説明

電気自動車の駆動用バッテリパック

【課題】セルからの放熱性を高めると同時にバッテリパック1を縁石等との衝突から保護する。
【解決手段】電気自動車用のバッテリパック1は、車体フロアの下面に下側から取り付けられており、底部が車体フロアから下方に突出している。ケース10を構成するロアケース11は、アッパケース12とともにアルミニウム合金のダイキャストからなり、前端壁および後端壁52に、上下方向に延びた複数の冷却フィン66が一体に形成されている。この冷却フィン66は、放熱性を高めると同時に、一種のプロテクタとなり、縁石等との衝突時にバッテリパック1の底部のコーナ部を保護する。安全弁16の両側に冷却フィン66が隣接して設けられており、安全弁16を衝突から保護している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電動モータによって走行する電気自動車(電動モータと内燃機関の双方を備えたいわゆるハイブリッド型自動車を含む)において、車体に搭載される車両駆動用のバッテリパックに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電動モータによって走行する電気自動車が急速に発展してきているが、この電気自動車におけるエネルギ源となるバッテリ(通常は充電可能な二次電池である)は、一般に、多数のセルを堅固なケース内に収容したバッテリパックとして構成されており、このバッテリパックが車体のフロア部分などに搭載される。なお、バッテリパックのケース内に多数のセルを直接に収容することも可能ではあるが、通常は、数個のセルを金属ケース内に収容してバッテリモジュールとし、多数のバッテリモジュールを数個のスタックとしてバッテリパックのケース内に収容するように構成されている。
【0003】
上記のバッテリパックは、大型でかつ重量の大きな部品となり、自動車の車体に搭載するに際しては、車体フロアの上に専用の収容スペースを確保して、車体フロア上に上方から乗せる形式と、車体フロアの下面に下側から取り付ける形式と、が存在する。前者の形式は、一般に、シャシーを電気自動車専用の設計とする場合に多く採用され、シャシーの基本的な設計を電気自動車と内燃機関式自動車とで共用する場合には、一般に、後者の形式が採用される。
【0004】
特許文献1には、後者の形式つまり車体フロアの下面に下側からバッテリパックを取り付ける構成が開示されている。このような構成においては、車室側のフロアの高さ位置の制約などから、特許文献1に見られるように、バッテリパックの下部の一部が車体下面よりも下側に突出した状態となりやすい。換言すれば、多くの場合、車体そのものの最低地上高の高さレベルよりもバッテリパックの下面が下方に位置する配置となる。特に、後輪側は、前輪側に比べて各車体構成部品が比較的高い位置に配置されているので、バッテリパックの後端側では、その下部が車体構成部品に覆われずに露出した状態となる。
【0005】
従って、車両の後進時に、路面から突出している縁石や駐車場の車止めなどにバッテリパックの下部が直接に衝突する懸念がある。
【0006】
さらに、特許文献1では、バッテリパックのアッパケースが熱伝達性の低い合成樹脂成形品となっており、セルから生じる熱を放熱するために、バッテリパックのケース内に冷却用空気を強制的に通流させるブロアユニットを備えている。
【0007】
また、特許文献1においては、バッテリパックのロアケース周縁のフランジの4箇所にスリット状のロケート孔が開口形成されているとともに、これらのロケート孔に対応して、車体側に舌片状のロケート突起が形成されており、バッテリパックの取付に際しては、上記ロケート孔を上記ロケート突起に嵌め込むことで、バッテリパックの位置決めを行う構成となっている。
【0008】
このように、特許文献1の構成では、ロケート突起が車体側にあり、従って、ロケート突起およびロケート孔は、ロアケースとアッパケースとを組み合わせて完成したバッテリパックを車体に対し位置決めするためにのみ利用されている。そのため、ロアケースに対しアッパケースを組み付ける際には、例えば治具等を用いた別のロケート機構が必要となる。
【0009】
そして、上記のような特許文献1の構成では、いずれもスリット状をなす4箇所のロケート孔を同時に4つの舌片状のロケート突起に嵌め込む必要があり、その作業性が悪い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2000−85375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的の一つは、ブロアユニットなどの付加的な装置に依存せずにバッテリパックの放熱性ないし冷却性を確保すると同時に、路面から突出した縁石等との衝突からバッテリパックを確実に保護することである。
【0012】
また本発明の他の目的は、バッテリパックを車体側に位置決めするためのロケート機構を用いて、バッテリパック自体を構成するロアケースとアッパケースとの位置決めを行えるようにし、バッテリパックの組立工程を含めた全体的な作業性の向上を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の電気自動車の駆動用バッテリパックは、アッパケースとロアケースとからなるケース内に多数のセルが収容され、かつ車体フロアの下面側に取り付けられる。例えば一実施例では、上記ロアケースの底壁は、車体の最低地上高の高さレベルよりも下方へ突出している。
【0014】
ここで、本発明の一つの態様においては、上記ケースの少なくとも上記ロアケースは金属製ダイキャストにて構成されており、該ロアケースの車両進行方向(換言すれば車体の前後方向)へ向かう前端壁および後端壁の中の少なくとも一方の端壁に、該端壁から車両進行方向に沿って突出するとともに上下方向に延びた複数の冷却フィンが一体に形成され、この冷却フィンの上端は、ロアケース周縁のフランジに一体に接続され、下端は、ロアケースの底壁に達している。
【0015】
好ましくは、上記冷却フィンの下端縁が、上記端壁から離れるに従って高くなるように傾斜している。
【0016】
このように金属製ダイキャストからなるロアケースの前端壁もしくは後端壁に車両進行方向に沿った冷却フィンを一体に形成することで、セルの発熱に対し、車両走行抵抗を増大させることなく放熱性ないし冷却性を高めることができる。
【0017】
この冷却フィンは、ロアケース周縁のフランジからロアケースの底壁に至るまで上下方向に延びており、冷却性の向上と同時に、補強リブないし一種のプロテクタとして機能し、ロアケースの端壁(前端壁もしくは後端壁)を保護する。特に、端壁と底壁とが接続される底部コーナ部分を、縁石や車止め等との衝突に対して保護する。衝突により冷却フィンが受けた荷重は、ロアケース周縁のフランジならびにロアケースの底壁に分散され、ロアケースそのもの(つまり端壁や底壁)の局部的な変形が抑制される。従って、内部のバッテリモジュールないしバッテリセルの損傷を抑制できる。
【0018】
特に、冷却フィンの下端縁を傾斜させた構成では、例えば縁石の角がこの傾斜した下端縁に衝突した際に、下端縁に沿って縁石を逃がすことができるとともに、衝突荷重を効果的に分散させることができる。
【0019】
