説明

陽電子放出アイソトープ標識のためのトリアリール−スルホニウム化合物、キット及び方法

本発明は、18F試薬などの適切な標識試薬を介して、18F、11C、13N及び15Oなどの陽電子放出アイソトープにより標識するのに適した新規化合物、並びにそのような化合物を調製する方法、そのような化合物を含有する組成物、そのような化合物若しくは組成物を備えるキット、並びに陽電子放射断層撮影法(PET)による画像診断のためのそのような化合物、組成物若しくはキットの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、18F試薬などの適切な標識試薬を介して、18F、11C、13N及び15Oなどの陽電子放出アイソトープにより標識するのに適した新規化合物、並びにそのような化合物を調製する方法、そのような化合物を含有する組成物、そのような化合物若しくは組成物を備えるキット、並びに陽電子放射断層撮影法(PET)による画像診断のためのそのような化合物、組成物若しくはキットの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
分子イメージングは、腫瘍学、神経学及び心臓学の分野において、ほとんどの従来の方法よりも早く、疾患進行又は治療効果を検出する可能性がある。光イメージング及びMRIとして開発されたいくつかの有望な分子イメージング技術のうち、PETは、その高い感度並びに定量的及び速度論的データを提供する能力のために、薬剤開発に関して特に興味深い。
【0003】
陽電子放出アイソトープは、炭素、窒素、及び酸素を含む。これらのアイソトープは、PETイメージングに関して元の分子と同じように生物学的及び化学的に機能するトレーサーを生成するために、標的化合物中のそれらの非放射性の対応物と置き換えることができる。他方で、18Fは、その比較的長い半減期(109.6分)のために最も使いやすい標識アイソトープであり、これは診断用トレーサーの調製及びその後の生化学的プロセスの研究を可能にする。加えてその低いβ+エネルギー(635keV)も利点である。
【0004】
脂肪族及び芳香族18F−フッ素化反応は、例えば固形腫瘍又は脳疾患などの疾患を標的化しかつ可視化するインビボイメージング剤として使用される、18F−標識放射性医薬品に関して、非常に重要である(Coenenの文献、「フッ素-18標識方法:基本的反応の特徴及び可能性(Fluorine-18 Labeling Methods: Features and Possibilities of Basic Reactions)」(2006)、Schubiger PA、Friebe M.、Lehmann L.編集、PET-Chemistry-The Driving Force in Molecular Imaging、Springer社、ベルリン、ハイデルベルク、15-50頁)。18F−標識放射性医薬品の使用における非常に重要な技術的目標は、18Fアイソトープはわずかに約110分という短い半減期を有するという事実に起因した、この放射性化合物の迅速な調製と投与である。
【0005】
[F−18]標識化合物の合成に関して、[F−18]−フッ化物アニオンを、脱離基を含む分子と反応させることが必要である。
典型的な脂肪族脱離基は、トシレート、メシレート、トリフレート及び臭化物である(総説:Coenenの文献、「フッ素-18標識方法:基本的反応の特徴及び可能性」(2006)、Schubiger PA、Friebe M.、Lehmann L.編集、PET-Chemistry-The Driving Force in Molecular Imaging、Springer社、ベルリン、ハイデルベルク、15-50頁)。
[F−18]放射性フッ素化に適した芳香族脱離基は、例えばニトロ、アリールヨードニウム塩(J.Label Comp Radiopharm、37: 120-122 (1997);J.Label Comp Radiopharm、40: 50-52 (1997);J.Label Comp Radiopharm、47: 429-441 (2004))、及びトリメチルアンモニウム塩(Int. J. Appl. Radiat. Isot.、33: 445-448 (1982);J. Label Comp. Radiopharm、27: 823-833 (1989))。
【0006】
18F−標識ペプチドを得るために様々な前駆体又は出発物質を用いる種々の放射性フッ素化方法が、公開されている。ペプチドの比較的小さいサイズのために、より高い標的バックグラウンド比及び迅速な血中クリアランスの両方が、放射標識ペプチドにより達成されることが多い。従って、短命の陽電子放射断層撮影法(PET)アイソトープは、ペプチド標識に関して可能性のある候補である。多くの陽電子放射性核種の中で、フッ素−18は、その好ましい物理的特性及び核特性のために、生体活性ペプチドを標識するための最適な候補であると思われる。18Fでペプチドを標識する際の大きな欠点は、18F標識剤の煩雑で時間のかかる調製である。ペプチドの複雑な性質及びその一次構造に関連するいくつかの官能基のため、18F−標識ペプチドは、直接フッ素化によっては調製されない。従って18F−標識ペプチドの調製に関連した難点は、下記の補欠分子族の使用により軽減された。N−スクシンイミジル−4−[18F]フルオロベンゾエート、m−マレイミド−N−(p−[18F]フルオロベンジル)−ベンズアミド、N−(p−[18F]フルオロフェニル)マレイミド、及び4−[18F]フルオロフェナシルブロミドを含む、いくつかのそのような補欠分子族が、文献において提唱されている。18Fによるペプチド及びタンパク質の標識に今日使用されているほとんど全ての方法は、フッ素標識されたシントンの活性エステルを利用する。
【0007】
【化1】

【0008】
Okarviらの論文(「フッ素-18標識ペプチドの放射性医薬品の最近の進歩(Recent progress in fluorine-18 labeled peptide radiopharmaceuticals)」、Eur. J. Nucl. Med.、2001年7月;28(7):929-38))は、PETにおいて使用される18F−標識された生物学的活性ペプチドの最近の開発の総説を示している。
【0009】
Xianchong Zhangらの論文(「GRP受容体発現している前立腺癌の標的化のための18F-標識ボンベシン類似体(18F-labeled bombesin analogs for targeting GRP receptor-expressing prostate cancer)」、J. Nucl. Med.、47(3):492-501(2006))は、先に詳述された2工程法に関連している。[Lys3]ボンベシン([Lys3]BBN)及びアミノカプロン酸−ボンベシン(7−14)(Aca−BBN(7−14))は、わずかに塩基性の条件(pH8.5)下で、N−スクシンイミジル−4−18F−フルオロベンゾエート(18F−SFB)との、それぞれ、Lys3アミノ基及びAcaアミノ基とのカップリングにより、18Fで標識された。残念ながら、こうして得られた18F−FB−[Lys3]BBNは、代謝が比較的不安定であり、結果的に腫瘍の信頼できるイメージングのための18F−FB−[Lys3]BBNの使用範囲を狭めている。
【0010】
Thorsten Poethkoらの論文は、RGDとオクトレオチド類似体の標識に関する2工程法に関連している(「ペプチドの高収率ルーチン的放射性ハロゲン化のための2工程法:18F-標識RGD及びオクトレオチド類似体(Two-step metholdology for high-yield routine radiohalogenation of peptides: 18F-labeled RGD and octreotide analogs)」、J. Nucl. Med., 2004年5月;45(5):892-902)。この方法は、18F−標識されたアルデヒド又はケトンの放射性合成、及び18F−標識されたアルデヒド又はケトンのアミノオキシ官能基化されたペプチドへの化学選択的ライゲーションの工程を開示している。
【0011】
Thorsten Poethkoらの論文は、この2工程法を、臨床においてルーチン的ソマトスタチン受容体(sst)イメージングに適した最適化された薬物動態を持つ、18F標識された糖質化されたTyr(3)−オクトレオチド酸(TOCA)類似体の合成に適用している(「陽電子放射断層撮影を用いるソマトスタチン受容体発現腫瘍のルーチン的臨床イメージングに適した最初の18F-標識トレーサー(First 18F-labeled tracer suitable for routine clinical imaging of somatostatin receptor-expressing tumors using positoron emission tomography)」、2004年6月1日;10(11): 3593-606)。
【0012】
WO2003/080544 A1及びWO2004/080492 A1は、上記の2工程法を用いる診断イメージングのための生体活性ペプチドの放射性フッ素化の方法に関する。
【0013】
あらゆる癌治療の成功の最も重要な側面は、早期発見である。同様に、それは適切に腫瘍と転移を診断することが重要である。
PETを用いた受容体発現の組織の定量的インビボ受容体イメージング及び受容体の状態の定量のための18F−標識ペプチドのルーチン活用は、ルーチン的18F−標識ペプチド大量合成のための適切な放射性フッ素化方法を欠いているために制限されている。ペプチドによる受容体の親和性を失うことなく迅速に実施でき、かつ陽性イメージング(バックグラウンドが低下した)につながる、放射性フッ素化方法の明らかな必要性が存在し、ここでこの放射性トレーサーは、安定しており、かつ強化されたクリアランス特性を示す。
【0014】
モノ−(主にパラ)置換トリメチルベンゼン誘導体(1)の、放射性医薬品自体として、又は小型若しくは大型分子のF−18標識のための補欠分子族として働くことができる置換[18F]−フルオロベンゼン誘導体(2)への変換が、文献に報告されている(Irieら、1982、Fluorine Chem.、27,117-191(1985);Hakaら、1989)(スキーム1参照)。
【0015】
【化2】

【0016】
トリメチルアンモニウムベースの脱離基の欠点は、可能性のある副生成物([18F]フッ化メチルのような)形成である(総説:Coenenの文献、「フッ素-18標識方法:基本的反応の特徴及び可能性」(2006)、Schubiger PA、Friebe M.、Lehmann L.編集、PET-Chemistry-The Driving Force in Molecular Imaging、Springer社、ベルリン、ハイデルベルク、27頁)。
【0017】
3つのアリール又はヘテロアリール部分に基づいたスルホニウム誘導体が、文献に記載されている。例えば、それはパラ置換スルホニウム誘導体1a(J. Mater. Chem.、17; 7; 2007;632-641)、又は1b(J. Org. Chem.、37; 1972; 367)について報告されている。
【0018】
【化3】

【0019】
またそれらのスルホニウム誘導体は、S原子に連結されている3つの芳香族置換基も含むが、これら3つの置換基の2つは架橋されており、例えば化合物2を参照のこと(J. Org Chem.;70, 14, 5741-5744 (2005)):(スキーム2を参照)。
【0020】
【化4】

【0021】
いくつかのトリアリールスルホニウム誘導体が市販されている。例えば、パラ−ハロトリフェニルスルホニウム塩は、光カチオン重合開始剤として使用される(スキーム3を参照)。
【0022】
【化5】

【0023】
化合物3(Apollo社)のような、より複雑なスルホニウム塩も、商業的に提供されている。
【0024】
【化6】

【0025】
Ichikawaらはおそらく副生成物としてのフルオロメタンの生成のために(Chem. Rev., 108、1943-1981 (2008))、「中程度の収率」のみでフッ素化された(F−19)種を生じる、メチルアリルスルホニウム誘導体のF−19フッ素化を報告している(Chem. Lett.(1987)、1985)。
【0026】
かなりの量で導入されたフッ素原子を含む副生成物を形成することなく、良好な収率で芳香族部分を含む小さく複雑な分子の放射性及び非放射性フッ素化を可能にする利用可能な方法を有することは望ましい。
【発明の概要】
【0027】
この課題は、下記の発明により解決されている。
【0028】
【化7】

【0029】
まとめ
・本発明は、式I及びIIIの新規化合物を提供する。
・本発明は、式Iの化合物を、適切なF−フッ素化剤と反応させることにより、式Iの化合物から式IIの化合物を調製する方法を更に提供する。
・本発明はまた、式IIIの化合物を適切なF−フッ素化剤と反応させることによって特徴付けられる、式IVの化合物を調製する方法を提供する。
・本発明はまた、式IIIの化合物を一般式Vの化合物と反応させることによる、式Iの化合物を調製する方法を提供する。
・本発明はまた、放射性医薬調製品を調製するためのキットを提供し、該キットは、所定量の
式Iを有する化合物、
式IIIの化合物、
式III及びVの化合物を含有する、密封バイアルを含む。
・本発明はまた、薬学的に許容される担体又は希釈剤、及び
式Iの化合物、
式IIIの化合物を含有する組成物を提供する。
・本発明の別の態様は
式Iの化合物、
式IIIの化合物を使用し、医薬を製造することに関する。
【発明を実施するための形態】
【0030】
詳細な説明
本発明の目的は、式Iの化合物、及びそれらの薬学的に許容される塩、エステル、アミド、錯体又はプロドラッグによって解決される。
【0031】
【化8】

