説明

集積回路デバイス構造をナノプロービングするための方法(集積回路デバイス構造のナノプロービング)

【課題】集積回路のデバイス構造をナノプロービングするための方法を提供する。
【解決手段】この方法は、デバイス構造の第1の領域全体にわたって、第1の領域に近接する少なくとも1つのプローブを使用して、1次荷電粒子ビームを走査することを含み、デバイス構造の第2の領域は1次荷電粒子ビームからマスクされる。この方法は、2次電子イメージを形成するために、デバイス構造の第1の領域および少なくとも1つのプローブから放出される2次電子を収集することをさらに含む。2次電子イメージは、結像部分としての第1の領域および少なくとも1つのプローブと、非結像部分としての第2の領域とを含む。別の方法として、第2の領域は、第1の領域よりも速い走査速度で荷電粒子ビームによって走査可能であるため、結果として第2の領域は2次電子イメージの結像部分でもある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に集積回路製造に関し、具体的に言えば、集積回路のデバイス構造を電気的にプロービングするためにナノプローバ(nanoprober)を操作するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
SEMナノプローバと呼ばれる特殊な電子ビーム計器は、走査型電子顕微鏡(SEM)およびSEM真空室内に配設されたプローブ・セットからなる。SEMからの2次電子イメージを使用して、電気的にテストされることになる集積回路のデバイス構造に対してプローブを位置決めする。プローブは、デバイス構造を電気的に特徴付けるために使用される。ナノプロービングによって、しきい値電圧(V)、オフ状態リーク電流(Ioff)、飽和電流(Isat)、および電流/電圧(I/V)曲線測定による接合挙動(junction behavior)などの、基本的なトランジスタ・パラメータを直接測定することができる。これらの電気測定は、応用例の中でも特に、欠陥のあるデバイス構造の障害の根本的原因を分析する際に有用な可能性がある。
【0003】
プローブおよびデバイス接点は、プローブをランディング(land)し、その後、電気測定が実行されている間に今後のプローブ挙動を監視するために、SEMでリアルタイムにイメージングされる。テスト中のデバイス構造内に付着する電子線量、すなわち単位面積当たりの電子の総電荷は、ビーム電流、露光時間、および倍率を通じた走査表面積に比例する。電子ビーム露光によるデバイスの電気的特徴の変化に対処するために、加速電圧、倍率、およびビーム電流などの電子ビームの特徴は最小限に抑えられる。しかしながらこれらの操作特徴は、プローブのイメージングおよびテスト中のデバイス構造を適切に保つために、十分な2次電子放出を誘導できるしきい値を超えるように維持しなければならない。
【0004】
プローブがデバイス接点上にランディングする場合、プローブは通常、Z方向に定着し、これによってサブミクロン・プローブ・チップを接点に対して横(X−Y)方向に移動させることができる。横方向移動はプローブを曲げる可能性があり、その結果、プローブ・チップまたはテスト中のデバイスに損傷が生じる可能性がある。プローブは接点を外れてスライドする可能性もあり、その結果、電気的導通が失われる。横方向移動を監視するために、計器ユーザは2次電子イメージングを用いて各プローブを監視する。必要であれば、計器ユーザは、接点へのランディング時およびしばしばその後の電気測定中にプローブ・チップの圧力を調節し、圧力の上昇に対処する。計器ユーザは、2次電子イメージにおけるアークの増加、またはプローブ・シャンクの曲り、またはプローブ・チップの実際の横方向の動きを観察することによって、プローブ上での圧力上昇に注意し、必要に応じて正しい措置を講じることができる。
【0005】
計器ユーザが2次電子イメージにおける横方向のプローブ移動を検出できるように、SEMの1次電子ビームは低速および高倍率でサンプル全体を走査しなければならない。残念ながら、1次電子ビームを用いた低速で高倍率のイメージングは、デバイス構造によって吸収される電子線量を増加させ、残念ながらこれによって電気的特徴を変化させてしまう。電子ビーム線量の蓄積はサンプルの帯電も引き起こし、これによって2次電子イメージの解像度および品質を低下させる。
【0006】
電子ビーム線量の蓄積に関連付けられた諸問題を軽減するための従来の解決策の1つは、接点上へのプローブの接地後および電気測定中に、1次電子ビームを完全にブランキングする(blank)ことである。この抜本的な手法では、対象となるデバイス構造の1インスタンスが、低速、高倍率イメージングを用いて、電気的特徴における電子線量変化を顧慮せずにプロービングされる。その後、同じ間隔を空けたプローブの配置構成を保持しながらビームをブランキングし、サンプル・ステージはデバイス構造の他のインスタンスへと精密に段階を経て進み、プローブはイメージングなしで接点を確立するために手探りで下ろされる。その後、SEMを使用したいずれのイメージングもなしに電気測定が実行される。
【0007】
完全なビーム・ブランキングにより、ビーム露光は減少するが、2次電子イメージングは完全に中断される。圧力上昇の結果として突然の移動が発生した場合、プローブは変形および屈曲する可能性がある。リアルタイム・イメージングなしでは、イメージングが再開された場合にプロービング・セッションが終了するまで、屈曲したプローブは検出できない。それまでに、プローブが不可逆的損傷を受けるか、または短絡したプローブがテスト中のデバイス構造を破壊してしまう可能性がある。
【0008】
より小さくなりつつあるテクノロジ・ノードによって、より薄いフィルムおよびより小型のデバイス・フィーチャがもたらされるにつれて、ナノプローバによって使用されるSEMのビーム特徴を最適化するだけでは、プロービングが不適切な可能性がある。具体的に言えば、従来の方法で最適化された条件を用いるイメージングは、接点上にプローブを正確にランディングさせるために、およびそれと同時に、電子ビーム露光の結果としてテスト中のデバイス構造の電気的特徴が変化しないよう保証するためには、適切でない可能性がある。従来型のSEMナノプローバは、1次電子ビームの加速電圧およびビーム電流をさらに減少させる能力に関する限りは、ビーム光学機器の限界に達している。加えて、より小さなテクノロジ・ノードで必要とされるより小型のプローブ・チップは横移動する傾向がさらに強いため、完全なビーム・ブランキングは実行可能な解決策ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、デバイス構造、特にSEMナノプローバにおけるプロービング・セッション中に、より小さなテクノロジ・ノードを用いて製造されたデバイス構造の、高感度領域への電子ビーム照射を減少させるように改良された方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のある実施形態では、少なくとも1つのプローブを使用してサンプル上のデバイス構造をナノプロービングするための方法が提供される。この方法は、デバイス構造の第1の領域および第2の領域に対して少なくとも1つのプローブを位置決めすること、ならびに、第1の領域および少なくとも1つのプローブ全体にわたって荷電粒子ビームを走査することを含む。第1の領域全体にわたって1次荷電粒子ビームが走査される場合、デバイス構造の第2の領域は1次荷電粒子ビームへの露光からマスクされる。この方法は、2次電子イメージを形成するために、デバイス構造の第1の領域および少なくとも1つのプローブから放出された2次電子を収集することをさらに含む。2次電子イメージは、結像部分(imaged portion)としての第1の領域および少なくとも1つのプローブと、非結像部分としての第2の領域とを含む。
【0011】
