説明

2−アミノビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体

本発明は、精神医学的障害の治療及び予防、並びに、神経学的疾患の治療効果及び予防効果を有する薬物であって、グループIIメタボトロピックグルタミン酸受容体に拮抗する薬物を提供することを目的とする。
上記の課題は、式[I]


[式中、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、C1−10アルキル基、などを示し、Xは、水素原子又はフッ素原子を示し、Yは、アミノ基、−SR、−S(O)、−SCHR、−S(O)CHR、−NHCHR、−N(CHR)(CHR)、−NHCOR、又は−OCORを示す。]で表される2−アミノ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体、その医薬上許容される塩又はその水和物などにより解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、医薬として有用な2−アミノ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体、その医薬上許容される塩、その水和物、又はそれらを有効成分とする医薬に関する。更に詳しくは、統合失調症、不安及びその関連疾患、二極性障害、てんかん等の精神医学的障害、並びに、薬物依存症、認知障害、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、筋硬直に伴う運動障害、脳虚血、脳不全、脊髄障害、頭部障害等の神経学的疾患の治療及び予防に有効な新規2−アミノ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体などに関する。
【背景技術】
近年、グルタミン酸受容体遺伝子のクローニングが相次ぎ、グルタミン酸受容体には驚異的な数のサブタイプが存在することが明らかとなった。現在、グルミン酸受容体は、「受容体がイオンチャネル型構造を持つイオノトロピック型」及び「受容体がG−タンパク質と共役しているメタボトロピック型」の2つに大きく分類されている(Science,258,p.597−603,1992年(下記非特許文献1)参照)。そして、イオノトロピック受容体は、薬理学的にN−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)、α−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチルイソキサゾール−4−プロピオネード(AMPA)及びカイネートの3種類に分類される(非特許文献1参照)。そして、メタボトロピック受容体はタイプ1〜タイプ8の8種類に分類される(J.Neurosci.,13,p.1372−1378,1993年(下記非特許文献2)、及びNeuropharmacol.,34,p.1−26,1995年(下記非特許文献3参照))。
また、メタボトロピックグルタミン酸受容体は、薬理学的に3つのグループに分類される。この中で、グループII(mGluR2/mGluR3)は、アデニルサイクラーゼと結合し、サイクリックアデノシン1リン酸(cAMP)のホルスコリン刺激性の蓄積を抑制する(Trends Pharmacol.Sci.,14,p.13,1993年(下記非特許文献4)参照)。このことから、グループIIメタボトロピックグルタミン酸受容体に拮抗する化合物は、急性及び慢性の精神医学的疾患並びに神経学的疾患の治療又は予防に有効であると考えられる。
文献リスト
【非特許文献1】Science,258,p.597−603,1992年
【非特許文献2】J.Neurosci.,13,p.1372−1378,1993年
【非特許文献3】Neuropharmacol.,34,p.1−26,1995年
【非特許文献4】Trends Pharmacol.Sci.,14,p.13,1993年
本発明の目的は、統合失調症、不安及びその関連疾患、うつ病、二極性障害、てんかん等の精神医学的障害の治療及び予防、並びに、薬物依存症、認知障害、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、筋硬直に伴う運動障害、脳虚血、脳不全、脊髄障害、頭部障害等の神経学的疾患の治療効果及び予防効果を有する薬物であって、グループIIメタボトロピックグルタミン酸受容体に拮抗する薬物を提供することである。
【発明の開示】
本発明者らは2−アミノ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体について鋭意検討した結果、グループIIメタボトロピックグルタミン酸受容体に影響を及ぼす新規2−アミノ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体及びそのエステル誘導体を見出し、本発明を完成するに至った。
かかる本発明は、式[I]