【0032】
(式中、A、A’及びQは、各出現において独立しており、かつアリール、置換アリール、ヘテロアリール、及び置換ヘテロアリールを含む群から個別に選択され、ここでA及びA’、A及びQ、又はA’及びQのいずれかは任意に、Rを介して相互に連結されており、
ここで、置換されている場合、該アリール又は該ヘテロアリール上に1つ又は複数の置換基(複数)が存在し、かつこの1つ又は複数の置換基は、該アリール又はヘテロアリールのいずれかの位置に存在し、
ここで、Sは硫黄であり、
ここで、Xは、無機酸の対応する塩基及び有機酸の対応する塩基を含む群から選択され、
ここで、L−M−Y−Zは、結合及びリンカーを含む群から選択され、該結合は、単結合、二重結合又は三重結合から選択され、該結合はEをQに接続し、該リンカーはEをQに接続し、
ここで、Eは、標的化物質であり、並びに
は、結合、酸素原子、硫黄原子、(N−アルキル)窒素、特に(N−(C−C)アルキル)窒素、(C−C)アルキレン、及び(C−C)アルキレンを含む群から選択され、並びに
鏡像異性体及びジアステレオマー、更にはラセミ混合物を含むが、これらに限定されるものではない、該化合物の全ての異性体型を含む。)。
【0033】
一実施態様において、本発明は、標的化物質が、生物若しくは組織などの生体系において、又は細胞培養物などのインビトロ系において、特異的部位へ直接結合されている、式Iの化合物に関する。
【0034】
一実施態様において、本発明は、A及びA’が出現ごとに独立しており、かつ:
a)フェニル、
b)ナフチル、
c)(C−C)アルキルフェニル、
d)ハロフェニル
e)(トリフルオロメチル)フェニル、
f)メトキシフェニル、
g)ヒドロキシルフェニル、
h)シアノフェニル、
i)ニトロフェニル、
j)((C−C)アルキルスルホニル)フェニル、
k)チエニル、
l)ベンゾ[b]チエニル、
m)ナフト[2,3−b]チエニル、
n)チアントレニル、
o)フリル、
p)ピラニル、
q)イソベンゾフラニル、
r)ベンゾオキサゾリル、
s)クロメニル、
t)キサンテニル、
u)フェノキシチイニル(phenoxythiinyl)、
v)2H−ピロリル、
w)ピロリル、
x)イミダゾリル、
y)ピラゾリル、
z)ピリジル、
aa)ピラジニル、
bb)ピリミジニル、
cc)ピリダジニル、
dd)インドリジニル、
ee)イソインドリル、
ff)3H−インドリル、
gg)インドリル、
hh)インダゾリル、
ii)プリニル、
jj)4H−キノリジニル、
kk)イソキノリル、
ll)キノリル、
mm)フタラジニル、
nn)ナフチリジニル、
oo)キナゾリニル、
pp)シンノリニル、
qq)プテリジニル、
rr)4aH−カルバゾリル、
ss)カルバゾリル、
tt)カルボリニル、
uu)フェナントリジニル、
vv)アクリジニル、
ww)ペリミジニル、
xx)フェナントロリニル、
yy)フェナジニル、
zz)イソチアゾリル、
aaa)フェノチアジニル、
bbb)イソオキサゾリル、
ccc)フラザニル、及び
ddd)フェノキサジニル:を含む群から個別に選択され、
ここで、A及びA’、A及びQ、又はA’及びQのいずれも、Rを介して相互に連結されている、式Iの化合物に関する。
【0035】
好ましくは、A及びA’は、各出現において独立しており、かつ:
a)フェニル、
b)ナフチル、
c)(C−C)アルキルフェニル、
d)ハロフェニル、
e)(トリフルオロメチル)フェニル、
f)メトキシフェニル、
g)シアノフェニル、
h)ニトロフェニル、
i)((C−C)アルキルスルホニル)フェニル、
j)チエニル、
k)ベンゾ[b]チエニル、
l)ナフト[2,3−b]チエニル、
m)チアントレニル、
n)フリル、
o)ピラニル、
p)イソベンゾフラニル、
q)ベンゾオキサゾリル、
r)クロメニル、
s)キサンテニル、
t)ピロリル、
u)イミダゾリル、
v)ピラゾリル、
w)ピリジル、
x)ピラジニル、
y)ピリミジニル、
z)ピリダジニル、
aa)インドリル、
bb)インダゾリル、
cc)イソキノリル、
dd)キノリル、及び
ee)イソチアゾリル:を含む群から個別に選択され、
ここで、A及びA’、A及びQ、又はA’及びQのいずれも、Rを介して相互に連結されている。
【0036】
より好ましくは、A及びA’は、各出現において独立しており、かつ:
a)フェニル、
b)ナフチル、
c)(C−C)アルキルフェニル、
d)フルオロフェニル
e)メトキシフェニル、
f)チエニル、
g)フリル、
h)ピラニル、
i)イソベンゾフラニル、及び
j)ピリジル:を含む群から個別に選択される。
【0037】
更により好ましくは、A及びA’は、各出現において独立しており、かつ:
a)フェニル、
b)メチルフェニル、
c)メトキシフェニル、
d)チエニル、及び
e)ピリジル:を含む群から個別に選択される。
【0038】
更により好ましくは、A及びA’は、各出現において独立しており、かつ:
a)フェニル、及び
b)ピリジル:を含む群から個別に選択される。
【0039】
一実施態様において、本発明は、Qが:
a)フェニル、
b)(C−C)アルキルフェニル、
c)ハロフェニル、
d)(トリフルオロメチル)フェニル、
e)メトキシフェニル、
f)ヒドロキシルフェニル、
g)シアノフェニル、
h)ニトロフェニル、
i)((C−C)アルキルスルホニル)フェニル、
j)ピリジル、及び
k)ナフチル:を含む群から選択される、式Iの化合物に関する。
【0040】
好ましくは、Qは:
a)フェニル、
b)(C−C)アルキルフェニル、
c)フルオロフェニル、
d)(トリフルオロメチル)フェニル、
e)シアノフェニル、
f)ニトロフェニル、及び
g)((C−C)アルキルスルホニル)フェニル:を含む群から選択される。
【0041】
より好ましくは、Qは:
a)フェニル、
b)(トリフルオロメチル)フェニル、
c)シアノフェニル、
d)ニトロフェニル、及び
e)(メチルスルホニル)フェニル:を含む群から選択される。
【0042】
好ましくは、Qはピリジルである。
好ましくは、Qが置換アリール又は置換ヘテロアリールである場合、これは、ハメット定数として正のσ値を持つ1つ又は複数の置換基を有する。
【0043】
一実施態様において、本発明は、Rが:
a)結合、
b)酸素原子、
c)硫黄原子、
d)(N−(C−C)アルキル)窒素、
e)(C−C)アルキレン、及び
f)(C−C)アルケニレン:を含む群から選択される、式Iの化合物に関する。
【0044】
好ましくは、Rは:
a)結合、
b)酸素原子、及び
c)(C−C)アルキレン:を含む群から選択される。
【0045】
より好ましくは、Rは:
a)結合、
b)酸素原子、及び
c)メチレン:を含む群から選択される。
【0046】
一実施態様において、本発明は、Xが:
a)CHCH−O
b)CH−O
c)CFS(=O)
d)HC−COO
e)CS(=O)
f)ヨウ化物アニオン、
g)臭化物アニオン、
h)塩化物アニオン、
i)過塩素酸アニオン(ClO)、
j)リン酸塩アニオン、及び
k)CF−COO:を含む群から選択される、式Iの化合物に関する。
【0047】
好ましくは、Xは:
a)CFS(=O)
b)HC−COO
c)CS(=O)
d)過塩素酸アニオン(ClO)、及び
e)CF−COO:を含む群から選択される。
【0048】
より好ましくは、Xは:
a)CFS(=O)
b)HC−COO、及び
c)CF−COO:を含む群から選択される。
【0049】
一実施態様において、Xは:
a)CHCH−O、及び
b)CH−O:を含む群から選択される。
【0050】
別の実施態様において、Xは:
a)CFS(=O)
b)HC−COO
c)CS(=O)
d)ヨウ化物アニオン、
e)臭化物アニオン、
f)塩素アニオン、
g)過塩素酸アニオン(ClO)、
h)リン酸塩アニオン、及び
i)CF−COO:を含む群から選択される。
【0051】
一実施態様において、本発明は、Eが:
a)ペプチド、
b)オリゴヌクレオチド、及び
c)小分子:を含む群から選択される標的化剤である、式Iの化合物に関する。
【0052】
好ましくは、Eは:
a)ペプチド、
b)小分子:を含む群から選択される標的化剤である。
【0053】
一実施態様において、本発明は、L−M−Y−Zがリンカーであり、Lが:
a)−C(=O)H、
b)−S(=O)H、
c)−S(=O)H、
d)−N(H)−C(=O)H、及び
e)−C≡CC(=O)−:を含む群から選択され、
ここでLが、Sに対しオルト、メタ、パラ又はいずれか他の位置にあり;並びに
ここでMが:
a)単結合、二重結合又は三重結合から選択される結合、
b)−(CH−、
c)−(CH−D−(CH−、
d)−N(R)−(CH−、及び
e)−N(R)−(CH−(CH−O−CH−(CH−:を含む群から選択され;
ここでDが、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール及び−N(R)−を含む群から選択され;該Rは、(C−C)アルキル、(C−C)アルキルアリール、アリール、置換アリール、フェニル、置換フェニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール及びアラルキルを含む群から選択され;
ここでD上の各置換基が、オルト、メタ又はパラ−位置にあり、dが0〜6の整数であり;pが1〜2の整数であり、かつkが1〜6の整数であり;並びに
ここでY−Zが:
a)C(=O)−O、
b)C(=O)−N(R)、
c)O−C(=O)、
d)N(R)−C(=O)、
e)S(O)−N(R)、
f)N(R)−S(=O)
g)O−、
h)(S)−(pは1〜2の整数である)、
i)N(R)−、
j)N(R)−C(=O)N(R
k)N(R)C(=O)−N(R)、
l)N(R)−C(=S)N(R)、
m)N(R)C(=S)−N(R)、
n)OC(=O)−O、
o)O−C(=O)O、
p)O−C(=S)O、
q)OC(=S)−O、
r)M及びY−Zは両方共同時に結合ではないという条件で、単結合、二重結合又は三重結合から選択される結合、及び
【0054】
【化9】

【0055】
を含む群から選択され、
ここで、矢印は、ZとYの間の結合を示し、並びに、
ここでZは、標的化物質Eの反応された官能基であり、及びここで
【0056】
【化10】

【0057】
は、各々、Mと該反応された官能基を除いたEの残余を意味し、並びに
ここで、M及びY−Zに関して定義されているRは、それぞれの出現時に独立して水素及び(C−C)アルキルを含む群からξ選択される、式Iの化合物に関する。
【0058】
好ましくは、Lは、
a)−C(=O)H、
b)−S(=O)H、及び
c)−N(H)−C(=O)Hを含む群から選択される。
【0059】
より好ましくは、Lは、
a)−C(=O)H、及び
b)−S(=O)Hを含む群から選択される。
【0060】
好ましくは、Mは、
a)単結合、二重結合又は三重結合から選択される結合、
b)−(CH−D−(CH−、
c)−N(R)−(CH−、及び
d)−N(R)−(CH−(CH−O−CH−(CH−:を含む群から選択され、
ここで、d、p、k、D、R及びRは、先に定義されている。
【0061】
一実施態様において、本発明は、Rが、
a)水素、及び
b)(C−C)アルキルを含む群から選択される、式Iの化合物に関する。
【0062】
好ましくは、Rは、
a)水素、及び
b)メチルを含む群から選択される。
【0063】
一実施態様において、本発明は、Rが、
a)フェニル、
b)(C−C)アルキルフェニル、
c)ハロフェニル、
d)(トリフルオロメチル)フェニル、
e)メトキシフェニル、
f)ヒドロキシルフェニル、
g)シアノフェニル、
h)ニトロフェニル、
i)((C−C)アルキルスルホニル)フェニル、
j)ピリジル、及び
k)チエニルを含む群から選択される、式Iの化合物に関する。
【0064】
一実施態様において、本発明は、Dが、
a)フェニル、
b)(C−C)アルキルフェニル、
c)ハロフェニル、
d)(トリフルオロメチル)フェニル、
e)メトキシフェニル、
f)ヒドロキシルフェニル、
g)シアノフェニル、
h)ニトロフェニル、
i)((C−C)アルキルスルホニル)フェニル、
j)ピリジル、
k)チエニル、及び
l)−N(R)−を含む群から選択される、式Iの化合物に関する。
【0065】
好ましくは、Dは、
a)フェニル、
b)−N(R)−を含む群から選択される。
【0066】
一実施態様において、本発明は、Y−Zが、
a)C(=O)−O、
b)C(=O)−N(R)、
c)O−C(=O)、
d)N(R)−C(=O)、
e)S(O)−N(R)、
f)N(R)−、
g)N(R)−C(=O)N(R)、
h)N(R)C(=O)−N(R)、
i)N(R)−C(=S)N(R)、
j)N(R)C(=S)−N(R)、及び
【0067】
【化11】

【0068】
を含む群から選択され、ここで、矢印は、ZとYの間の結合を示し、及びここでZは、標的化物質Eの反応された官能基であり、並びにここで
【0069】
【化12】

【0070】
及びRは、先に定義されている、式Iの化合物に関する。
【0071】
好ましくは、Y−Zは、
a)C(=O)−O、
b)C(=O)−N(R)、
c)OC(=O)、
d)N(R)−C(=O)、
e)S(O)−N(R)、
f)N(R)−S(=O)
g)N(R)−、
h)N(R)−C(=O)N(R)、
i)N(R)C(=O)−N(R)、
j)N(R)Q(=S)N(R)、
k)N(R)C(=S)−N(R)、及び
【0072】
【化13】

