説明

電子機器制御システム

【課題】RFIDを用いて電子機器の制御を行う電子機器制御システムにおいてユーザの利便性をより高める。
【解決手段】記憶手段(識別情報格納テーブル36a)は、ユーザにより携帯されたRFIDカード1のID情報と、電子機器4の識別情報と、を対応付けて記憶し、電子機器4が配置された部屋若しくは建物の出入口に設けられたRFID受信手段(リーダライタ2等)は、ユーザが携帯するRFIDカード1から発信されるID情報を受信し、抽出手段(抽出プログラム37a等)は、RFID受信手段によりID情報が受信された場合に、当該ID情報に対応付けられた電子機器4の識別情報を記憶手段から抽出し、電源制御手段(電源制御プログラム37c等)は、抽出手段により抽出された電子機器4の識別情報に基づいて、当該電子機器4に所定の制御信号を出力して当該電子機器4の電源オン/オフを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDを用いた電子機器制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、非接触型の識別技術であるRFID(Radio Frequency Identification)システムを利用して、電子機器の盗難防止や不正使用防止を図るシステムが提案されている。
例えば、特許文献1には、USBキーの抜き差し、もしくはRFタグを翳すといった簡単な行為で認証処理を行うことができ、液晶プロジェクタの盗難防止や、不正使用防止を図ることができる画像表示装置が開示されている。
また、例えば、特許文献2には、非接触IDタグに対して定周期読み取り及び操作時読み取りの動作を行い、非接触IDタグから返送されてくる信号から個人タグ情報を読み取りオペレータ個人を認識することにより、緊急性を要する操作において、ID認証のために行う操作による遅れを生じさせることなく、セキュリティ管理を行うことができる監視制御装置が開示されている。この監視制御装置では、さらに、非接触IDタグ(RFIDタグ)の個人タグ情報に基づいて、オペレータのモード(操作員モード、技術者モード、管理者モード)などの切り分けで操作可能範囲を限定することができ、また、非接触IDタグの個人タグ情報が認識できないときは、ロックモードとすることができる。
【特許文献1】特開2005−351996号公報
【特許文献2】特開2005−284349号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献2に開示された監視制御装置では、操作を許可された操作許可者のみが操作を行うことができる反面、操作許可者が電子機器の電源をオフし忘れて離席してしまう等して操作許可者がいない場合に、当該電子機器の電源をオフすることができず、使い勝手が悪いという問題があった。また、電子機器が電源オフである場合には、操作開始前に電源オン処理が必要となるため、電子機器によっては操作可能な状態になるまで時間がかかってしまうという問題があった。
【0004】
本発明の課題は、RFIDを用いて電子機器の制御を行う電子機器制御システムにおいて、ユーザの利便性をより高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、電子機器制御システムにおいて、ユーザにより携帯されたRFID付帯物のID情報と、電子機器の識別情報と、を対応付けて記憶する記憶手段と、
前記電子機器が配置された部屋若しくは建物の出入口に設けられ、ユーザが携帯するRFID付帯物から発信されるID情報を受信する第1RFID受信手段と、
前記第1RFID受信手段により前記ID情報が受信された場合に、当該ID情報に対応付けられた電子機器の識別情報を、前記記憶手段から抽出する抽出手段と、
前記第1RFID受信手段により前記ID情報が受信された場合に、入退場履歴に基づいて、前記ユーザが入場したか或いは退場したかを判断する判断手段と、
前記抽出手段により抽出された前記電子機器の識別情報に基づいて、前記判断手段により前記ユーザが入場したと判断された場合に、当該電子機器に電源オン信号を出力して当該電子機器の電源をオンさせるとともに、前記判断手段により前記ユーザが退場したと判断された場合に、当該電子機器における作業中のデータを所定のデータ記憶手段に記憶した後に、前記電子機器に電源オフ信号を出力して当該電子機器の電源をオフさせる電源制御手段と、
前記電子機器内部又は外部に設けられ、ユーザが携帯するRFID付帯物から発信されるID情報を受信する第2RFID受信手段と、
前記第2RFID受信手段により前記ID情報が受信された場合に、当該ID情報に基づいて、当該電子機器の操作を制限する制限手段と、
を備えることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、電子機器制御システムにおいて、ユーザにより携帯されたRFID付帯物のID情報と、電子機器の識別情報と、を対応付けて記憶する記憶手段と、
前記電子機器が配置された部屋若しくは建物の出入口に設けられ、ユーザが携帯するRFID付帯物から発信されるID情報を受信するRFID受信手段と、
前記RFID受信手段により前記ID情報が受信された場合に、当該ID情報に対応付けられた電子機器の識別情報を、前記記憶手段から抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された前記電子機器の識別情報に基づいて、当該電子機器に所定の制御信号を出力して当該電子機器の電源オン/オフを制御する電源制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の電子機器制御システムにおいて、前記RFID受信手段により前記ID情報が受信された場合に、入退場履歴に基づいて、前記ユーザが入場したか或いは退場したかを判断する判断手段を備え、
前記電源制御手段は、
前記判断手段により、前記ユーザが入場したと判断された場合に、前記電子機器に電源オン信号を出力して当該電子機器の電源をオンさせるとともに、前記判断手段により、前記ユーザが退場したと判断された場合に、前記電子機器に電源オフ信号を出力して当該電子機器の電源をオフさせることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の電子機器制御システムにおいて、前記電子機器内部又は外部に設けられ、ユーザが携帯するRFID付帯物から発信されるID情報を受信する第2RFID受信手段と
