説明

運転補助装置

【課題】より効果的に運転の安全性を高めることができる運転補助装置を提供すること。
【解決手段】本発明による運転補助装置1は、ドライバーの入力した目的地と地図情報から前記目的地までのルート情報を探索するナビ制御手段3aと、ドライバーの疲労度を監視して疲労度が所定閾値以上である場合にドライバーが疲労していると判定する疲労度監視手段3bと、路側のセンターからドライバーの嗜好情報を取得する提供情報導出手段3cを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗用車、トラック、バス等の車両に適用して好適なドライバーの運転補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の車両には、ドライバーが入力した目的地と、GPSにより検出した車両の現在位置する現在地とに基づいてルート情報をドライバーに案内して、利便性を高めるための運転補助装置として、カーナビゲーションシステムが搭載される場合が多い。このようなカーナビゲーションシステムにおいては、ドライバーにルート情報を案内するにあたり、ディスプレイや音声による案内が行われている。
【0003】
この中でも特に、特許文献1に記載されているようなカーナビゲーションシステムにおいては、個々のドライバーの休憩を取得するタイミング等の休憩特性を学習し、この休憩特性を利用することにより、目的地に到るルートを走行するにあたって、休憩時間の取得を加味した余裕のある所要時間計算を行うとともに、適切な休憩時期、休憩場所をドライバーに提案することで、ドライバーの疲労を軽減して運転の安全性を高めることが提案されている。
【特許文献1】特開平11−06741号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、このようなカーナビゲーションシステムにおいては、単にドライバーの過去の運転において学習された休憩特性に基づいて、適切な休憩時期及び休憩場所をドライバーに提案するのみであるので、ドライバーにとっては、その休憩場所に立ち寄る動機付けや目的が小さいため、休憩場所を提示されても立ち寄って休憩する気すなわち意欲がおきにくいおそれがあり、運転の安全性を十分に高められているとは言い難い状況にあった。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑み、より効果的に運転の安全性を高めることができる運転補助装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の問題を解決するため、本発明に係る運転補助装置は、
ドライバーの入力した目的地と地図情報から前記目的地までのルート情報を探索するナビ制御手段と、前記ドライバーの疲労度を監視して前記疲労度が所定閾値以上である場合に前記ドライバーが疲労していると判定する疲労度監視手段と、路側のセンターから前記ドライバーの嗜好情報を取得する提供情報導出手段を備えることを特徴とする。
【0007】
ここで、前記運転補助装置において、
前記ドライバーが疲労していると判定された場合に、前記提供情報導出手段が、路側のセンターからテレビ又はラジオの番組情報を取得することが好ましい。なお、前記ドライバーの嗜好情報とは例えば、前記ドライバーの番組嗜好又は習慣嗜好であって、前者の番組嗜好とは、例えば、自宅でよく視聴しているテレビ又はラジオの番組又は番組のジャンルであり、後者の習慣嗜好とは、習慣的に実行している行動、例えば、体操、ヨガ、イスラム教のお祈りである。
【0008】
これによれば、前記ドライバーが疲労していると判定された場合に、前記提供情報導出手段が前記ドライバーの嗜好情報から、前記ドライバーの嗜好に合致した前記テレビ又はラジオの番組を選択することを可能にすることができる。また、前記ドライバーが疲労していると判定される場合に、単に休憩所を提示するのみならず、後者の習慣嗜好に属する習慣的な行動の実践を促すことを可能なものとすることができる。
【0009】
あるいは、前記運転補助装置において、
前記ナビ制御手段が前記ルート情報を探索した場合に、前記提供情報導出手段が、路側のセンターからテレビ又はラジオの番組情報を取得することとしてもよい。
【0010】
これによっても、前記ドライバーが目的地を入力して、前記ナビ制御手段が前記ルート情報を探索した場合に、前記提供情報導出手段が前記ドライバーの嗜好情報から、前記ドライバーの嗜好に合致した前記テレビ又はラジオの番組を選択することを可能にすることができる。また、この場合においても、単に休憩所を提示するのみならず、後者の習慣嗜好に属する習慣的な行動の実践を促すことを可能なものとすることができる。
【0011】
また、前記運転補助装置において、
前記疲労度に基づき推奨休憩時期を算出する推奨休憩時期算出手段を備えることが好ましい。
【0012】
