説明

配線基板およびその製造方法

【課題】多層配線基板の層間に、高容量密度容量を有するキャパシタ素子を、低コストで生産性良く内蔵し、また、信頼性や歩留まりを確保してキャパシタ素子を内蔵する。
【解決手段】キャパシタ素子は、銅箔上に拡散防止層と誘電体層を連続成膜により形成した誘電体シートの上に第2の電極を形成し第1の電極/拡散防止層/誘電体層/第2の電極の4層構成を有する誘電体シートを積層途中配線基板に積層した後に、前記銅箔がエッチングされることで前記キャパシタ素子が前記積層途中配線基板上で分離され、前記キャパシタ素子の上に絶縁層を形成し、前記キャパシタ素子の電極の上に形成されたビアホールを介して配線パターンと接続することでキャパシタ素子を配線基板に内蔵する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はキャパシタ素子をあらかじめ作り込んだ配線基板およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、モバイル機器の急速な発展により小型化、高速化、高機能化の要求が強まり、配線基板の高密度化が期待されている。これを満たすべく表面に実装していた受動部品を配線基板内部に内蔵する技術が注目を集めている。受動部品を配線基板内部に内蔵する方法は大別するとチップ部品を配線基板に埋め込む方法と作り込む方法とに大別される。前者の、チップ部品を配線基板に埋め込む方法は、チップ部品の高さが数百μmあるため配線基板に埋め込むには絶縁層の厚みを厚くする、もしくは絶縁層を複数層犠牲にしたチップ部品を埋め込む穴を形成する必要があり、高密度化にはあまり寄与しない。後者の、受動部品を配線基板に作り込む方法は、先述の問題を解決できる技術として注目されている。例えば、特許文献1の技術では、有機樹脂中に無機誘電体フィラーを分散させた複合材料と導電性材料を順次一方の電極を形成した配線基板上に印刷形成しキャパシタ素子を配線基板に作り込む方法が提案されている。しかしながら、この方法でキャパシタ素子を形成した場合、有機樹脂中に高誘電率を有する無機フィラーの含有量を増大させると複合材料の比誘電率は大きくなるが、粒子間の空孔、フィラーの凝集、複合材料がもろくなる等の不具合により経験的に比誘電率を100以上にすることが困難であり高容量密度のキャパシタ素子を得ることができない欠点があった。
【0003】
又、特許文献2に、高誘電率材料を含有したセラミック材料および導電性材料を銅箔上に印刷形成し、高温焼成した後に配線基板に貼り合わせキャパシタ素子を形成する技術が提案されている。しかし、銅箔上にセラミック材料を形成する場合、バインダー樹脂を焼失させ、さらにチタン酸バリウムを結晶化させるために900℃以上の高温焼成が必要な問題がある。そして、誘電率の制御にはppmオーダーでの酸素濃度制御が必要となる欠点があり、さらに銅箔が酸化するなどの欠点がある。
【0004】
又、特許文献3に、セラミックス材料に替わり誘電率の高い無機系材料をゾルゲル法、スパッタリング等により銅箔上に形成する方法も提案されている。しかし、銅箔上に誘電率の高いジルコン酸チタン酸鉛(PZT)などをゾルゲル法にて形成する場合、環境観点で望ましくない鉛を含む欠点がある。さらにピンホールなく薄膜形成することが困難である欠点がある。更に、600℃以上の高温焼成が必要である問題があり、600℃以上の高温焼成時に銅箔の銅が誘電体材料中に拡散する欠点がある。また、一方の電極を形成した配線基板もしくは銅箔上にスパッタリングにてBaTiO3など高誘電率材料を成膜する場合、無機物質をRFスパッタにより成膜するため成膜レートが遅い欠点があり、また結晶化させる為に900℃以上で高温焼成する必要がありその際に銅箔の銅が誘電体材料中に拡散する、酸化する等の欠点がある。
【0005】
以下に公知文献を記す。
【特許文献1】特開平8−125302号公報
【特許文献2】特開2001−160672号公報
【特許文献3】米国特許第6541137号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記問題点を鑑みなされたものであり、その課題とするところは、多層配線
基板の層間に、高容量密度容量を有するキャパシタ素子を、低コストで生産性良く内蔵し、また、信頼性や歩留まりを確保してキャパシタ素子を内蔵した配線基板およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、この課題を解決するために、絶縁層と銅配線層からなる多層配線基板であって、少なくとも1つ以上のキャパシタ素子を内蔵した配線基板であり、前記キャパシタ素子は、第1の電極となる銅箔上に拡散防止層と誘電体層を連続成膜により形成した誘電体シートの上に第2の電極を形成し第1の電極/拡散防止層/誘電体層/第2の電極の4層構成を有する誘電体シートを、積層途中配線基板に積層した後に前記銅箔がエッチングされることで前記キャパシタ素子が前記積層途中配線基板上で分離され、前記キャパシタ素子の上に絶縁層を形成し、前記キャパシタ素子の電極の上に形成されたビアホールを介して配線パターンと接続したことを特徴とする配線基板である。
【0008】
