説明

電子機器

【課題】複数の携帯電話を合理的に制御することのできる電子機器を提供する。
【解決手段】第1の携帯電話に電話着信があったか否かを判断する(S101)。第1の携帯電話に着信があったならば、このとき第2の携帯電話が通話中であるか否かを判断する(S102)。そして、第2の携帯電話が通話中である場合には、第1の携帯電話に着信拒否を無線送信する(S103)。また、S101での判断の結果、第1の携帯電話への着信がない場合には、第2の携帯電話2に電話着信があったか否かを判断する(S105)。第2の携帯電話に着信があったならば、このとき第1の携帯電話が通話中であるか否かを判断する(S106)。そして、第1の携帯電話が通話中である場合には、第2の携帯電話2に着信拒否を無線送信する(S107)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話を制御する電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話に対する制御機能を備えた電子機器が提案されるに至っている。この電子機器は腕時計であって、当該腕時計側でオンフック操作やダイアル操作を行うと、これらオンフック制御信号やダイアル制御信号が、腕時計から携帯電話に送信される。すると、携帯電話は、これらオンフック制御信号やダイアル制御信号がに従って、オンフック動作やダイアル動作を実行する。したがって、腕時計側での操作により、対応する当該ユーザの携帯電話を遠隔制御することができる(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−125039号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、今日においては、携帯電話の普及に伴ってビジネス用とプライベート用との2台の携帯電話を所有する等、複数の携帯電話を所有するユーザが出現するに至っている。したがって、前述した従来技術のように、対応する1台の携帯電話を制御する電子機器では、当該ユーザが所有する複数の携帯電話を合理的に制御することができない。このため、複数の携帯電話を合理的に制御することのできる電子機器の出願が期待されていた。
【0004】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、複数の携帯電話を合理的に制御することのできる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため請求項1記載の発明に係る電子機器にあっては、複数の携帯電話から着信時に各々送信される着信信号を受信する受信処理手段と、この受信処理手段が、前記複数の携帯電話のいずれかからの着信信号を受信した際、他の携帯電話が通話中であるか否かを判断する判断手段と、この判断手段により、前記他の携帯電話が通話中であると判断された場合、前記着信信号を受信した携帯電話に通話不能であることを示す信号を送信する送信処理手段とを備える。
【0006】
つまり、複数の携帯電話を所持するユーザが第1の携帯電話で通話中に第2の携帯電話に着信があっても、当該ユーザは第2の携帯電話に出ることは困難である。したがって、このように第1の携帯電話で通話中に第2の携帯電話に着信があった場合には、該第2の携帯電話に携帯電話に通話不能であることを示す信号を送信する。これを受信した第2の携帯電話において、受信した通話不能であることを示す信号に基づき、発呼者に通話不能メッセージを送信する等が可能となり、延いては、通話困難な状態にある携帯電話に対する着信報知が継続して、発呼者が不信や不快を抱く不都合が未然に防止することが可能となる。
【0007】
また、請求項2記載の発明に係る電子機器にあっては、複数の携帯電話の優先順位を記憶する記憶手段と、前記複数の携帯電話から着信時に各々送信される着信信号を受信する受信処理手段と、この受信処理手段が、前記複数の携帯電話からの着信信号を同時に受信したか否かを判断する判断手段と、この判断手段により、前記複数の携帯電話からの着信信号を同時に受信したと判断された場合、前記記憶手段に記憶されている優先順位に従って、最も優先順位が高い携帯電話以外の携帯電話に通話不能であることを示す信号を送信する送信処理手段とを備える。
【0008】
つまり、ユーザが所持する複数の携帯電話に同時に着信があっても、当該ユーザは複数の携帯電話で同時に通話することは困難である。したがって、このように複数の携帯電話に着信が同時にあった場合には、予め記憶されている優先順位に従って、最も優先順位が高い携帯電話以外の携帯電話に通話不能であることを示す信号を送信する。これを受信した携帯電話において、受信した通話不能であることを示す信号に基づき、発呼者に通話不能メッセージを送信する等が可能となり、延いては、通話困難な状態にある携帯電話に対する着信報知が継続して、発呼者が不信や不快を抱く不都合が未然に防止することが可能となる。
