電子パスポート用のスマートカード、電子パスポート、並びにスマートカード又は電子パスポートを所持している人物を認証するための方法、システム及び装置
スマートカードはカード所持者を認証する。このスマートカードは、基板、センサモジュール、無線トランシーバモジュール及び電力回路を含む。センサモジュールは、(a)人体から生体情報を検出するように構成された生体計測センサと、(b)検出された生体情報に応答して人物を認証し、認証結果を示す認証信号を生成するように構成されたプロセッサユニットと、(c)スマートカードに関連する特定個人の生体情報を記憶するように構成されたメモリと、を含む。無線トランシーバモジュールは、プロセッサユニットから受け取った信号を送信し、また無線送信された電力信号を受信する。電力回路は、電力信号から1つ以上の電源電圧を生成して該電源電圧をセンサモジュールに供給する。電子パスポートにはスマートカードが組み込まれ、端末モジュールは、電子パスポートに電力を無線送信し、そして電子パスポートから信号を受信するために使用される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートカード及び電子パスポートに関する。特に、本発明は、生体計測センサを含むスマートカード及び電子パスポートと、スマートカード又は電子パスポートを所持する人物を認証する方法と、システム及び装置と、に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートカードは、集積回路(IC)カードとも呼ばれ、通常そのプラスチック筐体にマイクロプロセッサ及びメモリを含んでおり、該カードの特定の目的のために必要なデータ処理を行う能力をもっている。従来のスマートカードは、通常「クレジットカード」サイズとされ、ユーザの識別情報を記憶する簡単なメモリタイプのスマートカードから、複雑な計算能力を備えた高級なスマートカードにまで及んでいる。通常、カードリーダを使用して、ユーザ名、アカウント番号、個人識別番号(PIN)、パスワードのような、カード所持者に関連する記憶情報を読む。このカードリーダには、接触タイプ又は非接触タイプが可能である。認証プロセスは通常、必要な情報がスマートカードからカードリーダへと読み込まれた後で、カードリーダか、あるいはローカルな又はリモート認証サーバのようなカードリーダと通信する他の認証デバイスを使って実行される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、そのようなスマートカードは盗難に遭うことや偽造されることがあり、またスマートカードが動作している認証/検証システムがハッキングされる可能性があり、よって、従来のスマートカードシステムは、個人情報の盗難や詐欺に対して未だ脆弱である。個人情報の窃盗犯罪の爆発的な増加のみならず、増え続けるテロリストの脅威に対して、スマートカードを使用し又は所持する個人の本人認証及び検証を行うための、より堅固で保護されたセキュリティシステムが求められている。また、そのような耐タンパー性のあるセキュリティシステムを提供してスマートカードに関連する個人情報の秘密を守ることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
スマートカードはカード所持者を認証する。該スマートカードは、基板、センサモジュール、無線トランシーバモジュール、及び電力回路を含んでいる。センサモジュールは、(a)人体から生体情報を検出するように構成された生体計測センサと、(b)検出された生体情報に応答して人物を認証し、かつ認証結果を示す認証信号を生成するように構成されたプロセッサユニットと、(c)スマートカードに関連する特定個人の生体情報を記憶させるように構成されたメモリと、を含む。無線トランシーバモジュールは、プロセッサユニットから受け取った信号を送信し、かつ無線送信された電力信号を受信する。電力回路は、電力信号から少なくとも1つの電源電圧を生成して、該電源電圧をセンサモジュールに供給する。電子パスポートには、スマートカードが組み込まれ、端末モジュールは、電子パスポート又はスマートカードへと電力を無線送信し、そして電子パスポート又はスマートカードから信号を受信するために使用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
添付図面は、組み込まれることで本明細書の一部を構成するとともに、詳細な説明と併せて本発明の1つ以上の実施形態を示しており、本発明の原理及び実施について説明する役目をもつ。
【0006】
本発明の実施形態については、パスポート、電子パスポート用のスマートカードと、スマートカード又は電子パスポートを所持する人物を認証する方法及びシステム、装置の範囲内でここに説明している。当業者には理解されるように、本発明にかかる以下の詳細な説明については例示のためだけであって、決して限定を意図してはいない。本発明の他の実施形態は、本開示の恩恵を受けた当業者にとっては容易に想到し得るものである。
添付図面に示す本発明の実施形態を以下詳細に参照されたい。尚、同一の参照記号は、同一又は同様の部分を参照するために、図面全体及び以下の詳細な説明を通して使用される。
【0007】
明確化のために、ここに記述されている実施形態の決まりきった特長の全てを説明してはいない。もちろん、現実の実施上の開発において、開発者の特定の目的を達成するために、アプリケーション及びビジネスに関連する制約の順守のような多数の実施に固有の決定がなされることを要し、これらの特定の目的は、実施形態毎に、また開発者毎に異なることが分かる。さらにそのような開発の努力については複雑で多大な時間を必要とするけれども、何れにしてもこの開示の恩恵を受ける当業者にとっては開発の日常的な作業である。
【0008】
本発明の一実施形態に従って、部品、工程段階、及び/又はデータ構造が各種のオペレーティングシステム(OS)、計算プラットフォーム、ファームウェア、計算機プログラム、計算機言語、及び/又は汎用マシンを使用して実施可能である。その方法は処理回路上で実行されるプログラムされたプロセスとして実施できる。この処理回路は、プロセッサ及びオペレーティングシステム又はスタンドアロンデバイスの多数の組み合わせの形態をとることができる。プロセスは、そのようなハードウェア、ハードウェア単独又はそれらの任意の組み合わせによって実行される命令として実現できる。ソフトウェアは、マシンで読み出し可能なプログラム格納デバイス上で記憶することができる。
【0009】
また、当業者には認識されるように、ハードワイヤードのデバイス、フィールドプログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)及びコンプレックスプログラマブル・ロジックデバイス(CPLD)を含むフィールドプログラマブル・ロジックデバイス(FPLDs)、特定用途向けIC(ASIC)やその他同様の、汎用性の低いデバイスについても、ここに開示した発明概念の範囲及び精神を逸脱することなく使用できる。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態によるスマートカードを所持する人物を認証するためのスマートカード10を示している。図1に示すように、スマートカード10は、基板12と、センサモジュール14と、電力回路16と、無線トランシーバモジュール18と、を含んでいる。センサモジュール14、電力回路16、及び無線トランシーバモジュール18は、基板12上に設けられている。センサモジュール14は人体から生体情報(生体計測情報)を検出し、検出された生体情報に基づいて人物の認証を行い、そして認証結果を示す認証信号、例えば、肯定的な結果(認証成功)又は否定的な結果(認証失敗)を生成する。電力回路16は無線トランシーバモジュール18と結合されており、無線トランシーバモジュール18から受信した電力信号から1つ以上の電源電圧を生成するように構成される。この電源電圧はセンサモジュール14に対して供給される。
【0011】
無線トランシーバモジュール18は、センサモジュール14及び電力回路16と結合されている。無線トランシーバモジュール18は、センサモジュール14から受け取った信号(認証信号を含む)を送信するように構成されており、さらには、無線送信された電力信号を受信するように構成されている。無線トランシーバモジュール18は電磁波を送受信することができる。しかしながら、無線トランシーバモジュール18については、超音波、光波、赤外線波等を送受信できるように実装してもよい。
【0012】
図2は、本発明の一実施形態に従った、スマートカード20を示している。図2に示すように、電力アンテナ22、信号アンテナ24、電力回路26、及びセンサモジュール28が基板21上に設けられている。電力アンテナ22は電力回路26に結合されており、信号アンテナ24はセンサモジュール28に結合されている。本例では、無線トランシーバモジュール(図1に示す)が電力アンテナ22及び信号アンテナ24から形成されている。電力アンテナ22及び信号アンテナ24については同一のアンテナであってもよいが、本例では信号アンテナ24が別個の独立したアンテナとして設けられている。電力アンテナ22は無線送信された電力信号を受信し、電力回路26が、この受信した電力信号から1つ以上の電源電圧27を生成して、該電源電圧がセンサモジュール28に供給される。信号アンテナ24は、センサモジュール28から受け取った信号を送信する。本発明の一実施形態によれば、信号アンテナ24は電力アンテナ22よりも実質的に小さくされている。このようにして、信号アンテナ24から送信される信号は、実質的に近距離の送信範囲をもつが、これによって、信号をスマートカードの近傍でのみ受信することができ、信号の不正な受信や傍受が防止される。
【0013】
図2に示すように、センサモジュール28は、生体計測センサ30と、プロセッサユニット32と、メモリ34と、を備えている。また、センサモジュール28はさらに、認証結果を示すインジケータ36、及びプロセッサユニット32に外部アクセスを提供する1つのコントロールインターフェース38を含むことができる。図2に示すように、プロセッサユニット32は生体計測センサ30と、メモリ34と、オプションのインジケータ36と、コントロールインターフェース38に結合されている。プロセッサユニット32は、生体計測センサ30によって検出された生体情報に応答してスマートカードの所持者を認証し、その認証結果を示す認証信号を生成するように構成されている。メモリ34は通常、不揮発性メモリであって、スマートカードに関連付けられた特定個人の生体情報を記憶するように構成される。このメモリ34は、図中、プロセッサユニット32の外部に描かれているが、該メモリをプロセッサユニット32内に組み込んでもよいことに注意されたい。また、プロセッサユニット32は、認証を行い、命令を実行し及び/又はデータを処理するために、ランダムアクセスメモリ(RAM)のような揮発性メモリを含む。また、プロセッサユニット32は、信号を無線送信する前に該信号を暗号化することができる。
【0014】
図3及び図4は、本発明の一実施形態に従ったスマートカードについて、電力アンテナ22及び電力回路26の部分を示している。図3に示すように、電力回路26は、電力アンテナ22に結合された整流器40と、整流器40に結合されたレギュレータ(調整器)42を含んでいる。本例では、レギュレータ42が、2つの電源電圧V1及びV2(例えば、3.3Vと1.8V)を生成する。本発明の一実施形態に従って、図4に示すように、無線トランシーバモジュールは、複数の電力アンテナ44(44a、44b、...、44n)を含むことができ、電力回路は、これに対応する複数の整流回路46(46a、46b、...、46n)及びレギュレータ42を含んでいる。各組の電力アンテナ44及び整流器46は、1つの電流源として機能するので、これらの組は、並列に組み合わされることで、レギュレータ42によって調整される1つの大きな電流源を形成する。
【0015】
図5は、本発明の一実施形態に従って、3つの電力アンテナ44(44a、44b、44c)と、それらに対応する整流器46(46a、46b、46c)と、レギュレータ42を含む電力部52の実装について一例を示している。図5に示すように、各整流器46は、異なった構造を持つことができる。例えば、整流器46は、1つの倍電圧整流器であってもよく、又は、1つのショットキーダイオードを含んでもよい。同様に、レギュレータ42については、降圧レギュレータや、スイッチング・レギュレータ、あるいはフライバック・レギュレータであってもよい。このレギュレータ42は、下位の部分42a及び42bを持つことができ、その各々が異なった電源電圧に対応している。例えば、第一の部分42aが3.3Vの電源電圧を提供し、第二の部分42bが1.8Vの電源電圧を提供する。電源電圧の数とレベルについては2つに限らず、特定の適用において所望の数やレベルの電源電圧を提供することができる。
【0016】
また、本発明の一実施形態に従って、複数の電力アンテナ44の各々が、5未満の巻数を持つことができる。好ましくは、電力アンテナ44の各々が、2以下の巻数を持つ。より少ない巻数のアンテナは、より小さな自己インダクタンスを持ち、これによって、大きな電流の供給及びより高速な電流の立ち上がりが可能になる(即ち、より速い周波数応答)。また、複数の電力アンテナ44の各々は、ほぼ同じの長さを持つことができる。さらに、電力アンテナについては、アンテナコイル又はループの内部領域(即ち、電力アンテナ44によって生成される磁場の断面積)が最大になるように配置することができる。例えば、電力アンテナはスマートカードの周縁に沿って配置される。電力アンテナの接続ポイントは、互いに接近して配置することができる。また、電力アンテナ44の各々は、プラスチック材料又は紙材料の上にエッチングされたパターン又は印刷パターンとして形成してもよい。電力アンテナ44の各々は、2mm以上の幅を持つことができる。
【0017】
図2に戻って本図を参照すると、本発明の一実施形態に従って、生体計測センサ30は、指紋パターンを検出するように構成された指紋センサであってもよい。この指紋センサは如何なるタイプであってもよいが、濡れた指や汚れた指で触れられても、指紋パターンを高い信頼性で検出できるセンサを使用することが好ましい。また、指の表面形状、即ち、指紋パターンの谷又は山の形状と分布を読むことができる指紋センサを使用することが好ましい。例えば、そのような指紋センサには、圧力センサセルアレイ又はスキャナ、マイクロエレクトロメカニカル(MEM)アレイ又はスキャナ、機械的応力アレイ又はスキャナ、距離測定セルアレイ又はスキャナ、マイクロスイッチアレイ又はスキャナ、弾性測定アレイ又はスキャナ等の、機械的に指の皮膚形状を検出するセンサを含んでもよい。但し、静電容量測定式セルアレイを使用した指紋センサは好ましくなく、その理由は、指とセルアレイとの間の静電容量が、湿気のような指の条件に応じて変化する可能性があることによる。また、指紋センサについては、例えば、赤外線検出アレイ又はスキャナを使用して、指の皮膚における温度分布を測定してもよい。
【0018】
さらには、スマートカード及び/又はパスポートは、いくつかの適用において可撓性をもつ必要があり、その上の指紋センサについても好ましくは可撓性をもつ。そのような適用において、指紋センサは、その絶縁体若しくは基板又はその両者に、ポリマー材料、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PPT)、ポリカーボネート、ブタジエン、エポキシ、ナイロン、テフロン(登録商標)(テトラフルオロエチレンのポリマー(PTFE)又はフッ化エチレンプロピレン(FEP))等を使用して作成することができる。しかしながら、それはポリマー材料に限定されず、薄くされたシリコンウェハ又は基板もまた使用され、その場合にウェハを結晶、多結晶、又はアモルファスシリコンから作成することができる。例えば、薄くされたシリコンウェハ又は基板の厚さが、好ましくは200マイクロメートル未満であって、さらに好ましくは100マイクロメートル未満とされる。薄くされたシリコン基板は、静電容量、抵抗等を測定することによって指紋パターンを検出してこれをデジタル信号に変えるように構成される。薄くするプロセスについては、化学エッチング又はガスプラズマエッチングを含んでもよい。また、薄くされたシリコンウェハは、機械的な補強材、例えば、ハードポリマー、ガラスエポキシ、銅張りガラスエポキシ、BT樹脂、銅張りBT樹脂、ステンレスチール被覆若しくはシート、アルミニウム被覆、又は陽極酸化アルミニウム被覆若しくはシート等で強化されてもよい。注意すべきは、表面形状センサとフレキシビリティとが同時に満たされるとは限らないことである。
【0019】
図2に戻って本図を参照すると、スマートカードに関連付けられた特定個人の指紋テンプレートがメモリ34に記憶される。また、生体計測センサ30については、人物の像を捉えるように構成された電荷結合デバイス(CCD)又は金属酸化物半導体(MOS)のような、イメージセンサであってもよい。例えば、撮影される像は、人物の顔、耳や虹彩、及び/又は網膜であってもよい。しかしながら、像がこれらの例に限定される訳ではなく、人物の特徴を一意に明らかにする特定パターンとして捕捉可能な、人物についての如何なる像をも使用することができる。また、生体計測センサ30は、DNA、RNA、たんぱく質、酵素、血液細胞等の、人物の遺伝情報又は特徴を検出するように構成された遺伝情報検出器であってもよい。何れの場合においても、対応する生体情報のテンプレート(人物を特定し又は識別する、予め決められた生体パターン)がメモリ34内に記憶される。本発明の一実施形態に従って、生体計測センサ30はスマートカードの縁部の近辺に配置される。このような構成によって、スマートカードの面上において所望の別の構成要素や必要な構成要素を容易に位置させることができるようになる。
【0020】
上記のように、プロセッサユニット32は、検出された生体情報を、記憶された生体情報と比較することによって人物の認証を行い、そして、スマートカードを所持する人物がスマートカードに関連付けられた特定個人と同一人物であるかどうかを決定する。また、このプロセッサユニット32は、送信前にプロセッサユニット32で生成された信号を暗号化するように構成された暗号化回路(図2には示されていない)を含むことができる。
【0021】
図6は、プロセッサユニット32において実行される認証プロセスの一例を示しており、ここでは、生体情報として指紋が使用されている。先ず、認証の対象とされる(スマートカードを所持している)人物の指紋パターンが、指紋センサによって捉えられる(600)。そして、比較に使用する明確な特徴が、捉えられた指紋パターンから抽出される(602)。例えば、指紋パターンの特徴点や、空間周波数(密度)、及び/又はベクトルが抽出される。これらの特徴は、単独で又は組み合わせて使用することができる。抽出された特徴は、メモリ内に記憶されている、これに対応したテンプレートと比較される(604)。この抽出された特徴がテンプレートと一致すると判定された場合に、認証結果は肯定的、即ち、その人物は成功裏に認証される。また、抽出された特徴がテンプレートと一致しないと判定された場合には、認証結果は否定的、即ち、その人物は認証に失敗する。結果を示す認証信号が生成されて(606)、これが暗号化され(608)、そして信号アンテナを介して送信される(610)。
【0022】
図2に示すように、センサモジュール28はさらに、プロセッサユニット32に結合されたインジケータ36を含むことができる。認証信号はインジケータ36へと供給されて、認証結果を該インジケータに表示することができる。本発明の一実施形態に従って、インジケータ36は1つ以上の発光ダイオード(LED)を含んでもよい。例えば、インジケータ36は、赤色及び緑色等の、色の異なる2つのLEDを有し、人物が認証に成功した場合には緑色のLEDが発光し、そして人物が認証に失敗した場合には赤色のLEDが発光する。また、複数のLEDを組み合わせて使用し、及び/又は点滅間隔等の異なった照明モードを用いて、LEDの数に対応して、単純な認証成功/失敗よりも、さらに多くの情報を表示することが可能である。
【0023】
指紋センサは、指の3次元表面から2次元のパターンを捉えるので、検出されたパターンが歪む虞があり、人物がスマートカードの正当な所有者であるにもかかわらず、間違った結果をもたらすことがある。従って、認証の現状又は結果を目視可能に示すことで、正当な所有者は、その指紋パターンが正しく検出されるように、センサ上に押し付ける当該所有者の指を調整することができる。その一方で、認証の失敗を示すことは、スマートカードの違法な所持者を思いとどまらせることになる。
【0024】
インジケータ36についてはLEDに限定されない。本発明の一実施形態に従って、インジケータ36は認証結果、例えば、「成功」、「認証された」、「エラー」、「認証の交信中」、その他の適切なメッセージを表示するように構成された液晶表示器(LCD)であってもよい。このLCDはまた、いくつかのアイコン又は記号を表示することができる。また、インジケータは認証結果に対応する音声信号を再生するように構成された音響再生装置であってもよい。例えば、音声信号は、認証結果に応じて、異なる周波数の、異なる音声メッセージ、あるいは異なるメロディを有する。
【0025】
図2に示すように、本発明の一実施形態に従って、センサモジュール28はさらに、プロセッサユニット32に結合されたコントロールインターフェース38を含むことができる。このコントロールインターフェース38は、プロセッサユニット32を設定するために、外部コントロール信号を受け取るように構成される。通常、コントロールインターフェース38は、特定個人に対してスマートカードが発行される場合に、該スマートカードの初期設定において使用される。例えば、外部コントロール信号は、プロセッサユニット32のハードウェア及び/又はソフトウェアの設定に使用され、プロセッサユニット32及び/又はメモリ34にプログラムをアップロードし、メモリ34に特定個人の生体情報テンプレートをアップロードして記憶させるため等に使用することができる。また、プロセッサユニット32の暗号化システムのための暗号化キー及び他のデータが、初期設定プロセス中に、外部コントロール信号を使用して選択され及び/又は設定されるようにしてもよい。
【0026】
また、追加の個人情報、例えば、個人識別情報や、ユーザ及び/又はスマートカードの目的に関係する他の個人情報等のような特定個人の情報を、メモリ34に記憶してもよい。例えば、そのような個人識別情報には、名前、ユーザ名、パスワード、個人識別番号(PIN)、出生日、出生地、運転免許証番号等が含まれる。また、人物の画像を記憶させてもよい。さらに、他の関連情報、例えば、スマートカードの発行日、スマートカードの有効期限日、特定個人の連絡先の情報等も記憶することができる。また、スマートカードをパスポートに用いる場合には、例えば、旅行や入港の履歴又は在留資格等を記憶することができる。
【0027】
コントロールインターフェース38への外部接続については、プロセッサユニット32を設定して、所望の情報をメモリ34に記憶させた後で、これを不可能にすることができる。例えば、コントロールインターフェース38への外部アクセスを、物理的に接続できないように切断してもよい。そのような物理的な切断は永久的であっても構わない。そのような切断は、不正なアクセス並びに設定及び記憶データの変更を防止するために好ましい。但し、記憶された情報の更新が必要であるか又は望ましい場合において、その人物の認証が成功したときだけ、コントロールインターフェース38への外部接続を可能にすることができる。
【0028】
