説明

隊列走行システム、先頭無人車両コントローラ、後続有人車両コントローラ、制御方法、及びプログラム

【課題】複数の車両を隊列走行させること。
【解決手段】先頭無人車両コントローラ110と、後続有人車両コントローラ130とを備え、先頭無人車両コントローラ110は、映像を示すデータを後続有人車両コントローラ130に送信する映像データ送信部と、無人車両200Aの操縦を制御するためのデータを後続有人車両コントローラ130から受信する制御データ受信部と、無人車両200Aの操縦を制御する操縦制御部とを有し、後続有人車両コントローラ130は、映像を示すデータを先頭無人車両コントローラ110から受信する映像データ受信部と、映像データ受信部が受信したデータを、表示手段に出力する映像データ出力部と、無人車両200Aの操縦を制御するためのデータの入力を、操縦手段から受け付ける制御データ入力受付部と、制御データ入力受付部が入力を受け付けたデータを先頭無人車両コントローラ110に送信する制御データ送信部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隊列走行システム、先頭無人車両コントローラ、後続有人車両コントローラ、制御方法、及びプログラムに関する。特に本発明は、複数の車両を隊列走行させる隊列走行システム、人が乗車しない隊列の先頭の無人車両に搭載される先頭無人車両コントローラ、隊列の後続の車両のうち人が乗車する有人車両に搭載される後続有人車両コントローラ、当該隊列走行システム、先頭無人車両コントローラ、及び後続有人車両コントローラを制御する制御方法、並びに当該隊列走行システム、先頭無人車両コントローラ、及び後続有人車両コントローラ用のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
大量の物資を輸送するような状況では、物資を複数の車両に分けて搭載し、これら各車両に隊列走行させることがある。その場合、各車両には、その車両を運転する運転手が乗車しなければならず、効率的でない。このような問題を解決するための手段としては、省人化を目的とする様々な隊列走行システムが提案されている。
【0003】
省人化を目的とする隊列走行システムとしては、例えば、運転手が運転している先導車両に自動追従させるべく、人が乗車しない複数の後続車両を縦列走行させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この隊列走行システムは、先導車両にのみ運転手が乗車すればよいので、大幅な省人化を実現しているといえる。
【0004】
また、省人化を目的とする別の隊列走行システムとしては、隊列を組む全ての車両に運転手が乗車せずに、各車両が予め登録された経路に沿って走行するといった方法も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−207729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
引用文献1に記載の隊列走行システムによると、運転手は、先導車両に乗車する。しかしながら、災害発生地域等において隊列走行するような状況では、走行経路に障害物や危険物が存在することもあり、隊列を組んでいる複数の車両のうち先導車両の危険度が最も高くなってしまう。
【0007】
一方、全ての車両に運転手が乗車しない隊列走行システムは、整備された既知の経路を走行することを前提としている。そのため、このような無人の隊列走行システムは、未知の経路や、障害物や危険物が存在するような経路を走行するような状況には向かない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によると、複数の車両を隊列走行させる隊列走行システムであって、人が乗車しない隊列の先頭の無人車両に搭載される先頭無人車両コントローラと、隊列の後続の車両のうち人が乗車する有人車両に搭載される後続有人車両コントローラとを備え、先頭無人車両コントローラは、先頭の無人車両に設けられた撮影手段によって撮影された映像を示すデータを後続有人車両コントローラに送信する映像データ送信部と、先頭の無人車両の操縦を制御するためのデータを後続有人車両コントローラから受信する制御データ受信部と、制御データ受信部が受信したデータに基づいて、先頭の無人車両の操縦を制御する操縦制御部とを有し、後続有人車両コントローラは、映像を示すデータを先頭無人車両コントローラから受信する映像データ受信部と、映像データ受信部が受信したデータを、後続の有人車両に設けられた表示手段に出力する映像データ出力部と、先頭の無人車両の操縦を制御するためのデータの入力を、後続の有人車両に設けられた操縦手段から受け付ける制御データ入力受付部と、制御データ入力受付部が入力を受け付けたデータを先頭無人車両コントローラに送信する制御データ送信部とを有する。
【0009】
先頭無人車両コントローラは、操縦制御部が制御したことによって走行した先頭の無人車両の走行軌跡を示すデータを後続有人車両コントローラに送信する走行軌跡データ送信部を更に有し、後続有人車両コントローラは、走行軌跡を示すデータを先頭無人車両コントローラから受信する走行軌跡データ受信部と、走行軌跡データ受信部が受信したデータによって示される走行軌跡に沿って後続の有人車両を走行させるべく、後続の有人車両の操縦を制御する操縦制御部を更に有してよい。
【0010】
先頭無人車両コントローラは、先頭の無人車両が走行すべき経路を示す情報を格納する経路情報格納部を更に有し、先頭無人車両コントローラの操縦制御部は、経路情報格納部が格納している情報によって示される経路に沿って先頭の無人車両を走行させるべく、先頭の無人車両の操縦を制御すると共に、制御データ受信部が受信したデータに基づいて、先頭の無人車両の操縦を割り込み制御してよい。
【0011】
先頭無人車両コントローラの操縦制御部は、制御データ受信部がデータを受信することができなくなった場合、先頭の無人車両を停止させるべく、先頭の無人車両の操縦を制御してよい。
【0012】
後続有人車両コントローラの操縦制御部は、走行軌跡データ受信部がデータを受信することができなくなった場合、後続の有人車両を停止させるべく、後続の有人車両の操縦を制御してよい。
【0013】
後続有人車両コントローラは、制御データ入力受付部が入力を受け付けたデータに基づいて、先頭の無人車両が走行すべき経路を算出する経路算出部と、経路算出部が算出した経路と、走行軌跡データ受信部が受信したデータによって示される先頭の無人車両の走行軌跡とを比較し、その誤差が所定の閾値を超えたか否かを判定する誤差判定部とを更に有し、後続有人車両コントローラの操縦制御部は、誤差が所定の閾値を超えたと誤差判定部が判定した場合、後続の有人車両を停止させるべく、後続の有人車両の操縦を制御してよい。
【0014】
本発明の第2の形態によると、複数の車両を隊列走行させる隊列走行システムを制御する制御方法であって、人が乗車しない隊列の先頭の無人車両に搭載される先頭無人車両コントローラが、先頭の無人車両に設けられた撮影手段によって撮影された映像を示すデータを、隊列の後続の車両のうち人が乗車する有人車両に搭載される後続有人車両コントローラに送信する映像データ送信段階と、後続有人車両コントローラが、映像を示すデータを先頭無人車両コントローラから受信する映像データ受信段階と、後続有人車両コントローラが、映像データ受信段階において受信されたデータを、後続の有人車両に設けられた表示手段に出力する映像データ出力段階と、後続有人車両コントローラが、先頭の無人車両の操縦を制御するためのデータの入力を、後続の有人車両に設けられた操縦手段から受け付ける制御データ入力受付段階と、後続有人車両コントローラが、制御データ入力受付段階において入力が受け付けられたデータを先頭無人車両コントローラに送信する制御データ送信段階と、先頭無人車両コントローラが、先頭の無人車両の操縦を制御するためのデータを後続有人車両コントローラから受信する制御データ受信段階と、先頭無人車両コントローラが、制御データ受信段階において受信されたデータに基づいて、先頭の無人車両の操縦を制御する操縦制御段階とを備える。
【0015】
本発明の第3の形態によると、複数の車両を隊列走行させる隊列走行システム用のプログラムであって、人が乗車しない隊列の先頭の無人車両に搭載される先頭無人車両コントローラを、先頭の無人車両に設けられた撮影手段によって撮影された映像を示すデータを、隊列の後続の車両のうち人が乗車する有人車両に搭載される後続有人車両コントローラに送信する映像データ送信部、先頭の無人車両の操縦を制御するためのデータを後続有人車両コントローラから受信する制御データ受信部、制御データ受信部が受信したデータに基づいて、先頭の無人車両の操縦を制御する操縦制御部として機能させ、後続有人車両コントローラを、映像を示すデータを先頭無人車両コントローラから受信する映像データ受信部、映像データ受信部が受信したデータを、後続の有人車両に設けられた表示手段に出力する映像データ出力部、先頭の無人車両の操縦を制御するためのデータの入力を、後続の有人車両に設けられた操縦手段から受け付ける制御データ入力受付部、制御データ入力受付部が入力を受け付けたデータを先頭無人車両コントローラに送信する制御データ送信部として機能させる。
【0016】
本発明の第4の形態によると、人が乗車しない隊列の先頭の無人車両に搭載される先頭無人車両コントローラであって、先頭の無人車両に設けられた撮影手段によって撮影された映像を示すデータを、隊列の後続の車両のうち人が乗車する有人車両に搭載される後続有人車両コントローラに送信する映像データ送信部と、先頭の無人車両の操縦を制御するためのデータを後続有人車両コントローラから受信する制御データ受信部と、制御データ受信部が受信したデータに基づいて、先頭の無人車両の操縦を制御する操縦制御部とを備える。
【0017】
本発明の第5の形態によると、人が乗車しない隊列の先頭の無人車両に搭載される先頭無人車両コントローラを制御する制御方法であって、先頭の無人車両に設けられた撮影手段によって撮影された映像を示すデータを、隊列の後続の車両のうち人が乗車する有人車両に搭載される後続有人車両コントローラに送信する映像データ送信段階と、先頭の無人車両の操縦を制御するためのデータを後続有人車両コントローラから受信する制御データ受信段階と、制御データ受信段階において受信されたデータに基づいて、先頭の無人車両の操縦を制御する操縦制御段階とを備える。
【0018】
本発明の第6の形態によると、人が乗車しない隊列の先頭の無人車両に搭載される先頭無人車両コントローラ用のプログラムであって、先頭無人車両コントローラを、先頭の無人車両に設けられた撮影手段によって撮影された映像を示すデータを、隊列の後続の車両のうち人が乗車する有人車両に搭載される後続有人車両コントローラに送信する映像データ送信部、先頭の無人車両の操縦を制御するためのデータを後続有人車両コントローラから受信する制御データ受信部、制御データ受信部が受信したデータに基づいて、先頭の無人車両の操縦を制御する操縦制御部として機能させる。
【0019】
本発明の第7の形態によると、隊列の後続の車両のうち人が乗車する有人車両に搭載される後続有人車両コントローラであって、人が乗車しない隊列の先頭の無人車両に設けられた撮影手段によって撮影された映像を示すデータを、先頭の無人車両に搭載される先頭無人車両コントローラから受信する映像データ受信部と、映像データ受信部が受信したデータを、後続の有人車両に設けられた表示手段に出力する映像データ出力部と、先頭の無人車両の操縦を制御するためのデータの入力を、後続の有人車両に設けられた操縦手段から受け付ける制御データ入力受付部と、制御データ入力受付部が入力を受け付けたデータを先頭無人車両コントローラに送信する制御データ送信部とを備える。