これによれば、前記ドライバーの疲労度に基づいて、前記推奨休憩時期を算出することができる。例えば、前記疲労度が高いほど、前記ドライバーが現在地から長い時間運転を継続することが難しいことから、前記推奨休憩時期をより早い時刻とする。
【0013】
さらに、前記運転補助装置において、
前記ルート情報と、現在地情報及び地図情報から前記推奨休憩時期までに到着可能な休憩所を検索する休憩所検索手段を備えることが好ましい。
【0014】
これによれば、前記疲労度から算出された前記推奨休憩時期までに到着可能な複数の休憩所を、前記提供情報導出手段が前記ドライバーに対して提供可能とすることができる。
【0015】
加えて、前記運転補助装置において、
前記提供情報導出手段が、前記推奨休憩時期に前記休憩所において視聴可能であって、前記ドライバーの嗜好情報に合致するテレビ又はラジオの番組を前記番組情報から選択して、当該番組と前記休憩所を紐付けてドライバーに提示することが好ましい。
【0016】
このように、前記ドライバーの嗜好情報に合致するテレビ又はラジオの番組を前記番組情報から選択して、当該番組と前記休憩所を紐付けてドライバーに提示することにより、提示された前記休憩所に、前記ドライバーが立ち寄ろうとする気を起こさせて、積極的に休憩を取る意欲を高めて、より効果的に運転の安全性を高めることができる。
【0017】
さらに、前記運転補助装置において、
前記ドライバーを特定するドライバー特定手段を備えるとともに、前記疲労度監視手段が、前記所定閾値を特定されたドライバーに応じた値とすることが好ましい。
【0018】
これによれば、前記疲労度監視手段が、前記ドライバーに応じた前記所定閾値を用いて前記ドライバーの疲労を判定することができるので、個々のドライバーに応じたタイミングにおいて、前記提供情報導出手段が前記休憩所及び前記番組の提供を行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、より効果的に運転の安全性を高めることができる運転補助装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
【0021】
図1は、本発明に係わる運転補助装置の一実施形態を示す模式図である。運転補助装置1は、ドライバーの自宅に備えられた嗜好検出装置2と、車両に備えられたカーナビゲーションECU(Electronic Control Unit)3と、路側のセンターに備えられたサーバ4と、基地局5とを備えて構成される。嗜好検出装置2と、サーバ4と、基地局5とは、ネットワークを介して接続されると共に、カーナビゲーションECU3はネットワークに接続された基地局5と無線又は有線で通信可能に構成されている。
【0022】
このネットワークは、例えば、公衆電話交換網(PSTN)やデジタル通信ネットワーク(ISDN)、光ファイバ等の有線、又は、携帯電話網、PHS(Personal Handy-phone System)網、無線LAN網、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)網、衛星電話、ビーコン等の無線にて構成されるものである。
【0023】
ここで、嗜好検出装置2はドライバーの自宅に配置されるものであり、ドライバーの嗜好情報のうち番組嗜好、例えば、自宅でよく視聴しているテレビ又はラジオの番組又は番組のジャンルを、テレビ又はラジオから取得し、習慣嗜好を後述する監視カメラの画像から取得する。以下に、嗜好検出装置2について詳細に説明する。
【0024】
図2は、本発明に係わる運転補助装置1の一部をなす嗜好検出装置2の構成を示す模式図である。嗜好検出装置2は、情報収集装置60、番組嗜好検出装置61、習慣嗜好検出装置62とから構成される。
【0025】
番組嗜好検出装置61は、通信機能を備えるテレビやラジオ等にLAN(Local Area Network)により接続されており、テレビやラジオ等から、ドライバーが普段視聴している番組とその番組のゴルフ、釣り等のジャンルを検出する。習慣嗜好検出装置62は、自宅内に設けられた監視カメラの映像から、ドライバーの習慣嗜好、例えば、体操、ヨガ、イスラム教のお祈り等の習慣的な行動を検出する。
【0026】
情報収集装置60は、CPU605、インターフェース601、メモリ602、RAM603、ROM604、通信装置606を備えて構成される。CPU605は、ROM604内に格納されたプログラムを実行し、メモリ602は、番組嗜好検出装置61の取得した番組嗜好情報、習慣嗜好検出装置62が取得した習慣嗜好情報やプログラムを記憶する。
【0027】
ROM604はOSやデバイスプログラムを記憶している。RAM603は、プログラムを一時的に記憶する作業領域として機能する。CPU605はプログラムを実行することで番組嗜好検出装置61から番組嗜好情報を取得し、習慣嗜好検出装置62から習慣嗜好情報を取得して、これらを合わせた嗜好情報を、通信装置606を介してサーバ4に送信する。