図7は、本発明の一実施形態によるセンサ及びプロセッサの部分について一例を示している。本例において、プロセッサユニットは、認証回路56及びデュアルモードインターフェース回路58を含んでいる。認証回路56は中央処理装置(CPU)において、ハードウェア又はソフトウェア、あるいはハードウェアとソフトウェアとの任意の組み合わせを用いて導入することができる。つまり、認証回路は、特定のソフトウェア、ASIC、フィールドプログラマブル・ロジックデバイス(FPLD)等を備えた汎用CPUを使用して実現できる。この認証CPU56はその内部にメモリ60を含み、認証信号を生成するために上記の認証プロセスを実行することができる。スマートカードに関連する特定個人の生体情報、及び特定個人の任意選択での個人情報は、メモリ60に記憶される。このメモリ60は認証CPU56の外部にあってもよい。メモリ60については、スタティックRAM(SRAM)、又はダイナミックRAM(DRAM)のようなランダムアクセスメモリ(RAM)、及び消去可能でプログラム可能な読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能でプログラム可能な読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ(又はフラッシュPROM)等のような、メモリの組み合わせであっても構わない。RAMは、ソフトウェアプログラム、プログラムコード、プログラム命令等のデータのキャッシュに使用される。PROMは、認証プログラム及び他のアプリケーションプログラム、暗号化アプリケーション及び暗号化キーのような関連するデータ及びファイル、並びに上記した特定個人の生体情報及び個人情報の記憶に使用される。PROMに記憶されたソフトウェアプログラム及び情報については、その変更又は改竄が許されないので、PROMは1回だけプログラム可能又は書き込み可能でなければならない。EEPROM又はフラッシュメモリの場合には、その再書き込み可能な機能が、例えば、線を溶かすか又はドライバのヒューズを飛ばすことで無効化(ディセーブル)される。
【0029】
図7に戻って本図を参照すると、認証信号は通信バス(線)62を経由してデュアルモードインターフェース回路へと送られる。このデュアルモードインターフェース回路58は、認証CPU56から受け取った認証信号を、信号アンテナ64経由で無線送信するのに適した送信信号に変換する。つまり、デュアルモードインターフェース回路58は有線通信及び無線通信の両方の能力がある。しかしながら通常は、一方の側で有線通信が可能である場合に、他方の側では無線通信が無効化され、またその逆の場合も同様に成り立つ。信号アンテナ64については、好ましくは実質的に電力アンテナに比べて小さく作られている。
【0030】
本発明の一実施形態に従って、このシステムは、国際標準化機構(ISO)規格に適合している。例えば、通信バス62はISO7816に適合し、そしてデュアルモードインターフェース回路58が、ISO7816(有線通信に対して)及びISO14443(無線通信に対して)と互換性のあるISOデュアルモードインターフェースチップであってもよい。しかしながら、用途によっては、別のISO規格を使用することもできる。
【0031】
図7はまた、生体計測センサ66、コントロールインターフェース70、そしてインジケータ(本例では、複数のLED)68を示している。コントロールインターフェース70は、Joint Test Action Group(JTAG)規格に準拠したインターフェースを使用して実現することができ、これは通常、テストアクセスポート・アーキテクチャを提供する。また、図7に示すように、スマートカードは、基板上で、システム用クロック信号を生成するように構成された発振回路72を含むことができる。このクロック信号(CLK)は、クロック信号に従って動作する要素全てに対して、直接的に又は間接的に供給されるが、簡単化のため、そのようなクロック信号入力は図7に示されていない。これに代わって、クロック信号については、本発明の一実施形態に従って、電力信号から生成することも可能である。この場合に、スマートカードは、電力信号を受信するように構成されたクロックアンテナと、該クロックアンテナに結合されたクロック回路であって、受信した電力信号からクロック信号を生成するクロック回路と、を含む。例えば、電力の無線送信部がまたISO14443に適合する場合において、それは13.56MHzの発振を持ち、クロック信号の生成に使用することができる。
【0032】
図8は、プロセッサユニットの実装についての別例を示しており、ここでは暗号化及び復号化の仕組みが設けられている。認証CPU56は、暗号化回路72を含み、認証信号をデュアルモードインターフェース回路58へ送る前に該認証信号を暗号化する。同様に、デュアルインターフェース回路58は、認証CPU56から受け取った、暗号化された信号を復号化するために復号化回路74を含む。また、デュアルモードインターフェース回路58は、信号アンテナ64を経由して無線送信を行う前に、送信信号を暗号化するように構成された暗号化回路76を含んでいる。
【0033】
図9Aは、本発明の一実施形態によるプロセッサユニットの実装について別例を示している。本例において、プロセッサユニットは、簡単な読み/書き用CPU78と、暗号化を伴う無線送信のみならず、完全な認証プロセスを実行する能力をもったデュアルモードCPU80を含んでいる。図9Aに示すように、読み/書き用CPU78は暗号化回路82を含むことができる。この読み/書き用CPU78は、生体計測センサ66によって検出された生体情報を暗号化して、デュアルモードCPU80へと送る。デュアルモードCPU80は、認証回路84及びメモリ90を含んでいる。認証回路84については、ソフトウェア、ハードウェア、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせで実現することができる。メモリ90は特定個人の生体情報テンプレートを記憶するように構成される。また、デュアルモードCPU80は、読み/書き用CPU78から受け取った暗号化済の信号(検出された生体情報)を復号化するために復号化回路86を含む。デュアルモードCPU80は、検出された生体情報をメモリ90内に記憶されたテンプレートと比較して、認証結果を示す認証信号を生成する。そして、デュアルモードCPU80は、信号アンテナ64を経由して信号を無線送信する前に、暗号化回路88を用いて認証信号を暗号化する。
【0034】
図9Bは、本発明の一実施形態による、プロセッサユニットの実装についてさらに別例を示している。本例では、プロセッサユニットが、センサCPU79及びデュアルモードCPU81を含んでいる。本例において、センサCPU79は、ソフトウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせとされる抽出回路83を含み、生体計測センサ66で検出された生体情報から特徴抽出を行う。指紋パターンの特徴点や、空間周波数(密度)、及び/又はベクトルのような、抽出された特徴が好ましくは暗号化され、そしてデュアルモードCPU81に送られる。デュアルモードCPU81は、マッチング/認証回路85、復号化回路86、暗号化回路88、及びメモリ90を含んでいる。デュアルモードCPU81は抽出された特徴と、記憶された生体情報テンプレートとの比較(つまり、対応して参照される特徴とのマッチング)を行い、その人物が認証に成功するか又は失敗するかを決定する。マッチング/認証回路85については、ソフトウェア、ハードウェア、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって実現することができる。例えば、マッチング/認証回路85は、オブジェクト指向プログラム言語、例えば、ニューヨーク、アーモンクのIBM社から入手可能なJCOPスマートカード・オペレーティングシステム上で走るJAVA(登録商標)アプレット等で書かれたアプリケーションプログラムとして実現できる。
【0035】
上記のように、本発明の一実施形態に従って、追加の個人情報は、メモリ34、60又は90に記憶することができる。そのような追加の情報については、スマートカードを所持している人物が認証に成功した場合に、該情報を読み込んで送信することができる。例えば、プロセッサユニット32、認証CPU56、又はデュアルモードCPU80は、読み出し回路をさらに含んでもよく、該回路は、検出された生体情報が、記憶された生体情報に一致すると判明した場合に、記憶済の追加の個人情報をメモリから取り出すように構成される。この場合に、プロセッサユニット32、認証CPU56、又はデュアルモードCPU80はさらに、特定個人の個人情報を示す個人情報信号を生成する。この個人情報信号は暗号化されて、上記の認証信号と同様に信号アンテナを経由して送信される。
【0036】
図10は本発明の一実施形態に従ったスマートカード100を示している。図10に示すように、スマートカード100は、基板102、電力アンテナ104及び信号アンテナ106を有する無線通信モジュール、電力回路108、クロック回路110、そしてセンサモジュール112を含んでいる。センサモジュール112は、上記した他の実施形態と同様に、プロセッサユニット114、生体計測センサ116、メモリ118、インジケータ120、そしてコントロール回路122を含んでいる。これらの構成要素は、前述した実施形態において対応する要素の1つであってもよく、いくつかの要素は上記のように任意選択で設けることができる。本実施形態において、センサモジュール112は、スマートカードを所持する人物が生きていることを検出するように構成された生体センサ(biosensor)124をさらに含んでいる。例えば、生体計測センサ116が指紋センサである場合に、権限のない人物が人の指(又は人体から切り取られた人体の一部)の複製を使用して、スマートカードを動作させ、あるいはその中に記憶されている情報を利用する可能性がある。それゆえ、追加のセキュリティとして、生体情報の検出対象とされる身体部が生きた人物の部分であることの確認が重要である。
【0037】
本発明の一実施形態に従って、生体センサ124は、酸素検出器、二酸化炭素検出器、温度計、湿度センサ、赤外線センサ、音声センサ、脳波センサ、心電図センサ、電磁場センサ、カイ(Chi)センサ等のうちの1つ、あるいは、それらの任意の組み合わせであってもよい。また、生体センサ124は、それに接触した体の一部の弾性を検出するように構成された弾性センサ、又はそれに接触した体の部分の血流を検出するように構成された血流センサであってもよい。これらの生体センサはまた、単独で又は上記生体センサの1つ以上と組み合わせて使用してもよい。さらには、生体センサ124が、与えられた刺激に対する人物の反射応答を捉えるように構成された生体応答検出器を含んでいてもよい。例えば、その上を照明した光強度に応答する虹彩の開口変化のような反射応答を用いることができ、生体センサ124は、虹彩の像を捉えるように構成されたイメージセンサ及び人物の目を照らすように構成された発光体を含むことができる。また、生体計測センサ116が生体認証のために人物の像を捉えるイメージセンサを含む場合において、生体計測センサ116及び生体センサ124を、1つのイメージセンサに統合することができる。例えば、静的な像がパターンマッチングのために処理され、刺激に応じた動き(反応)の像が「生存」テストのために処理されるようにしてもよい。
【0038】
プロセッサユニット114は、人物の認証が成功し、そして生きていることが判明した場合に、肯定的な認証を生成する。その認証結果及び生存テストの結果は、上記と同様にインジケータ120を用いて表示することができる。
【0039】
本発明の一実施形態に従って、スマートカード100はさらに、図10に示すように表示器126を含むことができる。この表示器126はプロセッサユニット114に結合され、人物が認証された場合に特定個人の顔を含む画像を表示するように構成される。例えば、スマートカードのある適用では、スマートカードの所持者の画像を有することが望ましく、そのような画像はスマートカードの所持者が認証に成功した場合にのみ利用可能となる。この特徴によってスマートカードの偽造がより困難となる。また、正規の所持者の署名を画像と併せて表示してもよい。表示される画像及び任意選択で表示される署名については、メモリ118に記憶することができる。
【0040】
本発明の一実施形態に従って、生体計測センサ116及び表示器126は、1つの要素に統合することができる。例えば、生体計測センサ116は実質的に透明であって、表示器112の上に配置されてもよい。また、表示器126は、スマートカードの所持者の認証が成功したときだけ(生存テストにパスすることを含む)作動して像を表示するので、表示器112がインジケータとしても機能する。
【0041】
本発明の一実施形態に従って、上記実施形態で説明したスマートカードは、パスポート内に組み込まれるように構成される。図11は、本発明の一実施形態によるスマートカードを含む電子パスポート130を示している。例えば、図11に示すように、スマートカードがパスポート130の表又は裏のカバー131に組み込まれてもよく、その際、生体計測センサ132は、表又は裏のカバー131の内側134において目視可能に配置され、該カバーには通常、パスポート所持者の個人識別情報及び関連データが位置される。また、図11に示すように、特に上記のようなインジケータ136が認証結果を目視できるように表示する場合に、該インジケータ136をパスポート130の内側134において目視可能に配置することができる。好ましくは、生体計測センサ132が、パスポート130の内側134の縁寄りに配置される。また好ましくは、生体計測センサ132及び任意選択で設けられるインジケータ136が、内側134に配置され、これにより、生体計測センサ132及び任意選択で設けられるインジケータ136が内側134のパスポート所持者の写真138及び他の個人データ140と干渉することはない。
【0042】
図12は、図11に示したパスポート130に組み込まれたスマートカード150の一例を示している。通常、スマートカード150のサイズはパスポート130のサイズに比してやや小さい。上記の実施形態と同様に、スマートカード150は、電力アンテナ152及び信号アンテナ154を含む無線トランシーバモジュール、電力回路156、生体計測センサを含むセンサモジュール、任意選択でのインジケータ136、認証CPU158及びデュアルモードインターフェース回路160を含むプロセッサユニット、そしてコントロールインターフェース162を含んでいる。認証CPU158は、上記のように、生体情報テンプレート及び他の個人データを記憶するメモリ(図示せず)を含む。プロセッサユニットは、上記のように、1つの構成要素に統合することができ、また認証処理プロセスはデュアルモードCPUによって実行してもよい。本例では、電力アンテナ152が、同様の長さをもって、スマートカード150の基板164の縁部に沿って配置された3つの独立したアンテナを含んでいる。
【0043】
好ましくは、信号アンテナ154が実質的に電力アンテナ152よりも小さくされる。例えば、信号アンテナ154(及び上記実施形態における信号アンテナ24及び64)は十分小さく作られることで、信号アンテナ154から送信される無線信号を受信する端末モジュールアンテナ194又は199(図17及び18参照)のループ及び/又は配線の真上か、あるいはこれに対して非常に接近して配置される。即ち、スマートカード(又は電子パスポート)が端末モジュール190の上に置かれた場合に、信号アンテナ154は端末モジュールアンテナ194又は199の非常に近くか、又は好ましくはその真上とされるが、これは、信号アンテナ154における小さな負荷変動が端末モジュールアンテナによって検出できるようにするためである。また、負荷変動は十分に小さくされて、非常に接近したアンテナ又は任意の受信モジュールだけがその変化を検出できるが、如何なる第三者も盗聴の目的で負荷変動を検出することはできない。例えば、送信された信号は信号アンテナの位置から最大10mmの距離において検出できる。つまり、同じパスポート表面積又は端末モジュール表面積であっても送信された信号を常に検出できるとは限らない。
【0044】
コントロールインターフェース162は、外部接続(リードバス)166が尚も使用可能であるかのように描かれている。これは、電子パスポート130が特定個人に対して最初に発行されて、その中に組み込まれたスマートカード150が初期設定される場合であり、その際、必要なデータ及び/又は所望のデータ、情報、及び/又はソフトウェア(認証プログラム、暗号化プログラム等)が、コントロールインターフェース166を通してアップロードされて、メモリに記憶される。そのような設定及びアップロードの後で、外部接続166を遮断してコントロールインターフェース162へのアクセスを不能にすることができる。
【0045】
本発明の一実施形態に従って、スマートカード150は、従来の紙によるパスポート中に組み込まれることなく、カードタイプの電子パスポートとして使用することができる。パスポート所持者及びパスポートの使用に関連する情報は全て、従来のパスポートにおいて通常印刷されるか、又は押印されるが、このような全情報をスマートカード上に設けられたメモリに電子的に又はデジタル処理で記憶させることができるので、スマートカード自体を電子パスポートとして実現することが可能となる。この場合、追加の表層が基板164の上に設けられるが、これは、アンテナ及び他の電子回路を保護するとともに、スマートカードの表面に目視可能な情報を配置するスペースを提供するためである。また、パスポート130と同様に、生体計測センサ及び任意選択で設けられるインジケータを、表層において目視可能に配置してもよい。このカードタイプの電子パスポートはまた、以下の実施形態にも適用可能である。つまり、実施形態で記載したパスポート又は電子パスポートは、スマートカードが組み込まれた紙のパスポート又はスマートカードとして実現されるペーパレス(紙を使わない)電子パスポートの何れであってもよい。
【0046】
図13は、本発明の一実施形態による電子パスポート170を示しており、これには生体計測センサ172が設けられ、また従来あったパスポート所持者の顔写真が表示器174で置き換えられている。例えば、上記したスマートカード100(図10)又は同様のスマートカードを、パスポート170に組み込むことができる。尚、注意すべきは、表示器の位置がスマートカード100中で再配置されており、表示器126が適切な位置又は所望の位置、例えば、パスポート170の表又は裏のカバーにおける内側のページに置かれていることである。これに代わって、パスポート170が、上記したように、紙のページをもたないカードタイプの電子パスポートであってもよい。
【0047】
図14は、電子パスポート170の一例を示しており、該電子パスポートにおいて生体計測センサ172が指紋センサである。図14に示すように、パスポート所持者が、その指を指紋センサ172の上に置いた場合に、該パスポート所持者が首尾よく認証されると、表示器174は、パスポート所持者の画像及び任意選択による署名をその上に表示する。そのような像及び任意選択での署名については、認証成功の後で予め決められた時間に亘って表示させるか、あるいは、指が指紋センサ172に接触している間、表示させることができる。
【0048】
図15は、本発明の一実施形態による電子パスポート180の一例を示しており、該電子パスポートにおいて指紋センサ及び表示器はセンサ/表示器182に統合されている。パスポート180の所持者がセンサ/表示器182に触れると、図16に示すように、検出された指紋パターンが、上記のように認証プロセスのために使用され、そして、人物が認証されると、センサ/表示器は、パスポート所持者の顔画像及び任意選択での署名をその上に表示する。センサ/表示器182は、認証成功の後で、予め決められた時間に亘って像及び任意選択での署名を表示することができる。
【0049】
図17は、本発明の一実施形態による、スマートカード、あるいはスマートカードを含む電子パスポートを所持する人物について認証するための端末モジュール190を示している。スマートカード又は電子パスポートは、上記した何れのスマートカード又は電子パスポートであってもよい。端末モジュールは、支持板192及びその上に設けられたアンテナ(端末モジュールアンテナ)194を含んでいる。この支持板192は、スマートカード又は電子パスポートを支えるように構成され、スマートカード又はパスポートを支えるのに好適なサイズを有する。アンテナ194は、電力をスマートカード又は電子パスポートに送信するように構成される。無線送信される電力は、例えば、端末モジュール190上に置かれたスマートカード10(図1)の無線トランシーバモジュール18によって受信される。また、アンテナ194はスマートカードの無線トランシーバモジュールから送信される信号を受信する構成となっている。
【0050】
本発明の一実施形態に従って、端末モジュール190は、上記スマートカード150が組み込まれた電子パスポート130のような、電子パスポートとともに使用されるように設計される。電子パスポート130が電力アンテナ152及び信号アンテナ154を含む場合に、例えば、アンテナ194は、電力アンテナ152によって受信される電力信号を無線送信するとともに、信号アンテナ154から送信される無線信号を受信するように構成される。好ましくは、端末モジュールアンテナ194が支持板192の上に設けられており、電子パスポート(又はスマートカード)が支持板192の上に置かれる際に、信号送信アンテナ154が実質的に端末モジュールアンテナ194に位置合わせされる。通常、端末モジュールアンテナ194は、実質的に電子パスポートの信号アンテナ154よりも大きく、信号アンテナ154は、図17に示すように、アンテナ194の一部196の上に置かれる。信号アンテナ154は、アンテナ194の一部196の真上か又はその非常に接近したところに位置させることができる。これに代わって、図18に示すように、端末モジュール190は、電力送信アンテナ198及び該電力送信アンテナ198とは別の信号受信アンテナ199を含むことができる。この場合、信号受信アンテナ199は、電子パスポート130が端末モジュール190の上に置かれる際に、その位置が信号アンテナ154の位置と合致するように配置されている。
【0051】
上記のように、本発明の実施形態に従って、生体情報検出及び生体情報を使用した認証プロセスは、スマートカード又は電子パスポートによってボード上(カード上)で実行される。即ち、カード所持者やパスポート所持者の認証は、指紋パターン及び個人情報のような機密情報を外部に通信することなく実行され、そして、そのような機密情報はスマートカード又は電子パスポート内に封じ込められる。認証結果及び関連する個人情報が無線送信される場合に、送信信号は非常に短い範囲(通常はミリメートル程度)をもち、よってスマートカード又は電子パスポートが適切に置かれた端末モジュールだけで受信される。従って、認証プロセス及び個人情報の読み出しについては局所的に実行することができ、機密情報が空中を伝わり又はインターネットのようなネットワークシステムを通じて伝搬することはない。また、完全な認証を局所的に(ボード上で)実行できるので、如何なる事故又は外部ネットワークシステム若しくは中央データベースへのアクセス不能によって影響されることはない。
【0052】
しかしながら、ある状況下では、端末モジュールを越えて外部システムで、個人の生体情報及び/又は個人情報を通信することが好ましい。例えば、空港内において、認証結果は空港の警備要員によって監視され、そして認証結果及び必要な個人情報がローカルコンピュータネットワーク内の監視デバイスや端末へと送信されるようにしてもよい。また、疑わしい場合には、指紋のような生体情報が、犯罪記録、テロリスト一覧表のデータベース、移民記録等の、通常は政府の中央データベースに保有されている情報に対して選別されることが必要となる。例えば、スマートカード又は電子パスポートが偽造された可能性がある場合に、疑わしいスマートカード又はパスポートの中に記憶された全ての情報が調べられて、該情報が、正当であると主張する個人についての対応する情報と比較されることを要する場合がある。それゆえ、本発明の一実施形態に従って、端末モジュールはまた、外部のコンピュータシステムと通信する能力を持つことができる。
【0053】
図19は、本発明の一実施形態に従って、スマートカード又は電子パスポートを所持する人物の認証を行うためのシステム300を示している。図19に示すように、このシステム300は、スマートカード/電子パスポート302と端末モジュール304を含んでいる。スマートカード/電子パスポートは、上記した実施形態の何れか1つのスマートカード又は電子パスポートであってよい。端末モジュール304は、端末モジュールアンテナ306、復号化回路308、暗号化回路310、そしてインターフェース312を含んでいる。復号化回路308は、受信した信号が暗号化されている場合に、スマートカード/電子パスポート302から受信した信号を復号化するように構成される。暗号化回路310は端末モジュール304から送信される信号を暗号化する。インターフェース312は、端末モジュール304を、通常ローカルコンピュータネットワークとされるコンピュータシステム314に結合する。また、インターフェース312は、端末モジュールを、中央データベース318を持つサーバ316と繋ぐことができる。そのようなサーバ316への接続には、仮想回路、専用回路等を介して、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)を使用することができる。従って、インターフェース312は、ユニバーサルシリアルバス(USB)規格や、勧告基準232C(RS−232C)、勧告基準433(RS−433)、伝送制御ロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)等の1つと互換性をもつ。コンピュータシステム314又はサーバ316は、端末モジュール304から送信された認証信号及び他の個人情報を受け取り、必要なデータ処理や選別、中央データベースとの比較等を実行する。また、認証結果及び/又は個人情報を、権限のある人に対して表示してもよい。
