説明

電話通信端末

【課題】複数の通信用回線を収容可能な主装置部に対して通信路を通じて接続されて通信を行なう電話通信端末として、少ない操作キーであっても、多数の電話用通信回線に対応することができ、かつ、使い勝手の良いものを提供する。
【解決手段】通信用回線の回線状態が割り付けられた操作キーを設ける。操作キーが操作されたときに、操作キーに割り付けられている回線状態となっている通信用回線の一覧を、回線状態に関する種別の一覧により、表示画面に表示するように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、いわゆるビジネスホンシステムの電話通信端末に関し、特に、無線LANを用いて主装置部と無線接続される電話通信端末に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
ビジネスホンシステムとしてボタン電話システムが普及している。このボタン電話システムに用いられているボタン電話端末は、一般に、ダイヤル用のテンキーの他、主装置部が収容する複数の通信用回線のそれぞれに対応して設定される複数個の外線キーや、各種機能などを自由に設定可能な複数個の機能キーなどの複数個の操作キー(以下、この操作キーをフレキシブルキーという)を備える。
【0003】
そして、従来のボタン電話端末においては、フレキシブルキーの内部にLED(Light Emitting Diode;発光ダイオード)やランプをそれぞれ備えた自照式としたり、それぞれのフレキシブルキーの近傍にLEDやランプを配置したりして、その使用状態を、LEDやランプの点灯、消灯、点滅、発光色などにより、区別して表示するようにしている。
【0004】
例えば、外線が割付設定されたフレキシブルキー(外線キー)の場合であれば、対応する電話回線の使用中、空き、保留中、着信中などの回線状態を、LEDの点灯、消灯、点滅、発光色などにより、区別して表示することにより、これらの外線キーを操作して、対応する電話回線の捕捉などをするユーザのサポートをするようにしている(例えば特許文献1(特開昭64−82732号公報)、特許文献2(特開昭63−242096号公報)、特許文献3(特開平5−227263号公報)等参照)。
【0005】
ところで、無線LAN(Local Area Network)を利用して、上述のようなビジネスホンシステムを構築する試みがなされている。この無線LANを利用するビジネスホンシステムで用いる無線電話通信端末は、電池で動作するものとなるが、この無線電話通信端末に、従来のボタン電話端末と同様にして複数のフレキシブルキーおよびLEDを設けるようと、次のような問題が生じる。
【0006】
LEDの消費電力は比較的大きく、回線数や設定機能数に応じた複数個のフレキシブルキーに対応して複数個のLEDを設けると、その数だけ消費電力が増加し、電池の消耗が大きく、長時間待機することができない。特に、フレキシブルキーが外線キーの場合、一般に、他の端末が使用中であることは、LEDの点灯により表示するようにしており、自端末が使用されていなくても、他の端末が使用されることで、LEDが点灯し、電力を消費してしまうので、充電なしで使用可能な時間が非常に短くなってしまうという問題がある。
【0007】
前述の特許文献3の場合には、何等かのトリガーによりLEDを点灯表示させ、一定時間経過後に消灯することで、消費電力の低減を図る方法が示されている。この特許文献3の方法を適用すれば、無線電話端末を使用しないときはLEDを消灯して電力を無駄に消費しないようにすることできる。
【0008】
しかしながら、特許文献3の方法では、実際に使用するときには、何か操作し、通信をすることで、主装置が収容している複数の電話通信用回線について、最新の回線状態等を得て更新しないと、そのときの実際の回線状態等が確認できないという問題がある。このため、外線ボタンに対応する他端末の使用表示が正しく行なわれておらず、使用しようと思った外線ボタンを押したら、他端末により使用中であったという事態が発生するおそれがある。
【0009】
また、主装置部で収容回線数が多くなったり、設定機能を多くしたりしたときには、要求される数のフレキシブルキーを電話端末のパネル面に設置しきれなくなり、ビジネスホンの収容回線数や機能数が制限されてしまうという問題がある。特に、無線電話通信端末は、小型軽量が要求されるため、この問題は大きい。
【0010】
これに対して、特許文献4(特開平8−97898号公報)や特許文献5(特開2000−32520公報)には、複数個のフレキシブルキーのそれぞれに割り付けられる回線や機能を、複数ページ分、設定するようにして、複数個のフレキシブルキーに設定される回線数や機能数を、フレキシブルキー数のページ数倍に増加させる発明が提案されている。これによれば、少ないフレキシブルキー数で、多数の回線数や機能数の設定が可能となる。
【0011】
また、上記の特許文献は、次の通りである。
【特許文献1】特開昭64−82732号公報
【特許文献2】特開昭63−242096号公報
【特許文献3】特開平5−227263号公報
【特許文献4】特開平8−97898号公報
【特許文献3】特開2000−32520公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上述の特許文献4や特許文献5に記載の発明の場合、各フレキシブルキーには、ページを変えて、1つの回線あるいは1つの機能が設定されるものであるため、各ページを参照しないと、そのページにおいて割り付けられている回線の状態を知ることができない。
【0013】
このため、例えば、空き外線の検知のために複雑な操作が必要になったり、自分の電話通信端末への個別着信など特定の回線の着信を取るのに手間がかかったりなど、使い勝手が悪いという問題がある。
【0014】
以上のことにかんがみ、この発明は、複数の通信用回線を収容可能な主装置部に対して通信路を通じて接続されて通信を行なう電話通信端末として、少ない操作キーであっても、多数の電話用通信回線に対応することができ、かつ、使い勝手の良いものを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を解決するために、この発明による電話通信端末は、
複数の通信用回線を収容可能な主装置部に対して通信路を通じて接続されて、前記通信用回線を通じて通信を行なう電話通信端末において、
前記通信用回線の回線状態が割り付けられた操作キーと、
表示画面を備える表示素子と、
前記操作キーが操作されたときに、前記操作キーに割り付けられている回線状態となっている前記通信用回線の一覧を、前記回線状態に関する種別の一覧により、前記表示画面に表示するように制御する表示制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0016】
上述の構成のこの発明によれば、回線数に応じた複数個の操作キーを設けるのではなく、回線状態が割り付けられた操作キーを設け、当該操作キーを操作すると、割り付けられた回線状態となっている回線のグループの一覧が表示される。そして、その一覧は、当該割り付けられた回線状態に関する種別の一覧として表示される。
【0017】
例えば、割り付けられた回線状態が外線の空き状態であるときには、その回線種別の一覧が表示される。ユーザは、その一覧から、例えば自分が使用したい回線種別の回線を選択することができ、非常に使い勝手が良い。
【0018】
そして、この発明によれば、割り付けられた回線状態となっている回線のグループに対して、1つの操作キーを設ければよいので、回線数に応じた数の複数の操作キーを設ける場合に比べて、少ない操作キーを設けるだけでよく、また、主装置部が収容する回線数を増加する場合にも、操作キーを増加させる必要はない。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、回線数に応じた数の複数の操作キーを設けるのではなく、回線状態を割り付けた操作キーを設けるだけでよいので、操作キーを少なくすることができる。しかも、主装置部に収容される回線数が増加しても、操作キー数を増加させる必要はない。
【0020】
そして、ユーザは、回線状態が割り付けられた操作キーを操作するだけで、当該回線状態になっている回線の一覧が見られるので、操作が簡単で、使い勝手の良い電話通信端末を実現することができる。さらに、回線の一覧は、回線状態に関する種別により表示されるので、ユーザにとっては、非常に使い勝手が良くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、この発明による電話通信端末の実施形態を、無線LANを用いて、主装置部と複数の電話端末の間を、無線通信路を通じて接続するようにするビジネスホンシステムに用いた場合を例に、図を参照しながら説明する。
【0022】
図1は、この発明による電話通信端末の実施形態が用いられたビジネスホンシステムの全体の構成例を示すブロック図である。この例で用いる無線LANは、IEEE802.11規格に準拠しており、通話音声情報や呼制御のための情報の他、全ての情報はパケット化されて送受される。この例においては、この発明による電話通信端末の実施形態は、パケット電話機として構成される。
【0023】
この例のビジネスホンシステムは、主装置部1と、この主装置部1と無線LAN3を通じて無線接続される複数個のパケット電話機2とから構成されている。
【0024】
主装置部1は、無線LAN用アクセスポイント装置10(以下、単にアクセスポイント装置という)と、サーバ装置12と、ゲートウエイ13とを備えて構成されている。アクセスポイント装置10は、有線LAN11を通じてサーバ装置12に接続されている。
【0025】
サーバ装置12は、この例のビジネスホンシステムの場合には、電話通信中継交換装置の役割をもするものであり、ゲートウエイ13を通じて外部ネットワーク、この例においては、公衆交換電話網(PSTN;Public Switched Telephone Network)14にも接続される。なお、外部ネットワークには、インターネットをも含むものである。
【0026】
この例においては、主装置部1は、電話通信用として、複数回線分を収容可能とされており、サーバ装置12は、収容している電話通信用回線のそれぞれに識別情報(例えば回線番号)を付与して管理している。そして、この例においては、収容する電話通信用回線としては、アナログ回線、ISDN(Integrated Service Digital Network;総合デジタル通信網)回線、VoIP(Voice over Internet Protocol)回線(以下、IP回線という)など、複数種の回線を収容可能であり、各回線番号に対応して、その回線の回線種別も登録されて記憶管理されている。
【0027】
そして、例えば、ある回線に着信があると、サーバ装置12は、当該着信があった回線の識別情報と共に、着信通知をアクセスポイント装置10を通じてすべてのパケット電話機2に通知するようにする。この場合、サーバ装置12は、着信種別、すなわち、ビジネスホンシステム内のパケット電話機を特定しない一般着信であるか、特定のパケット電話機2に宛てられた個別着信であるか、CES着信であるかを判別して、それらの判別結果の着信通知に含めて、パケット電話機に渡すようにする。
【0028】
なお、一般着信やCES着信の場合には、着信通知のパケットは、サーバ装置12からアクセスポイント装置10へはマルチキャストパケットにより送られるが、個別着信の場合には、その着信通知のパケットは、サーバ装置12からアクセスポイント装置10へは、着信相手のパケット電話機2を特定したユニットキャストパケットにより送られる。
【0029】
ここで、CES着信とは、電話番号に4桁の番号を付加することで、電話局経由で事業者間同士で外線通話を行なう場合の着信である。
【0030】
パケット電話機2は、着信通知に含まれる回線の識別情報から、いずれの回線に着信があったかを検出し、当該着信があった回線に対する着信通知表示を、後述するようにして行なう。
【0031】
また、パケット電話機2からの主装置部1への回線捕捉要求には、当該回線捕捉要求する回線の識別情報が付加される。サーバ装置12は、当該付加されている回線識別情報からいずれの回線への捕捉要求であるかを検出して、捕捉処理を行なう。
【0032】
アクセスポイント装置10に対しては、複数個のパケット電話機2のそれぞれに内蔵される無線LAN用端末側ステーション装置部(以下、単にステーション装置部という)20が、それぞれ無線リンクにより接続される。アクセスポイント装置10と複数個のステーション装置部20との間で形成される無線リンクは、無線LAN3を構成する。
【0033】
