説明

電気化学デバイス

【課題】 ラミネート型の電気化学素子の電極端子の機械的な強度を補完しつつ、ラミネート型の電気化学素子の集積化を容易にした電気化学デバイスを提供することをその目的とする。
【解決手段】 電気化学デバイス1Aは、突出部3a,3bそれぞれの上面11に第1及び第2の電極パッド5a,5bを有して、突出部3a,3bそれぞれの下面13に第1及び第2の電極パッド7b,7aを有する。第1及び第2の電極パッド5a,5bそれぞれには、電気化学素子25の箔状の第1及び第2の電極端子26a,26bが電気的に接続されている。また、第1及び第2の電極パッド7b,7aそれぞれには、電気化学素子25の箔状の第1及び第2の電極端子26b,26aが電気的に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のラミネート型の電気化学素子を含む電気化学デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ラミネート型の電気化学素子としては、ラミネート型の電池や電気二十層キャパシタが知られている。例えば、下記特許文献1は、ラミネート型電池を開示している。ラミネート型電池は、積層構造を有する電池要素と、電池要素を内部に封止するラミネートシート(フィルム状パッケージ)と、電池要素を外部と電気的に接続可能とするために、電池要素からラミネートシートの外部に引き出されるタブ型端子(電極端子)とを有している。
【特許文献1】特開平11−167930号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ラミネート電池のタブ型端子は、通常アルミ箔などの薄い金属からなる。このような箔状のタブ型端子は、容易に変形することができるため、電池の熱膨張や熱収縮に伴う歪を吸収することができるという利点がある。しかしながら、タブ型端子は箔状であるため、機械的強度が弱く、タブ型端子同士を直列又は並列に接続することが困難であり、また、タブ型端子が切れ易いなどの問題点があり、組電池への適用等が困難であった。
【0004】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、ラミネート型の電気化学素子の電極端子の機械的な強度を補完しつつ、ラミネート型の電気化学素子の集積化を容易にした電気化学デバイスを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明に係る電気化学デバイスは、両面それぞれに第1及び第2の電極パッドを有する絶縁性の板状基体と、板状基体の両面それぞれに固定されており、箔状の第1及び第2の電極端子を有するラミネート型の電気化学素子と、を備え、第1の電極端子は、第1の電極パッドに電気的に接続されており、第2の電極端子は、第2の電極パッドに電気的に接続されている。
【0006】
本発明に係る電気化学素子では、両面それぞれに第1及び第2の電極パッドを有する絶縁性の板状基体の両面それぞれに、箔状の第1及び第2の電極端子を有するラミネート型の電気化学素子が固定されている。箔状の電極端子は電気化学素子の熱膨張・熱収縮を吸収することができるので、これらの要因による電極端子と電極パッドとの間の断線は抑制される。また、この構造では、絶縁性の板状基体と2つのラミネート型の電気化学素子とを一体化させつつ2つのラミネート型の電気化学素子を、板状基体を介して互いに離間させることができ、これに伴って、2つのラミネート型の電気化学素子間の意図しない短絡を防止することができる。
【0007】
また、第1の電極端子は、第1の電極パッドに電気的に接続されており、第2の電極端子は、第2の電極パッドに電気的に接続されている。このように、板状基体の両面において、箔状の第1及び第2の電極端子が第1及び第2の電極パッドで支持される構造を採用することにより、板状基体の両面それぞれに固定された電子化学素子の第1及び第2の電極端子の機械的強度を補完しつつ、ラミネート型の電気化学素子の集積化を容易にすることができる。
【0008】
また、板状基体の一面の第1の電極パッドは、板状基体の他面の第1及び第2の電極パッドの一方に対面しており、板状基体の一面の第2の電極パッドは、板状基体の他面の第1及び第2の電極パッドの他方に対面しており、板状基体は、板状基体を介して対面する一対の電極パッドの少なくとも一組を貫通する貫通孔を有しており、板状基体には板状基体を介して対面する2つの電極パッド同士を貫通する貫通孔が設けられており、少なくとも1つの貫通孔には導電部材が配置されていることが好適である。
【0009】
このような構成を採用することで、板状基体を介して対面する2つの電極パッド同士を電気的に接続することができる。また、これにより、板状基体の一面及び他面において、2つ電極パッドそれぞれに電気的に接続されている2つの電極端子を有する2つの電気化学素子を容易に直列又は並列に接続させることができる。
