説明

電子部品の実装方法および電子部品内蔵基板の製造方法

【課題】電子部品の基体への接着強度を十分に高めて電子部品を確実に固定することができ、電子部品の端子間ピッチが狭小化されても、配線との接続を確実に実現できる電子部品の実装方法および電子部品内蔵基板の製造方法を提供する。
【解決手段】樹脂層11aに、電子部品30のバンプ32よりも柔らかい焼結金属導体等からなる導体12を焼成により形成し基体10を得る。その導体12が埋め込まれた貫通孔に電子部品30のバンプ32を位置決めして載置し、両者を押圧することにより、バンプ32を貫通孔内に挿入させて電子部品30の端子面を樹脂層11aに当接させる。このように電子部品30が樹脂層11aに密着固定された状態で、電子部品30を樹脂層40で覆い、樹脂層11a,40を硬化させる。その後、配線51,52等を形成し、受動部品60等を搭載して電子部品内蔵基板1を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基体へ電子部品を実装する方法、および絶縁層中に電子部品が埋め込まれた電子部品内蔵基板を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体IC等の能動部品やコンデンサ等の受動部品が搭載されたモジュールに対する小型化および薄型化の要求を満たすべく、例えば半導体ICをベアチップ(ダイ:Die)の状態でプリント基板等に搭載する技術が知られている。このようなベアチップ状態の半導体ICは、パッケージに収納された半導体ICに比して電極ピッチが非常に狭いことから、これをプリント基板等に搭載する場合、半導体ICに設けられた電極端子とプリント基板に設けられた配線とを如何にして確実に接続するかが重要な問題となる。
【0003】
このようなモジュールにおいて電子部品の端子と配線とを接続する方法としては、基板上に電子部品をその端子面(フェース)が基板と反対側に向くように、いわゆるフェースアップで載置し、その電子部品を覆う樹脂層を形成し硬化させ、当該樹脂層に接続孔(ビアホールやコンタクトホール)を形成して電子部品の端子を露出させ、前記接続孔を埋め込むように配線を形成する技術が知られている(特許文献1参照)。
【0004】
また、他の方法として、例えば配線や接続点を形成した基板(硬化樹脂)上に電子部品をその端子面が基板側に向くように、いわゆるフェースダウンで載置し、基板の配線等と電子部品の端子とを接触させ、その電子部品を覆う樹脂層を形成し硬化させる方法も知られている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2005−64470号公報
【特許文献2】特開2003−188538号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、フェースアップ方式では、電子部品を覆う樹脂層が硬化時に収縮するため、不可避的に、電子部品が当初の載置位置からずれてしまう。その結果、樹脂層に埋設された電子部品の端子の位置に確実に合致した接続孔をパターニング形成することが困難となってしまう。そのため、樹脂層の硬化収縮による端子の位置ずれの程度を予め見込んでおき、そのような位置ずれがあっても端子を露出させることが可能な大きな接続孔を穿設することが必要となる。その結果、端子間ピッチの更なる狭小化に十分に対応することが困難となり、電子部品が内蔵されたモジュールの更なる小型化に十分に対応できないおそれがある。
【0006】
一方、フェースダウン方式では、上述の如く、電子部品を接続する配線や接続点が形成された基板に電子部品を載置するので、フェースアップ方式に比して、電子部品の接続精度は高くなる。しかしながら、電子部品の電極端子は、電子部品の本体面から突出しているので、既に硬化して配線パターンが形成されているような基板に電子部品を載置した場合、その端子の高さに起因して、基板と電子部品本体との間に空隙(隙間)ができてしまい、その状態で電子部品を樹脂層で被覆しても、その空隙は残ってしまうので、基板と電子部品の接着性が低下し、基板上への電子部品の固定が不安定となってしまう。よって、フェースダウン方式は、一般に、フェースダウン方式に比して基板と電子部品との接着強度(機械的な接続強度)に劣る傾向にある。
【0007】
そこで、本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電子部品の基体への接着強度を十分に高めて電子部品を確実に固定することができ、これにより電子部品の位置ずれを抑止して電気的な接続信頼性を向上させることができ、しかも、電子部品の端子間ピッチが狭小化されても、配線との接続を確実に実現できるので、電子部品をモジュール化する際の更なる小型化に資することが可能な電子部品の実装方法、および電子部品内蔵基板の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明による電子部品の実装方法は、基体に端子を備える電子部品を実装する方法であって、樹脂層と、樹脂層を貫通する貫通孔に埋め込まれた、端子よりも柔らかい導体とを備える基体を形成する工程と、電子部品の端子をその貫通孔に挿入させて電子部品の基体側の面を基体に当接させる工程とを有する。なお、「導体」が「端子よりも柔らかい」とは、端子と導体とを押し当ててそれらに荷重を印加(つまり押圧)したときに導体の変形の程度が端子に比して大きいことを示し、材料自体の硬度のみならず、「導体」と「端子」の構造的な強度における柔らかさを示す。