【0009】
また、請求項3記載の発明に係る電子機器にあっては、前記複数の携帯電話から着信時に各々送信される着信信号に基づき、各携帯電話への着信回数を計数する計数手段と、この計数手段により計数された前記各携帯電話への着信回数に基づき、前記記憶手段に記憶されている優先順位を変更する記憶制御手段とを備える。したがって、着信回数に応じた合理的な優先順位の設定が可能となる。
【0010】
また、請求項4記載の発明に係る電子機器にあっては、前記計測手段は、1日を単位として、前記各携帯電話の着信回数を計数する。したがって、1日毎に着信回数に応じた合理的な優先順位の設定が可能となる。
【0011】
また、請求項5記載の発明に係る電子機器にあっては、複数の携帯電話に着信する着信電話番号の優先順位を記憶する記憶手段と、前記複数の携帯電話から着信時に各々送信される着信信号と着信電話番号とを受信する受信処理手段と、この受信処理手段が、前記複数の携帯電話からの着信信号を同時に受信したか否かを判断する判断手段と、この判断手段により、前記複数の携帯電話からの着信信号を同時に受信したと判断された場合、前記記憶手段に記憶されている着信電話番号の優先順位と前記受信処理手段が受信した着信電話番号とに基づき、最も優先順位が高い着信電話番号以外の着信電話番号を受信した携帯電話に通話不能であることを示す信号を送信する送信処理手段とを備える。
【0012】
つまり、ユーザが所持する複数の携帯電話に同時に着信があっても、当該ユーザは複数の携帯電話で同時に通話することは困難である。したがって、このように複数の携帯電話に着信が同時にあった場合には、予め記憶されている着信電話番号の優先順位に従って、最も優先順位が高い着信電話番号以外の着信電話番号を受信した携帯電話に通話不能であることを示す信号を送信する。これを受信した携帯電話において、受信した通話不能であることを示す信号に基づき、発呼者に通話不能メッセージを送信する等が可能となり、延いては、通話困難な状態にある携帯電話に対する着信報知が継続して、発呼者が不信や不快を抱く不都合が未然に防止することが可能となる。
【0013】
また、請求項6記載の発明に係る電子機器にあっては、複数の携帯電話のうち少なくとも一つの携帯電話の着信拒否期間を記憶する記憶手段と、前記複数の携帯電話から着信時に各々送信される着信信号を受信する受信処理手段と、この受信処理手段が、前記複数の携帯電話のいずれかからの着信信号を受信した際、前記記憶手段に記憶されている着信拒否期間基づき、当該携帯電話の着信拒否期間であるか否かを判断する判断手段と、この判断手段により、前記着信拒否期間であると判断された場合、前記着信信号を受信した携帯電話に通話不能であることを示す信号を送信する送信処理手段とを備える。
【0014】
したがって、複数の携帯電話のいずれかからの着信信号を受信した際、着信拒否期間であれば、当該着信信号を受信した携帯電話に通話不能であることを示す信号が送信される。よって、これを受信した携帯電話において、受信した通話不能であることを示す信号に基づき、発呼者に通話不能メッセージを送信する等が可能となり、延いては、当該携帯電話に対する着信報知が継続して、発呼者が不信や不快を抱く不都合が未然に防止することが可能となる。
【0015】
また、請求項7記載の発明に係る電子機器にあっては、前記送信処理手段はさらに、各携帯電話に所定の処理の実行を指示する信号を送信する。したがって、電子機器側から複数の携帯電話を制御することができる。
【0016】
また、請求項8記載の発明に係る電子機器にあっては、前記複数の携帯電話と無線接続する無線接続手段を備え、前記受信処理手段及び送信処理手段は、前記無線接続手段を介して、前記受信及び送信を行う。したがって、無線接続手段を利用した無線により、複数の携帯電話の制御が可能となる。
【0017】
また、請求項9記載の発明に係る電子機器にあっては、時計手段をさらに備え、腕に装着可能である。したがって、複数の携帯電話を制御する電子機器を腕時計と同様の携帯感覚で違和感なく手軽に携帯することができる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように請求項1に係る発明によれば、ユーザが複数の携帯電話を所持する場合において、第1の携帯電話で通話中に第2の携帯電話に着信があった場合には、該第2の携帯電話に携帯電話に通話不能であることを示す信号を送信することができる。したがって、複数の携帯電話を所持するユーザがある携帯電話で通話中であり、他の携帯電話に出ることは困難である状況下において、複数の携帯電話を合理的に制御することができる。
【0019】
また、請求項2、5に係る発明によれば、ユーザが複数の携帯電話を所持する場合において、複数の携帯電話に同時に着信があっても、優先順位に従って、最も優先順位が高い着信電話番号以外の着信電話番号を受信した携帯電話に通話不能であることを示す信号を送信することができる。したがって、複数の携帯電話に同時着信が発生した状況下において、複数の携帯電話を合理的に制御することができる。
