説明

難燃剤及びそれを含む半導体封止用エポキシ樹脂組成物

【課題】毒性がなく、半導体装置の信頼性を低下することのない難燃剤及び該難燃剤を含む、半導体素子封止用組成物を提供する。
【解決手段】多孔性無機微粒子、前記多孔性無機微粒子に担持された下記平均組成式(1)で示されるホスファゼン化合物、及び、前記ホスファゼン化合物を担持する多孔性無機微粒子を被覆する樹脂層からなり、前記樹脂は、熱天秤にて、空気下で、室温から10℃/分で昇温したときに熱分解による重量減が10重量%になる温度が300〜500℃である、難燃剤。


[Xは単結合、又はCH、C(CH、SO、S、O及びO(CO)Oからなる群より選ばれる基であり、nは3≦n≦1000の整数であり、d及びeは、2d+e=2nを満たす数である。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体封止用樹脂のための難燃剤に関し、詳細には、ホスファゼン化合物を多孔性粒子に担持させ、該粒子を所定の熱分解性の樹脂層で被覆してなる難燃剤、及び、該難燃剤を含む半導体封止用樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイオード、トランジスター、IC、LSI、超LSI等の半導体素子は、主として、エポキシ樹脂組成物で封止される。得られた半導体デバイスは、家電製品、コンピュータ等、生活環境のあらゆる所で使用されるため、万が一の火災に備えて、難燃性が要求される。
【0003】
難燃性を付与するために、一般に、ハロゲン化エポキシ樹脂と三酸化アンチモンとが配合されている。このハロゲン化エポキシ樹脂と三酸化アンチモンとの組み合わせは、気相においてラジカルトラップ、空気遮断効果が大きく、その結果、高い難燃効果が得られるものである。
【0004】
しかし、ハロゲン化エポキシ樹脂は燃焼時に有毒ガスを発生するという問題があり、また三酸化アンチモンにも毒性があるため、人体、環境に対する影響を考慮すると、これらの難燃剤を樹脂組成物中に全く含まないことが好ましい。さらに、ハロゲン化エポキシ樹脂は、高温下で発生するBrラジカルが半導体装置のAu線とAl線の結合部のAu―Al合金と反応し、Al−Br化合物を形成するため、半導体装置が耐熱性に劣る。
【0005】
ハロゲン化エポキシ樹脂あるいは三酸化アンチモンの代替として、Al(OH)、Mg(OH)等の水酸化物、赤リン、リン酸エステル等のリン系難燃剤等の検討がなされてきている。しかし、これらの水酸化物は難燃効果が低いため、難燃組成とするためには、エポキシ樹脂組成物中に水酸化物を多量に添加しなければならず、その結果、組成物の粘度が上昇し、成形時にボイド、ワイヤー流れ等の成形不良が発生するという問題がある。また、赤リン、リン酸エステル等のリン系難燃剤は、半導体装置が高湿下に置かれると加水分解されてリン酸が生成し、このリン酸がアルミ配線を腐食させ、信頼性を低下させるという大きな問題があった。
【0006】
この問題を解決するため、赤リンの表面にSi組成からなる被覆層で被覆した化合物を難燃剤として使用したエポキシ樹脂組成物が提案されているが(特許文献1)、上記の耐湿信頼性は改善されていないのが現状である。
【0007】
リン系難燃剤として、環状ホスファゼン化合物を、使用したエポキシ樹脂組成物も提案されているが(特許文献2)、上述のように、リン酸化合物が発生して、半導体素子の高温動作に影響を及ぼすことがある。
【0008】
一方、芯物質と膜材物質からなるカプセル型難燃剤が知られている(特許文献3)。該芯物質は難燃作用を有し、膜材物質は30℃における曲げ弾性率が2000kg/mm2以下の有機材料、例えばエポキシ樹脂またはアクリル樹脂である。芯物質は、金属水酸化物、ホウ酸亜鉛であるが、上述のとおり、これらの難燃効果は低い。また、該カプセル型難燃剤は、メカノフュージョン法により調製されるが、該方法が適用できる芯物質と膜材物質の組合せが限定される。
【特許文献1】特許第2843244号公報
【特許文献2】特開平10−259292号公報
【特許文献3】特開平11−255955号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、毒性がなく、半導体装置の信頼性を低下することのない、難燃剤及び該難燃剤を含む、半導体素子封止用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
即ち、本発明は、下記のものである。
多孔性無機微粒子、
前記多孔性無機微粒子に担持された下記平均組成式(1)で示されるホスファゼン化合物、及び、
前記ホスファゼン化合物を担持する多孔性無機微粒子を被覆する樹脂層からなり、
