電子式案内システムとそのプログラム
【課題】ＧＰＳと、無線タグから位置情報を取得する携帯端末の省電力化を図ること
【解決手段】定期的に位置情報を送信する無線タグ２と、前記無線タグ２から位置情報を受信する無線タグ受信手段３１と、ＧＰＳ衛星１からのＧＰＳ信号を受信するＧＰＳ受信手段３２と、前記ＧＰＳ信号から位置情報を算出する第２の制御手段３３と、位置情報を記憶する記憶手段３５と、表示報知手段３４とを具備した携帯端末とから構成され、前記無線タグ２から出入り口以外の情報を受信した直後に出入り口の情報を受信した時点で、前記ＧＰＳ受信手段３２の動作を開始、あるいは、前記無線タグ２から出入り口の情報を受信した後に出入り口以外の情報を受信した時点で、前記ＧＰＳ受信手段３４の動作を停止する電子式案内システム。
【解決手段】定期的に位置情報を送信する無線タグ２と、前記無線タグ２から位置情報を受信する無線タグ受信手段３１と、ＧＰＳ衛星１からのＧＰＳ信号を受信するＧＰＳ受信手段３２と、前記ＧＰＳ信号から位置情報を算出する第２の制御手段３３と、位置情報を記憶する記憶手段３５と、表示報知手段３４とを具備した携帯端末とから構成され、前記無線タグ２から出入り口以外の情報を受信した直後に出入り口の情報を受信した時点で、前記ＧＰＳ受信手段３２の動作を開始、あるいは、前記無線タグ２から出入り口の情報を受信した後に出入り口以外の情報を受信した時点で、前記ＧＰＳ受信手段３４の動作を停止する電子式案内システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ＧＰＳによる位置検知に加え、ＧＰＳ信号の届かない地下街などに設置された無線タグから位置情報を取得して、その位置に関するスポット情報を携帯端末から表示報知する電子式案内システムに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
ユビキタス社会が実現されはじめ、携帯電話、ＰＤＡといった携帯端末にはＧＰＳ受信機が具備されるようになり、携帯端末自身の位置を検知して、地図上に表示、さらには近傍のお店情報を取得するといったことが可能となってきている。また、近年では、地下街や建物の内部のようにＧＰＳ信号が受信できないような場所でも位置を知ることが出来るように、無線タグ（アクティブタグ）を照明器具、建物の天井、店舗の看板などに設置して、無線タグから一定距離（例えば１０メートル以内）に入ると、その場所に関する情報を通知して店舗案内を行ったり、駅などの公共施設において誘導を行なったりすることが提案されている。携帯端末の省電力のためには、不要なときにはＧＰＳ受信機を停止させ、必要なときにだけＧＰＳ受信機を作動させることが好ましい。そのための、ＧＰＳの効果的な省電力手法が提案されている（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
特許文献１においては、ＧＰＳ衛星を見ることが出来る方向を判定して、全天を分割管理して衛星信号を受信可能な時間帯のみに受信状態に入って、他の時間帯は消費電力を落とすといった手法をおこなっている。
【特許文献１】特開平４−２０８９０号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、従来の手法では、ＧＰＳ受信機だけの省電力制御を行うにとどまり、他の無線受信機の省電力制御までは考慮していなかった。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
そこで、前記の課題を解決するために、電子式案内システムにおいて、第１の制御手段と、無線タグ送信手段とを具備して、定期的に位置情報（出入り口、改札口、ホームなど）を送信する無線タグと、前記無線タグから位置情報を受信する無線タグ受信手段と、ＧＰＳ衛星からのＧＰＳ信号を受信するＧＰＳ受信手段と、前記ＧＰＳ信号から位置情報を算出する第２の制御手段と、位置情報を記憶する記憶手段と、表示報知手段とを具備した携帯端末とから構成された電子式案内システムにおいて、前記無線タグから出入り口以外の情報を受信した直後に出入り口の情報を受信した時点で、前記ＧＰＳ受信手段の動作を開始する、あるいは、前記無線タグから出入り口の情報を受信した後に出入り口以外の情報を受信した時点で、前記ＧＰＳ受信手段の動作を停止するようにした。
【発明の効果】
【０００６】
これにより、ＧＰＳ信号が受信できるような環境においてはＧＳＰ受信機を作動させる一方で、無線タグ受信機の動作を停止させ、ＧＰＳ信号が受信できない環境においてはＧＳＰ受信機の動作を停止させる一方で、無線タグ受信機を作動させるようにするので、携帯端末の効果的な省電力が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００７】
第１の発明は、電子式案内システムにおいて、電子式案内システムにおいて、第１の制御手段と、無線タグ送信手段とを具備して、定期的に位置情報（出入り口、改札口、ホー
ムなど）を送信する無線タグと、前記無線タグから位置情報を受信する無線タグ受信手段と、ＧＰＳ衛星からのＧＰＳ信号を受信するＧＰＳ受信手段と、前記ＧＰＳ信号から位置情報を算出する第２の制御手段と、位置情報を記憶する記憶手段と、表示報知手段とを具備した携帯端末とから構成された電子式案内システムにおいて、前記無線タグから出入り口以外の情報を受信した直後に出入り口の情報を受信した時点で、前記ＧＰＳ受信手段の動作を開始する、あるいは、前記無線タグから出入り口の情報を受信した後に出入り口以外の情報を受信した時点で、前記ＧＰＳ受信手段の動作を停止するようにした。
【０００８】
これにより、ＧＰＳ信号が受信できるような環境においてはＧＳＰ受信機を作動させる一方で無線タグ受信機を停止させ、ＧＰＳ信号が受信できない環境においてはＧＳＰ受信機を停止させる一方で無線タグ受信機を作動させるように出来るので、携帯端末の効果的な省電力が期待できる。
【０００９】
第２の発明は、特に第１の発明の電子式案内システムにおいて、前記携帯端末が、地図情報と、目的地までの経路情報を含む情報を記憶する記憶手段を具備して、前記第２の制御手段が、ＧＰＳ信号を継続して受信しながら位置情報を算出、前記記憶手段に記憶、過去の位置情報と比較することで進行方向を検出し、前記地図情報により、進行方向に駅の出入り口が存在すると判断した時点で、前記無線タグ受信手段の動作を開始、前記無線タグから出入り口の情報を受信した時点で、前記ＧＰＳ受信手段の動作を停止するようにした。