【0020】
本発明の第8の形態によると、隊列の後続の車両のうち人が乗車する有人車両に搭載される後続有人車両コントローラを制御する制御方法であって、人が乗車しない隊列の先頭の無人車両に設けられた撮影手段によって撮影された映像を示すデータを、先頭の無人車両に搭載される先頭無人車両コントローラから受信する映像データ受信段階と、映像データ受信段階において受信されたデータを、後続の有人車両に設けられた表示手段に出力する映像データ出力段階と、先頭の無人車両の操縦を制御するためのデータの入力を、後続の有人車両に設けられた操縦手段から受け付ける制御データ入力受付段階と、制御データ入力受付段階において入力が受け付けられたデータを先頭無人車両コントローラに送信する制御データ送信段階とを備える。
【0021】
本発明の第9の形態によると、隊列の後続の車両のうち人が乗車する有人車両に搭載される後続有人車両コントローラ用のプログラムであって、後続有人車両コントローラを、人が乗車しない隊列の先頭の無人車両に設けられた撮影手段によって撮影された映像を示すデータを、先頭の無人車両に搭載される先頭無人車両コントローラから受信する映像データ受信部、映像データ受信部が受信したデータを、後続の有人車両に設けられた表示手段に出力する映像データ出力部、先頭の無人車両の操縦を制御するためのデータの入力を、後続の有人車両に設けられた操縦手段から受け付ける制御データ入力受付部、制御データ入力受付部が入力を受け付けたデータを先頭無人車両コントローラに送信する制御データ送信部として機能させる。
【0022】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
【発明の効果】
【0023】
以上の説明から明らかなように、この発明によれば、人は、先頭車両以外の後続車両のうち、いずれか1台の車両に乗車すればよい。よって、この発明では、未知の経路や、障害物や危険物が存在するような経路を走行する場合に安全な隊列走行を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】一実施形態に係る隊列走行システム100の利用環境の一例を示す図である。
【図2】車両200Aの構成の一例を示す図である。
【図3】車両200Bの構成の一例を示す図である。
【図4】車両200aの構成の一例を示す図である。
【図5】車載コントローラ110のブロック構成の一例を示す図である。
【図6】車載コントローラ130のブロック構成の一例を示す図である。
【図7】車載コントローラ150aのブロック構成の一例を示す図である。
【図8】車載コントローラ110、車載コントローラ130、及び車載コントローラ150の動作シーケンスの一例を示す図である。
【図9】車両200Aの走行に問題が発生した場合の車載コントローラ110、車載コントローラ130、及び車載コントローラ150aの動作シーケンスの一例を示す図である。
【図10】経路情報格納部111が格納している情報の一例をテーブル形式で示す図である。
【図11】車載コントローラ110、車載コントローラ130、及び車載コントローラ150のそれぞれのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0026】
図1は、一実施形態に係る隊列走行システム100の利用環境の一例を示す。隊列走行システム100は、複数の車両200A、車両200B、及び車両200a、b、c、・・・(以下、車両200と総称する。)を隊列走行させるシステムである。隊列走行システム100は、車載コントローラ110、車載コントローラ130、複数の車載コントローラ150a、b、c、・・・(以下、車載コントローラ150と総称する。)、及び通信回線170を備える。なお、通信回線170は、インターネット等のコンピュータネットワーク、通信事業者のコアネットワーク、及び種々のローカルネットワークであってよい。
【0027】
車載コントローラ110は、車両200Aに搭載されている。具体的には、車両200Aは、隊列の先頭を走行する先頭車両である。車両200Aには、人は乗車していない。また、車両200Aには、車載コントローラ110を通信回線170に通信接続するための通信アンテナ201Aが設けられている。そして、車載コントローラ110と通信アンテナ201Aとは、通信ケーブルを介して電気的に接続されている。なお、車載コントローラ110は、この発明における「先頭無人車両コントローラ」の一例であってよい。
【0028】
車載コントローラ130は、車両200Bに搭載されている。具体的には、車両200Bは、隊列の先頭以外を走行する後続車両である。車両200Bには、人が乗車している。また、車両200Bには、車載コントローラ130を通信回線170に通信接続するための通信アンテナ201Bが設けられている。そして、車載コントローラ130と通信アンテナ201Bとは、通信ケーブルを介して電気的に接続されている。なお、車載コントローラ130は、この発明における「後続有人車両コントローラ」の一例であってよい。
【0029】
車載コントローラ150は、車両200a、b、c、・・・に搭載されている。具体的には、車両200a、b、c、・・・は、隊列の先頭以外を走行する後続車両である。車両200a、b、c、・・・には、人は乗車していても、乗車していなくても、どちらでも構わない。また、車両200a、b、c、・・・には、車載コントローラ150を通信回線170に通信接続するための通信アンテナ201が設けられている。そして、車載コントローラ150と通信アンテナ201とは、通信ケーブルを介して電気的に接続されている。
【0030】
図2は、車両200Aの構成の一例を示す。車両200Aには、通信アンテナ201Aの他に、ビデオカメラ202A、GPS(Global Positioning System)受信機205A、IMU(Inertial Measurement Unit)206A、車速検出器207A、車速検出器208A、車速検出器209A、車速検出器210A、ステアリングアクチュエータ211A、アクセルアクチュエータ212A、ブレーキアクチュエータ213A、及びシフトチェンジアクチュエータ214Aが設けられている。以下に、各構成要素の機能及び動作を説明する。
【0031】
なお、車両200A以外の車両200B、及び車両200a、b、c、・・・も、車両200aが有する構成要素と同様の構成要素を有する。以後の説明では、車両200が有する構成要素がいずれの車両200の構成要素であるかを区別する場合には、各構成要素を有する車両200と同じ添え字(A、B、a、b、c、・・・)を各構成要素の末尾に付して区別する。例えば、通信アンテナ201A、通信アンテナ201B、及び通信アンテナ201aは、それぞれ車両200A、車両200B、及び車両200aの構成要素であることを示す。
【0032】
また、以後の説明において、添え字が付されていない構成要素の機能及び動作は、同じ符号が付されたいずれの構成要素の機能及び動作を示す。例えば、通信アンテナ201で説明された機能及び動作は、通信アンテナ201A、通信アンテナ201B、通信アンテナ201a、・・・の機能及び動作を示す。
【0033】
ビデオカメラ202Aは、車両200Aの前方の状況を撮影する装置である。具体的には、ビデオカメラ202Aは、映像ケーブルを介して車載コントローラ110と電気的に接続されている。そして、ビデオカメラ202Aは、車両200Aの前方の状況を撮影すると、その映像を示すデータを車載コントローラ110に出力する。なお、ビデオカメラ202Aは、この発明における「撮影手段」の一例であってよい。
【0034】
GPS受信機205Aは、地球上における車両200Aの位置を特定する装置である。具体的には、GPS受信機205Aは、上空にある数個の衛星からの信号を受信する手段と、受信した信号に基づいて、地球上における車両200Aの位置を特定する手段とを備えている。また、GPS受信機205Aは、データケーブルを介して車載コントローラ110と電気的に接続されている。そして、GPS受信機205Aは、地球上における車両200Aの位置を特定すると、その位置を示すデータを車載コントローラ110に出力する。
【0035】
IMU206Aは、車両200Aの3次元の角度と加速度を検出する装置である。具体的には、IMU206Aは、3軸のジャイロと、3方向の加速度計によって構成されている。また、IMU206Aは、データケーブルを介して車載コントローラ110と電気的に接続されている。そして、IMU206Aは、車両200Aの3次元の角度と加速度を検出すると、その各値を示すデータを車載コントローラ110に出力する。
【0036】
車速検出器207A、車速検出器208A、車速検出器209A、及び車速検出器210Aは、車両200Aの車輪の速度を検出する装置である。具体的には、車速検出器207Aは、車両200Aの左前輪の車軸の回転数に比例してパルス信号を発生する手段と、そのパルス信号に基づいて、左前輪の速度を算出する手段とを備えている。同様に、車速検出器208Aは、車両200Aの右前輪の車軸の回転数に比例してパルス信号を発生する手段と、そのパルス信号に基づいて、右前輪の速度を算出する手段とを備えている。同様に、車速検出器209Aは、車両200Aの左後輪の車軸の回転数に比例してパルス信号を発生する手段と、そのパルス信号に基づいて、左後輪の速度を算出する手段とを備えている。同様に、車速検出器210Aは、車両200Aの右後輪の車軸の回転数に比例してパルス信号を発生する手段と、そのパルス信号に基づいて、右後輪の速度を算出する手段とを備えている。また、車速検出器207A、車速検出器208A、車速検出器209A、及び車速検出器210Aは、それぞれデータケーブルを介して車載コントローラ110と電気的に接続されている。そして、車速検出器207A、車速検出器208A、車速検出器209A、及び車速検出器210Aは、車輪の速度を算出すると、その値を示すデータを車載コントローラ110に出力する。
【0037】
ステアリングアクチュエータ211Aは、車両200Aのステアリングを物理的に制御する装置である。具体的には、ステアリングアクチュエータ211Aは、車両200Aのステアリング機構に機械的に接続されている。また、ステアリングアクチュエータ211Aは、データケーブルを介して車載コントローラ110と電気的に接続されている。そして、ステアリングアクチュエータ211Aは、車載コントローラ110から出力された制御データの入力を受け付けると、その制御データに従って車両200Aのステアリングを物理的に制御する。
【0038】
アクセルアクチュエータ212Aは、車両200Aのアクセルを物理的に制御する装置である。具体的には、アクセルアクチュエータ212Aは、車両200Aのアクセル機構に機械的に接続されている。また、アクセルアクチュエータ212Aは、データケーブルを介して車載コントローラ110と電気的に接続されている。そして、アクセルアクチュエータ212Aは、車載コントローラ110から出力された制御データの入力を受け付けると、その制御データに従って車両200Aのアクセルを物理的に制御する。
【0039】
