説明

電子部品内蔵基板、電子モジュール、電子機器および電子部品内蔵基板の製造方法

【課題】電子部品と内層基板の接続強度に優れる高耐熱性を有する電子部品内蔵基板を提供すること。
【解決手段】電子部品35をプリント配線板の内部に埋め込んだ電子部品内蔵基板において、電子部品35を実装する内層基板表面に形成された接続端子の表面が、部分的に粗面化処理され、銀又は錫より選ばれる材料33により部分的に被覆されている。また、接続端子から引き出された引き出し配線の表面が部分的に粗面化処理されており、内層基板の表面には、ソルダーレジストを介することなく、絶縁材料を形成して電子部品が埋め込まれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子部品内蔵基板、電子モジュール、電子機器および電子部品内蔵基板の製造方法に関する。より詳細には、あらかじめプリント配線板の内部に受動部品等の電子部品を埋め込んだ電子部品内蔵基板、電子モジュール、電子機器および電子部品内蔵基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、モバイル機器の急速な発展により小型化、高速化、高機能化の要求が強まり、プリント配線板の高密度化が期待されている。これを満たすべく表面に実装していた受動部品等の電子部品をプリント配線板内部にあらかじめ埋め込む技術が注目を集めている。
【0003】
この電子部品内蔵基板は、実装すべき受動部品等をプリント配線板内部に埋め込むことによって、表面実装面積の削減や高密度化に対応できる。また、プリント配線板に実装すべきLSIの直下にノイズキャンセル等に用いるキャパシタチップを配置でき、その結果、配線長が短縮され、高速伝送特性が改善されるという利点を有する。
【0004】
従来の電子部品内蔵基板41としては、図4に示す様にあらかじめ電子部品収納用の穴をコア基板40に加工し、その穴の中にキャパシタチップ46を実装し、その後に絶縁材料からなる絶縁層44を前記コア基板の上下両側より積層して得られる。電子部品46は、穴の内部のハンダ接合部42と電気的に接続され、さらに、コア基板40の表面等に形成された導体パターン及びヴァイアホール43を介して基板表面に電気的に引き出されている。基板表面にはソルダーレジスト45が形成されている。下記特許文献1に、その構造の詳細が開示されている。
【0005】
しかしながら、前記、コア基板40にあらかじめ穴あけ加工を施し、電子部品46を実装するには市販の電子部品実装機が使用できず、穴の中に受動部品を実装するよう、専用機を開発・準備する必要がある。さらに電子部品との電気的な接続はチップ型の電子部品側面部と穴の内部のハンダ接合部42での接続となり、コア基板40とハンダ接合部42の熱膨張率差に起因して接続信頼性が損なわれるという問題がある。
【0006】
また、図5に示す様に、あらかじめ内層基板50にキャパシタチップ51を実装した後に絶縁材料を内層基板50の表面に貼り合わせることにより得られる電子部品埋め込み基板57が提案されている。内層基板50の表面にはソルダーレジスト53が形成されており、キャパシタチップ51は、ソルダーレジスト53に開口されて露出した導電パターンにハンダ接合部52を介して接続されている。この電子部品埋め込み基板57の内部には貫通スルーホール55が形成され、その表面にはソルダーレジスト56が形成されている。下記特許文献2に、その構造の詳細が開示されている。
【0007】
しかしながら、このように、内層基板50にソルダーレジスト53を形成し、電子部品であるキャパシタチップ51を表面実装する場合、ソルダーレジスト53上に絶縁性樹脂を積層し電子部品を埋め込む際にソルダーレジスト53と絶縁材料との密着性が確保できずに耐熱試験などで層間剥離を起こす可能性があるという問題がある。また、導電パターン等の接続端子部に無電解ニッケル/金メッキを用いる場合、基板の表面にLSIなどの部品を表面実装する際の熱履歴により金、ニッケルがハンダ材料中に拡散し、無電解ニッケル被膜中のリン成分が濃縮された層が形成され、接合不良を起こす可能性があるという問題がある。
【0008】
【特許文献1】特開2005−72415号公報
【特許文献2】特開2006−93493号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、電子部品を実装した内層基板と積層する絶縁樹脂の層間密着性に優れ、さらに電子部品と内層基板の接続強度に優れる高耐熱性を有する電子部品内蔵基板およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明においては、電子部品をプリント配線板の内部に埋め込んだ部品内蔵基板において、前記電子部品を実装する内層基板表面に形成された接続端子の表面が、銀又は錫より選ばれる材料により部分的に被覆されていることを特徴とする電子部品内蔵基板が提供される。
