高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シート及びその製造方法
【課題】本発明は、高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シート及びその製造方法に関する。
【解決手段】本発明の高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シートは、ポリマーマトリクスと、密度が0.1/cm3〜2.2cm3であるカーボンナノチューブアレイと、を含む。前記高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シートの厚さは、20μm〜5mmにされている。さらに、本発明は、前記高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シートの製造方法も提供する。
【解決手段】本発明の高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シートは、ポリマーマトリクスと、密度が0.1/cm3〜2.2cm3であるカーボンナノチューブアレイと、を含む。前記高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シートの厚さは、20μm〜5mmにされている。さらに、本発明は、前記高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シートの製造方法も提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シート及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブ(Carbon Nanotube,CNT)は1991年に飯島によって発見され、21世紀で重要な新素材の1つであると期待されている。CNTは機械・電気・熱特性に優れていることから、エレクトロニクス、バイオ、エネルギー、複合材料等、広範な分野での応用が期待されている。非特許文献1及び非特許文献2に掲載されて以来、CNTをフィラーとした高分子基複合材料(CNT/Polymer複合材料)の機械、熱、電気特性の向上を目指し研究が盛んに行われている。CNT/ポリマー複合材料には、電磁波遮蔽・吸収や帯電防止などの特徴がある。
【0003】
現在、CNT/ポリマー複合材料の製造方法には、インサイチュ重合法(In−situ Polymerization)、溶液混合法、溶融体混合法がある。インサイチュ重合法によれば、カーボンナノチューブの表面の官能基を重合反応させ、又は開始剤を利用してカーボンナノチューブのπ結合を切って重合反応させて、カーボンナノチューブを良好に有機相に溶かす。溶液混合法によれば、ポリマーを含む良溶媒にカーボンナノチューブを入れて分散させて、カーボンナノチューブの内にポリマーを充填して成型加工した後、該ポリマーが充填されたカーボンナノチューブの表面に残る溶剤を除去して、CNT/ポリマー複合材料が得られる。溶融体混合法によれば、カーボンナノチューブ及びポリマー材料の混合物を、ポリマー材料の融点より高い温度までに加熱して、該ポリマー材料を溶融体に形成させて前記カーボンナノチューブを該ポリマー材料溶融体に混合させてCNT/ポリマー複合材料が得られる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記CNT/ポリマー複合材料に利用されるカーボンナノチューブアレイは、従来のCVD法で成長されたものであるので、カーボンナノチューブアレイの密度は、0.01g/cm3以下までに達し、各々のカーボンナノチューブの間の距離が、単一のカーボンナノチューブの直径より数倍大きくなる。さらに、CVD法でカーボンナノチューブアレイを直接成長させることにより、カーボンナノチューブアレイの密度を制御し難いので、例えば、該カーボンナノチューブアレイを熱伝導複合物に利用する場合、該熱伝導複合物の熱伝導性が低くなるという課題がある。
【非特許文献1】Ajjayan P.M.,Stephan O.,Colliex C.,Tranth D.Science,1994,265,1212−1215
【非特許文献2】Calvert P.,Nature,1999,399,210−211
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、本発明は、高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シート及びその製造方法を提供する。また、本発明の製造方法により、前記熱伝導シートにおけるカーボンナノチューブアレイの密度を簡単に制御することができる。
【0006】
本発明の高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シートは、ポリマーマトリクスと、密度が0.1/cm3〜2.2cm3であるカーボンナノチューブアレイと、を含む。
【0007】
前記高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シートの厚さは、20μm〜5mmにされている。
【0008】
前記カーボンナノチューブアレイは、少なくとも一方の端部が前記ポリマーマトリクスから突き出る。
【0009】
本発明の高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シートの製造方法は、カーボンナノチューブアレイを有する基板を提供する第一ステップと、液体のポリマー前駆物質を前記カーボンナノチューブアレイに充填させる第二ステップと、前記基板の表面に平行する第一方向に沿って、前記カーボンナノチューブアレイを圧縮させて、前記カーボンナノチューブアレイの密度を0.1/cm3〜2.2cm3に形成させる第三ステップと、前記ポリマー前駆物質を重合させて、高密度カーボンナノチューブアレイを含む複合物を形成させる第四ステップと、前記カーボンナノチューブの縦方向に沿って、前記複合物を横断して切る第五ステップと、を含む。