前記樹脂は、熱天秤にて、空気下で、室温から10℃/分で昇温したときに熱分解による重量減が10重量%になる温度が300〜500℃である、
難燃剤。
【0011】
【化1】


[但し、Xは単結合、又はCH、C(CH、SO、S、O及びO(CO)Oからなる郡より選ばれる基であり、nは3≦n≦1000の整数であり、d及びeは2d+e=2nを満たす数である。]
【0012】
また、本発明は、
(A)難燃剤
(B)エポキシ樹脂
(C)硬化剤
(D)無機充填材
を含む半導体封止用エポキシ樹脂組成物であって、
(A)難燃剤が、上記本発明の難燃剤であり、
(A)難燃剤は、(B)エポキシ樹脂と(C)の合計100質量部に対して5〜50質量部で含まれ、及び
該半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、臭素化物及びアンチモン化合物を含まない、
ことを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物である。
さらに、本発明は該樹脂組成物で封止された半導体装置を提供する。
【発明の効果】
【0013】
上記本発明の難燃剤は、アンチモン、ハロゲンと異なり、毒性が無い。また、樹脂層で被覆されているので、高湿下におかれたときにも、加水分解することが無く、半導体装置の信頼性を損なうことが無い。該樹脂層は、ホスファゼン化合物の難燃性が発揮されるのに適切な熱分解性を備え、本発明の樹脂組成物で封止された半導体装置は、難燃規格UL-94で、V-0を達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明の難燃剤は、下記平均組成式(1)で示されるホスファゼン化合物を活性成分とするものである。
【0015】
【化2】


[但し、Xは単結合、又はCH、C(CH、SO、S、O及びO(CO)Oからなる群より選ばれる基であり、nは3≦n≦1000の整数であり、d及びeは2d+e=2nを満たす数である。]
【0016】
式(1)において、好ましくはnは3〜10であり、合成上特に好ましくはn=3である。
【0017】
好ましくは、d及びeは、0≦d≦0.25n、及び1.5n≦e≦2nである。また、Xが単結合である場合、下記構造、
【0018】
【化3】

は下記構造、
【0019】
【化4】

を表す。
【0020】
平均組成式(1)で示されるホスファゼン化合物を、担持した粒子を封止又は被覆する樹脂は、熱天秤にて、空気下で、室温から10℃/分で昇温したときに熱分解による重量減が10重量%になる温度が300〜500℃、好ましくは340℃〜500℃である。
【0021】
重量減が10重量%になる温度が前記下限値より下であると、燃焼下に晒される前に、粒子が露出され得、それに担持されたホスファゼン化合物が半導体部品と接して、該部品を損傷する可能性があるので、好ましくない。一方、上記上限値より上である場合、燃焼時においても、ホスファゼン化合物が樹脂層に被覆されたままとなり、難燃効果を発揮できない。
【0022】
被覆樹脂層を構成する樹脂または樹脂組成物としてはエポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、シリコーン樹脂、シアネートエステル樹脂、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン樹脂、又はポリスチレン樹脂と、必要に応じてこれらの硬化剤を含む樹脂組成物が使用され、好ましくはエポキシ樹脂と、フェノール樹脂硬化剤を含む組成物、及びビスマレイミド樹脂である。被覆樹脂または組成物は、多孔性微粒子の比表面積にも依存するが、ホスファゼン化合物1質量部に対して、典型的には0.05〜1.5質量部、より典型的には0.1〜0.5質量部使用される。
【0023】
前述のホスファゼン化合物を担持する多孔性無機微粒子としては、二酸化珪素、珪酸カルシウム、アパタイト、アルミナ、ゼオライトなどが挙げられ、好ましくは二酸化珪素である。平均粒径は0.5〜20μm、好ましくは1〜10μmで、比表面積は100〜600m/g、好ましくは150〜400m/gである。
【0024】
本発明の難燃剤の製造は、下記工程により作ることができる。
(1)ホスファゼン化合物を溶媒に溶解して溶液を調製する。
(2)前記ホスファゼン溶液を、減圧下で、多孔性無機微粒子に添加して、所定時間攪拌した後、有機溶媒を留去する。
(3)別途、被覆層樹脂または組成物を溶媒に溶解して溶液を調製する
(4)工程(2)で得られたホスファゼン化合物を担持した多孔性微粒子に被覆樹脂溶液を添加して、所定時間加熱下で攪拌した後、溶媒を留去する。