また、本発明は、絶縁層と銅配線層からなる多層配線基板であって、少なくとも1つ以上のキャパシタ素子を内蔵した配線基板であり、前記キャパシタ素子は、第1の電極となる銅箔上に第1の拡散防止層と誘電体層と第2の拡散防止層を連続成膜により形成した誘電体シートの上に第2の電極を形成し第1の電極/第1の拡散防止層/誘電体層/第2の拡散防止層/第2の電極の5層構成を有する誘電体シートを、積層途中配線基板に積層した後に前記銅箔がエッチングされることで前記キャパシタ素子が前記積層途中配線基板上で分離され、前記キャパシタ素子の上に絶縁層を形成し、前記キャパシタ素子の電極の上に形成されたビアホールを介して配線パターンと接続したことを特徴とする配線基板である。
【0009】
また、本発明は、上記拡散防止層は窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、クロム、窒化クロムから選ばれる材料により構成されていることを特徴とする上記の配線基板である。
【0010】
また、本発明は、上記誘電体層は酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化チタンのいずれかもしくは2種以上を用いて形成されている上記の配線基板である。
【0011】
また、本発明は、上記第2の電極は銅、銀、あるいは銅ペースト、銀ペーストのいずれかである上記の配線基板である。
【0012】
また、本発明は、上記ビアホールは導電性ペーストにより電気的に接続された構造を特徴とする上記の配線基板である。
【0013】
また、本発明は、上記ビアホールは貴金属めっきにより電気的に接続された構造を特徴とする上記の配線基板である。
【0014】
また、本発明は、上記誘電体シートの、上記銅箔上に連続成膜により形成された上記拡散防止層、上記誘電体層が、デュアルマグネトロンスパッタによる連続成膜であることを特徴とする上記の配線基板である。
【0015】
また、本発明は、
1) 銅箔に連続成膜により拡散防止層、誘電体層を形成した誘電体シートを製造する工程、
2) 前記誘電体シートに熱処理もしくはプラズマ処理を施し、前記誘電体層を結晶化させる工程、
3) 前記誘電体層上にフォトレジストをラミネートし、露光・現像することによりエッ
チングレジストパターンを形成する工程、
4) 前記エッチングレジストパターンをマスクとして拡散防止層と誘電体層をパターニングする工程、
5) 前記拡散防止層と前記銅箔とをまたぐ様に導電性ペーストにて第2の電極を形成した誘電体シートを製造する工程、
6)積層途中配線基板上に、半硬化性絶縁シートを介して前記誘電体シートを前記銅箔を外側に向けて積層し前記半硬化性絶縁シートを硬化させることで誘電体シート積層基板を製造する工程、
7) 前記誘電体シート積層基板の前記銅箔上にフォトレジストを形成し、露光・現像し、前記銅箔の露出部分をエッチングすることで第1の電極と第2の電極用ランドを形成する工程、
8)前記第1の電極と前記第2の電極用ランドの上に絶縁層を形成する工程、
9)前記第1の電極と前記第2の電極用ランドの上の前記絶縁層にビアホール用の穴を形成する工程、
10)前記ビアホール用の穴と前記絶縁層の表面に金属めっきすることでビアホールと配線パターンを形成する工程、
を具備することを特徴とする配線基板の製造方法である。
【0016】
また、本発明は、上記銅箔上に連続成膜により上記拡散防止層、上記誘電体層を形成し誘電体シートを製造する工程が、デュアルマグネトロンスパッタにより連続成膜を形成することを特徴とする上記の配線基板の製造方法である。
【0017】
また、本発明は、
1) 銅箔に連続成膜により第1の拡散防止層、誘電体層、第2の拡散防止層、第2の電極層を形成した誘電体シートを製造する工程、
2)前記誘電体シートに熱処理もしくはプラズマ処理を施し、前記誘電体層を結晶化させる工程、
3) 積層途中配線基板上に半硬化性絶縁シートを介して前記誘電体シートを前記第2の電極層を外側に向けて積層する工程、
4) 前記第2の電極層上にフォトレジストをラミネートし、露光・現像することによりエッチングレジストパターンを形成する工程、
5)前記エッチングレジストパターンをマスクとして前記第2の電極層をエッチングすることにより第2の電極を形成する工程、
6) 前記第2の電極をマスクとして前記第2の拡散防止層、前記誘電体層および前記第1の拡散防止層より構成されるパターンを形成する工程、
7) 前記銅箔上にフォトレジストを形成し、露光・現像し、前記銅箔の露出部分をエッチングすることで第1の電極を形成する工程、
8)前記第1の電極および前記第2の電極上に絶縁層を形成する工程、
9)前記第1の電極および前記第2の電極の上の前記絶縁層にビアホール用の穴を形成する工程、
10)前記ビアホール用の穴と前記絶縁層の表面に金属めっきすることでビアホールと配線パターンを形成する工程、
を具備することを特徴とする配線基板の製造方法である。
【0018】