【0010】
さらに、本発明の高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シートの製造方法は、前記基板の表面に平行する第二方向に沿って、前記カーボンナノチューブアレイを圧縮するステップを含む。ここで、前記第二方向は前記第一方向に垂直する。
【発明の効果】
【0011】
従来の熱伝導シートと比べると、本発明の高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シートは、次の優れた点がある。第一に、本発明の高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シートにおいて、カーボンナノチューブが緊密に配列されるので、本発明の熱伝導シートの熱伝導率は従来の熱伝導シートより10〜200倍高くなることができる。第二に、本発明の高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シートにおいて、カーボンナノチューブはそれぞれポリマーで結合されるので、熱伝導シートの化学的な安定性が高くなる。第三に、本発明の高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シートにおいて、前記カーボンナノチューブアレイの両方の端部はそれぞれ前記ポリマーマトリクスの両方の表面から露出させるので、前記熱伝導シートの熱伝導率が高くなる。第四に、本発明の製造方法は簡単であり、また、該製造方法により、所定の密度がある高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シートを製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0013】
(実施形態1)
本実施形態は、高密度カーボンナノチューブアレイ及びポリマーマトリクスを含む熱伝導シートを提供する。該高密度カーボンナノチューブアレイは、緊密に詰めて配列された複数のカーボンナノチューブを含む。前記高密度カーボンナノチューブアレイの密度は、0.1g/cm3〜2.2g/cm3に形成され、1g/cm3〜1.5g/cm3であることが好ましい。前記複数のカーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ又は多層カーボンナノチューブである。前記ポリマーマトリクスは、第一表面及び該第一表面に対向する第二表面を有する。前記高密度カーボンナノチューブアレイは、前記第一表面及び第二表面に垂直して、前記第一表面及び第二表面の間に設置されている。前記高密度カーボンナノチューブアレイにおけるカーボンナノチューブは、それぞれ二つの開口の端部を有し、少なくとも一方の端部が前記ポリマーマトリクスから突き出る。前記熱伝導シートの厚さは、20μm〜5mmにされている。
【0014】
(実施形態2)
図1を参照すると、本実施形態は、シリコンゴムに付けられる前記の熱伝導シートの製造方法を提供する。該製造方法は、カーボンナノチューブアレイを有する基板を提供する第一ステップと、液体のポリマー前駆物質を前記カーボンナノチューブアレイに充填させる第二ステップと、前記基板の表面に平行する第一方向に沿って、前記カーボンナノチューブアレイを圧縮させて、カーボンナノチューブアレイの密度が0.1/cm3〜2.2cm3の高密度カーボンナノチューブアレイを含むポリマー前駆物質を形成させる第三ステップと、前記高密度カーボンナノチューブアレイを含む前駆物質を重合させて、高密度カーボンナノチューブアレイを含む複合物を形成させる第四ステップと、前記カーボンナノチューブの縦方向に沿って、前記複合物を横断して切る第五ステップと、を含む。
【0015】
前記第一ステップにおいて、前記カーボンナノチューブアレイの成長方法は、基板を提供する第一サブステップと、前記基板の表面に触媒層を形成する第二サブステップと、前記触媒層を有する前記基板をアニールする第三サブステップと、前記基板を反応炉に置いて加熱させる第四サブステップと、キャリアーガス及びカーボンを含むガスを前記反応炉に導入させて、前記基板にカーボンナノチューブアレイを成長させる第五サブステップと、を含む。
【0016】
前記第一サブステップにおいて、前記基板は、P型のシリコンウェハー又はN型のシリコンウェハー、石英又はガラスのウェハーである。本実施形態において、前記基板としては、4インチのP型のシリコンウェハーが利用されている。
【0017】
前記第二サブステップにおいて、前記触媒層は、鉄、コバルト、ニッケル又はそのいずれか一種の合金からなる。本実施形態において、鉄を利用して触媒層として利用する。前記触媒層の厚さは、0.5〜5nmにされ、1nmであることが好ましい。前記触媒層は、火炎堆積法、電子線堆積、蒸着、スパッタなどの方法により形成されている。
【0018】
前記第三サブステップにおいて、前記触媒層を300℃で0.2〜12時間にアニールさせて、酸化触媒粒子を形成させる。
【0019】
前記第四サブステップにおいて、前記反応炉の内に保護ガスを導入して、600℃〜1000℃まで加熱させる。前記保護ガスは、アルゴン、窒素などの不活性ガスである。本実施形態において、アルゴンを保護ガスとして利用している。
【0020】
前記第五サブステップにおいて、前記カーボンを含むガスは、エチレン、メタン、アセチレン又はそれらの混合物である。本実施形態において、前記キャリアーガスは窒素であり、前記カーボンを含むガスはアセチレンである。前記キャリアーガス及びカーボンを含むガスを0.1〜2時間に加熱された後、前記基板にカーボンナノチューブアレイが成長されている。ここで、前記カーボンナノチューブアレイは、相互に平行し前記基板に垂直な複数のカーボンナノチューブを含む。この場合、前記カーボンナノチューブアレイには、無定形炭素及び残りの触媒粒子などの不純物が残留されている。