【００１０】
これにより、ＧＰＳ信号が受信できるような環境においてはＧＳＰ受信機を作動させる一方で、無線タグ受信機の動作を停止させ、ＧＰＳ信号が受信できない環境においてはＧＳＰ受信機の動作を停止させる一方で、無線タグ受信機を作動させるようにするので、携帯端末の効果的な省電力が期待できる。
【００１１】
第３の発明は、特に第１または第２の発明の電子式案内システムにおいて、ＧＰＳ信号を継続して受信した時点で、前記無線タグ受信手段の動作を停止するようにした。
【００１２】
これにより、ＧＰＳ信号が受信できるような環境においては、無線タグ受信機の動作を停止させるので、携帯端末の効果的な省電力が期待できる。
【００１３】
第４の発明は、特に第１〜３いずれかの発明の電子式案内システムにおいて、無線タグ送信手段として、小電力無線を用いるようにした。
【００１４】
これにより、安定かつ確実に無線タグの信号を携帯端末に伝達することができる。
【００１５】
第５の発明は、特に第１〜４の発明のいずれかの無線タグにおいて、少なくともひとつの動作をコンピュータに実行させるためのプログラムであり、ＣＰＵ、ＲＡＭ、ＲＯＭ、記憶装置、Ｉ／Ｏなどを備えた電気情報機器、コンピュータ等のハードリソースを協働させて本発明の一部あるいは全てをプログラムとして容易に実現することができる。また記録媒体に記録あるいは、通信回線を用いてプログラム配信することにより、プログラム配布が他の手段に比べて極めて簡単に実現できる。
【００１６】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて一実施形態について詳細に説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【００１７】
（実施の形態１）
図１は本発明の実施の形態１の電子式案内システムの構成の一例を示す図である。以下、図１を用いて説明していく。
【００１８】
ＧＰＳ衛星１からはＧＳＰ信号が常時送信されており、この信号を携帯端末３が受信して、複数のＧＰＳ衛星１からのＧＰＳ信号を解析することで、携帯端末３の存在する経度緯度といった位置情報を算出できる。ＧＳＰ衛星１からのＧＰＳ信号は、空が開けた場所でのみ受信可能で、建物の内部、地下道、地下鉄などのように空が見えない場所では受信することが出来ないので、このような場所では異なる方式で位置検知をする必要がある。
【００１９】
無線タグ２は、このようなＧＰＳ信号の受信できないような場所（例えば地下街、建物の中など）に設置して、上記同様に位置情報を提供するものであり、電池を内蔵したアクティブタグ（無線機）であり、照明器具、建物の天井、店舗の看板、門柱、郵便ポストなど、ある決まった位置に設置あるいは配置される。
【００２０】
この無線タグ２は一定時間周期（例えば１秒ごと）に経度緯度といった位置情報（ＧＰＳ信号から算出して得られる位置情報と同じ）を無線にて出力することもあれば、無線タグ２は固定した場所に設置されることから、その設置場所ごとに、例えば駅入り口であるとか、改札口であるとか、ホームであるといった場所ごとの直接的な情報としての位置情報を発信することができる。経度緯度といった情報である場合には、ＧＰＳと同様、無線タグ２からの位置情報に応じて、記憶手段３５の地図情報から、現在位置が例えば駅の出入り口であるとか、改札口であるといったことを知ることは可能である。
【００２１】
また、先ほど述べたように、その場所固有の情報である、例えば駅の出入り口であるといった情報、あるいは、改札口である、ホームであるといった場所に関する直接的な情報を無線タグ２から送信する場合には、非常に簡単かつ確実に、その場所に関する情報を直接的に得られ、地図情報が無くても対応できるので好都合である。
【００２２】
携帯端末３は液晶ディスプレイを具備した携帯電話、あるいは、ＰＤＡのような小型かつ携帯可能な端末を想定しており、無線タグ２が定期的に出力する位置情報から、記憶手段３５にあらかじめ記憶されている地図情報をもとにして、現在位置を示したり、あるいは、経路情報と比較して行き先案内（すなわちナビゲーション）を行ったりすることが出来る。また、一定時間ごとに取得した位置情報を、記憶手段３５に記憶させておき、地図情報と比較することで、進行方向を検知、あるいは、その進行方向に例えば、駅の入り口があるといったことも検知することが可能になる。これらの検知結果については、表示報知手段３４から使用者へ表示、報知することになるが、音声や振動といった方法で警告をするといったことも考えられる。なお、先ほどから述べているように、その設置場所ごとに、例えば駅入り口であるとか、改札口であるとか、ホームであるといった場所ごとの直接的な情報としての位置情報を受信した場合には、上記で述べたような地図情報がなくても、その場所に関する直接的な情報だけを記憶させておくだけで、携帯端末を持った人の移動について簡単に推測することが可能になる。
【００２３】
ここまでの説明では、無線タグ２が定期的に出力する信号が経度緯度といった位置情報、あるいは、直接的な場所情報であるとしてきたが、必ずしもこの限りではなく、例えば１２８ビット長の固有ＩＤ情報であった場合、その固有ＩＤ情報を基に同様に（外部のサーバなどから）位置情報を受信するといった使い方も考えられ、全く同様な効果が得られる。
【００２４】
また、地図情報から得られる情報には、この先に改札口があるといった案内であったり、その位置に関する例えば店舗情報であったり、バーゲン情報であったり、レストランのメニュー紹介といった商業的な情報であったり、あるいは、階段や段差、ホームがあるといった危険情報であることも考えられ、こういった情報である場合には単なる行き先案内というだけにとどまらず、きめ細かな案内情報を提供できることになり、より利便性が高
まる。特に、危険情報については、身障者の自立的な移動を支援するような案内誘導を行うことも考えられる。
【００２５】
このような用途に用いられる無線タグ２は、照明器具、建物の天井、店舗の看板、門柱、郵便ポストなどのある決まった位置に設置されるが、悪戯を避けるため、高所で人の手の届かない場所に設置されるのが好ましい。
【００２６】
以下では、本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の使用の一例について、図２〜図１０を用いて、順に移動していく案内対象者の動きに応じて、サービスを提供していく仕組みと流れについて説明する。