【0028】
次に路側のセンターのサーバ4について図を用いて詳細に説明する。図3は、本発明に係わる運転補助装置1の一部をなすセンターのサーバ4を示す模式図である。サーバ4は、本発明に係わる制御以外にも、カーナビゲーションECU3を仲介して種々のサービスをドライバーに提供するものである。
【0029】
例えば、路側のセンターのサーバ4にはドライバーの携帯端末のメールアドレス等が登録されていて、第三者の車両への侵入やエンジン始動等を監視してドライバーに通知することに加え、ドライバーが携帯端末からセンターのサーバ4にアクセスすると携帯端末の操作内容に基づき車両のエンジンECUやブレーキECU、ステアリングECU等の車載装置を遠隔操作して、盗難防止制御を実行することができる。
【0030】
図3に示すように、サーバ4はそれぞれバスで相互に接続されているCPU71、主記憶装置72、HDDなどの記憶装置73、表示装置74、入力装置75、ドライブ装置76及び通信装置77を備えて構成される。
【0031】
CPU71は、OSやアプリケーションなどのプログラムを記憶装置73から読み込んでして実行することで種々の機能を提供すると共に、サーバ4が行う処理を統括的に制御する。主記憶装置72はRAMにより構成され、OSやプログラム、データを一時保管する作業領域となる。記憶装置73は、HDDやフラッシュメモリなど不揮発性メモリであり、OS、プログラム、ドライバ等のファイル及び嗜好検出装置2から取得した嗜好情報が記憶されている。
【0032】
表示装置74は、プログラムが指示する画面情報に基づき所定の解像度や色数等で液晶などのディスプレイに描画する。例えば、GUI(Graphical User Interface)画面を形成し、操作に必要な各種ウィンドウやデータ等をディスプレイに表示する。
【0033】
入力装置75はキーボードやマウスなどで構成され、ドライバーからの様々な操作指示を入力するために用いられる。ドライブ装置76は記憶媒体78が挿入可能に構成されており、記憶媒体78に記憶されたデータを読み取って主記憶装置72等に送出する。通信装置77は、インターネットやLANなどのネットワークに接続するためのインターフェースであり、例えばモデム、NIC等で構成される。
【0034】
CPU71がプログラムを実行することで、情報収集装置60から送信されたドライバーの嗜好情報は、記憶装置73に記憶され、記憶された嗜好情報は、カーナビゲーションECU3は提供情報導出手段3cの要求に基いてカーナビゲーションECU3に転送される。
【0035】
次にカーナビゲーションECU3について図を用いて詳細に説明する。図4は、本発明に係わる運転補助装置1の一部をなすカーナビゲーションECU3の一実施態様を示す模式図である。
【0036】
カーナビゲーションECU3には、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)アンテナ6と、IMU(Inertial Measurement Unit)7と、ステアリングセンサ8と、受信機9と、データベース10と、ディスプレイ11と、疲労検知装置12と、認証装置13が接続される。
【0037】
さらに、カーナビゲーションECU3には、ABS(Anti Lock Brake System)14と、通信装置15がCAN(Controller Area Network)等の通信規格により接続される。
【0038】
カーナビゲーションECU3は、例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを相互に接続するデータバスと入出力インターフェースから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、以下に述べるそれぞれの制御を行うナビ制御手段3a、疲労度監視手段3b、提供情報導出手段3c、推奨休憩時期算出手段3d、休憩所検索手段3e、ドライバー特定手段3f、入出力制御手段3gとして機能するものである。
【0039】
GPSアンテナ6は、地球上空に打ち上げられた複数の衛星の内三個の衛星からの電波を受信し、これらの電波をもとに、カーナビゲーションECU3のナビ制御手段3aは、例えば三角測量の原理で自車の位置する現在地つまりは経度と緯度を測定する。なお、経度と緯度に加え高度も測定する場合には四個の衛星を用いる。
【0040】
ここで、IMU7は車両のヨーレートを検出するものであり、ステアリングセンサ8は車両の操舵装置に設けられて操舵角を検出するものである。データベース10はCD−ROMやDVD−ROM等の記憶媒体により構成され、表示用の地図情報と、探索用の地図情報を格納し記憶している。
【0041】