【0011】
上記課題を解決するために、請求項2記載の発明においては、前記接続端子の表面が、部分的に粗面化処理されたうえで前記銀又は錫より選ばれる材料により部分的に被覆されていることを特徴とする。
【0012】
上記課題を解決するために、請求項3記載の発明においては、前記粗面化処理がなされた前記接続端子の表面は、算術平均粗さが0.2μm以上0.5μm以下であることを特徴とする。
【0013】
上記課題を解決するために、請求項4記載の発明においては、前記銀又は錫より選ばれる材料の厚みは、0.5μm以上2μm以下であり、かつ、前記算術平均粗さ以上その3倍以下であることを特徴とする。
【0014】
上記課題を解決するために、請求項5記載の発明においては、前記接続端子から引き出された引き出し配線の表面が部分的に粗面化処理されており、前記内層基板の表面には、ソルダーレジストを介することなく、絶縁材料を形成して前記電子部品が埋め込まれていることを特徴とする。
【0015】
上記課題を解決するために、請求項6記載の発明においては、前記内層基板の接続端子と前記電子部品との接合は、共晶ハンダ、鉛フリーハンダ、ハンダと接着樹脂の混合材料より選択される材料を用いることを特徴とする。
【0016】
上記課題を解決するために、請求項7記載の発明においては、上記特徴を有する電子部品内蔵基板を備えたことを特徴とする電子モジュールが提供される。
【0017】
上記課題を解決するために、請求項8記載の発明においては、上記特徴を有する電子部品内蔵基板を備えたことを特徴とする電子機器が提供される。
【0018】
上記課題を解決するために、請求項9記載の発明においては、接続端子及び引き出し配線が形成された内層基板を準備し、前記内層基板上に、前記接続端子の領域が開口されたマスクを形成し、前記マスクを利用して前記接続端子の表面を粗面化し、前記マスクを利用して前記接続端子の表面にめっき被膜を形成し、前記めっき被膜を形成した前記接続端子に接合材料を印刷形成し、受動部品を前記内層基板上に表面実装して、前記接合材料を用いて前記接続端子と前記受動部品とをリフローにより接続することを特徴とする電子部品内蔵基板の製造方法が提供される。
【0019】
上記課題を解決するために、請求項10記載の発明においては、前記受動部品を前記内層基板に表面実装する際に、前記めっき被膜と前記引き出し配線の表面に対するハンダ濡れ性の差を利用してハンダ濡れ広がりを制御することを特徴とする。
【0020】
上記課題を解決するために、請求項11記載の発明においては、前記内層基板上に前記電子部品を実装した後、前記内層基板の引き出し配線の表面に粗面化処理を施し、前記電子部品を絶縁材料により埋め込むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば内層基板上にソルダーレジストを形成することなく積層する絶縁材料を密着性良く形成でき、さらに電子部品を精度良く搭載でき、接合信頼性に優れる電子部品内蔵基板を比較的簡便な方法で製造することが可能となる。
【0022】
請求項1に記載の発明によれば、接続端子部に形成しためっき被膜は、導体層の銅と比較してハンダに対する濡れ性がよく濡れ性に差をつけることが可能となる。そのため、リフローによるハンダ濡れ広がりを制御することが可能となり、ソルダーレジストがなくても接続端子部より濡れ広がることを抑制できる。
【0023】
請求項2に記載の発明によれば、めっき被膜と端子部導体との密着性を向上し、さらに端子部と導体層のハンダに対する濡れ性の差を大きくする効果がある。
【0024】
請求項3および請求項4に記載の各発明によれば、めっき被膜と端子部導体との密着性を向上、端子部と導体層のハンダに対する濡れ性の差を大きくする効果を適切に図ることができる。
【0025】
請求項5に記載の発明によれば、内層基板表面にソルダーレジストが形成されていない為、電子部品実装後にプリプレグなどの絶縁材料を積層する際に層間剥離を起こす問題を回避できる。
【0026】
請求項6に記載の発明によれば、リフローにおけるハンダ溶融時の表面張力を利用したセルフアライメント効果により、電子部品を内層基板上に精度良く搭載することが可能となる。
【0027】
請求項7および請求項8記載の各発明によれば、上記効果を享受した電子モジュールおよび電子機器を提供することができる。
【0028】
請求項9に記載の発明によれば、端子部のハンダ濡れ性を部分的に変更することが可能である。
【0029】