【0073】
を含む群から選択され、並びにここで、矢印は、ZとYの間の結合を示し、かつここでZは、標的化物質Eの反応された官能基であり、かつここで
【0074】
【化14】

【0075】
及びRは、請求項17〜25のいずれかで定義されている。
【0076】
好ましくは、Y−Zは、
a)C(=O)−O、
b)C(=O)−N(R)、
c)N(R)−C(=O)、
d)N(R)C(=O)−N(R)、
e)N(R)C(=S)−N(R)、及び
【0077】
【化15】

【0078】
を含む群から選択され、ここで、矢印は、ZとYの間の結合を示し、かつここでZは、標的化物質Eの反応された官能基であり、かつここで
【0079】
【化16】

【0080】
及びRは、先に定義されている。
【0081】
式Iの化合物は、以下から選択される。
【0082】
【化17】

【0083】
5−[(2R)−[4−ジフェニルスルホニウムベンゾイル]−アミノ−1−オキソ−スルホプロピルアミノ]−1−オキソペンチル−L−グルタミニル−L−トリプトファニル−L−アラニル−L−バリル−グリシル−L−ヒスチジニル−[(4R)−アミノ(5S)−メチル−ヘプタノイル]−L−ロイシンアミドトリフルオロ酢酸塩、
【0084】
【化18】

【0085】
5−[4−ジフェニルスルホニウムベンゾイル]−アミノ−1−オキソペンチル−L−グルタミニル−L−トリプトファニル−L−アラニル−L−バリル−グリシル−L−ヒスチジニル−[4−R−アミノ−5−S−メチル−L−ヘプタノイル]−L−ロイシンアミドトリフルオロ酢酸塩、
【0086】
【化19】

【0087】
5−[4−ジ−[4−メチルフェニル]−スルホニウムベンゾイル]−アミノ−l−オキソペンチル−L−グルタミニル−L−トリプトファニル−L−アラニル−L−バリル−N−メチルグリシル−L−ヒスチジニル−[4−R−アミノ−5−S−メチル−ヘプタノイル]−3−シクロプロピルアラニンアミドトリフルオロ酢酸塩、
【0088】
【化20】

【0089】
4−ジフェニルスルホニウムベンゾイル−グリシル−L−チロシニル−L−アラニル−ヒスチジンアミドトリフルオロ酢酸塩、
【0090】
【化21】

【0091】
5−[4−ジフェニルスルホニウムベンゾイルアミノ]−1−オキソペンチル−L−グルタミニル−L−トリプトファニル−L−アラニル−L−バリル−N−メチルグリシル−L−ヒスチジニル−[4−R−アミノ−5−S−メチル−ヘプタノイル]−3−シクロプロピルアラニンアミドトリフルオロ酢酸塩、
【0092】
【化22】

【0093】
4−ジフェニルスルホニウムベンゾイル−バリル−3−アミノプロピオニル−L−フェニルアラニル−グリシンアミドトリフルオロ酢酸塩。
【0094】
先に示したこれらのペプチドスルホニウム塩は、フッ素化剤、好ましくは[18F]フッ素化剤と反応させることができる。従ってスルホニウム脱離基は、標識され、[18F]標識された生体分子となる強力な部分である。
【0095】
本発明の目的はまた、式IIの化合物を調製する方法であって
【0096】
【化23】

【0097】
ここで、式(II)におけるL、M、Y、Z及びEは、先に定義されており、Qは先に定義されたQであり、かつQは、−R(A)により任意に置換されており、ここでR及びAは、先に定義されており、かつここでFは、[18F]フルオロ及び[19F]フルオロを含む群から選択され、並びに
ここで先に定義された式Iの化合物を、フッ素化剤と反応させ、該フッ素化剤は、フッ化物アニオンを含む化学物質であり、ここでは該フッ化物アニオンは[18F]フルオロ又は[19F]フルオロアイソトープのものである方法によっても解決される。
【0098】
言い換えると、先に定義された式IIの化合物を得るための方法は、フッ素化剤と式Iの化合物を反応させる工程を含む。
【0099】
本発明の目的はまた、式IIIの化合物、及びそれらの薬学的に許容される塩、エステル、アミド、錯体又はプロドラッグによって解決される、
【0100】
【化24】

【0101】
(式中、A、A’、S、Q、L、X及びMは、先に定義されており、かつここでFGは、
a)ヒドロキシ、
b)ヨード、
c)ブロモ、
d)クロロ
e)N
f)C≡CH、
g)C(O)OR
h)活性エステル部位、
i)C(O)−Hal、
j)NHR
k)N=C=O、
l)N=C=S、
m)O−S(O)−アリール、
n)OS(O)−アルキル、
o)SO−Hal、
p)SH、
q)SH、
r)O−C(=O)−Hal、
s)O−C(=S)−Hal、
【0102】
【化25】

【0103】
【化26】

【0104】
を含む群から選択され、
ここで、Rは先に定義されており、かつここでRは、
a)水素、
b)活性エステル部位
c)(C−C)アルキル、
d)(C−C)アルケニル、及び
e)アリールアルキル:を含む群から選択され、並びに
ここでHalは、F、Cl、Br又はIなどのハロゲンであり、
鏡像異性体及びジアステレオマー、更にはラセミ混合物を含むが、これらに限定されるものではない、該化合物の全ての異性体型を含む。)。
【0105】
一実施態様において、本発明は、式IIIの化合物に関し、ここでFGは:
a)ヒドロキシ、
b)ブロモ、
c)N
d)C≡CH、
e)C(O)OH、
f)NHR
g)N=C=O、
h)N=C=S、
i)S(O)−Cl、
j)SH、
k)OC(=O)−Hal、
l)OC(=S)−Hal、
【0106】
【化27】

【0107】
【化28】

【0108】
を含む群から選択される。
【0109】
好ましくは、FGは:
a)ヒドロキシ
b)N
c)C≡CH、
d)C(O)OH、
e)NHR
f)N=C=S、
g)SH、
【0110】
【化29】

【0111】
を含むグループから選択される。
【0112】
一実施態様において、本発明は、式IIIの化合物に関し、ここでRは:
a)水素、
b)(C−C)アルキル、
c)(C−C)アルケニル、
d)アリールアルキル、及び
【0113】
【化30】

【0114】
を含む群から選択される。
【0115】
好ましくは、Rは:
a)水素、
b)(C−C)アルキル、
c)(C−C)アルケニル、
d)フェニル(C−C)アルキル、及び
【0116】
【化31】

【0117】
を含む群から選択される。
【0118】
より好ましくは、Rは:
a)水素、
b)メチル、
c)ベンジル、及び
【0119】
【化32】

を含む群から選択される。
【0120】
式IIIの化合物は、下記を含む群から選択される。
【0121】
【表1】

【0122】
【表2】

【0123】
本発明の目的はまた、式IVの化合物を調製する方法であって
【0124】
【化33】

【0125】
(式中、Qは、Qであり;
Lは:
a)−C(=O)H、
b)−S(=O)H、
c)−S(=O)H、
d)−N(H)−C(=O)H、及び
e)−C≡C−C(=O)−:を含む群から選択され、
ここでLは、Sに対し、オルト、メタ、パラ又はいずれか他の位置にあり;並びに、
ここでMは:
a)単結合、二重結合又は三重結合から選択される結合、
b)−(CH−、
c)−(CH−D−(CH−、
d)−N(R)−(CH−、及び
e)−N(R)−(CH−(CH−O−CH−(CH−:を含む群から選択され;
FGは:
a)ヒドロキシ、
b)ヨード、
c)ブロモ、
d)クロロ、
e)N
f)C≡CH、
g)C(O)OR
h)活性エステル部位、
i)C(O)−Hal、
j)NHR
k)N=C=O、
l)N=C=S、
m)O−S(O)−アリール、
n)OS(O)−アルキル、
o)SO−Hal、
p)SH、
q)SH、
r)O−C(=O)−Hal、
s)O−C(=S)−Hal、
【0126】
【化34】

【0127】
を含む群から選択され、
ここで、18Fは、[18F]フッ素アイソトープであり、ここで先に定義された式IIIの化合物を、フッ素化剤と反応させ、該フッ素化剤は、フッ化物アニオンを含む化学物質であり、該フッ化物アニオンは、[18F]又は[19F]アイソトープのものである方法によっても解決される。
【0128】
言い換えると、先に定義された式IVの化合物を得るための方法は、フッ素化剤を式IIIの化合物と反応させる工程を含む。
【0129】
本発明の目的はまた、先に定義された式Iの化合物を調製する方法であって、ここで先に定義された式IIIの化合物は、式Vの化合物と反応させられ
【0130】
【化35】

【0131】
ここで、FGは、先に定義されたFGと同じであり、かつここでEは先に定義されたものであり、並びにFG及びFGは、それぞれの出現時に独立して先に定義された群から選択されており、かつ反応時にそれらが先に定義されたようなY−Zを確立するように選択される方法により解決される。
【0132】
言い換えると、先に定義された式Iの化合物を得る方法は、式IIIの化合物を、式Vの化合物と反応させる工程を含む。
【0133】
本発明の目的はまた、先に定義された式Iの化合物、又は先に定義された式IIIの化合物、及び薬学的に許容される担体又は希釈剤を含有する組成物によっても解決される。
【0134】
本発明の目的はまた、先に定義された式Iの化合物又は先に定義された式IIIの化合物の所定量を含む密封バイアルを備えるキットによっても解決される。
【0135】
好ましくは、本発明のキットは、先に定義された式Iの化合物の所定量を含む密封バイアル、並びにフッ素化剤が、フッ化物アニオンを含む化学物質であり、ここで該フッ化物アニオンは[18F]アイソトープのものである、フッ素化剤の所定量を含む密封バイアルを備えている。
【0136】
一実施態様において、本発明のキットは、フッ素化剤が、フッ化物アニオンを含む化学物質であり、ここで該フッ化物アニオンは、[19F]アイソトープのものである、フッ素化剤の化合物の所定量を含む密封バイアルを更に備えている。
【0137】
一実施態様において、本発明のキットは、先に定義されたような式IIIの化合物の所定量を含む密封バイアル、及び先に定義されたような式Vの化合物の所定量を含む密封バイアルを備えている。
【0138】
【化36】

【0139】
一実施態様において、本発明のキットは、フッ素化剤が、フッ化物アニオンを含む化学物質であり、ここで該フッ化物アニオンは、[18F]アイソトープのものである、フッ素化剤の所定量を含む密封バイアルを更に備えている。
【0140】
一実施態様において、本発明のキットは、フッ素化剤が、フッ化物アニオンを含む化学物質であり、ここで該フッ化物アニオンは、[19F]アイソトープのものである、フッ素化剤の所定量を含む密封バイアルを更に備えている。
【0141】
本発明の目的は、中枢神経系疾患、非限定的に、炎症及び自己免疫疾患、アレルギー、感染症及び毒素誘発性疾患及び虚血誘発性疾患、病態生理学的関連を伴う薬物誘発性炎症(pharmacologically triggered inflammation)、神経炎症、神経変性疾患、癌、心血管疾患、及び代謝性疾患を含む疾患の治療のための医薬品の製造のための、先に定義された式I、II、III及びIVの化合物又は先に定義された組成物の使用によっても解決される。
【0142】
本発明の目的はまた、イメージング剤としての式II又はIVの化合物の使用によっても解決される。
好ましくは、本イメージング剤は、PET、SPECT又はマイクロPETイメージングに有用である。より好ましくは、本イメージング剤は、PETイメージングに有用である。
【0143】
好ましくは、本イメージング剤は、中枢神経系疾患、非限定的に、炎症及び自己免疫疾患、アレルギー、感染症及び毒素誘発性疾患及び虚血誘発性疾患、病態生理学的関連を伴う薬物誘発性炎症、神経炎症、神経変性疾患、癌、心血管疾患、及び代謝性疾患を含む疾患のイメージングに適している。
【0144】
本発明はまた、式II又はIVを有する放射標識化合物の検出可能な量を患者に導入する工程を含む、先に定義されたような疾患のイメージングの方法に関する。加えて、放射線が測定されるか、又はシグナルが検出され、診断を確立することができる。言い換えると、シグナルが検出される。
【0145】
本発明の目的はまた、過剰増殖性疾患の進行の病期決定、経過観察、又は本発明の化合物を使用する過剰増殖性疾患に向けられた治療に対する反応を経過観察する方法によって解決される。
【0146】
式Iの化合物は、11C、13N、15O及び18Fなどの任意の好適な陽電子放出アイソトープにより標識され得るが、その比較的長い半減期のために18Fが好ましいことは、当業者には明らかであるはずである。従って、本出願の大部分において、18Fによる標識が説明されているが、これは単なる好ましい実施態様であることは理解されるべきである。式III及び式Iの化合物は、18F以外の陽電子放出アイソトープを含んでよい。そのような場合、これらは追加的に、18Fフッ素化剤による標識を得ることができるか、又は対応するコールド19Fフッ素化剤によるフッ素化を得ることができる。従って、先に示したように式I、II、III、IV及びVは、18F以外の陽電子放出アイソトープの存在を排除するものではない。
【0147】
本発明の目的に関して、「標的化物質」という用語は、次のような意味を有するものとする:標的化物質は、それに結合されている放射性核種を、生体系内の特定部位に標的化するか又は方向づける化合物又は部分である。標的化物質は、哺乳類体内の標的部位に結合するか又は蓄積する任意の化合物又は化学的実体であることができ、すなわち、この化合物は、周囲の組織に比べ標的部位により大きい程度に局在化する。
【0148】
本発明の目的に関して、用語「ペプチド」は、少なくとも2個のアミノ酸のアミノ酸配列を含む分子をいう。
本発明の目的に関して、用語「アミノ酸配列」は、少なくとも2個のアミノ酸の重縮合によって入手可能なポリアミドとして本明細書において定義される。本発明の目的に関して、用語「アミノ酸」は、少なくとも1個のアミノ基及び少なくとも1個のカルボキシル基を含むが、その分子内にペプチド結合を有さない任意の分子を意味する。言い換えれば、アミノ酸は、カルボン酸官能基及び少なくとも1個の遊離水素を好ましくはそれに対しα位に有するアミン窒素を有するが、その分子構造内にアミド結合を有さない分子である。従って、N末端に遊離アミノ基及びC末端に遊離カルボキシル基を有するジペプチドは、上記定義において、単一の「アミノ酸」とは考えられない。
本明細書中で使用されるアミド結合は、下記構造を有する任意の共有結合を意味する。
【0149】
【化37】