また、ディスプレイ11は入力された目的地をもとにカーナビゲーションECU3のナビ制御手段3aが探索したルート情報をカーナビゲーションECU3のナビ制御手段3aの指令に基づき表示用の地図情報とともに表示するものであるとともに、タッチパネルすなわちドライバーが目的地等の探索条件を入力し、後述する休憩所の候補から自分の都合の良い休憩所を選択する入力装置としても機能する。
【0042】
さらに、疲労検知装置12は、例えばドライバーの顔を撮像するCCDカメラと画像処理装置を備えて、撮像した画像中におけるドライバーが一定時間内に目を閉じている時間の割合、すなわち閉眼度等の疲労度を示す情報を検知して、カーナビゲーションECU3の入出力制御手段3gにこれらの疲労度を示す情報を出力するものである。
【0043】
加えて、認証装置13は個々のドライバーの有する指紋、虹彩、静脈、声紋等の情報により又は個々のドライバーが記憶しているパスワードの入力により、個々のドライバーの個人認証が可能な構成を有するものであり、個人認証結果を、カーナビゲーションECU3のドライバー特定手段3fに出力するものである。
【0044】
また、ABS14は制動時の車輪のロックを防止する装置であり、その制御に用いるための車速を図示しない車輪速センサから取得しており、カーナビゲーションECU3はその車速をABS14からCAN等の通信規格による伝送により取得している。
【0045】
さらに、受信機9は光あるいは電波ビーコンに準拠したものであり、VICS(Vehicle Information & Communication System:道路交通情報システム)からの渋滞情報を含む道路情報を受信する。
【0046】
上述したGPSアンテナ6を用いたカーナビゲーションECU3のナビ制御手段3aによる自車の位置する現在地の測定は、衛星からの電波を利用する特性上、高層ビルの谷間に自車が位置する場合やトンネル内を自車が走行している場合、あるいは、高架橋の下を自車が走行している場合などでは衛星からの電波をGPSアンテナ6が受信できないため、自車の現在地が測定できないという問題が生じる。
【0047】
このため、GPSアンテナ6が衛星から電波を受信できない場合には、カーナビゲーションECU3のナビ制御手段3aは、ABS14から取得した車速とIMU7が検出したヨーレート、ステアリングセンサ8が検出した操舵角をもとにして、自車の移動距離と方向を計算して自車の現在地を自律航法により測定する。これにより、GPSアンテナ6を用いた自車の現在地の測定と併せて、トータルの自車の位置する現在地の測定の精度を高めている。
【0048】
そして、カーナビゲーションECU3のナビ制御手段3aは、データベース10内の表示用の地図情報と、上述した方法により測定した自車の位置する現在地と、タッチパネルすなわちディスプレイ11により入力された目的地と、ナビ制御手段3aにより探索されたルート情報とを併せてディスプレイ11に表示する。
【0049】
なお、以上述べた嗜好検出装置2、サーバ4及びカーナビゲーションECU3間の通信は、PPPプロトコル(Point to Point Protocol)に従うものでありPPPプロトコルによりこれらの間でデータリンクを確立し、上位層であるTCP/IPプロトコル(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)、TCP/IPと上位互換であるHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)やFTP(File Transfer Protocol)を実現する。すなわち、ネットワークはインターネットやWAN(Wide Area Network)を構成して、嗜好情報や番組情報等のデータの送受信を可能とするものである。
【0050】
加えて、カーナビゲーションECU3のナビ制御手段3aは、ドライバーの入力した目的地と地図情報から目的地までのルート情報を探索する。これとともに、カーナビゲーションECU3のドライバー特定手段3fは、認証装置13の認証結果に基づいて、ドライバーを特定し、カーナビゲーションECU3の疲労度監視手段3bが、疲労度からドライバーが疲労していることを判定するにあたり用いる所定閾値を特定されたドライバーに応じた値とする。
【0051】
カーナビゲーションECU3の疲労度監視手段3bは、疲労検知装置12により取得した閉眼度等の疲労度を示す情報に基づいて、ドライバーの疲労度を監視して疲労度が所定閾値以上である場合にドライバーが疲労していると判定する。カーナビゲーションECU3の提供情報導出手段3cは、疲労度監視手段3bが、ドライバーが疲労していると判定した場合に、路側のセンターのサーバ4からドライバーの嗜好情報を取得する。
【0052】