一つの好ましい実施例では、上記ケースは密閉されており、該ケースの内圧の上昇時に開放される安全弁を備えているが、この安全弁は、上記冷却フィンに隣接して上記端壁に設けられている。従って、縁石等との衝突や、あるいは車両取付前の段階で何らかの部分に衝突したような場合に、隣接する冷却フィンによって安全弁が保護され、安全弁の損傷が抑制される。この安全弁は、隣接する2つの冷却フィンの間に配置してもよい。
【0020】
また、本発明の他の態様においては、上記アッパケースおよび上記ロアケースは、各々金属製ダイキャストにて構成され、周縁の接合フランジ面が互いに突き合わされるとともに、互いにボルト結合されている。上記ロアケースの車幅方向の両側部の各々に、テーパ状の先端部を有するロケートピンが上方へ突出するように設けられており、上記アッパケースは、このロケートピンに対応するロケート孔が開口形成された取付フランジを備えている。そして、上記ロケートピンおよび上記ロケート孔の嵌合によって上記ロアケースと上記アッパケースとが互いに位置決めされるとともに、上記ロケート孔を貫通したロケートピンが上記取付フランジから上方へ突出し、車体側のロケート孔にそれぞれ嵌合して、車体に対してバッテリパックが位置決めされる。
【0021】
このような第2の発明によれば、ロアケースに設けたテーパ状先端部を有するロケートピンによって、ロアケースとアッパケースとが互いに正確に位置決めされるので、ボルト締結を伴う両者の組立が容易となる。そして、同じロケートピンによってバッテリパック全体が車体に対し正確に位置決めされるため、全体としてロケートピンの必要数が少なくなるとともに、精度管理が容易となり、車体に対しロアケースおよびアッパケースの双方が所定位置に精度よく取り付けられることとなる。
【0022】
また、各ロケートピンはテーパ状の先端部を有するため、バッテリパックを車体に取り付ける際に、バッテリパックを上昇させていけば、先端部のテーパ形状に案内されて車体の所定位置に正確に位置決めされる。従って、車体への下側からの取付作業が容易となる。特に、ロケートピンはバッテリパックそのものに設けられているので、例えば自動車の点検整備などのためにバッテリパックを車両から取り外したような場合に、専用の位置決め用治具を用いることなくバッテリパックを車体の所定位置に取り付けることが可能である。
【0023】
好ましい一つの実施例では、上記ロアケースの一方の側部に第1ロケートピンが、他方の側部に第2ロケートピンが、それぞれ設けられており、上記接合フランジ面を基準とした高さとして、第1ロケートピンが第2ロケートピンよりも高く構成されている。
【0024】
このように高さが異なる2つのロケートピンによれば、最初に相対的に高い第1ロケートピンの先端部を対応するロケート孔に緩く嵌め、この状態で他方の第2ロケートピンを対応するロケート孔に位置合わせするようにすれば、より効率よく位置決めを行うことができる。
【0025】
また好ましい一つの実施例では、上記ロケートピンは、先端側のテーパ部と、このテーパ部の傾斜面に連続しかつ中心軸線と平行な面からなる直線部と、を備え、上記直線部が上記アッパケースのロケート孔ならびに上記車体側のロケート孔に嵌合する。つまり、先細りとなったテーパ部ではなく、基部側の直線部によって位置精度が管理される。
【0026】
本発明のロケートピンは、単純な円錐形以外の形状とすることができる。例えば、具体的な一つの実施例では、上記ロアケースの一方の側部に第1ロケートピンが、他方の側部に第2ロケートピンが、それぞれ設けられており、上記第1ロケートピンは円錐形の先端部を有し、上記第2ロケートピンは円錐形の周面の一部を平行な2平面で切り落とした形状の先端部を有し、車体側には、各々の先端部形状に対応したロケート孔が各々設けられている。上記第2ロケートピンのように偏平なロケートピンとこれに対応した細長いロケート孔との嵌合によれば、円錐形もしくは円柱形のロケートピンと異なり、ロケートピンを中心とした回転方向についても位置が規制される。
【0027】
上記第2ロケートピンの先端部における平行な2平面は、上記第1ロケートピンの円錐形の中心を中心とした円の接線をなすようにすることが望ましい。この場合、第1ロケートピンを中心としてバッテリパックが回転し得るので、第2ロケートピンの先端部のテーパ形状に沿ってバッテリパックが所定の位置に自然に案内され、第2ロケートピンが車体側のロケート孔に容易かつ確実に嵌合する。
【0028】
より具体的な一つの実施例では、上記第2ロケートピンは、円筒面からなる円柱部を基部に有し、該円柱部が上記アッパケースのロケート孔に嵌合する。そして、該アッパケースのロケート孔から突出する部分は、上記円筒面を延長してなる第2の円筒面と、この第2の円筒面に連続する円錐面と、これら第2の円筒面および円錐面の一部を切り取るように軸方向に延びた上記の平行な2平面と、から構成されている。このような構成では、アッパケースは第2ロケートピンによって回転方向には規制されないことになり、ロアケースとアッパケースとの相対的な位置決めに際し、円錐形の先端部を有する第1ロケートピンとの組み合わせによって、容易かつ確実な位置決めが行える。
【発明の効果】
【0029】
冷却フィンを備えた本発明のバッテリパックによれば、セルの発熱に対し、車両走行抵抗を増大させることなく放熱性ないし冷却性を高めることができるとともに、路面から突出した縁石や車止め等との衝突の際に、冷却フィンがバッテリパックを保護し、バッテリパックそのものや内部のセル等の損傷を抑制することができる。
【0030】
またロケートピンを用いた第2の発明によれば、ロアケースとアッパケースとが互いに正確に位置決めされるので、ボルト締結を伴う両者の組立が容易となる。そして、同じロケートピンによってバッテリパック全体が車体に対し正確に位置決めされるため、全体としてロケートピンの必要数が少なくなるとともに、精度管理が容易となり、車体に対しロアケースおよびアッパケースの双方を所定位置に精度よく取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】バッテリパックを備えた電気自動車の側面図。
【図2】この電気自動車の底面図。
【図3】バッテリパック全体の平面図。
【図4】バッテリパックを後方から見た正面図。
【図5】バッテリパックの左側面図。
【図6】バッテリパックの右側面図。
【図7】バッテリパックを前方から見た正面図。
【図8】バッテリパックの底面図。
【図9】図3のIX−IX線に沿った断面図。
【図10】ロアケースの斜視図。
【図11】ロアケースを裏返して見た斜視図。
【図12】アッパケースの斜視図。
【図13】アッパケースを裏返して見た斜視図。
【図14】ロアケースを後方から見た正面図。
【図15】ロアケースの右側面図。
【図16】図10のXVI−XVI線に沿った要部の断面図。
【図17】図10のXVII−XVII線に沿った要部の断面図。
【図18】ロアケースの要部の斜視図。
【図19】ロアケース側の第1タブ部の断面図。
【図20】ロアケース側の第2タブ部の断面図。
【図21】アッパケース側の第2タブ部の平面図。
【図22】アッパケース側の第1タブ部の平面図。
【図23】アッパケースの断面図。
【図24】第1ロケートピンの正面図。
【図25】第1ロケートピンの平面図。
【図26】第1ロケートピンの断面図。
【図27】第2ロケートピンの正面図。
【図28】第2ロケートピンの側面図。
【図29】第2ロケートピンの断面図。
【図30】ロアケースとアッパケースとを組み付けた状態での第2タブ部を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、この発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0033】