【００２７】
図２は本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の処理の一例（屋外→駅出入り口）を示す図であり、図７は本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の処理の一例（屋外→駅出入り口）を示す図である。
【００２８】
図２において、案内対象者は携帯端末３を持って、ＧＰＳ衛星１からのＧＰＳ信号を受信できる屋外を移動している。その進行方向にはまもなく駅の出入り口（その中には無線タグ２ａ）が存在しており、携帯端末３は駅入り口に差し掛かったことを検知して、表示報知手段３４から、例えば「ここから先は＊＊駅構内です」という音声案内をすると同時に、無線タグ２ａからの位置情報を受信ため、無線タグ受信手段３１を作動させ、受信準備に入る。
【００２９】
この一連の流れについて、図７を用いて説明する。最初に、携帯端末３においてはＧＰＳ受信手段３２の電源をＯＮにする（ステップ５０）。次に、ＧＳＰ受信手段３２でＧＰＳ衛星１からの信号を受信できた場合（ステップ５１）第２の制御手段３３でＧＰＳ信号から位置情報を算出する（ステップ５２）。その位置情報に応じて、（例えば記憶手段３５の地図情報を基に現在の位置などを）表示報知手段３４から表示、あるいは報知する（ステップ５３）。以下同様に、進行方向に駅の出入り口があるかどうかを（記憶手段３５の情報から）検知して（ステップ５４）、出入り口があった場合には無線タグ受信手段３１の電源をＯＮにして（ステップ５５）、無線タグ受信手段３１で位置情報（ここでは出入り口情報）を受信したら（ステップ５６）、（ここから先は駅構内であり、ＧＰＳ信号は受信できないという判断で、）ＧＰＳ受信手段３２の電源をＯＦＦする（ステップ５７）。次に。表示報知手段３４から、例えば「ここから先は＊＊駅構内です」という内容を表示、あるいは報知する。
【００３０】
なお、駅入り口に設置された無線タグ２ａは、経度緯度といった位置情報ではなく、駅の出入り口であるという場所固有の直接的な情報である場合、地図情報無しに直接的にその場所に関する情報を取得することが可能となる。
【００３１】
図３は本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の処理の一例（駅出入り口→改札口）を示す図であり、図４は本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の処理の一例（改札口→ホーム）を示す図であり、図８は本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の処理の一例（駅出入り口→改札口→ホーム）を示す図である。
【００３２】
図３において、案内対象者が携帯端末３を持って、無線タグ２ｂからの位置情報を受信できる駅構内を移動している。前述した駅出入り口の無線タグ２ａの受信に続いて、改札口情報を無線タグ２ｂから受信すると、携帯端末３から、例えば「この先に改札口があります」といった内容を表示、あるいは報知する。
【００３３】
図４において、同じく、案内対象者が携帯端末３を持って、無線タグ２ｃからの位置情
報を受信できる駅構内を移動している。改札口情報の無線タグ２ｂの受信に続いて、ホーム情報を無線タグ２ｃから受信すると、携帯端末３から、例えば「ホームです。気をつけてください」といった内容を表示、あるいは報知する。ちなみに、こういった案内は、単なる案内というよりも警告という意味合いが強く、身障者にとっては大変有用で、未然に転落事故を防止するといった効果も期待できる。
【００３４】
この一連の流れについて、図８を用いて説明する。前述図７の続きの動作として、無線タグ受信手段３１で無線タグ２ｂからの位置情報（出入り口情報）を受け、表示報知手段３４から、例えばここから先は＊＊駅構内ですといった内容を表示、あるいは報知を行う（ステップ６０）。
【００３５】
次に無線タグ受信手段３１で位置情報（改札口情報）を受信した時点で（ステップ６１）、表示報知手段３４から、例えばここの先に改札口がありますといった内容を表示、あるいは報知する（ステップ６２）。
【００３６】
次に、無線タグ受信手段３１で位置情報（ホーム情報）を受信すると（ステップ６３）、表示報知手段３４から、例えばホームです、気をつけてくださいといった内容を表示、あるいは報知する（ステップ６４）。
【００３７】
ここまで述べてきたように、屋外→駅の出入り口→改札があって、次にホームに至るという一連の流れは、電車に乗ろうとする人には当たり前の動作であり、人の動作を規定する、あるいは予想することが容易に可能となってくる。
【００３８】
すなわち、第２の制御手段３３が、記憶手段３５に記憶されている前述の情報を用いて、人の動きを予想して、その予想に基づいて、無線タグ受信手段３１を作動させる、あるいは、停止させるといった制御を行うことが可能となる。
【００３９】
具体的には、案内対象者が駅出入り口→改札→ホームと移動している一連の流れにより、案内対象者が駅構内にいるため、ＧＰＳ受信手段３２を作動させておく必要がないことは容易に推測できるので、第２の制御手段３３により、ＧＰＳ受信手段３２を停止させたままにすることが可能となり、携帯端末３の省電力に貢献することになる。
【００４０】
図５は本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の処理の一例（ホーム→改札口）を示す図であり、図９は本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の処理の一例（ホーム→改札口）を示す図である。
【００４１】
図５において、電車から降りてきた案内対象者が携帯端末３を持って、無線タグ２ｂからの位置情報を受信できる駅構内を移動している。ホーム情報の無線タグ２ｃの受信に続いて、改札口情報を無線タグ２ｂから受信すると、携帯端末３から、例えば「この先に改札口があります」といった内容を表示、あるいは報知する。
【００４２】
この一連の流れについて、図９を用いて説明する。前述の図８の続きの動作として、無線タグ受信手段３１で無線タグ２ｃからの位置情報（ホーム情報）を受け（ステップ７０）、表示報知手段３４から、例えばここはホームです、気をつけてくださいといった内容を表示、あるいは報知を行う（ステップ７１）。
【００４３】
