説明

電圧で切替可能な誘電体材料および光補助を用いた基板デバイスをメッキする技法

電気メッキプロセスが、電圧で切替可能な誘電体(VSD)材料の結合剤中に分散、混合または溶解した光活性成分を有するVSD材料の層を含む基板を用いて行われる。導体素子のパターンが、一部は、前記VSD材料の層に光を向けることにより発せられた電圧を用いて、VSD材料を絶縁状態から導電状態に切り替えることによって、基板上に形成される。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、「VOLTAGE SWITCHABLE DEVICE AND DIELECTRIC MATERIAL WITH HIGH CURRENT CARRYING CAPACITY AND A PROCESS FOR ELECTROPLATING THE SAME」と題する、2006年9月24日に出願された米国仮特許出願第60/826746号の優先権の恩恵を主張するものであり、上述した優先権の出願を、ここにその全て引用する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、電圧で切替可能な誘電体材料および光補助を用いた基板デバイスをメッキする技法に関する。
【背景技術】
【0003】
通電構造体は一般に、基板に一連の製造工程を施すプロセスを用いて作製される。そのような通電構造体の例としては、プリント回路基板、プリント配線基板、集積回路(IC)チップパッケージ基板、バックプレーン、および他のマイクロ電子タイプの回路構成が挙げられる。
【0004】
その製造工程は、典型的に、エポキシ含浸ガラス繊維積層体などの堅い絶縁材料またはポリアミドなどの軟質フイルムから製造された基板上に行われる。銅などの導電性材料は、接地用金属板および電力供給用金属板を含む導体を画成するパターンにしたがって形成される。
【0005】
これまでの通電デバイスのいくつかは、基板上に導電材料を層状に重ねることによって製造される。次いで、導電層上にマスク層を堆積させる。このマスク層は、露光され、現像される。得られたパターンにより、導電材料を基板から除去すべき選択領域が決定される。導電層はエッチングによって選択領域から除去される。その後、マスク層が除去されて、基板表面上に導電材料のパターン付き層が提供される。
【0006】
あるプロセスにおいて、金属真空蒸着により、シード層を形成することもある。他の公知のプロセスにおいて、基板上に導電ラインおよびパッドを堆積させるために、無電解プロセスが用いられる。基板の選択された部分上に導電材料を付着させて、導電ラインおよびパッドのパターンを形成できるように、メッキ溶液が施される。
【0007】
限られたフットプリントで利用可能な回路構成を最大にするために、基板デバイスは、多数の基板を用いたり、またはコンポーネントおよび回路構成を含めるために1枚の基板の両面を使用することもある。いずれの場合においても、結果は、1つのデバイスにおける多数の基板表面は、基板の異なる表面上の部品の間に電気通信を確立するために相互接続される必要がある。
【0008】
これまでのデバイスでは、基板を通って延在するスリーブまたはビアを形成している。多数の基板を有するデバイスにおいて、ビアは、基板の少なくとも一部を通って延在して、その基板の1つの表面を別の基板の表面に相互接続する。スリーブまたはビアには、相互接続されている基板面の間に電気接続を確立するために、導電層が用いられる。このようにして、同じ基板の2つの表面上で、または異なる基板の表面上で、電装品および回路の間に電気連結が確立される。
【0009】
これまでのデバイスでは、表面に導電材料でシードを形成することによって、メッキすることができる。電解プロセス中、ビアの表面には、シーディングされた粒子とメッキ材料との間に形成された結合によって、メッキが施される。
【0010】
他のデバイスにおいて、ビアに、接着剤を用いて導電材料の層を設けることができる。これらのデバイスにおいて、ビアと導電材料との間の結合は、本質的には、機械的である。
【0011】
これまでのデバイスには、以下で電圧で切替可能な誘電材料と称する特定の材料が、過電圧保護を提供するために用いられてきた。そのような材料の電気抵抗特性によって、例えば、稲妻、静電放電、または電力の急増による電圧量の急増が調節される。これらのデバイスにおいて、過電圧保護を提供するために、電圧で切替可能な材料が導体素子と基板との間に挿入されている。
【0012】
特許文献1(ここに全てを引用する)には、VSD材料を、導体素子をメッキするのに使用できるようにする様式で、通電構造体内にVSD材料を導入するための技法が記載されている。そのようなメッキ技法によって、デバイスがESD事象に対処するためのある程度の能力を有することも可能になるであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第6797145号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
ここに記載された実施の形態は、光活性の電圧で切替可能な誘電(VSD)材料を用いて、電装品およびトレースを有するように基板を電気メッキすることを提供する。特に、光活性VSD材料の層を堆積させ、次いで、光と印加電圧の組合せを用いて、VSD材料を導電状態に切り替えることによって、電気メッキプロセスを実施する実施の形態を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1−1】図1A〜1Dは、本発明の実施の形態による光活性VSD材料を用いた電気メッキプロセスを示す図
【図1−2】図1E〜1Gは、図1Dの続きの図
【図2−1】図2A〜2Dは、本発明の別の実施の形態による、図1A〜1Gの実施の形態に関して記載した電気メッキプロセスに対する変種を示す図
【図2−2】図2E〜2Gは、図2Dの続きの図
【図3】図3A〜3Dは、1つ以上の実施の形態による、所定のパターンにしたがうVSD層の選択部分上に向けられた高集束光の使用を示す図
【図4】本発明の実施の形態による、電解(金属蒸着)プロセス中に導体素子のパターンの形成を可能にする目的で、VSD材料の層上に集束光を当てるためのシステムを示す図
【図5】本発明の実施の形態による、1つ以上の導電性ビアを形成するために電解プロセスを経る基板上で光とVSD材料の組合せを利用する実施の形態を示す図
【図6】本発明の実施の形態による、VSD材料の下層を使用する初期プロセスを含む、多数の電気メッキまたは金属蒸着プロセスを経る基板の一部を示す図
【図7】ここに記載された1つ以上の実施の形態に使用するための制御システムを示す図
【発明を実施するための形態】
【0016】
ある実施の形態によれば、VSD材料の層が、メッキされているか、もしくは電気メッキまたは金属蒸着プロセスを経験している基板、デバイスまたはコンポーネントに設けられる。この層を構成するVSD材料は、閾値レベルを超えるエネルギーの印加によって、絶縁状態から、導電状態に切り替わることができる。特に、VSD材料を導電状態に切り替えるために、VSD材料の層に閾値レベルを超えた電圧を印加してもよい。1つ以上の実施の形態は、VSD材料が、電子/正孔の対を生成することによって光に応答する、マトリクスまたは結合剤組成物中に分散、混合または溶解した光活性粒子または成分を含むものを提供する。正孔/電子の対の生成によって、メッキ溶液中の金属の+イオン(例えば、Cu+2)を金属に還元するのに電子が使用されるために、活性化エネルギーを低下させることができる。VSD材料に光を当てて、VSD材料を導電状態に切り替えるのに必要な閾値電圧レベルを減少させるように、そのような粒子をVSD材料中に(例えば、高分子結合剤の一部として)分散させてもよい。一度導電状態になったら、VSD材料の層の露光部分は、VSD材料が設けられた表面に施される溶液または媒質中に含まれる導体素子との結合に使用されるであろう。