図1および図2は、この発明に係るバッテリパック1が用いられる電気自動車2の概略を示している。この電気自動車2は、車体3の前部に駆動モータユニット4が搭載され、前輪5を駆動する構成となっている。駆動モータユニット4のエネルギ源となるバッテリパック1は、車体フロア3aの下面に、下側から取り付けられている。このバッテリパック1は、全体としてほぼ矩形の箱状をなしており、車幅方向の寸法に比較して車両前後方向の寸法の方が短く、かつ車幅方向においては、車両の全幅のかなりの部分を専有する程度の大きさを有している。図2に示すように、バッテリパック1は、前輪5および後輪6の4つの車輪に囲まれた領域内に配置されており、一つの実施例としては、図示しない後席乗客の足下付近となる位置にバッテリパック1が位置している。なお、ほぼ矩形をなすバッテリパック1の前縁および後縁は、基本的に車両前後方向に対し直交している。
【0034】
このように配置されたバッテリパック1は、その下面が車両下面側に露出しているとともに、周囲の車体フロア3aに比較して下方へ突出した状態となっている。つまり、車体3そのものの最低地上高の高さレベルよりもバッテリパック1の下面が低位にある。特に、後輪6側は、いわゆるデパーチャアングルが前輪5側のアプローチアングルよりも一般に大きいことなどから、車体フロア3aや他の車体構成部品が比較的高い位置に配置されており、従って、バッテリパック1の後端側では、車両後方から見たときに、その下部が車体構成部品に覆われずに露出した状態となっている。
【0035】
図3〜図8は、上記バッテリパック1を示している。このバッテリパック1は、下側部分を構成するロアケース11と上側部分を構成するアッパケース12とからなる密閉されたケース10内に、多数のセルを収容したものである。セルの配置は図示していないが、例えばラミネートフィルムでシールされた平坦形状のリチウムイオンセルが用いられ、複数個(例えば4個)のセルを重ねて平坦な矩形の箱状の金属ケース内に収容したものとして、バッテリモジュールが構成される。このバッテリモジュールはさらに複数個積層して互いに固定したスタックとして構成され、最終的には、複数個のスタックがケース10内に収容される。例えば、合計で数十個のバッテリモジュールがケース10内に収容されるとともに互いに直列に接続され、車両の駆動に必要な数百ボルトの電圧を得ている。従って、バッテリパック1の重量はかなり重く、例えば全体として200〜300kg程度の重量を有する。なお、バッテリパック1の製造時には、スタックとしたバッテリモジュールをロアケース11内に並べて配置し、その上にカバーとなるアッパケース12を被せ、該アッパケース12とロアケース11とを互いに固定する、というプロセスとなる。アッパケース12単体でも20kg程度の重量を有する。
【0036】
図3は、バッテリパック1を上から見た平面図であるが、車両に搭載した状態では、図の上側が車両の前方となり、図の下側が車両の後方となるので、以下のバッテリパック1についての説明では、説明の便宜のために、特に注記した場合を除き、図上でのバッテリパック1の向きに拘わらずに、図3の上側の方向を「前」、図3の下側の方向を「後」、図3の右側の方向を「右」、図3の左側の方向を「左」と、それぞれ定義することとする。従って、例えば図8においては、バッテリパック1(あるいはケース10)の「左側の部分」とは、図の右側に描かれている部分を意味する。同様に、「上」「下」も原則として車載状態の姿勢を基準とした上下方向を意味するものとする。なお、各図における矢印FRは、車両の前進方向(同時にバッテリパック1の前方方向でもある)を示している。
【0037】
ロアケース11およびアッパケース12は、いずれも、軽合金、例えばアルミニウム合金のダイキャストからなり、ロアケース11の底壁14とアッパケース12の頂部壁19との間に位置する一つの平面に沿った周縁の接合フランジ面15において互いに突き合わされている。そして、接合フランジ面15を貫通するように周縁に配置された複数のボルト18によってアッパケース12がロアケース11に対し固定されている。接合フランジ面15には、ロアケース11とアッパケース12とを接合する際に、シール材として液体ガスケットが塗布されており、これによってケース10内は、密閉空間となっている。従って、外部からの水分等の流入が防止され、バッテリモジュールの接続部等の腐食が抑制される。
【0038】
一方、上記のように密閉空間に保たれるケース10内の内圧がなんらかの異常によって過度に上昇した場合に、ケース10内の空間を外部に開放するために、一対の安全弁16がロアケース11の後面に配置されている。この安全弁16は、図17,図18に示すように、薄肉金属板をドーム状に形成したバルブ部材16Aを備え、ケース10内の内圧が所定の圧力に達すると、このドーム型バルブ部材16Aが圧力差によりバックリングして破断し、ケース10内を開放する。なお、バルブ部材16Aの前面には、容易に破断するように直径方向にスリット17aが凹設された円形の保護用合成樹脂プレート17が設けられており、バルブ部材16Aを石跳ねなどから保護している。
【0039】
上記ケース10の左側および右側には、車体3に対する取付部の一つとなる第1タブ部21および第2タブ部22が設けられている。これらの第1タブ部21および第2タブ部22は、周縁の接合フランジ面15よりも左右外側に張り出している。特に、第1タブ部21は、外側に耳状に突出している。また、この第1タブ部21と並んで、ケース10の左側の前方寄りには、同じく車体3に対する取付部の一つとなる第3タブ部23が耳状に突出して設けられている。これに対し、第2タブ部22は、図3のように上方から見ると、ケース10のセル(バッテリモジュール)収容空間から右側へ部分的に膨らんだ後述するジャンクションボックス収容部26(図8参照)と連続した形となっており、その前方には、やはりジャンクションボックス収容部26に連続した台形状の第4タブ部24が設けられている。さらに、ケース10の前縁の中央部には、車体3に対する取付部の一つとなるフロントブラケット25が設けられている。
【0040】
これらの第1タブ部21,第2タブ部22,第3タブ部23,第4タブ部24およびフロントブラケット25には、それぞれ車体取付用のボルト(図示せず)が挿入される貫通孔27が形成されている。そして、同様のボルト用の貫通孔27が、ケース10の後縁の3箇所において接合フランジ面15を貫通するように形成されている。従って、ケース10つまりバッテリパック1は、これらの計8箇所において図示せぬボルトによって車体3に対し固定される。各ボルトは、実質的に垂直方向に沿って配設され、各貫通孔27に下側から挿入される。
【0041】
上記第1タブ部21および上記第2タブ部22においては、上記のボルト用の貫通孔27のほかに、組付行程等においてリフター等の治具の先端部が挿入される治具用孔28がそれぞれ貫通形成されている。なお、第2タブ部22側の治具用孔28は、ケース10の左右方向に僅かに長い長円となっている。
【0042】
さらに、これらの治具用孔28に隣接して、第1タブ部21に第1ロケートピン31が、第2タブ部22に第2ロケートピン32が、それぞれ設けられている。これらのロケートピン31,32によるロケート機構の詳細は後述する。
【0043】
