説明

電子機器、電子機器の認証コード生成方法、電子機器の認証コード認証方法及び情報通信システム

【課題】特定のキーの相対押下時間の相対比による組み合わせから認証コードを生成し、生成した認証コードに基づき認証する電子機器、電子機器の認証コード生成方法、電子機器の認証コード認証方法及び情報通信システムを提供する。
【解決手段】認証コードを入力することにより所定の動作を行わせることができる電子機器であって、各操作キーの押下時間を計測する押下時間計測手段と、各操作キーの押下時間の相対比を算出する相対時間比算出手段と、操作キーと押下時間の相対比との組合せに基づいてコード化して記憶する符号化記憶手段と、前記記憶したコードを登録用認証コード及び認証用認証コードとして登録する認証コード登録手段と、入力された前記認証用認証コードと予め登録されている前記登録用認証コードとを照合する認証コード照合手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯情報端末、電子機器に用いられる認証コード生成方法及び認証コード認証方法に係わり、特にキーボードを持たない携帯情報端末に適用して不正使用を抑止する認証コード生成方法及び認証コード認証方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話端末や情報処理端末などの各種の電子機器においては、パスワード(認証コード)を用いることにより、その電子機器の使用者を制限したり、使用者ごとに使用可能な機能を制限したりすることなどが行われている。
【0003】
例えば、電子機器に使用者のパスワードを登録しておき、使用時において必ずパスワードの入力を要求することにより、その電子機器は、パスワードを知っている者しか利用できないようにすることが行われている。また、予め決められた機能については、その機能の開始時においてパスワードの入力を要求することにより、その機能は、パスワードを知っている者しか利用できないようにすることも行われている。
【0004】
このように、パスワードを用いた認証処理を行うことによって、電子機器が不正に使用されて所有者が被害を被ったり、また、携帯電話端末に記憶されている個人情報などが他人に漏れ、これが悪用されたりすることを抑止できるようにされている。
【0005】
上述したように、あらかじめ決められた文字や数字などを入力することで認証するパスワードの仕組みがたくさん用いられている。一方でキーボードを持たないスマートフォンや携帯電話などでの認証の機会が増えており、それぞれ入力手段が提供されているが、煩雑な操作となっているケースがある。例えば、英数字が混在する組み合わせの場合、入力を英語から数字モードに切り替える必要がある。
【0006】
これに対して、特許文献1では、特定のキーの押下時間による組み合わせを端末内で変換して認証パスワードとして用いることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−52416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載されている方法では、人間の時間感覚は個々人によっても、日にちによっても変わる可能性が高いので、正確な時間でボタンを押下できるとは限らないため、認証成功率が低くなる恐れがあるという問題がある。
【0009】
また、上記の時間感覚を補正するためには、正確な時間を表示するカウンタなどの装置が、認証画面に必要となってしまうという問題がある。
【0010】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、ボタンを押下するキーどうしの相対時間を測定して、特定のキーの相対押下時間の相対比による組み合わせを端末内で変換して認証コードを生成し、生成した認証コードに基づき認証する電子機器、電子機器の認証コード生成方法、電子機器の認証コード認証方法及び情報通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明に係る電子機器は、各操作キーの組合せによる認証コードを入力することにより所定の動作を行わせることができる電子機器であって、各操作キーの押下時間を計測する押下時間計測手段と、計測した前記各操作キーの押下時間の相対比を算出する相対時間比算出手段と、操作キーと該操作キーに対応する押下時間の相対比との組合せに基づいてコード化して記憶する符号化記憶手段と、前記記憶したコードを登録用認証コード及び認証用認証コードとして登録する認証コード登録手段と、前記各操作キーを押下することにより入力された前記認証用認証コードと予め登録されている前記登録用認証コードとを照合する認証コード照合手段と、を有し、前記認証コード照合手段は、前記照合した結果が一致した場合には前記電子機器に所定の動作を行わせることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る電子機器は、操作キーの組合せによる認証コードを入力することにより所定の動作を行わせることができる電子機器であって、少なくとも2以上の操作キーと該操作キーが押下された相対時間との組合せに基づいて生成される認証用認証コードと、予め登録された登録用認証コードと、を照合し、前記照合した結果が一致した場合には前記電子機器に所定の動作を行わせることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る電子機器の認証コード生成方法は、各操作キーの組合せによる認証コードを入力することにより所定の動作を行わせることができる電子機器の認証コード生成方法であって、各操作キーの押下時間を計測する押下時間計測工程と、計測した前記各操作キーの押下時間の相対比を算出する相対時間比算出工程と、操作キーと該操作キーに対応する押下時間の相対比との組合せに基づいてコード化して記憶する符号化記憶工程と、前記記憶したコードを登録用認証コード及び認証用認証コードとして登録する認証コード登録工程と、を有することを特徴とする。
【0014】
本発明に係る電子機器の電子機器の認証コード認証方法は、各操作キーの組合せによる認証コードを入力することにより所定の動作を行わせることができる電子機器の認証コード認証方法であって、各操作キーの押下時間を計測する押下時間計測工程と、計測した前記各操作キーの押下時間の相対比を算出する相対時間比算出工程と、操作キーと該操作キーに対応する押下時間の相対比との組合せに基づいてコード化して記憶する符号化記憶工程と、前記記憶したコードを登録用認証コード及び認証用認証コードとして登録する認証コード登録工程と、前記各操作キーを押下することにより入力された前記認証用認証コードと予め登録されている前記登録用認証コードとを照合する認証コード照合工程と、を有し、前記認証コード照合工程は、前記照合した結果が一致した場合には前記電子機器に所定の動作を行わせることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る電子機器の認証コード認証方法は、操作キーの組合せによる認証コードを入力することにより所定の動作を行わせることができる電子機器の認証コード認証方法であって、少なくとも2以上の操作キーと該操作キーが押下された相対時間との組合せに基づいて生成される認証用認証コードと、予め登録された登録用認証コードと、を照合する工程を有し、前記照合工程により照合した結果が一致した場合には前記電