【0009】
かかる構成においては、まず、基体として、樹脂層とそれを貫通するように形成された貫通孔に埋め込まれた導体とを形成し、樹脂層から露出したその導体に電子部品の端子を当接させて位置合わせを行なう。この状態で電子部品に所定の荷重を印加すると、導体の方が端子に比べて柔らかいことから、電子部品の端子が貫通孔に挿入され、最終的に電子部品本体の面(端子が設けられている面)と基体とが当接し、その結果、電子部品全体が樹脂層と確実に接触する。よって、電子部品と基体とが密着して接着強度が向上される。また、予め形成された導体が言わば接続ポスト(接続点)として機能するので、電子部品の位置合わせが極めて平易となり、電子部品が基体に精度良く実装される。
【0010】
好ましくは、基体を形成する工程においては、樹脂層として未硬化のものを備える基体を形成し、樹脂層を硬化させて電子部品を基体に固定する工程をさらに有する。このようにすれば、電子部品が当接した状態の未硬化の樹脂層を硬化することにより、基体への電子部品の接着強度がさらに高められ、その後の工程における電子部品の位置ずれとそれに起因する電子部品の電気的な接続不良が確実に防止される。
【0011】
より好ましくは、基体を形成する工程において、導体として空孔を有する焼結金属導体を備える基体を形成する。一般に、金属粉末を含む導電ペーストを焼成して得られる焼結金属導体は、導電ペーストのマトリックスである例えば有機ビヒクルが焼成時に揮散し金属粉末が焼結した多孔質状態、換言すれば多数の空孔が形成された三次元的な網の目状(ネットワーク)の構造を有するので、その導体に電子部品の端子が押し当てられて荷重が印加されると、多孔質構造が変形することにより、電子部品の端子が、導体が埋め込まれている貫通孔内に挿入され易くなる。
【0012】
具体的には、基体を形成する工程は、導体形成用シートに貫通孔を形成する工程と、貫通孔に導電ペーストを充填する工程と、導電ペーストが充填された導体形成用シートを下地基板上に積層する工程と、導体形成用シートを焼成して、導電ペーストを焼結金属導体とする工程と、下地基板から導体形成用シートの焼成物を除去する工程と、下地基板上に焼結金属導体を被覆するように樹脂層を形成する工程とを有すると好適である。
【0013】
このとき、導体形成用シートとして、非収縮性を有するものを用いると有用であり、かかる導体形成用シートとしては、焼結温度が導体よりも高いセラミックス材料からなるシートを例示できる。これにより、焼結金属導体を得るための焼成時においても、導体形成用シート自体の焼結が進まないことから、収縮がほとんど起こらない。その結果、導体の位置ずれが防止され、導体形成用シートから下地基板上に導体が精度良く転写される。
【0014】
さらに、本発明による電子部品内蔵基板の製造方法は、本発明の電子部品の実装方法を用い、基体に設けられた絶縁層の内部に、端子を備える電子部品が配置された電子部品内蔵基板を製造する方法であって、樹脂層と、樹脂層を貫通する貫通孔に埋め込まれた、端子よりも柔らかい導体とを備える基体を形成する工程と、電子部品の端子を貫通孔に挿入させて、電子部品の基体側の面を基体に当接させる工程と、基体上に電子部品を覆うように絶縁層を形成する工程とを有する。
【0015】
これによれば、基体へ電子部品を実装する際の位置決め精度が高められ、かつ、基体へ電子部品を確実に固定した後に絶縁層を形成して電子部品を埋め込むことにより、基体への電子部品の機械的および電気的な接続強度が向上された電子部品内蔵基板が製造される。特に、電子部品を覆う絶縁層として樹脂層を用いた場合であっても、その樹脂層で電子部品を被覆する前に電子部品が基体へ接着固定されているので、当該樹脂の硬化時の収縮に起因して電子部品の位置ずれが生じてしまうことが防止される。
【0016】
好ましくは、前記絶縁層および前記電子部品の上面を研磨する工程をさらに有する。こうすれば、電子部品ひいては電子部品内蔵基板の薄型化・低背化が実現される。しかも、研磨するときに、電子部品が基体に十分に接着固定されていることから、電子部品の研磨が確実に実行されるとともに、その際の電子部品の位置ずれも抑止される。
【0017】
さらに、基体の裏面に露出した導体に接続する配線を形成する工程を有するとより好ましい。基体の裏面には導体が露出しているので、その裏面においても導体が接続ポスト(接続点)として機能し、これにより、当該導体に配線を確実に接続させることができる。また、配線と電子部品の端子が異なる材料で形成されており、かつ、それらの各々と導体との接続性(結合性)が、配線と端子との接続性よりも優れる導体を用いれば、すなわち、そのような導体を介して配線と電子部品の端子を接続することにより、その接続部位における電気抵抗の増大が抑制され得る。
【0018】