また、本発明は、上記銅箔上に連続成膜により上記第1の拡散防止層、上記誘電体層および上記第2の拡散防止層を形成し誘電体シートを製造する工程が、デュアルマグネトロンスパッタにより連続成膜を形成することを特徴とする上記の配線基板の製造方法である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、銅箔上に拡散防止層と誘電体層を連続成膜した誘電体シートを作成するので、高温焼成が不要である効果があり、また、ピンホール無く薄膜を形成できる効果がある。また、その誘電体シートを積層途中配線基板に積層し、その後にその表面の銅箔をエッチングすることでキャパシタ素子を積層途中配線基板上で分離して形成するため、キャパシタ素子が常に厚い保持材で安定に保持されてハンドリングされるので、キャパシタ素子を配線基板に内蔵する取扱が容易であり、そのキャパシタ素子を内蔵した配線基板の製造歩留まりを向上できる効果がある。更に、本発明は誘電体層を金属箔上に形成するため、高温処理による誘電体層の結晶化処理が可能である。また、高誘電体材料として酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化チタン等、常誘電体を使用している為、温湿度変化に伴う容量値の変動量を抑制できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明のキャパシタ素子を内蔵した配線基板における配線基板の断面の模式図である。図1(a)と図1(b)とで2種類の配線基板を示す。図2は図1(a)の構造を有する配線基板に関する製造工程の一部を示した断面模式図である。図3は図1(b)の構造を有する配線基板に関する製造工程の一部を示した断面模式図である。
【0021】
本発明は、厚さ10μmから100μmの銅箔上に、巻き取り式スパッタリング装置40により、厚さ1μm以下の拡散防止層102と誘電体層103を連続成膜処理により形成した誘電体シート403を製造する。その誘電体シート403を、銅箔の面を外側にして、ガラスエポキシ基板あるいはポリイミド基板等の積層途中配線基板100に、プリプレグを挟んで加熱・加圧し張り合わせる。その後にその基板の表面の銅箔をエッチングすることで第1の電極101aを形成すると同時にキャパシタ素子10あるいはキャパシタ素子11を積層途中配線基板100上で分離形成する。
【0022】
本発明は、このように、巻き取り式スパッタリング装置40により、銅箔上に、キャパシタ素子10、11の拡散防止層102と誘電体層103を、連続成膜で形成するため、誘電体層103を形成する際の酸素ガスを導入した反応性スパッタ中において、ターゲット表面の酸化に伴う成膜レートの低下を抑制でき、形成した膜中の酸素欠陥濃度の増大を抑制できる効果がある。また、銅箔上に拡散防止層102と誘電体層103を連続成膜した誘電体シート403を作成し、その誘電体シート403を積層途中配線基板100に積層し、その後にその表面の銅箔をエッチングすることでキャパシタ素子10、11を積層途中配線基板100上で分離して形成する。そのため、キャパシタ素子10、11を配線基板に内蔵する全工程にわたり、厚い銅箔で保持されるか、あるいは積層途中配線基板100で保持され、キャパシタ素子10、11は常に厚い保持材で安定に保持されてハンドリングされるので、キャパシタ素子10、11を配線基板に内蔵する取扱が容易である効果があり、また、キャパシタ素子10、11を内蔵した配線基板の製造歩留まりを向上できる効果がある。
【0023】
図1(a)の配線基板に内蔵されたキャパシタ素子10は、図に示すように、キャパシタ素子10を積層途中配線基板100に積層し絶縁層108で被覆し、キャパシタ素子10の第1の電極101aと第2の電極105上の第2の電極用ランド101bの上の絶縁層8にレーザ穴あけ装置で穴をあけて、その穴に銅めっきし銅を充填したビアホール107を形成し、そのビアホール107を配線パターン106に接続する。ここで、キャパシタ素子10では、その厚さの主要な部分である第1の電極101aと第2の電極用ランド101bを同一層に形成する。そのため、キャパシタ素子10は、キャパシタチップ部品を埋設する従来の技術とは異なり、配線基板の単一層に設置でき、配線基板の複数層を犠牲にすることがなく、キャパシタ素子10の配置位置の制約が少ない効果がある。また、キャパシタ素子10の第1の電極101aと第2の電極105上の第2の電極用ランド101bの上に形成するビアホール107の形が同じであるため、両ビアホール107の穴をレーザ穴あけ装置で形成する際に、同じ加工条件で加工でき、穴加工の生産性が良い効果がある。また、両者のビアホール107の形が同じであるので、ビアホール107の内部を銅めっきにより充填する条件が同じになり、ビアホール107の生産性が良い効果がある。
【0024】
キャパシタ素子10の第2の電極105は、銅ペーストあるいは銀ペーストをスクリーン印刷による簡易的な方法で形成する。第2の電極105にこれらの材料を用いることで誘電体層103に対する高い密着力を得ることができる。第2の電極105の面積は第1の電極101aより広く形成し、スクリーン印刷時の位置ズレによっても第1の電極101aの領域を第2の電極105が包含する構造とする。キャパシタ素子10の容量値は、第1の電極101aと第2の電極105の重なる面積と誘電体層103の厚み、誘電体の誘電率で規定されるが、第1の電極101aと第2の電極105の重なる面積はエッチング加工により得られる第1の電極101aの面積になる。そして、第1の電極101aの面積は、スクリーン印刷により形成する第2の電極105より精度良い寸法と位置に形成できるため、キャパシタ素子10の容量を精度を良く形成できる効果がある。
【0025】
