説明

金属支持フレキシブル基板ならびにそれを用いたテープオートメーテッドボンディング用金属支持キャリアテープ、LED実装用金属支持フレキシブル回路基板および回路形成用銅箔積層済み金属支持フレキシブル回路基板

【課題】リールtoリールで加工が可能で、パッケージング設計と放熱設計が容易なだけでなく、CCD認識による検査自動化が可能な金属支持フレキシブル配線板を提供すること。
【解決手段】(1)接着剤層、(2)支持体および(3)支持体被覆層から構成される金属支持フレキシブル基板において、(2)支持体が金属箔にて構成されており、(2)支持体の(1)接着剤層側および/またはその反対側に(3)支持体被覆層が構成されており、かつ、(1)接着剤層および/または(3)支持体被覆層が着色処理されている事を特徴とする金属支持フレキシブル基板。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は金属支持フレキシブルプリント基板に関する。より詳しくは、半導体集積回路(IC)を実装する際に用いられる、テープオートメーテッドボンディング(TAB)や、ボールグリッドアレイ(BGA)パッケージ用インターポーザー等の半導体装置接続用基板、その他、LEDやパワー系デバイスの実装用基板を作製するために適した電子部品用金属支持フレキシブル基板に関する。
【0002】
さらにそれを用いたテープオートメーテッドボンディング用金属支持キャリアテープ、LED実装用金属支持フレキシブル回路基板および回路形成用銅箔積層済み金属支持フレキシブル回路基板に関する。
【背景技術】
【0003】
フレキシブル基板は、支持体・接着剤・回路形成用導体層等から構成される屈曲性に優れた回路形成用基板であり、形成された導体回路層に目的の機能部品等を実装した後、ソルダーレジストやカバーレイフィルムによって回路保護を施し、電子機器の各種配線引き回しやIC実装用のインターポーザーとして幅広く利用されている配線板である。
【0004】
電子機器の普及に伴い多様な電子部品が開発されている今日において、小型化、高密度化に伴い回路基板の体積当たり消費電力は上昇しつづけており、フレキシブル回路基板に対しても、適用部位に応じた数多くの高い要求特性と安全性向上との両立が求められている。特に、駆動電圧が高い為に発熱量が多く、かつ高い絶縁性能が要求されるプラズマディスプレイ駆動用のドライバICを実装する為のフレキシブル回路基板や、発光による局所発熱量の多いLED素子を実装する為のフレキシブル回路基板においては、さらなる高機能化・高速化・高出力化に対応する為の技術として、絶縁性能や低カール性を維持しつつ、耐熱性・放熱設計性を向上させる事が課題となっている。
【0005】
このため、回路装置の基板として高い放熱性を有する金属基板を用いるとともに、その金属基板上にシリカゾル系無機ワニスを絶縁層として配する事で、ワイヤーボンディングによる絶縁破壊を防ぐ事が可能な基板が提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、シリカゾル系無機ワニスには可堯性がない為、フレキシブル回路基板においては、絶縁層にクラックが発生したり、フレキシブル回路基板のカールが大きく、リール to リールでの加工流動が不可能となる事や、オートメーテッドボンディング方式などに用いるには、樹脂層の半硬化状態制御や打ち抜き性などの確保が困難である等の課題があった。
【0007】
また、金属支持層を利用する方法として、ベース基体である基体金属上に接着剤が塗布され、その上に銅パターンが形成されていることを特徴とする液晶表示素子用TABテープキャリヤが提案されている。(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
しかしながら、絶縁層の直下に導電層がある構成で、直上には形成された回路が配されている為、回路配線間の絶縁性と、各回路配線−支持金属層の絶縁性を保ちつつ、駆動電圧の高いプラズマディスプレイ用ドライバICや、発熱量の多いLED実装用基板として適用するには、絶縁性能が不足していた。また、テープオートメーテッドボンディング方式の様に回路形成用銅箔を顧客工程内で逐次積層する場合には、接着剤層が回路形成用銅箔と支持体銅箔に挟まれて接着剤層の吸湿水分の逃げ場が無い為に接着剤層に発泡が発生する等の課題を抱えていた。
【0009】
また、これら金属支持層を用いた回路基板は、金属基板/金属回路の構成となる為に、検査工程時にCCDカメラによるパターン認識検査が難しく、自動化が困難であるという課題を有していた。
【0010】
CCDカメラによるパターン認識検査を可能にする方法として、カップリング剤を含む処理液を用いて着色した無機充填剤を熱硬化性樹脂に配合する事で、回路視認性を改善させる方法が提案されている。(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、着色成分は熱硬化性樹脂層の絶縁信頼性を低下させるだけでなく金属基板/金属回路との密着強度を落とす為、微細化の進んだTABやBGA、LED等の基板に適用するには不向きであった。