本発明の他の実施形態では、少なくとも1つのプローブを使用してサンプル上のデバイス構造をナノプロービングするための方法が提供される。この方法は、デバイス構造の第1の領域およびデバイス構造の第2の領域に対して少なくとも1つのプローブを位置決めすること、デバイス構造の第1の領域全体にわたって1次荷電粒子ビームを第1の走査速度で走査すること、ならびに、デバイス構造の第2の領域全体にわたって1次荷電粒子ビームを第1の走査速度よりも速い第2の走査速度で走査することを含む。デバイス構造の第1および第2の領域ならびに少なくとも1つのプローブから放出される2次電子は、サンプルの2次電子イメージを形成するために収集される。2次電子イメージは、結像部分としての第1および第2の領域ならびに少なくとも1つのプローブを含む。
【0012】
次に、本発明の諸実施形態について、添付の図面を参照しながら単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明のある実施形態に従ったSEMナノプローバを示す線図(diagrammatic view)である。
【図2】電気測定を実行するために接点上にプローブ・チップをランディングさせた、接点レベルでのデバイス構造の一部を示す斜視図である。
【図3】本発明のある実施形態に従った、マスクされる高感度領域が定義された図2のデバイス構造の2次電子イメージを示す線図である。
【図4】本発明の代替実施形態に従った、図3の2次電子イメージを生成するためにサンプル上での1次電子ビームのベクトル走査およびラスタ走査の組み合わせの使用を示す、サンプル表面の概略上面図である。
【図5】本発明の代替実施形態に従った、図3の2次電子イメージを生成するためにサンプル上での1次電子ビームの個々のラスタ走査を伴う部分領域(sub-region)の使用を示す、図2と同様の線図である。
【図6】図5の個々の部分領域に関するラスタ走査線を示す、図4と同様のサンプル表面の概略上面図である。
【図7】本発明の代替実施形態に従った、CADレイアウトの使用を示す図5と同様の線図である。
【図8】本発明の代替実施形態に従った、差分ラスタ速度(differential raster rates)を使用して生成された図2のデバイス構造の2次電子イメージを示す、図4と同様の線図である。
【図9】図8の2次電子イメージを生成するためにサンプル上での1次電子ビームに関する差分ラスタ速度の使用を示す、図2と同様の線図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の様々な実施形態は、電子ビーム照射に対して敏感なデバイス領域の露光を削減し、それによって、SEMナノプローバ内、ならびに他のタイプの荷電粒子でイメージングする他のナノプローバ内でのプロービング・セッション中に、関連付けられたデバイス構造の電気的劣化があればこれを軽減する、予防的手段を提示する。これらの諸実施形態を実施した結果として、イメージングに適切であり、依然としてデバイスの電気的整合性を保証する、従来型の電子ビーム特徴が利用可能である。本発明の諸実施形態は、デバイスの接点または端末上にプローブをランディングさせるための能力を維持しながら、電子ビームの露光からテスト中のデバイス構造上の高感度領域をマスクするための技法を提供する。結果として、プロービング・セッション中に高感度のデバイス領域に送達される電子線量が削減され、これにより、電気的特徴のより正確な測定が促進され、ビームによって誘発されるデバイスの変化が低減される。
【0015】
図1を参照すると、本発明のある実施形態によれば、走査型電子顕微鏡(SEM)ナノプローバ10は、真空室32内に収容された、電子銃12、走査コイル・セット14、16、他の走査コイル・セット18、20、サンプル・ステージ22、およびプローブ・セット24、26、28、30を含む。電子銃12は、陰極からの放出電流を抽出する相対的に大きな電位差を作成するため、およびそれにより、電界放出または熱電子放出のいずれかによって1次電子ビーム25を生成するために、加速電圧が印加される、陽極および陰極(図示せず)を含む。SEMナノプローバ10の真空室32内部には、電子銃12からサンプル・ステージ22への進行経路内の1次電子ビーム25を集束およびコリメート(collimate)する電子光学として集合的に動作する、様々な集光レンズ、対物レンズ、およびアパーチャを特色として備える、カラム33が配置されている。走査コイル14、16、18、20も真空室32内部に配置されている。サンプル・ステージ22は、サンプル36上の該当する異なる領域を1次電子ビーム25の視野内に位置付けるために、ステージ・コントローラ34の管理の下で移動可能である。サンプル36は、障害の根本的原因を分析するためにSEMナノプローバ10内での電気的プロービング用に準備された、集積回路を担持しているダイとすることができる。別の方法として、サンプル36は、複数の製品チップを担持しているウェハとすることができる。
【0016】
本明細書では1次電子ビーム25の使用に関して説明しているが、当業者であれば、本発明の諸実施形態が、ナノプロービングと共に、陽イオンを含む集束イオン・ビームまたは他のタイプの集束荷電粒子ビームの使用にも適用可能であることを理解されよう。当業者であれば、陽イオンなどの他のタイプの荷電粒子と共に使用するようにツールを変換するために必要な、SEMナノプローバ10に対する修正を理解されよう。
【0017】
走査コイル14、16、18、20は、カラム33内の電子銃12とサンプル・ステージ22との間に配設される。走査コイル14、16、18、20は、サンプル36の表面上の該当する領域全体にわたって、2つの範囲内の1次電子ビーム25を走査するように電圧が加えられる。そのため、一方の走査コイル・セット14、16は、1次電子ビーム25をサンプル36の表面に対して第1の方向に偏向させるように構成され、他方の走査コイル・セット18、20は、1次電子ビーム25をサンプル36の表面に対して第1の方向に直角の第2の方向に偏向させるように構成される。
【0018】
2次電子35は、1次電子ビーム25によって照射された場合、サンプル36から放出される。2次電子35は、1次電子ビーム25とサンプル36の表面、または表面近くの原子との相互作用によって生成される。2次電子35は、真空室32内部に配置された2次電子検出器38によって収集される。通常、2次電子検出器38は、収集された2次電子35を閃光に変換する蛍光体またはシンチレータ(scintillator)と、これらの閃光を増幅電気信号に変換する光電子倍増管とを含む。2次電子検出器38は2次電子35を引き付けるために、正バイアスがかけられる。
【0019】
2次電子検出器38からの増幅電気信号出力は、イメージ表示制御ユニット40によってビデオ信号に変換され、サンプル36上の視野の2次電子イメージとして表示するためにビデオ表示ユニット42に供給される。2次電子イメージは、1次電子ビーム25とサンプル36の表面との相互作用によって誘導された、2次電子放出の2次元強度分布またはマップを含む。ビデオ表示ユニット42上に表示される2次電子イメージ中の個々のピクセルの強度は、2次電子検出器38に到達するサンプル36上の対応する位置からの2次電子35の数に依存する。別の方法として、サンプル36からの2次電子イメージは、ビデオ表示ユニット42上に表示される前に離散ピクセルにデジタル化し、コントローラ64のストレージ70内にデジタル形式で保存することができる。サンプル36上の任意の地点から放出される2次電子35の数は、1次電子ビーム25に露光される材料のタイプに依存する。
【0020】