【0020】
また、請求項6に係る発明によれば、複数の携帯電話のいずれかからの着信信号を受信した際、着信拒否期間であれば、当該着信信号を受信した携帯電話に通話不能であることを示す信号を送信することができる。したがって、ユーザが複数の携帯電話を所持する場合において、期間を用いて複数の携帯電話を合理的に制御することができる。
【0021】
さらに各請求項に係る発明によれば、通話不能であることを示す信号を受信した携帯電話において、受信した通話不能であることを示す信号に基づき、発呼者に通話不能メッセージを送信する等が可能となり、延いては、通話困難な状態にある携帯電話に対する着信報知が継続して、発呼者が不信や不快を抱く不都合が未然に防止することも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の一実施の形態を図に従って説明する。図1は、本発明の一実施の形態を適用したシステムの構成図である。このシステムは、スレーブとなる第1及び第2の携帯電話1、2と、これら両携帯電話1、2にブルーツゥース(Bluetooth)方式により近接無線接続されたマスターとなる腕時計3とで構成されている。また、両携帯電話1、2は、常時腕時計3との無線接続状態を維持し、着信があった際等当該携帯電話1、2に変化があった場合には、その状態を示す状態信号を前記近接無線により腕時計3に送信する機能、及び腕時計3から前記近接無線により送信される各種コマンド等を受信する機能を有している。
【0023】
図2は、各実施の形態に共通する腕時計3の構成を示すブロック図である。この腕時計3は、各部を制御するCPU4を備え、CPU4には、時計回路5、ドライバ6〜9、UART10、ROM11、RAM12及びスイッチ13が接続されている。時計回路5、発信、分周回路を備え、この分周回路から入力されるパルス信号に基づき、月、曜日、日時を含む現在時刻を生成しCPU4に供給する。ドライバ6は、腕時計3の本体上面に配置されたLCD14を駆動し、CPU4からの駆動信号により時計回路5が生成する現在時刻や他の各種データをLCD14に表示させる。ドライバ7は、腕時計3の本体内部に配置された振動モータ15を駆動し、ドライバ8は、腕時計3の本体上面に配置されたLED16を駆動し、ドライバ9はピエゾ17を駆動する。
【0024】
UART10には、ブルーツゥースモジュール18を介してアンテナ19に接続されており、したがって、前述のように腕時計3はブルーツゥース方式により、両携帯電話1、2と近接無線接続される。ROM11には、後述するフローチャートによって示すプログラムが格納されており、RAM12は、CPU4がこのプログラムに基づいて処理を実行する際のワークエリア等として使用される。スイッチ13は、腕時計3の本体周部に配置された各種スイッチボタンを有し、これらスイッチボタンの操作情報をCPU4に入力する。
【0025】
以上の構成にかかる本実施の形態において、ユーザは、腕時計3を腕に装着するとともに、第1及び第2の携帯電話1、2を携帯する。この状態において、腕時計3のCPU4は、ROM11に格納されているプログラムに基づき、図3のフローチャートに示す処理を実行する。すなわち、第1の携帯電話1からの送信信号に基づき、当該第1の携帯電話1に電話着信(通話着信)があったか否かを判断する(ステップS101)。第1の携帯電話1に着信があったならば、このとき第2の携帯電話2から送信されてい状態信号に基づき、該第2の携帯電話2が通話中であるか否かを判断する(ステップS102)。そして、第2の携帯電話2が通話中である場合には、第1の携帯電話1に着信拒否を無線送信する(ステップS103)。
【0026】
つまり、ユーザが第2の携帯電話2により通話中の状態において、第1の携帯電話1に着信があっても、さらに該第1の携帯電話1で通話を開始することは困難である。よって、この場合には、第1の携帯電話1に着信拒否を無線送信する。これを受信した第1の携帯電話1は、この着信拒否を受信して、例えば「只今、電話に出ることができません。」等のメッセージを発呼者に送信する。これにより、通話困難な状態にある第1の携帯電話1の着信報知が継続して、発呼者が不信や不快を抱く不都合が未然に防止される。
【0027】
なお、ステップS102での判断の結果、第2の携帯電話2が通話中でない場合には、第1の携帯電話1の着信報知を行う(ステップS104)。つまり、予め設定されている第1の携帯電話1用の振動パターンで振動モータ15を振動動作させ、あるいは、予め設定されている第1の携帯電話1用の点灯パターンでLED16を点滅動作させる。これにより、ユーザは第1の携帯電話1への着信であることを認識することができる。
【0028】
