説明

電子機器及びアクセス制御方法

【課題】認証キーを用いずに、外部デバイスに提供可能な記憶装置内の記憶領域を特定できる電子機器を実現する。
【解決手段】通信制御部202は、外部デバイスとの近接無線通信による接続を確立する際に交換される、外部デバイスの固有の識別子を検出する。接続機器管理部203aは、接続機器リスト301を参照し、検出された外部デバイスの固有の識別子に対応するアクセス許可領域の情報を取得する。ストレージ切替部203bは、アクセス許可領域の情報に基づいて、外部デバイスに提供可能な記憶装置内の記憶領域を特定する。SCSIプロトコルに対応した通信アダプタ204は、この記憶領域内に設定された論理的な階層構造の情報を含む記憶領域情報を、外部デバイスに送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近接無線通信を実行する電子機器及び同機器に適用されるアクセス制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、NFCのような無線通信が利用され始めている。ユーザは、ICカードをホスト装置のリーダ/ライタ部にかざすといった操作を行うだけで、認証処理、課金等のための通信を容易に行うことができる。
【0003】
最近では、デバイス間の高速なデータ交換を可能にする新たな近接無線通信技術も開発され始めている。
【0004】
特許文献1には、複数のホスト機器の各々が使用する記憶領域が設けられたメモリを有し、ホスト機器から対応する記憶領域へのアクセスが要求された際に、ホスト機器から送信される認証キーを用いた認証によりアクセスの可否を判断する無線式ストレージ装置が開示されている。この無線式ストレージ装置では、ホスト機器から対応する記憶領域へのアクセスが要求されたとき、当該ホスト機器に対して認証キーの送信を要求し、送信された認証キーを用いて認証を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−362523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の無線式ストレージ装置では、ホスト機器毎の認証キーを登録するためのアプリケーションプログラムと、ホスト機器からストレージへのアクセス要求を受信した際に、ホスト機器に認証キーを要求し、ホスト機器から送信された認証キーを受信するためのアプリケーションプログラムとを設ける必要がある。
【0007】
また、特許文献1の無線式ストレージ装置では、複数のホスト機器の各々に対して専用のRAM領域を用意し、接続されるホスト機器に応じて、当該ホスト機器がアクセスするRAM領域を切り替える。そのため、RAM領域内の任意のディレクトリに対するアクセスの可否を設定することや、一つのRAM領域を複数のホスト機器で共有してアクセスすることは困難である可能性がある。
【0008】
本発明は上述の事情を考慮してなされたものであり、認証キーを用いずに、外部デバイスに提供可能な記憶装置内の記憶領域を特定できる電子機器及びアクセス制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するため、本発明の電子機器は、記憶装置と、近接無線通信を実行する通信モジュールと、近接状態にある前記通信モジュールと外部デバイスとの間で、前記通信モジュールの固有の識別子と前記外部デバイスの固有の識別子とを交換し、接続を確立する接続確立手段と、前記外部デバイスの固有の識別子に基づいて、前記外部デバイスに提供可能な前記記憶装置内の記憶領域を特定し、前記特定された記憶領域内に設定された論理的な階層構造の情報を含む記憶領域情報を、前記近接無線通信によって前記外部デバイスに送信する記憶領域情報送信手段とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、認証キーを用いずに、外部デバイスに提供可能な記憶装置内の記憶領域を特定できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子機器の構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態の電子機器と外部デバイスとの間で実行される近接無線通信の例を示す図。
【図3】同実施形態の電子機器に適用される、近接無線通信を制御するためのソフトウェアアーキテクチャの例を示す図。
【図4】図3のソフトウェアアーキテクチャ内に含まれるPCLの構成例を示すブロック図。
【図5】同実施形態の電子機器に接続される外部デバイスに関する情報を含む接続機器リストの例を示す図。
【図6】同実施形態の電子機器によって実行されるセッション開始処理手順の例を示すフローチャート。
【図7】同実施形態の電子機器によって実行されるストレージ切替処理の手順の例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る電子機器の構成を示している。この電子機器は、例えば、携帯機器(例えば、携帯電話機、PDA、オーディオプレーヤ、補助記憶媒体等)、パーソナルコンピュータ、又はコンシューマ機器(例えば、TV、ビデオレコーダ等)として実現される。この電子機器は近接無線通信を実行する通信モジュールを備えており、近接無線機能を有する他のデバイス(外部デバイス)との無線接続を確立し、そして外部デバイスとの近接無線通信をピアツーピア形式で実行する。