[式中、
及びRは、同一又は異なって、水素原子、C1−10アルキル基、フェニル基、ナフチル基、1若しくは2個のフェニル基で置換されたC1−10アルキル基、C2−10アルケニル基、C2−10アルキニル基、ヒドロキシルC2−10アルキル基、C1−10アルコキシカルボニルC1−10アルキル基、アミノC2−10アルキル基、又はC1−10アルコキシC1−10アルキル基を示し、
Xは、水素原子又はフッ素原子を示し、
Yは、アミノ基、−SR、−S(O)、−SCHR、−S(O)CHR、−NHCHR、−N(CHR)(CHR)、−NHCOR、又は−OCORを示す(式中、R、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、C1−10アルキル基、フェニル基、ナフチル基、1〜7個のハロゲン原子で置換されたナフチル基、複素芳香族基を示すか、又は、“ハロゲン原子、フェニル基、C1−10アルキル基、C1−10アルコキシ基及びトリフルオロメチル基からなる群より選ばれる1〜5個の置換基で置換されたフェニル基”を示し、
は、C1−10アルキル基、フェニル基、ナフチル基、1〜7個のハロゲン原子で置換されたナフチル基、又は複素芳香族基を示すか、又は、“ハロゲン原子、フェニル基、C1−10アルキル基、C1−10アルコキシ基及びトリフルオロメチル基からなる群より選ばれる1〜5個の置換基で置換されたフェニル基”を示し、nは1又は2の整数を示す。)。]で表される2−アミノ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体(以下、「本発明の化合物]ともいう。)、その医薬上許容される塩又はその水和物である。
本明細書において使用される用語は、以下に定義されるとおりである。
1−10アルキル基とは、炭素原子を1〜10個有する直鎖状、炭素原子を3〜10個有する分岐鎖状、又は炭素原子を3〜10個有する環状アルキル基である。直鎖状アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。分岐鎖状アルキル基としては、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、5−メチルヘキシル基、3−エチルペンチル基、1−プロピルブチル基、1,4−ジメチルペンチル基、3,4−ジメチルペンチル基、1,2,3−トリメチルブチル基、1−イソプロピルブチル基、4,4−ジメチルペンチル基、5−メチルヘプチル基、4−エチルヘキシル基、2−プロピルペンチル基、2,5−ジメチルヘキシル基、4,5−ジメチルヘキシル基、2−エチル−3−メチルペンチル基、1,2,4−トリメチルペンチル基、2−メチル−1−イソプロピルブチル基、3−メチルオクチル基、2,5−ジメチルヘプチル基、1−(1−メチルプロピル)−2−メチルブチル基、1,4,5−トリメチルヘキシル基、1,2,3,4−テトラメチルペンチル基、6−メチルノニル基、5−エチル−2−メチルヘプチル基、2,3−ジメチル−1−(1−メチルプロピル)ブチル基、シクロプロピルメチル基、2−(シクロプロピル)エチル基、3−(シクロブチル)ペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基などが挙げられる。環状アルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、などが挙げられる。
2−10アルケニル基とは、少なくとも1個の二重結合を有する、炭素原子を2〜10個有する直鎖状、炭素原子を3〜10個有する分岐鎖状、又は、炭素原子を5〜10個有する環状アルケニル基を示し、例えば、ビニル基、アリル基、3−ブテニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基、6−ヘプテニル基、7−オクテニル基、8−ノネニル基、9−デセニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−3−ブテニル基、2−ペンテニル基、2−メチル−2−ヘキセニル基、2−シクロペンテニル基などが挙げられる。
2−10アルキニル基とは、少なくとも1個の三重結合を有する、炭素原子2〜10個有する直鎖状又は炭素原子を4〜10個有する分岐状のアルキニル基を示し、例えば、2−プロピニル基、3−ブチニル基、4−ペンチニル基、5−ヘキシニル基、6−ヘプチニル基、7−オクチニル基、8−ノナイル基、9−デシニル基、3−ペンチニル基、4−メチル−2−ペンチニル基などが挙げられる。
1若しくは2個のフェニル基で置換されたC1−10アルキル基とは、例えば,ベンジル基、ジフェニルメチル基、2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、1−メチル−2−フェニルペンチル基などが挙げられる。
ヒドロキシC2−10アルキル基とは、少なくとも1個のヒドロキシル基によって置換されたC2−10アルキル基を示し、例えば、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、5−ヒドロキシペンチル基、6−ヒドロキシヘキシル基、7−ヒドロキシヘプチル基、8−ヒドロキシオクチル基、9−ヒドキシノニル基、10−ヒドロキシデシル基、2−ヒドロキシプロピル基、2、3−ジヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−メチルブチル基などが挙げられる。
1−10アルコキシカルボニルC1−10アルキル基とは、炭素数1〜6個の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシカルボニル基によって置換された炭素数1〜10個のアルキル基を示し、例えば、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、プロピルオキシカルボニルメチル基、イソプロポキシカルボニルメチル基、ブチルトキシカルボニルメチル基、イソブトキシカルボニルメチル基、t−ブトキシカルボニルメチル基、ペンチルオキシカルボニルメチル基、ヘキシルオキシカルボニルメチル基、2−(エトキシカルボニル)エチル基、3−(エトキシカルボニル)プロピル基、4−(エトキシカルボニル)ブチル基、4−(エトキシカルボニル)ペンチル基、4−(エトキシカルボニル)−3−メチルペンチル基などが挙げられる。
アミノC2−10アルキル基とは、少なくとも1個のアミノ基で置換されたC2−6アルコキシ基を示し、例えば、2−アミノエチル基、3−アミノプロピル基、4−アミノブチル基、5−アミノブチル基、7−アミノヘプチル基、2−アミノプロピル基、2,4−ジアミノブチル基などが挙げられる。
1−10アルコキシC1−10アルキル基とは、炭素数1〜10個の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基によって置換された炭素数1〜10個のアルキル基を示し、例えば、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−プロポキシエチル基、2−イソプロポキシエチル基、2−ブトキシエチル基、2−イソブトキシエチル基、2−t−ブトキシエチル基、2−ペンチルオキシエチル基、2−ヘキセニルオキシエチル基、3−エトキシプロピル基、4−エトキシブチル基、4−エトキシ−3−メトキシブチル基、4−エトキシ−3−メチルペンチル基などが挙げられる。
1〜7個のハロゲン原子で置換されたナフチル基とは、少なくとも1個のフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子で置換されたナフチル基を示し、例えば、1−フルオロ−2−ナフチル基、2−フルオロ−1−ナフチル基、1−クロロ−2−ナフチル基、2−クロロ−1−ナフチル基、1−ブロモ−2−ナフチル基、2−ブロモ−1−ナフチル基1−ヨード−2−ナフチル基、2−ヨード−1−ナフチル基、1,3−ジフルオロ−2−ナフチル基などが挙げられる。
複素芳香族基とは、酸素原子、窒素原子または硫黄原子の内、少なくとも1つ以上の原子を含む単環の5員若しくは6員芳香環、または、これらの単環にベンゼン環が縮合しているか、若しくは、互いに縮合した双環性の芳香環を示す。例えば、フリル、ピロリル、チオフェニル、オキサゾイル、イソキサゾイル、イミダゾイル、ピラゾイル、チアゾイル、イゾチアゾイル、オキサジアゾイル、チアジアゾイル、ベンゾフラニル、インドリル、ベンゾチオフェニル、インダゾイル、ベンゾイソキサゾイル、ベンゾイソチアゾイル、ベンゾイミダゾイル、ベンゾオキサゾイル、ベンゾチアゾイル、ピリジジル、キノリニル、イソキノリニル、ピロダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニルなどが挙げられる。
“ハロゲン原子、フェニル基、C1−10アルキル基、C1−10アルコキシ基及びトリフルオロメチル基からなる群より選ばれる1〜5個の置換基で置換されたフェニル基”とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フェニル基、C1−10アルキル基、C1−10アルコキシ基、およびトリフルオロメチル基からなる群より選ばれる1〜5個の置換基で置換されたフェニル基を示し、例えば、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2−ヨードフェニル基、3−ヨードフェニル基、4−ヨードフェニル基、2−フェニルフェニル基、3−フェニルフェニル基、4−フェニルフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2−(1−プロピル)フェニル基、3−(1−プロピル)フェニル基、4−(1−プロピル)フェニル基、2−イソプロピルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、2−t−ブチルフェニル基、3−t−ブチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、2−シクロプロピルフェニル基、3−シクロプロピルフェニル基、4−シクロプロピルフェニル基、2−シクロヘキシルフェニル基、3−シクロヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、3−エトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、2−(1−ペロピルオキシ)フェニル基、3−(1−ペロピルオキシ)フェニル基、4−(1−ペロピルオキシ)フェニル基、2−イソプロポキシフェニル基、3−イソプロポキシフェニル基、4−イソプロポキシフェニル基、2−シクロブチロキシフェニル基、3−シクロブチロキシフェニル基、4−シクロブチロキシフェニル基、2−シクロヘキシルオキシフェニル基、3−シクロヘキシルオキシフェニル基、4−シクロヘキシルオキシフェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、3−フルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2,3−ジブロモフェニル基、2,4−ジブロモフェニル基、2,5−ジブロモフェニル基、2,6−ジブロモフェニル基、3,4−ジブロモフェニル基、3,5−ジブロモフェニル基、2,3−ジヨードフェニル基、2,4−ジヨードフェニル基、2,5−ジヨードフェニル基、2,6−ジヨードフェニル基、3,4−ジヨードフェニル基、3,5−ジヨードフェニル基、2,3−ジシアノフェニル基、2,4−ジシアノフェニル基、2,5−ジシアノフェニル基、2,6−ジシアノフェニル基、3,4−ジシアノフェニル基、3,5−ジシアノフェニル基、2,3−ジフェニルフェニル基、2,4−ジフェニルフェニル基、2,5−ジフェニルフェニル基、2,6−ジフェニルフェニル基、3,4−ジフェニルフェニル基、3,5−ジフェニルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,3−ジイソプロピルフェニル基、2,4−ジイソプロピルフェニル基、2,5−ジイソプロピルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、3,4−ジイソプロピルフェニル基、3,5−ジイソプロピルフェニル基、2,3−ジ(t−ブチル)フェニル基、2,4−ジ(t−ブチル)フェニル基、2,5−ジ(t−ブチル)フェニル基、2,6−ジ(t−ブチル)フェニル基、3,4−ジ(t−ブチル)フェニル基、3,5−ジ(t−ブチル)フェニル基、2,3−ジシクロヘキシルフェニル基、2,4−ジシクロヘキシルフェニル基、2,5−ジシクロヘキシルフェニル基、2,6−ジシクロヘキシルフェニル基、3,4−ジシクロヘキシルフェニル基、3,5−ジシクロヘキシルフェニル基、2,3−ジメトキシフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、2,5−ジメトキシフェニル基、2,6−ジメトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、2,3−ジトリフルオロメチルフェニル基、2,4−ジトリフルオロメチルフェニル基、2,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、2,6−ジトリフルオロメチルフェニル基、3,4−ジトリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、2−クロロ−3−フルオロフェニル基、2−クロロ−4−フルオロフェニル基、2−クロロ−5−フルオロフェニル基、2−クロロ−6−フルオロフェニル基、3−クロロ−4−フルオロフェニル基、3−クロロ−6−フルオロフェニル基、5−クロロ−2−フルオロフェニル基、4−クロロ−3−フルオロフェニル基、4−クロロ−2−フルオロフェニル基、3−クロロ−2−フルオロフェニル基、3−ブロモ−2−クロロフェニル基、4−ブロモ−2−クロロフェニル基、5−ブロモ−2−クロロフェニル基、2−ブロモ−6−クロロフェニル基、4−ブロモ−3−クロロフェニル基、3−ブロモ−5−ヨードフェニル基、4−ブロモ−2−ヨードフェニル基、4−ブロモ−3−ヨードフェニル基、3−ブロモ−2−ヨードフェニル基、2−クロロ−3−メチルフェニル基、2−クロロ−4−メチルフェニル基、2−クロロ−5−メチルフェニル基、2−クロロ−6−メチルフェニル基、3−クロロ−4−メチルフェニル基、3−フルオロ−5−メトキシフェニル基、5−フルオロ−2−メトキシフェニル基、4−フルオロ−2−メトキシフェニル基、3−フルオロ−2−メトキシフェニル基、2−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル基、2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル基、2−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェニル基、2−フルオロ−6−トリフルオロメチルフェニル基、3−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル基、2,3,4−トリクロロフェニル基、2,3,5−トリクロロフェニル基、2,4,5−トリクロロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、3,4,5−トリクロロフェニル基、2,3,4−トリブロモフェニル基、2,3,5−トリブロモフェニル基、2,4,5−トリブロモフェニル基、2,4,6−トリブロモフェニル基、3,4,5−トリブロモフェニル基、2,3,4−トリフルオロフェニル基、2,3,5−トリフルオロフェニル基、2,4,5−フルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、2,3,4−トリヨードフェニル基、2,3,5−トリヨードフェニル基、2,4,5−トリヨードフェニル基、2,4,6−トリヨードフェニル基、3,4,5−トリヨードフェニル基、2,3,4−トリフェニルフェニル基、2,3,5−トリフェニルフェニル基、2,4,5−トリフェニルフェニル基、2,4,6−トリフェニルフェニル基、3,4,5−トリフェニルフェニル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,4,5−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4−トリエチルフェニル基、2,3,5−トリエチルフェニル基、2,4,5−トリエチルフェニル基、2,4,6−トリエチルフェニル基、3,4,5−トリエチルフェニル基、2,3,4−トリイソプロピルフェニル基、2,3,5−トリイソプロピルフェニル基、2,4,5−トリイソプロピルフェニル基、2,4,6−トリイソプロピルフェニル基、3,4,5−トリイソプロピルフェニル基、2,3,4−トリ(t−ブチル)フェニル基、2,3,5−トリ(t−ブチル)フェニル基、2,4,5−トリ(t−ブチル)フェニル基、2,4,6−トリ(t−ブチル)フェニル基、3,4,5−トリ(t−ブチル)フェニル基、2,3,4−トリメトキシフェニル基、2,3,5−トリメトキシフェニル基、2,4,5−トリメトキシフェニル基、2,4,6−トリメトキシフェニル基、3,4,5−トリメトキシフェニル基、2,3,4−トリ(トリフルオロメチル)フェニル基、2,3,5−トリ(トリフルオロメチル)フェニル基、2,4,5−トリ(トリフルオロメチル)フェニル基、2,4,6−トリ(トリフルオロメチル)フェニル基、3,4,5−トリ(トリフルオロメチル)フェニル基、4−クロロ−2,3−ジフルオロフェニル基、5−クロロ−2,3−ジフルオロフェニル基、2−クロロ−5,6−ジフルオロフェニル基、4−クロロ−2,5−ジフルオロフェニル基、4−クロロ−5,6−ジフルオロフェニル基、2−クロロ−4,6−ジフルオロフェニル基、4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル基、3−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル基、2−クロロ−3,6−ジフルオロフェニル基、2−クロロ−3,4−ジフルオロフェニル基、2−クロロ−4,5−ジフルオロフェニル基、2−クロロ−3,5−ジフルオロフェニル基、2,3−ジクロロ−5,6−ジフルオロフェニル基、4,5−ジクロロ−2,3−ジフルオロフェニル基、4,6−ジクロロ−2,3−ジフルオロフェニル基、3,5−ジクロロ−2,4−ジフルオロフェニル基、2,3−ジクロロ−4,6−ジフルオロフェニル基、3,6−ジクロロ−2,4−ジフルオロフェニル基、2,3−ジクロロ−5,6−ジメチルフェニル基、4,5−ジクロロ−2,3−ジメチルフェニル基、4,6−ジクロロ−2,3−ジメチルフェニル基、3,5−ジクロロ−2,4−ジメチルフェニル基、2,3−ジクロロ−4,6−ジメチルフェニル基、3,6−ジクロロ−2,4−ジメチルフェニル基、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル基などが挙げられる。
また、本発明における医薬上許容される塩とは、例えば、硫酸、塩酸、燐酸などの鉱酸との塩、酢酸、シュウ酸、乳酸、酒石酸、フマール酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などの有機酸との塩、トリメチルアミン、メチルアミンなどのアミンとの塩、又はナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオンなどの金属イオンとの塩などである。
また、本発明における水和物とは、本発明の化合物又はその塩の医薬上許容される水和物である。本発明の化合物及びその塩は、大気にさらされ、又は再結晶することなどにより、水分を吸収し、吸着水がつく場合や、水和物となる場合がある。本発明における水和物には、そのような水和物をも含む。
式[I]で表される化合物のビシクロ[3.1.0]ヘキサン環上には5つの不斉炭素原子が存在する。
本発明の化合物の好ましい立体構造は、式[II]で表される絶対構造を有する光学活性体であるが、そのエナンチオマー、ラセミ体などのエナンチオマー混合物として存在しうる。すなわち、本発明の化合物は次の式[II]で表される化合物の光学活性体、ラセミ体等のエナンチオマー混合物及びジアステレオマー混合物を全て含むものである。

さらに、式[I]又は[II]においてR及びRの一方若しくは双方が水素原子以外を示すとき、すなわちエステル誘導体はグループIIメタボトロピックグルタミン酸受容体に影響を及ぼさない。しかし、このエステル誘導体は、生体内で加水分解され、グループIIメタボトロピックグルタミン酸受容体に影響を及ぼす2−アミノ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体に変わる。したがって、エステル誘導体は、プロドラッグとして機能するため、極めて有用な化合物である。
【発明を実施するための最良の形態】
本発明は、式[I]で示される本発明の化合物、その医薬上許容される塩及びその水和物などに関する。本発明の化合物[I]は、公知の有機合成の手法を用いて合成することができ、例えば以下に示す製造方法により製造できる。また、本発明の化合物[I]を合成するために必要な合成中間体(6)は、下記のように製造することができる(以下の反応式中、X、Y、n、R〜Rは前記と同義である。Rは、メシル基、フェニルスルホニル基、トシル基、トリフルオロメチルスルホニル基などのアリール基及びアルキルスルホニル基、ベンゾイル基や4−ニトロベンゾイル基を示す。Rは、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基、ベンゾイル基、p−フェニルベンゾイル基、(ピリジン−2−イル)カルボニル基などのアシル基、アリル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、ジ(p−メトキシフェニル)メチル基などのアルキル基、5,5−ジメチル−3−オキソ−1−シクロヘキセニル基などのアルケニル基、ベンゼンスルフェニル基、2,4−ジニトロスルフェニル基などのスルフェニル基、ベンジルスルフォニル基、ジフェニルフォスフィニル基やジアルキルフォスフォリル基等のアミノ基の保護基を示す。Aは、式−R又は式−CHRを示す。Aは、式−R又は式−CHRを示す。Qは、式−SR、式−S(O)、式−SCHR又は式−S(O)CHRを示す。)。

