説明

電磁弁

【課題】スプールの移動方向と逆向きに作用するフローフォースを低減することで応答性を高めることの可能な電磁弁を提供する。
【解決手段】筒状のスリーブ10の内側に軸方向に往復移動可能に設けられるスプール20は、入力ポート12を開閉する第1ランド21、及び排出ポート14を開閉する第2ランド22を有する。電磁アクチュエータ40はスプール20を軸方向の他方に移動させることで入力ポート12と排出ポート14との連通又は遮断を切り替え、出力ポート13から出力される油圧を制御する。スプール20の第1ランド21と第2ランド22とを接続する軸部24の径外側に突出する案内部60は、入力ポート12から流入する作動油を出力ポート13へ案内する。これにより、入力ポート12から入力される作動油の動圧が第2ランド22の軸方向の第1ランド21側の外壁29に作用することが抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプール式の電磁弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用の自動変速機の油圧制御を行う電磁弁が公知である。この種の電磁弁は、筒状のスリーブの内側にスプールを軸方向に往復移動可能に備えている。スリーブは、軸方向の一方から順に入力ポート、出力ポート、及び排出ポートを有している。また、スプールは、入力ポートを開閉する第1ランド、排出ポートを開閉する第2ランド、及び第1ランドと第2ランドとを接続する軸部を有している。電磁アクチュエータがスプールを軸方向の一方へ移動し、第1ランドにより入力ポートを開くとともに、第2ランドにより排出ポートを閉塞すると、出力ポートから油圧が出力される。
【0003】
ところで、電磁アクチュエータがスプールを軸方向の一方へ移動するとき、入力ポートから軸方向の他方へ流れる作動油の動圧が第2ランドの軸方向の第1ランド側の外壁に作用すると、スプールの移動方向と逆向きの力を生じる。この力をフローフォースと称する。フローフォースによってスプールの移動が妨げられると、入力ポートの開口が目標とする面積となるまでの時間が長くなり、電磁弁の応答性が悪化することが懸念される。
特許文献1では、スプールの軸部に径方向に凹む凹部を形成し、この凹部によってスプールに作用する作動油の動圧を低減している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−202680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、作動油が入力ポートから第2ランド側へ流れ、第2ランドの軸方向の第1ランド側の外壁に作動油の動圧が作用することを軸部に形成した凹部によって排除することは困難である。このため、フローフォースが十分に低減されないおそれがある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、スプールの移動方向と逆向きに作用するフローフォースを低減することで応答性を高めることの可能な電磁弁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明によると、筒状のスリーブは、流体圧の入力される入力ポート、流体圧を出力する出力ポート、及び流体を排出する排出ポートを有する。スリーブの内側に軸方向に往復移動可能に設けられるスプールは、スリーブの内壁に摺動し入力ポートを開閉する第1ランド、スリーブの内壁に摺動し排出ポートを開閉する第2ランド、及び第1ランドと第2ランドとを接続する軸部を有する。電磁アクチュエータは、スプールを軸方向に移動させることで入力ポートと排出ポートとの連通又は遮断を切り替え、出力ポートから出力される流体圧を制御する。スプールの軸部の径外側に突出する案内部は、入力ポートから流入する流体を出力ポートへ案内する。
電磁アクチュエータがスプールを移動し、第1ランドにより入力ポートが開くとともに、第2ランドにより排出ポートが閉塞されると、出力ポートから流体圧が出力される。このとき、入力ポートから流入する流体は、スプールの軸部の径外側に突出する案内部によって出力ポートへ案内される。このため、入力ポートから流入する流体の動圧が第2ランドの軸方向の第1ランド側の外壁に作用することが抑制される。これにより、スプールの移動方向と逆向きに作用するフローフォースを低減することができる。したがって、目標とする位相にスプールを速やかに移動させることが可能となり、電磁アクチュエータの通電に対し出力ポートから出力される流体圧の応答性を高めることができる。
【0007】
請求項2に係る発明によると、案内部の径方向の外壁は、第2ランド側から第1ランド側に向かい、径方向内側に傾斜するテーパ状である。これにより、入力ポートから流入する流体は、案内部の径方向の外壁に沿って出力ポートに案内される。このため、入力ポートから流入する流体の動圧が第2ランドの軸方向の第1ランド側の外壁に作用することが抑制されるので、フローフォースを低減することができる。