【0014】
この電子機器10は、システム制御部101、ROM102、RAM103、近接無線通信デバイス104、電源制御部105、ACアダプタ106、バッテリ107、及び記憶装置108を備える。
【0015】
システム制御部101は、電子機器10内の各部の動作を制御する。システム制御部101は、CPU101aを備え、ROM102、RAM103、近接無線通信デバイス104、及び電源制御部105に接続される。
【0016】
CPU101aは、ROM102に格納された命令群及びデータをRAM103へロードし、必要な処理を実行するプロセッサである。RAM103には、近接無線通信を制御するための近接無線通信制御プログラム103aがロードされている。CPU101aは、RAM103にロードされた近接無線通信制御プログラム103aを実行して、近接無線通信デバイス104を制御する。
【0017】
近接無線通信デバイス104は、近接無線通信を実行する通信モジュールである。近接無線通信デバイス104は、近接無線通信デバイス104から所定の距離内に存在する、近接無線通信機能を有する他のデバイス(外部デバイス)との無線接続を確立し、そしてファイルのようなデータの伝送を開始する。近接無線通信デバイス104と外部デバイスとの間の近接無線通信は、ピアツーピア形式で実行される。通信可能距離は例えば3cmである。近接無線通信デバイス104と外部デバイスとの間の無線接続は、近接無線通信デバイス104と外部デバイスとが近接状態である場合、つまり近接無線通信デバイス104と外部デバイスとの間の距離が通信可能距離(例えば3cm)以内に接近した場合にのみ可能となる。近接無線通信デバイス104と外部デバイスとが通信可能距離以内に接近した時、近接無線通信デバイス104と外部デバイスとの間の無線接続が確立される。そして、例えば、外部デバイスは、記憶装置108内の所定の記憶領域へアクセスし、所定の記憶領域からのデータファイルの読み出しや、所定の記憶領域へのデータファイルの書き込み等によるデータの伝送が、近接無線通信デバイス104と外部デバイスとの間で実行される。
【0018】
近接無線通信デバイス104及び外部デバイスの各々には、それらデバイスを一意に識別するための識別情報(ID)が予め割り当てられている。すなわち、近接無線通信デバイス104には、近接無線通信デバイス104の固有の識別子(ユニークID:UID)が格納されており、外部デバイスには、外部デバイスの固有の識別子(ユニークID:UID)が格納されている。近接無線通信デバイス104及び外部デバイスそれぞれのユニークIDは、例えば、各デバイスが通信相手のデバイスを識別するための識別情報等として使用し得る。本実施形態では、このユニークIDは、外部デバイスに提供可能な記憶装置108内の記憶領域を特定するために利用される。つまり、外部デバイスに提供可能な記憶装置108内の記憶領域は、外部デバイスの固有の識別子に基づいて特定される。
【0019】
近接無線通信においては、誘導電界が用いられる。近接無線通信方式としては、例えばTransferJetを使用し得る。TransferJetは、UWBを利用した近接無線通信方式であり、高速データ転送を実現することができる。
【0020】
近接無線通信デバイス104はアンテナ104bに接続されている。アンテナ104bはカプラと称される電極であり、誘導電界を用いた無線信号により、外部デバイスに対するデータの送受信を行う。外部デバイスがアンテナ104bから通信可能距離(例えば3cm)以内の範囲内に接近した場合、近接無線通信デバイス104及び外部デバイスそれぞれのアンテナ(カプラ)間が誘導電界によって結合され、これによって近接無線通信デバイス104と外部デバイスとの間の無線通信が実行可能となる。なお、近接無線通信デバイス104及びアンテナ104bは、一つのモジュールとして実現し得る。
【0021】
電源制御部105は、ACアダプタ106を介して外部から供給される電力、又はバッテリ107から供給される電力を用いて、電子機器10内の各部に電力を供給する。換言すれば、電子機器10は、AC商用電源のような外部電源、又はバッテリ107によって駆動される。ACアダプタ106は電子機器10内に設けることも出来る。
【0022】
図2には、2つのデバイス間で実行される近接無線通信の様子が示されている。
【0023】
ここでは、デバイスAが携帯電話から構成され、デバイスBがポータブルコンピュータから構成されている場合を想定する。ユーザは、例えば、デバイスAをデバイスBに近接させるという操作(タッチ操作)を行うことにより、デバイスA,B間のデータ転送を開始させることができる。デバイスA,B間のデータ転送は、デバイスA,Bが互いに近接したことをトリガに実行される。
【0024】