【0011】
また、金属基板の表面を酸化・還元処理等で酸化皮膜を形成することで色調を変化させる事で、回路視認性を向上させる方法が提案されている。(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、形成された皮膜は塩化銅・塩化鉄等のエッチング液や錫めっきなどの強酸工程液体に対しての溶解速度が速いため、表面の侵食が酷いことや、酸化・還元層と母材の層間に浸透するために、表面に形成した樹脂層や回路などが脱落するなどの課題を有していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平8−288605号公報
【特許文献2】特開平8−055880号公報
【特許文献3】特開平2−216893号公報
【特許文献4】特開昭63−98181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、優れた絶縁性およびその他回路基板としての信頼性を維持しつつ、リールtoリールでの加工やCCDによる自動認識検査にも対応可能である、パッケージング設計と放熱設計が容易な金属支持フレキシブル基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、本発明の金属支持フレキシブル基板は、(1)接着剤層、(2)支持体および(3)支持体被覆層から構成される金属支持フレキシブル基板において、(2)支持体が金属箔にて構成されており、(2)支持体の(1)接着剤層側および/またはその反対側に(3)支持体被覆層が構成されており、かつ、(1)接着剤層および/または(3)支持体被覆層が着色処理されている事を特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、優れた絶縁性および打ち抜き特性を維持しつつ、優れたワイヤーボンディング性や低カール性を持つ事から、容易なパッケージング設計と放熱設計が可能となる。本発明の金属支持フレキシブル基板を用いた電子部品は、回路加工に必要な耐薬品性や金属支持基板回路での高電圧駆動を可能にする絶縁性を有し、リールto リールの加工や打ち抜き加工、フライングリードの形成が容易で、かつ、CCD認識による自動検査にも対応可能であり、従来の電子部品に比べて簡素かつ低コスト放熱設計・製造が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0017】
本発明の金属支持フレキシブル基板は、(2)支持体が金属箔で構成されており、(2)支持体の(1)接着剤層側および/またはその反対側に(3)支持体被覆層を有している。支持体に金属箔を用いる事で回路基板の熱伝導性が向上し、放熱板サイズを極小化する事が可能である。さらに、本発明の金属支持フレキシブル基板は、打ち抜き加工等によるデバイスホールの形成が容易である事から、ICやLED素子等の被実装部品をデバイスホールを用いて回路形成面の裏面から実装する事により、(2)支持体そのものを放熱板として用いたり、ヒートシンクへの熱伝導性を向上させたりする事が可能である。
【0018】
金属箔としては銅箔、ステンレス箔、アルミニウム箔が好ましく用いられるが、リン青銅等の他銅合金箔、ニッケル箔、マグネシウム箔、チタン箔または、これらを含む合金箔等を用途・要求機能に応じて用いても良く、パッケージング全体のバランスに合わせて、熱膨張係数が10〜30ppm/℃の金属箔を好適に選択する事ができる。(2)支持体の厚みは、求めるフレキシブル性、引き裂き強度に合わせて適に選択可能であるが、12μm〜150μmが好ましく用いられ、12μm〜75μmがより好ましく用いられる。
【0019】
また、(2)支持体である金属箔は、(1)接着剤層の易接着性や絶縁性の付与、外観光沢性の変更、回路形成時の薬品暴露を避ける事などを目的として、有機・無機カップリング処理や、鍍金、樹脂被覆、セラミック層形成等の表面処理を施して、(2)支持体の(1)接着剤層側および/またはその反対側に(3)支持体被覆層が構成されている。また、打ち抜き等によってデバイスホールやスプロケットホール等を形成した際のホール断面に、絶縁保護等を目的とした被覆層を更に追加で施しても良い。
【0020】
(3)支持体被覆層の厚みは、被覆強度とリール取り扱い性のバランスや、(2)支持体と回路導体層の絶縁信頼性強化の観点から下限として2μm以上が好ましく2.5μm以上である事がより好ましい。また上限としては100μm以下である事が好ましく、10μm以下であることがより好ましく、また5μm以下であることがより更に好ましい。また(3)支持体被覆層の層構成は単一層であっても複数層で構成されていても良い。
【0021】
(3)支持体被覆層に樹脂を用いる場合、特に限定されるものではないが、耐熱性・耐薬品性に優れたポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂が好ましく用いられ、特にポリアミドイミド樹脂が耐薬品性付与や易接着性付与の点から好ましく用いられる。(3)支持体被覆層に用いられるポリアミドイミド樹脂は、耐熱性・耐薬品性の点からTg(ガラス転移温度)が300℃以上であること、硬化後の重量平均分子量が10000以上であること、(1)接着剤層の易接着性付与の点からエポキシ樹脂が5重量%以上混合硬化されていることが好ましい。