次に無線タグ受信手段３１で位置情報（改札口情報）を受信した時点で（ステップ７２）、表示報知手段３４から、例えばここの先に改札口がありますといった内容を表示、あるいは報知する（ステップ７３）。
【００４４】
図６は本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の処理の一例（改札口→駅出入り口→屋外）を示す図であり、図１０は本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の処理の一例（改札口→駅出入り口→屋外）を示す図である。
【００４５】
図６において、案内対象者が携帯端末３を持って、無線タグ２ａからの位置情報を受信できる駅構内を移動している。改札口情報の無線タグ２ｂの受信に続いて、駅出入り口情報を無線タグ２ａから受信すると、携帯端末３から、例えば「駅構内から出ます」といった内容を表示、あるいは報知する。
【００４６】
この一連の流れについて、図１０を用いて説明する。無線タグ受信手段３１で無線タグ２ａからの位置情報（出入り口情報）を受け（ステップ８０）、表示報知手段３４から、例えば駅構内から出ますといった内容を表示、あるいは報知を行う（ステップ８１）。
【００４７】
一連の流れから、これから先は駅構内から出ることがわかっているので、第２の制御手段３３はＧＰＳ信号を受信できる屋外ではＧＰＳ受信手段３２を作動させる必要があると判断して、ＧＰＳ受信手段３２の電源をＯＮにする（ステップ８２）。
【００４８】
次に、ＧＰＳ受信手段３２でＧＰＳ衛星１の信号待ち受け、信号を受信できた時点で（ステップ８３）、無線タグ受信手段３１を停止させるため、電源をＯＦＦする（ステップ８４）。
【００４９】
この時点では、既に屋外に出ているため、無線タグの信号を受信することがないので、必要のない無線タグ受信手段３１を停止させ、携帯端末３の省電力を図ることが出来る。
【００５０】
最後に、第２の制御手段でＧＰＳ信号から位置情報を算出（ステップ８５）、この位置情報に応じて記憶手段３５の地図情報から得られた、その場所に固有の場所情報を表示報知手段３４から表示、または報知しながら（ステップ８６）、最終目的地に着くまで案内を続けていく（ステップ８７）。
【産業上の利用可能性】
【００５１】
以上のように、ＧＰＳ受信手段３２と、無線タグ受信手段３１とを用いて、場所に応じてスポット情報を提供する携帯端末において、状況に応じてＧＰＳ受信手段３２と、無線タグ受信手段３１とを切り替え、一方の動作を停止させることで省電力化を図っており、特に、携帯電話やＰＨＡといったバッテリ駆動の携帯端末において要求されるバッテリ寿命の長時間化に貢献することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【００５２】
【図１】本発明の実施の形態１の電子式案内システムの構成の一例を示す図
【図２】本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の処理の一例（屋外→駅出入り口）を示す図
【図３】本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の処理の一例（駅出入り口→改札口）を示す図
【図４】本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の処理の一例（改札口→ホーム）を示す図
【図５】本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の処理の一例（ホーム→改札口）を示す図
【図６】本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の処理の一例（改札口→駅出入り口→屋外）を示す図
【図７】本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の処理の一例（屋外→駅出入り口）を示す図
【図８】本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の処理の一例（駅出入り口→改札口→ホーム）を示す図
【図９】本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の処理の一例（ホーム→改札口）を示す図
【図１０】本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の処理の一例（改札口→駅出入り口→屋外）を示す図
【符号の説明】
【００５３】
１ ＧＰＳ衛星
２ 無線タグ（アクティブタグ）
２ａ 無線タグ（出入り口情報）
２ｂ 無線タグ（改札口情報）
２ｃ 無線タグ（ホーム情報）
３ 携帯端末
２１ 第１の制御手段（位置情報）
２２ 無線タグ送信手段
３１ 無線タグ受信手段
３２ ＧＰＳ受信手段
３３ 第２の制御手段
３４ 表示報知手段
３５ 記憶手段（経路情報、地図情報）
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ＧＰＳによる位置検知に加え、ＧＰＳ信号の届かない地下街などに設置された無線タグから位置情報を取得して、その位置に関するスポット情報を携帯端末から表示報知する電子式案内システムに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
ユビキタス社会が実現されはじめ、携帯電話、ＰＤＡといった携帯端末にはＧＰＳ受信機が具備されるようになり、携帯端末自身の位置を検知して、地図上に表示、さらには近傍のお店情報を取得するといったことが可能となってきている。また、近年では、地下街や建物の内部のようにＧＰＳ信号が受信できないような場所でも位置を知ることが出来るように、無線タグ（アクティブタグ）を照明器具、建物の天井、店舗の看板などに設置して、無線タグから一定距離（例えば１０メートル以内）に入ると、その場所に関する情報を通知して店舗案内を行ったり、駅などの公共施設において誘導を行なったりすることが提案されている。携帯端末の省電力のためには、不要なときにはＧＰＳ受信機を停止させ、必要なときにだけＧＰＳ受信機を作動させることが好ましい。そのための、ＧＰＳの効果的な省電力手法が提案されている（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
特許文献１においては、ＧＰＳ衛星を見ることが出来る方向を判定して、全天を分割管理して衛星信号を受信可能な時間帯のみに受信状態に入って、他の時間帯は消費電力を落とすといった手法をおこなっている。