デバイスA,Bの各々では、各種アプリケーションプロトコル(例えば、SCSI、OBEX、他の汎用プロトコル等)に対応した通信プログラム(アプリケーション)が実行される。デバイスAが、例えば、SCSIのアプリケーションプロトコルに対応した通信プログラムを有するとき、デバイスAをデバイスBにタッチすることによってセッションが確立されると、デバイスBは、デバイスAをストレージデバイスとして認識する。そして、デバイスBは、ストレージデバイスとして認識したデバイスAをマウントすることで、デバイスA内の記憶装置を補助記憶媒体として使用することができる。なお、本実施形態では、デバイスAのアプリケーション(通信プログラム)とデバイスBのアプリケーション(通信プログラム)との間の通信に使用される(仮想的な)通信路をセッションと呼ぶ。
【0025】
デバイスAが、SCSIのアプリケーションプロトコルに対応した通信プログラムを有するとき、すなわち、SCSIのプロトコルに対応した通信アダプタを使用して外部のデバイスとの近接無線通信を行うとき、デバイスAに設けられる記憶装置を、デバイスB等の複数の外部のデバイス(外部デバイス)から利用することができる。つまり、外部デバイスは、デバイスAに設けられる記憶装置を、USBメモリのような外部記憶媒体として使用することができる。
【0026】
しかし、デバイスA内の記憶装置が、いずれの外部デバイスと接続した場合にも同様に利用可能である場合、セキュリティ上の問題が生じる可能性がある。例えば、第1の外部デバイスにのみ提供したいデータを格納した記憶領域であっても、デバイスAに接続される第2の外部デバイスからも当該記憶領域へのアクセスが可能であり、データに対するアクセスの可否を制御することができない。また、デバイスAが、例えば、データを受け渡しする補助記憶媒体として利用される際には、所有者の常用するパーソナルコンピュータ等の外部デバイスからの使用に加えて、共用のパーソナルコンピュータ等から使用される可能性もある。さらに、デバイスAを紛失した場合には、他者のパーソナルコンピュータ等から使用される可能性もある。上述のように使用されるデバイスAでは、接続される外部デバイス毎にアクセス可能な記憶領域を変更できる機能が必要である。
【0027】
また、認証キーやパスワード等を用いた認証によって、デバイスやディレクトリ、ファイル等に対するアクセスの可否を制御する方法では、記憶領域内に格納されたデータの内容(例えば、ディレクトリ名やファイル名)や、それらデータの論理的な階層構造等は、外部デバイスから閲覧可能であり、隠蔽することができない。例えば、パスワード等の入力が必要なセキュリティ領域であるか、パスワード等の入力が必要でないフリー領域であるかを示す表示を伴って、外部デバイスに対して、記憶領域内のディレクトリやファイル等が公開されてしまう。さらに、認証キーやパスワードは専用のソフトウェア等を用いて予め登録しておく必要があり、また、認証時に外部デバイスからデバイスAに認証キー等を送信するためのアプリケーションプログラムも必要である。
【0028】
このため、本実施形態では、外部デバイスとの接続を確立する際に交換される外部デバイスの固有の識別子に基づいて、当該外部デバイスに提供可能な記憶装置108内の記憶領域を特定し、特定した記憶領域を示す記憶領域情報を外部デバイスに送信する。つまり、電子機器10は外部デバイスに応じて使用可能な記憶領域を切り替える。電子機器10は、例えば、外部デバイスの固有の識別子(機器情報)に基づいて、アクセスを制限する外部デバイスには、記憶装置108内の特定の記憶領域のみをストレージとして使用可能に設定し、アクセスを制限する必要のない外部デバイスには、記憶装置108内の全ての記憶領域をストレージとして使用可能に設定する。
【0029】
図3は、近接無線通信デバイス104を用いて実行される近接無線通信を制御するためのソフトウェアアーキテクチャを示す。
【0030】
図3のソフトウェアアーキテクチャは近接無線通信を制御するためのプロトコルスタックの階層構造を示している。プロトコルスタックは、物理層(PHY)、コネクション層(CNL)、プロトコル変換層(PCL)、アプリケーション層から構成されている。例えば、コネクション層(CNL)、プロトコル変換層(PCL)、アプリケーション層は通信制御プログラム103aによって実現し得る。
【0031】
物理層(PHY)は物理的なデータ転送を制御する層であり、OSI参照モデル内の物理層に対応する。物理層(PHY)の一部の機能又は全ての機能は、近接無線通信デバイス104内のハードウェアを用いて実現することもできる。
【0032】
物理層(PHY)はコネクション層(CNL)からのデータを無線信号に変換する。コネクション層(CNL)はOSI参照モデル内のデータリンク層、ネットワーク層及びトランスポート層に対応しており、近接状態に設定されている近接無線通信デバイス104と外部デバイスとの間の接続(CNL接続)を確立し、データを伝送する処理を実行する。
【0033】
プロトコル変換層(PCL)は、OSI参照モデル内のセッション層及びプレゼンテーション層に対応しており、アプリケーション層と、デバイスA,B間の接続の確立及び解除を制御するためのコネクション層(CNL)との間に位置する。プロトコル変換層(PCL)は、アプリケーション層内の各アプリケーション(通信プログラム)の管理と、セッション制御とを実行する。セッションは、電子機器10のアプリケーション層と外部デバイスのアプリケーション層との間の通信路に相当する。
【0034】
アプリケーション層は、各種アプリケーションプロトコル(例えば、SCSI、OBEX、他の汎用プロトコル等)に対応した各種通信プログラム(アプリケーション)を含む。