前記第2RFID受信手段により前記ID情報が受信された場合に、当該ID情報に基づいて、当該電子機器の操作を制限する制限手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、記憶手段により、ユーザにより携帯されたRFID付帯物のID情報と、電子機器の識別情報と、が対応付けて記憶され、電子機器が配置された部屋若しくは建物の出入口に設けられた第1RFID受信手段により、ユーザが携帯するRFID付帯物から発信されるID情報が受信され、抽出手段により、第1RFID受信手段によりID情報が受信された場合に、当該ID情報に対応付けられた電子機器の識別情報が記憶手段から抽出され、判断手段により、第1RFID受信手段によりID情報が受信された場合に、入退場履歴に基づいて、ユーザが入場したか或いは退場したかが判断される。また、電源制御手段により、判断手段によりユーザが入場したと判断された場合に、抽出手段により抽出された電子機器の識別情報に基づいて、当該電子機器に電源オン信号が出力されて当該電子機器の電源がオンされるとともに、判断手段によりユーザが退場したと判断された場合に、抽出手段により抽出された電子機器の識別情報に基づいて、電子機器に電源オフ信号が出力されて当該電子機器における作業中のデータが所定のデータ記憶手段に記憶された後に当該電子機器の電源がオフされる。
したがって、RFID付帯物を用いて電子機器の制御を行う電子機器制御システムにおいて、ユーザが入場すると電子機器の電源がオンされるとともに、ユーザが退場すると電子機器の電源がオフされることとなって、ユーザの利便性をより高めることができる。すなわち、ユーザが電子機器の電源をオフし忘れて退場した場合であっても、当該電子機器の電源をオフすることができ、また、ユーザが入場する際に、電子機器が電源オフ状態から操作可能な状態になるまで待機する時間を短縮できることとなって、電子機器の使い勝手を向上させることができる。
また、判断手段によりユーザが退場したと判断された場合に、電子機器における作業中のデータが所定のデータ記憶手段に記憶された後に電源オフされるので、作業中のデータの消失を防止することができる。
また、電子機器内部又は外部に設けられた第2RFID手段により、ユーザが携帯するRFID付帯物から発信されるID情報が受信され、制限手段により、第2RFID受信手段によりID情報が受信された場合に、当該ID情報に基づいて、当該電子機器の操作が制限される。したがって、正当な権限を有さない者の操作を制限することができることとなって、電子機器の不正使用を防止することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、記憶手段により、ユーザにより携帯されたRFID付帯物のID情報と、電子機器の識別情報と、が対応付けて記憶され、電子機器が配置された部屋若しくは建物の出入口に設けられたRFID受信手段により、ユーザが携帯するRFID付帯物から発信されるID情報が受信され、抽出手段により、RFID受信手段によりID情報が受信された場合に、当該ID情報に対応付けられた電子機器の識別情報が、記憶手段から抽出され、電源制御手段により、抽出手段により抽出された電子機器の識別情報に基づいて、当該電子機器に所定の制御信号が出力されて当該電子機器の電源オン/オフが制御される。
したがって、RFID付帯物を用いて電子機器の制御を行う電子機器制御システムにおいて、ユーザの入退場状況に応じて電子機器が電源オン/オフされることとなって、ユーザの利便性をより高めることができる。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の効果が得られるのは無論のこと、判断手段により、RFID受信手段によりID情報が受信された場合に、入退場履歴に基づいて、ユーザが入場したか或いは退場したかが判断され、電源制御手段により、判断手段により、ユーザが入場したと判断された場合に、電子機器に電源オン信号が出力されて当該電子機器の電源がオンされるとともに、判断手段により、ユーザが退場したと判断された場合に、電子機器に電源オフ信号が出力されて当該電子機器の電源がオフされる。
したがって、RFID付帯物を用いて電子機器の制御を行う電子機器制御システムにおいて、ユーザが入場すると電子機器の電源がオンされることとなるとともに、ユーザが退場すると電子機器の電源がオフされることとなって、ユーザの入場或いは退場に応じて、電子機器の電源を制御することができる電子機器制御システムを提供することができる。すなわち、ユーザが電子機器の電源をオフし忘れて退場した場合であっても、当該電子機器の電源をオフすることができ、また、ユーザが入場する際に、電子機器が電源オフ状態から操作可能な状態になるまで待機する時間を短縮できることとなって、電子機器の使い勝手を向上させることができる。
また、判断手段によりユーザが退場したと判断された場合に、電子機器における作業中のデータが所定のデータ記憶手段に記憶された後に電源オフされるので、作業中のデータの消失を防止することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、請求項2又は3に記載の発明の効果が得られるのは無論のこと、電子機器内部又は外部に設けられた第2RFID受信手段により、ユーザが携帯するRFID付帯物から発信されるID情報が受信され、制限手段により、第2RFID受信手段によりID情報が受信された場合に、当該ID情報に基づいて、当該電子機器の操作が制限される。
したがって、正当な権限を有さない者の操作を制限することができることとなって、電子機器の不正使用を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
【0014】
まず、本発明に係る電子機器制御システム100について、図1を参照しながら説明する。
本実施形態の電子機器制御システム100は、図1に示すように、RFID(Radio frequency Identification)付帯物としてのRFIDカード1、リーダライタ(第1RFID受信手段、RFID受信手段)2、管理装置3、電子機器4等を備えて構成されている。電子機器4は、例えば、PC(Personal Computer)41、PC42、プリンタ43、照明装置44等であり、それぞれが、管理装置3と無線接続又は有線接続されている。また、RFIDカード1とリーダライタ2は、非接触方式で無線接続されており、リーダライタ2は、管理装置3とケーブルCにより接続されている。