工程1:化合物(1)を不活性溶媒中、塩基の存在下、例えば、無水トリフルオロメタンスルホン酸、N−フェニル−ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)などのトリフルオロメタンスルホニル化剤と反応することにより、化合物(2)へと導くことができる。なお、化合物(1)は、例えば「J.Med.Chem.40,pp.528−537,(1997)」に記載の方法により製造できる。ここで、不活性溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、アセトニトリル、又はこれらの混合溶媒等を使用することができる。塩基としては、例えば、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等のアミン類、水素化カリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基類、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アジド等の金属アミド類、ナリトウム メトキシド、カリウム t−ブトキシド等の金属アルコラート類を用いることができる。工程1の反応温度としては、−78℃〜室温があげられる。工程(1)の好ましい例は、化合物(1)を、テトラヒドロフラン溶媒中、リチウムヘキサメチルジシラザン存在下、N−フェニル−ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)と反応させることにより化合物(2)を合成するものである。
工程2:化合物(2)を不活性溶媒中、遷移金属触媒存在下、例えば、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等の有機塩基類、又は炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基類の存在下、一酸化炭素及びROHと反応することによって化合物(3)へと導くことができる(Tetrahedron Letters 26,1109(1985)参照)。ここで遷移金属触媒とは、例えば0価のパラジウム試薬であり、例えば酢酸パラジウム(II)などの2価のパラジウムとトリフェニルホスフィン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1−ビナフチル(BINAP)などの配位子を用いて反応系内で調製することができる。また、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)等の0価のパラジウム試薬を直接用いることもできる。不活性溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、又はこれらの混合溶媒等を使用することができる。工程2は、例えば室温において行うことができる。工程2の好ましい例は、化合物(2)を、N,N−ジメチルホルムアミド中、酢酸パラジウム(II)、ジイソプロピルエチルアミン、及びトリフェニルホスフィンの存在下、一酸化炭素及びROHと室温で反応することによって化合物(3)合成するものである。
工程3:化合物(3)を不活性溶媒中、例えば四酸化オスミウムなどを用いた一般的なジオール化反応(M.Hudlicky,“Oxidations in Organic Chemistry”参照)やAD−mixを試薬とするSharplessの不斉シス−ジヒドロキシル化反応(Sharpless AD)(Tetrahedron Asymmetry ,133(1993)、J.Org.Chem.57,2768(1992)、J.Org.Chem.61,2582(1996)参照)などを用いてジオールへと酸化し、化合物(4)へ導くことができる。ここで、不活性溶媒とは、例えばt−ブチルアルコールなどのアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、アセトニトリル、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、水、又はこれらの混合溶媒等を使用することができる。なお、工程3は、例えば室温にて行うことができる。工程3の好ましい例は、化合物(3)を、アセトニトリル及び水の混合溶媒中で、四酸化オスミウムを用いて、室温にてジオールへと酸化し、化合物(4)を合成するものである。
工程4:化合物(4)を例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、アセトニトリル、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等の有機塩基類、又は炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基類の存在下あるいは非存在下、塩化チオニルと反応後、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、アセトニトリル、アセトン、水、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、過酸化水素、オキソン、三塩化ルテニウム−メタ過ヨウ素酸ナトリウム等の一般的な酸化剤(M.Hudlicky,“Oxidations in Organic Chemistry”参照)にて酸化し、化合物(5)に導くことができる。工程4の好ましい例は、化合物(4)を、ジクロロメタン溶媒中で、トリエチルアミン存在下、塩化チオニルと0〜20℃で0.5から2時間反応させた後、四塩化炭素、アセトニトリル、及び水の混合溶媒中、三塩化ルテニウム−メタ過ヨウ素酸ナトリウムを酸化剤として用い、0℃から室温で0.5から2時間酸化して、化合物(5)を合成するものである。
工程5:化合物(5)を例えば、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、アセトン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、水、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、アジ化ナトリウムと反応した後、加水分解することによって化合物(6)に導くことができる(J.Am.Chem.Soc.110,7538(1988)参照)。工程5の好ましい例は、化合物(5)を、N,N−ジメチルホルムアミド及び水の混合溶媒中で、アジ化ナトリウムと室温から50℃で1から20時間反応させた後、エーテル及び水の混合溶媒中で20%硫酸を用いて、1日から2日間加水分解することによって、中間体化合物(6)を得るものである。
得られた合成中間体(6)の内、R及びRが水素原子以外で、式[II]で表される相対的立体配置を有する化合物(7)の水酸基を、下記に示す工程6及び7によって反転し、化合物(9)へと導くことができる。従って、3位への置換基の導入では、3位炭素原子上の立体反転を伴う反応を利用した場合でも、目的の相対的立体配置を有する化合物に導くことができる。

工程6:R及びRが水素原子以外である化合物(7)の水酸基を例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド類、ジメチルスルホキシド、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、水素化ナトリウム、水素化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基類、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムアミド等の金属アミド類、トリエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、2,6−ジ−t−ブチルピリジン等の有機塩基類、カリウム t−ブトキシド等の塩基の存在下、無水トリフルオロメタンスルホン酸、N−フェニルービス(トリフルオロメタンスルホンイミド)などのトリフルオロメタンスルホニル化剤、または塩化メタンスルホン酸、塩化ベンゼンスルホン酸、塩化トルエンスルホン酸などのアルキル及びアリールスルホニル化剤と反応することにより、化合物(8)へと導くことができる。工程6の好ましい例は、化合物(7)をジクロロメタン溶媒中で、ピリジン存在下、トリフルオロメタンスルホン酸無水物と、−78℃から氷冷下にて、0.5から3時間反応することによって化合物(8)を合成するものである。
工程7:化合物(8)は例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド類、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノールなどのアルコール系溶媒、水又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、クラウンエーテル存在下または非存在下、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの水酸化アルカリ、亜硝酸カリウムなどの亜硝酸塩(Tetrahedron Lett.,3183(1975)参照)、超過酸化カリウム(Tetrahedron Lett.34,8029(1993)参照)と反応することによって化合物(9)へと導くことができる。
さらに、アゾジカルボン酸ジエチルとトリフェニルホスフィンなどの脱水縮合剤存在下の安息香酸誘導体との光延反応(D.L.Hughes,OR,42,335(1992)参照)によって、化合物(7)より直接化合物(9)へと導くこともできる。
工程7の好ましい例は、化合物(8)をN,N−ジメチルホルムアミド中で、18−クラウン 6−エテール存在下、亜硝酸カリウムと室温から45℃にて2から6日間反応することによって、化合物(9)を合成するものである。
得られた合成中間体(6)は、式[I]中、Xが水素原子又はフッ素原子であって、Yが式−SR、式−S(O)、式−SCHR、式−S(O)CHRである場合は、下記の工程8、9、10、11、12及び13によって、本発明化合物である化合物(15)及び(16)に導くことができる。

工程8:R及びRが水素原子以外である化合物(6)の水酸基を工程6と同様の手法を用いて、化合物(10)へと導くことができる。工程8の好ましい例は、化合物(6)の水酸基を、ジクロロメタン中、ピリジンの存在下、トリフルオロメタンスルホン酸無水物と−78℃から氷冷下、30分間から3時間反応することにより、化合物(10)に導くものである。
工程9:化合物(10)は、例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、ジメチルスルホキシド又はN,N−ジメチルホルムアミド又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、ナトリウム エトキシド、カリウム t−ブトキシド等の金属アルコラート類、ナトリウム、カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムと式−ASHで表されるメルカプタン類及びチオフェノール類から調製される式−ASNa、式−ASKなどで表される化合物と反応させることによって化合物(11)へと導くことができる。工程9の好ましい例は、化合物(10)を、ジメチルスルホキシド中、ナトリウムと式ASHで表される化合物より調製される式ASNaで表される化合物と、室温にて、10分間から1時間反応することにより、化合物(11)に導くものである。
工程10:Aが水素原子ではない化合物(11)は、例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、アセトニトリル、アセトン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール、酢酸、水又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、例えば過ヨウ素酸ナトリウムや過酢酸などを用いた一般的なスルフィドのスルフォキシドへの酸化反応(M.Hudlicky,“Oxidations in Organic Chemistry”参照)を用いて化合物(12)へと導くことができる。
工程11:化合物(12)またはAが水素原子でない化合物(11)は、例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、アセトニトリル、アセトン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、水又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、例えば3−クロロ過安息香酸や過酸化水素などを用いた一般的なスルフィド又はスルフォキシドのスルフォンへの酸化反応(M.Hudlicky,“Oxidations in Organic Chemistry”参照)を用いて化合物(13)へと導くことができる。又は、Aが水素原子でない化合物(11)は、例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、アセトニトリル、アセトン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、水又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、3−クロロ過安息香酸や過酸化水素などの一般的な酸化剤(M.Hudlicky,“Oxidations in Organic Chemistry”参照)を用いて、酸化剤の等量数、反応時間、反応温度や溶媒などの反応条件を制御することで、化合物(12)と化合物(13)の混合物を得ることも可能である。工程11の好ましい例は、化合物(11)をジクロロメタン中、3−クロロ過安息香酸と−78℃から室温にて、1時間から24時間反応することにより、化合物(12)及び化合物(13)に導くものである。
工程12:化合物(14)は例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、アセトニトリル、アセトン、水、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、亜リン酸トリエチル、トリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等によるスタウジンガー(Staudinger)反応(Bull.Chem.Soc.Fr.,815(1985)参照)、エタノール、メタノール等のアルコール類、酢酸エチルなどのエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド、水、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中におけるパラジウム/カーボン、パラジウムブラックなどの金属触媒存在下での水素添加、リチウムアミノボロヒドリド等によるヒドリド還元等に代表される一般的なアジド基の還元反応(A.F.Abdel−Magid,“Reductions in Organic Synthesis”参照)によって本発明の化合物(15)に導くことができる。工程12の好ましい例は、化合物(14)を、テトラヒドロフラン及び水の混合溶媒中、トリメチルホスフィンを用いたスタウジンガー反応を用いて、室温にて1時間から2時間反応させることにより、化合物(15)に導くものである。
工程13:R及びRの少なくとも一方が水素原子以外の化合物(15)の式−COOR及び−COORで示される部分を一般的な加水分解反応(T.W.Greene,P.G.M.Wuts,“Protective Groups in Organic Synthesis”参照)にてカルボン酸へと変換し、本発明化合物である化合物(16)に導くことができる。工程13の好ましい例は、化合物(15)を、テトラヒドロフラン及び水の混合溶媒中、水酸化リチウムを用い、室温から40℃にて5日から7日間、加水分解させることにより、本発明の化合物の合成中間体である化合物(16)へと導くものである。工程13の別の好ましい例は、化合物(15)を、60%硫酸を用い、100℃から150℃にて1日間から5日間、加水分解することにより、本発明の化合物(16)へと導くものである。
また、式[I]中、Xが水素原子又はフッ素原子、Yが式−NHの場合は、工程8によって得られた中間体(10)より、下記に示す工程14、15及び16によって、本発明化合物である化合物(18)及び(19)に導くことができる。

工程14:化合物(10)をベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、酢酸エチル、アセトニトリル、アセトン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、水、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、アジ化ナトリウムと反応させることにより化合物(17)に導くことができる。工程14の好ましい例は、化合物(10)をN,N−ジメチルホルムアミド中、アジ化ナトリウムと室温にて0.5から2時間反応することにより、化合物(17)へ導くものである。
工程15:化合物(17)の2つのアジド基を工程12と同様の手法で還元することによって本発明化合物である化合物(18)に導くことができる。工程15の好ましい例は、化合物(17)を酢酸及び水混合溶媒中、10%パラジウム炭素存在下、水素雰囲気下、室温にて1から2日間反応することにより、化合物(18)へと導くものである。
工程16:R及びRの少なくとも一方が水素原子以外の化合物(18)の式−COOR及び−COORで示される部分を工程13と同様の手法で加水分解することによって本発明化合物である化合物(19)に導くことができる。工程16の好ましい例は、化合物(18)を、テトラヒドロフラン、水混合溶媒中、水酸化リチウムを用い、室温にて1日間から7日間、加水分解させることにより、本発明の化合物(19)へと導くものである。
式[I]中、Xが水素原子又はフッ素原子、Yが式−NHCHR、又は式−N(CHR)(CHR)の場合は、合成中間体(6)より、下記に示す工程17、18、19、20、21、22及び23によって、本発明化合物である化合物(26)、(27)、(29)及び(30)に導くことができる。