1次電子ビーム25の進行経路は、SEMナノプローバ10のカラム33内の走査コイル14、16、18、20を通過する。走査コイル14、16、18、20は協働して、1次電子ビーム25をx軸およびy軸で偏向させるため、走査コイル14、16、18、20からダウンストリームの1次電子ビーム25は、サンプル36上の表面域に対して事前に設定されたパターンで走査する。電子ビーム制御ユニット44は、励起電圧が印加された走査コイル14、16、18、20によって、1次電子ビーム25の偏向を監視および制御するように構成される。そのため、電子ビーム制御ユニット44は、1次電子ビーム25のラスタ走査、1次電子ビーム25のベクトル走査、ビームのドウェル(dwell)または掃引(sweep)のタイミング、およびビーム・ブランキングを実行可能にすることによって、事前に設定されたパターンを生成するように構成される。SEMナノプローバ10は、1次電子ビーム25、ならびにサンプル・ステージ22の動作、2次電子イメージング、および電気的プロービングを制御および管理するために使用される、様々な制御モジュールを含む。ラスタ走査の場合、走査コイル14、16、18、20には、電子ビーム制御ユニット44内の走査信号生成回路46から、最終倍率に対応する振幅を有する2次元走査信号を供給することができる。電子ビーム制御ユニット44のラスタ制御モジュール48は、ラスタ・セットの開始コーナ、掃引レート(またはドウェルおよびステップ・レート)、ラスタ走査線の初期および終端位置、連続するラスタ走査線間の間隔、ならびに、ラスタ・ボックスの高さを、走査信号生成回路46に示すように構成される。電子ビーム制御ユニット44のベクトル制御モジュール50は、ベクトル開始点、ベクトル方向、ベクトル終端点、および1次電子ビーム25のベクトル走査線の掃引レートを、走査信号生成回路46に示すように構成される。
【0021】
電子ビーム制御ユニット44のビーム・ブランキング制御モジュール52は、ラスタ走査またはベクトル走査のいずれにおいても、サンプル36全体にわたって移動される場合、1次電子ビーム25のブランキングのための開始および停止位置を設定するように構成される。ビーム・ブランキング制御モジュール52は、1次電子ビーム25をカラム33内のダウンストリーム・アパーチャ・ストップ57へと横方向に偏向させるために、偏向板53、55のセットに電圧を印加することが可能であり、それによってビーム25をブランキングするため、結果として1次電子はサンプル36に入射しない。1次電子ビーム25は、偏向板53、55から電圧を除去することによって復元されるため、結果として1次電子ビーム25は、アパーチャ・ストップ57内の開口部を通ってサンプル38へと再度進むことができる。ビーム・ブランキング制御モジュール52が1次電子ビーム25をブランキングするように操作された場合、1次電子ビーム25のサンプル36への進行がブロックされるため、サンプル36からの2次電子放出は停止する。
【0022】
ラスタ走査モードでは、サンプル36全体にわたる1次電子ビーム25の移動は、走査線と呼ばれる一連の水平ストリップに分割される。走査線はそれぞれ、電子ビーム制御ユニット44内の走査信号生成回路46に、1本の軸に平行な線形経路に沿って始点から終点まで一定の増分で(または連続掃引として)1次電子ビーム25を偏向するように、走査コイル14、16、18、20を動作させることによって、実装される。1次電子ビーム25は、始点と終点との間の各介在点で、一定のドウェル時間だけドウェルすることができる。各走査線の終点で、1次電子ビーム25の位置は第1の軸に直角な第2の軸に沿って増分的に前進する。1次電子ビーム25は、正味連続走査線(net successive scan line)を開始するために第1の軸の始点に戻ることができるか、または1次電子ビーム25は終点から始点に戻るように逆方向に偏向することができる。このプロセスは、サンプル36上のすべてのラスタ走査線がトレースされ、1次電子ビーム25が各走査線のすべての地点でドウェルするまで続けられる。
【0023】
SEMナノプローバ10のイメージ表示制御ユニット40は、ビデオ表示ユニット42の動作を管理する。2次電子イメージ94(図3)は、ビデオ表示ユニット42上で定期的にリフレッシュされる。イメージ表示制御ユニット40は、ビデオ表示ユニット42上に表示されるか、または表示バッファ54に格納されてビデオ表示ユニット42に定期的に転送される、2次電子イメージ94と、電子ビーム制御ユニット44および走査コイル14、16、18、20によって引き起こされる1次電子ビーム25の偏向とを、緊密に同期させる。したがって、ビデオ表示ユニット42上に結果として生じる2次電子イメージ94は、サンプル36上の走査域から放出される2次電子35の強度の分布マップであり、これに密接にリンクされる。
【0024】
イメージ表示制御ユニット40は、2次電子イメージ94上のオペレータ定義マスク領域、ゾーン、またはCADレイアウトをビデオ表示ユニット42上で重ね合わせ、電子ビーム制御ユニット44による電子ビームの制御のためにこうしたオペレータ定義情報を取り込むための機能を有する。イメージ表示制御ユニット40は、電子ビーム視野に対してイメージを拡縮するため、およびマスク、ゾーン、またはCADレイアウトを拡縮するための、SEM倍率に関する補償コントロールを含む。イメージ表示制御ユニット40は、ビーム・ブランキング制御モジュール52によって1次電子ビーム25に関して実装された、サンプル36上のマスク領域と相関する空間座標に関して、ビデオ表示ユニット42または表示バッファ54への2次電子イメージ強度信号をブロックするための能力を含む。
【0025】
2次電子イメージ94を使用して、プローブ24、26、28、30は、サンプル36上の導電フィーチャと直接接触してプローブ24、26、28、30のチップを位置決めするために、電動式極微操作装置(motorized micromanipulator)56、58、60、62によって操作される。この位置決めプロセス中に、2次電子イメージ94を使用して、サンプル36上の接点の位置、およびオプションでプローブ24、26、28、30のリアルタイム位置が監視される。プローブ24、26、28、30のチップが適切に位置決めされた場合、電気テスト信号は、プローブ24、26、28、30からサンプル36上の導電フィーチャに向けて送られる。当業者であれば理解されるように、SEMナノプローバ10に関連付けられたプローブ24、26、28、30正確な数は、図1に示された代表的な数と異なる可能性があり、電気テスト測定のタイプに応じて、1から8までの範囲、あるいは8より多くてもよい。
【0026】
SEMナノプローバ10の動作は、ステージ・コントローラ34、イメージ表示制御ユニット40、および電子ビーム制御ユニット44と電気的に結合された、コントローラ64によって調整および制御される。コントローラ64は、プロセッサ66、およびプロセッサ66と結合されたメモリ68を含む。プロセッサ66は1つまたは複数の個々のプロセッサ(たとえばマイクロプロセッサ)を表すことが可能であり、メモリ68は、コントローラ64のメイン・ストレージを備えるランダム・アクセス・メモリ(RAM)デバイス、ならびに、たとえばキャッシュ・メモリ、不揮発性またはバックアップ・メモリ(たとえばプログラマブルまたはフラッシュ・メモリ)、読み取り専用メモリなどの、任意の補助レベルのメモリを表すことが可能である。加えて、メモリ68は、コントローラ64内のいずれかに物理的に配置されたメモリ・ストレージ、たとえば、プロセッサ66内の任意のキャッシュ・メモリ、ならびに、たとえば大容量ストレージ・デバイス70上に格納されるなど、仮想メモリとして使用される任意のストレージ容量を含むものとみなすことができる。大容量ストレージ・デバイス70は、1つまたは複数のデータベース72を含むことができる、キャッシュまたは他のデータ・ストレージを含むことができる。データベース72は、たとえば、本発明の諸実施形態を実施する際に使用するためのCADナビゲーション・データおよびCADレイアウト・データを含むことができる。
【0027】