また、図3,図5,図8に示すように、バッテリパック1の左側の側面に、強電回路を遮断するためのサービスプラグ34が側方へ向かって配置されており、これに隣接して、第1タブ部21の下方となる位置に、バッテリパック1内のバッテリコントローラ(図示せず)と車体側のメインコントローラ(図示せず)との間で通信を行うための信号コネクタ35が配置されている。なお、バッテリコントローラは、ケース10内において、上記サービスプラグ34に隣接する位置、つまり図3において第1タブ部21付近から第3タブ部23付近に亘って左側へ僅かに張り出している空間(図3および図8に符号36で示すコントローラ収容部)内の前方寄りに収容されている。
【0044】
駆動モータユニット4への電力供給を行うためのメインプラグ38は、図7および図8に示すように、ジャンクションボックス収容部26の前面に前方へ向かって配置され、かつ第4タブ部24の下側に位置している。このメインプラグ38には、車体3側に設けられる図示せぬコネクタが接続されるが、このコネクタを含めてメインプラグ38全体の上方が庇状の第4タブ部24によって覆われるようになっている。
【0045】
ロアケース11の底壁14は、接合フランジ面15と平行な平面に沿って構成されており、その外表面のほぼ全面に、図8に示すように格子状のリブ41が形成されている。このリブ41の高さつまり壁面からの突出量は、底壁14の肉厚よりも小さい程度のものであり、バッテリパック1の前後方向に対し45°傾いた向きに形成されている。
【0046】
一方、アッパケース12の頂部壁19は、図4〜図7に明らかなように、大部分が接合フランジ面15と平行な一つの平面に沿って延びているものの、ジャンクションボックス収容部26寄りの一部領域(符号42で示す)が上方へ僅かに膨らんで形成されている。この膨出部42により部分的に拡大した内部空間には、バッテリモジュールのスタックとジャンクションボックスとを接続するケーブル等が収容されている。この頂部壁19の外表面にも、ロアケース11の底壁14側と同様の格子状のリブ41が形成されている。また、アッパケース12の左右両側には、バッテリパック1の組立の際に、アッパケース12を吊り下げる治具(図示せず)が係合する凹部43aを備えたボス部43が、それぞれ一対ずつ設けられている。
【0047】
次に、ロアケース11およびアッパケース12からなるケース10の構成をより詳細に説明する。なお、以下の図においては、一部の部品が取り付いた状態で描かれているものと、部品を何ら具備しない状態のものとが混在していることに留意されたい。
【0048】
図10は、ロアケース11を上方から見た斜視図であり、図11は、ロアケース11を裏返して底面側を示した斜視図である。図示するように、ロアケース11は、上面が開口した矩形の箱状をなし、底壁14と、前端壁51と、後端壁52と、右側壁53と、左側壁54と、を備えている。ロアケース11の右側部分には、前述したジャンクションボックス収容部26が外側へ張り出すように形成されており、その底面には、図示せぬジャンクションボックスを固定するためのネジ孔を備えた複数のボス部55が形成されている。ジャンクションボックス収容部26の前方の壁56には、前述したメインプラグ38を取り付けるための上下に細長い長円形の開口57が形成されている。
【0049】
またロアケース11の左側部分には、前述したバッテリコントローラを収容するために外側へ張り出したコントローラ収容部36Lが設けられており、左側壁54には、サービスプラグ34を取り付けるための細長い開口58が開口している。なお、上記ジャンクションボックス収容部26と上記コントローラ収容部36Lとを除いたロアケース11内の領域は、矩形状をなし、ここには、前述したように多数のバッテリモジュールが配列される。
【0050】
ロアケース11上面の開口面の周縁、換言すれば、前端壁51と後端壁52と右側壁53と左側壁54との上端には、それぞれ外側へ向かって折れ曲がった形にフランジ61が形成されており、このフランジ61の上面が、接合フランジ面15Lとして構成されている。
【0051】
なお、各参照符号における添字「L」は、ロアケース11とアッパケース12とで構成されるケース10の構成要素の中で、ロアケース11側の構成要素であることを表し、添字「U」は、アッパケース12側の構成要素であることを表す。例えば前述したケース10の接合フランジ面15は、詳しくは、ロアケース11側の接合フランジ面15Lとアッパケース12側の接合フランジ面15Uとを含んでいる。
【0052】
第1タブ部21は、ロアケース11とアッパケース12との双方で構成されているが、ロアケース11側に設けられている第1タブ部21Lは、前述したように接合フランジ面15Lよりも外側に張り出しており、かつ接合フランジ面15Lの平面に対し、僅かに上方に高くなるように形成されている。同様に、第2タブ部22は、ロアケース11とアッパケース12との双方で構成されているものであって、ロアケース11側の第2タブ部22Lは、前述したようにジャンクションボックス収容部26に沿った接合フランジ面15Lよりも外側に張り出しており、かつ接合フランジ面15Lの平面に対し、僅かに上方に高くなるように形成されている。第1タブ部21Lの上面と第2タブ部22Lの上面とは同一平面に沿っている。なお、ロアケース11の接合フランジ面15Lは、ロアケース11の右側部分では、ジャンクションボックス収容部26の外縁に沿って延びており、その外側に第2タブ部22Lが張り出している。
【0053】
第1タブ部21に並んで耳状に突出した第3タブ部23は、ロアケース11側のみで構成されており、やはり接合フランジ面15Lよりも僅かに高くなるように形成されている。ロアケース11の前端壁51中央には、前述したフロントブラケット25が一体に形成されている。このフロントブラケット25は、ロアケース11のみで構成されており、接合フランジ面15Lから上方へ突出している。また、ロアケース11右側のジャンクションボックス収容部26に連なる台形状の第4タブ部24は、同じくロアケース11のみで構成されており、貫通孔27付近の部分が接合フランジ面15Lよりも僅かに高くなっている。
【0054】
上記のように、第1タブ部21L、第2タブ部22L、第3タブ部23、第4タブ部24、フロントブラケット25は、いずれも接合フランジ面15Lよりも僅かに高くなっており、これらと接合フランジ面15Lとの間に生じる段差の内側に、アッパケース12が嵌り込むことになる。
【0055】
なお、アッパケース12を固定する前述のボルト18が螺合するネジ孔は、ジャンクションボックス収容部26周囲を除き、図10に示すように、前端壁51や後端壁52の上端部を部分的に厚肉にしてなるボス部63に設けられている。さらに、前端壁51および後端壁52の内側面には、適宜数カ所にボス部64が形成され、前述したバッテリモジュールのスタックを固定するためのねじ孔64aならびに該スタックの位置決めのためのノックピン64bが設けられている。
【0056】
また、後端壁52上縁のフランジ61には、車体3への取付のためのボルト(図示せず)が挿通される貫通孔27Lが3箇所に形成されており、第1タブ部21Lおよび第2タブ部22Lにも、同様に貫通孔27Lがそれぞれ設けられている。
【0057】
さらに、後端壁52には、前述した安全弁16を取り付けるための円形の開口62aを有する安全弁取付座部62が形成されている(図14参照)。
【0058】