一方、ステップS101での判断の結果、第1の携帯電話1への着信がない場合には、第2の携帯電話2からの送信信号に基づき、当該第2の携帯電話2に電話着信(通話着信)があったか否かを判断する(ステップS105)。第2の携帯電話2に着信があったならば、このとき第1の携帯電話1が通話中であるか否かを判断する(ステップS106)。そして、第1の携帯電話1が通話中である場合には、第2の携帯電話2に着信拒否を無線送信する(ステップS107)。
【0029】
つまり、前述と同様に、ユーザが第1の携帯電話1により通話中の状態において、第2の携帯電話2に着信があっても、さらに該第2の携帯電話2で通話を開始することは困難である。よって、この場合には、第2の携帯電話2に着信拒否を無線送信する。これを受信した第2の携帯電話2は、この着信拒否を受信して、着信拒否メッセージを発呼者に送信する。これにより、通話困難な状態にある第2の携帯電話2の着信報知が継続して、発呼者が不信や不快を抱く不都合が未然に防止される。
【0030】
なお、ステップS106での判断の結果、第1の携帯電話1が通話中でない場合には、第2の携帯電話2の着信報知を行う(ステップS108)。つまり、予め設定されている第2の携帯電話2用の振動パターンで振動モータ15を振動動作させ、あるいは、予め設定されている第2の携帯電話2用の点灯パターンでLED16を点滅動作させる。これにより、ユーザは第2の携帯電話2への着信であることを認識することができる。
【0031】
(第2の実施の形態)
図4は、本発明の第2の実施の形態における処理手順を示すフローチャートであり、両携帯電話1、2に同時着信があった場合において、優先順位に基づき両携帯電話1、2を制御するようにしたものである。この実施の形態においては、ユーザはスイッチ13を操作することにより、予め携帯電話1、2のいずれの方が優先順位が高いかを設定し、この設定した優先順位はRAM12に記憶される。この状態において、CPU4は、ROM11に格納されているプログラムに基づき、図4のフローチャートに示す処理を実行する。すなわち、第1及び第2の携帯電話1、2に同時に着信があったか否かを判断する(ステップS201)。第1及び第2の携帯電話1、2に同時に着信があった場合には、第1の携帯電話1の優先順位の方が、第2の携帯電話2の優先順位よりも高いか否かを判断を判断する(ステップS202)。そして、第1の携帯電話1の優先順位の方が高い場合には(ステップS202;YES)、優先順位の低い第2の携帯電話2に着信拒否を送信するし(ステップS203)、優先順位の高い第1の携帯電話1の着信報知を行う(ステップS204)。
【0032】
つまり、第1及び第2の携帯電話1、2に同時着信があった場合、第1の携帯電話1の方が優先順位が高ければ、予め設定されている第1の携帯電話1用の振動パターンで振動モータ15を振動動作させ、あるいは、予め設定されている第1の携帯電話1用の点灯パターンでLED16を点滅動作させる。これにより、同時着信があった場合において、優先順位の高い第1の携帯電話1への着信を確実にユーザに報知することができる。また、これと同時に、優先順位の低い第2の携帯電話2には、着信拒否を無線送信し(ステップS204)、これを受信した第2の携帯電話2は、この着信拒否を受信して、例えば「只今、電話に出ることができません。」等のメッセージを発呼者に送信する。これにより、通話困難な状態となる第2の携帯電話2の着信報知が継続して、発呼者が不信や不快を抱く不都合が未然に防止される。
【0033】
しかし、ステップS202での判断の結果、前述とは逆に、第2の携帯電話2の優先順位の方が高い場合には(ステップS202;NO)、優先順位の低い第1の携帯電話1に着信拒否を送信し(ステップS205)、優先順位の高い第2の携帯電話2の着信報知を行う(ステップS106)。
【0034】
また、ステップS201での判断の結果、第1及び第2の携帯電話1、2への同時着信がない場合には、第1の携帯電話1への着信があったか否かを判断し(ステップS207)、第1の携帯電話1への着信があった場合には、前記ステップS204に進み、第1の携帯電話1の着信報知を行う。また、ステップS207での判断の結果、第1の携帯電話1への同時着信がない場合には、第1の携帯電話2への着信があったか否かを判断し(ステップS208)、第2の携帯電話2への着信があった場合には、前記ステップS206に進み、第2の携帯電話2の着信報知を行う。
【0035】
(第3の実施の形態)
【0036】
図5及び図6は、前述した第2の実施の形態における前記優先順位を自動設定する場合の処理手順を示すフローチャートであり、CPU4は図5のフローチャートに示す電話着信回数のカウント処理を常時実行する。すなわち、第1の携帯電話1に着信があったか否かを判断し(ステップS301)、着信があった場合には、RAM12に記憶している第1の携帯電話1の着信回数をカウントアップさせる(ステップS302)。また、第1の携帯電話1への着信がなかった場合には、第2の携帯電話2に着信があったか否かを判断し(ステップS303)、着信があった場合には、RAM12に記憶している第1の携帯電話1の着信回数をカウントアップさせる(ステップS304)。なお、第1及び第2の携帯電話1、2の着信回数は、後述するステップS404で1日1回所定時刻に「0」にリセットされる。したがって、RAM12に記憶されている第1及び第2の携帯電話1、2の着信回数は、1日における着信回数である。