【特許文献１】特開平４−２０８９０号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、従来の手法では、ＧＰＳ受信機だけの省電力制御を行うにとどまり、他の無線受信機の省電力制御までは考慮していなかった。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
そこで、前記の課題を解決するために、電子式案内システムにおいて、第１の制御手段と、無線タグ送信手段とを具備して、定期的に位置情報（出入り口、改札口、ホームなど）を送信する無線タグと、前記無線タグから位置情報を受信する無線タグ受信手段と、ＧＰＳ衛星からのＧＰＳ信号を受信するＧＰＳ受信手段と、前記ＧＰＳ信号から位置情報を算出する第２の制御手段と、位置情報を記憶する記憶手段と、表示報知手段とを具備した携帯端末とから構成された電子式案内システムにおいて、前記無線タグから出入り口以外の情報を受信した直後に出入り口の情報を受信した時点で、前記ＧＰＳ受信手段の動作を開始する、あるいは、前記無線タグから出入り口の情報を受信した後に出入り口以外の情報を受信した時点で、前記ＧＰＳ受信手段の動作を停止するようにした。
【発明の効果】
【０００６】
これにより、ＧＰＳ信号が受信できるような環境においてはＧＳＰ受信機を作動させる一方で、無線タグ受信機の動作を停止させ、ＧＰＳ信号が受信できない環境においてはＧＳＰ受信機の動作を停止させる一方で、無線タグ受信機を作動させるようにするので、携帯端末の効果的な省電力が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００７】
第１の発明は、電子式案内システムにおいて、電子式案内システムにおいて、第１の制御手段と、無線タグ送信手段とを具備して、定期的に位置情報（出入り口、改札口、ホー
ムなど）を送信する無線タグと、前記無線タグから位置情報を受信する無線タグ受信手段と、ＧＰＳ衛星からのＧＰＳ信号を受信するＧＰＳ受信手段と、前記ＧＰＳ信号から位置情報を算出する第２の制御手段と、位置情報を記憶する記憶手段と、表示報知手段とを具備した携帯端末とから構成された電子式案内システムにおいて、前記無線タグから出入り口以外の情報を受信した直後に出入り口の情報を受信した時点で、前記ＧＰＳ受信手段の動作を開始する、あるいは、前記無線タグから出入り口の情報を受信した後に出入り口以外の情報を受信した時点で、前記ＧＰＳ受信手段の動作を停止するようにした。
【０００８】
これにより、ＧＰＳ信号が受信できるような環境においてはＧＳＰ受信機を作動させる一方で無線タグ受信機を停止させ、ＧＰＳ信号が受信できない環境においてはＧＳＰ受信機を停止させる一方で無線タグ受信機を作動させるように出来るので、携帯端末の効果的な省電力が期待できる。
【０００９】
第２の発明は、特に第１の発明の電子式案内システムにおいて、前記携帯端末が、地図情報と、目的地までの経路情報を含む情報を記憶する記憶手段を具備して、前記第２の制御手段が、ＧＰＳ信号を継続して受信しながら位置情報を算出、前記記憶手段に記憶、過去の位置情報と比較することで進行方向を検出し、前記地図情報により、進行方向に駅の出入り口が存在すると判断した時点で、前記無線タグ受信手段の動作を開始、前記無線タグから出入り口の情報を受信した時点で、前記ＧＰＳ受信手段の動作を停止するようにした。
【００１０】
これにより、ＧＰＳ信号が受信できるような環境においてはＧＳＰ受信機を作動させる一方で、無線タグ受信機の動作を停止させ、ＧＰＳ信号が受信できない環境においてはＧＳＰ受信機の動作を停止させる一方で、無線タグ受信機を作動させるようにするので、携帯端末の効果的な省電力が期待できる。
【００１１】
第３の発明は、特に第１または第２の発明の電子式案内システムにおいて、ＧＰＳ信号を継続して受信した時点で、前記無線タグ受信手段の動作を停止するようにした。
【００１２】
これにより、ＧＰＳ信号が受信できるような環境においては、無線タグ受信機の動作を停止させるので、携帯端末の効果的な省電力が期待できる。
【００１３】
第４の発明は、特に第１〜３いずれかの発明の電子式案内システムにおいて、無線タグ送信手段として、小電力無線を用いるようにした。
【００１４】
これにより、安定かつ確実に無線タグの信号を携帯端末に伝達することができる。
【００１５】
第５の発明は、特に第１〜４の発明のいずれかの無線タグにおいて、少なくともひとつの動作をコンピュータに実行させるためのプログラムであり、ＣＰＵ、ＲＡＭ、ＲＯＭ、記憶装置、Ｉ／Ｏなどを備えた電気情報機器、コンピュータ等のハードリソースを協働させて本発明の一部あるいは全てをプログラムとして容易に実現することができる。また記録媒体に記録あるいは、通信回線を用いてプログラム配信することにより、プログラム配布が他の手段に比べて極めて簡単に実現できる。
【００１６】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて一実施形態について詳細に説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【００１７】
（実施の形態１）
図１は本発明の実施の形態１の電子式案内システムの構成の一例を示す図である。以下、図１を用いて説明していく。
【００１８】
ＧＰＳ衛星１からはＧＳＰ信号が常時送信されており、この信号を携帯端末３が受信して、複数のＧＰＳ衛星１からのＧＰＳ信号を解析することで、携帯端末３の存在する経度緯度といった位置情報を算出できる。ＧＳＰ衛星１からのＧＰＳ信号は、空が開けた場所でのみ受信可能で、建物の内部、地下道、地下鉄などのように空が見えない場所では受信することが出来ないので、このような場所では異なる方式で位置検知をする必要がある。
【００１９】
無線タグ２は、このようなＧＰＳ信号の受信できないような場所（例えば地下街、建物の中など）に設置して、上記同様に位置情報を提供するものであり、電池を内蔵したアクティブタグ（無線機）であり、照明器具、建物の天井、店舗の看板、門柱、郵便ポストなど、ある決まった位置に設置あるいは配置される。
【００２０】
