説明

電子機器

【課題】局所的な温度上昇が発生した場合であっても、温度センサによる補正値と水晶振動子の周波数ドリフトとの追従ができる電子機器を提供する。
【解決手段】温度センサ素子で計測された温度を用いて水晶振動子の振動に対する補正を行う電子機器1は、基板上に配置された水晶振動子13と、温度を計測する温度センサ素子14とを備え、前記主表面のうち前記水晶振動子13で覆われた部分領域の基板内部に前記温度センサ素子14の少なくとも一部が配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水晶振動子から発振される振動周波数を補正する電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、発振源に水晶振動子を用いた電子機器(例えば、携帯電話機)において、水晶振動子の周波数ドリフトを補正するために、温度センサを用いている。例えば、水晶振動子が配置された基板と同一面上に温度センサ素子を配置しているものがある。この場合、基板の小型化、薄型化に伴い、水晶振動子が配された位置において局所的な温度上昇が発生する場合があり、温度センサ素子による補正値が水晶振動子の周波数ドリフトに追従しにくくなるという傾向がある。
【0003】
そこで、温度センサ素子と水晶振動子とが一体化した部品が開発され、基板に実装されている(特許文献1参照)。温度センサ素子と水晶振動子との一体型部品を用いることで、当該部品の配された位置において局所的な温度上昇が発生した場合であっても、温度センサ素子による補正値と水晶振動子の周波数ドリフトとが追従しやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−295302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、一体型部品において温度センサ素子は当該部品に内蔵されており、検知した温度を基板に配された電源チップ等に通知するためには、基板内に形成された信号ライン(通知先である電源チップに接続された信号ラインである。)と、温度センサ素子とを接続する必要がある。そうすると、当該接続のために基板の表面上にさらに信号ラインを形成しなければならず、その結果一体型部品を用いることはコスト高となるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、局所的な温度上昇が発生した場合であっても、温度センサ素子による補正値が水晶振動子の周波数ドリフトに追従ができる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、温度センサ素子で計測された温度を用いて水晶振動子の振動周波数に対する補正を行う電子機器であって、基板上に配置された水晶振動子と、温度を計測する温度センサ素子とを備え、前記基板内部に前記温度センサ素子の少なくとも一部が配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
上記の構成によると、電子機器は、局所的な温度上昇が発生した場合であっても、温度センサ素子による補正値が水晶振動子の周波数ドリフトに追従ができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】(a)は携帯電話機(電子機器)1の基板10についての上面図であり、(b)は基板10についてX−X’における断面図である。
【図2】基板10の構造を説明する分解図である。
【図3】基板10のサイズの一例を示す図である。
【図4】温度センサ素子14による補正値と水晶振動子13の周波数ドリフトとの追従関係の一例を示す図である。
【図5】(a)は基板10aの断面図であり、(b)は基板10aの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.第1の実施の形態
以下、本発明に係る電子機器の一実施形態である携帯電話機1について説明する。
1.1 構成
ここでは、携帯電話機1において、水晶振動子と温度センサの一体品を使用することなく、温度センサの補正値と水晶振動子の周波数ドリフトとが追従できる構成について、図1を用いて説明する。
【0011】
図1(a)は携帯電話機1の基板10の上面図であり、図1(b)は基板10をx−x’での断面図である。