子機器に所定の動作を行わせることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る電子機器の情報通信システムは、インターネット網と該インターネットに接続するサーバと該サーバを介してインターネットに接続する電子機器とを備えた情報通信システムであって、前記電子機器は、各操作キーの押下時間を計測する押下時間計測手段と、計測した前記各操作キーの押下時間の相対比を算出する相対時間比算出手段と、操作キーと該操作キーに対応する押下時間の相対比との組合せに基づいてコード化して記憶する符号化記憶手段と、前記記憶したコードを登録用認証コード及び認証用認証コードとして登録する認証コード登録手段と、前記各操作キーを押下することにより入力された前記認証用認証コードと予め登録されている前記登録用認証コードとを照合する認証コード照合手段と、を有し、前記サーバは、前記電子機器の符号化記憶手段により生成されたコードを前記登録用認証コード及び認証用コードとして登録するコード登録手段と、前記電子機器により入力された前記認証用コードと予め登録されている前記登録用コードとを照合するコード照合手段と、を有し、前記電子機器の前記認証コード照合手段は、前記照合した結果が一致した場合には前記電子機器に所定の動作を行わせ、前記サーバの前記コード照合手段は、前記照合した結果が一致した場合には前記電子機器の前記インターネット網への接続を許可することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、ボタンを押下するキーどうしの相対時間を測定して、特定のキーの相対押下時間の相対比による組み合わせを端末内で変換して認証コードを生成し、生成した認証コードに基づき認証する電子機器、電子機器の認証コード生成方法、電子機器の認証コード認証方法及び情報通信システムを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る携帯情報端末の外観図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る携帯情報端末の内部構成図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る、携帯電話端末に用いられる認証コードの設定方法を説明する図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る、携帯電話端末に用いられる認証コードの設定処理の流れを説明する図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る、携帯電話端末に用いられる認証コードの認証処理の流れを説明する図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る、携帯情報端末の外観図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る、携帯情報端末に用いられる認証コードの設定方法を説明する図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る、情報通信システムの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の好適な実施の形態について以下に図面を参照して詳細に説明する。以下に説明する実施の形態においては、本発明を携帯電話端末に適用した場合を例にして説明する。なお携帯電話端末を構成する技術については、特に限定しないかぎり公知の技術が適用可能であるため詳細な説明は省略する。
【0020】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話端末の外観図である。
【0021】
本携帯電話端末1は、送受信アンテナ2とキー操作部3と表示部4とスピーカ5とマイクロホン6と、を備えて構成される。
【0022】
送受信アンテナ2は、移動通信基地局と無線データの送受信を行う。送受信の方法については公知の技術が適用可能である。
【0023】
キー操作部3は、図1に示すように、例えば、上下左右の押下操作が可能ないわゆる十字キーや、幾つかのファンクションキー、および、0〜9の数字キーや*キー、#キーなどからなるいわゆるテンキー(数字キー、文字キー、記号キー)などを備えたものである。ファンクションキーやテンキーは、押下操作が可能なものである。これら各操作キーを通じて、本実施形態の携帯電話端末は、使用者(ユーザ)からの各種の指示入力を受け付けることができるようになっている。
【0024】
そして、キー操作部3に設けられた操作キーのうち、十字キー、ファンクションキー、テンキーの押下検出は、単に使用者からのオン/オフ操作(押下操作)を受け付けるだけのものではない。本実施形態の携帯電話端末において、各操作キーは、使用者からの押下操作を受け付けて、押下操作時の押下時間を検出することができるようになっている。
【0025】
そしてユーザが押下することにより、通話時のダイヤル操作を行うためのものである他、特に、本実施形態では、認証コード(登録用認証コード及び認証用認証コード)の入力を行うものである。
【0026】
表示部4は、文字、図形、記号、静止画像、動画像などの各種の画像情報を表示するためのLCD(Liquid Crystal Disply)やEL(エレクトロルミネッセンス)などであるが、これらに限定されることはなく、画像情報を表示できるものであれば公知の技術が適用可能である。本実施形態において、表示部4は、比較的に大きな表示画面のTFTカラー液晶ディスプレイ(Thin Film Ttansistor Color LiquiCrystal Display)である。
【0027】
そして、本実施形態の携帯電話端末は、インターネットに接続可能なものであり、インターネット上に提供されているいわゆるWebページや電子メールなどの画像情報についても表示部4に表示する。
【0028】
また表示部4は、登録用認証コードや認証用認証コード(以下パスワードとも記述するが同じものを示す)を入力するための認証コード入力画面を表示しても良い。また認証コードを入力する際に操作キー3を押下している時間を感覚的に示す棒グラフ等を各キー毎に表示させるようにしても良い。
【0029】
スピーカ5は、着信を通知する着信音や警告音を発生したり、音声を聞いたりするものである。
【0030】
マイクロホン6は、通話時の音声を出力する。
【0031】
また、本実施形態の携帯電話端末には、着信を通知するための振動部(バイブレータ)12(図示せず)が設けられている。バイブレータ12は着信時に振動することにより、着信を感触的に報知するものである。
【0032】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る、携帯電話端末の内部構成図である。
【0033】
本携帯電話端末1は、アンテナ2とキー操作部3と表示部4とスピーカ5とマイクロホン6と送受信部10と制御部11と振動部(バイブレータ)12と計測部13と記憶部14とを備えて構成されている。
【0034】
アンテナ2とキー操作部3と表示部4とスピーカ5とマイクロホン6とは、上述したのと同様であるので詳細は省略する。
【0035】
送受信部10は、アンテナ2を介して無線データの送受信処理を行い、無線データの変復調などを行うものである。
【0036】