この無線タグ２は一定時間周期（例えば１秒ごと）に経度緯度といった位置情報（ＧＰＳ信号から算出して得られる位置情報と同じ）を無線にて出力することもあれば、無線タグ２は固定した場所に設置されることから、その設置場所ごとに、例えば駅入り口であるとか、改札口であるとか、ホームであるといった場所ごとの直接的な情報としての位置情報を発信することができる。経度緯度といった情報である場合には、ＧＰＳと同様、無線タグ２からの位置情報に応じて、記憶手段３５の地図情報から、現在位置が例えば駅の出入り口であるとか、改札口であるといったことを知ることは可能である。
【００２１】
また、先ほど述べたように、その場所固有の情報である、例えば駅の出入り口であるといった情報、あるいは、改札口である、ホームであるといった場所に関する直接的な情報を無線タグ２から送信する場合には、非常に簡単かつ確実に、その場所に関する情報を直接的に得られ、地図情報が無くても対応できるので好都合である。
【００２２】
携帯端末３は液晶ディスプレイを具備した携帯電話、あるいは、ＰＤＡのような小型かつ携帯可能な端末を想定しており、無線タグ２が定期的に出力する位置情報から、記憶手段３５にあらかじめ記憶されている地図情報をもとにして、現在位置を示したり、あるいは、経路情報と比較して行き先案内（すなわちナビゲーション）を行ったりすることが出来る。また、一定時間ごとに取得した位置情報を、記憶手段３５に記憶させておき、地図情報と比較することで、進行方向を検知、あるいは、その進行方向に例えば、駅の入り口があるといったことも検知することが可能になる。これらの検知結果については、表示報知手段３４から使用者へ表示、報知することになるが、音声や振動といった方法で警告をするといったことも考えられる。なお、先ほどから述べているように、その設置場所ごとに、例えば駅入り口であるとか、改札口であるとか、ホームであるといった場所ごとの直接的な情報としての位置情報を受信した場合には、上記で述べたような地図情報がなくても、その場所に関する直接的な情報だけを記憶させておくだけで、携帯端末を持った人の移動について簡単に推測することが可能になる。
【００２３】
ここまでの説明では、無線タグ２が定期的に出力する信号が経度緯度といった位置情報、あるいは、直接的な場所情報であるとしてきたが、必ずしもこの限りではなく、例えば１２８ビット長の固有ＩＤ情報であった場合、その固有ＩＤ情報を基に同様に（外部のサーバなどから）位置情報を受信するといった使い方も考えられ、全く同様な効果が得られる。
【００２４】
また、地図情報から得られる情報には、この先に改札口があるといった案内であったり、その位置に関する例えば店舗情報であったり、バーゲン情報であったり、レストランのメニュー紹介といった商業的な情報であったり、あるいは、階段や段差、ホームがあるといった危険情報であることも考えられ、こういった情報である場合には単なる行き先案内というだけにとどまらず、きめ細かな案内情報を提供できることになり、より利便性が高
まる。特に、危険情報については、身障者の自立的な移動を支援するような案内誘導を行うことも考えられる。
【００２５】
このような用途に用いられる無線タグ２は、照明器具、建物の天井、店舗の看板、門柱、郵便ポストなどのある決まった位置に設置されるが、悪戯を避けるため、高所で人の手の届かない場所に設置されるのが好ましい。
【００２６】
以下では、本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の使用の一例について、図２〜図１０を用いて、順に移動していく案内対象者の動きに応じて、サービスを提供していく仕組みと流れについて説明する。
【００２７】
図２は本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の処理の一例（屋外→駅出入り口）を示す図であり、図７は本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の処理の一例（屋外→駅出入り口）を示す図である。
【００２８】
図２において、案内対象者は携帯端末３を持って、ＧＰＳ衛星１からのＧＰＳ信号を受信できる屋外を移動している。その進行方向にはまもなく駅の出入り口（その中には無線タグ２ａ）が存在しており、携帯端末３は駅入り口に差し掛かったことを検知して、表示報知手段３４から、例えば「ここから先は＊＊駅構内です」という音声案内をすると同時に、無線タグ２ａからの位置情報を受信ため、無線タグ受信手段３１を作動させ、受信準備に入る。
【００２９】
この一連の流れについて、図７を用いて説明する。最初に、携帯端末３においてはＧＰＳ受信手段３２の電源をＯＮにする（ステップ５０）。次に、ＧＳＰ受信手段３２でＧＰＳ衛星１からの信号を受信できた場合（ステップ５１）第２の制御手段３３でＧＰＳ信号から位置情報を算出する（ステップ５２）。その位置情報に応じて、（例えば記憶手段３５の地図情報を基に現在の位置などを）表示報知手段３４から表示、あるいは報知する（ステップ５３）。以下同様に、進行方向に駅の出入り口があるかどうかを（記憶手段３５の情報から）検知して（ステップ５４）、出入り口があった場合には無線タグ受信手段３１の電源をＯＮにして（ステップ５５）、無線タグ受信手段３１で位置情報（ここでは出入り口情報）を受信したら（ステップ５６）、（ここから先は駅構内であり、ＧＰＳ信号は受信できないという判断で、）ＧＰＳ受信手段３２の電源をＯＦＦする（ステップ５７）。次に。表示報知手段３４から、例えば「ここから先は＊＊駅構内です」という内容を表示、あるいは報知する。
【００３０】
なお、駅入り口に設置された無線タグ２ａは、経度緯度といった位置情報ではなく、駅の出入り口であるという場所固有の直接的な情報である場合、地図情報無しに直接的にその場所に関する情報を取得することが可能となる。
【００３１】
図３は本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の処理の一例（駅出入り口→改札口）を示す図であり、図４は本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の処理の一例（改札口→ホーム）を示す図であり、図８は本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の処理の一例（駅出入り口→改札口→ホーム）を示す図である。
【００３２】
図３において、案内対象者が携帯端末３を持って、無線タグ２ｂからの位置情報を受信できる駅構内を移動している。前述した駅出入り口の無線タグ２ａの受信に続いて、改札口情報を無線タグ２ｂから受信すると、携帯端末３から、例えば「この先に改札口があります」といった内容を表示、あるいは報知する。