また、拡散防止層102は、その材料を遷移金属化合物で形成し、具体的には窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、クロム、窒化クロムで形成する。これらの遷移金属化合物は銅および銀に対する拡散防止性能を有すると共に第1の電極101aの銅箔、あるいは第2の電極105の銅箔に対する高い密着強度が確保できる効果がある。
【0026】
そして、誘電体層103は常誘電特性を有する金属酸化物で形成し、具体的には酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化チタンを主成分にした金属酸化物で形成する。これらの2種以上を用いることもできる。これら金属酸化物は常誘電体なので分極−電解ヒステリシスループの面積は小さく、線形性が良いので容量を制御しやすい効果がある。また、誘電損失が小さい、DC Bias特性が良好である、容量温度特性が強誘電体と比較して小さい、等の利点を有する。さらに配線基板に内蔵した際に素子容量を変動させない効果がある。
【0027】
図1(b)の配線基板に内蔵されたキャパシタ素子11は、図に示すように、キャパシタ素子11を積層途中配線基板100上に積層し、その上を絶縁層108で被覆し、キャパシタ素子11の第1の電極101aと第2の電極105bの上の絶縁層8にレーザ穴あけ装置で穴をあける。キャパシタ素子11では、ビアホール107用の穴は、ビアホール107b用の穴より穴径が大きく穴の深さが深いため、ビアホール107bと同時のめっきによっては穴が充填されない。そのため、ビアホール107用の穴に銅ペーストもしくは銀ペーストを充填してビアホール107を形成する。次に、ビアホール107と絶縁層108の表面と第2の電極105b上の穴に、銅めっき、あるいは、銀、金、白金などの貴金属をめっきし、穴を充填しビアホール107bを形成し、そのビアホール107、107bを配線パターン106に接続する。
【0028】
ここで、キャパシタ素子11では、その誘電体層103を第1の拡散防止層102と第2の拡散防止層104で挟んで形成し、誘電体層103が直接第1の電極101aおよび第2の電極105bの金属層と接触しない構造にする。そのため、熱可塑性樹脂のような高温の加熱処理で積層する絶縁層を有する配線基板にキャパシタ素子11を埋め込むことができる。すなわち、その配線基板を高温の加熱処理により積層する際に、第1の電極101aおよび第2の電極105bの金属が誘電体層103中に拡散せず、良好な誘電体層103の特性が得られる効果がある。また、第2の電極105bは、第2の拡散防止層104の上に巻き取り式スパッタリング装置40により連続成膜で形成する。そのため、第2の拡散防止層104に対する高い密着力を得ることができる効果がある。更に、第2の電極105bは、その上に更に、厚い銅めっき層を形成し、第2の電極105b上の絶縁層108にレーザ穴あけによりビアホール107b用の穴を形成する際に、第2の電極105bがレーザ光で破られることが無いようにする。これにより、キャパシタ素子11を絶縁層108埋め込んだ配線基板で、第2の電極106bの上に接続信頼性に優れたビアホール107bを形成できる効果がある。
【実施例1】
【0029】
以下の実施例により本発明を詳細に説明する。
図2(a)〜(i)は本発明の配線基板における工程の一部を断面で示した模式図である。まず、図4に模式図を示す巻き取り式スパッタリング装置40を用いて厚さ35μmの銅箔201上に拡散防止層202として窒化チタン、誘電体層203として酸化ニオブを成膜した。この巻き取り式スパッタリング装置40は、巻き取りロール401、402と、第1のスパッタリング成膜部404、第2のスパッタリング成膜部405、第3のスパッタリング成膜部406、第4のスパッタリング成膜部407と、冷却ロール408から成る。上記、巻き取り式スパッタリング装置40の第1のスパッタリング成膜部404および第2のスパッタリング成膜部405には窒化チタンターゲット(TiN)をまた第3のスパッタリング成膜部406および第4のスパッタリング成膜部407には酸化ニオブターゲット(Nb2O5)材料を取り付けた。また、第1から第4のスパッタリング成膜部404〜407は、それぞれデュアルカソード方式で交互にカソードを切り替えることで成膜とクリーニングを同時に実施可能な構造にした。このときの成膜方法としてはDC(Direct Current 直流)スパッタリングにて成膜した。このときの投入電力はいずれの場合も3kW/cm2とした。まず、図2(b)に示すように、銅箔201を基材とする誘電体シート403を巻きだし方向(R)に巻き取りロール402で巻き取りながら、第1と第2のスパッタリング成膜部404と405を用いて、銅箔201上に窒化チタンを成膜し、拡散防止層202とした。次に、第3と第4のスパッタリング成膜部406と407を用いて、その上に酸化ニオブを成膜し、誘電体層203とした。拡散防止層202を形成するための導入ガスはアルゴン(Ar)と窒素ガスを2:1の割合で使用した。誘電体層203を形成するための導入ガスはアルゴンと酸素ガスを50:3の割合で使用した。また、成膜中の膜厚制御には水晶振動子モニターを用いた。
【0030】