またさらに、基体の裏面に露出した導体の少なくとも一部を除去して電子部品の端子を露出させる工程と、基体の裏面に露出した電子部品の端子に接続する配線を形成する工程とを有しても好適である。このようにすれば、導体の電気抵抗が電子部品の端子の電気抵抗に比べて大きい場合であっても、電子部品の端子に配線が直接接続されるので、端子と配線間の導電性がより高められる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の電子部品の実装方法、および電子部品内蔵基板の製造方法によれば、電子部品の端子を、接続ポストとして機能する導体が埋め込まれた貫通孔に挿入させることにより、電子部品の本体を基体に密着させて確実に固定することができるので、電子部品の位置ずれを抑止して電気的な接続信頼性を向上させることができるとともに、電子部品の端子間ピッチが狭小化されても、その端子と配線とを確実に接続することができ、これにより、電子部品をモジュール化する際の更なる小型化に対応することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、図面中、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。また、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。さらに、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。
【0021】
図1は、本実施形態に係る電子部品内蔵基板の要部を示す概略断面図である。電子部品内蔵基板1は、基体10の一方の面(図示下面)上に樹脂層41が形成されており、樹脂層41の内部に電子部品30が埋め込まれて配置されたものである。基体10の他方の面(図示上面)上には、配線51が形成されており、基体10の一方の面上に配置された電子部品30と、基体10の他方の面上に配置された配線51とは、接続部位13において電気的に接続されている。
【0022】
樹脂層41の図示下面(基体10とは反対側の面)には配線52が形成されており、基体10上の配線51と、樹脂層41上の配線52とは、樹脂層41を貫通するビア53を介して電気的に接続されている。また、樹脂層41の配線52側の面上には、樹脂層42が形成されており、樹脂層42の表面には配線54が形成されている。配線54と配線52とは、樹脂層42を貫通するビア55を介して電気的に接続されている。
【0023】
さらに、基体10の配線51側の面上には、樹脂層43が形成されており、樹脂層43の表面には配線56が形成されている。配線56と配線51とは、樹脂層43を貫通するビア57を介して電気的に接続されており、配線56には、抵抗やキャパシタ等の受動部品60が設置されている。
【0024】
ここで、樹脂層41,42,43に用いられる材料としては、具体的には、例えば、ビニルベンジル樹脂、ポリビニルベンジルエーテル化合物樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BTレジン)、ポリフェニレエーテル(ポリフェニレンエーテルオキサイド)樹脂(PPE,PPO)、シアネートエステル樹脂、エポキシ+活性エステル硬化樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂(ポリフェニレンオキサオド樹脂)、硬化性ポリオレフィン樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリイミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、芳香族液晶ポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂又はベンゾオキサジン樹脂の単体、又は、これらの樹脂に、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸アルミウイスカ、チタン酸カリウム繊維、アルミナ、ガラスフレーク、ガラス繊維、窒化タンタル、窒化アルミニウム等を添加した材料、さらに、これらの樹脂に、マグネシウム、ケイ素、チタン、亜鉛、カルシウム、ストロンチウム、ジルコニウム、錫、ネオジウム、サマリウム、アルミニウム、ビスマス、鉛、ランタン、リチウム及びタンタルのうち少なくとも1種の金属を含む金属酸化物粉末を添加した材料、またさらには、これらの樹脂に、ガラス繊維、アラミド繊維等の樹脂繊維等を配合した材料、或いは、これらの樹脂をガラスクロス、アラミド繊維、不織布等に含浸させ材料、等を挙げることができ、電気特性、機械特性、吸水性、リフロー耐性等の観点から、適宜選択して用いることができる。
【0025】
また、図2は、電子部品30の構造を概略的に示す斜視図である。電子部品30は、ベアチップ状態の半導体IC(ダイ)等の半導体装置(電子部品)であり、略矩形板状をなす主面30aに多数のランド電極31を有している。なお、図示においては、四隅にのみランド電極31および後述するバンプ32(端子)を表示し、それ以外のランド電極31の表示を省略した。また、電子部品30の種類は、特に制限されるものではないが、例えば、CPUやDSPのように動作周波数が非常に高いデジタルICが挙げられる。
【0026】
