説明

電気光学装置、電気光学装置の製造方法、液晶装置、液晶装置の製造方法及び電子機器

【課題】 電気光学装置において、上記フレームの熱による損傷を防止することのできる構造及び製造方法を提供する。
【解決手段】 液晶装置100は、液晶パネル110と、この液晶パネル110に重なるように配置されたプラスチック製のフレーム120と、フレーム120に重なるように配置された光拡散層130と、液晶パネル110に実装された可撓性配線基板140と、可撓性配線基板140に接続され、光拡散層130に重なるように配置された回路配線基板150とを備えている。光拡散層130は断熱性の良好な素材で構成され、可撓性配線基板140と回路配線基板150との接続時に生ずる熱によるフレームの熱変形や熱劣化を防止する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気光学装置、電気光学装置の製造方法、液晶装置、液晶装置の製造方法及び電子機器に係り、特に、電気光学パネル基板に配線基板を接続してなる電気光学装置の構造及び製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、携帯電話機、携帯電子端末機等の電子機器において液晶装置が広く用いられている。多くの場合、文字、数字、絵柄等の情報を表示するためにその液晶装置が用いられている。
【0003】液晶装置は、一般に、内面に電極が形成された一対の液晶基板及びそれらによって挟持される液晶を有し、その液晶に印加する電圧を制御することによってその液晶の配向状態を制御し、この制御された液晶配向状態によって該液晶に入射する光を変調するように構成されている。この液晶装置では、液晶に印加する電圧を制御するために液晶駆動用IC、すなわち半導体チップを使用する必要があり、そのICは上記液晶基板に直接に実装されたり、或いは、フレキシブル配線基板やプリント回路基板などの実装構造体を介して間接的に接続されたりする。
【0004】上記実装構造体を介して液晶駆動用ICを間接的に液晶基板に接続する場合には、例えば、配線パターン及び電極端子を備えたフレキシブルプリント基板上に液晶駆動用ICを実装して実装構造体を形成し、その実装構造体を液晶装置の基板に接続するなどの方法が採られる。この場合、半田を用いて実装構造体と液晶装置の基板とを接続することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の液晶装置においては、液晶基板の表示面の裏側に、液晶パネルを収容したり、バックライトの導光体として機能したりするプラスチック製のフレームが配置される場合がある。この場合、液晶基板と実装構造体とを半田付けする際に加熱されることによってフレームが損傷を受けるおそれがある。
【0006】特に、近年、環境問題に関連して従来の鉛を含有する半田を電子機器内から排除することが要求されている。これに応えるために、現在既に種々の鉛フリー半田(鉛を本質的に含まない接合用合金)が開発されている。しかし、従来の鉛入り半田の融点が183℃程度であるのに対して、鉛フリー半田の融点は210〜230℃程度であるため、従来の半田を鉛フリー半田に置き換えると、融点が高くなることにより、上記のフレームの損傷の発生確率が増大したり、フレームの損傷度合が悪化したりする。そして、これらの理由で従来の製造工程をそのまま適用できなくなり、製造工程の変更を余儀なくされる場合がある。
【0007】そこで本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、上記液晶装置などの電気光学装置において、上記フレームの熱による損傷を防止することのできる構造及び製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために第1発明の電気光学装置は、電気光学パネル基板と、該電気光学パネル基板に実装された第1配線基板と、該第1配線基板に接続された第2配線基板と、前記電気光学パネル基板と前記第2配線基板との間に配置されたフレームとを有する電気光学装置において、前記第1配線基板と前記第2配線基板は接合金属を介して導電接続され、前記第1配線基板と前記第2配線基板の間の接続領域と、前記フレームとの間に断熱層が設けられていることを特徴とする。
【0009】この発明によれば、接続領域とフレームとの間に断熱層が設けられていることにより、第1配線基板と第2配線基板とを接合金属を介して導電接続する際にフレームへの熱の伝達を抑制できるため、フレームの熱変形や熱劣化などの損傷を防止することができる。また、断熱層を設けることによって、第1配線基板と第2配線基板との接続領域からフレーム側に熱が逃げにくくなるため、接合金属の加熱が容易になり、接合金属を介して行う接続作業をより容易に行うことができるとともに、接続領域の接合態様を高品位化することができる。
【0010】第2発明の電気光学装置は、電気光学パネル基板と、該電気光学パネル基板に実装された複数の第1配線基板と、該複数の第1配線基板に接続された第2配線基板と、前記電気光学パネル基板と前記第2配線基板との間に配置されたフレームとを有する電気光学装置において、前記複数の第1配線基板は前記第2配線基板に対して相互に異なる方向から接合金属を介して導電接続され、前記第1配線基板と前記第2配線基板の間の接続領域と、前記フレームとの間に断熱層が設けられていることを特徴とする。
【0011】この発明によれば、相互に異なる方向から第2配線基板に導電接続された複数の第1配線基板が設けられていることにより、少なくとも一つの第1配線基板と第2配線基板との導電接続作業をフレーム上にて行わざるを得ないことから、フレームと接続領域との間の断熱層による断熱作用が特に効果的になる。
【0012】第3発明の電気光学装置は、電気光学パネル基板と、該電気光学パネル基板に実装された複数の第1配線基板と、該複数の第1配線基板に接続された第2配線基板と、前記電気光学パネル基板と前記第2配線基板との間に配置されたフレームとを有する電気光学装置において、前記電気光学パネル基板は複数の辺縁を有する外縁形状を有し、前記複数の第1配線基板は前記第2配線基板に対して相互に異なる前記辺縁の側から接合金属を介して導電接続され、前記第1配線基板と前記第2配線基板の間の接続領域と、前記フレームとの間に断熱層が設けられていることを特徴とする。
【0013】この発明によれば、液晶パネル基板の相互に異なる辺縁の側から第2配線基板に導電接続された複数の第1配線基板が設けられていることにより、少なくとも一つの第1配線基板と第2配線基板との導電接続作業をフレーム上にて行わざるを得ないことから、フレームと接続領域との間の断熱層による断熱作用が特に効果的になる。
【0014】第4発明の電気光学装置は、電気光学パネル基板と、該電気光学パネル基板に実装された第1配線基板と、該複数の第1配線基板に接続された第2配線基板と、前記電気光学パネル基板と前記第2配線基板との間に配置されたフレームとを有する電気光学装置において、前記第1配線基板と前記第2配線基板は接合金属を介して導電接続され、前記第1配線基板と前記第2配線基板の間の接続領域よりも前記フレーム側にある前記第1配線基板又は前記第2配線基板の基材の厚さは約50μm以下であり、前記接続領域と前記フレームとの間に断熱層が設けられていることを特徴とする。
【0015】この発明によれば、前記第1配線基板と前記第2配線基板の間の接続領域よりも前記フレーム側にある前記第1配線基板又は前記第2配線基板の基材の厚さが約50μm以下である場合には、接合金属を介した導電接続作業による熱によってフレームに熱変形や熱劣化が発生しやすくなるため、断熱層を設けることによって熱に起因するフレームの損傷を効果的に低減できる。
【0016】上記各発明において、前記接合金属が鉛フリー半田であることが好ましい。鉛フリー半田は通常の鉛入り半田に較べて融点が高くなるため、上記断熱層が特に効果的である。
【0017】第5発明の電気光学装置は、電気光学パネル基板と、該電気光学パネル基板に実装された第1配線基板と、該複数の第1配線基板に接続された第2配線基板と、前記電気光学パネル基板と前記第2配線基板との間に配置されたフレームとを有する電気光学装置において、前記第1配線基板と前記第2配線基板は鉛フリー半田を介して導電接続され、前記第1配線基板と前記第2配線基板の間の接続領域よりも前記フレーム側にある前記第1配線基板又は前記第2配線基板の基材の厚さは約100μm以下であり、前記接続領域と前記フレームとの間に断熱層が設けられていることを特徴とする。