【0021】
前記カーボンナノチューブアレイにおけるカーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ又は多層カーボンナノチューブである。
【0022】
前記第二ステップにおいて、図2に示された製造設備10が利用されている。図2を参照すると、前記製造設備10は、上方板12と、下方板14と、二枚の第一側板16と、二枚の第二側板18と、を含む。前記上方板12は前記下方板14に平行して、所定の距離で分離して前記下方板14に組み合わせる。前記上方板12はネジで前記下方板14に組み合わせている。前記上方板12及び前記下方板14の間に、カーボンナノチューブアレイ60が形成された基板70を設置している。前記基板30に平行な第一方向に沿って、対向する二枚の第一側板16を設置し、前記基板30に平行な第二方向に沿って、対向する二枚の第二側板18を設置する。前記第一方向は、前記第二方向に垂直するように設定されている。
【0023】
さらに、前記第二ステップは、前記カーボンナノチューブアレイ40を有する前記基板30を、前記製造設備10に設置する第一サブステップと、液体のポリマー前駆物質50を前記カーボンナノチューブアレイ40に充填させて、カーボンナノチューブアレイを含むポリマー前駆物質60を形成させる第二サブステップと、を含む。
【0024】
前記第二ステップの第一サブステップにおいて、前記カーボンナノチューブアレイ40を有する前記基板30を、前記第一側板16及び前記第二側板18からなる空間に設置している。
【0025】
前記第二ステップの第二サブステップにおいて、前記液体のポリマー前駆物質50を前記カーボンナノチューブアレイ40に充填させてカーボンナノチューブを含むポリマー前駆物質60を形成した後、前記上方板12を前記下方板14に組み合わせる。ここで、前記液体のポリマー前駆物質50はシリコンゴム、エポキシ樹脂、密封剤(pouring sealant)、パラフィンのいずれか一種である。さらに、前記液体のポリマー前駆物質50は、重合、溶解、溶融などの方法によって得る低粘度の液体ポリマーを含む。本実施形態において、前記液体のポリマー前駆物質50は、シリコンゴム溶液である。前記シリコンゴム溶液は、酢酸エステル及びシリコンゴムを混ぜあわせて得るものである。
【0026】
前記液体のポリマー前駆物質50を前記カーボンナノチューブアレイ40に充填させる方法としては、例えば、直接前記液体のポリマー前駆物質50を前記カーボンナノチューブアレイ40の上方から滴らせて、前記液体のポリマー前駆物質50を前記カーボンナノチューブアレイ40の隙間に滲入させる方法がある。又は、前記液体のポリマー前駆物質50及び前記カーボンナノチューブアレイ40を容器に入れて、前記カーボンナノチューブアレイ40を完全に前記液体のポリマー前駆物質50に浸透させることもできる。
【0027】
前記第三ステップは、前記カーボンナノチューブアレイを含むポリマー前駆物質60を前記二枚の第二側板18で挟む状態で、前記下方板14に固定させる第一サブステップと、前記二枚の第一側板16を第一方向に沿って前記下方板20に平行に移動させる。前記二枚の第一側板16が相互に近くになるほど、前記カーボンナノチューブアレイを含むポリマー前駆物質60におけるカーボンナノチューブアレイの密度が大きくなる。
【0028】
前記第三ステップの前に、前記カーボンナノチューブアレイを含むポリマー前駆物質60を真空化させる工程を行うことが好ましい。また、前記第三ステップを真空の雰囲気において行うこともできる。この場合、該真空の雰囲気が0.2atm以上にされ、真空化の時間が必要により設定されている。前記真空化工程により、前記カーボンナノチューブアレイ40における気泡を放出させ、前記液体のポリマー前駆物質50を、前記カーボンナノチューブアレイ40における隙間に完全に充填させることができる。
【0029】
さらに、前記第三ステップの後に、前記カーボンナノチューブアレイを含むポリマー前駆物質60を前記基板30に平行する第二方向に沿って、前記下方板14に平行に移動して、高密度カーボンナノチューブアレイを含むポリマー前駆物質70を製造することができる。ここで、前記第二方向は、前記第一方向に垂直するように設定されている。次に、この工程についてさらに詳しく説明する。まず、前記カーボンナノチューブアレイを含むポリマー前駆物質60を前記二枚の第一側板16で挟む状態で、前記下方板14に固定させる。次に、前記二枚の第二側板18を第二方向に沿って前記下方板14に平行に移動させる。前記二枚の第二側板18が相互に近くになるほど、前記カーボンナノチューブアレイを含むポリマー前駆物質60におけるカーボンナノチューブアレイの密度が大きくになる。
【0030】
前記第一側板16及び第二側板18を前記第一方向及び前記第二方向に沿って移動させて、前記カーボンナノチューブアレイを含むポリマー前駆物質60を加工することにより、所定の密度を有する高密度カーボンナノチューブアレイを含むポリマー前駆物質70が得られる。前記第一側板16及び/又は前記第二側板18を相互に近くにさせる程度を制御することにより、高密度カーボンナノチューブアレイを含むポリマー前駆物質70におけるカーボンナノチューブアレイの密度を制御することができる。
【0031】
前記第四ステップにおいて、前記高密度カーボンナノチューブアレイを含むポリマー前駆物質70に、凝固剤を添加して、前記ポリマー前駆物質70を重合させる。該凝固剤の用量は、前記ポリマー前駆物質70を凝固させるまでの時間が2時間以上にされるように設定されることが好ましい。前記凝固剤を添加した後、前記ポリマー前駆物質70を加熱させ、又は室温の雰囲気において置くことにより、前記ポリマー前駆物質70を重合させて高密度カーボンナノチューブアレイを含む複合物80を形成させる。