制御部11は、本実施形態の携帯電話端末1全体を制御するCPU(Central Processing Unit)11aと例えば認証コードを設定するための制御プログラムが記憶されているROM(Read Only Memory)11bとRAM11cとを備える。
【0037】
例えばROM11bは、CPU11aで実行される制御プログラムや表示用のフォント等の必要となるデータが予め記憶されている。
【0038】
RAM11cは、主に作業領域として用いられ、CPU11aが制御プログラムを実行中に、必要に応じて演算途中のデータなどを記憶したり、制御部11と各部との間でやり取りするデータを一時記憶したりする場合に用いられる。
【0039】
例えば制御部11は、キー操作部3の各操作キー(数字、文字、記号など)に対応する各操作キーの押下時間の相対比との組合わせをコード化したものを登録用認証コードとして生成し、認証コードとして設定する。そして、制御部11は、キー操作部3により入力された認証コードと、記憶部14に記憶されている登録用認証コードとの一致または不一致を判定し、一致したときに動作のロックを解除して当該携帯電話端末の機能に対応した所定の動作を行わせる。
【0040】
振動部(バイブレータ)12は、着信時に振動することにより、着信を感触的に報知するものである。
【0041】
計測部13は、キー操作部3の操作キーが押下されたことを制御部11で検出した時に、押下されている時間の計測が開始され、押下が停止された時に、計測が終了して、押下されていた時間が算出される。そして、押下されていた操作キーに対応する数字、文字、記号などと当該操作キーの押下時間の相対時間との組合わせをコード化したものが上述した登録用認証コード及び認証コードとして設定される。
【0042】
また計測部13は、現在時刻、現在年月日、現在曜日などを提供するいわゆるカレンダ機能を備えるとともに、例えば、自己が有する水晶発振器を用いることによって、本携帯電話端末が必要とする各種のクロック信号やタイミング信号を形成することができるものである。
【0043】
そして計測部13が提供する基準クロック信号に基づいて、最初のパスワードを入力するための操作キーが押下されたタイミング(パスワードの入力開始時)を基準とし、パスワード入力のために各操作キーが押下操作されている時間を検出して、各操作キーの押下時間の相対比に基づいて相対時間情報をパスワードを構成する情報として用いる。
【0044】
このように各操作キーの押下時間の相対比を算出することにより、例えば、パスワードは、4桁程度の数字からなるものとすると、単に押下操作された操作キーに割り当てられている、例えば数字情報だけによりパスワードを構成するのではなく、パスワードを構成する数字を入力するために押下操作された各操作キー毎の押下時間、および、押下時間の相対比をもパスワードの構成要素として用いるようにすることで、パスワードの秘匿性を高くでき、パスワードが簡単に破られないように抑止する。
【0045】
また、人間の時間感覚は操作者によっても、同じ操作者でも日にちによっても変わる可能性が高いので、正確な時間でボタンを押下できるとは限らないため、認証成功率が低くなる恐れがあるという問題を解決することが可能である。
【0046】
記憶部14は、たとえばフラッシュROM(Flash Read Only Memory)又はRAM(Random ACCESS Memory)などで構成され、キー操作部3により入力された認証コード(登録用認証コード)をあらかじめ記憶する。
【0047】
また、図示しないが、制御部11は、外部インターフェース(以下、外部I/Fと略称する。)、入出力端子を備え、これらを介して、例えば、パーソナルコンピュータなどの外部機器との間で、データの送受信を行うことができるようになっている。
【0048】
また、本携帯電話端末は図示しないが、着脱可能である外部メモリのスロットを備え、装着された外部メモリからデータを読み出して制御部11に供給したり、制御部11からのデータを外部メモリに記録したりする、いわゆるリーダ/ライタとしての機能を有するものである。ここで、外部メモリは、例えばSDメモリカード(登録商標)であり、半導体メモリを利用した着脱可能な記憶媒体である。
【0049】
<認証コードの設定方法>
図3は、本発明の第1の実施形態に係る、携帯電話端末に用いられる認証コードの設定方法を説明する図である。
【0050】
図3を参照して、本携帯電話端末に用いられる認証コードの設定方法の詳細について説明する。
【0051】
キー操作部3の操作キーが押下されたことを制御部11で検出した時に、計測部13では、操作キーが押下されている時間の計測が開始され、押下が停止された時に、計測が終了して、押下されていた時間が算出される。
【0052】
そして認証コードの数(この例では、4つ)だけ、順番に操作キーが押下された時間を加算し、各操作キーが押下された相対比を算出する。なお認証コードの数は4つに限定されることはなく任意の数に設定可能である。なお、少なくとも2以上の操作キーの組合せであれば好適である。
【0053】
図3では、“キーA”が1秒、“キーB”が3秒、“キーC”が4秒、“キーD”が2秒、押下されたことになる。4つのキー押下時間の合計は10秒となるので、各キーが押下された時間の相対比は、A:B:C:D=1:3:4:2となる。
【0054】
なお本実施形態では、1つの認証コードの操作キーが押下されている時間だけを計測し、次の認証コードの操作キーを押下するまでの間の時間は計測しないものとする。このように操作キーを離している時間をカウント(計測)しないことにより、使用者によっては、操作キーを探すスピードが違うという問題や端末により操作キーの配列が違うために慣れ、不慣れによる操作キーを探すスピードが違うという問題を解決することができる。これによって、操作に不慣れな使用者であっても正しい認証コードを入力することが可能となる。
【0055】
そして、押下されていた操作キーに対応する数字、文字、記号などと当該操作キーの押下時間の相対比との組合わせをコード化したものが上述した登録用認証コード及び認証用認証コードとして設定される。なお従来のパスワードと同様に操作キーが押下された順番も認証コードの構成として適用される。この場合、図3で示す(1)コード15のような列びとなる(A*B***C****D*)。
【0056】
本実施形態では、操作キーの押下時間の相対比を用いているため、例えば図3の括弧に示すように、“キーA”が1.5秒、“キーB”が4.5秒、“キーC”が6秒、“キーD”が3秒、押下された場合でも、各キーが押下された時間の相対比は、A:B:C:D=1:3:4:2となり、認証コードA:B:C:Dの相対比が成立するため、認証されることになる。
【0057】
このように、時間感覚を補正するために正確な時間を表示するカウンタなどの装置がなく、例えば“1秒”という時間感覚が日時によって変わったとしても、相対比が成立すれば認証されることになるので、あえて時間感覚を補正するための正確な時間を表示するカウンタなどは認証画面に必要ないことになる。
【0058】
なお使用者に対して相対時間を分かり易くするために、表示部4に操作キー3を押下している長さを表す、例えば、棒グラフのような表示を各操作キー毎に表示させるようにしても良い。この時の表示方法としては、図3に示すような(2)コード:グループ16のような表示の方法などが挙げられるが、これに限定されることはなく使用者が視覚的に理解できる方法であれば良い。