図12は、アッパケース12を上方から見た斜視図であり、図13は、アッパケース12を裏返して内側を示した斜視図である。図示するように、アッパケース12は、下面が開口した矩形の箱状をなし、頂部壁19と、前端壁71と、後端壁72と、右側壁73と、左側壁74と、を備えている。頂部壁19は、前述したように膨出部42を備えている。アッパケース12の右側部分には、ロアケース11側のジャンクションボックス収容部26の上面を覆うジャンクションボックス収容部カバー76が右側壁73の下端から外側へ延長されている。このジャンクションボックス収容部カバー76は、接合フランジ面15Uの平面に沿った平坦な板状をなしており、接合フランジ面15Uの一部を構成している。
【0059】
アッパケース12の周囲を囲む前端壁71と後端壁72と右側壁73と左側壁74との下端には、それぞれ外側へ向かって折れ曲がった形にフランジ81が形成されており、このフランジ81の下面が、接合フランジ面15Uとして構成されている。前述したように、この接合フランジ面15Uはロアケース11側の接合フランジ面15Lと突き合わされ、フランジ81に設けられた貫通孔82を貫通した複数のボルト18によってロアケース11とアッパケース12とが締結される。なお、アッパケース12の左側部分には、ロアケース11側のコントローラ収容部36Lに対応するコントローラ収容部36Uが設けられている。
【0060】
このアッパケース12側の第1タブ部21Uの平面形状は、基本的にロアケース11側の第1タブ部21Lと同一の形状をなし、ロアケース11側と同様に、接合フランジ面15Uよりも外側に張り出している。そして、接合フランジ面15Uの平面に対し、僅かに上方に高くなるように形成されている。この部分の段差は、ロアケース11側の第1タブ部21Lの高さ位置に対応しており、両者の接合フランジ面15L,15Uが互いに密接したときに、両者の第1タブ部21L,21Uも互いに重なり合い、実質的に互いに接する関係となっている。
【0061】
また、アッパケース12側の第2タブ部22Uは、ジャンクションボックス収容部カバー76と一体に、つまりジャンクションボックス収容部カバー76に連続した形で構成されている。この第2タブ部22Uの平面形状は、基本的にロアケース11側の第2タブ部22Lと同一の形状をなし、接合フランジ面15Uの平面に対し、僅かに上方に高くなるように形成されている。この部分の段差は、やはりロアケース11側の第2タブ部22Lの高さ位置に対応しており、両者の接合フランジ面15L,15Uが互いに密接したときに、両者の第2タブ部22L,22Uも互いに重なり合い、実質的に互いに接する関係となっている。
【0062】
上記第1タブ部21Uおよび第2タブ部22Uには、車体取付用のボルトのための貫通孔27として、ロアケース11側の貫通孔27Lと合致する貫通孔27Uがそれぞれ形成されており、さらに、後端壁72下端のフランジ81には、同様の貫通孔27Uが3箇所に形成されている。つまり、この例では、8本のボルトの中の5本は、ロアケース11およびアッパケース12の双方をいわゆる共締めの形式でもって車体3に対し締め付けている。
【0063】
ここで、ロアケース11の前端壁51および後端壁52は、図15および図16に明らかなように、鋳造時に必要な適宜な抜き勾配を有するものの、基本的にほぼ垂直つまり底壁14に対しほぼ直交するように底壁14から立ち上がっている。そして、これらの前端壁51および後端壁52の外側に、それぞれ複数の冷却フィン66が一体に鋳造されている。これらの冷却フィン66は、前端壁51および後端壁52の外壁面から車両進行方向つまり前方および後方へそれぞれ突出しているとともに、上下方向に延びている。つまり、車両前後方向ないしバッテリパック1の前後方向と平行な平面に沿った板状をなしている。そして、各冷却フィン66の上端は、図16に示すように前端壁51ないし後端壁52上端のフランジ61に一体に連続しており、各冷却フィン66の下端は、ロアケース11の底壁14に達するように延び、該底壁14に接続されている。前端壁51ないし後端壁52の壁面から冷却フィン66の先端縁66aまでの突出量(車両前後方向の突出量)は、上端のフランジ61の幅にほぼ対応しており、従って、先端縁66aは、図16に示すように、前端壁51ないし後端壁52とほぼ平行な直線状となっている。なお、バッテリパック1の前方もしくは後方から見たときの冷却フィン66の左右の幅は、抜き勾配ならびにフランジ61との接続部の強度確保を考慮して、上方へ向かうほど広くなっている。つまり、図14に示すように、角度の比較的小さな楔状をなしている。
【0064】
一方、上記冷却フィン66の下端縁66bは、前端壁51ないし後端壁52の壁面から離れるほど高くなっていく方向に傾斜している。例えば、図15に示すように、底壁14との接続部から斜め上方へ直線的に傾斜している。一つの具体的な例では、前端壁51側の冷却フィン66の下端縁66bは、底壁14を延長した水平面に対しほぼ35°の角度で傾斜し、後端壁52側の冷却フィン66の下端縁66bは、底壁14を延長した水平面に対しほぼ25°の角度で傾斜している。なお、本発明はこれらの具体的な数値に限定されるものではなく、また、下端縁66bおよび先端縁66aのいずれも、必ずしも厳密な直線でなくてもよく、例えば緩く湾曲した曲線などの形状であってもよい。
【0065】
図15における仮想線LLは、車体3そのものの最低地上高の高さレベルを示しており、前端壁51側の冷却フィン66の傾斜した下端縁66bは、この最低地上高の高さレベルLLに達している。従って、車両前進走行時に最低地上高の高さレベルLLにほぼ等しい高さの異物(例えば縁石や車止めなど)が冷却フィン66(前端壁51における冷却フィン66)に衝突した場合に、異物は必ず傾斜した下端縁66bに衝突する。
【0066】
但し、前述したように、一般に後輪6側では種々の車体構成部品が最低地上高の高さレベルLLよりも高い位置にあるので、後端壁52については、例えば図15に一例として示す仮想線LBの高さレベルまで車両後方へ向かって露出した状態となり得る。従って、この実施例では、車両後進時に、最低地上高の高さレベルLLを越える高さの異物が冷却フィン66(後端壁52における冷却フィン66)の先端縁66aに衝突する可能性があるが、傾斜した下端縁66bの先端位置よりも低い高さの異物であれば、異物は傾斜した下端縁66bに衝突し得る。
【0067】
上記のように熱伝達性に優れたアルミニウム合金製のロアケース11と一体に設けられた冷却フィン66は、車両走行風が車体フロア3a下面に沿って流れることから、車両走行抵抗ないし空力性能の過度の悪化を来すことなくバッテリパック1の放熱性ないし冷却性を効果的に改善する。特に、ロアケース11の底部が車体3の最低地上高の高さレベルLLよりも下方へ突出しているので、車両走行風を積極的に利用でき、内部のセルを効果的に冷却することができる。
【0068】
