説明

降車信号制御装置

【課題】 本発明は、無線化した通信装置の設置作業や、メンテナンス作業が繁雑とならないようにするために、IDを使用し登録作業やメンテナンス作業を容易にすることが可能な降車信号制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 本実施形態の降車信号制御装置1は、押し釦通信装置20と降車信号通信装置10との間を無線で通信を行う送受信モジュール12・22を備え、降車信号制御装置1は、押し釦通信装置20の電池の状態を、降車信号通信装置10に送信し、告知部30に電池24の状態を告知することができるので、電池24が全て消耗する前に迅速に電池24の交換が可能である。また、その他に通信異常についてもどの押し釦通信装置20が異常であるのかを告知部30に表示することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両であるバス等で降車する際に乗客が合図として使用する通信装置と、その通信装置から受信した信号によりバス内の各機器を制御する通信制御装置との間での通信を行う降車信号制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からバス等で降車する際に乗客が合図として使用する押し釦スイッチとその通信装置がある。その通信装置間の接続は、配線を敷設した有線が使用されてきたが、これら装置では、バス1台に対して押し釦スイッチ(押し釦通信装置)を約30台設置する必要があり、配線を敷設する不便さがあった。そのため、昨今では、これら配線をなくし無線化するような技術が多く見られるようになった。
【0003】
例えば、特許文献1では、配線を支柱の中に通すことなく赤外線を使用した送受信装置を使用して無線化された通信装置が開示されている。
また、特許文献2では電池の交換に関する保守のコストがかかるという問題から、電池の交換を不要とする手段を提供するために、太陽電池を内蔵し無線化された通信装置が開示されている。
【0004】
更に、本出願人は、特許文献3に無線化した通信装置の設置作業が繁雑とならないよう
に配慮された発明を開示した。本発明は、降車信号通信装置に、予め個々の通信装置の識別番号データ(ID)を入力する必要なく、通信装置が操作され、車番データが合致したとき、既に登録されているか否かを確認し、IDが入力されていなければ、新しくIDを降車信号通信装置が自動で更新する技術である。
【0005】
【特許文献1】特開平11−105613号公報(段落〔0011〕から段落〔0015〕)
【特許文献2】特開2004−350019号公報(段落〔0035〕から段落〔0041〕)
【特許文献3】特開2008−90669号公報(段落〔0030〕)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
最近の無線化装置においては、汎用品として無線モジュールが販売され、無線モジュールを購入して機器に内蔵する場合が多くなってきた。このとき、無線信号が車両であるバス間で混戦しないようにそのバス毎に押し釦スイッチのIDを制御器に登録する必要がある。その結果、製造時に付与されたIDを制御器に登録することで混線を防いでいる。
しかしながら、IDをメンテナンスや設置作業時に使用する場合には、製造時や出荷時において、必ずしも連番とはならず又連番となったとしても希望した記号や数字となることは考えられず、どうしても押し釦通信装置の管理が煩雑にならざるを得なかった。
また、有線の場合には電池切れ若しくは蓄電池に関する異常や無線での通信異常といった異常は発生することはなかったが、無線化に伴い、これらの異常が発生する事が充分に考えられ、その結果として押し釦が使用できなくなるという事態に対して、早急に対応することが必要となってくる。
そのため、装置の設置作業の容易化と共に、メンテナンス作業が容易かつ迅速に行えるような装置が望まれているのである。
【0007】
そこで、本発明は、無線化した通信装置の設置作業の容易化と共に、メンテナンス作業が繁雑とならないようにするために、任意に定めた識別符号を使用して通信装置を管理し、メンテナンス作業を容易にすることが可能な降車信号制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の降車信号制御装置(例えば、降車信号制御装置1に相当する)は、車両から乗客が降車する際に、その乗客が降車することを知らせる複数の押し釦通信装置(例えば、押し釦通信装置20に相当する)と、その押し釦通信装置(例えば、押し釦通信装置20に相当する)から得た信号を受信して、乗客が降車する合図を車内に報知する降車報知部(例えば、スピーカー18、外部スピーカー7若しくは車内表示器34のうち少なくともいずれか一つに相当する)を動作させる降車信号通信装置(例えば、降車信号通信装置10に相当する)と、前記押し釦通信装置(例えば、押し釦通信装置20に相当する)と前記降車信号通信装置(例えば、降車信号通信装置10に相当する)との間を無線で通信を行う通信モジュール(例えば、送受信モジュール12・22に相当する)と、を備えた降車信号制御装置(例えば、降車信号制御装置1に相当する)であって、前記押し釦通信装置(例えば、押し釦通信装置20に相当する)は、前記降車信号通信装置(例えば、降車信号通信装置10に相当する)の前記通信モジュール(例えば、送受信モジュール12に相当する)が受信を許可するのに付与されたIDと、内蔵される電池(例えば、電池24又は蓄電池26に相当する)の状態を監視し、その電池の容量の状態を表す電池情報(例えば、電池フラグ)と、前記降車信号通信装置(例えば、降車信号通信装置10に相当する)への送信を行うとき前記IDと共に前記電池情報(例えば、電池フラグ)とを送信する前記通信モジュール(例えば、送受信モジュール22に相当する)と、を備え、前記降車信号通信装置(例えば、降車信号通信装置10に相当する)は、受信した前記電池情報を告知部(例えば、告知部30(例えば、車内表示器34、運賃箱の表示画面(液晶表示器32)、運転席表示灯33、外部スピーカー7、7セグLED表示部31若しくはスピーカー18のうち少なくともいずれか一つ)に相当する)に告知する制御部(例えば、CPUに相当する。)を備えたこと特徴とする。