【0017】
利点の中でも、ここに記載されたいくつかの実施の形態により、そうしなければ従来の電気メッキプロセスにおいて行われる工程が1つ以上削減された電気メッキ技法が可能になる。その上、VSD材料の層を使用することにより、静電放電(ESD)および他の電気事象から基板のコンポーネントを保護する保護特徴としてVSD材料を容易に組み込むことができる。ここに記載したような実施の形態を用いて、プリント回路基板(PCB)、ディスプレイ装置およびバックプレーン、集積回路デバイスおよびパッケージ、半導体コンポーネントおよびデバイス、並びに他の基板デバイスをメッキすることができる。この実施の形態を用いて、ポリイミドから形成された基板などの軟質基板上に導体材料を形成することができる。さらにまた、ある実施の形態では、手持ち式の電子装置およびその装置に使用するためのモジュール化されたパッケージなどの、完成装置またはコンポーネントの各層およびハウジングの組込み部分上を含む、装置またはその一部上に導体または通電素子もしくは構成体を提供することができる。
【0018】
VSD材料は一般に、(i)ある閾値電圧またはエネルギーの印加されていない状態で誘電体として機能し、(ii)閾値電圧/エネルギーレベルを超えた電圧またはエネルギーが印加されたときに導電性となる、特性を示す材料を称する。この閾値電圧/エネルギーレベルは、異なる種類のVSD材料について様々であってよいが、一般に、電気装置の通常の動作電圧より大きい。例えば、メッキの用途において、VSD材料の閾値電圧レベルは、50ボルトを超え、50〜1000ボルトまたはそれ以上の範囲にあってよい。この切替特性の結果として、VSD材料は、一過性電気事象、特に静電放電(ESD)から保護できる一過性電気接続を提供するためによく用いられる。
【0019】
さらに、1つ以上の実施の形態によれば、VSD材料は、先に述べた電気的特徴を示す一方で、その組成が均一であるという特徴を有する。そのような実施の形態において、VSD材料は、実質的に均一に分布した導体および/または半導体材料を含有するマトリクスまたは結合剤から構成される。
【0020】
ある実施の形態によれば、電気メッキプロセスは、光活性粒子を有するVSD材料の層を含む基板を用いて行われる。導体素子のパターンは、一部には、光をVSD材料の層上に向けることにより生じた電圧を用いて、VSD材料を絶縁状態から導電状態に切り替えることによって、基板上に形成してもよい。
【0021】
別の実施の形態において、VSD材料の層からなる厚さが、導電粒子を含有する媒質中に浸漬されるか、または他の様式でその媒質に曝される。VSD材料の層は、光活性粒子を含み、所定の閾値レベルを超えるエネルギーの印加により絶縁状態から導電状態に切り替わるように誘発可能である。所定のパターンにしたがって、VSD材料の層に集束光を向けてもよい。この集束光によって、所定のパターンで特定されたVSD材料の選択部分が導電状態に誘発され、よって、媒質中の導電粒子が、その所定のパターンにしたがってVSD材料に結合する。
【0022】
さらにまた、実施の形態は、導電粒子の媒質中に提供された基板を電気メッキするためのシステムを含む。このシステムは、発光体およびこの発光体を制御するためのロジックを含む。発光体は、集束光のビームを基板に向ける。発光体には、ビームが提供する位置を制御するように構成されたロジックが連結されているか、またはそれに設けられる。その上、このロジックは、基板上に形成すべき導電層の所望のパターンを定義するパターンデータを用いて、基板に設けられたVSD材料の層上に、発光体から生じたビームを位置決めするように構成されていてもよい。VSD材料は、光活性粒子を含んでいてもよく、また所定の閾値レベルを超えるエネルギーの印加により絶縁状態から導電状態に切り替わるように誘発可能であってもよい。発光体は、VSD材料を選択領域で絶縁状態から導電状態に切り替えるように、VSD材料の層の選択領域に、その選択領域にあるVSD材料の所定のエネルギー閾値を超える十分なエネルギーを提供するために、前記ビームを向けるように構成されていてもよい。
【0023】
さらにまた、別の実施の形態は、基板デバイスの製造プロセスを制御するための制御システムを提供する。この制御システムは、データを製造プロセスに伝達する処理リソースを1つ以上含んでよい。そのデータは、(i)光活性粒子により形成された、電圧で切替可能な誘電体(VSD)材料を含む基板を提供する工程、および(ii)一部は、基板およびVSD材料に光を向けることにより生じた電圧を用いて、VSD材料を絶縁状態から導電状態に切り替えることによって、通電素子のパターンを形成する工程を実行するように製造プロセスに指示する命令またはパラメータを含む。
【0024】
光活性VSD材料
ここに記載された実施の形態は、VSD材料、より詳しくは、光受容性VSD材料の使用を含む電気メッキ技法を提供する。ここに記載した実施の形態に使用するためのVSD材料の例が、米国特許出願第11/881896号および同第11/829951号の各明細書に提供されており、両方ともここにその全てを引用する。上述したように、光受容性VSD材料は、結合剤および光受容性である分散粒子を含む組成を有する。特に、その粒子は、光を吸収したときに、電子/正孔の対を生成する。
【0025】
ある実施の形態によれば、VSD材料は、分散したフラーレンを含む結合剤から形成できる。フラーレンは良好な電子受容体として知られており、この性質は、有機光起電性デバイスの開発において活用されている。典型的な有機光起電性デバイスにおいて、フラーレンは、ポリチオフェン中に分散され、透明アノードとカソードとの間に被覆されている。光が当てられると、その光は、電子・正孔の対またはエキシトンを生じるポリチオフェンにより吸収され、そのエキシトンがポリマーとフラーレンとの界面に拡散し、フラーレンが電子を受容し、よって、電子・正孔の対が分割される。ここに記載された実施の形態は、光吸収粒子または材料(フラーレンまたは二酸化チタンなどの)を誘電体ポリマー中にブレンドして、光受容性VSD材料(必要に応じて、金属または半導体粒子が加えられていてもよい)を生成することによって電気メッキするためのこの性質を活用する。光吸収材料の例としては、ペンタセン、ペリレン、ポリチオフェン/フラーレン、および公知の光活性ポリマー並びに銅・インジウム・ガリウム・ジセレニド(CISG)などの材料が挙げられる。以下に提供される実施の形態に関して記載するように、電気メッキ中、VSD材料に、ある電圧と電流でパルス変調すると同時に、光でパルス変調して、より効率的な電気メッキのために基板表面の電気伝導性を高めてもよい。有機半導体を用いて、それにより光が吸収され、エキシトンが生成され、電子と正孔が輸送される効率を増加させてもよい。有機半導体の例としては、以下に限られないが、ポリチオフェン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルフォネート)(PEDOT/PSS)、オリゴチオフェン、ポリアリールアミン、ポリフェニレンビニレン、ポリビニルナフタレン、ポリシラン、およびポリアニリンが挙げられる。有機半導体分子を官能化して、結合剤材料と反応させてもよく、例えば、カルバゾールまたはナフタレンをアミンで官能化して、エポキシマトリクスと反応させてもよい。
【0026】
VSD材料を光活性または他の様式で光反応性にする目的で、VSD材料のマトリクスの結合剤中に含ませるための、光活性粒子および材料の他の例が数多く存在する。ある実施の形態において、二酸化チタン粒子が、VSD材料の結合剤中の光反応性粒子として分散されている。別の変種では、例えば、酸化亜鉛または酸化セリウムを、光活性粒子として、もしくは光活性である他の粒子または材料(たとえば、フラーレンまたは二酸化チタンなどの)に加えるための代替物のいずれかとして、用いてよい。
