金属の欠陥検出方法
【課題】金属試料の検査面をエッチング処理して欠陥を現出させ、撮像装置によって検査面を撮像することにより欠陥を検出するに際し、検査面撮像画像における非欠陥部の明度を均一かつ明るくすることにより、欠陥部を明瞭に検出することのできる金属の欠陥検出方法を提供する。
【解決手段】金属試料1の検査面2を一方向に研磨し、金属試料1にエッチング処理を行って金属試料中の欠陥を現出させ、照射光源として線状に連続した光源又は複数の点光源を線状に配置した光源(線状光源4)を用い、線状光源4の線状方向17と研磨方向11とを同一の方向とし、線状光源4によって研磨方向11と直角の方向から検査面2を照射し、撮像装置3によって検査面2を撮像する。これにより、検査面撮像画像における非欠陥部の明度を均一かつ明るくし、欠陥部6を明瞭に検出することが可能となる。
【解決手段】金属試料1の検査面2を一方向に研磨し、金属試料1にエッチング処理を行って金属試料中の欠陥を現出させ、照射光源として線状に連続した光源又は複数の点光源を線状に配置した光源(線状光源4)を用い、線状光源4の線状方向17と研磨方向11とを同一の方向とし、線状光源4によって研磨方向11と直角の方向から検査面2を照射し、撮像装置3によって検査面2を撮像する。これにより、検査面撮像画像における非欠陥部の明度を均一かつ明るくし、欠陥部6を明瞭に検出することが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属試料の検査面に現出する欠陥の検出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
金属材料、特に鋼片や鋳片内部の割れや偏析といった欠陥部の検出と評価は、鋳片の品質管理及び鋳片の製造プロセスの適正化と操業管理を行う上で不可欠である。金属材料内部の品質評価方法として、従来はサルファプリント法やエッチプリント法が用いられてきた。いずれも、金属材料から試料を切り出し、金属材料の断面を検査面として研磨し、評価を行う。
【0003】
サルファプリント法は、臭化銀を含む転写用印画紙に硫酸水溶液を浸して検査面に貼りつけ、試料中の硫黄の偏析状況を印画紙上に現出するものである。鋳片の中心偏析部や割れ部に硫黄が偏析する性質を利用し、鋳片の中心偏析や内部割れの評価を行う。金属材料中の硫黄濃度が高い材料に対して用いられるものであり、硫黄濃度が低い極低硫鋼などではサルファプリント法を適用することができない。
【0004】
エッチプリント法は、検査面の中心偏析部や割れ部に元素が偏析する性質を利用し、検査面をエッチングして元素の偏析部を現出し、試料にワセリンを塗り込んだ上で再研磨することにより、偏析、割れを可視化する技術であり、硫黄濃度が低い材料に対しても用いることができる。
【0005】
近年の金属材料の高品質化、高純度化にともない、金属材料の欠陥検出のさらなる高精度化が求められている。サルファプリント法については、使用する印画紙の安定供給に問題が生じており、そもそも極低硫鋼にはサルファプリント法が適用できない。エッチプリント法については、作業全体に数時間を要し、欠陥検出の迅速化が求められている。
【0006】
金属材料の検査面にエッチングを施した上で、検査面を直接カメラ等の撮像装置で撮像して画像として記録する方法が知られている。検査面をエッチング(マクロ腐食)し、検査面を撮像装置で撮像するに際し、照明として自然光やライト照明で撮像したのでは、無欠陥部の明度が低いために欠陥部と無欠陥部との明度コントラストが小さいという問題がある。これに対し特許文献1においては、検査面の撮像位置に対して両側から、入射角50°〜70°で照明用光を照射して撮像する方法が開示されている。「図1(b)に示すように、反射鏡5、6の設置方向に研磨目が平行になるようにセットし」と記載されていることから、検査面において研磨方向を1方向とし、撮像位置に対して研磨方向の両側から照明用光を照射している(図1(b))。これにより、金属材料の偏析部の大きさや程度が明瞭に判定できるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−306161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に具体的に開示された方法において、撮像装置としてCCDリニアセンサ等を用いたカメラが採用され、図1によると撮像範囲は研磨方向に直角な方向に長い線状範囲であり、この線状の撮像範囲の両側から反射鏡を用いて照明用光が照射されている。従って、検査面全体を撮像するためには、線状の撮像範囲を移動させつつ撮像を行う必要がある。もし特許文献1に記載の方法を拡張し、検査面全体を1回で撮像しようとすると、照明用光を検査面から離れた位置から照射する必要がある。この場合、検査面上の非欠陥部から撮像装置方向に反射する光が場所によって均一ではなく、非欠陥部からの反射光が少ない部分においては、欠陥部と非欠陥部との明度コントラストが少なすぎて欠陥検出精度が不充分であるという問題があった。
【0009】
本発明は、金属試料の検査面をエッチング処理して欠陥を現出させ、撮像装置によって検査面を撮像することにより欠陥を検出するに際し、検査面撮像画像における非欠陥部の明度を均一かつ明るくすることにより、欠陥部を明瞭に検出することのできる金属の欠陥検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
即ち、本発明の要旨とするところは以下のとおりである。
(1)金属試料1の検査面2をJIS R6252に規定する100番〜1000番の粗さを有する研磨手段を用いて一方向に研磨し、金属試料1にエッチング処理を行って金属試料中の欠陥を現出させ、線状に連続した光源4a又は複数の点光源4bを線状に配置した光源(以下総称して「線状光源4」という。)を準備し、前記複数の点光源を線状に配置した光源においては隣り合う点光源間の距離が金属試料の検査面2の研磨方向長さ(以下「試料研磨方向長さ15」という。)の30%以下であり、検査面2を垂直上方から見て、検査面2の研磨方向両端から研磨方向に直角な線(以下「両端直角線16」という。)を描いたとき、前記線状光源は、前記2本の両端直角線の間の少なくとも60%の領域を占めており、2本の両端直角線16の間の少なくとも60%の領域において、線状光源4上の任意の点を含み研磨方向11に垂直な面を描いたとき、当該面上で、線状光源4と検査面上の任意の点を結ぶ線が検査面2の法線となす角度θ2が、
15°≦θ2≦80°
の関係にあり、線状光源4と検査面2との間の最小距離Lminを1000mm以下とし、検査面2を撮像する撮像装置3を配置し、線状光源4からの光を検査面2に照射しつつ、撮像装置3によって検査面2を撮像することを特徴とする金属の欠陥検出方法。
(2)線状光源4の線状方向17と検査面2の研磨方向11との間の角度θ1が、
|θ1|≦35°
の関係にあることを特徴とする上記(1)に記載の金属の欠陥検出方法。
(3)撮像装置3と検査面上の任意の点を結ぶ線が検査面の法線となす角度θ3が、
θ3≦60°