【0037】
また、CPU4は図6のフローチャートに示す日キャリー処理を1日1回、午前零時に実行する。すなわち、前記RAM12に記憶されてい第1の携帯電話1の着信回数が第2の携帯電話2の着信回数よりも多いか否かを判断する(ステップS401)。この判断がYESであって、第1の携帯電話1の着信回数が第2の携帯電話2の着信回数よりも多い場合には、第1の携帯電話1の優先順位を「高」に設定し、かつ、第2の携帯電話2の優先順位を「低」に設定する(ステップS402)。また、これとは逆に、ステップS401の判断がNOであって、第2の携帯電話2の着信回数が第1の携帯電話1の着信回数よりも多い場合には、第2の携帯電話2の優先順位を「高」に設定し、かつ、第1の携帯電話1の優先順位を「低」に設定する(ステップS402)。しかる後に、第1及び第2の携帯電話1、2の着信回数を「0」にリセットする(ステップS404)。したがって、本実施の形態によれば、各携帯電話1、2への1日における着信回数に応じて、同時着信時の優先順位を自動設定することができる。
【0038】
なお、本実施の形態においては、各携帯電話1、2への1日における着信回数に応じて、同時着信時の優先順位を自動設定するようにしたが、1日に限らず、1週間あるいは10日単位等、より長い期間における着信回数で優先順位を決定するうようにしてもよい。
【0039】
(第4の実施の形態)
図7は、本発明の第4の実施の形態における処理手順を示すフローチャートであり、両携帯電話1、2に同時着信があった場合において、優先順位に基づき両携帯電話1、2を制御するようにしたものである。この実施の形態においては、ユーザはスイッチ13を操作することにより、
優先順位1:着信電話番号○○○−××××−△△△△
優先順位2:着信電話番号×××−△△△△−○○○○
・・・
のように、優先順位に対応して着信電話番号をRAM12記憶しておく。また、本実施の形態においては、携帯電話1、2に着信があった際には、各携帯電話1、2から着信信号とともに、当該携帯電話1、2への着信電話番号が送信される。かかる構成において、CPU4は、ROM11に格納されているプログラムに基づき、図7のフローチャートに示す処理を実行する。すなわち、第1及び第2の携帯電話1、2に同時に着信があったか否かを判断する(ステップS501)。第1及び第2の携帯電話1、2に同時に着信があった場合には、第1の携帯電話1に着信した着信電話の電話番号の方が、第2の携帯電話2に着信した着信電話の電話番号の優先順位よりも高いか否かを判断を判断する(ステップS502)。そして、第1の携帯電話1に着信した着信電話の電話番号の優先順位の方が高い場合には(ステップS502;YES)、優先順位の低い第2の携帯電話2に着信拒否を送信し(ステップS503)、優先順位の高い第1の携帯電話1の着信報知を行う(ステップS504)。
【0040】
つまり、第1及び第2の携帯電話1、2に同時着信があった場合、第1の携帯電話1に着信した着信電話の電話番号の方が優先順位が高ければ、予め設定されている第1の携帯電話1用の振動パターンで振動モータ15を振動動作させ、あるいは、予め設定されている第1の携帯電話1用の点灯パターンでLED16を点滅動作させる。これにより、同時着信があった場合において、優先順位の高い着信電話番号からの第1の携帯電話1への着信を確実にユーザに報知することができる。また、これと同時に、優先順位の低い第2の携帯電話2には、着信拒否を無線送信し(ステップS504)、これを受信した第2の携帯電話2は、この着信拒否を受信して、例えば「只今、電話に出ることができません。」等のメッセージを発呼者に送信する。これにより、通話困難な状態となる第2の携帯電話2の着信報知が継続して、発呼者が不信や不快を抱く不都合が未然に防止される。
【0041】
しかし、ステップS502での判断の結果、前述とは逆に、第2の携帯電話2に着信した着信電話の電話番号の方が優先順位が高い場合には(ステップS502;NO)、優先順位の低い第1の携帯電話1に着信拒否を送信し(ステップS505)、優先順位の高い第2の携帯電話2の着信報知を行う(ステップS106)。
【0042】
また、ステップS501での判断の結果、第1及び第2の携帯電話1、2への同時着信がない場合には、第1の携帯電話1への着信があったか否かを判断し(ステップS507)、第1の携帯電話1への着信があった場合には、前記ステップS504に進み、第1の携帯電話1の着信報知を行う。また、ステップS507での判断の結果、第1の携帯電話1への同時着信がない場合には、第1の携帯電話2への着信があったか否かを判断し(ステップS508)、第2の携帯電話2への着信があった場合には、前記ステップS506に進み、第2の携帯電話2の着信報知を行う。