【0010】
また、導電部材は、リベット、メッキ金属層又は半田材料であることが好適である。これにより、容易に板状基体の貫通孔に容易に導電部材を配置することができ、対面する2つの電極パッド同士を、導電部材を介して電気的に接続することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ラミネート型の電気化学素子の電極端子の機械的な強度を補完しつつ、ラミネート型の電気化学素子の集積化を容易にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明による電気化学デバイスの好適な実施形態について添付図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0013】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る電気化学デバイス1Aの斜視図である。また、図2は図1の矢印II方向から見た電気化学デバイス1Aの側面図であり、図3は図1の矢印III方向から見た電気化学デバイス1Aの側面図である。図1〜図3に示すように、第1実施形態に係る電気化学デバイス1Aは、保持基体(板状基体)3と、保持基体3の両面11,13に固定されているラミネート型の電気化学素子25,25とを備える。
【0014】
保持基体3は、絶縁性の薄板(例えば、プリント基板)であり、平坦な上面11及び下面13を有している。保持基体3は、長方形の固定部3Aと、固定部3Aの一端部から突出した長方形の突出部3a,3bとからなる。突出部3a及び突出部3bは、互いに離間しており、それぞれの突出部3a,3bの延びる方向が平行となっている。
【0015】
保持基体3の上面11において、突出部3aには電極パッド5a(第1の電極パッド)が設けられており,突出部3bには電極パッド5b(第2の電極パッド)が設けられている。また、保持基体3の下面13において、突出部3aには電極パッド7a(第1の電極パッド)が設けられており、突出部3bには電極パッド7b(第2の電極パッド)が設けられている。このように、保持基体3を介して、電極パッド5aは電極パッド7aと対面しており、電極パッド5bは電極パッド7bと対面している。なお、各電極パッド5a,5b,7a,7bは、銅からなるが、アルミニウム等の他の金属からなることとしてもよい。
【0016】
保持基体3の突出部3aには、上面11の電極パッド5aと下面13の電極パッド7aとを貫通する貫通孔21aが設けられている。貫通孔21aには、電極パッド5a、保持基体3の突出部3a及び電極パッド7aを束ねて固定する導電部材(リベット)23aが設けられており、導電部材23aは電極パッド5aと電極パッド7aとを電気的に接続している。
【0017】
また、保持基体3の突出部3bには、上面11の電極パッド5bと下面13の電極パッド7bとを貫通する貫通孔21bが設けられている。貫通孔21bには、電極パッド5b、保持基体3の突出部3b及び電極パッド7bを束ねて固定する導電部材(リベット)23bが設けられており、導電部材23bは電極パッド5bと電極パッド7bとを電気的に接続している。
【0018】
電極パッド5a及び7aは突出部3aの端部(先端部)の付近まで延びており、電極パッド5b及び7bは突出部3bの端部(先端部)の付近まで延びていることが好ましい。それぞれの先端部から各電極パッドまでの最短距離は、それぞれの先端部から電極端子の接続位置までの最短距離よりも短く、各電極パッドの先端の方には電極端子が位置していない。電気化学デバイス1Aの突出部3a及び突出部3bをオスコネクタとして用いるとき、これらを受け側のメスネクタに挿入することで、各電極パッド5a,5b,7a,7b及び電極端子26a、26b、26a、26b、を受け側のメスコネクタ(102:図4参照)と容易に電気的に接続させることが可能となる。
【0019】
ラミネート型の電気化学素子25,25は、長方形薄板状のラミネート型リチウムイオン二次電池である。電気化学素子25(X=1,2)は、素体27と、素体27を封入した封入フィルム(フィルム状パッケージ)29とを有している。素体27は、略平板状であり、少なくとも負電極と正電極とその間に設けられたセパレータとを有している。一例として、電気化学素子25(X=1,2)の板厚はそれぞれ5mm程度であるとする。電気化学素子25は固定部3Aの上面11に固定されており、電気化学素子25は固定部3Aの下面13に固定されている。
【0020】