【0150】
ここで、カルボニル基は、1個の分子によって提供され、かつNH基は、結合される他の分子によって提供される。このような重縮合から得られる二つの隣接するアミノ酸残基間のアミド結合は、「ペプチド結合」と定義される。任意にポリアミド骨格(上記式ではNHと表示)の窒素原子は、例えば−C−C−アルキル、好ましくは−CHにより、独立してアルキル化されてよい。
【0151】
本明細書の目的に関して、アミノ酸残基は、他のアミノ酸とペプチド結合を形成することにより、対応するアミノ酸から誘導される。
本明細書の目的に関して、アミノ酸配列は、天然の及び/又は人工のアミノ酸残基、タンパク質生成性及び/又は非タンパク質生成性アミノ酸残基を含んでよい。非タンパク質生成性アミノ酸残基は、(a)タンパク質生成性アミノ酸のホモ類似体、(b)タンパク質生成性アミノ酸残基のβ−ホモ類似体、及び(c)更なる非タンパク質生成性アミノ酸残基として、更に分類されてよい。
【0152】
従ってこれらのアミノ酸残基は、例えば下記の対応するアミノ酸から誘導される:
・タンパク質生成性アミノ酸、すなわちAla、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Thr及びVal;又は
・非タンパク質生成性アミノ酸、例えば:
○側鎖がメチレン基によって延長されているタンパク質生成性アミノ酸のホモ類似体、例えば、ホモアラニン(Hal)、ホモアルギニン(Har)、ホモシステイン(Hcy)、ホモグルタミン(Hgl)、ホモヒスチジン(Hhi)、ホモイソロイシン(Hil)、ホモロイシン(Hle)、ホモリシン(HIy)、ホモメチオニン(Hme)、ホモフェニルアラニン(Hph)、ホモプロリン(Hpr)、ホモセリン(Hse)、ホモトレオニン(Hth)、ホモトリプトファン(Htr)、ホモチロシン(Hty)及びホモバリン(Hva)など;
○メチレン基が、α−炭素とカルボキシル基との間に挿入されβ−アミノ酸を生じているタンパク質生成性アミノ酸のβ−ホモ類似体、例えば、β−ホモアラニン(βHal)、β−ホモアルギニン(βHar)、β−ホモアスパラギン(βHas)、β−ホモシステイン(βHcy)、β−ホモグルタミン(βHgl)、β−ホモヒスチジン(βHhi)、β−ホモイソロイシン(βHil)、β−ホモロイシン(βHle)、β−ホモリシン(βHly)、β−ホモメチオニン(βHme)、β−ホモフェニルアラニン(βHph)、β−ホモプロリン(βHpr)、β−ホモセリン(βHse)、β−ホモトレオニン(βHth)、β−ホモトリプトファン(βHtr)、β−ホモチロシン(βHty)及びβ−ホモバリン(βHva)など;
○更なる非タンパク質生成性アミノ酸、例えば、α−アミノアジピン酸(Aad)、β−アミノアジピン酸(βAad)、α−アミノ酪酸(Abu)、α−アミノイソ酪酸(Aib)、β−アラニン(βAla)、4−アミノ酪酸(4−ABu)、5−アミノ吉草酸(5−Ava)、6−アミノヘキサン酸(6−Ahx)、8−アミノオクタン酸(8−Aoc)、9−アミノノナン酸(9−Anc)、10−アミノデカン酸(10−Adc)、12−アミノドデカン酸(12−Ado)、α−アミノスベリン酸(Asu)、アゼチジン−2−カルボン酸(Aze)、β−シクロヘキシルアラニン(Cha)、シトルリン(Cit)、デヒドロアラニン(Dha)、γ−カルボキシグルタミン酸(Gla)、α−シクロヘキシルグリシン(Chg)、プロパルギルグリシン(Pra)、ピログルタミン酸(Glp)、α−tert−ブチルグリシン(Tle)、4−ベンゾイルフェニルアラニン(Bpa)、δ−ヒドロキシリシン(Hyl)、4−ヒドロキシプロリン(Hyp)、アロ−イソロイシン(aIle)、ランチオニン(Lan)、(1−ナフチル)アラニン(1−Nal)、(2−ナフチル)アラニン(2−Nal)、ノルロイシン(Nle)、ノルバリン(Nva)、オルニチン(Orn)、フェニルグリシン(Phg)、ピペコリン酸(Pip)、サルコシン(Sar)、セレノシステイン(Sec)、スタチン(Sta)、β−チエニルアラニン(Thi)、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸(Tic)、アロ−トレオニン(aThr)、チアゾリジン−4−カルボン酸(Thz)、γ−アミノ酪酸(GABA)、イソ−システイン(iso−Cys)、ジアミノプロピオン酸(Dpr)、2,4−ジアミノ酪酸(Dab)、3,4−ジアミノ酪酸(γ,βDab)、ビフェニルアラニン(Bip)、−C−C−アルキル、ハロゲン化物、−NH又は−COHによりパラ位で置換されたフェニルアラニン(Phe(4−R)、式中、R=−C−C−アルキル、ハロゲン化物、−NH、又は−COH);ペプチド核酸(PNA、P.E.Nielsen、Acc.Chem.Res 32, 624-30参照)。
○又は、それらのN−アルキル化類似体、例えばN−メチル化類似体など。
【0153】
環状アミノ酸は、Pro、Aze、Glp、Hyp、Pip、TicとThzなど、タンパク質生成性又は非タンパク質生成性であることができる。
更なる例及び詳細に関して、例えばJ.H. Jonesの論文、J. Peptide Sci.、9,1-8 (2003)を参照とすることができ、これは参照により本明細書に組み入れられる。
【0154】
用語「非タンパク質生成性アミノ酸」及び「非タンパク質生成性アミノ酸残基」は、タンパク質生成性アミノ酸の誘導体も包含している。例えば、タンパク質生成性アミノ酸残基の側鎖は誘導体化され、それによりこのタンパク質生成性アミノ酸残基を「非タンパク質生成性」とすることができる。同じことを、アミノ酸配列を終端するタンパク質生成性アミノ酸残基のC−末端及び/又はN−末端の誘導体化にも適応する。
【0155】
本明細書の目的に関して、タンパク質生成性アミノ酸残基は、L−又はD−立体配置のいずれかで、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr、及びValからなる群から選択されるタンパク質生成性アミノ酸から誘導され;Thr及びIleの第二キラル中心は、R−又はS−立体配置のいずれかを有することができる。従って例えば、天然に起こり得るN−アルキル化などのアミノ酸配列の任意の翻訳後修飾は、対応する修飾アミノ酸残基を「非タンパク質生成性」とするが、天然では該アミノ酸残基は、タンパク質に組み込まれている。
【0156】
本発明の目的に関して、用語「小分子」は、次の意味を有するものとする:小分子は、分子量200〜800を有し、かつ式III及びVの化合物がY−Zとして結合されている官能基を含む、化合物である。そのような標的化部分は、当該分野で公知であり、それらを調製する方法が公知である。
【0157】
好ましくは、標的化物質Eは、ペプチド(若しくはペプチド模倣物)又はオリゴヌクレオチド又は小分子であり、特に生体系内の特定部位にこの複合体を標的化する特異性を有するものである。生体系のある部位を標的化するのに効果的な比較的小さい有機分子は、標的化物質として使用することもできる。
【0158】
生体系のある部位を標的化するのに効果的な小分子は、標的化物質Eとして使用することができる。比較的小さい有機分子は、「小さい化学的実体」であってもよい。本出願において使用されるように、用語「小さい化学的実体」は、以下の意味を有するものとする:小さい化学的実体は、分子量200〜800又は150〜700、より好ましくは200〜700、より好ましくは250〜700、更により好ましくは300〜700、更により好ましくは350〜700、最も好ましくは400〜700を有する化合物である。本明細書中で使用される小さい化学的実体は、更に少なくとも1つの芳香環又はヘテロ芳香環を含んでいてもよく、かつ一般的化学式I及びIIの化合物においてベンゼン環の構造が、−L−Y−を介して結合されている第一級又は第二級アミンを有してもよい。そのような標的化部分は、当該分野において公知であり、それらを調製する方法も公知である。
【0159】
小さい分子標的化物質は、下記参考文献に説明されているものから選択されることが好ましい:P.L. Jager、M.A. Korte、M.N. Lub-de Hooge、A. van Waarde、K.P. Koopmans、P.J. Perik及びE.G.E. de Vries、Cancer Imaging、5, 27-32 (2005);W.D. Heiss及びK. Herholz、J. Nucl. Med.、47(2): 302-312 (2006);T. Higuchi及びM. Schwaiger、Curr. Cardiol. Rep.、8(2), 131-138 (2006)。小分子標的化物質のより具体的例を、以下に列記している。
【0160】
【表3】