【0059】
また操作キーの押下時間の相対比を用いれば、次のような使い方も可能である。例えば登録用認証コードが、“キーA”が1秒、“キーB”が3秒、“キーC”が4秒、“キーD”が2秒、押下されて設定されたとする。人前で認証用認証コードを入力しなければならない場合に、1回目は、“キーA”が1.5秒、“キーB”が4.5秒、“キーC”が6秒、“キーD”が3秒、押下されて認証される。次に2回目は、“キーA”が1秒、“キーB”が3秒、“キーC”が4秒、“キーD”が2秒、押下されて認証される。そして3回目は、“キーA”が2秒、“キーB”が6秒、“キーC”が8秒、“キーD”が4秒、押下されて認証されるとすると、押下される操作キー及び順番は、他人に見られてしまうが、押下している時間は1回目から3回目の全てにおいて違うので、他人に認証コードを知られてしまう可能性は低くなることになる。
【0060】
以上のように携帯電話端末などの操作キーの少ない電子機器であっても、操作キーと押下時間の相対比との組合せをコード化したものが登録用認証コード及び認証用認証コードとして設定されるので、各操作キー(数字、文字、記号など)の組合せよりも多くの組合せが可能となり電子機器のセキュリティが向上することになる。なお、操作キーとそれぞれの操作キーが押下された相対時間との組合せをコード化したものを登録用認証コード及び認証用認証コードとして設定しても良い。
【0061】
なお本実施形態では、従来のパスワードと同様に操作キーが押下された順番も認証コードの構成として適用される例を示して説明したが、これに限ることではなく、操作キーの押下順番は関係なく、押下された操作キーの種類と各操作キーの押下時間の相対比がグループとして一致すれば、認証するようにすることも可能である。この場合、上述した操作キーが押下された順番も認証コードの構成として適用するよりも認証コードの組合せは少なくなる。この場合、図3で示す(2)コード:グループ16のようなものとなる。
【0062】
<認証コードの登録の流れ>
図4は、本発明の第1の実施形態に係る、携帯電話端末に用いられる認証コードの設定処理の流れを説明する図である。
【0063】
最初に、認証コードの登録時の処理について説明する。本実施形態の携帯電話端末において、使用者が所定の操作を行うことにより、当該携帯電話端末を認証コードの登録モードに移行させることにより制御部11において実行される処理である。
【0064】
使用者により、認証コードの登録モードに移行されると、携帯電話端末の制御部11は、使用者からの認証コードの登録設定開始入力の待ち状態となる(ステップS1)。認証コードの設定開始入力がされたと判断した場合(ステップS1、YES)は、制御部11は、キー操作部3を通じて、例えば数字4桁の認証コードの入力を受け付ける(ステップS2)。認証コード設定開始入力がない場合には判断を繰り返す(ステップS1、NO)。
【0065】
そして、制御部11は、前述したように、計測部13からのサンプリング信号に基づいて、認証コード入力に係る各操作キーの押下時間を検出して計測し、その時間を記憶する(ステップS3)。次に、予め決められた所定数の認証コードの入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS4)。
【0066】
所定数の認証コードの入力を受け付けていない場合(ステップS4、NO)は、ステップS2からの処理を繰り返す。
【0067】
所定数の認証コードの入力を受け付けた場合(ステップS4、YES)は、制御部11は、各操作キーの押下時間の相対比を算出する(ステップS5)。そして、制御部11は、例えば数字4桁の入力情報と、押下時間の相対比と、の組合せをコード化したものを記憶する(ステップS6)。
【0068】
操作者が各操作キーを押下した順番どおりに、上記の記憶したコードを認証用コードとして、例えばフラッシュメモリ11bの該当エリアに登録し(ステップS7)、認証コードの登録処理を終了する。
【0069】
なお、認証コードの登録処理においては、各操作キーの押下時間の相対比を認証コードに含めて登録するものとして説明したが、これに限るものではない。例えば、複数回の認証コード入力を行った結果、各回において押下時間の相対比が、予め決められた所定の範囲内にある場合には、その値の平均値を規格化したものをコード化に用いるなど、種々の処理を行うようにすることができる。
【0070】
<認証コードの認証の流れ>
図5は、本発明の第1の実施形態に係る、携帯電話端末に用いられる認証コードの認証処理の流れを説明する図である。
【0071】
最初に、認証コードを用いた認証時の処理について説明する。本実施形態の携帯電話端末においては、例えば、端末に登録されている電話帳データを参照する時や、電子メールを参照する時においては、当該携帯電話端末の使用者か否かを確認するため、例えば、数字4桁の認証コードの入力を要求し、認証コードを用いた認証処理を行うための処理を実行する。
【0072】
まず、携帯電話端末の制御部11は、使用者からの認証コードの照合開始入力の待ち状態となる(ステップS10)。認証コードの照合開始入力がされたと判断した場合(ステップS10、YES)は、制御部11は、キー操作部3を通じて、例えば数字4桁の認証コードの入力を受け付ける(ステップS11)。
【0073】
そして、制御部11は、前述したように、また図4に示したステップS3の処理と同様にして、計測部13からのサンプリング信号に基づいて、認証コード入力に係る各操作キーの押下時間検出して計測し、その時間を記憶する(ステップS12)。次に、予め決められた所定数の認証コードの入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS13)。
【0074】
所定数の認証コードの入力を受け付けていない場合(ステップS13、NO)は、ステップS11からの処理を繰り返す。
【0075】
所定数の認証コードの入力を受け付けた場合(ステップS13、YES)は、制御部11は、各操作キーの押下時間の相対比を算出する(ステップS14)。そして、制御部11は、例えば数字4桁の入力情報と、押下時間の相対比と、の組合せをコード化したものを記憶する(ステップS15)。
【0076】
次に、制御部11は、各操作キーを押下した順番どおりに記憶した上記コードを認証コードとして、例えばフラッシュメモリ11bに登録された登録認証コードを読み出し、登録情報との照合を行う(ステップS16)。
【0077】
このステップS16においての照合は、前述したように登録認証コードとの関係において、入力された認証コードの押下時間の相対比が所定の範囲内に収まっている場合には、合致(一致)したものとみなすようにしている。
【0078】
そして、制御部11は、ステップS16においての照合結果が、登録認証コードとステップS11で受付を開始した入力認証コードとが合致したか否かを判断する(ステップS17)。
【0079】
登録認証コードと合致した場合(ステップS17、YES)は、認証がされたので、アクセス許可を出し、例えば電話帳データの参照や電子メールの参照など使用者が目的とする処理を実行する(ステップS18)。
【0080】
ステップS17の判断処理において、登録認証コードと合致していない場合(ステップS17、NO)は、例えば、認証コードが正確でないためにアクセスが許可できないことを報知するメッセージを表示するなどのアクセス不許可処理を実行する(ステップS19)。