工程17:化合物(6)及び(23)は、工程12と同様の手法にてアジド基を還元することによって、それぞれ化合物(20)及び(24)に導くことができる。工程17の好ましい例は、化合物(6)及び化合物(23)を、テトラヒドロフラン、水混合溶媒中、トリメチルホスフィンを用いたスタウジンガー反応を用いて、室温にて1時間から12時間反応させることにより、化合物(20)及び化合物(24)に導くものである。
工程18:化合物(20)のアミノ基を、一般的なアミノ基の保護反応によって(T.W.Greene,P.G.M.Wuts,“Protective Groups in Organic Synthesis”参照)化合物(21)に導くことができる。工程18におけるアミノ基の保護反応の好ましい例は、化合物(20)を、テトラヒドロフラン中、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の存在下、ジ−t−ブチルジカルボネートと、室温にて2時間から6時間反応させることにより、化合物(21)に導くものである。
工程19:R及びRが水素原子以外である化合物(21)の水酸基を、工程6と同様の手法にてアルキル及びアリールスルホニル化することによって、化合物(22)に導くことができる。工程19の好ましい例は、化合物(21)の水酸基を、ジクロロメタン中、ピリジンの存在下、トリフルオロメタンスルホン酸無水物と−78℃から氷冷下、30分間から2時間反応することにより、化合物(22)に導くものである。
工程20:化合物(22)は、例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、酢酸エチル、アセトニトリル、アセトン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、水、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、アジ化ナトリウムと反応させることによって化合物(23)に導くことができる。工程20の好ましい例は、化合物(22)を、N,N−ジメチルホルムアミド中、アジ化ナトリウムと室温から35℃にて1日間から2日間反応することにより、化合物(23)に導くものである。
工程21:化合物(24)及び(25)の式−NH及び式−RCHNHで示されるアミノ基を、例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド類、ジメチルスルホキシド、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、水素化ナトリウム、水素化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基類、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムアミド等の金属アミド類、トリエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、2,6−ジ−t−ブチルピリジン等の有機塩基類、カリウム t−ブトキシド等の塩基の存在下または非存在下、式RCHZ,又はRCHZで表される化合物と反応させることにより、それぞれ化合物(25)及び(28)に導くことができる。ここでZは脱離基であり、例えばハロゲン原子、トシルスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、トリルスルホネート等である。さらに、化合物(24)及び(25)は、例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド類、ジメチルスルホキシド、エタノール、メタノール、水又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム又はシアノトリヒドロホウ素ナトリウムなどの還元剤の存在下、式RCOR,又は式RCORで表される化合物と反応させるBorch反応(A.F.Abdel−Magid et al.,Tetrahedron Lett.,31,5595(1990)参照)にて、還元的なアミノ化によりそれぞれ化合物(25)及び(28)へと導くこともできる。工程21の好ましい例は、化合物(24)を、クロロホルム中、ピリジン存在下、式RCHBrで表される化合物と室温にて1日間から4日間反応することにより、化合物(25)に導くものである。工程21の別の好ましい例は、化合物(25)を、N,N−ジメチルホルムアミド中、炭酸カリウム存在下、式RCHIで表される化合物と室温にて1日間から4日間反応することにより、化合物(28)に導くものである。
工程22:化合物(25)及び化合物(28)のアミノ基の保護基Rを一般的な脱保護反応(T.W.Greene,P.G.M.Wuts,“Protective Groups in Organic Synthesis”参照)にて脱保護しアミノ基へと変換し、それぞれ本発明化合物である化合物(26)および(29)に導くことができる。工程22の好ましい例は、化合物(25)及び化合物(28)を、4規定塩化水素/酢酸エチルを用い、氷冷下から室温にて12時間から36時間、脱保護させることにより、化合物(26)及び化合物(29)へと導くものである。
工程23:R及びRの少なくとも一方が水素原子以外の化合物(26)及び(29)の式−COOR及び−COORで示される部分を工程13と同様の手法にて加水分解することで、本発明化合物である化合物(27)及び(30)に導くことができる。工程23の好ましい例は、化合物(26)及び化合物(29)を、テトラヒドロフラン、水混合溶媒中、水酸化リチウムを用い、室温にて1日間から7日間、加水分解させることにより、本発明の化合物(27)及び化合物(30)へと導くものである。
式[I]中、Xが水素原子又はフッ素原子、Yが式−NHCORの場合は、化合物(24)より、下記に示す工程24、25及び26によって、本発明化合物である化合物(32)及び(33)に導くことができる。

工程24:化合物(24)の3位のアミノ基を例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド類、ジメチルスルホキシド、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、トリエチルアミン、ピリジン、モルホリン、ジイソプロピルエチルアミン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、2,6−ジ−t−ブチルピリジン等の有機塩基類存在下または非存在下にて、式ZCOR又は式RCOOCORで表わされる化合物と反応させると化合物(31)に導くことができる。ここでZは脱離基であり例えば、ハロゲン原子、エトキシカルボニルオキシ基、フェノキシカルボニルオキシ基などである。または、Rが水素原子の場合は、一般的なホルミル化反応(T.W.Greene,P.G.M.Wuts,“Protective Groups in Organic Synthesis”参照)によって、化合物(31)に導くことができる。工程24の好ましい例は、化合物(24)を、クロロホルム中、ピリジン存在下、式RCOClで表される化合物と室温にて1時間から4時間反応することにより、化合物(31)に導くものである。
工程25:化合物(31)は、工程22と同様の手法による式−NHRの脱保護反応にて、本発明化合物である化合物(32)に導くことができる。工程25の好ましい例は、化合物(31)を、4規定塩化水素/酢酸エチルを用い、氷冷下30分間から2時間、脱保護させることにより、化合物(32)へと導くものである。
工程26:R及びRの少なくとも一方が水素原子以外の化合物(32)は、工程13と同様の手法によって式−COOR及び−COORの加水分解反応にて、本発明化合物である化合物(33)に導くことができる。工程26の好ましい例は、化合物(32)を、テトラヒドロフラン、水混合溶媒中、水酸化リチウムを用い、室温にて1時間から7時間、加水分解させることにより、本発明の化合物(33)へと導くものである。
式[I]中、Xが水素原子又はフッ素原子、Yが式−OCORの場合は、Rがベンジル基である合成中間体(6)より、下記の工程27、28及び29によって、本発明化合物(35)及び(36)に導くことができる。

工程27:Rが水素原子ではなく、Rがベンジル基である化合物、(6)の水酸基を例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド類、ジメチルスルホキシド、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、トリエチルアミン、ピリジン、モルホリン、ジイソプロピルエチルアミン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、2,6−ジ−t−ブチルピリジン等の有機塩基類存在下または非存在下にて、式ZCOR又は式RCOOCORで表わされる化合物と反応させると化合物(34)に導くことができる。ここでZは脱離基であり例えば、ハロゲン原子、エトキシカルボニルオキシ基、フェノキシカルボニルオキシ基などである。工程27の好ましい例は、化合物(6)を、ピリジン中、式RCOClで表される化合物と室温にて12時間から36時間反応することにより、化合物(34)に導くものである。
工程28:化合物(34)は、例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、アセトニトリル、アセトン、水、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、亜リン酸トリエチル、トリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等によるスタウジンガー(Staudinger)反応(Bull.Chem.Soc.Fr.,815(1985)参照)によって得られるアミノ体を、さらに、例えばエタノール、メタノール等のアルコール類、酢酸エチルなどのエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド、水、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中におけるパラジウム/カーボン、パラジウムブラックなどの金属触媒存在下での水素添加反応によって還元的にベンジル基を脱保護し本発明化合物である化合物(35)へ導くことができる。また、化合物(34)は、例えばエタノール、メタノール等のアルコール類、酢酸エチルなどのエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド、水、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中におけるパラジウム/カーボン、パラジウムブラックなどの金属触媒存在下での水素添加反応によって本発明化合物である化合物(35)へ直接導くこともできる。工程28の好ましい例は、以下のとおりである。すなわち、化合物(34)を、テトラヒドロフラン、水混合溶媒中、トリメチルホスフィンを用いたスタウジンガー反応を用いて、室温にて30分間から2時間反応させることにより、アミン体に導く。その後、アミン体をエタノール中、5%パラジウム炭素存在下、水素雰囲気下、室温にて30分間から2時間反応させることにより、化合物(35)へ導くものである。
工程29:化合物(35)は、工程13と同様の手法によって、本発明化合物(36)に導くことができる。工程29の好ましい例は、化合物(35)を、テトラヒドロフラン、水混合溶媒中、水酸化リチウムを用い、室温にて30分間から2時間、加水分解させることにより、本発明の化合物(36)へと導くものである。
また、本発明化合物であるモノエステル誘導体(38)は、下記の工程30によって、R及びRが水素原子である本発明化合物(37)より導くことができる。さらに、モノエステル誘導体である本発明化合物(40)は、下記の工程31によって、R及びRが水素原子以外の化合物(39)より導くことができる。