【0161】
【表4】

【0162】
別の好ましい実施態様において、標的化物質Eは、ペプチドである。
この標的化物質Eは、アミノ酸4〜100個を含むペプチドであってよく、ここでアミノ酸は、天然及び非天然のアミノ酸から選択されてよく、かつ修飾された天然及び非天然のアミノ酸を含んでもよい。
【0163】
標的化物質Eとしてのペプチドの例は、ソマトスタチン及びその誘導体及び関連ペプチド、ソマトスタチン受容体特異性ペプチド、ニューロペプチドY及びその誘導体及び関連ペプチド、ニューロペプチドY及びその類似体、ボンベシン及びその誘導体及び関連ペプチド、ガストリン、ガストリン放出ペプチド及びその誘導体及び関連ペプチド、上皮成長因子(様々な起源のEGF)、インスリン増殖因子(IGF)及びIGF−1、インテグリン(αβ、αβ、αβ、αIIb)、LHRHアゴニスト及びアンタゴニスト、トランスフォーミング増殖因子、特にTGF−α;アンジオテンシン;コレシストキニン受容体ペプチド、コレシストキニン(CCK)及びその類似体;ニューロテンシン及びその類似体、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン、下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ペプチド(PACAP)及びその関連ペプチド、ケモカイン、細胞表面マトリックスメタロプロテアーゼの基質及び阻害剤、プロラクチン及びその類似体、腫瘍壊死因子、インターロイキン(IL−1、IL−2、IL−4又はIL−6)、インターフェロン、血管作動性腸管ペプチド(VIP)及びその関連ペプチドであるが、これらに限定されるものではない。そのようなペプチドは、アミノ酸4〜100個を含み、ここでアミノ酸は、天然及び非天然のアミノ酸から選択され、かつ修飾された天然及び非天然アミノ酸も含む。標的化物質Eは、インスリンではないことが好ましい。
【0164】
より好ましくは、標的化物質Eは、ボンベシン及びボンベシン類似体、好ましくは本明細書において以下に列記された配列を有するもの、ソマトスタチン及びソマトスタチン類似体、好ましくは本明細書において以下に列記された配列を有するもの、ニューロペプチドY及びその類似体、好ましくは本明細書において以下に列記された配列を有するもの、血管作動性腸管ペプチド(VIP)及びその類似体を含む群から選択されてよい。
【0165】
更により好ましい標的化物質Eは、ボンベシン、ソマトスタチン、ニューロペプチドY及びそれらの類似体を含む群から選択されることができる。
更に様々な小分子標的化物質及びそれらの標的は、W.D. Heiss及びK. Herholzの論文(同上)の表1、並びにT. Higuchi、M. Schwaigerの論文(同上)の図1に示されている。
【0166】
別の好ましい実施態様において、標的化物質(E)は、4〜100個のヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドを含む群から選択されてよい。
他の好ましい実施態様において、標的化物質Eは、オリゴヌクレオチドであるように選択されている。更に好ましい実施態様において、標的化物質Eは、ヌクレオチド4〜100個を含むオリゴヌクレオチドを含む群から選択されてよい。
【0167】
別の好ましい実施態様において、Eは、4〜100個のアミノ酸を含むペプチドであるか、又は4〜100個のヌクレオチド若しくはペプチド模倣物を含むオリゴヌクレオチドであることが選択されている。
【0168】
本発明の目的に関して、用語「オリゴヌクレオチド」は、次の意味を有するものとする:典型的には20個以下の塩基を持つ、ヌクレオチドの短い配列。例としては、Svenn Klussmannの書籍「アプタマーハンドブック、機能性オリゴヌクレオチドとその応用(The aptamers handbook, Functional oligonuclides and their application)」(Wiley-VCH社、2006年)において命名されかつ引用された分子であるが、これらに限定されるものではない。そのようなオリゴヌクレオチドの例は、TTA1である(J. Nucl. Med., 2006年4月、47(4)、668-78)。
【0169】
本発明の目的に関して、用語「アプタマー」は、少なくとも2個の単一ヌクレオチドが、ホスホジエステル結合を介して相互に接続されている、4〜100個のヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドをいう。該アプタマーは、標的分子に特異的に結合する能力を有する(例えば、「生物学におけるコンビナトリアルケミストリー:微生物学及び免疫学の最新トピックス(Combinatorial Chemistry in Biology, Current Topics in Microbiology and Immunology)」(M Famulok、CH Wong、EL Winnacker編集中のM Famulok、G. Mayerの文献「分子生物学及び免疫学の道具としてのアプタマー(Aptamers as Tools in Molecular Biology and Immunology)」)、Springer Verlag社、ハイデルベルグ、1999年、243巻、123〜136を参照)。ある標的分子について特異性を有するそのようなアプタマーを作製する方法については、当業者に公知の多くの方法が存在する。一例が、WO01/09390に示されており、その開示は参照により本明細書に組み入れられる。該アプタマーは、置換又は非置換の天然及び非天然のヌクレオチドを含んでよい。アプタマーは、自動合成機などを使用してインビトロにおいて合成することができる。本発明のアプタマーは、ピリミジンのリボース骨格の2’−フルオロ置換基に対して、及びプリン核酸の2’−O−メチル置換基に対して、2’−OH基の置換などにより、ヌクレアーゼ分解に対して安定化することができる。加えてアプタマーの3’末端は、この3’ヌクレオチドを反転することにより、新しい5’−OH基を形成し、3’を最後から二番目の塩基の3’へ連結することにより、エキソヌクレアーゼ分解に対し保護されることができる。
【0170】
本発明の目的に関して、用語「ヌクレオチド」とは、窒素含有塩基、五炭糖、及び1又は複数のリン酸塩基を含む分子をいう。該塩基の例は、アデニン、グアニン、シトシン、ウラシル、及びチミンを含むが、これらに限定されるものではない。また天然に存在しない置換又は非置換の塩基が含まれる。五炭糖の例としては、D−リボース、及びD−2−デオキシリボースを含むが、これらに限定されるものではない。また他の天然及び非天然の置換又は非置換の五炭糖も含まれる。本発明において使用されるヌクレオチドは、1〜3個のリン酸塩を含むことができる。
【0171】
一実施態様において、標的化物質Eは、生物学的標的に対する結合親和性を有する生物学的活性分子である。
一実施態様において、標的化物質Eは、中枢神経系疾患又は腫瘍学的疾患又は心血管疾患に関連している生物学的標的に対する結合親和性を有する生物学的活性分子である。
一実施態様において、標的化物質Eは、中枢神経系疾患に関連している生物学的標的に対する結合親和性を有する生物学的活性分子である。
一実施態様において、標的化物質Eは、腫瘍学的疾患に関連している生物学的標的に対する結合親和性を有する生物学的活性分子である。
一実施態様において、標的化物質Eは、心血管疾患に関連している生物学的標的に対する結合親和性を有する生物学的活性分子である。
【0172】
一実施態様において、標的化物質Eは、10マイクロモルよりも少ない生物学的標的に対する結合親和性を有する生物学的活性分子である。
好ましい実施態様において、標的化物質Eは、1マイクロモルよりも少ない生物学的標的に対する結合親和性を有する生物学的活性分子である。
好ましい実施態様において、標的化物質Eは、500ナノモルよりも少ない生物学的標的に対する結合親和性を有する生物学的活性分子である。
好ましい実施態様において、標的化物質Eは、100ナノモルよりも少ない生物学的標的に対する結合親和性を有する生物学的活性分子である。
好ましい実施態様において、標的化物質Eは、75ナノモルよりも少ない生物学的標的に対する結合親和性を有する生物学的活性分子である。
【0173】
好ましい実施態様において、標的化物質Eは、50ナノモルよりも少ない生物学的標的に対する結合親和性を有する生物学的活性分子である。
好ましい実施態様において、標的化物質Eは、30ナノモルより少ない生物学的標的に対する結合親和性を有する生物学的活性分子である。
好ましい実施態様において、標的化物質Eは、15ナノモルよりも少ない生物学的標的に対する結合親和性を有する生物学的活性分子である。
好ましい実施態様において、標的化物質Eは、10ナノモルよりも少ない生物学的標的に対する結合親和性を有する生物学的活性分子である。
好ましい実施態様において、標的化物質Eは、5ナノモルよりも少ない生物学的標的に対する結合親和性を有する生物学的活性分子である。
好ましい実施態様において、標的化物質のEは2ナノモルよりも少ない生物学的標的に対する結合親和性を有する生物学的活性分子である。
【0174】
好ましい実施態様において、標的化物質Eは、1ナノモルよりも少ない生物学的標的に対する結合親和性を有する生物学的活性分子である。
好ましい実施態様において、標的化物質Eは、750ピコモルよりも少ない生物学的標的に対する結合親和性を有する生物学的活性分子である。
好ましい実施態様において、標的化物質Eは、500ピコモルよりも少ない生物学的標的に対する結合親和性を有する生物学的活性分子である。
好ましい実施態様において、標的化物質Eは、250ピコモルよりも少ない生物学的標的に対する結合親和性を有する生物学的活性分子である。
好ましい実施態様において、標的化物質Eは、100ピコモルよりも少ない生物学的標的に結合親和性を有する生物学的活性分子である。
好ましい実施態様において、標的化物質Eは、50ピコモルよりも少ない生物学的標的に対する結合親和性を有する生物学的活性分子である。
【0175】
一実施態様においてEは、50よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、70よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、85よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、100よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、120よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、140よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、160よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、180よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、200よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、220よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
【0176】
一実施態様においてEは、240よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、260よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、280よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、300よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、320よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、340よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、360よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、380よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、400よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、420よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
【0177】
一実施態様においてEは、440よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、460よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、480よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、500よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、550よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、600よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、650よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、700よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、750よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
【0178】
一実施態様においてEは、800よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、850よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、900よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、950よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、1000よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、1100よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、1200よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、1300よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、1400よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、1500よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
【0179】
一実施態様においてEは、1600よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、1750よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、2000よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、2500よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、3000よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、4000よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、5000よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、7000よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、10000よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、15000よりも大きい質量を持つ分子の群から選択される。
【0180】
標的化物質Eは、炭素、水素、及び場合によりヘテロ原子を含む。
一実施態様においてEは、2個のヘテロ原子を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、2個よりも多いヘテロ原子を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、3個よりも多いヘテロ原子を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、4個よりも多いヘテロ原子を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、5個よりも多いヘテロ原子を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、6個よりも多いヘテロ原子を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、7個よりも多いヘテロ原子を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、8個よりも多いヘテロ原子を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、9個よりも多いヘテロ原子を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、10個よりも多いヘテロ原子を含む分子の群から選択される;
【0181】
一実施態様においてEは、12個よりも多いヘテロ原子を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、14個よりも多いヘテロ原子を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、16個よりも多いヘテロ原子を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、18個よりも多いヘテロ原子を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、20個よりも多いヘテロ原子を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、25個よりも多いヘテロ原子を含む分子の群から選択される;
【0182】
一実施態様においてEは、30個よりも多いヘテロ原子を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、35個よりも多いヘテロ原子を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、40個よりも多いヘテロ原子を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、50個よりも多いヘテロ原子を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、60個よりも多いヘテロ原子を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、80個よりも多いヘテロ原子を含む分子の群から選択される;
【0183】
一実施態様においてEは、100個よりも多いヘテロ原子を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、120個よりも多いヘテロ原子を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、150個よりも多いヘテロ原子を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、200個よりも多いヘテロ原子を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、300個よりも多いヘテロ原子を含む分子の群から選択される。
【0184】
標的化物質Eは、酸素、窒素、硫黄、リン、セレノ、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを含む群から選択されるが、これらに限定されるものではないヘテロ原子の異なる種類を含む;
一実施態様においてEは、ヘテロ原子の2つの異なる種類を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、ヘテロ原子の2つ又は2つよりも多い異なる種類を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、ヘテロ原子の3つ又は3つよりも多い異なる種類を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、ヘテロ原子の4つ又は4つよりも多い異なる種類を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、ヘテロ原子の5つ又は5つよりも多い異なる種類を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、ヘテロ原子の6つ又は6つよりも多い異なる種類を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、ヘテロ原子の7つ又は7つよりも多い異なる種類を含む分子の群から選択される。
【0185】
標的化物質Eは、環状構造を含むことができる。
一実施態様においてEは、2つの環状構造を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、2つよりも多い環状構造を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、3つよりも多い環状構造を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、4つよりも多い環状構造を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、5つよりも多い環状構造を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、6つよりも多い環状構造を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、8つよりも多い環状構造を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、8つよりも多い環状構造を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、10よりも多い環状構造を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、15よりも多い環状構造を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、30よりも多い環状構造を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、50よりも多い環状構造を含む分子の群から選択される。
【0186】
標的化物質Eは、ヘテロ原子を含むことができる。
一実施態様においてEは、ヘテロ原子の2つの異なる種類を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、ヘテロ原子の2以上の異なる種類を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、ヘテロ原子の3つの異なる種類を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、ヘテロ原子の3以上の異なる種類を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、ヘテロ原子の4つの異なる種類を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、ヘテロ原子の4以上の異なる種類を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、ヘテロ原子の5つの異なる種類を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、ヘテロ原子の5以上の異なる種類を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、ヘテロ原子の6つの異なる種類を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、ヘテロ原子の6以上の異なる種類を含む分子の群から選択される。
【0187】
標的化物質Eは、芳香環を含むことができる。
一実施態様においてEは、2つ以上の芳香環を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、2つ以上の芳香環を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、2つよりも多い芳香環を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、3つよりも多い芳香環を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、4つよりも多い芳香環を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、5つよりも多い芳香環を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、6つよりも多い芳香環を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、8つよりも多い芳香環を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、8つよりも多い芳香環を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、10よりも多い芳香環を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、15よりも多い芳香環を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、20よりも多い芳香環を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、25よりも多い芳香環を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、30よりも多い芳香環を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、40よりも多い芳香環を含む分子の群から選択される;
一実施態様においてEは、50よりも多い芳香環を含む分子の群から選択される。
【0188】
標的化物質Eは、ヘテロ原子を含む。
一実施態様において、Eは、2つの異なる種類のヘテロ原子、2つの環状構造を含み、かつ質量が180よりも大きい分子の群から選択される。
【0189】
一実施態様において、Eは、2つ又は2つよりも多い異なる種類のヘテロ原子、1つよりも多い環状構造を含み、かつ質量が250よりも大きい分子の群から選択される。
別の実施態様において、Eは、2つ又は2つよりも多い異なる種類のヘテロ原子、2つの環状構造を含み、かつ質量が180よりも大きい分子の群から選択される。
別の実施態様において、Eは、2つ又は2つよりも多い異なる種類のヘテロ原子、3つの環状構造を含み、かつ質量が300よりも大きい分子の群から選択される。
【0190】
本明細書において使用される用語「結合」は、単結合、二重結合又は三重結合をいうことを意味する。
本明細書において使用される用語「リンカー」は、分子内の2つの実体を共有的に接続することが可能である、前述の意味の結合以外の任意の部分をいうことを意味する。
【0191】
「フッ素化剤」は、遊離型又は結合型でフッ化物アニオンを含む化学物質又は化学組成物である。
一実施態様において、「フッ素化剤」は、遊離型又は結合型で[18F]フッ化物アニオンを含む化学物質又は化学組成物である。
別の実施態様において、「フッ素化剤」は、遊離型又は結合型で[19F]フッ化物アニオンを含む化学物質又は化学組成物である。
好ましい実施態様において、「フッ素化剤」は、フッ素の放射性アイソトープの誘導体を含む。
【0192】
より好ましくはフッ素の放射性アイソトープの誘導体は、18Fの誘導体である。より好ましくは、18F誘導体は、4,7,13,16,21,24−ヘキサオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.8.8]−ヘキサコサンK 18F(クラウンエーテル塩Kryptofix K18F)、K18F、H18F、KH18、Cs18F、Na18F、又は18Fのテトラアルキルアンモニウム塩(例えば、[F−18]フッ化テトラブチルアンモニウム)である。より好ましくは、フッ素化剤は、K18F、H18F、又はKH18であり、最も好ましくは、K18F(18Fフッ化物アニオン)である。
【0193】
放射性フッ素化反応は、例えば当業者に公知の典型的な反応容器(例えば、Wheatonバイアル)又はマイクロリアクターにおいて、実施することができる。この反応は、典型的な方法、例えば油浴、ヒーティングブロック又はマイクロ波などにより、加熱することができる。放射性フッ素化反応は、ジメチルホルムアミド中で、塩基としての炭酸カリウム及びクラウンエーテルとしての「Kryptofix」により実行される。しかし専門家に周知であるその他の溶媒も、使用することができる。これらの可能な条件は、以下を含むが、これらに限定されない:溶媒としてのジメチルスルホキシド及びアセトニトリル、並びに塩基としてのテトラアルキルアンモニウム及びテトラアルキルホスホニウム炭酸塩。水及び/又はアルコールは、共溶媒としてそのような反応に関与することができる。この放射性フッ素化反応は、1〜60分間実行される。好ましい反応時間は、5〜50分間である。更に好ましい反応時間は、10〜40分間である。そのような放射性フッ素化に関するこの条件及びその他の条件が、専門家に公知である(Coenenの文献、「フッ素-18標識法:基本的反応の特徴及び可能性(Fluoride-18 Labeling Methods: Features and Possibilities of Basic Reactions)」(2006);Schubiger P.A.、Friebe M.、Lehmann L.(編集)、「PET-化学:分子イメージングの原動力(PET-Chemistry- The Driving Force in Molecular Imaging)」、Springer社、ベルリン、ハイデルベルク、15〜50頁)。この放射性フッ素化は、「ホットセル」において及び/又はモジュールの使用により、実行することができ(総説:Krasikowaの文献、「F-18標識の合成モジュールと自動化(Synthesis Modules and Automation in F-18 labeling)」、(2006);Schubiger P.A.、Friebe M.、Lehmann L.(編集)、「PET-化学:分子イメージングの原動力」、Springer社、ベルリン、ハイデルベルク、289〜316頁)、これは自動化された又は半自動化された合成を可能にする。
【0194】
本明細書において使用される用語「活性エステル部位」又は「活性エステル」は、アミンなどの求核試薬によるカルボン酸の変換を容易にするために、特定の置換基によって活性化されたカルボン酸をいうことを意味する。活性エステルは、その場で生成されることができるか、又は場合によっては、単離されることができる。活性エステルの例としては、HOBT−エステル、NHS−エステル、HOAt−エステル、TBTU−エステル、OPfP−エステル(例えば、Journal of Pharmaceutical Sciences, 58, 2, 281-282頁)、PyBoP−エステル、DIC/HOBT−エステル、HATU−エステル、PyAOP−エステル、PyBroP−エステル、BroP−エステル、混合酸無水物、1H−イミダゾール−1−イルエステルを含むが、これらに限定されるものではない(例えば、Chan及びWhiteの文献(「Fmoc固相ペプチド合成-実用アプローチ(Fmoc Solid Phase Peptide Synthesis -A Practical Approach)」、第7章、Oxford University Press社)、又はNiemeyerの文献(「バイオコンジュゲーションプロトコル:戦略と方法(分子生物学の方法)(Bioconjugation Protocols: Strategies and Methods : Methods in Molecular Biology)」、Humana Press社)を比較)。
【0195】
好ましい化合物は、以下のものである:
【0196】
【化38】