【0027】
ここに記載された実施の形態では、電気メッキプロセスの一部に光受容性VSD材料を使用する。例えば、フラーレンまたは他の光受容性粒子を結合剤またはマトリクス中に均一に分散させてもよい。基板110は、平面であってもなくてもよい。
【0028】
光の印加による電圧付加
図1A〜図1Gは、本発明のある実施の形態による、光活性VSD材料を用いた電気メッキプロセスを示している。詳しくは、図1A〜図1Gに記載されたような実施の形態では、製造中の電気装置またはコンポーネントの基板または他の層に設けられるVSD材料の層上に電気素子またはコンポーネントを形成する。図1A〜図1Gの実施の形態により記載されるようなプロセスは、VSD材料の電気的性質が、所定のパターンにしたがって、導電(または通電)材料を作製するために使用されるプロセスを示している。詳しくは、図1A〜図1Gの実施の形態では、VSD材料の層を導電状態に切り替えさせるエネルギーの追加の成分を提供するために光を使用する。導電状態において、VSD材料は、電解または金属蒸着プロセスから体積される導電性の塊を受け取ることができる。
【0029】
図1Aにおいて、VSD材料112が選択され、基板110または電気メッキのための他の層を形成するために、導電層108の上に層として設けられる。導電層108は、例えば、プレートグリッドまたはワイヤメッシュとして設けてもよい。他の実施の形態は、導電層108を省いても、またはその層を非導電性(支持体などの)として提供してもよい。他の実施の形態に記載したように、選択された組成物は、光活性粒子を含ませることなどにより、光活性にすることができる。ある実施の形態では、光活性であることに加え、VSD材料112が、特定の電気的性質を有するように選択または構成されてもよい。その性質は、公知の量のVSD材料に印加されたときに、そのVSD材料を絶縁状態から導電状態に切り替わらせるエネルギーの特徴的な測定を含む。ある用途において、特徴的な測定は、特定の環境においてVSD材料の層に印加されたときに、VSD材料の層のある程度または全てを導電状態に切り替わらせる公知の実験的に導かれた閾値または特徴的電圧の形態で行ってよい。ここに記載された実施の形態では、電気メッキの目的で、VSD層全体の表面深さのみが導電性にされる必要があることが認識される。基板および/またはVSD材料112の層に電解プロセスが施されるときに、VSD材料のいくらかまたは全てを導電性にすることが予測される閾値の電圧レベル未満の電圧を印加してもよいことが記載される。その上、VSD材料112の層を含む基板110は、特定の用途(例えば、基板デバイスのタイプ)のための寸法、形状、組成および性質にしたがって、形成してもよい。
【0030】
VSD材料が選択または構成されるときに検討される電気的性質としては、記載されているプロセスにより製造中のデバイスまたはコンポーネントの完成した動作形態におけるVSD材料の組込みによって測定される、漏れ電流(またはオフ状態抵抗)が挙げられる。詳しくは、ある実施の形態では、VSD材料112が一度、電気メッキプロセスに用いられると、VSD材料112の層は、そのデバイスまたはコンポーネントの寿命に亘り、形成または製造中のデバイス/コンポーネント上にある。VSD材料は、VSD材料の固有の性質により、デバイスまたはコンポーネントに設けられたまたはその上に設けられた電気装置およびコンポーネントをESDおよび他の電気事象から保護するであろう。この理由のために、基板デバイスのコンポーネントおよび素子の動作条件は、特定のタイプのVSD材料層を含ませることにより生じるであろう漏れ電流を許容する必要があるであろう。
【0031】
図1Bでは、結合基板上に非導電層120が堆積されている。非導電層120は、例えば、フォトレジスト層などの光画像化性(photoimageable)材料から形成してもよい。ある実施の形態において、非導電層120はドライフイルムレジストから形成される。
【0032】
図1Cにおいて、非導電層120は、結合基板110上でパターンが形成される。ある実施の形態において、非導電層120上にマスクが施される。このマスクを用いて、ポジのフォトレジストを通してVSD材料の一部を露光してもよい。基板110上のVSD材料112の露光領域のパターンは、基板上に通電素子がその後形成されるパターンに相当する。
【0033】
VSD材料に選択された組成物は、電解プロセスを経験する基板または他の表面に所定の厚さの層として設けられたときに、特定の組成物について実験的に決定できる関連する特徴的な閾値電圧レベルを有する。閾値電圧レベルは、例えば、電解浴中に浸されたときに、厚さ全体、またはその大部分を導電性にすることが知られている電圧レベルに相当するであろう。この電圧レベルは、閾値電圧レベルVTと称してよい。図1Dのプロセス工程において、電圧VSがVSD材料に印加される。電圧VSは、印加されたときにVSD材料の層のどの部分も切り替えないように、閾値電圧VTよりわずかに小さくなるように印加される:
VT > VS (1)
【0034】
それゆえ、電圧VSの印加は、それ自体、自然に、VSD材料を導電状態に切り替わらせない。
【0035】
上述したように、VSD材料は光活性組成物を含む。図1Eの工程において、電圧VSが印加された状態で、光122が、結合基板に当てられるか他の様式で向けられる。光活性VSD材料から生じるエネルギーは、VSD材料112の層の表面で発生する。影響を受けるVSD材料の厚さは、例えば、オングストロームまたはナノメートルしかないであろう。向けられた光122の影響を受けるVSD材料の厚さは、「表面厚さ」と称してよい。光から露出表面厚さにエネルギーが印加された結果として、閾値電圧レベルが減少する。露出された表面厚さ(i)におけるVSD材料の所定の量について、光122により印加されるエネルギーの存在下で、その量を切り替えるのに必要な閾値電圧(VT(i))は、以下のようになるであろう:
VT(i) < VS < VT (2)
言い換えれば、ある実施の形態は、光122の印加は、VSD材料の層の表面の付加部分をオンに切り替える働きをする。VSD材料の様々な組成は、影響を受ける厚さおよび面積の寸法、および/または使用される光のタイプおよび出力を考慮すると、VSD材料の同じか異なる単位(または標準化)表面量により識別されるであろう。
【0036】
それゆえ、光122の基板への投射または方向付けにより、VSD材料の選択表面厚さ部分が絶縁状態から導電状態に切り替えられ、その選択表面厚さ部分は、全体として基板上に形成すべき導電層の所望のパターンと一致するであろう。
【0037】
図1Eおよび1Fは、結合基板110に、光122が結合基板110に当てられている間に電解プロセスが施され、よって、VSD材料の選択表面部分は、電解または金属蒸着プロセスが行われている期間の少なくとも一部に亘り導電状態にあることを示している。電解プロセスは、基板110を溶液中に浸漬し、VSD材料の層の選択表面部分を導電状態に切り替えるのに必要な電圧を生成する(投射される光122および印加される電圧を使用する)各工程に相当するであろう。
【0038】
向けられた光122は、多くの光源のいずれから発せられてもよい。例えば、光は、高エネルギーランプにより、またはレーザの使用により提供されてもよい。一部は、光122の出力と、使用されるVSD材料のタイプに応じて、光122は、印加される電圧VSを、光からの追加のエネルギーのない状態においてVSD材料の全厚を切り替えるのにそうしなければ必要とされるであろう閾値電圧レベルの10〜50%の間にすることができるであろう。
【0039】