【0081】
そして、制御部11は、使用者からの認証コードの再入力を行うか否かの確認入力を受け付けて、認証コードの再入力を行うか否かを判断する(ステップS20)。認証コードの再入力が指示されたと判断した場合に(ステップS20、YES)、制御部11は、ステップS11からの処理を繰り返し、認証コードの再度の入力を受け付けて、登録パスワードとの照合を行うようにする。
【0082】
認証コードの再入力が指示されていないと判断した場合(ステップS20、NO)は処理を終了する。この場合には、入力認証コードと登録認証コードの合致は確認されていないので、例えば電話帳データの参照や電子メールの参照など、目的とする処理は実行できないことになる。
【0083】
<本実施形態の作用効果>
以上のように、本発明の認証コード生成方法及び認証コード認証方法を認証処理に適用することにより携帯電話端末などの操作キーの少ない電子機器であっても、認証コードの多くの組合せが可能となり電子機器のセキュリティが向上することになる。
また、操作キーを離している時間をカウント(計測)しないことにより、使用者によっては、操作キーを探すスピードが違うという問題や端末により操作キーの配列が違うために慣れ、不慣れによる操作キーを探すスピードが違うという問題を解決することができ、操作に不慣れな使用者であっても正しい認証コードを入力することが可能となる。
【0084】
(第2の実施形態)
図6は、本発明の第2の実施形態に係る、携帯情報端末の外観図である。第1の実施形態と同様なものには同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0085】
本携帯情報端末20は、送受信アンテナ2(図示せず)と十字キー操作部3と表示部4とスピーカ5とマイクロホン6と、を備えて構成される。
【0086】
キー操作部3は、図6に示すように、例えば、上下左右の押下操作が可能ないわゆる十字操作キーを備えたものである。本実施形態においては、タッチパネル形式の操作キーとなっている。この操作キーを通じて、本実施形態の携帯情報端末は、使用者(ユーザ)からの各種の指示入力を受け付けることができるようになっている。
【0087】
そして、キー操作部3に設けられた十字操作キーの押下検出は、単に使用者からのオン/オフ操作(押下操作)を受け付けるだけのものではない。本実施形態の携帯情報端末において、十字操作キーは、使用者からの押下操作を受け付けて、押下操作時の押下時間を検出することができるようになっている。
【0088】
そしてユーザが押下することにより、特に、本実施形態では、認証コード(登録用認証コード及び認証用認証コード)の入力を行うものである。
【0089】
表示部4は、文字、図形、記号、静止画像、動画像などの各種の画像情報を表示するためのLCD(Liquid Crystal Disply)やEL(エレクトロルミネッセンス)などであるが、これらに限定されることはなく、画像情報を表示できるものであれば公知の技術が適用可能である。本実施形態において、表示部4は、端末全体を占めるほど大きな表示画面のTFTカラー液晶ディスプレイ(Thin Film Ttansistor Color LiquiCrystal Display)である。
【0090】
そして、本実施形態の携帯情報端末は、インターネットに接続可能なものであり、インターネット上に提供されているいわゆるWebページや電子メールなどの画像情報についても表示部4に表示する。
【0091】
また表示部4は、登録用認証コードや認証用認証コード(以下パスワードとも記述するが同じものを示す)を入力するための認証コード入力画面を表示しても良い。また認証コードを入力する際に操作キー3を押下している時間を感覚的に示す棒グラフ等を各キー毎に表示させるようにしても良い。この時の表示方法としては、図7に示すような(2)コード:グループ22のような表示方法などが挙げられるが、これに限定されることはなく使用者が視覚的に理解できる方法であれば良い。
【0092】
また、本実施形態の携帯情報端末には、着信を通知するための振動部(バイブレータ)12(図示せず)が設けられている。バイブレータ12は着信時に振動することにより、着信を感触的に報知するものである。
【0093】
なお本実施形態の携帯情報端末20の内部構成は、第1の実施形態および公知の携帯情報端末(例えばPDAなど)と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0094】
<認証コードの設定方法>
図7は、本発明の第2の実施形態に係る、携帯情報端末に用いられる認証コードの設定方法を説明する図である。
【0095】
図7及び図6を参照して、本携帯情報端末に用いられる認証コードの設定方法の詳細について説明する。
【0096】
キー操作部3の十字操作キーが押下されたことを制御部11で検出した時に、計測部13では、操作キーが押下されている時間の計測が開始され、押下が停止された時に、計測が終了して、押下されていた時間が算出される。
【0097】
そして認証コードの数(この例では、上下左右の4つ)だけ、順番に操作キーが押下された時間を加算し、各操作キーが押下された相対比を算出する。なお認証コードの数は4つに限定されることはなく任意の数に設定可能である。なお、少なくとも2以上の操作キーの組合せであれば好適である。
【0098】
図7では、“十字キー上”が1秒、“十字キー左”が3秒、“十字キー右”が4秒、“十字キー下”が2秒、押下されたことになる。4つのキー押下時間の合計は10秒となるので、各キーが押下された時間の相対比は、上:左:右:下=1:3:4:2となる。
【0099】
なお本実施形態では、1つの認証コードの操作キーが押下されている時間だけを計測し、次の認証コードの操作キーを押下するまでの間の時間は計測しないものとする。このように操作キーを離している時間をカウント(計測)しないことにより、使用者によっては、操作キーを探すスピードが違うという問題や端末により操作キーの配列が違うために慣れ、不慣れによる操作キーを探すスピードが違うという問題を解決することができる。これによって、操作に不慣れな使用者であっても正しい認証コードを入力することが可能となる。
【0100】
そして、押下されていた十字操作キーに対応する当該操作キーの押下時間の相対比との組合わせをコード化したものが上述した登録用認証コード及び認証用認証コードとして設定される。なお従来のパスワードと同様に操作キーが押下された順番も認証コードの構成として適用される。この場合、図7で示す(1)コード21のような列びとなる(上*左***右****下*)。となる。
【0101】
本実施形態では、操作キーの押下時間の相対比を用いているため、例えば図7の括弧に示すように、“十字キー上”が1.5秒、“十字キー左”が4.5秒、“十字キー右”が6秒、“十字キー下”が3秒、押下された場合でも、各キーが押下された時間の相対比は、上:左:右:下=1:3:4:2となり、認証コード上:左:右:下の相対比が成立するため、認証されることになる。
【0102】
このように、時間感覚を補正するために正確な時間を表示するカウンタなどの装置がなく、例えば“1秒”という時間感覚が日時によって変わったとしても、相対比が成立すれば認証されることになるので、あえて時間感覚を補正するための正確な時間を表示するカウンタなどは認証画面に必要ないことになる。
【0103】