ブレーキアクチュエータ213Aは、車両200Aのブレーキを物理的に制御する装置である。具体的には、ブレーキアクチュエータ213Aは、車両200Aのブレーキ機構に機械的に接続されている。また、ブレーキアクチュエータ213Aは、データケーブルを介して車載コントローラ110と電気的に接続されている。そして、ブレーキアクチュエータ213Aは、車載コントローラ110から出力された制御データの入力を受け付けると、その制御データに従って車両200Aのブレーキを物理的に制御する。
【0040】
シフトチェンジアクチュエータ214Aは、車両200Aの変速機を制御する装置である。具体的には、シフトチェンジアクチュエータ214Aは、車両200Aの変速機に機械的に接続されている。また、シフトチェンジアクチュエータ213Aは、データケーブルを介して車載コントローラ110と電気的に接続されている。そして、シフトチェンジアクチュエータ214Aは、車載コントローラ110から出力された制御データの入力を受け付けると、その制御データに従って車両200Aの変速機を制御する。
【0041】
図3は、車両200Bの構成の一例を示す。車両200Bには、通信アンテナ201Bの他に、ディスプレイ203B、ジョイスティック204B、GPS受信機205B、IMU206B、車速検出器207B、車速検出器208B、車速検出器209B、車速検出器210B、ステアリングアクチュエータ211B、アクセルアクチュエータ212B、ブレーキアクチュエータ213B、及びシフトチェンジアクチュエータ214Bが設けられている。以下に、各構成要素の機能及び動作を説明する。
【0042】
なお、車両200Bのディスプレイ203B及びジョイスティック204B以外の各構成要素は、車両200Aの各構成要素が車載コントローラ110と電気的に接続されているのに対し、車載コントローラ130と電気的に接続されていることを除けば同様の機能及び動作であるため、その詳細な説明を省略する。
【0043】
ディスプレイ203Bは、文字や図形、映像等の情報を表示する装置である。具体的には、ディスプレイ203Bは、ディスプレイケーブルを介して車載コントローラ130と接続されている。そして、ディスプレイ203Bは、車載コントローラ130から出力されたデータの入力を受け付けると、そのデータによって示される情報を表示する。なお、ディスプレイ203Bは、この発明における「表示手段」の一例であってよい。
【0044】
ジョイスティック204Bは、ディスプレイ203Bの画面上における入力位置や座標を指定する装置である。具体的には、ジョイスティック204Bは、レバーといくつかのボタンを備えている。また、ジョイスティック204Bは、データケーブルを介して車載コントローラ130と接続されている。そして、ジョイスティック204Bは、レバーが前後左右に倒されると、その操作量を示すデータを車載コントローラ130に出力する。また、ジョイスティック204Bは、ボタンが押下されると、押下されたボタンを識別するデータを車載コントローラ130に出力する。なお、ジョイスティック204Bは、この発明における「操縦手段」の一例であってよい。また、レバーの操作量を示すデータ、及び押下されたボタンを識別するデータは、この発明における「先頭の無人車両の操縦を制御するためのデータ」の一例であってよい。
【0045】
図4は、車両200aの構成の一例を示す。車両200aには、通信アンテナ201aの他に、GPS受信機205a、IMU206a、車速検出器207a、車速検出器208a、車速検出器209a、車速検出器210a、ステアリングアクチュエータ211a、アクセルアクチュエータ212a、ブレーキアクチュエータ213a、及びシフトチェンジアクチュエータ214aが設けられている。
【0046】
車両200aの各構成要素は、車両200Aの各構成要素が車載コントローラ110と電気的に接続されているのに対し、車載コントローラ150aと電気的に接続されていることを除けば同様の機能及び動作であるため、その詳細な説明を省略する。また、車両200b、c、・・・の構成は、車両200aの構成と同じ構成であるため、その詳細な説明を省略する。
【0047】
このような隊列走行システム100においては、車両200Aを先頭に、車両200B、車両200a、車両200b、車両200c、・・・が順に後続して走行するよう各車両200の操縦が制御される。
【0048】
具体的には、先頭を走行すべき車両200Aに設けられたビデオカメラ202Aは、車両200Aの前方の状況を撮影している。そして、ビデオカメラ202Aは、撮影した映像を示すデータを車載コントローラ110に出力する。車載コントローラ110は、ビデオカメラ202Aから出力された映像を示すデータの入力を受け付けると、そのデータを車載コントローラ130に送信する。
【0049】
車載コントローラ130は、車載コントローラ110から送信された映像を示すデータを受信すると、そのデータをディスプレイ203Bに出力する。このようにして、ディスプレイ203Bには、車両200Aの前方の状況を撮影した映像が表示されることになる。
【0050】
車両200Bには、操縦者が乗車している。但し、この操縦者は、乗車している車両200Bを操縦するわけではなく、乗車していない車両200Aを遠隔操縦する。具体的には、操縦者は、ディスプレイ203Bに表示される映像を見ながら、ジョイスティック204Bのレバーやボタンを操作することによって、車両200Aを遠隔操縦する。
【0051】
ジョイスティック204Bは、レバーやボタンが操縦者によって操作されると、レバーの操作量や、押下されたボタンを識別するデータを車載コントローラ130に出力する。車載コントローラ130は、ジョイスティック204Bから出力されたデータの入力を受け付けると、そのデータを車載コントローラ110に送信する。
【0052】
車載コントローラ110は、車載コントローラ130から送信されたデータを受信すると、そのデータによって示されるジョイスティック204Bの操作情報に基づいて、ステアリングアクチュエータ211A、アクセルアクチュエータ212A、ブレーキアクチュエータ213A、及びシフトチェンジアクチュエータ214Aの動作を制御する。
【0053】
例えば、受信したデータが「ジョイスティック204Bのレバーが左右に倒された操作量」を示す情報を含んでいる場合、車載コントローラ110は、その操作量に応じて、ステアリングが操作されるべき操作量を算出し、その値を示す制御データをステアリングアクチュエータ211Aに出力する。ステアリングアクチュエータ211Aは、制御データの入力を受け付けると、そのデータによって示される操作量となるよう、車両200Aのステアリングを物理的に制御する。
【0054】
また、例えば、受信したデータが「ジョイスティック204Bのレバーが前に倒された操作量」を示す情報を含んでいる場合、車載コントローラ110は、その操作量に応じて、アクセルが操作されるべき操作量を算出し、その値を示す制御データをアクセルアクチュエータ212Aに出力する。アクセルアクチュエータ212Aは、制御データの入力を受け付けると、そのデータによって示される操作量となるよう、車両200Aのアクセルを物理的に制御する。
【0055】
また、例えば、受信したデータが「ジョイスティック204Bのレバーが後ろに倒された操作量」を示す情報を含んでいる場合、車載コントローラ110は、その操作量に応じて、ブレーキが操作されるべき操作量を算出し、その値を示す制御データをブレーキアクチュエータ213Aに出力する。ブレーキアクチュエータ213Aは、制御データの入力を受け付けると、そのデータによって示される操作量となるよう、車両200Aのブレーキを物理的に制御する。
【0056】
また、例えば、受信したデータが「押下されたボタン」を識別する情報を含んでいる場合、車載コントローラ110は、そのボタンに割り当てられているギヤを特定し、そのギヤを示す制御データをシフトチェンジアクチュエータ214Aに出力する。シフトチェンジアクチュエータ214Aは、制御データの入力を受け付けると、そのデータによって示されるギヤに変速するよう、車両200Aの変速機を物理的に制御する。このようにして、車両200Aは、車両200Bに乗車している操縦者の操縦によって、ステアリング、アクセル、ブレーキ、及び変速機が遠隔的に操作され、走行することになる。
【0057】
車両200Aが走行すると、GPS受信機205Aは、地球上における車両200Aの位置を特定し、その位置を示すデータを車載コントローラ110に出力する。IMU206Aは、車両200Aの3次元の角度と加速度を検出し、その各値を示すデータを車載コントローラ110に出力する。また、車速検出器207A、車速検出器208A、車速検出器209A、及び車速検出器210Aは、車輪の速度を検出すると、その値を示すデータを車載コントローラ110に出力する。
【0058】
車載コントローラ110は、GPS受信機205Aから出力されたデータの入力を受け付けると、車両200Aの位置の遷移から車両200Aが走行した軌跡を示すデータを生成し、そのデータを車載コントローラ130及び各車載コントローラ150に送信する。なお、車両200Aが走行した軌跡を示すデータは、この発明における「先頭の無人車両の走行軌跡を示すデータ」の一例であってよい。
【0059】
例えば、車両200Aがトンネルに入ったり、建物の影に隠れたりすると、GPS受信機205Aは、地球上における車両200Aの位置を特定することができなくなることがある。そのような場合、車載コントローラ110は、IMU206、車速検出器207A、車速検出器208A、車速検出器209A、及び車速検出器210Aから出力されたデータの入力を受け付けると、これらデータによって示される情報に基づいて、車両200Aが走行した軌跡を示すデータを生成し、そのデータを車載コントローラ130及び各車載コントローラ150に送信する。
【0060】
車載コントローラ130は、車両200Aが走行した軌跡を示すデータを車載コントローラ110から受信すると、その軌跡に沿って車両200Bを走行させるべく、ステアリングアクチュエータ211B、アクセルアクチュエータ212B、ブレーキアクチュエータ213B、及びシフトチェンジアクチュエータ214Bの動作を制御する。
【0061】
例えば、GPS受信機205Bが地球上における車両200Bの位置を特定できている場合、車載コントローラ130は、GPS受信機205Bから出力されたデータによって示される車両200Bの現在位置に基づいて、車両200Aが走行した軌跡に沿って車両200Bを走行させるべく、ステアリングアクチュエータ211B、アクセルアクチュエータ212B、ブレーキアクチュエータ213B、及びシフトチェンジアクチュエータ214Bの動作を制御する。
【0062】
また、例えば、GPS受信機205Bが地球上における車両200Bの位置を特定できていない場合、車載コントローラ130は、IMU206B、車速検出器207B、車速検出器208B、車速検出器209B、及び車速検出器210Bから出力されたデータによって示される各情報に基づいて、車両200Aが走行した軌跡に沿って車両200Bを走行させるべく、ステアリングアクチュエータ211B、アクセルアクチュエータ212B、ブレーキアクチュエータ213B、及びシフトチェンジアクチュエータ214Bの動作を制御する。このようにして、車両200Bは、車両200Aが走行した軌跡に沿って走行することになる。
【0063】