上記で得られた誘電体シート403の膜厚は拡散防止層202が200nm、誘電体層203が400nmであった。これらの薄膜は、ピンホール無い良好な品質で形成できた。この誘電体シート403に500℃で2時間の熱処理を施し、誘電体を結晶化させた。ここで、銅箔上に拡散防止層202を介して誘電体層203が形成されているため、この結晶化に伴う高温熱処理によって銅が高誘電率材料中に拡散することが防止される。
【0031】
次に、図2(c)のように、この誘電体シート403上にドライフィルムレジスト(商品名:RY3315 日立化成製)をロールラミネーターにて熱圧着して貼り付けフィルムマスクを用いた露光、現像によりエッチングレジストパターン204を得た。
【0032】
次に、図2(d)のように、この誘電体シート403を、中心粒径が6.7μmの砥粒(例えば、アルミナ#2000)を用いたてエアー圧0.25MPaでノズルから水と一緒に吐出させるウェットブラストにより処理し、エッチングレジストパターン204をマスクとして、銅箔201が露出する程度まで誘電体層203と拡散防止層202の荒削り加工を行い、誘電体パターン205を形成した。
【0033】
次に図2(e)のように、この誘電体シート403上に、銅ペースト(商品名:NF2000 タツタシステムエレクトロニクス製)を100メッシュ、線径50μmのステンレスメッシュ版を用いてスクリーン印刷することで、誘電体パターン205と銅箔(201)をまたぐ第2の電極206を厚さ10μmから50μmに形成した。この第2の電極
206の銅ペーストを90℃で30分間乾燥させた後、さらに150℃で30分間の硬化処理を行った。このように、第2の電極206を形成する際には、150℃以下の温度で処理し、それ以上の高温の熱処理は施さないため、誘電体層203中への第2の電極206の銅の拡散が少ないという効果がある。
【0034】
次に、図2(f)のように、この誘電体シート403を、その銅箔201の面を外側にして、プリプレグ(商品名GEA−67N 日立化成製)と積層途中工程における配線基板を積層し、真空プレス機にて貼り合わせることで、誘電体シート403に積層途中配線基板207を貼り合わせた基板を形成した。
【0035】
次に、図2(g)のように、この基板の銅箔201の面にドライフィルムレジスト(商品名:RY3315 日立化成製)をロールラミネーターにて熱圧着して貼り付け、フィルムマスクを用いた露光、現像によりエッチングレジストパターン208を形成した。次に、図2(h)のように、その銅箔201を塩化第2鉄でエッチングし、個々のキャパシタ素子20の第1の電極209と第2の電極用ランド201aを形成した。すなわち、個々のキャパシタ素子20の第1の電極209上に第2の電極用ランド201aを形成し、誘電体パターン205の上に第2の電極206と接続する部分を除く領域に第1の電極209を形成した。
【0036】
次に、図2(i)のように、この基板のキャパシタ素子20を形成した面側に、プリプレグ(商品名:GEA−67N 日立化成製)を真空プレス機にて貼り合わせることで、絶縁層210を形成した。次に、炭酸ガスレーザあるいはYAGレーザの穴あけ装置で、第1の電極209および第2の電極用ランド201aの位置の絶縁層210にビアホール212用の穴を形成した。また、基板を貫通するドリル孔加工によりスルホール用貫通孔を形成した。次に、過マンガン酸や重クロム酸カリなどの強酸化剤を用いたデスミア処理、あるいは酸処理により、ビアホール212用の穴およびスルホール用貫通孔の樹脂残渣を除去した。次に、その穴とスルホール用貫通孔の壁面および絶縁層210の表面に銅めっき層を形成した。次に、その銅めっき層をエッチングすることにより銅めっき層で充填されたビアホール212と、孔壁面に銅めっき層が形成されたスルホールと、それらと接続する配線パターンを形成した。次に、その配線パターンと絶縁層210の上にソルダーレジスト211を形成した。次に、配線パターンの端子部へ、ニッケル−金めっき仕上げ処理を施し配線基板を製造した。
【0037】
ここで、ビアホール212用穴や、スルーホール用貫通孔を加工する際に、それらは、拡散防止層202及び誘電体層103を貫かないように形成する。そのため、ビアホール212用穴およびスルーホール用貫通孔の樹脂残渣を除去する為に実施される強酸化剤による処理および酸処理等の薬液処理で拡散防止層及び誘電体層103がダメージを受けることは無い。
表1に、このような製造方法で得られた配線基板のキャパシタ素子の容量値とその標準偏差の評価結果を示す。約0.8nF/mm2の容量のキャパシタが配線基板に内蔵できた。
【0038】
本実施例のキャパシタ素子20の誘電体層203は、デュアルカソード方式のマグネトロンスパッタにより形成するため、酸素ガスを導入した反応性スパッタ中におけるターゲット表面の酸化に伴う成膜レートの低下、膜中の酸素欠陥濃度の増大を抑制できる効果がある。また、銅箔201上に拡散防止層202と誘電体層203を連続成膜した誘電体シート403を用いてキャパシタ素子20を形成するため、銅箔201と誘電体層203と拡散防止層202の密着性を良くできる効果がある。
【実施例2】
【0039】
