状態に応じて選択される内部抽選テーブルA〜Eと比較することによって役の当否が決定され、当選役のフラグが当選状態に設定される。抽選結果の信号がサブ基板120に通知されると、ステップS05へ進む。
【0097】
ステップS05では、前回の遊技におけるスタートレバー14の押下時点からの最小の時間(例えば、4.1秒)が経過しているか否か判定される。換言すると、ウェイト時間中か否か判定される。ウェイト時間中でないと判定された場合、ステップS06へ進む。一方、ウェイト時間中と判定された場合、ステップS10へ進み、ウェイト時間中の演出処理が実行される。ウェイト時間中の演出処理については、後述する。
【0098】
ステップS06では、第1リールR1〜第3リールR3の回転が開始される。具体的には、リール制御手段130は、遊技者がスタートレバー14の押下操作(開始操作)を行うことにより作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、第1リールR1〜第3リールR3をステップモータにより回転駆動させる。次にステップS07では、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定速度に達すると、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3に対する停止操作が有効化され、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の停止操作に応答して回転中の第1リールR1〜第3リールR3を停止させるリール停止制御が実行される。リール停止制御が実行され、第1リールR1〜第3リールR3の全てが停止すると、ステップS08へ進む。
【0099】
ステップS08では、第1リールR1〜第3リールR3の停止状態に基づいて入賞判定が行われる。本実施形態では、有効ラインL1〜L5上に役の入賞形態を示す図柄組合せが表示されたか否かに基づいて、役の入賞の有無が判定される。そして入賞判定の結果、役が入賞したと判定された場合、ステップS09へ進み、入賞役に応じたメダルの払出しが行われ、一連の処理が終了する。また、役が入賞していない場合には、そのまま一連の処理が終了する。
【0100】
<<ウェイト時間中の演出処理>>
(ステップアップ演出)
次に、ウェイト時間中の演出処理について説明する。まず、ウェイト時間中の演出処理の一例として、ステップアップ演出を実行する場合について説明する。ここで、図8は、ステップアップ演出の例を説明する図である。図8は、7段階からなるステップアップ演出の例を示す。この7段階からなるステップアップ演出は、ステップアップ演出1から4がウェイト時間中への前倒しをしない通常時に演出することを目的した既定の演出である。そして、ステップアップ演出5から7がウェイト時間中への前倒しを考慮した追加の演出である。ステップアップ演出1から7は、夫々以下単に演出1から7ともいう。演出4はボーナスが成立又は役が入賞していることを報知する。演出1から演出3は、演出4に向けて徐々に期待度を高めるもので、例えば演出1はボーナス成立又は役の入賞の期待度が10%程であることを報知し、演出2はボーナス成立又は役の入賞の期待度が40%ほどであることを報知し、演出3はボーナス成立又は役の入賞の期待度が80%ほどであることを報知する。演出5から演出7も既定されたものであるが、演出5から演出7はウェイト時間中への前倒しを実行しない限り出現しない演出である点で、演出1から演出4とは異なる。演出5は、ビッグボーナスが成立したことを報知する。演出6は、ビッグボーナスBB1、ビッグボーナスBB2の何れが成立したかを報知する。演出7は、発動条件が他の演出と比較して成立し難く設定されているプレミアム映像を出力する。プレミアム映像を出力する発動条件には、特定の操作が行われた場合や、演出データ記憶手段191Sに記憶されている演出データのうち選択確率が相対的に低い演出データが抽選により選択された場合が例示される。特定の操作が行われた場合として、本実施形態では、ウェイト時間中に停止操作が6回行われることを発動条件として、プレミアム映像が出力される。
【0101】
図9に示すように、パターン1では、第1リールR1〜第3リールR3の回転を契機に演出1が実行される。その後、第1停止(最初に押下されたストップボタン)を契機に演出2が実行され、第2停止(2番目に押下されたストップボタン)を契機に演出3が実行され、第3停止(3番目に押下されたストップボタン)を契機に演出4が実行されるよう、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の夫々と各演出が予め関連付けられている。なお、パターン2は、ウェイト時間中に演出1のみが前倒しで実行され、その後演出2から5が実行されるパターンである。パターン3は、ウェイト時間中に演出1、2が前倒しで実行され、その後演出3から6が実行されるパターンである。また、パターン4は、ウェイト時間中に演出1から3が前倒しで実行され、その後演出4から7が実行されるパターンである。なお、図9や図10における第1停止とは、最初の停止操作を意味し、第2停止とは、2番目の停止操作を意味し、第3停止とは3番目の停止操作を意味する。すなわち、第1、第2、第3は時系列を意図したものであり、押下される第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3は何れでもよい。
【0102】
(パターン1)
パターン1は、スタートレバー14の押下直後の判定でウェイト時間中でないと判定された場合のパターンである。換言すると、パターン1は、ウェイト時間中に演出を前倒ししない従来のパターンであり、ウェイト時間経過後に、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3が押下された場合に選択されるパターンである。パターン1は、図10
AのステップS21、ステップS22、及び図10BのステップS41〜48を実行することで実現される。ステップS21では、スタートレバー14の押下が検知される。ステップS21は、先に説明したステップS03に対応するので、説明は簡略化する。なお、以下の説明においても、既に説明した事項については、対応関係を示した上で、説明は簡略化するものとする。スタートレバー14が押下されると、ステップS22へ進む。
【0103】
ステップS22(ステップS05に対応)では、ウェイト時間中か否か判定される。ウェイト時間中でないと判定された場合、ステップS41へ進む。一方、ウェイト時間中と判定された場合、ステップS23へ進む。ウェイト時間中でないと判定された場合の処理、すなわちステップS41からステップS48までの処理は、内部抽選の抽選結果に応じて実行される既定の演出であり、図9のパターン1が例示される。
【0104】
ステップS41(ステップS06に対応)では、第1リールR1〜第3リールR3の回転が開始される。第1リールR1〜第3リールR3の回転が開始されると、ステップS42へ進む。
【0105】
ステップS42では、例えばステップアップ演出の最初の演出である演出1が実行される。具体的には、演出制御手段180は、サブメモリ190Sの演出データ記憶手段191Sに記憶されている演出データに基づいて、液晶ディスプレイ8に演出1に対応する映像を表示させるとともに、液晶ディスプレイ8に表示する映像に対応する音声をスピーカSP1、2から出力させる。演出1が実行されると、ステップS43へ進む。
【0106】
ステップS43では、リールの回転開始後に最初に押下されたストップボタン(例えば、順押しであれば第1ストップボタンB1。以下、順押しを例に説明する。)の押下が検知される。リール制御手段130は、第1ストップボタンB1の押下操作を契機に、抽選結果に応じた態様で回転中の第1リールR1を停止させる。次に、ステップS44では、例えばステップアップ演出の2段階目の演出である演出2が実行される。演出2も演出1と同様に液晶ディスプレイ8に表示され、対応する音声がスピーカSP1、2から出力される。なお、後述する他の演出(例えば、演出3から7)についても演出の態様は同じであるので、以下説明は簡略化する。演出2が実行されると、ステップS45へ進む。
【0107】
ステップS45では、2番目に押下されたストップボタン(順押しを例とする本実施形態では第2ストップボタンB2。)の押下が検知される。リール制御手段130は、第2ストップボタンB2の押下操作を契機に、抽選結果に応じた態様で回転中の第2リールR2を停止させる。次に、ステップS46では、例えばステップアップ演出の3段階目の演出である演出3が実行される。演出3が実行されると、ステップS47へ進む。
【0108】
ステップS47では、3番目に押下されたストップボタン(順押しを例とする本実施形態では第3ストップボタンB3)の押下が検知される。制御手段130は、第3ストップボタンB3の押下操作を契機に、抽選結果に応じた態様で回転中の第3リールを停止させる。次に、ステップS48では、例えばステップアップ演出の4段階目の演出である演出4が実行される。演出4はボーナスが成立していることを報知するものである。演出4が実行されると、ステップアップ演出が終了する。本実施形態では、演出4においてボーナスが成立又は役が入賞していることが報知される。従って、遊技者は、所定のタイミングで、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3を押下操作することで、ビッグボーナスBB1、ビッグボーナスBB2、スイカ、ベルを、有効ラインL1〜L5上に停止させることが可能となる。
【0109】
(パターン2)
次に、図9のパターン2について説明する。パターン2は、ステップアップ演出のうち
の最初の演出1がウェイト時間中に前倒しで実行される場合を示す。パターン2は、ウェイト時間中に、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3のうちの1つのストップボタン(順押しを例とする本実施形態では第1ストップボタンB1)が押下された場合に選択されるパターンである。パターン2は、図10AのステップS21〜25、及び図10CのステップS51〜57−1を実行することで実現される。ステップS21、22は、パターン1と同様である。ステップS22において、ウェイト時間中と判定された場合、ステップS23へ進む。ステップS23では、最初に押下されるストップボタン(順押しを例とする本実施形態では第1ストップボタンB1。)が押下されたか否か判定される。具体的には、リール制御手段130が、ストップスイッチ240から出力されるリール停止信号を取得することで第1ストップボタンB1が押下されたと判定する。第1ストップボタンB1が押下されたと判定された場合、ステップS24へ進む。一方、第1ストップボタンB1が押下されたと判定されなかった場合、ステップS22へ戻る。
【0110】
ステップS24では、例えば演出1が実行される。ステップS24では、10BのステップS42と異なり、第1リールR1〜第3リールR3の回転開始後に実行される予定であった演出1が前倒しでウェイト時間中に実行されることになる。演出1が実行されると、ステップS25へ進む。
【0111】
ステップS25では、再度、ウェイト時間中か否か判定される。ウェイト時間中でないと判定された場合、ステップS51へ進む。一方、ウェイト時間中と判定された場合、ステップS26へ進む。ウェイト時間中でないと判定された場合の処理、すなわちステップS51からステップS57−1までの処理は、先に説明したステップS41からステップS48までの処理が1段階前倒しで実行される処理に対応する。よって、ステップS51からステップS57の説明は、簡略化する。
【0112】
ステップS51では、第1リールR1〜第3リールR3の回転が開始される。なお、ステップS51は、ステップS41と異なり、第1リールR1〜第3リールR3の回転開始は、ウェイト時間を経過、換言すると遊技の進行が一時的に停留していた状態が解除されることで実現される。第1リールR1〜第3リールR3の回転が開始されると、ステップS52へ進む。
【0113】
ステップS52では、例えば演出2が実行される。演出2が実行されると、ステップS53へ進む。ステップS53では、第1リールR1〜第3リールR3の回転開始後に最初に押下されるストップボタン(順押しを例とする本実施形態では第1ストップボタンB1。)の押下が検知される。次に、ステップS54では、例えば演出3が実行される。演出3が実行されると、ステップS55へ進む。
【0114】
ステップS55では、2番目に押下されるストップボタン(順押しを例とする本実施形態では第2ストップボタンB2)の押下が検知される。次に、ステップS56では、例えば演出4が実行される。演出4が実行されると、ステップS57へ進む。ステップS57では、3番目に押下されるストップボタン(順押しを例とする本実施形態では第3ストップボタンB3)の押下が検知される。次に、ステップS57−1では、例えば演出5が実行される。演出5が実行されると、ステップアップ演出が終了する。遊技者は、所定のタイミングで、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3を押下操作することで、ビッグボーナスBB1、又はビッグボーナスBB2を、有効ラインL1〜L5上に停止させることが可能となる。
【0115】
(パターン3)
次に図9のパターン3について説明する。パターン3は、演出1、2がウェイト時間中に前倒しで実行され、その後演出3から6が実行されるパターンである。パターン3は、
ウェイト時間中に、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3のうちの2つのストップボタン(順押しを例とする本実施形態では第1ストップボタンB1及び第2ストップボタンB3)が押下された場合に選択されるパターンである。パターン3は、図10AのステップS21〜28、及び図10DのステップS61〜66−1を実行することで実現される。ステップS21〜25は、パターン2と同様である。ステップS25において、ウェイト時間中と判定された場合、ステップS26へ進む。ステップS26では、2番目に押下されたストップボタン(順押しを例とする本実施形態では第2ストップボタンB2)の押下が検知されたか否か判定される。第2ストップボタンB2が押下されたと判定された場合、ステップS27へ進む。一方、第2ストップボタンB2が押下されたと判定されなかった場合、ステップS25へ戻る。
【0116】
ステップS27では、例えば演出2が実行される。ステップS27では、図10CのステップS52と異なり、第1リールR1〜第3リールR3の回転開始後に実行される予定であった演出2が前倒しでウェイト時間中に実行されることになる。演出2が実行されると、ステップS28へ進む。
【0117】
ステップS28では、再度、ウェイト時間中か否か判定される。ウェイト時間中でないと判定された場合、ステップS61へ進む。一方、ウェイト時間中と判定された場合、ステップS29へ進む。ウェイト時間中でないと判定された場合の処理、すなわちステップS61からステップS66−1までの処理は、先に説明したステップS41からステップS48までの処理が2段階前倒し(ステップS51からステップS57までの処理が1段階前倒し)で実行される処理に対応する。よって、ステップS61からステップS66−1の説明は、簡略化する。
【0118】
ステップS61では、第1リールR1〜第3リールR3の回転が開始される。なお、ステップS61は、ステップS51と異なり、第1リールR1〜第3リールR3の回転開始は、ウェイト時間を経過、換言すると遊技の進行が一時的に停留していた状態が解除されることで実現される。第1リールR1〜第3リールR3の回転が開始されると、ステップS62へ進む。
【0119】
ステップS62では、例えば演出3が実行される。演出3が実行されると、ステップS63へ進む。ステップS63では、リールの回転開始後に最初に押下されるストップボタン(順押しを例とする本実施形態では第1ストップボタンB1。)の押下が検知される。次に、ステップS64では、例えば演出4が実行される。演出4が実行されると、ステップS65へ進む。
【0120】
ステップS65では、第1リールR1〜第3リールR3の回転開始後に2番目に押下されたストップボタン(順押しを例とする本実施形態では第2ストップボタンB2)の押下が検知される。次に、ステップS65−1では、例えば演出5が実行される。次に、ステップS66では、第1リールR1〜第3リールR3の回転開始後に3番目に押下されたストップボタン(順押しを例とする本実施形態では第3ストップボタンB3)の押下が検知される。次に、ステップS66−1では、例えば演出6が実行される。演出6が実行されると、ステップアップ演出が終了する。遊技者は、所定のタイミングで、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3を押下操作することで、報知された、ビッグボーナスBB1、又はビッグボーナスBB2を、有効ラインL1〜L5上に停止させることが可能となる。
【0121】
(パターン4)
次に図9のパターン4について説明する。パターン4は、演出1から3がウェイト時間中に前倒しで実行され、その後演出4から7が実行されるパターンである。パターン3は
、ウェイト時間中に、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3(本実施形態では、順押しで第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3)が全て押下された場合に選択されるパターンである。パターン4は、図10AのステップS21〜35−1を実行することで実現される。ステップS21〜28については、パターン3と同様である。ステップS28において、ウェイト時間中と判定された場合、ステップS29へ進む。ステップS29では、3番目に押下されたストップボタン(順押しを例とする本実施形態ではストップボタンB3)が押下されたか否か判定される。第3ストップボタンB3が押下されたと判定された場合、ステップS30へ進む。一方、第3ストップボタンB3が押下されたと判定されなかった場合、ステップS28へ戻る。
【0122】
ステップS30では、例えば演出3が実行される。ステップS30では、図10DのステップS62と異なり、第1リールR1〜第3リールR3の回転開始後に実行される予定であった演出3が前倒しでウェイト時間中に実行されることになる。演出3が実行されると、ステップS31へ進む。
【0123】
ステップS31では、リールの回転が開始される。このリールの回転開始は、ウェイト時間の終了を契機に行われるものである。具体的には、リール制御手段130は、スタートスイッチ230からのウェイト時間が終了した旨の信号に基づいて、第1リールR1〜第3リールR3をステップモータにより回転駆動させる。第1リールR1〜第3リールR3の回転が開始されると、ステップS32へ進む。