図1(a)、(b)に示すように、 図1に示すように、携帯電話機1の基板10は、内部に部品を内蔵することのできる部品内蔵型基板であり、その内部には、温度センサ14、及び抵抗(R)、コンデンサ(C)、インダクタ(L)等の部品15、16が内蔵されている。また、基板10の主表面にはチップセット11及び水晶振動子13が配置され、主表面の対向面には、ICチップ(以下、単にICという。)12が配置されている。
【0012】
水晶振動子13と温度センサ14との位置関係を、図1(a)に示す。図1(a)に示すように、基板10の主表面全体のうち水晶振動子13で覆われた領域の下方向に位置する基板10の内部に温度センサ14全体が納まるよう配置されている。
チップセット11は、電源ICであり、IC12等に電源を供給するものである。なお、チップセット11の用途は電源ICに限定されるものではなく、適宜他の用途に使用することもできる。
【0013】
IC12は、RF−ICであり、携帯電話機1が外部との無線通信を行う際に動作するものである。なお、IC12の用途はRF−ICに限定されるものではなく、適宜他の用途に使用することもできる。
水晶振動子13は、周囲温度に応じた振動周波数で動作する、パッケージ化された部品であり、その振動周波数からなる信号が信号ライン22を介してチップセット11へ供給される。
【0014】
温度センサ素子14は、水晶振動子の振動に対する補正用の温度を検出するものであり、例えば、温度の変化に応じて抵抗値が変化するサーミスタであり、信号ライン21によりチップセット11と接続されている。
水晶振動子13の周波数を補正する回路(図1では図示せず)では、検出された温度に変化した温度センサ素子14の抵抗値に基づく電圧に応じた温度を特定し、特定した温度に対応する周波数を取得する。例えば、当該回路は、温度と周波数が対応付けられたテーブルを有しており、当該テーブルを用いることで温度センサ素子14で検知された温度に対応する周波数を特定することができる。当該回路において、特定した周波数と、水晶振動子13による振動に対する周波数とのずれ量を取得し、取得したずれ量に応じた補正が行われる。
【0015】
水晶振動子13は、通常、周囲の温度により振動する周波数が異なるため、その動作は基板10に配置されたICが動作することにより放出する熱の影響を受ける。図1(b)に示すように、対向面に配置されたIC12から放出される熱が基板10を通じて水晶振動子13へ伝わる。そのため、水晶振動子13の温度を検出するためには、温度センサ素子14は、水晶振動子13に近い位置であってIC12から放出された熱が伝わる経路中に配置されていても良い。そこで、水晶振動子13と温度センサ素子14との位置関係を、図1(a)、(b)に示すような関係とすることで、温度センサ素子14で計測される温度を、IC12から放出され、水晶振動子13へ伝わる熱の温度とみなすことができ、温度センサ素子の補正値と水晶振動子の周波数ドリフトとが追従することができる。
【0016】
1.2 製造方法
ここでは、基板10に温度センサ素子14を内蔵する製造方法について、図2を用いて説明する。
温度センサ素子14を内蔵する方法は、公知となっている基板に部品を内蔵する製造方法と、同様であるため、その詳細は省略し、図2を用いて簡単に説明する。
【0017】
先ず、基板10を構成するUpperレイヤー101、Coreレイヤー102及びBaseレイヤー102を製造する。各レイヤーは、銅(信号ライン)、絶縁層及び導電性バンプから構成される。例えば、Baseレイヤー102の製造時においては、まず、銅110上に導電性バンプ111、112が配置される(Printing)。そして、導電性バンプ111、112が配置された以外の銅110の主表面上に絶縁層113が形成され(Piercing)、絶縁層113の上面に銅114、115、116が配置されることで(Lamination)、Baseレイヤー102が製造される。そして、製造されたBaseレイヤー102に温度センサ素子14及び部品15、16(抵抗、コンデンサ、インダクタ等)を半田実装する。他のレイヤーも、Piercing、Piercing及びLaminationの工程を経ることで製造される。
【0018】
Upperレイヤー101、Coreレイヤー102、及び温度センサ素子14等が半田実装されたBaseレイヤー102を一括プレスすることにより、基板10が完成する。
このように、上記の製造方法において温度センサ素子14の実装は他の部品(抵抗、コンデンサ、インダクタ等)の実装と同一のタイミングで行われるので、温度センサ素子14を基板10に内蔵しても従来の部品内蔵基板を製造する工程と比較して、基板10の製造する工程が増えることは無い。つまり、部品(抵抗、コンデンサ、インダクタ等)を内蔵した従来の部品内蔵基板の製造と同様の手順(工数)で、基板10を製造することができる。