【0018】鉛フリー半田は通常の半田よりも融点が高いため、基材の厚さが約100μm以下である場合にはフレームに熱変形や熱劣化などの損傷が発生しやすくなるため、本発明の断熱層が特に効果的になる。特に、上記基材の厚さが約50μm以下である場合には著しい効果が得られる。
【0019】上記各発明において、前記鉛フリー半田が、Sn−Ag−Cu系、Sn−Ag−Bi−Cu系、Sn−Ag系、Sn−Cu系、Sn−Bi系、Sn−Zn系の合金群から選ばれた合金であることが好ましい。
【0020】上記各発明において、前記フレームが合成樹脂素材からなることが好ましい。フレームとしては、合成樹脂素材、例えばプラスチックで構成することが製造コスト上好ましいが、この場合には、接続領域から受ける熱によって熱変形や熱劣化が発生しやすいので、本発明は特に有効である。
【0021】上記各発明において、前記断熱層は、前記接続領域よりも前記フレーム側に配置された前記第1配線基板又は前記第2配線基板の基材よりも熱伝導率が低いことが好ましい。断熱層として上記基材よりも熱伝導率が低いものを用いることにより、断熱層の厚さを薄くすることができるので、液晶装置の設計の自由度が増大するとともに、装置全体を薄型化することができる。
【0022】上記各発明において、前記断熱層は、シリコーンゴム、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、フッ素ゴムからなる群より選択される物質を含むことが好ましい。これらの物質はいずれも良好な断熱性を備えている。
【0023】上記各発明において、前記断熱層は接着機能を有することが好ましい。断熱層が第1配線基板の接続部分又は第2配線基板とフレームとの間を接着するので、他の固定手段を設ける必要がなくなるとともに、第1配線基板と第2配線基板との接続作業時において予め第1配線基板の接続部分又は第2配線基板をフレームに対して仮固定することも可能になる。
【0024】上記各発明において、前記断熱層が熱硬化性樹脂を含有することが好ましい。断熱層が熱硬化性樹脂を含有することにより、第1配線基板と第2配線基板との接続作業時に受ける熱によって断熱層を硬化させることができるので、この熱硬化によって接着機能を高め、第1配線基板の接続部分又は第2配線基板を強固にフレームに接着させることができる。また、熱硬化前の粘着性を利用して第1配線基板の接続部分又は第2配線基板とフレームとを仮固定することもできる。
【0025】上記各発明において、前記断熱層は、前記電気光学パネル基板側への光反射機能を有するように構成されていることが好ましい。断熱層が光反射機能を有することにより、バックライト等の照明手段の一部を構成することが可能になるので、他に反射層を設ける必要がなくなる。
【0026】上記各発明において、前記断熱層は、前記電気光学パネル基板側への光拡散機能を有するように構成されていることが好ましい。断熱層が光拡散機能を有することにより、バックライト等の照明手段の一部を構成することが可能になるので、他に反射層を設ける必要がなくなる。
【0027】上記各発明において、前記フレームは導光機能を有する場合がある。フレームが導光機能を有する場合には、その熱変形や熱劣化は液晶パネルに対する照明機能に影響を及ぼすので、フレームの熱損傷を防止することのできる本発明は特に有効である。
【0028】次に、本発明の液晶装置は、上記各発明のいずれかの電気光学装置であって、前記電気光学パネル基板が液晶パネル基板であることを特徴とする。
【0029】次に、本発明の電気光学装置の製造方法は、電気光学パネル基板と、該電気光学パネル基板に実装された第1配線基板と、該第1配線基板に接続された第2配線基板と、前記電気光学パネル基板と前記第2配線基板との間に配置されたフレームとを有する電気光学装置の製造方法において、前記第1配線基板と前記第2配線基板の間の接続領域と、前記フレームとの間に断熱層を介挿した状態で、前記接続領域に熱を加えて前記第1配線基板と前記第2配線基板を導電接続させることを特徴とする。
【0030】上記発明において、前記第1配線基板と前記第2配線基板とを、接合金属を介して導電接続させる場合には、接合金属を溶融させるために高温に加熱する必要があることから特に有効である。
【0031】上記発明において、前記接続領域よりも前記フレーム側にある前記第1配線部材又は前記第2配線部材の基材の厚さが約50μm以下である場合に特に有効である。
【0032】上記発明において、前記接合金属が鉛フリー半田である場合には、通常の鉛入り半田よりも融点が高いことから著しい効果を得ることができる。
【0033】上記発明において、接続領域よりも前記フレーム側にある前記第1配線部材又は前記第2配線部材の基材の厚さが約100μm以下である場合に特に大きな効果が得られる。
【0034】上記発明において、前記鉛フリー半田が、Sn−Ag−Cu系、Sn−Ag−Bi−Cu系、Sn−Ag系、Sn−Cu系、Sn−Bi系、Sn−Zn系の合金群から選ばれた合金であることが好ましい。
【0035】上記発明において、前記フレームを合成樹脂素材で構成することが製造上好ましい。
【0036】上記発明において、前記断熱層を、前記接続領域よりも前記フレーム側に配置された前記第1配線基板又は前記第2配線基板の基材よりも熱伝導率が低いものとすることが好ましい。
【0037】上記発明において、前記断熱層を、シリコーンゴム、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、フッ素ゴムからなる群より選択される物質を含む素材で構成することが好ましい。
【0038】上記発明において、前記第1配線基板と前記第2配線基板との導電接続時に、熱を受けた前記断熱層により前記第2配線基板と前記フレームとが接着されるように構成することが好ましい。導電接続時に第2配線基板とフレームとが接着されることによって、第2配線基板をフレームに対して保持するための別途の作業を不要にすることができる。
【0039】上記発明において、前記第1配線基板と前記第2配線基板との導電接続時の加熱により、前記断熱層を熱硬化させて前記第2配線基板と前記フレームとを接着させることが好ましい。
【0040】上記発明において、前記第2配線基板に対して複数の前記第1配線基板を相互に異なる方向から接続する場合がある。
【0041】上記発明において、複数の辺縁を有する外縁形状を備えた前記第2配線基板に対して複数の前記第1配線基板を相互に異なる辺縁の側から接続する場合もある。
【0042】上記発明において、前記第1配線基板と前記第2配線基板との導電接続後に、前記断熱層を除去することが好ましい。この手段によれば、導電接続後に断熱層が除去されることにより、液晶装置の断熱層の材質や厚さ等を自由に選択できる。また、断熱層を多数回繰り返して使用できるため、製造コストを低減することができる。
【0043】上記発明において、前記断熱層は、前記電気光学パネル基板側への光反射機能を有するものを用いることが好ましい。
【0044】また、前記断熱層は、前記電気光学パネル基板側への光拡散機能を有するものを用いることが好ましい。
【0045】さらに、前記フレームは導光機能を有するものを用いることが好ましい。
【0046】次に、本発明の液晶装置の製造方法は、上記いずれかの電気光学装置の製造方法であって、前記電気光学パネル基板が液晶パネル基板であることを特徴とする。
【0047】また、本発明の電子機器は、上記いずれかの電気光学装置と、該電気光学装置を制御する制御手段とを備えたものである。
【0048】さらに、本発明の電子機器は、上記の液晶装置と、該液晶装置を制御する制御手段とを備えたものである。
【0049】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照して本発明に係る電気光学装置、電気光学装置の製造方法、液晶装置、液晶装置の製造方法及び電子機器の実施形態について詳細に説明する。
【0050】[第1実施形態]図1は、本発明に係る第1実施形態の液晶装置100の構造を示す概略側面図であり、図2は図1の領域IIを拡大して示す部分拡大断面図であり、図3は図1の領域IIIを拡大して示す部分拡大断面図であり、図4は、液晶装置100の分解斜視図である。なお、図4は、図1乃至図3に対して上下が反転した姿勢で描いてある。
【0051】図1に示すように、液晶装置100は、液晶パネル110と、この液晶パネル110に重なるように配置されたプラスチック製のフレーム120と、フレーム120に重なるように配置された光拡散層130と、液晶パネル110に実装された可撓性配線基板140と、可撓性配線基板140に接続され、光拡散層130に重なるように配置された回路配線基板150とを備えている。