【0124】
ステップS32では、例えば演出4が実行される。演出4が実行されると、ステップS33へ進む。ステップS33では、リールの回転開始後に最初に押下されるストップボタン(順押しを例とする本実施形態では第1ストップボタンB1。)の押下が検知され、第1リールR1が停止する。次に、ステップS33−1では、例えば演出5が実行される。次に、ステップS34では、第2ストップボタンB2の押下が検知され、第2リールR2が停止する。次に、ステップS34−1では、例えば演出6が実行される。次に、ステップS35では、第3ストップボタンB3の押下が検知され、第3リールR3が停止する。次に、ステップS35−1では、例えば演出7が実行される。演出7が実行されると、ステップアップ演出が終了する。遊技者は、演出7のプレミアム映像を確認後、所定のタイミングで、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3を押下操作することで、報知された、ビッグボーナスBB1、又はビッグボーナスBB2を、有効ラインL1〜L5上に停止させることが可能となる。
【0125】
以上説明したウェイト時間中にステップアップ演出(演出1から7)を実行する態様によれば、ウェイト時間が発生しなかったとしても実行される演出1から4、換言すると遊技の進行上必要である演出1から4が、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の押下操作を契機に前倒しで実行される。従って、ウェイト時間を待ちきれずに行った第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の押下操作が無駄になることもない。そのため、遊技者は、ウェイト時間においても、自ら行った第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の押下操作に応じて遊技が進行していると感じることができる。その結果、ウェイト時間における遊技者のストレスを低減して、遊技を行う意欲の喪失を防止することができる。
【0126】
また、ウェイト時間経過後に実行する演出を前倒しで実行すると、ウェイト時間経過後の演出が不十分になることが懸念される。すなわち、ウェイト時間経過後においては、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の押下操作を行うことになるが、演出1から3が前倒しされた結果、演出が何も行われないと、ウェイト時間経過後において遊技者が退屈することが懸念される。しかしながら、上記態様では、パターン2では演出5、パターン3では演出5、6、パターン4では演出5から7が、ウェイト時間の経過後にお
いて実行される。これにより、ウェイト時間経過後において、遊技者は退屈することなく遊技を行うことができる。また、演出5から7は、演出1から4を更にステップアップさせた発展の演出である。従って、ステップアップ演出がより面白みのある演出となる。その結果、ウェイト時間中にステップアップ演出が実行される際の期待度をより高めることができる。
【0127】
(押し順チャレンジ演出)
次に、ウェイト時間中の演出処理の他の例として、押し順の正解又は不正解を演出する押し順チャレンジ演出を実行する場合について説明する。本実施形態では、最初に押下される第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3によって正解、不正解が決定される3択を例に説明する。図11は、実施形態に係る遊技機で実行されるウェイト時間中の演出処理(押し順チャレンジ演出)を説明する図である。図11において、「左押下」は第1ストップボタンB1が押下されたことを意味し、「中押下」は第2ストップボタンB2が押下されたことを意味し、「右押下」は第3ストップボタンB3が押下されたことを意味する。
【0128】
(パターン5)
図11のパターン5は、従来どおりウェイト時間以外で押し順に応じた演出が実行されるパターンを示す。パターン5は、ウェイト時間経過後に、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3が押下された場合に選択されるパターンである。演出制御手段180によって正解の際の停止制御が実行された場合、「正解」の旨の演出が実行される。また、演出制御手段180によって不正解の際の停止制御が実行された場合、「不正解」の旨の演出が実行される。
【0129】
図11のパターン6から8は、ウェイト時間中に押し順に応じた演出を実行するパターンである。ウェイト時間中に正解である旨の演出が実行された場合(後述するパターン8)、遊技者は、ウェイト時間中に正解の押し順を確認できる。従って、遊技者は、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の回転開始後、上記正解の押し順で第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3を押下すればよい。また、ウェイト時間中に正解である旨の演出が実行されなかった場合(後述するパターン6、7)でも、遊技者は、ウェイト時間中に不正解の押し順を確認できる。従って、遊技者は、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の回転開始後、上記不正解の押し順以外で第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3を押下すればよい。つまり、遊技者は、ウェイト時間中に正解の押し順の絞込みを行うことができる。以下、パターン6から8について、より詳しく説明する。
【0130】
(パターン6)
図11のパターン6は、ウェイト時間中に押し順が不正解である旨の演出を実行するパターンであり、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3が1回ずつ押下され、最終的に押し順が不正解である旨の演出が実行されるパターンである。具体的には、パターン6は、押し順の正解が「右押下→中押下/左押下→左押下/中押下」である場合において、「左押下→中押下→右押下」の押し順で押下され、不正解(失敗)である旨の演出が実行されるパターンである。この場合、遊技者は、ウェイト時間中に、「左押下→中押下→右押下」の押し順が不正解であることが確認できる。従って、第1リールR1〜第3リールR3の回転開始後は、上記不正解の押し順以外の押し順で第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3を押下すればよい。
【0131】
(パターン7)
図11のパターン7も、ウェイト時間中に押し順が不正解である旨の演出を実行するパターンである。但し、パターン7は、パターン6に加えて、更に第1ストップボタンB1
〜第3ストップボタンB3のうちボタンが2回押下され、押し順に応じた演出を実行するパターンである。具体的には、パターン7は、押し順の正解が「右押下→中押下/左押下→左押下/中押下」である場合において、「右押下→左押下→中押下」の押し順で押下され、不正解(失敗)である旨の演出が実行され、更に「中押下→左押下」の押し順で押下されたパターンである。この場合、「右押下→左押下→中押下」の押し順は、不正解であることが確認できる。従って、リールの回転後は、上記不正解の押し順以外の押し順で第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3を押下すればよい。
【0132】
(パターン8)
図11のパターン8は、パターン7に加えて、更に第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3のうちボタンが1回押下され、最終的に押し順に正解した旨の演出が実行されるパターンである。具体的には、パターン8は、押し順の正解が「右押下→中押下/左押下→左押下/中押下」である場合において、「左押下→中押下→右押下」の押し順で押下され、不正解(失敗)である旨の演出が実行され、更に「右押下→中押下→左押下」の押し順で押下され、正解である旨の演出が実行されるパターンである。この場合、「右押下→中押下→左押下」の押し順は、正解であることが確認できる。従って、第1リールR1〜第3リールR3の回転後は、上記正解の押し順で第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3を押下すればよい。この場合、正解の停止制御が実行され、最初に第3ストップボタンB3を押下すると、第3リールR3ではベルが引き込まれる。ベルは、押下操作のタイミングに拘わらず引き込めるよう配置されていることから、第1ストップボタンB1、第2ストップボタンB2の押下順序に拘わらず、第1リールR1、第2リールR2においてもベルを引き込む停止制御が行われる。その結果、ベルが入賞する。
【0133】
次に、図12に示すフローチャートに基づいて説明する。ステップS71では、スタートレバー14が押下される。ステップS71は、基本的な処理で説明したステップS03に対応する。スタートレバーが押下されると、ステップS72へ進む。
【0134】
ステップS72(ステップS05に対応)では、ウェイト時間中か否か判定される。ウェイト時間中でないと判定された場合、ステップS80へ進む。一方、ウェイト時間中と判定された場合、ステップS73へ進む。ウェイト時間中でないと判定された場合の処理、すなわちステップS80からステップS86までの処理は、内部抽選の抽選結果に応じて実行される既定の演出であり、図12のパターン5が例示される。
【0135】
ステップS73では、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の全てのボタンが押下されたか否か判定される。具体的には、リール制御手段130が、ストップスイッチ240から出力されるリール停止信号を取得することで第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の全てのボタンが押下されたことを検知できる。演出制御手段180は、リール停止信号を取得することで、ストップボタンが押下されたか否かを判定することができる。第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の全てのボタンが押下されたと判定された場合、ステップS74へ進む。一方、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の全てのボタンが押下されたと判定されなかった場合、ステップS72へ戻る。なお、ステップS72では、リール制御手段130はウェイト時間中であると判定している。従って、リール制御手段130は、これを契機に第1リールR1〜第3リールR3の回転駆動の開始をウェイト時間中でないと判定されるまで保留させる。また、ウェイト時間中であることから、リール制御手段130は、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の押下操作が行われても、リールを停止させる処理を実行しないことになる。
【0136】
ステップS74では、押し順が正解か否か判定される。具体的には、演出制御手段180は、ストップスイッチ240から出力されるリール停止信号から特定される押し順と、
内部抽選手段125で抽選された正解の押し順とを比較する。双方の押し順が一致している場合、出制御手段180は、正解の押し順と判定する。この場合、ステップS75へ進む。一方で、双方の押し順が一致していない場合、出制御手段180は、不正解(失敗)の押し順と判定する。この場合、ステップS76へ進む。
【0137】
ステップS75では、正解した旨の演出が実行される。すなわち、演出制御手段180は、サブメモリ190Sの演出データ記憶手段191Sに記憶されている演出データに基づいて、液晶ディスプレイ8に演出4に対応する映像(例えば、「正解!」)を表示させるとともに、液晶ディスプレイ8に表示する映像に対応する音声をスピーカSP1、2から出力させる。その結果、遊技者は、ウェイト時間中に、正解の押し順を知ることができる。正解した旨の演出が実行されると、ステップS80へ進む。
【0138】
一方で、ステップS76では、押し順が不正解である旨の演出が実行される。演出制御手段180は、サブメモリ190Sの演出データ記憶手段191Sに記憶されている演出データに基づいて、ステップS75における「正解」に代えて例えば、「不正解!」の旨の演出を実行する。その結果、遊技者は、ウェイト時間中に、正解の押し順の絞り込みを行うことができる。不正解である旨の演出が実行されると、ステップS72へ戻る。
【0139】
ステップS80では、リールの回転が開始される。なお、スタートレバーの押下後、ステップS72で少なくとも一度でもウェイト時間中であると判定された後にステップS80へ進んだ場合、ステップS80におけるリールの回転開始は、遊技の進行が一時的に停留していた状態が解除されることで実現される。第1リールR1〜第3リールR3の回転が開始されると、ステップS81へ進む。
【0140】
ステップS81では、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の全てのボタンが押下されたか否か判定される。第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3が押下されたと判定された場合、ステップS82へ進む。一方、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3が押下されたと判定されなかった場合、ステップS81へ戻る。
【0141】
ステップS82では、押し順が正解か否か判定される。双方の押し順が一致している場合、出制御手段180は、正解の押し順と判定する。この場合、ステップS83へ進む。一方で、双方の押し順が一致していない場合、出制御手段180は、不正解(失敗)の押し順と判定する。この場合、ステップS84へ進む。
【0142】
ステップS83では、正解した旨の演出が実行される。正解した旨の演出が実行されると、処理が終了する。一方で、ステップS84では、押し順が不正解である旨の演出が実行される。不正解である旨の演出が実行されると、処理が終了する。
【0143】
以上説明したウェイト時間中に押し順チャレンジ演出を実行する態様によれば、内部抽選によって押し順のある役が決定された場合において、実際の押し順の正解又は不正解の演出が前倒しで実行される。そのため、遊技者は、ウェイト時間中に押し順の正解又は不正解を確認することができる。従って、遊技者はウェイト時間の経過後では、ウェイト時間中に確認した押し順の正解又は不正解を考慮した操作を行うことができる。押し順の正解を既に確認済みであれば、遊技者は正解の押し順に従った操作を行うことができる。押し順の正解を確認できていない場合でも、不正解の押し順を確認済みであることから、遊技者はウェイト時間経過後では、不正解の押し順以外の押し順で操作を行うことができる。従って、ウェイト時間経過後における押し順の正解率を向上することができる。よって、ウェイト時間中の遊技意欲が向上され、押し順の正解率の向上といった新たな技術介入の要素を付与することができる。
【0144】
(その他の実施形態)
上述した実施形態では、前倒しする既定の演出として、ステップアップ演出、当選結果の演出(押し順チャレンジ演出)を例に説明した。なお、図9における演出5から7(図9において星印を付す)は、省略してもよい。すなわち、図10BのステップS57−1、図10DのステップS65−1及びステップS66−1、図10EのステップS33−1、ステップS34−1、及びステップS35−1は省略することができる。これにより、より簡易な処理とすることができ、遊技機1の処理負担を軽減することができる。
【0145】
また、上述した実施形態の押し順チャレンジ演出では、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の全てが押下操作された上で、押し順が正解か否かを判定したが、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の何れか一つが押下された際に、正解か不正解かを判定し、判定結果の演出を実行するようにしてもよい。例えば、「第1ストップボタンB1→第3ストップボタンB3→第2ストップボタンB2」が正解である場合には、最初に「第3ストップボタンB3」又は「第2ストップボタンB2」が押下されると、この時点で不正解と判定され、不正解の旨の演出が実行される。これにより、ウェイト時間中により多くの押し順を試すことができる。その結果、正解の押し順をより絞り込むことができる。
【0146】
また、上述した実施形態の押し順チャレンジ演出では、3択を例に説明したが、押し順チャレンジは6通りの押し順の中に一つの正解が設定された6択でもよい。
【0147】
また、前倒しする演出は、当選した役の種類を報知する演出、役を入賞させるための第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の押下順序を報知する演出、有効ライン上に第2特殊図柄組合せが表示されることを回避することができる第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の押下順序を報知する演出を報知する演出などでもよい。
【0148】
また、上述した実施形態では、ウェイト時間中に第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3が押下されることを契機として、既定の演出1から4が前倒しされる態様について説明した。但し、例えば、ウェイト時間中におけるスタートレバー1の押下や、ベットボタン13の押下などを契機として、既定の演出1から4を前倒しするようにしてもよい。
【0149】
また、演出の前倒しをする遊技状態は、通常状態、ボーナス成立状態、ボーナス状態、リプレイ低確率状態A、リプレイ低確率状態B、リプレイ低確率状態C、リプレイ高確率状態A、リプレイ高確率状態B、リプレイ無抽選状態のいずれでもよい。各状態での演出を操作手段と関連付けて、演出を前倒しするようにしてもよい。なお、例えば上述した当選結果の演出(押し順チャレンジ演出)や、役を入賞させるための第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の押下順序を報知する演出などは、AT状態において実行される。また、AT状態では、ウェイト時間が、特に遊技操作の早い遊技者にとって退屈な時間となりうる。実際に、AT状態では、ウェイト時間を待ちきれずにウェイト時間に停止操作を行ってしまう遊技者も数多く見受けられる。従って、実施形態に係る遊技機1は、ATを搭載した機種に特に好適である。