さらに、疲労度監視手段3bが、ドライバーが疲労していると判定した場合に、カーナビゲーションECU3の提供情報導出手段3cは、路側のセンター4からテレビ又はラジオの番組情報を取得する。また、カーナビゲーションECU3の推奨休憩時期算出手段3dは、疲労度監視手段3bの取得した疲労度に基づき推奨休憩時期を算出する。ここでは、疲労度が高いほど、ドライバーが現在地から長い時間運転を継続することが難しいことから、推奨休憩時期をより早い時刻とする。さらに、カーナビゲーションECU3の休憩所検索手段3eは、ルート情報と、現在地情報及び地図情報から、推奨休憩時期算出手段3dの算出した推奨休憩時期までに到着可能なレストランや喫茶店等の休憩所を検索する。
【0053】
加えて、カーナビゲーションECU3の提供情報導出手段3cは、推奨休憩時期算出手段3dの算出した推奨休憩時期に休憩所において視聴可能であって、センター4から取得したドライバーの嗜好情報に合致するテレビ又はラジオの番組を、これもセンター4から取得した番組情報から選択して、ドライバーの嗜好情報に合致するテレビ又はラジオの番組と休憩所を紐付けてドライバーに提示する。
【0054】
以下に以上述べた運転補助装置1の制御内容を、フローチャートを用いて説明する。図5〜8は、本発明に係わる運転補助装置1の制御内容を示すフローチャートである。なお、図5〜8のフローチャートにおいては本発明に係わる制御内容のみを示し、上述した盗難防止制御については省略している。
【0055】
図5に示すように、S1において、ドライバーの認証装置13によるパスワードの入力又は指紋、虹彩、静脈、声紋照合により、ドライバーを認証装置13が認証すると、認証装置13は認証情報としてこれらを取得して、カーナビゲーションECU3のドライバー特定手段3fに出力する。
【0056】
S2において、カーナビゲーションECU3のドライバー特定手段3fは、この認証情報に基づき、ドライバーが予め登録された適合ドライバーであるかどうかを判定し、適合ドライバーであると判定された場合は、S3にすすんで、このドライバーが適合ドライバーであると特定し、不適合である場合には、制御を終了する。
【0057】
S3において、カーナビゲーションECU3のドライバー特定手段3fがドライバーを適合ドライバーであると特定した場合には、図6に示すS4にすすんで、カーナビゲーションECU3の疲労度判定手段3bが、疲労検知装置12から閉眼度等の疲労度に関する情報を取得し、S5において、疲労度判定手段3bが、ドライバーが疲労しているかどうかの判定に用いる疲労度の所定閾値を、特定したドライバーに適合する所定閾値に変更する。
【0058】
さらに、S6において、閉眼度等の疲労度が所定閾値を超えているかどうかを算出し、S7において、閉眼度が所定閾値を超えていれば、ドライバーが疲労しており、休憩を提案すると判定し、閉眼度が所定閾値を超えていなければ、ドライバーが疲労しておらず、休憩を提案しないと判定して、制御を終了する。
【0059】
S7において、休憩を提案すると判定した場合には、図7に示す、S8にすすみ、S8において、カーナビゲーションECU3の提供情報導出手段3cは、路側のセンターのサーバ4から番組情報すなわち番組表を取得するとともに、S9において、路側のセンターのサーバ4から、ドライバーの番組嗜好及び習慣嗜好の嗜好情報を取得する。
【0060】
さらに、S10において、カーナビゲーションECU3の推奨休憩時期算出手段3dは、S4からS6において疲労度監視手段3bが取得した疲労度から、休憩推奨時期を算出し、休憩所の候補を導出する。さらに、S11において、カーナビゲーションECU3の休憩所検索手段3eは、現在地情報及び地図情報から推奨休憩時期までに到着可能な複数の休憩所の候補を検索して、カーナビゲーションECU3の提供情報導出手段3cは、推奨休憩時期から視聴可能でドライバーの嗜好に合致した番組を選定する。
【0061】
S12において、カーナビゲーションECU3の提供情報導出手段3cは、対象番組すなわち、推奨休憩時期から視聴可能でドライバーの嗜好に合致した番組があるかないかを判定し、ある場合にはS13にすすみ、ない場合にはS15にすすむ。S13において、提供情報導出手段3cは、選定した番組が視聴可能である休憩所の候補を絞り込み、S14において、提供情報導出手段3cは、ドライバーに休憩所及び視聴できる番組を入出力制御手段3gを介してディスプレイ11を用いて提案する。S15においては、提供情報導出手段3cは、ドライバーに休憩所と、休憩所において普段習慣として行っている嗜好、すなわち、体操、ヨガ、イスラム教のお祈り等の行動を促すメッセージを入出力制御手段3g及びディスプレイ11を用いて提案する。
【0062】
S14及びS15のステップを終了した後、図8に示すS16において、ドライバーが、カーナビゲーションECU3の提供情報導出手段3cの提案した休憩所候補の選択を、ディスプレイ11のタッチパネル機能を用いて行い、S17において、カーナビゲーションECU3の提供情報導出手段3cがドライバーによる休憩所の選択があったかどうかを判定し、あった場合にはS18にすすみ、ない場合には制御を終了する。
【0063】