【0035】
次いで、図4を参照して、プロトコル変換層(PCL)の機能構成について説明する。
【0036】
図4に示されているように、プロトコル変換層(PCL)は、アプリケーション管理部201、通信制御部202、ストレージ管理部203、通信アダプタ204、及びデータ通信部205を備える。
【0037】
プロトコル変換層(PCL)は3つのモード(プロアクティブモード、リアクティブモード、フレキシブルモード)を有しており、これら3つのモードの内の1つのモードで動作し得る。
【0038】
プロアクティブモードはいわゆるマスタとして機能するためのモードであり、プロアクティブモードのデバイスは、通信相手のデバイスを制御してデバイス間のデータ転送のようなサービスを実行することができる。リアクティブモードはいわゆるスレーブとして機能するためのモードであり、リアクティブモードのデバイスは、通信相手のデバイスの制御の下、デバイス間のデータ転送のようなサービスを実行することができる。
【0039】
外部電源によって駆動できない携帯電話のようなポータブルデバイスのデフォルトのモードは、その電力消費を低減するために、リアクティブモードに決定されている。ユーザによってポータブルデバイスのあるアプリケーションが操作された時、そのポータブルデバイスは、リアクティブモードからプロアクティブモードに自動的に遷移する。
【0040】
プロアクティブモードに設定されたデバイスは、接続要求信号C_Reqを送信する。一方、リアクティブモードのデバイスは接続要求信号C_Reqを送信しないので、電力消費は比較的少ない。
【0041】
フレキシブルモードは、通信相手のデバイスのモード(プロアクティブモードまたはリアクティブモード)に応じて自身のモードを自動的にプロアクティブモードまたはリアクティブモードに遷移させることが出来るモードである。フレキシブルモードのデバイスは、通信相手のデバイスがプロアクティブモードであればリアクティブモードに遷移し、また通信相手のデバイスがリアクティブモードであればプロアクティブモードに遷移する。プロアクティブモードまたはリアクティブモードへの遷移は、例えば、デバイス間の接続が確立された後に実行される。
【0042】
ACアダプタ電源のような外部電源によって駆動可能な、パーソナルコンピュータのようなデバイスのデフォルトのモードはフレキシブルモードである。フレキシブルモードのデバイスは、接続要求信号C_Reqを送信する。これにより、ユーザが携帯電話のアプリケーションを何等操作せずにその携帯電話をパーソナルコンピュータ(フレキシブルモードのデバイス)に近接させた場合でも、それらデバイス間の接続を確立でき、パーソナルコンピュータの制御の下、データファイルの転送のようなサービスをユーザに提供することができる。
【0043】
PCL内のアプリケーション管理部201は、近接無線通信によってデータの送受信を実行する複数のアプリケーションプログラム(通信プログラム)を管理する。アプリケーション管理部201は、アプリケーションプログラム(例えば、近接無線通信プログラム103a)から、セッションの開始要求及び終了要求を受信する。アプリケーション管理部201は、受信したセッションの開始要求及び終了要求を通信制御部202に通知する。
【0044】
通信制御部202は、アプリケーション管理部201によって通知されるセッションの開始要求及び終了要求に応じて、通信(セッション)の開始及び終了を制御し、また、通信アダプタ204の起動及び停止を制御する。
【0045】
電子機器10のPCLがフレキシブルモードまたはプロアクティブモードの場合、通信制御部202は、CNLを制御して、接続要求信号C_Reqを送信する処理を実行する。CNLは、C_Req処理部311からのC_Req送信要求に応じて、近接無線通信デバイス104のユニークIDを送信元デバイスのIDとして含む接続要求信号C_Reqを、近接無線通信デバイス104を介して送信する。
【0046】
通信制御部202は、CNLによって受信された外部デバイスからの接続要求信号C_Reqに含まれる当該外部デバイスのユニークIDを検出し、ストレージ管理部203に出力する。
【0047】
通信制御部202は、受信した接続要求信号C_Reqの受託を示す応答信号C_Accを近接無線通信デバイス104を介して外部デバイスに送信する。
【0048】
CNLは、通信制御部202からのC_Acc送信要求に応じて、電子機器10のユニークID、つまり近接無線通信デバイス104のユニークIDを送信元デバイスのIDとして含み、且つ外部デバイスのユニークIDを送信先デバイスのIDとして含む、応答信号C_Accを、近接無線通信デバイス104を介して送信する。
【0049】
ストレージ管理部203は、電子機器10に接続される複数の外部デバイスを管理し、外部デバイス毎に、アクセス可能な記憶装置108内の記憶領域を切り替える。具体的には、ストレージ管理部203は、外部デバイスとの近接無線通信による接続を確立する際に、いずれの記憶領域を外部デバイスから使用可能とするかを指定する。指定される記憶領域は、例えば、電子機器内のデバイス(記憶装置等)、ディレクトリやファイル等で構成される階層構造がイメージ化されたイメージファイル等で表される。ストレージ管理部203は、接続機器管理部203aとストレージ切替部203bとを備える。