【0150】
なお、上記した種々の内容は、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲に於いて可能な限り組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0151】
1・・・遊技機
2・・・収納箱
3・・・前面上扉
4・・・前面下扉
5・・・筐体
6・・・表示窓
7・・・遊技情報表示部
8・・・液晶ディスプレイ
13・・・ベットボタン
14・・・スタートレバー
B1〜B3・・・第1ストップボタン〜第3ストップボタン
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にスロットマシンと称される、外周面に図柄が配列された複数のリールを備えた遊技機(正式名称:回胴式遊技機)が知られている。この種の遊技機では、遊技者の開始操作を契機として、内部抽選を行うと共に複数のリールが回転する。また、遊技者の停止操作を契機として、内部抽選の結果に応じた態様で複数のリールが停止する。停止した複数のリールの図柄組み合わせが役の入賞形態を示す図柄組み合わせである場合、役に応じた遊技媒体(メダル)の払い出しが行われる。また、この種の遊技機では、遊技者が一定時間に過度のメダルを投入できないよう、1回の遊技に要する最小の時間(規定時間)が決められている。従って、例えば前回遊技のリール回転開始から今回遊技のリール回転開始までの時間がこの規定時間未満の場合、この種の遊技機では、例えば遊技者が開始操作を行ってもリールが回転せず、又は停止操作ができない状態となる。このように、開始操作や停止操作が行われても遊技の進行が一時的に停留する時間が、いわゆるウェイト時間である。
【0003】
ウェイト時間では、例えば遊技者が開始操作を行ってもリールが回転せず、又は停止操作ができない状態となる。従って、ウェイト時間は、遊技者の思うように遊技が進行しないことから、遊技者にストレスを与えて遊技者が遊技を行う意欲を喪失させるおそれがある。このような問題に鑑み、従来よりいくつかの技術が提案されている。例えば、特許文献1には、ウェイトタイム中(ウェイト時間中に相当)に特有の演出画面を液晶表示器に表示する技術が開示されている。その他、ウェイト時間に関する技術として、例えば特許文献2から4に記載の技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−126172号公報
【特許文献2】特開2007−252558号公報
【特許文献3】特開2008−178448号公報
【特許文献4】特開2005−111087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ウェイト時間中にウェイト時間特有の演出画面を液晶表示器に表示する従来技術によれば、ウェイト時間中に一切演出を行わない場合と比較すると、遊技者のストレスを軽減することができる。但し、ウェイト時間特有の演出画面は、文字通りウェイト時間中に表示することを目的として特別に用意された演出画面である。つまり、上記従来技術は、ウェイト時間が発生しなければ実行されない演出、換言すると遊技の進行上必要とされていなかった演出を遊技者の退屈しのぎのためにあえて実行しているにすぎない。また、ウェイト時間を待ちきれずに遊技者がウェイト時間中に停止操作等を行うことがあるが、ウェイト時間中における停止操作等は遊技を進める上で無駄な操作となってしまう。遊技者はウェイト時間において思うように遊技が進行しないことに最もストレスを感じており、この点が上記従来技術では改善されておらず、遊技性に乏しかった。
【0006】
本発明は、遊技機のウェイト時間における遊技性を向上することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、上述した課題を解決するため、ウェイト時間中に操作が行われた場合に、ウェイト時間経過後に実行する既定の演出を前倒しで行うこととした。
【0008】
より詳細には、本発明に係る遊技機は、外周面に複数の図柄が配列された複数のリールと、前記複数のリールの回転を開始させる開始操作部と、回転中の前記複数のリールを個別に停止させる停止操作部とを少なくとも含む、遊技者からの操作を受け付ける操作手段と、前記開始操作部に対する操作を契機に役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、前記開始操作部に対する操作を契機に前記複数のリールを回転させ、前記停止操作部に対する操作を契機に前記内部抽選手段による抽選結果に応じた態様で回転中のリールを停止させるリール制御手段と、前記内部抽選手段による内部抽選の結果に応じた演出を決定し、決定した演出を実行する演出制御手段と、1回の遊技に要する時間が規定時間に満たない場合、前記リール制御手段を制御して遊技の進行を一時的に停留させるウェイト処理手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記遊技の進行が一時的に停留するウェイト時間中に前記操作手段に対する所定操作が行われた場合、前記ウェイト時間の経過後に実行する既定の演出を、前記ウェイト時間中に前倒しで実行することを特徴とする。
【0009】
本発明に係る遊技機では、ウェイト時間が発生しなかったとしても実行される演出、換言すると遊技の進行に伴って行われる演出が、所定操作を契機に前倒しで実行される。よって、ウェイト時間を待ちきれずに行った所定操作が無駄になることもなく、この所定操作を有効に生かすことができる。これにより、ウェイト時間においても遊技者の思うように遊技が進行していると遊技者が感じることができ、遊技を行う意欲の喪失を防止できる。また、思うように進行せずにストレスを感じる従来技術と比較して、遊技性を向上させることができる。
【0010】
ウェイト時間経過後に実行される既定の演出とは、ウェイト時間の発生の有無に拘らず、演出制御手段が内部抽選の結果に応じて決定する演出である。演出には、音、光、映像等で表現される種々の演出が含まれる。本発明では、ウェイト時間の発生とウェイト時間中に操作手段に対する所定操作が行われることを条件に、内部抽選の結果に応じて決定された演出が前倒しで実行される。操作手段は、遊技者からの操作を受け付けるものであればよく、開始操作部や停止操作部以外のものも含む。所定操作とは、操作手段を構成する各操作部に対応した操作である。所定操作には、例えば、リールの回転を開始させる操作、リールを停止させる操作が含まれる。既定の演出は、このような所定操作と関連付けて前倒しで実行することができる。つまり、ウェイト時間中に所定操作が行われることを条件に、内部抽選の結果に応じて決定された演出であって、この所定操作と予め関連付けがなされた演出が前倒しで実行される。
【0011】
ここで、本発明に係る遊技機では、前記演出制御手段が演出内容を段階的に変化させるステップアップ演出を行う場合において、前記演出制御手段は、前記ウェイト時間中に前記所定操作が行われた場合、前記ウェイト時間の経過後に実行する既定の演出としての前記ステップアップ演出を前倒しで実行するようにしてもよい。
【0012】
既定の演出には種々の演出が含まれるが、本発明は、既定の演出としてステップアップ演出を実行する態様である。本発明では、ウェイト時間中の所定操作を契機にステップアップ演出が実行される。従って、遊技者はウェイト時間中に、ステップアップ演出による効果、例えば何らかの役が当選したかもしれないなどの期待感を得ることができる。また、上記のようにステップアップ演出は演出内容が段階的に変化するものである。従って、従来、遊技者は操作を行ってもその操作が無駄となってしまっていたウェイト時間中に更に操作を行いたいという意欲、すなわち次の段階の演出を確認したいという意欲を持つことができる。なお、本発明では、前記ウェイト時間中に前記所定操作が連続して行われた
場合、この連続して行われる所定操作と連動して前記ステップアップ演出を段階的に前倒しで実行するようにしてもよい。これにより、ウェイト時間中に連続して所定操作が行われても、何れの所定操作も無駄になることはない。従って、遊技者は、更に所定操作を行い次の段階の演出を確認したいという意欲を持つことができる。
【0013】
ここで、本発明に係る遊技機において、前記演出制御手段は、前記ウェイト時間の経過後に実行する既定の演出を、前記ウェイト時間中に前倒しで実行した場合、前記ウェイト時間の経過後に前記既定の演出と異なる追加の演出を実行するようにしてもよい。
【0014】
ここで、本発明では、ウェイト時間中に演出が前倒しで実行された場合、ウェイト時間の経過後において、既定の演出と異なる追加の演出を実行するようにしてもよい。追加の演出は演出の前倒しが無ければ実行されない演出であるので、追加の演出を実行することで、演出が更に多彩化する。これにより、ウェイト時間経過後において、遊技者は退屈することなく遊技を行うことができる。
【0015】
なお、本発明に係る遊技機において、前記演出制御手段が演出内容を段階的に変化させるステップアップ演出を行う場合において、前記演出制御手段は、前記追加の演出を、前記ステップアップ演出を更にステップアップさせて発展の演出として実行するようにしてもよい。
【0016】
本発明は、追加の演出として、ステップアップ演出を発展させた演出を行う態様である。ステップアップ演出を更にステップアップさせて発展の演出として実行することで、ステップアップ演出をより面白みのある演出とすることができる。その結果、ステップアップ演出が実行される際の期待度をより高めることができる。
【0017】
また、本発明に係る遊技機では、前記内部抽選手段が前記内部抽選によって前記停止操作部の押し順が設定された押し順のある役を決定し、前記演出制御手段が前記押し順のある役に対する前記停止操作部の実際の押し順の正解又は不正解の演出を行う場合において、前記演出制御手段は、前記ウェイト時間中に前記所定操作として所定の押し順で停止操作が行われると、前記ウェイト時間の経過後に実行する既定の演出としての前記実際の押し順の正解又は不正解の演出を前倒しで実行することを特徴とするようにしてもよい。
【0018】
本発明では、内部抽選によって押し順のある役が決定された場合において、実際の押し順の正解又は不正解の演出が前倒しで実行される。そのため、遊技者は、ウェイト時間中に押し順の正解又は不正解を確認することができる。従って、遊技者はウェイト時間の経過後では、ウェイト時間中に確認した押し順の正解又は不正解を考慮した操作を行うことができる。押し順の正解を既に確認済みであれば、遊技者は正解の押し順に従った操作を行えばよい。また、押し順の正解を確認できていない場合でも、不正解の押し順を確認済みであることから、遊技者はウェイト時間経過後では、不正解の押し順以外の押し順で操作を行えばよい。従って、本発明によれば、ウェイト時間経過後における押し順の正解率を向上することができる。すなわち、本発明によれば、ウェイト時間中の遊技意欲を向上し、押し順の正解率を向上するといった新たな技術介入の要素を付与することができる。
【0019】
ここで、本発明は、上述した遊技機で実行される処理を実現させるプログラムや、そのようなプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体として特定してもよい。この場合、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。なお、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、又は化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。なお、プログラムは、遊技機用のプログラムのみならず、業務用又は家庭用のテレビゲー
ム機、インターネットに接続可能なモニタ付コンピュータ等に組み込まれることにより、それらを遊技機として機能させるためのプログラムも含む。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、遊技機のウェイト時間における遊技性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。
【図2】実施形態に係る遊技機のリールの図柄配列を説明する図である。
【図3】実施形態に係る遊技機の機能ブロック図である。
【図4】実施形態に係る遊技機における内部抽選テーブルを説明する図である。
【図5A】実施形態に係る遊技機における入賞役と図柄組み合わせとの関係を説明する図である。
【図5B】実施形態に係る遊技機における重複役の当選エリアの例を説明する図である。
【図6】実施形態に係る遊技機における遊技状態の状態遷移図である。
【図7】実施形態に係る遊技機で実行される基本的な処理のフローチャートである。
【図8】ステップアップ演出の例を説明する図である。
【図9】実施形態に係る遊技機で実行されるウェイト時間中の演出処理(ステップアップ演出)を説明する図である。
【図10A】実施形態に係る遊技機で実行されるウェイト時間中の演出処理(ステップアップ演出)のフローチャート(1)である。
【図10B】実施形態に係る遊技機で実行されるウェイト時間中の演出処理(ステップアップ演出)のフローチャート(2)である。
【図10C】実施形態に係る遊技機で実行されるウェイト時間中の演出処理(ステップアップ演出)のフローチャート(3)である。
【図10D】実施形態に係る遊技機で実行されるウェイト時間中の演出処理(ステップアップ演出)のフローチャート(4)である。
【図10E】実施形態に係る遊技機で実行されるウェイト時間中の演出処理(ステップアップ演出)のフローチャート(5)である。
【図11】実施形態に係る遊技機で実行されるウェイト時間中の演出処理(押し順チャレンジ演出)を説明する図である。
【図12】実施形態に係る遊技機で実行されるウェイト時間中の演出処理(押し順チャレンジ演出)のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面に基づき本発明に係る遊技機の実施形態について説明する。なお、以下に説明する遊技機は例示であり、本発明に係る遊技機は以下に説明する遊技機に限定されるものではない。
【0023】
<外観構成>
実施形態に係る遊技機1は、収納箱2、前面上扉3、および前面下扉4を含む箱形の筐体5を備える。この筐体5には、第1リールR1、第2リールR2、第3リールR3を含むリールユニット310(図3参照)、リールユニット310の下方に設けられ、メダル(遊技媒体)の払出装置としてのホッパーユニット320(図3参照)、遊技機の動作を制御する、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM
(Random Access Memory)等を含む制御基板100(図3参照)等が収容されている。
【0024】
前面上扉3と前面下扉4とは個別に開閉可能である。前面上扉3には、表示窓6、遊技情報表示部7、液晶ディスプレイ8、スピーカSP1が設けられている。前面下扉4には
、各種の操作手段、メダル投入口9、メダル払い出し口10、メダル受け皿11、灰皿12、スピーカSP2が設けられている。
【0025】
図2に示すように、リールユニット310を構成する、第1リールR1、第2リールR2、第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で21の領域(各領域を「コマ」と称する)に区画されている。各コマには、複数種類の図柄のいずれかが配列されている。第1リールR1〜第3リールR3は、リール駆動手段としてのステップモータに軸支され、それぞれステップモータの軸周りに回転駆動される。また、第1リールR1〜第3リールR3は、ステップモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などが制御されることで、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能である。その結果、遊技機1では、ステップモータが制御基板100(図3参照)から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1〜第3リールR3が回転駆動する。そして、制御基板100から駆動パルスの供給が断たれると、ステップモータの回転が停止することに伴って第1リールR1〜第3リールR3が停止する。
【0026】
なお、図柄の配列について言及すると、本実施形態では、リールユニット310を構成する第1リールR1〜第3リールR3の外周面に対して、赤7図柄「赤7」、黒7図柄「黒7」、ベル図柄「ベル」、スイカ図柄A「スイカA」、スイカ図柄B「スイカB」、リプレイ図柄「RP」、ダミー図柄「DUM」が配列されている。ベルは、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の操作順序やタイミングに拘わらず、引き込み可能となっている。一方、スイカA、スイカBは、図2に示すように、取りこぼしが発生するよう配置されている。また、ベルとスイカA若しくはスイカBは、図柄間隔と有効ラインL1からL5との関係から、1のリール(例えば、第1リールR1)について、同時に有効ライン上に表示されることはない。一方、ベルとスイカA、スイカBは、一方の図柄を狙えば必ず他方が引き込み範囲内にあるよう図柄が配置されている。また、スイカAとスイカBとは、図柄間隔と有効ラインL1からL5との関係から、1のリールについて、一方を有効ラインL1からL5上に引き込める操作タイミングで操作した場合、他方は有効ラインL1からL5上へ引き込めないように図柄が配置されている。また、図5Aに示すように、正解役と不正解役の払出し枚数は同一に設定されている。
【0027】
表示窓6は、第1リールR1〜第3リールR3の回転状態及び停止状態を遊技者が視認するための窓である。第1リールR1〜第3リールR3の停止状態では、第1リールR1〜第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が遊技機1の正面から表示窓6を通じて視認可能である。
【0028】
また、本実施形態では、表示窓6を通じて図柄を視認するための表示位置として、第1リールR1〜第3リールR3の夫々に上段、中段、下段が設けられている。また、第1リールR1〜第3リールR3の図柄の表示位置の組合せによって有効ラインL1〜L5が設定されている。有効ラインL1は、第1リールR1の上段、第2リールR2の中段、および第3リールR3の上段の組合せからなる。有効ラインL2は、第1リールR1の上段、第2リールR2の中段、および第3リールR3の下段の組合せからなる。有効ラインL3は、第1リールR1の中段、第2リールR2の中段、および第3リールR3の中段の組合せからなる。有効ラインL4は、第1リールR1の下段、第2リールR2の中段、および第3リールR3の上段の組合せからなる。有効ラインL5は、第1リールR1の下段、第2リールR2の中段、および第3リールR3の下段の組合せからなる。