そして、この例では、各パケット電話機2においては、ステーション装置部20は、電話機部30に接続される。また、この例では、パケット電話機2は、電源として、例えば充電式のバッテリー40を用いるものとして構成されており、省電力化のため、通信を行なっていないときには、スタンバイ状態を間に挟んで、一定周期で、間欠受信状態を繰り返すように構成されている。
【0034】
サーバ装置12は、無線LAN3にステーション装置部20を介して接続されるパケット電話機2のそれぞれについての、無線LAN3上のアドレス情報を管理している。そして、サーバ装置12は、無線LAN3を通じた電話通信の通話路を管理する。例えば、サーバ装置12は、外部ネットワーク4に接続された複数の通信用回線のそれぞれについて、当該通信用回線を通じた他の電話端末と、アクセスポイント装置10、無線LAN3を介したパケット電話機2との間の通話(外線通話)について、通信制御および管理する。
【0035】
また、サーバ装置12は、管理しているアドレス情報を用いて、複数台のパケット電話機2のいずれか一つのパケット電話機と、他の一つのパケット電話機2との間での、無線LAN3およびサーバ装置12を通じた内線通話についての通信制御および管理をも行なうようにしている。
【0036】
サーバ装置12は、例えば外部ネットワーク4を通じて、複数の通信用回線のいずれかに、相手方から着信があったときには、当該回線に着信があったことを知らせる着信通知のパケット(着信通知の情報と、当該着信のあった回線の識別情報と、前述した着信種別の情報を含む)を、マルチキャストによりアクセスポイント装置10に送る。前述したように、個別着信の場合には、ユニキャストによりアクセスポイント装置10に着信通知を送る。
【0037】
アクセスポイント装置10は、この例では、この着信通知のパケットは、重要パケットと判断して、その着信通知のマルチキャストパケットはユニキャストのパケットに変換し、無線LAN3を通じて配下のパケット電話機2のステーション装置部20の全てに送る。
【0038】
ステーション装置部20のそれぞれは、当該着信をパケット電話機2の電話機部30に転送する。電話機部30は、当該着信を、パケット電話機2のユーザに、例えばベル鳴動などにより通知すると共に、受け取った回線の識別情報に基づく、当該回線に着信があったことを後述するようにして表示してユーザに知らせる。
【0039】
いずれかのパケット電話機2のユーザがこの着信に応答すると、その応答メッセージが、当該応答のあったパケット電話機2から、そのステーション装置部20を通じ、無線LAN3を通じてアクセスポイント装置10に伝送される。
【0040】
アクセスポイント装置10は、この応答をサーバ装置12に送り、サーバ装置12は、この応答をゲートウエイ13および着信があった通信用回線通じて外部ネットワーク4に送出し、相手方に通知する。これにより、無線LAN3を通じた通話路が形成され、無線LAN3を通じて音声パケットの伝送がなされて通話がなされる。
【0041】
複数台のパケット電話機2のいずれかのユーザが、前記複数の通信用回線のいずれかを捕捉して発信の操作をした場合には、上述とは逆の経路で、発信の相手先に着信され、当該発信の相手先が応答すれば、無線LAN3を通じた通話路が形成され、無線LAN3を通じて音声パケットの伝送がなされて通話がなされる。
【0042】
サーバ装置12は、上述のようにして着信応答により生成された通話路や、発呼により生成された通話路を管理しており、無線LAN3を通じて、当該通話路が生成されている通信用回線の状態情報を、パケット電話機2の全てに、回線状態の通知用パケットとして生成し、マルチキャストのパケットとしてアクセスポイント装置10に送る。
【0043】
アクセスポイント装置10は、この例では、この回線状態の通知用パケット(この明細書では着信通知のパケットを含むものとする)を重要パケットと判断して、マルチキャストパケットとされている、その回線状態の通知用パケットをユニキャストパケットに変換し、無線LAN3を通じて配下の全てのパケット電話機2に、そのステーション装置部20を通じて送る。回線状態の通知用パケットを受け取った各パケット電話機2は、後述するように、当該通知用パケットを解析し、その解析結果に応じて後述するような、着信表示や当該通信用回線について他端末が外線使用中の表示などを行なってユーザに通知するようにする。
【0044】
なお、通話音声のパケットは、特定の相手先を指定するパケットであり、ユニキャストパケットとされるものである。なお、マルチキャストで送られる情報は、上述のような着信パケットや、回線状態の通知用パケットだけではないことは言うまでもない。
【0045】
この実施形態では、着信や外線使用中などの回線状態の通知用パケットなどのように、マルチキャストのパケットであっても、パケット電話機2に対して必ず到達させたいパケットは、重要パケットとして、他のマルチキャストのパケットとは区別するようにする。
【0046】
そして、この実施形態では、マルチキャストパケットのうちの、重要でないものはそのままマルチキャストで無線LAN3に送出するが、重要なものは、上述したように、アクセスポイント装置10において、配下の全てのパケット電話機2のステーション装置部20に宛てたユニキャストパケットに変換して、全てのパケット電話機2に確実に到達させるようにしている。
【0047】
アクセスポイント装置10は、サーバ装置12と、パケット電話機2のステーション装置部20との間におけるパケットの送受の中継を、主として行なうものであるが、この実施形態では、上述の点を実現するために、単に、パケットの送受の中継機能だけではなく、上述のマルチキャストパケットをユニキャストパケットに変換する機能のために、次のような、処理機能を備える。
【0048】
すなわち、アクセスポイント装置10は、パケットがマルチキャストパケットか、ユニキャストパケットかを識別する機能と、パケットの種別やパケットにより送受されるデータの種別などを判別する機能とを備えると共に、サーバ装置12からマルチキャストのパケットを受け取ったときに、そのパケット種別あるいはデータ種別が、重要なものとして予め定められた特定の種別のパケットやデータのときには、サーバ装置12から受け取ったマルチキャストのパケットを、ユニキャストのパケットに変換する機能を備えている。
【0049】
アクセスポイント装置10は、無線LAN3を通じて接続される配下の複数のステーション装置部20(延いては各パケット電話機2)のアドレスやポート番号を管理しており、マルチキャストのパケットをユニキャストのパケットに変換するときには、それらの管理データを用いて、管理している配下の全てのステーション装置部20に対するユニキャストパケットを生成して、それらを配下の全てのステーション装置部20に送るようにする。
【0050】
なお、この実施形態では、パケット電話機2は間欠受信をするため、当該パケット電話機2がスタンバイ状態のときには、ユニキャストパケットに対する受信確認情報をアクセスポイント装置10は得られず、当該ユニキャストパケットは、未送達のユニキャストパケットとなる。
【0051】
この未送達のユニキャストパケットは、IEEE802.11規格に準拠した未送達の通知方法を用いることにより、確実に宛先のパケット電話機2にステーション装置部20を通じて送ることができる。
【0052】
次に、この実施形態の無線LANシステムを構成するアクセスポイント装置10およびステーション装置部20を含むパケット電話機2の詳細な構成例および動作例を説明する。
【0053】
<アクセスポイント装置10のハードウエア構成>
図2は、主装置部1のアクセスポイント装置10のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【0054】
この例のアクセスポイント装置10は、例えばマイクロコンピュータからなる制御部101と、有線LANインターフェース(図ではインターフェースはI/Fと記載する。以下同じ)102と、送信用処理回路103と、受信用処理回路104と、送信アンプ105と、受信アンプ106と、アンテナ切換回路107と、送受信アンテナ108と、送受信アンテナ109とを備えて構成される。
【0055】
有線LANインターフェース102は、この例では、有線LAN11を通じてサーバ装置12に接続されている。2個の送受信アンテナ108および109は、ダイバーシティアンテナを構成するもので、無線LAN3を通じてのパケットの送受を行なうためのものである。
【0056】
アクセスポイント装置10では、有線LANインターフェース102を通じて得たサーバ装置12からの送信用パケットを、制御部101の制御に応じて送信用処理回路103およびアンプ105、また、アンテナ切換回路107を介して送受信アンテナ108または109の一方に供給して、ステーション装置部20に対して無線送信する。
【0057】
また、送受信アンテナ108または109の一方を通じて受信したステーション装置部20からのパケットは、アンテナ切換回路107およびアンプ106を通じて受信用処理回路104に供給される。そして、受信用処理回路104からのパケットは、制御部101に供給される。制御部101は、受信したパケットを、有線LANインターフェース102および有線LAN11を通じてサーバ装置12に送出する。
【0058】
制御部101は、マイクロコンピュータにより構成されるもので、例えば、図2に示すようなブロック構成とされる。すなわち、CPU(Central Processing Unit)110に対して、システムバス111を介して、ROM(Read Only Memory)112と、RAM(Random Access Memory)113と、パケット分解/生成部114と、無線端末情報管理部115と、受信バッファ116と、送信バッファ117と、ビーコン生成部118と、送信態様判別部119と、情報種別判別部120と、送信情報生成部121とが接続されている。
【0059】
図2では、省略したが、有線LANインターフェース102に接続されるポートや、送信用処理回路103、受信用処理回路104と制御情報や送受信情報のやり取りを行なうポートなども、制御部101は、備えるものである。
【0060】
パケット分解/生成部114は、インターフェース102により取り込んだパケット化データを分解して、パケットヘッダを分離し、送信態様判別部119や情報種別判別部120に転送する機能と、送信するデータをパケット化して送出するパケットデータを生成する機能を有する。このパケット分解/生成部114は、パケットデータを分解したり、生成したりするためのバッファメモリを備える。
【0061】
無線端末情報管理部115は、無線LAN3を通じて接続される配下のパケット電話機2のステーション装置部20のアドレス情報やポート番号を記憶して管理する。
【0062】
受信バッファ116は、有線LANインターフェース102を通じて受け取ったパケットデータや、無線LAN3から受け取ったパケットデータを一時格納するためのものである。
【0063】
送信バッファ117は、配下のパケット電話機2(ステーション装置部20)のそれぞれについて、当該パケット電話機2に対して送出すべきパケットを待ち行列として順次に蓄積してゆく送信キューを備える。当該パケット電話機2に送られていない未送達のパケットが、それぞれの送信キューに登録される。
【0064】
ビーコン生成部118は、主として、ステーション装置部20がアクセスポイント装置10をサーチし、自装置をアクセスポイント装置10に登録するための等に用いられる特定の電波、すなわち、ビーコンを、一定周期、例えば100ミリ秒周期で生成し、生成したビーコンをパケット分解/生成部114でパケット化して、無線LAN3に送出するようにする。
【0065】
そして、ビーコン生成部118は、送信バッファ117に未送達のパケットがあるときには、当該未送達のパケットがあるパケット電話機2のステーション装置部20宛てに、未送達のパケットをあることを通知する情報を重畳したビーコンを生成する。ステーション装置部20は、間欠受信において、当該ビーコンを受信することにより、自分宛ての未送達のパケットがあることが知る。
【0066】
送信態様判別部119は、この例では、パケットヘッダに含まれるアドレス情報を識別して、パケットがマルチキャストか、ユニキャストかを判別する。すなわち、パケットヘッダのアドレス情報としては、ユニキャスト用のものと、マルチキャスト用のものとが予め定められており、例えばマルチキャスト用のアドレス情報が送信態様判別部119には記憶されている。したがって、送信態様判別部119は、パケットヘッダのアドレス情報を認識し、認識したアドレス情報と、記憶されているアドレス情報とを比較することにより、マルチッキャストのパケットかユニキャストのパケットかを認識することができる。
【0067】