(5)工程(4)で得られた、樹脂組成物層で被覆された微粒子を、必要に応じて加熱して該被覆樹脂層を硬化する。
工程(3)は、(1)と並行して行ってもよい。
【0025】
ここで減圧の程度は、ホスファゼン化合物が蒸発揮散しない圧力の範囲内であり、使用する溶媒の性質、および多孔性微粒子の細孔径に応じて、調整することが望ましい。
【0026】
(1)で示されるホスファゼン化合物は、難燃剤中に10〜60質量%、更に好ましくは30〜60質量%の割合で存在することが好ましい。10質量%以下では、単位質量当たりの難燃効果が低い為、後述する半導体封止用組成物中への添加量が多量になり、コスト的に不利となる。一方、多孔性微粒子の比表面積にも拠るが、通常、前記上限値を超える量のホスファゼン化合物を、担持することは難しい。
【0027】
得られた本発明の難燃剤は、熱安定性の樹脂もしくは樹脂組成物で被覆されている為、耐熱性が高く、300℃以下の温度では、ホスファゼン化合物が分解してリン酸化合物が発生することもない。また、耐水性が高く、水抽出試験においてもリン酸イオン等が漏出することがない。そして、燃焼時高温に晒されると、被覆樹脂層が熱分解され、ホスファゼン化合物が露出されて難燃効果を発揮する。
【0028】
本発明は、上記難燃剤(以下、(A)難燃剤とする)を含む、エポキシ樹脂半導体封止用組成物にも関する。(A)難燃剤は、後述する(B)エポキシ樹脂と(C)硬化剤合計100質量部に対して5〜50質量部、好ましくは5〜30質量部で配合される。(A)難燃剤の多孔性粒子の粒径を調整することにより、組成物の流動性及び成形性を調整することができる。
【0029】
[(B)エポキシ樹脂]
本発明の組成物において(B)エポキシ樹脂としては、ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールアルカン型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格含有アラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、スチルベン型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を併用することができる。これらのうちでは、芳香環を含むエポキシ樹脂、例えばクレゾールノボラック型、トリフェノールアルカン型、が好ましい。なお、本発明において、臭素化エポキシ樹脂は配合されない。
【0030】
上記エポキシ樹脂は、加水分解性塩素が1000ppm以下、特に500ppm以下であり、ナトリウム及びカリウムはそれぞれ10ppm以下とすることが好ましい。加水分解性塩素が1000ppmを超えたり、ナトリウム又はカリウムが10ppmを超える場合は、封止された半導体装置が長時間高温高湿下に放置された場合の耐湿性に劣る場合がある。
【0031】
[(C)硬化剤]
(C)硬化剤としては、フェノール樹脂が好ましく、具体的には、フェノールノボラック樹脂、ナフタレン環含有フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂、トリフェノールアルカン型フェノール樹脂、ビフェニル骨格含有アラルキル型フェノール樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂、脂環式フェノール樹脂、複素環型フェノール樹脂、ナフタレン環含有フェノール樹脂、ビスフェノールA型樹脂、ビスフェノールF型樹脂等のビスフェノール型フェノール樹脂などが挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を併用することができる。
【0032】
上記硬化剤は、エポキシ樹脂と同様に、ナトリウム及びカリウムをそれぞれ10ppm以下とすることが好ましい。ナトリウム又はカリウムが10ppmを超える場合は、長時間高温高湿下に半導体装置を放置すると、耐湿性が劣化する場合がある。
【0033】
(B)成分に対する(C)成分の配合割合については特に制限されず、従来一般的に採用されているエポキシ樹脂を硬化し得る有効量とすればよいが、硬化剤としてフェノール樹脂を用いる場合、(B)成分中に含まれるエポキシ基1モルに対して、硬化剤中に含まれるフェノール性水酸基のモル比が、通常0.5〜1.5、特に0.8〜1.2の範囲とすることが好ましい。
【0034】