【0050】
接続機器管理部203aは、電子機器10との間で近接無線通信による接続が確立された外部デバイスに関する情報を、接続機器リスト301を用いて管理する。具体的には、接続機器管理部203aは、電子機器10との近接無線通信による接続が、初めて確立された外部デバイスに関する情報を接続機器リスト301に追加する。接続機器管理部203aは、当該外部デバイスに関する情報として、ユニークID、機器名、アクセス許可領域、アクセス履歴等からなるデータを、接続機器リスト301に登録する。その際、登録されるアクセス許可領域には、例えば、初めて接続された外部デバイスに提供可能な記憶領域として、予め規定された記憶装置108内の所定の記憶領域が設定される。
【0051】
また、ユニークIDが接続機器リスト301上に既に登録された外部デバイスとの間で接続が確立されたとき、接続機器管理部203aは当該外部デバイスに関する情報を更新する。接続機器管理部203aは、当該外部デバイスに対応するデータに含まれるアクセス履歴を更新する。また、接続機器管理部203aは、必要に応じて当該外部デバイスのアクセス許可領域を更新する。
【0052】
図5は、接続機器リスト301に登録されるデータの例を示す。接続機器リスト301には、上述したように、電子機器10に接続される、複数の外部デバイスの各々に関するデータが格納される。格納される外部デバイスに関するデータは、ユニークID(UID)、機器名、アクセス許可領域、アクセス履歴等を含む。
【0053】
ユニークIDは、ベンダーID(製造社ID)、デバイスID(機器ID)、プロダクトID(製品ID)と、他の情報とを含むビット列(バイナリーデータ)を示す。ベンダーIDは、電子機器の製造社(ベンダー)を識別する情報である。デバイスIDは、電子機器のカテゴリ等を識別する情報である。プロダクトIDは、電子機器の製品名のような製品識別情報である。他の情報は、例えば、その製品に割り当てられたシリアル番号などを含み得る。ベンダーID、デバイスID、プロダクトIDそれぞれが存在するユニークID内の位置は、予め決められている。
【0054】
機器名は、外部デバイスに付与された名称を示す。機器名は、例えば、メーカー名や製品名等からなる文字列情報である。また例えば、機器名は、ユーザにより設定された電子機器の名称等であってもよい。
【0055】
アクセス許可領域は、外部デバイスに提供可能な記憶装置108内の記憶領域を示す。アクセス許可領域は、例えば、ドライブやディレクトリ等で指定される論理記憶領域を示す。また、アクセス許可領域は、外部デバイスに提供可能な記憶装置108内の記憶領域がないことも示し得る。さらに、指定されたアクセス許可領域に対して許可される操作(リード、ライト等)を示してもよい。
【0056】
アクセス履歴は、外部デバイスからアクセスされた回数、アクセスされた日時、アクセスされた記憶領域(ディレクトリ、ファイル)等を記録する。
【0057】
この接続機器リスト301に、例えば、ユーザが常用するパーソナルコンピュータのユニークIDと記憶装置108内の全ての記憶領域示すアクセス許可領域とを登録しておくことで、ユーザは、常用するパーソナルコンピュータから電子機器10に設けられた記憶装置108内の全ての記憶領域を使用することができる。また、接続機器リスト301に登録されていないユニークIDを有するパーソナルコンピュータ、すなわち、電子機器10との接続を初めて確立するようなパーソナルコンピュータには、記憶装置108内の限定された特定の記憶領域が提供される。
【0058】
接続機器管理部203aは、外部デバイスとの間でSCSIによるサービスを実行する際、接続機器リスト301を参照して、外部デバイスから利用可能(アクセス可能)な記憶装置108内の記憶領域を特定する。具体的には、接続機器管理部203aは、外部デバイスのユニークIDを用いて接続機器リスト301を探索し、当該外部デバイスのデータを抽出する。そして、接続機器管理部203aは、抽出したデータから、当該外部デバイスに提供可能な記憶装置108内の記憶領域を示す情報を取得する。
【0059】
接続機器管理部203aは、外部デバイスに提供可能な記憶装置108内の記憶領域を示す情報を、ストレージ切替部203bに出力する。外部デバイスに提供可能な記憶装置108内の記憶領域を示す情報は、例えば、記憶装置108内の全記憶領域が外部デバイスからアクセス可能であること、記憶装置108内の特定の記憶領域が外部デバイスからアクセス可能であること、記憶装置108内の全記憶領域が外部デバイスからアクセス不可能であることを示す。なお、接続機器管理部203aは、接続機器リスト301に登録されたアクセス履歴に応じて、アクセス許可領域を変更してもよい。すなわち、接続機器管理部203aは、外部機器からのアクセスの頻度等に応じて、アクセス許可領域を変更してもよい。また、接続機器管理部203aは、接続される複数の外部機器を分類して、グループを作成し、グループの各々に対して、アクセス許可領域を決定してもよい。
【0060】
ストレージ切替部203bは、接続機器管理部203aによって取得された情報に基づいて、外部デバイスに提供可能な記憶装置108内の記憶領域を設定する。そして、ストレージ切替部203bは、設定した記憶装置108内の記憶領域を外部デバイスから使用可能とする命令を通信アダプタ204に出力する。