【００３３】
図４において、同じく、案内対象者が携帯端末３を持って、無線タグ２ｃからの位置情
報を受信できる駅構内を移動している。改札口情報の無線タグ２ｂの受信に続いて、ホーム情報を無線タグ２ｃから受信すると、携帯端末３から、例えば「ホームです。気をつけてください」といった内容を表示、あるいは報知する。ちなみに、こういった案内は、単なる案内というよりも警告という意味合いが強く、身障者にとっては大変有用で、未然に転落事故を防止するといった効果も期待できる。
【００３４】
この一連の流れについて、図８を用いて説明する。前述図７の続きの動作として、無線タグ受信手段３１で無線タグ２ｂからの位置情報（出入り口情報）を受け、表示報知手段３４から、例えばここから先は＊＊駅構内ですといった内容を表示、あるいは報知を行う（ステップ６０）。
【００３５】
次に無線タグ受信手段３１で位置情報（改札口情報）を受信した時点で（ステップ６１）、表示報知手段３４から、例えばここの先に改札口がありますといった内容を表示、あるいは報知する（ステップ６２）。
【００３６】
次に、無線タグ受信手段３１で位置情報（ホーム情報）を受信すると（ステップ６３）、表示報知手段３４から、例えばホームです、気をつけてくださいといった内容を表示、あるいは報知する（ステップ６４）。
【００３７】
ここまで述べてきたように、屋外→駅の出入り口→改札があって、次にホームに至るという一連の流れは、電車に乗ろうとする人には当たり前の動作であり、人の動作を規定する、あるいは予想することが容易に可能となってくる。
【００３８】
すなわち、第２の制御手段３３が、記憶手段３５に記憶されている前述の情報を用いて、人の動きを予想して、その予想に基づいて、無線タグ受信手段３１を作動させる、あるいは、停止させるといった制御を行うことが可能となる。
【００３９】
具体的には、案内対象者が駅出入り口→改札→ホームと移動している一連の流れにより、案内対象者が駅構内にいるため、ＧＰＳ受信手段３２を作動させておく必要がないことは容易に推測できるので、第２の制御手段３３により、ＧＰＳ受信手段３２を停止させたままにすることが可能となり、携帯端末３の省電力に貢献することになる。
【００４０】
図５は本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の処理の一例（ホーム→改札口）を示す図であり、図９は本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の処理の一例（ホーム→改札口）を示す図である。
【００４１】
図５において、電車から降りてきた案内対象者が携帯端末３を持って、無線タグ２ｂからの位置情報を受信できる駅構内を移動している。ホーム情報の無線タグ２ｃの受信に続いて、改札口情報を無線タグ２ｂから受信すると、携帯端末３から、例えば「この先に改札口があります」といった内容を表示、あるいは報知する。
【００４２】
この一連の流れについて、図９を用いて説明する。前述の図８の続きの動作として、無線タグ受信手段３１で無線タグ２ｃからの位置情報（ホーム情報）を受け（ステップ７０）、表示報知手段３４から、例えばここはホームです、気をつけてくださいといった内容を表示、あるいは報知を行う（ステップ７１）。
【００４３】
次に無線タグ受信手段３１で位置情報（改札口情報）を受信した時点で（ステップ７２）、表示報知手段３４から、例えばここの先に改札口がありますといった内容を表示、あるいは報知する（ステップ７３）。
【００４４】
図６は本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の処理の一例（改札口→駅出入り口→屋外）を示す図であり、図１０は本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の処理の一例（改札口→駅出入り口→屋外）を示す図である。
【００４５】
図６において、案内対象者が携帯端末３を持って、無線タグ２ａからの位置情報を受信できる駅構内を移動している。改札口情報の無線タグ２ｂの受信に続いて、駅出入り口情報を無線タグ２ａから受信すると、携帯端末３から、例えば「駅構内から出ます」といった内容を表示、あるいは報知する。
【００４６】
この一連の流れについて、図１０を用いて説明する。無線タグ受信手段３１で無線タグ２ａからの位置情報（出入り口情報）を受け（ステップ８０）、表示報知手段３４から、例えば駅構内から出ますといった内容を表示、あるいは報知を行う（ステップ８１）。
【００４７】
一連の流れから、これから先は駅構内から出ることがわかっているので、第２の制御手段３３はＧＰＳ信号を受信できる屋外ではＧＰＳ受信手段３２を作動させる必要があると判断して、ＧＰＳ受信手段３２の電源をＯＮにする（ステップ８２）。
【００４８】
次に、ＧＰＳ受信手段３２でＧＰＳ衛星１の信号待ち受け、信号を受信できた時点で（ステップ８３）、無線タグ受信手段３１を停止させるため、電源をＯＦＦする（ステップ８４）。
【００４９】
この時点では、既に屋外に出ているため、無線タグの信号を受信することがないので、必要のない無線タグ受信手段３１を停止させ、携帯端末３の省電力を図ることが出来る。
【００５０】
最後に、第２の制御手段でＧＰＳ信号から位置情報を算出（ステップ８５）、この位置情報に応じて記憶手段３５の地図情報から得られた、その場所に固有の場所情報を表示報知手段３４から表示、または報知しながら（ステップ８６）、最終目的地に着くまで案内を続けていく（ステップ８７）。
【産業上の利用可能性】
【００５１】
以上のように、ＧＰＳ受信手段３２と、無線タグ受信手段３１とを用いて、場所に応じてスポット情報を提供する携帯端末において、状況に応じてＧＰＳ受信手段３２と、無線タグ受信手段３１とを切り替え、一方の動作を停止させることで省電力化を図っており、特に、携帯電話やＰＨＡといったバッテリ駆動の携帯端末において要求されるバッテリ寿命の長時間化に貢献することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【００５２】
【図１】本発明の実施の形態１の電子式案内システムの構成の一例を示す図
【図２】本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の処理の一例（屋外→駅出入り口）を示す図