【0019】
上記方法により製造された基板10の具体例を図3に示す。
通常、温度センサ素子14の高さは0.3mm程度である。
Baseレイヤー103の厚さは0.25mmであり、その上面に温度センサ素子14を配置すると、組み合わせた高さ(厚み)は0.55mmとなる。Coreレイヤー102の厚さは0.42mmであり、Upperレイヤー101の厚さは0.33mmである。そうすると、Coreレイヤー102とUpperレイヤー101とを組み合わせた高さ(厚み)は0.75mmとなり、温度センサ素子14をBaseレイヤー103の上面に配置しても、基板10に内蔵することができる。
【0020】
1.3 具体例
ここでは、水晶振動子13と温度センサ素子14との位置関係が上記にて説明した関係にある場合において、検出された温度等を用いた具体的な処理について説明する。
図4は、Rx信号(受信信号)及びGPS(Global Positioning System)信号を補正する処理を行うための構成図を模式的に示すものである。
【0021】
当該処理を行うために、携帯電話機1の基板10には、図1に示すチップセット(電源IC)11、ICチップ(RF−IC)12、水晶振動子13、温度センサ素子14と、図1に図示していないベースバンドIC40が備えられている(図4参照)。なお、図4では便宜上、水晶振動子13と温度センサ素子14とは並べて記載しているが、本来は、温度センサ素子14は、水晶振動子との間で図1に示すような位置関係となるよう基板10に内蔵されている。また、図1に示すように電源IC11は基板10の主表面に、RF−IC12は基板10の主表面に対向する面にそれぞれ配置されている。ベースバンドIC40は、基板10の主表面及び主表面に対向する面の何れに配置されてもよい。
【0022】
電源IC11は、図4に示すように、ADC(Analog Digital Converter)201と増幅器202とを有している。ADC201は、温度センサ素子14において温度の変化に応じて変化された抵抗値に基づく電圧値(アナログ値)から、当該電圧値に対応する値(デジタル値)へと変換する。また、増幅器202は、水晶振動子13で発振された振動周波数の波長を増幅し、RF−IC12へ出力する。
【0023】
RF−IC12は、図4に示すように、PLL(Phase Locked Loop)210、受信回路211及びGPS回路212を有している。PLL210は、高周波発振器であり、水晶振動子13で発振された周波数を基準とし出力すべき周波数を制御する。受信回路211は、PLL210により発振された周波数に基づいてアンテナ213を用いて外部からの無線信号(受信信号:Rx)を受信する。GPS回路212は、アンテナ214を用いて外部からGPS信号を受信する。
【0024】
ベースバンドIC40は、ベースバンド処理を行うものであり、図4に示すように、周波数比較器220、デジタル補正部221、222及びAFC(Auto Frequency Control)223を有している。AFC223は、受信周波数を安定にするための電子回路であり、安定した受信周波数の下で受信回路211が受信したRx信号を外部へ出力する。また、AFC223は、直近で利用していた受信周波数を周波数比較器220へ通知する。
【0025】
周波数比較器220は、温度と周波数が対応付けられたテーブルを有している。周波数比較器220は、温度センサ素子14で検出された温度に変化した温度センサ素子14の抵抗値に基づく電圧に応じた温度を特定し、特定した温度に対応する周波数を当該テーブルから取得する。周波数比較器220は、AFC223から通知された受信周波数と、テーブルから取得した周波数とのずれ量を算出し、その結果をデジタル補正部221及び222へ通知する。
【0026】
デジタル補正部221は、周波数比較器220から通知されたずれ量を用いてRx信号をデジタル補正し、補正されたRx信号をAFC223へ出力する。デジタル補正部222は、周波数比較器220から通知されたずれ量を用いてGPS信号をデジタル補正し、補正されたGPS信号を外部へ出力する。