請求項10に記載の発明によれば、ハンダ濡れ性の差を利用してハンダ濡れ広がりを制御することによって、電子部品を内層基板上に精度良く搭載することが可能となる。
【0030】
請求項11に記載の発明によれば、内層基板の導体表面の粗面化処理を電子部品の搭載後に行うことから、ハンダ接合材料に対する濡れ性の差を十分に確保できる。この結果、積層する絶縁樹脂との密着性を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1は本発明の電子部品内蔵基板1の断面模式図の一例である。図1は、図2の点線内の部分を拡大した図である。
【0032】
図1、2に示すとおり、内層基板10は絶縁体層13で形成され、これには接続端子11およびこれから引き出された導体配線が形成されている。この接続端子11は電子部品2を接合する端子である。電子部品2の例としては、チップ型キャパシタ、チップ抵抗等が挙げられるが、インダクタンス素子、IC、LSI等であってもよい。表面実装が可能な部品であることが望ましい。接続端子11は銀(Ag)もしくは錫(Sn)などハンダ濡れ性に優れる材料により部分的に被覆されている。また、接続端子部11が部分的に粗面化処理されている。電子部品2を搭載した内層基板10の両面は、絶縁性材料3によって覆われている。これら絶縁性材料3の表面にも導体配線乃至接続端子が形成され、その接続端子部分以外は、ソルダーレジストで覆われている。さらに、電子部品内蔵基板1には、適宜ヴァイアホールが形成されている。
【0033】
以上のように、接続端子11は銀(Ag)もしくは錫(Sn)などハンダ濡れ性に優れる材料により部分的に被覆されている。その結果、電子部品を実装するリフロー時にハンダの濡れ広がりを制御することが可能となる。また、内層基板10が部分的に粗面化処理されているため、端子から引き出す導体配線部分12と接続端子部11の部分とにおいて、ハンダ接合材料15に対する濡れ性に、さらに差を付けることが可能となる。
【0034】
粗面化の程度としては、より具体的には、日本工業規格JIS B0633により測定される算術平均粗さRaの値が0.2μm以上の範囲であれば、本発明の効果を好ましく発揮することができる。これよりも小さいと、十分なハンダ濡れ性を確保することができない。また、Raは0.5μm以下の範囲とすることが好ましい。本発明においては、接続端子11の表面を被膜で被覆する必要があるが、あまりRaが大きいと、完全な被覆が困難になるからである。
【0035】
電子部品接続端子11を覆う被膜の厚みは0.5μm以上であるのが好ましい。粗面化された電子部品接続端子11を被覆するために、この程度の厚さが必要である。また、粗面化により形成された凹凸をすべて埋めてしまわぬよう、2μm以下の厚みが好ましい。粗面化後の表面の全面を被覆し、かつ、粗面化で得られた凹凸を損なわぬよう、被膜の厚みは表面粗さの値よりも大きく、3倍よりは小さく、好ましくは2倍前後とするのがよい。
【0036】
以上の通り、本発明における電子部品内蔵基板1は接続端子部11と導体配線部分のハンダの濡れ性おいて大きな差が生じている。このように、ハンダ濡れ性を制御するため、内層基板10の表面にソルダーレジスト層を形成する必要がない。また、内層基板10上にソルダーレジスト層がないのでプリプレグ等の絶縁材料3との間で層間剥離を起こす可能性があるという問題を回避することが可能となる。
【0037】
本発明においては、上記電子部品内蔵基板1を備えた電子モジュール並びに電子機器が提供される。このうち、電子モジュールの例としては、指紋、音声、顔などの生体認証モジュール、ワンセグ(携帯電話・移動体端末向けの1セグメント部分受信サービス)などのチューナーモジュール、ゲームやビデオなどの画像処理モジュール等が挙げられる。電子機器の例としては、ノート型パソコン、携帯電話、PDA、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、ゲーム機、カーナビゲーションなどがある。また、本発明の電子機器は、受動素子内蔵基板1を備えた電子モジュールを使用した電子機器をも含む。その例としては、受動素子内蔵基板1を備えた生体認証モジュールを具備する現金自動預け払い機(ATM)などが挙げられる。
【0038】
本発明における電子部品内蔵基板1は内層基板10に電子部品を接合する際に、従来からあるハンダ接合材料15を使用でき、既存設備、実装条件等をそのまま使用することが可能である。また、ハンダと接着樹脂の混合材料を使用することで電子部品2と内層基板10を接着剤でこていすることが可能となり、接合強度を向上することが可能となる。
【0039】