【0197】
(4−カルボキシ−フェニル)−ジフェニル−スルホニウムトリフルオロ−メタンスルホン酸塩
【0198】
【化39】

【0199】
(4−カルボキシ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−ジフェニル−スルホニウム(トリフルオロ−メタン)スルホン酸塩。
【0200】
更なる態様において、本発明は、式Iの化合物及び薬学的に許容される担体又は希釈剤を含有する組成物に関する。
更なる態様において、本発明は、式Iの化合物の所定量を含む密封バイアルを備えるキットに関する。
更なる態様において、本発明は、以下列記されている種々の疾患の治療のための医薬品の製造のための式Iの化合物の使用に関する。
【0201】
更なる態様において、本発明は、式IIIの化合物及び薬学的に許容される担体又は希釈剤を含有する組成物に関する。
更なる態様において、本発明は、式IIIの化合物の所定量を含む密封バイアルを備えるキットに関する。
更なる態様において、本発明は、以下列記されている種々の疾患の治療のための医薬品の製造のための式IIIの化合物の使用に関する。
【0202】
本明細書において使用される用語「酸」は、非限定的に、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、過塩素酸、リン酸、炭酸、硝酸又は硫酸などの酸を含む鉱酸、又は非限定的に、脂肪族酸、環状脂肪族酸、芳香族酸、芳香脂肪族酸、複素環酸、カルボン酸及びスルホン酸などを含む好適な有機酸、例としてギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、フマル酸、ピルビン酸、安息香酸、アントラニル酸、メシル酸、フマル酸、サリチル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エムボン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、トルエンスルホン酸及びスルファニル酸をいう。
【0203】
本明細書において使用される用語「無機(又は有機)酸の対応する塩基」とは、カルボン酸、硝酸若しくは硫酸などの酸に限定されるものではない鉱酸、又は非限定的に、アルカノールは((C−C10)アルキルアルコール)、脂肪族酸、環状脂肪族酸、芳香族酸、芳香脂肪族酸、複素環酸、カルボン酸及びスルホン酸などを含む好適な有機酸、例として、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、フマル酸、ピルビン酸、安息香酸、アントラニル酸、メシル酸、フマル酸、サリチル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エムボン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、トルエンスルホン酸及びスルファニル酸など、いわゆる「対応する」酸の塩基をいう。
【0204】
本発明の説明及び特許請求の範囲において以下に使用される用語「アルコキシ(又はアルキルオキシ)」は、それぞれ酸素原子によって連結されているアルキル基をいい、このアルキル部分は、先に定義されたものである。
用語「[アルキオキシル]−アルキル」は、式[Ra−O]−Ra−のラジカルをいい、ここで各Raは、先に定義された低級アルキルラジカルである。
【0205】
それ自身又は別の基の一部として本明細書において使用される用語「アリール」は、環部分に6〜12個の炭素を、好ましくは環部分に6〜10個の炭素を含む、単環式又は二環式芳香族基をいい、例えば、フェニル、ナフチル又はテトラヒドロナフチルであり、それら自身、ハロ、ニトロ、(C−C)カルボニル、シアノ、ニトリル、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、(C−C)スルホニル、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及び(C−C)スルファニルを含む群から独立して又は個別に選択された、1、2又は3個の置換基で置換されることができる。先に概説したように、そのような「アリール」は、1つ又は複数の置換基で追加的に置換されていてもよい。
【0206】
本明細書において使用される用語「ヘテロアリール」は、5〜14個の環原子;環状の配置で共有された6、10又は14個のπ(パイ)電子を有し;かつ、炭素原子(ハロ、ニトロ、(C−C)カルボニル、シアノ、ニトリル、トリフルオロメチル、(C−C)スルホニル、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ又は(C−C)スルファニルで置換することができる)、並びに、1、2、3又は4個の酸素、窒素又は硫黄ヘテロ原子を含む基をいう(ここでヘテロアリール基の例は、チエニル、ベンゾ[b]チエニル、ナフト[2,3−b]チエニル、チアントレニル、フリル、フラニル、ピラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、クロメニル、キサンテニル、フェノキサチイニル、2H−ピロリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、3H−インドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、4H−キノリジニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、4aH−カルバゾリル、カルバゾリル、カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、イソオキサゾリル、フラザニル及びフェノキサジニル基である)。
【0207】
ヘテロアリールは、ハロ、ニトロ、(C−C)カルボニル、シアノ、ニトリル、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、(C−C)スルホニル、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及び(C−C)スルファニルを含む群から独立しかつ個別に選択された、1個、2個又は3個の置換基により置換されることができる。先に概略したように、「ヘテロアリール」は、1つ又は複数の置換基により更に置換されていてもよい。
【0208】
本発明の説明及び特許請求の範囲において以下に使用されるように、用語「アルキル」は、それ自身又は別の基の一部として、1〜10個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキル基をいい、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘプチル、ヘキシル、デシルなどである。アルキル基は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、C−Cアルコキシ基又はC−C12アリール基(これは次にまた、1〜3個のハロゲン原子によって置換することができる)などにより置換することもできる。より好ましくは、アルキルは、C−C10アルキル、C−Cアルキル又はC−Cアルキルである。
【0209】
用語「置換された」を使用する場合、これは、「置換された」を用い表現された指定された原子上の1個以上の水素が、指定された原子の通常の価数を超えない、この置換が化学的に安定した化合物を生じること、すなわち反応混合物から有用な純度程度への分離及び医薬組成物への製剤を生き残るのに十分に堅牢な化合物を生じることを条件として、指定された基から選択されたものにより置き換えられることを示すことを意味する。これらの置換基は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ、(C−C)カルボニル、シアノ、ニトリル、トリフルオロメチル、(C−C)スルホニル、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及び(C−C)スルファニルから選択されてよい。
【0210】
18Fアニオンの提供は、当業者に公知であり、かつ一実施態様において、それに炭酸カリウム又はテトラアルキルアンモニウム炭酸塩の形で塩基が添加されるH18F水溶液を提供することにより達成される。H18F水溶液は、シンクロトロンから得ることができる。
用語「ハロ」又は「Hal」は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、及びヨウ素(I)を指す。
【0211】
特に指定のない限り、式I〜Vの化合物それら自身に加え、本発明のそれらの任意の医薬組成物について言及する場合、これらは、本発明の化合物の水和物、溶媒和物、錯体、及びプロドラッグを全て含む。プロドラッグは、式I〜Vの活性のある親医薬を放出する、任意の共有結合した化合物である。上述したように、式I〜Vの化合物は、18F、11C、15O及び13N並びにそれらの組み合わせを含む、あらゆる適切な陽電子放出アイソトープを含むことができる。
【0212】
キラル中心又は異性体中心の別の型が、本発明の化合物において存在する場合、鏡像異性体及びジアステレオマーを含むそのような異性体の全ての型が、本明細書において対象とされることを意図している。キラル中心を含む化合物は、ラセミ混合物として、若しくは鏡像異性的に濃縮された混合物として使用することができるか、又はラセミ混合物は、周知の技術を用い分離することができ、かつ個々のエナンチオマーはおそらく単独で使用することができる。化合物が不飽和炭素−炭素結合の二重結合を持っている場合には、シス異性体及びトランス異性体の両方が、本発明の範囲内である。化合物がケト−エノール互変異性体などの互変異性体型で存在する場合、それぞれの互変異性体は、平衡状態で又は一方の形態が主に存在するかどうかにかかわらず、本発明に含まれるものとして意図されている。
【0213】
炎症性疾患及び自己免疫疾患の例としては、慢性炎症性腸疾患(炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎)、関節炎、アテローム、アテローム性動脈硬化症、炎症性心筋症、天疱瘡、喘息、多発性硬化症、糖尿病、I型インスリン−依存型糖尿病、関節リウマチ、狼瘡疾患及び他の膠原病、グレーヴス病、橋本病、「移植片対宿主疾患」及び移植拒絶反応がある。アレルギー、感染症、及び毒素誘発性疾患及び虚血誘発性疾患の例は、サルコイドーシス、喘息、過敏性肺炎、敗血症、敗血性ショック、エンドトキシンショック、毒素性ショック症候群、中毒性肝障害、ARDS(急性呼吸窮迫症候群)、子癇、悪液質、急性ウイルス感染症(例えば単核細胞症、劇症肝炎)、並びに再灌流後の臓器障害である。病態生理学的に関連のある薬物誘発性炎症の例としては、OKT3などの抗T細胞抗体の投与後の「最初の用量反応」がある。原因が依然不明である全身性炎症反応の例は、子癇である。星状膠細胞活性化/MAO調節に関連付けられている神経変性疾患及び神経炎症疾患の例としては、認知症、AIDS認知症、筋萎縮性側索硬化症、脳炎、神経因性疼痛、クロイツフェルト・ヤコブ病、ダウン症候群、びまん性レヴィー小体病、ハンチントン舞踏病、白質脳症、脳症、敗血症性脳症、肝性脳症、多発性硬化症、パーキンソン病、ピック病、アルツハイマー病、前頭側頭型認知症、海馬硬化症、神経嚢虫症、てんかん、卒中、虚血、脳腫瘍、うつ病、統合失調症、薬物乱用である。従って本発明は、これらの疾患の診断に加え、病期決定及び療法の経過観察のための、イメージング化合物の使用に関する。
【0214】
好ましい実施態様において、本発明の化合物は、多発性硬化症、アルツハイマー病、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症、白質脳症、てんかん、神経因性疼痛、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、脳症、脳腫瘍、うつ病、薬物乱用、慢性炎症性腸疾患、アテローム、アテローム性動脈硬化症、関節炎、関節リウマチ、薬物誘発性炎症、原因不明の全身性炎症のイメージングに有用である。
【0215】
より好ましい実施態様において、本発明の化合物は、多発性硬化症、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、白質脳症、脳症、てんかん、脳腫瘍、薬物乱用、慢性炎症性腸疾患、アテローム、関節リウマチ、薬物誘発性炎症、原因不明の全身性炎症のイメージングに有用である。
【0216】
別の実施態様において、本発明の化合物は、組織、特に腫瘍及び癌のイメージングに有用であり、これは膀胱、乳房、結腸、腎臓、肝臓、小細胞肺癌を含む肺、食道、胆嚢、卵巣、膵臓、胃、子宮頸部、甲状腺、前立腺、及び皮膚などの癌腫、リンパ球系及び骨髄細胞系の造血系腫瘍、間葉系起源の腫瘍、中枢末梢神経系腫瘍、メラノーマ、精上皮腫、奇形癌、骨肉腫、色素性乾皮症、角膜黄色腫、甲状腺濾胞癌、及びカポジ肉腫を含む他の腫瘍を含むが、これらに限定されるものではない。
【0217】
別の実施態様において、本発明の化合物は、非限定的に、緊張亢進、末梢及び心臓の血管疾患、冠状動脈疾患、末梢血管のバルーン拡張術後の再狭窄などの冠動脈再狭窄、心筋梗塞、急性冠状動脈症候群、ST上昇を伴う又は伴わない急性冠状動脈症候群、安定及び不安定狭心症、心不全、プリンズメタル型狭心症、冬眠心筋、気絶心筋、頻拍、心房性頻脈、不整脈、心房細動、持続性心房細動、永続性心房細動、左心室機能が正常又は限られた心房細動、ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群、末梢循環不全、フィブリノゲン及びLDLの上昇レベル、更にはプラスミノーゲン活性化因子−阻害物質1(PAI−I)の上昇レベル、急性冠状動脈症候群、特に緊張亢進、冠状動脈疾患、急性冠状動脈症候群、狭心症、心不全、心筋梗塞及び心房細動を含む、心臓血管疾患のイメージングに有用である。
【0218】
本発明において、用語「心不全」は、急性非代償性心不全、右心室心不全、左心室心不全、全体の(total)心不全、虚血性心筋症、拡張型心筋症、先天性心不全、心臓弁障害、心臓弁障害を伴う心不全、僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、三尖弁狭窄症、三尖弁閉鎖不全症、肺動脈弁狭窄症、肺動脈弁閉鎖不全症、組み合わせ心臓弁欠陥、心筋炎、慢性心筋炎、急性心筋炎、ウイルス性心筋炎、糖尿病性心機能不全、アルコール中毒性心筋症、拡張期及び収縮期心不全、血栓塞栓性疾患、虚血後再灌流損傷、微小血管及び大血管の損傷(血管炎)、動脈と静脈血栓症、浮腫、心筋梗塞、脳卒中、一過性虚血発作などの虚血などのより特異的な疾患又は関連疾患などの、そのような機能不全の急性だけでなく慢性の両方の態様を含む。本発明の化合物は更に、冠動脈バイパス手術(CABG)、一次経皮経管冠動脈形成術(PTCA)、血栓溶解療法後のPTCA、救助−PTCA、心臓移植、開胸手術、移植、バイパス手術、カテーテル検査及び他の外科手術の経過観察に適している。更に本発明の化合物は、糖尿病、特に真正糖尿病、妊娠糖尿病、インスリン依存性糖尿病、インスリン非依存性糖尿病などの代謝性疾患、網膜症、腎症及びニューロパシーなどの糖尿病に起因する疾患、メタボリック症候群、高血糖症、高インスリン血症、インスリン抵抗性、耐糖能異常、脂肪過多症、動脈硬化症などの代謝性疾患、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、上昇したレベルの食後の血漿トリグリセリド、低αリポ蛋白血症、複合型高脂血症などの脂質異常症のイメージングにも有用であり、特に糖尿病、メタボリック症候群及び脂質異常症のイメージングに有用である。
【0219】
本発明の説明及び特許請求の範囲において以下で使用される用語「プロドラッグ」は、式Iの活性のある親医薬を放出する任意の共有結合した化合物、好ましくは式Iの18F標識化合物を意味する。
本文を通して使用される用語「プロドラッグ」は、エステル、アミド、リン酸塩などの、薬理学的に許容される誘導体を意味し、その結果得られるこの誘導体のインビボにおける生体内変換生成物は、式Iの化合物で定義されている活性薬物である。プロドラッグを説明しているGoodman及びGilmanの参考文献(「治療薬の薬理学的基礎(The Pharmacological Basis of Therapeutics)」、第8版、McGraw-HiM社、1992年、「医薬品の生体内変化(Biotransformation of Drugs)」、13-15頁)は、全般的に本明細書に組み入れられている。本発明の化合物のプロドラッグは、修飾が、親化合物に、ルーチン的操作で又はインビボのいずれかで切断されるような方式で、化合物中に存在する官能基を修飾することによって調製される。本発明の化合物のプロドラッグは、例えばこのような不斉炭素原子上のヒドロキシル基のようなヒドロキシル基又はアミノ基が、このプロドラッグが患者に投与された際に開裂し、各々、遊離ヒドロキシル又は遊離アミノを形成するような任意の基に結合されている、これらの化合物を含む。
【0220】
プロドラッグの代表的な例は、例えばWO99/33795、WO99/33815、WO99/33793及びWO99/33792に説明されており、これらは全て参照により本明細書に組み入れられている。プロドラッグは、優れた水溶解性、増加した生物学的利用能を特徴とすることができ、かつインビボにおいて活性阻害剤に容易に代謝される。
更に、下記実施例及び実施例化合物を参照するが、これらは本発明を限定するものではなく、説明するために与えられる。
【実施例】
【0221】
実験セクション
一般的な手順:
1:縮合剤としてTBCRを使用する、カルボン酸誘導体及びアミン誘導体のアミド形成
DMF中の1.3当量のカルボン酸溶液(4.3ml/mmolカルボン酸)に、1.3当量の4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリン−4−イウムテトラフルオロホウ酸塩(TBCR(J. Am. Chem. Soc.、127: 16912-16920 (2005)))及び1.95当量のN−メチルモルホリンを添加した。この反応混合物を40分間撹拌した。DMF中の1当量アミン(1.5ml/mmol)を滴下した。この反応混合物を、4時間〜20時間撹拌した。反応混合物を蒸発により減量した。粗生成物の一部を、DMSOに溶解し、所望の生成物を分取HPLCにより精製し、対応するHPLC画分を引き続き凍結乾燥した。
【0222】
2:放射性[F−18]フッ化物によるフッ素化
水性[18F]フッ化物(0.1〜5GBq)を、QMAカートリッジにトラップし、0.95ml MeCN中K2.2.2の5mg+水50μl中1mg KCOにより、Wheatonバイアル(5ml)へと溶出した。この溶媒を窒素気流下で120℃で10分間加熱することにより除去した。無水MeCN(1ml)を添加し、前記と同様に蒸発させた。この工程を3回繰り返した。300μlの無水DMF中の出発物質(1mg)の溶液を添加した。120℃で10分間加熱した後、この粗反応混合物を、分析HPLCを用いて分析した:ACE3−C18 50mm×4.6mm、溶媒勾配:水中5%アセトニトリルで開始し、7分間で95%アセトニトリルへ、流量:2ml/分。所望のF−18標識生成物を、分析HPLC上に、対応する非放射性F−19フルオロ−標準と、同時注入することにより確認した。この粗生成物を、C18 SPEカートリッジによりプレ精製し、かつそのプレ精製された生成物(50〜2500MBq)を、分取HPLCによって精製した:ACE 5−C18−HL 250mm×10mm;水中62%アイソクラティックアセトニトリルにより25分間、流量:3ml/分。所望の生成物を、分析HPLC上に、非放射性F−19フルオロ標準と同時注入することにより、再確認されたように得た(30〜2000MBq)。この試料を、水60mlで希釈し、Chromafix C18(S)カートリッジ上に固定し、これを水5mlで洗浄し、かつエタノール1mlで溶出し、EtOH 1000μl中に20〜1800MBqの生成物を流出した。
【0223】
実施例1
a)(4−カルボキシフェニル)(ジフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩(1a)の合成
【0224】
【化40】