【0022】
また、(3)支持体被覆層は目的に応じて接着剤層側およびその反対側のどちらにでも必要に応じて配する事ができ、そのどちらか一方または両方に、剥離性を付与してもよい。剥離性とは、(3)支持体被覆層を配した(2)支持体から、(2)支持体の一部が剥がれたり、逆に(2)支持体の表面に(3)支持体被覆層の一部が残ったり、また他の界面での剥離を起こすことなく、(3)支持体被覆層を剥離できることを言う。接着剤層側の(3)支持体被覆層に剥離性を付与した場合は、加工後製品の基材レス化が可能となり、接着剤層側の反対側の(3)支持体被覆層に剥離性を付与した場合には、既存の回路加工ラインに対する薬液耐性を保持したまま、金属支持体を生かした高放熱性基板を得ることが可能となる。この場合、(3)支持体被覆層が二層以上の層構造を有し、(2)支持体に接する第一の層が粘着材および/または熱可塑性樹脂であって、第一の層以外の少なくとも1つの層がポリエステル、ポリオレフィン、ポリフェニレンスルフィド、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミドおよびポリメチルメタクリレートから選ばれた1以上であることが好ましい。これにより第一の層は剥離性を有し、また上記第一の層以外の少なくとも1つの層は、回路加工時の薬液耐性を確保しつつ剥離時の引張り強度を確保し易剥離化することができる。
【0023】
また、(1)接着剤層および/または(3)支持体被覆層は、着色処理されており、回路形成された金属層に比べて暗色系の顔料・または染料にて着色されていることが好ましく、絶縁信頼性確保等の面から、顔料がより好ましく用いられる。着色は、光源からの光を吸収・散乱し、回路金属とのコントラストを得やすくするために暗色系である事が好ましく、また絶縁性確保の観点から無機系顔料より有機系顔料が好ましい。ここで言う暗色系とは、回路形成された銅表面に比べて明度(L*値)の低い色系統を指し、そのL*値が50以下である事が好ましく、30以下であればより好ましい。着色には、ジオキサジン系バイオレッド、キナクドリン系レッド・マゼンダ・バイオレット、アンスラキノン系レッド、アリザリン系レッド、ナフトール系レッド、モノアゾレッド、ポリアゾレッド、ペリレンレッド、アンスラキノニルレッド、ジケトピロロピロールレッド、フタロシアニン系ブルー、フタロシアニン系グリーン、サップグリーン、などの顔料が挙げられ、これらを混合してコントラストの良い色調を得る事が出来る。着色処理によってCCDカメラによる自動回路検査工程時にコントラスト検出が安定的かつ容易となるだけでなく、熱吸収性を高め、放熱基板としての機能向上にも寄与する。着色処理は、(1)接着剤層と(3)支持体被覆層のどちらに行っても構わないが、絶縁信頼性や加湿・加熱環境化での接着耐久性等を考慮すると、回路金属に直接接していない(3)支持体被覆層で行うことが好ましい。また、顔料または染料による着色だけでなく、無機充填剤の組成や、表面粗化処理を行う事で、(1)接着剤層および/または(3)支持体被覆層の表面粗さを増して光の散乱量を増やす事で、(2)金属支持体の表面模様が(1)接着剤層および/または(3)支持体被覆層を通じてCCDカメラに認識されにくくする事が可能となり、回路パターンの認識性向上だけでなく、(1)接着剤層の欠点検出能力を向上させ、より検査精度を高めることが可能となり、また、選色の自由度が高まり適用可能な着色範囲の拡大が可能となる。無機充填剤としては、金属微粒子、金属水酸化物、金属酸化物、炭化珪素、炭化チタンシリカ、酸化チタン、窒化アルミニウム、窒化チタン、窒化珪素、あるいは炭酸カルシウム等の無機塩、カーボンブラック、シリカ、ガラス等が挙げられる。中でも、シリカ、アルミナ、酸化チタン、窒化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等が好ましく用いられる。ここで、シリカは非晶、結晶のいずれであってもよく、それぞれのもつ特性に応じて適宜使いわけることを限定するものではない。これらの無機質充填剤に接着性や充填性等の向上を目的としてシランカップリング剤等を用いて表面処理を施してもよい。無機質充填剤の粒子径は特に限定されないが、分散性および塗工性、表面粗化能力等の点で、平均一次粒子径0.005〜30μmで、配合する(1)接着剤層および/または(3)支持体被覆層の厚み合計の120%以下が好ましい。
【0024】
本発明の金属支持フレキシブル基板は、(1)接着剤層が、(A)ダイマー酸残基を含むポリアミド樹脂を含有していても良い。
【0025】