【0054】
電子パスポート(つまり、その内部のスマートカード)は、端末モジュールから無線送信される電力によって電源供給を受けるので、電子パスポートが端末モジュールの電力範囲から離れるにつれて電源電圧が減少し、最終的には遮断されて電子パスポートのセンサモジュールが止まる。それゆえ、本発明の一実施形態に従って、電子パスポート(スマートカード)のセンサモジュールは、電源電圧が遮断された後において、増加する電源電圧についての、予め決められたレベルに対応して自動的に初期化される。この初期化は通常、スマートカードのプロセッサユニットを初期化することで行われる。プロセッサユニットが、認証CPU及びデュアルモードインターフェース回路を含む場合において、例えば、認証CPUは、増加する電源電圧についての閾値電圧を用いて初期化されるようにしてもよく、その後に、デュアルモードインターフェース回路が、認証CPUから供給されるリセット信号を用いて初期化されるようにしてもよい。
【0055】
図20は、本発明の一実施形態による、スマートカード又は、スマートカードが組み込まれた電子パスポートを所持する人物の認証を行うための方法を示している。スマートカードは、スマートカードの基板上に設けられたセンサモジュールを含んでおり、該センサモジュールは、生体計測センサ、プロセッサユニット、及びメモリを含む。スマートカード又は電子パスポートは、上記した何れか1つのスマートカード又は電子パスポートであってもよい。先ず、電力信号は、基板上に設けられた無線トランシーバモジュールを経由して受信される(210)。これは、スマートカード又はパスポートが、電力信号を供給する端末モジュール上に置かれている状況であればよい。少なくとも1つの電源電圧が電力信号から生成され、そして該電源電圧は、センサモジュールに電源を投入して、センサモジュールを動作可能とするために、センサモジュールに供給される(212)。任意選択により、センサモジュールの初期化が電源投入期間中に行われるようにしてもよい(214)。そして、上記のように、指紋センサ、イメージセンサ等の生体計測センサを使用して、生体(計測)情報が人物の体から検出される(216)。検出された生体情報はメモリに記憶された生体情報と比較され(218)、そして、その比較結果を示す認証信号が生成される(220)。認証又は比較の結果は任意選択により、スマートカード上に設けられたインジケータを用いて表示される(222)。それから、認証信号は任意選択でもって暗号化され(224)、無線トランシーバモジュールを経由して送信される(226)。
【0056】
本発明の実施形態及び適用を示すとともにそれらについて記載してきたが、本開示の利益を受ける当業者にとっては、この発明の概念から外れることなく、上記した以上のさらに多くの修正が可能であることは明らかである。本発明はそれゆえ、添付の請求項の精神以外には限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施形態によるスマートカードを所持する人物を認証するための、スマートカードを模式的に示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態によるスマートカードの一例を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態によるスマートカードにおける電力回路を示す電気的なブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態によるスマートカードにおける電力回路の一例を示す電気的なブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態によるスマートカードにおける電力部について、実施の一例を示す回路図である。
【図6】指紋センサ付のプロセッサユニットで実行される認証プロセスの一例を示すプロセスフロー図である。
【図7】本発明の一実施形態に従って、スマートカードのセンサ/プロセッサ部の一例を示す電気的なブロック図である。
【図8】暗号化/復号化の仕組みをもったスマートカードのプロセッサユニットの実装について、他の例を示すブロック図である。
【図9A】本発明の一実施形態によるスマートカードのプロセッサユニットの実装について別例を示すブロック図である。
【図9B】本発明の一実施形態によるスマートカードのプロセッサユニットの実装についてさらに別例を示すブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態によるスマートカードを示すブロック図である。
【図11】本発明の一実施形態によるスマートカードを含む電子パスポートを示す図である。
【図12】図11に示すパスポートに組み込まれたスマートカードの一例を示すブロック図である。
【図13】本発明の一実施形態による電子パスポートであって、生体計測センサ及び表示器を含む電子パスポートを示す図である。
【図14】指紋センサ及び表示器を含み、人物を認証する電子パスポートの一例を示す図である。
【図15】本発明の一実施形態による電子パスポートであって、集積化されたセンサ及び表示器を含む電子パスポートの一例を示す図である。
【図16】本発明の一実施形態による電子パスポートであって、集積化されたセンサ及び表示器を含む電子パスポートの一例を示す図である。
【図17】本発明の一実施形態による、スマートカード、又はスマートカードを含む電子パスポートの所持者を認証するための端末モジュールを示す図である。
【図18】本発明の一実施形態による端末モジュールの一例を示す図である。
【図19】本発明の一実施形態に従って、スマートカード又は電子パスポートを所持する人物を認証するためのシステムを示す機能ブロック図である。
【図20】本発明の一実施形態に従って、スマートカード、又はスマートカードが組み込まれた電子パスポートの所持者を認証するための方法を示すプロセスフロー図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートカード及び電子パスポートに関する。特に、本発明は、生体計測センサを含むスマートカード及び電子パスポートと、スマートカード又は電子パスポートを所持する人物を認証する方法と、システム及び装置と、に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートカードは、集積回路(IC)カードとも呼ばれ、通常そのプラスチック筐体にマイクロプロセッサ及びメモリを含んでおり、該カードの特定の目的のために必要なデータ処理を行う能力をもっている。従来のスマートカードは、通常「クレジットカード」サイズとされ、ユーザの識別情報を記憶する簡単なメモリタイプのスマートカードから、複雑な計算能力を備えた高級なスマートカードにまで及んでいる。通常、カードリーダを使用して、ユーザ名、アカウント番号、個人識別番号(PIN)、パスワードのような、カード所持者に関連する記憶情報を読む。このカードリーダには、接触タイプ又は非接触タイプが可能である。認証プロセスは通常、必要な情報がスマートカードからカードリーダへと読み込まれた後で、カードリーダか、あるいはローカルな又はリモート認証サーバのようなカードリーダと通信する他の認証デバイスを使って実行される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、そのようなスマートカードは盗難に遭うことや偽造されることがあり、またスマートカードが動作している認証/検証システムがハッキングされる可能性があり、よって、従来のスマートカードシステムは、個人情報の盗難や詐欺に対して未だ脆弱である。個人情報の窃盗犯罪の爆発的な増加のみならず、増え続けるテロリストの脅威に対して、スマートカードを使用し又は所持する個人の本人認証及び検証を行うための、より堅固で保護されたセキュリティシステムが求められている。また、そのような耐タンパー性のあるセキュリティシステムを提供してスマートカードに関連する個人情報の秘密を守ることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
スマートカードはカード所持者を認証する。該スマートカードは、基板、センサモジュール、無線トランシーバモジュール、及び電力回路を含んでいる。センサモジュールは、(a)人体から生体情報を検出するように構成された生体計測センサと、(b)検出された生体情報に応答して人物を認証し、かつ認証結果を示す認証信号を生成するように構成されたプロセッサユニットと、(c)スマートカードに関連する特定個人の生体情報を記憶させるように構成されたメモリと、を含む。無線トランシーバモジュールは、プロセッサユニットから受け取った信号を送信し、かつ無線送信された電力信号を受信する。電力回路は、電力信号から少なくとも1つの電源電圧を生成して、該電源電圧をセンサモジュールに供給する。電子パスポートには、スマートカードが組み込まれ、端末モジュールは、電子パスポート又はスマートカードへと電力を無線送信し、そして電子パスポート又はスマートカードから信号を受信するために使用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
添付図面は、組み込まれることで本明細書の一部を構成するとともに、詳細な説明と併せて本発明の1つ以上の実施形態を示しており、本発明の原理及び実施について説明する役目をもつ。
【0006】
本発明の実施形態については、パスポート、電子パスポート用のスマートカードと、スマートカード又は電子パスポートを所持する人物を認証する方法及びシステム、装置の範囲内でここに説明している。当業者には理解されるように、本発明にかかる以下の詳細な説明については例示のためだけであって、決して限定を意図してはいない。本発明の他の実施形態は、本開示の恩恵を受けた当業者にとっては容易に想到し得るものである。
添付図面に示す本発明の実施形態を以下詳細に参照されたい。尚、同一の参照記号は、同一又は同様の部分を参照するために、図面全体及び以下の詳細な説明を通して使用される。
【0007】
明確化のために、ここに記述されている実施形態の決まりきった特長の全てを説明してはいない。もちろん、現実の実施上の開発において、開発者の特定の目的を達成するために、アプリケーション及びビジネスに関連する制約の順守のような多数の実施に固有の決定がなされることを要し、これらの特定の目的は、実施形態毎に、また開発者毎に異なることが分かる。さらにそのような開発の努力については複雑で多大な時間を必要とするけれども、何れにしてもこの開示の恩恵を受ける当業者にとっては開発の日常的な作業である。
【0008】
本発明の一実施形態に従って、部品、工程段階、及び/又はデータ構造が各種のオペレーティングシステム(OS)、計算プラットフォーム、ファームウェア、計算機プログラム、計算機言語、及び/又は汎用マシンを使用して実施可能である。その方法は処理回路上で実行されるプログラムされたプロセスとして実施できる。この処理回路は、プロセッサ及びオペレーティングシステム又はスタンドアロンデバイスの多数の組み合わせの形態をとることができる。プロセスは、そのようなハードウェア、ハードウェア単独又はそれらの任意の組み合わせによって実行される命令として実現できる。ソフトウェアは、マシンで読み出し可能なプログラム格納デバイス上で記憶することができる。
【0009】
また、当業者には認識されるように、ハードワイヤードのデバイス、フィールドプログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)及びコンプレックスプログラマブル・ロジックデバイス(CPLD)を含むフィールドプログラマブル・ロジックデバイス(FPLDs)、特定用途向けIC(ASIC)やその他同様の、汎用性の低いデバイスについても、ここに開示した発明概念の範囲及び精神を逸脱することなく使用できる。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態によるスマートカードを所持する人物を認証するためのスマートカード10を示している。図1に示すように、スマートカード10は、基板12と、センサモジュール14と、電力回路16と、無線トランシーバモジュール18と、を含んでいる。センサモジュール14、電力回路16、及び無線トランシーバモジュール18は、基板12上に設けられている。センサモジュール14は人体から生体情報(生体計測情報)を検出し、検出された生体情報に基づいて人物の認証を行い、そして認証結果を示す認証信号、例えば、肯定的な結果(認証成功)又は否定的な結果(認証失敗)を生成する。電力回路16は無線トランシーバモジュール18と結合されており、無線トランシーバモジュール18から受信した電力信号から1つ以上の電源電圧を生成するように構成される。この電源電圧はセンサモジュール14に対して供給される。
【0011】
無線トランシーバモジュール18は、センサモジュール14及び電力回路16と結合されている。無線トランシーバモジュール18は、センサモジュール14から受け取った信号(認証信号を含む)を送信するように構成されており、さらには、無線送信された電力信号を受信するように構成されている。無線トランシーバモジュール18は電磁波を送受信することができる。しかしながら、無線トランシーバモジュール18については、超音波、光波、赤外線波等を送受信できるように実装してもよい。
【0012】
図2は、本発明の一実施形態に従った、スマートカード20を示している。図2に示すように、電力アンテナ22、信号アンテナ24、電力回路26、及びセンサモジュール28が基板21上に設けられている。電力アンテナ22は電力回路26に結合されており、信号アンテナ24はセンサモジュール28に結合されている。本例では、無線トランシーバモジュール(図1に示す)が電力アンテナ22及び信号アンテナ24から形成されている。電力アンテナ22及び信号アンテナ24については同一のアンテナであってもよいが、本例では信号アンテナ24が別個の独立したアンテナとして設けられている。電力アンテナ22は無線送信された電力信号を受信し、電力回路26が、この受信した電力信号から1つ以上の電源電圧27を生成して、該電源電圧がセンサモジュール28に供給される。信号アンテナ24は、センサモジュール28から受け取った信号を送信する。本発明の一実施形態によれば、信号アンテナ24は電力アンテナ22よりも実質的に小さくされている。このようにして、信号アンテナ24から送信される信号は、実質的に近距離の送信範囲をもつが、これによって、信号をスマートカードの近傍でのみ受信することができ、信号の不正な受信や傍受が防止される。
【0013】
図2に示すように、センサモジュール28は、生体計測センサ30と、プロセッサユニット32と、メモリ34と、を備えている。また、センサモジュール28はさらに、認証結果を示すインジケータ36、及びプロセッサユニット32に外部アクセスを提供する1つのコントロールインターフェース38を含むことができる。図2に示すように、プロセッサユニット32は生体計測センサ30と、メモリ34と、オプションのインジケータ36と、コントロールインターフェース38に結合されている。プロセッサユニット32は、生体計測センサ30によって検出された生体情報に応答してスマートカードの所持者を認証し、その認証結果を示す認証信号を生成するように構成されている。メモリ34は通常、不揮発性メモリであって、スマートカードに関連付けられた特定個人の生体情報を記憶するように構成される。このメモリ34は、図中、プロセッサユニット32の外部に描かれているが、該メモリをプロセッサユニット32内に組み込んでもよいことに注意されたい。また、プロセッサユニット32は、認証を行い、命令を実行し及び/又はデータを処理するために、ランダムアクセスメモリ(RAM)のような揮発性メモリを含む。また、プロセッサユニット32は、信号を無線送信する前に該信号を暗号化することができる。
【0014】
図3及び図4は、本発明の一実施形態に従ったスマートカードについて、電力アンテナ22及び電力回路26の部分を示している。図3に示すように、電力回路26は、電力アンテナ22に結合された整流器40と、整流器40に結合されたレギュレータ(調整器)42を含んでいる。本例では、レギュレータ42が、2つの電源電圧V1及びV2(例えば、3.3Vと1.8V)を生成する。本発明の一実施形態に従って、図4に示すように、無線トランシーバモジュールは、複数の電力アンテナ44(44a、44b、...、44n)を含むことができ、電力回路は、これに対応する複数の整流回路46(46a、46b、...、46n)及びレギュレータ42を含んでいる。各組の電力アンテナ44及び整流器46は、1つの電流源として機能するので、これらの組は、並列に組み合わされることで、レギュレータ42によって調整される1つの大きな電流源を形成する。
【0015】
図5は、本発明の一実施形態に従って、3つの電力アンテナ44(44a、44b、44c)と、それらに対応する整流器46(46a、46b、46c)と、レギュレータ42を含む電力部52の実装について一例を示している。図5に示すように、各整流器46は、異なった構造を持つことができる。例えば、整流器46は、1つの倍電圧整流器であってもよく、又は、1つのショットキーダイオードを含んでもよい。同様に、レギュレータ42については、降圧レギュレータや、スイッチング・レギュレータ、あるいはフライバック・レギュレータであってもよい。このレギュレータ42は、下位の部分42a及び42bを持つことができ、その各々が異なった電源電圧に対応している。例えば、第一の部分42aが3.3Vの電源電圧を提供し、第二の部分42bが1.8Vの電源電圧を提供する。電源電圧の数とレベルについては2つに限らず、特定の適用において所望の数やレベルの電源電圧を提供することができる。
【0016】
また、本発明の一実施形態に従って、複数の電力アンテナ44の各々が、5未満の巻数を持つことができる。好ましくは、電力アンテナ44の各々が、2以下の巻数を持つ。より少ない巻数のアンテナは、より小さな自己インダクタンスを持ち、これによって、大きな電流の供給及びより高速な電流の立ち上がりが可能になる(即ち、より速い周波数応答)。また、複数の電力アンテナ44の各々は、ほぼ同じの長さを持つことができる。さらに、電力アンテナについては、アンテナコイル又はループの内部領域(即ち、電力アンテナ44によって生成される磁場の断面積)が最大になるように配置することができる。例えば、電力アンテナはスマートカードの周縁に沿って配置される。電力アンテナの接続ポイントは、互いに接近して配置することができる。また、電力アンテナ44の各々は、プラスチック材料又は紙材料の上にエッチングされたパターン又は印刷パターンとして形成してもよい。電力アンテナ44の各々は、2mm以上の幅を持つことができる。
【0017】
図2に戻って本図を参照すると、本発明の一実施形態に従って、生体計測センサ30は、指紋パターンを検出するように構成された指紋センサであってもよい。この指紋センサは如何なるタイプであってもよいが、濡れた指や汚れた指で触れられても、指紋パターンを高い信頼性で検出できるセンサを使用することが好ましい。また、指の表面形状、即ち、指紋パターンの谷又は山の形状と分布を読むことができる指紋センサを使用することが好ましい。例えば、そのような指紋センサには、圧力センサセルアレイ又はスキャナ、マイクロエレクトロメカニカル(MEM)アレイ又はスキャナ、機械的応力アレイ又はスキャナ、距離測定セルアレイ又はスキャナ、マイクロスイッチアレイ又はスキャナ、弾性測定アレイ又はスキャナ等の、機械的に指の皮膚形状を検出するセンサを含んでもよい。但し、静電容量測定式セルアレイを使用した指紋センサは好ましくなく、その理由は、指とセルアレイとの間の静電容量が、湿気のような指の条件に応じて変化する可能性があることによる。また、指紋センサについては、例えば、赤外線検出アレイ又はスキャナを使用して、指の皮膚における温度分布を測定してもよい。
【0018】
さらには、スマートカード及び/又はパスポートは、いくつかの適用において可撓性をもつ必要があり、その上の指紋センサについても好ましくは可撓性をもつ。そのような適用において、指紋センサは、その絶縁体若しくは基板又はその両者に、ポリマー材料、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PPT)、ポリカーボネート、ブタジエン、エポキシ、ナイロン、テフロン(登録商標)(テトラフルオロエチレンのポリマー(PTFE)又はフッ化エチレンプロピレン(FEP))等を使用して作成することができる。しかしながら、それはポリマー材料に限定されず、薄くされたシリコンウェハ又は基板もまた使用され、その場合にウェハを結晶、多結晶、又はアモルファスシリコンから作成することができる。例えば、薄くされたシリコンウェハ又は基板の厚さが、好ましくは200マイクロメートル未満であって、さらに好ましくは100マイクロメートル未満とされる。薄くされたシリコン基板は、静電容量、抵抗等を測定することによって指紋パターンを検出してこれをデジタル信号に変えるように構成される。薄くするプロセスについては、化学エッチング又はガスプラズマエッチングを含んでもよい。また、薄くされたシリコンウェハは、機械的な補強材、例えば、ハードポリマー、ガラスエポキシ、銅張りガラスエポキシ、BT樹脂、銅張りBT樹脂、ステンレスチール被覆若しくはシート、アルミニウム被覆、又は陽極酸化アルミニウム被覆若しくはシート等で強化されてもよい。注意すべきは、表面形状センサとフレキシビリティとが同時に満たされるとは限らないことである。
【0019】
図2に戻って本図を参照すると、スマートカードに関連付けられた特定個人の指紋テンプレートがメモリ34に記憶される。また、生体計測センサ30については、人物の像を捉えるように構成された電荷結合デバイス(CCD)又は金属酸化物半導体(MOS)のような、イメージセンサであってもよい。例えば、撮影される像は、人物の顔、耳や虹彩、及び/又は網膜であってもよい。しかしながら、像がこれらの例に限定される訳ではなく、人物の特徴を一意に明らかにする特定パターンとして捕捉可能な、人物についての如何なる像をも使用することができる。また、生体計測センサ30は、DNA、RNA、たんぱく質、酵素、血液細胞等の、人物の遺伝情報又は特徴を検出するように構成された遺伝情報検出器であってもよい。何れの場合においても、対応する生体情報のテンプレート(人物を特定し又は識別する、予め決められた生体パターン)がメモリ34内に記憶される。本発明の一実施形態に従って、生体計測センサ30はスマートカードの縁部の近辺に配置される。このような構成によって、スマートカードの面上において所望の別の構成要素や必要な構成要素を容易に位置させることができるようになる。
【0020】
上記のように、プロセッサユニット32は、検出された生体情報を、記憶された生体情報と比較することによって人物の認証を行い、そして、スマートカードを所持する人物がスマートカードに関連付けられた特定個人と同一人物であるかどうかを決定する。また、このプロセッサユニット32は、送信前にプロセッサユニット32で生成された信号を暗号化するように構成された暗号化回路(図2には示されていない)を含むことができる。
【0021】