【0052】液晶パネル110は、ガラスやプラスチック等からなる第1基板111と第2基板112とがシール材113により貼り合わされてなり、基板間に液晶114が封入されたものである。第1基板111には第2基板112の外形より外側に張り出した基板張出部111Tが設けられている。また、第1基板111の外面には偏光板115が貼着され、第2基板112の外面には偏光板116が貼着されている。
【0053】なお、図示しないが、第1基板111の内面(第2基板112と対向する表面)と、第2基板112の内面(第1基板111と対向する表面)には、それぞれITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電体からなる透明電極が形成されている。上記の基板張出部111Tの表面には、図2及び図4に示すように、第1基板111の内面上に形成された透明電極と同時に形成され、一部が第1基板111上の透明電極に導電接続され、残りが第2基板112上の透明電極に図示しない上下導通部(例えば、部分的に設けられた異方性導電材や、導電性粒子を混入したシール材自体などによって構成される場合がある。)を介して導電接続された複数の配線111aが形成されている。なお、配線111a及びこれ以外の各部に形成された配線パターンにおいては、その線幅を強調して図示し、その本数も適宜に省略して図示してある。
【0054】フレーム120は、例えば、アクリル樹脂やポリカーボネート等の合成樹脂素材で一体成形されている。フレーム120は、基本的には液晶パネル110を支持する支持部材として、或いは、回路配線基板150を支持する支持部材として機能するが、液晶パネル110や回路配線基板150を保持する保持機能を有するように構成してもよく、さらに、液晶パネル110の背後(液晶パネル110の観察側とは反対側)に配置されるバックライトの一部である導光体としても機能するように構成してもよい。
【0055】ここで、フレーム120は単なる平行平板として図示されているが、実際には液晶パネルの形状や回路配線基板を収容する収容凹部や位置決め枠部などを有する形状であってもよい。また、フレーム120が導光体として機能するように構成されている場合には、フレーム120内に光を導入する光源(LEDなど)が例えばフレーム120の端面部などに対向配置される。
【0056】光拡散層130は基本的にフレーム120における液晶パネル110とは反対側の面から放出される光を散乱させ、フレーム120内へ戻す機能を有するが、本実施形態の場合、回路配線基板150とフレーム120との間の断熱層としても機能するようになっている。光拡散層130としては、フレーム120に被着された膜であってもよく、また、独立したシート状若しくは板状の別部材であってもよい。光拡散層130を構成する素材としては、本実施形態の場合、シリコーンゴム、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン等)、フッ素ゴム(フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体等)などの比較的断熱性の良好な素材を用いることができる。このような断熱性の良好な素材(熱伝導率の低い素材)としては、回路配線基板150の絶縁基材よりも断熱性の良好な(熱伝導率の低い)ものが好ましい。
【0057】可撓性配線基板140は、ポリイミド等の樹脂などからなる絶縁基材の表面上に図2乃至図4に示すCu等の導電体からなる配線140a,140bを含む配線パターンを形成したものである。この配線パターンは、接着剤層を介して絶縁基材の上に固着させてもよく、或いは、スパッタリング法、ロールコート法等の成膜法を用いて絶縁基材上に固着させてもよい。この可撓性配線基板140においては、一方の端部に形成された出力端子部141から複数の配線140aが伸び、これらの配線140aは、ほぼ中央部近傍に実装された液晶駆動用IC142に導電接続されている。また、液晶駆動用IC142は複数の配線140bにも導電接続されており、これらの配線140bは他方の端部に形成された入力端子部143まで伸びている。可撓性配線基板140の厚さは通常10〜30μm程度である。
【0058】なお、可撓性配線基板140に異方性導電膜などを用いて液晶駆動用IC142やチップ部品等を実装すれば、いわゆるCOF(Chip On Film)構造の実装構造体が構成され、また、基板上にAu−Snの共晶結合等を用いたギャングボンディングにより液晶駆動用IC142を実装すればTAB(Tape Automated Bonding)方式の実装構造体が構成される。
【0059】回路配線基板150は、ガラス繊維やガラス布等の芯材にエポキシ樹脂を含浸させたガラスエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等からなる絶縁基材の表面上に図3及び図4に示すCu等の導電体からなる複数の配線150aを含む配線パターンが形成されている。この配線パターンは、接着剤層を介して絶縁基材の上に固着させてもよく、或いは、スパッタリング法、ロールコート法等の成膜法を用いて絶縁基材上に固着させてもよい。これらの配線150aは基板端部に形成された出力端子部151に配列され、基板内部に向けて伸びている。また、この回路配線基板150にはICやチップ部品等の電子部品152が実装されている。さらに、回路配線基板150にはフレキシブル配線基板153が実装され、このフレキシブル配線基板153を介して外部から電源電位や制御信号などが入力されるように構成されている。このフレキシブル配線基板153は回路配線基板150本体に対して半田付けされる場合もある。
【0060】回路配線基板150の絶縁基材の厚さは約100〜数百μmと様々であってよいが、本実施形態では液晶装置の厚さを薄くするために、100μm程度の厚さのものを使用することが好ましい。また100μm未満、例えば約75μm、約50μm程度のものを用いることも可能である。
【0061】本実施形態において、液晶パネル110の基板張出部111T上に引き出された複数の配線111aは、異方性導電膜(Anisotropic Conductive Film)117を介して可撓性配線基板140の出力端子部141に配列された複数の配線140aの端子にそれぞれ導電接続されている。この異方性導電膜117は、基板張出部111T上にて可撓性配線基板140の出力端子部141を加圧した状態で加熱する(熱圧着する)ことによって、実質的に膜厚方向にのみ導電性を呈する導電異方性を備えたものとなる。また、この可撓性配線基板140の入力端子部143は回路配線基板150の出力端子部151に実装され、入力端子部143の各配線140bの端子が出力端子部151の各配線150aの端子に対して鉛フリー半田144を介して導電接続されている。
【0062】鉛フリー半田144は、例えば、Sn−Ag−Cu系合金、Sn−Ag−Bi−Cu系合金、Sn−Ag系合金、Sn−Cu系合金、Sn−Bi系合金、Sn−Zn系合金などの低融点合金で構成される。より具体的には、Agが0.5〜5.0wt%、Cuが0.5〜5.0wt%で、残部がSnよりなる合金、或いは、Agが0.5〜5.0wt%、Cuが0.5〜5.0wt%、Biが0.5〜2.0wt%で、残部がSnよりなる合金などが挙げられる。これらの鉛フリー半田の融点は210〜230℃程度である。
【0063】図3に示すように、可撓性配線基板140の入力端子部143には絶縁基材が除去されたスリット143aが設けられ、このスリット143aにおいて露出した配線140bの端子が上記鉛フリー半田144によって回路配線基板150の出力端子部151に配列された配線150aの端子に接合されている。
【0064】なお、上述の各配線は基本的にCuパターンよりなり、その端子は、例えば、Cuパターンの表面上を、必要に応じてNi層などを介してAu、Snなどの薄膜(メッキ膜)で覆った構造を備えている。
【0065】次に、図5を参照して、可撓性配線基板140と回路配線基板150とを導電接続する工程について説明する。図5(a)は半田付け前の状態を示す拡大部分断面図、図5(b)は半田付け時の状態を示す拡大部分断面図である。
【0066】図5(a)に示すように、予め、可撓性配線基板140の入力端子部143と、回路配線基板150の出力端子部151のいずれか一方に鉛フリー半田144をプリコートしておき(図示例では回路配線基板150に鉛フリー半田144を付着させた例を示す。)、入力端子部143と出力端子部151とが対向するように可撓性配線基板140と回路配線基板150との位置合わせを行う。その後、図5(b)に示すように、可撓性配線基板140の側からスリット143a内に露出した配線140bの端子に対して圧着部材HTを押し当て、配線140bの端子を回路配線基板150の配線150aの端子に対して押し付けつつ鉛フリー半田144を溶融させる。そして、圧着部材HTを離反させると、鉛フリー半田144が固化して配線140bと配線150aとが導電接続された状態で固定される。