情報種別判別部120は、この例では、パケットヘッダに含まれるポート番号を認識することにより、データの種別あるいはパケットの種別を判別する。すなわち、ポート番号は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)に準拠して定められるもので、音声情報、データ、制御情報などのデータに種別ごとに、あるいは、パケットの種別ごとに、別々のポート番号が割り当てられている。また、ユーザが、未定義のポート番号に、着信通知、他使用中や保留中などの回線状態の通知等のパケット種別やデータ種別を割り当てることもできるようにされている。
【0068】
そこで、この実施形態の情報種別判別部120では、例えば、着信通知、他使用中や保留中などの回線状態の通知等などの重要なマルチキャストパケットの情報について、それらに割り当てられているポート番号を記憶しており、受信したマルチキャストパケットのパケットヘッダに含まれるポート番号を認識して、当該認識したポート番号と、記憶したポート番号とを比較することで、受信したマルチキャストパケットが、例えば着信通知のパケットや、回線状態の通知パケットなどの重要な情報パケットであるどうかを判別するようにする。
【0069】
送信情報生成部121は、通常は、有線LANインターフェース102を通じて受け取ったパケットを、送信情報として、そのまま用いるようにする。しかし、送信態様判別部119で、サーバ装置12から有線LANインターフェース102を通じて受け取ったパケットがマルチキャストパケットであり、かつ、この実施形態では、情報種別判別部120で、着信通知やランプ情報のような重要情報のパケットであると判別したときには、マルチキャストパケットをユニキャストパケットに変換して送出するようにする。
【0070】
このとき、前述したように、送信情報生成部121は、1個のマルチキャストパケットに対して、無線端末情報管理部115を検索して、配下のパケット電話機2のステーション装置部20の全てに対する複数個のユニキャストパケットを生成する。
【0071】
なお、ビーコン生成部118、送信態様判別部119の判別機能、情報種別判別部120の判別機能は、ROM112に記憶されているソフトウエアプログラムに基づいてCPU110がRAM113をワークエリアとして用いて行なうソフトウエア処理とすることができる。
【0072】
<パケット電話機2のステーション装置部20のハードウエア構成>
ステーション装置部20の基本的なハードウエア構成は、アクセスポイント装置10とほぼ同様の構成を有する。図3に、ステーション装置部20の構成例のブロック図を示す。
【0073】
すなわち、ステーション装置部20は、例えばマイクロコンピュータを備えて構成される制御部201と、端末インターフェース202と、送信用処理回路203と、受信用処理回路204と、送信アンプ205と、受信アンプ206と、アンテナ切換回路207と、送受信アンテナ208および209とを備えている。
【0074】
端末インターフェース202は、この例では、電話機部30に接続されている。送受信アンテナ208および209は、無線LAN3を通じてのパケットの送受を行なうためのものである。
【0075】
ステーション装置部20は、端末インターフェース202を通じて、電話機部30からの呼設定メッセージのパケットや通話音声情報のパケットを、送受信アンテナ208または209を通じてアクセスポイント装置10に送信する。また、アクセスポイント装置10からの受信パケットを、端末インターフェース202を通じて電話機部30に送る。
【0076】
そして、制御部201は、この実施形態では、図3に示すようなブロック構成とされる。すなわち、CPU210に対して、システムバス211を介して、ROM212と、RAM213と、パケット分解/生成部214と、受信バッファ215と、送信バッファ216と、間欠受信管理部217とが接続されている。
【0077】
パケット分解/生成部214は、無線LAN3を通じて取り込んだパケット化データを分解して、自分宛ての制御データや音声データを得る機能と、端末インターフェース202からの送信する制御データや音声データをパケット化して送出するパケット化データを生成する機能を有する。
【0078】
受信バッファ215は、端末インターフェース202を通じて受け取ったパケットデータや、無線LAN3から受け取ったパケットデータを一時格納するためのものである。
【0079】
送信バッファ216は、送信しようとするパケットデータを一時格納しておくためのもので、送信情報のパケットを順次に待ち行列として蓄積してゆく送信キューを備える。
【0080】
また、間欠受信管理部217は、当該パケット電話機2が通信を行なっていないときに、一定周期で、間欠受信状態を実行すると共に、間欠受信状態と間欠受信状態との間は、スタンバイ状態となって、バッテリー40の電力消費を抑えるようにする。スタンバイ状態では、次の間欠受信状態に復帰するため、また、電話機部30におけるユーザの発呼操作に応じて、パケット電話機2が立ち上がってアクティブ状態になるのに必要な部位にのみ、バッテリーから電源電圧が供給されており、非常に小さい消費電流とされている。
【0081】
間欠受信管理部217は、ステーション装置部20についての電源系を制御するだけでなく、電話機部30の後述するCPU310を介在して、電話機部30の電源系をも制御することができるようにしている。すなわち、パケット電話機2をスタンバイ状態にするときには、その旨を端末インターフェース202を通じて電話機部30に通知すると共に、アクティブ状態に立ち上がるときには、その旨を端末インターフェース202を通じて通知するようにする。電話機部30のCPU310は、これらの通知に応じて、電話機部30の電源系を制御して、省電力を実現する。
【0082】
間欠受信を実行する周期は、目的とする省電力量に応じたものとされるが、無線LANの場合には、例えば、アクセスポイント装置10から発生するビーコンの発生周期の2倍以上とされる。例えば、ビーコンの発生周期の4倍(この例では400ミリ秒)とされている。パケット電話機2がスタンバイ状態から間欠受信状態になったときに、アクセスポイント装置10からのビーコンを少なくとも一回は、受信することができるようにする必要があるため、ビーコン周期と同じ周期では省電力化することができないからである。
【0083】
間欠受信において、アクセスポイント装置10からのビーコンを受信したときに、当該ビーコンに自装置宛の未送信パケットがあることを示す通知が重畳されていることを認識したときには、ステーション装置部20の間欠受信管理部217は、自パケット電話機2をスタンバイ状態からアクティブ状態に立ち上げ、自パケット電話機2が立ち上がったことを、アクセスポイント装置10に通知するようにする。
【0084】
アクセスポイント装置10は、パケット電話機2についての立ち上がりの通知を受けると、当該立ち上がったパケット電話機宛ての未送信のパケットをユニキャスト送信するようにする。これに対して、パケット電話機2のステーション装置部20は、受信確認情報をアクセスポイント装置10に返し、受信確認をアクセスポイント装置10に知らせる。その後は、パケット電話機2では、やり取りした未送信パケットの内容に応じた処理がなされることになる。
【0085】
<パケット電話機2の電話機部30のハードウエア構成例>
図4に、この実施形態のパケット電話機2の電話機部30の内部ハードウエア構成例を示す。また、図5に、この実施形態のパケット電話機2の概観構成例を示す。
【0086】
図4に示すように、電話機部30は、コンピュータを備えて構成されており、CPU310に対して、システムバス311を介して、ROM312と、RAM313と、ディスプレイコントローラ314と、操作入力インターフェース316と、ステーションインターフェース318と、パケット分解/生成部319と、音声データ入出力インターフェース320と、LED駆動制御部321と、回線状態記憶保持部327と、フレキシブルキー設定記憶保持部328とが接続されている。
【0087】
ディスプレイコントローラ314には、この例ではLCD(Liquid Crystal Display;液晶ディスプレイ)315が接続されており、このLCD315の表示画面315Dには、後述するように、CPU310の制御にしたがった表示が行われる。
【0088】
図5に示すように、この実施形態のパケット電話機2は、ノンロック式の押しボタンからなり、LED61を内蔵する自照式のフレキシブルキーの複数個、図5の例では、4個のフレキシブルキーFK1,FK2,FK3,FK4を備える。この例では、LED61は、赤色および緑色の2色で切替表示することができるLEDが用いられている。
【0089】
そして、後述するように、この実施形態では、これらのフレキシブルキーFK1,FK2,FK3,FK4のそれぞれには、主装置部1に収容される複数個の通信用回線の、例えば「着信中」、「外線空き」、「保留中」などの回線状態やパケット電話機2が備える機能が割り付けられる。
【0090】
そして、LCD315の表示画面315Dには、これらの複数のフレキシブルキーFK1,FK2,FK3,FK4のいずれもが操作されていないときには、これらの複数のフレキシブルキーFK1,FK2,FK3,FK4のそれぞれに対応するようにされているキー割付表示シンボル62の複数個が表示される。キー割付表示シンボル62は、この例では、フレキシブルキーFK1,FK2,FK3,FK4に割り付けられた「着信」、「外線」、「保留」などの回線状態を示す文字表示および「機能」の文字表示からなる。
【0091】
この例では、図5に示すように、フレキシブルキーFK1,FK2,FK3,FK4のそれぞれの下側と、キー割付表示シンボル62の下側には、対応するもの同士で同一の数字番号を付して、フレキシブルキーFK1,FK2,FK3,FK4とキー割付表示シンボル62との対応付けの認識を、ユーザが容易にできるようにしている。なお、この対応付けのための数字番号は、下側ではなく、横にあっても、上にあってもよく、要は、両者の対応付けが分かるような位置であれば、何処でもよい。
【0092】
ここで、フレキシブルキーFK1〜FK4のそれぞれに対して、回線状態のいずれが割り付け設定されるか、あるいは機能が割り付け設定されるかは、予め固定的に定められていても良いが、この実施形態では、フレキシブルキーFK1〜FK4のそれぞれに対して、ユーザが任意に割り付け設定ができるようにされている。
【0093】
そして、LCD画面315Dには、フレキシブルキーFK1〜FK4のそれぞれに割付設定された回線状態や機能に応じたキー割付表示シンボル62が、CPU310の制御の下に表示される。
【0094】
複数個のフレキシブルキーFK1〜FK4のそれぞれに対する回線状態や機能の割付設定は、この実施形態のビジネスホンシステムの設置工事の際に、オペレータが行なうことができる。また、後の時点において、ユーザが、パケット電話機2が備えるメニューから「設定」の項目を選択して、当該「設定」において、行なうことができるように構成されている。
【0095】
複数個のフレキシブルキーFK1〜FK4のそれぞれに、どの回線状態あるいは機能が割付設定されたかの設定情報は、フレキシブルキー設定記憶保持部328に保持される。各フレキシブルキーFK1〜FK4の設定内容が変更されたときには、フレキシブルキー設定記憶保持部328に保持されている設定情報が、その変更に応じて更新される。
【0096】
このフレキシブルキーFK1,FK2,FK3,FK4に対する設定および操作、また、それらに関連するLED61の表示やLCD画面315Dの表示内容に関する説明は、後でさらに詳述する。
【0097】
操作入力インターフェース316には、操作入力部317が接続されている。この操作入力部317は、図5に示すように、複数個のフレキシブルキーFK1〜FK4の他、テンキー51と、上キー52、下キー53、左キー54、右キー55および決定キー56からなるカーソルキーや、保留キー57、応答キー58などの操作キーを含む。
【0098】
CPU310は、操作入力インターフェース316を介して操作入力部317を通じて使用者がいずれの操作キーを操作したかを認識し、その認識結果に基づいて、キー入力操作に応じた処理をROM312のプログラムに従って実行する。
【0099】
ROM312には、主装置部1から受信した回線状態の情報に応じたLED61やLCD315の表示画面315Dの表示制御のプログラム、無線LAN3を通じた発信時や着信時の処理シーケンスを実行するプログラム、その他の処理を実行するためのプログラムなどが記憶されている。RAM313は、主としてROM312のプログラムがCPU310によって実行される際にワークエリアとして使用される。
【0100】
ステーションインターフェース318は、ステーション装置部20に接続され、当該ステーション装置部20を通じて送られてくるパケット化データを取り込み、また、ステーション装置部20にパケット化データを送出するための機能を備える。
【0101】