一方、車載コントローラ150は、車両200Aが走行した軌跡を示すデータを車載コントローラ110から受信すると、その軌跡に沿って車両200を走行させるべく、ステアリングアクチュエータ211、アクセルアクチュエータ212、ブレーキアクチュエータ213、及びシフトチェンジアクチュエータ214の動作を制御する。車載コントローラ150によるステアリングアクチュエータ211、アクセルアクチュエータ212、ブレーキアクチュエータ213、及びシフトチェンジアクチュエータ214の動作の制御は、車載コントローラ130による制御と同じであるため、その詳細な説明を省略する。このようにして、車両200a、b、c、・・・は、車両200Aが走行した軌跡に沿って走行することになる。
【0064】
なお、車載コントローラ110は、予め設定された経路に沿って車両200Aを走行させるべく、ステアリングアクチュエータ211A、アクセルアクチュエータ212A、ブレーキアクチュエータ213A、及びシフトチェンジアクチュエータ214Aの動作を制御することもできる。その場合、車載コントローラ110は、ジョイスティック204Bの操作情報を示すデータを車載コントローラ130から受信すると、その操作情報に基づく動作が優先されるよう、ステアリングアクチュエータ211A、アクセルアクチュエータ212A、ブレーキアクチュエータ213A、及びシフトチェンジアクチュエータ214Aの動作を制御する。このようにして、車両200Aは、予め設定された経路に沿って走行すると共に、車両200Bに乗車している人の操作によっても制御されるようにして走行することになる。
【0065】
また、車載コントローラ110は、所定時間以上の間、ジョイスティック204Bの操作情報を示すデータを車載コントローラ130から受信することができなくなった場合、車両200Aを停止させるべく、ステアリングアクチュエータ211A、アクセルアクチュエータ212A、ブレーキアクチュエータ213A、及びシフトチェンジアクチュエータ214Aの動作を制御する。このようにして、車両200Aは、停止することになる。
【0066】
また、車載コントローラ130は、ジョイスティック204Bの操作情報に基づいて、車両200Aが走行すべき経路を算出する。そして、車載コントローラ130は、車両200Aが走行した軌跡を示すデータを車載コントローラ110から受信すると、その軌跡と、算出した経路とを比較し、その誤差が所定の閾値を超えたか否かを判定する。そして、車載コントローラ130は、所定の閾値を超えたと判定した場合、車両200Bを停止させるべく、ステアリングアクチュエータ211B、アクセルアクチュエータ212B、ブレーキアクチュエータ213B、及びシフトチェンジアクチュエータ214Bの動作を制御する。このようにして、車両200Bは、停止することになる。更に、車載コントローラ130は、車両200を停止させるよう指示する旨のデータを各車載コントローラ150に送信する。車載コントローラ150は、車両200を停止させるよう指示する旨のデータを車載コントローラ130から受信すると、車両200を停止させるべく、ステアリングアクチュエータ211、アクセルアクチュエータ212、ブレーキアクチュエータ213、及びシフトチェンジアクチュエータ214の動作を制御する。このようにして、各車両200a、b、c、・・・は、停止することになる。
【0067】
図5は、車載コントローラ110のブロック構成の一例を示す。車載コントローラ110は、経路情報格納部111、映像データ入力受付部112、映像データ送信部113、制御データ受信部114、操縦制御部115、位置データ入力受付部116、3次元データ入力受付部117、車速データ入力受付部118、走行軌跡データ生成部119、及び走行軌跡データ送信部120を有する。以下に、各構成要素の機能及び動作を説明する。
【0068】
映像データ入力受付部112は、ビデオカメラ202Aによって撮影された映像を示すデータの入力を受け付ける。具体的には、映像データ入力受付部112は、ビデオカメラ202Aから出力された映像を示すデータの入力を受け付けると、そのデータを映像データ送信部113に送る。
【0069】
映像データ送信部113は、ビデオカメラ202Aによって撮影された映像を示すデータを車載コントローラ130に送信する。具体的には、映像データ送信部113は、映像を示すデータを映像データ入力受付部112から受け取ると、そのデータを車載コントローラ130に送信する。
【0070】
制御データ受信部114は、車両200Aの操縦を制御するためのデータを車載コントローラ130から受信する。具体的には、制御データ受信部114は、車両200Aの操縦を制御するためのデータを車載コントローラ130から受信すると、そのデータを操縦制御部115に送る。
【0071】
操縦制御部115は、車両200Aの操縦を制御する。具体的には、操縦制御部115は、車両200Aの操縦を制御するためのデータを制御データ受信部114から受け取ると、そのデータによって示される情報に基づいて、動作を制御するためのデータをステアリングアクチュエータ211A、アクセルアクチュエータ212A、ブレーキアクチュエータ213A、及びシフトチェンジアクチュエータ214Aに出力する。
【0072】
また、操縦制御部115は、車両200Aが走行すべき経路を示す情報が経路情報格納部111に格納されている場合、その経路に沿って車両200Aを走行させるべく、車両200Aの操縦を制御すると共に、制御データ受信部が受信したデータに基づいて、車両200Aの操縦を割り込み制御する。具体的には、経路情報格納部111は、車両200Aが走行すべき経路を示す情報として、その経路上の各通過位置を特定する緯度、経路、及び走行路の高さ等のデータや、その各通過位置を通過するときにとるべき速度を示すデータを格納している。このように、車両200Aが走行すべき経路を示す情報が経路情報格納部111に格納されている場合、操縦制御部115は、その情報を経路情報格納部111から読み出す。また、操縦制御部115は、地球上における車両200Aの位置を示すデータを位置データ入力受付部116から受け取る。そして、操縦制御部115は、車両200Aの位置を示す値に基づいて、経路情報格納部111から読み出した情報によって示される経路に沿って車両200Aを走行させるべく、動作を制御するためのデータをステアリングアクチュエータ211A、アクセルアクチュエータ212A、ブレーキアクチュエータ213A、及びシフトチェンジアクチュエータ214Aに出力する。例えば、経路情報格納部111は、アクセルアクチュエータ212Aの動作を制御するためのデータを、走行路の高さから算出される路面の傾斜や、車両200Aがとるべき速度等に基づいて生成して出力する。また、操縦制御部115は、地球上における車両200Aの位置を示すデータを位置データ入力受付部116から受け取ることができない場合、車両200Aの3次元の角度と加速度を示すデータを3次元データ入力受付部117から受け取り、車両200Aの各車輪の速度を示すデータを車速データ入力受付部118から受け取る。そして、操縦制御部115は、車両200Aの3次元の角度と加速度を示す値、及び車両200Aの各車輪の速度を示す値に基づいて、経路情報格納部111から読み出した情報によって示される経路に沿って車両200Aを走行させるべく、動作を制御するためのデータをステアリングアクチュエータ211A、アクセルアクチュエータ212A、ブレーキアクチュエータ213A、及びシフトチェンジアクチュエータ214Aに出力する。また、操縦制御部115は、車両200Aの操縦を制御するためのデータを制御データ受信部114から受け取ると、そのデータによって示される情報に基づく制御を優先して、動作を制御するためのデータをステアリングアクチュエータ211A、アクセルアクチュエータ212A、ブレーキアクチュエータ213A、及びシフトチェンジアクチュエータ214Aに出力する。
【0073】
また、操縦制御部115は、制御データ受信部114がデータを受信することができなくなった場合、車両200Aを停止させるべく、車両200Aの操縦を制御する。具体的には、操縦制御部115は、所定時間以上の間、制御データ受信部114からデータを受け取ることができない場合、車両200Aを停止させるべく、動作を制御するためのデータをステアリングアクチュエータ211A、アクセルアクチュエータ212A、ブレーキアクチュエータ213A、及びシフトチェンジアクチュエータ214Aに出力する。
【0074】
位置データ入力受付部116は、GPS受信機205Aによって特定された地球上における車両200Aの位置を示すデータの入力を受け付ける。具体的には、位置データ入力受付部116は、GSP受信機205Aから出力された地球上における車両200Aの位置を示すデータの入力を受け付けると、そのデータを走行軌跡データ生成部119及び操縦制御部115に送る。
【0075】
3次元データ入力受付部117は、IMU206Aによって検出された車両200Aの3次元の角度と加速度を示すデータの入力を受け付ける。具体的には、3次元データ入力受付部117は、IMU206Aから出力された車両200Aの3次元の角度と加速度を示すデータの入力を受け付けると、そのデータを走行軌跡データ生成部119及び操縦制御部115に送る。
【0076】
車速データ入力受付部118は、車速検出器207A、車速検出器208A、車速検出器209A、及び車速検出器210Aによってそれぞれ検出された車両200Aの各車輪の速度を示すデータの入力を受け付ける。具体的には、車速データ入力受付部118は、車速検出器207A、車速検出器208A、車速検出器209A、及び車速検出器210Aからそれぞれ出力された車両200Aの各車輪の速度を示すデータの入力を受け付けると、そのデータを走行軌跡データ生成部119及び操縦制御部115に送る。
【0077】
走行軌跡データ生成部119は、車両200Aが走行した軌跡を示すデータを生成する。具体的には、走行軌跡データ生成部119は、地球上における車両200Aの位置を示すデータを位置データ入力受付部116から受け取ると、地球上における車両200Aの位置を示す値の変化に基づいて、車両200Aが走行した軌跡を示すデータを生成する。また、走行軌跡データ生成部119は、地球上における車両200Aの位置を示すデータを位置データ入力受付部116から受け取ることができない場合、車両200Aの3次元の角度と加速度を示すデータを3次元データ入力受付部117から受け取り、車両200Aの各車輪の速度を示すデータを車速データ入力受付部118から受け取る。そして、走行軌跡データ生成部119は、車両200Aの3次元の角度と加速度を示す値の変化、及び車両200Aの各車輪の速度を示す値の変化に基づいて、車両200Aが走行した軌跡を示すデータを生成する。そして、走行軌跡データ生成部119は、生成したデータを走行軌跡データ送信部120に送る。
【0078】
走行軌跡データ送信部120は、車両200Aが走行した軌跡を示すデータを車載コントローラ130及び各車載コントローラ150に送信する。具体的には、走行軌跡データ送信部120は、車両200Aが走行した軌跡を示すデータを走行軌跡データ生成部119から受け取ると、そのデータを車載コントローラ130及び各車載コントローラ150に送信する。
【0079】
図6は、車載コントローラ130のブロック構成の一例を示す。車載コントローラ130は、映像データ受信部131、映像データ出力部132、制御データ入力受付部133、制御データ送信部134、走行軌跡データ受信部135、操縦制御部136、経路算出部137、誤差判定部138、及び停止指示データ送信部139を有する。以下に、各構成要素の機能及び動作を説明する。