図6は、プロセッサユニット32において実行される認証プロセスの一例を示しており、ここでは、生体情報として指紋が使用されている。先ず、認証の対象とされる(スマートカードを所持している)人物の指紋パターンが、指紋センサによって捉えられる(600)。そして、比較に使用する明確な特徴が、捉えられた指紋パターンから抽出される(602)。例えば、指紋パターンの特徴点や、空間周波数(密度)、及び/又はベクトルが抽出される。これらの特徴は、単独で又は組み合わせて使用することができる。抽出された特徴は、メモリ内に記憶されている、これに対応したテンプレートと比較される(604)。この抽出された特徴がテンプレートと一致すると判定された場合に、認証結果は肯定的、即ち、その人物は成功裏に認証される。また、抽出された特徴がテンプレートと一致しないと判定された場合には、認証結果は否定的、即ち、その人物は認証に失敗する。結果を示す認証信号が生成されて(606)、これが暗号化され(608)、そして信号アンテナを介して送信される(610)。
【0022】
図2に示すように、センサモジュール28はさらに、プロセッサユニット32に結合されたインジケータ36を含むことができる。認証信号はインジケータ36へと供給されて、認証結果を該インジケータに表示することができる。本発明の一実施形態に従って、インジケータ36は1つ以上の発光ダイオード(LED)を含んでもよい。例えば、インジケータ36は、赤色及び緑色等の、色の異なる2つのLEDを有し、人物が認証に成功した場合には緑色のLEDが発光し、そして人物が認証に失敗した場合には赤色のLEDが発光する。また、複数のLEDを組み合わせて使用し、及び/又は点滅間隔等の異なった照明モードを用いて、LEDの数に対応して、単純な認証成功/失敗よりも、さらに多くの情報を表示することが可能である。
【0023】
指紋センサは、指の3次元表面から2次元のパターンを捉えるので、検出されたパターンが歪む虞があり、人物がスマートカードの正当な所有者であるにもかかわらず、間違った結果をもたらすことがある。従って、認証の現状又は結果を目視可能に示すことで、正当な所有者は、その指紋パターンが正しく検出されるように、センサ上に押し付ける当該所有者の指を調整することができる。その一方で、認証の失敗を示すことは、スマートカードの違法な所持者を思いとどまらせることになる。
【0024】
インジケータ36についてはLEDに限定されない。本発明の一実施形態に従って、インジケータ36は認証結果、例えば、「成功」、「認証された」、「エラー」、「認証の交信中」、その他の適切なメッセージを表示するように構成された液晶表示器(LCD)であってもよい。このLCDはまた、いくつかのアイコン又は記号を表示することができる。また、インジケータは認証結果に対応する音声信号を再生するように構成された音響再生装置であってもよい。例えば、音声信号は、認証結果に応じて、異なる周波数の、異なる音声メッセージ、あるいは異なるメロディを有する。
【0025】
図2に示すように、本発明の一実施形態に従って、センサモジュール28はさらに、プロセッサユニット32に結合されたコントロールインターフェース38を含むことができる。このコントロールインターフェース38は、プロセッサユニット32を設定するために、外部コントロール信号を受け取るように構成される。通常、コントロールインターフェース38は、特定個人に対してスマートカードが発行される場合に、該スマートカードの初期設定において使用される。例えば、外部コントロール信号は、プロセッサユニット32のハードウェア及び/又はソフトウェアの設定に使用され、プロセッサユニット32及び/又はメモリ34にプログラムをアップロードし、メモリ34に特定個人の生体情報テンプレートをアップロードして記憶させるため等に使用することができる。また、プロセッサユニット32の暗号化システムのための暗号化キー及び他のデータが、初期設定プロセス中に、外部コントロール信号を使用して選択され及び/又は設定されるようにしてもよい。
【0026】
また、追加の個人情報、例えば、個人識別情報や、ユーザ及び/又はスマートカードの目的に関係する他の個人情報等のような特定個人の情報を、メモリ34に記憶してもよい。例えば、そのような個人識別情報には、名前、ユーザ名、パスワード、個人識別番号(PIN)、出生日、出生地、運転免許証番号等が含まれる。また、人物の画像を記憶させてもよい。さらに、他の関連情報、例えば、スマートカードの発行日、スマートカードの有効期限日、特定個人の連絡先の情報等も記憶することができる。また、スマートカードをパスポートに用いる場合には、例えば、旅行や入港の履歴又は在留資格等を記憶することができる。
【0027】
コントロールインターフェース38への外部接続については、プロセッサユニット32を設定して、所望の情報をメモリ34に記憶させた後で、これを不可能にすることができる。例えば、コントロールインターフェース38への外部アクセスを、物理的に接続できないように切断してもよい。そのような物理的な切断は永久的であっても構わない。そのような切断は、不正なアクセス並びに設定及び記憶データの変更を防止するために好ましい。但し、記憶された情報の更新が必要であるか又は望ましい場合において、その人物の認証が成功したときだけ、コントロールインターフェース38への外部接続を可能にすることができる。
【0028】
図7は、本発明の一実施形態によるセンサ及びプロセッサの部分について一例を示している。本例において、プロセッサユニットは、認証回路56及びデュアルモードインターフェース回路58を含んでいる。認証回路56は中央処理装置(CPU)において、ハードウェア又はソフトウェア、あるいはハードウェアとソフトウェアとの任意の組み合わせを用いて導入することができる。つまり、認証回路は、特定のソフトウェア、ASIC、フィールドプログラマブル・ロジックデバイス(FPLD)等を備えた汎用CPUを使用して実現できる。この認証CPU56はその内部にメモリ60を含み、認証信号を生成するために上記の認証プロセスを実行することができる。スマートカードに関連する特定個人の生体情報、及び特定個人の任意選択での個人情報は、メモリ60に記憶される。このメモリ60は認証CPU56の外部にあってもよい。メモリ60については、スタティックRAM(SRAM)、又はダイナミックRAM(DRAM)のようなランダムアクセスメモリ(RAM)、及び消去可能でプログラム可能な読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能でプログラム可能な読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ(又はフラッシュPROM)等のような、メモリの組み合わせであっても構わない。RAMは、ソフトウェアプログラム、プログラムコード、プログラム命令等のデータのキャッシュに使用される。PROMは、認証プログラム及び他のアプリケーションプログラム、暗号化アプリケーション及び暗号化キーのような関連するデータ及びファイル、並びに上記した特定個人の生体情報及び個人情報の記憶に使用される。PROMに記憶されたソフトウェアプログラム及び情報については、その変更又は改竄が許されないので、PROMは1回だけプログラム可能又は書き込み可能でなければならない。EEPROM又はフラッシュメモリの場合には、その再書き込み可能な機能が、例えば、線を溶かすか又はドライバのヒューズを飛ばすことで無効化(ディセーブル)される。
【0029】
図7に戻って本図を参照すると、認証信号は通信バス(線)62を経由してデュアルモードインターフェース回路へと送られる。このデュアルモードインターフェース回路58は、認証CPU56から受け取った認証信号を、信号アンテナ64経由で無線送信するのに適した送信信号に変換する。つまり、デュアルモードインターフェース回路58は有線通信及び無線通信の両方の能力がある。しかしながら通常は、一方の側で有線通信が可能である場合に、他方の側では無線通信が無効化され、またその逆の場合も同様に成り立つ。信号アンテナ64については、好ましくは実質的に電力アンテナに比べて小さく作られている。
【0030】
本発明の一実施形態に従って、このシステムは、国際標準化機構(ISO)規格に適合している。例えば、通信バス62はISO7816に適合し、そしてデュアルモードインターフェース回路58が、ISO7816(有線通信に対して)及びISO14443(無線通信に対して)と互換性のあるISOデュアルモードインターフェースチップであってもよい。しかしながら、用途によっては、別のISO規格を使用することもできる。
【0031】
図7はまた、生体計測センサ66、コントロールインターフェース70、そしてインジケータ(本例では、複数のLED)68を示している。コントロールインターフェース70は、Joint Test Action Group(JTAG)規格に準拠したインターフェースを使用して実現することができ、これは通常、テストアクセスポート・アーキテクチャを提供する。また、図7に示すように、スマートカードは、基板上で、システム用クロック信号を生成するように構成された発振回路72を含むことができる。このクロック信号(CLK)は、クロック信号に従って動作する要素全てに対して、直接的に又は間接的に供給されるが、簡単化のため、そのようなクロック信号入力は図7に示されていない。これに代わって、クロック信号については、本発明の一実施形態に従って、電力信号から生成することも可能である。この場合に、スマートカードは、電力信号を受信するように構成されたクロックアンテナと、該クロックアンテナに結合されたクロック回路であって、受信した電力信号からクロック信号を生成するクロック回路と、を含む。例えば、電力の無線送信部がまたISO14443に適合する場合において、それは13.56MHzの発振を持ち、クロック信号の生成に使用することができる。
【0032】
図8は、プロセッサユニットの実装についての別例を示しており、ここでは暗号化及び復号化の仕組みが設けられている。認証CPU56は、暗号化回路72を含み、認証信号をデュアルモードインターフェース回路58へ送る前に該認証信号を暗号化する。同様に、デュアルインターフェース回路58は、認証CPU56から受け取った、暗号化された信号を復号化するために復号化回路74を含む。また、デュアルモードインターフェース回路58は、信号アンテナ64を経由して無線送信を行う前に、送信信号を暗号化するように構成された暗号化回路76を含んでいる。
【0033】
図9Aは、本発明の一実施形態によるプロセッサユニットの実装について別例を示している。本例において、プロセッサユニットは、簡単な読み/書き用CPU78と、暗号化を伴う無線送信のみならず、完全な認証プロセスを実行する能力をもったデュアルモードCPU80を含んでいる。図9Aに示すように、読み/書き用CPU78は暗号化回路82を含むことができる。この読み/書き用CPU78は、生体計測センサ66によって検出された生体情報を暗号化して、デュアルモードCPU80へと送る。デュアルモードCPU80は、認証回路84及びメモリ90を含んでいる。認証回路84については、ソフトウェア、ハードウェア、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせで実現することができる。メモリ90は特定個人の生体情報テンプレートを記憶するように構成される。また、デュアルモードCPU80は、読み/書き用CPU78から受け取った暗号化済の信号(検出された生体情報)を復号化するために復号化回路86を含む。デュアルモードCPU80は、検出された生体情報をメモリ90内に記憶されたテンプレートと比較して、認証結果を示す認証信号を生成する。そして、デュアルモードCPU80は、信号アンテナ64を経由して信号を無線送信する前に、暗号化回路88を用いて認証信号を暗号化する。
【0034】
図9Bは、本発明の一実施形態による、プロセッサユニットの実装についてさらに別例を示している。本例では、プロセッサユニットが、センサCPU79及びデュアルモードCPU81を含んでいる。本例において、センサCPU79は、ソフトウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせとされる抽出回路83を含み、生体計測センサ66で検出された生体情報から特徴抽出を行う。指紋パターンの特徴点や、空間周波数(密度)、及び/又はベクトルのような、抽出された特徴が好ましくは暗号化され、そしてデュアルモードCPU81に送られる。デュアルモードCPU81は、マッチング/認証回路85、復号化回路86、暗号化回路88、及びメモリ90を含んでいる。デュアルモードCPU81は抽出された特徴と、記憶された生体情報テンプレートとの比較(つまり、対応して参照される特徴とのマッチング)を行い、その人物が認証に成功するか又は失敗するかを決定する。マッチング/認証回路85については、ソフトウェア、ハードウェア、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって実現することができる。例えば、マッチング/認証回路85は、オブジェクト指向プログラム言語、例えば、ニューヨーク、アーモンクのIBM社から入手可能なJCOPスマートカード・オペレーティングシステム上で走るJAVA(登録商標)アプレット等で書かれたアプリケーションプログラムとして実現できる。
【0035】
上記のように、本発明の一実施形態に従って、追加の個人情報は、メモリ34、60又は90に記憶することができる。そのような追加の情報については、スマートカードを所持している人物が認証に成功した場合に、該情報を読み込んで送信することができる。例えば、プロセッサユニット32、認証CPU56、又はデュアルモードCPU80は、読み出し回路をさらに含んでもよく、該回路は、検出された生体情報が、記憶された生体情報に一致すると判明した場合に、記憶済の追加の個人情報をメモリから取り出すように構成される。この場合に、プロセッサユニット32、認証CPU56、又はデュアルモードCPU80はさらに、特定個人の個人情報を示す個人情報信号を生成する。この個人情報信号は暗号化されて、上記の認証信号と同様に信号アンテナを経由して送信される。
【0036】
図10は本発明の一実施形態に従ったスマートカード100を示している。図10に示すように、スマートカード100は、基板102、電力アンテナ104及び信号アンテナ106を有する無線通信モジュール、電力回路108、クロック回路110、そしてセンサモジュール112を含んでいる。センサモジュール112は、上記した他の実施形態と同様に、プロセッサユニット114、生体計測センサ116、メモリ118、インジケータ120、そしてコントロール回路122を含んでいる。これらの構成要素は、前述した実施形態において対応する要素の1つであってもよく、いくつかの要素は上記のように任意選択で設けることができる。本実施形態において、センサモジュール112は、スマートカードを所持する人物が生きていることを検出するように構成された生体センサ(biosensor)124をさらに含んでいる。例えば、生体計測センサ116が指紋センサである場合に、権限のない人物が人の指(又は人体から切り取られた人体の一部)の複製を使用して、スマートカードを動作させ、あるいはその中に記憶されている情報を利用する可能性がある。それゆえ、追加のセキュリティとして、生体情報の検出対象とされる身体部が生きた人物の部分であることの確認が重要である。
【0037】
本発明の一実施形態に従って、生体センサ124は、酸素検出器、二酸化炭素検出器、温度計、湿度センサ、赤外線センサ、音声センサ、脳波センサ、心電図センサ、電磁場センサ、カイ(Chi)センサ等のうちの1つ、あるいは、それらの任意の組み合わせであってもよい。また、生体センサ124は、それに接触した体の一部の弾性を検出するように構成された弾性センサ、又はそれに接触した体の部分の血流を検出するように構成された血流センサであってもよい。これらの生体センサはまた、単独で又は上記生体センサの1つ以上と組み合わせて使用してもよい。さらには、生体センサ124が、与えられた刺激に対する人物の反射応答を捉えるように構成された生体応答検出器を含んでいてもよい。例えば、その上を照明した光強度に応答する虹彩の開口変化のような反射応答を用いることができ、生体センサ124は、虹彩の像を捉えるように構成されたイメージセンサ及び人物の目を照らすように構成された発光体を含むことができる。また、生体計測センサ116が生体認証のために人物の像を捉えるイメージセンサを含む場合において、生体計測センサ116及び生体センサ124を、1つのイメージセンサに統合することができる。例えば、静的な像がパターンマッチングのために処理され、刺激に応じた動き(反応)の像が「生存」テストのために処理されるようにしてもよい。
【0038】
プロセッサユニット114は、人物の認証が成功し、そして生きていることが判明した場合に、肯定的な認証を生成する。その認証結果及び生存テストの結果は、上記と同様にインジケータ120を用いて表示することができる。
【0039】
本発明の一実施形態に従って、スマートカード100はさらに、図10に示すように表示器126を含むことができる。この表示器126はプロセッサユニット114に結合され、人物が認証された場合に特定個人の顔を含む画像を表示するように構成される。例えば、スマートカードのある適用では、スマートカードの所持者の画像を有することが望ましく、そのような画像はスマートカードの所持者が認証に成功した場合にのみ利用可能となる。この特徴によってスマートカードの偽造がより困難となる。また、正規の所持者の署名を画像と併せて表示してもよい。表示される画像及び任意選択で表示される署名については、メモリ118に記憶することができる。
【0040】
本発明の一実施形態に従って、生体計測センサ116及び表示器126は、1つの要素に統合することができる。例えば、生体計測センサ116は実質的に透明であって、表示器112の上に配置されてもよい。また、表示器126は、スマートカードの所持者の認証が成功したときだけ(生存テストにパスすることを含む)作動して像を表示するので、表示器112がインジケータとしても機能する。
【0041】
本発明の一実施形態に従って、上記実施形態で説明したスマートカードは、パスポート内に組み込まれるように構成される。図11は、本発明の一実施形態によるスマートカードを含む電子パスポート130を示している。例えば、図11に示すように、スマートカードがパスポート130の表又は裏のカバー131に組み込まれてもよく、その際、生体計測センサ132は、表又は裏のカバー131の内側134において目視可能に配置され、該カバーには通常、パスポート所持者の個人識別情報及び関連データが位置される。また、図11に示すように、特に上記のようなインジケータ136が認証結果を目視できるように表示する場合に、該インジケータ136をパスポート130の内側134において目視可能に配置することができる。好ましくは、生体計測センサ132が、パスポート130の内側134の縁寄りに配置される。また好ましくは、生体計測センサ132及び任意選択で設けられるインジケータ136が、内側134に配置され、これにより、生体計測センサ132及び任意選択で設けられるインジケータ136が内側134のパスポート所持者の写真138及び他の個人データ140と干渉することはない。
【0042】
図12は、図11に示したパスポート130に組み込まれたスマートカード150の一例を示している。通常、スマートカード150のサイズはパスポート130のサイズに比してやや小さい。上記の実施形態と同様に、スマートカード150は、電力アンテナ152及び信号アンテナ154を含む無線トランシーバモジュール、電力回路156、生体計測センサを含むセンサモジュール、任意選択でのインジケータ136、認証CPU158及びデュアルモードインターフェース回路160を含むプロセッサユニット、そしてコントロールインターフェース162を含んでいる。認証CPU158は、上記のように、生体情報テンプレート及び他の個人データを記憶するメモリ(図示せず)を含む。プロセッサユニットは、上記のように、1つの構成要素に統合することができ、また認証処理プロセスはデュアルモードCPUによって実行してもよい。本例では、電力アンテナ152が、同様の長さをもって、スマートカード150の基板164の縁部に沿って配置された3つの独立したアンテナを含んでいる。
【0043】
好ましくは、信号アンテナ154が実質的に電力アンテナ152よりも小さくされる。例えば、信号アンテナ154(及び上記実施形態における信号アンテナ24及び64)は十分小さく作られることで、信号アンテナ154から送信される無線信号を受信する端末モジュールアンテナ194又は199(図17及び18参照)のループ及び/又は配線の真上か、あるいはこれに対して非常に接近して配置される。即ち、スマートカード(又は電子パスポート)が端末モジュール190の上に置かれた場合に、信号アンテナ154は端末モジュールアンテナ194又は199の非常に近くか、又は好ましくはその真上とされるが、これは、信号アンテナ154における小さな負荷変動が端末モジュールアンテナによって検出できるようにするためである。また、負荷変動は十分に小さくされて、非常に接近したアンテナ又は任意の受信モジュールだけがその変化を検出できるが、如何なる第三者も盗聴の目的で負荷変動を検出することはできない。例えば、送信された信号は信号アンテナの位置から最大10mmの距離において検出できる。つまり、同じパスポート表面積又は端末モジュール表面積であっても送信された信号を常に検出できるとは限らない。
【0044】
コントロールインターフェース162は、外部接続(リードバス)166が尚も使用可能であるかのように描かれている。これは、電子パスポート130が特定個人に対して最初に発行されて、その中に組み込まれたスマートカード150が初期設定される場合であり、その際、必要なデータ及び/又は所望のデータ、情報、及び/又はソフトウェア(認証プログラム、暗号化プログラム等)が、コントロールインターフェース166を通してアップロードされて、メモリに記憶される。そのような設定及びアップロードの後で、外部接続166を遮断してコントロールインターフェース162へのアクセスを不能にすることができる。
【0045】
本発明の一実施形態に従って、スマートカード150は、従来の紙によるパスポート中に組み込まれることなく、カードタイプの電子パスポートとして使用することができる。パスポート所持者及びパスポートの使用に関連する情報は全て、従来のパスポートにおいて通常印刷されるか、又は押印されるが、このような全情報をスマートカード上に設けられたメモリに電子的に又はデジタル処理で記憶させることができるので、スマートカード自体を電子パスポートとして実現することが可能となる。この場合、追加の表層が基板164の上に設けられるが、これは、アンテナ及び他の電子回路を保護するとともに、スマートカードの表面に目視可能な情報を配置するスペースを提供するためである。また、パスポート130と同様に、生体計測センサ及び任意選択で設けられるインジケータを、表層において目視可能に配置してもよい。このカードタイプの電子パスポートはまた、以下の実施形態にも適用可能である。つまり、実施形態で記載したパスポート又は電子パスポートは、スマートカードが組み込まれた紙のパスポート又はスマートカードとして実現されるペーパレス(紙を使わない)電子パスポートの何れであってもよい。
【0046】
図13は、本発明の一実施形態による電子パスポート170を示しており、これには生体計測センサ172が設けられ、また従来あったパスポート所持者の顔写真が表示器174で置き換えられている。例えば、上記したスマートカード100(図10)又は同様のスマートカードを、パスポート170に組み込むことができる。尚、注意すべきは、表示器の位置がスマートカード100中で再配置されており、表示器126が適切な位置又は所望の位置、例えば、パスポート170の表又は裏のカバーにおける内側のページに置かれていることである。これに代わって、パスポート170が、上記したように、紙のページをもたないカードタイプの電子パスポートであってもよい。
【0047】
図14は、電子パスポート170の一例を示しており、該電子パスポートにおいて生体計測センサ172が指紋センサである。図14に示すように、パスポート所持者が、その指を指紋センサ172の上に置いた場合に、該パスポート所持者が首尾よく認証されると、表示器174は、パスポート所持者の画像及び任意選択による署名をその上に表示する。そのような像及び任意選択での署名については、認証成功の後で予め決められた時間に亘って表示させるか、あるいは、指が指紋センサ172に接触している間、表示させることができる。
【0048】