の関係にあることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の金属の欠陥検出方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、金属試料の検査面に現出する欠陥の検出方法において、金属試料の検査面を一方向に研磨し、当該金属試料にエッチング処理を行って金属試料中の欠陥を現出させ、線状に連続した光源又は複数の点光源を線状に配置した光源(線状光源)を用いて所定の配置位置から検査面を照射し、撮像装置によって検査面を撮像することにより、検査面撮像画像における非欠陥部の明度を均一かつ明るくし、欠陥部を明瞭に検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の欠陥検出方法を示す斜視概念図であり、(a)は線状光源として線状に連続した光源を用いた場合、(b)は線状光源として複数の点光源を線状に配置した場合である。
【図2】本発明の欠陥検出方法を示す平面図である。
【図3】本発明の欠陥検出方法を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は正面図である。
【図4】本発明の欠陥検出方法を示す斜視概念図である。
【図5】本発明の欠陥検出方法を示す斜視概念図である。
【図6】本発明の欠陥検出方法を示す斜視概念図である。
【図7】(a)は照射光が反射する状況を示す断面図であり、(b)は検査面における研磨目の状況を示す図である。
【図8】照射光の反射状況を示す斜視図であり、(a)は研磨方向に平行な方向から照射した場合、(b)は研磨方向に直角の方向から照射した場合である。
【図9】点光源を用いた場合を示す斜視概念図である。
【図10】本発明の実施例について説明する斜視概念図である。
【図11】本発明の実施例について説明する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
検査面を研磨した後にエッチングを行い、欠陥部を現出させる。欠陥部については、例えば割れ部は凹部を形成し、偏析部については腐食による凹部の形成もしくは偏析部の濃色化(例えば黒色化)を生じさせる。図7(a)に示すようにこの検査面2に照明光12を照射すると、欠陥部6については凹部又は濃色部であるために上方への反射光13が少なくなる。欠陥部以外の非欠陥部7から上方への反射光13が多くかつ均一であれば、撮像画像として、欠陥部6が暗部(黒色部)として認識されることとなる。
【0014】
金属材料を切断して金属試料とし、金属試料の検査面である断面を研磨するに際し、研磨方向に平行に研磨目が形成される。即ち、研磨方向に平行な方向に粗度を測定すると粗度が小さく、研磨方向に直角の方向に粗度を測定すると粗度が大きいという状況となる。そして、研磨機が最後に接触した際の研磨方向に平行な研磨目が現れる。鋳片のような大きな金属材料の断面を検査面とする場合、図7(b)に示すように、検査面の小さな領域ごとに研磨方向11が異なり、種々の研磨目の方向を持った小さな領域がモザイクのように配置されている。
【0015】
検査面の斜め上方から検査面に照明光を照射する場合、図8(a)に示すように研磨方向11に平行な方角から照射された照射光12は、検査面で反射するに際し、入射角と反射角が等しくなる正反射成分13aが比較的強く、あらゆる方向に反射する乱反射成分13bが比較的少ないという傾向を有する。そのため、検査面上の任意の点のうち、たまたま正反射方向が撮像装置方向と一致する点P1については撮像画像において非欠陥部が明るく輝き、正反射方向が撮像装置方向と一致しない点P2(検査面の大部分の領域)については非欠陥部の明度が低いという、画面全体で明度が不均一な撮像画像が得られる。非欠陥部の明度が低いと、欠陥部とのコントラストが少なく欠陥検出精度が低くなる。
【0016】
一方、検査面の斜め上方から検査面に照射する照射光のうち、図8(b)に示すように研磨方向11に直角な方向から照射された照射光12は、検査面で反射するに際し、正反射成分13aが比較的少なく、乱反射成分13bが比較的多いという傾向を有する。そのため、検査面のいずれの部分についても、非欠陥部は比較的強い乱反射光によって明度が高く、また明度が均一であるという性質を有する。
【0017】
そこで、検査面2において研磨方向11を一方向とし、照射光12が研磨方向11と直角の方角から検査面を照射するように光源を配置すれば、検査面全体の非欠陥部において撮像装置には乱反射光が入射するので、非欠陥部が全体として明度が高くかつ明度が均一に保たれるので、明度が低い欠陥部との明度コントラストが大きくなり、欠陥検出精度を上げることが可能となる。ここで、研磨方向を一方向にするとは、検査面の全体で同一の方向である場合のほか、若干であれば角度が変化してもかまわない。例えば、研磨目が大きな曲率半径の円弧を描いてもかまわない。この場合、研磨方向の変化が、検査面内で15°以下程度であればよい。10°以下であればより好ましい。
【0018】
本発明において、検査面における非欠陥部からの拡散反射(乱反射)成分を大きくし、欠陥部の検出精度を高めるための検査面の研磨方法について説明する。検査面を一方向に研磨するに際し、研磨方向に直角な方向における検査面の算術平均粗さRaに好適範囲が存在する。算術平均粗さRaの測定方法は、JIS B0601及びJIS B0633に規定する方法によって行う。当該Raが小さすぎると、非欠陥部における拡散反射(乱反射)成分は小さく、拡散反射(乱反射)成分中の撮像装置方向へ反射する成分も小さいため、欠陥部の検出精度が低くなる。本発明において、前記Raが0.1μm以上であれば、拡散反射(乱反射)成分を十分に大きくすることができる。一方、前記Raが大きすぎると、非欠陥部と欠陥部の識別が難しくなり、欠陥部の検出精度は低い。本発明において、前記Raが50μm以下であれば、非欠陥部と欠陥部の識別を良好に行うことができる。研磨方向に直角な方向における検査面の算術平均粗さRaを0.1μm以上とするためには、検査面をJIS R6252に規定する1000番以下の粗さを有する研磨手段を用いて研磨を行えばよい。また、前記Raを50μm以下とするためには、同100番以上の粗さを有する研磨手段を用いて研磨を行えばよい。研磨手段として、研磨紙、研磨布、研磨材のいずれを用いても良い。
【0019】
次に本発明は照射光の光源として、線状に連続した光源4a又は複数の点光源4bを線状に配置した光源(総称して線状光源4)を用いることを特徴とする。照射光源が単なる点光源である場合、研磨方向と直角の方向に光源を配置したとしても、以下のような問題を有する。即ち、図9において、点光源5と撮像装置3を含み検査面2に垂直な面F1を考える。当該面F1と検査面2とが交差する線21上においては、いずれの部位においても非欠陥部7の明度が高くなる。しかし、検査面上のそれ以外の部分については、以下に示すように非欠陥部の明度が低くなる。検査面上において、上記線21から外れる任意の点P3に対して、研磨方向11と直角あるいは直角に近い方向の斜め上方の点光源5から光が照射された場合、乱反射成分が比較的多いとはいえ、当該点P3を通る検査面の法線と点光源5が含まれる面F3に沿った方向に乱反射成分が多くなる傾向があり、当該面F3から離れる方向に向かう乱反射成分が少なくなる。従って点P3のように、撮像装置3方向が当該面F3から離れる方向に配置されていれば、撮像装置3から見たとき、当該点P3付近は非欠陥部の明度が低く観察されるのである。
【0020】
