2つの物体の相対的な位置および/または方位を測定するシステムおよび方法、ならびにそのようなシステムおよび方法で使用されるビーム誘導装置、干渉計装置および光路長を変更するデバイス
【課題】2つの物体の相対的な位置を測定するシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】可干渉性放射線放射源43、計測ブランチ49に計測ビームを提供するビーム誘導装置、計測ブランチ49を通過した後の放射線の干渉重畳の強度を計測する放射線強度センサ65、計測ブランチ49の光路長を検出し2つの物体の相対的な位置関係を検出する放射線強度センサ65からの計測信号に応答する計算機67を備え、前記計測ブランチ49は、2つの物体間で計測ブランチ49に放射線を放射する第一の物体上に装着可能な少なくとも1つのエミッタと、第二の物体上に装着された少なくとも3つの逆反射体19で反射されて戻った放射線を受けてその放射線を放射線強度センサ65に供給するための第一の物体上に装着された少なくとも1つのレシーバ18を含む。レシーバ18は、少なくとも3つの逆反射体19が含まれるように放射線を放射する。
【解決手段】可干渉性放射線放射源43、計測ブランチ49に計測ビームを提供するビーム誘導装置、計測ブランチ49を通過した後の放射線の干渉重畳の強度を計測する放射線強度センサ65、計測ブランチ49の光路長を検出し2つの物体の相対的な位置関係を検出する放射線強度センサ65からの計測信号に応答する計算機67を備え、前記計測ブランチ49は、2つの物体間で計測ブランチ49に放射線を放射する第一の物体上に装着可能な少なくとも1つのエミッタと、第二の物体上に装着された少なくとも3つの逆反射体19で反射されて戻った放射線を受けてその放射線を放射線強度センサ65に供給するための第一の物体上に装着された少なくとも1つのレシーバ18を含む。レシーバ18は、少なくとも3つの逆反射体19が含まれるように放射線を放射する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの物体の相対的な位置を、干渉計を用いて測定するシステムに関する。特に、本発明は2つの物体の相対的な位置さらには方位を、干渉計を用いて測定するシステムに関する。さらに本発明は概して、2つの物体間で検出された少なくとも9つの距離に基づいて2つの物体の相対的な位置および方位を測定する方法に関する。この方法は、2つの物体の相対的な位置および方位を測定するシステムに特に適用可能である。
【0002】
さらに、本発明は概して、光源から計測ヘッドまで放射される放射線を供給するビーム誘導装置に関し、その光源および計測ヘッドは相対的に移動可能であり、および/または、そのビーム誘導装置は変化し続ける環境の影響にさらされる。ビーム誘導装置は特に、センサシステムまたは、2つの物体の相対的な位置および/または方位を測定するシステムに適用可能である。さらに、本発明はそのようなビーム誘導装置を有する干渉計装置に関する。
【0003】
さらに、本発明は概して、可変光路長を提供するデバイスまたは可変光学遅延を提供するデバイスに関し、それぞれが、2つの物体の相対的な位置および/または方位を測定するシステムに特に適用可能である。
【0004】
さらに、本発明は座標計測器および、2つの物体の相対的な位置および/または方位を測定するシステムを用いるマシンツールに関する。
【背景技術】
【0005】
2つの物体間距離の干渉計変異によって検出を行い、その場合に2つの物体の一方に逆反射体を装着し、もう一方には可干渉性放射線用エミッタを逆反射体側に向けて設けることは知られている。その逆反射体によりもう一方の物体に向けて逆反射された放射線は個々のレシーバを介して受光され、干渉によって放射源の放射線と重畳させられ、放射線強度センサによって検出される。2つの物体間の距離が変化した場合は、2つの物体間で前後に反射されるビームの光路長に、干渉に起因して強度の最大・最小値が生成される。強度変化の数値が検出されるのであれば、距離における変化の程度の結果が導き出される。基準走行で2つの物体をまず互いにあらかじめわかっている距離をもって配し、その後そのわかっている距離からの変化が検出されれば、2つの物体間の絶対距離の計測が可能である。
【0006】
WO 88/07656(特許文献1)より、2つの物体間の相対的な位置および方位の相対的な変化を検出するシステムが知られている。この目的で、逆反射体が互いに一定の距離をもって第一物体の上に装着され、第二物体の上には6つの別々の干渉計−エミッタが互いに一定の距離をもって設けられている。それぞれの放射線は逆反射体の一方に向けられている。ここで、第一、第二及び第三のエミッタはそれぞれその放射線を第一逆反射体に向け、第四および第五のエミッタは放射線を第二逆反射体に向け、第六のエミッタは放射線を第三逆反射体に向けている。したがって、6つの干渉計を設けることにより、第一または第二物体上の地点間で6種類の距離の変化がそれぞれ検出可能である。基準位置での2つの物体上の異なる地点間の距離が計測の開始時に分かっていたのであれば、後で2つの物体を相対的に移動させて6つの距離を完全に測定することが可能である。その後、6つの距離の絶対値より、2つの物体の相対的な位置および方位を測定することができる。
【0007】
このシステムで、たとえば環境的な影響により距離または方位が変化している最中に6本のビームの内1本の遮断が発生した場合、強度の最大値または最小値のそれぞれ、それ以上カウントできなくなるので、2つの物体間の絶対距離の測定がこの時点より以降は不可能になる。さらに、それぞれのエミッタはその放射線を指定された専用の逆反射体のみに向けなければならないので、エミッタは相当するビーム方向制御を備え、それにより自身の放射線を相当する逆反射体に常に向けられた状態に維持する。ビームが遮断された場合、方向制御が相当する逆反射体との接触を失うことも有り得る。
【0008】
可干渉性放射線が従来のワンモード光導体によってエミッタに供給され、最終的に後者によって検出器に供給される場合、光伝達ファイバの伝達特性に変化が生じ、また一方で、検出器やエミッタと放射源との間の相対的な位置に変化が生じた場合、またはその他の環境的な影響によっても伝達特性に変化が生じる。その結果、検出器に供給される信号が強いフラクチュエーションを受けることも考えられる。このフラクチュエーションはまた、強度の最大値または最小値とも解釈され、それぞれ、2つの物体間の動きによって引き起こされる。これも、距離変化の計測不良を引き起こす。
【0009】
6つの検出距離により、反復相の計算プロセスを用いた2つの物体間の相対的な位置および方位の測定が可能になる。その一例は従来のガウス−ザイデル法である。そのような方法は多くの計算を必要とし、検出された位置および方位がそれぞれ所定単位の時間内に更新可能な速度が制限される。
【0010】
さらに、周知の干渉計測法では、2つの物体間の距離が干渉計の計測ブランチに光路を提供し、この光路が干渉計の基準ブランチに設けられた周知の可変光路と比較されることによって、2つの物体間の絶対距離の測定が可能になる。基準ブランチで光路を設けるというこの目的で周知のデバイスは、一つには偏差が小さすぎる、すなわち光路長の偏差範囲が小さすぎて、2つの物体間で距離の変化が大きいとそれを調整することができない、および/または速度が遅すぎて、光路で大きな変化を敏速に提供することができず、結果的に距離計測率が制限される。
【特許文献1】WO 88/07656
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の目的は、2つの物体の相対的な位置を測定するためのトラブルの無いシステムを提供することである。さらなる目的は、絶対距離の計測を可能にするシステムを提供することである。また別の目的は、2つの物体の相対的な方位をも測定することができるシステムを提供することである。
【0012】
本発明のさらに別の目的は、2つの物体間の相対的な位置および/または方位を測定するための、計算費用がほとんどかからない方法を提供することである。
【0013】
本発明のさらに別の目的は、光誘導装置を有するビーム誘導装置を示唆することである。その装置は光誘導装置の移動および/またはその他、光誘導装置に及ぼされる環境的影響に左右されにくい。本発明のさらに別の目的は、計測ブランチが放射線源に対し移動可能であり失敗に左右されにくい干渉計装置を示唆することである。
【0014】
本発明のさらに別の目的は、大きな偏差をもたらす可変光路長を提供するデバイスを示唆することである。さらに、本発明の別の目的は、自身の偏差の急速な変化を可能にするデバイスを示唆することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
第一の局面では、本発明は2つの物体の相対的な位置を測定するシステムを提供する。それによれば、その2つの物体の一方の少なくとも1地点ともう一方の物体の少なくとも3地点との間で少なくとも3つの距離が干渉的に測定される。これを目的として、十分な可干渉性放射線を有する放射源が設けられ、それによってその地点の距離次第で干渉信号を発生する。このために、その放射源から偏向した放射線は計測ブランチを通過した後の放射線と重畳する。その放射線は光路として、第一物体に設けた地点と第二物体に設けた地点との間の距離を含む。その結果生じた干渉信号をコンピュータが評価して、その値から、それらの該当する地点間の距離、ひいては2つの物体の相対的な位置を測定する。第二物体の地点は、その上に装着された少なくとも3つの逆反射体によって測定される。それら逆反射体の相対的な距離はあらかじめ決まっておりまた周知である。第一物体についてあらかじめ決まっている地点は、一つには、放射源から提供される放射線用のエミッタであり、それはこの放射線を三次元の空間の角度範囲、またはステラジアンにそれぞれ放射し、少なくとも3つの逆反射体がこの角度範囲に含まれる。ここで、角度範囲は非常に大きくなるので、その中の逆反射体は、所望の移動量で2つの物体が相対的に移動している場合であっても、その角度範囲にまだ含まれている。さらなる地点として、放射線用のレシーバはエミッタによって放射され逆反射体によって反射される放射線を受ける第一物体で測定され、最終的にそれを放射線強度センサに供給し、放射源から偏向したさらに別の放射線と重畳させる。
【0016】
少なくとも3つの逆反射体を含む角度範囲に放射線を放射する少なくとも1つのエミッタによりビーム指向手段が完全に不要になる。ビーム指向手段とは、従来技術において計測ビームを唯一の逆反射体に供給するもので、この逆反射体に常に従うにはそのように制御を行う必要がある。
【0017】
それにもかかわらず、第一及び第二の物体の地点の少なくとも3つの距離を干渉的に測定することができる。その場合、さらに別の情報を用いて、それらの物体の相対的な位置を明確に導き出すことができる。
【0018】
特に、エミッタおよびレシーバの地点を一致させることでこれら2つの構成要素を組み合わせて共通のアセンブリを形成することができる。一方、これらの構成要素を第一物体上に、相対的に固定された周知の距離をもって装着された別個のアセンブリとして設計することもまた好ましいといえよう。
【0019】
2つの物体の相対的な位置とはまた別に相対的な方位も測定される場合、固定した周知の距離関係を有する少なくとも3つの地点が第一物体に設けられるので、2つの物体間で、少なくとも6つの距離、好ましくは少なくとも9つの距離を測定することが可能である。
【0020】
このために、特に、少なくとも3つのエミッタを第一物体または少なくとも3つのレシーバに、互いに一定の距離をおいて配置すればよい。またこの場合、エミッタとレシーバをそれぞれ1つずつ組み合わせて一つのアセンブリを形成するか、1つのエミッタと少なくとも3つのレシーバかまたは1つのレシーバと少なくとも3つのエミッタを一緒に第一の物体に設けてもよい。
【0021】
位置または方位を測定する際の明瞭性を考慮した場合に必要となるであろうさらなる情報は、それぞれ位置または方位によって付与され得るもので、いずれの目的も先の計測工程で想定済みである。
【0022】
しかしながら、計測ブランチにおいて少なくとも1本のビームを選択的に遮断するために手段を講じることが好ましい。それにより、このビームに相当する干渉信号がそれ以降に生じなくなる。その結果、もはや生じないこの干渉信号を、2つの物体に設けた2つの地点間の距離に明確に指定することが可能になる。
【0023】
これが切り替えスイッチによって実施されるのが好ましい。すなわち複数のエミッタを第一物体に設けると、それらのエミッタの選択可能なサブセットに放射線が供給される。第一物体に複数のレシーバが設けられているのであれば、レシーバの選択可能なサブセットから受光した放射線をその後の干渉重畳に供給するように切り替えスイッチを設けるのが好ましい。また、放射源とエミッタのサブセット間に放射線遮断器を設けるのが好ましい。こうすることによっても、1つまたは複数のエミッタに供給される放射線を遮断する効果が得られる。さらに、複数のレシーバを設ける際に相当するレシーバと放射線の重畳を干渉する地点との間に放射線遮断器を設けるのも好ましい。
【0024】
あるいは、少なくとも1つの逆反射体を、入射する放射線を反射して戻す第一条件と、入射する放射線を反射しない第二条件との間で切り替えるように逆反射体の少なくとも1つのサブセットを設計することもまた好ましい。
【0025】
さらに、2つの物体の間を行き来するビームの少なくとも1つのサブセットを、たとえば機械的チョッパによって、代わりに遮断することもできる。
【0026】
双方の物体に設けた地点間距離を確実に計測するという観点から、距離に左右される計測ブランチで生じる光路を、基準としてシステムにより別個に設けた光学基準長と比較することも好ましい。この光学基準路長が調整可能であるのが好ましい。
【0027】
その後、そのシステムが、可干渉性トモグラフィーまたは白色光干渉計測の原理に従って作用するのが好ましい。
【0028】
好ましくは、そのシステムがその目的のために、基準ブランチに放射源から放射される放射線を分割するビームスプリッタを備え、基準ビームがそれに応じて供給され、同様に、前記の計測ブランチには計測ビームが供給されて、これが2つの物体間の光路を行き来する。その後、可変光路長を提供するデバイスが基準ブランチに設けられる。
【0029】
あるいは、放射源とエミッタの間に可変光路長を提供するためのデバイスを設けることも好ましく、そのエミッタは放射源から放射される放射線の2本の部分ビーム、すなわちデバイスを通過し可変光路長を提供する第一の部分ビームと、このデバイスをまだ通過していない第二の部分ビームを供給する。したがって、エミッタは空間距離での放射線の伝播方向に配置されたセクション間で固定された可干渉関係または位相関係をそれぞれ備えた波列を発する。その後、光路長差異をその可変光路長に対応する計測ブランチに設けたときに、放射線強度センサが最大強度を記録する。
【0030】
別の局面では、本発明は、2つの物体の相対的な位置および方位を測定する方法を提供する。この方法ではまず、第一物体の側の少なくとも3つの異なる地点および、第二物体の側の少なくとも3つの異なる地点を測定する。
【0031】
これら少なくとも9つの距離を測定する方法は、干渉的な測定方法に限定されずどのようなプロセスであってもよい。距離を測定するこの方法が、たとえば、走行時間計測等を含んでいてもよい。しかしながら、たとえば、生じる強度最大値と最小値の数を測定することによる干渉方法を用いるのが好ましい。それらの距離が、たとえば白色光干渉方法等、基準距離との比較によって検出されるのでもよい。
【0032】
この方法は、2つの物体の相対的な位置および方位が非反復計算法によって実施されるという局面においてそれ自体特徴的である。この非反復計算法は、計算の実行に要する時間が反復の収束基準に左右されず、したがって実質的にいつも同じで同種の反復法と比べて通常その結果が敏速に得られるという利点がある。従来の方法では、2つの物体間の少なくとも6つの距離に基づいて位置と方位を反復的に計算する。それとは対照的に、本発明では、計算は少なくとも9つの検出距離に基づくが、非反復的に実施される。
【0033】
このためには、データ構造を最初に計算するのが好ましい。これは、第一物体に固定された地点の所定の距離、および第二物体に固定された地点の所定の距離から導き出されるに過ぎない。この最初に生成されるデータ構造はしたがってそれぞれ、2つの物体の相対的な位置や方位とは無関係である。このデータ構造の生成はかなり困難で、より多くの計算時間が必要となる可能性がある。なぜなら、位置と方位を変化させる一連の多重計測および計算の開始時に、一度だけ実施する必要があるからである。敏速な遷移の間に幾度も変化した位置および方位を後から測定する場合は、その都度必要な計算操作はかなり少なくなる。というのも、最初に、検出された距離からそれが依拠する別のデータ構造が測定される。2つの物体の位置および方位はその後、位置/方位に依らないデータ構造および位置/方位に依るデータ構造を用いた計算によって測定される。このような方法の計算工程はすべて、非反復的に実行される。
【0034】
別の局面に基づき、本発明では、放射源からの光を物体側の光誘導装置の第一端部に誘導する光誘導装置を含むビーム誘導装置を設ける。その装置では、まずある物体を無作為に反復運動させ、この運動を光誘導装置の第一端部によって再度受け取りこの光誘導装置によって検出器に光を供給することでその物体から戻る光の特性における変化を検出する。そのビーム誘導装置は、したがって、放射源からの光が目標としてサンプルボリュームまたはサンプル媒体に供給された後にサンプルボリュームまたはテスト媒体による影響を受けたその光を検出器に供給するセンサに特に適用可能である。テストボリュームまたはテスト媒体は、たとえば圧力、温度、または化学組成といった無作為の物性を検出する目的で用いることができる。そのセンサはまた、反射性物体が光誘導装置の物体端部から所定の距離だけ離れている計測媒体として配置され、それによりその物体端部とその物体との間の光路長が測定される。
【0035】
本発明のビーム誘導装置の利点は、光誘導装置が静止状態に保たれずに、曲げ、圧力の衝撃またはその他の環境的な影響といった移動を受けている時に特に顕著である。
【0036】