この電子機器制御システム100では、ユーザが携帯するRFIDカード1のID情報を、電子機器4が配置された部屋又は建物の出入口に配置されたリーダライタ2により読み取り、管理装置3において、ユーザが出入口から入場したのか或いは退場したのかを判断し、読み取ったID情報に対応付けられた電子機器4の識別情報に基づいて、ユーザが入場した場合には当該電子機器4を電源オンさせ、また、ユーザが退場した場合には当該電子機器4を電源オフさせる。
このような電子機器制御システム100によれば、ユーザが入場すると電子機器4の電源がオンされるとともに、ユーザが退場すると電子機器4の電源がオフされることとなって、ユーザの利便性をより高めた電子機器制御システム100を提供することができる。すなわち、ユーザが電子機器4の電源をオフし忘れて退場した場合であっても、当該電子機器4の電源をオフすることができ、また、ユーザが入場する際に、電子機器4が電源オフ状態から操作可能な状態になるまで待機する時間を短縮できることとなって、電子機器4の使い勝手を向上させることができる。
また、電子機器4に設けられたRFIDリーダ41b、42b、43b、44bにより、ユーザが携帯するRFIDカード1のID情報が読み取られ、読み取られたID情報に基づいて、電子機器4の操作が制限される。これにより、正当な権限を有さない者の操作を制限することができることとなって、電子機器4の不正使用を防止することができる。
【0015】
(RFIDカードの構成)
まず、RFIDカード1の構成について説明する。
RFIDカード1は、不揮発性のメモリ15(例えば、EEP−ROM等)と制御回路14とからなるICチップと超小型アンテナ11を内蔵したカードであり、リーダライタ2により非接触方式での電子情報の読み取り及び書き込みを可能とするものである。具体的には、RFIDカード1は、アンテナ11、送受信回路12、電源回路13、制御回路14、メモリ15等を備えて構成されている。
【0016】
アンテナ11は、コイルアンテナを備え、リーダライタ2から送信された電波信号を受信し、受信した信号を送受信回路12に出力する。また、送受信回路12からの入力信号をリーダライタ2に送信する。
送受信回路12は、アンテナ11からの入力信号を復調して制御回路14に出力する。また、制御回路14からの入力信号を変調増幅し、アンテナ11に出力する。
電源回路13は、アンテナ11を介してリーダライタ2から受信した電波を電圧に変換し、RFIDカード1の各部の電源供給を行う。
制御回路14は、送受信回路12からの入力信号に応じて、メモリ15への情報の書き込み動作を行う。また、制御回路14は、メモリ15に記録された情報の読み出しを行い、読み出した情報(信号)の変調増幅を指示する信号を送受信回路12に出力する。
メモリ15は、当該RFIDカード1に固有のID情報を記憶している。
【0017】
(リーダライタの構成)
次に、リーダライタ2の構成について説明する。
リーダライタ2は、アンテナ21、送受信回路22、制御回路23、I/F(Interface)24等を備えて成り、電子機器4が配置された部屋若しくは建物の出入口に配設されている。
【0018】
アンテナ21は、RFIDカード1から発信された電波信号を受信し、受信した信号を送受信回路22に出力する。また、送受信回路22からの入力信号をRFIDカード1に送信する。
送受信回路22は、アンテナ21からの入力信号を復調して制御回路23に出力する。また、制御回路23からの入力信号を変調増幅し、アンテナ21に出力する。
制御回路23は、送受信回路22からの入力信号を管理装置3に送信するよう指示する指示信号をI/F24に出力する。また、I/F24を介して管理装置3から入力されたRFIDカード1に送信する信号の変調増幅を指示する信号を送受信回路22に出力する。
I/F24は、管理装置3と情報の送受信を行うためのインターフェースであり、RFIDカード1から受信したID情報のデータを、ケーブルCを介して管理装置3に送信するとともに、管理装置3から送信される各種制御信号を受信する。
【0019】
(電子機器の構成)
次に、電子機器4の構成について説明する。電子機器4は、PC(Personal Computer)41、PC42、プリンタ43、照明装置44等であり、それぞれに、各電子機器4固有の識別情報が割り当てられている。
具体的には、PC41は、例えば、I/F41a、RFIDリーダ(第2RFID受信手段)41b、制御部41c、電源部41d、メモリ(所定のデータ記憶手段)41e等を備えて構成されており、「A01」の識別情報が割り当てられている。また、PC42は、例えば、PC41と同様、I/F42a、RFIDリーダ(第2RFID受信手段)42b、制御部42c、電源部42d、メモリ(所定のデータ記憶手段)42e等を備えて構成されており、「A02」の識別情報が割り当てられている。また、プリンタ43は、例えば、I/F43a、RFIDリーダ(第2RFID受信手段)43b、制御部43c、電源部43d等を備えて構成され、「B01」の識別情報が割り当てられている。さらに、照明装置44は、例えば、I/F44a、RFIDリーダ(第2RFID受信手段)44b、制御部44c、電源部44d等を備えて構成され、「C11」の識別情報が割り当てられている。
これらのPC41、PC42、プリンタ43、照明装置44に備わるI/F41a、42a、43a、44aは、管理装置3と情報の送受信を行うためのインターフェースであり、RFIDカード1から受信したID情報のデータを管理装置3に送信するとともに、管理装置3から送信される各種制御信号を受信する。
また、PC41、PC42、プリンタ43、照明装置44に備わるRFIDリーダ41b、42b、43b、44bは、各電子機器4の内部又は外部に配設されており、図示は省略するものの、アンテナ、送受信回路、制御回路等を備え、制御部の制御に応じて、ユーザの携帯するRFIDカード1のメモリに記憶されたID情報を読み取り、読み取ったID情報をI/F41a、42a、43a、44aにより管理装置3に送信する。