本発明においては、図1に示すように、線状に連続した光源4a(図1(a))又は複数の点光源4bを線状に配置した光源(図1(b))(総称して「線状光源4」)を光源として用いることにより、この問題を解決した。線状光源4であれば、検査面上の任意の点P4を通る検査面の法線と線状光源上の適当な部分(この場合は4c)が含まれる面F4を考えたとき、当該面F4あるいは当該面F4から大きく角度が離れない位置に撮像装置3が存在することになり、撮像装置3から見たとき、検査面上の点P4からの拡散反射成分を十分な強度で受けることができる。結果として、検査面上のすべての点について非欠陥部の明度が高くかつ均一に保持される。
【0021】
ここで、図2に示すように、前記検査面を垂直上方から見て、検査面2の研磨方向両端14をとおり研磨方向11に直角な線を以下「両端直角線16」という。線状光源4を用いて上記のような効果を発揮させるためには、線状光源が占める領域18が、前記2本の両端直角線の間(その長さは試料研磨方向長さ15と等しくなる)のできるだけ広い領域を占めることが必要である。図2(a)に示すように線状光源4の線状方向が研磨方向11と一致する場合、図2(b)のように線状光源4の線状方向が研磨方向11に対して角度をもつ場合のいずれについても同様である。本発明においては、線状光源が占める領域18が2本の両端直角線間距離の少なくとも60%の領域を占めることにより、検査面から撮像装置への反射光を明度高くかつ均一に保持することができる。以下、2本の両端直角線間距離に占める線状光源の領域を、「光源カバー比CR(%)」ともいう。光源カバー比CRが70%以上であればより好ましい。80%以上であればさらに好ましい。
【0022】
線状光源4として、図1(a)に示すような線状に連続した光源4aであると好ましい。例えば直管式蛍光灯がこのような光源に該当する。連続していなくても、図1(b)に示すように複数の点光源4bを線状に配置した光源を用いることができる。但しこの場合、隣り合う点光源間の距離が遠すぎると、撮像装置から見たときの検査面からの反射光を均一に保持することが難しくなる。本発明において、隣り合う点光源間の距離が金属試料の検査面の研磨方向長さ(試料研磨方向長さ15)の30%以下であれば、検査面からの明度を均一に保持することができる。隣り合う点光源間の距離が試料研磨方向長さ15の15%以下であればより好ましい。多数のLEDを短い間隔で線状に並べた光源を好適に用いることができる。
【0023】
線状光源4を準備し、線状光源が両端直角線の間の60%以上の領域を占めるように配置したとしても、線状光源から検査面上の任意の点に対する照射角度が大きすぎたり小さすぎたりすると良好な欠陥検出ができない。ここで図3(a)に示すように、線状光源上の任意の点4cを含み研磨方向11に垂直な面F5を描いたとき、当該面F5上で、線状光源4と検査面上の任意の点を結ぶ線が検査面の法線となす角度θ2とおく。θ2が小さすぎると、即ち検査面2に垂直に近い方向から照射光12を照射すると、欠陥部が凹部であって、凹部の深さが小さい場合、欠陥部から反射して撮像装置方向に向かう反射光が大きくなり、結果として欠陥部の明度が高くなるので、欠陥部と非欠陥部との明度の差が小さくなり、欠陥部の検出精度が低下する。θ2が15°以上であれば、このような問題を発生させることなく欠陥検出を行うことができる。一方、θ2が大きすぎると、即ち検査面2に低い角度から照射光12を照射した場合、検査面の非欠陥部からの拡散反射(乱反射)成分中の撮像装置方向に反射する成分が小さくなり、非欠陥部の明度が不十分なため、欠陥部と非欠陥部の明度の差異が小さく、欠陥部の検出精度が低下する。θ2が80°以下であれば、このような問題を発生させることなく欠陥検出を行うことができる。そこで本発明において、線状光源上の任意の点を含み研磨方向に垂直な面を描いたとき、当該面上で、線状光源と検査面上の任意の点を結ぶ線が検査面の法線となす角度θ2を、
15°≦θ2≦80°
とする。図3(b)は検査面の研磨方向11に垂直な方向から見た図である。前記面F5と検査面とが交差する検査面上のいずれの点においてもθ2が上記関係を保持するためには、当該面F5と交差する位置における線状光源の位置が、図3(b)にハッチングで示す領域内に存在することが必要である。図3(b)にハッチングで示す左右両方の領域にそれぞれ線状光源を配置すれば、検査面上の明度の均一性が向上するので好ましいが、左右いずれか一方の領域のみに線状光源を配置した場合も、欠陥検査を行う上で十分に均一な明度を得ることができる。
【0024】
一方、線状光源上のすべての光源において、θ2が上記関係を保持していることまでは必要としない。2本の両端直角線の間の少なくとも60%の領域において、線状光源上の光源の位置が上記θ2の関係を有していればよい。
【0025】
また図4において、線状光源4と検査面2との間の最短距離Lminが遠すぎると、光源の出力を上げなければならず、また欠陥検出装置の全体寸法が大きくなりすぎる。Lminが1000mm以下であれば、このような問題を発生させずに欠陥検出を行うことができる。一方、線状光源4と検査面2との間の最短距離Lminが近すぎると、線状光源4に近い検査面の非欠陥部における拡散反射(乱反射)成分中の撮像装置方向へ反射する成分が大きくなりすぎ、検査面のうちで光源に近い部分の明度が高くなり明度不均一が発生することがあり得るが、Lminが金属試料の検査面における研磨方向に直角方向の長さの半分より長ければこのような問題が発生せず好ましい。例えば金属試料の検査面における研磨方向に直角方向の長さが100mmであれば、Lminが50mm以上であると好ましい。通常は、θ2が前述の関係を有することにより、この問題の発生を回避することができる。
【0026】
以上のように、金属試料の検査面を所定の粗さを有する研磨手段を用いて一方向に研磨し、エッチング処理によって金属試料中の欠陥を現出させた上で、上記所定の線状光源4を配置するとともに、検査面2を撮像する撮像装置3を配置し、線状光源4からの光を検査面2に照射しつつ、撮像装置3によって検査面を撮像する。これにより、検査面2の非欠陥部7の明度は明るくかつ均一であり、欠陥部6の明度は暗く、その結果として欠陥部6と非欠陥部7の明度差を明瞭にして、欠陥部6を良好に検出することのできる画像を撮像することができる。
【0027】
撮像装置3としては、検査面を撮像できる撮像装置であれば、フィルムカメラ、デジタルカメラのいずれも使用可能である。半導体撮像素子などを用いた撮像装置を用いれば、撮像画像データを画像処理装置に取り込んで欠陥部の画像解析を行うことができるので好ましい。
【0028】
次に、本発明の線状光源4及び撮像装置3の好ましい配置形態について説明する。
【0029】
図5に示すように、線状光源4の線状方向17と検査面2の研磨方向11との間の角度をθ1とおく。θ1が小さいほど、線状光源4の線状方向17と検査面2の研磨方向11が平行に近くなり、検査面2のいずれの部位においても撮像装置3からみた明度が均一化するので好ましい。そして、
|θ1|≦35°
の関係とすれば、検査面上の明度の均一性を十分に保持することができる。もちろん、この範囲を外れ、若干の明度の不均一が存在するとしても、十分に欠陥検出を行うことができる。
【0030】