以上説明したように、Rx信号やGPS信号を補正する際にはずれ量が必要であり、このずれ量の誤差が小さいほど補正は正確なものとなる。そのためには、温度センサ素子14で検出される温度が水晶振動子13の温度とみなせるほど正確なものでなければならない。そこで、本実施の形態では、水晶振動子13の直下に位置するように温度センサ素子14を基板10に内蔵させている。そのため、水晶振動子13と、対向する位置に配置されたIC12との間における熱の伝導路中に温度センサ素子14が位置することとなるので、温度センサ素子と水晶振動子との一体型部品を用いなくても、温度センサ素子14で計測された温度は水晶振動子13の温度とみなせるほど正確なものとなり、そのずれ量の誤差は小さいものとなる。
【0027】
また、水晶振動子と温度センサ素子の一体型部品では、電源ICと接続するために、まず信号ラインを基板内に形成する必要がある、さらに、一体型部品は基板の主表面に配置されるので基板内の形成された信号ラインと一体型部品の温度センサ素子とを接続するために基板外においても信号ラインを形成する必要がある。
一方、本願の温度センサ素子14は基板10に内蔵されるので、基板外への信号ラインの形成は必要ない。つまり、本実施の形態では、従来の一体型部品と比較して信号ラインを容易に形成できる。
【0028】
1.4 変形例
以上、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限られない。例えば、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態では、温度センサ素子14は、Upperレイヤー101で覆うことで、基板10に内蔵されたが、これに限定されない。
【0029】
図5(a)は、本変形例における水晶振動子13、温度センサ素子14の配置を説明するものである。
本変形例では、基板10aの主表面に凹部50を設け、凹部50に温度センサ素子14を配置し、水晶振動子13をその凹部を覆うように配置するとしてもよい。なお、本発明においては、基板10の主表面上の凹部50に温度センサ素子14を配置することは、基板10に内蔵するという概念に含まれることとする。
【0030】
図5(b)は、本変形例における基板10aの分解図である。図5(b)に示すように、温度センサ素子14が配置されたBaseレイヤー103と、Coreレイヤー102とを一括プレスし、その後、温度センサ素子14を覆うように水晶振動子13を配置する。なお、基板10aに内蔵される他の部品(抵抗、コンデンサ、インダクタ等)は、Coreレイヤー102の最上位層により覆われている。
【0031】
(2)上記実施の形態では、温度センサ素子14の全体が、水晶振動子13の直下に位置するよう配置されたが、これに限定されない。
温度センサ素子14は、その一部が水晶振動子13の直下に位置するよう基板10に内蔵されてもよい。
また、熱源となるICチップ12は、水晶振動子13の直下に位置し、且つ水晶振動子13が配置された主表面と対向する面に配置されているが、ICチップ12の配置位置はこれに限定されない。
【0032】
ICチップ12は、水晶振動子13が配置された主表面と対向する面であって、水晶振動子13の直下に無い位置に配置されてもよい。この場合、温度センサ素子14は、ICチップ12から水晶振動子13へ熱が伝わる経路中に配置されればよい。
(3)上記実施の形態において、温度センサ素子14から基板10の主表面までの距離と、温度センサから主表面と対向する対向面までの距離とについては何ら言及していないが、温度センサ素子14から基板10の主表面までの距離が、温度センサ素子14から主表面と対向する対向面までの距離よりも短いことが望ましい。ここで、温度センサ素子14とからの距離とは、例えば温度センサ素子14の中心点からの距離をいう。
【0033】
(4)上記実施の形態及び変形例を組み合わせるとしてもよい。
1.5 補足
(1)本発明の一態様である、温度センサ素子で計測された温度を用いて水晶振動子の振動周波数に対する補正を行う電子機器は、基板上に配置された水晶振動子と、温度を計測する温度センサ素子とを備え、前記基板内部に前記温度センサ素子の少なくとも一部が配置されることを特徴とする。
【0034】
この構成によると、基板内部に前記温度センサの少なくとも一部が配置されている。そのため、基板内で伝わる、温度センサ素子で計測された温度を水晶振動子の温度とみなすことができるので、局所的な温度上昇が発生した場合であっても、温度センサ素子による補正値と水晶振動子の周波数ドリフトとの追従ができる。
(2)ここで、前記温度センサ素子は、熱源から前記水晶振動子へ熱が伝達する経路中に少なくとも一部が配置されているとしてもよい。