実質的に非偏光の光が光誘導装置の物体側端部に供給される従来のビーム誘導装置では、その光誘導装置は非偏光維持光導体である。移動または環境の影響があった場合、その光導体の複屈折性が変化しその結果偏光化のさまざまな条件の間で、光導体を通って行き来する光の間で位相差が生じ、それが破壊性の干渉を引き起こし、その結果移動および環境の影響が原因で信号が崩壊する。発明者らは、偏光を維持している光導体を介して物体側の端部に光を供給することによって、この問題の大部分が解決可能であることを見出していた。そのような偏光維持光導体はその複屈折性を考慮してバイアスされているので、二重回折性が移動およびその他の環境の影響によって変化することがほとんど無いままに残っている。偏光維持光導体に入射する非偏光光はそこで2種類の偏光状態に分割され、偏光維持光導体の物体側端部に向かう路を伝わる。その結果、光導体では2種類の偏光状態に対してかなり異なる可変光路長を提供することができる。
【0037】
光の物体側端部での射出と物体側端部への再度の入射の間に、1/2波長板効果を持つ位相差板装置を設けることにより光の向きが変えられ、その結果、その光は光導体のいずれか一方の偏光チャンネルを途中で通過し、戻るときには他方の偏光チャンネルを通過する。したがって、光の偏光がどちらの状態であっても、その光は途中で偏光チャンネルを伝わりまた正確に戻るので、それぞれ実質的に同一の光路長を伝わることになる。偏光維持光導体の位置およびそれに及ぶ環境の影響を変化させることによって、従来の光導体に生じる前記破壊的干渉が大幅に回避される。
【0038】
好ましくは、1/4波長板をその偏光維持光導体の物体側端部正面に設ける。その板は一旦物体側で光の射出とその物体の間を通過させたもので、その光によって、物体から入射に向かって光路を逆戻りして物体側端部に至り、その結果全体的な効果は1/2波長板と同じになる。このビーム誘導装置は、エミッタとレシーバが1つのアセンブリに組み合わされ後者が放射源に対し移動可能なときに2つの物体の相対的な位置および/または方位を測定するシステムで用いるのが好ましい。ここで、逆反射体の1つを共に備えたエミッタ−レシーバアセンブリは、距離センサとして作用する。
【0039】
しかしながら、ビーム誘導装置は汎用タイプの干渉計装置で用いられるのが好ましい。その場合、干渉計ブランチは互いに相対的に移動可能な構成要素を備える。この場合、その干渉計装置が白色光干渉計装置または光学トモグラフィー装置のいずれかであると一層好ましい。
【0040】
別の局面では、本発明は相当敏速におよび/または相当広い範囲で光路長を変えることのできるデバイスを提供する。したがって、別の局面から見れば、本発明は可変光学遅延を提供する。
【0041】
第一の部分的な局面に基づき、本発明をベルトスキャナから説明する。これは互いに離して設けた2つのローラ間で、実質的に直線状にその2つのローラで共通の接線に沿って延伸しそこで動作範囲を形成するよう引っ張られたエンドレスベルトを含む。ベルト上には、少なくとももう一つの反射鏡装置が固定的に装着されていて、これはドライブによって動力を付与されるローラを軸として回転し、その結果、ベルトは動作範囲を直線状に動く。その上、光ビームの向きが動作範囲のベルト延伸方向に平行になるようビーム誘導デバイスが設けられているので、動作範囲に配置されたときに光ビームが反射鏡装置の表面に衝突する。ここでは、反射鏡装置によって反射されて戻る光ビームがビーム誘導装置に再度入射するように、反射鏡装置とビーム誘導デバイスが相対的に配置されている。
【0042】
ここで、本発明は、第二反射鏡装置がビーム誘導デバイスに対し固定的に配置されるよう設けられ、第一及び第二反射鏡装置がそれぞれ、ビーム誘導装置から射出するビームと入射するビームが少なくとも一度は反射されて第一及び第二の反射鏡装置の間を行き来するよう設計されているという点で区別される。
【0043】
ここで、そのデバイスによって提供される光路長の動作範囲の所定の長さは、かなり広範囲で可変であり、具体的には、動作範囲の長さの2倍以上に相当する。
【0044】
ここで好ましくは、ベルト上に装着されている反射鏡装置が、ベルトに対し直角に配置され動作範囲中でずれている少なくとも2つの反射体を含み、そのビーム誘導デバイスに設置されている反射鏡装置が、動作範囲内でベルトの延伸方向に対しやはり直角にずれた少なくとも1つの反射体を含む。
【0045】
得られる中で最大強度のビームを再度ビーム誘導装置に結合できるようにするために、反射体をビーム誘導デバイスから射出され同デバイスに入射するまでの光ビームの光路長の約半分のところに配置し、逆反射体として形成する。この逆反射体が3対の平板鏡によって形成され、各対が互いに垂直になるよう配置されているのが好ましい。
【0046】
逆反射体として設計されているのではない第一及び第二の反射鏡装置の反射体は、互いに垂直な2枚の平板鏡として設計されるのが好ましい。
【0047】
デバイスは、反射鏡装置が光ビームをビーム誘導デバイスで反射して戻る動作範囲内で利用できる時間がなるべく長くなるように設計されるのが好ましい。その時間をデバイスの装荷率とみなすことも可能である。これはつまり、反射鏡装置が動作範囲内に存在しない時間をできるだけ短縮するということである。一方で、同時に2つの反射鏡装置が動作範囲内にあってはならない。なぜなら、動作範囲の長さが決まっている場合に、その一部エリアのみが可変光路長を提供するのに利用可能だからである。それを考慮すると、ベルト周辺に隣接して配置された2つの反射鏡装置間の距離を調整して、この距離が2つのローラのそれぞれの軸間の距離eに相当するようにすれば好都合であろう。
【0048】
しかしながら、反射鏡装置は動作範囲に入る前にローラの片方の周辺の円形路を動く。これは動作範囲へ移る際に反射鏡装置で作用する加速の変化と関連があり、結果的にベルト表面での反射鏡装置の振動の原因となり得る。
【0049】
これを考慮すると、隣接する反射鏡装置間の距離が2つのローラの軸方向の距離eよりも小さくなるよう選択するのも好都合といえよう。0.9eが、その選択距離の最小値として好都合であることが既に判明している。
【0050】
一方で、後続の反射鏡装置間の距離が2つのローラ同士の間の距離eよりも大きくなるように選択しても好都合であろう。そうすることにより、先の反射鏡装置が動作範囲から出た後で後続の反射鏡装置がまだ動作範囲に入っていない時間ができる。この時間を、エレクトロニクスまたはデバイスを出る放射線のビーム誘導のスイッチングに利用することができ、そうすることで、回転期間経過後に後続の反射鏡装置が動作範囲に入り動作範囲を通る路全体を、光路長の変化として用いることができる。2つの反射鏡装置同士の距離の上限として、1.2・e、および好ましくは1.1・eという値が好都合であることが判明している。
【0051】
2つのローラ同士の距離eの値がe=a・Dとなるとき、ベルト長さおよびベルト上に配置される4つの反射鏡装置におけるローラの直径の好ましい関係が得られる。ここで、Dは2つのローラの直径であり1.3〜1.4の範囲の数値である。
【0052】
ベルトの回転速度を上昇させそれによって、高い計測精度という観点より反射鏡装置の正確な誘導で光路長を敏速に変化させるために、ベルトが金属バンドとして設計されるのが好ましい。
【0053】
別の部分的な局面に基づき、本発明は可変光路長を提供するデバイスを提供するもので、その第一反射鏡は軸周囲を螺旋状に延びる反射鏡表面を備える。螺旋状の反射鏡表面内で放射状に、その螺旋状の反射鏡に対し回転可能なビーム誘導デバイスが設けられ、そのビーム誘導デバイスは調整可能な円周角下で光ビームを螺旋状反射鏡に向ける。その螺旋状反射鏡は自身に向かってくる放射線を反射して第二反射鏡に戻す。第二反射鏡はビーム誘導装置と同様に螺旋状反射鏡に対し回転可能に配置されている。この第二反射鏡から、光ビームが螺旋状反射鏡に向かって戻され、そこで再度この光ビームを反射する。すなわち、光ビームが再びビーム誘導デバイスに入射しこのデバイスを通り抜ける。
【0054】
ビーム誘導デバイスおよび第二反射鏡の回転位置を、螺旋状反射鏡に対し回転するよう固定された状態で変化させることにより、ビームがビーム誘導デバイスを射出して再度入射するまでの間の光路長が可変になる。
【0055】
好ましくは、その螺旋反射鏡がビーム誘導デバイスに光を供給する光源と一緒にハウジング内に固定的に配置され、そのビーム誘導デバイスが第二反射鏡と一緒にハウジングに対し回転可能に支持されている。それにより、回転目的で比較的わずかな量を駆動させるだけで、光路長で比較的大きい変化が得られる。回転量は、相応に均衡が取れていれば比較的短時間で駆動可能であり、そうすることで、その光路長を早急に変化させることができる。
【0056】
好ましくは、螺旋状反射鏡が対数の螺旋形状であり、第二反射鏡が実質的に平板状の反射鏡表面を備え、それによって、その螺旋状反射鏡で反射されビーム誘導デバイスに戻る光ビームを正確に配列させることが可能で、その結果そのビームが後者に効率よく結合される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0057】
本発明の実施態様は実質的に図面を参照して記載されている。
【0058】
(好ましい実施態様)
図1に、加工品台3上に装着された加工品5を加工するマシンツール1を示す。マシンツール1はベース7を備え、その上に加工アーム9が、垂直軸zの周囲を参照符号8で示した方向に回転可能な状態で設けられている。アームは複数の部分アーム10、11、12およびそれらの部分アームを連結するジョイント13、14、15を有する。アーム9とは反対側の端部に、加工ツール16が装着されており、概略的に示されているツールチップ17で加工品5の加工を行う。加工品5を正確に加工するという観点より、加工品5または加工品台3のそれぞれに対するツール16の位置を測定する計測システム22が設けられている。位置計測システム22は、マシンツール1のツール16に固定された放射線エミッタ18、および、3つの逆反射体19を含む。逆反射体19は、共通の直線上に存在しない、換言すれば、一平面内に拡張していたり規定されていない互いに固定された空間関係で逆反射体19用の保持板20上に装着されている。逆反射体19用の保持板20は、保持棒21を介して加工品台3と固定的に接続されている。
【0059】
放射線エミッタ18は、全逆反射体19が板20で放射線にあたるよう大きい角度で選択された頂角Γを有する三次元の空間の角度範囲にその放射線を放射する。また、ツール16がマシンツールの加工ボリュームで移動するよう、ツールアーム9が移動を行う。ここでエミッタ18は逆反射体19に対し移動されている。エミッタ18から放射され逆反射体19の一つに衝突する放射線は、光ビーム23としてこの逆反射体19で逆反射されてエミッタ18に戻る。エミッタ18は、放射線レシーバと組み合わさってアセンブリを形成し、その放射線レシーバは逆反射体19で反射されて戻る光ビーム23を受光してそれをさらに光学システム41に送り、コンピュータ67で評価する。評価の目的は、エミッタ−レシーバアセンブリ18と逆反射体19との間の距離の測定である。これらの距離はそれぞれ、光ビームがエミッタ18と逆反射体19との間の距離を通過し再度エミッタ−レシーバアセンブリ18に戻る際にビーム23がカバーする光路長の半分に相当する。3つの逆反射体19の相対的な位置がわかっていさえすれば、これら3つの距離から、エミッタ−レシーバアセンブリ18、ひいてはツール16、ひいてはツールチップ17の位置が、座標x、y、zでの加工品5に関して測定可能である。
【0060】
加工品5に対するツール16の位置の計測は、相応の計測プロセスで高い精度をもって実施可能であるが、それとは反対に、ツールアーム9のジョイント13、14、15におけるドライブと位置センサの精度の要件がそれほど厳密ではないようにすることも可能であり、あるいは、加工品5を特に高い精度で製造することも可能である。なぜなら、加工品5に対するツールチップ17の正確な位置は、計測システム22に相当する精度で常にわかっているからである。
【0061】
図5に逆反射体19の一つの構造を詳細に示す。逆反射体19はガラス製の2つの半球25、26を含み、それらは互いに球中心がポイント30で一致するように配置されている。2つの半球25、26は直径が異なる、すなわち半球25は小さい直径D1を有し半球26は大きい直径を有する。
【0062】
さらに、図5において、ビーム27が概略的に表現されている。ビーム27は平行ビームとして小半球25に向かっている。ここで、直径D1およびD2は、半球25の曲率によってビームを集中させ、それによって焦点が半球26の球面上に存在するよう調節される。この球面で、そのビームはそれ自体が逆反射され、その結果、正面の半球を通って逆反射体19を離れるので入射するビーム27と実質的に一致する。
【0063】
中心30周囲での回転はあっても半球25、26の屈折面および反射面の幾何学的な配置はいずれも変化しないので、入射ビーム27は逆反射体19に対する自身の方位とは無関係に実質的にそれ自体が反射されて戻る。
【0064】
2つの半球25、26の間に液晶層を配置する。液晶層はコンピュータ67によってコネクタ29を介して第一、第二の状態間での切り替えが可能である。第一の状態では、その層28が放射線27に対し透明であるため、逆反射体19もそれに応じて機能を満たす。第二の切り替え状態では、層28は放射線に対し実質的に透明ではないため、逆反射体はそれに応じた機能を示さない。したがって、逆反射体19はコネクタ29を介して切り替え可能である。
【0065】
図2は、エミッタ−レシーバアセンブリ18および3つの逆反射体の配置を再度空間的に詳細に示すもので、3つの逆反射体は19、19‘、19“として表されている。位置測定システム22はアセンブリ18のエミッタ出口表面と、逆反射体19、19‘、19“のそれぞれの中心30との間の距離を干渉計を用いて検出する。
【0066】
座標x、y、zでの3つの逆反射体に対するエミッタ−レシーバアセンブリ18の位置は、検出された3つの距離から導き出される。
【0067】
図3に、2つの物体の相対的な位置を測定するための、図2のシステムに類似のシステムを示す。しかしながら、そればかりではなくて、2つの物体の方位も検出可能である。図3に示されているシステムは図2に示されるシステムに相当するが、ツール16の側にエミッタ−レシーバアセンブリ18ではなく同様のアセンブリ18、18‘、18“が装着板31上に設けられている点において異なる。この装着板31はツール16表面に固定的に装着されている。3つのエミッタ−レシーバアセンブリ18、18‘、18“は共通の直線状に存在しないように互いに固定した距離をもって配置されている。したがって、3つのエミッタ−レシーバアセンブリ18によって、一平面をツール16の側で拡張するかまたは規定する。その場合、その方位は加工品台3の側に配置されているそれら3つの逆反射体によって拡張される平面に対して測定可能である。すなわち、逆反射体19に対する板31の位置を表す座標x、y、zとは別に、角度α、β、γを測定でき、それに関して、板31を逆反射体19の平面に対して傾斜させる。
【0068】
また、図3のシステムにおいて、エミッタ18、18‘、18“はそれぞれ角度範囲に放射線を放射する。その角度範囲は、3つの反射体19に対して板31を移動させた後でも逆反射体19が角度範囲に配置され続けるように非常に大きくなっている。
【0069】
相対的な位置および方位を特徴づけるパラメータx、y、z、α、β、γを測定するには、原則として、それらの地点間の少なくとも3つの距離を計測することが必要である。それはツール16で、また加工品台3で測定される。たとえばそれは、エミッタ18が3つの反射体19、19‘、19“から得る3つの距離であり、また残り2つの距離はエミッタ18‘が2つの反射体19と19‘から得たり、またエミッタ18‘が反射体19から得る距離である。6個所について計測された距離より、上記6つのパラメータx、y、z、α、β、γが測定される。このための明白かつ絶対的な解法はないので、所望のパラメータの測定は従来、ガウス−ザイデル法等に従い反復して行われる。そのような反復的な評価は、かなりの計算時間を要する。
【0070】
今回、パラメータx、y、z、α、β、γを非反復的な方法で計算しようという試みにおいて、しかしながら、その計算は9つの距離に基づいて実施される。それらの距離はツール16側の所定の少なくとも3地点と、ツール台3側の3つの地点との間で計測される。これはつまり、ツール16側の各エミッタ18、18‘、18“とツール台3側の各逆反射体19、19‘、19“との間でそれぞれとり得る距離が、まずシステムによって測定されることを意味する。
【0071】
以下に、評価のプロセスを示す。ここで、以下の省略形が導入される。
【0072】
【数1】
【0073】
(数1)は、板31上で測定された座標システムにおけるエミッタ−レシーバアセンブリ18、18‘、18“のそれぞれの座標、換言すれば、ツール側の座標システムを示す。
【0074】
これに対応して(数2)は、加工品台3の座標システムにおける、3つの逆反射体19、19‘、19“それぞれの中心の座標を記述したものである。
【0075】
【数2】
【0076】
アセンブリ18、18‘、18“と3つの逆反射体19、19‘、19“との間で計測された9つの距離は、以下のように表される。
【0077】
【数3】
【0078】
反射体19、19‘、19“同様、エミッタ18、18‘、18“もそれぞれエミッタ自体の共通の平面に配置されているので、以下の数式を選択することが可能である。
【0079】
【数4】
【0080】
反射体19の座標システムの起点をBOで示し、3つのエミッタ18の起点をPOで示す。その結果、加工品台3に対するツール16の位置を変換ベクトルによって表すことができる。
【0081】
【数5】
【0082】
【数6】
【0083】
ここで、(数6)は加工品台3の座標システムかまたはツール16の座標システムに関するベクトルを示す。
【0084】
さらに、回転マトリクスによって2つの座標システムの相対的な方位を表すことが可能であり、それは以下のように表現される。
【0085】
【数7】
【0086】
計測された距離d1…d9からベクトル→TおよびマトリクスROTを測定するために、まず、以下の等式システムを解明しなければならない。
【0087】
【数8】
【0088】
計算の途中で転置されるマトリクスAは、d1…d9の距離とは無関係で、自身の座標システムにおけるエミッタ18の座標および同様に自身の座標システムの反射体19の座標に依存する構成要素のみを含むことが、ここで立証される。マトリクスAとして考えられる選択を以下に挙げる。