さらに、特に限定されるものではないが、電子部品30の裏面30bは研磨されており、これにより電子部品30の厚さt(主面30aから裏面30bまでの距離)は、通所の半導体ICに比して薄くされており、例えば、好ましくは200μm以下、より好ましくは20〜50μm程度とされる。また、裏面30bは、電子部品30を薄型にするべく、エッチング、プラズマ処理、レーザ処理、ブラスト研磨、バフ研磨、薬品処理などによる粗面化処理を行なうと好ましい。
【0027】
本実施形態では、後述するように、電子部品30の裏面30bの研磨は、ダイシングにより個別の電子部品30に分離した後に行なうことが可能となる。なお、ウェハの状態で多数の電子部品に対して一括して研磨し、その後、ダイシングにより個別の電子部品30に分離してもよい。あるいは、ウェハの状態で多数の電子部品に対して一括して研磨し、その後、ダイシングにより個別の電子部品30に分離した後に、当該個別の電子部品を研磨してさらなる薄型化を図ってもよい。
【0028】
また、各ランド電極31には、導電性突起物の一種であるバンプ32(端子)が形成されている。バンプ32の種類は、特に制限されず、スタッドバンプ、プレートバンプ、メッキバンプ、ボールバンプ等の各種のバンプを例示できる。図示においては、スタッドバンプを例示した。バンプ32としてスタッドバンプを用いる場合には、銀(Ag)や銅(Cu)をワイヤボンディングにて形成することができ、プレートバンプを用いる場合には、メッキ、スパッタ又は蒸着によって形成することができる。また、メッキバンプを用いる場合には、メッキによって形成することができ、ボールバンプを用いる場合には、半田ボールをランド電極31上に載置した後、これを溶融させるか、クリーム半田をランド電極上に印刷した後、これを溶融させることによって形成することができる。また、導電性材料をスクリーン印刷し、これを硬化させた円錐状、円柱状等のバンプや、ナノペーストを印刷し、加熱によりこれを焼結させてなるバンプを用いることもできる。
【0029】
バンプ32に使用可能な金属種としては、特に限定されず、例えば、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、クロム(Cr)、ニッケル・クロム合金、半田等が挙げられ、これらのなかでは、銅を用いることが好ましい。バンプ32の材料として銅を用いると、例えば金を用いた場合に比して、ランド電極31に対する高い接合強度を得ることが可能となり、電子部品30自体の信頼性が高められる。
【0030】
また、バンプ32の寸法形状は、ランド電極31間の間隔(ピッチ)に応じて適宜設定することができ、例えば、ランド電極31のピッチが約100μmである場合には、バンプ32の最大径を10〜90μm程度、高さを2〜100μm程度にすればよい。なお、バンプ32は、ウェハのダイシングにより個別の電子部品30に切断分離した後、ワイヤボンダーを用いて各ランド電極31に接合することができる。
【0031】
このような構成の電子部品30は、接続部位13において各バンプ32が配線51に電気的に接続された状態で樹脂層41の内部に配置されている(図1)。
【0032】
さらに、図3は、接続部位13の周辺の構成を示す概略断面図である。同図に示す如く、基体10は、接続部位13に接続孔(貫通孔)14が形成された樹脂層11と、接続部位13に設けられ樹脂層11の両面において露出した導体12とを備える。バンプ32は、導体12を貫通するように配置されており、接続孔14内にて、導体12の先端部が配線51と直接接続されている。
【0033】
樹脂層11は、樹脂材料からなり、その樹脂材料としては、シート状、フィルム状に成型可能なものであれば特に制限されず使用可能であり、例えば、熱硬化性樹脂を用いることができる。より具体的には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビニルベンジルエーテル化合物樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、シアネートエステル系樹脂、ポリイミド、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル、ポリフェニレンオキサイド、液晶ポリマー、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられ、これらを単独または複数組み合わせて使用することができる。また、アクリルゴム、エチレンアクリルゴム等のゴム材料や、ゴム成分を一部含むような樹脂材料であってもよい。
【0034】
導体12は、バンプ32よりも柔らかい材料または構造を有してなり、上述の如く、導体12にバンプ32を対向させて押圧した場合に、導体12が埋め込まれた接続孔14にバンプ32が挿入可能な程度に柔らかいものであれば、材料自体の硬さ(一般的には様々な硬さ試験による測定値、例えば、ブリネル硬さ、ブィカーズ硬さ、ロックウェル硬さ等)がバンプ32に比して柔らかいものに制限されない。換言すれば、導体12にバンプ32を押し当てたときに、バンプ32が接続孔14の内部に挿入されさえすればよい。
【0035】