以上の構成によって、告知部に電池の状態を告知することができるので、押し釦通信装置の電池を全て消耗する前に迅速に電池の交換が可能であると共に押し釦通信装置の電池が蓄電池である場合には蓄電池等の異常を迅速に察知することができる。
【0009】
請求項2に記載の降車信号制御装置(例えば、降車信号制御装置1に相当する)は、前記押し釦通信装置(例えば、押し釦通信装置20に相当する)は、その押し釦通信装置(例えば、押し釦通信装置20に相当する)の表面に各々を識別可能に設け、任意に定めた識別符号(例えば、個体番号に相当する、数字だけでなくアルファベットや記号等であっても良い。)を表した識別表示部(例えば、個体番号表示部25に相当する)を備え、前記降車信号通信装置(例えば、降車信号通信装置10に相当する)は、前記押し釦通信装置(例えば、押し釦通信装置20に相当する)の前記IDを記憶すると共に、そのIDに対応して前記識別符号(例えば、個体番号に相当する、数字だけでなくアルファベットや記号等であっても良い。)を記憶するメモリ(例えば、メモリ16に相当する)と、前記識別符号(例えば、個体番号に相当する、数字だけでなくアルファベットや記号等であっても良い。)と共にその識別符号(例えば、個体番号に相当する、数字だけでなくアルファベットや記号等であっても良い。)に対応した前記電池情報(例えば、電池フラグ)を前記告知部(例えば、告知部30(例えば、車内表示器34、運賃箱の表示画面(液晶表示器32)、運転席表示灯33、外部スピーカー7、7セグLED表示部31若しくはスピーカー18のうち少なくともいずれか一つ)に相当する)に告知する前記制御部(例えば、CPUに相当する。)と、を備えたことを特徴とする。
以上の構成によって、各々の押し釦通信装置に任意に定めた識別可能な識別符号を設け、降車信号通信装置は、この識別符号とIDとを対応付けて記憶し、どの押し釦通信装置の電池を全て消耗しそうかを表示することができるので、迅速に電池の交換が可能であると共に、押し釦通信装置の電池が蓄電池である場合には蓄電池等の異常を迅速に察知することができる。
【0010】
請求項3に記載の降車信号制御装置(例えば、降車信号制御装置1に相当する)は、車両から乗客が降車する際に、その乗客が降車することを知らせる複数の押し釦通信装置(例えば、押し釦通信装置20に相当する)と、その押し釦通信装置(例えば、押し釦通信装置20に相当する)から得た信号を受信して、乗客が降車する合図を車内に報知する降車報知部(例えば、スピーカー18、外部スピーカー7若しくは車内表示器34のうち少なくともいずれか一つに相当する)を動作させる降車信号通信装置(例えば、降車信号通信装置10に相当する)と、前記押し釦通信装置(例えば、押し釦通信装置20に相当する)と前記降車信号通信装置(例えば、降車信号通信装置10に相当する)との間を無線で通信を行う通信モジュール(例えば、送受信モジュール12・22に相当する)と、を備えた降車信号制御装置(例えば、降車信号制御装置1に相当する)であって、前記押し釦通信装置(例えば、押し釦通信装置20に相当する)は、前記降車信号通信装置(例えば、降車信号通信装置10に相当する)の前記通信モジュール(例えば、送受信モジュール12に相当する)が受信を許可するのに付与されたIDと、前記降車信号通信装置(例えば、降車信号通信装置10に相当する)への送信を行うとき前記IDを送信する前記通信モジュール(例えば、送受信モジュール22に相当する)と、その押し釦通信装置(例えば、押し釦通信装置20に相当する)の表面に各々を識別可能に設け、任意に定めた識別符号(例えば、個体番号に相当する、数字だけでなくアルファベットや記号等であっても良い。)を表した識別表示部(例えば、個体番号表示部25に相当する)と、を備え、前記降車信号通信装置(例えば、降車信号通信装置10に相当する)は、前記押し釦通信装置(例えば、押し釦通信装置20に相当する)の前記IDを記憶すると共に、そのIDに対応して前記識別符号(例えば、個体番号に相当する、数字だけでなく英字や記号等であっても良い。)を記憶するメモリ(例えば、メモリ16に相当する)と、前記識別符号(例えば、個体番号に相当する、数字だけでなくアルファベットや記号等であっても良い。)に対応する前記押し釦通信装置(例えば、押し釦通信装置20に相当する)の異常を告知部(例えば、告知部30(例えば、車内表示器34、運賃箱の表示画面(液晶表示器32)、運転席表示灯33、外部スピーカー7、7セグLED表示部31若しくはスピーカー18のうち少なくともいずれか一つ)に相当する)に告知する制御部(例えば、CPUに相当する。)と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
以上の構成によって、各々の押し釦通信装置に任意に定めた識別可能な識別符号を設け、降車信号通信装置は、この識別符号とIDとを対応付けて記憶して告知部に告知することができる。ので、どの押し釦通信装置が異常となったかを知ることができるので、押し釦通信装置は迅速に交換が可能となる。
【0012】