【0061】
通信アダプタ204は、上述したように、アプリケーションプログラムが対応するプロトコルに応じて生成されたデータ(ユーザデータ)を、所定の伝送用のデータ形式によるデータに変換する。通信アダプタ204は、複数のアプリケーションプロトコルの各々に対応して、データを伝送用のデータ形式のデータに変換する、複数の変換モジュール(通信アダプタ)を備え得る。つまり、PCLは、SCSIやOBEX、他の汎用プロトコル等の各々のアプリケーションプロトコルに対応する通信アダプタを備え得る。したがって例えば、SCSIに対応するアプリケーションによって送受信されるデータをデータ通信部205が扱うことが可能な伝送用データ形式に変換する通信アダプタモジュール、OBEXに対応するアプリケーションによって送受信されるデータをデータ通信部205が扱うことが可能な伝送用データ形式に変換する通信アダプタモジュール、他の汎用プロトコルに対応するアプリケーションによって送受信されるデータをデータ通信部205が扱うことが可能な伝送用データ形式に変換する通信アダプタモジュール等が、通信アダプタ204に含まれる。通信アダプタ204は、変換したデータをデータ通信部205に出力する。
【0062】
本実施形態のPCLは、SCSIのプロトコルに対応する通信アダプタ204を備える。SCSIのプロトコルに対応する通信アダプタ204は、外部デバイスに対して、当該外部デバイスがストレージとして使用可能な記憶装置108内の記憶領域に関する情報を通知する。具体的には、SCSIのプロトコルに対応する通信アダプタ204は、ストレージ切替部203bによって設定された、外部デバイスから使用可能な記憶装置108内の記憶領域(外部デバイスに提供可能な記憶装置108内の記憶領域)を示す記憶領域情報を、所定の伝送用のデータ形式に変換する。この記憶領域情報は、記憶領域内の論理的な階層構造を示す情報を含む。論理的な階層構造を示す情報は、例えば、ディレクトリやファイルによって構成される階層構造を示す情報であり、いわゆるイメージファイル(例えば、ISOイメージ)等を用いることができる。通信アダプタ204は、変換した記憶領域情報のデータをデータ通信部205に出力する。
【0063】
データ通信部205は、通信アダプタ204により変換された記憶領域情報のデータを外部デバイスに送信する。また、データ通信部205は、アプリケーションプログラム等において指定されたデータや制御信号等の送受信を制御する。外部デバイスによる記憶領域(イメージファイル等)に対する操作情報は、データ通信部205を介して、通信アダプタ204に送信され、対応する記憶装置108内の記憶領域(ディレクトリやファイル等)に対して、操作情報に示される操作が反映される。
【0064】
以上の構成により、電子機器10は、外部デバイスとの接続時に交換される、外部デバイスの固有のIDを用いて、当該外部デバイスに提供可能な記憶装置108内の記憶領域を特定する。電子機器10は、特定された記憶領域を示す情報を外部デバイスに送信し、外部デバイスからのパスワードの入力等を要することなく、外部デバイスから特定された記憶領域へアクセスする操作を開始することができる。また、外部デバイスに提供されない記憶領域に関する情報を、外部デバイスから隠蔽することができる。
【0065】
次いで、図6のフローチャートを参照して、電子機器10によって実行されるセッション開始処理の手順の例を説明する。
【0066】
まず、アプリケーション管理部201は、アプリケーションプログラム(例えば、近接無線通信プログラム103a)から、新たなセッションの開始要求を受信する(ステップS101)。アプリケーション管理部201は、通信制御部202に、セッション開始要求を受信したことを通知する。通信制御部202は、データ通信部205を介して、電子機器10(近接無線通信デバイス104)と外部デバイスとの間の(物理的な)接続を確立する(ステップS102)。
【0067】
電子機器10と外部デバイスとの間の接続が確立された後、通信制御部202は、電子機器10のアプリケーション層と外部デバイスのアプリケーション層との間のセッションを確立するために必要なネゴシエーション処理を外部デバイスとの間で実行する(ステップS102)。通信制御部202は、確立すべきセッションに関するセッション情報、例えば、使用される通信アダプタ(プロトコル)を示す情報やアプリケーション(サービス)を識別する情報等を、外部デバイスとの間で交換する。
【0068】
そして、通信制御部202は、このネゴシエーション処理が成功したか否かを判定する(ステップS103)。ネゴシエーション処理が成功した場合(ステップS103のYES)、通信制御部202は、ネゴシエーション処理によって決定されたユーザプロトコルに対応する通信アダプタ204を起動する(ステップS105)。起動される通信アダプタ204は、例えば、SCSIのプロトコルに対応したサービスを行うための通信アダプタである。そして、通信制御部202は、ネゴシエーション処理によって決定されたユーザプロトコルに対応するサービス(データ伝送)を実行するためのセッションを確立する(ステップS106)。データ伝送においては、パケットが電子機器間で伝送される。このパケットとしては、送信元デバイスのユニークIDおよび送信先デバイスのユニークIDを含むヘッダが付加されたパケットを使用し得る。近接されたデバイスそれぞれのユニークIDは接続確立処理シーケンスにおいて既に交換されているので、接続確立処理後、即座にデータ伝送を開始することができる。