【0080】
映像データ受信部131は、ビデオカメラ202Aによって撮影された映像を示すデータを車載コントローラ110から受信する。具体的には、映像データ受信部131は、映像を示すデータを車載コントローラ110から受信すると、そのデータを映像データ出力部132に送る。
【0081】
映像データ出力部123は、ビデオカメラ202Aによって撮影された映像を示すデータをディスプレイ203に出力する。具体的には、映像データ出力部123は、映像を示すデータを映像データ受信部131から受け取ると、そのデータをディスプレイ203に出力する。
【0082】
制御データ入力受付部133は、ジョイスティック204が操作されたときに、その操作内容を示すデータの入力を受け付ける。具体的には、制御データ入力受付部133は、ジョイスティック204から出力されたジョイスティック204の操作内容を示すデータの入力を受け付けると、そのデータを、車両200Aの操縦を制御するためのデータとして、制御データ送信部134、及び経路算出部140に送る。
【0083】
制御データ送信部134は、車両200Aの操縦を制御するためのデータを車載コントローラ110に送信する。具体的には、制御データ送信部134は、車両200Aの操縦を制御するためのデータを制御データ入力受付部133から受け取ると、そのデータを車載コントローラ110に送信する。
【0084】
位置データ入力受付部135は、GPS受信機205Bによって特定された地球上における車両200Bの位置を示すデータの入力を受け付ける。具体的には、位置データ入力受付部135は、GSP受信機205Bから出力された地球上における車両200Bの位置を示すデータの入力を受け付けると、そのデータを操縦制御部139に送る。
【0085】
3次元データ入力受付部136は、IMU206Bによって検出された車両200Bの3次元の角度と加速度を示すデータの入力を受け付ける。具体的には、3次元データ入力受付部136は、IMU206Bから出力された車両200Bの3次元の角度と加速度を示すデータの入力を受け付けると、そのデータを操縦制御部139に送る。
【0086】
車速データ入力受付部137は、車速検出器207B、車速検出器208B、車速検出器209B、及び車速検出器210Bによってそれぞれ検出された車両200Bの各車輪の速度を示すデータの入力を受け付ける。具体的には、車速データ入力受付部137は、車速検出器207B、車速検出器208B、車速検出器209B、及び車速検出器210Bからそれぞれ出力された車両200Bの各車輪の速度を示すデータの入力を受け付けると、そのデータを操縦制御部139に送る。
【0087】
走行軌跡データ受信部138は、車両200Aが走行した軌跡を示すデータを車載コントローラ110から受信する。具体的には、走行軌跡データ受信部138は、車両200Aが走行した軌跡を示すデータを車載コントローラ110から受信すると、そのデータを操縦制御部139に送る。
【0088】
操縦制御部139は、車両200Aが走行した軌跡に沿って車両200Bを走行させるべく、車両200Bの操縦を制御する。具体的には、操縦制御部139は、地球上における車両200Bの位置を示すデータを位置データ入力受付部135から受け取る。また、操縦制御部139は、地球上における車両200Bの位置を示すデータを位置データ入力受付部135から受け取ることができない場合、車両200Bの3次元の角度と加速度を示すデータを3次元データ入力受付部136から受け取り、車両200Bの各車輪の速度を示すデータを車速データ入力受付部137から受け取る。そして、操縦制御部139は、車両200Aが走行した軌跡を示すデータを走行軌跡データ受信部138から受け取ると、車両200Aが走行した軌跡に沿って車両200Bを走行させるべく、動作を制御するためのデータをステアリングアクチュエータ211B、アクセルアクチュエータ212B、ブレーキアクチュエータ213B、及びシフトチェンジアクチュエータ214Bに出力する。
【0089】
また、操縦制御部139は、走行軌跡データ受信部138がデータを受信することができなくなった場合、車両200Bを停止させるべく、車両200Bの操縦を制御する。具体的には、操縦制御部139は、所定時間以上の間、走行軌跡データ受信部138からデータを受け取ることができない場合、車両200Bを停止させるべく、動作を制御するためのデータをステアリングアクチュエータ211B、アクセルアクチュエータ212B、ブレーキアクチュエータ213B、及びシフトチェンジアクチュエータ214Bに出力する。
【0090】
また、操縦制御部139は、車両200Aが走行すべき経路として算出した経路と、車両200Aが実際に走行した軌跡との誤差が閾値以上であった場合、車両200Bを停止させるべく、車両200Bの操縦を制御する。具体的には、操縦制御部139は、車両200Aが走行すべき経路として算出した経路と、車両200Aが実際に走行した軌跡との誤差が所定の閾値を超えたことを示すデータを誤差判定部141から受け取ると、車両200Bを停止させるべく、動作を制御するためのデータをステアリングアクチュエータ211B、アクセルアクチュエータ212B、ブレーキアクチュエータ213B、及びシフトチェンジアクチュエータ214Bに出力する。
【0091】
経路算出部140は、車両200Aが走行すべき経路を算出する。具体的には、経路算出部140は、車両200Aの操縦を制御するためのデータを制御データ入力受付部133から受け取ると、車両200Aが走行すべき経路を算出し、算出したデータを誤差判定部141に送る。
【0092】
誤差判定部141は、車両200Aが走行すべき経路として算出された経路と、車両200Aが走行した軌跡とを比較し、その誤差が所定の閾値を超えたか否かを判定する。具体的には、誤差判定部141は、車両200Aが走行すべき経路を示すデータを経路算出部140から受け取る。そして、誤差判定部141は、車両200Aが走行した軌跡を示すデータを走行軌跡データ受信部138から受け取ると、車両200Aが走行すべき経路として算出された経路と、車両200Aが走行した軌跡とを比較し、その誤差が所定の閾値を超えたか否かを判定する。そして、誤差判定部141は、誤差が所定の閾値を超えたと判定した場合、その旨を示すデータを操縦制御部139、及び停止指示データ送信部142に送る。
【0093】
停止指示データ送信部142は、車両200を停止させるよう指示する旨のデータを各車載コントローラ150に送信する。具体的には、停止指示データ送信部142は、車両200Aが走行すべき経路として算出した経路と、車両200Aが実際に走行した軌跡との誤差が所定の閾値を超えたことを示すデータを誤差判定部141から受け取ると、車両200を停止させるよう指示する旨のデータを各車載コントローラ150に送信する。
【0094】
図7は、車載コントローラ150aのブロック構成の一例を示す。車載コントローラ150aは、位置データ入力受付部151a、3次元データ入力受付部152a、車速データ入力受付部153a、走行軌跡データ受信部154a、停止指示データ受信部155a、及び操縦制御部156aを有する。以下に、各構成要素の機能及び動作を説明する。
【0095】
なお、車載コントローラ150a以外の車載コントローラ150b、c、・・・も、車載コントローラ150aが有する構成要素と同じ構成要素を有する。以後の説明では、車載コントローラ150が有する構成要素がいずれの車載コントローラ150の構成要素であるかを区別する場合には、各構成要素を有する車載コントローラ150と同じ添え字(a、b、c、・・・)を各構成要素の末尾に付して区別する。例えば、位置データ入力受付部151a、位置データ入力受付部151b、及び位置データ入力受付部151cは、それぞれ車載コントローラ150a、車載コントローラ150b、及び車載コントローラ150cの構成要素であることを示す。
【0096】
また、以後の説明において、添え字が付されていない構成要素の機能及び動作は、同じ符号が付されたいずれの構成要素の機能及び動作を示す。例えば、位置データ入力受付部151で説明された機能及び動作は、位置データ入力受付部151a、位置データ入力受付部151b、位置データ入力受付部151c、・・・の機能及び動作を示す。
【0097】
位置データ入力受付部151aは、GPS受信機205aによって特定された地球上における車両200aの位置を示すデータの入力を受け付ける。具体的には、位置データ入力受付部151aは、GSP受信機205aから出力された地球上における車両200aの位置を示すデータの入力を受け付けると、そのデータを操縦制御部156aに送る。
【0098】
3次元データ入力受付部152aは、IMU206aによって検出された車両200aの3次元の角度と加速度を示すデータの入力を受け付ける。具体的には、3次元データ入力受付部152aは、IMU206aから出力された車両200aの3次元の角度と加速度を示すデータの入力を受け付けると、そのデータを操縦制御部156aに送る。
【0099】
車速データ入力受付部153aは、車速検出器207a、車速検出器208a、車速検出器209a、及び車速検出器210aによってそれぞれ検出された車両200aの各車輪の速度を示すデータの入力を受け付ける。具体的には、車速データ入力受付部153aは、車速検出器207a、車速検出器208a、車速検出器209a、及び車速検出器210aからそれぞれ出力された車両200aの各車輪の速度を示すデータの入力を受け付けると、そのデータを操縦制御部156aに送る。
【0100】
走行軌跡データ受信部154aは、車両200Aが走行した軌跡を示すデータを車載コントローラ110から受信する。具体的には、走行軌跡データ受信部154aは、車両200Aが走行した軌跡を示すデータを車載コントローラ110から受信すると、そのデータを操縦制御部156aに送る。
【0101】
停止指示データ受信部155aは、車両200aを停止させるよう指示する旨のデータを車載コントローラ130から受信する。具体的には、停止指示データ受信部155aは、車両200aを停止させるよう指示する旨のデータを車載コントローラ130から受信すると、そのデータを操縦制御部156aに送る。
【0102】
操縦制御部156aは、車両200Aが走行した軌跡に沿って車両200をが走行させるべく、車両200aの操縦を制御する。具体的には、操縦制御部156aは、地球上における車両200aの位置を示すデータを位置データ入力受付部151aから受け取る。また、操縦制御部156aは、地球上における車両200aの位置を示すデータを位置データ入力受付部151aから受け取ることができない場合、車両200aの3次元の角度と加速度を示すデータを3次元データ入力受付部152aから受け取り、車両200aの各車輪の速度を示すデータを車速データ入力受付部153aから受け取る。そして、操縦制御部156aは、車両200Aが走行した軌跡を示すデータを走行軌跡データ受信部154aから受け取ると、車両200Aが走行した軌跡に沿って車両200aを走行させるべく、動作を制御するためのデータをステアリングアクチュエータ211a、アクセルアクチュエータ212a、ブレーキアクチュエータ213a、及びシフトチェンジアクチュエータ214aに出力する。
【0103】