工程30:化合物(37)の6位炭素上のカルボン酸部を、一般的なエステル化反応(T.W.Greene,P.G.M.Wuts,“Protective Groups in Organic Synthesis”参照)にて、エステル化することにより、本発明化合物である化合物(38)に導くことができる。工程30の好ましい例は、ROHと塩化チオニルの存在下、氷冷下から50℃にて1時間から5時間反応させることにより、本発明の化合物(38)へと導くものである。
工程31:R、及びRが水素原子以外の化合物(39)の式−COORで示される部分を、短時間又は低温で、一般的な加水分解反応(T.W.Greene,P.G.M.Wuts,“Protective Groups in Organic Synthesis”参照)にてカルボン酸へと変換し、本発明化合物(40)に導くことができる。工程31の好ましい例は、化合物(39)の式−COORで表される部分を、テトラヒドロフラン、水混合溶媒中、水酸化リチウムを用い、0℃から室温にて30分間から3時間、加水分解することにより、本発明の化合物(40)へと導くものである。
本発明において、グループIIメタボトロピックグルタミン酸受容体拮抗作用を有する化合物とは、mGluR2及びmGluR3のそれぞれを発現させた細胞を使用し、「Mol.Pharmacol.,53,228−233,1998」に掲載されている方法に従い、受容体結合実験において濃度依存的な抑制作用を示し、mGluR2/R3に対する親和性においてグルタミン酸と同等以上の親和性を示し、さらに、GTPγS結合により測定したとき、グルタミン酸誘発GTPγS結合に拮抗する化合物をいう。または、cAMP量をcAMP測定キットにより測定したとき、グルタミン酸のホルスコリン刺激cAMP増加抑制作用に拮抗する化合物をいう。
本発明の化合物は、1種又は2種以上の医薬的に許容される担体、賦形剤及び希釈剤のいずれかひとつ以上と組み合わされて医薬的製剤又は医薬組成物とされうる。前記担体、賦形剤及び希釈剤としては、例えば、水、乳糖、デキストロース、フラクトース、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、でんぷん、ガム、ゼラチン、アルギネート、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、セルロース、水シロップ、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アルキルパラヒドロキシベンゾエート、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、グリセリン、ゴマ油、オリーブ油、大豆油などの各種油が挙げられる。
本発明の化合物は、これらの担体、賦形剤又は希釈剤、そして、必要に応じて一般に使用される増量剤、結合剤、崩壊剤、pH調整剤、溶解剤などの添加剤が混合された上で、常用の製剤技術によって錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、粉剤、液剤、乳剤、懸濁剤、軟膏剤、注射剤、皮膚貼付剤などの経口又は非経口用医薬、特にグループIIメタボトロピックグルタミン酸受容体拮抗薬として調製される。
本発明の化合物は、成人患者に対して0.01〜500mgを1日1回又は数回に分けて経口又は非経口で投与することが可能であるが、使用の容易性及び薬効の点からみて経口投与することが好ましい。なお、この投与量は治療対象となる疾病の種類、患者の年齢、体重、症状などにより適宜増減することが可能である。
以下に実施例及び試験例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(参考例1)
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド−6−フルオロ−3−ヒドロキシ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステルの合成
(1)−63〜−54℃に保ちながらヘキサメチルジシラザン137mLのテトラヒドロフラン700mL溶液に、2.66M n−ブチルリチウムヘキサン溶液245mLを滴下し、1時間攪拌した。この溶液に(1R,5R,6R)−6−フルオロ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸エチルエステル101gのテトラヒドロフラン340mL溶液を−63℃〜−52℃に保ちながら滴下した。1時間後、N−フェニル−ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)213gのテトラヒドロフラン700mL溶液を、−63〜−45℃で加えた。反応溶液を室温まで自然昇温させ、さらに2.5時間攪拌した。反応液をジエチルエーテルにて希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で3回、及び飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:ワコウゲルC200(和光純薬製)、展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=30:1〜20:1〜5:1)にて精製した。得られた(1R,5R,6R)−6−フルオロ−2−トリフルオロメタンスルホニルオキシビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−6−カルボン酸エチルエステル175gをN,N−ジメチルホルムアミド875mL、及びエタノール875mLに溶解し、ジイソプロピルエチルアミン95.1mL、トリフェニルホスフィン8.65g、及び酢酸パラジウム3.70gを加えた後、一酸化炭素雰囲気下、室温にて5.5時間攪拌した。反応溶液に1N塩酸を添加し、ジエチルエーテルにて6回抽出した。有機層を合わせて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で4回、及び飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:ワコウゲルC200(和光純薬製)、展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=30:1〜20:1〜10:1)にて精製し、(1R,5R,6R)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル92.6gを得た。
H−NMR(200MHz,CDCl)δ(ppm);1.31(t,J=7.0Hz,3H),1.33(t,J=7.0Hz,3H),2.37−2.51(m,1H),2.65−2.81(m,1H),2.88−3.04(m,1H),3.10(dd,J=7.5,2.6Hz,1H),4.12−4.40(m,4H),6.77−6.79(m,1H).
MS(ESI)(Pos)m/z;265(M+Na)
[α]21=+158.0°(CHCl,c=1.5)
(2)アセトニトリル1.76L、及び水680mLに溶解した(1R,5R,6R)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル92.4gに50%N−メチルモルホリン N−オキシド水溶液160mL及び4%酸化オスミウム(VIII)水溶液121mLを加え、室温にて1時間攪拌した。氷冷下、反応溶液に亜硫酸ナトリウムを加え、室温にて30分間攪拌した後、セライト濾過を行った。濾液に飽和食塩水を加え、酢酸エチルにて2回抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:ワコウゲルC200、展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=4:1〜1:1)にて精製し、(1R,2S,3R,5R,6R)−6−フルオロ−2,3−ジヒドロキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル95.6gを得た。
H−NMR(200MHz,CDCl)δ(ppm);1.31(t,J=7.3Hz,6H),2.03−2.34(m,3H),2.40−2.55(m,1H),2.70(d,J=9.2Hz,1H),4.09(s,1H),4.18−4.47(m,5H).
MS(ESI)(Nega)m/z;275(M−H)
[α]27=−69.1°(CHCl,c=1.4)
(3)氷冷下、(1R,2S,3R,5R,6R)−6−フルオロ−2,3−ジヒドロキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル95.4gのジクロロメタン1.24L溶液にトリエチルアミン106mLを加え、塩化チオニル37.6mLを滴下した後、30分間攪拌した。反応溶液を水で2回、及び飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮した。残渣を四塩化炭素640mL、アセトニトリル640mL及び水760mLに溶解した。この溶液にメタ過ヨウ素酸ナトリウム96.0g及び三塩化ルテニウム水和物655mgを加え、室温にて1時間攪拌した。セライト濾過を行った後、濾液を分液し、水層をジエチルエーテルにて抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:ワコウゲルC200、展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=4:1)にて精製し、(1R,1aR,1bS,4aR,5aR)−1−フルオロ−3,3−ジオキソテトラヒドロ−2,4−ジオキサ−3λ−チアシクロプロパ[a]ペンタレン−1,1b−ジカルボン酸 ジエチルエステル109gを得た。
H−NMR(200MHz,CDCl)δ(ppm);1.33(t,J=7.0Hz,3H)1.34(t,J=7.0Hz,3H),2.52−2.94(m,4H),4.23−4.47(m,4H),5.40−5.53(m,1H).
MS(ESI)(Pos)m/z;361(M+Na)
[α]28=+18.3°(CHCl,c=1.0)
(4)N,N−ジメチルホルムアミド1.10L及び水110mLに溶解した(1R,1aR,1bS,4aR,5aR)−1−フルオロ−3,3−ジオキソテトラヒドロ−2,4−ジオキサ−3λ−チアシクロプロパ[a]ペンタレン−1,1b−ジカルボン酸 ジエチルエステル109gにアジ化ナトリウム37.7gを加え、50℃にて14時間攪拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣をジエチルエーテル6.48L及び水177mLに溶解した後、20%(V/V)硫酸516mLを加え、室温にて34時間攪拌した。反応液を分液した後、有機層を飽和食塩水にて2回洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:ワコウゲルC200、展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=4:1)にて精製し、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド−6−フルオロ−3−ヒドロキシ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル88.5gを得た。
H−NMR(200MHz,CDCl)δ(ppm);1.33(t,J=7.0Hz,3H),1.38(t,J=7.0Hz,3H),2.18−2.61(m,5H),4.21−4.48(m,5H).
MS(ESI)(Pos)m/z;324(M+Na)
[α]22=−48.7°(CHCl,c=1.0)
【実施例1】
(1R,2R,3S,5R,6R)−2−アジド−6−フルオロ−3−ヒドロキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステルの合成
(1)窒素雰囲気下、ジクロロメタン20mLに溶解した(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド−6−フルオロ−3−ヒドロキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル120mgに、−75℃にてピリジン48μLとジクロロメタン0.4mLに溶解したトリフルオロメタンスルホン酸無水物78μLを滴下した後、氷冷下1.5時間攪拌した。−75℃にて、ピリジン24μLとジクロロメタン0.2mLに溶解したトリフルオロメタンスルホン酸無水物39μLを滴下した後、氷冷下25分間攪拌した。エーテル10mLを加え、固体を濾別後、濾液を減圧下濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:ワコウゲルC200、展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=5:1)にて精製し、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド−6−フルオロ−3−トリフルオロメタンスルホニルオキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル166mgを得た。
H−NMR(200MHz,CDCl)δ(ppm);1.35(t,J=7.0Hz,3H),1.38(t,J=7.0Hz,3H),2.35−2.50(m,2H),2.62−2.86(m,2H),4.31(q,J=7.0Hz,2H),4.27−4.55(m,2H),4.94−5.10(m,1H).
MS(FAB)(Pos)m/z;434(M+H)
[α]26=−31.2°(CHCl,c=0.4)
(2)N,N−ジメチルホルムアミド6.9mLに溶解した(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド−6−フルオロ−3−トリフルオロメタンスルホニルオキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル701mgに亜硝酸カリウム688mg、18−クラウン 6−エーテル428mgを加えた後、窒素雰囲気下、室温にて1.5日攪拌後、更に45℃にて3.5日攪拌した。水を添加後、酢酸エチルにて2回抽出した。有機層を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:ワコウゲルC200、展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=5:1)にて精製し、(1R,2R,3S,5R,6R)−2−アジド−6−フルオロ−3−ヒドロキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2、6−ジエチルエステル388mgを得た。
H−NMR(200MHz,CDCl)δ(ppm);1.34(t,J=7.0Hz,3H),1.36(t,J=7.0Hz,3H),2.16(dd,J=2.9Hz,14.9Hz,1H),2.17−2.30(m,1H),2.44(dd,J=3.1,8.1Hz,1H),2.61(dd,J=12.3,16.0Hz,1H),2.80−2.99(m,1H),4.29(q,J=7.0Hz,2H),4.34(q,J=7.0Hz,2H),4.48−4.64(m,1H).
MS(ESI)(Pos)m/z;324(M+Na)
[α]25=+6.4°(CHCl,c=1.0)
【実施例2】
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルファニル)−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、及び(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルファニル)−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸の合成
(1) 窒素雰囲気下、ジクロロメタン6.1mLに溶解した(1R,2R,3S,5R,6R)−2−アジド−6−フルオロ−3−ヒドロキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル364mg及びピリジン0.21mLに、−77℃〜−69℃にてジクロロメタン1.2mLに溶解したトリフルオロメタンスルホン酸無水物0.36mLを滴下した。−77℃にて30分間攪拌した後、氷冷下30分間攪拌した。ジエチルエーテル30mLを加え、固体を濾別後、濾液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:ワコウゲルC200、展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=5:1)にて精製し、(1R,2R,3S,5R,6R)−2−アジド−6−フルオロ−3−トリフルオロメタンスルホニルオキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル487mgを得た。
H−NMR(200MHz,CDCl)δ(ppm);1.36(t,J=7.0Hz,3H),1.39(t,J=7.5Hz,3H),2.26−2.63(m,3H),2.91−3.10(m,1H),4.25−4.45(m,4H),5.57(dd,J=9.0,2.9Hz,1H).
MS(ESI)(Pos)m/z;456(M+Na)
[α]26=−41.4°(CHCl,c=1.1)
(2)窒素雰囲気下、エタノール18mLに溶解したナトリウム308mgに、室温にて、3,4−ジクロロベンジルメルカプタン2.59gを加え、5分間攪拌した後、減圧下濃縮した。残渣にジメチルスルホキシド64mLを加え、室温にてジメチルスルホキシド6.4mLに溶解した(1R,2R,3S,5R,6R)−2−アジド−6−フルオロ−3−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル3.23g加え、10分間攪拌した。ジエチルエーテル250mLを加え、上層と下層を分離した。下層をジエチルエーテルにて2回抽出した。有機層を合わせて、冷却した1規定塩酸及び飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:ワコウゲルC200(和光純薬製)、展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=10:1〜5:1)にて精製し、(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アジド−3−(3,4−ジクロロベンジルスルファニル)−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル3.35gを得た。
H−NMR(200MHz,CDCl)δ(ppm);1.34(t,J=7.0Hz,3H),1.38(t,J=7.0Hz,3H),2.20−2.49(m,4H),2.99−3.13(m,1H),3.68(d,J=13.6Hz,1H),3.84(d,J=13.6Hz,1H),4.22−4.51(m,4H),7.16(dd,J=8.1,2.0Hz,1H),7.34−7.46(m,2H).
MS(ESI)(Pos)m/z:498(M+Na)
[α]24=+129.9°(CHCl,c=0.5)
(3)テトラヒドロフラン100mL、及び水10mLに溶解した(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アジド−3−(3,4−ジクロロベンジルスルファニル)−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸ジエチルエステル3.35gに1Mトリメチルホスフィン/テトラヒドロフラン溶液7.7mLを加え、室温にて1時間攪拌した。ジエチルエーテル200mLにて希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50mLを加えた後、室温で1.5時間攪拌した。分液後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮した。残渣をクロロホルムで希釈し、シリカゲル〔ワコウゲルC200(和光純薬製)〕を加えた。減圧下濃縮し、室温で18時間放置した後、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル:ワコウゲルC200(和光純薬製)、展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=2:1)にて精製し、(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルファニル)−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル2.78gを得た。
(4)テトラヒドロフラン0.8mL、及び水0.4mLに溶解した(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルファニル)−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル41mgに水酸化リチウム水和物12mgを加え、室温にて5.5日間攪拌した。氷浴中、1規定塩酸を用いpH=3に調整した。水30mLを加え、室温にて1時間攪拌した後、イオン交換樹脂(AG 50W−X8 Resin(H型)、展開溶媒:水、40%テトラヒドロフラン水溶液、10%ピリジン水溶液)にて精製し、得られた固体をさらにテトラヒドロフランで洗浄し、(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルファニル)−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸25mgを得た。
【実施例3】
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルフィニル)−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、及び(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルフィニル)−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸の合成
(1)ドライアイス−アセトン浴中、ジクロロメタン1.46mLに溶解した(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アジド−3−(3,4−ジクロロベンジルスルファニル)−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル73mgに、3−クロロ過安息香酸32mgを加え、1時間攪拌した。氷浴中、3.5時間攪拌した後、室温にて11時間攪拌した。ドライアイス−アセトン浴中、更に3−クロロ過安息香酸15mgを加え、1時間攪拌した後、氷浴中、4時間攪拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:ワコウゲルC200(和光純薬製)、展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=4:1〜2:1)にて精製し、(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アジド−3−(3,4−ジクロロベンジルスルフィニル)−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル63mg、及び(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アジド−3−(3,4−ジクロロベンジルスルフォニル)−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル12mgを得た。
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アジド−3−(3,4−ジクロロベンジルスルフィニル)−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル:
H−NMR(200MHz,CDCl)δ(ppm);1.36(t,J=7.0Hz,3H),1.38(t,J=7.0Hz,3H),2.33(dd,J=14.1,8.4Hz,1H),2.43−2.61(m,2H),2.80−2.97(m,1H),3.11−3.24(m,1H),3.79(d,J=13.2Hz,1H),4.09(d,J=13.2Hz,1H),4.25−4.43(m,4H),7.17(dd,J=8.4,2.2Hz,1H),7.40−7.50(m,2H).
MS(ESI)(Pos)m/z;514(M+Na)
[α]28=+36.0°(CHCl,c=0.5)
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アジド−3−(3,4−ジクロロベンジルスルフォニル)−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル:
H−NMR(200MHz,CDCl)δ(ppm);1.36(t,J=7.0Hz,3H),1.39(t,J=7.0Hz,3H),2.33−2.58(m,3H),2.86−3.05(m,1H),3.53(dd,J=11.2,8.1Hz,1H),4.24−4.46(m,6H),7.28(dd,J=8.4,2.2Hz,1H),7.44−7.56(m,2H).
MS(ESI)(Pos)m/z;530(M+Na)
[α]29=+7.9°(CHCl,c=0.7)
(2)実施例2の(3)と同様にして、(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アジド−3−(3,4−ジクロロベンジルスルフィニル)−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル61mgより、(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルフィニル)−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル41mgを得た。
(3)実施例2の(4)と同様にして、(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルフィニル)−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル38mgより、(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルフィニル)−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸17mgを得た。
【実施例4】
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルフォニル)−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、及び(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルフォニル)−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸の合成
(1)実施例2の(3)と同様にして、(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アジド−3−(3,4−ジクロロベンジルスルフォニル)−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル190mgから(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルフォニル)−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル169mgを得た。
(2)(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルフォニル)−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル108mgを60%硫酸(W/V%)1.08mL中、130℃にて3日間攪拌した。反応溶液を氷冷し、5規定水酸化ナトリウム水溶液にて中和した。室温にて1時間攪拌した後、イオン交換樹脂(AG 50W−X8 Resin(H型)、展開溶媒:水、30%テトラヒドロフラン水溶液、10%ピリジン水溶液)にて精製し、(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルフォニル)−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸76mgを得た。
【実施例5】
(1R,2R,3R,5R,6R)−2,3−ジアミノ−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、及び(1R,2R,3R,5R,6R)−2,3−ジアミノ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸の合成
(1)N,N−ジメチルホルムアミド5mLに溶解した(1R,2R,3S,5R,6R)−2−アジド−6−フルオロ−3−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル250mgに、アジ化ナトリウム56mgを加え、室温で30分間攪拌した。ジエチルエーテル100mLを反応溶液に加え、このエーテル溶液を水25mLで4回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:ワコウゲルC200(和光純薬製)、展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=10:1)にて精製し、(1R,2R,3R,5R,6R)−2,3−ジアジド−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル175mgを得た。
H−NMR(200MHz,CDCl)δ(ppm);1.34(t,J=7.0Hz,3H),1.40(t,J=7.0Hz,3H),2.25−2.57(m,4H),3.94−4.04(m,1H),4.24−4.45(m,4H).
MS(ESI)(POS)m/z;349(M+Na)
[α]26=+32.7°(CHCl,c=0.59)
(2)酢酸15mLと水5mLの混合溶媒に溶解した(1R,2R,3R,5R,6R)−2,3−ジアジド−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル170mgに、10%パラジウム炭素25mgを加え、水素雰囲気下室温で24時間攪拌した。セイライトろ過後、50℃で減圧下溶媒を留去し、(1R,2R,3R,5R,6R)−2,3−ジアミノ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル42mgを得た。
(3)実施例2の(4)と同様にして、(1R,2R,3R,5R,6R)−2,3−ジアミノ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 6−エチルエステル42mgより(1R,2R,3R,5R,6R)−2,3−ジアミノ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸14mgを得た。
【実施例6】
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルアミノ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、及び(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルアミノ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸の合成
(1)テトラヒドロフラン7.0mL、及び水0.7mLに溶解した(1R,2R,3S,5R,6R)−2−アジド−6−フルオロ−3−ヒドロキシ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル245mgに1Mトリメチルホスフィン/テトラヒドロフラン溶液0.89mLを加え、室温にて12時間攪拌した。ジエチルエーテル14mLにて希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた後、室温で1時間攪拌した。分液後、水層をクロロホルムにて2回抽出した。有機層を合わせて、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:ワコウゲルC200(和光純薬製)、展開溶媒:クロロホルム−エタノール=50:1)にて精製し、(1R,2R,3S,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−ヒドロキシ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル163mgを得た。
H−NMR(200MHz,CDCl)δ(ppm);1.32(t,J=7.3Hz,6H),2.07−2.23(m,2H),2.41(dd,J=8.1,3.3Hz,1H),2.71−2.91(m,1H),4.10−4.41(m,5H).
MS(ESI)(Pos)m/z;276(M+H)
[α]25=+2.8°(CHCl,c=1.5)
(2)テトラヒドロフラン0.8mLに溶解した(1R,2R,3S,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−ヒドロキシ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル160mgに、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液0.8mL、及びジ−t−ブチルジカルボネート152mgを加えた後、室温にて4時間攪拌した。反応溶液を酢酸エチルにて2回抽出した。有機層を合わせて、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:ワコウゲルC200(和光純薬製)、展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=2:1)にて精製し、(1R,2R,3S,5R,6R)−2−t−ブトキシカルボニルアミノ−6−フルオロ−3−ヒドロキシ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル214mgを得た。
H−NMR(200MHz,CDCl)δ(ppm);1.29(t,J=7.0Hz,3H),1.30(t,J=7.0Hz,3H),1.44(s,9H),2.20−2.48(m,3H),2.77−2.98(m,2H),4.07−4.48(m,5H),5.57(s,1H).
MS(ESI)(Pos)m/z;398(M+Na)
[α]22=−14.0(CHCl,c=0.9)
(3)実施例2の(1)と同様にして(1R,2R,3S,5R,6R)−2−t−ブトキシカルボニルアミノ−6−フルオロ−3−ヒドロキシ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル1.47gより、(1R,2R,3S,5R,6R)−2−t−ブトキシカルボニルアミノ−6−フルオロ−3−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル1.65gを得た。
H−NMR(200MHz,CDCl)δ(ppm);1.25−1.41(m,6H),1.44(s,9H),2.13−2.26(m,1H),2.40−2.57(m,2H),2.97−3.20(m,1H),4.14−4.47(m,4H),5.32(s,1H),5.99(d,J=8.4Hz,1H).
MS(ESI)(Nega)m/z;506(M−H)
[α]28=+79.8°(CHCl,c=0.5)
(4)N,N−ジメチルホルムアミド16.3mLに溶解した(1R,2R,3S,5R,6R)−2−t−ブトキシカルボニルアミノ−6−フルオロ−3−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル1.63gにアジ化ナトリウム313mgを加えた後、室温にて1時間、35℃にて20時間攪拌した。更に、アジ化ナトリウム104mgを加えた後、35℃にて18時間攪拌した。ジエチルエーテル50mLにて希釈した後、水で2回、及び飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:ワコウゲルC200(和光純薬製)、展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=5:1)にて精製し、(1R,2R,3R,5R,6R)−3−アジド−2−t−ブトキシカルボニルアミノ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル775mgを得た。
H−NMR(200MHz,CDCl)δ(ppm);1.29(t,J=7.0Hz,3H),1.33(t,J=7.0Hz,3H),1.45(s,9H),2.21−2.56(m,3H),2.92(dd,J=7.7,2.4Hz,1H),3.78−3.88(m,1H),4.17−4.41(m,4H),5.01(s,1H).
MS(ESI)(Pos)m/z;423(M+Na)
[α]26=+0.79°(CHCl,c=1.4)
(5)実施例6の(1)と同様にして(1R,2R,3R,5R,6R)−3−アジド−2−t−ブトキシカルボニルアミノ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル725mgより、(1R,2R,3R,5R,6R)−3−アミノ−2−t−ブトキシカルボニルアミノ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル553mgを得た。
H−NMR(200MHz,CDCl)δ(ppm);1.30(t,J=7.0Hz,3H),1.32(t,J=7.0Hz,3H),1.44(s,9H),2.06−2.27(m,2H),2.40−2.55(m,1H),2.61−2.72(m,1H),3.28−3.47(m,1H),4.17−4.41(m,4H),5.05(s,1H).
MS(ESI)(Pos)m/z;397(M+Na)
[α]27=−14.2°(CHCl,c=1.4)
(6)氷冷下、クロロホルム0.88mLに溶解した(1R,2R,3R,5R,6R)−3−アミノ−2−t−ブトキシカルボニルアミノ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル175mgに、ピリジン42μL、及び3,4−ジクロロベンジルブロミド123mgを加えた後、室温にて3日間攪拌した。飽和食塩水を加え、クロロホルムにて5回抽出した。有機層を合わせて、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:ワコウゲルC200(和光純薬製)、展開溶媒:クロロホルム−エタノール=100:1〜50:1、引き続き、ヘキサン−酢酸エチル=5:1)にて精製し、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルアミノ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル98mgを得た。
H−NMR(200MHz,CDCl)δ(ppm);1.23−1.34(m,6H),1.44(s,9H),2.03−2.26(m,2H),2.43(dd,J=13.0,7.3Hz,1H),2.83−2.93(m,1H),3.02−3.15(m,1H),3.71(d,J=13.2Hz,1H),3.80(d,J=13.2Hz,1H),4.12−4.39(m,4H),4.82(s,1H),7.11(dd,J=8.1,2.0Hz,1H),7.33−7.45(m,2H).
MS(ESI)(Nega)m/z;531(M−H)
[α]27=−15.1°(CHCl,c=0.5)
(7)氷冷下、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルアミノ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル28mgに、4規定塩化水素/酢酸エチル溶液2.8mLを加え、6時間攪拌した後、室温にて18時間攪拌した。反応溶液を氷冷し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にて中和した後、分液を行った。水層を酢酸エチルにて抽出した。有機層を合わせて、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮し、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルアミノ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル21mgを得た。
(8)実施例2の(4)と同様にして、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルアミノ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル28mgより、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルアミノ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸17mgを得た。
【実施例7】
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−〔N,N−(3,4−ジクロロベンジル)メチルアミノ〕−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、及び(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−〔N,N−(3,4−ジクロロベンジル)メチルアミノ〕−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸の合成
(1)N,N−ジメチルホルムアミド1.36mLに溶解した(1R,2R,3R,5R,6R)−2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルアミノ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル136mgに炭酸カリウム71mg及び、ヨウ化メチル64μLを加え、室温にて3日間攪拌した。飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて2回抽出した。有機層を合わせて、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:ワコウゲルC200(和光純薬製)、展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=5:1)にて精製し、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−〔N,N−(3,4−ジクロロベンジル)メチルアミノ〕−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル126mgを得た。
H−NMR(200MHz,CDCl)δ(ppm);1.28(t,J=7.0Hz,3H),1.29(t,J=7.0Hz,3H),1.43(s,9H),2.11(s,3H),2.16−2.58(m,3H),2.80−3.07(m,2H),3.29(d,J=13.6Hz,1H),3.78(d,J=13.6Hz,1H),4.05−4.43(m,4H),4.86(s,1H),7.08(dd,J=8.4,1.8Hz,1H),7.31−7.41(m,2H).
MS(ESI)(Pos)m/z;547(M+H)
[α]25=−51.9°(CHCl,c=0.5)
(2)実施例6の(7)と同様にして、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−〔N,N−(3,4−ジクロロベンジル)メチルアミノ〕−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル124mgより、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−〔N,N−(3,4−ジクロロベンジル)メチルアミノ〕−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル96mgを得た。
(3)実施例2の(4)と同様にして、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−〔(3,4−ジクロロベンジル)−メチル−アミノ〕−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル94mgより、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−〔N,N−(3,4−ジクロロベンジル)メチルアミノ〕−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸62mgを得た。
【実施例8】
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンゾイルアミノ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、及び(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンゾイルアミノ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸の合成
(1)クロロホルム0.17mLに溶解した(1R,2R,3R,5R,6R)−3−アミノ−2−t−ブトキシカルボニルアミノ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル17mgに、ピリジン7.3μL、及び3,4−ジクロロベンゾイル クロリド14mgを加え、室温にて3時間攪拌した。反応溶液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:ワコウゲルC200(和光純薬製)、展開溶媒:クロロホルム−エタノール=100:1)にて精製し、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−(3,4−ジクロロベンゾイルアミノ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル21mgを得た。
H−NMR(200MHz,CDCl)δ(ppm);1.19(t,J=7.0Hz,3H),1.31(t,J=7.3Hz,3H),1.41(s,9H),2.21−2.64(m,3H),2.82−2.91(m,1H),4.07−4.37(m,4H),4.58−4.75(m,1H),6.20(s,1H),6.39−6.50(m,1H),7.46−7.57(m,2H),7.80−7.85(m,1H).
MS(ESI)(Nega)m/z;545(M−H)
[α]23=+12.1(CDCl,c=0.9)
(2)実施例6の(7)と同様に、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−(3,4−ジクロロベンゾイルアミノ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル107mgより(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンゾイルアミノ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル85mgを得た。
(3)実施例2の(4)と同様に、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンゾイルアミノ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル48mgより、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンゾイルアミノ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸24mgを得た。
【実施例9】
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンゾイルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル、及び(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンゾイルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸の合成
(1)ピリジン3.7mLに溶解した(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド−6−フルオロ−3−ヒドロキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル202mgに塩化3,4−ジクロロベンゾイル234mgを加え、窒素雰囲気下、室温で28時間攪拌した。反応溶液に酢酸エチル100mLを加え、この酢酸エチル溶液を飽和硫酸銅水溶液および水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:ワコウゲルC200、展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=10:1)にて精製し、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド−3−(3,4−ジクロロベンゾイルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル298mgを得た。
H−NMR(200MHz,CDCl)δ(ppm);1.35(t,J=7.3Hz,3H),2.35−2.55(m,3H),2.77−2.87(m,1H),4.31(q,J=7.3Hz,2H),5.24−5.46(m,3H),7.28−7.60(m,6H),7.90−8.20(m,2H).
MS(ESI)(Pos)m/z;558(M+Na)
(2)実施例2の(3)と同様に、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド−3−(3,4−ジクロロベンゾイルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル298mgより(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンゾイルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル218mgを得た。
(3)エタノール10mLに溶解した(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンゾイルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−ジエチルエステル218mgに、5%パラジウム炭素15mgを加え水素雰囲気下、室温で50分間攪拌した。セライトを用いてパラジウム炭素を濾別し、濾液を減圧下濃縮し、得られた固体をテトラヒドロフラン2mLと水1mLの混合溶媒に溶解した。この溶液に、氷冷下、水酸化リチウム1水和物10mgを加え30分間攪拌した。氷冷下、1規定塩酸0.5mLを加え、水で50mLに希釈した後、イオン交換樹脂(AG 50W−X8 Resin(H型)、展開溶媒:水、40%テトラヒドロフラン水溶液、10%ピリジン水溶液)にて精製し、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンゾイルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸25mgを得た。
【実施例10】
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 6−ベンジルエステルの合成
(1)ベンジルアルコール0.3mLに懸濁させた(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸26mgに、氷冷下、塩化チオニル19μLを加えた後、50℃で3.5時間攪拌した。放冷後、反応溶液を減圧下濃縮し、逆相カラムクロマトグラフィー(ワコーゲル50C18(和光純薬):展開溶媒 水 〜 70%アセトニトリル水溶液)にて精製し、(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 6−ベンジルエステル5mgを得た。
2.19−2.43(3H,m),2.47−2.63(1H,m),2.96−3.12(1H,m),3.75(1H,d,J=13.2Hz),3.81(1H,d,J=13.2Hz),5.22(2H,s),7.23−7.54(8H,m)
MS(ESI)(Nega)482(M−H)
【実施例11】
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−エチルエステルの合成
テトラヒドロフラン3.5mL及び水1.7mLの混合溶媒に溶解した(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル150mgに、氷冷下、水酸化リチウム1水和物17mgを加え30分間攪拌した。氷冷下、1規定塩酸にてpH2の酸性とした後、水で30mLに希釈し30分間攪拌した。この希釈溶液をイオン交換樹脂(AG 50W−X8 Resin(H型)、展開溶媒:水、30%テトラヒドロフラン水溶液、10%ピリジン水溶液)にて精製し、(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−エチルエステル73mgを得た。
以下、実施例2,3,4,5,6,7,8,9,10及び11に記載の化合物、並びに同様にして得た化合物の構造および物性データを表1に示す。