【0008】
請求項3に係る発明によると、入力ポートから流入する流体が第2ランドの軸方向の第1ランド側の外壁に直接当たることを抑制することが可能な程度に、案内部は、第2ランド側の外径がスリーブの内径より僅かに小さく形成される。このため、入力ポートから流入する流体の動圧が第2ランドの軸方向の第1ランド側の外壁に作用することが抑制され、フローフォースを確実に低減することができる。
【0009】
請求項4に係る発明によると、案内部の径方向の外壁は、径方向内側及び軸方向第2ランド側に凹む曲面状である。これにより、入力ポートから流入する流体を出力ポートに案内し易くなる。このため、入力ポートから流入する流体の動圧が第2ランドの軸方向の第1ランド側の外壁に作用することが抑制され、フローフォースを確実に低減することができる。
【0010】
請求項5に係る発明によると、案内部の径方向の外壁は、径方向外側及び軸方向第1ランド側に突出する曲面状である。これにより、入力ポートから入力される流体の動圧を案内部の径方向の外壁が受け難くなる。したがって、フローフォースを低減することができる。
【0011】
請求項6に係る発明によると、筒状のスリーブは、流体圧の入力される入力ポート、及び流体圧を出力する出力ポートを有する。スリーブの内側に軸方向に往復移動可能に設けられるスプールは、スリーブの内壁に摺動し入力ポートを開閉する第1ランド、スリーブの内壁に摺動する第2ランド、及び第1ランドと第2ランドとを接続する軸部を有する。電磁アクチュエータは、スプールを軸方向に移動させることで入力ポートと出力ポートとの連通状態を切り替え、出力ポートから出力される流体圧を制御する。スプールの軸部の径外側に突出する案内部は、入力ポートから流入する流体を出力ポートへ案内する。
電磁アクチュエータがスプールを移動し、第1ランドにより入力ポートが開くと、出力ポートから流体圧が出力される。このとき、入力ポートから流入する流体は、スプールの軸部の径外側に突出する案内部によって出力ポートへ案内される。このため、入力ポートから流入する流体の動圧が第2ランドの軸方向の第1ランド側の外壁に作用することが抑制される。したがって、フローフォースを低減し、電磁弁の応答性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態による電磁弁の断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態による電磁弁の断面図である。
【図3】図1のIIIの部分拡大図である。
【図4】図2のIVの部分拡大図である。
【図5】本発明の第2実施形態による電磁弁の部分拡大図である。
【図6】本発明の第3実施形態による電磁弁の部分拡大図である。
【図7】本発明の第4実施形態による電磁弁の部分拡大図である。
【図8】本発明の第5実施形態による電磁弁の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明による複数の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による電磁弁を図1〜図4に示す。本実施形態の電磁弁1は、車両の自動変速機に用いられ、流体としての作動油の圧力制御を行うものである。
まず、電磁弁1の基本的構成を説明する。
図1に示すように、電磁弁1は、スリーブ10、スプール20、電磁アクチュエータ40及び案内部60等を備えている。
スリーブ10は、筒状に形成され、軸方向のコイルスプリング30側から順に、フィードバックポート11、入力ポート12、出力ポート13及び排出ポート14を有している。入力ポート12は、図示しない油圧ポンプに接続し、油圧ポンプから油圧が入力される。出力ポート13は、図示しない自動変速機の負荷に接続するとともに、図示しない油圧配管によりフィードバックポート11に接続している。排出ポート14は、大気開放されている。
【0014】
スプール20は、スリーブ10の内側に軸方向に往復移動可能に設けられている。スプール20は、外径がスリーブ10の内径よりも僅かに小さく形成された第1ランド21、第2ランド22及び第3ランド23を有している。また、スプール20は、第1ランド21及び第2ランド22よりも外径が小さく形成され、第1ランド21と第2ランド22とを接続する軸部24、及び第1ランド21と第3ランド23とを接続する接続部25を有している。軸部24の外壁には、径外側に突出する案内部60が設けられている。この案内部60については後述する。
第1ランド21と第2ランド22との間に出力ポート13又は排出ポート14と入力ポート12とを連通する連通室15が形成されている。また、接続部25の径外側にフィードバックポート11から油圧が供給されるフィードバック室16が形成されている。
【0015】