【0029】
また、表示窓6内の有効ラインL1〜L5に停止表示された図柄組合せによって遊技結果が判断される。有効ラインL1〜L5上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合、その役が入賞したものとしてホッパーユニット320からメダルが
払い出される。なお、本実施形態では、1回の遊技に必要となるメダル数、すなわち規定投入数が3枚である。規定投入数のメダルが投入されることで、有効ラインL1〜L5が設定される。なお規定投入数は、遊技状態に応じて変更することができる。また、規定投入数が複数種類設定されている場合、規定投入数に応じて有効ラインL1〜L5の数や種類を異なるようにしてもよい。
【0030】
遊技情報表示部7は、表示窓6の下方に設けられ、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス遊技の残り回数等の各種遊技情報を表示する。遊技情報表示部7には、LED、ランプ、7セグメント表示器が例示される。
【0031】
液晶ディスプレイ8は、表示窓6の上方に設けられ、遊技状態に応じて各種演出を表示する。例えば、液晶ディスプレイ8には、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(または画像)が表示される。本発明における演出(例えば、ステップアップ演出、当選結果の演出、追加の演出)も液晶ディスプレイ8に表示される。
【0032】
スピーカSP1は、液晶ディスプレイの両側に設けられ、遊技状態に応じて各種演出を行う。スピーカSP1からは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。スピーカSP1から出力される音声も本発明の演出の一態様に含まれる。
【0033】
操作手段は、遊技者からの操作を受け付けるものであり、ベットボタン13、スタートレバー14、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3を含む。ベットボタン13は、前面下扉4の左側(遊技機1の正面に向かって左側)に設けられ、クレジット(貯留)されたメダルの投入操作を受け付ける。スタートレバー14は、ベットボタン13の下方に設けられ、第1リールR1〜第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる操作を受け付ける。スタートレバー14は、本発明の開始操作部に相当する。第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3は、スタートレバー14とほぼ同じ高さかつ前面下扉4の中央付近に設けられ、ステップモータにより回転駆動される第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる操作を受け付ける。第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3は、本発明の停止操作部に相当し、本実施形態では、第1リールR1を停止させるストップボタンB1、第2リールR2を停止させるストップボタンB2、第3リールR3を停止させるストップボタンB3を含む。
【0034】
メダル投入口9は、前面下扉4の右側上部に設けられ、メダルの投入を受け付ける。メダル払い出し口10は、前面下扉4の中央下部に設けられ、遊技の結果に応じた枚数のメダルを払い出す。メダル受け皿11は、メダル払い出し口10の下方に設けられ、メダル払い出し口10から払い出されるメダルを収容する。メダル払い出し口10の両側には、スピーカSP2が設けられている。このスピーカSP2からは、液晶ディスプレイ8の両側に設けられたスピーカSP1と同じく、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。また、メダル受け皿11の左側には、灰皿12が設けられている。
【0035】
<制御基板>
次に、遊技機1を制御する制御基板100について説明する。図3は、実施形態に係る遊技機の機能ブロック図である。制御基板100は、メイン基板110とサブ基板120とを含む。制御基板100には、入力装置200、出力装置300、演出装置400が電気的に接続されている。
【0036】
入力装置200は、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240を含む。メダル投入スイッチ210は、メダル投入
口9に投入されるメダルの枚数を検知し、メダルの投入枚数に対応する信号を出力する。ベットスイッチ220は、ベットボタン13が操作(押下)されたことを検知し、ベットボタン13が操作されたことを示す信号を出力する。スタートスイッチ230は、スタートレバー14が操作されたことを検知し、スタートレバー14が操作されたことを示す信号を出力する。ストップスイッチ240は、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3が操作(押下)されたことを検知し、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3が操作されたことを示す信号を出力する。
【0037】
出力装置300は、リールユニット310、ホッパーユニット320を含む。先に説明したように、リールユニット310は、第1リールR1〜第3リールR3、ステップモータを含む。第1リールR1〜第3リールR3は、リール駆動手段としてのステップモータに軸支され、それぞれステップモータの軸周りに回転駆動される。ホッパーユニット320は、払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出す。ホッパーユニット320は、メダルを1枚払い出す毎に作動する払出メダル検出スイッチ325を備える。払出制御手段150は、払出メダル検出スイッチ325からの信号に基づいてホッパーユニット320から実際に払い出されたメダルの数を管理する。なおメダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合、ホッパーユニット320によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、メインメモリ190Mのクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
【0038】
演出装置400は、表示装置330や音響装置340を含む。表示装置330には、液晶ディスプレイ8が含まれる。また、音響装置340には、スピーカSP1、スピーカSP2が含まれる。
【0039】
メイン基板110は、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等の入力装置200からの信号を受け、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット310や、ホッパーユニット320等の出力装置の動作制御を行う。サブ基板120は、メイン基板110から送られる信号を受けて、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて表示装置330や、音響装置340等の演出装置400の動作制御を行う。またメイン基板110やサブ基板120等の各基板の機能は各種のプロセッサ(CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processing)など)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit、ゲートアレイなど)、ROM
(Read Only Memory、情報記憶媒体の一例)、あるいはRAM(Random Access Memory)などのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0040】
<<メイン基板の詳細>>
メイン基板110は、投入受付手段105、乱数発生手段107、内部抽選手段125、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、リプレイ確率変動手段172、ウェイト処理手段174、通信制御手段176、メインメモリ190Mを備える。
【0041】
投入受付手段105は、規定投入数に相当する3枚のメダルの投入、又はベットボタン13の押下に基づいて、スタートレバー14に対する遊技開始操作を許可する処理を行う。すなわち、投入受付手段105は、メダル投入スイッチ210からの信号、又はベットスイッチ220からの信号に基づいて、スタートレバー14に対する遊技開始操作を許可する処理を行う。遊技機1では、スタートレバー14の押下操作が、第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始させる契機、及び内部抽選を実行する契機となる。なお、遊技
機1では、メダル投入口9にメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入受付手段105が、遊技状態に応じた規定投入数である3枚を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。メダル投入口9に規定投入数である3枚を超えるメダルが投入されると、3枚を超えた分のメダルについては、クレジットメダルとしてメインメモリ190Mのクレジット記憶領域(図示省略)に記憶される。遊技機1にメダルがクレジットされた状態で、ベットボタン13が押下されると、ベットスイッチ220が作動する。これに伴い投入受付手段105が、規定投入数である3枚を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
【0042】
乱数発生手段107は、抽選用の乱数値を発生させる。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0043】
内部抽選手段125は、遊技者がスタートレバー14の押下操作により作動するスタートスイッチ230からの信号(スタート信号ともいう)に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う。内部抽選手段125は、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理などを行う。
【0044】
抽選テーブル選択処理では、メインメモリ190Mの内部抽選テーブル記憶手段191Mに格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかが決定される。遊技機1では、内部抽選テーブル記憶手段191Mに、図4に示すような4種類の内部抽選テーブルA〜Eが記憶されている。そして各抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ(リプレイA〜D)、重複役(1〜3)、小役(スイカA、スイカB、ベル)およびビッグボーナス(BB1、BB2)のいずれかが対応づけられている。なお、図4では、重複役を簡略化している。重複役の詳細は、後述する図5Bの重複役の当選エリアの例で説明する。
【0045】
遊技機1では、リプレイとして、リプレイA、リプレイB、リプレイC、リプレイDが用意されている。ここで、図5Aは、入賞役と図柄組合せと関係を説明する図であり、各種リプレイの図柄組合せについても図5Aで説明されている。これらの各種リプレイは、図4に示すように、重複して当選する場合が存在するように役と乱数値との対応関係が設定されている。内部抽選テーブルAにおけるリプレイの重複パターンには、リプレイA、Bが重複する場合、リプレイA、B、Cが重複する場合、リプレイA、B、Dが重複する場合、リプレイA、Cが重複する場合、リプレイA、Dが重複する場合、リプレイA、C、Dが重複する場合が含まれる。内部抽選テーブルB、内部抽選テーブルC、および内部抽選テーブルDでは、リプレイAが単独で当選する場合が存在するように役と乱数値との対応関係が設定されている。
【0046】
また、遊技機1では、小役として、スイカA、スイカB(スイカA、スイカBを区別する必要が無い場合には、単に「スイカ」と称する。)、ベルが用意されている。そして、内部抽選テーブルA〜Eのそれぞれにおいて、スイカとベルが重複して当選する場合が存在するように役と乱数値との対応関係が設定されている。ここで、図5Bは、重複役の当選エリアの例を説明する図である。本実施形態における重複役(押し順のある小役)は、スイカA、スイカB、ベルが重複当選するように対応づけられている。具体的には、押し順が正解である場合には、ベルが必ず入賞し、押し順が不正解である場合には、スイカの取りこぼしが発生しうる。押し順に応じた停止制御の詳細については、後述する。なお、重複役1、重複役2、重複役3以外の重複役を設けてもよい。この場合、スイカA、スイ
カB、ベルが重複当選するパターンを増やすため、当選エリアを更に多く設定すればよい。
【0047】
次に、遊技機1の遊技状態について説明する。図6に示すように、遊技機1では、遊技状態(内部抽選の状態)として、通常状態、ボーナス成立状態、及びボーナス状態が存在する。また、遊技機1では、更にリプレイの抽選状態として、リプレイ低確率状態A、リプレイ低確率状態B(第1遊技状態、特定遊技状態、特定遊技区間)、リプレイ低確率状態C、リプレイ高確率状態A(第2遊技状態)、リプレイ高確率状態B、リプレイ無抽選状態が設定可能である。そして、抽選テーブル選択処理では、遊技状態とリプレイの抽選状態に応じて内部抽選テーブルA〜Eのいずれか1つが内部抽選で使用する内部抽選テーブルとして選択される。
【0048】
乱数判定処理では、スタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、遊技毎に乱数発生手段107から乱数値(抽選用乱数)が取得される。取得した乱数値について記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段191Mに記憶されている内部抽選テーブルを参照して役に当選したか否かが判定される。
【0049】
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグが非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定される。遊技機1では、2種類以上の役が重複して当選した場合、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。なお抽選フラグの設定情報は、メインメモリ190Mのフラグ記憶手段192Mに格納される。
【0050】
また、遊技機1では、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナスBB1、BB2(以下、ビッグボーナスBB1、BB2を特に区別する必要が無い場合には、単にビッグボーナスまたはBBと称する。)があり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ)は後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、当選したビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が、当選したビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理が行われる。なお、内部抽選手段125は、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、ビッグボーナス以外の役(例えば、小役、リプレイ)についての当否を決定する内部抽選を行う。すなわち、抽選フラグ設定処理では、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選でビッグボーナス以外の役が当選した場合、既に当選しているビッグボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選したビッグボーナス以外の役の抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグが当選状態に設定される。
【0051】
リール制御手段130は、スタートレバー14の押下操作を契機に第1リールR1〜第3リールR3を回転させる。具体的には、リール制御手段130は、遊技者がスタートレバー14の押下操作を行うことにより作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、第1リールR1〜第3リールR3をステップモータにより回転駆動させる。また、リール制御手段130は、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)に達した状態において回転中のリールに対応する第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の押下操作(停止操作)を許可する制御を行うとともに、ステップモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3を抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じて停止させる制御を行う。第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の押下操作は、本発
明の所定操作の一例である。
【0052】