パケット分解/生成部319は、インターフェース318により取り込んだパケット化データを分解して、回線状態の情報、制御データや音声データを得る機能と、送信する制御データや音声データをパケット化して送出するパケット化データを生成する機能を有する。このパケット分解/生成部319は、パケット化データを分解したり、生成したりするためのバッファメモリを備える。
【0102】
なお、このパケット分解/生成部319のパケット分解処理機能や生成処理機能は、CPU310と、ROM312とにより、ソフトウエアとして実現することもできる。
【0103】
音声データ入出力インターフェース320は、パケット分解されて得られた音声データをアナログ音声信号に変換して、アンプ323を通じて受話器を構成するスピーカ324に供給するようにする。また、送話器としてのマイクロホン325からの送話音声信号がアンプ326を通じてこの音声データ入出力インターフェース320に供給される。音声データ入出力インターフェース320は、この送話音声信号をデジタル音声信号に変換し、システムバス311を通じてパケット生成のためにパケット分解/生成部319に供給するようにする。
【0104】
LED駆動制御部321には、この例では、前述した複数個のLED61からなるLED群322が接続され、無線LAN15を通じて受信する回線状態の通知情報パケットの解析結果に応じて、それらLED群322を構成する各LED61の点灯、消灯、点滅などが個別に制御される。また、この例では、フレキシブルキーFK1〜FK4の操作に応じて、対応するLED61の表示制御がなされる。
【0105】
なお、図5において、64は、スピーカ324からの音声を放音するための孔部であり、また、65は、マイクロホン325が音声を収音するための孔部である。
【0106】
回線状態情報記憶保持部327は、主装置部1に収容されている複数の通信用回線の回線状態を記憶保持する。この回線状態情報記憶保持部327および前述したフレキシブルキー設定記憶保持部328は、RAM313の一部としても良い。
【0107】
図6は、回線状態情報記憶保持部327の記憶情報の一例である。この例の場合、図6に示すように、主装置部1に収容されている複数の回線のそれぞれについては、その識別番号としての回線番号と回線種別とが登録されて記憶されている。この回線番号と、回線種別の回線状態情報記憶保持部327への書き込みは、例えば、ビジネスホンシステムの設置時に設置業者(オペレータ)によりなされる。
【0108】
そして、この例の回線状態情報記憶保持部327は、図6に示すように、主装置部1が収容している複数の回線の状態を、回線状態別に記憶保持するようにしている。回線状態としては、この例では、「着信中」と、「外線空き状態」と、「保留中」とが記憶保持される。
【0109】
そして、パケット電話機2は、主装置部1からの回線状態の変化通知として着信通知を受け取ったときには、その着信通知情報を解析して、どの回線への着信であるか、また、当該着信が当該パケット電話機2宛ての個別着信であるのか、ビジネスホンシステム全体に対する一般着信であるのか、あるいは、CES着信であるかを判別し、その判別結果を、回線状態情報記憶保持部327に記憶保持する。図6は、回線番号「01」では一般着信の着信中であり、回線番号「04」では個別着信の着信中であり、回線番号「09」ではCES着信の着信中であることが記憶保持されていることを示している。
【0110】
また、パケット電話機2は、主装置部1からの回線状態の変化通知としてシステム保留情報を受け取ったときには、どの回線が保留中になったかを判別して、図6に示すように、その判別結果を、回線状態情報記憶保持部327に記憶保持する。また、パケット電話機2のユーザが通話中に、その外線を保留したときには、その外線は自己保留中として、回線状態情報記憶保持部327に記憶保持する。図6は、回線番号「07」および「08」ではシステム保留中であり、回線番号「10」では自己保留中であることが記憶保持されていることを示している。すなわち、この実施形態では、保留中回線の情報としては、回線番号と、その保留種別とが、回線状態情報記憶保持部327に記憶保持されるものである。
【0111】
また、パケット電話機2は、主装置部1からの回線状態の変化通知として外線使用中を受け取ったときには、どの回線が使用中になったかを判別して、図6に示すように、その判別結果を、回線状態情報記憶保持部327に記憶保持する。また、パケット電話機2では、保留中の回線および着信中の回線も、外線使用中として、認識される。図6では、回線番号「03」、「05」および「06」が外線空き状態であり、他の回線は使用中であることが記憶保持されていることを示している。
【0112】
[パケット電話機2のフレキシブルキーFK1〜FK4の説明]
前述したように、この実施の形態では、複数個のフレキシブルキーFK1〜FK4のそれぞれには、回線状態あるいは機能が割り付け設定される。
【0113】
<フレキシブルキーFK1(着信キー)>
図5の実施形態では、フレキシブルキーFK1には、「着信中」の回線状態が割り付け設定される。そして、この実施形態では、主装置部1に収容されている複数の通信用回線のうち、着信中である回線が、このフレキシブルキーFK1に対応付けされて、回線状態情報記憶保持部327に記憶され、後述するように、このフレキシブルキーFK1をユーザが押下すると、そのときに着信中である回線の一覧がLCD表示画面315Dに表示されるように構成されている。
【0114】
したがって、この例では、フレキシブルキーFK1に対応するLCD画面315Dのキー割付表示シンボル62は、「着信」の文字表示とされる。この「着信」の文字表示は、この例においては、図7(A)に示すように、着信中の回線がないときには、LCD画面315Dにおいては表示されない。
【0115】
そして、着信中の回線が一つでもあると、図7(B)に示すように、LCD表示画面315Dに、「着信」の文字表示からなるキー割付表示シンボル62が表示されて、当該パケット電話機2のユーザに着信が報知される。また、この着信中の回線が一つでも生じた状態では、フレキシブルキーFK1のLED61が赤で点滅して、着信を、重ねてユーザに知らせるようにする。
【0116】
この例においては、パケット電話機2は、前述したように、主装置部1から着信通知を受け取ったときには、着信が当該パケット電話機2宛ての個別着信であるのか、ビジネスホンシステム全体に対する一般着信であるのか、あるいは、CES着信であるかを判別し、その判別結果を、回線状態情報記憶保持部327に記憶保持すると共に、それらの着信種別に応じて、LED61の点滅周期を変えるなどして、どの着信種別であるかもユーザに報知することができるようにしている。また、この例のパケット電話機2では、さらに、着信音が着信種別に応じて変更されて、区別できるようにされている。
【0117】
なお、複数の着信が同時に生じたときには、例えば、予め定められた優先順位の高い着信種別、ここでは、個別着信>CES着信>一般着信の順の優先順位(左側ほど優先順位が高い)で、その着信種別に応じたLED点滅表示および着信音を発生させるようにする。
【0118】
そして、後述するように、着信中に、フレキシブルキーFK1が押下操作されたときには、パケット電話機2は、回線状態情報記憶保持部327の回線状態「着信中」の行を参照して、LCD画面315Dには、図7(C)または図7(D)に示すように、着信中の回線を一覧表示するようにする。この場合、着信中の回線の一覧表示は、1つの回線について、その回線番号とその着信種別とを1行として表示するようにしている。
【0119】
この実施形態のパケット電話機2では、この一覧表示について、優先順表示モードと、非優先順表示モードとをユーザが選択設定することができるようにされている。
【0120】
この着信中についての優先順表示モードにおいては、上述した着信種別の優先順で、着信中の回線の一覧を表示する。図7(C)は、この優先順表示モードの場合のLCD表示画面315Dの一例で、前述した着信種別の優先順に、1回線を、回線番号と着信種別からなる1行として行単位で、複数の着信中回線が表示されている。
【0121】
また、着信中についての非優先順表示モードにおいては、着信種別の優先順位に関係なく、回線番号の順に着信中の回線の一覧を表示する。図7(D)は、この非優先順表示モードの場合のLCD表示画面315Dの一例であり、回線番号の順番に、1回線を1行として行単位で、複数の着信中回線が表示されている。
【0122】
ここで、図7(C)および(D)においてアンダーラインで示すカーソル表示70が付与されている行が、選択状態の回線を示しており、上キー52または下キー53を操作することにより、カーソル表示70を移動させて、選択状態の回線を変更することができ、決定キー56が押されると、その操作は、そのときに選択状態であった回線の着信を取る操作(着信応答)とされる。
【0123】
優先順表示モードでは、フレキシブルキーFK1を押下すると、着信中回線の中で、着信種別の優先順位に最も高い回線が一番上に来て、カーソル表示70が、必ずその位置になっているので、ユーザは、常に優先順位の高い着信種別を早く選択することができる。
【0124】
すなわち、例えば、個別着信があるときには、当該個別着信にカーソル表示70が位置しているので、フレキシブルキーFK1を押下した後、決定キー56を押すだけで、当該個別着信を取ることができる。このように、優先順表示モードでは、優先順位の高い着信種別の着信を常に先に取ることができるようになるので、使い勝手が良い。
【0125】
なお、この実施形態では、フレキシブルキーFK1が押下操作されたときに、着信中回線が1回線のみであるときには、決定キー56を操作しなくても、当該フレキシブルキーFK1の操作を着信応答操作と見なして、着信を取ることができるようにしている。
【0126】
さらに、フレキシブルキーFK1を押下操作しなくても、応答キー58を操作することにより、着信中回線に応答することができるようにもされている。このとき、複数の回線が着信中状態であるときには、着信応答する回線は、フレキシブルキーFK1が押下操作されたときに一覧表示される回線の一番上に表示される、カーソル70で選択中となる回線である。なお、応答キー58の代わりにオフフックキーを設けて、着信中に当該オフフックキーが操作されたときに、着信応答とするようにしても良い。
【0127】
<フレキシブルキーFK2(外線キー)>
この実施形態では、フレキシブルキーFK2には、「外線空き」の回線状態が割り付け設定される。そして、この実施形態では、主装置部1に収容されている複数の通信用回線のうち、空き状態である回線が、このフレキシブルキーFK2に対応付けされて、回線状態情報記憶保持部327に記憶され、後述するように、このフレキシブルキーFK2をユーザが押下すると、そのときに空き状態である回線の一覧がLCD表示画面315Dに表示されるように構成されている。
【0128】
したがって、この例では、フレキシブルキーFK2に対応するLCD画面315Dのキー割付表示シンボル62は、「外線」の文字表示とされる。この「外線」の文字表示は、この例においては、図8(A)に示すように、空き状態の回線が1回線でもあるときには、LCD画面315Dにおいて表示される。
【0129】
そして、空き状態の回線が全くなくなると、図8(B)に示すように、LCD表示画面315Dに、「外線」の文字表示からなるキー割付表示シンボル62が消去されて、当該パケット電話機2のユーザに空き外線無しが報知される。
【0130】
この実施形態では、フレキシブルキーFK2は、外線空き状態に対応付けられているので、当該フレキシブルキーFK2のLED61は、他のパケット電話機2で外線を使用中の表示をすることはしない。
【0131】
この実施形態では、ユーザが、外線発信をすべく、このフレキシブルキーFK2を押下操作すると、パケット電話機2は、フレキシブルキーFK2のLED61を緑色点灯すると共に、回線状態情報記憶保持部327の回線状態「外線空き状態」の行を参照して、LCD画面315Dには、図9(A)または図9(B)に示すように、空き状態の回線を一覧表示するようにする。この場合、外線空き状態の回線の一覧表示は、1つの回線について、その回線番号とその回線種別とを1行として表示するようにしている。
【0132】
この実施形態のパケット電話機2では、この外線空き状態の一覧表示についても、優先順表示モードと、非優先順表示モードとをユーザが選択設定することができるようにされている。
【0133】
この外線空き状態についての優先順表示モードにおいては、回線種別について、例えば通信料が安価な順に優先順位を決定する。つまり、この例では、通信料が安価な回線種別ほど高優先順位とする。図9(A)は、外線空き状態の一覧表示についての優先順表示モードの場合のLCD表示画面315Dの一例で、前述した回線種別の優先順に、1回線を1行として行単位で、空き状態の回線の一覧が表示されている。