本発明における電子部品内蔵基板1は、電子部品2を接合する端子部分11以外の領域をフォトレジストなどにより保護した後、部分的に粗面化処理、めっき被膜形成を行うことにより製造される。このため、端子部11と導体配線部12のハンダ接合材料に対する濡れ性に差をつけることができ、内層基板表面にソルダーレジストを設置せずに電子部品を実装することが可能となる。
【0040】
本発明における電子部品内蔵基板1の製造方法は電子部品2を接合する内層基板10の接続端子部11と導体配線部12のハンダ接合材料に対する濡れ性の差を利用してハンダの濡れ広がりを制御するため、セルフアライメント効果を利用した搭載精度の向上効果を得ることが可能となる。
【0041】
本発明における電子部品内蔵基板1の製造方法は内層基板10上に電子部品2を実装した後に内層基板10の導体配線12に対して粗面化処理を施すため内層基板10上に積層する絶縁材料3との密着性を確保することが可能とする。電子部品2を実装する前に導体配線12表面を粗面化処理する場合は、接続端子部11と導体配線12のハンダ接合材料に対するハンダ接合材料に対する濡れ性の差を十分に確保できず、さらに電子部品実装時のリフロー処理、その後の薬液処理により粗面化された導体表面の形状が変化し、積層する絶縁樹脂との密着性が十分に確保できない。
【実施例】
【0042】
以下、図3を参酌して、本発明の実施例を詳細に説明する。図3(a)〜(g)は本発明の部品内蔵基板における工程の一部を断面で示した模式図である。
【0043】
まず、図3(a)に示す様な12μm厚の銅箔を有する両面銅箔付き絶縁材料30(商品名:CCL−HL830)を準備した。図中31は銅箔である。次いでドライフィルムレジスト(商品名:RY3215、日立化成工業製)をロールラミネーターにて熱圧着して貼り付け、フィルムマスクを用いた露光、現像によりエッチングレジストパターンを得た。
【0044】
次に図3(b)の様に銅箔31を塩化第2鉄でエッチングし、個々の電子部品を接続する端子部と配線パターン311を形成した。
【0045】
次にドライフィルムレジストを前述の方法で再び貼り付け、露光、現像により接続端子部を露出させるレジストパターンを得た。図3(c)は接続端子部分を露出させた状態を示した図である。
【0046】
次に露出させた接続端子部に対して粗面化処理(商品名:CZ8100、メック製)を施し、10wt%、液温=25℃で、硫酸水溶液にて1分間の酸洗浄を行い、次いで純水で洗浄し、さらに、プリディップ(商品名:SSP−700P、四国化成工業製)処理を経て、液温40℃にて40秒間浸漬させ、置換銀めっき処理を施した。
【0047】
次にドライフィルムレジストを40℃、5wt%の水酸化ナトリウム水溶液に5分間浸漬し、剥離した。図3(d)は、ドライフィルムレジストを剥離した状態の図である。図中33は銀メッキ処理を施した部分である。
【0048】
その後、ハンダペースト(商品名:エコソルダーM705−GRN360−K2−V、千住金属製)を内層基板の接続端子上にスクリーン印刷機を用いて部分的に形成した。図3(e)はハンダペーストを形成した状態の図である。
【0049】
次に1005サイズの電子部品35を、内層基板上にチップマウンターを用いて搭載し、コンベアー型リフロー装置により260℃ピークの温度プロファイルにて実装した。その後、フラックス洗浄剤(商品名:パインアルファST−100S、荒川化学工業製)を用いて60℃、5分のフラックス洗浄を施した。図3(f)は電子部品35を実装した状態を示した図である。
【0050】
次に積層前処理として粗面化処理(商品名:CZ8500、メック製)を35℃、30秒間施し、電子部品搭載箇所をあらかじめ穴あけ加工したプリプレグ(GHPL−830)を前記、電子部品を実装した内層基板の表裏に積み重ね真空プレス機にて180℃に加熱し30kg/cm2程度に加圧することにより絶縁層38を形成した。次に炭酸ガスレーザーの穴あけ加工装置でヴァイアホール39用の穴を形成した。また、基板を貫通するドリル孔加工によりスルーホール用貫通孔37を形成した。次に過マンガン酸と水酸化ナトリム等からなる強酸化剤を用いたデスミア処理、あるいは酸処理により、ヴァイアホール39用の穴およびスルーホール用貫通孔37の樹脂残渣を除去した。次にその穴とするホール用貫通孔の壁面および絶縁樹脂層38の表面に銅めっき層を形成した。次にその銅めっき層をエッチングすることにより孔壁面に銅めっきが形成されたヴァイアホールとスルーホールとそれらと接続する配線パターンを形成した。次にその配線パターンと絶縁樹脂層38の上にソルダーレジスト36を形成した。次に配線の接続端子部にニッケル−金めっき仕上げ処理を施し電子部品内蔵基板を製造した。
【0051】