【0043】
(第5の実施の形態)
図8は、本発明の第5の実施の形態における処理手順を示すフローチャートであり、特定の期間においては、一方の携帯電話のへの着信を報知するようにしたものである。この実施の形態においては、ユーザはスイッチ13を操作することにより、予め携帯電話1に着信があった場合であっても、これを報知しない着信拒否期間を設定し、この設定した携帯電話1の着信拒否期間はRAM12に記憶される。そして、例えば、携帯電話1の着信拒否期間として、土曜日及び日曜日を設定した状態において、CPU4は、ROM11に格納されているプログラムに基づき、図8のフローチャートに示す処理を実行する。すなわち、第1の携帯電話1からの送信信号に基づき、当該第1の携帯電話1に電話着信(通話着信)があったか否かを判断する(ステップS601)。第1の携帯電話1に着信があったならば、時計回路5が生成している現在曜日に基づき、本日が土曜日あるいは日曜日であるか否かを判断する(ステップS602)。そして、土曜日あるいは日曜日である場合には、第1の携帯電話1に着信拒否を無線送信する(ステップS603)。
【0044】
つまり、ユーザがビジネス用として使用している第1の携帯電話1に、その着信拒否期間である土曜日あるいは日曜日に着信があった場合には、第1の携帯電話1に着信拒否を無線送信する。これを受信した第1の携帯電話1は、この着信拒否を受信して、例えば「本日は休日につき、電話に出ることができません。」等のメッセージを発呼者に送信する。これにより、ビジネス用の第1の携帯電話1の着信報知が継続して、発呼者が不信や不快を抱く不都合が未然に防止される。
【0045】
なお、ステップS602での判断の結果、土曜日あるいは日曜日でない場合には、第1の携帯電話1の着信報知を行う(ステップS604)。つまり、予め設定されている第1の携帯電話1用の振動パターンで振動モータ15を振動動作させ、あるいは、予め設定されている第1の携帯電話1用の点灯パターンでLED16を点滅動作させる。これにより、ユーザは第1の携帯電話1への着信であることを認識することができる。
【0046】
一方、ステップS601での判断の結果、第1の携帯電話1への着信がない場合には、第2の携帯電話2からの送信信号に基づき、当該第2の携帯電話2に電話着信(通話着信)があったか否かを判断する(ステップS605)。第2の携帯電話2に着信があったならば、第2の携帯電話2の着信報知を行う(ステップS606)。つまり、予め設定されている第2の携帯電話2用の振動パターンで振動モータ15を振動動作させ、あるいは、予め設定されている第2の携帯電話2用の点灯パターンでLED16を点滅動作させる。これにより、ユーザは第2の携帯電話2への着信であることを認識することができる。
【0047】
なお、本実施の形態にいおいては、曜日により着信拒否期間を設定する例を示したが、これに限ることなく、より短い時間単位で設定したり、より長い複数日、週、月等の期間で設定するようにしてもよい。
【0048】
(その他の実施の形態)
図9〜図21は、本発明のその他の実施の形態における処理手順を示すフローチャートであり、これらの実施の形態は、前述した第1〜第5の実施の形態と適宜組み合わせることができる。図9は、各携帯電話1、2に対するミュート処理を行う処理手順を示すフローチャートである。まず、第1の携帯電話1に着信があったか否かを判断し(ステップS701)、着信があった場合には、第1の携帯電話1へ着信音のミュート指示信号を送信する。また、第1の携帯電話1に着信がなかった場合には、第2の携帯電話2に着信があったか否かを判断し(ステップS703)、着信があった場合には、第2の携帯電話2へ着信音のミュート指示信号を送信する。したがって、これら送信されたミュート指示信号を受信した第1又は第2の携帯電話1、2において、ミュート指示信号に従って着信音のミュート処理が実行される。
【0049】
図10は、各携帯電話1、2に対する同時サイレントモードのセット及びリリース処理を行う処理手順を示すフローチャートである。サイレントモードのセット処理においては、図(A)に示すように、第1の携帯電話1にサイレントモードセット指示信号を送信し、引き続き、第1の携帯電話1にサイレントモードセット指示信号を送信し(ステップS711)、引き続き、第2の携帯電話2にサイレントモードセット指示信号を送信する(ステップS712)。また、サイレントモードのリリース処理においては、図(B)に示すように、第1の携帯電話1にサイレントモードリリース指示信号を送信し、引き続き、第1の携帯電話1にサイレントモードリリース指示信号を送信し(ステップS731)、引き続き、第2の携帯電話2にサイレントモードリリース指示信号を送信する(ステップS732)。したがって、これら送信されたサイレントモードセット指示信号又はサイレントモードリリース指示信号を受信した第1又は第2の携帯電話1、2において、サイレントモードのセット処理又はサイレントモードのリリース処理が実行されることとなる。