請求項4に記載の降車信号制御装置(例えば、降車信号制御装置1に相当する)は、前記押し釦通信装置(例えば、押し釦通信装置20に相当する)から送られた電池の充電容量の状態を段階で表す(例えば、図8(A)に示す表示に相当し、数字だけでなく、携帯電話に表示される目盛り表示やバー表示であってもよい。)前記告知部(例えば、車内表示器34、運賃箱の表示画面(液晶表示器32)、運転席表示灯33、外部スピーカー7、7セグLED表示部31若しくはスピーカー18のうち少なくともいずれか一つ)に相当する)を備えたことを特徴とする。
以上の構成によって、個々の押し釦通信装置の電池の状態を確認することができ、いつ頃交換するのか等のメンテナンス情報を把握することができる。また押し釦通信装置の電池が蓄電池である場合には蓄電池等の異常を迅速に察知することができる。
【0013】
請求項5に記載の降車信号制御装置(例えば、降車信号制御装置1に相当する)は、 前記識別符号(例えば、個体番号に相当する、数字だけでなく英字や記号等であっても良い。)を使用して前記押し釦通信装置(例えば、押し釦通信装置20に相当する)の車両に対する位置を表示する(例えば、図8(Cに示すエリア表示35)に相当する)ことが可能な前記告知部(例えば、車内表示器34、運賃箱の表示画面(液晶表示器32)、運転席表示灯33、外部スピーカー7、7セグLED表示部31若しくはスピーカー18のうち少なくともいずれか一つ)に相当する)を備えたことを特徴とする。
以上の構成によって、識別符号を使用して押し釦通信装置の車両に対する位置を表示することが可能な告知部を有するので、どの押し釦通信装置が電池を全て消耗しているか等や異常を一目で確認することができ、電池の交換に迅速に対応することが可能となる共に、押し釦通信装置の電池が蓄電池である場合には蓄電池等の異常を迅速に察知することができる。
【0014】
請求項6に記載の降車信号制御装置(例えば、降車信号制御装置1に相当する)は、 前記IDと前記識別符号(例えば、個体番号に相当する)を前記メモリ(例えば、メモリ16に相当する)に登録する際、前記降車信号通信装置(例えば、降車信号通信装置10に相当する)は、前記識別符号(例えば、個体番号に相当する)を自動で連続した番号として付与し前記メモリ(例えば、メモリ16に相当する)に記憶することを特徴とする。
以上の構成によって、複雑な操作をしなくとも登録作業を簡単に行うことができる。
【0015】
請求項7に記載の降車信号制御装置(例えば、降車信号制御装置1に相当する)は、前記IDと前記識別符号(例えば、個体番号に相当する、数字だけでなくアルファベットや記号等であっても良い。)を前記メモリ(例えば、メモリ16に相当する)に登録する際、前記IDと前記識別符号(例えば、個体番号に相当する、数字だけでなくアルファベットや記号等であっても良い。)が前記メモリ(例えば、メモリ16に相当する)に記憶されたことを外部に知らせる前記告知部(例えば、車内表示器34、運賃箱の表示画面(液晶表示器32)、運転席表示灯33、外部スピーカー7、7セグLED表示部31若しくはスピーカー18のうち少なくともいずれか一つ)に相当する)を備えことを特徴とする。
以上の構成により、IDと識別符号が登録されるときに告知部に、外部へ告知する音(例えば「ピンポン」)又は/及び画面表示(IDと個体番号が表示される)が出力されるので、降車信号通信装置に確実に登録されたかを認識することができる。従って、容易に設置作業ができるのである。
【発明の効果】
【0016】
本実施の形態の降車信号制御装置は、識別符号を使用して押し釦通信装置を管理し、降車信号通信装置が押し釦通信装置の電池状態を告知する制御を行うことで、設置作業やメンテナンス作業を容易にすることが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明の最良の形態を示す一つの実施形態となる降車信号制御装置1を図1乃至図3及び図7に基づいて説明する。
図1は、本実施の形態における降車信号制御装置1をバス2に搭載したときの構成の概要の一例を示す図である。図2は、本実施の形態における降車信号制御装置1の全体構成の概要の一例を示す図である。図3は、本実施の形態における降車信号通信装置10と押し釦通信装置20の構成の一例を示す図である。図7は、本実施の形態における降車信号通信装置10に記憶されるデータの一例を示す図である。
【0018】
図1及び図2に示すように、降車信号制御装置1は、バス2に搭載されており、主として降車信号通信装置10(親機)と、押し釦通信装置(子機)20と、告知部30から構成されている。また、降車信号通信装置10は、電源供給部3から電力を供給されており、乗客が運賃を精算する運賃箱4と運転席にある運転席操作パネル5と、車内表示器34とに接続されている。運転席操作パネル5は、音声合成装置6と接続され、停留所名や「次止まります」という音声を、降車報知部としての外部スピーカー7を介して車内に報知している。
【0019】
告知部30は、降車信号通信装置10の外部に設けられるものとして降車報知部も兼ねた車内表示器34、運賃箱4の表示画面(液晶表示器32)、運転席表示灯33、降車報知部も兼ねた外部スピーカー7がある。また、降車信号通信装置10の内部に設けられるものとして、7セグLED表示部31やスピーカー18がある。
【0020】
運賃箱4は、乗客に運賃の精算の状態を示すモニタとして液晶表示器32を設け、告知部30の一つである液晶表示器32は、メンテナンス時や立ち上げ時には、運賃箱4の作動状態を示すことができると共に、降車信号通信装置10の作動状態やメンテナンス情報を表示することができる。