さらに、S18において、カーナビゲーションECU3のナビ制御手段3aは、休憩所を目的地として追加設定し、S19において、ナビ制御手段3aは、三角測量及び自律航法の原理で自車の位置する現在地を測定し、データベース10内の探索用の地図情報を用いて、ルート情報を再探索する。
【0064】
これとともに、S20において、カーナビゲーションECU3のナビ制御手段3aは、データベース10内の表示用の地図情報と、上述した方法により測定した自車の現在地と、ディスプレイ11のタッチパネル機能により選択された休憩所と、ナビ制御手段3aにより探索された休憩所に到るルート情報とを併せて入出力制御手段3gを介してディスプレイ11に表示する。
【0065】
これらの制御内容により実現される本実施例の運転補助装置1によれば、以下のような作用効果を得ることができる。すなわち、ドライバーが疲労していると判定された場合に、カーナビゲーションECU3の提供情報導出手段3cがドライバーの嗜好情報から、ドライバーの嗜好に合致したテレビ又はラジオの番組を選択して、カーナビゲーションECU3の疲労度監視手段3bが、ドライバーの疲労度に基づいて、推奨休憩時期を算出することができる。
【0066】
これらのことにより、カーナビゲーションECU3の疲労度監視手段3bが疲労度から算出した推奨休憩時期までに到着可能な複数の休憩所を、提供情報導出手段3cがドライバーに対して提供可能となるとともに、ドライバーの嗜好情報に合致するテレビ又はラジオの番組を、センターのサーバ4から取得した番組情報から選択して、番組と休憩所を紐付けてドライバーに提示することにより、提示された休憩所に、ドライバーが立ち寄ろうとする気を起こさせて、ドライバーの積極的に休憩を取る意欲を高めて、より効果的に運転の安全性を高めることができる。
【0067】
さらに、複数の休憩所の候補から、ドライバーに都合の良い休憩所を選択させた後、休憩所とドライバーの嗜好情報に合致する番組を紐付けて、ドライバーに提示することにより、ドライバーに対して、休憩所に立ち寄る動機付けをより強く与えることができ、これによっても、より効果的に運転の安全性を高めることができる。
【0068】
これに加えて、休憩推奨時期に視聴可能かつドライバーの嗜好情報に合致する番組がない場合においても、単に候補となる休憩所を提示するのみならず、ドライバーの習慣嗜好に照らして、習慣的な行動の実践を促すことができる。これによっても、ドライバーに対して、休憩所に立ち寄る動機付けをより強く与えることができ、より効果的に運転の安全性を高めることができる。
【0069】
また、カーナビゲーションECU3の疲労度監視手段3bが、ドライバーに応じた疲労度を判定するにあたり用いる所定閾値を変更して、ドライバーの疲労を判定することができるので、個々のドライバーに応じたタイミングにおいて、提供情報導出手段3cが休憩所及び番組の提供を行うことができる。
【0070】
以上本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明は上述した実施例に制限されることなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形および置換を加えることができる。
【0071】
また、上述した実施例においては、ドライバーの嗜好を自宅の嗜好検出装置2により検出して、センターのサーバ4及び基地局5を介して所定の嗜好情報を、カーナビゲーションECU3が取得したが、ドライバーがそれ以外の手段により予めセンターのサーバ4に登録しておくこともできる。これによれば、より簡易な構成とすることができる。
【0072】
さらに、上述した実施例においては、疲労度を示す情報として閉眼度を用いたが、ドライバーの視線が一定時間内に前方を向いている度合すなわち前方注視度を用いることも可能であるし、あるいは、脈拍や心拍等の生体情報等の他の情報を用いても良い。
【0073】
加えて、上述した実施例においては、図6に示したフローチャートのS7において、閉眼度が所定閾値を超えていて、カーナビゲーションECU3の疲労度判定手段3bが、ドライバーが疲労していると判定した場合に、提供情報導出手段3cがドライバーに対して、ドライバーの嗜好情報に合致するテレビ又はラジオの番組と休憩所を紐付けて、提示することとしたが、これに換えて、以下のような制御内容とすることもできる。
【0074】
すなわち、ドライバーがディスプレイ11のタッチパネル機能を用いて目的地を入力して、カーナビゲーションECU3のナビ制御手段3aがルート情報を探索した場合に、提供情報導出手段3cがドライバーに対して、ドライバーの嗜好情報に合致するテレビ又はラジオの番組と休憩所を紐付けて、提示することとしてもよい。
【0075】