【0089】
【数9】
【0090】
実行すべき計算の範囲内ではマトリクスAのみが転置され、それに含まれるのが計測された距離とは無関係な振幅のみであることから、このマトリクスは実際の距離計測前に立証・転置が可能である。
【0091】
計測された距離はベクトルLに入るに過ぎない。これは、実際の距離計測では転置済みのマトリクスで乗法のみを行うもので、この乗法は、比較的敏速に実行され得る。上記のマトリクスAの変換において、ベクトルLに関して以下のステートメントを選ぶことができる。
【0092】
【数10】
【0093】
ベクトルLはベクトルL1およびベクトルL2で順に因数分解できる。ベクトルL1も計測された距離とは無関係である。ベクトルL2は計測された距離の二乗を構成要素として含む。ベクトルL1は、実際の計測に先立って順に計算してもよい。その後、距離計測の評価のために、L2をL1から減算してベクトルLを得るだけでよい。
【0094】
マトリクスAの右側からのベクトルLの乗法の結果qは、前述のステートメントになる。
【0095】
【数11】
【0096】
したがって、加工品台3を考慮した場合のツール16の変換は、以下の数式の結果となる。
【0097】
【数12】
【0098】
回転マトリクスのエレメントr31およびr32は以下のように測定される。
【0099】
【数13】
【0100】
それから、その回転は以下のように表現可能である。
【0101】
【数14】
【0102】
上記より、x−、y−、およびz−軸周囲の水平旋回(horizontal swing)の角度α、β及びγは以下のように測定することができる。
【0103】
【数15】
【0104】
この評価方法を、図16を参照しながらもう一度説明する。
【0105】
まず、エミッタ18または反射体19の座標→F1…3、→R1…3をそれぞれ、工程35それ自体の座標システム中で検出する。工程36では、上記マトリクスAが創成処理されまた共役型マトリクスA*が生成される。
【0106】
工程35および36は一連の連続的な計測の前に行われるため、それに対応する強力なコンピュータの作業を、一連の計測および個々の計測の評価の間に行う必要は無い。
【0107】
計測は、工程37の、9つの距離d1…d9の検出から開始される。
【0108】
次に、工程38でベクトルLを生成し、A*およびLの積からベクトル→q=A*→Lが測定される。ベクトルqより、回転マトリクスの残りのエレメントが工程39で測定され、工程40では変換x、y、zおよび回転角度α、β、γが測定される。これはつまり、その後、加工品台3に対するツール16の方位のみならず位置が既に測定されていることを意味する。
【0109】
工程40の終了後、工程37で更新された距離計測が続行される。
【0110】
図4に、距離d1…d9を測定するための干渉計システム41を概略的に示す。このシステムは、スーパールミネセントダイオード等の白色光源43によって形成してもよい。しかしながら、放射線の強度を高くするという観点より、ファイバ光源の使用が好ましい。これは、光学的に励起された光伝導性ファイバによって得られるもので、そのファイバは、内部での自然発生的な放射が一層起こるようにドープ処理される。そのようなファイバ光源は、WLS−02という商品として、AMSテクノロジーズ・オプトテック・ディビジョン(AMS Technologies-Optotec Division, 82152 Martinsried/Munich)から購入可能である。しかしながら、光源43として、チタンサファイヤレーザ等のフェムト第二レーザ(Femto second laser)といった短パルスレーザを使用することもできる。放射源43から放射される光は光伝導ファイバ45または光学ファイバ45を介してファイバカプラ47に供給される。光カプラ47はその光を計測ブランチ49と基準ブランチ51に供給する。計測ブランチ49にはその光がファイバカプラ47からファイバ導体53を介して供給され、コンピュータ67は、エミッタ−レシーバアセンブリ18、18‘、18“のいずれか一つにその光を選択的に供給するスイッチを、制御可能な光学切り替えスイッチ55へ提供する。エミッタ18、18‘、18“はそれぞれ角度範囲内に光を放射し、その結果、放射光が3つの反射体19、19’、19“に衝突してそこで反射され、エミッタ−レシーバアセンブリに戻る。後者により受光された光は光導体53を介して順番にファイバカプラに送られる。
【0111】
基準ブランチ51では、光がファイバカプラ47から光導体57を通って可変光路長gを提供するためのデバイス60に供給される。そのデバイスは、ファイバ47の端部正面に配置された視準オプティックス59を含み、その視準オプティックス59は供給された光を、オプティックスから見ての可変距離gのところに配置された反射鏡61表面に向ける。反射鏡61で反射されて戻った光は、そのオプティックス59によって光誘導ファイバ47に結合され、再度ファイバカプラ47に供給される。
【0112】
ファイバカプラは計測ブランチ49または基準ブランチ59からファイバ53および57を介して供給される光をそれぞれ重畳し、光伝導ファイバ63を介して放射線センサ65に供給する。
【0113】
計測ブランチ49の光路長が基準ブランチ51の光路長と合致する場合は、放射線センサ65は増加した放射強度を記録する。計測ブランチ49の光路長は、ファイバカプラ47と反射体19、19‘、19“の一つとの間の光路長によって与えられる。基準ブランチ51における光路長は、ファイバカプラ57と反射鏡61との間の光路長によって与えられる。
【0114】
計測ブランチ49では、エミッタ−レシーバアセンブリ18、18‘、18“と3つの反射体19、19‘、19“の間の9つの距離に対応して、一般に9つの異なる光路長が提供される。得られる範囲に重なるよう長さgを連続的に変えることで、強度増加がセンサ65によって9回検出可能である。計算機67は、その後、相当する強度の増加が起こる長さgから、エミッタ−レシーバアセンブリと逆反射体からなる対間の距離を検出することができる。ここで、最初はどのエミッタ−レシーバアセンブリと逆反射体の対間でこの距離が分かるのか完全に明らかではない。しかしながら、アセンブリ18および反射体19のあらかじめ決まっている位置および方位など、追加のデータを追加の情報として利用することが可能である。しかしながらまた、切り替えスイッチ55を起動させるおよび/または逆反射体のLCDシャッタ28を起動させることによりこれらの逆反射体の一つだけを起動させることでエミッタ−レシーバアセンブリの一つだけに放射線を供給することも可能である。そうすることで、センサ65によって記録された強度増加を、一対のエミッタ−レシーバアセンブリと反射体に正確に指定することができる。切り替えスイッチ55はLCDシャッタ28同様、コンピュータ67によって制御される。コンピュータ67はまた、基準ブランチ51の長さgを変化させるドライブを制御するので、距離d1…d9を検出する上ですべての情報はコンピュータ67にアクセス可能である。後者より、図16に関連する上記の方法にしたがって、その後コンピュータがエミッタ−レシーバアセンブリ18と反射体19の相対的な位置および方位を測定する。
【0115】
引き続き、図4関連で説明した干渉計システムの代わりとなるものを提示する。ここで、対応する機能を有する構成要素には図1〜図4と同じ番号が付いているが、それらは追加の文字で区別される。説明のために、記載は前記と完全に一致させている。
【0116】
図6に示されている干渉計システム41は、白色光源43aを含み、その放射線は光導体45aよりファイバカプラ47aに供給され、ファイバカプラ47aは放射線を光導体57aを介して基準ブランチ51aに供給する。基準ブランチ51aには、可変光路長を提供するためデバイス60aが配置されている。
【0117】
デバイス60aは、視準オプティックス59aを含む。これは半透明の板71を通ってファイバ57aの端部を射出する放射線を反射鏡61aに向けるもので、これを通って放射線が反射されてファイバ57aに戻り、また反射鏡61aはコンピュータ67aによって制御されるドライブ73により変更可能である。しかしながら、ファイバ57a端部から放射される放射線は半透明反射鏡71aによって2本の部分ビームに分割される。その中の第一ビームは、半透明反射鏡71aによって直接反射されファイバ57aに戻る。第二部分ビームは、第一部分ビームとは異なって半透明反射鏡71aを貫通し、gの二倍の追加路長を通過する。その後、第二部分ビームは反射鏡61aで反射されてからてファイバ57aに結合する。したがって、ファイバ57aを通ってファイバカプラ47aに戻る放射線は可干渉性構造を備えており、互いに2・gの距離をもって配置されている波列は互いに可干渉性である。
【0118】
ファイバカプラ47aは基準ブランチ51aから光導体74を通って計測ブランチ49a、さらにはファイバカプラ75に戻る放射線を誘導する。ファイバカプラ75後に計測ブランチ49aに切り替えスイッチ55aを設けることにより、光導体77によって、放射線をエミッタ−レシーバアセンブリ18、18‘、18“に提供する。それらエミッタ−レシーバアセンブリは、図6には示されていないが逆反射体に向けて放射線を放射する。逆反射体で反射されて戻る放射線は順番にエミッタ−レシーバアセンブリ18aに結合されファイバカプラ75と光伝導性ファイバ79を介して放射線センサ65aに供給される。放射線センサ65aの計測信号がライン81を介してコンピュータ67aに提供される。
【0119】
したがって、計測ブランチ49aにおいて、逆反射体で反射されて戻った放射線はファイバカプラ75まで伝わり検出器65aに衝突する。逆反射体で反射され戻る放射線に加え、放射線の別の部分が存在するようになる。これは検出器65aの方向に伝わり、その放射線の部分はそれぞれファイバ77、77‘または77“の端部78、78‘、78“での反射により計測ブランチ49aの中に生成される。したがって、ファイバ端部78での反射によって生成される部分ビームと逆反射体での反射によって生成される別の部分ビームとの間で、固定した可干渉性の関係が存在するようになる。その経過は、デバイス60a関連で説明した2本の部分ビームの場合に類似している。今回、ファイバ端部78と逆反射体との間の光路長が光路長2・gと等しいとすれば、デバイス60aに関して述べたように、放射線センサ65aが強度の最大値を記録する。後者を通して、相当するファイバ端部78またはエミッタ−レシーバアセンブリ18a間の距離がそれぞれ直接測定可能である。
【0120】
図6はまた、エミッタ−レシーバアセンブリ18a、18a‘、18a“のいずれか一つに選択的に放射線を供給するために計算機67aによって制御される切り替えスイッチ55aを示す。しかしながら、代替案として、エミッタ−レシーバアセンブリと逆反射体の間のビーム路にチョッパホイール81を設けることも可能である。チョッパホイールはコンピュータ67aにより制御されているモータ83によって軸85の周囲を回転可能に配置されているので、チョッパホイール81のウィング86がエミッタ−レシーバアセンブリ18aまたはエミッタ−レシーバアセンブリ18a’によって放射される放射線を選択的に遮ることができる。
【0121】
図7に示される干渉計システム41bは、図2のエミッタ−レシーバアセンブリ18と一緒に配置されており、3つの逆反射体が2つの物体の相対的な位置を測定するために揃えられている。図7では、1つの逆反射体のみが示されている。しかしながら、3つのエミッタ−レシーバアセンブリを備え2つの物体の相互の方位を測定するためにこれを揃えるような方法で、干渉計システム41を一部変更することも当然可能である。これは図3に示されている。
【0122】
干渉計システム41bは白色光源43bを備える。同システム41bは、システムにより逆反射され放射源に戻る放射線から放射源43bを保護するために、光学アイソレータ84を介して残りのシステムに放射線を供給する。
【0123】
ガラスファイバ45bおよび視準オプティックス59bを介して、放射源43bから放射された放射線が可変光路長を提供するデバイス60bに供給される。このデバイス60bは、図6のデバイスとは異なり、反射ではなく透過の作用がある。このために、デバイス60bは2枚の半透明反射鏡71bおよび72を含み、その反射鏡間の距離gはモータによって変更できる。反射鏡71bおよび72を通って放射線が2本の部分ビームに分割される。すなわち、一方の部分ビームは2枚の反射鏡71bと72を直接的に貫通し、別の光学システム87によって光導体74bに結合される。この光学システム87は、放射線を計測ブランチ51bまで誘導する。第二の部分ビームは第一反射鏡71bを貫通し反射鏡72で反射されて反射鏡71bに戻り、再度そこで反射されてから反射鏡72を通り抜けて光学システム87を介してファイバ74bに結合される。第一の部分ビームとは異なり、この第二の部分ビームは光路長2・gに相当する遅延を有する。
【0124】
図7に示す干渉計システム41bのさらなる構造は、図6に示す干渉計システムと概ね類似している。すなわち、2本の部分ビームがファイバカプラ57bおよび光伝導ファイバ77bを介してエミッタ−レシーバアセンブリ18bに供給され、そこから反射体19bに放射される。反射体19bから反射されて戻る放射線は、ファイバ77bに再度結合され、光導体79bを介して放射線センサ65bに供給される。
【0125】
エミッタ−レシーバアセンブリ18bはさらに、ファイバ77bの端部に結合されたGRINレンズを備えているので、必要な角度範囲に放射線を放射することができる。レンズ89の出口表面90は、センサ65bまで直接誘導されて戻る逆反射を生成するよう部分的に鏡面処理されている。センサ65bはその後、デバイス60bの反射鏡71bと72間の長さgが反射体19b間の距離dと実質的に一致するときに、増加した強度信号を検出する。
【0126】
図9に、計測信号Iの過程153を示す。それは反射鏡71bと72間の相対的な距離gに基づいて放射線センサ65bによって得られるもので、ここでは反射体半球19bとエミッタ−レシーバアセンブリ18bとの間の距離dが一定であると推定される。距離dとgが同一である(g−d=0)場合、最大干渉信号Iとなる。g−d=0の最大値の両側で、計測信号は揺動的に減少する。
【0127】
距離dを正確に計測するために、ここで、干渉信号が最大値のところで距離gを検出する必要がある。一例として、図9に計測信号153を覆う破線で記入されているエンベロープ151を評価しエンベロープ151の最大値を検出することが可能である。この方法は、十分な精度をもって距離dの計測を可能にするという目的を果たす上でほとんどの場合十分である。
【0128】
より正確ではあるが計算の手間が余計にかかる方法では、計測曲線153の複数の最大値155と複数の最小値157を局限し、それによってそこから図9の水平軸のゼロ点、すなわち、強度最大値の正確なポイントを見つけることができる。これは、たとえば、そのゼロ点が2つの最低最小値157と3つの最高最大値155から得られる中間値として検出されれば可能である。これ以外にも、過程153内のゼロ点を探す評価法を用いることができる。
【0129】
図8に記載されている干渉計システム41cは、図7に示す干渉計システムと実質的に同じ構造を備える。しかしながら、計測ブランチ51cから戻る放射線が放射線部75cおよびそれに接続された光伝導ファイバ79cを介して光センサ65cに直接供給されているのではないという点で区別される。このシステムでは反対に、検出器65cに向かって光伝導ファイバ79cを伝わる放射線が別のビームスプリッタ93によって分割されて2本の光伝導ファイバ94と95になる。そのファイバ端部96および97は互いに所定の距離aをもって配置されファイバ内に含まれる放射線を光検出器65cに向けて放射する。光検出器65cはここでは位置設定解像ライン検出器として形成され、ファイバ端部96、97から一定の距離をもって配置されている。ファイバ端部96と97から、放射線が球面波としてコーン98と99内をライン検出器65に向けて放射され、ファイバ端部96と97の間および検出器65cの間にそれぞれ、円柱レンズ100が、放射線を検出器のライン方向とは反対方向に検出器上に集光させることができるように検出器65cのライン方向に平行になるような方位で配置される。
【0130】
データライン81cを介して、コンピュータ76cは強度最大値または強度最小値がそれぞれにライン検出器65cに出現するこれらの地点を検出する。
【0131】
可変光路長を提供するデバイス60cの長さgおよび、エミッタ−レシーバアセンブリ18cと逆反射体19cとの間の距離dが完全に等しければ、検出器65c上に強度最大値が存在することになる。これは2本のファイバ94と95の長さが等しい場合、その最大値の地点は、2つのファイバ端部96と97に対し左右対称に配置される。しかしながら、長さgと距離dとの間にわずかでも差があるときは、相当する強度最大値はファイバ端部96、97について左右対称に配置されたその地点から移動する。このことは、図8の地点Xによって概略的に表されている。左右対称地点からの移動の程度は、2つのファイバ端部96、97の相対的な距離a次第で維持され、ファイバ端部96と97の距離が小さくなれば、程度が大きくなる。
【0132】
3つの逆反射体19cがエミッタ−レシーバアセンブリ18cより別々の距離dで配置されている場合、互いに隣接して配置されている複数の強度最大値がライン検出器上に存在するようになる。このことは同時にコンピュータ67cで検出可能である。したがって、コンピュータ67cは距離gを変更することなく、またその結果可変光路長を提供するデバイス60cのドライブを作動させずに、アセンブリ18の反射体の複数の距離dを同時に検出することができる。
【0133】
また、図8には示されていないが、ファイバ端部96と97を装着するデバイスを備えてもよい。そうすれば、コンピュータ67cからの距離aを、モータ制御によって変化させることができる。別々の距離dが互いに少々異なる場合、小さい距離aを調整し、それによって距離計測の解像度を向上させる。別々の距離dが互いにかなり異なるのであれば、小さい方の距離aの場合に相当する強度最大値が同時に検出器上に存在しないため、距離aが増加して低い解像度でそれらの距離を同時に検出できるようになる。
【0134】