そして、上記冷却フィン66は、冷却性の向上と同時に、補強リブないし一種のプロテクタとして機能し、ロアケース11の前端壁51ないし後端壁52を保護し、とりわけロアケース11の底部の前後のコーナ部(つまり底壁14と前端壁51との接続部ならびに底壁14と後端壁52との接続部)を異物との衝突から保護する。例えば、車両後方へ向かう後端壁52においては、車両後進時に路面から突出した縁石等に衝突する懸念があるが、このような衝突の際に、縁石等は後端壁52そのものではなく冷却フィン66の下部に衝突する。ここで、冷却フィン66は、上端がフランジ61に接続され、下端が底壁14に接続されているので、これらの剛性の高い箇所に衝突荷重が分散され、後端壁52やその下端のコーナ部の直接的な損傷が抑制される。図9は、ロアケース11のフランジ61とアッパケース12のフランジ81とをボルト18で締結した状態での冷却フィン66の断面を示しており、このようにケース10が組み立てられた状態では、冷却フィン66から衝突荷重を受けるフランジ61,81がより剛性の高い部材となっており、確実に衝突荷重を支承することができる。さらに、傾斜した下端縁66bに衝突する高さの異物であれば、下端縁66bの傾斜によって荷重がさらに分散されるため、ロアケース11の損傷がより効果的に抑制される。なお、傾斜した下端縁66bに異物が衝突した場合、この傾斜に沿って異物が逃がされ、衝突が緩和される作用もある。勿論、前端壁51側の冷却フィン66は、車両前進時の異物との衝突の際に有効に機能する。
【0069】
図14(あるいは図4)に示すように、本実施例においては、後端壁52に計7個の冷却フィン66が形成されており、特に、後端壁52に配置される安全弁16(安全弁取付座部62)の両側に、該安全弁16に隣接してそれぞれ一対の冷却フィン66が設けられている。これらの7個の冷却フィン66は、いずれも同じ形状に突出しており、特に、図17および図18に示すように、冷却フィン66の先端縁66aおよび下端縁66bにより形成される空間の中に安全弁16の全体が収容されている。換言すれば、安全弁16は、冷却フィン66の先端縁66aおよび下端縁66bよりも外側へ突出しておらず、縁石等に衝突した場合でも、安全弁16が損傷を受けることがない。なお、図示例では、7個の冷却フィン66が全て同一形状であるが、本発明は必ずしもこれに限定されず、異なる形状であってもよい。但し、安全弁16に隣接する少なくとも1つの冷却フィン66は、上記のように安全弁16を保護し得る大きさのものとすることが望ましい。
【0070】
一方、前端壁51においては、図7および図11に示すように、8個の同一形状の冷却フィン66を備えるとともに、フロントブラケット25の両側に沿って相対的に大きな形状の冷却フィン66(図11に符号66Aとして示す)を備えている。さらに、前述したメインプラグ38が配置されるジャンクションボックス収容部26の前方壁56には、メインプラグ用開口57の両側に沿って冷却フィン66B,66Cが付加されている。一方の冷却フィン66Cは、前端壁51における他の冷却フィン66と同様の形状をなしているが、開口57の外側に位置する他方の冷却フィン66Bは、前方へ大きく突出した略台形状のものとなっている。この大型の冷却フィン66Bの上端は、第4タブ部24に接続されている。このように大きく突出した冷却フィン66Bは、放熱性能に寄与すると同時に、メインプラグ38およびこれに接続されるコネクタを、縁石等の異物との衝突から保護している。この冷却フィン66Bには、メインプラグ38にアクセスするための開口68が形成されている。
【0071】
なお、車両搭載状態では、このメインプラグ38周辺を局部的に覆うように、図示せぬ合成樹脂製のカバーを装着するようにしてもよい。
【0072】
次に、第1タブ部21および第2タブ部22のロケートピン31,32によるロケート機構について詳細に説明する。
【0073】
前述したように、第1タブ部21は、互いに基本的に同一な平面形状をなすロアケース11側の第1タブ部21Lとアッパケース12側の第1タブ部21Uとから構成されているが、図19に示すように、ロアケース11側の第1タブ部21Lに、第1ロケートピン31がボルト101を介して垂直に取り付けられている。
【0074】
図24〜図26は、第1ロケートピン31の詳細を示すもので、この第1ロケートピン31は、第1タブ部21LのD字形の凹部102(図19参照)に非回転に嵌合するD字形の根部103と、直線部として第1ロケートピン31の中心軸線L1を中心とした円筒面104aを外周に有する円柱部104と、テーパ状の先端部として上記中心軸線L1を中心とした円錐面105aを外周に有する先細りとなった円錐部105と、を有している。上記円筒面104aの上端と上記円錐面105aの下端とは、境界106において段差なく連続している。また、図24および図25に明らかなように、円柱部104の円筒面104aの一部を、中心軸線L1に平行かつ互いに平行な2つの平面に沿って切り落としてなる一対の切欠部107を備えている。従って、円柱部104は、完全な円形断面ではなく、図25のように平行な2平面で狭められた断面形状となる。この第1ロケートピン31においては、切欠部107は、円柱部104のみを対象としているが、円錐部105下端付近の一部も、その径の関係から僅かに切り取られた形となっている。
【0075】
上記円柱部104は、上記のように完全な円形断面ではないが、円筒面104aおよび切欠部107の面のいずれも、中心軸線L1と平行な面をなし、境界106までの断面形状は各部で一定である。バッテリパック1が取り付けられる車体3側には、図25に示す円柱部104の形状に対応した形状をなす第1ロケート孔(図示せず)が設けられている。
【0076】
上記円柱部104の軸方向の長さ、より詳しくは、図19のように取り付けた状態での取付面から境界106までの高さ寸法は、アッパケース12側の第1タブ部21Uの板厚に、車体3側の図示せぬ第1ロケート孔部分の板厚を加えた寸法にほぼ等しい。
【0077】
なお、図示例では、加工の都合上、別に形成した第1ロケートピン31をロアケース11に取り付けるようにしているが、ロアケース11の鋳造の際に第1ロケートピン31を一体に形成するようにしてもよい。
【0078】
一方、第2タブ部22は、前述したように、互いに基本的に同一な平面形状をなすロアケース11側の第2タブ部22Lとアッパケース12側の第2タブ部22Uとから構成されているが、図20に示すように、ロアケース11側の第2タブ部22Lに、第2ロケートピン32がボルト111を介して垂直に取り付けられている。
【0079】
図27〜図29は、第2ロケートピン32の詳細を示すもので、この第2ロケートピン32は、第2タブ部22LのD字形の凹部112(図20参照)に非回転に嵌合するD字形の根部113と、第2ロケートピン32の中心軸線L2を中心とした円筒面114aを外周に有する円柱部114と、この円柱部114から立ち上がった偏平な略三角形状をなす偏平先端部115と、を備えている。より詳しくは、この第2ロケートピン32は、第1ロケートピン31と同様に円柱と円錐とが連続した形状を基本形状とし、この基本形状の円錐部分から円柱部分の中間高さ位置までに亘って、中心軸線L2に平行かつ互いに平行な2つの平行な面に沿って切り落としてなる一対の切欠部117を設けたものである。つまり、各切欠部117は、中心軸線L2に平行な第1切欠面117aと、基本形状の円柱部分の中間高さ位置において中心軸線L2と直交する平面に沿った第2切欠面117bと、からなる。従って、偏平先端部115のテーパ状部分は、上記の基本形状の一部である円錐面115a(完全な円錐形ではなく円錐形の一部の面)を有し、偏平先端部115の付け根部分は、上記円柱部114周囲の円筒面114aから部分的に延長された第2の円筒面114a’を有する。円柱部114の円筒面114aと第2の円筒面114a’とは、幾何学的には同一の円筒面である。つまり、円柱部114の周囲2箇所において、第2の円筒面114a’が軸方向に延びている。偏平先端部115において、上記の第2の円筒面114a’と上記の円錐面115aとは境界116において段差なく連続している。
【0080】