【0067】なお、上記工程においては、圧着部材HTを自動化装置によって駆動するように構成してもよく、また、手作業によって圧着部材HTを押し付けてもよい。
【0068】本実施形態においては、通常の半田よりも融点の高い鉛フリー半田144を用いていることにより、圧着部材HTによる加熱温度を高めに設定している。したがって、鉛フリー半田144の溶融時においてフレーム120に与える熱的影響が大きくなるが、本実施形態ではフレーム120と回路配線基板150との間に配置された光拡散層130として上記のように断熱性の高い素材を用いていることにより、圧着部材HTの熱がフレーム120に伝わりにくくなっている。その結果、フレーム120の熱変形や熱劣化などを防止できる。
【0069】上記のように断熱材として機能する光拡散層130は、上記接続工程の前に予めシート状に形成された光拡散シートをフレーム120と回路配線基板150との間に挟み込むことにより形成することができる。また、フレーム120と回路配線基板150との間に挟持された光拡散層を予め設けてもよく、或いは、フレーム120の表面(回路配線基板150側の表面)若しくは回路配線基板150の表面(フレーム120側の表面)のいずれかに光拡散層130を成膜(塗布)しておいてもよい。
【0070】光拡散層130は熱硬化性樹脂を含む素材によって構成することができる。この場合には、上記圧着部材HTの熱によって熱硬化性樹脂を含む素材が硬化するので、フレーム120と回路配線基板150とを接着する接着層としても機能させることができる。また、硬化前の熱硬化性樹脂を含む素材は一般的に粘着性を備えたものであるので、この場合には、その粘着性を利用して接続工程前にフレーム120と回路配線基板150とを仮固定することができる。したがって、接続工程のために仮固定するための別途の手段(冶具など)を設ける必要がなくなる。なお、上記の熱硬化性樹脂を含むもの以外のものであっても、粘着性を備えた断熱材を用いることにより、上記仮固定の効果及びその後の固定効果を奏することができる。
【0071】上記の光拡散層130は光学的機能と断熱機能とを兼ね備えたものであるが、光学的機能を有しない断熱材をフレーム120と回路配線基板150との間に配置させてもよい。この場合においてフレーム120が導光体として機能するものである場合には、光拡散層130を別途フレーム120と断熱材との間に配置させるか、或いは、フレーム120を単独で導光機能を達成するものとして構成すればよい。例えば、後者の場合には、フレーム120の回路配線基板150側の表面に光散乱層若しくは光反射層を印刷層によって構成したり、凹凸構造によって構成したり、別途光反射板(光散乱板)を配置したりすることができる。なお、この断熱材は、上記光拡散層130と同様に接着層として機能し得るものを用いてもよい。
【0072】また、光拡散層として機能しない断熱材は、少なくとも、可撓性配線基板140と回路配線基板150との接続領域(半田を介して接続されている領域)とフレーム120との間に配置されていればよいので、図示例のようにフレーム120と回路配線基板150の対向領域全体に存在している必要はない。断熱材が接着層としても機能する場合においても、接着面積は減少するものの接着機能が損なわれることがないから同様である。
【0073】本実施形態では、可撓性配線基板140と回路配線基板150との接続領域とフレーム120との間に断熱機能を有する光拡散層130が配置されているが、この断熱材の存在による断熱作用は、上記接続領域よりもフレーム120側にある回路配線基板150の絶縁基材の厚さが約100μm以下である場合に特に効果的である。また、本実施形態の場合には、上記絶縁基材の厚さが約50μm以下であっても十分に製造することができる。
【0074】なお、上記実施形態では、断熱材を光拡散層として機能するものとして説明したが、断熱材を光反射層として機能するものとして構成することも可能である。この場合には、断熱材そのものを反射率の高い素材で構成してもよく、また、断熱材の表面に反射層を形成してもよい。
【0075】[第2実施形態]次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。この実施形態において、液晶装置の構造自体は第1実施形態と基本的にほぼ同様であるので同一部分については同一符号を付し、それらの説明は省略する。図6(a)は第2実施形態の液晶装置における半田付け前の状態を示す拡大断面図、図6(b)は半田付け時の状態を示す拡大断面図である。
【0076】この実施形態において、第1実施形態と異なる点は、光拡散層130を設ける代わりに、図6(a)に示すように、光反射層(光散乱層)121が配置されている点にある。光反射層121としては、例えばポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂、アルミニウムなどの金属層を用いることができる。例えば、光反射層121として白色樹脂板を用いることによって、フレーム120から放出される光を液晶パネル110へ向けて散乱させることができる。光反射層121はシート状(板状)に形成されたものを配置してもよく、或いは、フレーム120の表面(回路配線基板150側の表面)に成膜して形成してもよい。
【0077】本実施形態においては、可撓性配線基板140の入力端子部143又は回路配線基板150の出力端子部151のいずれか一方に予め鉛フリー半田144をプリコートしておく。ここで、図6(a)には、回路配線基板150の出力端子部151において配線150aの端子表面上に鉛フリー半田144が配置されている場合を示す。鉛フリー半田144の材質については第1実施形態で述べたところと同様である。
【0078】次に、図6(b)に示すように、フレーム120と回路配線基板150との間に断熱材135を挿入する。断熱材135を構成する素材としては、本実施形態の場合、シリコーンゴム、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン等)、フッ素ゴム(フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体等)などの比較的断熱性の良好な素材を用いることができる。このような断熱性の良好な素材(熱伝導率の低い素材)としては、回路配線基板150の絶縁基材よりも断熱性の良好な(熱伝導率の低い)ものが好ましい。
【0079】なお、この実施形態の場合には、断熱材135の厚さは他の機能(例えば光拡散機能や光反射機能など)によって制約を受けないので、その厚さによって十分な断熱効果が得られるのであれば、必ずしも上記のような熱伝導率の低い素材でなくても構わない。ただし、液晶装置をコンパクトに構成するためにはフレーム120と回路配線基板150との間隙を最小限に留める必要があるので、上記のような素材を採用することによって、断熱材135を薄く形成し、フレーム120と回路配線基板150との間隙が少なくても対応できるように構成することが好ましい。
【0080】上記のように断熱材135をフレーム120と回路配線基板150との間に配置した状態で、圧着部材HTにより、第1実施形態と同様にして可撓性配線基板140の入力端子部143においてスリット143a内に露出した配線140bの端子を鉛フリー半田144上に加熱しながら押し付ける。これによって、配線140bの端子と配線150aの端子とが圧着された状態で鉛フリー半田144が溶融し、圧着部材HTが除去されることによって鉛フリー半田144が固化して導電接続状態が保たれた状態で固定される。
【0081】上記のようにして可撓性配線基板140と回路配線基板150との接続が完了すると、断熱材135をフレーム120と回路配線基板150との間から引き抜いて除去する。その後、必要に応じて、回路配線基板150をフレーム120に対して接着、係合等の種々の方法によって取り付け固定する。
【0082】なお、上記断熱材135は、少なくとも、可撓性配線基板140と回路配線基板150との接続領域(半田を介して接続されている領域)とフレーム120との間に配置されていればよいので、フレーム120と回路配線基板150の対向領域全体に存在していてもよいが、図示例のようにプレート120と回路配線基板150との間に部分的に配置されていてもよい。断熱材が接着層としても機能する場合においても、接着面積は減少するものの接着機能が損なわれることがないから同様である。このようにすると、断熱材135として小型のシートを使用できるため、製造工程において容易にフレーム120と回路配線基板150との間に挿入したり、取り出したりすることができる。