図15は、本発明の一実施形態による電子パスポート180の一例を示しており、該電子パスポートにおいて指紋センサ及び表示器はセンサ/表示器182に統合されている。パスポート180の所持者がセンサ/表示器182に触れると、図16に示すように、検出された指紋パターンが、上記のように認証プロセスのために使用され、そして、人物が認証されると、センサ/表示器は、パスポート所持者の顔画像及び任意選択での署名をその上に表示する。センサ/表示器182は、認証成功の後で、予め決められた時間に亘って像及び任意選択での署名を表示することができる。
【0049】
図17は、本発明の一実施形態による、スマートカード、あるいはスマートカードを含む電子パスポートを所持する人物について認証するための端末モジュール190を示している。スマートカード又は電子パスポートは、上記した何れのスマートカード又は電子パスポートであってもよい。端末モジュールは、支持板192及びその上に設けられたアンテナ(端末モジュールアンテナ)194を含んでいる。この支持板192は、スマートカード又は電子パスポートを支えるように構成され、スマートカード又はパスポートを支えるのに好適なサイズを有する。アンテナ194は、電力をスマートカード又は電子パスポートに送信するように構成される。無線送信される電力は、例えば、端末モジュール190上に置かれたスマートカード10(図1)の無線トランシーバモジュール18によって受信される。また、アンテナ194はスマートカードの無線トランシーバモジュールから送信される信号を受信する構成となっている。
【0050】
本発明の一実施形態に従って、端末モジュール190は、上記スマートカード150が組み込まれた電子パスポート130のような、電子パスポートとともに使用されるように設計される。電子パスポート130が電力アンテナ152及び信号アンテナ154を含む場合に、例えば、アンテナ194は、電力アンテナ152によって受信される電力信号を無線送信するとともに、信号アンテナ154から送信される無線信号を受信するように構成される。好ましくは、端末モジュールアンテナ194が支持板192の上に設けられており、電子パスポート(又はスマートカード)が支持板192の上に置かれる際に、信号送信アンテナ154が実質的に端末モジュールアンテナ194に位置合わせされる。通常、端末モジュールアンテナ194は、実質的に電子パスポートの信号アンテナ154よりも大きく、信号アンテナ154は、図17に示すように、アンテナ194の一部196の上に置かれる。信号アンテナ154は、アンテナ194の一部196の真上か又はその非常に接近したところに位置させることができる。これに代わって、図18に示すように、端末モジュール190は、電力送信アンテナ198及び該電力送信アンテナ198とは別の信号受信アンテナ199を含むことができる。この場合、信号受信アンテナ199は、電子パスポート130が端末モジュール190の上に置かれる際に、その位置が信号アンテナ154の位置と合致するように配置されている。
【0051】
上記のように、本発明の実施形態に従って、生体情報検出及び生体情報を使用した認証プロセスは、スマートカード又は電子パスポートによってボード上(カード上)で実行される。即ち、カード所持者やパスポート所持者の認証は、指紋パターン及び個人情報のような機密情報を外部に通信することなく実行され、そして、そのような機密情報はスマートカード又は電子パスポート内に封じ込められる。認証結果及び関連する個人情報が無線送信される場合に、送信信号は非常に短い範囲(通常はミリメートル程度)をもち、よってスマートカード又は電子パスポートが適切に置かれた端末モジュールだけで受信される。従って、認証プロセス及び個人情報の読み出しについては局所的に実行することができ、機密情報が空中を伝わり又はインターネットのようなネットワークシステムを通じて伝搬することはない。また、完全な認証を局所的に(ボード上で)実行できるので、如何なる事故又は外部ネットワークシステム若しくは中央データベースへのアクセス不能によって影響されることはない。
【0052】
しかしながら、ある状況下では、端末モジュールを越えて外部システムで、個人の生体情報及び/又は個人情報を通信することが好ましい。例えば、空港内において、認証結果は空港の警備要員によって監視され、そして認証結果及び必要な個人情報がローカルコンピュータネットワーク内の監視デバイスや端末へと送信されるようにしてもよい。また、疑わしい場合には、指紋のような生体情報が、犯罪記録、テロリスト一覧表のデータベース、移民記録等の、通常は政府の中央データベースに保有されている情報に対して選別されることが必要となる。例えば、スマートカード又は電子パスポートが偽造された可能性がある場合に、疑わしいスマートカード又はパスポートの中に記憶された全ての情報が調べられて、該情報が、正当であると主張する個人についての対応する情報と比較されることを要する場合がある。それゆえ、本発明の一実施形態に従って、端末モジュールはまた、外部のコンピュータシステムと通信する能力を持つことができる。
【0053】
図19は、本発明の一実施形態に従って、スマートカード又は電子パスポートを所持する人物の認証を行うためのシステム300を示している。図19に示すように、このシステム300は、スマートカード/電子パスポート302と端末モジュール304を含んでいる。スマートカード/電子パスポートは、上記した実施形態の何れか1つのスマートカード又は電子パスポートであってよい。端末モジュール304は、端末モジュールアンテナ306、復号化回路308、暗号化回路310、そしてインターフェース312を含んでいる。復号化回路308は、受信した信号が暗号化されている場合に、スマートカード/電子パスポート302から受信した信号を復号化するように構成される。暗号化回路310は端末モジュール304から送信される信号を暗号化する。インターフェース312は、端末モジュール304を、通常ローカルコンピュータネットワークとされるコンピュータシステム314に結合する。また、インターフェース312は、端末モジュールを、中央データベース318を持つサーバ316と繋ぐことができる。そのようなサーバ316への接続には、仮想回路、専用回路等を介して、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)を使用することができる。従って、インターフェース312は、ユニバーサルシリアルバス(USB)規格や、勧告基準232C(RS−232C)、勧告基準433(RS−433)、伝送制御ロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)等の1つと互換性をもつ。コンピュータシステム314又はサーバ316は、端末モジュール304から送信された認証信号及び他の個人情報を受け取り、必要なデータ処理や選別、中央データベースとの比較等を実行する。また、認証結果及び/又は個人情報を、権限のある人に対して表示してもよい。
【0054】
電子パスポート(つまり、その内部のスマートカード)は、端末モジュールから無線送信される電力によって電源供給を受けるので、電子パスポートが端末モジュールの電力範囲から離れるにつれて電源電圧が減少し、最終的には遮断されて電子パスポートのセンサモジュールが止まる。それゆえ、本発明の一実施形態に従って、電子パスポート(スマートカード)のセンサモジュールは、電源電圧が遮断された後において、増加する電源電圧についての、予め決められたレベルに対応して自動的に初期化される。この初期化は通常、スマートカードのプロセッサユニットを初期化することで行われる。プロセッサユニットが、認証CPU及びデュアルモードインターフェース回路を含む場合において、例えば、認証CPUは、増加する電源電圧についての閾値電圧を用いて初期化されるようにしてもよく、その後に、デュアルモードインターフェース回路が、認証CPUから供給されるリセット信号を用いて初期化されるようにしてもよい。
【0055】
図20は、本発明の一実施形態による、スマートカード又は、スマートカードが組み込まれた電子パスポートを所持する人物の認証を行うための方法を示している。スマートカードは、スマートカードの基板上に設けられたセンサモジュールを含んでおり、該センサモジュールは、生体計測センサ、プロセッサユニット、及びメモリを含む。スマートカード又は電子パスポートは、上記した何れか1つのスマートカード又は電子パスポートであってもよい。先ず、電力信号は、基板上に設けられた無線トランシーバモジュールを経由して受信される(210)。これは、スマートカード又はパスポートが、電力信号を供給する端末モジュール上に置かれている状況であればよい。少なくとも1つの電源電圧が電力信号から生成され、そして該電源電圧は、センサモジュールに電源を投入して、センサモジュールを動作可能とするために、センサモジュールに供給される(212)。任意選択により、センサモジュールの初期化が電源投入期間中に行われるようにしてもよい(214)。そして、上記のように、指紋センサ、イメージセンサ等の生体計測センサを使用して、生体(計測)情報が人物の体から検出される(216)。検出された生体情報はメモリに記憶された生体情報と比較され(218)、そして、その比較結果を示す認証信号が生成される(220)。認証又は比較の結果は任意選択により、スマートカード上に設けられたインジケータを用いて表示される(222)。それから、認証信号は任意選択でもって暗号化され(224)、無線トランシーバモジュールを経由して送信される(226)。
【0056】
本発明の実施形態及び適用を示すとともにそれらについて記載してきたが、本開示の利益を受ける当業者にとっては、この発明の概念から外れることなく、上記した以上のさらに多くの修正が可能であることは明らかである。本発明はそれゆえ、添付の請求項の精神以外には限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施形態によるスマートカードを所持する人物を認証するための、スマートカードを模式的に示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態によるスマートカードの一例を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態によるスマートカードにおける電力回路を示す電気的なブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態によるスマートカードにおける電力回路の一例を示す電気的なブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態によるスマートカードにおける電力部について、実施の一例を示す回路図である。
【図6】指紋センサ付のプロセッサユニットで実行される認証プロセスの一例を示すプロセスフロー図である。
【図7】本発明の一実施形態に従って、スマートカードのセンサ/プロセッサ部の一例を示す電気的なブロック図である。
【図8】暗号化/復号化の仕組みをもったスマートカードのプロセッサユニットの実装について、他の例を示すブロック図である。
【図9A】本発明の一実施形態によるスマートカードのプロセッサユニットの実装について別例を示すブロック図である。
【図9B】本発明の一実施形態によるスマートカードのプロセッサユニットの実装についてさらに別例を示すブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態によるスマートカードを示すブロック図である。
【図11】本発明の一実施形態によるスマートカードを含む電子パスポートを示す図である。
【図12】図11に示すパスポートに組み込まれたスマートカードの一例を示すブロック図である。
【図13】本発明の一実施形態による電子パスポートであって、生体計測センサ及び表示器を含む電子パスポートを示す図である。
【図14】指紋センサ及び表示器を含み、人物を認証する電子パスポートの一例を示す図である。
【図15】本発明の一実施形態による電子パスポートであって、集積化されたセンサ及び表示器を含む電子パスポートの一例を示す図である。
【図16】本発明の一実施形態による電子パスポートであって、集積化されたセンサ及び表示器を含む電子パスポートの一例を示す図である。
【図17】本発明の一実施形態による、スマートカード、又はスマートカードを含む電子パスポートの所持者を認証するための端末モジュールを示す図である。
【図18】本発明の一実施形態による端末モジュールの一例を示す図である。
【図19】本発明の一実施形態に従って、スマートカード又は電子パスポートを所持する人物を認証するためのシステムを示す機能ブロック図である。
【図20】本発明の一実施形態に従って、スマートカード、又はスマートカードが組み込まれた電子パスポートの所持者を認証するための方法を示すプロセスフロー図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スマートカードを所持する人物を認証するための該スマートカードにおいて、
基板と、
前記基板上に設けられたセンサモジュールであって、
人体から生体情報を検出するように構成された生体計測センサと、
前記生体計測センサに結合されたプロセッサユニットであって、検出された生体情報に応答して人物を認証し、かつ認証結果を示す認証信号を生成するように構成されたプロセッサユニットと、
前記プロセッサユニットに結合されたメモリであって、スマートカードに関連する特定個人の生体情報を記憶するように構成されたメモリと、を含むセンサモジュールと、
前記プロセッサユニットに結合された無線トランシーバモジュールであって、前記プロセッサユニットから受けた信号を送信し、かつ無線送信された電力信号を受信するように構成された無線トランシーバモジュールと、
前記基板上に設けられた電力回路であって、受信した電力信号から1つ以上の電源電圧を生成して、該電源電圧を前記センサモジュールに供給するように構成された電力回路と、
を備えたスマートカード。
【請求項2】
前記メモリが、
ランダムアクセスメモリ(RAM)と、
1回だけプログラム可能な読み出し専用メモリ(PROM)と、
を含む、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項3】
前記の1回だけプログラム可能な読み出し専用メモリ(PROM)には、
消去可能かつプログラム可能な読み出し専用メモリ(EPROM)と、
電気的に消去可能とされ、かつプログラム可能な読み出し専用メモリ(EEPROM)と、
フラッシュメモリと、が含まれ、前記PROMの再書き込み可能機能が無効化される、請求項2に記載のスマートカード。
【請求項4】
前記無線トランシーバモジュールが、
前記電力回路に結合された電力アンテナであって、前記電力信号を受信するように構成された電力アンテナと、
前記プロセッサユニットに結合される信号アンテナであって、前記プロセッサユニットから受けた信号を送信するように構成された信号アンテナと、
を含む請求項1に記載のスマートカード。
【請求項5】
前記信号アンテナが前記電力アンテナよりも実質的に小さくされた、請求項4に記載のスマートカード。
【請求項6】
前記スマートカードは、前記信号アンテナからの信号を受信するように構成されたモジュールアンテナを含む端末モジュールとともに使用され、前記信号アンテナが該モジュールアンテナのループ又は配線に近接した位置に置かれる、請求項4に記載のスマートカード。
【請求項7】
前記電力回路が、
前記電力アンテナに結合される整流器と、
前記整流器に結合されるレギュレータと、
を含む、請求項4に記載のスマートカード。
【請求項8】
前記整流器が倍電圧整流器を含む、請求項7に記載のスマートカード。
【請求項9】
前記レギュレータが、
降圧レギュレータと、
スイッチング・レギュレータと、
フライバック・レギュレータと、
のうちの1つを含む、請求項7に記載のスマートカード。
【請求項10】
前記整流器が、ショットキーダイオードを含む、請求項7に記載のスマートカード。
【請求項11】
前記無線トランシーバモジュールが複数の電力アンテナを含み、
前記電力回路が複数のレギュレータ回路を含むとともに、該レギュレータ回路の各々が複数の電力アンテナのうちの対応する1つに結合されている、請求項4に記載のスマートカード。
【請求項12】
前記複数の電力アンテナの各々が5未満の巻数を有する、請求項11に記載のスマートカード。
【請求項13】
前記複数の電力アンテナの各々がほぼ同じ長さを有する、請求項11に記載のスマートカード。
【請求項14】
前記複数の電力アンテナが、プラスチック材料又は紙材料の上でエッチングされるか又は印刷されたパターンとして形成された、請求項11に記載のスマートカード。
【請求項15】
前記無線トランシーバモジュールは、電磁波を送信するとともに受信することが可能である、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項16】
前記無線トランシーバモジュールは、超音波を送信するとともに受信することが可能である、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項17】
前記無線トランシーバモジュールは、光波を送信するとともに受信することが可能である、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項18】
前記無線トランシーバモジュールは、赤外線波を送信するとともに受信することが可能である、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項19】
前記生体計測センサが、指紋パターンを検出するように構成された指紋センサを含む、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項20】
前記指紋センサが、指の表面形状を読み取るように構成された、請求項19に記載のスマートカード。
【請求項21】
前記指紋センサが、指の表面形状を機械的に測定するように構成され、前記指紋センサが、
圧力検知セルアレイ又はスキャナと、
マイクロエレクトロメカニカル(MEM)アレイ又はスキャナと、
機械的応力アレイ又はスキャナと、
距離測定セルアレイ又はスキャナと、
弾性測定アレイ又はスキャナと、
マイクロスイッチアレイ又はスキャナと
のうち、いずれか1つを含む、請求項20に記載のスマートカード。
【請求項22】
前記指紋センサが指の皮膚の温度分布を測定するように構成された、請求項20に記載のスマートカード。
【請求項23】
前期指紋センサが赤外線検出アレイ又はスキャナを含む、請求項22に記載のスマートカード。
【請求項24】
前記指紋センサが、指紋パターンを検出してデジタル化するように構成される、薄くされたシリコン基板を含む、請求項20に記載のスマートカード。
【請求項25】
前記薄くされたシリコン基板が約200マイクロメートル未満の厚さを有する、請求項24に記載のスマートカード。
【請求項26】
前記薄くされたシリコン基板が機械的補強材で強化されている、請求項25に記載のスマートカード。
【請求項27】
前記機械的補強材がハードポリマーを含む、請求項26に記載のスマートカード。
【請求項28】
前記メモリに記憶される前記生体情報が、特定個人の指紋テンプレートを含む、請求項19に記載のスマートカード。
【請求項29】
前記スマートカードが可撓性を有する、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項30】
前記生体計測センサが、絶縁体、基板、又は絶縁体及び基板としてのポリマー材料を備える、請求項29に記載のスマートカード。
【請求項31】
前記ポリマー材料が、
ポリイミドと、
ポリエチレンテレフタレート(PET)と、
ポリプロピレン(PPT)と、
ポリカーボネートと、
ブタジエンと、
エポキシと、
ナイロンと、
テトラフルオロエチレンのポリマー(PTFE)と、
フッ化エチレンプロピレンのポリマー(FEP)と、
のうち、少なくとも1つを含む、請求項30に記載のスマートカード。
【請求項32】
前記生体計測センサが、人物の遺伝情報を検出するように構成された遺伝情報検出器を含む、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項33】
前記生体計測センサが、人物の像を捉えるように構成された電荷結合デバイス(CCD)又は金属酸化物半導体(MOS)を含む、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項34】
前記人物の像には、
人物の顔と、
人物の耳と、
人物の虹彩と、
人物の網膜と、
のうち、少なくとも1つが含まれる、請求項33に記載のスマートカード。
【請求項35】
前記センサモジュールはスマートカードを所持する人物が生きていることを検出するように構成された生体センサをさらに含む、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項36】
前記生体センサが、
酸素検出器と、
二酸化炭素検出器と、
温度計と、
湿度センサと、
赤外線センサと、
音声センサと、
脳波サンサと、
心電図センサと、
電磁場センサと、
酵素センサと、
カイ(Chi)センサと、
のうち、少なくとも1つを含む、請求項35に記載のスマートカード。
【請求項37】
前記生体センサが、
それに接触した体の一部の弾性を検出するように構成された弾性センサと、
それに接触した体の部分の血流を検出するように構成された血流センサと、
のうち、少なくとも1つを含む、請求項35に記載のスマートカード。
【請求項38】
前記生体センサが、与えられた刺激に対する人物の反射応答を捉えるように構成された生体応答検出器を含む、請求項35に記載のスマートカード。
【請求項39】
前記反射応答が、その上を照明する光強度に応答する虹彩の開口変化を含む、請求項38に記載のスマートカード。
【請求項40】
前記生体センサが、
虹彩の像を捉えるように構成されたイメージセンサと、
人物の目を照らすように構成された発光体と、
を含む、請求項39に記載のスマートカード。
【請求項41】
前記センサモジュールがさらに、前記プロセッサユニットに結合されたインジケータを含み、該インジケータが認証結果を示すように構成された、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項42】
前記インジケータが、1つ以上の発光ダイオード(LED)を含む、請求項41に記載のスマートカード。
【請求項43】
前記インジケータが、認証結果を表示するように構成された液晶表示器(LCD)を含む、請求項41に記載のスマートカード。
【請求項44】
前記インジケータが、認証結果に対応する音声信号を再生するように構成された音響再生装置を含む、請求項41に記載のスマートカード。
【請求項45】
前記音声信号が、認証結果に応じた異なる周波数を有する、請求項44に記載のスマートカード。
【請求項46】
前記音声信号が、認証結果に応じた異なる音声メッセージを有する、請求項44に記載のスマートカード。
【請求項47】
前記音声信号が、認証結果に応じた異なるメロディを有する、請求項44に記載のスマートカード。
【請求項48】
前記センサモジュールがさらに、前記プロセッサユニットに結合されたコントロールインターフェースを含み、該コントロールインターフェースが、外部コントロール信号を受けて前記プロセッサユニットを設定するように構成された、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項49】
前記コントロールインターフェースの、外部コントロール信号との接続が、前記プロセッサユニットの初期設定後に無効化される、請求項48に記載のスマートカード。
【請求項50】
前記コントロールインターフェースの、外部コントロール信号との接続が、初期設定後の物理的な切断によって、恒久的に無効化される、請求項49に記載のスマートカード。
【請求項51】
前記初期設定には、特定個人の生体情報を前記メモリに書き込むことが含まれる、請求項49に記載のスマートカード。
【請求項52】
前記プロセッサユニットが、前記プロセッサユニットによって生成された信号を、暗号化するように構成された暗号化回路を含む、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項53】
前記プロセッサユニットは、検出された生体情報を前記メモリ中に記憶された生体情報と比較し、認証信号を生成するように構成された認証回路を含む、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項54】
前記認証回路が、前記メモリ内の1回だけプログラム可能な読み出し専用メモリ(PROM)に記憶された認証プログラムを含む、請求項53に記載のスマートカード。