図1より明らかなように、コンピュータ67および干渉計システム41の構成要素の大部分がマシンツール1の傍に配置されている。干渉計システム41の一部、つまりその計測ブランチのみが、マシンツール1の上に配置され、それによって計測放射線がエミッタ−レシーバアセンブリ18に供給される。このため、光伝導ファイバ53がマシンツール1のフロアに固定的に接続されたベース7に入射する。ここより、放射線が可動アーム9を通りまた光導体によってエミッタ−レシーバアセンブリ18までも誘導される。ここで問題が生じる。すなわち、従来のワンモード光導体によって移動したアーム9にビームを誘導する場合、その光導体の移動が複屈折性の変化を引き起こし、偏光次第ではこれが光導体の光路長の変化を再度引き起こす。そのような状況では光導体中でもそこに誘導された光の偏光条件の変化が生じるので、レシーバからエミッタに向けて戻る方向に光導体内を通過する際に、位相差、すなわち、偏光の2方向の間での位相差が起こり得る。それはつまり、片方の条件の偏光光と、もう一方の条件の偏光光とが干渉計システム内でのその後の放射線処理において互いの干渉を相殺することも有り得るということである。したがって、マシンツール1の移動部分での放射線を従来のワンモード導体で誘導するのではなく、目的に合った偏光維持光導体を使用するようにする。
【0135】
これは図10に簡単に示されている。図10に破線で描かれている箱型1は、マシンツール1全体を象徴的に表したものである。すなわち、箱型1は干渉計装置41の残りの構成要素との比較において同様に移動している部分を含む。破線で描かれた箱型7は、マシンツール1のベースを象徴的に表すもので、同ベースは干渉計装置の残りの部分と比較すると静止している。放射線は、光導体53を介してその静止ベース7に供給される。ファイバカプラ101がベース7に設けられ固定的に接続されており、光導体を介して偏光維持ファイバ103の一端部102に供給される放射線を結合する。次に、ファイバ103は、移動したアーム9の一部分と固定的に接続されたエミッタ−レシーバアセンブリの移動したアーム9内に放射線を供給する。このアセンブリは、ファイバ103の物体側端部105に結合されている。
【0136】
アセンブリ18は放射ビーム111を形成する視準オプティックス109を含む。視準オプティックス109の正面に、1/4波長板113が配置され、オプティックス109を離れた後のビーム111がそれを通過する。ビーム111は反射体19で反射され、1/4波長板113を通過して、視準オプティックス109を介して偏光維持ファイバ103に再度結合される。反射体19で反射されて戻った放射線は伝導体103を通過し、インターフェイス101でファイバ53に結合して干渉計システム41の残りの構成要素のところに到達し、さらに先に進む。
【0137】
偏光維持ファイバ103のファイバ端部102に入る際に、ファイバ53によって供給された非偏光光が偏光の2方向に分割され、もう一方のファイバ端部105に至るまで、別々の偏光経路でファイバ103によって送られる。ここで、一つの偏光経路からもう一方への混線は実質的に起こらない。2つの偏光経路の一つによってファイバ103を通って送られる放射線構成要素は、1/4波長板113を二度通過するため完全な偏光回転を受けるので、ファイバ103を通っての帰路で、もう一方の偏光経路を通過する。逆に、入射光の第二偏光構成要素は同じ所に至る途中で第二偏光構成要素をまず通過し、後に帰路で第一偏光経路を通過する。
【0138】
光導体53を介して供給される再偏光放射線の双方の偏光構成要素はこのように一方の偏光経路ともう一方の偏光経路とを順番に通過する。たとえこれら2つの偏光経路が、偏光維持光導体103において互いに異なる光路長を提供するとしても、全体としてみれば、それらはなお、光導体103を通って実質的に同一の完全な光路の双方を通過しているのである。したがって、それら2つの偏光構成要素間にも位相差は実質的に存在せず、そのような位相差によって生じる前記信号の相殺は、マシンツール1の動作部品で偏光維持ファイバ103を使用すれば起こらない。
【0139】
ある状況で距離センサと接続して偏光維持ファイバを使用するという上記のコンセプトは、2つのファイバ端部102と105が相対的に移動している場合、その距離センサに限定されない。別のタイプのセンサで使用することも可能であり、その場合、光は光導体を介してセンサヘッドに供給され、また同じく後者より戻ってさらに評価される。これは汎用タイプのセンサでもよく、その場合、戻った放射線が適切な媒体、表面またはサンプルボリュームによってレシプロケーションに入射し放射線特性が変化してから、同光導体を介して放射線が戻った後で分析される。これは圧力センサ、張力センサ、温度センサ、電界または磁界センサ、または、化学薬品等の存在を検出するセンサであってもよい。
【0140】
さらに、このコンセプトは、ビームを供給および放出する手段にも適用可能である。そのような手段では、放射線供給光導体103または放射線放出光導体103はそれぞれ、その位置が移動するだけではない。その他にも、従来のワンモードファイバでは信号障害につながるような環境的影響が存在する。たとえば、圧力、温度、強い電界や磁界、化学薬品の影響などである。偏光維持ファイバ103はそのような環境の影響については概ね安定している。したがって、このコンセプトはまた、光学センサを使用する際に用いることができ、その場合、放射線供給・放射線放出光導体はそれぞれ、温度、圧力などの影響によって信号の伝達に影響を及ぼし得る一定の雰囲気を貫通する。
【0141】
図11は、可変光路長または可変光遅延を提供するデバイスの上面図である。それらはそれぞれベルトスキャナ201の形態となっている。図12は、ベルトスキャナ201の一部側面図である。ベルトスキャナ201は2つのベルトプーリ203と204を含み、それらは直径Dが等しくそれぞれの回転中心205と206が所定の距離eをもって互いに平行に配置されている。2つのプーリ203と204の上面は共通の平面内にあり、リングベルト209はその2つのディスクまたはプーリの円周面の周囲で先導されている。リングベルト209の長さおよび2つの回転中心205と206の距離eは、その円周方向でベルト209が機械的張力を受けてプーリ203、204の円周面と反対向きに固定されるように調整されている。プーリ203は、図11に示されていない1つのモータのようなモータによって回転中心205周囲を、213として示した一方向に駆動可能である。その結果、ベルト209およびもう一方のプーリ204も同一方向に駆動される。
【0142】
ベルトスキャナ201の他の動作範囲215は、後者がプーリ203からプーリ204へと方向213に沿って直線的に延びているベルトのエリアに形成されている。この範囲内で、ベルトはプーリ203と204の円周表面に共通の接線に沿って延びている。
【0143】
4つの反射鏡装置217がベルト209上に固定され、それらはそれぞれ互いに等距離をもってベルト209の円周方向に配置されている。図11では、217‘として表記されている反射鏡装置が動作範囲215に配置されている。この反射鏡装置217‘を除いては、動作範囲にそれ以上の反射鏡装置217は存在しない。
【0144】
ベルトプーリ204の他に、台219が回転中心205と206に対し固定された状態で配置され、これがビーム誘導デバイス221、さらに反射鏡装置223を支持する。
【0145】
光導体225は光源からビーム誘導デバイス221に放射線を供給する。ビーム誘導デバイス221は図11、12には示されていない視準オプティックスを備え、それによって動作範囲215のベルト209の方向に平行な平行光ビーム227を放射する。その結果その光ビーム227は動作範囲215に配置された反射鏡装置217‘表面に衝突する。反射鏡装置217‘において、ビーム227はそれ自体の方向に対し45゜で配置された反射鏡229に衝突し、反射鏡229はビーム227を90゜だけ偏向させて、反射鏡229に対して90゜の角度を持つ別の反射鏡にビーム227を誘導する。2枚の反射鏡229および231は、ビーム227を元のビーム方向と平行に逆反射するが一方でそれとは平行な方向233にずらす反射体233として作用する。その結果、そのビームは、ビーム誘導デバイス221に対し固定的に配置された反射鏡装置223表面に衝突する。その方向233は、動作範囲215のベルト209の動き213に対し直角で、なおかつ動作範囲215のベルト209の上面に対し平行に方位付けされる。
【0146】
ビーム235はまず2つの反射鏡表面237および239によって形成される反射体241に衝突する。その反射体はビーム235を反射して反射鏡装置217‘に対しずれた方向233にさらに戻す。ここで、互いに90゜の角度で配置された2枚の反射鏡表面をも備えたさらに別の反射体245によってビーム247として反射鏡装置223に向かう方向に再度反射され戻る。ここで、ビーム247は2枚の反射鏡表面で形成されたさらに別の反射体249に衝突する。この反射体は再度ビームをずらして平行に偏向させ、ビーム251として反射体装置217’に向けて誘導する。ここで、ビーム251は、3対の反射鏡で構成された逆反射体253に衝突する。各対の反射鏡表面は互いに垂直なので、ビーム251を正確に内部で逆反射する。逆反射体253によってそれ自体が逆反射されたビームはその後反射体249、245、および231に連続的に衝突し、その結果再度ビーム誘導デバイス221の視準オプティックスに結合する。
【0147】
ベルト209上に装着された反射鏡装置と固定的に配置された反射鏡装置223との間で何度も反射されて行き来するので、ビームはビーム誘導デバイス221によって放射されまたそこへ再入射される間に光路を伝わる。これは、配置されている2つの反射鏡装置217‘と223との相対的な距離cの10倍を超える程度の距離に相当する。
【0148】
その反射鏡装置217‘が動作範囲215の最初から最後まで動く場合は、そのビームの光路長は、ビーム誘導デバイス221からの射出または入射の間に、その動作範囲215の10倍の長さに相当する値だけ変化する。
【0149】
最大リフト、すなわち、ベルトスキャナ201の光路長の最大変化は、したがって、2本の軸205および206間の距離eの10倍に相当する値を有する。
【0150】
反射鏡装置217‘が動作範囲215に配置されるのであれば、ベルト209が方向213に動く際に次に動作範囲215に到達する反射鏡装置217“は、先行する反射鏡装置217’がちょうど動作範囲を離れたときに動作範囲に正確に配置される距離を持っている。そのような状況が、破線で図11に示されている。図11では反射鏡装置217‘はちょうど動作範囲215を離れたところで参照番号257をもって示され、反射鏡装置217”は、動作範囲215に入った直後に参照番号258をもって示されている。
【0151】
反射鏡装置217‘を方向213に移動させると、反射鏡装置217’は動作範囲215を離れた後でプーリ204周囲の円路に沿って動く。これはつまり、所定の時間内は、反射鏡装置217‘は動作範囲215を離れた後も、ビーム227に幾何学的な陰を落し続けるので、光学スキャナ201でのビーム誘導が遮られる。この間、光学スキャナ201は光路長を提供することができない。これは、デバイス201の装荷率が1未満になる原因であるむだ時間である。このむだ時間は、しかしながら、遅延した光学信号を評価する電子デバイスを後退させたり、またはその他のスイッチング操作を実施するのに利用可能である。
【0152】
反射鏡装置217‘がその後ディスク204の周辺から十分離れるや否や、反射鏡装置217’はビーム227を再度放出し、その結果そのビームは、反射鏡装置217‘について既に述べたように、反射鏡装置217‘の後を追っている反射鏡装置217“に衝突して正確に反射されて戻る。
【0153】
陰に起因するむだ時間によって得られる完全な偏向が利用可能になるよう、換言すれば、最大可変光路長を利用できるようにするために、ベルト209の円周方向に連続している反射鏡装置217間の距離を、得られる偏向より幾分大き目になるよう調整する。図11および12に記されるベルトスキャナ201の場合、これは、ベルトプーリ203と204の直径Dが165mmになるよう選択し、ディスク直径に対する軸距離eの比率e/Dが1.34になるよう選択することで実行される。
【0154】
本実施態様のベルト209は、アンバー鋼のスチールバンド、つまり、熱膨張率が小さい鋼である。さらに、スキャナ201では、210として示す少なくとも1つの誘導デバイスがさらに設けられており、このデバイスはベルトを少なくともプーリ203と204の軸方向に誘導し、それによってベルトがプーリ203と204周囲に安定した位置で動く。そのドライブは、ベルトプーリ203を、ベルトが1秒につき10メートルの速度で円周方向に動くような速度で駆動する。
【0155】
図13および14では、可変光路長を提供するデバイスの変更例が示されており、それは螺旋状スキャナ301として示されている。
【0156】
螺旋状スキャナ301は光ビーム303を供給される。光ビーム303は最初に第一偏光ビームスプリッタ305を通過しその後第二偏光ビームスプリッタ307を通過する。これらビームスプリッタはそれぞれ一直線上にある。1/4波長板309を通過した後、ビームはそれら2つのビームスプリッタに対し固定的に配置された反射鏡311に衝突し、そこでその反射鏡311がビームを約90゜で偏向させることによって、ビームは回転中心313に平行に進む。反射鏡311での反射後、ビームは視準レンズ315を通過する。この視準レンズは、回転中心313上、図13では上方にビームが延びていくようにビームを形成する。
【0157】
螺旋状スキャナ301はさらにアセンブリ316を含む。これは相対的に固定された空間的関係を有する以下の構成要素からなる。すなわち、偏向反射鏡317、平板反射鏡319および円柱レンズ321である。アセンブリ316は軸313周囲で回転可能に配置され、図13や14には示されていないドライブによって回転するよう形成される。
【0158】
螺旋状スキャナ301はさらに螺旋状反射鏡323を含む。その反射鏡表面は、回転中心313周囲を螺旋状に延びている。
【0159】
回転アセンブリ316の偏向反射鏡317は回転中心313上に配置されるので、視準レンズ315を離れるビームを螺旋状反射鏡323の反射面上に向けて90゜偏向することができる。ここで、そのビームは偏向反射鏡317で偏向され螺旋状反射鏡323に衝突する間に円柱レンズ321を通過する。螺旋状反射鏡323に衝突した後、ビームは反射されて回転アセンブリ316の平板反射鏡319に向かう。平板反射鏡319は衝突するビームに対し常に直角となるよう配列されているので、それ自体がビームを螺旋状反射鏡323に送り返す。後者より、ビームが今度は、再び反射され円柱レンズ321を通過後に偏向反射鏡317に戻る。偏向反射鏡は回転中心313上のビームを、下方に延びるよう方向付ける。戻るビームはその後、視準レンズ315を貫通し、反射鏡311によって偏向され、1/4波長板309を通過し、偏光ビームスプリッタ307によって90゜偏向されてから、さらに別の90゜偏向反射鏡325に衝突し、ビーム形成アセンブリ327を貫通し、さらに別の90゜偏向反射鏡329によって偏光ビームスプリッタ305に供給される。偏光ビームスプリッタ305は戻るビームを配列させ、そのビームが入射ビーム303と実質的に共直線的に延びるようにする。
【0160】
アセンブリ316の回転位置によっては、螺旋状スキャナ301は異なる光路長を提供する。これを再度図14で説明する。図14には、回転アセンブリの回転の2つの位置が示されており、平板反射鏡310が、回転の一方の位置では319‘、回転のもう一方の位置では319“として示されている。
【0161】
螺旋状反射鏡323の形状は対数螺旋となるよう選択されているので、円周角ψによっては、回転中心313から反射鏡表面までの距離は以下の等式を満たす。ここで、r0は反射鏡表面323と軸313との間で得られる最小距離である。
【0162】
r(ψ)=r0 exp (ψ cot Ψ)
ここで、コタンジェントΨが一定なので、角度Ψも一定である。角度Ψは図13に示されており、螺旋状反射鏡323に衝突するビームとその反射鏡323の螺旋での接線335との間の角度を指す。
【0163】
角度Ψが回転中心313周囲のアセンブリ316の回転位置とは無関係であるため、角度が同じであればビームは常に螺旋状反射鏡323の表面に衝突し、その結果常に同じ角度で偏向される。
【0164】
螺旋状反射鏡323に衝突するビームとそこで反射され戻るビームとの間の角度はθRとされ、これも回転位置とは無関係である。これはつまり、螺旋状反射鏡323で反射され戻るビームは平面反射鏡319に衝突するが、この平面反射鏡319もまた、角度が同じく90゜であれば通常、回転位置とは無関係であることを意味する。なぜなら、平板反射鏡319は、衝突するビームがそれ自体で反射されるように配列されているからである。反射鏡の形状として螺旋状を選択することによって、スキャナ301に入射するビームが実質的にそれ自体が逆反射されることが確実になる。
【0165】
螺旋状反射鏡323に衝突するビームがそのビーム方向とは反対に所定の広がりを持ち、螺旋状反射鏡323の表面がこのビーム方向に直角になるように方位付けられているのではないため、ビームは螺旋状スキャナ301に入ったり出たりを繰り返し、光路長は全体的なビームの断面を通して正確に一定ではない。これもまた、そこから生じる成果を制限する目的でビーム形成アセンブリ327を設ける理由である。ビーム形成アセンブリ327は拡散レンズ339、窓板341、および集束レンズ343を含む。
【0166】
回転アセンブリ316は動的に釣り合いが取れているので、回転速度が高く光路長に急激な変化があっても滑らかかつ正確に走行する。
【0167】
可変光路長を提供するための前記デバイス201および301は、可変光路長または調整可能な光学遅延がそれぞれ提供され得るあらゆる用途で使用できる。特に、干渉計デバイスおよびさらに好ましくは白色光干渉計での使用が可能である。好ましくは、上記図1〜図10関連で説明したように、デバイス201および301は、2つの物体の位置および/または方位を検出するシステムにも用いられる。
【0168】
図15に、図1に示されるマシンツールの代替案を示す。ここで、自動車403の製造用のアセンブリライン401を概略的に示す。その構造や機能が互いに相当する構成要素には、図1〜図10のものと同じ参照番号で示されているが、追加の文字が付いている。わかりやすいように、あらかじめその全体像について述べる。