記載されたような実施の形態に関して、それらの実施の形態は、光のパルス変調により誘発される導電層の形成を容易にする。光のパルス変調により、電気メッキが行われる所定の期間の制御が可能になる。さらに、VSD材料の層の選択表面部分をオンに切り替えるための光122の使用は、全厚に印加される印加電圧を用いるよりも、行うのが比較的容易である。
【0040】
パターン化された非導電層120の構成体の間に堆積された通電または導体素子135を含む層130を形成するために、電解プロセスが用いられる。ある実施の形態において、電気メッキプロセスは、マスキングを行い、フォトレジストを除去することによって露出された隙間114において基板110上に導体素子を堆積させる。それゆえ、後の電解プロセスにおいて導電層130のパターンを形成するためにフォトレジストを使用することができる。
【0041】
ある実施の形態により、VSD材料112の層は、通電素子135が形成されるシード層を形成するためだけに適切であることが認識される。詳しくは、導体素子がVSD材料112の選択された表面領域(パターンにより決定される)に一度結合したら、結合した導体素子は、電解媒質からの他の導体素子が結合される導体表面を提供する。それゆえ、1つ以上の実施の形態では、VSD材料は、シード層を形成するのに必要な期間に亘ってのみ導電状態に切り替えられる。次いで、VSD材料が導電性であるかにかかわらず、電気メッキプロセスを続けてもよい。別の変種として、VSD材料を導電状態に切り替える必要なく、別の電気メッキプロセスを完全に行ってもよい。
【0042】
利点の中でも、1つ以上の実施の形態により、別個のプロセスまたは独立したプロセスによりシード層を形成する必要なく、表面に電気メッキプロセスを行うことができる。例えば、多くの従来の手法では、電気メッキを経験している表面にシード層を堆積させるために、別個の真空金属蒸着プロセスを用いている。そのような従来の手法とは対照的に、図1A〜図1Gおよび本出願のどこかに記載された実施の形態では、1つ以上の電気メッキプロセスにより、基板または表面上に導体素子を形成する、シード層およびその後のメッキ層の両方を提供することが可能になる。
【0043】
図1Gにおいて、非導電層120は、基板110から必要に応じて除去される。非導電層120がフォトレジストである実施の形態において、フォトレジストは、ストリップ液(カリウム塩基などの)を用いて基板110の表面から剥ぎ取られる。
【0044】
導電層130の完成後(非導電層の除去にかかわらず)、ある実施の形態により、基板および/または導電層に、例えば、研磨または粗面化などの後処理工程を行ってもよい。ここに記載された実施の形態において、そのような数多くの後処理工程を行ってよい。
【0045】
ビア形成
ここに記載された実施の形態により、メッキされているデバイスまたはコンポーネントの表面間に導電性を及ばせるビアが形成される。一般に、ビアは、第1の導電平面または表面から別の導電平面または表面まで亘るように、基体の厚さに延在する導電開口として設けられる。
【0046】
図1A〜図1Gの実施の形態に関して、ビア140は、基体を横切る通電素子としてメッキされてもよい。ある実施の形態において、ビアの孔142は、導電層108およびVSD材料112の層を通って延在するように(図1C参照)、基板110内にあけられるかまたは他の様式で形成される。図1Dの工程において、電圧VSが、孔142を有する各層を含むVSD材料112の層の全体に印加される。工程1Eにおいて、ビアの壁を形成するVSD材料112の部分を導電状態に切り替えるために、電解プロセス中に光を孔142に通すように向ける。例えば、電解溶液中に浸漬したときに、導体素子が孔142の壁に結合し、その孔内に連続通路を提供して、ビア140を形成する(図1Fおよび図1Gを参照)。
【0047】
VSD材料および光の組合せを用いた、ビアを形成するための他の技法も考えられる。ある実施の形態において、図4の実施の形態に関して記載したような技法を用いて、図1Fおよび図1Gのビア140を形成してもよい。
【0048】
光を用いた、減少した閾値電圧レベル
図2A〜図2Gは、本発明の別の実施の形態における、図1A〜図1Gの実施の形態に関して記載した電気メッキプロセスに対する変種を示している。特に、図2A〜図2Gの実施の形態では、そうしなければ、VSD材料の選択表面領域を切り替えるのに必要とされる全体の閾値電圧を減少させるために光が使用される。
【0049】
先の実施の形態に関するように、実施の形態では、図2Aの工程において、光活性VSD材料212が、基板210の一部として使用するのに選択される。光活性VSD材料は、特定の電気メッキ用途において印加されるかまたは他の様式で用いられるときに、公知の閾値電圧レベルを含む特徴に基づいて選択される。さらにまた、所定の電気メッキプロセスまたは金属蒸着プロセスについて、他の電気的性質(例えば、オフ状態の抵抗)も考えられる。この閾値電圧レベルは、導電状態において厚さ全体を切り替えずに、VSD材料のある厚さに印加できる電圧VSのレベルを決定する。基板210は、導電層208を備えてもよい。他の実施の形態は、導電層208を省略しても、またはそれを非導電性としても(支持体などの)よい。
【0050】
図2Bにおいて、非導電層220が結合基板210上に形成される。次いで、図2Cにおいて、例えば、基板210上のVSD材料212の表面領域を露出するマスクを用いて、この非導電層にパターンを形成する。得られる露出パターンは、導体素子を堆積すべき区域に相当する。
【0051】
図2Dにおいて、光222は、VSD材料の露出部分を含む結合基体上に向けられるかまたは投射される。光222は、例えば、高エネルギーランプまたはレーザによって提供してもよい。光222は、VSD材料212の層の表面厚さの所定の領域に影響を与える、増分量のエネルギーを生成する。
【0052】
図2Eおよび図2Fにおいて、電圧VSが別の源から印加されながら、結合基板210に電解プロセスが行われる(例えば、結合基板210が電解浴中に浸漬される)。一般に、電圧VSが印加される期間は短く(例えば、1秒未満)、それゆえ、図2Eおよび図2Fにより示される工程は、ほぼ同時に行われる。VSD材料212の厚さ全体をオンに切り替えるのに必要な閾値電圧レベルを考えると、印加電圧VSは、閾値電圧VT未満であると推測される。しかし、光222を受光するVSD材料の層の表面厚さの所定の測定(i)について、閾値電圧レベル(VTi)が超えられる。このことは、VSの印加により、VSD材料212の層の選択表面領域が導電状態に切り替わることを意味する。このようにして、VLを提供するための光の使用は、VSD材料212の特定の表面領域で閾値電圧レベルVTを超えるのにそうしなければ必要とされるであろう印加電圧VSを減少させることのできる前兆として作用する。
【0053】
ある実施の形態において、VSD材料212の層は、導体素子235のシード層を形成するためだけに用いられる。電気素子が導電状態のVSD材料に一旦結合したら、結合した電気素子は、電解媒質中においてその後の素子のための接触表面を提供する。それゆえ、VSD材料212を導電状態に維持する必要性は、シード層が一旦形成されたら、縮小するかまたはなくなるであろう。
【0054】
図2Gにおいて、非導電層220は、基体から必要に応じて除去される。非導電層220がフォトレジストである実施の形態において、フォトレジストは、カリウム塩基(KOH)などの塩基溶液を用いて、基板110の表面から剥ぎ取られる。さらに、他の実施の形態では、レジスト層を剥ぎ取るのに水を使用してもよい。
【0055】
完成工程として、1つ以上の実施の形態では、得られた導電層230および/または基板210に、研磨または粗面化などの追加の処理工程をさらに施す。数多くの処理が可能である。
【0056】