【0083】本実施形態では、半田付けの後に断熱材135が除去されるため、断熱材135としては液晶装置の機能とは関わり無く断熱効果の優れた材質を自由に選択できる。また、断熱材135の厚さについても断熱効果や作業性を考慮して適宜のものを使用できる。さらに、多数の液晶装置について断熱材135を繰り返し使用することができるので、例え高価なものを用いても製造コストを低減することができる。
【0084】上記断熱材135の代わりに、フレーム120と回路配線基板150との間に熱硬化性樹脂を含む層を予め設けることにより、断熱層を形成してもよい。このような層はフレーム120又は回路配線基板150に熱硬化性樹脂を含む材料を塗布することにより形成できる。この場合には、上記半田付けの際に断熱層として機能させることができるとともに、半田付け後に熱硬化した層を剥離して除去することができる。
【0085】また、断熱層135に粘着性を有する素材を用いることにより、その粘着性によって半田付け前にフレーム120と回路配線基板150とを仮固定することができる。このようにフレーム120と回路配線基板150とを仮固定可能な粘着性は、上記の熱硬化性樹脂を含む層にも付与することが可能である。
【0086】[第3実施形態]次に、図7乃至図9を参照して、本発明に係る第3実施形態の構成について説明する。ここで、図7は第3実施形態の液晶装置200の概略構造を示す側面図、図8は図7に示す領域VIIIを表す拡大部分断面図、図9は図7に示す領域IXを表す拡大部分断面図である。
【0087】図7に示すように、液晶装置200は、液晶パネル210と、この液晶パネル210に重なるように配置されたプラスチック製のフレーム220と、フレーム220に重なるように配置された光拡散層230と、液晶パネル210に実装された可撓性配線基板240と、可撓性配線基板240に接続され、光拡散層230に重なるように配置された回路配線基板250とを備えている。
【0088】液晶パネル210は、第1実施形態と同様の第1基板211、第2基板212、シール材213、液晶214を備えたものである。また、フレーム220、光拡散層230もまた第1実施形態と同様であるので、これらの説明は省略する。
【0089】本実施形態においては、可撓性配線基板240の出力端子部241が第1基板の基板張出部211T上に異方性導電膜217を介して実装されている。図8R>8に示すように、基板張出部211T上には第1実施形態と同様の複数の配線211aが引き出されるように形成されている。そして、これらの配線211aの先端に設けられた端子上に異方性導電膜217を貼着させ、可撓性配線基板240の出力端子部241を熱圧着させることによって、出力端子部241にて端子を有する複数の配線240aと、上記配線211aとが導電接続される。
【0090】この可撓性配線基板240には液晶駆動用IC242が実装されている。液晶駆動用IC242は上記配線240aと導電接続されているとともに、可撓性配線基板240の絶縁基材の反対側の表面上を伸びる配線240bにも導電接続されている。
【0091】また、図9に示すように、可撓性配線基板240の入力端子部243には上記配線240bの端子が形成されている。この配線240bの端子は、光拡散層230側から回路配線基板250の出力端子部251に設けられた配線250aの端子に対して鉛フリー半田244を介して導電接続されている。回路配線基板250の出力端子部251にはスリット251aが形成され、このスリット251a内に配線250aが露出して端子を構成している。
【0092】図10には、可撓性配線基板240の入力端子部243と、回路配線基板250の出力端子部251とを半田付けするための接続工程の様子を示す。ここで、図10(a)は半田付け前の状態を示し、図10(b)は半田付け時の状態を示す。
【0093】この実施形態においては、第1実施形態と同様に、可撓性配線基板240の入力端子部243と、回路配線基板250の出力端子部251とのいずれかに、予め鉛フリー半田244をプリコートしておく。ここで、図10(a)では入力端子部243上に鉛フリー半田244を配置した状態を示す。そして、可撓性配線基板240の入力端子部243を、光拡散層230と、回路配線基板250との間に挿入する。
【0094】次に、図10(b)に示すように、図示上方から圧着部材HTを降下させて、配線250aの端子を配線240b上の鉛フリー半田244に押付ながら加熱する。これにより鉛フリー半田244は溶融し、圧着部材HTを離反させることにより固化して配線240bの端子と配線250aの端子とが導電接続した状態で固定される。
【0095】ここで、光拡散層230は第1実施形態と同様に上記鉛フリー半田244によって接続される接続領域からの熱を低減する断熱材として機能し、フレーム220の熱変形や熱劣化を防止することができる。ここで、光拡散層230は、第1実施形態と同様の素材で構成することができるが、特に、接続領域のフレーム220側にある可撓性配線基板240の絶縁基材よりも断熱性の良好な(熱伝導率の低い)素材で構成されていることが好ましい。これは、断熱効果を得るために光拡散層を余分に厚くしなくて済むからである。
【0096】また、この光拡散層230は第1実施形態と同様に、光拡散層230と、回路配線基板250との間の接着層、或いは粘着層として機能させることもできる。
【0097】さらに、本実施形態において、上記光拡散層230の代わりに、第2実施形態と同様の光反射層121を配置し、この光反射層121と回路配線基板250との間に一時的に断熱材を挿入して上記半田付けを行ってもよい。
【0098】本実施形態では、可撓性配線基板240と回路配線基板250との接続領域とフレーム220との間に断熱機能を有する光拡散層230が配置されているが、この断熱材の存在による断熱作用は、上記接続領域よりもフレーム220側にある可撓性配線基板240の絶縁基材の厚さが約50μm以下である場合に特に効果的である。
【0099】[第4実施形態]次に、図11及び図12を参照して、本発明に係る第4実施形態の液晶装置300について説明する。図11は液晶装置300の構造を示す分解斜視図、図12は液晶装置300の組立状態を示す概略斜視図である。
【0100】液晶装置300は、第1基板311と第2基板312とを図示しないシール材にて貼り合わせ、基板間に図示しない液晶を封入してなる液晶パネル310と、この液晶パネル310に重なるように配置されるフレーム320と、このフレーム320に重なるように配置される光反射板330と、この光反射板330に重なるように配置される回路配線基板360と、液晶パネル310及び回路配線基板360に実装された可撓性配線基板340と、液晶パネル310及び回路配線基板360に実装された可撓性配線基板350と、回路基板360の端部に取付けられるサブ基板370とを備えている。
【0101】液晶パネル310の第1基板311には第2基板312の外形よりも外側へ張り出してなる基板張出部311Tが設けられ、この基板張出部311T上に形成された図示しない複数の配線は、上記各実施形態と同様に異方性導電膜317を介して可撓性配線基板340の配線340aの端子に導電接続されている。可撓性配線基板340には配線340aに導電接続されるように液晶駆動用IC342が実装され、この液晶駆動用IC342は別途形成された配線340bにも導電接続されている。配線340bは回路配線基板360の配線360aに半田(図示せず)を介して導電接続される。
【0102】また、液晶パネル310の第2基板312にも、第1基板311の外形よりも外側へ張り出してなる基板張出部312Tが設けられ、この基板張出部312T上に形成された図示しない複数の配線は、上記基板張出部311Tの場合と同様に、異方性導電膜318を介して可撓性配線基板350の配線350aに導電接続されている。可撓性配線基板350には配線350aに導電接続されるように液晶駆動用IC352が実装され、この液晶駆動用IC352は別途設けられた配線350bにも導電接続されている。配線350bは回路配線基板360の配線360bに半田(図示せず)を介して導電接続される。