【0169】
この場合に加工される加工品は自動車403であり、これは、トラック405も含む加工品台3d上をアセンブリライン401に沿って動く。その加工品を加工する目的で、4つのマシンツール1dが設けられる。これらはそれぞれのツール16dを用いて加工品403に加工を施す。ツール16dはそれぞれのマシンツール1dの分だけ比較的大きく移動している。ツール16dはそれぞれ3つのエミッタ−レシーバアセンブリを備えているが、それらは図15には示されていない。それらは、加工品台3dに対するツール16dの方位のみならず位置の測定に役立つ。それに付随する計測システムは同様に、支持体21dを介して加工品台3dに固定的に接続された複数の板20dを含む。板20dはそれぞれ3つの逆反射体19dを抱える。それらの逆反射体は、図1に示すように、ビームを反射してツール16d上に装着されたエミッタ−レシーバアセンブリに戻す。しかしながら、そのエミッタ−レシーバアセンブリは逆反射体グループ20dを1つだけ持つ各ツール16dで共動するのみならず、これに関しては、台21d上の所定の位置に装着されたそのような複数の逆反射体のグループの中から選ぶこともできる。接近可能な動作ボリュームでのツール16dの現在の位置によっては、加工品台3dに対するツール16dの一層正確な位置および方位が得られることが判明するかもしれず、その場合は特定の反射体グループ20dがその距離判定用として選択され、その反射体グループはツール16dに対し配置されるのが望ましい。
【0170】
複数の反射体アセンブリ20dがマシンツール1d周囲に配置されているので、各エミッタ−レシーバアセンブリの視野に常に反射体アセンブリ20dが存在し、その結果対応するツール16dについての距離が十分な精度で測定可能である。
【0171】
先の実施態様では、逆反射体に向かって角度範囲に放射線を放射し、その逆反射体から反射されて戻った放射線を受光する2つの機能を満足させるためのエミッタ−レシーバアセンブリが記載されていた。しかしながら、それぞれの機能のために別個の構成要素を設けることも可能である。たとえば、図3に示す実施態様を一部変更して、板31の中心にエミッタを1つだけ設け、また参照番号18、18‘、18“が付いた構成要素を放射線のレシーバとすることができる。その後で構成要素18、18‘、18“と逆反射体19、19‘、19“との間の9つの距離を測定することさえ可能である。
【0172】
しかしながら、それとは反対に、図3で18、18‘、18“が付いた構成要素がそれぞれ互いに固定された距離で配置されたエミッタであり、9つの所望の距離を測定する目的で板31の中心部にレシーバが1つだけ設けられていてもよい。
【0173】
図11および12に示す実施態様では、旋回ベルト209として鋼バンドが用いられている。しかしながら、旋回ベルト用としてそれ以外の材料を選択してもよい。他の材料の例としては、プラスチック類、繊維補強プラスチック類、ゴムなどがある。
【0174】
1つまたは複数のガイドを少なくとも部分的にベルト周囲に巻き付けることにより、図11および12に示されている実施態様で、上記のように、実際にベルトプーリに対しベルトを誘導する。しかしながら、そのベルト断面形状がプーリの周辺表面の窪みや突起に一致するような突起や窪み等を持っていれば、それによってベルトとプーリが勘合し、ベルトを直接プーリの周辺面で誘導することができる。この一例がリブ断面形状を持ったV−リブ型ベルトとして設計されたベルトであってもよく、その一例がドイツ工業規格(Deutsche Industrie Norm/DIN7867)に記載されている。
【0175】
先に、2つの物体の相対的な位置および/または方位を測定するためのシステムおよび方法をそれぞれマシンツールでの用途で述べた。ここで、それら2つの物体とは、ツールおよびツール台であり、反射体がツール台上に装着される。しかしながら、反射体をツールの側に、エミッタまたはレシーバをそれぞれツール台側に装着することもできる。さらにそれ以外にも、距離または方位をそれぞれ測定する必要のある対となった物体について、そのシステムまたは方法をそれぞれ使用することができる。このコンテクストでは、特に、加工品の表面を走査するための座標計測デバイスが考慮されている。ここで、加工品は、マシンツールの場合と同様に、加工品台上に配置されてもよい。加工品の表面を走査するための走査チップを備えた計測ヘッドを、マシンツールのツールと類似した機械的手段によって支持することもできる。その場合、その計測ヘッドの位置を、加工品表面に沿ってモータを用いるかまたはユーザが手作業によって移動させる。しかしながら、計測ヘッドをユーザの手だけで支持し、ユーザが表面に沿って加工品を自由に動かせるようにもできる。そうすると、エミッタおよびレシーバが計測ヘッドに配置され、一方、逆反射体は加工品台に配置される。あるいは、逆反射体が計測ヘッドに配置されるのであれば、エミッタとレシーバは加工品台に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0176】
【図1】2つの物体の相対的な位置を測定するためのシステムの実施態様が組み込まれた、本発明によるマシンツールの実施態様。
【図2】2つの物体の相対的な位置を測定するための図1のシステムの詳細図。
【図3】2つの物体の相対的な位置を測定するシステムを改良したものの詳細図であり、このシステムにより2つの物体の相対的な方位をも測定できる。
【図4】位置および方位を測定する図3のシステム全体の概略図。
【図5】図2および図3の逆反射体の部分図。
【図6】図3のシステムで使用可能な干渉計装置の構造を示す概略図。
【図7】図6の干渉計装置の別の例。
【図8】図6の干渉計装置のさらに別の例。
【図9】図4、図6、図7または図8の干渉計装置で生じる放射線強度過程を示すグラフ。
【図10】図4、図6、図7または図8の干渉計装置に適用可能な光誘導装置の実施態様。
【図11】可変光路長を提供するデバイスの一実施態様の上面図。
【図12】図11のデバイスの部分側面図。
【図13】可変光路長を提供するデバイスの別の実施態様を示す概略斜視図。
【図14】図13に示すデバイスの補足的概略図。
【図15】図1の装置に複数のマシンツールを設けた変更例。
【図16】2つの物体の相対的な位置または方位を測定する方法の実施態様を説明するためのフローチャート。
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの物体の相対的な位置を、干渉計を用いて測定するシステムに関する。特に、本発明は2つの物体の相対的な位置さらには方位を、干渉計を用いて測定するシステムに関する。さらに本発明は概して、2つの物体間で検出された少なくとも9つの距離に基づいて2つの物体の相対的な位置および方位を測定する方法に関する。この方法は、2つの物体の相対的な位置および方位を測定するシステムに特に適用可能である。
【0002】
さらに、本発明は概して、光源から計測ヘッドまで放射される放射線を供給するビーム誘導装置に関し、その光源および計測ヘッドは相対的に移動可能であり、および/または、そのビーム誘導装置は変化し続ける環境の影響にさらされる。ビーム誘導装置は特に、センサシステムまたは、2つの物体の相対的な位置および/または方位を測定するシステムに適用可能である。さらに、本発明はそのようなビーム誘導装置を有する干渉計装置に関する。
【0003】
さらに、本発明は概して、可変光路長を提供するデバイスまたは可変光学遅延を提供するデバイスに関し、それぞれが、2つの物体の相対的な位置および/または方位を測定するシステムに特に適用可能である。
【0004】
さらに、本発明は座標計測器および、2つの物体の相対的な位置および/または方位を測定するシステムを用いるマシンツールに関する。
【背景技術】
【0005】
2つの物体間距離の干渉計変異によって検出を行い、その場合に2つの物体の一方に逆反射体を装着し、もう一方には可干渉性放射線用エミッタを逆反射体側に向けて設けることは知られている。その逆反射体によりもう一方の物体に向けて逆反射された放射線は個々のレシーバを介して受光され、干渉によって放射源の放射線と重畳させられ、放射線強度センサによって検出される。2つの物体間の距離が変化した場合は、2つの物体間で前後に反射されるビームの光路長に、干渉に起因して強度の最大・最小値が生成される。強度変化の数値が検出されるのであれば、距離における変化の程度の結果が導き出される。基準走行で2つの物体をまず互いにあらかじめわかっている距離をもって配し、その後そのわかっている距離からの変化が検出されれば、2つの物体間の絶対距離の計測が可能である。
【0006】
WO 88/07656(特許文献1)より、2つの物体間の相対的な位置および方位の相対的な変化を検出するシステムが知られている。この目的で、逆反射体が互いに一定の距離をもって第一物体の上に装着され、第二物体の上には6つの別々の干渉計−エミッタが互いに一定の距離をもって設けられている。それぞれの放射線は逆反射体の一方に向けられている。ここで、第一、第二及び第三のエミッタはそれぞれその放射線を第一逆反射体に向け、第四および第五のエミッタは放射線を第二逆反射体に向け、第六のエミッタは放射線を第三逆反射体に向けている。したがって、6つの干渉計を設けることにより、第一または第二物体上の地点間で6種類の距離の変化がそれぞれ検出可能である。基準位置での2つの物体上の異なる地点間の距離が計測の開始時に分かっていたのであれば、後で2つの物体を相対的に移動させて6つの距離を完全に測定することが可能である。その後、6つの距離の絶対値より、2つの物体の相対的な位置および方位を測定することができる。
【0007】
このシステムで、たとえば環境的な影響により距離または方位が変化している最中に6本のビームの内1本の遮断が発生した場合、強度の最大値または最小値のそれぞれ、それ以上カウントできなくなるので、2つの物体間の絶対距離の測定がこの時点より以降は不可能になる。さらに、それぞれのエミッタはその放射線を指定された専用の逆反射体のみに向けなければならないので、エミッタは相当するビーム方向制御を備え、それにより自身の放射線を相当する逆反射体に常に向けられた状態に維持する。ビームが遮断された場合、方向制御が相当する逆反射体との接触を失うことも有り得る。
【0008】
可干渉性放射線が従来のワンモード光導体によってエミッタに供給され、最終的に後者によって検出器に供給される場合、光伝達ファイバの伝達特性に変化が生じ、また一方で、検出器やエミッタと放射源との間の相対的な位置に変化が生じた場合、またはその他の環境的な影響によっても伝達特性に変化が生じる。その結果、検出器に供給される信号が強いフラクチュエーションを受けることも考えられる。このフラクチュエーションはまた、強度の最大値または最小値とも解釈され、それぞれ、2つの物体間の動きによって引き起こされる。これも、距離変化の計測不良を引き起こす。
【0009】
6つの検出距離により、反復相の計算プロセスを用いた2つの物体間の相対的な位置および方位の測定が可能になる。その一例は従来のガウス−ザイデル法である。そのような方法は多くの計算を必要とし、検出された位置および方位がそれぞれ所定単位の時間内に更新可能な速度が制限される。
【0010】
さらに、周知の干渉計測法では、2つの物体間の距離が干渉計の計測ブランチに光路を提供し、この光路が干渉計の基準ブランチに設けられた周知の可変光路と比較されることによって、2つの物体間の絶対距離の測定が可能になる。基準ブランチで光路を設けるというこの目的で周知のデバイスは、一つには偏差が小さすぎる、すなわち光路長の偏差範囲が小さすぎて、2つの物体間で距離の変化が大きいとそれを調整することができない、および/または速度が遅すぎて、光路で大きな変化を敏速に提供することができず、結果的に距離計測率が制限される。
【特許文献1】WO 88/07656
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の目的は、2つの物体の相対的な位置を測定するためのトラブルの無いシステムを提供することである。さらなる目的は、絶対距離の計測を可能にするシステムを提供することである。また別の目的は、2つの物体の相対的な方位をも測定することができるシステムを提供することである。
【0012】
本発明のさらに別の目的は、2つの物体間の相対的な位置および/または方位を測定するための、計算費用がほとんどかからない方法を提供することである。
【0013】
本発明のさらに別の目的は、光誘導装置を有するビーム誘導装置を示唆することである。その装置は光誘導装置の移動および/またはその他、光誘導装置に及ぼされる環境的影響に左右されにくい。本発明のさらに別の目的は、計測ブランチが放射線源に対し移動可能であり失敗に左右されにくい干渉計装置を示唆することである。
【0014】
本発明のさらに別の目的は、大きな偏差をもたらす可変光路長を提供するデバイスを示唆することである。さらに、本発明の別の目的は、自身の偏差の急速な変化を可能にするデバイスを示唆することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
第一の局面では、本発明は2つの物体の相対的な位置を測定するシステムを提供する。それによれば、その2つの物体の一方の少なくとも1地点ともう一方の物体の少なくとも3地点との間で少なくとも3つの距離が干渉的に測定される。これを目的として、十分な可干渉性放射線を有する放射源が設けられ、それによってその地点の距離次第で干渉信号を発生する。このために、その放射源から偏向した放射線は計測ブランチを通過した後の放射線と重畳する。その放射線は光路として、第一物体に設けた地点と第二物体に設けた地点との間の距離を含む。その結果生じた干渉信号をコンピュータが評価して、その値から、それらの該当する地点間の距離、ひいては2つの物体の相対的な位置を測定する。第二物体の地点は、その上に装着された少なくとも3つの逆反射体によって測定される。それら逆反射体の相対的な距離はあらかじめ決まっておりまた周知である。第一物体についてあらかじめ決まっている地点は、一つには、放射源から提供される放射線用のエミッタであり、それはこの放射線を三次元の空間の角度範囲、またはステラジアンにそれぞれ放射し、少なくとも3つの逆反射体がこの角度範囲に含まれる。ここで、角度範囲は非常に大きくなるので、その中の逆反射体は、所望の移動量で2つの物体が相対的に移動している場合であっても、その角度範囲にまだ含まれている。さらなる地点として、放射線用のレシーバはエミッタによって放射され逆反射体によって反射される放射線を受ける第一物体で測定され、最終的にそれを放射線強度センサに供給し、放射源から偏向したさらに別の放射線と重畳させる。
【0016】
少なくとも3つの逆反射体を含む角度範囲に放射線を放射する少なくとも1つのエミッタによりビーム指向手段が完全に不要になる。ビーム指向手段とは、従来技術において計測ビームを唯一の逆反射体に供給するもので、この逆反射体に常に従うにはそのように制御を行う必要がある。
【0017】
それにもかかわらず、第一及び第二の物体の地点の少なくとも3つの距離を干渉的に測定することができる。その場合、さらに別の情報を用いて、それらの物体の相対的な位置を明確に導き出すことができる。
【0018】
特に、エミッタおよびレシーバの地点を一致させることでこれら2つの構成要素を組み合わせて共通のアセンブリを形成することができる。一方、これらの構成要素を第一物体上に、相対的に固定された周知の距離をもって装着された別個のアセンブリとして設計することもまた好ましいといえよう。
【0019】
2つの物体の相対的な位置とはまた別に相対的な方位も測定される場合、固定した周知の距離関係を有する少なくとも3つの地点が第一物体に設けられるので、2つの物体間で、少なくとも6つの距離、好ましくは少なくとも9つの距離を測定することが可能である。
【0020】
このために、特に、少なくとも3つのエミッタを第一物体または少なくとも3つのレシーバに、互いに一定の距離をおいて配置すればよい。またこの場合、エミッタとレシーバをそれぞれ1つずつ組み合わせて一つのアセンブリを形成するか、1つのエミッタと少なくとも3つのレシーバかまたは1つのレシーバと少なくとも3つのエミッタを一緒に第一の物体に設けてもよい。
【0021】
位置または方位を測定する際の明瞭性を考慮した場合に必要となるであろうさらなる情報は、それぞれ位置または方位によって付与され得るもので、いずれの目的も先の計測工程で想定済みである。
【0022】
しかしながら、計測ブランチにおいて少なくとも1本のビームを選択的に遮断するために手段を講じることが好ましい。それにより、このビームに相当する干渉信号がそれ以降に生じなくなる。その結果、もはや生じないこの干渉信号を、2つの物体に設けた2つの地点間の距離に明確に指定することが可能になる。
【0023】
これが切り替えスイッチによって実施されるのが好ましい。すなわち複数のエミッタを第一物体に設けると、それらのエミッタの選択可能なサブセットに放射線が供給される。第一物体に複数のレシーバが設けられているのであれば、レシーバの選択可能なサブセットから受光した放射線をその後の干渉重畳に供給するように切り替えスイッチを設けるのが好ましい。また、放射源とエミッタのサブセット間に放射線遮断器を設けるのが好ましい。こうすることによっても、1つまたは複数のエミッタに供給される放射線を遮断する効果が得られる。さらに、複数のレシーバを設ける際に相当するレシーバと放射線の重畳を干渉する地点との間に放射線遮断器を設けるのも好ましい。
【0024】
あるいは、少なくとも1つの逆反射体を、入射する放射線を反射して戻す第一条件と、入射する放射線を反射しない第二条件との間で切り替えるように逆反射体の少なくとも1つのサブセットを設計することもまた好ましい。
【0025】
さらに、2つの物体の間を行き来するビームの少なくとも1つのサブセットを、たとえば機械的チョッパによって、代わりに遮断することもできる。
【0026】
双方の物体に設けた地点間距離を確実に計測するという観点から、距離に左右される計測ブランチで生じる光路を、基準としてシステムにより別個に設けた光学基準長と比較することも好ましい。この光学基準路長が調整可能であるのが好ましい。
【0027】
その後、そのシステムが、可干渉性トモグラフィーまたは白色光干渉計測の原理に従って作用するのが好ましい。