先の実施の形態に関して記載したように、結合基板およびVSD材料を通って延在する孔として、1つ以上のビア(図2A〜図2Gには示されていない)を形成してもよい。先に記載したような実施の形態において、ビアを形成すべき孔の内部の壁表面にメッキするために、電解プロセスを行いながら、光を基板210の孔に向ける。別の実施の形態において、図4の実施の形態に関して記載した様式で、メッキプロセスの実施と共に、レーザを用いてもよい。
【0057】
利点の中でも、光の使用により、VSD材料をオンに切り替えるのに必要な印加電圧VSの量をある程度減少させることができる。例えば、光活性VSD材料と共に光222を使用すると、VSD材料をオンに切り替えるのに必要な印加電圧VSを10〜50%の量だけ減少させることができる。
【0058】
さらにまた、図1A〜図1Gおよび図2A〜図2Gに関して記載したような実施の形態により、基板デバイスのメッキプロセスにおいてVSD材料の使用を容易にし、電気メッキプロセスにおけるシード層の堆積のための各工程を単純にすることを含むいくつかの利点が提供される。
【0059】
先に図示され記載された実施の形態により、VSD層上に導電層のパターンを形成するために非導電層が使用される。基板上の導体素子の形状と位置を規定するのに非導電層が用いられるので、先に記載された実施の形態により、VSD層をオンに切り替えるために、VSD層に光と電圧を無差別に印加することができる。
【0060】
VSD材料の層上にシード層パターンを形成するための光の使用
別の方法として、図3A〜図3Dの実施の形態により、VSD層上に導体素子の対応パターンを形成するために、所定のパターンにしたがってVSD層の選択部分に向けられる高集束光(レーザにより提供されるような)が使用される。導体素子の得られたパターンは、その後のメッキおよび通電素子の形成のためのシード層を提供する。以下に記載するような様式でレーザ(または高集束光)を使用すると、光により、例えば、基板デバイス(プリント回路基板などの)上にパターンの形成されたシード層を形成することが可能になる。それゆえ、レーザは、非導電層の施用とマスキングの代わりになる。
【0061】
集束光の光源に要求されるエネルギー要件を減少させるために、1つ以上の実施の形態は、以下の検討事項を含むであろう:(i)VSD材料は、オンに切り替えるために低い閾値電圧レベルを要求するように構成または作製してもよい、および(ii)VSD材料は、光活性を最大にするように作製してもよい。さらに、VSD材料の全厚さをオンに切り替えるのに必要な閾値電圧レベルVTは正確に知られており、よって、印加される電圧VSは、パルス変調された光がVSD材料の所望の選択表面領域に十分なエネルギーを提供できるようにするために、VTに十分に近づくように提供されるであろう。
【0062】
これらの検討事項を心に留めて、VSD材料312は、基板310の一部として、図3Aの工程において選択および/または配合してもよい。プレート、メッシュまたはグリッドなどのVSD材料312を、導電層308上に設けてもよい。あるいは、VSD材料312を基板全体として設けても、または導電層308を非導電層の代わりに用いてもよい。
【0063】
図3Bの工程において、基板310は、外部源からの電圧325が印加された状態で、電解媒質320に曝露される。電圧325の印加は、VSD材料312の全厚さを導電状態に切り替えるのに必要な閾値レベルVT未満であってよく、よって、それ自体は、印加電圧325によって、VSD材料のどの部分または領域もオンに切り替わらない。
【0064】
図3Bの工程と同時かまたはそれに続いて、集束光322が、選択的に、所定のパターンにしたがって、VSD材料の層に向けられる。集束光322を印加するのに用いられる所定のパターンは、導体素子のシード層に関する所望のパターンに基づくものであってよい。VSD材料の層の選択領域への集束光322の付加は、それら選択領域をオンに切り替えるのに十分である一方で、VSD材料の非選択領域をオフ状態に維持する。より詳しくは、集束光322が受光される地点では、VSD材料は導電性にされ、電解媒質320内に運ばれる導体素子321は、それらの領域でVSD材料の領域に結合する。
【0065】
図3Cの工程の実施に関して、レーザ(例えば、ヘリウムネオン・レーザ)は、電解溶液(および必要に応じて、半透明な層)を通して向けられ、所望のパターンを形成するために動かされるかまたは選択的に位置決めされる。図4の実施の形態に関して記載したようなシステムを用いて、レーザを位置決めしてもよい。
【0066】
電気素子335を備えた完成または半完成基板デバイスが図3Dに示されている。形成後、導電層の研磨または粗面化などの数多くの可能な工程を行ってもよい。
【0067】
図4は、本発明の実施の形態において、電解(または金属蒸着)プロセス中に、その上に通電素子のパターンを形成できるようにする目的で、VSD材料の層への集束光の印加を実施するためのシステムを示している。システム400は、ロジック412と連結されたかまたは組み合わされたレーザなどの集束光発光体410を備えている。ロジック412には、発光体410と繋げられたまたは別々に設けられ結合される、ファームウェア、ソフトウェア、またはハードウェアが設けられてもよい。発光体410は、生成した光ビームの位置を決定するヘッドまたは他のコンポーネントの移動を可能にする機械装置またはコンポーネントを備えてもよい。
【0068】
ある実施の形態によれば、VSD材料422は、基板430の表面厚さとして設けられてもよい。基板430のある程度または全ては、電解媒質中に提供される。電解媒質440は、VSD材料422の表面に堆積すべき導電粒子411を含有する浴442を含んでよい。ある実施の形態において、基板430は、VSD材料422がその浴の表面に面するように、浴442中に浸漬されている。別の実施の形態において、基板430は、半透明の層444(例えば、ガラスなど)がVSD材料422の層に面するように、浴442内に配置されてもよい。
【0069】
発光体410は、ロジック412の制御下で、光を、ロジック412により制御されるパターンに方向付ける。最初に、発光体410から発せられた集束光421は、位置Xを含むVSD材料422の層のある領域と接触する。集束光421は、開始位置Xから、所望のパターンにしたがって、VSD材料422の層により画成される平面または表面に沿ってどのような向きに動かされてもよい。あるいは、集束光421は、そのパターンにより画成される軌道または経路を集合的に形成する別個の位置でパルス変調されてもよい。
【0070】
発光体410を制御する上で、ロジック412は、基板430上の導体素子の所望のパターンを定義するパターンデータ427、並びに空間変換データ429を使用してよい。空間変換データ429は、発光体410の発光の個々の位置を、基板430の表面上の対応する座標にマッピングする。発光位置の基板430の座標/位置へのマッピングにおいて、ロジック412は、浴442の媒質と、必要に応じて、半透明な層444(基板の方向性に応じて)とを透過する集束光の結果として生じる曲がりまたは回折の量を含む要因を考慮する。
【0071】
図3A〜図3Dに関して記載したような実施の形態を用いて、電気メッキまたは金属蒸着プロセスを経験する表面で使用するための導電性シード層のある程度または全てを形成してもよい。例えば、ある実施の形態において、プリント回路基板は、上述したようなプロセスにより形成された導体素子の様々なトレースを有していてもよい。形成後、電解プロセスを続けて(または別々に完了して)、形成されたトレースから導電通路およびコンポーネントを形成してもよい。
【0072】
ビアを形成するための技法
ここに記載された実施の形態のいずれに関しても、光を使用して、1つ以上のビア(例えば、図1Fのビア140)を形成してもよい。特に、図5の実施の形態は、本発明の実施の形態により、1つ以上の導電ビアを形成するための、電解プロセスを経験する基板のVSD材料および光の使用を示している。工程または副工程を行うための適切な素子を例証する目的の図1A〜図1Gの実施の形態を参照する。