撮像装置3は、検査面2の中心直上から検査面に正対して撮像する位置に配置すると好ましい。図6に示すように、検査面上の任意の点と撮像装置を結ぶ線が当該任意の点の法線となす角度をθ3とする。θ3が大きすぎると、線状光源からの照射光による拡散反射成分が十分ではなくなり、検査面の非欠陥部の明度が低下することとなって好ましくない。本発明においては、検査面上のいずれの部位についても、
θ3≦60°
の関係を保持するように撮像装置3を配置すれば、検査面2の非欠陥部の明度が均一に保持されるので好ましい。通常の焦点距離を有するカメラを用いて、検査面の中心直上から検査面に正対して撮像装置を配置すれば、θ3を上記好ましい範囲とすることができる。
【0031】
金属試料中の欠陥を現出させるためのエッチングに関しては、割れ部における凹凸の現出、もしくは偏析部における腐食による凹凸の生成、もしくは偏析部の濃色化(例えば黒色化)を生じさせる方法として、通常に用いられているエッチング方法を採用することができる。例えば、過硫酸アンモニウム水溶液や、ピクリン酸と塩酸を用いた方法などが好適に用いられる。この他、欠陥部を現出、つまり、割れ部における凹凸の現出、もしくは偏析部における腐食による凹凸の生成、もしくは偏析部の濃色化(例えば黒色化)を生じさせる方法であれば、いずれの方法を用いても良い。
【実施例】
【0032】
中炭アルミキルド鋼の連続鋳造鋳片(幅1200mm、厚み250mm)を、長さ方向に垂直に切断して長さ方向50mmの金属試料1を切り出し、切断面を検査面2とした。検査面について種々の方法で研磨を行い、過硫酸アンモニウム水溶液を用いてエッチング処理を行った後、種々の照明条件のもとで検査面の画像撮像を行った。撮像装置としてはデジタル一眼レフカメラ(撮像画面サイズ:22.3mm×14.9mm、有効画素:約1510万画素)とレンズ(焦点距離28mm)を用いた。表1に処理条件と評価結果を示す。本発明範囲から外れる数値にアンダーラインを付している。
【0033】
【表1】
【0034】
検査面の研磨方法として、実施例1〜15、比較例1〜5、7〜12については、図10に示すように鋳片の幅方向22と一致する一方向を研磨方向11として、研磨紙を用いて研磨を行った。比較例6については、幅1200mmの片側600mmの部分を鋳片の幅方向22と一致する一方向を研磨方向11として研磨紙を用いて研磨を行った後に、残りの片側600mmの部分を鋳片の幅方向と直交する一方向(鋳片の厚み方向23)を研磨方向11として研磨紙を用いて研磨を行った。研磨紙の番手は表1に示す。
【0035】
光源として、実施例1〜13、比較例1〜11については、長さ630mm、定格消費電力30Wの直管式蛍光灯を、図10(a)に示すように一方向あたり2個ずつ、二方向で合計4個用いてそれぞれ線状光源4とした。実施例14における光源は、長さ630mm、底角消費電力30Wの直管式蛍光灯を、一方向のみに2個用いた。実施例15における光源は、150mmピッチで直線状に配置した定格消費電力7WのLEDを点光源4bとし、一方向あたり9個ずつ、二方向で合計18個用いて線状光源4とした。比較例12における光源は、定格消費電力500Wの電球を点光源5として図10(c)に示すように2個配置した。
【0036】
各検査水準について撮像装置3で撮像した撮像画像を画像解析し、検査面2における欠陥個数をカウントした。次いで、実施例3で検出した欠陥個数で規格化し、各条件における欠陥個数NNLを算出した。このNNLから、下記判断基準に従って検査状況を評価し、表1に記入した。
0.95≦NNL ・・・かなり良い
0.90≦NNL<0.95 ・・・良い
0.85≦NNL<0.90 ・・・良いが少し劣る
0.55≦NNL<0.80 ・・・少し劣る
0.30≦NNL<0.55 ・・・劣る
NNL<0.30 ・・・かなり劣る
【0037】
実施例1〜5、比較例1〜3については、図10(a)図11(a)に示す実施例3を基準とし、線状光源の配置方向を図11(b)(実施例1)、図11(c)(比較例1)のように変化させたものである。図11(a)(実施例3)に対する線状光源の位置の変化角度をθ4とすると、実施例1はθ4=−35°、比較例1はθ4=−90°となる。各水準について、2本の両端直角線間距離に占める線状光源の領域を光源カバー比CR(%)として表1に示した。
【0038】
実施例6〜8、比較例4、5は研磨紙の番手を変化させたものである。実施例9、10、比較例8は、線状光源の配置形態を実施例3と同様とし、Lminのみを変化させたものである。実施例11、12、比較例9、10は、線状光源の配置形態を実施例3と同様とし、角度θ2のみを変化させたものである。実施例13は、線状光源の配置形態を実施例3と同様とし、撮像装置に関する角度θ3のみを変化させたものである。
【0039】
表1において、基準となる実施例3については、比較を容易にするために各実施例群について重複して掲載している。
【0040】
表1において、本発明例はいずれも評価結果が「かなり良い」から「良いが少し劣る」の範囲に入っていることがわかった。
【0041】
なお、本発明は、前述の実施の形態及び実施例に具体的に記載された形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に規定する範囲内での変更は可能であり、例えば、前記したそれぞれの実施の形態、実施例や変形例の一例又は全部を組み合わせて、本発明の金属中、特に鋼片中の欠陥部を、高精度かつ迅速に検出する方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0042】
1 金属試料
2 検査面
3 撮像装置
4 線状光源
4a 線状に連続した光源
4b 点光源
5 点光源
6 欠陥部
7 非欠陥部
11 研磨方向
12 照射光
13 反射光
13a 正反射成分
13b 乱反射成分
14 研磨方向両端
15 試料研磨方向長さ
16 両端直角線
17 線状方向
18 線状光源が占める領域
21 線
22 幅方向
23 厚み方向
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属試料の検査面に現出する欠陥の検出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
金属材料、特に鋼片や鋳片内部の割れや偏析といった欠陥部の検出と評価は、鋳片の品質管理及び鋳片の製造プロセスの適正化と操業管理を行う上で不可欠である。金属材料内部の品質評価方法として、従来はサルファプリント法やエッチプリント法が用いられてきた。いずれも、金属材料から試料を切り出し、金属材料の断面を検査面として研磨し、評価を行う。
【0003】
サルファプリント法は、臭化銀を含む転写用印画紙に硫酸水溶液を浸して検査面に貼りつけ、試料中の硫黄の偏析状況を印画紙上に現出するものである。鋳片の中心偏析部や割れ部に硫黄が偏析する性質を利用し、鋳片の中心偏析や内部割れの評価を行う。金属材料中の硫黄濃度が高い材料に対して用いられるものであり、硫黄濃度が低い極低硫鋼などではサルファプリント法を適用することができない。
【0004】
エッチプリント法は、検査面の中心偏析部や割れ部に元素が偏析する性質を利用し、検査面をエッチングして元素の偏析部を現出し、試料にワセリンを塗り込んだ上で再研磨することにより、偏析、割れを可視化する技術であり、硫黄濃度が低い材料に対しても用いることができる。