PC41、PC42、プリンタ43、照明装置44に備わる電源部41d、42d、43d、44dは、例えば、図示しない電源コードを介して商用交流電源から供給された交流電圧を、所定の電圧値の直流電圧VCC、VDDに変換し、制御部41c、42c、43c、44cに出力する。当該電源部41d、42d、43d、44dは、制御部41c、42c、43c、44cから出力される電源オンを命ずる制御信号を受信すると、商用交流電源からの電源供給を有効化して各部への電源供給を行い、電源オン状態に移行する。また、電源オフを命ずる制御信号を受信すると、商用交流電源からの電源供給を無効化して各部への電源供給を断ち、電源オフ状態に移行する。
PC41、42に備わるメモリ41e、42eは、後述する電源制御プログラム37cの実行に際して、PC41、42における作業中のデータが格納される記憶領域である。
【0020】
(管理装置の構成)
次に、管理装置3の構成について説明する。
管理装置3は、I/F31、入力部32、表示部33、CPU (Central Processing Unit) 34、RAM (Random Access Memory) 35、記憶部36、ROM(Read Only Memory)37等を備えて構成されている。
【0021】
I/F31は、リーダライタ2及び電子機器4と情報の送受信を行うためのインターフェースであり、リーダライタ2から入力されたRFIDカード1のID情報を受信するとともに、リーダライタ2及び電子機器4のそれぞれに、各種制御信号を送信する。
【0022】
入力部32は、キーボードの他、マウス、タッチペンなどのポインティングデバイスを備えている。
【0023】
表示部33は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイ(図示省略)を備えて構成され、CPU34から表示指示された各種データを表示する。
【0024】
CPU34は、記憶部36に格納されているシステムプログラムや、入力部32から入力される各種データをRAM35に格納し、この指示及び入力データに応じてRAM35内に格納されたシステムプログラムに従って各種処理を実行し、その処理結果をRAM35に一時的に格納するとともに、処理結果を表示部33に送信する。
【0025】
RAM35は、CPU34によって実行される各種プログラムやこれら各種プログラムによって処理されたデータ等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0026】
記憶部36は、例えば、RFIDカード1のID情報と、電子機器4の識別情報とを対応付けて記憶する識別情報格納テーブル36aと、ユーザの入退場履歴を記憶する入退場管理テーブル36bと、電子機器4毎に、操作が許可されるRFIDカード1のID情報を記憶する許可IDテーブル36cと、を備えて構成されている。ここで、記録媒体は光学的なものの他、磁気的、もしくは半導体メモリ等で構成しても良い。また、記録媒体は、記憶部36に固定的に設けたもの(例えば、磁気テープ、ハードディスク等)でも良く、着脱自在に設けたもの(例えば、FDD、MO、LD、DVD、ZIP等)であっても良い。
【0027】
図2は、記憶部36に格納された識別情報格納テーブル36aを例示する図である。
図2に示すように、識別情報格納テーブル36aは、各RFIDカード1に固有のID情報と、電子機器4の識別情報と、を対応付けて記憶しており、記憶手段として機能する。例えば、「0001」のID情報に対応づけられた電子機器4の識別情報は「A01」「B01」「C11」である。また、「0002」のID情報に対応づけられた電子機器4の識別情報は「A02」「C11」である。さらに、「0003」のID情報に対応付けられた電子機器4の識別情報は「B01」「C11」である。
【0028】
図3は、記憶部36に格納された入退場管理テーブル(入退場履歴)36bを例示する図である。
図3に示すように、入退場管理テーブル36bは、RFIDカード1を携帯する各ユーザの入場時刻及び退場時刻を、当該RFIDカード1のID情報と対応づけて記録することにより、それぞれのユーザの入退場履歴を記録している。すなわち、この入退場管理テーブル36bによれば、例えば、ID情報が「0001」の項目には入場時刻又は退場時刻の何れも記憶されていないため、当該ID情報「0001」が割り当てられたRFIDカード1を携帯するユーザは、未だ入場していないこととなる。また、ID情報が「0002」の項目における最新の記録は入場時刻(1回目)であるため、当該ID情報「0002」が割り当てられたRFIDカード1を携帯するユーザは、1回目に入場した後に、未だ退場していないこととなる。また、ID情報が「0003」の項目における最新の記録は退場時刻(1回目)であるため、当該ID情報「0003」が割り当てられたRFIDカード1を携帯するユーザは、1回目に退場した後に、未だ入場していないこととなる。
この入退場管理テーブル36bは、例えば、毎日所定の時刻にデータがクリアされるようになっている。なお、長期間のデータを記憶できるようになっていても良く、その場合には、出退勤記録等としても用いることができる。
【0029】
図4は、記憶部36に格納された許可IDテーブル36cを例示する図である。
図4に示すように、許可IDテーブル36cは、電子機器4毎に、その電子機器4の操作が可能なユーザに配布されるRFIDカード1のID情報を割り当てて記憶している。すなわち、例えば、電子機器4の識別情報が「A01」の項目に割り当てられたRFIDカード1のID情報は「0001」のみであるため、PC41を制限されずに操作可能なユーザは、ID情報が「0001」のRFIDカード1を携帯するユーザのみとなる。また、例えば、電子機器4の識別情報が「C11」の項目に割り当てられたRFIDカード1のID情報は「0001」「0002」「0003」であるため、照明装置44を制限されずに操作可能なユーザは、ID情報が「0001」「0002」「0003」のRFIDカード1を携帯するユーザである。
【0030】
ROM37は、抽出プログラム37a、判断プログラム37b、電源制御プログラム37c、操作制限プログラム37d等の制御プログラムを記憶している。
【0031】
抽出プログラム37aは、例えば、CPU34に、リーダライタ2によりID情報が受信された場合に、当該ID情報に対応付けられた電子機器4の識別情報を、識別情報格納テーブル36aから抽出する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU34は、リーダライタ2においてRFIDカード1から発信されるID情報が受信され、リーダライタ2からケーブルCを介して送信されるID情報を受信すると、記憶部36に格納された識別情報格納テーブル36aを読み出して、当該識別情報格納テーブル36aの中から、リーダライタ2から送信された当該ID情報に対応付けられた電子機器4の識別情報を抽出する。