なお、表中の化合物は、以下のとおりである。
化合物番号1:(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(チオフェン−2−イルメチルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
化合物番号2:(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(2−フェニルベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
化合物番号3:(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(4−メトキシベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
化合物番号4:(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(4−フルオロベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
化合物番号5:(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(4−t−ブチルベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
化合物番号6:(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3−トリフルオロメチルベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
化合物番号7:(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(1−ブロモ−ナフタレン−2−イルメチルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
化合物番号8:(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルファニル)−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸
化合物番号9:(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
化合物番号10:(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルフィニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
化合物番号11:(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルフォニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
化合物番号12:(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロフェニルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
化合物番号13:(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−2,6−ジフルオロベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
化合物番号14:(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(プロピルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
化合物番号15:(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(1−フェニル−エチルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
化合物番号16:
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[ビス−(4−フルオロフェニル)メチルスルファニル]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
化合物番号17:
(1R,2R,3R,5R,6R)−2,3−ジアミノ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
化合物番号18:
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルアミノ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
化合物番号19:
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−〔N,N−(3,4−ジクロロベンジル)メチルアミノ〕−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
化合物番号20:
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンゾイルアミノ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
化合物番号21:
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンゾイルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
化合物番号22:
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(チオフェン−2−イルメチルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、
化合物番号23:(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(2−フェニルベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、
化合物番号24:(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(4−メトキシベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、
化合物番号25:(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(4−フルオロベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、
化合物番号26:(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(4−t−ブチルベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、
化合物番号27:(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3−トリフルオロメチルベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、
化合物番号28:(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(1−ブロモ−ナフタレン−2−イルメチルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、
化合物番号29:(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルファニル)−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル、
化合物番号30:(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、
化合物番号31:(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルフィニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、
化合物番号32:(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルフォニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、
化合物番号33:(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロフェニルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、
化合物番号34:(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−2,6−ジフルオロベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、
化合物番号35:(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(プロピルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、
化合物番号36:(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(1−フェニル−エチルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、
化合物番号37:(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[ビス−(4−フルオロフェニル)メチルスルファニル]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、
化合物番号38:(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルアミノ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、
化合物番号39:(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−〔N,N−(3,4−ジクロロベンジル)メチルアミノ〕−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、
化合物番号40:(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンゾイルアミノ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、
化合物番号41:(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンゾイルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル、
化合物番号42:(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−エチルエステル、
化合物番号43:(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 6−イソブチルエステル、及び
化合物番号44:(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 6−ベンジルエステルである。
(試験例1)被検薬の代謝型グルタメート受容体mGluR2安定発現CHO細胞でのcAMP蓄積に及ぼす効果(拮抗作用))
代謝型グルタメート受容体mGluR2安定発現CHO細胞を、10%透析牛胎児血清含有ダルベッコ改変イーグル培地[1%proline,50units/mL penicillin,50μg/ml streptomycin,2mM L−glutamine(用時添加)]を用いて1.26×10cells/well/0.32cm/150μlの割合で96穴プレートに播種し、37℃、5%CO下で2日間培養を行った。その後、L−glutamine free培地に交換し、4時間後に上清を吸引除去し、150μLのPBS(+)−IBMX(10mM PBS(−),1mM MgCl,1mM CaCl,1mM IBMX)で洗浄し、100μLの被検体(最終濃度0.3nM〜100μM)を含有したPBS(+)−IBMXを添加して20分間、37℃、5%CO存在下でインキュベーションを行った。2μLの500μM forskolin(最終濃度10μM)を添加して15分間、37℃で5%CO存在下インキュベーションを行い、forskolin刺激cAMP蓄積量に及ぼすグルタミン酸の抑制効果に対する被検薬の効果を検討した(コントロールは、化合物無添加の条件とする。(Tanabe et al,Neuron,8,169−179(1992))。200μLの氷冷エタノールを添付して反応停止し、上清を別のプレートに全量回収した後、エバポレーターで常温乾固、−20℃で保存した。乾固したサンプルは、cAMP EIA kit(アマシャム社)を用いてcAMP量を定量した。各cAMP量からコントロールの値を差し引いた。10μM forskolin刺激cAMP増加に対する30μMグルタミン酸の抑制を50%拮抗する被検薬の濃度IC50値を求めた。
及びRが水素原子である本発明化合物[II]は、本試験例に記載の測定において、低いIC50値を示した。
(試験例2)被検薬の代謝型グルタメート受容体mGluR2安定発現CHO細胞での[H]MGS0008受容体結合試験に及ぼす効果
代謝型グルタメート受容体mGluR2安定発現CHO細胞を、10%透析牛胎児血清含有ダルベッコ改変イーグル培地[1%proline,50units/ml penicillin,50μg/mL streptomycin,2mM L−glutamine(用時添加)]でT−225フラスコに播種し、37℃、5%CO下で培養を行った。コンフルエントの状態でPBS(−)で2回洗浄してセルスクレーパーで細胞を剥離し、4℃、1000×g、15分間遠心分離を行って細胞を回収した。得られた沈さは、−80℃で保存した。用時溶解して、50mM Tris−HCl緩衝液(pH7.4)に懸濁した。懸濁液をホモジナイザーで20秒間ホモジナイズ後、4℃、48,000×g、20分間遠心分離を行って沈さを得た。上記緩衝液で再度懸濁、ホモジナイズ後に37℃、15分間インキュベートし、4℃、48,000×g、20分間遠心分離を行った。さらに得られた沈さを、2回遠心洗浄した後に50mM Tris−HCl緩衝液(2mM MgCl,pH7.4)でホモジナイズして膜画分を得た。受容体結合試験は、膜濃度50〜200μg/0.5mL assayの範囲で行った。膜画分に被検薬と3nM [H]MGS0008を添加して、25℃で1時間インキュベーションを行った。Brandel cell harvesterを用いて0.3%polyethylenimineに予め浸したWhatman GF/Cフィルター上に吸引濾過することによって反応を停止した。吸引濾過後、フィルターは氷冷50mM Tris−HCl緩衝液(2mM MgCl,pH7.4)3mLで3回洗浄した。得られたフィルターに10mLのAquasol−2を添加して6時間以上放置して、Beckman LS6000液体シンチレーションカウンターで蛍光活性を測定した。非特異的結合は10μM LY354740存在下で測定し、各結合量から差し引いた。溶媒による[H]MGS0008結合量に対して50%抑制する被検薬の濃度IC50値を求めた。
本発明化合物式[I]中、R及びR及が水酸基でRが水素原子で示される化合物、すなわち表1中の化合物1−58は本試験例に記載の測定において、mGluR2受容体に対しIC50値が200nM以下の強い結合作用を示した。
【産業上の利用可能性】
本発明の化合物は、メタボトロピックグルタミン酸受容体の拮抗薬として利用され得る。従って、本発明によれば、統合失調症、不安およびその関連疾患、うつ病、二極性障害、てんかん等の精神医学障害の治療および予防、薬物依存症、認知障害、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、筋硬直に伴う運動障害、脳虚血、脳不全、脊髄障害、頭部障害等の精神学的疾患の治療および予防、鎮痙、鎮痛、鎮吐等に有効な医薬品の提供も可能となった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式[I]