電気化学素子25の負電極には負極用端子26a(第1の電極端子)が接続されており、電気化学素子25の正電極には正極用端子26b(第2の電極端子)が接続されている。負極用端子26a及び正極用端子26bそれぞれの一端部は、封入フィルム29の一側に露出しており、タブ型の負極用端子26a,26bは、引張り力が両端間に働かない緩い状態で、電極パッド5a,5bに接続されている。負極用端子26a及び正極用端子26bは、箔状のアルミニウム製であり、いわゆるタブ型端子である。
【0021】
負極用端子26aは、電極パッド5aに導電性の接着剤による接着、超音波溶接、スポット溶接、レーザー溶接等の方法で固定されて電極パッド5aと電気的に接続されている。また、正極用端子26bは、電極パッド5bに導電性の接着剤で固定されて電極パッド5bと電気的に接続されている。
【0022】
なお、封入フィルム29の一側に露出しているタブ型の負極用端子26a及び正極用端子26bそれぞれの一端部は、電極パッド5a及び電極パッド5bの中心部程度まで延在していることが好ましい。これにより、電気化学デバイス1Aの突出部3a及び3bの部分をオスコネクタとして用いるとき、上述のように受け側のメスコネクタと負極用端子26a及び正極用端子26bとが接触することなく、負極用端子26a及び正極用端子26bを受け側のメスコネクタに接続することができる。
【0023】
電気化学素子25の負電極には負極用端子26a(第1の電極端子)が接続されており、電気化学素子25の正電極には正極用端子26b(第2の電極端子)が接続されている。負極用端子26a及び正極用端子26bそれぞれの一端部は、封入フィルム29の一側に、露出しており、タブ型の負極用端子26a,26bは、引張り力が両端間に働かない緩い状態で、電極パッド7a,7bに接続されている。負極用端子26a及び正極用端子26bは、箔状のアルミニウム製、銅製、又はニッケル製であり、いわゆるタブ型端子である。
【0024】
負極用端子26aは、電極パッド7aに導電性の接着剤で固定されて電極パッド7aと電気的に接続されている。また、正極用端子26bは、電極パッド7bに導電性の接着剤で固定されて電極パッド7bと電気的に接続されている。これにより、電気化学素子25と電気化学素子25とは並列に接続されることとなる。
【0025】
封入フィルム29の一側に露出されている負極用端子26a及び正極用端子26bそれぞれの一端部は、電極パッド7a及び電極パッド7bの中心部程度まで延在していることが好ましい。これにより、電気化学デバイス1Aの突出部3a及び3bの部分をオスコネクタとして用いるとき、受け側のメスコネクタと負極用端子26a及び正極用端子26bとが接触することなく、負極用端子26a及び正極用端子26bを受け側のメスコネクタに接続することができる。
【0026】
本実施形態に係る電気化学デバイス1Aでは、保持基体3の両面それぞれに、ラミネート型の電気化学素子25,25の主表面が接着剤で固定されている。また、保持基体3は、絶縁性のものである。これにより、保持基体3と2つのラミネート型の電気化学素子25,25とを一体化させつつ、2つのラミネート型の電気化学素子25,25を、保持基体3を介して互いに離間させることができ、したがって、電気化学素子25と電気化学素子25との間の意図しない短絡を防止することができる。
【0027】
また、電気化学素子25の負極用端子26a及び正極用端子26bそれぞれは、電極パッド5a及び5bに固定されて電気的に接続されており、電気化学素子25の負極用端子26a及び正極用端子26bそれぞれは、電極パッド7b及び7aに固定されて電気的に接続されている。このように、電気化学素子25及び電気化学素子25の箔状の電極端子(負極用端子及び正極用端子)を電極パッドで支持する構造を採用することにより、箔状の電極端子26a,26b,26a,26bの機械的強度を補完することができる。また、電極端子26a,26b,26a,26bが箔状であるため、熱膨張・熱収縮に対する優位性を有する。すなわち、電極パッド5a,5b,7a,7bと電気化学素子本体との間の保持基体3や電気化学素子本体自身の熱膨張・熱収縮に起因するこれらの電極端子の剥離等が抑制される。
【0028】
電極パッド5a及び7aは、保持基体3を介して互いに対面しており、導電部材23aにより電気的に接続されているが、これらの電極パッド5a及び7aそれぞれには、負極用端子26a及び負極用端子26aが電気的に接続されている。また、電極パッド5b及び7bは、保持基体3を介して互いに対面しており、導電部材23bにより電気的に接続されているが、これらの電極パッド5b及び7bそれぞれには、正極用端子26b及び正極用端子26bが電気的に接続されている。このような構成を採用することで、電気化学素子25及び25を容易に並列に接続させることができる。
【0029】