【0073】
工程510において、個々のビアの位置が、導電層108上に形成されたVSD材料の層を含む基板110上に特定される。それらの位置は、例えば、基板の導電平面(例えば、上面と下面)の間に接地特徴構造または相互連絡性を提供するための所望の位置に基づいて、特定されてもよい。
【0074】
工程520において、基板110は、図1D(電圧の印加)および図1E(光の印加)に関して記載した電解プロセスの一部として提供されるような電解媒質に浸漬されるかまたは他の様式で施される。
【0075】
工程530では、基板110が電解媒質に浸漬されているかまたは提供されている間に、工程510において特定された位置に孔を開けるためにレーザ(レーザビームを発する)が用いられる。レーザの使用を含む工程530の実施は、例えば、基板110の表面上に導体素子を形成するための光122の使用に対して、付加的であってよい。それゆえ、例えば、ある実施の形態において、VSD材料112の層に電圧VSが印加され、基板110の表面をメッキするために、高エネルギーランプが用いられる。基板110が浸漬され、電圧VSが印加されている間、1つ以上のレーザビームを特定位置に印加して、孔の形成と、電解溶液から堆積された導体素子の結合の両方を行ってもよい。
【0076】
さらにまた、ある実施の形態では、十分な出力のレーザビームによって、電圧VSを印加せずに、ビア140を画成する壁を提供するVSD材料の層の表面厚さ(VSD材料112の層中に延在する)を導電状態に切り替えるのに必要なレベルのエネルギーが提供されることが認識される。詳しくは、基板110に孔を開ける作用により、孔(VSD材料の層中に深さの様式で延在する)を取り囲むVSD材料112が導電性になる(少なくともレーザビームが表面にある間)であろう。それゆえ、代わりに、基板が電解媒質中に浸漬されている間であって、電圧VSの印加の前または後(そのような電圧が印加されていたら)に、高出力レーザビームで孔を開けてもよい。
【0077】
図5の実施の形態に使用してよいレーザの例としては、ヘリウムネオンレーザが挙げられる。ある実施の形態において、図5に記載したようなビアを形成する方法は、発光体410およびビアを提供すべき位置を位置決めするためのロジックを含む、図4の実施の形態に記載したような装置を用いて実施してもよい。
【0078】
先に記載したような実施の形態では、発せられたレーザが基板を透過するが、1つ以上の実施の形態では、レーザまたは光ビームの印加の前に、深さ方向または半径方向のいずれかで、孔を少なくとも部分的に予め形成してもよい。
【0079】
追加の用途
ある実施の形態では、メッキまたは金属蒸着プロセスにVSD材料を使用することは、メッキまたは金属蒸着プロセスを経験する基板上にシード層をメッキするときに最も有用であろうことが認識される。詳しくは、VSD材料のある領域上に導体素子の初期被膜が一度形成されたら、VSD材料ではなく、その後の導体素子が互いに被覆する。
【0080】
図6は、本発明のある実施の形態における、VSD材料の基礎層を使用する初期プロセスを含む、多数の電気メッキまたは金属蒸着プロセスを経験する基板の部分を示している。詳しくは、基板610の一部は、導電層608、VSD材料612の層、シード層622、および1つ以上の金属層632を含む。シード層622は、ここに記載された実施の形態のいずれにしたがって形成してもよい。シード層622が一旦形成されたら、同じまたはそれに続くプロセスを用いて、追加の金属層632を形成してよい。ある実施の形態において、追加の金属層は他のプロセスにおいて形成され、それゆえ、導体素子の非同質層を形成することができる。
【0081】
ある実施の形態において、例えば、予め形成した基板または層は、電気メッキプロセスに使用するためのVSD材料を含めるように製造してもよい。電気メッキプロセス(上述したような)によりシード層を形成するために、予め形成した基板を、図1A〜図1G、図2A〜図2Gまたは図3A〜図3D(または本明細書のどこか)の実施の形態に関して記載したようなプロセスに用いてもよい。導体層は、その後の連続電気メッキ、または図6の実施の形態に示されるように、追加のおよびその後の電気メッキ工程のいずれかにより、形成してよい。
【0082】
制御システム
図7は、ここに記載された1つ以上の実施の形態に使用するための制御システムを示している。詳しくは、ここに記載されたような実施の形態は、様々な製造工程により様々なタスクを適用する物理的タスクを実行する製造/製作ツールおよび機械装置の組合せを含むシステムにより実施される。ツールと機械装置のそのようなシステムは、制御コンピュータにより制御される。
【0083】
図7により示される実施の形態において、制御システム710は製造プロセス720を制御する。制御プロセス720は、図1A〜図1G、図2A〜図2Gまたは図3A〜図3Dの実施の形態に示されたような工程のいずれかを実施するためのツール及び機械装置(VSD材料および非導電層のための材料を含む)の使用を含む。ある実施の形態において、制御システム710は、基板デバイスを作製または製造するための1つ以上の工程、またはその一部を制御または構成するために、異なる種類のデータを含む製造プロセス720を提供する。ある実施の形態において、制御システム710は、印加電圧VSの必要な電圧レベルに対応するデータ(VSデータ712)、光源のタイミングおよび期間を制御するためのデータ(「光源データ714」)、光源の輝度またはエネルギーレベルを制御するためのデータ(「パルス時間716」)および非導電層の任意の1つ以上のパターン、導体パターン、および/または形成中(図3A〜図3Dの実施の形態に呼応する)に基板に光が投射または向けられるパターンを特定するデータを送信する。他の実施の形態において、制御システム710は、他の形態のデータを製造プロセス720に送信してもよい。例えば、図3A〜図3Dの実施の形態に関して、データは、光の印加により形成すべき所望のシード層パターンを特定してもよい。
【0084】
本明細書のどこかに述べたように、1つ以上の実施の形態では、製造プロセスに使用するためのVSD材料が選択される。VSD材料の選択は、電解プロセスのための浴の環境内におけるように、多くの環境の内のいずれか1つにおいてVSD材料の層をオンに切り替えるのに必要な閾値電圧レベルVTの特定を含んでもよい。制御システム710は、必要とされる閾値電圧レベル、および潜在的に、基板製造が完了したときにVSD材料の層をその後使用するかまたはそれにより影響を受けるコンポーネントの許容レベルを含む、多くの基準の内の任意の1つによりVSD材料を選択してもよい。
【0085】
VSD材料の選択を行うに際して、制御システム710は、VSD材料情報735を抽出して処理するために、メモリリソース734と通信する処理リソース732を含んでもよい。VSD材料情報735は、種類または組成、並びに材料に特徴的な電圧レベルおよび漏れ/オフ状態抵抗などの性質によりVSD材料を特定するデータを含んでもよい。特定の種類のVSD材料に異なる濃度レベルがあり、感光性粒子に種々の種類がある(異なる種類のフラーレンなどの)、様々な種類のVSD材料が存在することが認識されよう。メモリリソース734は、情報を保守し、処理リソース732に、VSD材料を製造プロセス720により使用すべき様式に影響を与えるであろう種々のデータを決定させることができる。これは、例えば、VSD材料の厚さの選択または指定(あるいは閾値電圧レベルVTの決定)、複数の種類のVSD材料を使用すべきか否かの決定、メッキを開始する前のVSD材料の層に関する位置の特定、光を与えるべきエネルギーの量および/またはVSの電圧の決定、並びに印加電圧VSおよび/またはVSと光の組合せを印加すべき時間に関するパルス長などの他の情報を含んでよい。