[式中、
及びRは、同一又は異なって、水素原子、C1−10アルキル基、フェニル基、ナフチル基、1若しくは2個のフェニル基で置換されたC1−10アルキル基、C2−10アルケニル基、C2−10アルキニル基、ヒドロキシルC2−10アルキル基、C1−10アルコキシカルボニルC1−10アルキル基、アミノC2−10アルキル基、又はC1−10アルコキシC1−10アルキル基を示し、
Xは、水素原子又はフッ素原子を示し、
Yは、アミノ基、−SR、−S(O)、−SCHR、−S(O)CHR、−NHCHR、−N(CHR)(CHR)、−NHCOR、又は−OCORを示す(式中、R、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、C1−10アルキル基、フェニル基、ナフチル基、1〜7個のハロゲン原子で置換されたナフチル基、複素芳香族基を示すか、又は、“ハロゲン原子、フェニル基、C1−10アルキル基、C1−10アルコキシ基及びトリフルオロメチル基からなる群より選ばれる1〜5個の置換基で置換されたフェニル基”を示し、
は、C1−10アルキル基、フェニル基、ナフチル基、1〜7個のハロゲン原子で置換されたナフチル基、又は複素芳香族基を示すか、又は、“ハロゲン原子、フェニル基、C1−10アルキル基、C1−10アルコキシ基及びトリフルオロメチル基からなる群より選ばれる1〜5個の置換基で置換されたフェニル基”を示し、nは1又は2の整数を示す。)。]で表される2−アミノ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体、その医薬上許容される塩又はその水和物。
【請求項2】
式[II]