【0032】
前記凝固剤は、エポキシ硬化剤、アルカリ化凝固剤(alkaline solidifying agent)、酸化凝固剤(acid solidifying agent)のいずれか一種である。前記アルカリ化凝固剤は、脂肪族ジアミン、芳香族ポリアミン、改質の脂肪族アミン又は他の窒素化合物である。前記酸化凝固剤は、有機酸、酸無水物、酸フッ化ホウ素又はその一種の化合物である。
【0033】
本実施形態において、前記複合物80におけるカーボンナノチューブアレイの密度は、CVD法で直接成長されたカーボンナノチューブアレイより10〜100倍大きくなる。前記シリコンゴム基板30に付けられた前記高密度カーボンナノチューブアレイを含む複合物80の熱伝導率は、3W/mKに達することができる。これに比べて、従来技術のCVD法で直接成長されるカーボンナノチューブアレイを含む複合物の熱伝導率は、1W/mK程度だけ実現される。
【0034】
勿論、前記高密度カーボンナノチューブアレイを含む複合物80は、次の方法により製造されることができる。まず、前記製造設備を利用して、CVD法で成長されたカーボンナノチューブアレイを圧縮させて、高密度カーボンナノチューブアレイを形成させる。次に、前記高密度カーボンナノチューブアレイにポリマー前駆物質を充填させて、高密度カーボンナノチューブアレイを含むポリマー前駆物質を形成させる。最後、前記高密度カーボンナノチューブアレイを含むポリマー前駆物質を重合させて、高密度カーボンナノチューブアレイを含む複合物を形成させる。
【0035】
前記第五ステップにおいて、ナイフ90を利用して、前記カーボンナノチューブの垂直軸に沿って前記複合物80を切って、高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シート100を形成する。前記熱伝導シート100の熱伝導率を高めるために、前記熱伝導シート100の表面に対して、例えば、プラズマエッチング、化学修飾、金属堆積などの加工を行うことができる。
【0036】
前記熱伝導シート100の表面にプラズマエッチングをする場合、前記熱伝導シート100に埋めているカーボンナノチューブアレイの両方の端部を、それぞれ十分に前記熱伝導シート100の表面から露出させることができる。従って、前記熱伝導シート100の熱伝導率が非常に高くなることができる。また、前記熱伝導シート100の表面に対して化学修飾を行う場合、前記カーボンナノチューブアレイの両方の端部に必要な化学官能基が吸収されるので、前記熱伝導シート100の熱伝導率が高くなることができる。また、前記熱伝導シート100の表面に金属を堆積する場合、前記熱伝導シート100及び熱源の間に良好な熱伝導を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施形態に係る高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シートの製造方法のフローチャートである。
【図2】本発明の実施形態に係る高密度カーボンナノチューブアレイを含む複合物の製造設備の斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シートの製造工程を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
10 製造設備
12 上方板
14 下方板
16 第一側板
18 第二側板
24 ネジ
30 基板
40 カーボンナノチューブアレイ
50 液体のポリマー前駆物質
60 カーボンナノチューブアレイを含むポリマー前駆物質
70 高密度カーボンナノチューブアレイを含むポリマー前駆物質
80 高密度カーボンナノチューブアレイを含む複合物
100 高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シート
【技術分野】
【0001】
本発明は、高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シート及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブ(Carbon Nanotube,CNT)は1991年に飯島によって発見され、21世紀で重要な新素材の1つであると期待されている。CNTは機械・電気・熱特性に優れていることから、エレクトロニクス、バイオ、エネルギー、複合材料等、広範な分野での応用が期待されている。非特許文献1及び非特許文献2に掲載されて以来、CNTをフィラーとした高分子基複合材料(CNT/Polymer複合材料)の機械、熱、電気特性の向上を目指し研究が盛んに行われている。CNT/ポリマー複合材料には、電磁波遮蔽・吸収や帯電防止などの特徴がある。
【0003】
現在、CNT/ポリマー複合材料の製造方法には、インサイチュ重合法(In−situ Polymerization)、溶液混合法、溶融体混合法がある。インサイチュ重合法によれば、カーボンナノチューブの表面の官能基を重合反応させ、又は開始剤を利用してカーボンナノチューブのπ結合を切って重合反応させて、カーボンナノチューブを良好に有機相に溶かす。溶液混合法によれば、ポリマーを含む良溶媒にカーボンナノチューブを入れて分散させて、カーボンナノチューブの内にポリマーを充填して成型加工した後、該ポリマーが充填されたカーボンナノチューブの表面に残る溶剤を除去して、CNT/ポリマー複合材料が得られる。溶融体混合法によれば、カーボンナノチューブ及びポリマー材料の混合物を、ポリマー材料の融点より高い温度までに加熱して、該ポリマー材料を溶融体に形成させて前記カーボンナノチューブを該ポリマー材料溶融体に混合させてCNT/ポリマー複合材料が得られる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記CNT/ポリマー複合材料に利用されるカーボンナノチューブアレイは、従来のCVD法で成長されたものであるので、カーボンナノチューブアレイの密度は、0.01g/cm3以下までに達し、各々のカーボンナノチューブの間の距離が、単一のカーボンナノチューブの直径より数倍大きくなる。さらに、CVD法でカーボンナノチューブアレイを直接成長させることにより、カーボンナノチューブアレイの密度を制御し難いので、例えば、該カーボンナノチューブアレイを熱伝導複合物に利用する場合、該熱伝導複合物の熱伝導性が低くなるという課題がある。