【0005】
近年の金属材料の高品質化、高純度化にともない、金属材料の欠陥検出のさらなる高精度化が求められている。サルファプリント法については、使用する印画紙の安定供給に問題が生じており、そもそも極低硫鋼にはサルファプリント法が適用できない。エッチプリント法については、作業全体に数時間を要し、欠陥検出の迅速化が求められている。
【0006】
金属材料の検査面にエッチングを施した上で、検査面を直接カメラ等の撮像装置で撮像して画像として記録する方法が知られている。検査面をエッチング(マクロ腐食)し、検査面を撮像装置で撮像するに際し、照明として自然光やライト照明で撮像したのでは、無欠陥部の明度が低いために欠陥部と無欠陥部との明度コントラストが小さいという問題がある。これに対し特許文献1においては、検査面の撮像位置に対して両側から、入射角50°〜70°で照明用光を照射して撮像する方法が開示されている。「図1(b)に示すように、反射鏡5、6の設置方向に研磨目が平行になるようにセットし」と記載されていることから、検査面において研磨方向を1方向とし、撮像位置に対して研磨方向の両側から照明用光を照射している(図1(b))。これにより、金属材料の偏析部の大きさや程度が明瞭に判定できるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−306161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に具体的に開示された方法において、撮像装置としてCCDリニアセンサ等を用いたカメラが採用され、図1によると撮像範囲は研磨方向に直角な方向に長い線状範囲であり、この線状の撮像範囲の両側から反射鏡を用いて照明用光が照射されている。従って、検査面全体を撮像するためには、線状の撮像範囲を移動させつつ撮像を行う必要がある。もし特許文献1に記載の方法を拡張し、検査面全体を1回で撮像しようとすると、照明用光を検査面から離れた位置から照射する必要がある。この場合、検査面上の非欠陥部から撮像装置方向に反射する光が場所によって均一ではなく、非欠陥部からの反射光が少ない部分においては、欠陥部と非欠陥部との明度コントラストが少なすぎて欠陥検出精度が不充分であるという問題があった。
【0009】
本発明は、金属試料の検査面をエッチング処理して欠陥を現出させ、撮像装置によって検査面を撮像することにより欠陥を検出するに際し、検査面撮像画像における非欠陥部の明度を均一かつ明るくすることにより、欠陥部を明瞭に検出することのできる金属の欠陥検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
即ち、本発明の要旨とするところは以下のとおりである。
(1)金属試料1の検査面2をJIS R6252に規定する100番〜1000番の粗さを有する研磨手段を用いて一方向に研磨し、金属試料1にエッチング処理を行って金属試料中の欠陥を現出させ、線状に連続した光源4a又は複数の点光源4bを線状に配置した光源(以下総称して「線状光源4」という。)を準備し、前記複数の点光源を線状に配置した光源においては隣り合う点光源間の距離が金属試料の検査面2の研磨方向長さ(以下「試料研磨方向長さ15」という。)の30%以下であり、検査面2を垂直上方から見て、検査面2の研磨方向両端から研磨方向に直角な線(以下「両端直角線16」という。)を描いたとき、前記線状光源は、前記2本の両端直角線の間の少なくとも60%の領域を占めており、2本の両端直角線16の間の少なくとも60%の領域において、線状光源4上の任意の点を含み研磨方向11に垂直な面を描いたとき、当該面上で、線状光源4と検査面上の任意の点を結ぶ線が検査面2の法線となす角度θ2が、
15°≦θ2≦80°
の関係にあり、線状光源4と検査面2との間の最小距離Lminを1000mm以下とし、検査面2を撮像する撮像装置3を配置し、線状光源4からの光を検査面2に照射しつつ、撮像装置3によって検査面2を撮像することを特徴とする金属の欠陥検出方法。
(2)線状光源4の線状方向17と検査面2の研磨方向11との間の角度θ1が、
|θ1|≦35°
の関係にあることを特徴とする上記(1)に記載の金属の欠陥検出方法。
(3)撮像装置3と検査面上の任意の点を結ぶ線が検査面の法線となす角度θ3が、
θ3≦60°
の関係にあることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の金属の欠陥検出方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、金属試料の検査面に現出する欠陥の検出方法において、金属試料の検査面を一方向に研磨し、当該金属試料にエッチング処理を行って金属試料中の欠陥を現出させ、線状に連続した光源又は複数の点光源を線状に配置した光源(線状光源)を用いて所定の配置位置から検査面を照射し、撮像装置によって検査面を撮像することにより、検査面撮像画像における非欠陥部の明度を均一かつ明るくし、欠陥部を明瞭に検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の欠陥検出方法を示す斜視概念図であり、(a)は線状光源として線状に連続した光源を用いた場合、(b)は線状光源として複数の点光源を線状に配置した場合である。
【図2】本発明の欠陥検出方法を示す平面図である。
【図3】本発明の欠陥検出方法を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は正面図である。
【図4】本発明の欠陥検出方法を示す斜視概念図である。
【図5】本発明の欠陥検出方法を示す斜視概念図である。
【図6】本発明の欠陥検出方法を示す斜視概念図である。
【図7】(a)は照射光が反射する状況を示す断面図であり、(b)は検査面における研磨目の状況を示す図である。
【図8】照射光の反射状況を示す斜視図であり、(a)は研磨方向に平行な方向から照射した場合、(b)は研磨方向に直角の方向から照射した場合である。
【図9】点光源を用いた場合を示す斜視概念図である。
【図10】本発明の実施例について説明する斜視概念図である。
【図11】本発明の実施例について説明する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
検査面を研磨した後にエッチングを行い、欠陥部を現出させる。欠陥部については、例えば割れ部は凹部を形成し、偏析部については腐食による凹部の形成もしくは偏析部の濃色化(例えば黒色化)を生じさせる。図7(a)に示すようにこの検査面2に照明光12を照射すると、欠陥部6については凹部又は濃色部であるために上方への反射光13が少なくなる。欠陥部以外の非欠陥部7から上方への反射光13が多くかつ均一であれば、撮像画像として、欠陥部6が暗部(黒色部)として認識されることとなる。
【0014】
金属材料を切断して金属試料とし、金属試料の検査面である断面を研磨するに際し、研磨方向に平行に研磨目が形成される。即ち、研磨方向に平行な方向に粗度を測定すると粗度が小さく、研磨方向に直角の方向に粗度を測定すると粗度が大きいという状況となる。そして、研磨機が最後に接触した際の研磨方向に平行な研磨目が現れる。鋳片のような大きな金属材料の断面を検査面とする場合、図7(b)に示すように、検査面の小さな領域ごとに研磨方向11が異なり、種々の研磨目の方向を持った小さな領域がモザイクのように配置されている。