【0225】
150mlのTHF中の4−ヨード安息香酸10g(40.3mmol)の溶液に、水素化ナトリウム1.77g(44.35mmol)を一気に添加した。この溶液を10分間攪拌し、−40℃に冷却した。この溶液にジイソプロピルマグネシウムブロミド59ml(THF中0.52mM)(30.83mmol)を添加した。その温度を、1時間以内に−10℃に上昇させ、かつ更に2.5時間攪拌した(フラスコA)。
【0226】
別のフラスコ(フラスコB)において、1,1’−スルフィニルジベンゼン16.64g(80.64mmol)及びTHF 50mlを、不活性かつ乾燥した大気下で、−40℃で攪拌した。トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホン酸塩14.6g(80.6mmol)を、1滴ずつ添加した。フラスコB内の溶液を、−40℃で10分間攪拌し、フラスコAの溶液へ、−20℃で一気に添加した。この混合物は、1時間以内に−10℃にまで温まった。この反応混合物を、−70℃に冷却し、0.5M HBr溶液100mlをこの反応混合物に添加した。混合物を室温まで加温し、ジエチルエーテル(300ml)及び0.5M HBr溶液(200ml)により希釈した。有機相を分離した。水相は、ジエチルエーテル(1×200ml)、及びジクロロメタン(3×200ml)により抽出した。一緒にした有機相を乾燥し、蒸発させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製した(CHCl/MeOH 5:1→2:1)。
【0227】
MS−ESI:307(M、100)
元素分析:計算値:C 52.63% H 3.31%
測定値:C 52.65% H 3.32%
【0228】
b){4−[(6−メトキシ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)カルバモイル]フェニル}(ジフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩(1b)
【0229】
【化41】

【0230】
所望の生成物1b(25.9mg)を、一般的な手順1に従い、6−メトキシ−1,3−ベンゾチアゾール−2−アミン87mg及び1aから得た。
MS−ESI:469(M、100)
元素分析:計算値:C 54.36% H 3.42% N 4.53%
測定値:C 54.39% H 3.44% N 4.52%
【0231】
c)4−(18F)フルオロ−N−(6−メトキシ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)ベンズアミド(1c)
【0232】
【化42】

【0233】
所望の生成物1cを、一般的な手順3に従い1bから得た。
【0234】
実施例2
式I及びII及びIII及びIVの化合物の合成例を、スキーム5に示す:
THF中のパラ−ヨード安息香酸(4)を、マグネシウムグリニャール試薬として、イソ−プロピルマグネシウムブロミド、水素化ナトリウム、ジフェニルスルホキシド、O−トリメチルシリルトリフレートを使用し(比較:a)A.E. Jensen, W.Dohle, I. Sapountzis、D.M. Lindsay、V.A. Vu、P. Knochelの論文、Synthesis、565-596 (2002);b)S. Imazeki, M. Sumino、K. Fukazawa、M. Ishihara、T. Akiyamaの論文、Synthesis、1648-1654 (2004))、化合物5へ変換した。カルボン酸5を、固相に結合したペプチド6(トリチル樹脂−これらの方法はペプチド関連の文献に良く説明されている(参照:W.C. Chan及びP.D. White編集、「Fmoc固相ペプチド合成:実践的アプローチ(Fmoc Solid Phase Peptide Synthesis: A practical approach)」、オックスフォード大学出版局、2000年)と、カップリング剤4−(4,6−ジメトキシ−[1,3,5]トリアジン−2−イル)−4−メチル−モルホリン−4−イウムテトラフルオロホウ酸塩(J. Am. Chem. Soc.、127; 16912-16920 (2005))を用いて、カップリングし、固相結合したペプチド7を得た。他の縮合剤も可能である。これらの試薬は、ペプチド関連の文献に良く説明されている(参照:同上)。この樹脂に結合したペプチドを、典型的な酸による方法(例えばトリフルオロ酢酸)によって切断し、その対イオンとして、その対応する塩基トリフルオロ酢酸塩を伴う、ペプチドスルホニウム誘導体8が遊離された。
【0235】
【化43】

【0236】
オリゴヌクレオチドのF−18標識の例を、スキーム6に示す。TTA1(Nucleic Acids Research、32:19: 5757-5765 (2004))は、トリアジン縮合剤(J. Am. Chem. Soc.、127: 48 16912-16920 (2005))を使用し、ジフェニルスルホニウム誘導体(5)と結びつけた(equipped)。引き続きのF−18放射標識は、理にかなった収率で得られたが、比活性は、F−18標識された化合物の精製が最適な状況下で達成されなかったという事実が原因で、相対的に低かった。
【0237】
【化44】