【非特許文献1】Ajjayan P.M.,Stephan O.,Colliex C.,Tranth D.Science,1994,265,1212−1215
【非特許文献2】Calvert P.,Nature,1999,399,210−211
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、本発明は、高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シート及びその製造方法を提供する。また、本発明の製造方法により、前記熱伝導シートにおけるカーボンナノチューブアレイの密度を簡単に制御することができる。
【0006】
本発明の高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シートは、ポリマーマトリクスと、密度が0.1/cm3〜2.2cm3であるカーボンナノチューブアレイと、を含む。
【0007】
前記高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シートの厚さは、20μm〜5mmにされている。
【0008】
前記カーボンナノチューブアレイは、少なくとも一方の端部が前記ポリマーマトリクスから突き出る。
【0009】
本発明の高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シートの製造方法は、カーボンナノチューブアレイを有する基板を提供する第一ステップと、液体のポリマー前駆物質を前記カーボンナノチューブアレイに充填させる第二ステップと、前記基板の表面に平行する第一方向に沿って、前記カーボンナノチューブアレイを圧縮させて、前記カーボンナノチューブアレイの密度を0.1/cm3〜2.2cm3に形成させる第三ステップと、前記ポリマー前駆物質を重合させて、高密度カーボンナノチューブアレイを含む複合物を形成させる第四ステップと、前記カーボンナノチューブの縦方向に沿って、前記複合物を横断して切る第五ステップと、を含む。
【0010】
さらに、本発明の高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シートの製造方法は、前記基板の表面に平行する第二方向に沿って、前記カーボンナノチューブアレイを圧縮するステップを含む。ここで、前記第二方向は前記第一方向に垂直する。
【発明の効果】
【0011】
従来の熱伝導シートと比べると、本発明の高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シートは、次の優れた点がある。第一に、本発明の高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シートにおいて、カーボンナノチューブが緊密に配列されるので、本発明の熱伝導シートの熱伝導率は従来の熱伝導シートより10〜200倍高くなることができる。第二に、本発明の高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シートにおいて、カーボンナノチューブはそれぞれポリマーで結合されるので、熱伝導シートの化学的な安定性が高くなる。第三に、本発明の高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シートにおいて、前記カーボンナノチューブアレイの両方の端部はそれぞれ前記ポリマーマトリクスの両方の表面から露出させるので、前記熱伝導シートの熱伝導率が高くなる。第四に、本発明の製造方法は簡単であり、また、該製造方法により、所定の密度がある高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シートを製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0013】
(実施形態1)
本実施形態は、高密度カーボンナノチューブアレイ及びポリマーマトリクスを含む熱伝導シートを提供する。該高密度カーボンナノチューブアレイは、緊密に詰めて配列された複数のカーボンナノチューブを含む。前記高密度カーボンナノチューブアレイの密度は、0.1g/cm3〜2.2g/cm3に形成され、1g/cm3〜1.5g/cm3であることが好ましい。前記複数のカーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ又は多層カーボンナノチューブである。前記ポリマーマトリクスは、第一表面及び該第一表面に対向する第二表面を有する。前記高密度カーボンナノチューブアレイは、前記第一表面及び第二表面に垂直して、前記第一表面及び第二表面の間に設置されている。前記高密度カーボンナノチューブアレイにおけるカーボンナノチューブは、それぞれ二つの開口の端部を有し、少なくとも一方の端部が前記ポリマーマトリクスから突き出る。前記熱伝導シートの厚さは、20μm〜5mmにされている。
【0014】
(実施形態2)