また、リール制御手段130は、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の押下操作を契機に、抽選結果に応じた態様で回転中の第1リールR1〜第3リールR3を停止させる。具体的には、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3に対する押下操作(停止操作)が許可(有効化)された状態において、遊技者が第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3を押下することによりストップスイッチ240が作動すると、ストップスイッチ240からのリール停止信号がリール制御手段130に入力される。リール制御手段130は、このリール停止信号に基づいて、リールユニット310のステップモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれを停止させる制御を行う。すなわちリール制御手段130は、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の各ボタンが押下される毎に、第1リールR1〜第3リールR3のうち押下されたストップボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる制御を行う。なお、遊技機1では、第1ストップボタンB1を押下することが第1リールR1の停止操作に対応し、第2ストップボタンB2を押下することが第2リールR2の停止操作に対応し、第3ストップボタンB3を押下することが第3リールR3の停止操作に対応する。すなわち遊技機1では、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の押下順序が変化すると、第1リールR1〜第3リールR3の停止順序が変化する。
【0053】
また遊技機1では、第1リールR1〜第3リールR3が、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3が押下された時点から190ms以内に、押下された第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の何れかに対応する回転中の第1リールR1〜第3リールR3を停止させる制御状態に設定されている。すなわち回転している第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれの停止位置は、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の押下時点から第1リールR1〜第3リールR3が停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で決定される。そして、リール制御手段130は、図柄が所定の範囲内にある場合、当選した役に対応する図柄が有効ラインL1〜L5上の表示位置に表示されるように、押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行う。図柄が所定の範囲内にある場合とは、押下操作が行われた第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3に対応する回転中の第1リールR1〜第3リールR3の外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3に対する押下操作が行われた時点で入賞判定ライン上の表示位置に対して0コマ〜4コマの範囲内に位置する場合である。具体的には、リール制御手段130は、ロジック演算により回転中の第1リールR1〜第3リールR3の停止位置を求める処理(ロジック演算処理)と、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段193Mに記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中の第1リールR1〜第3リールR3の停止位置を決定する処理(テーブル参照処理)とを行う。
【0054】
ロジック演算処理では、役毎に定められた優先順位データに従ってストップスイッチ240の作動時点(第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の押下操作が検出された時点)における第1リールR1〜第3リールR3の位置である押下検出位置から0コマ〜4コマの範囲内に存在する5コマ分の停止位置の候補に対して優先度を求める。そして各停止位置の候補の優先度のうち最も優先度の高い停止位置の候補を実際の停止位置として決定する。ただしロジック演算処理では、内部抽選の結果や押下検出位置などに応じて複数の停止位置の候補に対して同一の優先度が求まる場合がある。この場合、最も優先度の高い停止位置の候補が複数となった場合、後述するテーブル参照処理によって実際の停止位置が決定される。これにより、ロジック演算処理で停止位置が決定される場合については、テーブル参照処理で停止位置を決定する必要がなくなる。その結果、停止制御テーブルを設計する際に、全てのデータについて詳細な検証作業を行わなくてもよくなる分
だけ遊技機の開発環境を改善することができる。
【0055】
遊技機1では、「リプレイ(リプレイA〜D)>小役(スイカA、スイカB、ベル)>ビッグボーナス(BB1、BB2)」の順序で優先順位が定められている。ロジック演算処理では、2種類以上の役に関する抽選フラグが内部当選状態に設定されている場合、各役に対応付けられた優先順位に従って、優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補よりも優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補の方が優先度が高くなるように優先度が求められる。なお、内部抽選で複数種類のリプレイが重複して当選した場合、第1リールR1〜第3リールR3のうち少なくとも1本のリールに関する停止位置を求めるロジック演算処理において、最も優先度の高い停止位置の候補が複数となるように優先度が求められる。
【0056】
またロジック演算処理では、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理がリールの停止位置の候補を求める処理として行われる。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるようにリールの停止位置の候補を求める処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役を入賞させることができないようにリールの停止位置の候補を求める処理である。このようにリール制御手段130は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないようにリールの停止位置の候補を求めるロジック演算処理を行う。
【0057】
ここで、遊技機1では、リールユニット310がフォトセンサからなるリールインデックス315を備える。そこで、リール制御手段130は、リールが1回転する毎にリールインデックス315で検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができる。すなわちリール制御手段130は、ストップスイッチ240の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
【0058】
テーブル参照処理では、ロジック演算処理を行った結果、最も優先度の高い停止位置の候補が複数得られた場合、いずれの位置を停止位置とするかが、メインメモリ190Mの停止制御テーブル記憶手段193Mに記憶されている停止制御テーブルを参照することで決定される。
【0059】
停止制御テーブルでは、抽選フラグの設定状態に応じて、ストップスイッチ240の作動時点(第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の押下操作が検出された時点)におけるリールの位置である押下検出位置と、押下検出位置から実際の停止位置までの回転量を示す滑りコマ数との対応関係が設定されている。なお停止制御テーブルでは、抽選フラグの設定状態に応じて、押下検出位置と実際の停止位置との対応関係が設定されていてもよい。
【0060】
ここで、図5Bの重複役の当選エリアに従った停止制御について説明する。例えば、重複役1の当選エリアに当選した場合、最初に第1ストップボタンB1が押下操作されると、第1リールR1ではベルを引き込むよう停止制御が行われる。ベルは、押下操作のタイミングに拘わらず引き込めるよう配置されていることから、第2ストップボタンB2、第3ストップボタンB3の押下順序に拘わらず、第2リールR2、第3リールR3においてもベルを引き込む停止制御が行われる。その結果、ベルが入賞する。以上が正解の際の停止制御である。一方、最初に第2ストップボタンB2又は第3ストップボタンB3が押下操作されると、重複当選しているスイカA又はスイカBのうち、引き込めるスイカが表示させるように停止制御が行われる。その後、スイカが入賞可能となるタイミングで、最初
に押下操作が行われたストップボタン以外のストップボタンの押下操作が行われると、スイカが入賞する。一方、スイカが入賞可能となるタイミングで無い場合には、スイカは入賞しない。以上が不正解の際の停止制御である。
【0061】
また、例えば重複役2の当選エリアに当選した場合、最初に第2ストップボタンB2が押下操作されると、第2リールR2ではベルを引き込むよう停止制御が行われる。ベルは、押下操作のタイミングに拘わらず引き込めるよう配置されていることから、第1ストップボタンB1、第3ストップボタンB1の押下順序に拘わらず、ベルが入賞する。以上が、正解の際の停止制御である。一方で、最初に第2ストップボタンB2又は第3ストップボタンB3が押下操作されると、先に説明した不正解の際の停止制御が行われる。
【0062】
また、例えば重複役3の当選エリアに当選した場合、最初に第3ストップボタンB3が押下操作されると、第3リールR3ではベルを引き込むよう停止制御が行われる。ベルは、押下操作のタイミングに拘わらず引き込めるよう配置されていることから、第1ストップボタンB1、第2ストップボタンB2の押下順序に拘わらず、ベルが入賞する。以上が、正解の際の停止制御である。一方で、最初に第1ストップボタンB1又は第2ストップボタンB2が押下操作されると、先に説明した不正解の際の停止制御が行われる。
【0063】
ウェイト処理手段174は、1回の遊技に要する時間が規定時間に満たない場合、リール制御手段130を制御して遊技の進行を一時的に停留させる。具体的には、ウェイト処理手段174は、まず、スタートレバー14の操作間隔を計測する。そして、スタートレバー14が押下された際に、操作間隔が予め定められた最小の時間(規定時間、例えば、4.1秒)に達していない場合、第1リールR1〜第3リールR3の回転駆動の開始を規定時間が経過するまで保留させる。換言すると、遊技機1では、リール制御手段130が、スタートレバー14が押下された際に、スタートレバー14の操作間隔が規定時間を経過していることを条件に、第1リールR1〜第3リールR3の回転駆動を開始させる。なお本実施形態では、規定時間を、スタートレバー14の操作間隔によって計測しているが、第1リールR1〜第3リールR3の回転駆動の開始タイミングの間隔を規定時間として計測するようにしてもよい。遊技の進行が一時的に停留する時間は、本発明におけるウェイト時間に相当する。
【0064】
ウェイト時間では、上記のように遊技の進行が一時的に停留する。具体的には、リールの回転開始が遅れるとともに、リールの停止操作も無効となる。すなわち、ウェイト時間ではない場合、リール制御手段130は、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の押下操作を契機に、抽選結果に応じた態様で回転中のリールを停止させる。しかし、ウェイト時間中の場合、リール制御手段130は、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の押下操作が行われても、第1リールR1〜第3リールR3を停止させる処理を実行しなくなる。すなわち、第1リールR1〜第3リールR3の停止操作の無効は、リール制御手段130がストップスイッチ240からのリール停止信号を無視することで実現される。なお、ウェイト時間中は、ストップスイッチ240からのリール停止信号がリール制御手段130に入力されないようにしてもよい。これにより、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3に対する押下操作が許可されない(無効化された)状態となり、遊技者が第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3を押下したとしてもストップスイッチ240が作動しないようになる。
【0065】
入賞判定手段140は、第1リールR1〜第3リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する。具体的には、メインメモリ190Mの入賞判定テーブル記憶手段194Mに記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リールR1〜第3リールR3の全てが停止した時点で有効ラインL1〜L5上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
【0066】
本実施形態では、図5Aに示すように、有効ラインL1〜L5上に「赤7・赤7、赤7」の図柄組合せ、又は「黒7・黒7・黒7」の図柄組合せが表示された場合、ビッグボーナスBB1が入賞したと判定される。また、有効ラインL1〜L5上に有効ラインL上に「BAR・BAR、BAR」の図柄組合せが表示された場合、ビッグボーナスBB2が入賞したと判定される。
【0067】
また、有効ラインL1〜L5上に「RP・RP・RP」の図柄組合せが表示された場合、リプレイAが入賞したと判定される。有効ラインL1〜L5上に「蝶A・RP・RP」の図柄組合せが表示された場合、リプレイBが入賞したと判定される。有効ラインL1〜L5上に「蝶B・RP・RP」の図柄組合せが表示された場合、リプレイCが入賞したと判定される。有効ラインL1〜L5上に「BAR・BAR・RP」の図柄組合せが表示された場合、リプレイDが入賞したと判定される。有効ラインL1〜L5上にスイカA、スイカBの図柄組合せが表示された場合、スイカが入賞したと判定される。有効ラインL1〜L5上に「ベル・ベル・ベル」の図柄組合せが表示された場合、ベルが入賞したと判定される。
【0068】
そして遊技機1では、入賞判定手段140の判定結果に基づいて、入賞時処理が実行される。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段150によってメダルの払出制御処理が行われる。また、リプレイ(リプレイA〜リプレイD)が入賞した場合にはリプレイ処理手段160によってリプレイ処理が行われる。
【0069】
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、払出制御手段150は、小役が入賞した場合、図5Aに示すような役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパーユニット320(払出装置)に払い出させる制御を行う。なお、遊技の結果、リプレイA〜リプレイDが入賞した場合には、図5Aに示すように、リプレイA〜Dに対して配当が設定されていない。従って、ホッパーユニット320からのメダルの払い出しは行われず、形式的に0枚のメダルを払い出したとする処理(0枚処理)が行われる。
【0070】
リプレイ処理手段160は、リプレイ(リプレイA〜D)が入賞した場合、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち遊技機1では、リプレイ(リプレイA〜D)が入賞した場合、前回の遊技と同じ枚数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインL1〜L5を有効化した状態で次回の遊技の開始操作が受け付けられる。
【0071】
遊技状態移行制御手段170は、所定の移行条件の成立に基づいて、内部抽選の態様が互いに異なる複数の遊技状態(通常状態、ボーナス成立状態、ボーナス状態)の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
【0072】
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。また通常状態では、図4に示す内部抽選テーブルA〜Eのうち、ビッグボーナスが抽選対象として設定されている内部抽選テーブルA〜Cの何れかを参照した内部抽選が行われる。遊技機1では、リプレイの抽選状態
に応じて通常状態での内部抽選で参照される内部抽選テーブルが選択される。具体的には、通常状態においてリプレイの抽選状態が第1リプレイ低確率状態である場合には、内部抽選テーブルAを参照して内部抽選が行われ、通常状態においてリプレイの抽選状態がリプレイ高確率状態である場合には、内部抽選テーブルAよりもリプレイの当選確率が高い内部抽選テーブルBを参照して内部抽選が行われる。
【0073】
ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態(リプレイ低確率状態C)である。ボーナス成立状態では、図4に示す内部抽選テーブルA〜Eのうち、小役の当選確率が通常状態と同一に設定され、ビッグボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブルEを参照した内部抽選が行われる。
【0074】
またボーナス成立状態では、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持される。ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態移行制御手段170は、遊技状態をボーナス成立状態からボーナス状態へ移行させる制御を行う。
【0075】
ボーナス状態は、ボーナス成立状態においてビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ラインL1〜L5上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス状態では、リプレイの抽選状態がリプレイ無抽選状態に設定され、図4に示す内部抽選テーブルA〜Eのうち、ビッグボーナスおよびリプレイ(リプレイA〜D)が内部抽選の対象から除外され、小役の当選確率が内部抽選テーブルA〜Eよりも高く設定された内部抽選テーブルEを参照した内部抽選が行われる。すなわちボーナス状態では、他の遊技状態よりも小役が頻繁に当選するようになっている点で、通常状態やボーナス成立状態よりも遊技者に有利な遊技状態となっている。
【0076】
またボーナス状態では、ボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かが判断される。入賞したボーナスの種類に応じて予め定められた払出上限数(例えば、ビッグボーナスBB1が入賞した場合350枚、ビッグボーナスBB2が入賞した場合には48枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技状態移行制御手段170は、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる制御を行う。