(A)ダイマー酸残基を含むポリアミド樹脂におけるダイマー酸は、工業的には最高分子量領域の二塩基酸であり、嵩高い炭化水素基を有するため疎水性が大きい。よって、ダイマー酸から誘導されるダイマー酸ポリアミド樹脂は、結晶性が小さいため強靱で柔軟性に富み低吸水率性を維持しつつ本発明の金属支持フレキシブル基板を実現するのに必要な有機溶剤への溶解性を有する。さらに、アミド結合の強い結合力に由来する耐加水分解性や難燃性を有する。したがって、ダイマー酸残基を有するポリアミド樹脂を用いることにより、フレキシブル基板として要求される耐薬品性、難燃性および低カール性を維持しつつ、テープオートメーテッドボンディング工法及びその類似工法における打ち抜き性を良好に維持する。また、打ち抜き後に回路用金属層を配してから接着剤を完全硬化させる際の樹脂吸湿水分による発泡を良好に抑制する事が可能である。炭素数36のジカルボン酸残基を有するポリアミド樹脂が、強靱性や製膜性および加工性の点で好ましい。ダイマー酸残基を有するポリアミド樹脂であれば、公知の種々のものを使用することができ、2種以上用いてもよい。
【0026】
ダイマー酸残基を有するポリアミド樹脂は、常法によるダイマー酸とジアミンの重縮合により得られるが、この際に、ダイマー酸以外のアジピン酸、アゼライン酸およびセバシン酸等のジカルボン酸を共重合成分として含有してもよい。ジアミンとしては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンおよびピペラジン等の公知のものを使用することができ、2種以上用いてもよい。
【0027】
また、本発明の金属支持フレキシブル基板は、(1)接着剤層が(B)フェノール樹脂を含有しても良い。フェノール樹脂は、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を含有するものであれば特に限定されず、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂等の公知のフェノール樹脂がいずれも使用できる。上記を2種以上用いても良く、絶縁信頼性の観点からレゾール型フェノール樹脂を用いることが好ましい。
【0028】
本発明において、接着剤層は(C)エポキシ樹脂を含有してもよい。エポキシ樹脂としては、2つ以上のエポキシ基を有するものが好ましく、また、エポキシ基の他にアリル基、メタリル基、アミノ基、水酸基およびカルボキシル基からなる群より選ばれる化学反応部位を計3個以上有するものも好ましい。2種以上の異なった化学反応部位を含む場合は、単位分子内に有する全種類の化学反応部位数を総計したものが3個以上あればよい。化学反応部位の位置は特に制限されることはないが、少なくとも側鎖に化学反応部位を有していることが好ましい。また、上記エポキシ樹脂を2種以上用いてもよい。
【0029】
本発明において、(1)接着剤層は(D)硬化促進剤を含有してもよい。例えば、芳香族ポリアミン、2−アルキル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−アルキルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、ジシアンジアミド、トリフェニルフォスフィン、ジアザビシクロウンデセン等公知のものが例示できる。これらを2種以上用いてもよい。
【0030】
本発明において、(1)接着剤層は(E)充填剤を含有してもよい。充填剤は接着剤の特性を損なうものでなければ特に限定されないが、シリカ、アルミナ、窒化アルミニウム、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等が好ましく用いられる。ここで、シリカは非晶、結晶のいずれであってもよく、それぞれのもつ特性に応じて適宜使いわけることを限定するものではない。これらの無機質充填剤に接着性や充填性等の向上を目的としてシランカップリング剤等を用いて表面処理を施してもよい。
【0031】
以上の成分以外に、接着剤の特性を損なわない範囲で酸化防止剤、イオン捕捉剤などを含有することは何ら制限されるものではない。酸化防止剤としては、酸化防止の機能を付与するものであれば特に限定されず、フェノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤等の公知の酸化防止剤を使用できる。これらを2種以上用いてもよい。
【0032】
本発明の金属支持フレキシブル基板は、回路形成用金属層を配する前に、(1)接着剤層を半硬化状態で維持し、(4)保護フィルムを配する事で、金属支持キャリアテープとしても良い。保護フィルムは、接着剤層の形態および機能を損なうことなく剥離できれば特に限定されないが、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリフェニレンスルフィド、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート等のプラスチックフィルム、これらにシリコーンあるいはフッ素化合物等の離型剤のコーティング処理を施したフィルムおよびこれらのフィルムをラミネートした紙、離型性のある樹脂を含浸あるいはコーティングした紙等が挙げられる。
【0033】