【0134】
また、外線空き状態の一覧表示についての非優先順表示モードにおいては、回線種別の優先順位に関係なく、回線番号の順に空き状態の回線の一覧を表示する。図9(B)は、非優先順表示モードの場合のLCD表示画面315Dの一例であり、回線番号の順番に、1回線を1行として行単位で、複数の空き状態の回線が表示されている。
【0135】
ここで、図9(A)および(B)においてアンダーラインで示すカーソル表示70が付与されている行が、選択状態の回線を示しており、上キー52または下キー53を操作することにより、カーソル表示70を移動させて、選択状態の回線を変更することができ、決定キー56が押されると、その操作は、そのときに選択状態であった回線の捕捉要求とされる。
【0136】
優先順表示モードでは、フレキシブルキーFK2を押下すると、空き状態の回線の中で、回線種別の優先順位に最も高い、通信料が安価な回線が一番上に来て、カーソル表示70が、必ずその位置になっているので、ユーザは、常に優先順位の高い通信料が安価な回線種別の回線を早く選択して捕捉することができる。
【0137】
なお、この実施形態では、フレキシブルキーFK2が押下操作されたときに、空き状態である回線が1回線のみであるときには、決定キー56を操作しなくても、当該フレキシブルキーFK2の操作を、当該空き状態の回線の捕捉要求操作と見なすようにしている。これにより、空き回線が一つであるときには、決定キー56の操作を省略することができる。
【0138】
なお、オフフックキーを設けて、当該オフフックキーを操作したときには、外線空き状態の回線であって、フレキシブルキーFK2が押下操作されたときに表示される一覧表示において、一番上に表示される行の回線の捕捉要求とするようにしてもよい。
【0139】
<フレキシブルキーFK3(保留中キー)>
この実施形態では、フレキシブルキーFK3には、「保留中」の回線状態が割り付け設定される。そして、この実施形態では、主装置部1に収容されている複数の通信用回線のうち、保留中である回線が、このフレキシブルキーFK3に対応付けされて、回線状態情報記憶保持部327に記憶され、後述するように、このフレキシブルキーFK3をユーザが押下すると、そのときに保留中である回線の一覧がLCD表示画面315Dに表示されるように構成されている。
【0140】
したがって、この例では、フレキシブルキーFK3に対応するLCD画面315Dのキー割付表示シンボル62は、「保留」の文字表示とされる。この「保留」の文字表示は、この例においては、図10(A)に示すように、保留中の回線がないときには、LCD画面315Dにおいては表示されない。
【0141】
そして、保留状態である回線が一つでもあると、図10(B)に示すように、LCD表示画面315Dに、「保留」の文字表示からなるキー割付表示シンボル62が表示されて、当該パケット電話機2のユーザに保留中の回線有りが報知される。また、この保留中の回線が一つでも生じた状態では、フレキシブルキーFK2のLED61が赤で点滅して、保留中の回線有りを、重ねてユーザに知らせるようにする。
【0142】
この例においては、パケット電話機2は、前述したように、主装置部1から保留回線についての通知情報を受け取ったときには、当該保留をシステム保留として判別し、その判別結果の回線番号についてシステム保留を、回線状態情報記憶保持部327に記憶保持すると共に、LED61をシステム保留に応じた点滅表示する。
【0143】
また、パケット電話機2は、自端末で、通話中に保留キー57が押下操作されて保留状態にされたときには、当該回線を自己保留状態として、その情報を、回線状態情報記憶保持部327に記憶保持すると共に、LED61を自己保留に応じた点滅表示する。
【0144】
ここで、システム保留と自己保留とを区別するLED61表示は、例えば点滅周期を変えるなどしてなされる。
【0145】
なお、この実施形態では、保留中の回線が複数あるときには、自己保留があれば、LED61は、自己保留に応じて点滅をするように構成されている。
【0146】
そして、後述するように、いずれかの回線を保留中に、フレキシブルキーFK3が押下操作されたときには、パケット電話機2は、回線状態情報記憶保持部327の回線状態「保留中」の行を参照して、LCD画面315Dには、図10(C)または図10(D)に示すように、保留中の回線を一覧表示するようにする。この場合、保留中の回線の一覧表示は、1つの回線について、その回線番号とその保留種別とを1行として表示するようにしている。
【0147】
この実施形態のパケット電話機2では、この保留中回線の一覧表示についても、優先順表示モードと、非優先順表示モードとをユーザが選択設定することができるようにされている。
【0148】
そして、保留中回線の一覧表示についての優先順表示モードにおいては、自己保留を上位の優先順位として、保留中の回線の一覧を表示する。図10(C)は、この優先順表示モードの場合のLCD表示画面315Dの一例で、前述した保留種別の優先順に、1回線を、回線番号と保留種別からなる1行として行単位で、複数の保留中回線が表示されている。
【0149】
また、保留中回線の一覧表示についての非優先順表示モードにおいては、保留種別の優先順位に関係なく、回線番号の順に保留中の回線の一覧を表示する。図10(D)は、この非優先順表示モードの場合のLCD表示画面315Dの一例であり、回線番号の順番に、1回線を1行として行単位で、複数の保留中回線が表示されている。
【0150】
ここで、図10(C)および(D)においてアンダーラインで示すカーソル表示70が付与されている行が、選択状態の保留回線を示しており、上キー52または下キー53を操作することにより、カーソル表示70を移動させて、選択状態の保留回線を変更することができ、決定キー56が押されると、その操作は、そのときに選択状態であった保留回線の保留解除操作とされる。
【0151】
優先順表示モードでは、フレキシブルキーFK3を押下すると、保留中回線の中で、保留種別の優先順位の高い自己保留の回線が一番上に来て、カーソル表示70が、必ずその位置になっているので、ユーザは、常に自己保留中の回線に対する保留解除要求を早く選択することができるので、使い勝手が良い。
【0152】
なお、この実施形態では、フレキシブルキーFK3が押下操作されたときに、保留中回線が1回線のみであるときには、決定キー56を操作しなくても、当該フレキシブルキーFK3の操作を保留解除要求操作と見なして、保留を解除することができるようにしている。
【0153】
<フレキシブルキーFK4(機能キー)>
この実施形態では、フレキシブルキーFK4には、パケット電話機2が備える機能のグループが割り付け設定される。この例では、割付可能な機能としては、ワンタッチ機能、ボイスメール機能、などが用意されている。ワンタッチ機能は、予め登録されている電話番号へワンタッチ(1つの操作)で発信することができる機能であり、複数の相手電話番号分、登録設定可能とされている。
【0154】
フレキシブルキーFK4には、1つの機能ではなく、複数個の機能を割付設定することもできるが、上述のワンタッチ機能のように、1つの機能で複数個分を登録することができる場合には、当該1つの機能のグループを、フレキシブルキーFK4に割付設定することもできる。
【0155】
このフレキシブルキーFK4への機能の割付設定は、例えばユーザによりなされる。割付設定された機能の情報は、フレキシブルキー設定記憶保持部328に登録されて、記憶保持される。
【0156】
図11に、フレキシブルキー設定記憶保持部328の記憶情報の一例を示す。すなわち、フレキシブルキー設定記憶保持部328には、4個のフレキシブルキーFK1〜FK4について、割り付けられた設定情報が記憶保持される。
【0157】
すなわち、前述したように、フレキシブルキーFK1は、回線状態の「着信中」が割り付けられており、このフレキシブルキーFK1に対応付けられて、それを示す情報が、設定内容情報として記憶保持されている。
【0158】
また、フレキシブルキーFK2は、回線状態の「外線空き状態」が割り付けられており、このフレキシブルキーFK2に対応付けられて、それを示す情報が、設定内容情報として記憶保持されている。また、フレキシブルキーFK3は、回線状態の「保留中」が割り付けられており、このフレキシブルキーFK3に対応付けられて、それを示す情報が、設定内容情報として記憶保持されている。
【0159】
そして、フレキシブルキーFK4は、パケット電話機2が有する機能のうち、ユーザに設定登録された機能が割り付けられている。そして、フレキシブルキーに対して機能が割り付けられた場合には、その機能に関する詳細設定情報も、このフレキシブルキー設定記憶保持部328に併せて記憶保持される。すなわち、この例においては、フレキシブルキー設定記憶保持部328には、予め設定可能な機能数が定められていると共に、機能番号が予め登録されている。
【0160】
図11の例においては、機能番号「11」、「12」および「14」には、ワンタッチ機能が、割り付け設定されていると共に、機能番号「15」には、ボイスメール再生機能が割付設定されている。そして、図11に示すように、この実施形態では、ワンタッチ機能については、ユーザにより設定入力された、ワンタッチ機能により発信する相手の電話番号も記憶保持されている。
【0161】
また、図11では、図示を省略したが、この実施形態では、各機能番号に対応する情報として、当該機能番号の機能の使用頻度情報が書き込まれるようにされている。この使用頻度情報は、後述するように、機能の一覧表示の際の優先順位を決めるための情報として用いられる。
【0162】
以上のように、フレキシブルキーFK4は機能キーとして割り付けられるので、このフレキシブルキーFK4に対応するLCD画面315Dのキー割付表示シンボル62は、「機能」の文字表示とされる。この「機能」の文字は、この例においては、図12(A)に示すように、フレキシブルキーFK4に全く機能が割り付けられていないときには、表示されない。そして、フレキシブルキーFK4に、一つでも機能が割付設定されると、図12(B)に示すように、「機能」の文字からなるキー割付表示シンボル62が、LCD画面315Dにおいて表示される。
【0163】
そして、この実施形態では、ユーザが、このフレキシブルキーFK4を押下操作すると、パケット電話機2は、フレキシブルキーFK4のLED61を緑色点灯すると共に、フレキシブルキー設定記憶保持部328の、当該フレキシブルキーFK4に対応して記憶されている機能設定内容を参照して、LCD画面315Dには、図13(A)または図13(B)に示すように、フレキシブルキーFK4に設定されている機能を一覧表示するようにする。この場合、一覧表示は、1つの機能について、その機能番号と、その機能内容とを1行として表示するようにしている。
【0164】
この実施形態のパケット電話機2では、この機能の一覧表示についても、優先順表示モードと、非優先順表示モードとをユーザが選択設定することができるようにされている。
【0165】
この機能についての優先順表示モードにおいては、前述したように、使用頻度の高いもの順に優先順位を決定する。つまり、使用頻度の高い機能番号の機能ほど高優先順位とする。図13(A)は、機能の一覧表示についての優先順表示モードの場合のLCD表示画面315Dの一例で、使用頻度が高い機能番号の機能順に、行単位で、複数の機能が一覧表示されている。
【0166】
また、機能の一覧表示についての非優先順表示モードにおいては、機能の使用頻度に関係なく、機能番号の順に設定機能の一覧を表示する。図13(B)は、非優先順表示モードの場合のLCD表示画面315Dの一例であり、機能番号の順番に、行単位で、複数の機能が一覧表示されている。
【0167】
ここで、図13(A)および(B)においてアンダーラインで示すカーソル表示70が付与されている行が、選択状態の回線を示しており、上キー52または下キー53を操作することにより、カーソル表示70を移動させて、選択状態の機能を変更することができ、決定キー56が押されると、その操作は、そのときに選択状態であった機能の実行要求とされる。
【0168】
優先順表示モードでは、フレキシブルキーFK4を押下すると、いつも良く使う機能が一番上に来て、カーソル表示70が、必ずその位置になっているので、ユーザは、いつも良く使う機能を早く選択して利用することができる。
【0169】
なお、この実施形態では、フレキシブルキーFK4が押下操作されたときに、設定されている機能が1個のみであるときには、決定キー56を操作しなくても、当該フレキシブルキーFK4の操作を、当該機能の実行要求操作と見なすようにしている。これにより、設定機能が一つであるときには、フレキシブルキーFK4を、当該設定機能キーとして利用することができ、決定キー56の操作を省略することができる。
【0170】