これによっても、提示された休憩所に対して、ドライバーが立ち寄ろうとする気を起こさせて、ドライバーの積極的に休憩を取る意欲を高めて、より効果的に運転の安全性を高めることができる。また休憩所及びそれに紐付けられたドライバーの嗜好情報に合致するテレビ又はラジオの番組をより早いタイミングでドライバーに提示することができるので、より運転の安全性を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、より効果的に運転の安全性を高めることができる運転補助装置を提供すること運転補助装置に関するものであり、比較的軽微な制御上の変更により、所望の効果を得ることができるので、乗用車、トラック、バス等の様々な車両に適用して有益なものである。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明に係る運転補助装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る運転補助装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る運転補助装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図4】本発明に係る運転補助装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図5】本発明に係る運転補助装置の一実施形態の制御内容を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係る運転補助装置の一実施形態の制御内容を示すフローチャートである。
【図7】本発明に係る運転補助装置の一実施形態の制御内容を示すフローチャートである。
【図8】本発明に係る運転補助装置の一実施形態の制御内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0078】
1 運転補助装置
2 嗜好検出装置
3 カーナビゲーションECU
3a ナビ制御手段
3b 疲労度監視手段
3c 提供情報導出手段
3d 推奨休憩時期算出手段
3e 休憩所検索手段
3f ドライバー特定手段
3g 入出力制御手段
4 サーバ
5 基地局
6 GPSアンテナ
7 IMU
8 ステアリングセンサ
9 受信機
10 データベース
11 ディスプレイ
12 疲労検知装置
13 認証装置
14 ABS
15 通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライバーの入力した目的地と地図情報から前記目的地までのルート情報を探索するナビ制御手段と、前記ドライバーの疲労度を監視して前記疲労度が所定閾値以上である場合に前記ドライバーが疲労していると判定する疲労度監視手段と、路側のセンターから前記ドライバーの嗜好情報を取得する提供情報導出手段を備えることを特徴とする運転補助装置。
【請求項2】
前記ドライバーが疲労していると判定された場合に、前記提供情報導出手段が、路側のセンターからテレビ又はラジオの番組情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の運転補助装置。
【請求項3】
前記ナビ制御手段が前記ルート情報を探索した場合に、前記提供情報導出手段が、路側のセンターからテレビ又はラジオの番組情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の運転補助装置。
【請求項4】
前記疲労度に基づき推奨休憩時期を算出する推奨休憩時期算出手段を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の運転補助装置。
【請求項5】
前記ルート情報と、現在地情報及び地図情報から前記推奨休憩時期までに到着可能な休憩所を検索する休憩所検索手段を備えることを特徴とする請求項4に記載の運転補助装置。
【請求項6】
前記提供情報導出手段が、前記推奨休憩時期に前記休憩所において視聴可能であって、前記ドライバーの嗜好情報に合致するテレビ又はラジオの番組を前記番組情報から選択して、当該番組と前記休憩所を紐付けてドライバーに提示することを特徴とする請求項5に記載の運転補助装置。
【請求項7】
前記ドライバーを特定するドライバー特定手段を備えるとともに、前記疲労度監視手段が、前記所定閾値を特定されたドライバーに応じた値とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の運転補助装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−162721(P2009−162721A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−3096(P2008−3096)
【出願日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】