図3(a)〜(g)は本発明の配線基板における工程の一部を断面で示した模式図である。まず、図4に示す様な巻き取り式スパッタリング装置40を用いて厚み35μmの銅箔301上に第1の拡散防止層302として窒化チタン、誘電体層303として酸化ニオブ、第2の拡散防止層304として窒化チタン、第2の電極用導体層305として銅を成膜した。上記、巻き取り式スパッタリング装置40の第1のスパッタリング成膜部404には窒化チタンターゲット(TiN)を、また第2のスパッタリング成膜部405には酸化ニオブターゲット(Nb2O5)を、また第3のスパッタリング成膜部406には窒化チタンターゲットを、また第4のスパッタリング成膜部407には銅ターゲット(Cu)材料を取り付けた。また、第1から第4のスパッタリング成膜部404〜407は、それぞれデュアルカソード方式で交互にカソードを切り替えることで成膜とクリーニングを同時に実施可能な構造とした。このときの成膜方法としてはDC(Direct Current 直流)スパッタリングにて成膜した。このときの投入電力はいずれの場合も3kW/cm2とした。まず、誘電体シート403を巻きだし方向(R)に巻き取りロール402で巻き取りながら、第1のスパッタリング成膜部404を用いて、窒化チタンを銅箔301上に成膜し、第1の拡散防止層302とした。次に誘電体シート403を巻きだし方向(S)に巻き取りロール401で巻き取りながら、第2のスパッタリング成膜部405を用いて酸化ニオブを成膜し、誘電体層303とした。続いて巻き取り方向を(R)に切り替え、第3のスパッタリング成膜部406にて窒化チタンを成膜し、第2の拡散防止層とした。次に、巻き取り方向を(S)に切り替え、第4のスパッタリング成膜部407にて銅を成膜し、第2の電極用導体層305とした。成膜時の導入ガスは第1および第2の拡散防止層302と304はアルゴン(Ar)と窒素ガスを2:1の割合で使用し、誘電体層303はArと酸素ガスを50:3の割合で使用し、第2の電極用導体層305の銅の層はArガス単体を使用した。また、成膜中の膜厚制御には水晶振動子モニターを用いた。
【0040】
上記で得られた誘電体シート403は、図3(b)のように、35μmの厚さの銅箔301を基材とするが、それに形成した第1および第2の拡散防止層302と304の膜厚が200nm、誘電体層303の膜厚が400nm、第2の電極用導体層305の銅の層の膜厚が500nmであった。この誘電体シート403に500℃で2時間の熱処理を施し誘電体を結晶化させた。
【0041】
このようにして得られた誘電体シート403に、積層途中工程における配線基板を、プリプレグ(商品名GEA−67N 日立化成製)を用いて真空プレス機にて貼り合わせることで誘電体シート403の片面に積層途中配線基板307を貼り合わせた。その後、図3(c)のように、第2の電極用導体層305の銅の層上に電解銅めっきにて合計膜厚20μmとなる様にめっき被膜を形成することで第2の電極用導体層305の銅の層の厚さを増した。その後、ドライフィルムレジスト(商品名:RY3315 日立化成製)をロールラミネーターにて熱圧着して貼り付けフィルムマスクを用いた露光、現像によりエッチングレジストパターン306を得た。
【0042】
次に、エッチングレジストパターン306をマスクとして、誘電体シート403の第2の電極用導体層305をエッチングすることで、図3(d)のように、第2の電極305aを形成した。次に、中心粒径が6.7μmの砥粒(例えば、アルミナ#2000)を用いたてエアー圧0.25MPaでノズルから水と一緒に吐出させるウェットブラストにより、その第2の電極305aをマスクとして、誘電体シート403の銅箔301が露出する程度まで第2の拡散防止層302と誘電体層303と拡散防止層304の荒削り加工を行い、第2の電極305aの下に誘電体パターン310を形成した。
【0043】
この誘電体シート403の誘電体パターン310を形成した側の面にドライフィルムレジスト(商品名:RY3237 日立化成製)を真空ラミネーターにて熱圧着して貼り付
け、次に、フィルムマスクを用いた露光、現像することにより、図3(e)のようにエッチングレジストパターン308を形成した。このエッチングレジストパターン308をマスクとして、塩化第2鉄液で銅箔301をエッチングし、図3(f)のように、キャパシタ素子30を銅箔301から分離した個々の第1の電極309上に形成した。すなわち、キャパシタ素子30を、第1の電極309の上に、誘電体パターン310とその上の第2の電極305aとで形成した。
【0044】
この誘電体シート403のキャパシタ素子30を形成した側の面に、図3(g)のように、プリプレグ(商品名:GEA−67N 日立化成製)を真空プレス機にて貼り合わせて絶縁層311を形成した。次に、キャパシタ素子30の第1の電極309と第2の電極305aの上の絶縁層311に、炭酸ガスレーザあるいはYAGレーザによる穴あけ加工し、第1の電極309の上にビアホール312用の穴を形成し、第2の電極305aの上にビアホール312b用の穴を形成した。キャパシタ素子30では、ビアホール312用の穴は、ビアホール312b用の穴より穴径が大きく穴の深さが深いため、ビアホール312bと同時のめっきによっては穴が充填されない。そのため、ビアホール312用の穴に銅ペーストを充填してビアホール312を形成する。次に、ビアホール312と絶縁層311の表面と第2の電極305a上のビアホール312b用穴に銅めっきし穴を充填しビアホール312bを形成し、そのビアホール312、312bを配線パターン313に接続した。次に、ソルダーレジストを形成し、端子部へのニッケル−金めっき仕上げを施し配線基板を製造した。