【図３】本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の処理の一例（駅出入り口→改札口）を示す図
【図４】本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の処理の一例（改札口→ホーム）を示す図
【図５】本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の処理の一例（ホーム→改札口）を示す図
【図６】本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の処理の一例（改札口→駅出入り口→屋外）を示す図
【図７】本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の処理の一例（屋外→駅出入り口）を示す図
【図８】本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の処理の一例（駅出入り口→改札口→ホーム）を示す図
【図９】本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の処理の一例（ホーム→改札口）を示す図
【図１０】本発明の実施の形態１の電子式案内システム装置の処理の一例（改札口→駅出入り口→屋外）を示す図
【符号の説明】
【００５３】
１ ＧＰＳ衛星
２ 無線タグ（アクティブタグ）
２ａ 無線タグ（出入り口情報）
２ｂ 無線タグ（改札口情報）
２ｃ 無線タグ（ホーム情報）
３ 携帯端末
２１ 第１の制御手段（位置情報）
２２ 無線タグ送信手段
３１ 無線タグ受信手段
３２ ＧＰＳ受信手段
３３ 第２の制御手段
３４ 表示報知手段
３５ 記憶手段（経路情報、地図情報）
【特許請求の範囲】
【請求項１】
無線タグと携帯端末とを備える電子式案内システムにおいて、
前記無線タグは、第１の制御手段と無線タグ送信手段とを備え、
前記携帯端末は、前記無線タグから位置情報を受信する無線タグ受信手段と、ＧＰＳ衛星からのＧＰＳ信号を受信するＧＰＳ受信手段と、前記ＧＰＳ信号から位置情報を算出する位置演算手段と、前記ＧＰＳ受信手段及び前記無線タグ受信手段の動作状態を制御する第２の制御手段と、位置情報を記憶する記憶手段と、表示報知手段とを備え、
前記無線タグ送信手段は、位置情報を示す第１送信信号と、ＧＰＳ衛星からのＧＰＳ信号を受信できないことを示す第２送信信号とを送信し、
前記第２の制御手段は、前記無線タグ受信手段が前記第２送信信号を受信したときに前記ＧＰＳ受信手段の動作が動作中であれば停止し、前記ＧＰＳ受信手段の動作が停止中であれば動作を開始するように制御する電子式案内システム。
【請求項２】
ＧＰＳ受信手段がＧＰＳ信号を継続して受信すれば、無線タグ受信手段の動作を停止する請求請１記載の電子式案内システム。
【請求項３】
記憶手段は、少なくとも地図情報と、目的地までの経路情報とを記憶し、
位置演算手段がＧＰＳ信号を受信して位置情報を算出する間、第２の制御手段は、前記位置演算手段で算出される位置情報と前記記憶手段に記憶されている経路情報とを比較することで無線タグからの第２送信信号が受信できると判断できる時点で、前記無線タグ受信手段の動作を停止する請求請２記載の電子式案内システム。
【請求項４】
無線タグ送信手段として小電力無線を用いる請求項１〜３のいずれか１項に記載の電子式案内システム。
【請求項５】
請求項１〜４のいずれか１項に記載の電子式案内システムにおいて、少なくともひとつの動作をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項１】
無線タグと携帯端末とを備える電子式案内システムにおいて、
前記無線タグは、第１の制御手段と無線タグ送信手段とを備え、
前記携帯端末は、前記無線タグから位置情報を受信する無線タグ受信手段と、ＧＰＳ衛星からのＧＰＳ信号を受信するＧＰＳ受信手段と、前記ＧＰＳ信号から位置情報を算出する位置演算手段と、前記ＧＰＳ受信手段及び前記無線タグ受信手段の動作状態を制御する第２の制御手段と、位置情報を記憶する記憶手段と、表示報知手段とを備え、
前記無線タグ送信手段は、位置情報を示す第１送信信号と、ＧＰＳ衛星からのＧＰＳ信号を受信できないことを示す第２送信信号とを送信し、
前記第２の制御手段は、前記無線タグ受信手段が前記第２送信信号を受信したときに前記ＧＰＳ受信手段の動作が動作中であれば停止し、前記ＧＰＳ受信手段の動作が停止中であれば動作を開始するように制御する電子式案内システム。
【請求項２】
ＧＰＳ受信手段がＧＰＳ信号を継続して受信すれば、無線タグ受信手段の動作を停止する請求請１記載の電子式案内システム。
【請求項３】
記憶手段は、少なくとも地図情報と、目的地までの経路情報とを記憶し、
位置演算手段がＧＰＳ信号を受信して位置情報を算出する間、第２の制御手段は、前記位置演算手段で算出される位置情報と前記記憶手段に記憶されている経路情報とを比較することで無線タグからの第２送信信号が受信できると判断できる時点で、前記無線タグ受信手段の動作を停止する請求請２記載の電子式案内システム。
【請求項４】
無線タグ送信手段として小電力無線を用いる請求項１〜３のいずれか１項に記載の電子式案内システム。
【請求項５】
請求項１〜４のいずれか１項に記載の電子式案内システムにおいて、少なくともひとつの動作をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【公開番号】特開２０１０−１７５２５５（Ｐ２０１０−１７５２５５Ａ）
【公開日】平成２２年８月１２日（２０１０．８．１２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−１４９６６（Ｐ２００９−１４９６６）
【出願日】平成２１年１月２７日（２００９．１．２７）
【出願人】（０００００５８２１）パナソニック株式会社 (73,050)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年８月１２日（２０１０．８．１２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年１月２７日（２００９．１．２７）
【出願人】（０００００５８２１）パナソニック株式会社 (73,050)
【Ｆターム（参考）】
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