運転席操作パネル5は、行き先のアナウンスする音声等を操作するスイッチや乗客が車椅子で乗る際に使用され、椅子を跳ね上げる操作スイッチ等の稼動状況をパイロットランプとして示す運転席表示灯33が設けられている。告知部30の一つであるその運転席表示灯33は、降車信号通信装置10の作動状態やメンテナンス情報を表示することができる。
【0021】
告知部30の一つであり、また降車報知部も兼ねている車内表示器34は、乗客が後部座席からでも運賃の表示を確認できるように車内の前方上部に設置されており、例えば、2画面内に一方に運賃の表示と、他方に後述する押し釦通信装置20の押し釦スイッチ23が操作されたとき、その降車信号通信装置10から制御信号を受け取り「次止まります」等の報知表示とを行っている。また、メンテナンス時や起動時には、車内表示器34は、降車信号通信装置10の作動状態やメンテナンス情報を表示することもできる。
後述する押し釦通信装置20は、座ったまま乗客が操作できるようにバス2の椅子の背もたれの後部や、立ったまま乗客が操作できるように、図示しない車内の支柱に取り付けられている。
【0022】
図2及び図3に示すように、降車信号通信装置10は、全体の制御を司るCPU11を内蔵し、そのCPU11は、I/O13と、通信を制御するための送受信モジュール12と、ROMや書換可能なEEPROMやRAMを搭載したメモリ16と、告知部30の一つであり、また降車報知部も兼ねているスピーカ18に接続されたアンプ17と、に接続されている。I/O13は、告知部30の一つとしての7セグLED表示部31と、設定スイッチ14と、降車信号通信装置10の外部の告知部30(車内表示器34、運賃箱の表示画面(液晶表示器32)、運転席表示灯33)とに接続されている。
【0023】
設定スイッチ14は、降車信号通信装置10の制御の状態を切り替えることができる。その制御は、押し釦通信装置20のIDを登録するときのモードである登録モードと、バス2が実際に運行するときの運行中のモードである運行中モードと、メンテナンス時に使用する点検モードとがある。そして、降車信号通信装置10は、各種モードに切り替えて制御するのである。
【0024】
メモリ16は、制御用データだけでなく、図7に示すように降車信号データ80が記憶される。降車信号データ80の一例として、IDは、IDデータ領域81に記憶され、製造時に個々の押し釦通信装置20に付与される。IDは、内蔵された送受信モジュール12のメモリにも記憶されており、許可されたIDと合致した場合に通信を行うデータである。
個体番号は、個体番号データ領域82に記憶され、押し釦通信装置20の個体番号表示部25の表示と一致させたものである。エリアIDは、エリアIDデータ領域83に記憶され、バス2の座席に設置される押し釦通信装置20の位置を領域に分け、その領域に対して割り当てられた番号のデータである。
電池フラグは、電池フラグデータ領域84に記憶され、押し釦通信装置20の電池24の充電容量の状態を5段階に分けて与えられたデータである。
通信異常フラグは、通信異常フラグデータ領域85に記憶され、押し釦通信装置20が応答しない場合には通信異常フラグを「1」として記憶されるデータである。
異常フラグは、異常フラグデータ領域86に記憶され、押し釦通信装置20の通信や電池の異常等の異常が発生した場合には異常フラグを「1」として記憶されるデータである。
車椅子フラグは、車椅子フラグデータ領域86に記憶され、車椅子が使用される席に設置される押し釦通信装置20の場合には車椅子フラグを「1」として記憶されるデータである。
【0025】
降車信号通信装置10の送受信モジュール12と押し釦通信装置20の送受信モジュール22は、変調方式として、直接拡散方式を使用し、また周波数帯として、2.4GHz帯の電波を使用し、パケット通信でデータの送受信を行うことができる。また、降車信号通信装置10の送受信モジュール12と押し釦通信装置20の送受信モジュール22には、アンテナ19・29が接続されている。
【0026】
押し釦通信装置20を図2又は図3に示し説明する。
押し釦通信装置20は、全体の制御を司るCPU21を内蔵し、CPU21は、押し釦スイッチ23と、その押し釦通信装置20を作動させる電池24と、通信制御をするための送受信モジュール22と、に接続されている。
押し釦スイッチ23の表面には、「次止まります」の表示が記載されている。乗客は、その押し釦スイッチ23を押すことができる。また、押し釦通信装置20の表面には、個々の押し釦通信装置20を外部から確認するために、印刷された個体番号が付された個体番号表示部25が設けられている。
図示しない設定スイッチは、押し釦通信装置20の送受信状態を切り替えることが出来る。例えば、絶えず送受信を行う常時通信モード、降車信号通信装置10からの送信や押し釦スイッチ23の操作が行われたときだけ接続する待機モード、電源を切る電源OFFモードに切り替えられる。通常は、待機モードで設定されており、送信制御が行われる数秒間だけ起動するようになっている。
押し釦通信装置20は、電池24の状態を監視しており電池24の容量を5段階で表し、電池の満了状態となる100%の場合には「5」を表し、容量の30%以下では「1」を表している。また、「4」〜「2」までは、100%から30%の電池24の容量を均等に分割したレベルを示している。そして、この電池フラグをデータとして送受信モジュールの図示しないメモリ又はCPU21に接続された図示しないメモリに記憶する。
【0027】
(本実施形態における降車信号通信装置10へのIDの登録の操作)
本実施形態における降車信号通信装置10に押し釦通信装置20のIDを登録するときの操作について、図4に基づいて説明する。図4は、本実施の形態における降車信号通信装置10の登録モードにおけるIDを登録するときの動作を示すフローチャートである。