第1ランド21はスリーブ10の内壁と摺動し、入力ポート12を開閉する。第2ランド22はスリーブ10の内壁と摺動し、排出ポート14を開閉する。第1ランド21及び第2ランド22は、それぞれ、径方向に凹むノッチ27、28を有している。第3ランド23は、外径が第1ランド21及び第2ランド22の外径よりも小さく形成されている。スリーブ10は、第3ランド23の外径に対応し、フィードバックポート11のコイルスプリング30側の内径がフィードバックポート11の入力ポート12側の内径よりも小さく形成されている。このため、第3ランド23は、フィードバックポート11のコイルスプリング30側のスリーブ10の内壁に摺接する。
【0016】
コイルスプリング30は、一端がスリーブ10に固定された蓋部材31の凹部32に係止され、他端がスプール20の電磁アクチュエータ40と反対側の端部に設けられた凹部26に係止されている。コイルスプリング30は、スプール20を電磁アクチュエータ40側へ付勢している。
【0017】
電磁アクチュエータ40は、ヨーク41、固定コア42、可動コア43及びコイル44等から構成されている。
ヨーク41は、磁性体から筒状に形成されている。ヨーク41は、軸方向の一端がスリーブ10の径外側に設けられたフランジ17にかしめられ、軸方向の他端がカバー45にかしめられている。
固定コア42は、磁性体から形成されている。固定コア42は、可動コア43を収容する円筒状の収容部46、収容部46の一方に設けられ可動コア43を吸引する吸引部47、及び収容部46と吸引部47との間で収容部46よりも肉厚の薄い磁気絞り部48を有し、一体に形成されている。
可動コア43は、磁性体から形成され、固定コア42の収容部46の内側に軸方向へ往復移動可能に設けられている。
【0018】
コイル44は、固定コア42とヨーク41との間で、絶縁体から形成されたボビン49に巻回され、コネクタ50の端子51と電気的に接続している。
固定コア42の軸方向に形成された孔52にプランジャ53が軸方向に往復移動可能に設けられている。プランジャ53は、一端が可動コア43に当接し、他端がスプール20の端部に当接している。
コネクタ50からコイル44に電流が供給されると、コイル44は磁界を発生し、ヨーク41、固定コア42及び可動コア43により形成された磁気回路に磁束が流れる。これにより、固定コア42の吸引部47に可動コア43が磁力によって吸引される。すると、可動コア43に当接するプランジャ53が、コイルスプリング30の付勢力に抗してスプール20をコイルスプリング30側に変位させる。
【0019】
次に、本実施形態の特徴的な構成について説明する。
図3に示すように、軸部24の外壁には、径外側に突出する案内部60が設けられている。案内部60の径方向の外壁61は、第2ランド22側から第1ランド21側へ向かって径方向内側に傾斜し、第2ランド22側の外径よりも第1ランド21側の外径の小さいテーパ状に形成されている。案内部60の径方向の外壁61のテーパ角は、入力ポート12から流入する作動油を出力ポート13へ案内することの可能な角度に形成されている。このため、入力ポート12から流入する作動油は、案内部60の径方向の外壁61に案内され、矢印Aに示すように、出力ポート13の内壁に向かって流れる。
案内部60は、第2ランド側の円筒部分62の外径がスリーブ10の内径より僅かに小さく形成されている。円筒部分62の外径は、第1ランド21の外径及び第2ランド22の外径と略同じである。このため、入力ポート12から流入する作動油が第2ランド22の軸方向の第1ランド21側の外壁29に直接当たることが抑制される。
【0020】
図1及び図3は、電磁アクチュエータ40のコイル44に通電されていない状態を示している。この状態で、案内部60の円筒部分62は、出力ポート13の排出ポート14側の内壁よりも軸方向の入力ポート12側に位置している。これにより、入力ポート12と排出ポート14との連通状態が維持される。
一方、図2及び図4は、電磁アクチュエータ40のコイル44に通電された状態を示している。この状態で、案内部60の円筒部分62は、出力ポート13の入力ポート12側の内壁よりも軸方向の排出ポート14側に位置している。このため、入力ポート12と出力ポート13との連通状態が維持される。
【0021】
続いて、電磁弁1の作動について説明する。
電磁アクチュエータ40のコイル44に通電されていないとき、図1及び図3に示すように、第2ランド22は排出ポート14を開放している。このため、入力ポート12から供給される油圧は、スリーブ10の内壁と第1ランド21との隙間、又は第1ランド21のノッチ27から連通室15を経由し、排出ポート14から排出される。したがって、出力ポート13から油圧は出力されない。
【0022】