【0077】
リプレイ確率変動手段172は、所定条件下で内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる制御を行う。遊技機1では、リプレイの抽選状態として、リプレイ内部抽選の対象から除外されるリプレイ無抽選状態、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されるリプレイ低確率状態A、リプレイ低確率状態B、リプレイ低確率状態C、ならびにリプレイの当選確率が約1/1.5に設定されるリプレイ高確率状態A及びリプレイ高確率状態Bという複数種類の抽選状態を設定可能とされている。リプレイ確率変動手段172は、図6に示すように、リプレイの抽選状態を変化させることにより、内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる。
【0078】
具体的には、リプレイ確率変動手段172は、初期状態としてリプレイの抽選状態をリプレイ高確率状態Aに設定し、既定された第2特殊図柄組み合わせが有効ラインL1〜L5上に表示されることを条件に、リプレイの抽選状態をリプレイ低確率状態Bに設定する。
【0079】
またリプレイ確率変動手段172は、リプレイの抽選状態がリプレイ低確率状態Bに設定されること契機として、メインメモリ190MのRT(リプレイタイム)終了判定カウンタ195Mに40回分の遊技回数に相当する値(例えば、40)を書き込む。そして、リプレイ確率変動手段172は、リプレイ低確率状態Bでの遊技が行われる毎にスタートレバー14の押下操作などを契機としてRT終了判定カウンタ195Mの記憶値から1回
分の遊技回数に相当する値(例えば、1)を減産するデクリメント更新を行う。リプレイ確率変動手段172は、RT終了判定カウンタ195Mの記憶値がしきい値(例えば、0)に達すると、リプレイの抽選状態をリプレイ高確率状態Aに復帰させる。
【0080】
また、リプレイの抽選状態がリプレイ高確率状態Aに設定されている場合において、リプレイBの入賞、すなわちリプレイBの入賞形態を示す図柄組合せが有効ラインL1〜L5上に表示されると、リプレイ確率変動手段172は、リプレイの抽選状態をリプレイ高確率状態Bに設定する。また、リプレイ確率変動手段172は、リプレイ高確率状態Bにおいて既定の第1特殊図柄組合せが有効ラインL1〜L5上に表示されると、リプレイの抽選状態をリプレイ高確率状態Aに復帰させる。
【0081】
また、リプレイ確率変動手段172は、リプレイの抽選状態がリプレイ低確率状態A、リプレイ低確率状態B、リプレイ高確率状態A、あるいはリプレイ高確率状態Bに設定されている場合において、ビッグボーナスが入賞すると、リプレイの抽選状態をリプレイ低確率状態Cに設定する。また、リプレイ確率変動手段172は、リプレイの抽選状態がリプレイ低確率状態Bに設定されている遊技においてビッグボーナスが当選した場合、RT終了判定カウンタ195Mの記憶値がしきい値に達していなくてもリプレイの抽選状態をリプレイ低確率状態Cに変動させる。また、リプレイ確率変動手段172は、RT終了判定カウンタ195Mの記憶値を初初期値(例えば、0)にリセットする。
【0082】
また、リプレイ確率変動手段172は、リプレイの抽選状態がリプレイ低確率状態Cに設定されている場合において、ビッグボーナス(BB1、BB2)が入賞すると、リプレイの抽選状態をリプレイ無抽選状態に設定する。また、リプレイ確率変動手段172は、ボーナス状態の終了を契機として、リプレイの抽選状態をリプレイ無抽選状態からリプレイ低確率状態Aに復帰させる。
【0083】
更に、リプレイ確率変動手段172は、リプレイの抽選状態がリプレイ低確率状態Aに設定されている場合において、第1特殊図柄組合せが有効ラインL1〜L5上に表示されると、リプレイの抽選状態をリプレイ高確率状態Aに設定する。
【0084】
通信制御手段176は、サブ基板120に信号を送信する制御と、外部装置であるホールコンピュータ(遊技場に設置されている遊技機を集中管理するコンピュータ)やデータカウンタ(遊技場に設置されている各遊技機に個別接続され、遊技機の遊技履歴に関する情報を表示する機器)などに信号を送信する制御とを行う。なお本実施形態の遊技機では、メイン基板110とサブ基板120との間では、メイン基板110からサブ基板120への単方向通信のみが可能である。
【0085】
<<サブ基板の詳細>>
次にサブ基板120について説明する。サブ基板120は、演出制御手段180と、サブメモリ190Sとを含む。
【0086】
演出制御手段180は、サブメモリ190Sの演出データ記憶手段191Sに記憶されている演出データに基づいて、表示装置330としての液晶ディスプレイ8に表示演出を実行させたり、音響装置340としてのスピーカSP1、スピーカSP2に音響演出を実行させたりする制御を行う。例えば、演出制御手段180は、メダルの投入やベットボタン13、スタートレバー14、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3に対する操作、遊技状態の変動などの遊技イベントの発生に応じてランプやLEDを点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイ8の表示内容を変化させたり、スピーカSP1、スピーカSP2から音を出力させたりすることにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。
【0087】
例えば、演出制御手段180は、正解の際の停止制御が実行された場合、「正解」の旨の演出を実行する。また、演出制御手段180は、不正解の際の停止制御が実行された場合、「不正解」の旨の演出を実行する。
【0088】
また、演出制御手段180は、所定の条件に基づいてサブメモリ190Sの演出用フラグ記憶手段192SにATフラグを設定して演出状態をAT(アシストタイム)状態に設定する。例えば、演出制御手段180は、メイン基板110から送信される状態通信信号に基づいて、遊技状態がリプレイ低確率状態Bからリプレイ高確率状態Aに移行したことを契機として演出用フラグ記憶手段にATフラグが設定されているか否かを判定する。演出制御手段180は、ATフラグが設定されている場合、サブメモリ190SのAT終了判定カウンタに40回分の遊技回数に想到する値(例えば、40)を記録する。また、演出制御手段180は、AT状態の終了条件の成立にともないATフラグをクリアすることでAT状態を終了させる。例えば、演出制御手段180は、遊技が行われる毎にAT終了判定カウンタ194Sの記憶値から1回分の遊技回数に相当する値(例えば、1)を減算するデクリメント更新を開始させる。そして、演出制御手段180は、AT終了判定カウンタ194Sの記憶値が初期値(例えば、0)に達すると、AT状態を終了させる。なお、演出状態がAT状態である場合に内部抽選でビッグボーナスが当選すると、演出制御手段180は、強制終了条件が成立したと判定してAT状態を終了させ、AT終了判定カウンタ194Sの記憶値を初期値である0にリセットする。
【0089】
AT状態では、演出制御手段180は、内部抽選で当選した小役の種類を報知する演出を表示装置330や音響装置340に実行させる。例えば、演出制御手段180は、当選した小役を入賞させるために最初に押下すべき第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の種類を報知する演出画像を液晶ディスプレイ8に表示させる。液晶ディスプレイ8への表示に代えて、もしくは液晶ディスプレイ8への表示とともに、ストップボタンの種類を報知する音声をスピーカSP1やスピーカSP2から出力させてもよい。
【0090】
本実施形態では、演出状態がAT状態に設定され、かつリプレイの抽選状態がリプレイ高確率状態Aあるいはリプレイ高確率状態Bに設定されている遊技区間が、当選した小役の種類を報知する演出を表示装置330や音響装置340に実行させる特別演出区間である。特別演出区間では、当選した小役の種類を報知する演出が行われる。従って、遊技者は、報知された種類の小役を揃えることが可能となる。その結果、特別演出区間以外の遊技空間よりも小役の入賞率が高くなるため、遊技者の手持ちメダルが増加しやすくなる。
【0091】
なお、以上説明した実施形態に係る遊技機1の機能は、コンピュータシステム(ゲームシステムを含む)によって仮想的に実現することができる。仮想的に実現するとは、物理的なスイッチ、ボタンなどの操作部品、ランプなどの表示部品を用いる代わりに、ディスプレイ上にコンピュータグラフィックスを用いて表示されるオブジェクトで実現することを意味する。このようなシステムでは、実施形態に係るメイン基板110やサブ基板120としてのコンピュータを機能させるプログラムを、CD、DVDなどの情報記憶媒体から読み込み、又はインターネット上のWebサーバからネットワークを介してダウンロードすることで、その機能を実現できる。また、上記コンピュータシステムでは、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240などは、キーボードやポインティングデバイス(例えば、マウス)、又はコントローラなどの操作手段に対してそれらの機能を割り当てることにより実現することができる。また、上記コンピュータシステムでは、リールユニット310、ホッパーユニット320などは必須の構成要件ではない。これらの装置ユニットは、ディスプレイに表示出力される画像の制御によってそれらの機能を仮想的に実現することができる。
【0092】
<処理>
次に上述した実施形態に係る遊技機1で実行される処理について説明する。以下に説明する処理は、遊技機1の制御基板100によって実行される。
【0093】
<<基本的な処理>>
まず、実施形態に係る遊技機1で実行される基本的な処理の流れについて説明する。図7は、実施形態に係る遊技機で実行される基本的な処理のフローチャートである。ステップS01では、遊技を行うために必要なメダルの投入を受け付ける投入受付処理が行われる。具体的には、まず遊技者がメダル投入口9にメダルを投入し、又は遊技者がベットボタン13を押下してベットスイッチ220が作動することにより予め遊技機内にクレジットされたメダルが投入状態に設定される。前回の遊技でリプレイが入賞した場合には、前回の遊技におけるリプレイ入賞時のリプレイ処理によって遊技者の手持ちのメダルを要さずに、遊技機側で自動的に前回の遊技と同じ投入数のメダルが投入状態に設定される。メダルが投入状態に設定されると、ステップS02へ進む。
【0094】
ステップS02では、遊技開始条件として設定されている規定投入数(例えば、3枚)のメダルの投入が完了したか判定される。具体的には、メダル投入スイッチ210からの信号、又はベットスイッチ220からの信号に基づいて、規定投入数(例えば、3枚)のメダルの投入が完了したか判定される。処理規定投入数のメダルが投入されたと判定されると、ステップS03へ進む。一方、規定投入数のメダルが投入されたと判定されなかった場合、再度ステップS01へ戻る。
【0095】
ステップS03では、スタートレバー14が押下されたか否かが判定される。スタートレバー14が押下されるとスタートスイッチ230が作動しスタート信号が制御基板100に入力される。その結果、スタートレバー14が押下されたと判定される。スタートレバー14が押下されたと判定されると、ステップS04へ進む。一方、スタートレバーが押下されたと判定されなかった場合、再度ステップS03へ戻る。
【0096】
ステップS04では、内部抽選が行われるとともに、内部抽選の抽選結果としての抽選結果の信号がサブ基板120に通知される。内部抽選では、スタートスイッチ230の作動に伴って取得した乱数値が、遊技状態に応じて選択される内部抽選テーブルA〜Eと比較することによって役の当否が決定され、当選役のフラグが当選状態に設定される。抽選結果の信号がサブ基板120に通知されると、ステップS05へ進む。
【0097】
ステップS05では、前回の遊技におけるスタートレバー14の押下時点からの最小の時間(例えば、4.1秒)が経過しているか否か判定される。換言すると、ウェイト時間中か否か判定される。ウェイト時間中でないと判定された場合、ステップS06へ進む。一方、ウェイト時間中と判定された場合、ステップS10へ進み、ウェイト時間中の演出処理が実行される。ウェイト時間中の演出処理については、後述する。
【0098】
ステップS06では、第1リールR1〜第3リールR3の回転が開始される。具体的には、リール制御手段130は、遊技者がスタートレバー14の押下操作(開始操作)を行うことにより作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、第1リールR1〜第3リールR3をステップモータにより回転駆動させる。次にステップS07では、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定速度に達すると、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3に対する停止操作が有効化され、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の停止操作に応答して回転中の第1リールR1〜第3リールR3を停止させるリール停止制御が実行される。リール停止制御が実行され、第1リールR1〜第3リールR3の全てが停止すると、ステップS08へ進む。
【0099】
ステップS08では、第1リールR1〜第3リールR3の停止状態に基づいて入賞判定が行われる。本実施形態では、有効ラインL1〜L5上に役の入賞形態を示す図柄組合せが表示されたか否かに基づいて、役の入賞の有無が判定される。そして入賞判定の結果、役が入賞したと判定された場合、ステップS09へ進み、入賞役に応じたメダルの払出しが行われ、一連の処理が終了する。また、役が入賞していない場合には、そのまま一連の処理が終了する。
【0100】
<<ウェイト時間中の演出処理>>
(ステップアップ演出)
次に、ウェイト時間中の演出処理について説明する。まず、ウェイト時間中の演出処理の一例として、ステップアップ演出を実行する場合について説明する。ここで、図8は、ステップアップ演出の例を説明する図である。図8は、7段階からなるステップアップ演出の例を示す。この7段階からなるステップアップ演出は、ステップアップ演出1から4がウェイト時間中への前倒しをしない通常時に演出することを目的した既定の演出である。そして、ステップアップ演出5から7がウェイト時間中への前倒しを考慮した追加の演出である。ステップアップ演出1から7は、夫々以下単に演出1から7ともいう。演出4はボーナスが成立又は役が入賞していることを報知する。演出1から演出3は、演出4に向けて徐々に期待度を高めるもので、例えば演出1はボーナス成立又は役の入賞の期待度が10%程であることを報知し、演出2はボーナス成立又は役の入賞の期待度が40%ほどであることを報知し、演出3はボーナス成立又は役の入賞の期待度が80%ほどであることを報知する。演出5から演出7も既定されたものであるが、演出5から演出7はウェイト時間中への前倒しを実行しない限り出現しない演出である点で、演出1から演出4とは異なる。演出5は、ビッグボーナスが成立したことを報知する。演出6は、ビッグボーナスBB1、ビッグボーナスBB2の何れが成立したかを報知する。演出7は、発動条件が他の演出と比較して成立し難く設定されているプレミアム映像を出力する。プレミアム映像を出力する発動条件には、特定の操作が行われた場合や、演出データ記憶手段191Sに記憶されている演出データのうち選択確率が相対的に低い演出データが抽選により選択された場合が例示される。特定の操作が行われた場合として、本実施形態では、ウェイト時間中に停止操作が6回行われることを発動条件として、プレミアム映像が出力される。
【0101】
図9に示すように、パターン1では、第1リールR1〜第3リールR3の回転を契機に演出1が実行される。その後、第1停止(最初に押下されたストップボタン)を契機に演出2が実行され、第2停止(2番目に押下されたストップボタン)を契機に演出3が実行され、第3停止(3番目に押下されたストップボタン)を契機に演出4が実行されるよう、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の夫々と各演出が予め関連付けられている。なお、パターン2は、ウェイト時間中に演出1のみが前倒しで実行され、その後演出2から5が実行されるパターンである。パターン3は、ウェイト時間中に演出1、2が前倒しで実行され、その後演出3から6が実行されるパターンである。また、パターン4は、ウェイト時間中に演出1から3が前倒しで実行され、その後演出4から7が実行されるパターンである。なお、図9や図10における第1停止とは、最初の停止操作を意味し、第2停止とは、2番目の停止操作を意味し、第3停止とは3番目の停止操作を意味する。すなわち、第1、第2、第3は時系列を意図したものであり、押下される第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3は何れでもよい。
【0102】
(パターン1)
パターン1は、スタートレバー14の押下直後の判定でウェイト時間中でないと判定された場合のパターンである。換言すると、パターン1は、ウェイト時間中に演出を前倒ししない従来のパターンであり、ウェイト時間経過後に、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3が押下された場合に選択されるパターンである。パターン1は、図10
AのステップS21、ステップS22、及び図10BのステップS41〜48を実行することで実現される。ステップS21では、スタートレバー14の押下が検知される。ステップS21は、先に説明したステップS03に対応するので、説明は簡略化する。なお、以下の説明においても、既に説明した事項については、対応関係を示した上で、説明は簡略化するものとする。スタートレバー14が押下されると、ステップS22へ進む。
【0103】
ステップS22(ステップS05に対応)では、ウェイト時間中か否か判定される。ウェイト時間中でないと判定された場合、ステップS41へ進む。一方、ウェイト時間中と判定された場合、ステップS23へ進む。ウェイト時間中でないと判定された場合の処理、すなわちステップS41からステップS48までの処理は、内部抽選の抽選結果に応じて実行される既定の演出であり、図9のパターン1が例示される。
【0104】