【0103】なお、基板張出部311Tと基板張出部312Tとは、矩形の平面形状を備えた液晶パネル310において、相互に隣接するとともに互いに直交する方向に伸びる2つの辺縁に設けられている。そして、可撓性配線基板340と350は、回路配線基板360に対して液晶パネル310の相互に隣接するとともに互いに直交する方向に伸びる2つの辺縁の側(すなわち相互に異なる方向)から接続されるように構成されている。なお、液晶パネルとしては、上記のように一対の基板のそれぞれに基板張出部が設けられている場合に限らず、片方の基板のみに上記ように2つの辺縁に亘る基板張出部が設けられていてもよい。
【0104】回路配線基板360には、上記配線360a,360bを含む所定の配線パターンが形成され、ICやチップ部品等の電子部品362が実装されている。また、外部に接続するためのフレキシブル配線基板363もまた実装されている。
【0105】回路配線基板360の端部には、回路配線基板360と同様の絶縁基材を有し、この絶縁基材上に所定の配線パターンを備えたサブ基板370が接続される。このサブ基板370には、1又は複数(図示例では3つ)のLEDなどからなる発光素子371が実装されている。これらの発光素子371は、サブ基板370が回路配線基板360の端部に接続された状態で、フレーム320の端面に凹曲面状に形成された光導入凹部320aに収容されるように構成されている。
【0106】光反射板330は、上記第1実施形態乃至第3実施形態において説明したように、発光素子371から放出された光が導光機能を有するフレーム320内に導入され、この光のうち回路配線基板360側に漏れ出ようとする光を液晶パネル310に向けて反射させたり散乱させたりする機能を備えている。また、光反射板330は比較的断熱性の良好な素材(熱伝導率の低い素材)で構成されている。このような光反射板330としては、シリコーンゴム、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン等)、フッ素ゴム(フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体等)などの基材を用い、この基材のフレーム320側の表面にアルミニウム層を成膜したり、白色を呈するポリカーボネートフィルムを貼着させたりしたもので構成したりすることができる。
【0107】[第5実施形態]次に、図13を参照して本発明に係る第5実施形態の液晶装置400について説明する。この液晶装置400は、上記第4実施形態と同様の第1基板411及び第2基板412を備えた液晶パネルと、この液晶パネルに重なるように配置されたフレーム420と、第2実施形態と同様に構成された光反射層421と、第4実施形態と同様に液晶パネルに実装された2つの可撓性配線基板440,450と、これらの可撓性配線基板440,450に接続された、第4実施形態と同様の回路配線基板460と、第4実施形態と同様のサブ基板470とを備えている。ここで、液晶駆動用IC442、452、電子部品462、フレキシブル配線基板463は第4実施形態と同様のものである。
【0108】上記第4実施形態では光反射板が光反射機能と断熱機能とを兼ね備えたものであったが、この第5実施形態においては、第2実施形態と同様の専用の光反射層421を設けるとともに、別途断熱材435を設けている。この断熱材435は、第2実施形態のものと同様の素材からなり、回路配線基板460と光反射層421との間に挿入される。このように断熱材435を回路配線基板460の下に挿入した状態で、上記第4実施形態と同様に可撓性配線基板440,450を回路配線基板460に半田付けする。そして、半田付けが完了すると、図示のように断熱材435を引き出して除去する。
【0109】[第6実施形態]次に、図14を参照して本発明に係る第6実施形態の液晶装置500について説明する。この実施形態の液晶装置500は、第1基板511及び第2基板512を備え、第4実施形態及び第5実施形態と同様の液晶パネルと、この液晶パネルに重なるように配置されたフレーム520と、第4実施形態と同様の光反射板530と、液晶パネルの第2基板512の基板張出部に実装された可撓性配線基板540と、第1基板511の基板張出部に実装された可撓性配線基板550とを備えている。
【0110】可撓性配線基板540は、第2基板512上に実装された出力端子部541から屈曲して光反射板530上に伸び、この屈曲部分の内側に液晶駆動用IC542が実装されている。また、屈曲部分の先には光反射板530と重なるように配置された回路形成部540Aを備えている。この回路形成部540Aには、第4実施形態と同様の電子部品543が実装されているとともに、第1基板511の基板張出部に実装された可撓性配線基板550が接続されている。また、第4実施形態と同様のフレキシブル配線基板544もまた回路形成部540Aに実装されている。
【0111】可撓性配線基板550は、第1基板511の基板張出部に実装された出力端子部551から屈曲して可撓性配線基板540の回路形成部540A上に伸び、その外面上に液晶駆動用IC552が実装されている。また、回路形成部540Aに対して入力端子部553が半田を介して接続されている。
【0112】この実施形態においても、可撓性配線基板540の回路形成部540Aに対して可撓性配線基板550の入力端子部543を接続(半田付け)する際に発生する熱を、光反射板530によって断熱し、フレーム520の熱変形や熱劣化を防止することができる。
【0113】なお、以上説明した第4実施形態乃至第6実施形態においては、矩形の平面形状を備えた液晶パネルにおける相互に隣接し、互いに直交する2つの辺縁の側から可撓性配線基板が屈曲してフレームの背後(観察側と反対側)に向かうように構成されているが、例えば、相互に対向し、互いにほぼ平行に伸びる2つの辺縁の側から可撓性配線基板が屈曲してフレームの背後に向かうように構成されていてもよく、適宜の部位から伸びるように複数の可撓性配線基板を設けることができる。この場合、第4実施形態及び第5実施形態のように共通の回路配線基板に対して異なる方向から複数の可撓性配線基板が接続される場合には、フレームと重ならない位置において回路配線基板と可撓性配線基板とを接続(半田付け)することが物理的に不可能になるので、本発明の構成はきわめて効果的である。
【0114】また、上記第4乃至第6実施形態のようにフレームの背後に回り込むように接続される可撓性配線基板の数が2である必要はなく、3以上の可撓性配線基板を備えていてもよい。
【0115】さらに、上記第6実施形態で示したように、一つの可撓性配線基板に対して他の可撓性配線基板がフレームの背後において接続される構造であっても同様に本発明の効果が得られる。
【0116】[第7実施形態]最後に、図15及び図16R>6を参照して上記液晶装置を用いた電子機器の実施形態について説明する。図15は、本実施形態の表示系の構成を示す概略構成図である。ここに示す電子機器は、上記各実施形態、変形例及び構成例に示す液晶装置(図には代表例として液晶装置100を示す。)と、この液晶装置を表示体として制御するための表示制御回路1100とを備えている。
【0117】液晶装置100は、液晶パネル及びこれに付帯する偏光板やバックライト等を含むパネル体100Aと、液晶パネルを駆動するための駆動回路100Bとから構成される。駆動回路100Bは、上記各実施形態、変形例及び構成例の液晶パネルに実装された上記液晶駆動用ICにより構成される。
【0118】表示制御回路1100は、表示情報出力源1110と、表示処理回路1120と、電源回路1130と、タイミングジェネレータ1140とを有する。
【0119】表示情報出力源1110は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等からなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスク等からなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備え、タイミングジェネレータ1140によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等の形で表示情報を表示情報処理回路72に供給するように構成されている。
【0120】表示情報処理回路1120は、シリアル−パラレル変換回路、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等の周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像情報をクロック信号CLKと共に駆動回路100Bへ供給する。駆動回路100Bは、走査線駆動回路、データ線駆動回路及び検査回路を含む。また、電源回路1130は、上述の各構成要素にそれぞれ所定の電圧を供給する。