[式中、
及びRは、同一又は異なって、水素原子、C1−10アルキル基、フェニル基、ナフチル基、1若しくは2個のフェニル基で置換されたC1−10アルキル基、C2−10アルケニル基、C2−10アルキニル基、ヒドロキシルC2−10アルキル基、C1−10アルコキシカルボニルC1−10アルキル基、アミノC2−10アルキル基、又はC1−10アルコキシC1−10アルキル基を示し、
Xは、水素原子又はフッ素原子を示し、
Yは、アミノ基、−SR、−S(O)、−SCHR、−S(O)CHR、−NHCHR、−N(CHR)(CHR)、−NHCOR、又は−OCORを示す(式中、R、R、R、及びRは同一又は異なって、水素原子、C1−10アルキル基、フェニル基、ナフチル基、1〜7個のハロゲン原子で置換されたナフチル基、複素芳香族基を示すか、又は、“ハロゲン原子、フェニル基、C1−10アルキル基、C1−10アルコキシ基及びトリフルオロメチル基からなる群より選ばれる1〜5個の置換基で置換されたフェニル基”を示し、
は、C1−10アルキル基、フェニル基、ナフチル基、1〜7個のハロゲン原子で置換されたナフチル基、又は複素芳香族基を示すか、又は、“ハロゲン原子、フェニル基、C1−10アルキル基、C1−10アルコキシ基及びトリフルオロメチル基からなる群より選ばれる1〜5個の置換基で置換されたフェニル基”を示し、
nは1又は2の整数を示す。)。]で表される2−アミノ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体、その医薬上許容される塩又はその水和物。
【請求項3】
前記式[II]中、Rが、水素原子である請求項2に記載の2−アミノ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体、その医薬上許容される塩又はその水和物。
【請求項4】
前記式[II]中、R及びRが、ともに水素原子である請求項2に記載の2−アミノ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体、その医薬上許容される塩又はその水和物。
【請求項5】
前記式[II]中、R及びRが、ともに水素原子であり、
Xがフッ素原子である請求項2に記載の2−アミノ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体、その医薬上許容される塩又はその水和物。
【請求項6】
前記式[II]中、R及びRが、ともに水素原子であり、
Xが水素原子である請求項2に記載の2−アミノ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体、その医薬上許容される塩又はその水和物。
【請求項7】
前記式[II]中、R及びRが、ともに水素原子であり、
Xがフッ素原子であり、
Yが−SR(−SRは、前記の同義である。)である請求項2に記載の2−アミノ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体、その医薬上許容される塩又はその水和物。
【請求項8】
前記式[II]中、R及びRが、ともに水素原子であり、
Xがフッ素原子であり、
Yが−S(O)(−S(O)は、前記の同義である。)である請求項2に記載の2−アミノ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体、その医薬上許容される塩又はその水和物。
【請求項9】
前記式[II]中、R及びRが、ともに水素原子であり、
Xがフッ素原子であり、
Yが−SCHR(−SCHRは、前記の同義である。)である請求項2に記載の2−アミノ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体、その医薬上許容される塩又はその水和物。
【請求項10】
前記式[II]中、R及びRが、ともに水素原子であり、
Xがフッ素原子であり、
Yが−S(O)CHR(−S(O)CHRは、前記の同義である。)である請求項2に記載の2−アミノ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体、その医薬上許容される塩又はその水和物。
【請求項11】
前記式[II]中、R及びRが、ともに水素原子であり、
Xがフッ素原子であり、
Yが−NHCHR(−NHCHRは、前記の同義である。)である請求項2に記載の2−アミノ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体、その医薬上許容される塩又はその水和物。
【請求項12】
前記式[II]中、R及びRが、ともに水素原子であり、
Xがフッ素原子であり、
Yが−N(CHR)(CHR)(−N(CHR)(CHR))は、前記の同義である。)である請求項2に記載の2−アミノ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体、その医薬上許容される塩又はその水和物。
【請求項13】
前記式[II]中、R及びRが、ともに水素原子であり、
Xがフッ素原子であり、
Yが−NHCOR(−NHCORは、前記の同義である。)である請求項2に記載の2−アミノ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体、その医薬上許容される塩又はその水和物。
【請求項14】
前記式[II]中、R及びRが、ともに水素原子であり、
Xがフッ素原子であり、
Yが−OCOR(−OCORは、前記の同義である。)である請求項2に記載の2−アミノ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体、その医薬上許容される塩又はその水和物。
【請求項15】
前記式[II]中、R及びRが、ともに水素原子であり、
Xが水素原子であり、
Yが−SR(−SRは、前記の同義である。)である請求項2に記載の2−アミノ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体、その医薬上許容される塩又はその水和物。
【請求項16】
前記式[II]中、R及びRが、ともに水素原子であり、
Xが水素原子であり、
Yが−S(O)(−S(O)は、前記の同義である。)である請求項2に記載の2−アミノ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体、その医薬上許容される塩又はその水和物。
【請求項17】
前記式[II]中、R及びRが、ともに水素原子であり、
Xが水素原子であり、
Yが−SCHR(−SCHRは、前記の同義である。)である請求項2に記載の2−アミノ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体、その医薬上許容される塩又はその水和物。
【請求項18】
前記式[II]中、R及びRが、ともに水素原子であり、
Xが水素原子であり、
Yが−S(O)CHR(−S(O)CHRは、前記の同義である。)である請求項2に記載の2−アミノ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体、その医薬上許容される塩又はその水和物。
【請求項19】
前記式[II]中、R及びRが、ともに水素原子であり、
Xが水素原子であり、
Yが−NHCHR(−NHCHRは、前記の同義である。)である請求項2に記載の2−アミノ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体、その医薬上許容される塩又はその水和物。
【請求項20】
前記式[II]中、R及びRが、ともに水素原子であり、
Xが水素原子であり、
Yが−N(CHR)(CHR)(−N(CHR)(CHR)は、前記の同義である。)である請求項2に記載の2−アミノ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体、その医薬上許容される塩又はその水和物。
【請求項21】
前記式[II]中、R及びRが、ともに水素原子であり、
Xが水素原子であり、
Yが−NHCOR(−NHCORは、前記の同義である。)である請求項2に記載の2−アミノ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体、その医薬上許容される塩又はその水和物。
【請求項22】
式[II]で表される化合物が、
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(チオフェン−2−イルメチルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(2−フェニルベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(4−メトキシベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(4−フルオロベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(4−t−ブチルベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3−トリフルオロメチルベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(1−ブロモ−ナフタレン−2−イルメチルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルファニル)−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルフィニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルフォニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロフェニルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−2,6−ジフルオロベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(プロピルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(1−フェニル−エチルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[ビス−(4−フルオロフェニル)メチルスルファニル]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2,3−ジアミノ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルアミノ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−〔N,N−(3,4−ジクロロベンジル)メチルアミノ〕−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンゾイルアミノ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、又は
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンゾイルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸である
請求項2に記載の2−アミノ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体、その医薬上許容される塩又はその水和物。
【請求項23】
式[II]で表される化合物が、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2,3−ジアミノ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(チオフェン−2−イルメチルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(2−フェニルベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(4−メトキシベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(4−フルオロベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル)、
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(4−t−ブチルベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3−トリフルオロメチルベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(1−ブロモ−ナフタレン−2−イルメチルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルファニル)−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル、
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルフィニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルフォニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロフェニルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−2,6−ジフルオロベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(プロピルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(1−フェニル−エチルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[ビス−(4−フルオロフェニル)メチルスルファニル]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルアミノ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−〔N,N−(3,4−ジクロロベンジル)メチルアミノ〕−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンゾイルアミノ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンゾイルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル、
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−エチルエステル、
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 6−イソブチルエステル、又は
(1R,2S,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルスルファニル)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 6−ベンジルエステル
である請求項2に記載の2−アミノ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体、その医薬上許容される塩又はその水和物。
【請求項24】
請求項1〜23のいずれか1項に記載の2−アミノ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体、その医薬上許容される塩又はその水和物を有効成分とする医薬。
【請求項25】
グループIIメタボトロピックグルタミン酸受容体拮抗薬である請求項24に記載の医薬。

【国際公開番号】WO2005/000790
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【発行日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−511123(P2005−511123)
【国際出願番号】PCT/JP2004/009384
【国際出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(000002819)大正製薬株式会社 (437)
【復代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
【復代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
【復代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
【復代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
【Fターム(参考)】