【0086】
制御システム710の命令、データおよび内部動作に関して、1つ以上の実施の形態では、データ、命令などの内のいずれを、どのような形態のコンピュータ可読媒体に格納してもよい。コンピュータ可読媒体の例としては、パーソナル・コンピュータまたはサーバのハードディスク・ドライブなどの永久記憶装置が挙げられる。コンピュータ可読媒体の他の例としては、CDやDVD、フラッシュメモリ(多くの携帯電話および携帯情報端末に搭載されているような)、および磁気メモリなどの携帯型記憶デバイスが挙げられる。コンピュータ、端末機、ネットワーク使用可能デバイス(たとえば、携帯電話などのモバイル機器)の全ては、プロセッサ、メモリ、およびコンピュータ可読媒体に記憶された命令を利用する機械装置およびデバイスの例である。
【0087】
代わりの実施の形態
ここに提供された数多くの実施の形態では、基板を形成するための導電層(例えば、プレート、メッシュまたはグリッド)に施されるVSD材料の使用が記載されているが、1つ以上の実施の形態ではさらに、VSD材料の層を、導電層を必要としない、ここに記載された実施の形態のいずれにより形成し、使用してもよい。ある実施の形態において、基板(例えば、図1Aの基板110)は、VSD材料の単層のみを含んでもよい。VSD材料の単層は、その上に導体素子を形成できるようにするために、ここに記載されたようなプロセスを経験してもよい。VSD材料の層は、所望の環境への付加を可能にするために十分に剛性であるかまたは耐久性である組成物を含んでもよい。別の実施の形態において、前記基板は、VSD材料の層に機械的結着性を提供するために、非導電性である支持層に付着したVSD材料の層を含んでもよい。
【0088】
ここに記載された実施の形態のいずれに関しても、1つ以上の実施の形態は、VSD材料を含む基板または層の熱処理の追加の工程を提供する。この熱処理により、電気的性質を含む、堆積された金属および/またはVSD材料の1つ以上の性質が改善されるであろう。加熱により、前記層の乾燥、メッキにより生じる異なるの層の付着の改善、メッキプロセスからの応力の減少、およびメッキにより形成された金属トレースのアニーリングが促進されるであろう。加熱量はかなりの量であってもよいが、VSD材料を劣化させる量を超えてはならない。
【0089】
結論
本発明の例示の実施の形態を、添付の図面を参照して、ここに詳しく説明してきたが、本発明はそれらの正確な実施の形態には限定されるものではないことが理解されよう。それゆえ、多くの改変および変更が、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲およびそれらの同等物により定義されることが意図されている。さらに、個別かまたは実施の形態の一部のいずれかとして記載された特定の特徴は、他の特徴および実施の形態で特定の特徴が言及されていなくとも、個別に記載された他の特徴、または他の実施の形態の一部と組み合わせられることが意図されている。それゆえ、組合せが記載されていなくとも、本出願の発明者等が、そのような組合せに対して権利を主張することができなくなるものではない。
【符号の説明】
【0090】
108,130,208,230,308,608 導電層
110,210,310,430 基板
112,212,312,422,612 VSD材料
120,220 非導電層
122,222 光
322 集束光
622 シード層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気メッキする方法であって、
光活性の電圧で切替可能な誘電体(VSD)材料を含む層上に、前記VSD材料の少なくとも一部分を、一部には、前記VSD材料の一部分を有する前記層に光を向けることにより生じたエネルギーを用いて、絶縁状態から導電状態に切り替えることによって、導体素子のパターンを形成する工程を有してなる方法。
【請求項2】
前記導体素子のパターンを形成する工程が、前記VSD材料の表面厚さの少なくとも一部分を導電状態に切り替え、前記VSD材料を含む前記層を電解媒質に曝す各工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記表面厚さの少なくとも一部分を切り替える工程が、前記層上に形成すべきシード層を少なくとも部分的に画成するように、前記表面厚さの選択部分を切り替える工程を含むことを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記シード層を画成する選択部分を切り替える工程が、その後形成すべき前記導体素子のパターンに一致するように前記選択部分を切り替える工程を含むことを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記導体素子のパターンを形成する工程が、(i)前記VSD材料上に非導電材料の層を形成する工程、および(ii)前記非導電層の部分を除去して、前記VSD材料を露光することによって、前記パターンを形成する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記導体素子のパターンを形成する工程が、前記VSD材料を含む層に電解プロセスを施す工程を含むことを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記層を、(i)フラーレン、(ii)二酸化チタン、(iii)酸化亜鉛、および(iv)二酸化セリウムの内の1つ以上を含有するVSD材料を含むように形成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記導体素子のパターンを形成する工程が、前記層に別の電圧源からの電圧を印加する工程であって、該電圧源からの電圧が、前記VSD材料を導電状態に切り替えるのに必要な閾値電圧レベル未満である工程、および次いで、前記電解プロセス中に前記VSD材料の表面に前記光を向ける工程を含むことを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項9】
前記VSD材料の表面に光を向ける工程が、高エネルギービームを用いて、制御された期間に亘り前記光をパルス変調する工程を含み、前記光をパルス変調することにより生じたエネルギーが、前記別の電圧源からの電圧と組み合わさって、前記VSD材料を導電状態に切り替わらせることを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記導体素子のパターンを形成する工程が、(i)前記基板に光を向けて前記VSD材料の層に亘り電圧を生じさせる工程、および次いで、(ii)前記光により生じた電圧が存在する間に、前記電解プロセス中に電圧源からの電圧を印加する工程であって、前記電圧源からの電圧が、前記VSD材料の表面厚さを導電状態に切り替えるために該VSD材料の表面に亘り存在する光と組み合わされているときを除いて、該VSD材料を導電状態に切り替えるのに必要な閾値電圧レベル未満である工程を含むことを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項11】
前記導体素子のパターンの形成後に、前記層を加熱する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項12】
光活性成分により形成された電圧で切替可能な誘電体(VSD)材料を含む基板を提供し、
前記VSD材料の少なくとも一部分を、一部には光を前記基板に投射することにより生じた電圧を用いて、絶縁状態から導電状態に切り替えることによって、導体素子のパターンを形成する
各工程を有してなるプロセスにより形成された基板デバイス。
【請求項13】
電気メッキする方法であって、