従って、上記第2切欠面117bから上記境界116までの範囲においては、第2の円筒面114a’および第1切欠面117aのいずれも中心軸線L2と平行な面をなすので、この範囲では、偏平先端部115の断面形状は各部で一定である。バッテリパック1が取り付けられる車体3側には、このような偏平先端部115の直線状部分の断面形状に対応した形状をなす第2ロケート孔(図示せず)が設けられている。具体的には、車体3側の第2ロケート孔は、細長い矩形の両端を円弧とした形状となる。
【0081】
上記円柱部114の軸方向の長さ、より詳しくは、図20のように取り付けた状態での取付面から第2切欠面117bまでの高さ寸法は、アッパケース12側の第2タブ部22Uの板厚にほぼ等しい。また、取付面から上記境界116までの高さ寸法は、アッパケース12側の第2タブ部22Uの板厚に、車体3側の図示せぬ第2ロケート孔部分の板厚を加えた寸法にほぼ等しい。
【0082】
なお、図示例では、加工の都合上、別に形成した第2ロケートピン32をロアケース11に取り付けるようにしているが、ロアケース11の鋳造の際に第2ロケートピン32を一体に形成するようにしてもよい。
【0083】
ここで、上記第1ロケートピン31と上記第2ロケートピン32の高さ寸法は同一ではなく、第1ロケートピン31の方が相対的に長い。なお、これらが取り付けられる第1タブ部21Lと第2タブ部22Lの取付面高さ位置は、接合フランジ面15を基準としたときに互いに等しく、従って、取付状態において、第1ロケートピン31の先端位置の方が第2ロケートピン32の先端位置よりも高い位置となる。具体的な1つの実施例では、第1ロケートピン31の方が10〜15mm程度長く形成されている。なお、これらロケートピン31,32は、例えば、直径が20〜30mm程度、高さが50〜60mm程度の比較的大きなロケートピンである。
【0084】
上記のようなロアケース11側の構成に対し、アッパケース12側の第1タブ部21Uは、図22に示すように、第1ロケートピン31の円柱部104が嵌合する円形の第1ロケート孔121を備えている。この第1ロケート孔121は、第1ロケートピン31の中心軸線L1と平行な円筒面として形成されており、円柱部104が比較的密に嵌合するように、円柱部104の径と実質的に等しい口径を有している。より具体的には、図示例では、バッテリパック1の前後方向については円柱部104の径と実質的に等しい径を有し、バッテリパック1の左右方向については、これよりもごく僅か(例えば1mm程度)だけ長い径となった長円形をなしている。従って、バッテリパック1の前後方向については第1ロケート孔121が第1ロケートピン31の円柱部104を支持ないし拘束する一方、バッテリパック1の左右方向については、比較的大型部品であるロアケース11およびアッパケース12の熱膨張差や公差の吸収を図っている。
【0085】
一方、アッパケース12側の第2タブ部22Uは、図21に示すように、第2ロケートピン32の円柱部114が嵌合する円形の第2ロケート孔122を備えている。この第2ロケート孔122は、第2ロケート孔122の中心軸線L2と平行な円筒面として形成されており、円柱部114が比較的密に嵌合するように、円柱部114の径と実質的に等しい口径を有している。前述したように第1ロケート孔121が僅かに長い長円をなしているのに対し、第2ロケート孔122は真円形であり、全周に亘って第2ロケートピン32の円柱部114を支持ないし拘束する。従って、ロアケース11とアッパケース12との間では、第2ロケートピン32と第2ロケート孔122の嵌合が厳密な位置基準となり、第1ロケートピン31側でごく僅かな熱膨張差や公差が吸収される。
【0086】
さて、上記のように構成されたロケート機構は、まず第1には、バッテリパック1の組立の際に、ロアケース11に対しアッパケース12を位置決めする、という機能を有する。すなわち、組立時には、バッテリモジュールのスタックがジャンクションボックス等とともに装填されたロアケース11に対し、治具を介した手作業あるいはロボットアーム等を介して、アッパケース12を被せ、両者を所定位置に位置決めした後に周囲のボルト18を締め付けることになるが、左右の第1ロケート孔121および第2ロケート孔122を第1ロケートピン31および第2ロケートピン32におおよそ位置合わせした状態でロアケース11を下降させていけばよい。第1ロケートピン31は先端側の円錐部105によってセンタリング機能が得られるため、円形の第1ロケート孔121が自然に基部の円柱部104に案内され、該円柱部104に嵌合する。同様に、第2ロケートピン32も先端部が偏平形状をなすものの、偏平先端部115の円錐面115aによって同様にセンタリング機能が得られ、円形の第2ロケート孔122が自然に基部の円柱部114に案内され、該円柱部114に嵌合する。
【0087】
特に、第1ロケートピン31と第2ロケートピン32とで十分な高さの差があるため、ロアケース11の下降に伴って、第2ロケートピン32よりも先に第1ロケートピン31の先端が第1ロケート孔121に入り込む。そして、このように第1ロケートピン31に第1ロケート孔121が緩く嵌まった状態で、第2ロケートピン32に第2ロケート孔122が入り込むことになるので、極めて容易に位置決めがなされる。
【0088】
ロアケース11とアッパケース12は、このように互いに位置決めされた状態で、周囲のボルト18によって互いに結合されるが、このようなバッテリパック1の完成状態では、各ロケートピン31,32が、車体3への取付フランジとなる第1タブ部21および第2タブ部22からそれぞれ上方へ突出ないし起立した状態となる。第1ロケートピン31は、その円柱部104がアッパケース12側の第1ロケート孔121からさらに突出した状態となる(図4参照)。一方、第2ロケートピン32は、その円柱部114がアッパケース12側の第2ロケート孔122に嵌合し、図30に示すように、偏平先端部115のみが第2タブ部22の上面から上方へ突出する。このように、バッテリパック1の完成状態では、それぞれ円柱部104,114が第1ロケート孔121および第2ロケート孔122に比較的密に嵌合し、かつアッパケース12は既にロアケース11にボルト18によって堅固に固定されているので、ロケートピン31,32が逆にロケート孔121,122によって支持される形となり、ロアケース11側の第1タブ部21Lないし第2タブ部22Lのみでロケートピン31,32を支持している初期状態よりも、各ロケートピン31,32の剛性が高くなる。
【0089】
なお、図3に示すように、第1ロケートピン31と第2ロケートピン32は、互いに、左右対称位置にあり、つまり、両者を結ぶ直線を想定すると、この直線は、バッテリパック1の前縁および後縁と平行でかつ車両前後方向に対し直交する関係となる。そして、第2ロケートピン32の偏平先端部115の2つの平面つまり第1切欠面117aは、いずれも第1ロケートピン31の中心軸線L1を中心とした円の接線となる。
【0090】
上記のようにバッテリパック1が完成した状態において、ロケート機構は、第2に、バッテリパック1を車体3側に取り付ける際に、バッテリパック1を車体3に対し位置決めする、という機能を有する。
【0091】
すなわち、車体3側には、前述したように、第1ロケートピン31および第2ロケートピン32にそれぞれ対応した形状の図示しない第1,第2ロケート孔が予め設けられている。なお、熱膨張差や公差を吸収するための微小クリアランスをいずれか一方に設ける場合には、ロアケース11とアッパケース12との関係に準じて、第2ロケートピン32と第2ロケート孔との嵌合を厳密な位置基準とし、第1ロケートピン31と第2ロケート孔との間に微小クリアランスを設けることが望ましい。