なお、この実施形態のパケット電話機2では、例えば上キー52はメニュー表示キーを兼用するようにされており、この上キー52を操作することにより、表示画面315Dに表示されたメニューを見ながら、ユーザは、上キー52、下キー53、左キー54、右キー55などのカーソルキーや、テンキー51の一部などを操作することにより、各フレキシブルキーFK1〜FK4に対する回線状態や機能の設定、また、ワンタッチなどの機能についての詳細設定を設定しておくことができるようにされている。
【0171】
[回線状態の通知情報の授受と、表示画面の表示]
次に、主装置部1のサーバ装置12、アクセスポイント装置10およびパケット電話機2の電話機部30の処理動作を、フローチャートを参照しながらさらに説明する。
【0172】
収容している複数の回線のいずれかの回線状態が変化したときの、主装置部1における動作について先ず説明する。図14は、このときの主装置部1のサーバ装置12の動作を説明するためのフローチャートである。
【0173】
すなわち、サーバ装置12は、前述もしたように常に複数の収容回線の回線状態を監視している(ステップS1)。そして、外線回線を通じた着信、パケット電話機2からの発信要求、保留要求、保留解除要求などのイベントに応じて、複数の回線のうちのいずれかに、回線状態が変化したか否か判別し(ステップS2)、回線状態が変化したと判別したときには、回線状態が変化した回線の識別情報と、その変化後の回線状態とを含めたマルチキャストパケットを、重要パケットとしてアクセスポイント装置10に送る(ステップS3)。
【0174】
そして、アクセスポイント装置10からの応答ACKの受信を確認したら(ステップS4)、ステップS1に戻って、回線状態の変化の監視状態に戻る。
【0175】
前述したように、この実施形態では、アクセスポイント装置10は、着信通知を含む回線状態の変化情報などの重要情報は、サーバ装置12からマルチキャストパケットとして受信しても、全てのパケット電話機2に対して個別のユニキャストパケットとして送るようにする。これにより、パケット電話機2が間欠受信を行なっていても、全てのパケット電話機2に、回線状態の変化情報を通知することができる。
【0176】
次に、この主装置部1からの回線状態の変化情報を受けるパケット電話機2の動作を、図15のフローチャートおよび前述したLCD315の画面315Dの表示例を参照しながら説明する。図15のフローチャートの各ステップの処理は、パケット電話機2のCPU310が、ROM312に記憶されているプログラムに従って、RAM313をワークエリアとして用いて実行するものである。
【0177】
図15に示すように、パケット電話機2のCPU310は、常に、主装置部1から回線状態の変化情報を受信したかどうかを監視する(ステップS11)。そして、主装置部1から回線状態の変化情報を受信したと判別したときには、CPU310は、受信した回線状態の変化情報を解析し、回線の識別情報に基づいて、変化した回線を判別すると共に、その変化後の回線状態を検出し(ステップS12)、その検出結果に基づいて、回線状態情報記憶保持部327の記憶情報を更新する(ステップS13)。
【0178】
そして、CPU310は、ステップS12での検出の結果、変化後の回線状態は着信であるか否かを判別し(ステップS14)、着信であると判別したときには、図7(B)に示したように、この例の着信キーであるフレキシブルキーFK1のLED61を赤色の点滅状態にする(ステップS15)と共に、LCD表示画面315DのフレキシブルキーFK1に対応するキー割付表示シンボル62として「着信」の文字が表示されていなければ、その「着信」の文字を表示し(ステップS16)、着信をユーザに知らせる。なお、このとき、同時に、着信音を鳴らしたり、パケット電話機を振動させたりして、着信をユーザに知らせる。
【0179】
次に、CPU310は、回線状態情報記憶保持部327の外線空き状態についての記憶保持情報を参照して、外線空き状態の回線がなくなったか否か判別する(ステップS17)。外線空き状態の回線がなくなってはいないときには、そのままこの処理ルーチンを抜ける。また、外線空き状態の回線がなくなったときには、図8(A)のようにLCD表示画面315Dに表示されていた、外線キーであるフレキシブルキーFK2に対応するキー割付表示シンボル62の「外線」の文字表示を、図8(B)に示すように消去し(ステップS18)、その後、この処理ルーチンを抜ける。
【0180】
また、ステップS14で、着信ではないと判別したときには、CPU310は、変化後の回線状態は保留であるか否か判別し(ステップS19)、保留ではないと判別したときには、変化後の回線状態は回線使用中であると判別して、ステップS17に進み、前述したステップS17以降の処理を実行する。
【0181】
また、ステップS19で、変化後の回線状態は保留であると判別したときには、CPU310は、回線状態情報記憶保持部327の回線状態「保留中」についての情報を参照して、既に他の回線の保留中であるか否か判別する(ステップS20)。
【0182】
このステップS20において、既に他の回線の保留中であると判別したときには、CPU310は、図10(B)に示したように、既に、保留キーであるフレキシブルキーFK3のLED61により保留中の表示をしていると共に、LCD表示画面315Dにおいて、前記フレキシブルキーFK3に対応するキー割付表示シンボル62の「保留」の文字表示をしているので、そのままこの処理ルーチンを抜ける。
【0183】
また、このステップS20において、他の回線の保留中ではないと判別したときには、CPU310は、保留中キーであるフレキシブルキーFK3のLED61を、システム保留を表わす赤色の点滅表示を行なう(ステップS21)と共に、フレキシブルキーFK3に対応するキー割付表示シンボル62として、「保留」の文字を表示する(ステップS22)。その後、この処理ルーチンを抜ける。
【0184】
[パケット電話機2におけるユーザのキー操作に対応する表示制御等の処理]
次に、パケット電話機2において、ユーザがキー操作入力をしたときの、CPU310による表示制御およびその関連制御を、図16〜図20のフローチャートおよび前述した表示例の図を参照しながら説明する。この図16〜図20のフローチャートの各ステップの処理は、パケット電話機2のCPU310が、ROM312に記憶されているプログラムに従って、RAM313をワークエリアとして用いて実行するものである。
【0185】
先ず、CPU310は、ユーザによりキー操作がなされたか否かを常に監視し(図15のステップS31)、キー操作がなされたと判別したときには、操作されたキーは、応答キー58であるか否か判別し(ステップS32)、応答キーであると判別したときには、着信中であるか否かを回線状態情報記憶保持部327を参照して判別する(ステップS33)。
【0186】
ステップS33で、着信中ではないと判別したときには、CPU310は、応答キー58の操作は誤操作であるとして、当該操作を無視し、ステップS31に戻る。また、ステップS33で、着信中であると判別したときには、CPU310は、着信応答の処理し、また、通話状態への移行処理をする(ステップS34)。そして、着信キーであるフレキシブルキーFK1のLED61を、着信中の点滅表示から、使用中を示す赤点灯に変える(ステップS35)。
【0187】
そして、次にCPU310は、通話が終話したか否か判別し(ステップS36)、終話したと判別したときには、当該終話した回線の識別情報を含む終話通知を主装置部1に送るとともに、回線状態情報記憶保持部327の記憶情報を更新して終話処理をする(ステップS37)。
【0188】
そして、CPU310は、そのときの回線状態情報記憶保持部327の記憶内容を参照して、LCD表示画面315Dの表示内容およびフレキシブルキーFK1〜FK4のLED61の表示状態を、当該記憶内容に応じたものとする(ステップS38)。そして、ステップS31に戻る。
【0189】
また、ステップS32で、操作されたキーは、応答キー58ではないと判別したときには、CPU310は、操作されたキーは、保留キー57であるか否か判別する(ステップS39)。このステップS39で、操作されたキーは保留キー57であると判別したときには、CPU310は、自パケット電話機2は通話中であるか否か判別し(ステップS40)、通話中でなければ、保留キー57の操作は誤操作であるとして、当該操作を無視し、ステップS31に戻る。
【0190】
また、ステップS40で、通話中であると判別したときには、CPU310は、当該キー操作は、自己保留要求の操作であると判別し、自パケット電話機2を自己保留状態へ遷移させると共に、その旨を主装置部1に通知する(ステップS41)。そして、CPU310は、回線状態情報記憶保持部327の記憶内容を更新し(ステップS42)、保留中キーであるフレキシブルキーFK3のLED61を、自己保留の赤色点滅状態に表示制御する(ステップS43)。そして、ステップS31に戻る。
【0191】
ステップS39で、操作されたキーは、保留キー58ではないと判別したときには、操作されたキーは、フレキシブルキーFK1〜FK4のいずれかであるか否か判別する(図17のステップS51)。このステップS51でフレキシブルキーFK1〜FK4のいずれかでないと判別したときには、CPU310は、その他のキー操作であるとして、当該キー操作に応じた処理を実行する(ステップS52)。
【0192】
また、ステップS51で、操作されたキーがフレキシブルキーFK1〜FK4のいずれかであると判別したときには、CPU310は、操作されたフレキシブルキーは、どれであるかを判別する(ステップS53)。
【0193】
このステップS53で、操作されたキーは、着信キーであるフレキシブルキーFK1であると判別したときには、CPU310は、優先順表示モードが設定されているか否か判別し(ステップS54)、優先順表示モードが設定されていると判別したときには、図7(C)に示したように、着信中の回線番号とその着信種別とからなる1行を1つの着信中回線として、着信種別について優先順にしたがった、着信中回線の一覧表示を、LCD表示画面315Dに表示する(ステップS55)。
【0194】
また、ステップS54で、非優先順表示モードであると判別したときには、CPU310は、図7(D)に示したように、着信中の回線番号とその着信種別とからなる1行を1つの着信中回線として、回線番号順に着信中回線の一覧表示を、LCD表示画面315Dに表示する(ステップS56)。
【0195】
そして、CPU310は、ステップS55およびステップS56の次には、ステップS57に進み、着信中であるのは1回線のみであるか否か判別する。そして、着信中であるのは1回線のみであると判別したときには、CPU310は、ステップS34にジャンプして、当該フレキシブルキーFK1の押下操作を着信応答操作と見なして、着信応答処理および通話状態への以降処理を行なう。そして、CPU310は、前述したステップS34以降の処理を実行する。
【0196】
ステップS57で、着信中であるのは1回線のみではないと判別したときには、CPU310は、上キー52または下キー53が操作されたか否か判別し(ステップS58)、上キー52または下キー53が操作されたと判別したときには、選択中カーソル表示70を、上キー52または下キー53により指示された方向に1行移動させ、移動後の1行に表示されている回線を選択する状態にし(ステップS59)、その後、決定キー56が操作されたか否か判別する(ステップS60)。
【0197】
また、ステップS57で、上キー52または下キー53が操作されていないと判別したときには、CPU310は、ステップS59をバイパスして、ステップS60に進み、決定キー56が操作されたか否か判別する。
【0198】
そして、CPU310は、ステップS60で、決定キー56が操作されたと判別したときには、当該操作を選択中の着信中回線の着信を取る操作であると判別して、ステップS34に進み、前述した当該ステップS34以降の処理を実行する。
【0199】
また、CPU310は、ステップS60で、決定キー56が操作されていないと判別したときには、着信キーであるフレキシブルキーFK1が再び操作されたか否か判別し(ステップS61)、フレキシブルキーFK1が再操作されていないと判別したときには、ステップS58に戻る。
【0200】
また、ステップS61で、フレキシブルキーFK1が再操作されたと判別したときには、CPU310は、LCD表示画面315Dに表示されていた着信中回線の一覧表示を消去して、図7(B)に示したような、フレキシブルキーFK1のLED61で着信中を表示すると共に、LCD表示画面315DのフレキシブルキーFK1に対応するキー割付表示シンボル62として「着信」を文字表示する状態に表示制御する(ステップS62)。そして、ステップS31に戻る。
【0201】