図1を参照すると、本実施形態は、シリコンゴムに付けられる前記の熱伝導シートの製造方法を提供する。該製造方法は、カーボンナノチューブアレイを有する基板を提供する第一ステップと、液体のポリマー前駆物質を前記カーボンナノチューブアレイに充填させる第二ステップと、前記基板の表面に平行する第一方向に沿って、前記カーボンナノチューブアレイを圧縮させて、カーボンナノチューブアレイの密度が0.1/cm3〜2.2cm3の高密度カーボンナノチューブアレイを含むポリマー前駆物質を形成させる第三ステップと、前記高密度カーボンナノチューブアレイを含む前駆物質を重合させて、高密度カーボンナノチューブアレイを含む複合物を形成させる第四ステップと、前記カーボンナノチューブの縦方向に沿って、前記複合物を横断して切る第五ステップと、を含む。
【0015】
前記第一ステップにおいて、前記カーボンナノチューブアレイの成長方法は、基板を提供する第一サブステップと、前記基板の表面に触媒層を形成する第二サブステップと、前記触媒層を有する前記基板をアニールする第三サブステップと、前記基板を反応炉に置いて加熱させる第四サブステップと、キャリアーガス及びカーボンを含むガスを前記反応炉に導入させて、前記基板にカーボンナノチューブアレイを成長させる第五サブステップと、を含む。
【0016】
前記第一サブステップにおいて、前記基板は、P型のシリコンウェハー又はN型のシリコンウェハー、石英又はガラスのウェハーである。本実施形態において、前記基板としては、4インチのP型のシリコンウェハーが利用されている。
【0017】
前記第二サブステップにおいて、前記触媒層は、鉄、コバルト、ニッケル又はそのいずれか一種の合金からなる。本実施形態において、鉄を利用して触媒層として利用する。前記触媒層の厚さは、0.5〜5nmにされ、1nmであることが好ましい。前記触媒層は、火炎堆積法、電子線堆積、蒸着、スパッタなどの方法により形成されている。
【0018】
前記第三サブステップにおいて、前記触媒層を300℃で0.2〜12時間にアニールさせて、酸化触媒粒子を形成させる。
【0019】
前記第四サブステップにおいて、前記反応炉の内に保護ガスを導入して、600℃〜1000℃まで加熱させる。前記保護ガスは、アルゴン、窒素などの不活性ガスである。本実施形態において、アルゴンを保護ガスとして利用している。
【0020】
前記第五サブステップにおいて、前記カーボンを含むガスは、エチレン、メタン、アセチレン又はそれらの混合物である。本実施形態において、前記キャリアーガスは窒素であり、前記カーボンを含むガスはアセチレンである。前記キャリアーガス及びカーボンを含むガスを0.1〜2時間に加熱された後、前記基板にカーボンナノチューブアレイが成長されている。ここで、前記カーボンナノチューブアレイは、相互に平行し前記基板に垂直な複数のカーボンナノチューブを含む。この場合、前記カーボンナノチューブアレイには、無定形炭素及び残りの触媒粒子などの不純物が残留されている。
【0021】
前記カーボンナノチューブアレイにおけるカーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ又は多層カーボンナノチューブである。
【0022】
前記第二ステップにおいて、図2に示された製造設備10が利用されている。図2を参照すると、前記製造設備10は、上方板12と、下方板14と、二枚の第一側板16と、二枚の第二側板18と、を含む。前記上方板12は前記下方板14に平行して、所定の距離で分離して前記下方板14に組み合わせる。前記上方板12はネジで前記下方板14に組み合わせている。前記上方板12及び前記下方板14の間に、カーボンナノチューブアレイ60が形成された基板70を設置している。前記基板30に平行な第一方向に沿って、対向する二枚の第一側板16を設置し、前記基板30に平行な第二方向に沿って、対向する二枚の第二側板18を設置する。前記第一方向は、前記第二方向に垂直するように設定されている。
【0023】
さらに、前記第二ステップは、前記カーボンナノチューブアレイ40を有する前記基板30を、前記製造設備10に設置する第一サブステップと、液体のポリマー前駆物質50を前記カーボンナノチューブアレイ40に充填させて、カーボンナノチューブアレイを含むポリマー前駆物質60を形成させる第二サブステップと、を含む。
【0024】
前記第二ステップの第一サブステップにおいて、前記カーボンナノチューブアレイ40を有する前記基板30を、前記第一側板16及び前記第二側板18からなる空間に設置している。
【0025】
前記第二ステップの第二サブステップにおいて、前記液体のポリマー前駆物質50を前記カーボンナノチューブアレイ40に充填させてカーボンナノチューブを含むポリマー前駆物質60を形成した後、前記上方板12を前記下方板14に組み合わせる。ここで、前記液体のポリマー前駆物質50はシリコンゴム、エポキシ樹脂、密封剤(pouring sealant)、パラフィンのいずれか一種である。さらに、前記液体のポリマー前駆物質50は、重合、溶解、溶融などの方法によって得る低粘度の液体ポリマーを含む。本実施形態において、前記液体のポリマー前駆物質50は、シリコンゴム溶液である。前記シリコンゴム溶液は、酢酸エステル及びシリコンゴムを混ぜあわせて得るものである。
【0026】
前記液体のポリマー前駆物質50を前記カーボンナノチューブアレイ40に充填させる方法としては、例えば、直接前記液体のポリマー前駆物質50を前記カーボンナノチューブアレイ40の上方から滴らせて、前記液体のポリマー前駆物質50を前記カーボンナノチューブアレイ40の隙間に滲入させる方法がある。又は、前記液体のポリマー前駆物質50及び前記カーボンナノチューブアレイ40を容器に入れて、前記カーボンナノチューブアレイ40を完全に前記液体のポリマー前駆物質50に浸透させることもできる。
【0027】