また、本発明において、エポキシ樹脂と硬化剤との硬化反応を促進させるため、硬化促進剤を用いることが好ましい。この硬化促進剤は、硬化反応を促進させるものであれば特に制限はなく、例えばトリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボラン、テトラフェニルホスフィン・テトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンと1,4−ベンゾキノンの付加物などのリン系化合物、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7などの第3級アミン化合物、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール化合物等を使用することができる。
【0035】
硬化促進剤は、硬化剤としてフェノール樹脂を使用する場合には、(B)、(C)成分の総量100質量部に対し、0.1〜5質量部、特に0.5〜2質量部とすることが好ましい。
【0036】
[(D)無機充填剤]
本発明のエポキシ樹脂組成物中に配合される(D)無機充填材としては、通常エポキシ樹脂組成物に配合されるものを使用することができる。例えば溶融シリカ、結晶性シリカ等のシリカ類、アルミナ、窒化珪素、窒化アルミニウム、ボロンナイトライド、酸化チタン、ガラス繊維等が挙げられる。
【0037】
これら無機質充填剤の平均粒径や形状及び無機質充填剤の充填量は、特に限定されないが、難燃性を高めるためには、エポキシ樹脂組成物中に成形性を損なわない範囲で可能な限り多量に充填させることが好ましい。この場合、無機質充填剤の平均粒径、形状として、平均粒径5〜30μmの球状の溶融シリカが特に好ましく、また、(D)成分である無機質充填剤の充填量は、(B)、(C)成分の総量100質量部に対し、300〜1200質量部、特に500〜1000重量部とすることが好ましい。
【0038】
なお、本発明において、平均粒径は、例えばレーザー光回折法等による重量平均粒径(又はメディアン径)等として求めることができる。
【0039】
なお、無機充填剤は、樹脂との結合強度を高くするため、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤等のカップリング剤で予め表面処理したものを配合することが好ましい。このカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン類;N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン類等のシランカップリング剤を用いることが好ましい。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。また、表面処理に用いるカップリング剤の配合量及び表面処理方法については、特に制限されるものではない。
【0040】
[他の配合成分]
本発明の半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲内において、各種の添加剤を配合することができる。該添加剤としては、三酸化アンチモン等のアンチモン化合物を除く他の難燃剤、例えば水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、ホウ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛;熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、有機合成ゴム、及びシリコーン系等の低応力剤;カルナバワックス、高級脂肪酸、合成ワックス等の離型剤;カーボンブラック等の着色剤;ハイドロタルサイト化合物、リン酸ジルコニウム化合物、水酸化ビスマス化合物等のハロゲントラップ剤、及び半導体素子との接着性を高めるためのシランカップリング剤等を添加することもできる。
【0041】
離型剤成分としては、例えばカルナバワックス、ライスワックス、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、モンタン酸、モンタン酸と飽和アルコール、2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−エタノール、エチレングリコール、グリセリン等とのエステル化合物であるモンタンワックス;ステアリン酸、ステアリン酸エステル、ステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体、等が挙げられこれら1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。離型剤の配合比率としては(B)及び(C)成分の総量100質量部に対して、0.1〜5質量部、更に好ましくは0.3〜4質量部であることが望ましい。
【0042】