このような導体12としては、多孔質状のものが好ましく、例えば、金属粉末を含む導電ペーストを焼成して得られる焼結金属導体を用いることができる。焼結金属導体に使用可能な金属材料としては、焼結状態の金属であればいずれも使用可能であるが、例えばAg、Pd、Au、Cu、Ni等の金属や合金等を用いることができる。また、焼結金属導体は、例えば、上記金属を90%(質量基準)以上含むとともに、酸化物を含み、さらに、ガラス成分を含んでいてもよい。かかるガラス成分としては、PbO、SiO2、B23、ZnO、およびアルカリ土類金属酸化物から選ばれる少なくとも1種の酸化物を主成分とするものが挙げられる。ただし、酸化物、ガラス成分は必ずしも含まれていなくてもよい。
【0036】
次に、上記の本実施形態に係る電子部品内蔵基板1の製造方法の一例について、電子部品30の実装方法と併せて、図4〜図20(いずれも断面図)を参照して説明する。
【0037】
まず、図4に示すように、支持フィルム21上に導体形成用シート22を形成する。支持フィルム21としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)からなるシートを用いることができる。導体形成用シート22は、導体12を形成する目的で用いるものであり、焼結金属導体を得るための焼成時において非収縮性を有するものが好ましい。かかる導体形成用シートとしては、焼結温度が導体よりも高いセラミックス材料からなるシートを例示できる。これにより、焼結金属導体を得るための焼成時においても、導体形成用シート自体の焼結が進まないことから、収縮がほとんど起こらない。より具体的には、例えば、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、石英、ムライト、クリストバライト、トリジマイトが挙げられる。
【0038】
上記の中でも、導体形成用シート22として、炭酸カルシウム(CaCO3)を母材としたシートを用いることが好ましい。炭酸カルシウム材は、収縮率が数%と小さく、焼成後に吸湿させると水分と反応して剥離が生じやすいからである。また、炭酸カルシウムの外側にさらに、より収縮率が低い材料からなるシートを固着させてもよい。これにより、導体形成用シート22の収縮率を制御でき、また、その剥離性を向上させることができる。このようなシート材料としては、トリジマイト材が好ましい。なお、トリジマイトシートの代わりに、酸化アルミニウムに焼結助剤としてアルカリ土類金属(カリウム、カルシウム、ナトリウム等)を添加した材料からなるシートを固着させてもよい。
【0039】
次に、図5に示すように、導体形成用シート22および支持フィルム21の積層体に、導体充填用の貫通孔23を形成する。貫通孔23の形成方法については特に制限されるものではなく、例えば、金型によるプレス加工、パンチング加工、レーザ加工等が挙げられる。レーザ加工に用いる光源としては、例えば炭酸ガスレーザや、YAGレーザを用いることができる。
【0040】
次いで、図6に示すように、貫通孔23内に導体前駆体24を形成する。導体前駆体24の形成方法としては、例えば、スクリーン印刷法により、貫通孔23に導電ペーストを充填する方法が挙げられる。導体前駆体24を構成する導電ペーストは、例えばAg、Pd、Au、Cu、Ni等の各種導電性金属や合金からなる導電材料と有機ビヒクルとを混練することにより調整されるものである。有機ビヒクルはバインダと溶剤とを主たる成分とするものであり、前記導電材料との混合比等は任意であるが、通常は、質量基準でバインダが1〜15%、溶剤が10〜50%となるように導電材料に配合される。導電ペーストには、必要に応じて各種分散剤や可塑剤等の適宜の添加物が添加されてもよい。
【0041】
次に、図7に示すように、収縮性が非常に小さい、例えば、アルミナ、ジルコニア、ガラス基板、銅板、銅箔等の下地基板20上に導体形成用シート22を積層し、例えば、静水圧プレスして両者を圧着させた後、支持フィルム21を剥離する。
【0042】
さらに、図8に示すように、下地基板20および導体形成用シート22の積層体を焼成する。焼成雰囲気としては、例えば酸化雰囲気、還元雰囲気などを使用することができ、具体的には大気を使用すればよい。焼成時において、導体形成用シート22自体の焼結が進まないことから、収縮がほとんど起こらない。その結果、導体の位置ずれを防止することができる。
【0043】
また、焼成を行なうことにより、導体形成用シート22に保持された導体前駆体24が下地基板20の表面に付着するとともに、導体前駆体24中の金属の焼結反応が進み、焼結金属導体からなる導体12が形成される。
【0044】
次に、図9に示すように、導体形成用シート22aを除去する。このとき、導体形成用シートの母材として炭酸カルシウムを用いた場合には、保湿雰囲気下に放置して炭酸カルシウムを除去した後、超音波洗浄を行うことにより、残渣を除去する。炭酸カルシウムを含む導体形成用シート22は、焼成後の焼成物の除去作業が容易であることから、導体形成用シート22として好ましく用いられる。導体形成用シート22の非収縮性により、シートの収縮に起因する導体12の位置ずれが抑制されるので、導体12が導体形成用シート22から下地基板20へと高い位置精度で転写される。
【0045】
それから、図10に示すように、下地基板20上に、導体12を覆うように樹脂層11aを形成する。樹脂層11aとしては、低粗化で高いピール強度(引き剥がし強度)を実現できる材料が好ましい。樹脂層11aを形成する方法としては、例えば、導体12に対応した位置に貫通孔を有する熱硬化性の樹脂シートを常圧または真空中でラミネートした後(仮圧着)、オートクレーブ装置を用いて樹脂層11aの密着性を高める方法が挙げられる。ここで、本実施形態においては、樹脂層11aは未硬化(半硬化状態を含む)の状態とする。