コントローラ64は、通常、外部と情報を通信するためのいくつかの入力および出力も受信する。コントローラ64は、通常、ユーザまたはオペレータとインターフェースするために、とりわけ、キーボード、マウス、トラックボール、ジョイスティック、タッチパッド、キーパッド、スタイラス、あるいはマイクロフォン、またはそれらすべてなどの、1つまたは複数の入力デバイスと、ならびに、CRTモニタなどのディスプレイ、LCDディスプレイ・パネル、あるいはスピーカ、またはそれらすべて、あるいはプリンタなどの他のタイプの出力デバイスとの、グラフィカル・ユーザ・インターフェース74を含む。コントローラ64とのインターフェースは、コントローラ64と直接または遠隔に接続された外部端末を通じて、あるいは、ネットワーク76、モデム、または他のタイプの認識された通信デバイスを介してコントローラ64と通信する他のコンピュータを通じて、行うこともできる。コントローラ64は、ネットワーク・インターフェース78を通じてネットワーク76上で通信する。
【0028】
コントローラ64は、オペレーティング・システム80の制御下で動作し、様々なコンピュータ・ソフトウェア・アプリケーション、コンポーネント、プログラム、オブジェクト、モジュール、データ構造などを実行するか、さもなければそれらに依拠する。一般に、本発明の諸実施形態を実装するために実行されるルーチンは、オペレーティング・システムまたは特定アプリケーション、コンポーネント、プログラム、オブジェクト、モジュール、または命令シーケンスの一部として実装されるかどうかにかかわらず、本明細書では「コンピュータ・プログラム・コード」または単に「プログラム・コード」と呼ばれる。コンピュータ・プログラム・コードは、通常、コンピュータ内の様々なメモリおよびストレージ・デバイス内に様々な時に常駐し、コンピュータ内の1つまたは複数のプロセッサによって読み取りおよび実行された場合、そのコンピュータに、本発明の様々な態様を具体化するステップまたは要素を実行するために必要な諸ステップを実行させる、1つまたは複数の命令を備える。
【0029】
SEMナノプローバ10は、1次電子ビーム25への露光からデバイス構造の高感度領域をマスクするために使用される、様々な実施形態に関する命令および設定を用いてコントローラ64をプログラミングするための機能を、ユーザに提供することができる。たとえばユーザは、ユーザ・インターフェース74を介してコントローラ64にマスキング動作に関する命令を供給することができる。別の方法として、マスキング動作に関する命令は、たとえばネットワーク76を介してコントローラ64に動作可能に結合された他のコンピュータからなどのように、リモートに受信することができる。
【0030】
図2および図3を参照すると、本発明のある実施形態に従った、デバイス構造の接点(CA)レベルで実行されるプロービング・セッション時のSEMナノプローバ10の動作が示され、サンプル36上で全体として参照番号82で示されている。デバイス構造82は、たとえば電界効果トランジスタまたはいくつかの電界効果トランジスタを含むメモリ・セルとすることができる。プローブ24、26、28、30のチップは、テスト中のデバイスであるデバイス構造82の電気的特徴付けのためにCAレベルの端末または接点84、86、88、90と接触して配置される。
【0031】
プロービング・セッション中、電子ビーム制御ユニット44のビーム・ブランキング制御モジュール52を使用して、1次電子ビーム25が、ビーム・ブランキングを使用するデバイス構造82の高感度領域と空間的に一致する、サンプル36上のマスク領域91(図3)を照射するのを防止する。高感度領域は、たとえばデバイス構造82のゲート・スタック領域とすることができる。しかしながら、プローブ24、26、28、30および接点84、86、88、90の少なくとも一部分は、図2で明らかなように、視野75内で連続的に2次電子ビーム25に露光され、図3で明らかなように、ビデオ表示ユニット42上に表示された2次電子イメージ94内のプローブ24a、26a、28a、30a、および接点84a、86a、88a、90aとして見える。
【0032】
電子ビーム制御ユニット44のラスタ制御モジュール48を使用して、試験中のデバイスを構成するデバイス構造82および接点84、86、88、90を包含する該当領域全体にわたって、1次電子ビーム25のラスタ走査が実施される。初期には、イメージ倍率は低い値に設定される。低い倍率でのイメージングでは、デバイス構造82を含むサンプル36上の該当領域は即時に位置が突き止められる。初期の2次電子イメージ(図示せず)は低倍率で取り込まれ、ビデオ表示ユニット42上に表示される。低倍率イメージを取り込むために必要な露光時間および低電子束は、デバイス構造82の電気的特徴を変更するために、しきい値未満で維持される。ユーザ・インターフェース74を介して、計器ユーザは、デバイス構造82の高感度領域と一致するようにマスク領域91を定義する。
【0033】
イメージ倍率は高値に上げられ、1次電子ビーム25の位置は、デバイス構造82に対してプローブ24、26、28、30を位置決めし、最終的にプローブ24、26、28、30のチップを接点84、86、88、90上に配置するために、横方向に移動することができる。プロービング・セッション中および高倍率の間に、1次電子ビーム25は視野75を構成するサンプル36の表面域全体にわたって走査している。マスク領域91は、走査コイル14、16、18、20の励起を用いて、ビーム・ブランキング制御モジュール52の動作のタイミングを取ることにより、視野75内で実装される。コントローラ64は、電子ビーム制御ユニット44内の走査信号生成回路46から供給される走査コイル14、16、18、20に関する信号を監視し、マスク領域91と交差するが、ビーム・ブランキングのためにマスク領域91内に存在することになる視野75全体にわたって、それらのラスタ走査線の一部に対して1次電子ビーム25をブランキングするために、ビーム・ブランキング制御モジュール52を活動化する。
【0034】
個々のラスタ走査線それぞれについて、コントローラ64は、1次電子ビーム25の位置がマスク領域91の該当する1縁部と交差しようとしている場合、走査コイル14、16、18、20から検出する。サンプル36上のマスク領域91の最初の縁部で、コントローラ64は1次電子ビーム25をブランキングし、これによって1次電子ビーム25への露光に対してマスク領域91をマスクする。そのため、コントローラ64は、偏向板53、55に圧力を印加するようビーム・ブランキング制御モジュール52に指示し、その結果として1次電子ビーム25はアパーチャ・ストップ57に当たるように横方向に偏向される。
【0035】
コントローラ64は、コントローラ64が走査コイル14、16、18、20に供給された電圧から、ブランキングされた1次電子ビーム25の位置がマスク領域91の反対側の縁部と交差しようとしていることを感知するまで、1次電子ビーム25をブランキングされた状態で維持する。コントローラ64は、1次電子ビーム25がマスク領域91外部の視野75内にあるプローブ24、26、28、30およびサンプル36に衝突(impinge)できるように、ビーム・ブランキング制御モジュール52を非活動化する。別の方法として、コントローラ64は、1次電子ビーム25を該当する領域の外へ、またはアパーチャ・ストップ57内の開口部を超えて、移動することのみによって、走査コイル14、16、18、20を用いたビーム・ブランキングを実行することもできる。ラスタ走査は、各ラスタ走査線の終端まで続行され、この地点で、ラスタ走査およびブランキング・プロセスは次の連続するラスタ走査線で反復される。
【0036】
接点84、86、88、90およびプローブ24、26、28、30は、依然として視野75内で1次電子ビーム25に露光されており、2次電子を放出している。前述のように、イメージ表示制御ユニット40およびビデオ表示ユニット42は、1次電子ビーム25のラスタ走査線とリンクしている。結果として接点84a、86a、88a、90aおよびプローブ24a、26a、28a、30aそれぞれの少なくとも一部は、イメージ表示制御ユニット40によって処理されたサンプル36の2次電子イメージ94(図3)内で連続してイメージングされ、ビデオ表示ユニット42上に表示される。1次電子ビーム25はデバイス構造82の高感度領域と一致するマスク領域91全体にわたってブランキングされるため、2次電子はサンプル36上の領域91からは放出されない。2次電子が放出されないため、マスク領域91は、2次電子イメージ94内に埋め込まれた非結像領域92として現れる。