【0069】
図7は、電子機器10によって実行されるストレージ切替処理の手順の例を示すフローチャートである。ここでは、電子機器10と外部デバイスとの間でSCSIのプロトコルに対応したサービスが実行されることを想定する。つまり、電子機器10と外部デバイスとは、SCSIのプロトコルに対応したサービスを実行可能な通信アダプタを有する。
【0070】
まず、図6に示すセッション開始処理におけるネゴシエーション(ステップS103)で、通信制御部202は、外部デバイスとの間で実行されるサービスに用いられるプロトコルをSCSIに決定する(ステップS201)。そして、通信制御部202は、セッション開始時に外部デバイスから受信した接続要求信号、又は電子機器10から送信された接続要求信号に応答した、外部デバイスからの接続応答信号に含まれるユニークID(機器情報)を検出する(ステップS202)。つまり、通信制御部202は、セッション開始時に交換される外部デバイスのユニークIDを取得する。通信制御部202は、検出した外部デバイスのユニークIDをストレージ管理部203に出力する。
【0071】
次いで、接続機器管理部203aは、外部デバイスのユニークIDを用いて接続機器リスト301を探索し、外部デバイスのユニークIDに対応するデータを抽出する。そして、接続機器管理部203aは、外部デバイスが記憶装置108へのアクセスを許可された機器であるか否かを判定する(ステップS203)。外部デバイスが記憶装置108へのアクセスを許可された機器である場合(ステップS203のYES)、接続機器管理部203aは、外部デバイスに提供可能な記憶装置108内の記憶領域を特定する(ステップS204)。
【0072】
外部デバイスに提供可能な記憶装置108内の記憶領域が、記憶装置108内の全記憶領域である場合(ステップS204の全領域)、ストレージ切替部203bは、記憶装置108内の全記憶領域を外部デバイスから使用可能に設定する(ステップS205)。一方、外部デバイスに提供可能な記憶装置108内の記憶領域が、記憶装置108内の特定の記憶領域である場合(ステップS204の特定領域)、ストレージ切替部203bは、その特定の記憶領域を外部デバイスから使用可能に設定する(ステップS206)。
【0073】
また、外部デバイスが記憶装置108へのアクセスを許可された機器でない場合(ステップS203のNO)、ストレージ切替部203bは、記憶装置108内の全記憶領域を外部デバイスから使用不能に設定する。
【0074】
そして、ストレージ切替部203bは、ステップS205,S206において使用可能に設定された記憶領域に対して、外部デバイスからアクセスするための命令を通信アダプタ204に通知する(ステップS208)。通信アダプタ204は、外部デバイスに提供可能な記憶領域内に設定された論理的な階層構造の情報を含む記憶領域情報を、データ通信部205を介した近接無線通信によって、外部デバイスに送信する。
【0075】
以上の処理により、電子機器10は、外部デバイスの固有の識別子に基づいて、外部デバイスに提供可能な記憶装置108内の記憶領域を特定し、特定した記憶領域に関する情報を外部デバイスに送信する。外部デバイスは、電子機器10によって送信された情報に基づいて、外部デバイスから使用可能な記憶領域と、当該記憶領域の論理的な階層構造(例えば、ディレクトリやファイルによる階層構造)とを認識することができる。電子機器10は、外部デバイスとの接続が確立される際に、当該外部デバイスに提供可能な記憶領域を特定し、それ以外の記憶領域に関する情報を外部デバイスに提供しない。このため、接続される外部デバイスに対して、提供可能な記憶領域以外の記憶領域を隠蔽することができ、セキュリティを向上させることができる。
【0076】
以上説明したように、本実施形態によれば、認証キーを用いずに、外部デバイスに提供可能な記憶装置内の記憶領域を特定できる。電子機器10は、近接無線通信による接続を確立する際に交換される、外部デバイスの固有の識別子(ID)に基づいて、外部デバイスに提供可能な記憶装置108内の記憶領域を特定する。したがって、外部デバイスの認証キー(パスワード)を電子機器10に登録するためのプログラムや、記憶装置108へのアクセスを認証するためのプログラム等を設ける必要がない。また、電子機器10は、接続される外部デバイスに応じて、記憶装置108へのアクセスの可否を変更するのではなく、外部デバイスからアクセス可能な記憶装置108内の記憶領域を変更する。このため、接続される外部デバイスに対して、当該外部デバイスに提供可能な記憶領域を示す情報を送信し、それ以外の記憶領域に関する情報が隠蔽する。すなわち、外部デバイスに提供されない記憶領域内のディレクトリやファイル等の存在自体を、外部デバイスから隠蔽することができる。
【0077】