例えば、図2に例示した識別情報格納テーブル36aの中から、リーダライタ2から送信されたID情報に対応付けられた電子機器4の識別情報を抽出する場合、送信されたID情報が「0002」である場合には、CPU34は、「A02」「C11」の識別情報を抽出することとなる。
CPU34は、かかる抽出プログラム37aを実行することにより、抽出手段として機能する。
【0032】
判断プログラム37bは、例えば、CPU34に、リーダライタ2によりID情報が受信された場合に、入退場管理テーブル36bに基づいてユーザが入場したか或いは退場したかを判断する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU34は、リーダライタ2において、RFIDカード1から発信されるID情報が受信され、リーダライタ2からケーブルCを介して送信されたID情報を受信すると、リーダライタ2から送信された当該ID情報に基づいて、記憶部36に格納された入退場管理テーブル36bを参照し、当該ID情報を記憶するRFIDカード1を携帯するユーザが出入口から入場したか、或いは、退場したかを判断する。入場したか或いは退場したかの判断は、判断プログラム37bの実行時における入退場管理テーブル36bに記録された当該ユーザの入退場履歴に基づいて行われ、CPU34は、入退場管理テーブル36bに入場時刻と退場時刻の何れも記録されていない場合には、ユーザが「入場した(1回目)」と判断する。一方、CPU34は、入退場管理テーブル36bにおける最新の記録が入場時刻である場合には、ユーザが「退場した」と判断し、入退場管理テーブル36bにおける最新の記録が退場時刻である場合には、ユーザが「入場した」と判断する。
すなわち、例えば、ID情報が「0001」の項目には、入場時刻と退場時刻の何れも記録されていないため、当該ID情報「0001」が割り当てられたRFIDカード1を携帯するユーザは、出入口を通過する時点までは未だ入場しておらず、よって、「入場した(1回目)」と判断されることとなる。また、例えば、ID情報が「0002」の項目における最新の記録が1回目の入場時刻である場合には、当該ID情報「0002」が割り当てられたRFIDカード1を携帯するユーザは、「退場した(1回目)」と判断されることとなる。また、ID情報が「0003」の項目における最新の記録が1回目の退場時刻である場合には、当該ID情報「0003」が割り当てられたRFIDカード1を携帯するユーザは、「入場した(2回目)」と判断されることとなる。
CPU34は、かかる判断プログラム37bを実行することにより、判断手段として機能する。
【0033】
電源制御プログラム37cは、例えば、CPU34に、判断プログラム37bの実行によりユーザが入場したと判断された場合に、抽出プログラム37aの実行により抽出された電子機器4の識別情報に基づいて、当該電子機器4に電源オン信号(所定の制御信号)を出力して当該電子機器4の電源をオンさせるとともに、判断プログラム37bの実行によりユーザが退場したと判断された場合に、抽出プログラム37aの実行により抽出された電子機器4の識別情報に基づいて、当該電子機器4に電源オフ信号(所定の制御信号)を出力して当該電子機器4における作業中のデータをメモリに記憶した後に、当該電子機器4の電源をオフさせる機能を実現させるためのプログラムである。
CPU34は、かかる電源制御プログラム37cを実行することにより、電源制御手段として機能する。
【0034】
当該電源制御プログラム37cの実行におけるCPU34の処理について具体的に説明する。
例えば、リーダライタ2からケーブルCを介して送信されたID情報が「0001」である場合、CPU34は、前述した抽出プログラム37aの実行により、識別情報格納テーブル36aを参照して、当該ID情報に対応付けられて記憶された電子機器4の識別情報「A01」「B01」「C11」を抽出する。そして、CPU34は、前述した判断プログラム37bの実行により、入退場管理テーブル36bを参照して、ID情報「0001」の項目に入場時刻と退場時刻の何れも記憶されていないことを読み出し、当該ID情報「0001」が割り当てられたRFIDカード1を携帯するユーザはリーダライタ2を通過する時点までは入場していなかったことから、「入場した(1回目)」と判断すると、「入場した」と判断した時刻を1回目の入場時刻として入退場管理テーブル36bに記録する。さらに、当該ID情報「0001」に対応付けられた識別情報「A01」「B01」「C11」が割り当てられた電子機器4(すなわち、PC41、プリンタ43、照明装置44)のそれぞれに、電源オン信号を出力して、各電子機器4の電源をオンさせる。
また、例えば、リーダライタ2からケーブルCを介して送信されたID情報が「0002」である場合、CPU34は、抽出プログラム37aの実行により、識別情報格納テーブル36aを参照して、当該ID情報に対応付けられて記憶された電子機器4の識別情報「A02」「C11」を抽出する。そして、CPU34は、判断プログラム37bの実行により、入退場管理テーブル36bを参照して、ID情報「0002」の項目における最新の記録が1回目の入場時刻であることを読み出し、当該ID情報「0002」が割り当てられたRFIDカード1を携帯するユーザはリーダライタ2を通過する時点までは入場(1回目)後、退場していなかったことから、「退場した(1回目)」と判断すると、「退場した」と判断した時刻を1回目の退場時刻として入退場管理テーブル36bに記録する。次に、CPU34は、当該ID情報「0002」に対応付けられた識別情報「A02」「C11」が割り当てられた電子機器4(すなわち、PC42、照明装置44)のうち、複数のユーザに共用される電子機器4(例えば、照明装置44)について、当該電子機器4を操作可能な他のユーザが全員退場済みであるか否かを入退場管理テーブル36bに基づいて判断する。そして、CPU34は、複数のユーザに共用され、操作可能な他のユーザが全員退場済みであると判断された電子機器4と、一人のユーザのみが操作可能な電子機器4(例えば、PC42)のそれぞれに、電源をオフさせるための電源オフ信号を出力して、各電子機器4における作業中のデータを電源オフ直前の状態をメモリ(例えば、42e)に保存させた後に、各電子機器4の電源をオフさせる。また、CPU34は、複数のユーザに共用される電子機器4について、当該電子機器4を操作可能な他のユーザが全員退場済みでないと判断された場合には、当該電子機器4の電源をオンのままとする。これにより、複数のユーザに共用される電子機器4が、ある一人のユーザの退場によって、他のユーザが退場していないにも関わらず電源オフされるのを防止することができる。