【0037】
倍率の増分に伴い、マスク領域91の寸法は、デバイス構造82の高感度領域を備えるマスク領域91の登録を維持するために、コントローラ64によって設定される倍率の変化と共に拡縮される。拡縮は、マスク領域91に対して電子ビーム走査の中心などの基準点を利用することによって、および、基準点を保持しながら任意の倍率変化に比例してマスク領域91の寸法を拡縮させることによって、実施可能である。マスク領域91は、非マスク接点84、86、88、90のイメージングを最適化するように、およびさらに継続してデバイス構造82の高感度領域を保護するように、倍率を変更するために、コントローラ64によって必要に応じて自動的に調節される。イメージング中に発生する任意のビーム移動動作は、ビーム移動の大きさと等価の変位により、マスク領域91に対する基準点を調節することによって対処される。イメージ倍率の変更に伴い、計器ユーザはマスク領域のサイズを調節することができる。
【0038】
本発明の代替実施形態では、視野75は、ラスタ走査線ではなくベクトル走査線を排他的に用いてイメージング可能である。ベクトル制御モジュール50は、ベクトル走査線を生成するために、適切な励起電圧を走査コイル14、16,18,20に提供するために、電子ビーム制御ユニット44と共に使用される。具体的に言えば、マスク領域91を除いた視野75をカバーするために、複数のベクトル走査線が定義され、電子ビーム制御ユニット44のベクトル制御モジュール50を使用して実装される。ベクトル・セット中の個々のベクトルそれぞれについて、ベクトル制御モジュール50による使用のためのベクトル始点およびベクトル終点が確立される。イメージ表示制御ユニット40によって処理され、ビデオ表示ユニット42上に表示される、2次電子イメージ94内の接点84a、86a、88a、90aおよびプローブ24a、26a、28a、30aを識別するため、適切な解像度で2次電子イメージを生成するのに十分な強度の2次電子信号を提供するために、ベクトル制御モジュール50による使用のためのベクトル掃引レートおよびベクトル密度も確立される。
【0039】
マスク領域91は、図2および図3に関して説明したように、デバイス構造82の高感度領域と一致するように定義される。ベクトル線の定義は、1次電子ビーム25を用いて視野75を走査するが、デバイス構造82の高感度領域が1次電子ビーム25への露光からマスクされるように、マスク領域91は避ける。走査コイル14、16、18、20は、視野75に対応するアドレスでのみ、電子ビーム制御ユニット44内の走査信号生成回路46からの電圧によって励起される。走査コイル14、16、18、20は、1次電子ビーム25に関するベクトル内には見られない、マスク領域91に対応するアドレスについては、走査信号生成回路46からの電圧によって励起されない。
【0040】
イメージ表示制御ユニット40および表示バッファ54は、サンプル36上の1次電子ビーム25のベクトル化と同期される。1次電子ビーム25に関するベクトル走査線は、イメージ表示制御ユニット40が連続して表示バッファ54を更新できるように、連続して反復またはループされる。ビデオ表示ユニット42上に表示される2次電子イメージ94は、視野75からの2次電子イメージ94が連続して表示されるように、表示バッファ54から連続してリフレッシュされる。ビデオ表示ユニット42上に表示される2次電子イメージ94の外観は図3に示される通りであり、埋め込まれた非結像領域92を含む。
【0041】
必要であれば、コントローラ64は、ビーム25が異なるベクトル走査線間でベクトル化される場合、オプションで1次電子ビーム25をブランキングするために、電子ビーム制御ユニット44のビーム・ブランキング制御モジュール52を使用することができる。マスク領域91と交差するサンプル36上のそれぞれのベクトル走査線の一部をビーム・ブランキングすることで、1次電子ビーム25がマスク領域91に入らないようにする。もちろん、1次電子ビーム25がいずれのベクトル走査線に沿って移動する場合も、マスク領域91に入らないように、それぞれのベクトル走査線をサンプル36上の視野75内にある始点および終点を用いて選択することができる。
【0042】
図4を参照すると、本発明の代替実施形態に従って、サンプル36上のマスク領域91の使用は、プローブ24、26、28、30および接点84、86、88、90をイメージングしながら、デバイス構造82の高感度領域を保護するために、1次電子ビーム25のベクトル走査およびラスタ走査の組み合わせと共に使用することもできる。具体的に言えば、視野75は矩形フィールドまたは部分領域96〜99のセットに区分され、1次電子ビーム25は異なる部分領域96〜99の間でベクトル化される。1次電子ビーム25をベクトル始点からベクトル終点までベクトル化した後、それぞれの部分領域96〜99はラスタ走査によって連続してイメージングされる。それぞれのベクトル終点は、部分領域96〜99のうちの1つに関するラスタ走査の開始コーナと一致する。
【0043】
マスク領域91は、図2および図3に関して説明したように、デバイス構造82の高感度領域と一致するように定義される。ビーム・ベクトル・セットはコントローラ64によって定義される。ビーム・ベクトル・セットは、部分領域96〜99のそれぞれにおいてラスタ走査が実装可能なように、サンプル36に対して1次電子ビーム25を移動させるために算出される。その後マスク領域91は、部分領域96〜99それぞれに関するラスタ・セットの開始コーナ、掃引レート(または増分移動に関するドウェルおよびステップ・レート)、部分領域96〜99内の各走査線の初期位置、部分領域96〜99内の各走査線の終端位置、および部分領域96〜99それぞれに関する高さを定義するために、コントローラ64によって使用される。これらのラスタリング・パラメータは、プローブ24、26、28、30およびサンプル36をイメージングするために選択されるが、1次電子ビーム25に対するデバイス構造82の高感度領域の露光は回避する。
【0044】
コントローラ64は、異なる部分領域96〜99間でベクトル化するように、部分領域96〜99および電子ビーム制御ユニット44のベクトル制御モジュール50を実装するために、電子ビーム制御ユニット44のラスタ制御モジュール48を動作させる。走査コイル14、16、18、20は、部分領域96〜99に対応し、部分領域96〜99を結合するベクトルを実装するためのアドレスでのみ、電子ビーム制御ユニット44内の走査信号生成回路46からの電圧によって励起される。それぞれの部分領域96〜99内で、走査コイル14、16、18、20は、コントローラ64によって指示されたように、電子ビーム制御ユニット44内の走査信号生成回路46からの電圧によって励起される。走査コイル14、16、18、20は、部分領域96〜99間のベクトル化中以外の、マスク領域91に対応するアドレスについては、走査信号生成回路46からの電圧によって励起されない。
【0045】
代表的な実施形態では、部分領域96はマスク領域91によって部分領域99とは分離され、同様に、部分領域97はマスク領域91によって部分領域98とは分離される。各イメージ・フレームについて、最初に部分領域96が1次電子ビーム25によってラスタ走査され、1次電子ビーム25が部分領域97に対する開始コーナへとベクトル化され、部分領域97がラスタ走査され、1次電子ビーム25が部分領域98に対する開始コーナへとベクトル化されるという具合である。最終的に1次電子ビーム25は、ループの初めに戻るために、部分領域99の終点から部分領域96に対する開始コーナへと戻ってベクトル走査され、次のフレームが開始される。
【0046】