シランカップリング剤としては、上記充填剤の表面処理に使用することができる物の他、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(トリエトキシプロピル)テトラスルフィド、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0043】
[エポキシ樹脂組成物の調製等]
本発明のエポキシ樹脂組成物は、例えば、上記(A)〜(D)成分及びその他の添加物を所定の組成比で配合し、これをミキサー、ボールミル等によって十分均一に混合した後、熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等を用いて、加熱下で混合処理を行い、次いで冷却固化させ、所望により、適当な大きさに粉砕して成形材料として得ることができる。(A)難燃剤は、樹脂層で被覆されているので、上記混合工程で、ホスファゼン化合物が(B)エポキシ樹脂中に出てくることはない。
【0044】
このようにして得られる本発明のエポキシ樹脂組成物は、各種の半導体装置の封止用として有効に利用できる。封止方法としては、例えば、低圧トランスファー成形法が挙げられる。なお、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化・成形に際しては、例えば、150〜180℃で30〜180秒間処理し、後硬化(ポストキュア)を150〜180℃で2〜16時間の条件で行うことが望ましい。
【0045】
本発明のエポキシ樹脂組成物は連続成形性に優れる。また、後述するように、その硬化物を水中に放置しても、ホスファゼン化合物が分解されることが無い。
【実施例】
【0046】
以下(A)難燃剤の合成例、エポキシ樹脂組成物の実施例と比較例を示し、本発明を具体的に示すが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0047】
[合成例1]ホスファゼン化合物A−1の合成
窒素雰囲気下、0℃で水素化ナトリウム8.6g(214mmol)をTHF50mlに懸濁させ、そこにフェノール19.8g(211mmol)のTHF75ml溶液を滴下した。30分攪拌後、ヘキサクロロトリホスファゼン12.0g(34.5mmol)のTHF75ml溶液を滴下し、18時間加熱還流を行った。溶媒を減圧留去し、メタノールを加え、析出した結晶をメタノール、水で洗浄し、下記式で示されるホスファゼン化合物(A−1)白色結晶を23.8g得た。
【0048】
【化5】

【0049】
[合成例2]ホスファゼン化合物B−1の合成
窒素雰囲気下、0℃で水素化ナトリウム4.8g(119mmol)をTHF50mlに懸濁させ、そこにフェノール10.2g(108mmol)、4,4’−スルホニルジフェノール0.45g(1.8mmol)のTHF50ml溶液を滴下した。30分攪拌後、ヘキサクロロトリホスファゼン12.5g(36.0mmol)のTHF50ml溶液を滴下し、5時間加熱還流を行った。そこに、別途0℃で水素化ナトリウム5.2g(130mmol)をTHF50mlに懸濁させたものを滴下した後、フェノール11.2g(119mmol)のTHF50ml溶液を滴下して、更に19時間加熱還流した。溶媒を減圧留去後、クロロベンゼンを加えて溶解し、5%NaOH水溶液200ml×2回、5%硫酸水溶液200ml×2回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液200ml×2回、水200ml×2回で抽出を行った。溶媒を減圧留去し、黄褐色結晶の下記式で示されるホスファゼン化合物(B−1)を20.4g得た。
【0050】
【化6】

【0051】
[実施例1]
真空チャンバー内に平均粒径8.8μm、比表面積155m/gの多孔性シリカ微粒子SS−150(三菱レーヨン株式会社製)50質量部用意した。別途、アセトン100質量部中に被担持物質として(A−1)40質量部を加え溶解させたものと、アセトン100質量部中エポキシ樹脂GTR−1800(日本化薬株式会社製)6質量部、硬化剤MEH−7500(明和化成株式会社製)4質量部、トリフェニルホスフィン0.3質量部を加え、均一な溶液としたものを、夫々調製した。次いで真空チャンバー内を0.5〜1Torrの減圧に保ちながら、シールされた口から、先に調製した(A−1)溶液140質量部を滴下し、多孔性シリカ微粒子に十分浸透するように30分間放置した後、30分攪拌して大気圧に戻した。次に再び真空チャンバー内を減圧におきながら60℃に加熱して攪拌しながらアセトンを蒸発分離させた。次いで再び真空チャンバー内を減圧におきながらエポキシ樹脂溶液110.3質量部を加え(A−1)を含む多孔性シリカ微粒子に十分浸透するように30分間放置した後、30分攪拌して大気圧に戻した。次に再び真空チャンバー内を減圧におきながら60℃に加熱して攪拌しながらアセトンを蒸発分離させた。ついで乾燥機中180℃で4時間硬化させることにより、エポキシ樹脂で被覆されたA−1を40質量%担持する難燃剤aを調製した。