さらに、例えば、リーダライタ2からケーブルCを介して送信されたID情報が「0003」である場合、CPU34は、抽出プログラム37aの実行により、識別情報格納テーブル36aを参照して、当該ID情報に対応づけられて記憶された電子機器4の識別情報「B02」「C11」を抽出する。そして、CPU34は、判断プログラム37bの実行により、入退場管理テーブル36bを参照して、ID情報「0003」の項目における最新の記録が1回目の退場時刻であることを読み出し、当該ID情報「0003」が割り当てられたRFIDカード1を携帯するユーザはリーダライタ2を通行する時点までは退場(1回目)後、入場していなかったことから、「入場した(2回目)」と判断すると、「入場した」と判断した時刻を2回目の入場時刻として入退場管理テーブル36bに記録する。さらに、CPU34は、当該ID情報「0003」に対応付けられた識別情報「B02」「C11」が割り当てられた電子機器4(すなわち、プリンタ43、照明装置44)のそれぞれに、電源オン信号を出力して、各電子機器4の電源をオンさせる。
【0035】
操作制限プログラム37dは、例えば、CPU34に、電子機器4のRFIDリーダ41a、42a、43a、44aによりID情報が受信された場合に、当該ID情報に基づいて、電子機器4の操作を制限する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU34は、各電子機器4に備わるRFIDリーダ41a、42a、43a、44aにより、ユーザの携帯するRFIDカード1のメモリ15に記憶されたID情報が読み取られ、当該ID情報を電子機器4から受信すると、記憶部36に格納された許可IDテーブル36cを参照して、ID情報を送信した電子機器4を操作可能なID情報を読み出す。そして、読み出したID情報に基づいて、電子機器4から送信されたID情報が、許可IDテーブル36cに操作可能なID情報として記憶されているか否かを判断する。CPU34は、電子機器4から送信されたID情報が許可IDテーブル36cに操作可能なID情報として記憶されている場合には、当該電子機器4を操作可能と判断する。一方、電子機器4から送信されたID情報が許可IDテーブル36cに操作可能なID情報として記憶されていない場合には、当該電子機器4を操作不許可と判断し、ユーザの操作を制限するための制御信号をその電子機器4に出力して、ユーザの操作を制限する処理を実行させる。
CPU34は、かかる操作制限プログラム37dを実行することにより、制限手段として機能する。
【0036】
当該操作制限プログラム37dの実行におけるCPU34の処理について、より具体的に説明する。
例えば、電子機器4の識別情報が「A01」であるPC41のRFIDリーダ41aにおいて、ユーザの携帯するRFIDカード1からID情報が読み取られ、当該ID情報が管理装置3に送信されると、CPU34は、許可IDテーブル36cを参照してPC41を操作可能なID情報「0001」を読み出す。そして、PC41から送信されたID情報が、許可IDテーブル36cに操作可能なID情報として記憶されているか否かを判断する。例えば、PC41から送信されたID情報が「0001」である場合には、CPU34は、電子機器4から送信されたID情報は許可IDテーブル36cに操作可能なID情報として記憶されていると判断する。一方、PC41から送信されたID情報が「0002」である場合には、CPU34は、電子機器4から送信されたID情報は許可IDテーブル36cに操作可能なID情報として記憶されていないと判断し、当該PC41の操作を制限するよう指示する制御信号をPC41に出力して、PC41において、ユーザの操作を制限する処理を実行させる。
ここで、電子機器4における操作を制限する処理とは、電子機器4における全ての操作を制限する方法であっても良いし、特定の操作(例えば、電源オフ操作)だけを制限する方法であっても良い。また、操作を制限する範囲を電子機器4別、或いは、ID情報別に記憶したテーブルを記憶し、このテーブルに基づいて操作を制限する方法を採用しても良い。
【0037】
次に、図5のフローチャートを参照しながら、CPU34により実行される電源オン/オフ制御処理について説明する。本処理は、管理装置3のCPU34が、抽出プログラム37a、判断プログラム37b、電源制御プログラム37c等を実行することにより行われる。
【0038】
ステップS1において、リーダライタ2により、ユーザが携帯するRFIDカード1から発信されるID情報が受信され、管理装置3において、リーダライタ2からケーブルCを介して送信されたID情報を受信すると、CPU34は、ステップS2において、記憶部36に格納された識別情報格納テーブル36aを参照して、当該識別情報格納テーブル36aの中から、リーダライタ2から送信されたID情報に対応付けられた電子機器4の識別情報を抽出する。
次に、ステップS3において、CPU34は、リーダライタ2から送信された当該ID情報に基づいて、記憶部36に格納された入退場管理テーブル36bを参照して、当該入退場管理テーブル36bに、当該ID情報が割り当てられたRFIDカード1を携帯するユーザの入場時刻又は退場時刻の何れかが記録されているか否かを判断する。CPU34は、ステップS3において、入場時刻又は退場時刻の何れも記録されていないと判断すると(ステップS3;No)、ステップS5に進み、一方、入場時刻又は退場時刻の何れかが記録されていると判断すると(ステップS3;Yes)、ステップS4において、入退場管理テーブル36bにおける最新の記録が入場時刻であるか否かを判断する。CPU34は、ステップS4において、入退場管理テーブル36bにおける最新の記録が入場時刻でないと判断すると(ステップS4;No)、ステップS5において、ユーザが「入場した」と判断し、入退場管理テーブル36bに入場時刻を記録する。さらに、ステップS6において、CPU34は、リーダライタ2から送信されたID情報に対応付けられた識別情報が割り当てられた電子機器4のそれぞれに、電源オン信号を出力して、各電子機器4の電源をオンさせ、本処理を終了する。