表1に、このような製造方法で得られた配線基板のキャパシタ素子の容量値とその標準偏差の評価結果を示す。約0.8nF/mm2の容量のキャパシタが配線基板に内蔵できた。
【0045】
【表1】

表1に示す様に、実施例1および実施例2の配線基板は0.8nF/mm2の高容量密度のキャパシタ素子を、標準偏差が0.03nF/mm2で精度良く作り込む事ができる効果があった。
【0046】
本実施例によるキャパシタ素子30の製造方法は、銅箔301上に第2の電極用導体層305を含む4層を連続成膜した誘電体シート403により製造するため、各層間の密着強度を強くでき層間剥離を防止できる効果がある。さらに第2の電極用導体層305は、更にその上に銅めっきを加えることで厚くした。そして、その誘電体シート405を、第2の電極用導体層305を外側にして配線基板に積層した後に、フォトリソ工程で第2の電極用導体層305をエッチングして第2の電極305aを形成する。その第2の電極305aのパターンを利用して、ウェットブラスト法などの方法により第1の拡散防止層302と誘電体層303と第2の拡散防止層304から成る誘電体パターン310を形成することで、第2の電極305aを形成するフォトリソ工程だけで、誘電体パターン310用のフォトリソ工程が省略できる。そのため、キャパシタ素子11の製造コストを低減できる効果がある。また、誘電体シート403を配線基板に貼り合わせた後に、第2の電極305aをパターニングしてキャパシタ素子30を形成するため、形成されたキャパシタ素子30を配線基板に転写するハンドリングによりキャパシタ素子30を傷つける不良の発生が無く、キャパシタ素子30を内蔵した配線基板の製造歩留まりを向上させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明のキャパシタ素子を内蔵した配線基板の2種類の実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明の図1(a)の配線基板の製造工程を示す断面図である。
【図3】本発明の図1(b)の配線基板の製造工程を示す断面図である。
【図4】本発明の誘電体シートの製造に用いる巻き取り式スパッタリング装置の断面模式図である。
【符号の説明】
【0048】
10,11,20,30・・・キャパシタ素子
40・・・巻き取り式スパッタリング装置
100・・・積層途中配線基板
101a・・・第1の電極
101b・・・第2の電極用ランド
102・・・拡散防止層、第1の拡散防止層
103・・・誘電体層
104・・・第2の拡散防止層
105、105b・・・第2の電極
106・・・配線パターン
107、107b・・・ビアホール
108・・・絶縁層
201・・・銅箔
201a・・・第2の電極用ランド
202・・・拡散防止層
203・・・誘電体層
204、208・・・エッチングレジストパターン
205・・・誘電体パターン
206・・・第2の電極
207・・・積層途中配線基板
209・・・第1の電極
210・・・絶縁層
211・・・ソルダーレジスト
212・・・ビアホール
301・・・銅箔
302・・・第1の拡散防止層
303・・・誘電体層
304・・・第2の拡散防止層
305・・・第2の電極用導体層
305a・・・第2の電極
306,308・・・エッチングレジストパターン
307・・・積層途中配線基板
309・・・第1の電極
310・・・誘電体パターン
311・・・絶縁層
312、312b・・・ビアホール
313・・・配線パターン
401、402・・・巻き取りロール
403・・・誘電体シート
404・・・第1のスパッタリング成膜部(ターゲット)
405・・・第2のスパッタリング成膜部(ターゲット)
406・・・第3のスパッタリング成膜部(ターゲット)
407・・・第4のスパッタリング成膜部(ターゲット)
408・・・冷却ロール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁層と銅配線層からなる多層配線基板であって、少なくとも1つ以上のキャパシタ素子を内蔵した配線基板であり、前記キャパシタ素子は、第1の電極となる銅箔上に拡散防止層と誘電体層を連続成膜により形成した誘電体シートの上に第2の電極を形成し第1の電極/拡散防止層/誘電体層/第2の電極の4層構成を有する誘電体シートを、積層途中配線基板に積層した後に前記銅箔がエッチングされることで前記キャパシタ素子が前記積層途中配線基板上で分離され、前記キャパシタ素子の上に絶縁層を形成し、前記キャパシタ素子の電極の上に形成されたビアホールを介して配線パターンと接続したことを特徴とする配線基板。
【請求項2】
絶縁層と銅配線層からなる多層配線基板であって、少なくとも1つ以上のキャパシタ素子を内蔵した配線基板であり、前記キャパシタ素子は、第1の電極となる銅箔上に第1の拡散防止層と誘電体層と第2の拡散防止層を連続成膜により形成した誘電体シートの上に第2の電極を形成し第1の電極/第1の拡散防止層/誘電体層/第2の拡散防止層/第2の電極の5層構成を有する誘電体シートを、積層途中配線基板に積層した後に前記銅箔がエッチングされることで前記キャパシタ素子が前記積層途中配線基板上で分離され、前記キャパシタ素子の上に絶縁層を形成し、前記キャパシタ素子の電極の上に形成されたビアホールを介して配線パターンと接続したことを特徴とする配線基板。
【請求項3】