【0052】
尚、アセトン100質量部中エポキシ樹脂GTR−1800(日本化薬株式会社製)6質量部、硬化剤MEH−7500(明和化成株式会社製)4質量部、トリフェニルホスフィン0.3質量部を加え減圧下60℃で攪拌しながらアセトンを蒸発分離させた固形物を180℃で4時間硬化させた硬化物を大気中、熱重量分析(Rigaku株式会社製 Thermo plus TG 8120)において測定した10重量%熱分解温度は345℃であった。
【0053】
[実施例2]
真空チャンバー内に平均粒径3.2μm、比表面積 242m/gの多孔性シリカ微粒子SE−MCB−FP−2(エネックス株式会社製)40質量部用意した。これとは別に アセトン100質量部中に被担持物質として(B−1)55質量部を加え溶解させた。また、アセトン100質量部中ビスマレイミド樹脂BMI(KI化成株式会社製)4.8質量部、AIBN(日本油脂株式会社製)0.2部を加え均一な溶液とした。次いで真空チャンバー内を減圧におきながら、先に調製した(B−1)溶液155質量部を加え、多孔性シリカ微粒子に十分浸透するように30分間放置した後、30分攪拌して大気圧に戻した。次に再び真空チャンバー内を減圧におきながら60℃に加熱して攪拌しながらアセトンを蒸発分離させた。次いで再び真空チャンバー内を減圧におきながらビスマレイミド樹脂溶液105.0質量部を加え(B−1)を含む多孔性シリカ微粒子に十分浸透するように30分間放置した後、30分攪拌して大気圧に戻した。次に再び真空チャンバー内を減圧におきながら100℃に加熱して攪拌しながらアセトンを蒸発分離させた。ついで乾燥機中180℃で2時間、次いで220度で2時間乾燥させることにより、ビスマレイミド樹脂で被覆されたB−1を55質量%担持する難燃剤bを調製した。
【0054】
尚、アセトン100質量部中ビスマレイミド樹脂BMI(日本化薬株式会社製)4.8質量部、AIBN(日本油脂株式会社製)0.2質量部を加え減圧下60℃で攪拌しながらアセトンを蒸発分離させた固形物を180℃で2時間、次いで220度で2時間硬化させた硬化物を大気中、熱重量分析(Rigaku株式会社製 Thermo plus TG 8120)において測定した10重量%熱分解温度は360℃であった。
【0055】
[参考例1]
真空チャンバー内に平均粒径8.8μm、比表面積155m/gの多孔性シリカ微粒子SS−150(三菱レーヨン株式会社製)50質量部用意した。これとは別にアセトン100質量部中に被担持物質として(A−1)40質量部を加え溶解させた。同様にN−メチル2−ピロリドン100質量部中PES樹脂4100M(住友化学工業株式会社製)10質量部を加え、60℃に加熱し、均一な溶液とした。次いで真空チャンバー内を減圧におきながら、先に調製した(A−1)溶液140質量部を加え、多孔性シリカ微粒子に十分浸透するように含浸させた後、30分攪拌して大気圧に戻した。次に再び真空チャンバー内を減圧におきながら60℃に加熱して攪拌しながらアセトンを蒸発分離させた。次いで再び真空チャンバー内を減圧におきながら60℃に加熱して上記PES樹脂溶液110質量部を加え、(A−1)を含む多孔性シリカ微粒子に十分浸透するように30分間放置した後、30分攪拌して大気圧に戻した。ろ過により過剰なN−メチル−2−ピロリドンを除去後、乾燥機中200℃で2時間、乾燥させることにより、PES樹脂で被覆されたA−1を40質量%担持する難燃剤cを調製した。
【0056】
尚、PES樹脂4100M(住友化学工業株式会社製)を大気中、熱重量分析(Rigaku株式会社製 Thermo plus TG 8120)において測定した10重量%熱分解温度は500℃より上であった。
【0057】
[参考例2]
真空チャンバー内に平均粒径8.8μm、比表面積155m/gの多孔性シリカ微粒子SS−150(三菱レーヨン株式会社製)50質量部用意した。これとは別にアセトン100質量部中に被担持物質として(A−1)40質量部を加え溶解させた。同様にアセトン100質量部中PMMA樹脂(綜研化学株式会社製)10質量部を加え、60℃に加熱し、均一な溶液とした。次いで真空チャンバー内を減圧におきながら、先に調製した(A−1)溶液140質量部を加え、多孔性シリカ微粒子に十分浸透するように30分間放置した後、30分攪拌して大気圧に戻した。次に再び真空チャンバー内を減圧におきながら60℃に加熱して攪拌しながらアセトンを蒸発分離させた。次いで再び真空チャンバー内を減圧におきながら60℃に加熱して上記PMMA樹脂溶液110質量部を加え、(A−1)を含む多孔性シリカ微粒子に十分浸透するように30分間放置した後、30分攪拌して大気圧に戻した。次に再び真空チャンバー内を減圧におきながら60℃に加熱して攪拌しながらアセトンを蒸発分離させ、PMMA樹脂で被覆されたA−1を40質量%担持する難燃剤dを調製した。