また、操縦制御部156aは、走行軌跡データ受信部154aがデータを受信することができなくなった場合、車両200aを停止させるべく、車両200aの操縦を制御する。具体的には、操縦制御部156aは、所定時間以上の間、走行軌跡データ受信部154aからデータを受け取ることができない場合、車両200aを停止させるべく、動作を制御するためのデータをステアリングアクチュエータ211a、アクセルアクチュエータ212a、ブレーキアクチュエータ213a、及びシフトチェンジアクチュエータ214aに出力する。
【0104】
また、操縦制御部156aは、車両200aの走行を停止する旨の指示を受けると、車両200aを停止させるべく、車両200aの操縦を制御する。具体的には、操縦制御部156aは、車両200aを停止させるよう指示する旨のデータを停止指示データ受信部155aから受け取ると、車両200aを停止させるべく、動作を制御するためのデータをステアリングアクチュエータ211a、アクセルアクチュエータ212a、ブレーキアクチュエータ213a、及びシフトチェンジアクチュエータ214aに出力する。
【0105】
図8は、車載コントローラ110、車載コントローラ130、及び車載コントローラ150aの動作シーケンスの一例を示す。各車両200の隊列走行を開始するにあたり、映像データ入力受付部112は、ビデオカメラ202Aによって撮影された映像を示すデータの入力を受け付ける(S101)。映像データ入力受付部112が入力を受け付けるデータは、例えば、映像を電気信号化したものである。
【0106】
そして、映像データ送信部113は、映像データ入力受付部112が入力を受け付けたデータを車載コントローラ130に送信する(S102)。映像データ受信部131は、この送信されたデータを受信する。具体的には、映像データ送信部113が送信したデータは、通信アンテナ201A、通信回線170、及び通信アンテナ201Bを順に経由して伝送され、映像データ受信部131によって受信される。
【0107】
そして、映像データ出力部132は、映像データ受信部131が受信したデータをディスプレイ203に出力する(S103)。このようにして、ディスプレイ203には、ビデオカメラ202Aによって撮影された映像が表示されることになる。そして、車両200Bに乗車している搭乗者は、ディスプレイ203に表示されている映像を見ながら、ジョイスティック204を利用して車両200Aを操縦する。
【0108】
搭乗者がジョイスティック204を利用して車両200Aの操縦を開始すると、制御データ入力受付部133は、車両200Aを制御するためのデータとして、ジョイスティック204の操作内容を示すデータの入力を受け付ける(S104)。制御データ入力受付部133が入力を受け付けるデータは、例えば、ジョイスティック204のレバーの操作方向とその操作量を示す情報や、押下操作されたジョイスティック204のボタンを識別する情報を含むデータである。
【0109】
そして、制御データ送信部134は、制御データ入力受付部133が入力を受け付けたデータを車載コントローラ110に送信する(S105)。制御データ受信部114は、この送信されたデータを受信する。具体的には、制御データ送信部134が送信したデータは、通信アンテナ201B、通信回線170、及び通信アンテナ201Aを順に経由して伝送され、制御データ受信部114によって受信される。
【0110】
そして、操縦制御部115は、制御データ受信部114が受信したデータによって示される情報に従って、ステアリングアクチュエータ211A、アクセルアクチュエータ212A、ブレーキアクチュエータ213A、及びシフトチェンジアクチュエータ214Aの動作を制御する(S106)。このようにして、車両200Aは、車両200Bに搭乗している搭乗者によって遠隔操作されて走行することになる。
【0111】
車両200Aが走行を開始すると、走行軌跡データ生成部119は、車両200Aが走行した軌跡を示すデータを生成する(S107)。走行軌跡データ生成部119が生成するデータは、地球上における車両200Aの位置の遷移を示すデータである。具体的には、走行軌跡データ生成部119が生成するデータは、車両200Aが存在していた緯度及び経度を計測又は算出し、その値の経時的な変化を示すデータである。
【0112】
そして、走行軌跡データ送信部120は、走行軌跡データ生成部119が生成したデータを、車載コントローラ130、及び各車載コントローラ150aに送信する(S108)。走行軌跡データ受信部138、及び走行軌跡データ受信部154aは、この送信されたデータをそれぞれ受信する。具体的には、走行軌跡データ送信部120が送信したデータは、通信アンテナ201A、通信回線170、及び通信アンテナ201Bを順に経由して伝送され、走行軌跡データ受信部138によって受信される。また、走行軌跡データ送信部120が送信したデータは、通信アンテナ201A、通信回線170、及び通信アンテナ201aを順に経由して伝送され、走行軌跡データ受信部154aによって受信される。
【0113】
そして、操縦制御部139は、走行軌跡データ受信部138が受信したデータによって示される車両200Aが走行した軌跡に沿って、車両200Bを走行させるべく、ステアリングアクチュエータ211B、アクセルアクチュエータ212B、ブレーキアクチュエータ213B、及びシフトチェンジアクチュエータ214Bの動作を制御する(S109)。このようにして、車両200Bは、車両200Aが走行した軌跡に沿って走行することになる。
【0114】
同様に、操縦制御部156aは、走行軌跡データ受信部154aが受信したデータによって示される車両200Aが走行した軌跡に沿って、車両200aを走行させるべく、ステアリングアクチュエータ211a、アクセルアクチュエータ212a、ブレーキアクチュエータ213a、及びシフトチェンジアクチュエータ214aの動作を制御する(S109)。このようにして、車両200aは、車両200Aが走行した軌跡に沿って走行することになる。
【0115】
この動作シーケンスでは、車載コントローラ110が車載コントローラ130から受信した制御データのみに基づいて、車両200Aの操縦を制御する場合について説明したが、予め設定された経路に沿って車両200Aの操縦を制御することもできる。その場合、操縦制御部115は、経路情報格納部111が格納している経路の情報を読み出し、その経路に沿って車両200Aを走行させるべく、ステアリングアクチュエータ211A、アクセルアクチュエータ212A、ブレーキアクチュエータ213A、及びシフトチェンジアクチュエータ214Aの動作を制御する。そして、車載コントローラ110は、制御データを車載コントローラ130から受信すると、その制御データに基づく処理を優先してステアリングアクチュエータ211A、アクセルアクチュエータ212A、ブレーキアクチュエータ213A、及びシフトチェンジアクチュエータ214Aの動作を制御する。
【0116】
図9は、車両200Aの走行に問題が発生した場合の車載コントローラ110、車載コントローラ130、及び車載コントローラ150aの動作シーケンスの一例を示す。上述したように、走行軌跡データ送信部120は、走行軌跡データ生成部119が生成したデータを車載コントローラ130に送信する(S201)。走行軌跡データ受信部138は、この送信されたデータを受信する。
【0117】
一方、経路算出部140は、制御データ入力受付部133が入力を受け付けたデータに基づいて、車両200Aが走行すべき経路を算出する(S202)。例えば、経路算出部140は、車両200Aが走行すべき経路の算出を開始するにあたり、車両200Aが走行を開始するスタート地点の緯度及び経度を取得する。そして、経路算出部140は、制御データ入力受付部133が入力を受け付けたデータによって示されるジョイスティック204の操作情報に基づく操縦がなされた場合に、車両200Aがスタート地点を起点として走行すべき経路を算出する。
【0118】
そして、誤差判定部141は、車両200Aが走行すべき経路として算出された経路と、車両200Aが走行した軌跡とを比較し、その誤差が所定の閾値を超えたか否かを判定する(S203)。制御データ入力受付部133が入力を受け付けたデータに基づいて車両200Aが走行していれば、車両200Aは、経路算出部140が算出した経路に近い経路を走行する筈である。したがって、車両200Aが走行すべき経路と、車両200Aが実際に走行した軌跡との誤差が大きい場合、車両200Aの走行に問題が発生している可能性がある。
【0119】
誤差が所定の閾値を超えたと誤差判定部141が判定した場合(S203;Yes)、停止指示データ送信部142は、車両200aを停止させるよう指示する旨のデータを車載コントローラ150aに送信する(S204)。停止指示データ受信部154aは、この送信されたデータを受信する。具体的には、停止指示データ送信部142が送信したデータは、通信アンテナB、通信回線170、及び通信アンテナ201aを順に経由して伝送され、停止指示データ受信部154aによって受信される。
【0120】
そして、操縦制御部155aは、車両200aを停止させるべく、ステアリングアクチュエータ211a、アクセルアクチュエータ212a、ブレーキアクチュエータ213a、及びシフトチェンジアクチュエータ214aの動作を制御する(S205)。このようにして、車両200aは、停止することになる。
【0121】
一方、誤差が所定の閾値を超えたと誤差判定部141が判定した場合(S203;Yes)、操縦制御部139は、車両200Bを停止させるべく、ステアリングアクチュエータ211B、アクセルアクチュエータ212B、ブレーキアクチュエータ213B、及びシフトチェンジアクチュエータ214Bの動作を制御する(S206)。このようにして、車両200Bは、停止することになる。
【0122】
車両200Aは、車両200Bに乗車している搭乗者がジョイスティック204を利用して停止操作することにより停止する。
【0123】
この動作シーケンスでは、車両200Aが走行すべき経路として算出した経路と、実際に車両200Aが走行した軌跡との誤差が大きい場合に、各車両200を停止すべく制御する例について説明した。この例以外にも、例えば、通信の障害は、隊列走行を継続する阻害要因となり得る。そこで、操縦制御部115は、制御データ受信部114がデータを受信することができなくなった場合、車両200Aを停止させるべく、ステアリングアクチュエータ211A、アクセルアクチュエータ212A、ブレーキアクチュエータ213A、及びシフトチェンジアクチュエータ214Aの動作を制御する。このようにして、車両200Aは、通信の障害が発生すると停止することになる。
【0124】
同様に、操縦制御部139は、走行軌跡データ受信部138がデータを受信することができなくなった場合、車両200Bを停止させるべく、ステアリングアクチュエータ211B、アクセルアクチュエータ212B、ブレーキアクチュエータ213B、及びシフトチェンジアクチュエータ214Bの動作を制御する。このようにして、車両200Bは、通信の障害が発生すると停止することになる。
【0125】
同様に、操縦制御部156aは、走行軌跡データ受信部154aがデータを受信することができなくなった場合、車両200aを停止させるべく、ステアリングアクチュエータ211a、アクセルアクチュエータ212a、ブレーキアクチュエータ213a、及びシフトチェンジアクチュエータ214aの動作を制御する。このようにして、車両200aは、通信の障害が発生すると停止することになる。
【0126】