図4には、電気化学デバイス1Aの具体的な利用方法が示されている。図4に示すように、電気化学デバイス1Aを搭載する物体(例えば、電気機器や車等)中の基板100上に、基板100に対して垂直に突出する複数の受け側メスコネクタ102を並列に設ける。1つのメスコネクタ102は導電性のバネ材からなる一対の金属部材102a,102bから構成され、これらの金属部材102a,102b間に板状基体を挿入すると、一対の金属部材102a,102bが板状部材を内側に付勢して保持し、金属部材102a,102bが各電極パッドに接触する。
【0030】
このように、それぞれの受け側メスコネクタ102に、それぞれの電気化学デバイス1Aの突出部3a,3bを挿入する。これにより、複数の電気化学デバイス1Aを受け側メスコネクタ102の突出方向に垂直な方向に積層することができる。これにより、スペース効率よく、電気化学デバイス1Aを集積することができる。また、積層された複数の電気化学デバイス1Aを直列に接続することで、高電圧を得ることもできる。
【0031】
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態に係る電気化学デバイス1Bを示す斜視図である。同図に示すように、第2実施形態に係る電気化学デバイス1Bと第1実施形態に係る電気化学デバイス1Aとの相違点は、互いに離間して設けられた2つの突出部3a,3bに替えて、その上面11及び下面13それぞれに電極パッド5a,5b及び電極パッド7a,7bを有する1つの突出部33が設けられている点と、電極パッド5aと電極パッド5bとの間に電子回路部41を更に有する点である。その他の構成は、電気化学デバイス1Aの構成と同等であるため、同一符号を付して重複説明を省略する。
【0032】
図6は、電子回路部41を説明するための概略図である。同図に示すように、電子回路部41は、電圧検出部43と温度検出部45とから構成されている。電圧検出部43は、電気化学素子25及び25による電圧を検出するもので、電極パッド5aと電極パッド5bとの間に並列に接続されている。電圧検出部43は、電極パッド5aと電極パッド5bとの間で検出された電圧値を出力端子に出力する。
【0033】
また、温度検出部45は、電気化学素子25,25を有する電気化学デバイス1Bの温度を検出するもので、温度センサ(例えば、サーミスタ)45と、温度センサ45から出力される温度検出信号Vtを、デジタル信号Dtに変換して出力するA/Dコンバータ45とを有している。
【0034】
このような構成により、第1実施形態と同様な効果が得られるほか、電気化学デバイス1Bは、電極パッド5aと電極パッド5bとの間に、電圧検出部43及び温度検出部45から構成されている電子回路部41を更に備えているため、以下のような効果を得ることができる。すなわち、電圧検出部43により、並列に接続されている電気化学素子25と電気化学素子25とによる電圧を正確に検出することができ、これに伴って、外部回路から、電気化学素子25,25に適切に充電し、モータなどの電力消費回路に、電気化学素子25,25から適切な量の放電を行うことができる。すなわち、検出電圧が上限値よりも高い場合には充電を停止し、下限値よりも低い場合には放電を停止することで、過充電・過放電を防止することができる。また、温度検出部45により、電気化学デバイス1Bの温度を正確に検出することができ、検出値を電池の充電時の電圧制御値としてフィードバックすれば、基板の急激な温度上昇等を抑制することができる。すなわち、検出された温度が閾値を超えた場合には充電を停止することとすれば、フェールセーフ機能を奏することができる。
【0035】
図7には、電気化学デバイス1Bの具体的な利用方法が示されている。図4に示した電気化学デバイス1Aの具体的な利用方法と同様に、電気化学デバイス1Bも、電気化学デバイス1Bを搭載する物体(例えば、電気機器や車等)の基板100上に、基板100に対して垂直に突出する複数の受け側メスコネクタ102を並列に設けて、電気化学素子25,25を有する複数の電気化学デバイス1Bの突出部33をコネクタとして用いて受け側メスコネクタ102に挿入する。これにより、電子回路部41を有する電気化学デバイス1Bを受け側メスコネクタ102の突出方向に垂直な方向に積層することができる。これにより、スペース効率よく、電気化学デバイス1Bを集積することができる。また、積層された複数の電気化学デバイス1Aを直列に接続させることで、高電圧を得ることもできる。
【0036】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0037】
例えば、第1実施形態においては、電極パッド5a(第1の電極パッド)と電極パッド7a(第1の電極パッド)とが電気的に接続され且つ電極パッド5b(第2の電極パッド)と電極パッド7b(第2の電極パッド)とを電気的に接続して、電気化学素子25と25とが並列に接続している。しかし、1つの電気化学デバイスにおいて、一方の突出部の貫通孔の形成を行わないことで、単一の電気化学デバイス内における対向する2つの電気化学素子25,25を直列接続することも可能である。