図4に示すように、設定スイッチ14を切替え登録モードに移行すると、降車信号通信装置10は、イニシャル処理を開始し、n=1で定義される(S1)。そして、押し釦通信装置20の押し釦スイッチ23が押されるとIDを送信し、降車信号通信装置10が、IDを受信する。そして、今までに、同じIDや個体番号が登録されているかを確認し(S3)、同じIDや個体番号が登録されていれば(S3のYes)、nを繰り上げてゆく、同じIDや個体番号が登録されていなければ(S3のNo)、降車信号通信装置10は、IDと個体番号を組にして降車信号データ80のIDデータ領域81及び個体番号データ領域82に記憶する(S5)。記憶した個体番号は、押し釦通信装置20の個体番号表示部25の個体番号と対応している。
【0028】
また、IDが登録されるときには、登録が確実に行われたかを外部に告知するため、降車信号通信装置10は、降車信号通信装置10のスピーカー18や外部スピーカー7から「ピンポン」等の音を出したり、7セグLED表示部31、液晶表示器32若しくは車内表示器34に登録された個体番号やIDを表示する(S7)。そして、降車信号通信装置10は、押し釦通信装置20が設置される位置をバス2の座席に対応したエリアに分け、そのエリアの記号や番号を入力し(S9)、エリアIDデータ領域83に記憶する(S11)。また、押し釦通信装置20が設置される位置が、車椅子の乗客の席に設置される場合には、車椅子フラグを入力し(S9)、車椅子フラグデータ領域87に記憶する(S11)。
【0029】
次に、登録モードを終了するときは、設定スイッチ14を切替え終了する(S13のYes)。また、登録モードを終了しないときには(S13のNo)、個体番号の数字が繰り上がり(S15)、次に登録したい押し釦通信装置20が押されると、自動で順番にIDと個体番号が関連づけられて登録される(S3〜S13)。
また、押し釦通信装置20を交換する場合には、個体番号やIDのいずれかが削除されているときには、降車信号通信装置10は、IDと個体番号が組で登録しているかを検索するので(S3)、取り外した押し釦通信装置20の個体番号を自動でIDと組として、交換する前の個体番号を付与し登録することができる。
この登録モードでは、降車信号制御装置1がバス2に設置した状態であってもIDと個体番号の登録が可能であり、バス2に設置しない状態であっても降車信号制御装置1に電力が供給される状態であれば、IDと個体番号の登録の作業が可能である。
【0030】
(本実施形態におけるメンテナンス時の降車信号制御装置1の動作)
本実施形態におけるメンテナンス時の降車信号制御装置1の動作について図5に基づいて説明する。図5は、本実施の形態における降車信号通信装置10の点検モードの動作を示すフローチャートである。
図5に示すように、設定スイッチ14を切替えた場合や機器が起動した場合に点検モードに移行する。点検モードに移行すると、降車信号通信装置10は、イニシャル処理を開始し、n=1で定義する(S21)。そして、降車信号通信装置10は、押し釦通信装置20を通信により呼び出し(S23)、押し釦通信装置20から応答があるかどうか判断する(S25)。また、降車信号通信装置10は、押し釦通信装置20から応答ない場合には(S25のNo)、通信異常であると認識し、通信異常フラグLを1として、通信異常フラグデータ領域85に記憶し(S35)、異常フラグKを1として、異常フラグデータ領域86に記憶する(S37)。
【0031】
降車信号通信装置10は、押し釦通信装置20から応答があった場合には(S25のYes)、押し釦通信装置20から送られてくる電池の状態を示すフラグのデータを取得し(S27)、電池フラグデータ領域84に記憶する(S31)。電池フラグGが1すなわち、電池の容量が30%以下となったときに(S31のYes)、異常フラグKを1として、異常フラグデータ領域86に記憶する(S37)。
電池フラグGが1ではない場合には(S31のNo)、点検モードが終了かどうかを判断する(S33)。
【0032】
降車信号通信装置10は、点検モードを終了するときは、設定スイッチ14を切替え終了する(S33のYes)。点検モードを終了しない場合には(S33のNo)、個体番号を繰り上げ(S39)、次の個体番号を呼び出して点検を行う(S23〜S33)。
また、降車信号通信装置10は、異常フラグK=1となった場合には(S37)、異常内容を告知部30で告知する(S39)。例えば、図8に示すように、液晶表示器32に、異常となった押し釦通信装置20の個体番号「15」と、異常の種別として電池の異常となる「電池異常」と、その異常の内容を、ここでは電池のレベル「1」として表示することができる。また、液晶表示器23でなく、車内表示器34、7セグLED表示器31に表示しても良く。同時に外部スピーカー7やスピーカー18から音や音声で知らせても良い。
【0033】
また、降車信号通信装置10は、図8(C)に示すように、バス2のどこのエリアに設置されている押し釦通信装置20が異常であるのかを、個体番号やIDと対応するエリアIDデータ領域83から対応するエリアIDの番号を読み出してエリア表示35を設けて告知部30に表示しても良い。この場合には、交換するエリアIDの番号が黒く反転され、同時に交換又は点検する個体番号が表示される。その結果、どの押し釦通信装置20が異常であるのか明確に確認することができる。
点検モードでは、IDや個体番号毎に呼び出して液晶表示器32、車内表示器34や7セグLED表示器31に電池の状態を段階的に表示したものを図7に示すようなデータを一覧として表示しても良い。
【0034】
(本実施形態における運行中の降車信号制御装置1の動作)