【0046】
次に、図11に示すように、樹脂層11aの表面を除去して、導体12を露出させる。樹脂層11aの除去方法は特に限定はないが、例えば、グラインダーを用いた研磨や、ブラスト処理、炭酸ガスレーザの照射などが挙げられる。
【0047】
次いで、図12に示すように、電子部品30のバンプ32と、樹脂層11aの導体12とを位置合わせし、電子部品30をフェースダウンで樹脂層11a上に載置する。このとき、樹脂層11aの表面に露出した導体12を接続ポストとして用いることができるので、電子部品30の位置合わせが極めて平易となる。このとき、電子部品30に荷重を印加し、バンプ32を導体12が埋め込まれた接続孔内に挿入させて電子部品30本体の一方面を樹脂層11aへ当接させる。
【0048】
導体12が、上記のとおり、金属粉末を含む導電ペーストを焼成して得られる焼結金属導体の場合、導電ペーストのマトリックスである有機ビヒクルが焼成時に揮散することにより、導体12は多孔質で三次元的な網の目状の構造を有する。よって、電子部品30のバンプ32が導体12に押圧されると、バンプ32が導体12の多孔質構造を圧縮変形させ、導体12が埋め込まれた貫通孔内に簡易に挿入される。これにより、電子部品30と樹脂層11aとの間に空隙が生じないように両者が密着固定される。さらに、その状態で全体に加熱処理を施し、樹脂層11aが完全に固化しない程度に仮硬化させる。
【0049】
次に、図13に示すように、樹脂層11a上に、電子部品30を覆うように樹脂層40を形成する。樹脂層40としては、樹脂層11aと同様に、低粗化で高いピール強度(引き剥がし強度)を実現できる材料が好ましい。樹脂層40の形成方法としては、例えば、電子部品30に対応した位置に開口部を有する熱硬化性の樹脂シートを常圧または真空中でラミネートした後(仮圧着)、オートクレーブ装置を用いて樹脂層40の密着性を高める方法が挙げられる。続いて、その状態で全体に加熱処理を施し、樹脂層40が完全に固化しない程度に仮硬化させる。
【0050】
さらに、図14に示すように、樹脂層40とともに電子部品30の上面を、例えばグラインダーやCMP等により研磨して電子部品30を薄型化させる。このとき、電子部品30は、その端子面の全面において樹脂層11aに密着固定されていることから、研磨時の電子部品30の剥離を防止することができる。
【0051】
次に、図15に示すように、下地基板20の電子部品30側の面上に、樹脂層41を形成する。樹脂層41としては、例えば、ガラスクロス41aに熱硬化性樹脂を含浸させて形成されたプリプレグを使用する。ガラスクロス41aが存在することにより、支持基板26を剥離した後の電子部品内蔵基板1の撓みを抑制することができる。それから、全体に対して加熱処理を施し、これにより、仮硬化状態の樹脂層11a,40および未硬化状態の樹脂層41を硬化させる。
【0052】
次いで、図16に示すように、下地基板20を剥離して樹脂層11の裏面(図示下面)に導体12を露出させた後、それら樹脂層11および導体12を研磨する。そして、図17に示すように、電子部品30のバンプ32に接続する配線51を樹脂層11上に形成する。このとき、配線51の形成と同時またはその前後において、樹脂層41上に配線52を形成する。図18〜図20は、樹脂層11上への配線51の形成方法の詳細を示す図である。
【0053】
図18は、研磨後において、樹脂層11の表面に導体12が露出しており、かつ、バンプ32は露出していない状態、すなわちバンプ32が導体12を貫通していない状態の一例を示す。この場合には、例えば、図19に示すように、導体12の表層部を選択的にエッチングして接続孔14内でバンプ32を露出させ、その後、図20に示すように、接続孔14内及び樹脂層11上に配線51を形成し、これにより、接続部位13においてバンプ32に配線51を直接接続させることができる。
【0054】
このようにバンプ32に配線51を直接接続する形態は、バンプ32と配線51との電気的な接続抵抗が、導体12と配線51との接続抵抗よりも小さい場合に有効である。例えば、導体12が焼結金属導体の場合には、導体12の多孔質構造はバンプ32の挿入によって圧縮され空隙は低減されるものの、残存する空隙の存在により配線51との接続抵抗が高められてしまうような場合が想定される。
【0055】
ここで、配線51は、例えば、セミアディティブ法によりパターン形成することができる。セミアディティブ法では、接続部位13を含む樹脂層11の全面に下地層を形成した後、該下地層の配線パターン部分以外を選択的に除去又はマスクし、パターン上に残った又は露出した下地層上に金属層を堆積させて配線51を形成する。或いは、サブトラクティブ法により、すなわち、接続部位13を含む樹脂層11の全面に金属層を形成した後に、金属層をエッチングすることにより配線51のパターン形成を行ってもよい。その際、金属層の成膜には無電解めっき法を用いることが好ましいが、スパッタリングや蒸着等のPDV法、または、CVD法を用いることもできる。また、配線52の形成方法は、配線51と同様である。