なお使用者に対して相対時間を分かり易くするために、表示部4に操作キー3を押下している長さを表す、例えば、棒グラフのような表示を各操作キー毎に表示させるようにしても良い。この時の表示方法としては、図7に示すような(2)コード:グループ22のような表示の方法などが挙げられるが、これに限定されることはなく使用者が視覚的に理解できる方法であれば良い。
【0104】
また操作キーの押下時間の相対比を用いれば、次のような使い方も可能である。例えば登録用認証コードが、“十字キー上”が1秒、“十字キー左”が3秒、“十字キー右”が4秒、“十字キー下”が2秒、押下されて設定されたとする。人前で認証用認証コードを入力しなければならない場合に、1回目は、“十字キー上”が1.5秒、“十字キー左”が4.5秒、“十字キー右”が6秒、“十字キー下”が3秒、押下されて認証される。次に2回目は、“十字キー上”が1秒、“十字キー左”が3秒、“十字キー右”が4秒、“十字キー下”が2秒、押下されて認証される。そして3回目は、“十字キー上”が2秒、“十字キー左”が6秒、“十字キー右”が8秒、“十字キー下”が4秒、押下されて認証されるとすると、押下される操作キー及び順番は、他人に見られてしまうが、押下している時間は1回目から3回目の全てにおいて違うので、他人に認証コードを知られてしまう可能性は低くなることになる。
【0105】
なお本実施形態では、従来のパスワードと同様に操作キーが押下された順番も認証コードの構成として適用される例を示して説明したが、これに限ることではなく、操作キーの押下順番は関係なく、押下された操作キーの種類と各操作キーの押下時間の相対比がグループとして一致すれば、認証するようにすることも可能である。この場合、上述した操作キーが押下された順番も認証コードの構成として適用するよりも認証コードの組合せは少なくなる。この場合、図7で示す(2)コード:グループ22のようなものとなる。
【0106】
以上のように携帯情報端末などの十字操作キーだけの電子機器であっても、操作キーと押下時間の相対比との組合せをコード化したものが登録用認証コード及び認証用認証コードとして設定されるので、十字操作キーの組合せにおいても多くの組合せが可能となり電子機器のセキュリティが向上することになる。例えば、十字操作キーの電子機器としては、デジタルカメラ、携帯ゲーム機器、及び、家電機器としてはリモコンで操作するテレビ、エアコン、オーディオ、家庭用ゲーム機など、その他、将来的に認証コード(パスワード)を必要とするものに適用しても良い。なお、操作キーとそれぞれの操作キーが押下された相対時間との組合せをコード化したものを登録用認証コード及び認証用認証コードとして設定しても良い。
【0107】
なお本実施形態における、認証コードの登録の流れ、認証コードの設定処理、認証コードの認証の流れ、認証コードの認証処理については、第1の実施形態で説明したものと同様であるので詳細な説明は省略する。
【0108】
<本実施形態の作用効果>
以上のように、本発明の認証コード生成方法及び認証コード認証方法を認証処理に適用することにより携帯情報端末などの十字操作キーだけの電子機器であっても、認証コードの多くの組合せが可能となり電子機器のセキュリティが向上することになる。
また、操作キーを離している時間をカウント(計測)しないことにより、使用者によっては、操作キーを探すスピードが違うという問題や端末により操作キーの配列が違うために慣れ、不慣れによる操作キーを探すスピードが違うという問題を解決することができ、操作に不慣れな使用者であっても正しい認証コードを入力することが可能となる。
【0109】
(第3の実施形態)
図8は、本発明の第3の実施形態に係る、情報通信システムの概略構成図である。
【0110】
本情報通信システム30は、インターネット網40とインターネットサーバ41とローカルネットワーク50とアクセスサーバ51とパソコン52とパソコン53と、を備えて構成される。
【0111】
インターネット網40と、インターネットサーバ41は、公衆インターネット網と、それに接続している各種のインターネットサーバである。
【0112】
ローカルネットワーク50は、アクセスサーバ51と、パソコン(クライアント)52と、パソコン(クライアント)53と、からなる無線ネットワークを構成している。
【0113】
パソコン52とパソコン53は、無線通信を行うための無線LANカード52a、53aを備えている。この無線LANカード52a、53aの無線LAN機能は、無線通信規格、例えば、IEEE802.11b/a/g規格に準拠しているものである。
【0114】
アクセスサーバ51は、パソコン52と、パソコン53と、の間で、データの送受信を無線にて行うためのネットワーク形成手段としての無線LANアクセスポイント機能を備えている。
【0115】
この無線LANアクセスポイント機能により、アクセスサーバ51は、無線LANアクセスポイント部(図示せず)とパソコン52と、パソコン53と、の無線LANカード52aと、53aと、の間で無線接続し、データ通信を行うための通信経路を無線LANカード52a、53aとの間で確立してデータの送受信を行う。
【0116】
また、アクセスサーバ51は、無線LAN接続するパソコン52とパソコン53と、の識別情報などは予め登録してあるものとする。そしてパソコン52とパソコン53と、無線LANカード52aと53aと、には無線LANエリアで使用する暗号化キーなどの無線LAN設定情報を予め登録してあるものとする。
【0117】
もし上述の無線LAN設定に関係する情報が予め登録されていない場合には、一般的な無線LAN設定の方法により行うものとする。例えば、アクセスサーバ51は、無線LAN通信を行うために必要なWEPキーなどを無線LANカード52a、53aに対して配信する。そして上記の端末のMACアドレスやWEPキーなどのデータを登録する。なお、端末を特定できるデータであれば、MACアドレスに限定されることはない。
【0118】
このような本実施形態の情報通信システム30においては、様々な機能の設定、機能の利用、サービスの利用など、あらゆる場面に認証コード(パスワード)による認証が必要となる。例えば、パソコン52がインターネット網40に接続する時のアクセスサーバ51への接続やインターネット網40を介してのサービスを利用する時などである。この情報通信システムの認証処理に本発明の認証コード生成方法及び認証コード認証方法を適用する。
【0119】
例えば、クライアントをシンクライアント端末とし、アクセスサーバをサーバ装置とした場合、シンクライアント端末からサーバ装置への認証コード(パスワード)による認証にも適用できる。
【0120】
このように、本実施形態での認証コード(パスワード)を用いた認証処理を行うことによって、パソコンが不正に使用されて所有者が被害を被ったり、また、パソコンに記憶されている個人情報などが他人に漏れ、これが悪用されたりすることを抑止できるようになる。
【0121】
なお本実施形態における、認証コードの登録の流れ、認証コードの設定処理、認証コードの認証の流れ、認証コードの認証処理については、第1の実施形態及び第2の実施形態で説明したものと同様であるので詳細な説明は省略する。
<本実施形態の作用効果>
以上のように、本発明の認証コード生成方法及び認証コード認証方法を認証処理に適用することによりパソコンなどのキーボードを有する電子機器であっても、認証コードは、平仮名、片仮名又はアルファベットの文字キーや記号キーやファンクションキーなどとの多くの組合せが可能となり電子機器のセキュリティが向上することになる。