次に、ステップS53で、操作されたフレキシブルキーは、フレキシブルキーFK2であると判別したときには、CPU310は、当該フレキシブルキーFK2のLED61を緑色点灯し(図18のステップS71)、外線空き状態一覧表示について優先順表示モードが設定されているか否か判別する(ステップS72)。
【0202】
そして、ステップS72で、優先順表示モードが設定されていると判別したときには、CPU310は、図9(A)に示したように、空き状態の回線番号とその回線種別とからなる1行を1つの空き回線として、回線種別について優先順にしたがった、空き状態の回線の一覧表示を、LCD表示画面315Dに表示する(ステップS73)。
【0203】
また、ステップS72で、非優先順表示モードであると判別したときには、CPU310は、図9(B)に示したように、空き状態の回線番号とその回線種別とからなる1行を1つの空き回線として、回線番号順に空き回線の一覧表示を、LCD表示画面315Dに表示する(ステップS74)。
【0204】
そして、CPU310は、ステップS73およびステップS74の次には、ステップS75に進み、空き回線は1回線のみであるか否か判別する。そして、空き回線は1回線のみではないと判別したときには、CPU310は、上キー52または下キー53が操作されたか否か判別し(ステップS76)、上キー52または下キー53が操作されたと判別したときには、選択中カーソル表示70を、上キー52または下キー53により指示された方向に1行移動させ、移動後の1行に表示されている回線を選択する状態にし(ステップS77)、その後、決定キー56が操作されたか否か判別する(ステップS78)。
【0205】
また、ステップS76で、上キー52または下キー53が操作されていないと判別したときには、CPU310は、ステップS77をバイパスして、ステップS78に進み、決定キー56が操作されたか否か判別する。
【0206】
そして、CPU310は、ステップS78で、決定キー56が操作されたと判別したときには、当該操作を選択中の空き回線の捕捉要求操作であると判別して、当該回線の識別情報を含む当該回線の捕捉要求を主装置部1に送って当該空き回線の外線捕捉処理をし、その捕捉要求に対して主装置部1から捕捉完了通知を受け取ると、ダイヤル処理をして、捕捉した回線を通じた外線発信の処理を行ない(ステップS79)、続いて外線通話の処理を行なう(ステップS80)。
【0207】
そして、次にCPU310は、通話が終話したか否か判別し(ステップS81)、終話したと判別したときには、当該終話した回線の識別情報を含む終話通知を主装置部1に送るとともに、回線状態情報記憶保持部327の記憶情報を更新して終話処理をする(ステップS82)。
【0208】
そして、CPU310は、フレキシブルキーFK2のLED61を消灯して、外線使用中の表示を停止し(ステップS83)、次に、そのときの回線状態情報記憶保持部327の記憶内容を参照して、LCD表示画面315Dの表示内容およびフレキシブルキーFK1〜FK4のLED61の表示状態を、当該記憶内容に応じたものとする(ステップS84)。そして、ステップS31に戻る。
【0209】
また、ステップS75で、空き回線は1回線のみであると判別したときには、CPU310は、ステップS79にジャンプして、即座に外線捕捉処理をし、上述したこのステップS79以降の処理を実行する。
【0210】
また、ステップS78で、決定キー56が操作されていないと判別したときには、外線キーであるフレキシブルキーFK2が再び操作されたか否か判別し(ステップS85)、フレキシブルキーFK2が再操作されていないと判別したときには、ステップS76に戻る。
【0211】
また、ステップS85で、フレキシブルキーFK2が再操作されたと判別したときには、CPU310は、LCD表示画面315Dに表示されていた空き状態の回線の一覧表示を消去すると共に、フレキシブルキーFK2のLED61を消灯して、図8(B)に示したような、LCD表示画面315DのフレキシブルキーFK2に対応するキー割付表示シンボル62として「外線」を文字表示する状態に表示制御する(ステップS86)。そして、ステップS31に戻る。
【0212】
また、ステップS53で、操作されたフレキシブルキーは、保留中キーであるフレキシブルキーFK3であると判別したときには、CPU310は、当該フレキシブルキーFK3のLED61を緑色点灯し(図19のステップS91)、保留中回線の一覧表示について優先順表示モードが設定されているか否か判別する(ステップS92)。
【0213】
そして、ステップS92で、優先順表示モードが設定されていると判別したときには、CPU310は、図10(C)に示したように、保留中の回線番号とその保留種別とからなる1行を1つの保留中回線として、保留種別について優先順にしたがった、保留中の回線の一覧表示を、LCD表示画面315Dに表示する(ステップS93)。
【0214】
また、ステップS92で、非優先順表示モードであると判別したときには、CPU310は、図10(D)に示したように、保留中回線の回線番号とその保留種別とからなる1行を1つの保留中回線として、回線番号順に保留中回線の一覧表示を、LCD表示画面315Dに表示する(ステップS94)。
【0215】
そして、CPU310は、ステップS93およびステップS94の次には、ステップS95に進み、保留中回線は1回線のみであるか否か判別する。そして、保留中回線は1回線のみではないと判別したときには、CPU310は、上キー52または下キー53が操作されたか否か判別し(ステップS96)、上キー52または下キー53が操作されたと判別したときには、選択中カーソル表示70を、上キー52または下キー53により指示された方向に1行移動させ、移動後の1行に表示されている回線を選択する状態にし(ステップS97)、その後、決定キー56が操作されたか否か判別する(ステップS98)。
【0216】
また、ステップS96で、上キー52または下キー53が操作されていないと判別したときには、CPU310は、ステップS97をバイパスして、ステップS98に進み、決定キー56が操作されたか否か判別する。
【0217】
そして、CPU310は、ステップS98で、決定キー56が操作されたと判別したときには、当該操作を保留中回線の保留解除要求操作であると判別して、LCD表示画面315Dの保留中回線の一覧表示を消去すると共に、当該回線の識別情報を含む当該回線の保留解除要求を主装置部1に送って当該保留中回線の保留解除処理をし(ステップS99)、続いて外線通話の処理を行なう(ステップS100)。
【0218】
そして、次にCPU310は、通話が終話したか否か判別し(ステップS101)、終話したと判別したときには、当該終話した回線の識別情報を含む終話通知を主装置部1に送るとともに、回線状態情報記憶保持部327の記憶情報を更新して終話処理をする(ステップS102)。
【0219】
そして、CPU310は、フレキシブルキーFK3のLED61の緑色点灯を消灯して(ステップS103)、次に、そのときの回線状態情報記憶保持部327の記憶内容を参照して、LCD表示画面315Dの表示内容およびフレキシブルキーFK1〜FK4のLED61の表示状態を、当該記憶内容に応じたものとする(ステップS104)。そして、ステップS31に戻る。
【0220】
また、ステップS95で、保留中回線は1回線のみであると判別したときには、CPU310は、ステップS99にジャンプして、即座に保留解除処理をし、上述したこのステップS99以降の処理を実行する。
【0221】
また、ステップS98で、決定キー56が操作されていないと判別したときには、保留中キーであるフレキシブルキーFK3が再び操作されたか否か判別し(ステップS105)、フレキシブルキーFK3が再操作されていないと判別したときには、ステップS96に戻る。
【0222】
また、ステップS105で、フレキシブルキーFK3が再操作されたと判別したときには、CPU310は、LCD表示画面315Dに表示されていた保留中の回線の一覧表示を消去すると共に、フレキシブルキーFK3のLED61の緑点灯を消灯して、当該LED61を保留中表示の赤の点滅表示に戻すと共に、図10(B)に示したような、LCD表示画面315DのフレキシブルキーFK3に対応するキー割付表示シンボル62として「保留」を文字表示する状態に表示制御する(ステップS106)。そして、ステップS31に戻る。
【0223】
また、ステップS53で、操作されたフレキシブルキーは、機能キーであるフレキシブルキーFK4であると判別したときには、CPU310は、当該フレキシブルキーFK4のLED61を緑色点灯し(図20のステップS111)、当該フレキシブルキーFK4に割付設定されている機能の一覧表示について優先順表示モードが設定されているか否か判別する(ステップS112)。
【0224】
そして、ステップS112で、優先順表示モードが設定されていると判別したときには、CPU310は、フレキシブルキー設定記憶保持部328のフレキシブルキーFK4に割り付けられた機能と、使用頻度の情報とを参照して、図13(A)に示したように、機能番号と、対応する機能種別(機能名称)とからなる1行を1つの機能表示として、使用頻度に基づく優先順にしたがった、機能の一覧表示を、LCD表示画面315Dに表示する(ステップS113)。
【0225】
また、ステップS112で、非優先順表示モードであると判別したときには、CPU310は、図13(B)に示したように、機能番号とその機能種別(機能名称)とからなる1行を1つの機能表示として、機能番号順に機能の一覧表示を、LCD表示画面315Dに表示する(ステップS114)。
【0226】
そして、CPU310は、ステップS113およびステップS114の次には、ステップS115に進み、フレキシブルキーFK4に設定されている機能を1個のみであるか否か判別する。そして、設定されている機能は1個のみではないと判別したときには、CPU310は、上キー52または下キー53が操作されたか否か判別し(ステップS116)、上キー52または下キー53が操作されたと判別したときには、選択中カーソル表示70を、上キー52または下キー53により指示された方向に1行移動させ、移動後の1行に表示されている機能を選択する状態にし(ステップS117)、その後、決定キー56が操作されたか否か判別する(ステップS118)。
【0227】
また、ステップS116で、上キー52または下キー53が操作されていないと判別したときには、CPU310は、ステップS117をバイパスして、ステップS118に進み、決定キー56が操作されたか否か判別する。
【0228】
そして、CPU310は、ステップS118で、決定キー56が操作されたと判別したときには、当該操作を、選択中の機能実行要求操作であると判別して、LCD表示画面315Dの機能の一覧表示を消去すると共に、当該選択された機能に応じた処理を実行する処理ルーチンへ移行する(ステップS119)。
【0229】
また、ステップS115で、設定されている機能は1個のみであると判別したときには、CPU310は、ステップS119にジャンプして、即座に当該機能に応じた処理を実行する処理ルーチンへ移行する。
【0230】
ステップS119では、例えば、選択された機能がワンタッチ機能であれば、フレキシブルキー設定記憶保持部328に当該機能に対応して記憶されている電話番号が読み出されて、当該電話番号を用いた発信処理がなされる。
【0231】
また、ステップS118で、決定キー56が操作されていないと判別したときには、機能キーであるフレキシブルキーFK4が再び操作されたか否か判別し(ステップS120)、フレキシブルキーFK4が再操作されていないと判別したときには、ステップS116に戻る。
【0232】
また、ステップS120で、フレキシブルキーFK4が再操作されたと判別したときには、CPU310は、LCD表示画面315Dに表示されていた機能の一覧表示を消去すると共に、フレキシブルキーFK4のLED61の緑点灯を消灯して、図12(B)に示したような、LCD表示画面315DのフレキシブルキーFK4に対応するキー割付表示シンボル62として「機能」を文字表示する状態に表示制御する(ステップS121)。そして、ステップS31に戻る。
【0233】
以上説明したように、この実施形態では、回線状態や機能をグループ単位でフレキシブルキーに割り付け設定して、フレキシブルキーを操作したときに、その割付設定された回線状態になっている回線グループの一覧や機能グループの一覧を表示するようにしたので、少ないキー数であっても、多数の回線や機能に対応することができるパケット電話機を実現することができる。
【0234】
特に、上述の実施形態のように、1つのフレキシブルキーを外線空き状態に割り付けることにより、パケット電話機のユーザは、当該フレキシブルキーを操作することで、空き回線を簡単に見つけることが可能となり、他のパケット電話機での外線使用中を表示する必要がなくなるというメリットがある。このため、他者使用中を表示するためのLED点灯が不要になり、消費電力をその分削減することができる。