【0058】
尚PMMA樹脂(綜研化学)を大気中、熱重量分析(Rigaku株式会社製 Thermo plus TG 8120)において測定した10重量%熱分解温度は240℃であった。
【0059】
[比較例1]
水酸化マグネシウム キスマ8N(協和化学株式会社製)80質量部、とエポキシ樹脂 GTR−1800(日本化薬株式会社製)6質量部、硬化剤 MEH−7500(明和化成株式会社製)3.5質量部、トリフェニルホスフィン0.5質量部を80℃で溶融混合したエポキシ樹脂組成物を10〜50μmに微粉砕したものを、メカノフュージョンシステム(細川ミクロン株式会社製)で高速気流中衝撃法を用いて水酸化マグネシウムを80質量%含む難燃剤eを作成した。
【0060】
[実施例3〜7、参考例4〜6、比較例2〜3]
表1に示す成分を熱2本ロールにて均一に溶融混合し、冷却、粉砕して半導体封止用エポキシ樹脂組成物を得た。これらの組成物につき、下記の(i)〜(vii)の諸特性を測定した。結果を表1に示した。
【0061】
[比較例4]
エポキシ樹脂 GTR−1800(日本化薬株式会社製)36質量部、硬化剤MEH−7500(明和化成株式会社製)23質量部、トリフェニルホスフィン3質量部を80℃で溶融混合したエポキシ樹脂組成物を10〜50μmに微粉砕したものと、ホスファゼン化合物(A−1)を40質量部とを、メカノフュージョンシステム(細川ミクロン株式会社製)で高速気流中衝撃法を用いて混合した。しかし、A−1及びエポキシ樹脂組成物ともに均一に混合してしまい、比較例1と同様のタイプの難燃剤は得られなかった。
【0062】
諸特性の測定法
(i)流動性
EMMI規格に準じた金型を使用して、175℃、6.9N/mm、成形時間120秒の条件で測定した。
【0063】
(ii)成形硬度
JIS−K6911に準じて175℃、6.9N/mm、成形時間90秒の条件で10×4×100mmの棒を成形したときの175℃における硬度をバーコール硬度計で測定した。
【0064】
(iii)難燃性
UL−94規格に基づき、各樹脂組成物から、1/16インチ厚の板を、成形条件175℃、6.9N/mm、成形時間120秒で成形し、180℃で4時間ポストキュアーして得られた成形体の難燃性を調べた。
【0065】
(iv)イオン性不純物
各組成物を、175℃、6.9N/mm、成形時間90秒で成形し、180℃で4時間ポストキュアーして50mmx3mmの円板を得た。この円板を175℃の雰囲気中1000時間保管後、ディスクミルで粉砕し、粒径63μm〜212μmの粉砕物10gを純水50ml中に加え、125℃で20時間放置した。その後、純水をろ過し、ろ液中のリン酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィーで測定した。
【0066】
(v)高温電気抵抗特性
各樹脂組成物から、温度175℃、成形圧力6.9N/mm、成形時間120秒の条件で70φ×3mmの円板を成形して180℃で4時間ポストキュアーした。該円板の体積抵抗率を、150℃雰囲気下で測定した。
【0067】
(vi)耐湿性
5μm幅、5μm間隔のアルミニウム配線を形成した6×6mmの大きさのシリコンチップを14pin−DIPフレーム(42アロイ)に接着し、更にチップ表面のアルミニウム電極とリードフレームとを25μmφの金線でワイヤボンディングした後、これを、各組成物で、175℃、6.9N/mm、時間120秒の成型条件で封止し、180℃で4時間ポストキュアーした。このパッケージ20個を130℃/85%RHの雰囲気中−20Vの直流バイアス電圧をかけて500時間放置した後、アルミニウム腐食が発生したパッケージ数を調べた。
【0068】
(vii)耐熱性
5μm幅、5μm間隔のアルミニウム配線を形成した6×6mmの大きさのシリコンチップを14pin−DIPフレーム(42アロイ)に接着し、該チップ表面のアルミニウム電極とリードフレームとを25μmφの金線でワイヤボンディングした後、これを各組成物で、175℃、6.9N/mm、時間120秒の成形条件で封止し、180℃で4時間ポストキュアーした。このパッケージ20個を175℃の雰囲気中−5Vの直流バイアス電圧をかけて1000時間放置した後、抵抗値の平均値を調べた。