図10は、経路情報格納部111が格納しているデータの一例をテーブル形式で示す。経路情報格納部111は、ID、緯度、及び経度を対応付けて格納している。なお、緯度及び経度は、この発明における「先頭の無人車両が走行すべき経路を示す情報」の一例であってよい。
【0127】
IDは、経路データ格納部111が格納している緯度及び経度の組合せを一意に識別するための識別符号であってよい。IDは、車両200Aが走行すべき経路の順となるよう緯度及び経路を識別し得るものであってよいし、そうでなくてもよい。また、IDは、緯度及び経度の組合せによって特定されるランドマーク等の場所を示すような文字列であってよいし、そうでなくてもよい。
【0128】
緯度及び経度は、車両200Aが走行すべき地球上の位置を示す座標であってよい。なお、緯度は、車両200Aが走行すべき地点における天頂の方向と赤道面とのなす角度を示すデータであってよい。同様に、経度は、車両200Aが走行すべき地点と北極・南極を通る大円と、ロンドンの旧グリニッジ天文台を通る大円とのなす角度を示すデータであってよい。
【0129】
操縦制御部115は、経路情報格納部111が格納しているこれら情報に基づいて、車両200Aを自律的に走行させるべく制御する。例えば、操縦制御部115は、ID「1」〜「5」によってそれぞれ識別される緯度及び経度の位置に沿って、車両200Aを自律的に走行させるべく制御する。この場合、まず、操縦制御部115は、ID「1」によって識別される緯度「35.678573」及び経度「139.767686」の位置に到達するまで、車両200Aを自律的に走行させるべく制御する。例えば、操縦制御部115は、現在地から各IDによって識別される緯度及び軽度の位置まで、車両200Aを直線的に走行させるべく制御する。こうして、車両200Aが緯度「35.678573」及び経度「139.767686」の位置に到達すると、操縦制御115は、ID「2」によって識別される緯度「35.679479」及び経度「139.768329」の位置に到達するまで、車両200Aを自律的に走行させるべく制御する。操縦制御部115は、このような処理を繰り返すことによって、ID「5」によって識別される緯度「35.683832」及び経度「139.769295」の位置まで、車両200Aを自律的に走行させるべく制御する。
【0130】
なお、予め設定される経路は、車両の走行経路を示すものであれば、何でも良い。例えば、予め設定される経路は、緯度と経度を基本とするデータであれば、人に車両を運転させて、GPS受信機205によって得られたデータを経路としたり、衛星写真や航空写真、地図等から走行経路の点列を直線や曲線で補間して生成した位置データを経路としたりすることができる。また、走行すべき経路情報には、より的確に車両の走行を制御するために、緯度と経路に加え、走行路の高さや速度等のデータを追加しておくことが望ましい。
【0131】
また、操縦制御部139及び操縦制御部156は、車載コントローラ110から受信した走行軌跡データに基づいて、車両200を自律的に走行させるべく制御する。このとき、操縦制御部139及び操縦制御部156は、走行軌跡データによって示される緯度及び経路を参照する点を除けば、その緯度及び経度の情報に基づいて、操縦制御部115と同様の処理を行う。
【0132】
以上説明したように、隊列走行システム100においては、人は、先頭を走行する車両200A以外の後続車両200のうち、いずれか1台の車両200Bに乗車すればよい。よって、隊列走行システム100では、未知の経路や、障害物や危険物が存在するような経路を走行する場合に安全な隊列走行を実現することができる。
【0133】
図11は、車載コントローラ110、車載コントローラ130、及び車載コントローラ150をコンピュータ等の電子情報処理装置でそれぞれ構成した場合のハードウェア構成の一例を示す。車載コントローラ110、車載コントローラ130、及び車載コントローラ150は、CPU(Central Processing Unit)周辺部と、入出力部とを備える。CPU周辺部は、ホスト・コントローラ901により相互に接続されるCPU902、RAM(Random Access Memory)903、グラフィック・コントローラ904、及び表示装置905を有する。入出力部は、入出力コントローラ906によりホスト・コントローラ901に接続される通信インターフェイス907、ハードディスクドライブ908、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ909、入出力コントローラ906に接続されるROM(Read Only Memory)910、フレキシブルディスク・ドライブ911、及び入出力チップ912を有する。
【0134】
ホスト・コントローラ901は、RAM903と、高い転送レートでRAM903をアクセスするCPU902、及びグラフィック・コントローラ904とを接続する。CPU902は、ROM910、及びRAM903に格納されたプログラムに基づいて動作して、各部の制御をする。グラフィック・コントローラ904は、CPU902等がRAM903内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得して、表示装置905上に表示させる。これに代えて、グラフィック・コントローラ904は、CPU902等が生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
【0135】
入出力コントローラ906は、ホスト・コントローラ901と、比較的高速な入出力装置であるハードディスクドライブ908、通信インターフェイス907、CD−ROMドライブ909を接続する。ハードディスクドライブ908は、CPU902が使用するプログラム、及びデータを格納する。通信インターフェイス907は、ネットワーク通信装置991に接続してプログラム又はデータを送受信する。CD−ROMドライブ909は、CD−ROM992からプログラム又はデータを読み取り、RAM903を介してハードディスクドライブ908、及び通信インターフェイス907に提供する。なお、車載コントローラ110、車載コントローラ130、及び車載コントローラ150は、車両200に搭載され、車両200の走行に伴う振動を受けることになる。そのため、プログラムやデータの格納手段としては、ハードディスクドライブ908に代えて、機械的に振動する部品がなく衝撃に強いSSD(Solid State Drive)を用いてもよい。
【0136】
入出力コントローラ906には、ROM910と、フレキシブルディスク・ドライブ911、及び入出力チップ912の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM910は、車載コントローラ110、車載コントローラ130、及び車載コントローラ150が起動時に実行するブート・プログラム、あるいは車載コントローラ110、車載コントローラ130、及び車載コントローラ150のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。フレキシブルディスク・ドライブ911は、フレキシブルディスク993からプログラム又はデータを読み取り、RAM903を介してハードディスクドライブ908、及び通信インターフェイス907に提供する。入出力チップ912は、フレキシブルディスク・ドライブ911、あるいはパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポート等を介して各種の入出力装置を接続する。
【0137】
CPU902が実行するプログラムは、フレキシブルディスク993、CD−ROM992、又はIC(Integrated Circuit)カード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。記録媒体に格納されたプログラムは圧縮されていても非圧縮であってもよい。プログラムは、記録媒体からハードディスクドライブ908にインストールされ、RAM903に読み出されてCPU902により実行される。CPU902により実行されるプログラムは、車載コントローラ110を、図1から図10に関連して説明した経路情報格納部111、映像データ入力受付部112、映像データ送信部113、制御データ受信部114、操縦制御部115、位置データ入力受付部116、3次元データ入力受付部117、車速データ入力受付部118、走行軌跡データ生成部119、及び走行軌跡データ送信部120として機能させ、車載コントローラ130を、図1から図10に関連して説明した映像データ受信部131、映像データ出力部132、制御データ入力受付部133、制御データ送信部134、走行軌跡データ受信部135、操縦制御部136、経路算出部137、誤差判定部138、及び停止指示データ送信部139として機能させ、車載コントローラ150を、図1から図10に関連して説明した位置データ入力受付部151、3次元データ入力受付部152、車速データ入力受付部153、走行軌跡データ受信部154、停止指示データ受信部155、及び操縦制御部156として機能させる。
【0138】
以上に示したプログラムは、外部の記憶媒体に格納されてもよい。記憶媒体としては、フレキシブルディスク993、CD−ROM992の他に、DVD(Digital Versatile Disk)又はPD(Phase Disk)等の光学記録媒体、MD(MiniDisk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、ICカード等の半導体メモリ等を用いることができる。また、専用通信ネットワークあるいはインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスク又はRAM等の記憶媒体を記録媒体として使用して、ネットワークを介したプログラムとして隊列走行システム100を提供してもよい。
【0139】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0140】
100 隊列走行システム
110 車載コントローラ
111 経路情報格納部
112 映像データ入力受付部
113 映像データ送信部
114 制御データ受信部
115 操縦制御部
116 位置データ入力受付部
117 3次元データ入力受付部
118 車速データ入力受付部
119 走行軌跡データ生成部
120 走行軌跡データ送信部
130 車載コントローラ
131 映像データ受信部
132 映像データ出力部
133 制御データ入力受付部
134 制御データ送信部
135 位置データ入力受付部
136 3次元データ入力受付部
137 車速データ入力受付部
138 走行軌跡データ受信部
139 操縦制御部
140 経路算出部
141 誤差判定部
142 停止指示データ送信部
150 車載コントローラ
151 位置データ入力受付部
152 3次元データ入力受付部
153 車速データ入力受付部
154 走行軌跡データ受信部
155 停止指示データ受信部
156 操縦制御部
170 通信回線
200 車両
201 通信アンテナ
202 ビデオカメラ
203 ディスプレイ
204 ジョイスティック
205 GPS受信機
206 IMU
207 車速検出器
208 車速検出器
209 車速検出器
210 車速検出器
211 ステアリングアクチュエータ
212 アクセルアクチュエータ
213 ブレーキアクチュエータ