金属支持キャリアテープは、打ち抜き加工等によって、必要なデバイスホールを形成した後に保護フィルムを剥離し、回路形成用金属層をラミネート法やプレス法によって配する事により、デバイスホール内に中空配線(フライングリード)を形成する事が可能となる。フライングリードを用いた実装であれば、ICやLED素子等を金属支持キャリアテープの表裏どちらからでも実装する事が可能となる為、被実装部品のレイアウト性・放熱設計性が向上するだけでなく、ワイヤーボンディング法で課題となる絶縁層の圧縮破壊による支持体金属層−回路形成層の絶縁破壊を更に避ける事が出来る。
【0034】
次に、本発明の金属支持フレキシブル基板を製造する方法について、例を挙げて説明する。
【0035】
(a)(1)接着剤層を構成する樹脂組成物を溶剤に溶解して接着剤塗料とし、(2)支持体上に塗布、乾燥し接着剤層を形成することで本発明の金属支持フレキシブル基板を得る。接着剤層の膜厚は、接着性・絶縁性・熱伝導性等の各要求機能を満たせば特に限定はされないが、フレキシブル性を維持する為に2〜200μmとなるように塗布することが好ましく、2〜50μmとなる様に塗布する事がより好ましい。塗布方法は特に限定されないが、コンマ方式、リップ方式、ロール方式、メイヤーバー方式、グラビア方式等の一般的な塗布設備を塗料性状に合わせて適に用いて良い。乾燥条件は、通常100〜200℃、1〜5分である。溶剤は特に限定されないが、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族系、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、Nメチルピロリドン等の非プロトン系、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、Nブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶剤が好適であり、これらを2種以上用いてもよい。また、溶剤に不溶な(D)硬化促進剤や(E)充填剤を用いる場合には、ホモミキサーや、ビーズミル、サンドミル、キャビテーション方式による分散装置等を用いて、予め溶剤に分散しておく方法や、(1)接着剤層を構成する各樹脂のいずれか一つ以上に、エクストルーダーやバンバリーミキサー等を用いて混練・分散しておく方法などを好適に用いる事が出来る。
【0036】
(b)(a)に記載の方法で形成した接着剤層に、必要により離型性を有する(4)保護フィルムをラミネートして本発明の金属支持フレキシブル基板を得ても良い。さらに接着剤厚みを増す場合は、再度塗料を重ねて塗工するか、形成した接着剤層を複数回積層すればよい。また、予め(4)保護フィルム上に接着剤層を形成しておき、(2)支持体をラミネートして本発明の金属支持フレキシブル基板を得てもよい。(2)支持体に(3)支持体被覆層を配する場合には、予め(3)支持体被覆層となる樹脂を有機溶剤に溶解または分散した塗料を作成し、(2)支持体に所定の厚みで塗布・乾燥して(3)支持体被覆層を形成しておく事が好ましく、また、剥離性を有する(3)支持体被覆層を配する場合には、剥離性樹脂層を剥離に必要な引張り強度を保持する為のフィルムに塗布・乾燥して得た複層構成体を、予め(2)支持体にラミネート法などで貼り合わせておく事が好ましい。
【0037】
(2)支持体への(1)接着剤層のラミネート条件は、通常温度50〜160℃、押圧0.1〜0.5MPaである。ラミネート温度は140℃以下である事が好ましく、120℃以下であれば良好、100℃以下であれば極めて良好と判断できる。また(2)支持体の(1)接着剤層側に(3)支持体被覆層が構成されている場合
は、(2)支持体に(3)支持体被覆層が配されたものに(1)接着剤層をラミネートすることになるが、その場合も(2)支持体へ(1)接着剤層を直接ラミネートする場合と同様の条件でラミネートすることが好ましい。
【0038】
本発明の金属支持フレキシブル基板を得た後に、例えば40〜100℃で20〜300時間程度熱処理して接着剤層の硬化度を調節してもよい。硬化度を調節することにより、金属支持フレキシブル基板に回路形成用金属層を配する際の接着剤のフロー過多を防止するとともに、加熱硬化時の水分による発泡を防止する効果がある。
【0039】
本発明の金属支持フレキシブル基板を用いた電子部品は、回路加工に必要な耐薬品性や金属支持基板に必要な絶縁性を有し、リールto リールの加工や打ち抜き加工、フライングリードの形成が容易で、従来の電子部品に比べて簡素かつ低コスト放熱設計が可能となる。
【実施例】
【0040】
以下に、本発明の実施形態の一例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。まず、実施例および比較例における評価方法を説明する。
【0041】
(1)金属支持フレキシブル基板のCCD認識性評価
各実施例および比較例において得られた金属支持フレキシブル回路基板について、高精度自動測長機(QV−HYPER606PRO、QVPAKver.7、B&W CCDカメラ、株式会社ミツトヨ社製)を用い、以下の判断基準に従ってCCD認識性の評価を行った。○以上であれば工程通過可能と判断でき、◎であれば、完全自動工程化も可能な良好な状態と判断できる。