本実施形態における運行中の降車信号制御装置1の動作について図6に基づいて説明する。図6は、本実施の形態における降車信号通信装置10の点検モードの動作を示すフローチャートである。図6(A)は、本実施の形態における降車信号通信装置10の運行中の動作を示すフローチャートである。図6(B)は、本実施の形態における降車信号通信装置10の運行中における異常監視処理モードの動作を示すフローチャートである。
【0035】
運行中においては、降車信号通信装置10は、異常監視処理(S50)を行っている(S41)。そして、設定スイッチ14の切替が行われることにより終了する(S43のYes)。それ以外は常に(S43のNo)、異常監視処理(S50)を行っている(S41)。
異常監視処理(S50)は、所定時間(例えば1時間)経過する毎に(S51のYes)、上述した点検モードを行っている(S53)。ここで、運行モード中では、降車信号通信装置10の7セグLED表示部31に上述した異常時の告知表示を行うことは可能であるが、車内表示器34及び液晶表示器23には表示することがなく、運行中の表示として、例えば、運賃表示や行き先表示がなされる。また、降車信号通信装置10は、電池異常や通信異常をスピーカー18から音や音声で知らせても良い。
【0036】
降車信号通信装置10は、押し釦通信装置20の押し釦スイッチ23が押された場合には、送信されてきたIDが登録されているかどうかを判別し、登録されている場合には、個体番号を呼び出し、また、車椅子フラグを確認して、一般用の席か、車椅子用の席かを判別する。車椅子の席の場合には、図8(B)に示すように、降車信号通信装置10は、どの席の押し釦通信装置20であるかを個体番号で液晶表示器32に表示し、運転手に知らせる。また、降車信号通信装置10は、車内表示器34や外部スピーカー7に「次止まります」等の報知をする。そのとき、スピーカー18からは「ピンポン」という音が発せられる。
【0037】
押し釦通信装置20は、電池24の消耗を少なくするため、絶えず双方向通信を行うことなく、点検モードに移行したときや押し釦スイッチ23が押された場合に数秒間(例えば1秒間)だけ通信が行われる。そして、押し釦通信装置20は、IDだけでなく電池の状態を示す電池フラグをデータとして送信し、電源をOFFにして待機する。
また、何度も押し釦スイッチ23が押された場合には、電池24の消耗を防ぐため、通信した後は、一定時間(30秒)は再度通信することができないようにしても良い。
【0038】
(本実施形態から把握される効果)
以上における本実施形態から把握される効果を以下に詳述する。
(1)本実施形態の降車信号制御装置1は、押し釦通信装置20の電池の状態を、降車信号通信装置10に送信し、告知部30に電池24・26の状態を告知することができるので、押し釦通信装置20の電池24を全て消耗する前に迅速に電池24の交換が可能であると共に押し釦通信装置20の電池が蓄電池26である場合には蓄電池26等の異常を迅速に察知することができる。
【0039】
(2)本実施形態の降車信号制御装置1は、各々の押し釦通信装置20に任意に定めた識別可能な個体番号表示部を設け、降車信号通信装置10は、この個体番号とIDとを対応付けて記憶し、どの押し釦通信装置20の電池24を全て消耗しそうかを表示することができるので、迅速に電池24の交換が可能であると共に、押し釦通信装置20の電池が蓄電池26である場合には蓄電池26等の異常を迅速に察知することができる。通信異常等についても同様にどの押し釦通信装置20が異常となったかを知ることができるので、押し釦通信装置20は迅速に交換が可能となる。
【0040】
(3)本実施形態の降車信号制御装置1は、起動時に押し釦通信装置20の電池の状態を確認することができるので、運行前に押し釦通信装置20の電池24を全て消耗していることを確認することができ、迅速に電池24の交換をすることが可能となる共に押し釦通信装置20の電池が蓄電池26である場合には蓄電池26等の異常を迅速に察知することができる。
【0041】
(4)本実施形態の降車信号制御装置1は、押し釦通信装置20から送られた電池24・26の充電容量の状態を段階で表示する告知部30を備えたので、個々の押し釦通信装置20の電池24・26の状態を確認することができ、いつ頃交換するのか等のメンテナンス情報を把握することができる。また、押し釦通信装置20の電池が蓄電池26である場合には蓄電池26等の異常を迅速に察知することもできる。
【0042】
(5)本実施形態の降車信号制御装置1は、個体番号を使用して押し釦通信装置20の車両に対する位置を表示することが可能な告知部30を有するので、どの押し釦通信装置20の電池24を全て消耗しているか等や異常を一目で確認することができ、電池24の交換に迅速に対応することが可能となる共に、押し釦通信装置20の電池が蓄電池26である場合には蓄電池26等の異常を迅速に察知することができる。
【0043】
(6)本実施形態の降車信号制御装置1は、個体番号毎に呼び出して液晶表示器32、車内表示器34や7セグLED表示器31に電池24・26の状態を段階的に表示したものを一覧として表示することで、一度に複数の電池の状態を把握することができ、電池24の交換に迅速に対応することが可能となる共に押し釦通信装置20の電池が蓄電池26である場合には蓄電池26等の異常を迅速に察知することができる。
【0044】
(7)本実施形態の降車信号制御装置1は、降車信号通信装置10が、車椅子フラグを確認して、一般用の席か、車椅子用の席かを判別し、車椅子の席の場合には、図8(B)に示すように、降車信号通信装置10は、どの席の押し釦通信装置20であるかを個体番号で液晶表示器32に表示し、運転手に知らせることができるので、運転手が降車を補助するために迅速に対応することができる。