【0238】
式Iの化合物の例
【0239】
【表5】

【0240】
【表6】

【0241】
【表7】

【0242】
【表8】

【0243】
本明細書、特許請求の範囲及び/又は添付図面において開示された本発明の特徴は、個別に及びそれらの任意の組み合わせの両方で、それらの様々な形態で本発明を実現するための材料であることができる。
【0244】
ペプチド合成の実験部分
一般
ペプチド合成は、標準的なFmoc戦略に従い、Rink−Amide樹脂(0.68mmol/g)を使用し実行される(Field GB、Noble RL、「9-フルオレニルメトキシカルボニルアミノ酸を使用する固相ペプチド(Solid phase peptide utilizing 9-fluorenylmethoxycarbonyl amino acids)」、Int J. Pept. Protein Res.、35: 161-214 (1990))。全てのアミノ酸残基は、更に指定されていない場合は、L−アミノ酸残基である。
【0245】
Fmoc−脱保護(一般的手順)
樹脂結合したFmocペプチドを、DMF中の20%ピペリジン(v/v)により、5分間、2回目には20分間処理した。この樹脂を、DMF(2×)、CHCl(2×)、及びDMF(2×)で洗浄した。
【0246】
HBTU/HOBTカップリング(一般的手順)
DMF中のFmoc−Xaa−OH(4当量)、HBTU(4当量)、HOBT(4当量)、DIEA(4当量)の溶液を、樹脂結合した遊離アミンペプチドに添加し、室温で90分間振盪した。このカップリングを、更に60分間繰り返し、樹脂を、DMF(2×)、CHCl(2×)、及びDMF(2×)で洗浄した。
【0247】
【化45】

【0248】
(スキームXprmtl1)
式Iの化合物の合成例:(1)カップリング;(2)樹脂からの切断;(3)HPLC精製;A=A'=フェニル又は4-トルイル
【0249】
スキームXprmtl1に従うカップリング手順(一般的手順A)
DMF中の(4−カルボキシフェニル)−ジアリール−スルホニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩(2当量)、HBTU(2当量)、HOBT(2当量)、DIEA(4当量)の溶液を、樹脂結合した遊離アミンペプチドに添加し、周囲温度で4時間振盪した。この樹脂を、DMF(4×)及びCHCl(4×)で洗浄し、真空下で乾燥した。
【0250】
スキームXprmtl1に従うカップリング手順(一般的手順B)
DMF中の(4−カルボキシフェニル)−ジアリール−スルホニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩(2当量)、4−(4,6−ジメトキシ−[1,3,5]トリアジン−2−イル)−4−メチル−モルホリン−4−イウムテトラフルオロホウ酸塩(2当量)、N−メチルモルホリン(2当量)の溶液を、樹脂結合した遊離アミンペプチドに添加し、周囲温度で4時間振盪した。この樹脂を、DMF(4×)及びCHCl(4×)で洗浄し、真空下で乾燥した。
【0251】
樹脂からの切断(スキームXprmtl1に従う)
このペプチドを、TFA、水、フェノール及びトリイソプロピルシラン(85:5:5:5容量%)の混合物による処理により、樹脂から切断した。その後ペプチドを、メチル−tert−ブチルエーテルにより沈殿させ、その溶媒を遠心分離により除去し、粗生成物を真空中で乾燥させた。
【0252】
HPLC−精製(スキームXprmtl1に従う)
カラムの材料とサイズ:Luna C−18;5μ;150×21.2mm
移動相:A)水+0.1%TFA
B)アセトニトリル+0.1%TFA
勾配:5〜40%B、20分間
正しい分子量を有する画分(分析LC−ESI−MS)を収集し、凍結乾燥し、純粋な生成物を得た。
【0253】
生成物例
【0254】
【表9】

【0255】
【表10】

【0256】
精製された生成物のHPLC分析
・表のエントリー1
【0257】
【化46】

【0258】
−{5−[(N−{[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]カルボニル}−3−スルホ−L−アラニル)アミノ]ペンタノイル}−L−グルタミニル−L−トリプトフィル−L−アラニル−L−バリルグリシル−N−[(4R、5S)−1−{[(2S)−1−アミノ−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル]アミノ}−5−メチル−L−オキソヘプタン−4−イル]−L−ヒスチジンアミドトリフルオロ酢酸塩
図1
ピーク(1)+(2)は、システムのピークである;ピーク3は、本生成物に対応している。
【0259】
・表のエントリー2
【0260】
【化47】

【0261】
−[5−({[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]カルボニル}アミノ)ペンタノイル]−L−グルタミニル−L−トリプトフィル−L−アラニル−L−バリルグリシル−N−[(4R、5S)−L−{[(2S)−1−アミノ−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル]アミノ}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−L−ヒスチジンアミドトリフルオロ酢酸塩
図2
ピーク(1)は、本生成物に対応している。
【0262】
・表のエントリー3
【0263】
【化48】

【0264】
−{5−[({4−[ビス(4−メチルフェニル)スルホニオ]フェニル}カルボニル)アミノ]ペンタノイル}−L−グルタミニル−L−トリプトフィル−L−アラニル−L−バリル−N−メチルグリシル−N−[(4R,5S)−1−{[(2S)−1−アミノ−3−シクロプロピル−1−オキソプロパン−2−イル]アミノ}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−L−ヒスチジンアミドトリフルオロ酢酸塩
図3
ピーク(6)は、本生成物に対応している。
【0265】
・表のエントリー4
【0266】
【化49】

【0267】
N−{[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]カルボニル}グリシル−L−チロシル−L−アラニル−L−ヒスチジンアミドトリフルオロ酢酸塩
図4
ピーク(1)は、本生成物に対応している。
【0268】
・表のエントリー5
【0269】
【化50】

【0270】
−[5−({[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]カルボニル}アミノ)ペンタノイル]−L−グルタミニル−L−トリプトフィル−L−アラニル−L−バリル−N−メチルグリシル−N−[(4R,5S)−1−{[(2S)−1−アミノ−3−シクロプロピル−1−オキソプロパン−2−イル]アミノ}−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−L−ヒスチジンアミドトリフルオロ酢酸塩
図5
ピーク(5)は、本生成物に対応している。
【0271】
・表のエントリー6
【0272】
【化51】

【0273】
N−{[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]カルボニル}−L−バリル−β−アラニル−L−フェニルアラニルグリシンアミドトリフルオロ酢酸塩
図6
ピーク(1)は、本生成物に対応している。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
A、A’及びQは、各出現において独立しており、かつアリール、置換アリール、ヘテロアリール、及び置換ヘテロアリールを含む群から個別に選択され、ここでA及びA’、A及びQ、又はA’及びQのいずれかは任意に、Rを介して相互に連結されており、
ここで、置換されている場合、該アリール又は該ヘテロアリール上に1つ又は複数の置換基(複数)が存在し、かつこの1つ又は複数の置換基は、該アリール又はヘテロアリールのいずれかの位置に存在し、
Sは硫黄であり、
は、無機酸の対応する塩基及び有機酸の対応する塩基を含む群から選択され、
L−M−Y−Zは、結合及びリンカーを含む群から選択され、該結合は、単結合、二重結合又は三重結合から選択され、該結合はEをQに接続し、該リンカーはEをQに接続し、
Eは、標的化物質であり、
は、結合、酸素原子、硫黄原子、(N−アルキル)窒素、特に(N−(C−C)アルキル)窒素、(C−C)アルキレン、及び(C−C)アルキレンを含む群から選択される。]
で表される化合物(該化合物は、鏡像異性体及びジアステレオマー、及びラセミ混合物を含むが、これらに限定されるものではない、全ての異性体型を含む);並びにそれらの薬学的に許容される塩、エステル、アミド、錯体又はプロドラッグ。
【請求項2】
式II:
【化2】

[式中、
A、A’及びQは、各出現において独立しており、かつアリール、置換アリール、ヘテロアリール、及び置換ヘテロアリールを含む群から個別に選択され、ここでA及びA’、A及びQ、又はA’及びQのいずれかは任意に、Rを介して相互に連結されており、
ここで、置換されている場合、該アリール又は該ヘテロアリール上に1つ又は複数の置換基(複数)が存在し、かつこの1つ又は複数の置換基は、該アリール又はヘテロアリールのいずれかの位置に存在し、
Sは硫黄であり、
は、無機酸の対応する塩基及び有機酸の対応する塩基を含む群から選択され、
L−M−Y−Zは、結合及びリンカーを含む群から選択され、該結合は、単結合、二重結合又は三重結合から選択され、該結合はEをQに接続し、該リンカーはEをQに接続し、
Eは、標的化物質であり、
は、結合、酸素原子、硫黄原子、(N−アルキル)窒素、特に(N−(C−C)アルキル)窒素、(C−C)アルキレン、及び(C−C)アルキレンを含む群から選択され、並びに
は、Qである。]
で表される化合物を製造する方法であって、式Iの化合物をフッ素化剤と反応させるステップを含む、方法。
【請求項3】
式III
【化3】

[式中、
A、A’、S、Q、L、X及びMは、先に定義されたものであり、並びに
FGは、
aa)ヒドロキシ、
bb)ヨード、
cc)ブロモ、
dd)クロロ、
ee)N
f)C≡CH、
g)C(O)OR
h)活性エステル部位、
i)C(O)−Hal、
j)NHR
k)N=C=O、
l)N=C=S、
m)O−S(O)−アリール、
n)OS(O)−アルキル、
o)SO−Hal、
p)SH、
q)SH、
r)O−C(=O)−Hal、
s)O−C(=S)−Hal、
【化4】

を含む群から選択され、
は、先に定義されたものであり、並びに
は、
a)水素、
b)活性エステル部位、
c)(C−C)アルキル、
d)(C−C)アルケニル、及び
e)アリールアルキル:を含む群から選択され、
ここで、Halは、F、Cl、Br又はIなどのハロゲンである。]
で表される化合物(該化合物は、鏡像異性体及びジアステレオマー、及びラセミ混合物を含むが、これらに限定されるものではない、全ての異性体型を含む);並びにそれらの薬学的に許容される塩、エステル、アミド、錯体又はプロドラッグ。
【請求項4】
式IV:
【化5】

[式中、
はQであり、
Lは、
a)−C(=O)H、
b)−S(=O)H、
c)−S(=O)H、
d)−N(H)−C(=O)H、及び
e)−C≡C−C(=O)−
を含む群から選択され、
Lは、Sに対し、オルト、メタ、パラ、又はいずれか他の位置にあり;
Mは、
a)単結合、二重結合又は三重結合から選択される結合、
b)−(CH−、
c)−(CH−D−(CH−、
d)−N(R)−(CH、及び
e)−N(R)−(CH−(CH−O−CH−(CH
を含む群から選択され、
FGは、
aa)ヒドロキシ、
bb)ヨード、
cc)ブロモ、
dd)クロロ、
ee)N
ff)C≡CH、
gg)C(O)OR
hh)活性エステル部位、
ii)C(O)−Hal、
jj)NHR
kk)N=C=O、
ll)N=C=S、
mm)O−S(O)−アリール、
nn)OS(O)−アルキル、
oo)SO−Hal、
pp)SH、
qq)SH、
rr)O−C(=O)−Hal、
ss)O−C(=S)−Hal、
【化6】

を含む群から選択される。]
で表される化合物を製造する方法であって、フッ素化剤と反応させるステップを含む、方法。
【請求項5】
式IIIの化合物を、式V:
【化7】

(式中、FGは、FGと同じであり、かつEは、標的化物質である。)
の化合物と反応させるステップを含む、請求項1記載の式Iの化合物を製造する方法。
【請求項6】
Eが、ペプチド(もしくはペプチド模倣物)、オリゴヌクレオチド又は小分子である、請求項1〜5記載のいずれか1項記載の化合物。
【請求項7】
式I又はIII記載の化合物及び薬学的に許容される担体又は希釈剤を含む、医薬組成物。
【請求項8】
1個の密封バイアル中又は個別の密封バイアル中に、請求項1記載の式Iの化合物及び/又は請求項3記載の式IIIの化合物の所定量を含む密封バイアルを含有するキット。
【請求項9】
中枢神経系疾患、非限定的に、炎症及び自己免疫疾患、アレルギー、感染症及び毒素誘発性疾患及び虚血誘発性疾患、病態生理学的関連を伴う薬物誘発性炎症、神経炎症、神経変性疾患、癌、心血管疾患、及び代謝性疾患を含む疾患の治療のための医薬の製造のための、先に定義された式I、II、III及びIVの化合物又は先に定義された組成物の使用。
【請求項10】
イメージング剤としての、式II又はIVの化合物の使用。

【公表番号】特表2012−511527(P2012−511527A)
【公表日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−539936(P2011−539936)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【国際出願番号】PCT/EP2009/008667
【国際公開番号】WO2010/066380
【国際公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(300049958)バイエル ファーマ アクチエンゲゼルシャフト (357)
【Fターム(参考)】