◎:QVPAKに入力した設計値および、回路金属とのコントラストを利用した回路パターンエッジ・形状検出を用いる事で、回路パターンの自動認識・形状測定・合否判定が可能で、かつ、(1)支持体の表面模様が反射して映り込むことなく、回路の無い(1)接着剤層露出部分の詳細な欠点検査・自動認識を行うことができ、完全な自動化が可能であった。
○:QVPAKに入力した設計値および、回路金属とのコントラストを利用した回路パターンエッジ・形状検出を用いる事で、回路パターンの自動認識・形状測定・合否判定が可能で、かつ、(1)支持体の表面模様の反射映り込みは多少あるものの、回路の無い(1)接着剤層露出部分のおおまかな欠点検査・自動認識を行うことができた。
△:QVPAKに入力した基準画像を用いたパターン認識を利用した検出を行うことが可能で、回路欠損等の大きな欠点を抽出する事は可能であったが、寸法・そのた欠点を含む、詳細な検査実施には不向きであった。
×: 入力された画像にコントラストが不足し、パターン検出・エッジ検出等が不可能であった。
【0042】
(2)金属支持フレキシブル基板のL*値評価
各実施例および比較例において得られた回路形成用銅箔付き金属支持フレキシブル基板を用い、回路銅箔をエッチングにて全て除去した後に回路銅箔が形成されていた面について色彩計(NR−1 日本電色工業社製)を用いて色彩度の測定を行い、そのL*値を測定した。
【0043】
L*値は、50以下であれば良く30以下であればなお良い。
【0044】
(3)金属支持フレキシブル基板のピール強度評価
各実施例および比較例において得られた金属支持フレキシブル回路基板について、形成した50μm導体を、テンシロン(株式会社オリエンテック製UTM−4−100)にて、90°方向、50mm/minにて引き剥がす事で、ピール強度の測定を行った。また、常態測定後、HASTチャンバー(EMS−221M、エスペック社製)にて121℃/100%RH/168hrの湿熱処理を施し、PCT後ピール強度を測定して、そのピール強度保持率を算出した。
【0045】
ピール強度保持率は、40%以上である事が必要で、50%以上あれば好ましく、60%以上あれば良好、70%以上あれば極めて良好と判断できる。
【0046】
(4)金属支持フレキシブル基板の薬液耐性評価
各実施例および比較例において得られた金属支持フレキシブル回路基板を、1、塩化第二鉄溶液(40℃、37%)、2、水酸化ナトリウム液(30℃、1N)、3、無電解錫めっき液(70℃、“Timposit”LT−34、ロームアンドハース社製)にそれぞれ浸漬した後の外観を観察する事で薬液耐性評価とした。判断基準は以下のとおりであり、△以上であれば工程通過可能で合格と判断でき、○であれば良好、◎であれば極めて良好と判断できる。
◎:1の薬液に5分間、次に2の薬液に5分間、さらに3の薬液に5分間順次浸漬した際に、(2)支持体および(3)支持体被覆層の表面外観に薬液による著しい損傷が見られない。
○:上記◎の要件は満たさないが、1の薬液に3分間、次に2の薬液に3分間、さらに3の薬液に3分間順次浸漬した際に、(2)支持体および(3)支持体被覆層の表面外観に薬液による著しい損傷が見られない。
△:上記◎および○の要件は満たさないが、1の薬液に1分間、次に2の薬液に1分間、さらに3の薬液に1分間順次浸漬した際に、(2)支持体および(3)支持体被覆層の表面外観に薬液による著しい損傷が見られない。
×:1の薬液に1分間、次に2の薬液に1分間、さらに3の薬液に1分間順次浸漬した際に、(2)支持体または(3)支持体被覆層の表面外観に薬液による著しい損傷がある。
【0047】
(実施例1)
(a)接着剤層シートの作製
接着剤層シートの作成に当たり、(A)〜(D)成分として(A)ダイマー酸ポリエーテルアミド樹脂(“トーマイド”(登録商標)PA−200、富士化成工業社製、アミン価3、溶融粘度40.0Pa・s)100重量部、(B)レゾールフェノール樹脂(CKM1634 昭和高分子社製)50重量部、(C)エポキシ樹脂(“エピコート”(登録商標)YL980、ジャパンエポキシレジン社製)80重量部、(D)硬化促進剤(2エチル−4メチルイミダゾール(2E4MZ)、東京化成社製)2重量部に、エタノール/トルエン混合溶剤(混合重量比率 エタノール1:トルエン4)を加え、30℃で撹拌、混合して固形分濃度25重量%接着剤組成物を作製した。この接着剤組成物をバーコータで、(4)保護フィルム(シリコーン離型剤付きの厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(藤森工業(株)製“フィルムバイナ”(登録商標)GT))に約12μmの乾燥厚さとなるように塗布し、150℃で4分間乾燥した後、形成された接着剤層面に別の(4)保護フィルムを貼り合わせる事で両側を(4)保護フィルムでサンドされた接着剤層シートを作製した。
【0048】
(b)金属支持フレキシブル基板および金属支持フレキシブル回路基板の作製