また、操作キーを離している時間をカウント(計測)しないことにより、使用者によっては、操作キーを探すスピードが違うという問題や端末により操作キーの配列が違うために慣れ、不慣れによる操作キーを探すスピードが違うという問題を解決することができ、操作に不慣れな使用者であっても正しい認証コードを入力することが可能となる。
【0122】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明してきたが、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0123】
電子機器は、上記実施形態の携帯電話端末に限らず、例えば、PDA(Personal Digital Assistants)やパーソナルコンピュータ(パソコン)、シンクライアント端末など、第三者による不正使用を回避する必要のあるものであれば良い。また、登録用認証証コード及び認証用認証コードの入力を行うためのキーは、数字キーに限定されず、電子機器が例えばパソコンである場合は、平仮名、片仮名又はアルファベットの文字キーでも良く、また、記号キーやファンクションキーでも良い。また、これらの操作キーから任意に選択して組み合わせた組合わせキーでも良い。また、上記実施形態の携帯電話端末の筐体は、一体型に限らず、折り畳み型、スライド型、又は回転型などでも良い。また、十字操作キーの電子機器としては、デジタルカメラ、携帯ゲーム機器、及び家電機器としてはリモコンで操作するテレビ、エアコン、オーディオ、家庭用ゲーム機などその他、将来的に認証コード(パスワード)を必要とするものに適用しても良い。本発明は、さらに金融機関、コンビニなどのATMやネットバンキングなどに用いられる認証コードの生成方法及び認証方法及びクラウドコンピューティングの認証コードの生成方法及び認証方法に適用することもできる。
【0124】
本発明に係る電子機器の前記押下時間計測手段は、前記各操作キーを押下している時間だけを計測することを特徴とする。
【0125】
また本発明に係る電子機器の前記符号化記憶手段は、押下された前記操作キーの順番と該操作キーに対応する押下時間の相対比との組合せをコード化することを特徴とする。
【0126】
また本発明に係る電子機器の前記符号化記憶手段は、押下された前記操作キーと該操作キーに対応する押下時間の相対比との組合せをコード化し、前記認証コード照合手段は、前記コード化されたコードの順番ではなく、該コードのグループが一致した場合に前記電子機器に所定の動作を行わせることを特徴とする。
【0127】
また本発明に係る電子機器は、前記各操作キーを押下している時間を示す棒グラフを該各操作キー毎に表示する表示手段を有することを特徴とする。
【0128】
本発明に係る電子機器の認証コード生成方法の前記押下時間計測工程は、前記各操作キーを押下している時間だけを計測することを特徴とする。
【0129】
また本発明に係る電子機器の認証コード生成方法の前記符号化記憶工程は、押下された前記操作キーの順番と該操作キーに対応する押下時間の相対比との組合せをコード化することを特徴とする。
【0130】
また本発明に係る電子機器の認証コード生成方法は、前記各操作キーを押下している時間を示す棒グラフを該各操作キー毎に表示する表示工程を有することを特徴とする。
【0131】
本発明に係る電子機器の認証コード認証方法の前記押下時間計測工程は、前記各操作キーを押下している時間だけを計測することを特徴とする。
【0132】
また本発明に係る電子機器の認証コード認証方法の前記符号化記憶工程は、押下された前記操作キーの順番と該操作キーに対応する押下時間の相対比との組合せをコード化することを特徴とする。
【0133】
また本発明に係る電子機器の認証コード認証方法の前記符号化記憶工程は、押下された前記操作キーと該操作キーに対応する押下時間の相対比との組合せをコード化し、前記認証コード照合工程は、前記コード化されたコードの順番ではなく、該コードのグループが一致した場合に前記電子機器に所定の動作を行わせることを特徴とする。
【0134】
また本発明に係る電子機器の認証コード認証方法は、前記各操作キーを押下している時間を示す棒グラフを該各操作キー毎に表示する表示工程を有することを特徴とする。
【0135】
また本発明に係る情報通信システムの前記押下時間計測手段は、前記各操作キーを押下している時間だけを計測することを特徴とする。
【0136】
また本発明に係る情報通信システムの前記符号化記憶手段は、押下された前記操作キーの順番と該操作キーに対応する押下時間の相対比との組合せをコード化することを特徴とする。
【0137】
また本発明に係る情報通信システムの前記符号化記憶手段は、押下された前記操作キーと該操作キーに対応する押下時間の相対比との組合せをコード化し、前記認証コード照合手段は、前記コード化されたコードの順番ではなく、該コードのグループが一致した場合に前記電子機器に所定の動作を行わせることを特徴とする。
【0138】
また本発明に係る情報通信システムは、前記各操作キーを押下している時間を示す棒グラフを該各操作キー毎に表示する表示手段を有することを特徴とする。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明によれば、電子機器、携帯電話端末、携帯情報端末、情報処理端末、情報処理装置、情報処理システム、リモコンで操作する家電機器などの用途に適用できる。
【符号の説明】
【0140】
1 携帯電話端末
2 送受信アンテナ
3 キー操作部
4 表示部
5 スピーカ
6 マイクロホン
10 送受信部
11 制御部
11a CPU
11b ROM
11c RAM
12 振動部(バイブレータ)
13 計測部
14 記憶部
20 携帯情報端末
30 情報通信システム
40 インターネット網
41 インターネットサーバ
50 ローカルネットワーク
51 アクセスサーバ
52、53 パソコン(クライアント)
52a、53a 無線LANカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各操作キーの組合せによる認証コードを入力することにより所定の動作を行わせることができる電子機器であって、
各操作キーの押下時間を計測する押下時間計測手段と、
計測した前記各操作キーの押下時間の相対比を算出する相対時間比算出手段と、
操作キーと該操作キーに対応する押下時間の相対比との組合せに基づいてコード化して記憶する符号化記憶手段と、
前記記憶したコードを登録用認証コード及び認証用認証コードとして登録する認証コード登録手段と、
前記各操作キーを押下することにより入力された前記認証用認証コードと予め登録されている前記登録用認証コードとを照合する認証コード照合手段と、
を有し、
前記認証コード照合手段は、前記照合した結果が一致した場合には前記電子機器に所定の動作を行わせることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記押下時間計測手段は、前記各操作キーを押下している時間だけを計測することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記符号化記憶手段は、押下された前記操作キーの順番と該操作キーに対応する押下時間の相対比との組合せをコード化することを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記符号化記憶手段は、押下された前記操作キーと該操作キーに対応する押下時間の相対比との組合せをコード化し、