【0028】
好ましくは、そのシステムがその目的のために、基準ブランチに放射源から放射される放射線を分割するビームスプリッタを備え、基準ビームがそれに応じて供給され、同様に、前記の計測ブランチには計測ビームが供給されて、これが2つの物体間の光路を行き来する。その後、可変光路長を提供するデバイスが基準ブランチに設けられる。
【0029】
あるいは、放射源とエミッタの間に可変光路長を提供するためのデバイスを設けることも好ましく、そのエミッタは放射源から放射される放射線の2本の部分ビーム、すなわちデバイスを通過し可変光路長を提供する第一の部分ビームと、このデバイスをまだ通過していない第二の部分ビームを供給する。したがって、エミッタは空間距離での放射線の伝播方向に配置されたセクション間で固定された可干渉関係または位相関係をそれぞれ備えた波列を発する。その後、光路長差異をその可変光路長に対応する計測ブランチに設けたときに、放射線強度センサが最大強度を記録する。
【0030】
別の局面では、本発明は、2つの物体の相対的な位置および方位を測定する方法を提供する。この方法ではまず、第一物体の側の少なくとも3つの異なる地点および、第二物体の側の少なくとも3つの異なる地点を測定する。
【0031】
これら少なくとも9つの距離を測定する方法は、干渉的な測定方法に限定されずどのようなプロセスであってもよい。距離を測定するこの方法が、たとえば、走行時間計測等を含んでいてもよい。しかしながら、たとえば、生じる強度最大値と最小値の数を測定することによる干渉方法を用いるのが好ましい。それらの距離が、たとえば白色光干渉方法等、基準距離との比較によって検出されるのでもよい。
【0032】
この方法は、2つの物体の相対的な位置および方位が非反復計算法によって実施されるという局面においてそれ自体特徴的である。この非反復計算法は、計算の実行に要する時間が反復の収束基準に左右されず、したがって実質的にいつも同じで同種の反復法と比べて通常その結果が敏速に得られるという利点がある。従来の方法では、2つの物体間の少なくとも6つの距離に基づいて位置と方位を反復的に計算する。それとは対照的に、本発明では、計算は少なくとも9つの検出距離に基づくが、非反復的に実施される。
【0033】
このためには、データ構造を最初に計算するのが好ましい。これは、第一物体に固定された地点の所定の距離、および第二物体に固定された地点の所定の距離から導き出されるに過ぎない。この最初に生成されるデータ構造はしたがってそれぞれ、2つの物体の相対的な位置や方位とは無関係である。このデータ構造の生成はかなり困難で、より多くの計算時間が必要となる可能性がある。なぜなら、位置と方位を変化させる一連の多重計測および計算の開始時に、一度だけ実施する必要があるからである。敏速な遷移の間に幾度も変化した位置および方位を後から測定する場合は、その都度必要な計算操作はかなり少なくなる。というのも、最初に、検出された距離からそれが依拠する別のデータ構造が測定される。2つの物体の位置および方位はその後、位置/方位に依らないデータ構造および位置/方位に依るデータ構造を用いた計算によって測定される。このような方法の計算工程はすべて、非反復的に実行される。
【0034】
別の局面に基づき、本発明では、放射源からの光を物体側の光誘導装置の第一端部に誘導する光誘導装置を含むビーム誘導装置を設ける。その装置では、まずある物体を無作為に反復運動させ、この運動を光誘導装置の第一端部によって再度受け取りこの光誘導装置によって検出器に光を供給することでその物体から戻る光の特性における変化を検出する。そのビーム誘導装置は、したがって、放射源からの光が目標としてサンプルボリュームまたはサンプル媒体に供給された後にサンプルボリュームまたはテスト媒体による影響を受けたその光を検出器に供給するセンサに特に適用可能である。テストボリュームまたはテスト媒体は、たとえば圧力、温度、または化学組成といった無作為の物性を検出する目的で用いることができる。そのセンサはまた、反射性物体が光誘導装置の物体端部から所定の距離だけ離れている計測媒体として配置され、それによりその物体端部とその物体との間の光路長が測定される。
【0035】
本発明のビーム誘導装置の利点は、光誘導装置が静止状態に保たれずに、曲げ、圧力の衝撃またはその他の環境的な影響といった移動を受けている時に特に顕著である。
【0036】
実質的に非偏光の光が光誘導装置の物体側端部に供給される従来のビーム誘導装置では、その光誘導装置は非偏光維持光導体である。移動または環境の影響があった場合、その光導体の複屈折性が変化しその結果偏光化のさまざまな条件の間で、光導体を通って行き来する光の間で位相差が生じ、それが破壊性の干渉を引き起こし、その結果移動および環境の影響が原因で信号が崩壊する。発明者らは、偏光を維持している光導体を介して物体側の端部に光を供給することによって、この問題の大部分が解決可能であることを見出していた。そのような偏光維持光導体はその複屈折性を考慮してバイアスされているので、二重回折性が移動およびその他の環境の影響によって変化することがほとんど無いままに残っている。偏光維持光導体に入射する非偏光光はそこで2種類の偏光状態に分割され、偏光維持光導体の物体側端部に向かう路を伝わる。その結果、光導体では2種類の偏光状態に対してかなり異なる可変光路長を提供することができる。
【0037】
光の物体側端部での射出と物体側端部への再度の入射の間に、1/2波長板効果を持つ位相差板装置を設けることにより光の向きが変えられ、その結果、その光は光導体のいずれか一方の偏光チャンネルを途中で通過し、戻るときには他方の偏光チャンネルを通過する。したがって、光の偏光がどちらの状態であっても、その光は途中で偏光チャンネルを伝わりまた正確に戻るので、それぞれ実質的に同一の光路長を伝わることになる。偏光維持光導体の位置およびそれに及ぶ環境の影響を変化させることによって、従来の光導体に生じる前記破壊的干渉が大幅に回避される。
【0038】
好ましくは、1/4波長板をその偏光維持光導体の物体側端部正面に設ける。その板は一旦物体側で光の射出とその物体の間を通過させたもので、その光によって、物体から入射に向かって光路を逆戻りして物体側端部に至り、その結果全体的な効果は1/2波長板と同じになる。このビーム誘導装置は、エミッタとレシーバが1つのアセンブリに組み合わされ後者が放射源に対し移動可能なときに2つの物体の相対的な位置および/または方位を測定するシステムで用いるのが好ましい。ここで、逆反射体の1つを共に備えたエミッタ−レシーバアセンブリは、距離センサとして作用する。
【0039】
しかしながら、ビーム誘導装置は汎用タイプの干渉計装置で用いられるのが好ましい。その場合、干渉計ブランチは互いに相対的に移動可能な構成要素を備える。この場合、その干渉計装置が白色光干渉計装置または光学トモグラフィー装置のいずれかであると一層好ましい。
【0040】
別の局面では、本発明は相当敏速におよび/または相当広い範囲で光路長を変えることのできるデバイスを提供する。したがって、別の局面から見れば、本発明は可変光学遅延を提供する。
【0041】
第一の部分的な局面に基づき、本発明をベルトスキャナから説明する。これは互いに離して設けた2つのローラ間で、実質的に直線状にその2つのローラで共通の接線に沿って延伸しそこで動作範囲を形成するよう引っ張られたエンドレスベルトを含む。ベルト上には、少なくとももう一つの反射鏡装置が固定的に装着されていて、これはドライブによって動力を付与されるローラを軸として回転し、その結果、ベルトは動作範囲を直線状に動く。その上、光ビームの向きが動作範囲のベルト延伸方向に平行になるようビーム誘導デバイスが設けられているので、動作範囲に配置されたときに光ビームが反射鏡装置の表面に衝突する。ここでは、反射鏡装置によって反射されて戻る光ビームがビーム誘導装置に再度入射するように、反射鏡装置とビーム誘導デバイスが相対的に配置されている。
【0042】
ここで、本発明は、第二反射鏡装置がビーム誘導デバイスに対し固定的に配置されるよう設けられ、第一及び第二反射鏡装置がそれぞれ、ビーム誘導装置から射出するビームと入射するビームが少なくとも一度は反射されて第一及び第二の反射鏡装置の間を行き来するよう設計されているという点で区別される。
【0043】
ここで、そのデバイスによって提供される光路長の動作範囲の所定の長さは、かなり広範囲で可変であり、具体的には、動作範囲の長さの2倍以上に相当する。
【0044】
ここで好ましくは、ベルト上に装着されている反射鏡装置が、ベルトに対し直角に配置され動作範囲中でずれている少なくとも2つの反射体を含み、そのビーム誘導デバイスに設置されている反射鏡装置が、動作範囲内でベルトの延伸方向に対しやはり直角にずれた少なくとも1つの反射体を含む。
【0045】
得られる中で最大強度のビームを再度ビーム誘導装置に結合できるようにするために、反射体をビーム誘導デバイスから射出され同デバイスに入射するまでの光ビームの光路長の約半分のところに配置し、逆反射体として形成する。この逆反射体が3対の平板鏡によって形成され、各対が互いに垂直になるよう配置されているのが好ましい。
【0046】
逆反射体として設計されているのではない第一及び第二の反射鏡装置の反射体は、互いに垂直な2枚の平板鏡として設計されるのが好ましい。
【0047】
デバイスは、反射鏡装置が光ビームをビーム誘導デバイスで反射して戻る動作範囲内で利用できる時間がなるべく長くなるように設計されるのが好ましい。その時間をデバイスの装荷率とみなすことも可能である。これはつまり、反射鏡装置が動作範囲内に存在しない時間をできるだけ短縮するということである。一方で、同時に2つの反射鏡装置が動作範囲内にあってはならない。なぜなら、動作範囲の長さが決まっている場合に、その一部エリアのみが可変光路長を提供するのに利用可能だからである。それを考慮すると、ベルト周辺に隣接して配置された2つの反射鏡装置間の距離を調整して、この距離が2つのローラのそれぞれの軸間の距離eに相当するようにすれば好都合であろう。
【0048】
しかしながら、反射鏡装置は動作範囲に入る前にローラの片方の周辺の円形路を動く。これは動作範囲へ移る際に反射鏡装置で作用する加速の変化と関連があり、結果的にベルト表面での反射鏡装置の振動の原因となり得る。
【0049】
これを考慮すると、隣接する反射鏡装置間の距離が2つのローラの軸方向の距離eよりも小さくなるよう選択するのも好都合といえよう。0.9eが、その選択距離の最小値として好都合であることが既に判明している。
【0050】
一方で、後続の反射鏡装置間の距離が2つのローラ同士の間の距離eよりも大きくなるように選択しても好都合であろう。そうすることにより、先の反射鏡装置が動作範囲から出た後で後続の反射鏡装置がまだ動作範囲に入っていない時間ができる。この時間を、エレクトロニクスまたはデバイスを出る放射線のビーム誘導のスイッチングに利用することができ、そうすることで、回転期間経過後に後続の反射鏡装置が動作範囲に入り動作範囲を通る路全体を、光路長の変化として用いることができる。2つの反射鏡装置同士の距離の上限として、1.2・e、および好ましくは1.1・eという値が好都合であることが判明している。
【0051】
2つのローラ同士の距離eの値がe=a・Dとなるとき、ベルト長さおよびベルト上に配置される4つの反射鏡装置におけるローラの直径の好ましい関係が得られる。ここで、Dは2つのローラの直径であり1.3〜1.4の範囲の数値である。
【0052】
ベルトの回転速度を上昇させそれによって、高い計測精度という観点より反射鏡装置の正確な誘導で光路長を敏速に変化させるために、ベルトが金属バンドとして設計されるのが好ましい。
【0053】
別の部分的な局面に基づき、本発明は可変光路長を提供するデバイスを提供するもので、その第一反射鏡は軸周囲を螺旋状に延びる反射鏡表面を備える。螺旋状の反射鏡表面内で放射状に、その螺旋状の反射鏡に対し回転可能なビーム誘導デバイスが設けられ、そのビーム誘導デバイスは調整可能な円周角下で光ビームを螺旋状反射鏡に向ける。その螺旋状反射鏡は自身に向かってくる放射線を反射して第二反射鏡に戻す。第二反射鏡はビーム誘導装置と同様に螺旋状反射鏡に対し回転可能に配置されている。この第二反射鏡から、光ビームが螺旋状反射鏡に向かって戻され、そこで再度この光ビームを反射する。すなわち、光ビームが再びビーム誘導デバイスに入射しこのデバイスを通り抜ける。
【0054】
ビーム誘導デバイスおよび第二反射鏡の回転位置を、螺旋状反射鏡に対し回転するよう固定された状態で変化させることにより、ビームがビーム誘導デバイスを射出して再度入射するまでの間の光路長が可変になる。
【0055】
好ましくは、その螺旋反射鏡がビーム誘導デバイスに光を供給する光源と一緒にハウジング内に固定的に配置され、そのビーム誘導デバイスが第二反射鏡と一緒にハウジングに対し回転可能に支持されている。それにより、回転目的で比較的わずかな量を駆動させるだけで、光路長で比較的大きい変化が得られる。回転量は、相応に均衡が取れていれば比較的短時間で駆動可能であり、そうすることで、その光路長を早急に変化させることができる。
【0056】
好ましくは、螺旋状反射鏡が対数の螺旋形状であり、第二反射鏡が実質的に平板状の反射鏡表面を備え、それによって、その螺旋状反射鏡で反射されビーム誘導デバイスに戻る光ビームを正確に配列させることが可能で、その結果そのビームが後者に効率よく結合される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0057】
本発明の実施態様は実質的に図面を参照して記載されている。
【0058】
(好ましい実施態様)
図1に、加工品台3上に装着された加工品5を加工するマシンツール1を示す。マシンツール1はベース7を備え、その上に加工アーム9が、垂直軸zの周囲を参照符号8で示した方向に回転可能な状態で設けられている。アームは複数の部分アーム10、11、12およびそれらの部分アームを連結するジョイント13、14、15を有する。アーム9とは反対側の端部に、加工ツール16が装着されており、概略的に示されているツールチップ17で加工品5の加工を行う。加工品5を正確に加工するという観点より、加工品5または加工品台3のそれぞれに対するツール16の位置を測定する計測システム22が設けられている。位置計測システム22は、マシンツール1のツール16に固定された放射線エミッタ18、および、3つの逆反射体19を含む。逆反射体19は、共通の直線上に存在しない、換言すれば、一平面内に拡張していたり規定されていない互いに固定された空間関係で逆反射体19用の保持板20上に装着されている。逆反射体19用の保持板20は、保持棒21を介して加工品台3と固定的に接続されている。
【0059】
放射線エミッタ18は、全逆反射体19が板20で放射線にあたるよう大きい角度で選択された頂角Γを有する三次元の空間の角度範囲にその放射線を放射する。また、ツール16がマシンツールの加工ボリュームで移動するよう、ツールアーム9が移動を行う。ここでエミッタ18は逆反射体19に対し移動されている。エミッタ18から放射され逆反射体19の一つに衝突する放射線は、光ビーム23としてこの逆反射体19で逆反射されてエミッタ18に戻る。エミッタ18は、放射線レシーバと組み合わさってアセンブリを形成し、その放射線レシーバは逆反射体19で反射されて戻る光ビーム23を受光してそれをさらに光学システム41に送り、コンピュータ67で評価する。評価の目的は、エミッタ−レシーバアセンブリ18と逆反射体19との間の距離の測定である。これらの距離はそれぞれ、光ビームがエミッタ18と逆反射体19との間の距離を通過し再度エミッタ−レシーバアセンブリ18に戻る際にビーム23がカバーする光路長の半分に相当する。3つの逆反射体19の相対的な位置がわかっていさえすれば、これら3つの距離から、エミッタ−レシーバアセンブリ18、ひいてはツール16、ひいてはツールチップ17の位置が、座標x、y、zでの加工品5に関して測定可能である。
【0060】
加工品5に対するツール16の位置の計測は、相応の計測プロセスで高い精度をもって実施可能であるが、それとは反対に、ツールアーム9のジョイント13、14、15におけるドライブと位置センサの精度の要件がそれほど厳密ではないようにすることも可能であり、あるいは、加工品5を特に高い精度で製造することも可能である。なぜなら、加工品5に対するツールチップ17の正確な位置は、計測システム22に相当する精度で常にわかっているからである。
【0061】
図5に逆反射体19の一つの構造を詳細に示す。逆反射体19はガラス製の2つの半球25、26を含み、それらは互いに球中心がポイント30で一致するように配置されている。2つの半球25、26は直径が異なる、すなわち半球25は小さい直径D1を有し半球26は大きい直径を有する。
【0062】
さらに、図5において、ビーム27が概略的に表現されている。ビーム27は平行ビームとして小半球25に向かっている。ここで、直径D1およびD2は、半球25の曲率によってビームを集中させ、それによって焦点が半球26の球面上に存在するよう調節される。この球面で、そのビームはそれ自体が逆反射され、その結果、正面の半球を通って逆反射体19を離れるので入射するビーム27と実質的に一致する。
【0063】
中心30周囲での回転はあっても半球25、26の屈折面および反射面の幾何学的な配置はいずれも変化しないので、入射ビーム27は逆反射体19に対する自身の方位とは無関係に実質的にそれ自体が反射されて戻る。
【0064】
2つの半球25、26の間に液晶層を配置する。液晶層はコンピュータ67によってコネクタ29を介して第一、第二の状態間での切り替えが可能である。第一の状態では、その層28が放射線27に対し透明であるため、逆反射体19もそれに応じて機能を満たす。第二の切り替え状態では、層28は放射線に対し実質的に透明ではないため、逆反射体はそれに応じた機能を示さない。したがって、逆反射体19はコネクタ29を介して切り替え可能である。
【0065】
図2は、エミッタ−レシーバアセンブリ18および3つの逆反射体の配置を再度空間的に詳細に示すもので、3つの逆反射体は19、19‘、19“として表されている。位置測定システム22はアセンブリ18のエミッタ出口表面と、逆反射体19、19‘、19“のそれぞれの中心30との間の距離を干渉計を用いて検出する。
【0066】
座標x、y、zでの3つの逆反射体に対するエミッタ−レシーバアセンブリ18の位置は、検出された3つの距離から導き出される。