電圧で切替可能な誘電体(VSD)材料の層を含む厚さを、導電粒子を含有する媒質に曝す工程であって、前記VSD材料の層が、光活性成分を含有し、所定の閾値レベルを超えるエネルギーの印加により、絶縁状態から導電状態に切り替わるように誘発可能である工程、および
所定のパターンにしたがって前記VSD材料の層に集束光を向ける工程であって、前記集束光により、前記所定のパターンで特定された前記VSD材料の選択部分が、導電状態に誘発可能であり、よって、前記媒質中の導電粒子が、前記所定のパターンにしたがって前記VSD材料に結合する工程、
を有してなる方法。
【請求項14】
前記集束光を向ける工程が、前記VSD材料の表面にレーザを向ける工程を含むことを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記集束光を向ける工程が、所望の位置で前記VSD材料の層と交差するように集束光のビームを位置決めするように発光体を制御する工程を含むことを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項16】
前記発光体を制御する工程が、前記所望の位置で前記VSD材料の層と交差したときに前記ビームが前記媒質を透過した結果としての該ビームの曲がりまたは回折を計算に入れる工程を含むことを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記厚さの前記VSD材料を、(i)フラーレン、(ii)二酸化チタン、(iii)酸化亜鉛、および(iv)二酸化セリウムからなる群より選択される粒子を含むように形成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項18】
導電粒子の媒質中に提供された基板を電気メッキするためのシステムであって、該システムが、
集束光のビームを向ける発光体、および
前記ビームが提供される位置を制御するように構成された、前記発光体に連結されたまたは設けられたロジックであって、前記基板上に形成すべき導電層の所望のパターンを画成するパターンデータを用いて、該基板に設けられたVSD材料の層上に、前記発光体から発せられた前記ビームを位置決めするように構成されたロジック、
を備え、
前記VSD材料が、光活性成分を含んでおり、所定の閾値レベルを超えるエネルギーの印加により、絶縁状態から導電状態に切り替わるように誘発可能であり、
前記発光体が、前記VSD材料の選択表面領域で該VSD材料のエネルギーの前記所定の閾値レベルを超え、かつ前記選択表面領域で該VSD材料が絶縁状態から導電状態に切り替わるのに十分なエネルギーを、前記VSD材料の層の前記選択表面領域に提供するように前記ビームを向けるように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項19】
前記ロジックが、前記発光体から発せられた前記ビームを位置決めするために空間変換データを使用するようにさらに構成されており、前記空間変換データが、前記導体素子の媒質を透過する前記光ビームの回折または曲がりを考慮するパラメータを1つ以上含むことを特徴とする請求項18記載のシステム。
【請求項20】
前記発光体がレーザであることを特徴とする請求項18記載のシステム。
【請求項21】
基板デバイスの製造プロセスを制御するための制御システムであって、該制御システムが、
前記製造プロセスにデータを伝達する1つ以上の処理リソース、
を含み、前記データが、
光活性成分により形成された電圧で切替可能な誘電体(VSD)材料を含む基板を提供し、
前記VSD材料を、一部には、前記基板およびVSD材料上に光を向けることにより生じた電圧を用いて、絶縁状態から導電状態に切り替えることによって、導体素子のパターンを形成する、
各工程を実行するように前記製造プロセスに指示する命令またはパラメータを含むことを特徴とする制御システム。
【請求項22】
基板にビアを形成する方法であって、
前記基板上にVSD材料の層を形成する工程であって、該VSD材料が、所定の閾値レベルを超えるエネルギーの印加により絶縁状態から導電状態に切り替わるように誘発可能な光活性成分を含むものである工程、
前記VSD材料の層を含む前記基板の少なくとも一部を、導電粒子を含む媒質に浸漬する工程、および
前記基板の少なくとも一部が浸漬されている間に、前記基板の孔を通過するように前記基板に光を印加する工程であって、該光が、前記VSD材料の前記一部のエネルギーレベルが前記所定の閾値レベルを超え、該VSD材料が導電状態に切り替わるのに十分なエネルギーを、前記孔を画成するVSD材料の一部に提供するものである工程、
を有してなり、
前記導電状態において、前記媒質からの導電粒子が、前記ビアを形成するように、前記孔を画成する前記VSD材料の前記一部に結合することを特徴とする方法。
【請求項23】
1つ以上の孔を通過するように前記基板に光を印加する工程が、前記1つ以上の孔を形成するために前記基板にレーザビームを印加する工程を含むことを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記基板上にVSD材料の層を形成する工程であって、該VSD材料が、所定の閾値レベルを超えるエネルギーの印加により絶縁状態から導電状態に切り替わるように誘発可能な光活性成分を含むものである工程、
前記VSD材料の層を含む前記基板の少なくとも一部を、導電粒子を含む媒質に浸漬する工程、および
前記基板の少なくとも一部が浸漬されている間に、前記基板の孔を通過するように前記基板に光を印加する工程であって、該光が、前記VSD材料の前記一部のエネルギーレベルが前記所定の閾値レベルを超え、該VSD材料が導電状態に切り替わるのに十分なエネルギーを、前記孔を画成するVSD材料の一部に提供するものである工程、
を有してなるプロセスにより形成されたビアを有する基板デバイスであって、
前記導電状態において、前記媒質からの導電粒子が、前記ビアを形成するように、前記孔を画成する前記VSD材料の前記一部に結合することを特徴とする基板デバイス。
【請求項25】
基板にビアを形成するためのシステムであって、
集束光のビームを前記基板に向けるように構成できる発光体、および
前記ビームが提供される位置を制御するように構成された、前記発光体に連結されたまたは設けられたロジックであって、ビアにとって所望の位置に対応する位置に前記基板に設けられたVSD材料の層上に、前記発光体から発せられた前記ビームを位置決めするように構成されたロジック、
を備え、
前記VSD材料が、光活性成分を含んでおり、所定の閾値レベルを超えるエネルギーの印加により、絶縁状態から導電状態に切り替わるように誘発可能であり、
前記発光体が、前記ビアのための孔を形成する、または形成すべき前記VSD材料の層の部分に十分なエネルギーを提供するように前記ビームを向けるように構成され、よって、前記VSD材料がそれらの部分で前記所定の閾値レベルのエネルギーを超え、絶縁状態から導電状態に切り替わることを特徴とするシステム。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−504437(P2010−504437A)
【公表日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−529428(P2009−529428)
【出願日】平成19年9月24日(2007.9.24)
【国際出願番号】PCT/US2007/079345
【国際公開番号】WO2008/036984
【国際公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(508153431)ショッキング テクノロジーズ インコーポレイテッド (14)
【氏名又は名称原語表記】SHOCKING TECHNOLOGIES, INC.
【Fターム(参考)】