【0039】
一方、CPU34は、ステップS4において、入退場管理テーブル36bにおける最新の記録が入場時刻であると判断すると(ステップS4;Yes)、ステップS7において、ユーザが「退場した」と判断し、入退場管理テーブル36bに退場時刻を記録する。
次に、ステップS8において、CPU34は、リーダライタ2から送信されたID情報に対応付けられた識別情報が割り当てられた電子機器4のうち、複数のユーザに共用される電子機器4が有るか否かを判断する。CPU34は、ステップS8において、複数のユーザに共用される電子機器4が無いと判断すると(ステップS8;No)、ステップS11に進み、一方、複数のユーザに共用される電子機器4が有ると判断すると(ステップS8;Yes)、ステップS9において、当該複数のユーザに共用される電子機器4を操作可能な他のユーザが全員退場済みであるか否かを入退場管理テーブル36bに基づいて判断する。CPU34は、ステップS9において、複数のユーザに共用される電子機器4を操作可能な他のユーザが全員退場済みでないと判断すると(ステップS9;No)、ステップS10において、リーダライタ2から送信されたID情報に対応付けられた識別情報が割り当てられた電子機器4のうち、一人のユーザのみが操作可能な電子機器4のそれぞれに、電源オフ信号を出力して、各電子機器4における作業中のデータをメモリ(例えば、41e、42e)に保存させた後に、各電子機器4の電源をオフさせ、本処理を終了する。一方、CPU34は、ステップS9において、複数のユーザに共用される電子機器4を操作可能な他のユーザが全員退場済みであると判断すると(ステップS9;Yes)、ステップS11において、リーダライタ2から送信されたID情報に対応付けられた識別情報が割り当てられた電子機器4のそれぞれに、電源オフ信号を出力して、各電子機器4における作業中のデータをメモリ(例えば、41e、42e)に保存させた後に、各電子機器4の電源をオフさせ、本処理を終了する。
【0040】
次に、図6のフローチャートを参照しながら、CPU34により実行される操作制限処理について説明する。本処理は、管理装置3のCPU34が、操作制限プログラム37dを実行することにより行われる。
【0041】
まず、ステップS11において、電子機器4のRFIDリーダ41b、42b、43b、44bにより、ユーザが携帯するRFIDカード1から発信されるID情報が受信され、管理装置3において、RFIDリーダ41b、42b、43b、44bから送信されたID情報を受信すると、CPU34は、ステップS12において、記憶部36に格納された許可IDテーブル36cを参照して、当該許可IDテーブル36cの中から、ID情報を送信した電子機器4を操作可能なID情報を読み出し、電子機器4から送信されたID情報が、許可IDテーブル36cに当該電子機器4を操作可能なID情報と記憶されて否かを判断する。CPU34は、ステップS12において、電子機器4から送信されたID情報が許可IDテーブル36cに当該電子機器4を操作可能なID情報として記憶されていると判断すると(ステップS12;Yes)、本処理を終了し、一方、電子機器4から送信されたID情報が許可IDテーブル36cに当該電子機器4を操作可能なID情報として記憶されていないと判断すると(ステップS12;No)、ユーザによる操作を制限するよう指示する制御信号を当該電子機器4に出力することにより、当該電子機器4にユーザの操作を制限する処理を行わせ(ステップS13)、本処理を終了する。
【0042】
以上説明した本実施形態における電子機器制御システム100によれば、電子機器4が配置された部屋若しくは建物の出入口に設けられたリーダライタ2により、ユーザが携帯するRFIDカード1から発信されるID情報が受信され、CPU34による抽出プログラム37aの実行により、リーダライタ2によりID情報が受信された場合に、当該ID情報に対応付けられた電子機器4の識別情報が識別情報格納テーブル36aから抽出され、CPU34による判断プログラム37bの実行により、リーダライタ2によりID情報が受信された場合に、入退場管理テーブル36bの入退場履歴に基づいて、ユーザが入場したか或いは退場したかが判断される。また、CPU34による電源制御プログラム37cの実行により、抽出プログラム37aの実行により抽出された電子機器4の識別情報に基づいて、判断プログラム37bの実行によりユーザが入場したと判断された場合に、当該電子機器4に電源オン信号が出力されて当該電子機器4の電源がオンされるとともに、判断プログラム37bの実行によりユーザが退場したと判断された場合に、当該電子機器4における作業中のデータがメモリ41e、42eに記憶された後に、電子機器4に電源オフ信号が出力されて当該電子機器4の電源がオフされる。
したがって、RFIDを用いて電子機器4の制御を行う電子機器制御システム100において、ユーザが入場すると電子機器4の電源がオンされるとともに、ユーザが退場すると電子機器4の電源がオフされることとなって、ユーザの利便性をより高めることができる。すなわち、ユーザが電子機器4の電源をオフし忘れて退場した場合であっても、当該電子機器4の電源をオフすることができ、また、ユーザが入場する際に、電子機器4が電源オフ状態から操作可能な状態になるまで待機する時間を短縮できることとなって、電子機器4の使い勝手を向上させることができる。また、判断プログラム37bの実行によりユーザが退場したと判断された場合に、電子機器4における作業中のデータがメモリ41e、42eに記憶された後に電源オフされるので、作業中のデータの消失を防止することができる。
また、電子機器4内部又は外部に設けられたRFIDリーダ41b、42b、43b、44bにより、ユーザが携帯するRFIDカード1から発信されるID情報が受信され、操作制限プログラム37dの実行により、当該RFIDリーダ41b、42b、43b、44bによりID情報が受信された場合に、当該ID情報に基づいて、当該電子機器4の操作が制限される。したがって、正当な権限を有さない者の操作を制限することができることとなって、電子機器4の不正使用を防止することができる。
【0043】