前記認証コード照合手段は、前記コード化されたコードの順番ではなく、該コードのグループが一致した場合に前記電子機器に所定の動作を行わせることを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項5】
前記各操作キーを押下している時間を示す棒グラフを該各操作キー毎に表示する表示手段を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
操作キーの組合せによる認証コードを入力することにより所定の動作を行わせることができる電子機器であって、
少なくとも2以上の操作キーと該操作キーが押下された相対時間との組合せに基づいて生成される認証用認証コードと、
予め登録された登録用認証コードと、を照合し、
前記照合した結果が一致した場合には前記電子機器に所定の動作を行わせることを特徴とする電子機器。
【請求項7】
各操作キーの組合せによる認証コードを入力することにより所定の動作を行わせることができる電子機器の認証コード生成方法であって、
各操作キーの押下時間を計測する押下時間計測工程と、
計測した前記各操作キーの押下時間の相対比を算出する相対時間比算出工程と、
操作キーと該操作キーに対応する押下時間の相対比との組合せに基づいてコード化して記憶する符号化記憶工程と、
前記記憶したコードを登録用認証コード及び認証用認証コードとして登録する認証コード登録工程と、
を有することを特徴とする電子機器の認証コード生成方法。
【請求項8】
前記押下時間計測工程は、前記各操作キーを押下している時間だけを計測することを特徴とする請求項7に記載の電子機器の認証コード生成方法。
【請求項9】
前記符号化記憶工程は、押下された前記操作キーの順番と該操作キーに対応する押下時間の相対比との組合せをコード化することを特徴とする請求項7または8に記載の電子機器の認証コード生成方法。
【請求項10】
前記各操作キーを押下している時間を示す棒グラフを該各操作キー毎に表示する表示工程を有することを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の電子機器の認証コード生成方法。
【請求項11】
各操作キーの組合せによる認証コードを入力することにより所定の動作を行わせることができる電子機器の認証コード認証方法であって、
各操作キーの押下時間を計測する押下時間計測工程と、
計測した前記各操作キーの押下時間の相対比を算出する相対時間比算出工程と、
操作キーと該操作キーに対応する押下時間の相対比との組合せに基づいてコード化して記憶する符号化記憶工程と、
前記記憶したコードを登録用認証コード及び認証用認証コードとして登録する認証コード登録工程と、
前記各操作キーを押下することにより入力された前記認証用認証コードと予め登録されている前記登録用認証コードとを照合する認証コード照合工程と、
を有し、
前記認証コード照合工程は、前記照合した結果が一致した場合には前記電子機器に所定の動作を行わせることを特徴とする電子機器の認証コード認証方法。
【請求項12】
前記押下時間計測工程は、前記各操作キーを押下している時間だけを計測することを特徴とする請求項11に記載の電子機器の認証コード認証方法。
【請求項13】
前記符号化記憶工程は、押下された前記操作キーの順番と該操作キーに対応する押下時間の相対比との組合せをコード化することを特徴とする請求項11または12に記載の電子機器の認証コード認証方法。
【請求項14】
前記符号化記憶工程は、押下された前記操作キーと該操作キーに対応する押下時間の相対比との組合せをコード化し、
前記認証コード照合工程は、前記コード化されたコードの順番ではなく、該コードのグループが一致した場合に前記電子機器に所定の動作を行わせることを特徴とする請求項11または12に記載の電子機器の認証コード認証方法。
【請求項15】
前記各操作キーを押下している時間を示す棒グラフを該各操作キー毎に表示する表示工程を有することを特徴とする請求項11から14のいずれか1項に記載の電子機器の認証コード認証方法。
【請求項16】
操作キーの組合せによる認証コードを入力することにより所定の動作を行わせることができる電子機器の認証コード認証方法であって、
少なくとも2以上の操作キーと該操作キーが押下された相対時間との組合せに基づいて生成される認証用認証コードと、予め登録された登録用認証コードと、を照合する工程を有し、
前記照合工程により照合した結果が一致した場合には前記電子機器に所定の動作を行わせることを特徴とする電子機器の認証コード認証方法。
【請求項17】
インターネット網と該インターネットに接続するサーバと該サーバを介してインターネットに接続する電子機器とを備えた情報通信システムであって、
前記電子機器は、
各操作キーの押下時間を計測する押下時間計測手段と、
計測した前記各操作キーの押下時間の相対比を算出する相対時間比算出手段と、
操作キーと該操作キーに対応する押下時間の相対比との組合せに基づいてコード化して記憶する符号化記憶手段と、
前記記憶したコードを登録用認証コード及び認証用認証コードとして登録する認証コード登録手段と、
前記各操作キーを押下することにより入力された前記認証用認証コードと予め登録されている前記登録用認証コードとを照合する認証コード照合手段と、
を有し、
前記サーバは、
前記電子機器の符号化記憶手段により生成されたコードを前記登録用認証コード及び認証用コードとして登録するコード登録手段と、
前記電子機器により入力された前記認証用コードと予め登録されている前記登録用コードとを照合するコード照合手段と、
を有し、
前記電子機器の前記認証コード照合手段は、前記照合した結果が一致した場合には前記電子機器に所定の動作を行わせ、
前記サーバの前記コード照合手段は、前記照合した結果が一致した場合には前記電子機器の前記インターネット網への接続を許可することを特徴とする情報通信システム。
【請求項18】
前記押下時間計測手段は、前記各操作キーを押下している時間だけを計測することを特徴とする請求項17に記載の情報通信システム。
【請求項19】
前記符号化記憶手段は、押下された前記操作キーの順番と該操作キーに対応する押下時間の相対比との組合せをコード化することを特徴とする請求項17または18に記載の情報通信システム。
【請求項20】
前記符号化記憶手段は、押下された前記操作キーと該操作キーに対応する押下時間の相対比との組合せをコード化し、
前記認証コード照合手段は、前記コード化されたコードの順番ではなく、該コードのグループが一致した場合に前記電子機器に所定の動作を行わせることを特徴とする請求項17または18に記載の情報通信システム。
【請求項21】
前記各操作キーを押下している時間を示す棒グラフを該各操作キー毎に表示する表示手段を有することを特徴とする請求項17から20のいずれか1項に記載の情報通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−43291(P2012−43291A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−185376(P2010−185376)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】