【0069】
表1に示す、(B)〜(D)成分、添加剤は、以下のとおりである。
(B)成分
エポキシ樹脂(イ):o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、EOCN1020−55(日本化薬株式会社製、エポキシ当量200)
エポキシ樹脂(ロ):トリフェニルメタン型 エポキシ樹脂、EPPN−501H(日本化薬株式会社製、エポキシ当量165)
(C)成分
硬化剤(ハ)フェノールノボラック樹脂:DL−92(明和化成株式会社製、フェノール性水酸基当量110)
硬化剤(ニ)トリフェニルメタン型フェノール樹脂:MEH−7500(明和化成株式会社製、フェノール性水酸基当量97)
(D)成分
無機質充填剤:球状溶融シリカ(龍森株式会社製、平均粒径20μm)
【0070】
添加剤
硬化触媒:トリフェニルホスフィン(北興化学株式会社製)
離型剤:カルナバワックス(日興ファインプロダクツ株式会社製)
カーボンブラック:デンカブラック(電気化学工業株式会社製)
シランカップリング剤:KBM−403(信越化学工業株式会社製)
【0071】
【表1】

【0072】
表1の結果から明らかなように、本発明の難燃剤を含む半導体封止用エポキシ樹脂組成物は成形性に優れ、難燃性、耐湿性、耐熱性に優れた硬化物を与える。参考例1の難燃剤は、被覆樹脂の熱分解温度が高すぎるため、ホスファゼン化合物の難燃効果を得ることができなかった。一方、参考例2の難燃剤は、被覆樹脂の熱分解温度が低すぎるため、ホスファゼン化合物を樹脂に混合した比較例2と同様に、該化合物が水に接し、リン酸イオンが生成し、また、高温体積低効率が低下した。比較例1の難燃剤は、難燃剤が水酸化マグネシウムであり、難燃性に劣るため、V−0を達成するために、150質量部を要した。比較例3は臭素化エポキシ樹脂が分解して発生した臭素ラジカルにより配線が断線した。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明の難燃剤は、半導体封止用のエポキシ樹脂組成物に好適に使用される。また、該樹脂組成物は、成形性に優れ、難燃性、耐湿性、耐熱性に優れた半導体装置の製造に好適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔性無機微粒子、
前記多孔性無機微粒子に担持された下記平均組成式(1)で示されるホスファゼン化合物、及び、
前記ホスファゼン化合物を担持する多孔性無機微粒子を被覆する樹脂層からなり、
前記樹脂は、熱天秤にて、空気下で、室温から10℃/分で昇温したときに熱分解による重量減が10重量%になる温度が300〜500℃である、
難燃剤。
【化1】


[但し、Xは単結合、又はCH、C(CH、SO、S、O及びO(CO)Oからなる群より選ばれる基であり、nは3≦n≦1000の整数であり、d及びeは、2d+e=2nを満たす数である。]
【請求項2】
前記多孔性無機微粒子が、平均粒径が0.5〜20μm、比表面積が100〜600m/gの、二酸化珪素、珪酸カルシウム、アパタイト、アルミナ、及びゼオライトからなる群より選ばれることを特徴とする請求項1記載の難燃剤。
【請求項3】
前記樹脂層が、エポキシ樹脂又はビスマレイミド樹脂を含むことを特徴とする請求項1記載の難燃剤。
【請求項4】
前記ホスファゼン化合物が、難燃剤中に10〜60質量%含まれることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載の難燃剤。
【請求項5】
(A)難燃剤
(B)エポキシ樹脂
(C)硬化剤
(D)無機充填材
を含む半導体封止用エポキシ樹脂組成物であって、
(A)難燃剤が、請求項1〜4のいずれか1項に記載の難燃剤であり、
(A)難燃剤は、(B)エポキシ樹脂と(C)の合計100質量部に対して5〜50質量部で含まれ、及び
該半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、臭素化物及びアンチモン化合物を含まない、
ことを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
【請求項6】
請求項5に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装置。

【公開番号】特開2007−284461(P2007−284461A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−99556(P2006−99556)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】