【0235】
また、この例のパケット電話機である電話通信端末では、例えばLCDなどの表示画面に、フレキシブルキーに対応する表示をし、それらのフレキシブルキーに対応する表示に、回線状態や各種機能を対応させて設定するようにしたので、分かり易いというメリットもある。
【0236】
また、上述の実施形態では、フレキシブルキーFK1〜FK4のそれぞれにLED61を設けて、それらの点灯、点滅表示により、従来と同様の着信表示や保留中表示等を、併せて行なうようにしたので、ユーザは従来と同様の使い方ができて使い勝手が良い。
【0237】
[他の実施形態および変形例]
以上の実施形態では、複数個のフレキシブルキーのそれぞれに対して発光素子としてLED61を設けるようにしたが、発光素子は、LEDに限られるものではないことは言うまでもない。
【0238】
また、複数個のフレキシブルキーのそれぞれに対して、LEDなどの発光素子を設けなくても良い。その場合、LCD画面315Dの、対応するキー割付表示シンボル62の色、点灯、点滅などの表示形態を用いて、着信表示、保留中表示などの回線状態の変化や、外線捕捉中や機能使用中などを表示するようにしてもよい。
【0239】
また、上述の実施形態では、複数個のフレキシブルキーのそれぞれに対応して、LCD表示画面315Dに、キー割付表示シンボル62として回線状態や機能の文字表示をするようにしたが、文字表示の代わりに、各回線状態や機能に応じたグラフィックス表示からなるものをキー割付表示シンボル62として表示するようにしても良い。
【0240】
また、上述の実施形態では、複数個のフレキシブルキーのそれぞれに対応するキー割付表示シンボル62は、対応する回線状態の回線や対応する機能があるときに、LCD表示画面315Dに表示するようにしたが、図21に示すように、キー割付表示シンボル62は、フレキシブルキーFK1〜FK4のそれぞれに対応して、常時、表示するようにしても良い。その場合には、LEDなどの発光素子を、フレキシブルキーのそれぞれに対応して設けて、そのLEDにより回線状態の変化や使用状況に合わせた表示をするようにするとよい。
【0241】
また、上述の実施形態では、複数個のフレキシブルキーのそれぞれに対応するキー割付表示シンボル62は、対応する回線状態の回線がなかったり、対応する機能が設定されていなかったりした場合には、非表示とするようにしたが、非表示とするのではなく、図22に示すように点線で表示したり、他のフレキシブルキーに対応するキー設定シンボル22に比べて薄く表示したりするようにしてもよい。
【0242】
また、例えばインデックス紙をフレキシブルキーのそれぞれに対応して、設置できるように構成し、当該インデックス紙に割り付けられた回線状態や機能をユーザが記述するようにすることにより、LCD画面315Dのキー割付表示シンボル62を省略するようにしてもよい。
【0243】
また、複数のフレキシブルキーに対して、回線状態や機能を予め固定的に割付設定する場合には、当該フレキシブルキーのそれぞれに、割り付け設定された回線状態や機能の文字を印刷等により施しておいても良い。
【0244】
また、フレキシブルキーのそれぞれは、上述の例のように、押ボタンキーにより構成するのではなく、LCD画面315Dをタッチパネルの構成として、図23に示すように、当該LCD画面315Dの画面に、フレキシブルキーFK11〜FK14を表示するようにしても良い。
【0245】
この図23の例の場合には、LCD画面315D上のフレキシブルキーFK11〜FK14のいずれかを押すと、LCD画面315Dには、前述したような対応する一覧表示画面が表示され、当該一覧表示画面において、ユーザは、希望する回線や機能を、その行をタッチすることにより、選択することができるように構成することができる。
【0246】
そして、この図23の例においては、着信中なし、保留中なし、また、外線空きなしなどの回線状態のときには、LCD画面315D上のフレキシブルキーFK11〜FK14を表示しないようにする。これにより、ユーザは、誤操作をすることはなくなるというメリットがある。
【0247】
また、上述の実施形態では、フレキシブルキーに割付設定されている回線状態の回線が1回線のみである場合や、フレキシブルキーに割付設定されている機能が1個であるときには、それぞれのフレキシブルキーは、自動的に、着信応答キーや、外線捕捉キー、保留解除キーとして働くようにしたが、ユーザが、そのようにプリセットしたときにのみ、そのように働くようにしても良い。
【0248】
なお、その場合には、ユーザがプリセットしなかったときには、フレキシブルキーを押下操作した後、LCD表示画面で内容を確認した後、決定キーを押すことにより同じ処理要求とすることになる。
【0249】
なお、上述の実施形態では、フレキシブルキーFK4には異なる複数種の機能を併せて割付設定するようにしたが、グループ化することが可能な機能については、それぞれにフレキシブルキーを割付設定するようにしても良い。例えば、ワンタッチ機能のグループを1個のフレキシブルキーに割り付け設定し、また、ボイスメール再生機能のグループを別の1個のフレキシブルキーに割り付け設定するというように、一つ一つの機能を、1つ1つのフレキシブルキーに割付設定しても良い。
【0250】
なお、図の一覧表示は一例であり、これに限られるものではないことは言うまでもない。また、表示画面315Dに一度にすべての回線や機能を一覧表示するようにする必要はなく、スクロールさせたり、ページ変更(複数ページとした場合)させたりすることにより、より多くの回線や機能を一覧表示することができる。
【0251】
また、カーソル表示は、アンダーバーに限られるものではなく、一覧表示における各1行の囲み表示や、白黒反転表示、各1行表示の周囲領域のカラー表示など、種々の態様が採用可能である。
【0252】
また、以上の実施形態では、通話のみを行なう場合であったが、パケット電話機に電子メールの機能を設けて、電子メールの通信を行なうようにすることもできる。
【0253】
なお、表示画面を備える表示素子としては、LCDに限らず、有機EL(Electronic Lumminescence)ディスプレイ、FED(Field Emmission Display)など、他のフラットディスプレイパネルを用いることができることは言うまでもない。
【0254】
また、以上は、この発明を無線LANを用いたビジネスホンシステムにおけるパケット電話機に適用した場合の例であるが、この発明は、従来の接続ケーブルを介して主装置部と各電話端末との間を接続するようにするビジネスホンシステムにおける電話端末にも適用できるものである。
【0255】
また、上述の実施形態では、着信、外線空き状態、保留中の3つの回線状態のすべてを3つのフレキシブルキーに、それぞれ割り付けるようにしたが、前記3つの回線状態のすべてを必ず割り付けなければならない訳ではない。例えば、自己保留のみが可能で、保留転送機能を持たないビジネスホンシステムの場合には、保留中状態の回線グループをフレキシブルキーに割り付ける必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0256】
【図1】この発明による電話通信端末の実施形態を、パケット電話機として使用するビジネスホンシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】図1のシステムに用いられる無線LAN用アクセスポイント装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】図1のシステムに用いられる無線LAN用端末がステーション装置部の構成例を示すブロック図である。
【図4】この発明による電話通信端末の実施形態としてのパケット電話機の要部の構成例を示すブロック図である。
【図5】この発明による電話通信端末の実施形態としてのパケット電話機の、概観構成例を示す図である。
【図6】図4の回線状態情報記憶保持部327の記憶内容の一例を説明するための図である。
【図7】この発明による電話通信端末の実施形態としてのパケット電話機における表示例を示す図である。
【図8】この発明による電話通信端末の実施形態としてのパケット電話機における表示例を示す図である。
【図9】この発明による電話通信端末の実施形態としてのパケット電話機における表示例を示す図である。
【図10】この発明による電話通信端末の実施形態としてのパケット電話機における表示例を示す図である。
【図11】図4のフレキシブルキー設定記憶保持部328の記憶内容の一例を説明するための図である。
【図12】この発明による電話通信端末の実施形態としてのパケット電話機における表示例を示す図である。
【図13】この発明による電話通信端末の実施形態としてのパケット電話機における表示例を示す図である。
【図14】図1のシステムの主装置部のサーバ装置の動作説明のためのフローチャートを示す図である。
【図15】この発明による電話通信端末の実施形態としてのパケット電話機の動作説明のためのフローチャートを示す図である。
【図16】この発明による電話通信端末の実施形態としてのパケット電話機の動作説明のためのフローチャートの一部を示す図である。
【図17】この発明による電話通信端末の実施形態としてのパケット電話機の動作説明のためのフローチャートの一部を示す図である。
【図18】この発明による電話通信端末の実施形態としてのパケット電話機の動作説明のためのフローチャートの一部を示す図である。
【図19】この発明による電話通信端末の実施形態としてのパケット電話機の動作説明のためのフローチャートの一部を示す図である。
【図20】この発明による電話通信端末の実施形態としてのパケット電話機の動作説明のためのフローチャートの一部を示す図である。
【図21】この発明による電話通信端末の実施形態としてのパケット電話機における他の表示例を示す図である。
【図22】この発明による電話通信端末の実施形態としてのパケット電話機における他の表示例を示す図である。
【図23】この発明による電話通信端末の実施形態としてのパケット電話機における他の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0257】
1…主装置部、2…パケット電話機、3…無線LAN、4…外部ネットワーク、20…無線LAN用端末側ステーション装置部、30…電話機部、40…バッテリー、327…回線状態記憶保持部、328…フレキシブルキー設定記憶保持部、FK1〜FK4…フレキシブルキー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信用回線を収容可能な主装置部に対して通信路を通じて接続されて、前記通信用回線を通じて通信を行なう電話通信端末において、
前記通信用回線の回線状態が割り付けられた操作キーと、
表示画面を備える表示素子と、
前記操作キーが操作されたときに、前記操作キーに割り付けられている回線状態となっている前記通信用回線の一覧を、前記回線状態に関する種別の一覧により、前記表示画面に表示するように制御する表示制御手段と、
を備えることを特徴とする電話通信端末。
【請求項2】
請求項1に記載の電話通信端末において、
前記操作キーには、着信中の回線状態が割り付けられており、
前記回線状態に関する種別は、着信の種別である
ことを特徴とする電話通信端末。
【請求項3】
請求項1に記載の電話通信端末において、
前記操作キーには、保留中の回線状態が割り付けられており、
前記回線状態に関する種別は、保留の種別である
ことを特徴とする電話通信端末。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電話通信端末において、
前記操作キーに割り付けられている回線状態となっている前記通信用回線の一覧が前記表示画面に表示されているときに、前記一覧から一の通信用回線をユーザが選択するための選択操作手段を備える
ことを特徴とする電話通信端末。
【請求項5】
請求項4に記載の電話通信端末において、
前記操作キーに割り付けられている回線状態が何であるかを表示する操作キー割付表示手段を備える
ことを特徴とする電話通信端末。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2006−270483(P2006−270483A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−85343(P2005−85343)
【出願日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(304020498)サクサ株式会社 (678)
【Fターム(参考)】