【0015】
検査面の斜め上方から検査面に照明光を照射する場合、図8(a)に示すように研磨方向11に平行な方角から照射された照射光12は、検査面で反射するに際し、入射角と反射角が等しくなる正反射成分13aが比較的強く、あらゆる方向に反射する乱反射成分13bが比較的少ないという傾向を有する。そのため、検査面上の任意の点のうち、たまたま正反射方向が撮像装置方向と一致する点P1については撮像画像において非欠陥部が明るく輝き、正反射方向が撮像装置方向と一致しない点P2(検査面の大部分の領域)については非欠陥部の明度が低いという、画面全体で明度が不均一な撮像画像が得られる。非欠陥部の明度が低いと、欠陥部とのコントラストが少なく欠陥検出精度が低くなる。
【0016】
一方、検査面の斜め上方から検査面に照射する照射光のうち、図8(b)に示すように研磨方向11に直角な方向から照射された照射光12は、検査面で反射するに際し、正反射成分13aが比較的少なく、乱反射成分13bが比較的多いという傾向を有する。そのため、検査面のいずれの部分についても、非欠陥部は比較的強い乱反射光によって明度が高く、また明度が均一であるという性質を有する。
【0017】
そこで、検査面2において研磨方向11を一方向とし、照射光12が研磨方向11と直角の方角から検査面を照射するように光源を配置すれば、検査面全体の非欠陥部において撮像装置には乱反射光が入射するので、非欠陥部が全体として明度が高くかつ明度が均一に保たれるので、明度が低い欠陥部との明度コントラストが大きくなり、欠陥検出精度を上げることが可能となる。ここで、研磨方向を一方向にするとは、検査面の全体で同一の方向である場合のほか、若干であれば角度が変化してもかまわない。例えば、研磨目が大きな曲率半径の円弧を描いてもかまわない。この場合、研磨方向の変化が、検査面内で15°以下程度であればよい。10°以下であればより好ましい。
【0018】
本発明において、検査面における非欠陥部からの拡散反射(乱反射)成分を大きくし、欠陥部の検出精度を高めるための検査面の研磨方法について説明する。検査面を一方向に研磨するに際し、研磨方向に直角な方向における検査面の算術平均粗さRaに好適範囲が存在する。算術平均粗さRaの測定方法は、JIS B0601及びJIS B0633に規定する方法によって行う。当該Raが小さすぎると、非欠陥部における拡散反射(乱反射)成分は小さく、拡散反射(乱反射)成分中の撮像装置方向へ反射する成分も小さいため、欠陥部の検出精度が低くなる。本発明において、前記Raが0.1μm以上であれば、拡散反射(乱反射)成分を十分に大きくすることができる。一方、前記Raが大きすぎると、非欠陥部と欠陥部の識別が難しくなり、欠陥部の検出精度は低い。本発明において、前記Raが50μm以下であれば、非欠陥部と欠陥部の識別を良好に行うことができる。研磨方向に直角な方向における検査面の算術平均粗さRaを0.1μm以上とするためには、検査面をJIS R6252に規定する1000番以下の粗さを有する研磨手段を用いて研磨を行えばよい。また、前記Raを50μm以下とするためには、同100番以上の粗さを有する研磨手段を用いて研磨を行えばよい。研磨手段として、研磨紙、研磨布、研磨材のいずれを用いても良い。
【0019】
次に本発明は照射光の光源として、線状に連続した光源4a又は複数の点光源4bを線状に配置した光源(総称して線状光源4)を用いることを特徴とする。照射光源が単なる点光源である場合、研磨方向と直角の方向に光源を配置したとしても、以下のような問題を有する。即ち、図9において、点光源5と撮像装置3を含み検査面2に垂直な面F1を考える。当該面F1と検査面2とが交差する線21上においては、いずれの部位においても非欠陥部7の明度が高くなる。しかし、検査面上のそれ以外の部分については、以下に示すように非欠陥部の明度が低くなる。検査面上において、上記線21から外れる任意の点P3に対して、研磨方向11と直角あるいは直角に近い方向の斜め上方の点光源5から光が照射された場合、乱反射成分が比較的多いとはいえ、当該点P3を通る検査面の法線と点光源5が含まれる面F3に沿った方向に乱反射成分が多くなる傾向があり、当該面F3から離れる方向に向かう乱反射成分が少なくなる。従って点P3のように、撮像装置3方向が当該面F3から離れる方向に配置されていれば、撮像装置3から見たとき、当該点P3付近は非欠陥部の明度が低く観察されるのである。
【0020】
本発明においては、図1に示すように、線状に連続した光源4a(図1(a))又は複数の点光源4bを線状に配置した光源(図1(b))(総称して「線状光源4」)を光源として用いることにより、この問題を解決した。線状光源4であれば、検査面上の任意の点P4を通る検査面の法線と線状光源上の適当な部分(この場合は4c)が含まれる面F4を考えたとき、当該面F4あるいは当該面F4から大きく角度が離れない位置に撮像装置3が存在することになり、撮像装置3から見たとき、検査面上の点P4からの拡散反射成分を十分な強度で受けることができる。結果として、検査面上のすべての点について非欠陥部の明度が高くかつ均一に保持される。
【0021】
ここで、図2に示すように、前記検査面を垂直上方から見て、検査面2の研磨方向両端14をとおり研磨方向11に直角な線を以下「両端直角線16」という。線状光源4を用いて上記のような効果を発揮させるためには、線状光源が占める領域18が、前記2本の両端直角線の間(その長さは試料研磨方向長さ15と等しくなる)のできるだけ広い領域を占めることが必要である。図2(a)に示すように線状光源4の線状方向が研磨方向11と一致する場合、図2(b)のように線状光源4の線状方向が研磨方向11に対して角度をもつ場合のいずれについても同様である。本発明においては、線状光源が占める領域18が2本の両端直角線間距離の少なくとも60%の領域を占めることにより、検査面から撮像装置への反射光を明度高くかつ均一に保持することができる。以下、2本の両端直角線間距離に占める線状光源の領域を、「光源カバー比CR(%)」ともいう。光源カバー比CRが70%以上であればより好ましい。80%以上であればさらに好ましい。
【0022】
線状光源4として、図1(a)に示すような線状に連続した光源4aであると好ましい。例えば直管式蛍光灯がこのような光源に該当する。連続していなくても、図1(b)に示すように複数の点光源4bを線状に配置した光源を用いることができる。但しこの場合、隣り合う点光源間の距離が遠すぎると、撮像装置から見たときの検査面からの反射光を均一に保持することが難しくなる。本発明において、隣り合う点光源間の距離が金属試料の検査面の研磨方向長さ(試料研磨方向長さ15)の30%以下であれば、検査面からの明度を均一に保持することができる。隣り合う点光源間の距離が試料研磨方向長さ15の15%以下であればより好ましい。多数のLEDを短い間隔で線状に並べた光源を好適に用いることができる。
【0023】