214 シフトチェンジアクチュエータ
901 ホスト・コントローラ
902 CPU
903 RAM
904 グラフィック・コントローラ
905 表示装置
906 入出力コントローラ
907 通信インターフェイス
908 ハードディスクドライブ
909 CD−ROMドライブ
910 ROM
911 フレキシブルディスク・ドライブ
912 入出力チップ
991 ネットワーク通信装置
992 CD−ROM
993 フレキシブルディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車両を隊列走行させる隊列走行システムであって、
人が乗車しない隊列の先頭の無人車両に搭載される先頭無人車両コントローラと、隊列の後続の車両のうち人が乗車する有人車両に搭載される後続有人車両コントローラとを備え、
前記先頭無人車両コントローラは、
前記先頭の無人車両に設けられた撮影手段によって撮影された映像を示すデータを前記後続有人車両コントローラに送信する映像データ送信部と、
前記先頭の無人車両の操縦を制御するためのデータを前記後続有人車両コントローラから受信する制御データ受信部と、
前記制御データ受信部が受信したデータに基づいて、前記先頭の無人車両の操縦を制御する操縦制御部と
を有し、
前記後続有人車両コントローラは、
前記映像を示すデータを前記先頭無人車両コントローラから受信する映像データ受信部と、
前記映像データ受信部が受信したデータを、前記後続の有人車両に設けられた表示手段に出力する映像データ出力部と、
前記先頭の無人車両の操縦を制御するためのデータの入力を、前記後続の有人車両に設けられた操縦手段から受け付ける制御データ入力受付部と、
前記制御データ入力受付部が入力を受け付けたデータを前記先頭無人車両コントローラに送信する制御データ送信部と
を有する隊列走行システム。
【請求項2】
前記先頭無人車両コントローラは、
前記操縦制御部が制御したことによって走行した前記先頭の無人車両の走行軌跡を示すデータを前記後続有人車両コントローラに送信する走行軌跡データ送信部
を更に有し、
前記後続有人車両コントローラは、
前記走行軌跡を示すデータを前記先頭無人車両コントローラから受信する走行軌跡データ受信部と、
前記走行軌跡データ受信部が受信したデータによって示される走行軌跡に沿って前記後続の有人車両を走行させるべく、前記後続の有人車両の操縦を制御する操縦制御部
を更に有する
請求項1に記載の隊列走行システム。
【請求項3】
前記先頭無人車両コントローラは、
前記先頭の無人車両が走行すべき経路を示す情報を格納する経路情報格納部
を更に有し、
前記先頭無人車両コントローラの操縦制御部は、前記経路情報格納部が格納している情報によって示される経路に沿って前記先頭の無人車両を走行させるべく、前記先頭の無人車両の操縦を制御すると共に、制御データ受信部が受信したデータに基づいて、前記先頭の無人車両の操縦を割り込み制御する
請求項2に記載の隊列走行システム。
【請求項4】
前記先頭無人車両コントローラの操縦制御部は、前記制御データ受信部がデータを受信することができなくなった場合、前記先頭の無人車両を停止させるべく、前記先頭の無人車両の操縦を制御する
請求項1乃至3のいずれかに記載の隊列走行システム。
【請求項5】
前記後続有人車両コントローラの操縦制御部は、前記走行軌跡データ受信部がデータを受信することができなくなった場合、前記後続の有人車両を停止させるべく、前記後続の有人車両の操縦を制御する
請求項2乃至4のいずれかに記載の隊列走行システム。
【請求項6】
前記後続有人車両コントローラは、
前記制御データ入力受付部が入力を受け付けたデータに基づいて、前記先頭の無人車両が走行すべき経路を算出する経路算出部と、
前記経路算出部が算出した経路と、前記走行軌跡データ受信部が受信したデータによって示される前記先頭の無人車両の走行軌跡とを比較し、その誤差が所定の閾値を超えたか否かを判定する誤差判定部と
を更に有し、
前記後続有人車両コントローラの操縦制御部は、誤差が所定の閾値を超えたと前記誤差判定部が判定した場合、前記後続の有人車両を停止させるべく、前記後続の有人車両の操縦を制御する
請求項2乃至5のいずれかに記載の隊列走行システム。
【請求項7】
複数の車両を隊列走行させる隊列走行システムを制御する制御方法であって、
人が乗車しない隊列の先頭の無人車両に搭載される先頭無人車両コントローラが、先頭の無人車両に設けられた撮影手段によって撮影された映像を示すデータを、隊列の後続の車両のうち人が乗車する有人車両に搭載される後続有人車両コントローラに送信する映像データ送信段階と、
前記後続有人車両コントローラが、前記映像を示すデータを前記先頭無人車両コントローラから受信する映像データ受信段階と、
前記後続有人車両コントローラが、前記映像データ受信段階において受信されたデータを、前記後続の有人車両に設けられた表示手段に出力する映像データ出力段階と、
前記後続有人車両コントローラが、前記先頭の無人車両の操縦を制御するためのデータの入力を、前記後続の有人車両に設けられた操縦手段から受け付ける制御データ入力受付段階と、
前記後続有人車両コントローラが、前記制御データ入力受付段階において入力が受け付けられたデータを前記先頭無人車両コントローラに送信する制御データ送信段階と、
前記先頭無人車両コントローラが、前記先頭の無人車両の操縦を制御するためのデータを前記後続有人車両コントローラから受信する制御データ受信段階と、
前記先頭無人車両コントローラが、前記制御データ受信段階において受信されたデータに基づいて、前記先頭の無人車両の操縦を制御する操縦制御段階と
を備える制御方法。
【請求項8】
複数の車両を隊列走行させる隊列走行システム用のプログラムであって、
人が乗車しない隊列の先頭の無人車両に搭載される先頭無人車両コントローラを、
前記先頭の無人車両に設けられた撮影手段によって撮影された映像を示すデータを、隊列の後続の車両のうち人が乗車する有人車両に搭載される後続有人車両コントローラに送信する映像データ送信部、
前記先頭の無人車両の操縦を制御するためのデータを前記後続有人車両コントローラから受信する制御データ受信部、
前記制御データ受信部が受信したデータに基づいて、前記先頭の無人車両の操縦を制御する操縦制御部
として機能させ、
前記後続有人車両コントローラを、
前記映像を示すデータを前記先頭無人車両コントローラから受信する映像データ受信部、
前記映像データ受信部が受信したデータを、前記後続の有人車両に設けられた表示手段に出力する映像データ出力部、
前記先頭の無人車両の操縦を制御するためのデータの入力を、前記後続の有人車両に設けられた操縦手段から受け付ける制御データ入力受付部、
前記制御データ入力受付部が入力を受け付けたデータを前記先頭無人車両コントローラに送信する制御データ送信部
として機能させるプログラム。
【請求項9】
人が乗車しない隊列の先頭の無人車両に搭載される先頭無人車両コントローラであって、
前記先頭の無人車両に設けられた撮影手段によって撮影された映像を示すデータを、隊列の後続の車両のうち人が乗車する有人車両に搭載される後続有人車両コントローラに送信する映像データ送信部と、
前記先頭の無人車両の操縦を制御するためのデータを前記後続有人車両コントローラから受信する制御データ受信部と、
前記制御データ受信部が受信したデータに基づいて、前記先頭の無人車両の操縦を制御する操縦制御部と
を備える先頭無人車両コントローラ。
【請求項10】
人が乗車しない隊列の先頭の無人車両に搭載される先頭無人車両コントローラを制御する制御方法であって、
前記先頭の無人車両に設けられた撮影手段によって撮影された映像を示すデータを、隊列の後続の車両のうち人が乗車する有人車両に搭載される後続有人車両コントローラに送信する映像データ送信段階と、
前記先頭の無人車両の操縦を制御するためのデータを前記後続有人車両コントローラから受信する制御データ受信段階と、
前記制御データ受信段階において受信されたデータに基づいて、前記先頭の無人車両の操縦を制御する操縦制御段階と
を備える制御方法。
【請求項11】
人が乗車しない隊列の先頭の無人車両に搭載される先頭無人車両コントローラ用のプログラムであって、前記先頭無人車両コントローラを、
前記先頭の無人車両に設けられた撮影手段によって撮影された映像を示すデータを、隊列の後続の車両のうち人が乗車する有人車両に搭載される後続有人車両コントローラに送信する映像データ送信部、
前記先頭の無人車両の操縦を制御するためのデータを前記後続有人車両コントローラから受信する制御データ受信部、
前記制御データ受信部が受信したデータに基づいて、前記先頭の無人車両の操縦を制御する操縦制御部
として機能させるプログラム。
【請求項12】
隊列の後続の車両のうち人が乗車する有人車両に搭載される後続有人車両コントローラであって、
人が乗車しない隊列の先頭の無人車両に設けられた撮影手段によって撮影された映像を示すデータを、前記先頭の無人車両に搭載される先頭無人車両コントローラから受信する映像データ受信部と、
前記映像データ受信部が受信したデータを、前記後続の有人車両に設けられた表示手段に出力する映像データ出力部と、
前記先頭の無人車両の操縦を制御するためのデータの入力を、前記後続の有人車両に設けられた操縦手段から受け付ける制御データ入力受付部と、
前記制御データ入力受付部が入力を受け付けたデータを前記先頭無人車両コントローラに送信する制御データ送信部と
を備える後続有人車両コントローラ。
【請求項13】
隊列の後続の車両のうち人が乗車する有人車両に搭載される後続有人車両コントローラを制御する制御方法であって、
人が乗車しない隊列の先頭の無人車両に設けられた撮影手段によって撮影された映像を示すデータを、前記先頭の無人車両に搭載される先頭無人車両コントローラから受信する映像データ受信段階と、
前記映像データ受信段階において受信されたデータを、前記後続の有人車両に設けられた表示手段に出力する映像データ出力段階と、
前記先頭の無人車両の操縦を制御するためのデータの入力を、前記後続の有人車両に設けられた操縦手段から受け付ける制御データ入力受付段階と、
前記制御データ入力受付段階において入力が受け付けられたデータを前記先頭無人車両コントローラに送信する制御データ送信段階と
を備える制御方法。
【請求項14】
隊列の後続の車両のうち人が乗車する有人車両に搭載される後続有人車両コントローラ用のプログラムであって、前記後続有人車両コントローラを、
人が乗車しない隊列の先頭の無人車両に設けられた撮影手段によって撮影された映像を示すデータを、前記先頭の無人車両に搭載される先頭無人車両コントローラから受信する映像データ受信部、
前記映像データ受信部が受信したデータを、前記後続の有人車両に設けられた表示手段に出力する映像データ出力部、
前記先頭の無人車両の操縦を制御するためのデータの入力を、前記後続の有人車両に設けられた操縦手段から受け付ける制御データ入力受付部、
前記制御データ入力受付部が入力を受け付けたデータを前記先頭無人車両コントローラに送信する制御データ送信部
として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−150580(P2011−150580A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−11995(P2010−11995)
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】