【0038】
すなわち、電極パッド5a(第1の電極パッド)及び電極パッド7b(第2の電極パッド)を対面させて接続するか、或いは電極パッド5b(第2の電極パッド)及び電極パッド7a(第1の電極パッド)を対面させて接続することで、電気化学素子25と25とを直列に接続することもできる。電極パッド5a(第1の電極パッド)及び電極パッド7b(第2の電極パッド)を接続する際には、導電部材23bを除去し、電極パッド5b(第2の電極パッド)及び電極パッド7a(第1の電極パッド)を接続する際には導電部材23aを除去する必要がある。この場合には、受け側のメスコネクタは、導電部材で接続されていない方の互いに対面する2つの電極パッドのそれぞれから電圧を取り出すような構造を有する必要がある。
【0039】
また、それぞれの貫通孔21a及び21b内には、導電部材23a及び23bが配置されており、これらはリベットからなることとしたが、導電部材23a,23bはメッキ金属層又は半田材料からなることとしてもよく、貫通孔21a,21bはこれらの材料で充填されていてもよい。これによっても、保持基体3を介して対面する、電極パッド5a及び電極パッド7aを電気的に接続し、電極パッド5b及び電極パッド7bを電気的に接続することができる。
【0040】
また、第2実施形態において、電子回路部41は突出部33の上面の電極パッド5aと5bとの間に設けられているが、突出部33の下面に設けられていてもよく、また上面及び下面の両方に設けられていてもよい。また、電子回路部41は、電圧検出部43と温度検出部45とからなるものであるが、他の要素を更に含んでいてもよい。例えば、電子回路41には、電圧検出部43と温度検出部45との信号を外部の機器に伝えるための端子(図示せず)が設けられていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電気化学デバイス1Aの斜視図である。
【図2】図1の矢印II方向から見た電気化学デバイス1Aの側面図である。
【図3】図1の矢印III方向から見た電気化学デバイス1Aの側面図である。
【図4】電気化学デバイス1Aの具体的な利用方法の一例を示す図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る電気化学デバイス1Bの斜視図である。
【図6】電気化学デバイス1Bの電子回路部41を説明するための概略図である。
【図7】電気化学デバイス1Bの具体的な利用方法の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1A,1B…電気化学デバイス、3…保持基体、25,25…電気化学素子、5a,5b,7a,7b…電極パッド、21a,21b…貫通孔、23a,23b…導電部材、26a,26a…負極用端子、26b,26b…正極用端子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両面それぞれに第1及び第2の電極パッドを有する絶縁性の板状基体と、
前記板状基体の前記両面それぞれに固定されており、箔状の第1及び第2の電極端子を有するラミネート型の電気化学素子と、
を備え、
前記第1の電極端子は、前記第1の電極パッドに電気的に接続されており、
前記第2の電極端子は、前記第2の電極パッドに電気的に接続されていることを特徴とする電気化学デバイス。
【請求項2】
前記板状基体の一面の前記第1の電極パッドは、前記板状基体の他面の前記第1及び第2の電極パッドの一方に対面しており、
前記板状基体の前記一面の前記第2の電極パッドは、前記板状基体の前記他面の前記第1及び第2の電極パッドの他方に対面しており、
前記板状基体は、前記板状基体を介して対面する一対の前記電極パッドの少なくとも一組を貫通する貫通孔を有しており、
少なくとも1つの前記貫通孔には導電部材が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電気化学デバイス。
【請求項3】
前記導電部材は、リベット、メッキ金属層又は半田材料であることを特徴とする請求項2に記載の電気化学デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−218118(P2009−218118A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−61549(P2008−61549)
【出願日】平成20年3月11日(2008.3.11)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】