前記第三ステップは、前記カーボンナノチューブアレイを含むポリマー前駆物質60を前記二枚の第二側板18で挟む状態で、前記下方板14に固定させる第一サブステップと、前記二枚の第一側板16を第一方向に沿って前記下方板20に平行に移動させる。前記二枚の第一側板16が相互に近くになるほど、前記カーボンナノチューブアレイを含むポリマー前駆物質60におけるカーボンナノチューブアレイの密度が大きくなる。
【0028】
前記第三ステップの前に、前記カーボンナノチューブアレイを含むポリマー前駆物質60を真空化させる工程を行うことが好ましい。また、前記第三ステップを真空の雰囲気において行うこともできる。この場合、該真空の雰囲気が0.2atm以上にされ、真空化の時間が必要により設定されている。前記真空化工程により、前記カーボンナノチューブアレイ40における気泡を放出させ、前記液体のポリマー前駆物質50を、前記カーボンナノチューブアレイ40における隙間に完全に充填させることができる。
【0029】
さらに、前記第三ステップの後に、前記カーボンナノチューブアレイを含むポリマー前駆物質60を前記基板30に平行する第二方向に沿って、前記下方板14に平行に移動して、高密度カーボンナノチューブアレイを含むポリマー前駆物質70を製造することができる。ここで、前記第二方向は、前記第一方向に垂直するように設定されている。次に、この工程についてさらに詳しく説明する。まず、前記カーボンナノチューブアレイを含むポリマー前駆物質60を前記二枚の第一側板16で挟む状態で、前記下方板14に固定させる。次に、前記二枚の第二側板18を第二方向に沿って前記下方板14に平行に移動させる。前記二枚の第二側板18が相互に近くになるほど、前記カーボンナノチューブアレイを含むポリマー前駆物質60におけるカーボンナノチューブアレイの密度が大きくになる。
【0030】
前記第一側板16及び第二側板18を前記第一方向及び前記第二方向に沿って移動させて、前記カーボンナノチューブアレイを含むポリマー前駆物質60を加工することにより、所定の密度を有する高密度カーボンナノチューブアレイを含むポリマー前駆物質70が得られる。前記第一側板16及び/又は前記第二側板18を相互に近くにさせる程度を制御することにより、高密度カーボンナノチューブアレイを含むポリマー前駆物質70におけるカーボンナノチューブアレイの密度を制御することができる。
【0031】
前記第四ステップにおいて、前記高密度カーボンナノチューブアレイを含むポリマー前駆物質70に、凝固剤を添加して、前記ポリマー前駆物質70を重合させる。該凝固剤の用量は、前記ポリマー前駆物質70を凝固させるまでの時間が2時間以上にされるように設定されることが好ましい。前記凝固剤を添加した後、前記ポリマー前駆物質70を加熱させ、又は室温の雰囲気において置くことにより、前記ポリマー前駆物質70を重合させて高密度カーボンナノチューブアレイを含む複合物80を形成させる。
【0032】
前記凝固剤は、エポキシ硬化剤、アルカリ化凝固剤(alkaline solidifying agent)、酸化凝固剤(acid solidifying agent)のいずれか一種である。前記アルカリ化凝固剤は、脂肪族ジアミン、芳香族ポリアミン、改質の脂肪族アミン又は他の窒素化合物である。前記酸化凝固剤は、有機酸、酸無水物、酸フッ化ホウ素又はその一種の化合物である。
【0033】
本実施形態において、前記複合物80におけるカーボンナノチューブアレイの密度は、CVD法で直接成長されたカーボンナノチューブアレイより10〜100倍大きくなる。前記シリコンゴム基板30に付けられた前記高密度カーボンナノチューブアレイを含む複合物80の熱伝導率は、3W/mKに達することができる。これに比べて、従来技術のCVD法で直接成長されるカーボンナノチューブアレイを含む複合物の熱伝導率は、1W/mK程度だけ実現される。
【0034】
勿論、前記高密度カーボンナノチューブアレイを含む複合物80は、次の方法により製造されることができる。まず、前記製造設備を利用して、CVD法で成長されたカーボンナノチューブアレイを圧縮させて、高密度カーボンナノチューブアレイを形成させる。次に、前記高密度カーボンナノチューブアレイにポリマー前駆物質を充填させて、高密度カーボンナノチューブアレイを含むポリマー前駆物質を形成させる。最後、前記高密度カーボンナノチューブアレイを含むポリマー前駆物質を重合させて、高密度カーボンナノチューブアレイを含む複合物を形成させる。
【0035】
前記第五ステップにおいて、ナイフ90を利用して、前記カーボンナノチューブの垂直軸に沿って前記複合物80を切って、高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シート100を形成する。前記熱伝導シート100の熱伝導率を高めるために、前記熱伝導シート100の表面に対して、例えば、プラズマエッチング、化学修飾、金属堆積などの加工を行うことができる。
【0036】
前記熱伝導シート100の表面にプラズマエッチングをする場合、前記熱伝導シート100に埋めているカーボンナノチューブアレイの両方の端部を、それぞれ十分に前記熱伝導シート100の表面から露出させることができる。従って、前記熱伝導シート100の熱伝導率が非常に高くなることができる。また、前記熱伝導シート100の表面に対して化学修飾を行う場合、前記カーボンナノチューブアレイの両方の端部に必要な化学官能基が吸収されるので、前記熱伝導シート100の熱伝導率が高くなることができる。また、前記熱伝導シート100の表面に金属を堆積する場合、前記熱伝導シート100及び熱源の間に良好な熱伝導を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施形態に係る高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シートの製造方法のフローチャートである。