【0035】
この構成によると、熱源から熱が伝達する経路中に前記温度センサ素子の少なくとも一部が配置されている。そのため、温度センサ素子で計測された温度を熱源から伝わった水晶振動子の温度とみなすことができるので、局所的な温度上昇が発生した場合であっても、温度センサ素子による補正値と水晶振動子の周波数ドリフトとの追従ができる。
(3)ここで、前記熱源は、前記主表面に対向する前記基板の面のうち、前記温度センサ素子が配置される部分領域に対向する対向領域の少なくとも一部を覆うよう配置されており、前記水晶振動子で覆われた前記主表面の領域の基板内部に前記温度センサ素子全体が配置されるとしてもよい。
【0036】
この構成によると、電子機器において、温度センサ素子全体が熱源からの熱の伝達経路中に含まれることとなり、熱源から水晶振動子へ伝わる温度を正確に計測することができる。
(4)ここで、前記温度センサ素子から前記主表面までの距離は、前記温度センサ素子から前記主表面の対向面までの距離よりも短いとしてもよい。
【0037】
この構成によると、電子機器において、温度センサ素子から基板の主表面までの距離は、温度センサ素子から主表面の対向面までの距離よりも短いので、水晶振動子の温度をより正確に計測することができる。
(5)ここで、前記水晶振動子で覆われた前記領域には、凹部が形成されており、前記温度センサ素子は、当該凹部に配置されるとしてもよい。
【0038】
この構成によると、電子機器の温度センサ素子は、前記水晶振動子で覆われた前記主表面の領域の形成された凹部に配置されるので、温度センサ素子と水晶振動子との間に基板を形成する層が存在しない。そのため、温度センサ素子は、水晶振動子の温度をより正確に計測することができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、水晶振動子から発振される振動周波数を補正する機器について有効である。
【符号の説明】
【0040】
1 携帯電話機(電子機器)
10 基板
11 チップセット(電源IC)
12 IC(RF−IC)
13 水晶振動子
14 温度センサ素子
15 部品
40 ベースバンドIC
101 Upperレイヤー
102 Coreレイヤー
103 Baseレイヤー
110、114、115、116 銅
111、112 導電性バンプ
113 絶縁層
201 ADC
202 増幅器
210 PLL
211 受信回路
212 GPS回路
213、214 アンテナ
220 周波数比較器
221、222 デジタル補正部
223 AFC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度センサ素子で計測された温度を用いて水晶振動子の振動周波数に対する補正を行う電子機器であって、
基板上に配置された水晶振動子と、
温度を計測する温度センサ素子とを備え、
前記基板内部に前記温度センサ素子の少なくとも一部が配置される
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記温度センサ素子は、熱源から前記水晶振動子へ熱が伝達する経路中に少なくとも一部が配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記熱源は、前記主表面に対向する前記基板の面のうち、前記温度センサ素子が配置される部分領域に対向する対向領域の少なくとも一部を覆うよう配置されており、
前記水晶振動子で覆われた前記主表面の領域の基板内部に前記温度センサ素子全体が配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記温度センサ素子から前記主表面までの距離は、前記温度センサ素子から前記主表面の対向面までの距離よりも短い
ことを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記水晶振動子で覆われた前記領域には、凹部が形成されており、
前記温度センサ素子は、当該凹部に配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2013−93715(P2013−93715A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234096(P2011−234096)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】