線状光源4を準備し、線状光源が両端直角線の間の60%以上の領域を占めるように配置したとしても、線状光源から検査面上の任意の点に対する照射角度が大きすぎたり小さすぎたりすると良好な欠陥検出ができない。ここで図3(a)に示すように、線状光源上の任意の点4cを含み研磨方向11に垂直な面F5を描いたとき、当該面F5上で、線状光源4と検査面上の任意の点を結ぶ線が検査面の法線となす角度θ2とおく。θ2が小さすぎると、即ち検査面2に垂直に近い方向から照射光12を照射すると、欠陥部が凹部であって、凹部の深さが小さい場合、欠陥部から反射して撮像装置方向に向かう反射光が大きくなり、結果として欠陥部の明度が高くなるので、欠陥部と非欠陥部との明度の差が小さくなり、欠陥部の検出精度が低下する。θ2が15°以上であれば、このような問題を発生させることなく欠陥検出を行うことができる。一方、θ2が大きすぎると、即ち検査面2に低い角度から照射光12を照射した場合、検査面の非欠陥部からの拡散反射(乱反射)成分中の撮像装置方向に反射する成分が小さくなり、非欠陥部の明度が不十分なため、欠陥部と非欠陥部の明度の差異が小さく、欠陥部の検出精度が低下する。θ2が80°以下であれば、このような問題を発生させることなく欠陥検出を行うことができる。そこで本発明において、線状光源上の任意の点を含み研磨方向に垂直な面を描いたとき、当該面上で、線状光源と検査面上の任意の点を結ぶ線が検査面の法線となす角度θ2を、
15°≦θ2≦80°
とする。図3(b)は検査面の研磨方向11に垂直な方向から見た図である。前記面F5と検査面とが交差する検査面上のいずれの点においてもθ2が上記関係を保持するためには、当該面F5と交差する位置における線状光源の位置が、図3(b)にハッチングで示す領域内に存在することが必要である。図3(b)にハッチングで示す左右両方の領域にそれぞれ線状光源を配置すれば、検査面上の明度の均一性が向上するので好ましいが、左右いずれか一方の領域のみに線状光源を配置した場合も、欠陥検査を行う上で十分に均一な明度を得ることができる。
【0024】
一方、線状光源上のすべての光源において、θ2が上記関係を保持していることまでは必要としない。2本の両端直角線の間の少なくとも60%の領域において、線状光源上の光源の位置が上記θ2の関係を有していればよい。
【0025】
また図4において、線状光源4と検査面2との間の最短距離Lminが遠すぎると、光源の出力を上げなければならず、また欠陥検出装置の全体寸法が大きくなりすぎる。Lminが1000mm以下であれば、このような問題を発生させずに欠陥検出を行うことができる。一方、線状光源4と検査面2との間の最短距離Lminが近すぎると、線状光源4に近い検査面の非欠陥部における拡散反射(乱反射)成分中の撮像装置方向へ反射する成分が大きくなりすぎ、検査面のうちで光源に近い部分の明度が高くなり明度不均一が発生することがあり得るが、Lminが金属試料の検査面における研磨方向に直角方向の長さの半分より長ければこのような問題が発生せず好ましい。例えば金属試料の検査面における研磨方向に直角方向の長さが100mmであれば、Lminが50mm以上であると好ましい。通常は、θ2が前述の関係を有することにより、この問題の発生を回避することができる。
【0026】
以上のように、金属試料の検査面を所定の粗さを有する研磨手段を用いて一方向に研磨し、エッチング処理によって金属試料中の欠陥を現出させた上で、上記所定の線状光源4を配置するとともに、検査面2を撮像する撮像装置3を配置し、線状光源4からの光を検査面2に照射しつつ、撮像装置3によって検査面を撮像する。これにより、検査面2の非欠陥部7の明度は明るくかつ均一であり、欠陥部6の明度は暗く、その結果として欠陥部6と非欠陥部7の明度差を明瞭にして、欠陥部6を良好に検出することのできる画像を撮像することができる。
【0027】
撮像装置3としては、検査面を撮像できる撮像装置であれば、フィルムカメラ、デジタルカメラのいずれも使用可能である。半導体撮像素子などを用いた撮像装置を用いれば、撮像画像データを画像処理装置に取り込んで欠陥部の画像解析を行うことができるので好ましい。
【0028】
次に、本発明の線状光源4及び撮像装置3の好ましい配置形態について説明する。
【0029】
図5に示すように、線状光源4の線状方向17と検査面2の研磨方向11との間の角度をθ1とおく。θ1が小さいほど、線状光源4の線状方向17と検査面2の研磨方向11が平行に近くなり、検査面2のいずれの部位においても撮像装置3からみた明度が均一化するので好ましい。そして、
|θ1|≦35°
の関係とすれば、検査面上の明度の均一性を十分に保持することができる。もちろん、この範囲を外れ、若干の明度の不均一が存在するとしても、十分に欠陥検出を行うことができる。
【0030】
撮像装置3は、検査面2の中心直上から検査面に正対して撮像する位置に配置すると好ましい。図6に示すように、検査面上の任意の点と撮像装置を結ぶ線が当該任意の点の法線となす角度をθ3とする。θ3が大きすぎると、線状光源からの照射光による拡散反射成分が十分ではなくなり、検査面の非欠陥部の明度が低下することとなって好ましくない。本発明においては、検査面上のいずれの部位についても、
θ3≦60°
の関係を保持するように撮像装置3を配置すれば、検査面2の非欠陥部の明度が均一に保持されるので好ましい。通常の焦点距離を有するカメラを用いて、検査面の中心直上から検査面に正対して撮像装置を配置すれば、θ3を上記好ましい範囲とすることができる。
【0031】
金属試料中の欠陥を現出させるためのエッチングに関しては、割れ部における凹凸の現出、もしくは偏析部における腐食による凹凸の生成、もしくは偏析部の濃色化(例えば黒色化)を生じさせる方法として、通常に用いられているエッチング方法を採用することができる。例えば、過硫酸アンモニウム水溶液や、ピクリン酸と塩酸を用いた方法などが好適に用いられる。この他、欠陥部を現出、つまり、割れ部における凹凸の現出、もしくは偏析部における腐食による凹凸の生成、もしくは偏析部の濃色化(例えば黒色化)を生じさせる方法であれば、いずれの方法を用いても良い。
【実施例】
【0032】
中炭アルミキルド鋼の連続鋳造鋳片(幅1200mm、厚み250mm)を、長さ方向に垂直に切断して長さ方向50mmの金属試料1を切り出し、切断面を検査面2とした。検査面について種々の方法で研磨を行い、過硫酸アンモニウム水溶液を用いてエッチング処理を行った後、種々の照明条件のもとで検査面の画像撮像を行った。撮像装置としてはデジタル一眼レフカメラ(撮像画面サイズ:22.3mm×14.9mm、有効画素:約1510万画素)とレンズ(焦点距離28mm)を用いた。表1に処理条件と評価結果を示す。本発明範囲から外れる数値にアンダーラインを付している。
【0033】
【表1】
【0034】
検査面の研磨方法として、実施例1〜15、比較例1〜5、7〜12については、図10に示すように鋳片の幅方向22と一致する一方向を研磨方向11として、研磨紙を用いて研磨を行った。比較例6については、幅1200mmの片側600mmの部分を鋳片の幅方向22と一致する一方向を研磨方向11として研磨紙を用いて研磨を行った後に、残りの片側600mmの部分を鋳片の幅方向と直交する一方向(鋳片の厚み方向23)を研磨方向11として研磨紙を用いて研磨を行った。研磨紙の番手は表1に示す。
【0035】