【0121】図16は、本実施形態に係る電子機器の一実施例である携帯電話を示す。この携帯電話2000は、ケース体2010の内部に回路基板2001が配置され、この回路基板2001に対して上述のパネル体100A及び駆動回路100Bからなる液晶表示装置が実装されている。ケース体2010の前面には操作ボタン2020が配列され、また、一端部からアンテナ2030が出没自在に取付けられている。受話部2040の内部にはスピーカが配置され、送話部2050の内部にはマイクが内蔵されている。
【0122】ケース体2010内に設置されたパネル体100Aは、表示窓2060を通してその表示面(上記のシール材の内側に形成された液晶駆動領域)を視認することができるように構成されている。
【0123】尚、本発明の電気光学装置、電気光学装置の製造方法、導光体、液晶装置、液晶装置の製造方法、及び、電子機器は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、本発明は、液晶装置の構成としては、上記の透過型液晶装置に限らず、反射型液晶装置、半透過型液晶装置にも同様に適用できる。また、ドットマトリクス型の液晶装置に限らず、セグメントタイプの液晶表示装置など、種々の液晶装置に広く適用できる。
【0124】また、上記説明ではいずれも液晶装置を構成する場合について述べたが、本発明は、エレクトロルミネッセンス装置、有機エレクトロルミネッセンス、プラズマディスプレイ装置など、少なくとも一つの電気光学パネル基板を有する各種電気光学装置についても同様に適用することが可能である。
【0125】なお、上記各実施形態において、各可撓性配線基板にはそれぞれ一つずつの液晶駆動用ICが実装されているが、各可撓性配線基板にそれぞれ複数のICチップやチップ状部品などの電子部品が実装されていても構わない。
【0126】さらに、上記各実施形態では鉛フリー半田を用いて接続する場合について説明したが、鉛入り半田その他の各種の接合金属を用いることができる。
【0127】また、本発明の電子機器としては、上記携帯電話に限らず、携帯型情報端末、電子手帳、ビデオカメラ(ファインダーに電気光学装置を用いたもの)などの種々の機器が挙げられる。
【0128】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、接続領域とフレームとの間に断熱層が設けられていることにより、第1配線基板と第2配線基板とを接合金属を介して導電接続する際にフレームへの熱の伝達を抑制できるため、フレームの熱変形や熱劣化などの損傷を防止することができる。また、断熱層を設けることによって、第1配線基板と第2配線基板との接続領域からフレーム側に熱が逃げにくくなるため、接合金属の加熱が容易になり、接合金属を介して行う接続作業をより容易に行うことができるとともに、接続領域の接合態様を高品位化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態の液晶装置の概略構造を示す概略側面図である。
【図2】図1に示す領域II内の構造を表す拡大部分断面図である。
【図3】図1に示す領域III内の構造を表す拡大部分断面図である。
【図4】第1実施形態の構造を示す分解斜視図である。
【図5】第1実施形態の液晶装置の製造方法における接続工程を示す工程説明図(a)及び(b)である。
【図6】本発明に係る第2実施形態の液晶装置の製造方法における接続工程を示す工程説明図(a)及び(b)である。
【図7】本発明に係る第3実施形態の液晶装置の概略構造を示す概略側面図である。
【図8】図7に示す領域VIII内の構造を表す拡大部分断面図である。
【図9】図7に示す領域IX内の構造を表す拡大部分断面図である。
【図10】第3実施形態の液晶装置の製造方法における接続工程を示す工程説明図(a)及び(b)である。
【図11】本発明に係る第4実施形態の液晶装置の構造を示す分解斜視図である。
【図12】第4実施形態の液晶装置の組立状態を示す概略斜視図である。
【図13】本発明に係る第5実施形態の液晶装置の組立状態を示す概略斜視図である。
【図14】本発明に係る第6実施形態の液晶装置の組立状態を示す概略斜視図である。
【図15】本発明に係る第7実施形態の電子機器の回路構成を示す概略ブロック図である。
【図16】第7実施形態の構成例としての携帯電話の外観を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
100,200,300,400,500,600 液晶装置
110,210,310 液晶パネル
111,211,311,411,511 第1基板
112,212,312,412,512 第2基板
111T,211T,311T,411T,412T 基板張出部
120,220,320,420,520 フレーム
121,421 光反射層
130,230 光拡散層(断熱材)
140,240,340,350,440,450,540,550 可撓性配線基板
150,250,360,460 回路配線基板
370,470,570 サブ基板
235,435 断熱材
330,530 光反射板(断熱材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】 電気光学パネル基板と、該電気光学パネル基板に実装された第1配線基板と、該第1配線基板に接続された第2配線基板と、前記電気光学パネル基板と前記第2配線基板との間に配置されたフレームとを有する電気光学装置において、前記第1配線基板と前記第2配線基板は接合金属を介して導電接続され、前記第1配線基板と前記第2配線基板の間の接続領域と、前記フレームとの間に断熱層が設けられていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】 電気光学パネル基板と、該電気光学パネル基板に実装された複数の第1配線基板と、該複数の第1配線基板に接続された第2配線基板と、前記電気光学パネル基板と前記第2配線基板との間に配置されたフレームとを有する電気光学装置において、前記複数の第1配線基板は前記第2配線基板に対して相互に異なる方向から接合金属を介して導電接続され、前記第1配線基板と前記第2配線基板の間の接続領域と、前記フレームとの間に断熱層が設けられていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項3】 電気光学パネル基板と、該電気光学パネル基板に実装された複数の第1配線基板と、該複数の第1配線基板に接続された第2配線基板と、前記電気光学パネル基板と前記第2配線基板との間に配置されたフレームとを有する電気光学装置において、前記電気光学パネル基板は複数の辺縁を有する外縁形状を有し、前記複数の第1配線基板は前記第2配線基板に対して相互に異なる前記辺縁の側から接合金属を介して導電接続され、前記第1配線基板と前記第2配線基板の間の接続領域と、前記フレームとの間に断熱層が設けられていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項4】 電気光学パネル基板と、該電気光学パネル基板に実装された第1配線基板と、該複数の第1配線基板に接続された第2配線基板と、前記電気光学パネル基板と前記第2配線基板との間に配置されたフレームとを有する電気光学装置において、前記第1配線基板と前記第2配線基板は接合金属を介して導電接続され、前記第1配線基板と前記第2配線基板の間の接続領域よりも前記フレーム側にある前記第1配線基板又は前記第2配線基板の基材の厚さは約50μm以下であり、前記接続領域と前記フレームとの間に断熱層が設けられていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項5】 前記接合金属が鉛フリー半田であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項6】 電気光学パネル基板と、該電気光学パネル基板に実装された第1配線基板と、該複数の第1配線基板に接続された第2配線基板と、前記電気光学パネル基板と前記第2配線基板との間に配置されたフレームとを有する電気光学装置において、前記第1配線基板と前記第2配線基板は鉛フリー半田を介して導電接続され、前記第1配線基板と前記第2配線基板の間の接続領域よりも前記フレーム側にある前記第1配線基板又は前記第2配線基板の基材の厚さは約100μm以下であり、前記接続領域と前記フレームとの間に断熱層が設けられていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項7】 前記鉛フリー半田が、Sn−Ag−Cu系、Sn−Ag−Bi−Cu系、Sn−Ag系、Sn−Cu系、Sn−Bi系、Sn−Zn系の合金群から選ばれた合金であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の電気光学装置。