【0056】
また、図21および図22に示す如く、樹脂層11上に配線51を形成してもよい。図21および図22は、接続部位13において配線51を形成している他の状態を示す要部断面図である。この例では、図21に示すように、樹脂層11および導体12の研磨によりバンプ32を樹脂層11から露出させる。
【0057】
なお、図示においては、バンプ32の上端部が幅広に変形した状態を示したが、これは、例えば、バンプ32の高さ(長さ)が、図12における樹脂層11aの厚さより大きく、バンプ32が導体12を貫通し、アルミナ等からなる下地基板20に当接した状態で加圧されたような場合に、その先端の当接部が圧縮変形されて生起され得る。それから、ブラスト処理、デスミア処理等によりバンプ32および導体12の表面を清浄化した後、図22に示すように、バンプ32および導体12に電気的に接続する配線51を上記と同様に形成することができる。
【0058】
以上のとおり配線51を形成した後、一般的な工程、すなわち、例えば銅箔付きまたは銅箔無しの樹脂層をラミネートする樹脂層形成工程と、当該樹脂層にビアホールを形成し、当該ビアホールを埋め込むビアおよび配線をパターン形成する配線形成工程とを繰り返し行ない、受動部品60を搭載することにより、図1に示す電子部品内蔵基板1を得ることができる。
【0059】
このように構成された本発明による電子部品の実装方法を用いた電子部品内蔵基板の製造方法によれば、電子部品30のバンプ32よりも柔らかい導体12を高い位置精度で形成した後、その導体12を接続ポストとして、電子部品30を載置する。このとき、電子部品30のバンプ32を導体12が埋め込まれた接続孔(貫通孔)14内に挿入させ、電子部品30の端子面が樹脂層11aに密着するように当接させるので、電子部品30全体が接着性を有する樹脂層11aに確実に固定され、これにより、電子部品30と基体10との接着強度を格段に高めることができ、電子部品30の位置ずれを抑止して電気的な接続信頼性を向上させることができる。
【0060】
また、予め形成された導体12が接続ポストとして機能するので、電子部品30の位置合わせが極めて平易となる。よって、電子部品30のバンプ32間ピッチが狭小化されても、バンプ32と配線51とを確実に接続することができ、これにより、電子部品30がモジュール搭載された電子部品内蔵基板1の更なる小型化に対応することが可能となる。
【0061】
また、導体12として焼結金属導体を用いる場合には、非収縮性を有する導体形成用シート22を採用することにより、導体12の位置精度を十分に高めることができる。よって、電子部品30の位置決め精度もより向上させることができ、電子部品30の接続信頼性をさらに高めることが可能となる。さらに、焼結金属導体は、多孔質であって、その三次元構造によってバンプ32の挿入を容易ならしめることができるので、電子部品30と基体10とをより一層確実に密着させることができる。
【0062】
またさらに、そのように電子部品30が基体10に密着固定された状態を実現できるので、樹脂層40とともに電子部品30を研磨して薄型化する際の位置ずれをも防止でき、よって、電子部品30および電子部品内蔵基板1の信頼性を損なうことなく、それらのを小型化および低背化を達成することができる。
【0063】
なお、上述したとおり、本発明は、上記の実施形態の限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない限度において種々の変形が可能である。例えば、電子部品30としてバンプ32を有さずランド電極31または同種の電極構造のみが設けられたものを用いてもよい。この場合、ランド電極31または同種の電極構造が「端子」に相当する。また、導体12として、導電ペーストを用いてもよい。さらに、図10に示す如く導体12を樹脂層11aで覆わなくともよく、図10の状態を省略して樹脂層11aをビルトアップして図11の状態としてもよい。またさらに、ガラスクロス41aは必ずしも必要ではない。さらにまた、導体12と配線51との接続抵抗が十分に低い場合には、導体12をエッチングせずに、配線51を形成しても構わない。加えて、電子部品内蔵基板1を多段(2段以上)に対向配置(積層)してモジュール化してもよい。また、電子部品30は、半導体IC等の能動部品に限られず、コンデンサ等の受動部品であっても構わない。さらに、樹脂層11aと樹脂層40を、同時に仮硬化してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0064】
以上説明した通り、本発明による電子部品に実装方法および半導体内蔵基板の製造方法によれば、電子部品の基体への接着強度を十分に高めて電子部品を確実に固定することができ、これにより電子部品の位置ずれを抑止して電気的な接続信頼性を向上させ、また、電子部品をモジュール化する際の更なる小型化に資することができるので、半導体装置等の能動部品、及び/又は、抵抗、キャパシタ等の受動部品を内蔵する機器、装置、システム、各種デバイス等、特に小型化及び高性能化が要求されるものの製造に広くかつ有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本実施形態に係る電子部品内蔵基板の要部を示す概略断面図である。