光源として、実施例1〜13、比較例1〜11については、長さ630mm、定格消費電力30Wの直管式蛍光灯を、図10(a)に示すように一方向あたり2個ずつ、二方向で合計4個用いてそれぞれ線状光源4とした。実施例14における光源は、長さ630mm、底角消費電力30Wの直管式蛍光灯を、一方向のみに2個用いた。実施例15における光源は、150mmピッチで直線状に配置した定格消費電力7WのLEDを点光源4bとし、一方向あたり9個ずつ、二方向で合計18個用いて線状光源4とした。比較例12における光源は、定格消費電力500Wの電球を点光源5として図10(c)に示すように2個配置した。
【0036】
各検査水準について撮像装置3で撮像した撮像画像を画像解析し、検査面2における欠陥個数をカウントした。次いで、実施例3で検出した欠陥個数で規格化し、各条件における欠陥個数NNLを算出した。このNNLから、下記判断基準に従って検査状況を評価し、表1に記入した。
0.95≦NNL ・・・かなり良い
0.90≦NNL<0.95 ・・・良い
0.85≦NNL<0.90 ・・・良いが少し劣る
0.55≦NNL<0.80 ・・・少し劣る
0.30≦NNL<0.55 ・・・劣る
NNL<0.30 ・・・かなり劣る
【0037】
実施例1〜5、比較例1〜3については、図10(a)図11(a)に示す実施例3を基準とし、線状光源の配置方向を図11(b)(実施例1)、図11(c)(比較例1)のように変化させたものである。図11(a)(実施例3)に対する線状光源の位置の変化角度をθ4とすると、実施例1はθ4=−35°、比較例1はθ4=−90°となる。各水準について、2本の両端直角線間距離に占める線状光源の領域を光源カバー比CR(%)として表1に示した。
【0038】
実施例6〜8、比較例4、5は研磨紙の番手を変化させたものである。実施例9、10、比較例8は、線状光源の配置形態を実施例3と同様とし、Lminのみを変化させたものである。実施例11、12、比較例9、10は、線状光源の配置形態を実施例3と同様とし、角度θ2のみを変化させたものである。実施例13は、線状光源の配置形態を実施例3と同様とし、撮像装置に関する角度θ3のみを変化させたものである。
【0039】
表1において、基準となる実施例3については、比較を容易にするために各実施例群について重複して掲載している。
【0040】
表1において、本発明例はいずれも評価結果が「かなり良い」から「良いが少し劣る」の範囲に入っていることがわかった。
【0041】
なお、本発明は、前述の実施の形態及び実施例に具体的に記載された形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に規定する範囲内での変更は可能であり、例えば、前記したそれぞれの実施の形態、実施例や変形例の一例又は全部を組み合わせて、本発明の金属中、特に鋼片中の欠陥部を、高精度かつ迅速に検出する方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0042】
1 金属試料
2 検査面
3 撮像装置
4 線状光源
4a 線状に連続した光源
4b 点光源
5 点光源
6 欠陥部
7 非欠陥部
11 研磨方向
12 照射光
13 反射光
13a 正反射成分
13b 乱反射成分
14 研磨方向両端
15 試料研磨方向長さ
16 両端直角線
17 線状方向
18 線状光源が占める領域
21 線
22 幅方向
23 厚み方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属試料の検査面をJIS R6252に規定する100番〜1000番の粗さを有する研磨手段を用いて一方向に研磨し、当該金属試料にエッチング処理を行って金属試料中の欠陥を現出させ、
線状に連続した光源又は複数の点光源を線状に配置した光源(以下総称して「線状光源」という。)を準備し、前記複数の点光源を線状に配置した光源においては隣り合う点光源間の距離が前記金属試料の検査面の研磨方向長さ(以下「試料研磨方向長さ」という。)の30%以下であり、
前記検査面を垂直上方から見て、検査面の研磨方向両端から研磨方向に直角な線(以下「両端直角線」という。)を描いたとき、前記線状光源は、前記2本の両端直角線の間の少なくとも60%の領域を占めており、
2本の両端直角線の間の少なくとも60%の領域において、前記線状光源上の任意の点を含み研磨方向に垂直な面を描いたとき、当該面上で、線状光源と検査面上の任意の点を結ぶ線が検査面の法線となす角度θ2が、
15°≦θ2≦80°
の関係にあり、
前記線状光源と前記検査面との間の最小距離Lminを1000mm以下とし、
前記検査面を撮像する撮像装置を配置し、
前記線状光源からの光を検査面に照射しつつ、前記撮像装置によって検査面を撮像することを特徴とする金属の欠陥検出方法。
【請求項2】
前記線状光源の線状方向と検査面の研磨方向との間の角度θ1が、
|θ1|≦35°
の関係にあることを特徴とする請求項1に記載の金属の欠陥検出方法。
【請求項3】
該撮像装置と検査面上の任意の点を結ぶ線が検査面の法線となす角度θ3が、
θ3≦60°
の関係にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属の欠陥検出方法。
【請求項1】
金属試料の検査面をJIS R6252に規定する100番〜1000番の粗さを有する研磨手段を用いて一方向に研磨し、当該金属試料にエッチング処理を行って金属試料中の欠陥を現出させ、
線状に連続した光源又は複数の点光源を線状に配置した光源(以下総称して「線状光源」という。)を準備し、前記複数の点光源を線状に配置した光源においては隣り合う点光源間の距離が前記金属試料の検査面の研磨方向長さ(以下「試料研磨方向長さ」という。)の30%以下であり、
前記検査面を垂直上方から見て、検査面の研磨方向両端から研磨方向に直角な線(以下「両端直角線」という。)を描いたとき、前記線状光源は、前記2本の両端直角線の間の少なくとも60%の領域を占めており、
2本の両端直角線の間の少なくとも60%の領域において、前記線状光源上の任意の点を含み研磨方向に垂直な面を描いたとき、当該面上で、線状光源と検査面上の任意の点を結ぶ線が検査面の法線となす角度θ2が、
15°≦θ2≦80°
の関係にあり、
前記線状光源と前記検査面との間の最小距離Lminを1000mm以下とし、
前記検査面を撮像する撮像装置を配置し、
前記線状光源からの光を検査面に照射しつつ、前記撮像装置によって検査面を撮像することを特徴とする金属の欠陥検出方法。
【請求項2】
前記線状光源の線状方向と検査面の研磨方向との間の角度θ1が、
|θ1|≦35°
の関係にあることを特徴とする請求項1に記載の金属の欠陥検出方法。
【請求項3】
該撮像装置と検査面上の任意の点を結ぶ線が検査面の法線となす角度θ3が、
θ3≦60°
の関係にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属の欠陥検出方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−203201(P2011−203201A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−72920(P2010−72920)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]