【0067】
図3に、2つの物体の相対的な位置を測定するための、図2のシステムに類似のシステムを示す。しかしながら、そればかりではなくて、2つの物体の方位も検出可能である。図3に示されているシステムは図2に示されるシステムに相当するが、ツール16の側にエミッタ−レシーバアセンブリ18ではなく同様のアセンブリ18、18‘、18“が装着板31上に設けられている点において異なる。この装着板31はツール16表面に固定的に装着されている。3つのエミッタ−レシーバアセンブリ18、18‘、18“は共通の直線状に存在しないように互いに固定した距離をもって配置されている。したがって、3つのエミッタ−レシーバアセンブリ18によって、一平面をツール16の側で拡張するかまたは規定する。その場合、その方位は加工品台3の側に配置されているそれら3つの逆反射体によって拡張される平面に対して測定可能である。すなわち、逆反射体19に対する板31の位置を表す座標x、y、zとは別に、角度α、β、γを測定でき、それに関して、板31を逆反射体19の平面に対して傾斜させる。
【0068】
また、図3のシステムにおいて、エミッタ18、18‘、18“はそれぞれ角度範囲に放射線を放射する。その角度範囲は、3つの反射体19に対して板31を移動させた後でも逆反射体19が角度範囲に配置され続けるように非常に大きくなっている。
【0069】
相対的な位置および方位を特徴づけるパラメータx、y、z、α、β、γを測定するには、原則として、それらの地点間の少なくとも3つの距離を計測することが必要である。それはツール16で、また加工品台3で測定される。たとえばそれは、エミッタ18が3つの反射体19、19‘、19“から得る3つの距離であり、また残り2つの距離はエミッタ18‘が2つの反射体19と19‘から得たり、またエミッタ18‘が反射体19から得る距離である。6個所について計測された距離より、上記6つのパラメータx、y、z、α、β、γが測定される。このための明白かつ絶対的な解法はないので、所望のパラメータの測定は従来、ガウス−ザイデル法等に従い反復して行われる。そのような反復的な評価は、かなりの計算時間を要する。
【0070】
今回、パラメータx、y、z、α、β、γを非反復的な方法で計算しようという試みにおいて、しかしながら、その計算は9つの距離に基づいて実施される。それらの距離はツール16側の所定の少なくとも3地点と、ツール台3側の3つの地点との間で計測される。これはつまり、ツール16側の各エミッタ18、18‘、18“とツール台3側の各逆反射体19、19‘、19“との間でそれぞれとり得る距離が、まずシステムによって測定されることを意味する。
【0071】
以下に、評価のプロセスを示す。ここで、以下の省略形が導入される。
【0072】
【数1】
【0073】
(数1)は、板31上で測定された座標システムにおけるエミッタ−レシーバアセンブリ18、18‘、18“のそれぞれの座標、換言すれば、ツール側の座標システムを示す。
【0074】
これに対応して(数2)は、加工品台3の座標システムにおける、3つの逆反射体19、19‘、19“それぞれの中心の座標を記述したものである。
【0075】
【数2】
【0076】
アセンブリ18、18‘、18“と3つの逆反射体19、19‘、19“との間で計測された9つの距離は、以下のように表される。
【0077】
【数3】
【0078】
反射体19、19‘、19“同様、エミッタ18、18‘、18“もそれぞれエミッタ自体の共通の平面に配置されているので、以下の数式を選択することが可能である。
【0079】
【数4】
【0080】
反射体19の座標システムの起点をBOで示し、3つのエミッタ18の起点をPOで示す。その結果、加工品台3に対するツール16の位置を変換ベクトルによって表すことができる。
【0081】
【数5】
【0082】
【数6】
【0083】
ここで、(数6)は加工品台3の座標システムかまたはツール16の座標システムに関するベクトルを示す。
【0084】
さらに、回転マトリクスによって2つの座標システムの相対的な方位を表すことが可能であり、それは以下のように表現される。
【0085】
【数7】
【0086】
計測された距離d1…d9からベクトル→TおよびマトリクスROTを測定するために、まず、以下の等式システムを解明しなければならない。
【0087】
【数8】
【0088】
計算の途中で転置されるマトリクスAは、d1…d9の距離とは無関係で、自身の座標システムにおけるエミッタ18の座標および同様に自身の座標システムの反射体19の座標に依存する構成要素のみを含むことが、ここで立証される。マトリクスAとして考えられる選択を以下に挙げる。
【0089】
【数9】
【0090】
実行すべき計算の範囲内ではマトリクスAのみが転置され、それに含まれるのが計測された距離とは無関係な振幅のみであることから、このマトリクスは実際の距離計測前に立証・転置が可能である。
【0091】
計測された距離はベクトルLに入るに過ぎない。これは、実際の距離計測では転置済みのマトリクスで乗法のみを行うもので、この乗法は、比較的敏速に実行され得る。上記のマトリクスAの変換において、ベクトルLに関して以下のステートメントを選ぶことができる。
【0092】
【数10】
【0093】
ベクトルLはベクトルL1およびベクトルL2で順に因数分解できる。ベクトルL1も計測された距離とは無関係である。ベクトルL2は計測された距離の二乗を構成要素として含む。ベクトルL1は、実際の計測に先立って順に計算してもよい。その後、距離計測の評価のために、L2をL1から減算してベクトルLを得るだけでよい。
【0094】
マトリクスAの右側からのベクトルLの乗法の結果qは、前述のステートメントになる。
【0095】
【数11】
【0096】
したがって、加工品台3を考慮した場合のツール16の変換は、以下の数式の結果となる。
【0097】
【数12】
【0098】
回転マトリクスのエレメントr31およびr32は以下のように測定される。
【0099】
【数13】
【0100】
それから、その回転は以下のように表現可能である。
【0101】
【数14】
【0102】
上記より、x−、y−、およびz−軸周囲の水平旋回(horizontal swing)の角度α、β及びγは以下のように測定することができる。
【0103】
【数15】
【0104】
この評価方法を、図16を参照しながらもう一度説明する。
【0105】
まず、エミッタ18または反射体19の座標→F1…3、→R1…3をそれぞれ、工程35それ自体の座標システム中で検出する。工程36では、上記マトリクスAが創成処理されまた共役型マトリクスA*が生成される。
【0106】
工程35および36は一連の連続的な計測の前に行われるため、それに対応する強力なコンピュータの作業を、一連の計測および個々の計測の評価の間に行う必要は無い。
【0107】
計測は、工程37の、9つの距離d1…d9の検出から開始される。
【0108】
次に、工程38でベクトルLを生成し、A*およびLの積からベクトル→q=A*→Lが測定される。ベクトルqより、回転マトリクスの残りのエレメントが工程39で測定され、工程40では変換x、y、zおよび回転角度α、β、γが測定される。これはつまり、その後、加工品台3に対するツール16の方位のみならず位置が既に測定されていることを意味する。
【0109】
工程40の終了後、工程37で更新された距離計測が続行される。
【0110】
図4に、距離d1…d9を測定するための干渉計システム41を概略的に示す。このシステムは、スーパールミネセントダイオード等の白色光源43によって形成してもよい。しかしながら、放射線の強度を高くするという観点より、ファイバ光源の使用が好ましい。これは、光学的に励起された光伝導性ファイバによって得られるもので、そのファイバは、内部での自然発生的な放射が一層起こるようにドープ処理される。そのようなファイバ光源は、WLS−02という商品として、AMSテクノロジーズ・オプトテック・ディビジョン(AMS Technologies-Optotec Division, 82152 Martinsried/Munich)から購入可能である。しかしながら、光源43として、チタンサファイヤレーザ等のフェムト第二レーザ(Femto second laser)といった短パルスレーザを使用することもできる。放射源43から放射される光は光伝導ファイバ45または光学ファイバ45を介してファイバカプラ47に供給される。光カプラ47はその光を計測ブランチ49と基準ブランチ51に供給する。計測ブランチ49にはその光がファイバカプラ47からファイバ導体53を介して供給され、コンピュータ67は、エミッタ−レシーバアセンブリ18、18‘、18“のいずれか一つにその光を選択的に供給するスイッチを、制御可能な光学切り替えスイッチ55へ提供する。エミッタ18、18‘、18“はそれぞれ角度範囲内に光を放射し、その結果、放射光が3つの反射体19、19’、19“に衝突してそこで反射され、エミッタ−レシーバアセンブリに戻る。後者により受光された光は光導体53を介して順番にファイバカプラに送られる。
【0111】
基準ブランチ51では、光がファイバカプラ47から光導体57を通って可変光路長gを提供するためのデバイス60に供給される。そのデバイスは、ファイバ47の端部正面に配置された視準オプティックス59を含み、その視準オプティックス59は供給された光を、オプティックスから見ての可変距離gのところに配置された反射鏡61表面に向ける。反射鏡61で反射されて戻った光は、そのオプティックス59によって光誘導ファイバ47に結合され、再度ファイバカプラ47に供給される。
【0112】
ファイバカプラは計測ブランチ49または基準ブランチ59からファイバ53および57を介して供給される光をそれぞれ重畳し、光伝導ファイバ63を介して放射線センサ65に供給する。
【0113】
計測ブランチ49の光路長が基準ブランチ51の光路長と合致する場合は、放射線センサ65は増加した放射強度を記録する。計測ブランチ49の光路長は、ファイバカプラ47と反射体19、19‘、19“の一つとの間の光路長によって与えられる。基準ブランチ51における光路長は、ファイバカプラ57と反射鏡61との間の光路長によって与えられる。
【0114】
計測ブランチ49では、エミッタ−レシーバアセンブリ18、18‘、18“と3つの反射体19、19‘、19“の間の9つの距離に対応して、一般に9つの異なる光路長が提供される。得られる範囲に重なるよう長さgを連続的に変えることで、強度増加がセンサ65によって9回検出可能である。計算機67は、その後、相当する強度の増加が起こる長さgから、エミッタ−レシーバアセンブリと逆反射体からなる対間の距離を検出することができる。ここで、最初はどのエミッタ−レシーバアセンブリと逆反射体の対間でこの距離が分かるのか完全に明らかではない。しかしながら、アセンブリ18および反射体19のあらかじめ決まっている位置および方位など、追加のデータを追加の情報として利用することが可能である。しかしながらまた、切り替えスイッチ55を起動させるおよび/または逆反射体のLCDシャッタ28を起動させることによりこれらの逆反射体の一つだけを起動させることでエミッタ−レシーバアセンブリの一つだけに放射線を供給することも可能である。そうすることで、センサ65によって記録された強度増加を、一対のエミッタ−レシーバアセンブリと反射体に正確に指定することができる。切り替えスイッチ55はLCDシャッタ28同様、コンピュータ67によって制御される。コンピュータ67はまた、基準ブランチ51の長さgを変化させるドライブを制御するので、距離d1…d9を検出する上ですべての情報はコンピュータ67にアクセス可能である。後者より、図16に関連する上記の方法にしたがって、その後コンピュータがエミッタ−レシーバアセンブリ18と反射体19の相対的な位置および方位を測定する。
【0115】
引き続き、図4関連で説明した干渉計システムの代わりとなるものを提示する。ここで、対応する機能を有する構成要素には図1〜図4と同じ番号が付いているが、それらは追加の文字で区別される。説明のために、記載は前記と完全に一致させている。
【0116】
図6に示されている干渉計システム41は、白色光源43aを含み、その放射線は光導体45aよりファイバカプラ47aに供給され、ファイバカプラ47aは放射線を光導体57aを介して基準ブランチ51aに供給する。基準ブランチ51aには、可変光路長を提供するためデバイス60aが配置されている。
【0117】
デバイス60aは、視準オプティックス59aを含む。これは半透明の板71を通ってファイバ57aの端部を射出する放射線を反射鏡61aに向けるもので、これを通って放射線が反射されてファイバ57aに戻り、また反射鏡61aはコンピュータ67aによって制御されるドライブ73により変更可能である。しかしながら、ファイバ57a端部から放射される放射線は半透明反射鏡71aによって2本の部分ビームに分割される。その中の第一ビームは、半透明反射鏡71aによって直接反射されファイバ57aに戻る。第二部分ビームは、第一部分ビームとは異なって半透明反射鏡71aを貫通し、gの二倍の追加路長を通過する。その後、第二部分ビームは反射鏡61aで反射されてからてファイバ57aに結合する。したがって、ファイバ57aを通ってファイバカプラ47aに戻る放射線は可干渉性構造を備えており、互いに2・gの距離をもって配置されている波列は互いに可干渉性である。
【0118】
ファイバカプラ47aは基準ブランチ51aから光導体74を通って計測ブランチ49a、さらにはファイバカプラ75に戻る放射線を誘導する。ファイバカプラ75後に計測ブランチ49aに切り替えスイッチ55aを設けることにより、光導体77によって、放射線をエミッタ−レシーバアセンブリ18、18‘、18“に提供する。それらエミッタ−レシーバアセンブリは、図6には示されていないが逆反射体に向けて放射線を放射する。逆反射体で反射されて戻る放射線は順番にエミッタ−レシーバアセンブリ18aに結合されファイバカプラ75と光伝導性ファイバ79を介して放射線センサ65aに供給される。放射線センサ65aの計測信号がライン81を介してコンピュータ67aに提供される。
【0119】
したがって、計測ブランチ49aにおいて、逆反射体で反射されて戻った放射線はファイバカプラ75まで伝わり検出器65aに衝突する。逆反射体で反射され戻る放射線に加え、放射線の別の部分が存在するようになる。これは検出器65aの方向に伝わり、その放射線の部分はそれぞれファイバ77、77‘または77“の端部78、78‘、78“での反射により計測ブランチ49aの中に生成される。したがって、ファイバ端部78での反射によって生成される部分ビームと逆反射体での反射によって生成される別の部分ビームとの間で、固定した可干渉性の関係が存在するようになる。その経過は、デバイス60a関連で説明した2本の部分ビームの場合に類似している。今回、ファイバ端部78と逆反射体との間の光路長が光路長2・gと等しいとすれば、デバイス60aに関して述べたように、放射線センサ65aが強度の最大値を記録する。後者を通して、相当するファイバ端部78またはエミッタ−レシーバアセンブリ18a間の距離がそれぞれ直接測定可能である。
【0120】
図6はまた、エミッタ−レシーバアセンブリ18a、18a‘、18a“のいずれか一つに選択的に放射線を供給するために計算機67aによって制御される切り替えスイッチ55aを示す。しかしながら、代替案として、エミッタ−レシーバアセンブリと逆反射体の間のビーム路にチョッパホイール81を設けることも可能である。チョッパホイールはコンピュータ67aにより制御されているモータ83によって軸85の周囲を回転可能に配置されているので、チョッパホイール81のウィング86がエミッタ−レシーバアセンブリ18aまたはエミッタ−レシーバアセンブリ18a’によって放射される放射線を選択的に遮ることができる。
【0121】
図7に示される干渉計システム41bは、図2のエミッタ−レシーバアセンブリ18と一緒に配置されており、3つの逆反射体が2つの物体の相対的な位置を測定するために揃えられている。図7では、1つの逆反射体のみが示されている。しかしながら、3つのエミッタ−レシーバアセンブリを備え2つの物体の相互の方位を測定するためにこれを揃えるような方法で、干渉計システム41を一部変更することも当然可能である。これは図3に示されている。
【0122】
干渉計システム41bは白色光源43bを備える。同システム41bは、システムにより逆反射され放射源に戻る放射線から放射源43bを保護するために、光学アイソレータ84を介して残りのシステムに放射線を供給する。
【0123】
ガラスファイバ45bおよび視準オプティックス59bを介して、放射源43bから放射された放射線が可変光路長を提供するデバイス60bに供給される。このデバイス60bは、図6のデバイスとは異なり、反射ではなく透過の作用がある。このために、デバイス60bは2枚の半透明反射鏡71bおよび72を含み、その反射鏡間の距離gはモータによって変更できる。反射鏡71bおよび72を通って放射線が2本の部分ビームに分割される。すなわち、一方の部分ビームは2枚の反射鏡71bと72を直接的に貫通し、別の光学システム87によって光導体74bに結合される。この光学システム87は、放射線を計測ブランチ51bまで誘導する。第二の部分ビームは第一反射鏡71bを貫通し反射鏡72で反射されて反射鏡71bに戻り、再度そこで反射されてから反射鏡72を通り抜けて光学システム87を介してファイバ74bに結合される。第一の部分ビームとは異なり、この第二の部分ビームは光路長2・gに相当する遅延を有する。
【0124】
図7に示す干渉計システム41bのさらなる構造は、図6に示す干渉計システムと概ね類似している。すなわち、2本の部分ビームがファイバカプラ57bおよび光伝導ファイバ77bを介してエミッタ−レシーバアセンブリ18bに供給され、そこから反射体19bに放射される。反射体19bから反射されて戻る放射線は、ファイバ77bに再度結合され、光導体79bを介して放射線センサ65bに供給される。
【0125】
エミッタ−レシーバアセンブリ18bはさらに、ファイバ77bの端部に結合されたGRINレンズを備えているので、必要な角度範囲に放射線を放射することができる。レンズ89の出口表面90は、センサ65bまで直接誘導されて戻る逆反射を生成するよう部分的に鏡面処理されている。センサ65bはその後、デバイス60bの反射鏡71bと72間の長さgが反射体19b間の距離dと実質的に一致するときに、増加した強度信号を検出する。