【請求項55】
前記した1回だけプログラム可能な読み出し専用メモリ(PROM)が、
電気的に消去可能かつプログラム可能な読み出し専用メモリ(EEPROM)と、フラッシュメモリのうちの1つを含み、
前記PROMの再書き込み可能機能が無効化される、請求項54に記載のスマートカード。
【請求項56】
前記認証回路が、前記認証信号を暗号化するように構成された暗号化回路を含む、請求項53に記載のスマートカード。
【請求項57】
前記認証回路が、
ハードウェアと、
ソフトウェアと、
ファームウェアと、
ハードウェア、ソフトウェア及びファームウェアの2つ以上の組合せと、
のうちの1つを用いて実現される、請求項53に記載のスマートカード。
【請求項58】
前記メモリがさらに、特定個人の個人情報を記憶するように構成された、請求項53に記載のスマートカード。
【請求項59】
前記個人情報には、
個人識別情報と、
スマートカードの目的又は用法に関連する個人情報と、
のうち、1つ以上が含まれる、請求項58に記載のスマートカード。
【請求項60】
前記プロセッサユニットはさらに、検出された生体情報が記憶された生体情報と一致することが判明した場合に、前記メモリから記憶済の個人情報を読み出すように構成された読み出し回路を含む、請求項58に記載のスマートカード。
【請求項61】
前記プロセッサユニットがさらに、特定個人の個人情報を示す個人情報信号を生成するとともに、該個人情報信号が無線トランシーバモジュールを介して送信される、請求項60に記載のスマートカード。
【請求項62】
前記プロセッサユニットがさらに、前記認証回路に結合されたインターフェース回路を含み、該インターフェース回路が認証ユニットから受け取った信号を、無線送信に適した信号に変換するように構成された、請求項53に記載のスマートカード。
【請求項63】
前記インターフェース回路は、
前記認証回路から受け取った暗号化された信号を復号化するように構成された復号化回路と、
無線送信される信号を暗号化するように構成された暗号化回路と、
を含む、請求項62に記載のスマートカード。
【請求項64】
前記センサモジュールのためのクロック信号を生成するように構成された発振回路をさらに備えた、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項65】
電力信号を受け取るように構成されたクロックアンテナと、
前記クロックアンテナに結合されるクロック回路と、を備え、該クロック回路は、受信した電力信号からクロック信号を生成するように構成された、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項66】
前記生体計測センサが前記スマートカードの縁部の近傍に配置されている、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項67】
前記スマートカードがパスポートに組み込まれるように構成された、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項68】
前記スマートカードがカードタイプの電子パスポートである、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項69】
前記基板上に設けられたカード表層をさらに備え、前記生体計測センサが該カード表層上で目視可能に配置され、該カード表層にはパスポートに関連する所望の情報が含まれている、請求項68に記載のスマートカード。
【請求項70】
前記基板上に設けられた表示器をさらに備え、該表示器が前記プロセッサユニットに結合されるとともに、該表示器は、人物が認証された場合に、特定個人の顔を含む画像を表示するように構成された、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項71】
前記表示器は、人物が認証された場合に、特定個人の署名を表示するようにさらに構成された、請求項70に記載のスマートカード。
【請求項72】
前記表示器は肯定的な結果を示す認証信号によって作動する、請求項70に記載のスマートカード。
【請求項73】
前記生体計測センサ及び前記表示器が一体化されている、請求項70に記載のスマートカード。
【請求項74】
前記生体計測センサが実質的に透明であって、前記表示器の上に置かれている、請求項73に記載のスマートカード。
【請求項75】
内部にスマートカードを備えたパスポートにおいて、該スマートカードは、
基板と、
前記基板上に設けられたセンサモジュールであって、
人体から生体情報を検出するように構成された生体計測センサと、
前記生体計測センサに結合されたプロセッサユニットであって、検出された生体情報に応答して人物を認証し、かつ認証結果を示す認証信号を生成するように構成されたプロセッサユニットと、
前記プロセッサユニットに結合されたメモリであって、スマートカードに関連する特定個人の生体情報を記憶するように構成されたメモリと、を含むセンサモジュールと、
前記プロセッサユニットに結合された無線トランシーバモジュールであって、前記プロセッサユニットから受けた信号を送信し、かつ無線送信された電力信号を受信するように構成された無線トランシーバモジュールと、
前記基板上に設けられた電力回路であって、受信した電力信号から1つ以上の電源電圧を生成して、該電源電圧を前記センサモジュールに供給するように構成された電力回路と、
を含む、パスポート。
【請求項76】
前記無線トランシーバモジュールが、
前記電力回路に結合された電力アンテナであって、電力信号を受信するように構成された電力アンテナと、
前記プロセッサユニットに結合された信号アンテナであって、前記プロセッサユニットから受けた信号を送信するように構成された信号アンテナと、
を含む、請求項75に記載のパスポート。
【請求項77】
前記電力回路が、前記電力アンテナに結合された電力回路を含み、該電力回路が1つ以上の電源電圧を生成するように構成された、請求項76記載のパスポート。
【請求項78】
前記信号アンテナが前記電力アンテナよりも実質的に小さくされた、請求項76に記載のパスポート。
【請求項79】
前記無線トランシーバモジュールが、複数の電力アンテナを含み、
前記電力回路が複数のレギュレータ回路を含むとともに、該レギュレータ回路の各々が複数のアンテナのうちの対応する1つに結合される、請求項76に記載のパスポート。
【請求項80】
前記複数の電力アンテナの各々が5未満の巻数を有する、請求項79に記載のパスポート。
【請求項81】
前記複数の電力アンテナの各々がほぼ同じ長さを有する、請求項79に記載のパスポート。
【請求項82】
前記複数の電力アンテナが、プラスチック材料又は紙材料の上でエッチングされるか又は印刷されたパターンとして形成された、請求項79に記載のパスポート。
【請求項83】
前記無線トランシーバモジュールは、電磁波を送信するとともに受信することが可能である、請求項75に記載のパスポート。
【請求項84】
前記無線トランシーバモジュールは、超音波を送信するとともに受信することが可能である、請求項75に記載のパスポート。
【請求項85】
前記無線トランシーバモジュールは、光波を送信するとともに受信することが可能である、請求項75に記載のパスポート。
【請求項86】
前記無線トランシーバモジュールは、赤外線波を送信するとともに受信することが可能である、請求項75に記載のパスポート。
【請求項87】
前記生体計測センサが、指紋パターンを検出するための指紋センサを含む、請求項75に記載のパスポート。
【請求項88】
前記メモリに記憶される前記生体情報が、特定個人の指紋テンプレートを含む、請求項87に記載のパスポート。
【請求項89】
前記生体計測センサが、人物の遺伝情報を検出するように構成された遺伝情報検出器を含む、請求項75に記載のパスポート。
【請求項90】
前記生体計測センサが、人物の像を捉えるように構成された電荷結合デバイス(CCD)又は金属酸化物半導体(MOS)を含む、請求項75に記載のパスポート。
【請求項91】
前記人物の像には、
人物の顔と、
人物の耳と、
人物の虹彩と、
人物の網膜と、
のうち、少なくとも1つが含まれる、請求項90に記載のパスポート。
【請求項92】
前記センサモジュールは、スマートカードを所持する人物が生きていることを検出するように構成された生体センサをさらに含む、請求項75に記載のパスポート。
【請求項93】
前記生体センサが、
酸素検出器と、
二酸化炭素検出器と、
温度計と、
湿度計と、
赤外線センサと、
のうち、少なくとも1つを含む、請求項92に記載のパスポート。
【請求項94】
前記生体センサが、
それに接触した体の一部の弾性を検出するように構成された弾性センサと、
それに接触した体の部分の血流を検出するように構成された血流センサと、
のうち、少なくとも1つを含む、請求項92に記載のパスポート。
【請求項95】
前記生体センサが、与えられた刺激に対する人物の反射応答を捉えるように構成された生体応答検出器を含む、請求項92に記載のパスポート。
【請求項96】
前記反射応答が、その上を照明する光強度に応答する虹彩の開口変化を含む、請求項95に記載のパスポート。
【請求項97】
前記生体センサが、
虹彩の像を捉えるように構成されたイメージセンサと、
人物の目を照らすように構成された発光体と、
を含む、請求項96に記載のパスポート。
【請求項98】
前記センサモジュールがさらに、前記プロセッサユニットに結合されたインジケータを含み、該インジケータが認証結果を示すように構成された、請求項75に記載のパスポート。
【請求項99】
前記インジケータが、1つ以上の発光ダイオード(LED)を含む、請求項98に記載のパスポート。
【請求項100】
前記インジケータが、認証結果を表示するように構成された液晶表示器(LCD)を含む、請求項98に記載のパスポート。
【請求項101】
前記インジケータが、認証結果に対応する音声信号を再生するように構成された音響再生装置を含む、請求項98に記載のパスポート。
【請求項102】
前記音声信号が、認証結果に応じた異なる周波数を有する、請求項101に記載のパスポート。
【請求項103】
前記音声信号が、認証結果に応じた異なる音声メッセージを有する、請求項101に記載のパスポート。
【請求項104】
前記音声信号が、認証結果に応じた異なるメロディを有する、請求項101に記載のパスポート。
【請求項105】
前記センサモジュールがさらに、前記プロセッサユニットに結合されたコントロールインターフェースを含み、該コントロールインターフェースが、外部コントロール信号を受けて前記プロセッサユニットを設定するように構成された、請求項75に記載のパスポート。
【請求項106】
前記コントロールインターフェースの、外部コントロール信号との接続が、前記プロセッサユニットの初期設定後に無効化される、請求項105に記載のパスポート。
【請求項107】
前記コントロールインターフェースの、外部コントロール信号との接続が、初期設定後の物理的な切断によって、恒久的に無効化される、請求項106に記載のパスポート。
【請求項108】
前記初期設定には、特定個人の生体情報を前記メモリに書き込むことが含まれる、請求項106に記載のパスポート。
【請求項109】
前記プロセッサユニットが、前記プロセッサユニットによって生成された信号を、暗号化するように構成された暗号化回路を含む、請求項75に記載のパスポート。
【請求項110】
前記プロセッサユニットは、検出された生体情報を前記メモリ中に記憶された生体情報と比較し、認証信号を生成するように構成された識別回路を含む、請求項75に記載のパスポート。
【請求項111】
前記認証回路が、前記認証信号を暗号化するように構成された暗号化回路を含む、請求項110に記載のパスポート。
【請求項112】
前記認証回路が、
ハードウェアと、
ソフトウェアと、
ハードウェアとソフトウェアとの組合せと、
のうちの1つを用いて実現される、請求項110に記載のパスポート。
【請求項113】
前記メモリがさらに、特定個人の個人情報を記憶するように構成された、請求項110に記載のパスポート。
【請求項114】
個人情報には、
個人識別情報と、
スマートカードの目的又は用法に関連する個人情報と、
のうち、1つ以上が含まれる、請求項113に記載のパスポート。
【請求項115】
前記プロセッサユニットはさらに、検出された生体情報が記憶された生体情報と一致することが判明した場合に、前記メモリから記憶済の個人情報を読み出すように構成された読み出し回路を含む、請求項113に記載のパスポート。
【請求項116】
前記プロセッサユニットはさらに、特定個人の個人情報を示す個人情報信号を生成するとともに、該個人情報信号が信号アンテナを介して送信される、請求項115に記載のパスポート。
【請求項117】
前記プロセッサユニットがさらに、前記認証回路に結合されたインターフェース回路を含み、該インターフェース回路は、認証ユニットから受け取った信号を、無線送信に適した信号に変換するように構成された、請求項110に記載のパスポート。
【請求項118】
前記インターフェース回路は、
前記認証回路から受け取った暗号化された信号を復号化するように構成された復号化回路と、
無線送信される信号を暗号化するように構成された暗号化回路と、
を含む、請求項117に記載のパスポート。
【請求項119】
前記センサモジュールのためのクロック信号を生成するように構成された発振回路をさらに備えた、請求項75に記載のパスポート。
【請求項120】
電力信号を受け取るように構成されたクロックアンテナと、
前記クロックアンテナに結合されたクロック回路と、を備え、該クロック回路は、受信した電力信号からクロック信号を生成するように構成された、請求項75に記載のパスポート。
【請求項121】
前記生体計測センサが前記スマートカードの縁部の近傍に配置されている、請求項75に記載のパスポート。
【請求項122】
前記生体計測センサがパスポートの表又は裏のカバーの内側において目視可能に配置されるように、前記スマートカードがパスポートの表又は裏のカバーに組み込まれている、請求項75に記載のパスポート。
【請求項123】
前記生体計測センサが前記内側において特定個人の写真及び個人データと干渉しないように、前記生体計測センサが前記内側に配置されている、請求項122に記載のパスポート。
【請求項124】
前記インジケータもまた表又は裏のカバーの前記内側において目視可能に配置されている、請求項122に記載のパスポート。
【請求項125】
前記生体計測センサ及びインジケータが、前記内側において特定個人の写真及び個人データと干渉しないように、前記生体計測センサ及びインジケータが前記内側に配置されている、請求項124に記載のパスポート。
【請求項126】
前記スマートカードがさらに、前記プロセッサユニットと結合された表示器を含み、該表示器は、人物が認証された場合に、特定個人の顔を含む写真画像を表示するように構成され、該表示器が前記パスポートの表又は裏のカバーの内側において目視可能に配置されている、請求項122に記載のパスポート。
【請求項127】
前記表示器は、人物が認証された場合に、特定個人の署名を表示するようにさらに構成された、請求項126に記載のパスポート。
【請求項128】
前記表示器は、肯定的な結果を示す認証信号によって作動する、請求項126に記載のパスポート。
【請求項129】
前記生体計測センサ及び前記表示器が一体化されている、請求項126に記載のパスポート。
【請求項130】
前記生体計測センサが実質的に透明であって、前記表示器の上に置かれている、請求項129に記載のパスポート。
【請求項131】
スマートカードを所持する人物を認証するための方法であって、該スマートカードがその基板上に設けられたセンサモジュールを含み、該センサモジュールが生体計測センサ、プロセッサユニット及びメモリを含んでおり、
前記方法は、
前記基板上に設けられた無線トランシーバモジュールを介して電力信号を受信し、
前記電力信号から1つ以上の電源電圧を生成して該電源電圧を前記センサモジュールに供給し、
前記生体計測センサによって人体から生体情報を検出し、
検出された前記生体情報と、メモリに記憶された生体情報とを比較し、
前記比較の結果を示す認証信号を生成して、
前記認証信号を、無線トランシーバモジュールを介して送信すること、を含む方法。
【請求項132】
前記センサモジュールがさらにインジケータを含んでおり、前記方法がさらに、
前記インジケータによって前記比較の結果を示すことを含む、請求項131に記載の方法。
【請求項133】
1つ以上の発光ダイオード(LED)を使用して前記結果を示すことを含む、請求項132に記載の方法。
【請求項134】
液晶表示器(LCD)を使用して前記結果を表示することを含む、請求項132に記載の方法。
【請求項135】
前記結果を示す音声信号を再生することを含む、請求項132に記載の方法。
【請求項136】
前記音声信号が、前記結果に応じて異なる周波数を有する、請求項135に記載の方法。
【請求項137】
前記音声信号が、前記結果に応じて異なる音声メッセージを有する、請求項135に記載の方法。
【請求項138】
前記音声信号が、前記結果に応じて異なるメロディを有する、請求項135に記載の方法。
【請求項139】
前記検出において、人物の指紋パターンを検出することを含む、請求項131に記載の方法。
【請求項140】
前記比較において、指紋パターンと、メモリに記憶された指紋テンプレートとを比較することを含む、請求項139に記載の方法。
【請求項141】
前記検出において、人物の像を捉えることを含み、
その像には、
人物の顔と、
人物の耳と、
人物の虹彩と、
人物の網膜と、
のうち、少なくとも1つが含まれる、請求項131に記載の方法。
【請求項142】
前記スマートカードの所持者が生きていることを、生体センサによって検出することをさらに含む、請求項131に記載の方法。
【請求項143】
前記検出において、
酸素検出と、
二酸化炭素検出と、
温度検出と、
湿度検出と、
赤外線検出と、
のうち、少なくとも1つを含む、請求項142に記載の方法。
【請求項144】
前記検出において、
生体センサと接触する人体の一部の弾性を検出すること、
生体センサと接触する人体の部分の血流を検出すること、
のうち、少なくとも1つを含む、請求項142に記載の方法。
【請求項145】
前記検出において、与えられた刺激に対する反射応答を捉えることを含む、請求項142に記載の方法。
【請求項146】
前記反射応答が、その上を照明する光の強度に応答する虹彩の開口変化を含む、請求項145に記載の方法。
【請求項147】
人物の目を照らすことをさらに含む、請求項146に記載の方法。
【請求項148】
前記センサモジュールを設定するために、コントロールインターフェースを介して外部コントロール信号を供給し、
前記コントロールインターフェースを介して前記スマートカードに関連する特定個人の生体情報を供給して、該生体情報をメモリに記憶させ、
前記外部コントロール信号を供給するとともに前記メモリに生体情報を記憶させた後で、前記コントロールインターフェースへの接続を無効化することをさらに含む、請求項131に記載の方法。
【請求項149】
前記無効化において、前記コントロールインターフェースへの外部アクセスを物理的に切断することを含む、請求項148に記載の方法。
【請求項150】
特定個人の個人情報をメモリに記憶させることをさらに含む、請求項148に記載の方法。
【請求項151】
前記個人情報には、
個人識別情報と、
前記スマートカードの目的又は用法に関連する個人情報と、
のうち、少なくとも1つが含まれる、請求項150に記載の方法。
【請求項152】
検出された生体情報が生体情報テンプレートと一致することが判明した場合に、前記メモリから、記憶されている個人情報を読み出し、
読み出された個人情報を示す個人情報信号を生成して、
前記無線トランシーバモジュールを介して前記個人情報信号を送信することをさらに含む、請求項150に記載の方法。
【請求項153】
前記スマートカードに設けられた発振回路を用いて、前記センサモジュールのためのクロック信号を生成することをさらに含む、請求項131に記載の方法。
【請求項154】
電力信号を使用してセンサモジュールのためのクロック信号を生成することをさらに含む、請求項131に記載の方法。
【請求項155】
前記スマートカードがパスポートに組み込まれるとともに、該スマートカードに関連する特定個人は、該パスポートが発行された人物である、請求項131に記載の方法。
【請求項156】
供給電圧が遮断された後で、増加する供給電圧についての予め決められたレベルに応じてセンサモジュールを初期化することをさらに含む、請求項131に記載の方法。
【請求項157】
前記認証信号を暗号化することをさらに含む、請求項131に記載の方法。
【請求項158】
暗号化された前記認証信号を復号化し、
復号化された前記認証信号を、無線送信のための送信信号に変換して、
前記送信信号を暗号化することをさらに含む、請求項157に記載の方法。
【請求項159】
パスポートを所持する人物を認証するための装置において、
その上に他の手段を支持するための手段であって、パスポートに組み込まれるように構成された手段と、
前記パスポートに関連する特定個人の生体情報を記憶するための記憶手段と、
人体から生体情報を検出するための検出手段と、
検出された生体情報に応えて人物を認証し、かつ認証結果を示す認証信号を生成するための認証手段と、
前記認証手段から受け取った信号を、無線で送信するための無線送信手段と、
無線送信された電力信号を受信するための手段と、
受信した前記電力信号から、他の手段のための供給電圧を生成する手段と、
を備えた、装置。
【請求項160】
前記認証手段が、検出された生体情報と、記憶されている生体情報とを比較する手段を含む、請求項159に記載の装置。
【請求項161】
センサモジュールがさらに、前記認証結果を示すための手段を含む、請求項159に記載の装置。
【請求項162】
前記認証結果を示すための手段が、1つ以上の発光ダイオード(LED)を含む、請求項161に記載の装置。
【請求項163】
前記認証結果を示すための手段が、液晶表示器(LCD)を使用して結果を表示するための手段を含む、請求項161に記載の装置。
【請求項164】
前記認証結果を示すための手段が、結果を示す音声信号の再生手段を含む、請求項161に記載の装置。
【請求項165】
前記音声信号が、結果に応じて異なる周波数を有する、請求項164に記載の装置。
【請求項166】
前記音声信号が、結果に応じて異なる音声メッセージを有する、請求項164に記載の装置。
【請求項167】
前記音声信号が、結果に応じて異なるメロディを有する、請求項164に記載の装置。
【請求項168】
前記検出手段が、人物の指紋パターンを検出する手段を含む、請求項159に記載の装置。
【請求項169】
前記認証手段が、指紋パターンを前記記憶手段に記憶されている指紋テンプレートと比較する手段を含む、請求項168に記載の装置。
【請求項170】
前記検出手段が、人物の像の捉えるための手段を含み、
その像には、
人物の顔と、
人物の耳と、
人物の虹彩と、
人物の網膜と、
のうち、少なくとも1つが含まれる、請求項159に記載の装置。
【請求項171】
前記スマートカードを所持している人物の生存の有無を検出するための手段をさらに備える、請求項159に記載の装置。
【請求項172】
人物の生存の有無を検出するための前記手段が、
酸素検出手段と、
二酸化炭素検出手段と、
温度検出手段と、
湿度検出手段と、
赤外線検出手段と、
のうち、少なくとも1つを含む、請求項171に記載の装置。
【請求項173】
人物の生存の有無を検出するための前記手段が、
生体センサと接触する人体の一部の弾性を検出するための手段と、
生体センサと接触する人体の部分の血流を検出するための手段と、
のうち、少なくとも1つを含む、請求項171に記載の装置。
【請求項174】
人物の生存の有無を検出するための前記手段が、与えられた刺激に対する人物の反射応答を捉えるための手段の少なくとも1つを含む、請求項171に記載の装置。
【請求項175】
前記反射応答が、その上を照明した光の強度に応答する虹彩の開口変化を含む、請求項174に記載の装置。
【請求項176】
人物の目を照らす手段をさらに備える、請求項175に記載の装置。
【請求項177】
センサモジュールを設定するために、コントロールインターフェースを介して外部コントロール信号を供給する手段と、
前記コントロールインターフェースを介して、前記スマートカードに関連する特定個人の生体情報を供給し、該生体情報を前記記憶手段に書き込むための手段と、