電磁アクチュエータ40のコイル44に通電されると、図2及び図4に示すように、可動コア43が固定コア42の吸引部47に吸引され、プランジャ53がスプール20をコイルスプリング30側に変位させる。これにより、第1ランド21は入力ポート12を開放する。また、第2ランド22は排出ポート14を閉塞し、入力ポート12と排出ポート14とが連通状態から遮断状態に移行する。このため、入力ポート12から供給される油圧は、連通室15を経由し、出力ポート13から図示しない自動変速機の負荷へ出力される。
電磁アクチュエータ40のコイル44に通電されていない状態から、通電された状態に切り替わるとき、入力ポート12から連通室15へ流入する作動油は、図3の矢印A及び図4の矢印Bに示すように、案内部60の径方向の外壁61に案内され、出力ポート13の排出ポート14側の内壁に向かって流れる。これにより、入力ポート12から連通室15へ流入する作動油が案内部60よりも第2ランド22側の連通室15へ直接流れることが抑制される。
【0023】
出力ポート13から図示しない自動変速機の負荷へ出力された油圧は、その一部がフィードバックポート11からフィードバック室16に供給される。第1ランド21と第3ランド23との外径の差分に相当する面積に作用する油圧と、コイルスプリング30の付勢力と、電磁アクチュエータ40の吸引力とのバランスによりスプール20が所定に位置に定位する。これにより、出力ポート13から出力される油圧が調節される。
【0024】
本実施形態では、電磁アクチュエータ40に通電され、入力ポート12から連通室15に流入する作動油は、案内部60によって出力ポート13へ案内される。このため、入力ポート12から流入する作動油の動圧が第2ランドの軸方向の第1ランド側の外壁29に作用することが抑制される。これにより、電磁アクチュエータ40がスプール20を移動する方向と逆向きに作用するフローフォースを低減することができる。したがって、電磁アクチュエータ40がスプール20を目標とする位相に速やかに移動させることが可能となり、電磁アクチュエータ40の通電に対し出力ポート13から出力される作動油の応答性を高めることができる。
【0025】
本実施形態では、案内部60の円筒部分62の外径は、第1ランド21の外径及び第2ランド22の外径と略同じに形成される。これにより、入力ポート12から流入する作動油が第2ランド22の軸方向の第1ランド21側の外壁29に直接当たることが抑制される。したがって、フローフォースを確実に低減することができる。
【0026】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による電磁弁の部分拡大図を図5に示す。以下、複数の実施形態において上述した第1実施形態と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、案内部70の径方向の外壁71は、径方向内側に凹み、かつ、軸方向第2ランド22側に凹む曲面状に形成されている。このため、入力ポート12から流入する作動油は、矢印Cに示すように、案内部70の曲面状の外壁71に沿って出力ポート13に確実に案内される。このため、入力ポート12から入力される作動油の動圧が第2ランド22の軸方向第1ランド21側の外壁29に作用することが抑制される。したがって、フローフォースを確実に低減することができる。さらに、案内部70の外壁71の形状は、連通室15を径方向に流れる作動油の動圧を受け難い。したがって、フローフォースを確実に低減することができる。
【0027】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態による電磁弁の部分拡大図を図6に示す。本実施形態では、案内部80の径方向の外壁81は、径方向外側に突出し、かつ、軸方向第1ランド21側に突出する曲面状に形成されている。このため、入力ポート12から流入する作動油は、矢印Dに示すように、案内部80の曲面状の外壁81に沿って出力ポート13の排出ポート14側の内壁に案内される。さらに、案内部80の外壁81の形状は、連通室15を軸方向に流れる作動油の動圧を受け難い。したがって、フローフォースを確実に低減することができる。
【0028】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態による電磁弁の部分拡大図を図7に示す。本実施形態では、案内部90は、円筒部分92よりも第2ランド22側に第2テーパ部93を有している。このような構成においても、入力ポート12から流入する作動油は、矢印Eに示すように、案内部90の外壁91に沿って出力ポート13に案内されるので、フローフォースを低減することができる。
【0029】
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態による電磁弁の部分拡大図を図8に示す。本実施形態では、スリーブ10は、入力ポート12及び出力ポート13を有し、排出ポートを有していない。スプール20の第1ランド21は入力ポート12を開閉する。第2ランド22は、出力ポート13の入力ポート12と反対側のスリーブ10の内壁と摺動する。