上記(a)に記載の方法で得られた接着剤層シートの(4)保護フィルムの片側を剥離し、(2)支持体(アルミニウム箔、3003、50μm厚(住軽アルミ株式会社製)線膨張係数24.0ppm/℃)に予め(3)支持体被覆層(ポリアミドイミド樹脂(Tg300℃、重量平均分子量11000)と、着色顔料(フタロシアニンブルーとジオキサジンバイオレットの1:1混合物)の重量比98:2混合樹脂)を両面に100μmの厚みで形成したものに、100℃、0.3MPaの条件でラミネートし、金属支持フレキシブル基板を得た。
【0049】
金属支持フレキシブル基板の(4)保護フィルムを剥離し、18μmの電解銅箔(FQ−VLP、三井金属鉱業社製)を、140℃、0.3MPa圧力の条件でラミネートした。続いてエアオーブン中で、80℃で3時間、100℃で5時間、150℃で5時間の順次加熱処理を行い、回路形成用銅箔付き金属支持フレキシブル基板を作製した。得られた回路形成用銅箔付き金属支持フレキシブル基板の回路形成用銅箔面に常法によりフォトレジスト膜形成、エッチング、レジスト剥離を行い、配線ピッチ100μm(導体幅50μm)の対向電極回路を形成した後、ホウフッ酸系(ロームアンドハース社製 スズメッキ液(商品名)“TINPOSIT”(登録商標)LT−34)の無電解スズメッキ液に70℃、5分浸漬処理し、0.5μm厚のメッキを施して、金属支持フレキシブル回路基板を作製した。
【0050】
上記方法によって得られた評価用金属支持フレキシブル基板、回路形成用銅箔付き金属支持フレキシブル基板、金属支持フレキシブル回路基板を用いて、前記(1)〜(3)の評価を行った。
【0051】
(実施例2)
金属支持フレキシブル基板の作成に当たり、(3)支持体被覆層の厚みを50μmとした以外は実施例1と同様の方法で作製し、前記(1)〜(3)記載の評価を行った。
【0052】
(実施例3)
金属支持フレキシブル基板の作成に当たり、(3)支持体被覆層の厚みを10μmとした以外は実施例1と同様の方法で作製し、前記(1)〜(3)記載の評価を行った。
【0053】
(実施例4)
金属支持フレキシブル基板の作成に当たり、(3)支持体被覆層の厚みを5μmとした以外は実施例1と同様の方法で作製し、前記(1)〜(3)記載の評価を行った。
【0054】
(実施例5)
金属支持フレキシブル基板の作成に当たり、(3)支持体被覆層の厚みを3μmとした以外は実施例1と同様の方法で作製し、前記(1)〜(3)記載の評価を行った。
【0055】
(実施例6)
金属支持フレキシブル基板の作成に当たり、(3)支持体被覆層を1.5μmの2層構成(総厚3.0μm)とし、(2)支持体に接する側(1層目)にはポリアミドイミド樹脂(Tg300℃、重量平均分子量11000)と、着色顔料(フタロシアニンブルーとジオキサジンバイオレットの1:1混合物)の重量比98:2混合樹脂を用い、(1)接着剤層に接する側(2層目)には着色顔料を含まないポリアミドイミド樹脂(Tg300℃、重量平均分子量11000)のみを用いた以外は実施例1と同様の方法で作製し、前記(1)〜(3)記載の評価を行った。
【0056】
(実施例7)
金属支持フレキシブル基板の作成に当たり、(3)支持体被覆層を1.5μmの2層構成(総厚3.0μm)とし、(2)支持体に接する側(1層目)には着色顔料を含まないポリアミドイミド樹脂(Tg300℃、重量平均分子量11000)のみを用い、(1)接着剤層に接する側(2層目)にはポリアミドイミド樹脂(Tg300℃、重量平均分子量11000)と、着色顔料(フタロシアニンブルーとジオキサジンバイオレットの1:1混合物)の重量比98:2混合樹脂を用いた以外は実施例1と同様の方法で作製し、前記(1)〜(3)記載の評価を行った。
【0057】
(実施例8)
金属支持フレキシブル基板の作成に当たり、(3)支持体被覆層の厚みを1.5μmとした以外は実施例1と同様の方法で作製し、前記(1)〜(3)記載の評価を行った。
【0058】
(実施例9)
金属支持フレキシブル基板の作成に当たり、(3)支持体被覆層に、ポリアミドイミド樹脂(Tg300℃、重量平均分子量11000)と、着色顔料(フタロシアニンブルーとジオキサジンバイオレットの1:1混合物)と、マット処理剤(シリカ、FB−20D、平均粒径20μm、電気化学工業社製)の重量比88:2:10混合樹脂を用いた以外は、実施例1と同様の方法で作製し、前記(1)〜(3)記載の評価を行った。
【0059】
(実施例10)
金属支持フレキシブル基板の作成に当たり、支持体被覆層厚みを50μmとした以外は実施例9と同様の方法で作製し、前記(1)〜(3)記載の評価を行った。
【0060】
(実施例11)
金属支持フレキシブル基板の作成に当たり、(3)支持体被覆層にシリカ(FB−20D、平均粒径20μm、電気化学工業社製)の代わりにシリカ(FB−5D、平均粒径5μm、電気化学工業社製)を用いた事と、支持体被覆層厚みを10μmとした以外は実施例9と同様の方法で作製し、前記(1)〜(3)記載の評価を行った。
【0061】
(実施例12)