ステップS41(ステップS06に対応)では、第1リールR1〜第3リールR3の回転が開始される。第1リールR1〜第3リールR3の回転が開始されると、ステップS42へ進む。
【0105】
ステップS42では、例えばステップアップ演出の最初の演出である演出1が実行される。具体的には、演出制御手段180は、サブメモリ190Sの演出データ記憶手段191Sに記憶されている演出データに基づいて、液晶ディスプレイ8に演出1に対応する映像を表示させるとともに、液晶ディスプレイ8に表示する映像に対応する音声をスピーカSP1、2から出力させる。演出1が実行されると、ステップS43へ進む。
【0106】
ステップS43では、リールの回転開始後に最初に押下されたストップボタン(例えば、順押しであれば第1ストップボタンB1。以下、順押しを例に説明する。)の押下が検知される。リール制御手段130は、第1ストップボタンB1の押下操作を契機に、抽選結果に応じた態様で回転中の第1リールR1を停止させる。次に、ステップS44では、例えばステップアップ演出の2段階目の演出である演出2が実行される。演出2も演出1と同様に液晶ディスプレイ8に表示され、対応する音声がスピーカSP1、2から出力される。なお、後述する他の演出(例えば、演出3から7)についても演出の態様は同じであるので、以下説明は簡略化する。演出2が実行されると、ステップS45へ進む。
【0107】
ステップS45では、2番目に押下されたストップボタン(順押しを例とする本実施形態では第2ストップボタンB2。)の押下が検知される。リール制御手段130は、第2ストップボタンB2の押下操作を契機に、抽選結果に応じた態様で回転中の第2リールR2を停止させる。次に、ステップS46では、例えばステップアップ演出の3段階目の演出である演出3が実行される。演出3が実行されると、ステップS47へ進む。
【0108】
ステップS47では、3番目に押下されたストップボタン(順押しを例とする本実施形態では第3ストップボタンB3)の押下が検知される。制御手段130は、第3ストップボタンB3の押下操作を契機に、抽選結果に応じた態様で回転中の第3リールを停止させる。次に、ステップS48では、例えばステップアップ演出の4段階目の演出である演出4が実行される。演出4はボーナスが成立していることを報知するものである。演出4が実行されると、ステップアップ演出が終了する。本実施形態では、演出4においてボーナスが成立又は役が入賞していることが報知される。従って、遊技者は、所定のタイミングで、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3を押下操作することで、ビッグボーナスBB1、ビッグボーナスBB2、スイカ、ベルを、有効ラインL1〜L5上に停止させることが可能となる。
【0109】
(パターン2)
次に、図9のパターン2について説明する。パターン2は、ステップアップ演出のうち
の最初の演出1がウェイト時間中に前倒しで実行される場合を示す。パターン2は、ウェイト時間中に、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3のうちの1つのストップボタン(順押しを例とする本実施形態では第1ストップボタンB1)が押下された場合に選択されるパターンである。パターン2は、図10AのステップS21〜25、及び図10CのステップS51〜57−1を実行することで実現される。ステップS21、22は、パターン1と同様である。ステップS22において、ウェイト時間中と判定された場合、ステップS23へ進む。ステップS23では、最初に押下されるストップボタン(順押しを例とする本実施形態では第1ストップボタンB1。)が押下されたか否か判定される。具体的には、リール制御手段130が、ストップスイッチ240から出力されるリール停止信号を取得することで第1ストップボタンB1が押下されたと判定する。第1ストップボタンB1が押下されたと判定された場合、ステップS24へ進む。一方、第1ストップボタンB1が押下されたと判定されなかった場合、ステップS22へ戻る。
【0110】
ステップS24では、例えば演出1が実行される。ステップS24では、10BのステップS42と異なり、第1リールR1〜第3リールR3の回転開始後に実行される予定であった演出1が前倒しでウェイト時間中に実行されることになる。演出1が実行されると、ステップS25へ進む。
【0111】
ステップS25では、再度、ウェイト時間中か否か判定される。ウェイト時間中でないと判定された場合、ステップS51へ進む。一方、ウェイト時間中と判定された場合、ステップS26へ進む。ウェイト時間中でないと判定された場合の処理、すなわちステップS51からステップS57−1までの処理は、先に説明したステップS41からステップS48までの処理が1段階前倒しで実行される処理に対応する。よって、ステップS51からステップS57の説明は、簡略化する。
【0112】
ステップS51では、第1リールR1〜第3リールR3の回転が開始される。なお、ステップS51は、ステップS41と異なり、第1リールR1〜第3リールR3の回転開始は、ウェイト時間を経過、換言すると遊技の進行が一時的に停留していた状態が解除されることで実現される。第1リールR1〜第3リールR3の回転が開始されると、ステップS52へ進む。
【0113】
ステップS52では、例えば演出2が実行される。演出2が実行されると、ステップS53へ進む。ステップS53では、第1リールR1〜第3リールR3の回転開始後に最初に押下されるストップボタン(順押しを例とする本実施形態では第1ストップボタンB1。)の押下が検知される。次に、ステップS54では、例えば演出3が実行される。演出3が実行されると、ステップS55へ進む。
【0114】
ステップS55では、2番目に押下されるストップボタン(順押しを例とする本実施形態では第2ストップボタンB2)の押下が検知される。次に、ステップS56では、例えば演出4が実行される。演出4が実行されると、ステップS57へ進む。ステップS57では、3番目に押下されるストップボタン(順押しを例とする本実施形態では第3ストップボタンB3)の押下が検知される。次に、ステップS57−1では、例えば演出5が実行される。演出5が実行されると、ステップアップ演出が終了する。遊技者は、所定のタイミングで、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3を押下操作することで、ビッグボーナスBB1、又はビッグボーナスBB2を、有効ラインL1〜L5上に停止させることが可能となる。
【0115】
(パターン3)
次に図9のパターン3について説明する。パターン3は、演出1、2がウェイト時間中に前倒しで実行され、その後演出3から6が実行されるパターンである。パターン3は、
ウェイト時間中に、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3のうちの2つのストップボタン(順押しを例とする本実施形態では第1ストップボタンB1及び第2ストップボタンB3)が押下された場合に選択されるパターンである。パターン3は、図10AのステップS21〜28、及び図10DのステップS61〜66−1を実行することで実現される。ステップS21〜25は、パターン2と同様である。ステップS25において、ウェイト時間中と判定された場合、ステップS26へ進む。ステップS26では、2番目に押下されたストップボタン(順押しを例とする本実施形態では第2ストップボタンB2)の押下が検知されたか否か判定される。第2ストップボタンB2が押下されたと判定された場合、ステップS27へ進む。一方、第2ストップボタンB2が押下されたと判定されなかった場合、ステップS25へ戻る。
【0116】
ステップS27では、例えば演出2が実行される。ステップS27では、図10CのステップS52と異なり、第1リールR1〜第3リールR3の回転開始後に実行される予定であった演出2が前倒しでウェイト時間中に実行されることになる。演出2が実行されると、ステップS28へ進む。
【0117】
ステップS28では、再度、ウェイト時間中か否か判定される。ウェイト時間中でないと判定された場合、ステップS61へ進む。一方、ウェイト時間中と判定された場合、ステップS29へ進む。ウェイト時間中でないと判定された場合の処理、すなわちステップS61からステップS66−1までの処理は、先に説明したステップS41からステップS48までの処理が2段階前倒し(ステップS51からステップS57までの処理が1段階前倒し)で実行される処理に対応する。よって、ステップS61からステップS66−1の説明は、簡略化する。
【0118】
ステップS61では、第1リールR1〜第3リールR3の回転が開始される。なお、ステップS61は、ステップS51と異なり、第1リールR1〜第3リールR3の回転開始は、ウェイト時間を経過、換言すると遊技の進行が一時的に停留していた状態が解除されることで実現される。第1リールR1〜第3リールR3の回転が開始されると、ステップS62へ進む。
【0119】
ステップS62では、例えば演出3が実行される。演出3が実行されると、ステップS63へ進む。ステップS63では、リールの回転開始後に最初に押下されるストップボタン(順押しを例とする本実施形態では第1ストップボタンB1。)の押下が検知される。次に、ステップS64では、例えば演出4が実行される。演出4が実行されると、ステップS65へ進む。
【0120】
ステップS65では、第1リールR1〜第3リールR3の回転開始後に2番目に押下されたストップボタン(順押しを例とする本実施形態では第2ストップボタンB2)の押下が検知される。次に、ステップS65−1では、例えば演出5が実行される。次に、ステップS66では、第1リールR1〜第3リールR3の回転開始後に3番目に押下されたストップボタン(順押しを例とする本実施形態では第3ストップボタンB3)の押下が検知される。次に、ステップS66−1では、例えば演出6が実行される。演出6が実行されると、ステップアップ演出が終了する。遊技者は、所定のタイミングで、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3を押下操作することで、報知された、ビッグボーナスBB1、又はビッグボーナスBB2を、有効ラインL1〜L5上に停止させることが可能となる。
【0121】
(パターン4)
次に図9のパターン4について説明する。パターン4は、演出1から3がウェイト時間中に前倒しで実行され、その後演出4から7が実行されるパターンである。パターン3は
、ウェイト時間中に、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3(本実施形態では、順押しで第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3)が全て押下された場合に選択されるパターンである。パターン4は、図10AのステップS21〜35−1を実行することで実現される。ステップS21〜28については、パターン3と同様である。ステップS28において、ウェイト時間中と判定された場合、ステップS29へ進む。ステップS29では、3番目に押下されたストップボタン(順押しを例とする本実施形態ではストップボタンB3)が押下されたか否か判定される。第3ストップボタンB3が押下されたと判定された場合、ステップS30へ進む。一方、第3ストップボタンB3が押下されたと判定されなかった場合、ステップS28へ戻る。
【0122】
ステップS30では、例えば演出3が実行される。ステップS30では、図10DのステップS62と異なり、第1リールR1〜第3リールR3の回転開始後に実行される予定であった演出3が前倒しでウェイト時間中に実行されることになる。演出3が実行されると、ステップS31へ進む。
【0123】
ステップS31では、リールの回転が開始される。このリールの回転開始は、ウェイト時間の終了を契機に行われるものである。具体的には、リール制御手段130は、スタートスイッチ230からのウェイト時間が終了した旨の信号に基づいて、第1リールR1〜第3リールR3をステップモータにより回転駆動させる。第1リールR1〜第3リールR3の回転が開始されると、ステップS32へ進む。
【0124】
ステップS32では、例えば演出4が実行される。演出4が実行されると、ステップS33へ進む。ステップS33では、リールの回転開始後に最初に押下されるストップボタン(順押しを例とする本実施形態では第1ストップボタンB1。)の押下が検知され、第1リールR1が停止する。次に、ステップS33−1では、例えば演出5が実行される。次に、ステップS34では、第2ストップボタンB2の押下が検知され、第2リールR2が停止する。次に、ステップS34−1では、例えば演出6が実行される。次に、ステップS35では、第3ストップボタンB3の押下が検知され、第3リールR3が停止する。次に、ステップS35−1では、例えば演出7が実行される。演出7が実行されると、ステップアップ演出が終了する。遊技者は、演出7のプレミアム映像を確認後、所定のタイミングで、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3を押下操作することで、報知された、ビッグボーナスBB1、又はビッグボーナスBB2を、有効ラインL1〜L5上に停止させることが可能となる。
【0125】
以上説明したウェイト時間中にステップアップ演出(演出1から7)を実行する態様によれば、ウェイト時間が発生しなかったとしても実行される演出1から4、換言すると遊技の進行上必要である演出1から4が、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の押下操作を契機に前倒しで実行される。従って、ウェイト時間を待ちきれずに行った第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の押下操作が無駄になることもない。そのため、遊技者は、ウェイト時間においても、自ら行った第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の押下操作に応じて遊技が進行していると感じることができる。その結果、ウェイト時間における遊技者のストレスを低減して、遊技を行う意欲の喪失を防止することができる。
【0126】
また、ウェイト時間経過後に実行する演出を前倒しで実行すると、ウェイト時間経過後の演出が不十分になることが懸念される。すなわち、ウェイト時間経過後においては、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の押下操作を行うことになるが、演出1から3が前倒しされた結果、演出が何も行われないと、ウェイト時間経過後において遊技者が退屈することが懸念される。しかしながら、上記態様では、パターン2では演出5、パターン3では演出5、6、パターン4では演出5から7が、ウェイト時間の経過後にお
いて実行される。これにより、ウェイト時間経過後において、遊技者は退屈することなく遊技を行うことができる。また、演出5から7は、演出1から4を更にステップアップさせた発展の演出である。従って、ステップアップ演出がより面白みのある演出となる。その結果、ウェイト時間中にステップアップ演出が実行される際の期待度をより高めることができる。
【0127】
(押し順チャレンジ演出)
次に、ウェイト時間中の演出処理の他の例として、押し順の正解又は不正解を演出する押し順チャレンジ演出を実行する場合について説明する。本実施形態では、最初に押下される第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3によって正解、不正解が決定される3択を例に説明する。図11は、実施形態に係る遊技機で実行されるウェイト時間中の演出処理(押し順チャレンジ演出)を説明する図である。図11において、「左押下」は第1ストップボタンB1が押下されたことを意味し、「中押下」は第2ストップボタンB2が押下されたことを意味し、「右押下」は第3ストップボタンB3が押下されたことを意味する。
【0128】
(パターン5)
図11のパターン5は、従来どおりウェイト時間以外で押し順に応じた演出が実行されるパターンを示す。パターン5は、ウェイト時間経過後に、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3が押下された場合に選択されるパターンである。演出制御手段180によって正解の際の停止制御が実行された場合、「正解」の旨の演出が実行される。また、演出制御手段180によって不正解の際の停止制御が実行された場合、「不正解」の旨の演出が実行される。
【0129】
図11のパターン6から8は、ウェイト時間中に押し順に応じた演出を実行するパターンである。ウェイト時間中に正解である旨の演出が実行された場合(後述するパターン8)、遊技者は、ウェイト時間中に正解の押し順を確認できる。従って、遊技者は、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の回転開始後、上記正解の押し順で第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3を押下すればよい。また、ウェイト時間中に正解である旨の演出が実行されなかった場合(後述するパターン6、7)でも、遊技者は、ウェイト時間中に不正解の押し順を確認できる。従って、遊技者は、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の回転開始後、上記不正解の押し順以外で第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3を押下すればよい。つまり、遊技者は、ウェイト時間中に正解の押し順の絞込みを行うことができる。以下、パターン6から8について、より詳しく説明する。
【0130】
(パターン6)
図11のパターン6は、ウェイト時間中に押し順が不正解である旨の演出を実行するパターンであり、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3が1回ずつ押下され、最終的に押し順が不正解である旨の演出が実行されるパターンである。具体的には、パターン6は、押し順の正解が「右押下→中押下/左押下→左押下/中押下」である場合において、「左押下→中押下→右押下」の押し順で押下され、不正解(失敗)である旨の演出が実行されるパターンである。この場合、遊技者は、ウェイト時間中に、「左押下→中押下→右押下」の押し順が不正解であることが確認できる。従って、第1リールR1〜第3リールR3の回転開始後は、上記不正解の押し順以外の押し順で第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3を押下すればよい。
【0131】
(パターン7)