【0030】
本実施形態においても、スプール20が図8の左側に変位し、入力ポート12が開放されると、出力ポート13から油圧が出力される。このとき、入力ポート12から連通室15へ流入する作動油は、案内部60の径方向の外壁61に案内され、矢印Fに示すように、出力ポート13の内壁に向かって流れる。これにより、入力ポート12から流入する作動油の動圧が第2ランドの軸方向の第1ランド側の外壁29に作用することが抑制される。したがって、フローフォースを低減し、電磁弁の応答性を高めることができる。
【0031】
(他の実施形態)
上記複数の実施形態では、車両の自動変速機に用いられる電磁弁について説明した。これに対し、本発明は、油圧式のバルブタイミング調整装置等、作動油の油圧制御を行う種々の機器に用いてもよい。
上記複数の実施形態では、案内部の外径を第1ランドの外径及び第2ランドの外径と略同じに形成した。これに対し、本発明は、案内部の外径を第1ランドの外径及び第2ランドの外径よりも小さく形成しても良い。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、上記複数の実施形態を組み合わせることに加え、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0032】
1 ・・・電磁弁、
10 ・・・スリーブ、
12 ・・・入力ポート、
13 ・・・出力ポート、
14 ・・・排出ポート、
20 ・・・スプール、
21 ・・・第1ランド、
22 ・・・第2ランド、
24 ・・・軸部、
30 ・・・コイルスプリング、
40 ・・・電磁アクチュエータ、
60、70、80、90・・・案内部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体圧の入力される入力ポート、流体圧を出力する出力ポート、及び流体を排出する排出ポートを有する筒状のスリーブと、
前記スリーブの内壁に摺動し前記入力ポートを開閉する第1ランド、前記スリーブの内壁に摺動し前記排出ポートを開閉する第2ランド、及び前記第1ランドと前記第2ランドとを接続する軸部を有し、前記スリーブの内側に軸方向に往復移動可能に設けられるスプールと、
前記スプールを軸方向に移動することで前記入力ポートと前記排出ポートとの連通又は遮断を切り替え、前記出力ポートから出力される流体圧を制御する電磁アクチュエータと、
前記スプールの前記軸部の径外側に突出し、前記入力ポートから流入する流体を前記出力ポートへ案内する案内部と、を備えることを特徴とする電磁弁。
【請求項2】
前記案内部の径方向の外壁は、前記第2ランド側から前記第1ランド側に向かい、径方向内側に傾斜するテーパ状であることを特徴とする請求項1に記載の電磁弁。
【請求項3】
前記入力ポートから流入する流体が前記第2ランドの軸方向の前記第1ランド側の外壁に直接当たることを抑制することが可能な程度に、前記案内部は、前記第2ランド側の外径が前記スリーブの内径より僅かに小さく形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の電磁弁。
【請求項4】
前記案内部の径方向の外壁は、径方向内側及び軸方向前記第2ランド側に凹む曲面状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電磁弁。
【請求項5】
前記案内部の径方向の外壁は、径方向外側及び軸方向前記第1ランド側に突出する曲面状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電磁弁。
【請求項6】
流体圧の入力される入力ポート、及び流体圧を出力する出力ポートを有する筒状のスリーブと、
前記スリーブの内壁に摺動し前記入力ポートを開閉する第1ランド、前記スリーブの内壁に摺動する第2ランド、及び前記第1ランドと前記第2ランドとを接続する軸部を有し、前記スリーブの内側に軸方向に往復移動可能に設けられるスプールと、
前記スプールを軸方向に移動させることで前記入力ポートと前記出力ポートとの連通状態を切り替え、前記出力ポートから出力される流体圧を制御する電磁アクチュエータと、
前記スプールの前記軸部の径外側に突出し、前記入力ポートから流入する流体を前記出力ポートへ案内する案内部と、を備えることを特徴とする電磁弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−236964(P2011−236964A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−108299(P2010−108299)
【出願日】平成22年5月10日(2010.5.10)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】