【図2】本発明の実施形態に係る高密度カーボンナノチューブアレイを含む複合物の製造設備の斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シートの製造工程を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
10 製造設備
12 上方板
14 下方板
16 第一側板
18 第二側板
24 ネジ
30 基板
40 カーボンナノチューブアレイ
50 液体のポリマー前駆物質
60 カーボンナノチューブアレイを含むポリマー前駆物質
70 高密度カーボンナノチューブアレイを含むポリマー前駆物質
80 高密度カーボンナノチューブアレイを含む複合物
100 高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーマトリクスと、
密度が0.1/cm3〜2.2cm3であるカーボンナノチューブアレイと、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シート。
【請求項2】
前記高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シートの厚さは、20μm〜5mmにされていることを特徴とする、請求項1に記載の高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シート。
【請求項3】
前記カーボンナノチューブアレイは、少なくとも一方の端部が前記ポリマーマトリクスから突き出ることを特徴とする、請求項1に記載の高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シート。
【請求項4】
カーボンナノチューブアレイを有する基板を提供する第一ステップと、
液体のポリマー前駆物質を前記カーボンナノチューブアレイに充填させる第二ステップと、
前記基板の表面に平行する第一方向に沿って、前記カーボンナノチューブアレイを圧縮させて、前記カーボンナノチューブアレイの密度を0.1/cm3〜2.2cm3に形成させる第三ステップと、
前記ポリマー前駆物質を重合させて、高密度カーボンナノチューブアレイを含む複合物を形成させる第四ステップと、
前記カーボンナノチューブの縦方向に沿って、前記複合物を横断して切る第五ステップと、
を含むことを特徴とする高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シートの製造方法。
【請求項5】
前記基板の表面に平行する第二方向に沿って、前記カーボンナノチューブアレイを圧縮するステップを含み、
前記第二方向は前記第一方向に垂直することを特徴とする、請求項4に記載の高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シートの製造方法。
【請求項1】
ポリマーマトリクスと、
密度が0.1/cm3〜2.2cm3であるカーボンナノチューブアレイと、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シート。
【請求項2】
前記高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シートの厚さは、20μm〜5mmにされていることを特徴とする、請求項1に記載の高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シート。
【請求項3】
前記カーボンナノチューブアレイは、少なくとも一方の端部が前記ポリマーマトリクスから突き出ることを特徴とする、請求項1に記載の高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シート。
【請求項4】
カーボンナノチューブアレイを有する基板を提供する第一ステップと、
液体のポリマー前駆物質を前記カーボンナノチューブアレイに充填させる第二ステップと、
前記基板の表面に平行する第一方向に沿って、前記カーボンナノチューブアレイを圧縮させて、前記カーボンナノチューブアレイの密度を0.1/cm3〜2.2cm3に形成させる第三ステップと、
前記ポリマー前駆物質を重合させて、高密度カーボンナノチューブアレイを含む複合物を形成させる第四ステップと、
前記カーボンナノチューブの縦方向に沿って、前記複合物を横断して切る第五ステップと、
を含むことを特徴とする高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シートの製造方法。
【請求項5】
前記基板の表面に平行する第二方向に沿って、前記カーボンナノチューブアレイを圧縮するステップを含み、
前記第二方向は前記第一方向に垂直することを特徴とする、請求項4に記載の高密度カーボンナノチューブアレイを含む熱伝導シートの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図2】
【図3】
【公開番号】特開2009−51725(P2009−51725A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−206163(P2008−206163)
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【出願人】(503023069)鴻富錦精密工業(深▲セン▼)有限公司 (399)
【出願人】(598098331)ツィンファ ユニバーシティ (534)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【出願人】(503023069)鴻富錦精密工業(深▲セン▼)有限公司 (399)
【出願人】(598098331)ツィンファ ユニバーシティ (534)
【Fターム(参考)】
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