図11のパターン7も、ウェイト時間中に押し順が不正解である旨の演出を実行するパターンである。但し、パターン7は、パターン6に加えて、更に第1ストップボタンB1
〜第3ストップボタンB3のうちボタンが2回押下され、押し順に応じた演出を実行するパターンである。具体的には、パターン7は、押し順の正解が「右押下→中押下/左押下→左押下/中押下」である場合において、「右押下→左押下→中押下」の押し順で押下され、不正解(失敗)である旨の演出が実行され、更に「中押下→左押下」の押し順で押下されたパターンである。この場合、「右押下→左押下→中押下」の押し順は、不正解であることが確認できる。従って、リールの回転後は、上記不正解の押し順以外の押し順で第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3を押下すればよい。
【0132】
(パターン8)
図11のパターン8は、パターン7に加えて、更に第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3のうちボタンが1回押下され、最終的に押し順に正解した旨の演出が実行されるパターンである。具体的には、パターン8は、押し順の正解が「右押下→中押下/左押下→左押下/中押下」である場合において、「左押下→中押下→右押下」の押し順で押下され、不正解(失敗)である旨の演出が実行され、更に「右押下→中押下→左押下」の押し順で押下され、正解である旨の演出が実行されるパターンである。この場合、「右押下→中押下→左押下」の押し順は、正解であることが確認できる。従って、第1リールR1〜第3リールR3の回転後は、上記正解の押し順で第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3を押下すればよい。この場合、正解の停止制御が実行され、最初に第3ストップボタンB3を押下すると、第3リールR3ではベルが引き込まれる。ベルは、押下操作のタイミングに拘わらず引き込めるよう配置されていることから、第1ストップボタンB1、第2ストップボタンB2の押下順序に拘わらず、第1リールR1、第2リールR2においてもベルを引き込む停止制御が行われる。その結果、ベルが入賞する。
【0133】
次に、図12に示すフローチャートに基づいて説明する。ステップS71では、スタートレバー14が押下される。ステップS71は、基本的な処理で説明したステップS03に対応する。スタートレバーが押下されると、ステップS72へ進む。
【0134】
ステップS72(ステップS05に対応)では、ウェイト時間中か否か判定される。ウェイト時間中でないと判定された場合、ステップS80へ進む。一方、ウェイト時間中と判定された場合、ステップS73へ進む。ウェイト時間中でないと判定された場合の処理、すなわちステップS80からステップS86までの処理は、内部抽選の抽選結果に応じて実行される既定の演出であり、図12のパターン5が例示される。
【0135】
ステップS73では、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の全てのボタンが押下されたか否か判定される。具体的には、リール制御手段130が、ストップスイッチ240から出力されるリール停止信号を取得することで第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の全てのボタンが押下されたことを検知できる。演出制御手段180は、リール停止信号を取得することで、ストップボタンが押下されたか否かを判定することができる。第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の全てのボタンが押下されたと判定された場合、ステップS74へ進む。一方、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の全てのボタンが押下されたと判定されなかった場合、ステップS72へ戻る。なお、ステップS72では、リール制御手段130はウェイト時間中であると判定している。従って、リール制御手段130は、これを契機に第1リールR1〜第3リールR3の回転駆動の開始をウェイト時間中でないと判定されるまで保留させる。また、ウェイト時間中であることから、リール制御手段130は、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の押下操作が行われても、リールを停止させる処理を実行しないことになる。
【0136】
ステップS74では、押し順が正解か否か判定される。具体的には、演出制御手段180は、ストップスイッチ240から出力されるリール停止信号から特定される押し順と、
内部抽選手段125で抽選された正解の押し順とを比較する。双方の押し順が一致している場合、出制御手段180は、正解の押し順と判定する。この場合、ステップS75へ進む。一方で、双方の押し順が一致していない場合、出制御手段180は、不正解(失敗)の押し順と判定する。この場合、ステップS76へ進む。
【0137】
ステップS75では、正解した旨の演出が実行される。すなわち、演出制御手段180は、サブメモリ190Sの演出データ記憶手段191Sに記憶されている演出データに基づいて、液晶ディスプレイ8に演出4に対応する映像(例えば、「正解!」)を表示させるとともに、液晶ディスプレイ8に表示する映像に対応する音声をスピーカSP1、2から出力させる。その結果、遊技者は、ウェイト時間中に、正解の押し順を知ることができる。正解した旨の演出が実行されると、ステップS80へ進む。
【0138】
一方で、ステップS76では、押し順が不正解である旨の演出が実行される。演出制御手段180は、サブメモリ190Sの演出データ記憶手段191Sに記憶されている演出データに基づいて、ステップS75における「正解」に代えて例えば、「不正解!」の旨の演出を実行する。その結果、遊技者は、ウェイト時間中に、正解の押し順の絞り込みを行うことができる。不正解である旨の演出が実行されると、ステップS72へ戻る。
【0139】
ステップS80では、リールの回転が開始される。なお、スタートレバーの押下後、ステップS72で少なくとも一度でもウェイト時間中であると判定された後にステップS80へ進んだ場合、ステップS80におけるリールの回転開始は、遊技の進行が一時的に停留していた状態が解除されることで実現される。第1リールR1〜第3リールR3の回転が開始されると、ステップS81へ進む。
【0140】
ステップS81では、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の全てのボタンが押下されたか否か判定される。第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3が押下されたと判定された場合、ステップS82へ進む。一方、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3が押下されたと判定されなかった場合、ステップS81へ戻る。
【0141】
ステップS82では、押し順が正解か否か判定される。双方の押し順が一致している場合、出制御手段180は、正解の押し順と判定する。この場合、ステップS83へ進む。一方で、双方の押し順が一致していない場合、出制御手段180は、不正解(失敗)の押し順と判定する。この場合、ステップS84へ進む。
【0142】
ステップS83では、正解した旨の演出が実行される。正解した旨の演出が実行されると、処理が終了する。一方で、ステップS84では、押し順が不正解である旨の演出が実行される。不正解である旨の演出が実行されると、処理が終了する。
【0143】
以上説明したウェイト時間中に押し順チャレンジ演出を実行する態様によれば、内部抽選によって押し順のある役が決定された場合において、実際の押し順の正解又は不正解の演出が前倒しで実行される。そのため、遊技者は、ウェイト時間中に押し順の正解又は不正解を確認することができる。従って、遊技者はウェイト時間の経過後では、ウェイト時間中に確認した押し順の正解又は不正解を考慮した操作を行うことができる。押し順の正解を既に確認済みであれば、遊技者は正解の押し順に従った操作を行うことができる。押し順の正解を確認できていない場合でも、不正解の押し順を確認済みであることから、遊技者はウェイト時間経過後では、不正解の押し順以外の押し順で操作を行うことができる。従って、ウェイト時間経過後における押し順の正解率を向上することができる。よって、ウェイト時間中の遊技意欲が向上され、押し順の正解率の向上といった新たな技術介入の要素を付与することができる。
【0144】
(その他の実施形態)
上述した実施形態では、前倒しする既定の演出として、ステップアップ演出、当選結果の演出(押し順チャレンジ演出)を例に説明した。なお、図9における演出5から7(図9において星印を付す)は、省略してもよい。すなわち、図10BのステップS57−1、図10DのステップS65−1及びステップS66−1、図10EのステップS33−1、ステップS34−1、及びステップS35−1は省略することができる。これにより、より簡易な処理とすることができ、遊技機1の処理負担を軽減することができる。
【0145】
また、上述した実施形態の押し順チャレンジ演出では、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の全てが押下操作された上で、押し順が正解か否かを判定したが、第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の何れか一つが押下された際に、正解か不正解かを判定し、判定結果の演出を実行するようにしてもよい。例えば、「第1ストップボタンB1→第3ストップボタンB3→第2ストップボタンB2」が正解である場合には、最初に「第3ストップボタンB3」又は「第2ストップボタンB2」が押下されると、この時点で不正解と判定され、不正解の旨の演出が実行される。これにより、ウェイト時間中により多くの押し順を試すことができる。その結果、正解の押し順をより絞り込むことができる。
【0146】
また、上述した実施形態の押し順チャレンジ演出では、3択を例に説明したが、押し順チャレンジは6通りの押し順の中に一つの正解が設定された6択でもよい。
【0147】
また、前倒しする演出は、当選した役の種類を報知する演出、役を入賞させるための第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の押下順序を報知する演出、有効ライン上に第2特殊図柄組合せが表示されることを回避することができる第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の押下順序を報知する演出を報知する演出などでもよい。
【0148】
また、上述した実施形態では、ウェイト時間中に第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3が押下されることを契機として、既定の演出1から4が前倒しされる態様について説明した。但し、例えば、ウェイト時間中におけるスタートレバー1の押下や、ベットボタン13の押下などを契機として、既定の演出1から4を前倒しするようにしてもよい。
【0149】
また、演出の前倒しをする遊技状態は、通常状態、ボーナス成立状態、ボーナス状態、リプレイ低確率状態A、リプレイ低確率状態B、リプレイ低確率状態C、リプレイ高確率状態A、リプレイ高確率状態B、リプレイ無抽選状態のいずれでもよい。各状態での演出を操作手段と関連付けて、演出を前倒しするようにしてもよい。なお、例えば上述した当選結果の演出(押し順チャレンジ演出)や、役を入賞させるための第1ストップボタンB1〜第3ストップボタンB3の押下順序を報知する演出などは、AT状態において実行される。また、AT状態では、ウェイト時間が、特に遊技操作の早い遊技者にとって退屈な時間となりうる。実際に、AT状態では、ウェイト時間を待ちきれずにウェイト時間に停止操作を行ってしまう遊技者も数多く見受けられる。従って、実施形態に係る遊技機1は、ATを搭載した機種に特に好適である。
【0150】
なお、上記した種々の内容は、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲に於いて可能な限り組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0151】
1・・・遊技機
2・・・収納箱
3・・・前面上扉
4・・・前面下扉
5・・・筐体
6・・・表示窓
7・・・遊技情報表示部
8・・・液晶ディスプレイ
13・・・ベットボタン
14・・・スタートレバー
B1〜B3・・・第1ストップボタン〜第3ストップボタン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に複数の図柄が配列された複数のリールと、
前記複数のリールの回転を開始させる開始操作部と、回転中の前記複数のリールを個別に停止させる停止操作部とを少なくとも含む、遊技者からの操作を受け付ける操作手段と、
前記開始操作部に対する操作を契機に役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
前記開始操作部に対する操作を契機に前記複数のリールを回転させ、前記停止操作部に対する操作を契機に前記内部抽選手段による抽選結果に応じた態様で回転中のリールを停止させるリール制御手段と、
前記内部抽選手段による内部抽選の結果に応じた演出を決定し、決定した演出を実行する演出制御手段と、
1回の遊技に要する時間が規定時間に満たない場合、前記リール制御手段を制御して遊技の進行を一時的に停留させるウェイト処理手段と、を備え、
前記演出制御手段は、前記遊技の進行が一時的に停留するウェイト時間中に前記操作手段に対する所定操作が行われた場合、前記ウェイト時間の経過後に実行する既定の演出を、前記ウェイト時間中に前倒しで実行することを特徴とする
遊技機。
【請求項2】
前記演出制御手段が演出内容を段階的に変化させるステップアップ演出を行う場合において、
前記演出制御手段は、前記ウェイト時間中に前記所定操作が行われた場合、前記ウェイト時間の経過後に実行する既定の演出としての前記ステップアップ演出を前倒しで実行することを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記演出制御手段は、前記ウェイト時間の経過後に実行する既定の演出を、前記ウェイト時間中に前倒しで実行した場合、前記ウェイト時間の経過後に前記既定の演出と異なる追加の演出を実行することを特徴とする、請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記内部抽選手段が前記内部抽選によって前記停止操作部の押し順が設定された押し順のある役を決定し、前記演出制御手段が前記押し順のある役に対する前記停止操作部の実際の押し順の正解又は不正解の演出を行う場合において、
前記演出制御手段は、前記ウェイト時間中に前記所定操作として所定の押し順で停止操作が行われると、前記ウェイト時間の経過後に実行する既定の演出としての前記実際の押し順の正解又は不正解の演出を前倒しで実行することを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
【請求項1】
外周面に複数の図柄が配列された複数のリールと、
前記複数のリールの回転を開始させる開始操作部と、回転中の前記複数のリールを個別に停止させる停止操作部とを少なくとも含む、遊技者からの操作を受け付ける操作手段と、
前記開始操作部に対する操作を契機に役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
前記開始操作部に対する操作を契機に前記複数のリールを回転させ、前記停止操作部に対する操作を契機に前記内部抽選手段による抽選結果に応じた態様で回転中のリールを停止させるリール制御手段と、
前記内部抽選手段による内部抽選の結果に応じた演出を決定し、決定した演出を実行する演出制御手段と、
1回の遊技に要する時間が規定時間に満たない場合、前記リール制御手段を制御して遊技の進行を一時的に停留させるウェイト処理手段と、を備え、
前記演出制御手段は、前記遊技の進行が一時的に停留するウェイト時間中に前記操作手段に対する所定操作が行われた場合、前記ウェイト時間の経過後に実行する既定の演出を、前記ウェイト時間中に前倒しで実行することを特徴とする
遊技機。
【請求項2】
前記演出制御手段が演出内容を段階的に変化させるステップアップ演出を行う場合において、
前記演出制御手段は、前記ウェイト時間中に前記所定操作が行われた場合、前記ウェイト時間の経過後に実行する既定の演出としての前記ステップアップ演出を前倒しで実行することを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記演出制御手段は、前記ウェイト時間の経過後に実行する既定の演出を、前記ウェイト時間中に前倒しで実行した場合、前記ウェイト時間の経過後に前記既定の演出と異なる追加の演出を実行することを特徴とする、請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記内部抽選手段が前記内部抽選によって前記停止操作部の押し順が設定された押し順のある役を決定し、前記演出制御手段が前記押し順のある役に対する前記停止操作部の実際の押し順の正解又は不正解の演出を行う場合において、
前記演出制御手段は、前記ウェイト時間中に前記所定操作として所定の押し順で停止操作が行われると、前記ウェイト時間の経過後に実行する既定の演出としての前記実際の押し順の正解又は不正解の演出を前倒しで実行することを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図10E】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図10E】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−70706(P2013−70706A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209746(P2011−209746)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(390031772)株式会社オリンピア (2,719)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(390031772)株式会社オリンピア (2,719)
【Fターム(参考)】
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