なお、本実施形態のセッション開始処理及びストレージ切替処理の手順は全てソフトウェアによって実行することができる。このため、セッション開始処理及びストレージ切替処理の手順を実行するプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を通じてこのプログラムを通常のコンピュータにインストールして実行するだけで、本実施形態と同様の効果を容易に実現することができる。
【0078】
また本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0079】
201…アプリケーション管理部、202…通信制御部、203…ストレージ管理部、203a…接続機器管理部、203b…ストレージ切替部、204…通信アダプタ、205…データ通信部、301…接続機器リスト。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶装置と、
近接無線通信を実行する通信モジュールと、
近接状態にある前記通信モジュールと外部デバイスとの間で、前記通信モジュールの固有の識別子と前記外部デバイスの固有の識別子とを交換し、接続を確立する接続確立手段と、
前記外部デバイスの固有の識別子に基づいて、前記外部デバイスに提供可能な前記記憶装置内の記憶領域を特定し、前記特定された記憶領域内に設定された論理的な階層構造の情報を含む記憶領域情報を、前記近接無線通信によって前記外部デバイスに送信する記憶領域情報送信手段とを具備することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記外部デバイスの固有の識別子は、ベンダー識別子、デバイス識別子、及びプロダクト識別子のうち少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
一つ以上の外部デバイスの各々の固有の識別子と、当該外部デバイスに提供可能な前記記憶装置内の記憶領域を示す情報とを登録する接続機器リストを管理する接続機器管理手段をさらに具備し、
前記記憶領域情報送信手段は、前記外部デバイスの固有の識別子に基づいて、前記接続機器リストから当該外部デバイスに提供可能な前記記憶装置内の記憶領域を示す情報を取得し、前記取得した情報を用いて、前記外部デバイスに提供可能な前記記憶装置内の記憶領域を特定することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
前記記憶領域情報送信手段は、前記外部デバイスの固有の識別子が前記接続機器リストに登録されていないとき、前記記憶装置内の所定の記憶領域を、前記外部デバイスに提供可能な前記記憶装置内の記憶領域に決定することを特徴とする請求項3記載の電子機器。
【請求項5】
前記接続機器管理手段は、前記外部デバイスから前記記憶装置へのアクセスの履歴を前記接続リストに記録し、
前記記憶領域情報送信手段は、前記接続機器リストに記録されたアクセスの履歴に基づいて、前記外部デバイスに提供可能な前記記憶装置内の記憶領域を決定することを特徴とする請求項3記載の電子機器。
【請求項6】
前記接続確立手段は、前記通信モジュールと前記外部デバイスとの間におけるネゴシエーション処理を実行し、前記通信モジュールと前記外部デバイスとの間で実行するサービスを決定することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項7】
前記サービスはSCSIによるサービスであることを特徴とする請求項6記載の電子機器。
【請求項8】
近接無線通信を実行する通信モジュールを備える電子機器において、前記電子機器に設けられた記憶装置へのアクセスを制御するアクセス制御方法であって、
近接状態にある前記通信モジュールと外部デバイスとの間で、前記通信モジュールの固有の識別子と前記外部デバイスの固有の識別子とを交換し、接続を確立する接続確立ステップと、
前記外部デバイスの固有の識別子に基づいて、前記外部デバイスに提供可能な前記記憶装置内の記憶領域を特定し、前記特定された記憶領域内に設定された論理的な階層構造の情報を含む記憶領域情報を、前記近接無線通信によって前記外部デバイスに送信する記憶領域情報送信ステップとを具備することを特徴とするアクセス制御方法。
【請求項9】
近接無線通信を実行する通信モジュールを備えるコンピュータにおいて、前記コンピュータに設けられた記憶装置へのアクセスを制御するプログラムであって、
近接状態にある前記通信モジュールと外部デバイスとの間で、前記通信モジュールの固有の識別子と前記外部デバイスの固有の識別子とを交換し、接続を確立する接続確立処理を実行する手順と、
前記外部デバイスの固有の識別子に基づいて、前記外部デバイスに提供可能な前記記憶装置内の記憶領域を特定し、前記特定された記憶領域内に設定された論理的な階層構造の情報を含む記憶領域情報を、前記近接無線通信によって前記外部デバイスに送信する記憶領域情報送信処理を実行する手順とを前記コンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−103047(P2011−103047A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−257309(P2009−257309)
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】