前記外部コントロール信号を供給して前記生体情報を書き込んだ後で、前記コントロールインターフェースへの接続を無効化する手段と、をさらに備える、請求項159に記載の装置。
【請求項178】
特定個人の個人情報を記憶する手段をさらに備える、請求項159に記載の装置。
【請求項179】
前記個人情報には、
個人識別情報と、
スマートカードの目的又は用法に関連する個人情報と、
のうち、少なくとも1つが含まれる、請求項178に記載の装置。
【請求項180】
検出された生体情報が生体情報テンプレートと一致することが判明した場合に、記憶されている個人情報を読み取る手段と、
読み取った個人情報を示す個人情報信号を生成する手段と、を含み、当該個人情報信号が前記無線送信手段を介して送信される、請求項178に記載の装置。
【請求項181】
発振回路を使用してクロック信号を生成する手段をさらに備える、請求項159に記載の装置。
【請求項182】
受信した電力信号を使用してクロック信号を生成する手段をさらに備える、請求項159に記載の装置。
【請求項183】
供給電圧が遮断された後で、増加する供給電圧についての予め決められたレベルに応じて前記認証手段を初期化する手段をさらに備える、請求項159に記載の装置。
【請求項184】
認証信号を暗号化する手段をさらに備える、請求項159に記載の装置。
【請求項185】
暗号化された認証信号を復号化する手段と、
復号化された認証信号を、無線送信のための送信信号に変換する手段と、
前記送信信号を暗号化する手段と、
をさらに備える、請求項159に記載の装置。
【請求項186】
スマートカードを所持する人物を認証する端末モジュールであって、該スマートカードは、その基板上に設けられたセンサモジュールと、電力回路と、無線トランシーバモジュールと、を含み、該センサモジュールが、生体計測センサと、プロセッサユニットと、メモリと、を含んでおり、
前記端末モジュールが、
その上にスマートカードを支持するように構成された支持板と、
前記支持板上に設けられたアンテナと、を備え、該アンテナが前記スマートカードに電力を送信するように構成され、該電力が前記スマートカードの無線トランシーバモジュールによって受信され、前記スマートカードの無線トランシーバモジュールから送信された信号を受信するように構成された、端末モジュール。
【請求項187】
前記スマートカードの無線トランシーバモジュールが、電力受信アンテナと、信号送信アンテナと、を含み、
前記スマートカードが前記支持板上に置かれた場合に、前記信号送信アンテナが実質的に前記アンテナと位置合わせされるように当該アンテナが前記支持板上に設けられた、請求項186に記載の端末モジュール。
【請求項188】
前記スマートカードから受け取った信号を復号化するように構成された復号化回路をさらに備えた、請求項186に記載の端末モジュール。
【請求項189】
コンピュータシステムに対するインターフェースをさらに備えた、請求項186に記載の端末モジュール。
【請求項190】
前記インターフェースが、
ユニバーサルシリアルバス(USB)規格と、
勧告基準232C(RS−232C)と、
勧告基準433(RS−433)と、
伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)と、
のうち、少なくとも1つと互換性がある、請求項186に記載の端末モジュール。
【請求項191】
前記アンテナが、
電力送信アンテナと、
信号受信アンテナと、
を含む、請求項186に記載の端末モジュール。
【請求項192】
前記スマートカードがパスポートに組み込まれるとともに、前記支持板が該パスポートを支持するのに適したサイズを有する、請求項186に記載の端末モジュール。
【請求項193】
パスポートを所持する人物を認証するシステムであって、パスポートに組み込まれたスマートカードを備え、該スマートカードが、
基板と、
前記基板上に設けられたセンサモジュールであって、
人体から生体情報を検出するように構成された生体計測センサと、
前記生体計測センサに結合されたプロセッサユニットであって、検出された生体情報に応答して人物を認証し、かつ認証結果を示す認証信号を生成するように構成されたプロセッサユニットと、
前記プロセッサユニットに結合されたメモリであって、前記スマートカードに関連する特定個人の生体情報を記憶するように構成されたメモリと、を含むセンサモジュールと、
前記プロセッサユニットに結合された無線トランシーバモジュールであって、前記プロセッサユニットから受けた信号を送信し、かつ無線送信された電力信号を受信するように構成された無線トランシーバモジュールと、
前記基板上に設けられた電力回路であって、受信した電力信号から電源電圧を生成して、該電源電圧を前記センサモジュールに供給するように構成された電力回路と、
を備えており、
さらに、
前記スマートカードをその上に支持するように構成された支持板と、
前記支持板上に設けられたアンテナであって、電力信号を前記スマートカードに送信し、該スマートカードの無線トランシーバモジュールから送信された信号を受信するように構成されたアンテナと、を含む端末モジュールを備えたシステム。
【請求項194】
無線トランシーバが、
前記電力回路に結合された電力アンテナと、
前記プロセッサユニットに結合された信号アンテナと、
を含む、請求項193に記載のシステム。
【請求項195】
前記スマートカードが前記端末モジュール上に置かれる場合に、前記信号アンテナが、前記端末モジュールの前記アンテナのループ又は配線に近接した位置に置かれる、請求項194に記載のシステム。
【請求項1】
スマートカードを所持する人物を認証するための該スマートカードにおいて、
基板と、
前記基板上に設けられたセンサモジュールであって、
人体から生体情報を検出するように構成された生体計測センサと、
前記生体計測センサに結合されたプロセッサユニットであって、検出された生体情報に応答して人物を認証し、かつ認証結果を示す認証信号を生成するように構成されたプロセッサユニットと、
前記プロセッサユニットに結合されたメモリであって、スマートカードに関連する特定個人の生体情報を記憶するように構成されたメモリと、を含むセンサモジュールと、
前記プロセッサユニットに結合された無線トランシーバモジュールであって、前記プロセッサユニットから受けた信号を送信し、かつ無線送信された電力信号を受信するように構成された無線トランシーバモジュールと、
前記基板上に設けられた電力回路であって、受信した電力信号から1つ以上の電源電圧を生成して、該電源電圧を前記センサモジュールに供給するように構成された電力回路と、
を備えたスマートカード。
【請求項2】
前記メモリが、
ランダムアクセスメモリ(RAM)と、
1回だけプログラム可能な読み出し専用メモリ(PROM)と、
を含む、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項3】
前記の1回だけプログラム可能な読み出し専用メモリ(PROM)には、
消去可能かつプログラム可能な読み出し専用メモリ(EPROM)と、
電気的に消去可能とされ、かつプログラム可能な読み出し専用メモリ(EEPROM)と、
フラッシュメモリと、が含まれ、前記PROMの再書き込み可能機能が無効化される、請求項2に記載のスマートカード。
【請求項4】
前記無線トランシーバモジュールが、
前記電力回路に結合された電力アンテナであって、前記電力信号を受信するように構成された電力アンテナと、
前記プロセッサユニットに結合される信号アンテナであって、前記プロセッサユニットから受けた信号を送信するように構成された信号アンテナと、
を含む請求項1に記載のスマートカード。
【請求項5】
前記信号アンテナが前記電力アンテナよりも実質的に小さくされた、請求項4に記載のスマートカード。
【請求項6】
前記スマートカードは、前記信号アンテナからの信号を受信するように構成されたモジュールアンテナを含む端末モジュールとともに使用され、前記信号アンテナが該モジュールアンテナのループ又は配線に近接した位置に置かれる、請求項4に記載のスマートカード。
【請求項7】
前記電力回路が、
前記電力アンテナに結合される整流器と、
前記整流器に結合されるレギュレータと、
を含む、請求項4に記載のスマートカード。
【請求項8】
前記整流器が倍電圧整流器を含む、請求項7に記載のスマートカード。
【請求項9】
前記レギュレータが、
降圧レギュレータと、
スイッチング・レギュレータと、
フライバック・レギュレータと、
のうちの1つを含む、請求項7に記載のスマートカード。
【請求項10】
前記整流器が、ショットキーダイオードを含む、請求項7に記載のスマートカード。
【請求項11】
前記無線トランシーバモジュールが複数の電力アンテナを含み、
前記電力回路が複数のレギュレータ回路を含むとともに、該レギュレータ回路の各々が複数の電力アンテナのうちの対応する1つに結合されている、請求項4に記載のスマートカード。
【請求項12】
前記複数の電力アンテナの各々が5未満の巻数を有する、請求項11に記載のスマートカード。
【請求項13】
前記複数の電力アンテナの各々がほぼ同じ長さを有する、請求項11に記載のスマートカード。
【請求項14】
前記複数の電力アンテナが、プラスチック材料又は紙材料の上でエッチングされるか又は印刷されたパターンとして形成された、請求項11に記載のスマートカード。
【請求項15】
前記無線トランシーバモジュールは、電磁波を送信するとともに受信することが可能である、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項16】
前記無線トランシーバモジュールは、超音波を送信するとともに受信することが可能である、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項17】
前記無線トランシーバモジュールは、光波を送信するとともに受信することが可能である、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項18】
前記無線トランシーバモジュールは、赤外線波を送信するとともに受信することが可能である、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項19】
前記生体計測センサが、指紋パターンを検出するように構成された指紋センサを含む、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項20】
前記指紋センサが、指の表面形状を読み取るように構成された、請求項19に記載のスマートカード。
【請求項21】
前記指紋センサが、指の表面形状を機械的に測定するように構成され、前記指紋センサが、
圧力検知セルアレイ又はスキャナと、
マイクロエレクトロメカニカル(MEM)アレイ又はスキャナと、
機械的応力アレイ又はスキャナと、
距離測定セルアレイ又はスキャナと、
弾性測定アレイ又はスキャナと、
マイクロスイッチアレイ又はスキャナと
のうち、いずれか1つを含む、請求項20に記載のスマートカード。
【請求項22】
前記指紋センサが指の皮膚の温度分布を測定するように構成された、請求項20に記載のスマートカード。
【請求項23】
前期指紋センサが赤外線検出アレイ又はスキャナを含む、請求項22に記載のスマートカード。
【請求項24】
前記指紋センサが、指紋パターンを検出してデジタル化するように構成される、薄くされたシリコン基板を含む、請求項20に記載のスマートカード。
【請求項25】
前記薄くされたシリコン基板が約200マイクロメートル未満の厚さを有する、請求項24に記載のスマートカード。
【請求項26】
前記薄くされたシリコン基板が機械的補強材で強化されている、請求項25に記載のスマートカード。
【請求項27】
前記機械的補強材がハードポリマーを含む、請求項26に記載のスマートカード。
【請求項28】
前記メモリに記憶される前記生体情報が、特定個人の指紋テンプレートを含む、請求項19に記載のスマートカード。
【請求項29】
前記スマートカードが可撓性を有する、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項30】
前記生体計測センサが、絶縁体、基板、又は絶縁体及び基板としてのポリマー材料を備える、請求項29に記載のスマートカード。
【請求項31】
前記ポリマー材料が、
ポリイミドと、
ポリエチレンテレフタレート(PET)と、
ポリプロピレン(PPT)と、
ポリカーボネートと、
ブタジエンと、
エポキシと、
ナイロンと、
テトラフルオロエチレンのポリマー(PTFE)と、
フッ化エチレンプロピレンのポリマー(FEP)と、
のうち、少なくとも1つを含む、請求項30に記載のスマートカード。
【請求項32】
前記生体計測センサが、人物の遺伝情報を検出するように構成された遺伝情報検出器を含む、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項33】
前記生体計測センサが、人物の像を捉えるように構成された電荷結合デバイス(CCD)又は金属酸化物半導体(MOS)を含む、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項34】
前記人物の像には、
人物の顔と、
人物の耳と、
人物の虹彩と、
人物の網膜と、
のうち、少なくとも1つが含まれる、請求項33に記載のスマートカード。
【請求項35】
前記センサモジュールはスマートカードを所持する人物が生きていることを検出するように構成された生体センサをさらに含む、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項36】
前記生体センサが、
酸素検出器と、
二酸化炭素検出器と、
温度計と、
湿度センサと、
赤外線センサと、
音声センサと、
脳波サンサと、
心電図センサと、
電磁場センサと、
酵素センサと、
カイ(Chi)センサと、
のうち、少なくとも1つを含む、請求項35に記載のスマートカード。
【請求項37】
前記生体センサが、
それに接触した体の一部の弾性を検出するように構成された弾性センサと、
それに接触した体の部分の血流を検出するように構成された血流センサと、
のうち、少なくとも1つを含む、請求項35に記載のスマートカード。
【請求項38】
前記生体センサが、与えられた刺激に対する人物の反射応答を捉えるように構成された生体応答検出器を含む、請求項35に記載のスマートカード。
【請求項39】
前記反射応答が、その上を照明する光強度に応答する虹彩の開口変化を含む、請求項38に記載のスマートカード。
【請求項40】
前記生体センサが、
虹彩の像を捉えるように構成されたイメージセンサと、
人物の目を照らすように構成された発光体と、
を含む、請求項39に記載のスマートカード。
【請求項41】
前記センサモジュールがさらに、前記プロセッサユニットに結合されたインジケータを含み、該インジケータが認証結果を示すように構成された、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項42】
前記インジケータが、1つ以上の発光ダイオード(LED)を含む、請求項41に記載のスマートカード。
【請求項43】
前記インジケータが、認証結果を表示するように構成された液晶表示器(LCD)を含む、請求項41に記載のスマートカード。
【請求項44】
前記インジケータが、認証結果に対応する音声信号を再生するように構成された音響再生装置を含む、請求項41に記載のスマートカード。
【請求項45】
前記音声信号が、認証結果に応じた異なる周波数を有する、請求項44に記載のスマートカード。
【請求項46】
前記音声信号が、認証結果に応じた異なる音声メッセージを有する、請求項44に記載のスマートカード。
【請求項47】
前記音声信号が、認証結果に応じた異なるメロディを有する、請求項44に記載のスマートカード。
【請求項48】
前記センサモジュールがさらに、前記プロセッサユニットに結合されたコントロールインターフェースを含み、該コントロールインターフェースが、外部コントロール信号を受けて前記プロセッサユニットを設定するように構成された、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項49】
前記コントロールインターフェースの、外部コントロール信号との接続が、前記プロセッサユニットの初期設定後に無効化される、請求項48に記載のスマートカード。
【請求項50】
前記コントロールインターフェースの、外部コントロール信号との接続が、初期設定後の物理的な切断によって、恒久的に無効化される、請求項49に記載のスマートカード。
【請求項51】
前記初期設定には、特定個人の生体情報を前記メモリに書き込むことが含まれる、請求項49に記載のスマートカード。
【請求項52】
前記プロセッサユニットが、前記プロセッサユニットによって生成された信号を、暗号化するように構成された暗号化回路を含む、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項53】
前記プロセッサユニットは、検出された生体情報を前記メモリ中に記憶された生体情報と比較し、認証信号を生成するように構成された認証回路を含む、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項54】
前記認証回路が、前記メモリ内の1回だけプログラム可能な読み出し専用メモリ(PROM)に記憶された認証プログラムを含む、請求項53に記載のスマートカード。
【請求項55】
前記した1回だけプログラム可能な読み出し専用メモリ(PROM)が、
電気的に消去可能かつプログラム可能な読み出し専用メモリ(EEPROM)と、フラッシュメモリのうちの1つを含み、
前記PROMの再書き込み可能機能が無効化される、請求項54に記載のスマートカード。
【請求項56】
前記認証回路が、前記認証信号を暗号化するように構成された暗号化回路を含む、請求項53に記載のスマートカード。
【請求項57】
前記認証回路が、
ハードウェアと、
ソフトウェアと、
ファームウェアと、
ハードウェア、ソフトウェア及びファームウェアの2つ以上の組合せと、
のうちの1つを用いて実現される、請求項53に記載のスマートカード。
【請求項58】
前記メモリがさらに、特定個人の個人情報を記憶するように構成された、請求項53に記載のスマートカード。
【請求項59】
前記個人情報には、
個人識別情報と、
スマートカードの目的又は用法に関連する個人情報と、
のうち、1つ以上が含まれる、請求項58に記載のスマートカード。
【請求項60】
前記プロセッサユニットはさらに、検出された生体情報が記憶された生体情報と一致することが判明した場合に、前記メモリから記憶済の個人情報を読み出すように構成された読み出し回路を含む、請求項58に記載のスマートカード。
【請求項61】
前記プロセッサユニットがさらに、特定個人の個人情報を示す個人情報信号を生成するとともに、該個人情報信号が無線トランシーバモジュールを介して送信される、請求項60に記載のスマートカード。
【請求項62】
前記プロセッサユニットがさらに、前記認証回路に結合されたインターフェース回路を含み、該インターフェース回路が認証ユニットから受け取った信号を、無線送信に適した信号に変換するように構成された、請求項53に記載のスマートカード。
【請求項63】
前記インターフェース回路は、
前記認証回路から受け取った暗号化された信号を復号化するように構成された復号化回路と、
無線送信される信号を暗号化するように構成された暗号化回路と、
を含む、請求項62に記載のスマートカード。
【請求項64】
前記センサモジュールのためのクロック信号を生成するように構成された発振回路をさらに備えた、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項65】
電力信号を受け取るように構成されたクロックアンテナと、
前記クロックアンテナに結合されるクロック回路と、を備え、該クロック回路は、受信した電力信号からクロック信号を生成するように構成された、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項66】
前記生体計測センサが前記スマートカードの縁部の近傍に配置されている、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項67】
前記スマートカードがパスポートに組み込まれるように構成された、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項68】
前記スマートカードがカードタイプの電子パスポートである、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項69】
前記基板上に設けられたカード表層をさらに備え、前記生体計測センサが該カード表層上で目視可能に配置され、該カード表層にはパスポートに関連する所望の情報が含まれている、請求項68に記載のスマートカード。
【請求項70】
前記基板上に設けられた表示器をさらに備え、該表示器が前記プロセッサユニットに結合されるとともに、該表示器は、人物が認証された場合に、特定個人の顔を含む画像を表示するように構成された、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項71】
前記表示器は、人物が認証された場合に、特定個人の署名を表示するようにさらに構成された、請求項70に記載のスマートカード。
【請求項72】
前記表示器は肯定的な結果を示す認証信号によって作動する、請求項70に記載のスマートカード。
【請求項73】
前記生体計測センサ及び前記表示器が一体化されている、請求項70に記載のスマートカード。
【請求項74】
前記生体計測センサが実質的に透明であって、前記表示器の上に置かれている、請求項73に記載のスマートカード。
【請求項75】
内部にスマートカードを備えたパスポートにおいて、該スマートカードは、
基板と、
前記基板上に設けられたセンサモジュールであって、
人体から生体情報を検出するように構成された生体計測センサと、
前記生体計測センサに結合されたプロセッサユニットであって、検出された生体情報に応答して人物を認証し、かつ認証結果を示す認証信号を生成するように構成されたプロセッサユニットと、
前記プロセッサユニットに結合されたメモリであって、スマートカードに関連する特定個人の生体情報を記憶するように構成されたメモリと、を含むセンサモジュールと、
前記プロセッサユニットに結合された無線トランシーバモジュールであって、前記プロセッサユニットから受けた信号を送信し、かつ無線送信された電力信号を受信するように構成された無線トランシーバモジュールと、
前記基板上に設けられた電力回路であって、受信した電力信号から1つ以上の電源電圧を生成して、該電源電圧を前記センサモジュールに供給するように構成された電力回路と、
を含む、パスポート。
【請求項76】
前記無線トランシーバモジュールが、
前記電力回路に結合された電力アンテナであって、電力信号を受信するように構成された電力アンテナと、
前記プロセッサユニットに結合された信号アンテナであって、前記プロセッサユニットから受けた信号を送信するように構成された信号アンテナと、
を含む、請求項75に記載のパスポート。
【請求項77】
前記電力回路が、前記電力アンテナに結合された電力回路を含み、該電力回路が1つ以上の電源電圧を生成するように構成された、請求項76記載のパスポート。
【請求項78】
前記信号アンテナが前記電力アンテナよりも実質的に小さくされた、請求項76に記載のパスポート。
【請求項79】
前記無線トランシーバモジュールが、複数の電力アンテナを含み、
前記電力回路が複数のレギュレータ回路を含むとともに、該レギュレータ回路の各々が複数のアンテナのうちの対応する1つに結合される、請求項76に記載のパスポート。
【請求項80】
前記複数の電力アンテナの各々が5未満の巻数を有する、請求項79に記載のパスポート。
【請求項81】
前記複数の電力アンテナの各々がほぼ同じ長さを有する、請求項79に記載のパスポート。
【請求項82】
前記複数の電力アンテナが、プラスチック材料又は紙材料の上でエッチングされるか又は印刷されたパターンとして形成された、請求項79に記載のパスポート。
【請求項83】
前記無線トランシーバモジュールは、電磁波を送信するとともに受信することが可能である、請求項75に記載のパスポート。
【請求項84】