以上のように、本発明の電子部品内蔵基板は内蔵基板上に電子部品を実装する際に、端子部分と導体配線部分のハンダに対する濡れ性に差をつけることでハンダペースト溶融時の濡れ広がりを制御することができる。そのため、電子部品を実装する内層基板上にソルダーレジストパターンを形成する必要がなく、内層基板上に積層する絶縁樹脂層との密着性に優れる。また、内層基板に電子部品を実装する際にハンダ溶融時の表面張力によるセルフアライメント効果を利用できるため、搭載位置精度に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の電子部品内蔵基板の一実施例を示す断面模式図である。
【図2】本発明の電子部品内蔵基板の電子部品接合部近傍を示す断面模式図である。
【図3】本発明の電子部品内蔵基板の一部を抜き出した製造工程説明図である。
【図4】従来の電子部品内蔵基板の例を示す断面模式図である。
【図5】従来の電子部品内蔵基板の例を示す断面模式図である。
【符号の説明】
【0053】
30 両面銅箔付き絶縁樹脂
31 導体パターン
32 ドライフィルムレジスト
33 銀めっき
34 ハンダペースト
35 電子部品
36 ソルダーレジスト
37 貫通スルーホール
38 絶縁樹脂層
39 ヴァイアホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品をプリント配線板の内部に埋め込んだ電子部品内蔵基板において、
前記電子部品を実装する内層基板表面に形成された接続端子の表面が、銀又は錫より選ばれる材料により部分的に被覆されていることを特徴とする電子部品内蔵基板。
【請求項2】
前記接続端子の表面が、部分的に粗面化処理されたうえで前記銀又は錫より選ばれる材料により部分的に被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の電子部品内蔵基板。
【請求項3】
前記粗面化処理がなされた前記接続端子の表面は、算術平均粗さが0.2μm以上0.5μm以下であることを特徴とする請求項2記載の電子部品内蔵基板。
【請求項4】
前記銀又は錫より選ばれる材料の厚みは、0.5μm以上2μm以下であり、かつ、前記算術平均粗さ以上その3倍以下であることを特徴とする請求項3記載の電子部品内蔵基板。
【請求項5】
前記接続端子から引き出された引き出し配線の表面が部分的に粗面化処理されており、前記内層基板の表面には、ソルダーレジストを介することなく、絶縁材料を形成して前記電子部品が埋め込まれていることを特徴とする請求項1乃至請求項4いずれか記載の電子部品内蔵基板。
【請求項6】
前記内層基板の接続端子と前記電子部品との接合は、共晶ハンダ、鉛フリーハンダ、ハンダと接着樹脂の混合材料より選択される材料を用いることを特徴とする請求項1乃至請求項5いずれかに記載の電子部品内蔵基板。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の電子部品内蔵基板を備えたことを特徴とする電子モジュール。
【請求項8】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の電子部品内蔵基板を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項9】
接続端子及び引き出し配線が形成された内層基板を準備し、
前記内層基板上に、前記接続端子の領域が開口されたマスクを形成し、
前記マスクを利用して前記接続端子の表面を粗面化し、
前記マスクを利用して前記接続端子の表面にめっき被膜を形成し、
前記めっき被膜を形成した前記接続端子に接合材料を印刷形成し、
受動部品を前記内層基板上に表面実装して、前記接合材料を用いて前記接続端子と前記受動部品とをリフローにより接続することを特徴とする電子部品内蔵基板の製造方法。
【請求項10】
前記受動部品を前記内層基板に表面実装する際に、前記めっき被膜と前記引き出し配線の表面に対するハンダ濡れ性の差を利用してハンダ濡れ広がりを制御することを特徴とする請求項9に記載の電子部品内蔵基板の製造方法。
【請求項11】
前記内層基板上に前記電子部品を実装した後、前記内層基板の引き出し配線の表面に粗面化処理を施し、前記電子部品を絶縁材料により埋め込むことを特徴とする請求項9又は請求項10のいずれかに記載の電子部品内蔵基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−198712(P2008−198712A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−30475(P2007−30475)
【出願日】平成19年2月9日(2007.2.9)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】