【0050】
図11は、電話、メール着信報知処理の処理手順を示すフローチャートである。すなわち、第1の携帯電話1に電話着信があったか否か(ステップS801)、第1の携帯電話1にメール着信があったか否か(ステップS803)、第2の携帯電話2に電話着信があったか否か(ステップS805)、第2の携帯電話2にメール着信があったか否か(ステップS807)を順次判断する。そして、第1の携帯電話1に電話着信があった場合には(ステップS801;YES)、予め設定されている第1の携帯電話1の電話着信のパターンによる報知、つまり第1の携帯電話1の電話着信用の振動パターンで振動モータ15を振動動作させ、あるいは、予め設定されている第1の携帯電話1用の点灯パターンでLED16を点滅動作させる報知を行う(ステップS802)。
【0051】
また、第1の携帯電話1にメール着信があった場合には(ステップS803;YES)、第1の携帯電話1のメール着信パターンによる報知を行い(ステップS804)、第2の携帯電話2に電話着信があった場合には(ステップS805;YES)、第2の携帯電話2の電話着信のパターンによる報知を行い(ステップS806)、第2の携帯電話2にメール着信があった場合には(ステップS807;YES)、第2の携帯電話2のメール着信パターンによる報知を行う(ステップS807)。したがって、腕時計3からの着信報知によりユーザは、第1の携帯電話1への電話着信であるかメール着信であるか、及び第2の携帯電話2への電話着信であるかメール着信であるかを認識することができる。
【0052】
図12は、ワンタッチ操作により、第1の携帯電話1の電話着信パターンを切り替え選択するパターン選択処理の処理手順を示すフローチャートである。すなわち、所定のスイッチが操作されたならば、このとき第1の携帯電話1の電話着信パターンとして、「振動10回」が設定されているか否かを判断し(ステップS901)、設定されているならば、第1の携帯電話1の電話着信パターンとして、「振動20回」を設定する(ステップS902)。また、「振動10回」が設定されていない場合には、「振動20回」が設定されているか否かを判断し(ステップS903)、「振動20回」が設定されている場合には、「振動/LED10回」を設定する(ステップS904)。
【0053】
また、「振動20回」が設定されていない場合には、「振動/LED10回」が設定されているか否かを判断し(ステップS905)、設定されているならば、第1の携帯電話1の電話着信パターンとして、「振動/LED20回」を設定する(ステップS906)。さらに、「振動/LED10回」が設定されていない場合には、第1の携帯電話1の電話着信パターンとして、「振動10回」を設定する(ステップS907)。したがって、腕時計3側で所定のスイッチを操作すると、操作する毎に第1の携帯電話1の電話着信パターンとして、「振動20回」→「振動/LED10回」→「振動/LED20回」→「振動10回」とサイクリックに設定変更され、腕時計3側での簡単な操作により、第1の携帯電話1の報知パターンを容易に設定変更することができる。
【0054】
なお、図12においては、第1の携帯電話1に対するパターン選択処理のみを示したが、第2の携帯電話2に対するパターン選択処理も同様のフローに従って実行することができる。また、実施の形態においては、本発明を腕時計に適用した場合を示したが、腕時計に限ることなく、他の電子機器に適用するようにしてもよい。また、適用する電子機器は、携帯型であることが好ましいが据え置き型の電子機器に適用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施の形態を適用したシステムの構成図である。
【図2】各実施の形態に共通する腕時計の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施の形態における処理手順を示すフローチャートである。
【図5】電話着信回数カウント処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】日キャリー処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第4の実施の形態における処理手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第5の実施の形態における処理手順を示すフローチャートである。