【0045】
(8)本実施形態の降車信号制御装置1は、IDと個体番号をメモリ16に登録する際、降車信号通信装置10は、個体番号を自動で連続した番号として付与し記憶するので、複雑な操作をしなくとも登録作業を簡単に行うことができる。
詳細には、押し釦通信装置20の押し釦スイッチ23を押すことにより、押し釦通信装置20がIDを送信し、受信が待機されている降車信号通信装置10は、許可されたIDを受信した場合には、今まで登録されていないかを判別し、登録されていなければ新たな個体番号を付与してIDと共にメモリ16に記憶するのである。そのため、押し釦スイッチ23を押すだけで自動で登録されるのである。
【0046】
(9)本実施形態の降車信号制御装置1は、IDと個体番号が登録されるときに告知部30に、外部へ告知する音(例えば「ピンポン」)や画面表示(IDと個体番号が表示される)が出力されるので、降車信号通信装置10に確実に登録されたかを認識することができる。従って、容易に設置作業ができるのである。
【0047】
(10)本実施形態の降車信号制御装置1は、降車信号通信装置10に記憶されたIDと押し釦通信装置20から送信されてきたIDとを照合して、IDが合致するときにだけ、降車信号通信装置10は降車する合図を降車報知部に報知することができるので、バス間
での無線の混信を防止することができる。
【0048】
(11)本実施形態の降車信号制御装置1は、連続した数字を使用した個体番号を個体番号表示部に付した押し釦通信装置20の車両に対する位置を、降車信号通信装置10は、告知部30に告知することができるので、誰でも簡単に押し釦通信装置20を交換することができる。
【0049】
(12)本実施形態の降車信号制御装置1は、押し釦通信装置20を交換する場合に、個体番号やIDのいずれかを削除したときには、降車信号通信装置10は、IDと個体番号を組で登録しているかを探すので(S3)、取り外した押し釦通信装置20の個体番号を再びIDと個体番号を組として、交換した押し釦通信装置20に付与し登録することができるので、交換する前の個体番号を再び使用して押し釦通信装置20を簡単に交換することができる。
【0050】
(13)本実施形態の降車信号制御装置1において、識別符号としての個体番号は任意に定めることができるので、管理しやすい番号を使用して、降車信号通信装置10でメンテナンスの管理が迅速におこなうことができる。例えば、誰もが知っている数字やアルファベットを使用することで、誰でも簡単に押し釦通信装置20の場所を特定することができる。より良くは、告知部30の表示画面(7セグLED表示器31、液晶表示器32、運転席表示灯33、車内表示器34等の画面上に表示することで、押し釦通信装置20の場所を更に特定し易くすることができる。
【0051】
(他の実施形態への変更例)
以上説明した実施形態を他の実施形態へ変更した例を以下に示す。
・本実施形態の降車信号制御装置1は、バス2に使用したが、ワンマン鉄道、鉄道等の乗客が利用する交通機関にも利用ができる。
【0052】
・本実施形態の降車信号制御装置1は、図9に示すように、押し釦通信装置20の電池24に代えて蓄電池26を使用しても良く、ソーラー発電部27により蓄電池26を充電しても良い。蓄電池26は、容量の大きな積層型コンデンサ(電気二重層コンデンサ、スーパーキャパシタ)で構成しても良い。また、ソーラー発電がされない夜間では、電圧が低下するので、安定化電源回路28によって電圧を昇圧してCPU21に供給し、CPU21は安定して動作することができる。
・本実施形態の降車信号制御装置1は、押し釦通信装置20の電池の代わりに圧電素子を使用し、圧電体に加えられた力を電圧に変換して発生した電気を利用してデータを送信しても良い。
・本実施形態の降車信号制御装置1は、車椅子の席の場合に、椅子が跳ね上げられている
ときのみ、運転席近傍の表示(液晶表示器32や運転席表示灯33)に車椅子の席で、押し釦スイッチ23が使用されたこと示すようにしても良く、運転手は一般用と車椅子用の判別ができるので、迷わず対応することができる。
【0053】
・本実施形態の降車信号制御装置1は、押し釦通信装置20は送受信モジュール12で説明したが、送信機能のみであっても良い。その場合にも、押し釦通信装置20からはIDと電池フラグが送信される。
・本実施形態の降車信号制御装置1は、降車報知部と告知部が兼用で使用されるものであってもよい。
・本実施形態の降車信号制御装置1は、電池の容量を数字で表したが、携帯電話に表示されるようなバー表示や目盛り表示であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本実施の形態における降車信号制御装置をバスに搭載したときの構成の概要の一例を示す図である。
【図2】本実施の形態における降車信号制御装置の全体構成の概要の一例を示す図である。
【図3】本実施の形態における降車信号通信装置と押し釦通信装置の構成の一例を示す図である。
【図4】本実施の形態における降車信号通信装置の登録モードにおけるIDを登録するときの動作を示すフローチャートである。
【図5】本実施の形態における降車信号通信装置の点検モードの動作を示すフローチャートである。
【図6】(A)本実施の形態における降車信号通信装置の運行モードにおける動作を示すフローチャートである。(B)本実施の形態における降車信号通信装置の運行中における異常監視処理モードの動作を示すフローチャートである。
【図7】本実施の形態における降車信号通信装置に記憶されるデータの一例を示す図である。