【図2】電子部品30の構造を概略的に示す斜視図である。
【図3】配線と電子部品との接続部位13の周辺の構成を示す概略断面図である。
【図4】電子部品内蔵基板を製造する手順の一例を示す工程図である。
【図5】電子部品内蔵基板を製造する手順の一例を示す工程図である。
【図6】電子部品内蔵基板を製造する手順の一例を示す工程図である。
【図7】電子部品内蔵基板を製造する手順の一例を示す工程図である。
【図8】電子部品内蔵基板を製造する手順の一例を示す工程図である。
【図9】電子部品内蔵基板を製造する手順の一例を示す工程図である。
【図10】電子部品内蔵基板を製造する手順の一例を示す工程図である。
【図11】電子部品内蔵基板を製造する手順の一例を示す工程図である。
【図12】電子部品内蔵基板を製造する手順の一例を示す工程図である。
【図13】電子部品内蔵基板を製造する手順の一例を示す工程図である。
【図14】電子部品内蔵基板を製造する手順の一例を示す工程図である。
【図15】電子部品内蔵基板を製造する手順の一例を示す工程図である。
【図16】電子部品内蔵基板を製造する手順の一例を示す工程図である。
【図17】電子部品内蔵基板を製造する手順の一例を示す工程図である。
【図18】電子部品内蔵基板を製造する手順の一例を示す工程図である。
【図19】電子部品内蔵基板を製造する手順の一例を示す工程図である。
【図20】電子部品内蔵基板を製造する手順の一例を示す工程図である。
【図21】電子部品内蔵基板を製造する手順の他の例を示す工程図である。
【図22】電子部品内蔵基板を製造する手順の他の例を示す工程図である。
【符号の説明】
【0066】
1…電子部品内蔵基板、10…基体、11,11a…樹脂層、12…導体、13…接続部位、14…接続孔、20…下地基板、21…支持フィルム、22,22a…導体形成用シート、23…貫通孔、24…導体前駆体、25…接着層、26…支持基板、30…電子部品、30a…主面、30b…裏面、31…ランド電極、32…バンプ(端子)、40,41,42,43…樹脂層、41a…ガラスクロス、51,52,54,56…配線、53,55,57…ビア、60…受動部品。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体に端子を備える電子部品を実装する方法であって、
樹脂層と、前記樹脂層を貫通する貫通孔に埋め込まれた、前記端子よりも柔らかい導体とを備える前記基体を形成する工程と、
前記電子部品の端子を前記貫通孔に挿入させて前記電子部品の前記基体側の面を前記基体に当接させる工程と、
を有する電子部品の実装方法。
【請求項2】
前記基体を形成する工程においては、前記樹脂層として未硬化のものを備える前記基体を形成し、
前記樹脂層を硬化させて前記電子部品を前記基体に固定する工程を有する、
請求項1記載の電子部品の実装方法。
【請求項3】
前記基体を形成する工程においては、前記導体として空孔を有する焼結金属導体を備える前記基体を形成する、
請求項1記載の電子部品の実装方法。
【請求項4】
前記基体を形成する工程は、
導体形成用シートに貫通孔を形成する工程と、
前記貫通孔に導電ペーストを充填する工程と、
前記導電ペーストが充填された前記導体形成用シートを下地基板上に積層する工程と、
前記導体形成用シートを焼成して、前記導電ペーストを焼結金属導体とする工程と、
前記下地基板から前記導体形成用シートの焼成物を除去する工程と、
前記下地基板上に前記焼結金属導体を被覆するように前記樹脂層を形成する工程と、
を有する請求項1記載の電子部品の実装方法。
【請求項5】
前記導体形成シートとして、非収縮性を有するものを用いる、
請求項4記載の電子部品の実装方法。
【請求項6】
基体に設けられた絶縁層の内部に、端子を備える電子部品が配置された電子部品内蔵基板を製造する方法であって、
樹脂層と、前記樹脂層を貫通する貫通孔に埋め込まれた、前記端子よりも柔らかい導体とを備える前記基体を形成する工程と、
前記電子部品の前記端子を前記貫通孔に挿入させて前記電子部品の前記基体側の面を前記基体に当接させる工程と、
前記基体上に前記電子部品を覆うように絶縁層を形成する工程と、
を有する電子部品内蔵基板の製造方法。
【請求項7】
前記絶縁層および前記電子部品の上面を研磨する工程を有する、
請求項6記載の電子部品内蔵基板の製造方法。
【請求項8】
前記基体の裏面に露出した前記導体に接続する配線を形成する工程を有する、
請求項6記載の電子部品内蔵基板の製造方法。
【請求項9】
前記基体の裏面に露出した前記導体の少なくとも一部を除去して前記電子部品の端子を露出させる工程と、
前記基体の裏面に露出した前記端子に接続する配線を形成する工程と、
を有する請求項6記載の電子部品内蔵基板の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate


【公開番号】特開2008−288388(P2008−288388A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−132059(P2007−132059)
【出願日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】