【図9】着信音ミュート処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】(A)はサイレントモードセット処理の処理手順を示すフローチャートであり、(B)はサイレントモードリリース処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】電話、メール着信報知処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】第1の携帯電話の電話着信パターン選択処理の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0056】
1 第1の携帯電話
2 第2の携帯電話
3 腕時計
4 CPU
5 時計回路
11 ROM
12 RAM
13 スイッチ
14 LCD
15 振動モータ
16 LED
18 ブルーツゥースモジュール
19 アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の携帯電話から着信時に各々送信される着信信号を受信する受信処理手段と、
この受信処理手段が、前記複数の携帯電話のいずれかからの着信信号を受信した際、他の携帯電話が通話中であるか否かを判断する判断手段と、
この判断手段により、前記他の携帯電話が通話中であると判断された場合、前記着信信号を受信した携帯電話に通話不能であることを示す信号を送信する送信処理手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
複数の携帯電話の優先順位を記憶する記憶手段と、
前記複数の携帯電話から着信時に各々送信される着信信号を受信する受信処理手段と、
この受信処理手段が、前記複数の携帯電話からの着信信号を同時に受信したか否かを判断する判断手段と、
この判断手段により、前記複数の携帯電話からの着信信号を同時に受信したと判断された場合、前記記憶手段に記憶されている優先順位に従って、最も優先順位が高い携帯電話以外の携帯電話に通話不能であることを示す信号を送信する送信処理手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項3】
前記複数の携帯電話から着信時に各々送信される着信信号に基づき、各携帯電話への着信回数を計数する計数手段と、
この計数手段により計数された前記各携帯電話への着信回数に基づき、前記記憶手段に記憶されている優先順位を変更する記憶制御手段とを備えることを特徴とする請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記計測手段は、1日を単位として、前記各携帯電話の着信回数を計数することを特徴とする請求項3記載の電子機器。
【請求項5】
複数の携帯電話に着信する着信電話番号の優先順位を記憶する記憶手段と、
前記複数の携帯電話から着信時に各々送信される着信信号と着信電話番号とを受信する受信処理手段と、
この受信処理手段が、前記複数の携帯電話からの着信信号を同時に受信したか否かを判断する判断手段と、
この判断手段により、前記複数の携帯電話からの着信信号を同時に受信したと判断された場合、前記記憶手段に記憶されている着信電話番号の優先順位と前記受信処理手段が受信した着信電話番号とに基づき、最も優先順位が高い着信電話番号以外の着信電話番号を受信した携帯電話に通話不能であることを示す信号を送信する送信処理手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項6】
複数の携帯電話のうち少なくとも一つの携帯電話の着信拒否期間を記憶する記憶手段と、
前記複数の携帯電話から着信時に各々送信される着信信号を受信する受信処理手段と、
この受信処理手段が、前記複数の携帯電話のいずれかからの着信信号を受信した際、前記記憶手段に記憶されている着信拒否期間基づき、当該携帯電話の着信拒否期間であるか否かを判断する判断手段と、
この判断手段により、前記着信拒否期間であると判断された場合、前記着信信号を受信した携帯電話に通話不能であることを示す信号を送信する送信処理手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項7】
前記送信処理手段はさらに、各携帯電話に所定の処理の実行を指示する信号を送信することを特徴とする請求項1から6にいずれか記載の電子機器。
【請求項8】
前記複数の携帯電話と無線接続する無線接続手段を備え、前記受信処理手段及び送信処理手段は、前記無線接続手段を介して、前記受信及び送信を行うことを特徴とする1から6にいずれか記載の電子機器。
【請求項9】
時計手段をさらに備え、腕に装着可能であることを特徴とする請求項1から7にいずれか記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−235285(P2007−235285A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−51444(P2006−51444)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】