イメージ表示制御ユニット40および表示バッファ54は、サンプル36上の1次電子ビーム25のベクトルおよびラスタ走査と同期される。1次電子ビーム25に関するベクトルおよびラスタ走査は、イメージ表示制御ユニット40によって処理されたイメージ・データを用いて表示バッファ54を連続して更新するために、連続して反復またはループされる。ビデオ表示ユニット42上に表示される2次電子イメージ94は、部分領域96〜99の2次電子イメージ94が図3に示されたような外観でビデオ表示ユニット42上に表示されるように、表示バッファ54によってリフレッシュされる。非結像領域92は2次電子イメージ94内に埋め込まれる。
【0047】
コントローラ64はオプションで、ビーム25がベクトル終点からベクトル始点へと移動される場合、1次電子ビーム25をブランキングするために、電子ビーム制御ユニット44のビーム・ブランキング制御モジュール52を使用することができる。マスク領域91と交差するサンプル36上のそれぞれのベクトルの一部をビーム・ブランキングすることで、1次電子ビーム25がマスク領域91に入らないようにする。
【0048】
図5および図6を参照すると、本発明のある実施形態に従って、デバイス構造82近くの結像表面域を、1次電子ビーム25によってラスタ走査される矩形の部分領域100〜103に区分することができる。部分領域100〜103の使用により、電子ビーム制御ユニット44のビーム・ブランキング制御モジュール52のビーム・ブランキングまたは動作を不要とすることができる。マスク領域91は、図2、図3、および図4の実施形態におけるように、デバイス構造82の高感度領域と一致するように定義される。その後マスク領域91は、サンプル36上にプローブ24、26、28、30および視野75をイメージングするために必要な部分領域100〜103に対する境界を定義するために、コントローラ64によって使用されるが、1次電子ビーム25に対するデバイス構造82の高感度領域の露光は回避する。
【0049】
コントローラ64は、部分領域100〜103のそれぞれについて、ラスタ・セットの開始コーナ、掃引レート(または増分移動に関するドウェルおよびステップ・レート)、部分領域100〜103における各走査線の初期位置、部分領域100〜103における各走査線の終端位置、および部分領域100〜103それぞれに関する高さを決定する。電子ビーム制御ユニット44のラスタ制御モジュール48は、1次電子ビーム25に対するマスク領域91の露光を避ける旨の指令によって、部分領域100〜103内でラスタ走査を実装するために、コントローラ64によって使用される。部分領域100〜103それぞれにおいて、走査コイル14、16、18、20は、ラスタ制御モジュール48およびコントローラ64の制御の下で、電子ビーム制御ユニット44内の走査信号生成回路46からの電圧によって励起される。
【0050】
ビデオ表示ユニット42上にイメージ表示制御ユニット40によって生成されるラスタ・ボックスは、サンプル36上の視野75の2次電子イメージ94がビデオ表示ユニット42上に表示されるように、1次電子ビーム25のラスタ・セットと空間的に同期される。そのため、ビデオ表示ユニット42のラスタ走査線は、イメージ表示制御ユニット40およびコントローラ64によって、部分領域100〜103に対応する部分領域に区分される。ビデオ表示ユニット42上に表示される2次電子イメージ94は、サンプル36上の視野75内のマスク領域91に対応するイメージ94内に非結像領域92が埋め込まれた、図3に示されるような外観を有する。
【0051】
2次電子イメージ94内を見やすくするように、サンプル36上の視野75におけるラスタ・セット内の部分領域100〜103は、相対的に高い走査速度でループ可能である。これにより、視野75およびプローブ24、26、28、30のチップ全体にわたって、サンプル36のビデオ表示ユニット42上でリアルタイムのレンダリングが可能となる。別の方法として、表示バッファ54を使用してイメージを獲得し、ビデオ表示ユニット42上に表示される2次電子イメージ94を連続してリフレッシュすることができる。この場合、イメージ表示制御ユニット40から表示バッファ54へのイメージ・データの書き込みは、サンプル36上の視野75全体にわたる1次電子ビーム25の部分領域100〜103のラスタ走査と同期される。
【0052】
この実施形態では、ビーム・ブランキング制御モジュール52の使用は省略される。代わりに、コントローラ64の制御の下で、電子ビーム制御ユニット44内の走査信号生成回路46から走査コイル14、16、18、20に印加される励起電圧を使用して、部分領域100〜103のそれぞれに走査線のセットが生成される。たとえば、部分領域100内のすべてのラスタ走査線は部分領域101内のラスタ走査線が掃引される前に掃引され、部分領域101内のすべてのラスタ走査線は部分領域103内のラスタ走査線が掃引される前に掃引され、部分領域103内のすべてのラスタ走査線は部分領域102内のラスタ走査線が掃引される前に掃引される。
【0053】
図7を参照すると、本発明の代替実施形態に従って、コンピュータ支援設計(CAD)レイアウトおよびCADナビゲーションが1次電子ビーム25のマスキングと共に利用される。コントローラ64は初期に、対象となるデバイス構造82から遠隔のチップ領域全体にわたり、プローブ24、26、28、30をサンプル36と位置合わせするために、ステージ・コントローラ34にサンプル・ステージ22を動作させる。初期位置合わせのための場所が選択されるため、デバイス構造82は1次電子ビーム25に露光されない。対象となるデバイス構造82に関するCADレイアウト108は、プローブ24、26、28、30の2次電子イメージ94全体にわたってオーバレイまたは重ね合わされる。CADレイアウト108は、接点84、86、88、90に対応するフィーチャ84b、86b、88b、90bを含む、デバイス構造82に対応するフィーチャを含む。次に、プローブ24、26、28、30のおよびCADレイアウト108が位置合わせされる。2次電子イメージ94は、プロービング・セッションに関する最終の高倍率に対応する倍率で取り込まれる。マスク領域91は、最終高倍率でのデバイス構造82に関しても定義される。
【0054】
次に、1次電子ビーム25はオフに切り換えられ、サンプル36からの2次電子放出は停止する。コントローラ64はCADデータを使用してステージ・コントローラ34を操作し、1次電子ビーム25がコントローラ64によって復元された場合、デバイス構造82周囲の領域が1次電子ビーム25に露光されるように、サンプル・ステージ22にサンプル36を移動させる。計器倍率は、サンプル・ステージの解像度およびプロービング・セッションに使用されることになる高倍率に依存し、最終の高倍率であるが、それでもなお1次電子ビーム25がオンに切り換えられた場合、対象となるデバイス構造82が視野内に入ることが保証可能な倍率に最も近い倍率にセットされる。一実施形態では、CADデータを使用するCADナビゲーションの精度は50ナノメータに近いかまたはこれを超えることができる。
【0055】
その後、プロービング・セッションが開始される。1次電子ビーム25はオンに切り換えられ、サンプル36上の視野75は高倍率でイメージングされる。前述のように事前にプログラミングされたマスク領域91が瞬間的に存在することで、1次電子ビーム25への露光からデバイス構造82の高感度領域を保護する。2次電子イメージングが開始された後、プローブ24、26、28、30およびマスク領域91下へのサンプル36の配置は、必要であればできる限り速やかに微細に調整される。プローブ24、26、28、30は接点84、86、88、90まで下げられ、サンプル36上のマスク領域91を1次電子ビーム25に露光させることもなく、デバイス電気測定が実行される。プローブ24、26、28、30は、ビーム25をオンで維持することにより、プロービング・セッション中の圧力上昇あるいは横移動またはその両方を監視することができる。
【0056】