【請求項8】 前記フレームが合成樹脂素材からなることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項9】 前記断熱層は、前記接続領域よりも前記フレーム側に配置された前記第1配線基板又は前記第2配線基板の基材よりも熱伝導率が低いことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項10】 前記断熱層は、シリコーンゴム、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、フッ素ゴムからなる群より選択される物質を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項11】 前記断熱層は接着機能を有することを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項12】 前記断熱層が熱硬化性樹脂を含有することを特徴とする請求項11に記載の電気光学装置。
【請求項13】 前記断熱層は、前記電気光学パネル基板側への光反射機能を有するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項14】 前記断熱層は、前記電気光学パネル基板側への光拡散機能を有するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項15】 前記フレームは導光機能を有することを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項16】 請求項1乃至請求項15のいずれか1項における電気光学装置であって、前記電気光学パネル基板が液晶パネル基板であることを特徴とする液晶装置。
【請求項17】 電気光学パネル基板と、該電気光学パネル基板に実装された第1配線基板と、該第1配線基板に接続された第2配線基板と、前記電気光学パネル基板と前記第2配線基板との間に配置されたフレームとを有する電気光学装置の製造方法において、前記第1配線基板と前記第2配線基板の間の接続領域と、前記フレームとの間に断熱層を介挿した状態で、前記接続領域に熱を加えて前記第1配線基板と前記第2配線基板を導電接続させることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項18】 前記第1配線基板と前記第2配線基板とを、接合金属を介して導電接続させることを特徴とする請求項17に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項19】 前記接続領域よりも前記フレーム側にある前記第1配線部材又は前記第2配線部材の基材の厚さが約50μm以下であることを特徴とする請求項18に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項20】 前記接合金属は鉛フリー半田であることを特徴とする請求項18に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項21】 接続領域よりも前記フレーム側にある前記第1配線部材又は前記第2配線部材の基材の厚さが約100μm以下であることを特徴とする請求項20に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項22】 前記鉛フリー半田が、Sn−Ag−Cu系、Sn−Ag−Bi−Cu系、Sn−Ag系、Sn−Cu系、Sn−Bi系、Sn−Zn系の合金群から選ばれた合金であることを特徴とする請求項20又は請求項21に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項23】 前記フレームを合成樹脂素材で構成することを特徴とする請求項17乃至請求項22のいずれか1項に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項24】 前記断熱層を、前記接続領域よりも前記フレーム側に配置された前記第1配線基板又は前記第2配線基板の基材よりも熱伝導率が低いものとすることを特徴とする請求項17乃至請求項23のいずれか1項に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項25】 前記断熱層を、シリコーンゴム、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、フッ素ゴムからなる群より選択される物質を含む素材で構成することを特徴とする請求項17乃至請求項24のいずれか1項に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項26】 前記第1配線基板と前記第2配線基板との導電接続時に、熱を受けた前記断熱層により前記第2配線基板と前記フレームとが接着されるように構成することを特徴とする請求項17乃至請求項25のいずれか1項に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項27】 前記第1配線基板と前記第2配線基板との導電接続時の加熱により、前記断熱層を熱硬化させて前記第2配線基板と前記フレームとを接着させることを特徴とする請求項26に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項28】 前記第2配線基板に対して複数の前記第1配線基板を相互に異なる方向から接続することを特徴とする請求項17乃至請求項27のいずれか1項に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項29】 複数の辺縁を有する外縁形状を備えた前記第2配線基板に対して複数の前記第1配線基板を相互に異なる辺縁の側から接続することを特徴とする請求項17乃至請求項27のいずれか1項に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項30】 前記第1配線基板と前記第2配線基板との導電接続後に、前記断熱層を除去することを特徴とする請求項17乃至請求項29のいずれか1項に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項31】 請求項17乃至請求項30のいずれか1項における電気光学装置の製造方法であって、前記電気光学パネル基板が液晶パネル基板であることを特徴とする液晶装置の製造方法。
【請求項32】 請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載の電気光学装置と、該電気光学装置を制御する制御手段とを備えた電子機器。
【請求項33】 請求項16に記載の液晶装置と、該液晶装置を制御する制御手段とを備えた電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図7】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図9】
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【図6】
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【図10】
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【図12】
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【図13】
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【図11】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2002−91324(P2002−91324A)
【公開日】平成14年3月27日(2002.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−155327(P2001−155327)
【出願日】平成13年5月24日(2001.5.24)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】