なお、本発明は上記した実施の形態に限られることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、入場/退場の判断は、入退場履歴に基づいて行う場合に限られず、例えば、RFIDカード1のID情報を読み取るリーダライタを出入口に進行方向に前後させて2つ以上配設し、リーダライタがID情報の読み取りを行った順番により、入場又は退場を判断しても良い。
また、RFIDの形状はカード型に限られることなく、例えば、円筒型等、ユーザが携帯するのに適した形状を適宜選択することができる。
また、制限手段による各電子機器4の操作の制限は、管理装置3のCPU34により行う構成に限られない。すなわち、例えば、各電子機器4に当該電子機器4を操作可能なID情報を記憶させ、それぞれの電子機器4毎に、RFIDリーダで受信したID情報と、記憶したID情報とに基づいて、操作可能か否かを判断して操作を制限する構成であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係る電子機器制御システムの要部構成を示すブロック図である。
【図2】記憶部に格納された識別情報格納テーブルを例示する図である。
【図3】記憶部に格納された入退場管理テーブルを例示する図である。
【図4】記憶部に格納された許可IDテーブルを例示する図である。
【図5】CPUによる電源オン/オフ制御処理を示すフローチャートである。
【図6】CPUによる操作制限処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0045】
100 電子機器制御システム
1 RFIDカード(RFID付帯物)
2 リーダライタ(第1RFID受信手段、RFID受信手段)
34 CPU(抽出手段、判断手段、電源制御手段、制限手段)
36a 識別情報格納テーブル(記憶手段)
36b 入退場管理テーブル(入退場履歴)
37a 抽出プログラム(抽出手段)
37b 判断プログラム(判断手段)
37c 電源制御プログラム(電源制御手段)
37d 操作制限プログラム(制限手段)
4 電子機器
41 PC(電子機器)
42 PC(電子機器)
43 プリンタ(電子機器)
44 照明機器(電子機器)
41b、42b、43b、44b RFIDリーダ(第2RFID受信手段)
41e、42e メモリ(所定のデータ記憶手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザにより携帯されたRFID付帯物のID情報と、電子機器の識別情報と、を対応付けて記憶する記憶手段と、
前記電子機器が配置された部屋若しくは建物の出入口に設けられ、ユーザが携帯するRFID付帯物から発信されるID情報を受信する第1RFID受信手段と、
前記第1RFID受信手段により前記ID情報が受信された場合に、当該ID情報に対応付けられた電子機器の識別情報を、前記記憶手段から抽出する抽出手段と、
前記第1RFID受信手段により前記ID情報が受信された場合に、入退場履歴に基づいて、前記ユーザが入場したか或いは退場したかを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記ユーザが入場したと判断された場合に、前記抽出手段により抽出された前記電子機器の識別情報に基づいて、当該電子機器に電源オン信号を出力して当該電子機器の電源をオンさせるとともに、前記判断手段により前記ユーザが退場したと判断された場合に、前記抽出手段により抽出された前記電子機器の識別情報に基づいて、当該電子機器に電源オフ信号を出力して当該電子機器における作業中のデータを所定のデータ記憶手段に記憶させた後に、当該電子機器の電源をオフさせる電源制御手段と、
前記電子機器内部又は外部に設けられ、ユーザが携帯するRFID付帯物から発信されるID情報を受信する第2RFID受信手段と、
前記第2RFID受信手段により前記ID情報が受信された場合に、当該ID情報に基づいて、当該電子機器の操作を制限する制限手段と、
を備えることを特徴とする電子機器制御システム。
【請求項2】
ユーザにより携帯されたRFID付帯物のID情報と、電子機器の識別情報と、を対応付けて記憶する記憶手段と、
前記電子機器が配置された部屋若しくは建物の出入口に設けられ、ユーザが携帯するRFID付帯物から発信されるID情報を受信するRFID受信手段と、
前記RFID受信手段により前記ID情報が受信された場合に、当該ID情報に対応付けられた電子機器の識別情報を、前記記憶手段から抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された前記電子機器の識別情報に基づいて、当該電子機器に所定の制御信号を出力して当該電子機器の電源オン/オフを制御する電源制御手段と、
を備えることを特徴とする電子機器制御システム。
【請求項3】
前記RFID受信手段により前記ID情報が受信された場合に、入退場履歴に基づいて、前記ユーザが入場したか或いは退場したかを判断する判断手段を備え、
前記電源制御手段は、
前記判断手段により、前記ユーザが入場したと判断された場合に、前記抽出手段により抽出された前記電子機器の識別情報に基づいて、当該電子機器に電源オン信号を出力して当該電子機器の電源をオンさせるとともに、前記判断手段により、前記ユーザが退場したと判断された場合に、前記抽出手段により抽出された前記電子機器の識別情報に基づいて、当該電子機器に電源オフ信号を出力して当該電子機器の電源をオフさせることを特徴とする請求項2に記載の電子機器制御システム。
【請求項4】
前記電子機器内部又は外部に設けられ、ユーザが携帯するRFID付帯物から発信されるID情報を受信する第2RFID受信手段と
前記第2RFID受信手段により前記ID情報が受信された場合に、当該ID情報に基づいて、当該電子機器の操作を制限する制限手段と、
を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の電子機器制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−33540(P2008−33540A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−205052(P2006−205052)
【出願日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】