【図8】(A)本実施の形態における告知部に表示される異常表示の一例を示す図である。(B)本実施の形態における告知部に表示される車椅子の乗客が押し釦通信装置を操作したときの表示の一例を示す図である。(C)本実施の形態における告知部に表示される電池の交換を促す表示の一例を示す図である。
【図9】他の実施形態における押し釦通信装置の構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
1・・・降車信号制御装置、2・・・バス、3・・・電源供給部、4・・・運賃箱、
5・・・運転席操作パネル、6・・・音声合成装置、7・・・外部スピーカ、
10・・・降車信号通信装置(親器)、
11・21・・・CPU、12・22・・・送受信モジュール、13・・・I/O、
14・・・設定スイッチ、16・・・メモリ、17・・・アンプ、18・・・スピーカ、
19・29・・・アンテナ、
20・・・押し釦通信装置(子機)、23・・・押し釦スイッチ、24・・・電池、
25・・・個体番号表示部、26・・・蓄電池、27・・・ソーラー発電部、
28・・・安定化電源回路、
30・・・告知部、31・・・7セグLED表示器、32・・・液晶表示器、
33・・・運転席表示灯、34・・・車内表示器、35・・・エリア表示、
80・・・降車信号データ、81・・・IDデータ領域、
82・・・個体番号データ領域、83・・・エリアIDデータ領域、
84・・・電池フラグデータ領域、85・・・通信異常フラグデータ領域、
86・・・異常フラグデータ領域、87・・・車椅子フラグデータ領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両から乗客が降車する際に、その乗客が降車することを知らせる複数の押し釦通信装置と、その押し釦通信装置から得た信号を受信して、乗客が降車する合図を車内に報知する降車報知部を動作させる降車信号通信装置と、前記押し釦通信装置と前記降車信号通信装置との間を無線で通信を行う通信モジュールと、を備えた降車信号制御装置であって、
前記押し釦通信装置は、前記降車信号通信装置の前記通信モジュールが受信を許可するのに付与されたIDと、内蔵される電池の状態を監視し、その電池の容量の状態を表す電池情報と、前記降車信号通信装置への送信を行うとき前記IDと共に前記電池情報とを送信する前記通信モジュールと、を備え、
前記降車信号通信装置は、受信した前記電池情報を告知部に告知する制御部を備えたこと特徴とする降車信号制御装置。
【請求項2】
前記押し釦通信装置は、その押し釦通信装置の表面に各々を識別可能に設け任意に定めた識別符号を表した識別表示部を備え、
前記降車信号通信装置は、前記押し釦通信装置の前記IDを記憶すると共に、そのIDに対応して前記識別符号を記憶するメモリと、前記識別符号と共にその識別符号に対応した前記電池情報を前記告知部に告知する前記制御部と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の降車信号制御装置。
【請求項3】
車両から乗客が降車する際に、その乗客が降車することを知らせる複数の押し釦通信装置と、その押し釦通信装置から得た信号を受信して、乗客が降車する合図を車内に報知する降車報知部を動作させる降車信号通信装置と、前記押し釦通信装置と前記降車信号通信装置との間を無線で通信を行う通信モジュールと、を備えた降車信号制御装置であって、
前記押し釦通信装置は、前記降車信号通信装置の前記通信モジュールが受信を許可するのに付与されたIDと、前記降車信号通信装置への送信を行うとき前記IDを送信する前記通信モジュールと、その押し釦通信装置の表面に各々を識別可能に設け、任意に定めた識別符号を表した識別表示部と、を備え、
前記降車信号通信装置は、前記押し釦通信装置の前記IDを記憶すると共に、そのIDに対応して前記識別符号を記憶するメモリと、前記識別符号に対応する前記押し釦通信装置の異常を告知部に告知する制御部と、を備えたことを特徴とする降車信号制御装置。
【請求項4】
前記降車信号制御装置は、前記押し釦通信装置から送られた電池の充電容量の状態を段階で表す前記告知部を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の降車信号制御装置。
【請求項5】
前記降車信号制御装置は、前記識別符号を使用して前記押し釦通信装置の車両に対する位置を表示することが可能な前記告知部を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の降車信号制御装置。
【請求項6】
前記IDと前記識別符号を前記メモリに記憶する際、前記降車信号通信装置は、前記識別符号を自動で連続した番号として付与し前記メモリに記憶することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の降車信号制御装置。
【請求項7】
前記降車信号制御装置は、前記IDと前記識別符号を前記メモリに記憶する際、前記IDと前記識別符号が前記メモリに記憶されたことを外部に知らせる前記告知部を備えことを特徴とする請求項求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の降車信号制御装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2010−117740(P2010−117740A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−288290(P2008−288290)
【出願日】平成20年11月11日(2008.11.11)
【出願人】(000144544)レシップ株式会社 (179)
【Fターム(参考)】