図8および図9を参照すると、本発明のある実施形態に従って、プロービング・セッション中にデバイス構造82の高感度領域に送達される電子線量を減少させるために、1次電子ビーム25に関する差分ラスタ走査速度が適用される。1次電子ビーム25は、ラスタ・ボックス124において相対的に高速で、コントローラ64および電子ビーム制御ユニット46の指示の下に視野126内で走査される。ラスタ・ボックス124は、サンプル36上のマスク領域91に空間的に登録される。サンプル36上の視野126の残余部分は、高速の走査速度よりも大幅に遅い相対的に低速の走査速度で、コントローラ64および電子ビーム制御ユニット46の指示の下に、1次電子ビーム25によって走査される。低速および高速の走査速度は、1次電子ビーム25に関するそれぞれの結像点での異なるドウェル設定値によって確立することができる。プローブ24、26、28、30およびサンプル36の表面は、電気測定中に2次電子イメージ94内にイメージングすることができる。
【0057】
ビデオ表示ユニット42上にイメージ表示制御ユニット40によってレンダリングされる2次電子イメージ94は、1次電子ビーム25と同期される。計器ユーザは、ユーザ・インターフェース74、コントローラ64、およびサンプル36から獲得された2次電子イメージ94を採用して、サンプル36上のマスク領域91とリンクされた高速ラスタ・ボックス124を定義する。高速ラスタ・ボックス124の長さおよび高さは、電子ビーム制御ユニット44のラスタ制御モジュール48によって使用されるパラメータを設定することにより、ユーザによって定義される。コントローラ64は、このユーザ設定値に基づき、ラスタ制御モジュール48からの命令を電子ビーム制御ユニット44内の走査信号生成回路46に提供し、2次電子イメージ94内に高速ラスタ・ボックス124がはめ込まれる。各ラスタ走査線では、任意の地点での1次電子ビーム25のドウェル時間は、高速ラスタ・ボックス124の外周縁内よりも高速ラスタ・ボックス124の外側の方が遅い。
【0058】
サンプル36上の高速ラスタ・ボックス124に対応する高速ラスタ・ボックス120が、2次電子イメージ94内に表されている。高速ラスタ・ボックス120内のオブジェクトは2次電子イメージ94内に半透明で表されており、高速ラスタ・ボックス120の外側のイメージ品質は相対的に高解像度である。計器ユーザは、2次電子イメージ94の高速ラスタ・ボックス120内の接触地点で、プローブ24、26、28、30を視覚化および監視することができる。高速ラスタ・ボックス120の外側でのプローブ24、26、28、30の低速イメージングにより、ユーザはプローブ24、26、28、30のシャンクのイメージを明瞭に目視し、圧力が上昇しているかどうかを判別することができる。サンプル36上の高速ラスタ・ボックス124内での1次電子ビーム25の走査速度は、150%、200%、500%など、またはサンプル36上の視野126の残余部分に関する他のユーザ定義の走査速度パーセントに調節可能である。
【0059】
代替実施形態では、高速ラスタ・ボックス124は、1次電子ビーム25への暴露を受けず、視野126内にはめ込まれた、マスク領域(図示せず)を有することができる。このマスク領域では低速走査が実行され、その後高速ラスタ・ボックス124内で高速走査が実行される。この走査の組み合わせがループまたは循環され、表示バッファ54を使用して走査が取り込まれ、ビデオ表示ユニット42上の2次電子イメージ94が表示バッファ54からリフレッシュされる。
【0060】
本発明の他の代替実施形態では、前述の様々な手法を組み合わせて適用し、プロービング・セッション中に1次電子ビーム25に露光されるデバイス構造82に送達される電子線量を最小限に抑えることができる。たとえば、図5および図6に関連して説明したようなラスタ走査の部分領域、ならびに図2および図3のマスク・ラスタ走査手法を、互いに組み合わせて使用することができる。本明細書で言及する低倍率走査は、イメージングにラスタ走査、ベクトル走査、またはその両方が使用されるかどうかにかかわらず、高倍率走査と比較して低い加速電圧あるいはビーム電流またはその両方で実行可能である。電子ビーム照射およびイメージングは、プローブ24、26、28、30を監視するためにデバイス電気測定中に実行されるものとして説明されるが、プローブ24、26、28、30を監視せずに、測定中に1次電子ビーム25をオフにすることが可能である。
【0061】
本明細書で使用される用語は特定の諸実施形態を説明するためのみのものであり、本発明を限定することは意図していない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が特に明確に指示していない限り複数形も含むものと意図される。さらに、「備える(comprises)」あるいは「備えている(comprising)」という用語、またはその両方は、本明細書で使用される場合、示された機能、整数、ステップ、動作、要素、あるいはコンポーネント、またはそれらすべての存在を指定するものであるが、他の機能、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント、あるいはそれらのグループ、またはそれらすべてのうちの1つまたは複数の存在または追加を排除するものではないことを理解されよう。さらに、「含む(includes)」、「有している(having)」、「有する(has)」、「伴う(with)」、またはそれらの変形の用語が詳細な説明または特許請求の範囲のいずれかで使用されるという点で、こうした用語は、「備えている(comprising)」と同様に包括的であるものと意図される。本発明の諸実施形態の特徴は、図面内で必ずしも一定の比率で拡縮されて示されていないことも理解されよう。
【0062】
以下の特許請求の範囲におけるすべての手段またはステップの対応する構造、材料、動作、および等価物、ならびに機能要素は、具体的に請求された他の請求要素と組み合わせて機能を実行するための任意の構造、材料、または動作を含むことが意図されている。本発明の説明は例示および説明の目的で提示されてきたが、本発明を網羅するかまたは開示された形に限定することは意図されていない。当業者であれば、本発明の範囲および趣旨を逸脱することなく、多くの修正および変形が明らかとなろう。実施形態は、本発明の原理および実際の応用例を最もよく説明するため、ならびに、企図された特定の用途に好適なものとして様々な修正を伴う様々な実施形態について、当業者が本発明を理解できるようにするために、選択および説明された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイス構造の第1の領域および第2の領域に対して少なくとも1つのプローブを位置決めすること、
前記第1の領域および前記少なくとも1つのプローブ全体にわたって荷電粒子ビームを走査すること、
前記第1の領域全体にわたって前記荷電粒子ビームが走査される場合、前記第2の領域を前記荷電粒子ビームへの露光からマスクすること、および、
結像部分としての前記第1の領域および前記少なくとも1つのプローブと、非結像部分としての前記第2の領域とを含む、2次電子イメージを形成するために、前記デバイス構造の前記第1の領域および前記少なくとも1つのプローブから放出された2次電子を収集すること、
を含む、少なくとも1つのプローブを使用してサンプル上のデバイス構造をナノプロービングするための方法。
【請求項2】
前記第2の領域をマスクすることが、
前記荷電粒子ビームが前記第2の領域に衝突することのないよう、前記第2の領域内の前記サンプル上で走査される位置に対して前記荷電粒子ビームをブランキングすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記荷電粒子ビームをブランキングすることが、
前記サンプルからアップストリームのアパーチャ・ストップに衝突するように前記荷電粒子ビームを偏向するために有効な1つまたは複数の偏向板に電圧を印加することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記荷電粒子ビームを走査することが、