前記無線トランシーバモジュールは、超音波を送信するとともに受信することが可能である、請求項75に記載のパスポート。
【請求項85】
前記無線トランシーバモジュールは、光波を送信するとともに受信することが可能である、請求項75に記載のパスポート。
【請求項86】
前記無線トランシーバモジュールは、赤外線波を送信するとともに受信することが可能である、請求項75に記載のパスポート。
【請求項87】
前記生体計測センサが、指紋パターンを検出するための指紋センサを含む、請求項75に記載のパスポート。
【請求項88】
前記メモリに記憶される前記生体情報が、特定個人の指紋テンプレートを含む、請求項87に記載のパスポート。
【請求項89】
前記生体計測センサが、人物の遺伝情報を検出するように構成された遺伝情報検出器を含む、請求項75に記載のパスポート。
【請求項90】
前記生体計測センサが、人物の像を捉えるように構成された電荷結合デバイス(CCD)又は金属酸化物半導体(MOS)を含む、請求項75に記載のパスポート。
【請求項91】
前記人物の像には、
人物の顔と、
人物の耳と、
人物の虹彩と、
人物の網膜と、
のうち、少なくとも1つが含まれる、請求項90に記載のパスポート。
【請求項92】
前記センサモジュールは、スマートカードを所持する人物が生きていることを検出するように構成された生体センサをさらに含む、請求項75に記載のパスポート。
【請求項93】
前記生体センサが、
酸素検出器と、
二酸化炭素検出器と、
温度計と、
湿度計と、
赤外線センサと、
のうち、少なくとも1つを含む、請求項92に記載のパスポート。
【請求項94】
前記生体センサが、
それに接触した体の一部の弾性を検出するように構成された弾性センサと、
それに接触した体の部分の血流を検出するように構成された血流センサと、
のうち、少なくとも1つを含む、請求項92に記載のパスポート。
【請求項95】
前記生体センサが、与えられた刺激に対する人物の反射応答を捉えるように構成された生体応答検出器を含む、請求項92に記載のパスポート。
【請求項96】
前記反射応答が、その上を照明する光強度に応答する虹彩の開口変化を含む、請求項95に記載のパスポート。
【請求項97】
前記生体センサが、
虹彩の像を捉えるように構成されたイメージセンサと、
人物の目を照らすように構成された発光体と、
を含む、請求項96に記載のパスポート。
【請求項98】
前記センサモジュールがさらに、前記プロセッサユニットに結合されたインジケータを含み、該インジケータが認証結果を示すように構成された、請求項75に記載のパスポート。
【請求項99】
前記インジケータが、1つ以上の発光ダイオード(LED)を含む、請求項98に記載のパスポート。
【請求項100】
前記インジケータが、認証結果を表示するように構成された液晶表示器(LCD)を含む、請求項98に記載のパスポート。
【請求項101】
前記インジケータが、認証結果に対応する音声信号を再生するように構成された音響再生装置を含む、請求項98に記載のパスポート。
【請求項102】
前記音声信号が、認証結果に応じた異なる周波数を有する、請求項101に記載のパスポート。
【請求項103】
前記音声信号が、認証結果に応じた異なる音声メッセージを有する、請求項101に記載のパスポート。
【請求項104】
前記音声信号が、認証結果に応じた異なるメロディを有する、請求項101に記載のパスポート。
【請求項105】
前記センサモジュールがさらに、前記プロセッサユニットに結合されたコントロールインターフェースを含み、該コントロールインターフェースが、外部コントロール信号を受けて前記プロセッサユニットを設定するように構成された、請求項75に記載のパスポート。
【請求項106】
前記コントロールインターフェースの、外部コントロール信号との接続が、前記プロセッサユニットの初期設定後に無効化される、請求項105に記載のパスポート。
【請求項107】
前記コントロールインターフェースの、外部コントロール信号との接続が、初期設定後の物理的な切断によって、恒久的に無効化される、請求項106に記載のパスポート。
【請求項108】
前記初期設定には、特定個人の生体情報を前記メモリに書き込むことが含まれる、請求項106に記載のパスポート。
【請求項109】
前記プロセッサユニットが、前記プロセッサユニットによって生成された信号を、暗号化するように構成された暗号化回路を含む、請求項75に記載のパスポート。
【請求項110】
前記プロセッサユニットは、検出された生体情報を前記メモリ中に記憶された生体情報と比較し、認証信号を生成するように構成された識別回路を含む、請求項75に記載のパスポート。
【請求項111】
前記認証回路が、前記認証信号を暗号化するように構成された暗号化回路を含む、請求項110に記載のパスポート。
【請求項112】
前記認証回路が、
ハードウェアと、
ソフトウェアと、
ハードウェアとソフトウェアとの組合せと、
のうちの1つを用いて実現される、請求項110に記載のパスポート。
【請求項113】
前記メモリがさらに、特定個人の個人情報を記憶するように構成された、請求項110に記載のパスポート。
【請求項114】
個人情報には、
個人識別情報と、
スマートカードの目的又は用法に関連する個人情報と、
のうち、1つ以上が含まれる、請求項113に記載のパスポート。
【請求項115】
前記プロセッサユニットはさらに、検出された生体情報が記憶された生体情報と一致することが判明した場合に、前記メモリから記憶済の個人情報を読み出すように構成された読み出し回路を含む、請求項113に記載のパスポート。
【請求項116】
前記プロセッサユニットはさらに、特定個人の個人情報を示す個人情報信号を生成するとともに、該個人情報信号が信号アンテナを介して送信される、請求項115に記載のパスポート。
【請求項117】
前記プロセッサユニットがさらに、前記認証回路に結合されたインターフェース回路を含み、該インターフェース回路は、認証ユニットから受け取った信号を、無線送信に適した信号に変換するように構成された、請求項110に記載のパスポート。
【請求項118】
前記インターフェース回路は、
前記認証回路から受け取った暗号化された信号を復号化するように構成された復号化回路と、
無線送信される信号を暗号化するように構成された暗号化回路と、
を含む、請求項117に記載のパスポート。
【請求項119】
前記センサモジュールのためのクロック信号を生成するように構成された発振回路をさらに備えた、請求項75に記載のパスポート。
【請求項120】
電力信号を受け取るように構成されたクロックアンテナと、
前記クロックアンテナに結合されたクロック回路と、を備え、該クロック回路は、受信した電力信号からクロック信号を生成するように構成された、請求項75に記載のパスポート。
【請求項121】
前記生体計測センサが前記スマートカードの縁部の近傍に配置されている、請求項75に記載のパスポート。
【請求項122】
前記生体計測センサがパスポートの表又は裏のカバーの内側において目視可能に配置されるように、前記スマートカードがパスポートの表又は裏のカバーに組み込まれている、請求項75に記載のパスポート。
【請求項123】
前記生体計測センサが前記内側において特定個人の写真及び個人データと干渉しないように、前記生体計測センサが前記内側に配置されている、請求項122に記載のパスポート。
【請求項124】
前記インジケータもまた表又は裏のカバーの前記内側において目視可能に配置されている、請求項122に記載のパスポート。
【請求項125】
前記生体計測センサ及びインジケータが、前記内側において特定個人の写真及び個人データと干渉しないように、前記生体計測センサ及びインジケータが前記内側に配置されている、請求項124に記載のパスポート。
【請求項126】
前記スマートカードがさらに、前記プロセッサユニットと結合された表示器を含み、該表示器は、人物が認証された場合に、特定個人の顔を含む写真画像を表示するように構成され、該表示器が前記パスポートの表又は裏のカバーの内側において目視可能に配置されている、請求項122に記載のパスポート。
【請求項127】
前記表示器は、人物が認証された場合に、特定個人の署名を表示するようにさらに構成された、請求項126に記載のパスポート。
【請求項128】
前記表示器は、肯定的な結果を示す認証信号によって作動する、請求項126に記載のパスポート。
【請求項129】
前記生体計測センサ及び前記表示器が一体化されている、請求項126に記載のパスポート。
【請求項130】
前記生体計測センサが実質的に透明であって、前記表示器の上に置かれている、請求項129に記載のパスポート。
【請求項131】
スマートカードを所持する人物を認証するための方法であって、該スマートカードがその基板上に設けられたセンサモジュールを含み、該センサモジュールが生体計測センサ、プロセッサユニット及びメモリを含んでおり、
前記方法は、
前記基板上に設けられた無線トランシーバモジュールを介して電力信号を受信し、
前記電力信号から1つ以上の電源電圧を生成して該電源電圧を前記センサモジュールに供給し、
前記生体計測センサによって人体から生体情報を検出し、
検出された前記生体情報と、メモリに記憶された生体情報とを比較し、
前記比較の結果を示す認証信号を生成して、
前記認証信号を、無線トランシーバモジュールを介して送信すること、を含む方法。
【請求項132】
前記センサモジュールがさらにインジケータを含んでおり、前記方法がさらに、
前記インジケータによって前記比較の結果を示すことを含む、請求項131に記載の方法。
【請求項133】
1つ以上の発光ダイオード(LED)を使用して前記結果を示すことを含む、請求項132に記載の方法。
【請求項134】
液晶表示器(LCD)を使用して前記結果を表示することを含む、請求項132に記載の方法。
【請求項135】
前記結果を示す音声信号を再生することを含む、請求項132に記載の方法。
【請求項136】
前記音声信号が、前記結果に応じて異なる周波数を有する、請求項135に記載の方法。
【請求項137】
前記音声信号が、前記結果に応じて異なる音声メッセージを有する、請求項135に記載の方法。
【請求項138】
前記音声信号が、前記結果に応じて異なるメロディを有する、請求項135に記載の方法。
【請求項139】
前記検出において、人物の指紋パターンを検出することを含む、請求項131に記載の方法。
【請求項140】
前記比較において、指紋パターンと、メモリに記憶された指紋テンプレートとを比較することを含む、請求項139に記載の方法。
【請求項141】
前記検出において、人物の像を捉えることを含み、
その像には、
人物の顔と、
人物の耳と、
人物の虹彩と、
人物の網膜と、
のうち、少なくとも1つが含まれる、請求項131に記載の方法。
【請求項142】
前記スマートカードの所持者が生きていることを、生体センサによって検出することをさらに含む、請求項131に記載の方法。
【請求項143】
前記検出において、
酸素検出と、
二酸化炭素検出と、
温度検出と、
湿度検出と、
赤外線検出と、
のうち、少なくとも1つを含む、請求項142に記載の方法。
【請求項144】
前記検出において、
生体センサと接触する人体の一部の弾性を検出すること、
生体センサと接触する人体の部分の血流を検出すること、
のうち、少なくとも1つを含む、請求項142に記載の方法。
【請求項145】
前記検出において、与えられた刺激に対する反射応答を捉えることを含む、請求項142に記載の方法。
【請求項146】
前記反射応答が、その上を照明する光の強度に応答する虹彩の開口変化を含む、請求項145に記載の方法。
【請求項147】
人物の目を照らすことをさらに含む、請求項146に記載の方法。
【請求項148】
前記センサモジュールを設定するために、コントロールインターフェースを介して外部コントロール信号を供給し、
前記コントロールインターフェースを介して前記スマートカードに関連する特定個人の生体情報を供給して、該生体情報をメモリに記憶させ、
前記外部コントロール信号を供給するとともに前記メモリに生体情報を記憶させた後で、前記コントロールインターフェースへの接続を無効化することをさらに含む、請求項131に記載の方法。
【請求項149】
前記無効化において、前記コントロールインターフェースへの外部アクセスを物理的に切断することを含む、請求項148に記載の方法。
【請求項150】
特定個人の個人情報をメモリに記憶させることをさらに含む、請求項148に記載の方法。
【請求項151】
前記個人情報には、
個人識別情報と、
前記スマートカードの目的又は用法に関連する個人情報と、
のうち、少なくとも1つが含まれる、請求項150に記載の方法。
【請求項152】
検出された生体情報が生体情報テンプレートと一致することが判明した場合に、前記メモリから、記憶されている個人情報を読み出し、
読み出された個人情報を示す個人情報信号を生成して、
前記無線トランシーバモジュールを介して前記個人情報信号を送信することをさらに含む、請求項150に記載の方法。
【請求項153】
前記スマートカードに設けられた発振回路を用いて、前記センサモジュールのためのクロック信号を生成することをさらに含む、請求項131に記載の方法。
【請求項154】
電力信号を使用してセンサモジュールのためのクロック信号を生成することをさらに含む、請求項131に記載の方法。
【請求項155】
前記スマートカードがパスポートに組み込まれるとともに、該スマートカードに関連する特定個人は、該パスポートが発行された人物である、請求項131に記載の方法。
【請求項156】
供給電圧が遮断された後で、増加する供給電圧についての予め決められたレベルに応じてセンサモジュールを初期化することをさらに含む、請求項131に記載の方法。
【請求項157】
前記認証信号を暗号化することをさらに含む、請求項131に記載の方法。
【請求項158】
暗号化された前記認証信号を復号化し、
復号化された前記認証信号を、無線送信のための送信信号に変換して、
前記送信信号を暗号化することをさらに含む、請求項157に記載の方法。
【請求項159】
パスポートを所持する人物を認証するための装置において、
その上に他の手段を支持するための手段であって、パスポートに組み込まれるように構成された手段と、
前記パスポートに関連する特定個人の生体情報を記憶するための記憶手段と、
人体から生体情報を検出するための検出手段と、
検出された生体情報に応えて人物を認証し、かつ認証結果を示す認証信号を生成するための認証手段と、
前記認証手段から受け取った信号を、無線で送信するための無線送信手段と、
無線送信された電力信号を受信するための手段と、
受信した前記電力信号から、他の手段のための供給電圧を生成する手段と、
を備えた、装置。
【請求項160】
前記認証手段が、検出された生体情報と、記憶されている生体情報とを比較する手段を含む、請求項159に記載の装置。
【請求項161】
センサモジュールがさらに、前記認証結果を示すための手段を含む、請求項159に記載の装置。
【請求項162】
前記認証結果を示すための手段が、1つ以上の発光ダイオード(LED)を含む、請求項161に記載の装置。
【請求項163】
前記認証結果を示すための手段が、液晶表示器(LCD)を使用して結果を表示するための手段を含む、請求項161に記載の装置。
【請求項164】
前記認証結果を示すための手段が、結果を示す音声信号の再生手段を含む、請求項161に記載の装置。
【請求項165】
前記音声信号が、結果に応じて異なる周波数を有する、請求項164に記載の装置。
【請求項166】
前記音声信号が、結果に応じて異なる音声メッセージを有する、請求項164に記載の装置。
【請求項167】
前記音声信号が、結果に応じて異なるメロディを有する、請求項164に記載の装置。
【請求項168】
前記検出手段が、人物の指紋パターンを検出する手段を含む、請求項159に記載の装置。
【請求項169】
前記認証手段が、指紋パターンを前記記憶手段に記憶されている指紋テンプレートと比較する手段を含む、請求項168に記載の装置。
【請求項170】
前記検出手段が、人物の像の捉えるための手段を含み、
その像には、
人物の顔と、
人物の耳と、
人物の虹彩と、
人物の網膜と、
のうち、少なくとも1つが含まれる、請求項159に記載の装置。
【請求項171】
前記スマートカードを所持している人物の生存の有無を検出するための手段をさらに備える、請求項159に記載の装置。
【請求項172】
人物の生存の有無を検出するための前記手段が、
酸素検出手段と、
二酸化炭素検出手段と、
温度検出手段と、
湿度検出手段と、
赤外線検出手段と、
のうち、少なくとも1つを含む、請求項171に記載の装置。
【請求項173】
人物の生存の有無を検出するための前記手段が、
生体センサと接触する人体の一部の弾性を検出するための手段と、
生体センサと接触する人体の部分の血流を検出するための手段と、
のうち、少なくとも1つを含む、請求項171に記載の装置。
【請求項174】
人物の生存の有無を検出するための前記手段が、与えられた刺激に対する人物の反射応答を捉えるための手段の少なくとも1つを含む、請求項171に記載の装置。
【請求項175】
前記反射応答が、その上を照明した光の強度に応答する虹彩の開口変化を含む、請求項174に記載の装置。
【請求項176】
人物の目を照らす手段をさらに備える、請求項175に記載の装置。
【請求項177】
センサモジュールを設定するために、コントロールインターフェースを介して外部コントロール信号を供給する手段と、
前記コントロールインターフェースを介して、前記スマートカードに関連する特定個人の生体情報を供給し、該生体情報を前記記憶手段に書き込むための手段と、
前記外部コントロール信号を供給して前記生体情報を書き込んだ後で、前記コントロールインターフェースへの接続を無効化する手段と、をさらに備える、請求項159に記載の装置。
【請求項178】
特定個人の個人情報を記憶する手段をさらに備える、請求項159に記載の装置。
【請求項179】
前記個人情報には、
個人識別情報と、
スマートカードの目的又は用法に関連する個人情報と、
のうち、少なくとも1つが含まれる、請求項178に記載の装置。
【請求項180】
検出された生体情報が生体情報テンプレートと一致することが判明した場合に、記憶されている個人情報を読み取る手段と、
読み取った個人情報を示す個人情報信号を生成する手段と、を含み、当該個人情報信号が前記無線送信手段を介して送信される、請求項178に記載の装置。
【請求項181】
発振回路を使用してクロック信号を生成する手段をさらに備える、請求項159に記載の装置。
【請求項182】
受信した電力信号を使用してクロック信号を生成する手段をさらに備える、請求項159に記載の装置。
【請求項183】
供給電圧が遮断された後で、増加する供給電圧についての予め決められたレベルに応じて前記認証手段を初期化する手段をさらに備える、請求項159に記載の装置。
【請求項184】
認証信号を暗号化する手段をさらに備える、請求項159に記載の装置。
【請求項185】
暗号化された認証信号を復号化する手段と、
復号化された認証信号を、無線送信のための送信信号に変換する手段と、
前記送信信号を暗号化する手段と、
をさらに備える、請求項159に記載の装置。
【請求項186】
スマートカードを所持する人物を認証する端末モジュールであって、該スマートカードは、その基板上に設けられたセンサモジュールと、電力回路と、無線トランシーバモジュールと、を含み、該センサモジュールが、生体計測センサと、プロセッサユニットと、メモリと、を含んでおり、
前記端末モジュールが、
その上にスマートカードを支持するように構成された支持板と、
前記支持板上に設けられたアンテナと、を備え、該アンテナが前記スマートカードに電力を送信するように構成され、該電力が前記スマートカードの無線トランシーバモジュールによって受信され、前記スマートカードの無線トランシーバモジュールから送信された信号を受信するように構成された、端末モジュール。
【請求項187】
前記スマートカードの無線トランシーバモジュールが、電力受信アンテナと、信号送信アンテナと、を含み、
前記スマートカードが前記支持板上に置かれた場合に、前記信号送信アンテナが実質的に前記アンテナと位置合わせされるように当該アンテナが前記支持板上に設けられた、請求項186に記載の端末モジュール。
【請求項188】
前記スマートカードから受け取った信号を復号化するように構成された復号化回路をさらに備えた、請求項186に記載の端末モジュール。
【請求項189】
コンピュータシステムに対するインターフェースをさらに備えた、請求項186に記載の端末モジュール。
【請求項190】
前記インターフェースが、
ユニバーサルシリアルバス(USB)規格と、
勧告基準232C(RS−232C)と、
勧告基準433(RS−433)と、
伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)と、
のうち、少なくとも1つと互換性がある、請求項186に記載の端末モジュール。
【請求項191】
前記アンテナが、
電力送信アンテナと、
信号受信アンテナと、
を含む、請求項186に記載の端末モジュール。
【請求項192】
前記スマートカードがパスポートに組み込まれるとともに、前記支持板が該パスポートを支持するのに適したサイズを有する、請求項186に記載の端末モジュール。
【請求項193】
パスポートを所持する人物を認証するシステムであって、パスポートに組み込まれたスマートカードを備え、該スマートカードが、
基板と、
前記基板上に設けられたセンサモジュールであって、
人体から生体情報を検出するように構成された生体計測センサと、
前記生体計測センサに結合されたプロセッサユニットであって、検出された生体情報に応答して人物を認証し、かつ認証結果を示す認証信号を生成するように構成されたプロセッサユニットと、
前記プロセッサユニットに結合されたメモリであって、前記スマートカードに関連する特定個人の生体情報を記憶するように構成されたメモリと、を含むセンサモジュールと、
前記プロセッサユニットに結合された無線トランシーバモジュールであって、前記プロセッサユニットから受けた信号を送信し、かつ無線送信された電力信号を受信するように構成された無線トランシーバモジュールと、
前記基板上に設けられた電力回路であって、受信した電力信号から電源電圧を生成して、該電源電圧を前記センサモジュールに供給するように構成された電力回路と、
を備えており、
さらに、
前記スマートカードをその上に支持するように構成された支持板と、
前記支持板上に設けられたアンテナであって、電力信号を前記スマートカードに送信し、該スマートカードの無線トランシーバモジュールから送信された信号を受信するように構成されたアンテナと、を含む端末モジュールを備えたシステム。
【請求項194】
無線トランシーバが、
前記電力回路に結合された電力アンテナと、
前記プロセッサユニットに結合された信号アンテナと、
を含む、請求項193に記載のシステム。
【請求項195】
前記スマートカードが前記端末モジュール上に置かれる場合に、前記信号アンテナが、前記端末モジュールの前記アンテナのループ又は配線に近接した位置に置かれる、請求項194に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公表番号】特表2007−535073(P2007−535073A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−510833(P2007−510833)
【出願日】平成17年4月22日(2005.4.22)
【国際出願番号】PCT/US2005/013896
【国際公開番号】WO2005/104704
【国際公開日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(506360767)イー−スマート テクノロジーズ インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月22日(2005.4.22)
【国際出願番号】PCT/US2005/013896
【国際公開番号】WO2005/104704
【国際公開日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(506360767)イー−スマート テクノロジーズ インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
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