前記拡散防止層は窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、クロム、窒化クロムから選ばれる材料により構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の配線基板。
【請求項4】
前記誘電体層は酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化チタンのいずれかもしくは2種以上を用いて形成されている請求項1又は2に記載の配線基板。
【請求項5】
前記第2の電極は銅、銀、あるいは銅ペースト、銀ペーストのいずれかである請求項1又は2に記載の配線基板。
【請求項6】
前記ビアホールは導電性ペーストにより電気的に接続された構造を特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の配線基板。
【請求項7】
前記ビアホールは貴金属めっきにより電気的に接続された構造を特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の配線基板。
【請求項8】
前記誘電体シートの、前記銅箔上に連続成膜により形成された前記拡散防止層、前記誘電体層が、デュアルマグネトロンスパッタによる連続成膜であることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の配線基板。
【請求項9】
1) 銅箔に連続成膜により拡散防止層、誘電体層を形成した誘電体シートを製造する工程、
2) 前記誘電体シートに熱処理もしくはプラズマ処理を施し、前記誘電体層を結晶化させる工程、
3) 前記誘電体層上にフォトレジストをラミネートし、露光・現像することによりエッチングレジストパターンを形成する工程、
4) 前記エッチングレジストパターンをマスクとして拡散防止層と誘電体層をパターニングする工程、
5) 前記拡散防止層と前記銅箔とをまたぐ様に導電性ペーストにて第2の電極を形成した誘電体シートを製造する工程、
6)積層途中配線基板上に、半硬化性絶縁シートを介して前記誘電体シートを前記銅箔を
外側に向けて積層し前記半硬化性絶縁シートを硬化させることで誘電体シート積層基板を製造する工程、
7) 前記誘電体シート積層基板の前記銅箔上にフォトレジストを形成し、露光・現像し、前記銅箔の露出部分をエッチングすることで第1の電極と第2の電極用ランドを形成する工程、
8)前記第1の電極と前記第2の電極用ランドの上に絶縁層を形成する工程、
9)前記第1の電極と前記第2の電極用ランドの上の前記絶縁層にビアホール用の穴を形成する工程、
10)前記ビアホール用の穴と前記絶縁層の表面に金属めっきすることでビアホールと配線パターンを形成する工程、
を具備することを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項10】
前記銅箔上に連続成膜により前記拡散防止層、前記誘電体層を形成し誘電体シートを製造する工程が、デュアルマグネトロンスパッタにより連続成膜を形成することを特徴とする請求項9記載の配線基板の製造方法。
【請求項11】
1) 銅箔に連続成膜により第1の拡散防止層、誘電体層、第2の拡散防止層、第2の電極層を形成した誘電体シートを製造する工程、
2)前記誘電体シートに熱処理もしくはプラズマ処理を施し、前記誘電体層を結晶化させる工程、
3) 積層途中配線基板上に半硬化性絶縁シートを介して前記誘電体シートを前記第2の電極層を外側に向けて積層する工程、
4) 前記第2の電極層上にフォトレジストをラミネートし、露光・現像することによりエッチングレジストパターンを形成する工程、
5)前記エッチングレジストパターンをマスクとして前記第2の電極層をエッチングすることにより第2の電極を形成する工程、
6) 前記第2の電極をマスクとして前記第2の拡散防止層、前記誘電体層および前記第1の拡散防止層より構成されるパターンを形成する工程、
7) 前記銅箔上にフォトレジストを形成し、露光・現像し、前記銅箔の露出部分をエッチングすることで第1の電極を形成する工程、
8)前記第1の電極および前記第2の電極上に絶縁層を形成する工程、
9)前記第1の電極および前記第2の電極の上の前記絶縁層にビアホール用の穴を形成する工程、
10)前記ビアホール用の穴と前記絶縁層の表面に金属めっきすることでビアホールと配線パターンを形成する工程、
を具備することを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項12】
前記銅箔上に連続成膜により前記第1の拡散防止層、前記誘電体層および前記第2の拡散防止層を形成し誘電体シートを製造する工程が、デュアルマグネトロンスパッタにより連続成膜を形成することを特徴とする請求項11記載の配線基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−78547(P2008−78547A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−258686(P2006−258686)
【出願日】平成18年9月25日(2006.9.25)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】