複数の走査線として、前記サンプルに対して前記荷電粒子ビームをラスタ走査することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記走査線が前記第2の領域に入ることのないよう、前記第2の領域内の前記サンプル上で走査される位置に対して前記荷電粒子ビームをブランキングすることをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の領域全体にわたって前記荷電粒子ビームを走査することが、
前記第1の領域内に限定された複数のベクトル走査線内で、前記サンプル上の前記荷電粒子ビームを移動させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記2次電子イメージをビデオ表示ユニット上に表示すること、および
前記ビデオ表示ユニット上に表示された前記2次電子イメージを、前記荷電粒子ビームの前記ベクトル走査線と同期させるために、表示バッファを使用すること、
をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の領域をマスクすることが、
前記第1の領域を前記サンプル上の複数の矩形の部分領域に分割すること、および
それぞれの前記矩形の部分領域について、複数のラスタ走査線として、前記サンプルに対して前記荷電粒子ビームをラスタ走査すること、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記2次電子イメージをビデオ表示ユニット上に表示すること、および
前記ビデオ表示ユニット上のラスタ走査線を、それぞれの前記矩形の部分領域内の前記ラスタ走査線と同期させること、
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
それぞれの前記矩形の部分領域内の前記ラスタ走査線が、1つの前記ベクトルの終点で開始し、他の前記ベクトルの始点で終了するように、複数のベクトル内で前記サンプル上の前記荷電粒子ビームを移動する、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の領域をマスクすることが、
前記荷電粒子ビームが前記ラスタ走査中に前記第2の領域に衝突しないように、前記第2の領域と交差する前記サンプル上のそれぞれの前記ベクトルの一部に対して前記荷電粒子ビームをブランキングすることをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記2次電子イメージをビデオ表示ユニット上に表示すること、および
前記ビデオ表示ユニット上のベクトルおよびラスタ走査線を、前記荷電粒子ビームの前記ベクトルおよび前記ラスタ走査線と同期させること、
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記デバイス構造の前記第1の領域および前記少なくとも1つのプローブから放出された2次電子を収集する間に、前記デバイス構造から電気測定を獲得するために前記少なくとも1つのプローブを使用すること、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つのプローブを、前記電気測定の目的で前記デバイス構造の接点と接触させること、および
前記デバイス構造の前記第1の領域および前記少なくとも1つのプローブから放出された2次電子を収集する間に、前記少なくとも1つのプローブのシャンクの変形、または前記接点に対する前記少なくとも1つのプローブのチップの横方向移動について、前記2次電子イメージ内の前記少なくとも1つのプローブを監視すること、
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記荷電粒子ビームが1次電子ビームである、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記2次電子イメージをビデオ表示ユニット上に表示すること、および
前記ビデオ表示ユニット上の走査線を、前記荷電粒子ビームの前記走査と同期させること、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記デバイス構造の前記第1の領域および前記第2の領域に対して前記少なくとも1つのプローブを位置決めすることが、
前記デバイス構造のコンピュータ支援設計(CAD)レイアウトを使用して、前記第1の領域および前記第2の領域に対して前記少なくとも1つのプローブを位置決めすること、
前記デバイス構造の前記第1の領域全体にわたって前記荷電粒子ビームが走査される前に、前記デバイス構造の前記第1の領域が前記少なくとも1つのプローブに対して位置決めされるように、CADナビゲーションを使用して、前記少なくとも1つのプローブに対して前記サンプルを移動すること、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の領域および前記第2の領域に対して前記少なくとも1つのプローブを位置決めすることが、
前記デバイス構造から遠隔の前記サンプル上の位置で、前記少なくとも1つのプローブの他の2次電子イメージを獲得すること、
前記少なくとも1つのプローブの前記2次電子イメージ上に、前記デバイス構造の前記CADレイアウトを重ね合わせること、および
前記CADレイアウトに対して前記少なくとも1つのプローブを位置決めすること、
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記デバイス構造の前記CADレイアウトに対して前記第2の領域に関する境界を定義することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
デバイス構造の第1の領域および第2の領域に対して少なくとも1つのプローブを位置決めすること、
前記第1の領域全体にわたって荷電粒子ビームを第1の走査速度で走査すること、
前記第2の領域全体にわたって前記荷電粒子ビームを前記第1の走査速度よりも速い第2の走査速度で走査すること、および
結像部分としての前記第1および第2の領域と、前記少なくとも1つのプローブとを含む、2次電子イメージを形成するために、前記第1および第2の領域と前記少なくとも1つのプローブとから放出された2次電子を収集すること、
を含む、少なくとも1つのプローブを使用してサンプル上のデバイス構造をナノプロービングするための方法。
【請求項21】
前記デバイス構造の前記第1および第2の領域と、前記少なくとも1つのプローブとから放出された2次電子を収集する間に、前記デバイス構造から電気測定を獲得するために前記少なくとも1つのプローブを使用すること、
をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記2次電子をビデオ表示ユニット上に表示すること、および
前記ビデオ表示ユニット上のラスタ走査線を、前記荷電粒子ビームの前記走査と同期させること、
をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の領域が、前記第2の領域よりも高い解像度で前記2次電子イメージ内に表示されるように、前記第2の領域から放出される単位面積当たりの前記第2の電子の強度が、前記第1の領域から放出される単位面積当たりの前記第2の電子の強度よりも低い、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記荷電粒子ビームが1次電子ビームである、請求項20に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−514190(P2012−514190A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542753(P2011−542753)
【出願日】平成21年12月9日(2009.12.9)
【国際出願番号】PCT/EP2009/066698
【国際公開番号】WO2010/076136
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】