金属支持フレキシブル基板の作成に当たり、(3)支持体被覆層にシリカ(FB−20D、平均粒径20μm、電気化学工業社製)の代わりにシリカ(SO−E6、平均粒径2μm、アドマテックス社製)を用いた事と、支持体被覆層厚みを5μmとした以外は実施例9と同様の方法で作製し、前記(1)〜(3)記載の評価を行った。
【0062】
(実施例13)
金属支持フレキシブル基板の作成に当たり、(3)支持体被覆層にシリカ(FB−20D、平均粒径20μm、電気化学工業社製)の代わりにシリカ(SO−E6、平均粒径2μm、アドマテックス社製)を用いた事と、支持体被覆層厚みを3μmとした以外は実施例9と同様の方法で作製し、前記(1)〜(3)記載の評価を行った。
【0063】
(実施例14)
金属支持フレキシブル基板の作成に当たり、(3)支持体被覆層を1.5μmの2層構成(総厚3.0μm)とし、(2)支持体に接する側(1層目)にはポリアミドイミド樹脂(Tg300℃、重量平均分子量11000)と、着色顔料(フタロシアニンブルーとジオキサジンバイオレットの1:1混合物)の重量比98:2混合樹脂を用い、(1)接着剤層と接する側(2層目)には、ポリアミドイミド樹脂(Tg300℃、重量平均分子量11000)と、シリカ(SO−E3、平均粒径1μm、アドマテックス社製)の重量比90:10混合樹脂を用いた以外は実施例1と同様の方法で作製し、前記(1)〜(3)記載の評価を行った。
【0064】
(実施例15)
金属支持フレキシブル基板の作成に当たり、(3)支持体被覆層を1.5μmの2層構成(総厚3.0μm)とし、(2)支持体に接する側(1層目)にはポリアミドイミド樹脂(Tg300℃、重量平均分子量11000)のみを用い、(1)接着剤層と接する側(2層目)には、ポリアミドイミド樹脂(Tg300℃、重量平均分子量11000)と、着色顔料(フタロシアニンブルーとジオキサジンバイオレットの1:1混合物)と、シリカ(FB−20D、平均粒径20μm、電気化学工業社製)の重量比88:2:10混合樹脂を用いた以外は実施例1と同様の方法で作製し、前記(1)〜(3)記載の評価を行った。
【0065】
(実施例16)
金属支持フレキシブル基板の作成に当たり、(3)支持体被覆層の厚みを1.5μmとした以外は実施例9と同様の方法で作製し、前記(1)〜(3)記載の評価を行った。
【0066】
(比較例1)
作成に当たり、(2)支持体に(3)支持体被覆層を形成しない以外は実施例1と同様の方法で作製し、前記(1)〜(3)記載の評価を行った。
【0067】
(比較例2)
作成に当たり、(2)支持体(アルミニウム箔、3003、50μm厚(住軽アルミ株式会社製)線膨張係数24.0ppm/℃)に予め(3)支持体被覆層(ポリアミドイミド樹脂(Tg300℃、重量平均分子量11000)を両面に1μmの厚みで形成したものを用いた以外は実施例1と同様の方法で作製し、前記(1)〜(3)記載の評価を行った。
【0068】
(3)支持体被覆層の構成を表1に各実施例、比較例の評価結果を表1、2に示す。
【0069】
【表1】

【0070】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)接着剤層、(2)支持体および(3)支持体被覆層から構成される金属支持フレキシブル基板において、(2)支持体が金属箔にて構成されており、(2)支持体の(1)接着剤層側および/またはその反対側に(3)支持体被覆層が構成されており、かつ、(1)接着剤層および/または(3)支持体被覆層が着色処理されている事を特徴とする金属支持フレキシブル基板。
【請求項2】
(1)接着剤層および/または(3)支持体被覆層への着色処理が、基板上に形成された回路配線に比べ暗色系である事を特徴とする請求項1に記載の金属支持フレキシブル基板。
【請求項3】
(3)支持体被覆層の厚みが2μm以上100μm以下である事を特徴とする請求項1または2に記載の金属支持フレキシブル基板。
【請求項4】
(2)支持体が、銅箔、ステンレス箔、アルミニウム箔およびニッケル箔から選ばれる1以上である事を特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の金属支持フレキシブル基板。
【請求項5】
請求項1〜4いずれか記載の金属支持フレキシブル基板を用いた、テープオートメーテッドボンディング用金属支持キャリアテープ。
【請求項6】
請求項1〜4いずれか記載の金属支持フレキシブル基板を用いた、LED実装用金属支持フレキシブル回路基板。
【請求項7】
請求項1〜4いずれか記載の金属支持フレキシブル基板を用いた回路形成用銅箔積層済み金属支持フレキシブル回路基板であって、回路形成用の金属層によって形成された回路が、フライングリード構造を有している事を特徴とする、回路形成用銅箔積層済み金属支持フレキシブル回路基板。

【公開番号】特開2013−38360(P2013−38360A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175665(P2011−175665)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】