【0092】
バッテリパック1は、車体3に下側から取り付けられるので、適宜なリフタ等を用い、第1ロケートピン31および第2ロケートピン32をそれぞれ車体3側の第1ロケート孔および第2ロケート孔におおよそ位置合わせしつつ、バッテリパック1を持ち上げていけばよい。第1ロケートピン31は先端側の円錐部105によってセンタリング機能が得られるため、第1ロケート孔内に円柱部104が自然に案内され、かつ嵌合する。同様に、第2ロケートピン32も偏平先端部115の円錐面115aによって前後方向に自然にセンタリングされ、細長い第2ロケート孔内に第2ロケートピン32の偏平先端部115の直線状部分(第2の円筒面114a’の部分)が自然に嵌合する。
【0093】
ここで、円錐形先端部を有する第1ロケートピン31が偏平な第2ロケートピン32よりも長く構成されており、バッテリパック1の上昇時に第1ロケートピン31が第2ロケートピン32よりも先に第1ロケート孔に入り込んでいくので、第1ロケートピン31の先端が第1ロケート孔に緩く嵌まった状態で、バッテリパック1は第1ロケートピン31を中心として回転できる。従って、第1ロケートピン31を中心として接線方向に沿った平坦形状をなす第2ロケートピン32が、第1ロケートピン31から遅れて第2ロケート孔に入り込むことで、偏平先端部115のテーパ形状に沿って自然にバッテリパック1が所定位置に案内される。そして、最終的には、第1ロケートピン31および第2ロケートピン32の双方の非円形部分が各ロケート孔に嵌合するため、バッテリパック1の回転方向の姿勢も確実に規制され、高い精度の位置決めがなされる。
【0094】
このように、上記実施例では、ロケートピン31,32によってロアケース11とアッパケース12とが位置決めされると同時に、同じロケートピン31,32でもってバッテリパック1の車体3に対する位置決めがなされるので、個別にロケート機構を備える場合に比べてロケート機構が簡素化され、かつ精度管理が容易となる。
【0095】
また、バッテリパック1そのものがロケートピン31,32を具備しているので、例えば自動車の点検整備などのためにバッテリパック1を車体3から取り外したような場合に、専用の位置決め治具を用いることなくバッテリパック1を車体3の所定位置に再取付することが容易となる。
【符号の説明】
【0096】
1…バッテリパック
3…車体
10…ケース
11…ロアケース
12…アッパケース
16…安全弁
31…第1ロケートピン
32…第2ロケートピン
66…冷却フィン
121…第1ロケート孔
122…第2ロケート孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アッパケースとロアケースとからなるケース内に多数のセルが収容され、かつ車体フロアの下面側に取り付けられる電気自動車の駆動用バッテリパックにおいて、
上記ケースの少なくとも上記ロアケースは金属製ダイキャストにて構成されており、
該ロアケースの車両進行方向へ向かう前端壁および後端壁の中の少なくとも一方の端壁に、該端壁から車両進行方向に沿って突出するとともに上下方向に延びた複数の冷却フィンが一体に形成され、この冷却フィンの上端は、ロアケース周縁のフランジに一体に接続され、下端は、ロアケースの底壁に達している、電気自動車の駆動用バッテリパック。
【請求項2】
上記冷却フィンの下端縁が、上記端壁から離れるに従って高くなるように傾斜している、請求項1に記載の電気自動車の駆動用バッテリパック。
【請求項3】
上記ケースは密閉されており、該ケースの内圧の上昇時に開放される安全弁が、上記冷却フィンに隣接して上記端壁に設けられている、請求項1または2に記載の電気自動車の駆動用バッテリパック。
【請求項4】
上記安全弁が、隣接する2つの冷却フィンの間に配置されている、請求項3に記載の電気自動車の駆動用バッテリパック。
【請求項5】
上記ロアケースの底壁は、車体の最低地上高の高さレベルよりも下方へ突出している、請求項1〜4のいずれかに記載の電気自動車の駆動用バッテリパック。
【請求項6】
アッパケースとロアケースとからなるケース内に多数のセルが収容され、かつ車体フロアの下面側に取り付けられる電気自動車の駆動用バッテリパックにおいて、
上記アッパケースおよび上記ロアケースは、各々金属製ダイキャストにて構成され、周縁の接合フランジ面が互いに突き合わされるとともに、互いにボルト結合されており、
上記ロアケースの車幅方向の両側部の各々に、テーパ状の先端部を有するロケートピンが上方へ突出するように設けられており、
上記アッパケースは、このロケートピンに対応するロケート孔が開口形成された取付フランジを備え、
上記ロケートピンおよび上記ロケート孔の嵌合によって上記ロアケースと上記アッパケースとが互いに位置決めされるとともに、上記ロケート孔を貫通したロケートピンが上記取付フランジから上方へ突出し、車体側のロケート孔にそれぞれ嵌合して、車体に対してバッテリパックが位置決めされる、電気自動車の駆動用バッテリパック。
【請求項7】
上記ロアケースの一方の側部に第1ロケートピンが、他方の側部に第2ロケートピンが、それぞれ設けられており、上記接合フランジ面を基準とした高さとして、第1ロケートピンが第2ロケートピンよりも高い、請求項6に記載の電気自動車の駆動用バッテリパック。
【請求項8】
上記ロケートピンは、先端側のテーパ部と、このテーパ部の傾斜面に連続しかつ中心軸線と平行な面からなる直線部と、を備え、上記直線部が上記アッパケースのロケート孔ならびに上記車体側のロケート孔に嵌合する、請求項6または7に記載の電気自動車の駆動用バッテリパック。
【請求項9】
上記ロアケースの一方の側部に第1ロケートピンが、他方の側部に第2ロケートピンが、それぞれ設けられており、上記第1ロケートピンは円錐形の先端部を有し、上記第2ロケートピンは円錐形の周面の一部を平行な2平面で切り落とした形状の先端部を有し、車体側には、各々の先端部形状に対応したロケート孔が各々設けられる、請求項6〜8のいずれかに記載の電気自動車の駆動用バッテリパック。
【請求項10】
上記第2ロケートピンの先端部における平行な2平面は、上記第1ロケートピンの円錐形の中心を中心とした円の接線をなす、請求項9に記載の電気自動車の駆動用バッテリパック。
【請求項11】
上記第2ロケートピンは、円筒面からなる円柱部を基部に有し、該円柱部が上記アッパケースのロケート孔に嵌合し、
該アッパケースのロケート孔から突出する部分は、上記円筒面を延長してなる第2の円筒面と、この第2の円筒面に連続する円錐面と、これら第2の円筒面および円錐面の一部を切り取るように軸方向に延びた上記の平行な2平面と、から構成されている、請求項9または10に記載の電気自動車の駆動用バッテリパック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2013−82312(P2013−82312A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−223349(P2011−223349)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(507357232)オートモーティブエナジーサプライ株式会社 (12)
【Fターム(参考)】