【0126】
図9に、計測信号Iの過程153を示す。それは反射鏡71bと72間の相対的な距離gに基づいて放射線センサ65bによって得られるもので、ここでは反射体半球19bとエミッタ−レシーバアセンブリ18bとの間の距離dが一定であると推定される。距離dとgが同一である(g−d=0)場合、最大干渉信号Iとなる。g−d=0の最大値の両側で、計測信号は揺動的に減少する。
【0127】
距離dを正確に計測するために、ここで、干渉信号が最大値のところで距離gを検出する必要がある。一例として、図9に計測信号153を覆う破線で記入されているエンベロープ151を評価しエンベロープ151の最大値を検出することが可能である。この方法は、十分な精度をもって距離dの計測を可能にするという目的を果たす上でほとんどの場合十分である。
【0128】
より正確ではあるが計算の手間が余計にかかる方法では、計測曲線153の複数の最大値155と複数の最小値157を局限し、それによってそこから図9の水平軸のゼロ点、すなわち、強度最大値の正確なポイントを見つけることができる。これは、たとえば、そのゼロ点が2つの最低最小値157と3つの最高最大値155から得られる中間値として検出されれば可能である。これ以外にも、過程153内のゼロ点を探す評価法を用いることができる。
【0129】
図8に記載されている干渉計システム41cは、図7に示す干渉計システムと実質的に同じ構造を備える。しかしながら、計測ブランチ51cから戻る放射線が放射線部75cおよびそれに接続された光伝導ファイバ79cを介して光センサ65cに直接供給されているのではないという点で区別される。このシステムでは反対に、検出器65cに向かって光伝導ファイバ79cを伝わる放射線が別のビームスプリッタ93によって分割されて2本の光伝導ファイバ94と95になる。そのファイバ端部96および97は互いに所定の距離aをもって配置されファイバ内に含まれる放射線を光検出器65cに向けて放射する。光検出器65cはここでは位置設定解像ライン検出器として形成され、ファイバ端部96、97から一定の距離をもって配置されている。ファイバ端部96と97から、放射線が球面波としてコーン98と99内をライン検出器65に向けて放射され、ファイバ端部96と97の間および検出器65cの間にそれぞれ、円柱レンズ100が、放射線を検出器のライン方向とは反対方向に検出器上に集光させることができるように検出器65cのライン方向に平行になるような方位で配置される。
【0130】
データライン81cを介して、コンピュータ76cは強度最大値または強度最小値がそれぞれにライン検出器65cに出現するこれらの地点を検出する。
【0131】
可変光路長を提供するデバイス60cの長さgおよび、エミッタ−レシーバアセンブリ18cと逆反射体19cとの間の距離dが完全に等しければ、検出器65c上に強度最大値が存在することになる。これは2本のファイバ94と95の長さが等しい場合、その最大値の地点は、2つのファイバ端部96と97に対し左右対称に配置される。しかしながら、長さgと距離dとの間にわずかでも差があるときは、相当する強度最大値はファイバ端部96、97について左右対称に配置されたその地点から移動する。このことは、図8の地点Xによって概略的に表されている。左右対称地点からの移動の程度は、2つのファイバ端部96、97の相対的な距離a次第で維持され、ファイバ端部96と97の距離が小さくなれば、程度が大きくなる。
【0132】
3つの逆反射体19cがエミッタ−レシーバアセンブリ18cより別々の距離dで配置されている場合、互いに隣接して配置されている複数の強度最大値がライン検出器上に存在するようになる。このことは同時にコンピュータ67cで検出可能である。したがって、コンピュータ67cは距離gを変更することなく、またその結果可変光路長を提供するデバイス60cのドライブを作動させずに、アセンブリ18の反射体の複数の距離dを同時に検出することができる。
【0133】
また、図8には示されていないが、ファイバ端部96と97を装着するデバイスを備えてもよい。そうすれば、コンピュータ67cからの距離aを、モータ制御によって変化させることができる。別々の距離dが互いに少々異なる場合、小さい距離aを調整し、それによって距離計測の解像度を向上させる。別々の距離dが互いにかなり異なるのであれば、小さい方の距離aの場合に相当する強度最大値が同時に検出器上に存在しないため、距離aが増加して低い解像度でそれらの距離を同時に検出できるようになる。
【0134】
図1より明らかなように、コンピュータ67および干渉計システム41の構成要素の大部分がマシンツール1の傍に配置されている。干渉計システム41の一部、つまりその計測ブランチのみが、マシンツール1の上に配置され、それによって計測放射線がエミッタ−レシーバアセンブリ18に供給される。このため、光伝導ファイバ53がマシンツール1のフロアに固定的に接続されたベース7に入射する。ここより、放射線が可動アーム9を通りまた光導体によってエミッタ−レシーバアセンブリ18までも誘導される。ここで問題が生じる。すなわち、従来のワンモード光導体によって移動したアーム9にビームを誘導する場合、その光導体の移動が複屈折性の変化を引き起こし、偏光次第ではこれが光導体の光路長の変化を再度引き起こす。そのような状況では光導体中でもそこに誘導された光の偏光条件の変化が生じるので、レシーバからエミッタに向けて戻る方向に光導体内を通過する際に、位相差、すなわち、偏光の2方向の間での位相差が起こり得る。それはつまり、片方の条件の偏光光と、もう一方の条件の偏光光とが干渉計システム内でのその後の放射線処理において互いの干渉を相殺することも有り得るということである。したがって、マシンツール1の移動部分での放射線を従来のワンモード導体で誘導するのではなく、目的に合った偏光維持光導体を使用するようにする。
【0135】
これは図10に簡単に示されている。図10に破線で描かれている箱型1は、マシンツール1全体を象徴的に表したものである。すなわち、箱型1は干渉計装置41の残りの構成要素との比較において同様に移動している部分を含む。破線で描かれた箱型7は、マシンツール1のベースを象徴的に表すもので、同ベースは干渉計装置の残りの部分と比較すると静止している。放射線は、光導体53を介してその静止ベース7に供給される。ファイバカプラ101がベース7に設けられ固定的に接続されており、光導体を介して偏光維持ファイバ103の一端部102に供給される放射線を結合する。次に、ファイバ103は、移動したアーム9の一部分と固定的に接続されたエミッタ−レシーバアセンブリの移動したアーム9内に放射線を供給する。このアセンブリは、ファイバ103の物体側端部105に結合されている。
【0136】
アセンブリ18は放射ビーム111を形成する視準オプティックス109を含む。視準オプティックス109の正面に、1/4波長板113が配置され、オプティックス109を離れた後のビーム111がそれを通過する。ビーム111は反射体19で反射され、1/4波長板113を通過して、視準オプティックス109を介して偏光維持ファイバ103に再度結合される。反射体19で反射されて戻った放射線は伝導体103を通過し、インターフェイス101でファイバ53に結合して干渉計システム41の残りの構成要素のところに到達し、さらに先に進む。
【0137】
偏光維持ファイバ103のファイバ端部102に入る際に、ファイバ53によって供給された非偏光光が偏光の2方向に分割され、もう一方のファイバ端部105に至るまで、別々の偏光経路でファイバ103によって送られる。ここで、一つの偏光経路からもう一方への混線は実質的に起こらない。2つの偏光経路の一つによってファイバ103を通って送られる放射線構成要素は、1/4波長板113を二度通過するため完全な偏光回転を受けるので、ファイバ103を通っての帰路で、もう一方の偏光経路を通過する。逆に、入射光の第二偏光構成要素は同じ所に至る途中で第二偏光構成要素をまず通過し、後に帰路で第一偏光経路を通過する。
【0138】
光導体53を介して供給される再偏光放射線の双方の偏光構成要素はこのように一方の偏光経路ともう一方の偏光経路とを順番に通過する。たとえこれら2つの偏光経路が、偏光維持光導体103において互いに異なる光路長を提供するとしても、全体としてみれば、それらはなお、光導体103を通って実質的に同一の完全な光路の双方を通過しているのである。したがって、それら2つの偏光構成要素間にも位相差は実質的に存在せず、そのような位相差によって生じる前記信号の相殺は、マシンツール1の動作部品で偏光維持ファイバ103を使用すれば起こらない。
【0139】
ある状況で距離センサと接続して偏光維持ファイバを使用するという上記のコンセプトは、2つのファイバ端部102と105が相対的に移動している場合、その距離センサに限定されない。別のタイプのセンサで使用することも可能であり、その場合、光は光導体を介してセンサヘッドに供給され、また同じく後者より戻ってさらに評価される。これは汎用タイプのセンサでもよく、その場合、戻った放射線が適切な媒体、表面またはサンプルボリュームによってレシプロケーションに入射し放射線特性が変化してから、同光導体を介して放射線が戻った後で分析される。これは圧力センサ、張力センサ、温度センサ、電界または磁界センサ、または、化学薬品等の存在を検出するセンサであってもよい。
【0140】
さらに、このコンセプトは、ビームを供給および放出する手段にも適用可能である。そのような手段では、放射線供給光導体103または放射線放出光導体103はそれぞれ、その位置が移動するだけではない。その他にも、従来のワンモードファイバでは信号障害につながるような環境的影響が存在する。たとえば、圧力、温度、強い電界や磁界、化学薬品の影響などである。偏光維持ファイバ103はそのような環境の影響については概ね安定している。したがって、このコンセプトはまた、光学センサを使用する際に用いることができ、その場合、放射線供給・放射線放出光導体はそれぞれ、温度、圧力などの影響によって信号の伝達に影響を及ぼし得る一定の雰囲気を貫通する。
【0141】
図11は、可変光路長または可変光遅延を提供するデバイスの上面図である。それらはそれぞれベルトスキャナ201の形態となっている。図12は、ベルトスキャナ201の一部側面図である。ベルトスキャナ201は2つのベルトプーリ203と204を含み、それらは直径Dが等しくそれぞれの回転中心205と206が所定の距離eをもって互いに平行に配置されている。2つのプーリ203と204の上面は共通の平面内にあり、リングベルト209はその2つのディスクまたはプーリの円周面の周囲で先導されている。リングベルト209の長さおよび2つの回転中心205と206の距離eは、その円周方向でベルト209が機械的張力を受けてプーリ203、204の円周面と反対向きに固定されるように調整されている。プーリ203は、図11に示されていない1つのモータのようなモータによって回転中心205周囲を、213として示した一方向に駆動可能である。その結果、ベルト209およびもう一方のプーリ204も同一方向に駆動される。
【0142】
ベルトスキャナ201の他の動作範囲215は、後者がプーリ203からプーリ204へと方向213に沿って直線的に延びているベルトのエリアに形成されている。この範囲内で、ベルトはプーリ203と204の円周表面に共通の接線に沿って延びている。
【0143】
4つの反射鏡装置217がベルト209上に固定され、それらはそれぞれ互いに等距離をもってベルト209の円周方向に配置されている。図11では、217‘として表記されている反射鏡装置が動作範囲215に配置されている。この反射鏡装置217‘を除いては、動作範囲にそれ以上の反射鏡装置217は存在しない。
【0144】
ベルトプーリ204の他に、台219が回転中心205と206に対し固定された状態で配置され、これがビーム誘導デバイス221、さらに反射鏡装置223を支持する。
【0145】
光導体225は光源からビーム誘導デバイス221に放射線を供給する。ビーム誘導デバイス221は図11、12には示されていない視準オプティックスを備え、それによって動作範囲215のベルト209の方向に平行な平行光ビーム227を放射する。その結果その光ビーム227は動作範囲215に配置された反射鏡装置217‘表面に衝突する。反射鏡装置217‘において、ビーム227はそれ自体の方向に対し45゜で配置された反射鏡229に衝突し、反射鏡229はビーム227を90゜だけ偏向させて、反射鏡229に対して90゜の角度を持つ別の反射鏡にビーム227を誘導する。2枚の反射鏡229および231は、ビーム227を元のビーム方向と平行に逆反射するが一方でそれとは平行な方向233にずらす反射体233として作用する。その結果、そのビームは、ビーム誘導デバイス221に対し固定的に配置された反射鏡装置223表面に衝突する。その方向233は、動作範囲215のベルト209の動き213に対し直角で、なおかつ動作範囲215のベルト209の上面に対し平行に方位付けされる。
【0146】
ビーム235はまず2つの反射鏡表面237および239によって形成される反射体241に衝突する。その反射体はビーム235を反射して反射鏡装置217‘に対しずれた方向233にさらに戻す。ここで、互いに90゜の角度で配置された2枚の反射鏡表面をも備えたさらに別の反射体245によってビーム247として反射鏡装置223に向かう方向に再度反射され戻る。ここで、ビーム247は2枚の反射鏡表面で形成されたさらに別の反射体249に衝突する。この反射体は再度ビームをずらして平行に偏向させ、ビーム251として反射体装置217’に向けて誘導する。ここで、ビーム251は、3対の反射鏡で構成された逆反射体253に衝突する。各対の反射鏡表面は互いに垂直なので、ビーム251を正確に内部で逆反射する。逆反射体253によってそれ自体が逆反射されたビームはその後反射体249、245、および231に連続的に衝突し、その結果再度ビーム誘導デバイス221の視準オプティックスに結合する。
【0147】
ベルト209上に装着された反射鏡装置と固定的に配置された反射鏡装置223との間で何度も反射されて行き来するので、ビームはビーム誘導デバイス221によって放射されまたそこへ再入射される間に光路を伝わる。これは、配置されている2つの反射鏡装置217‘と223との相対的な距離cの10倍を超える程度の距離に相当する。
【0148】
その反射鏡装置217‘が動作範囲215の最初から最後まで動く場合は、そのビームの光路長は、ビーム誘導デバイス221からの射出または入射の間に、その動作範囲215の10倍の長さに相当する値だけ変化する。
【0149】
最大リフト、すなわち、ベルトスキャナ201の光路長の最大変化は、したがって、2本の軸205および206間の距離eの10倍に相当する値を有する。
【0150】
反射鏡装置217‘が動作範囲215に配置されるのであれば、ベルト209が方向213に動く際に次に動作範囲215に到達する反射鏡装置217“は、先行する反射鏡装置217’がちょうど動作範囲を離れたときに動作範囲に正確に配置される距離を持っている。そのような状況が、破線で図11に示されている。図11では反射鏡装置217‘はちょうど動作範囲215を離れたところで参照番号257をもって示され、反射鏡装置217”は、動作範囲215に入った直後に参照番号258をもって示されている。
【0151】
反射鏡装置217‘を方向213に移動させると、反射鏡装置217’は動作範囲215を離れた後でプーリ204周囲の円路に沿って動く。これはつまり、所定の時間内は、反射鏡装置217‘は動作範囲215を離れた後も、ビーム227に幾何学的な陰を落し続けるので、光学スキャナ201でのビーム誘導が遮られる。この間、光学スキャナ201は光路長を提供することができない。これは、デバイス201の装荷率が1未満になる原因であるむだ時間である。このむだ時間は、しかしながら、遅延した光学信号を評価する電子デバイスを後退させたり、またはその他のスイッチング操作を実施するのに利用可能である。
【0152】
反射鏡装置217‘がその後ディスク204の周辺から十分離れるや否や、反射鏡装置217’はビーム227を再度放出し、その結果そのビームは、反射鏡装置217‘について既に述べたように、反射鏡装置217‘の後を追っている反射鏡装置217“に衝突して正確に反射されて戻る。
【0153】
陰に起因するむだ時間によって得られる完全な偏向が利用可能になるよう、換言すれば、最大可変光路長を利用できるようにするために、ベルト209の円周方向に連続している反射鏡装置217間の距離を、得られる偏向より幾分大き目になるよう調整する。図11および12に記されるベルトスキャナ201の場合、これは、ベルトプーリ203と204の直径Dが165mmになるよう選択し、ディスク直径に対する軸距離eの比率e/Dが1.34になるよう選択することで実行される。
【0154】
本実施態様のベルト209は、アンバー鋼のスチールバンド、つまり、熱膨張率が小さい鋼である。さらに、スキャナ201では、210として示す少なくとも1つの誘導デバイスがさらに設けられており、このデバイスはベルトを少なくともプーリ203と204の軸方向に誘導し、それによってベルトがプーリ203と204周囲に安定した位置で動く。そのドライブは、ベルトプーリ203を、ベルトが1秒につき10メートルの速度で円周方向に動くような速度で駆動する。
【0155】
図13および14では、可変光路長を提供するデバイスの変更例が示されており、それは螺旋状スキャナ301として示されている。
【0156】
螺旋状スキャナ301は光ビーム303を供給される。光ビーム303は最初に第一偏光ビームスプリッタ305を通過しその後第二偏光ビームスプリッタ307を通過する。これらビームスプリッタはそれぞれ一直線上にある。1/4波長板309を通過した後、ビームはそれら2つのビームスプリッタに対し固定的に配置された反射鏡311に衝突し、そこでその反射鏡311がビームを約90゜で偏向させることによって、ビームは回転中心313に平行に進む。反射鏡311での反射後、ビームは視準レンズ315を通過する。この視準レンズは、回転中心313上、図13では上方にビームが延びていくようにビームを形成する。
【0157】
螺旋状スキャナ301はさらにアセンブリ316を含む。これは相対的に固定された空間的関係を有する以下の構成要素からなる。すなわち、偏向反射鏡317、平板反射鏡319および円柱レンズ321である。アセンブリ316は軸313周囲で回転可能に配置され、図13や14には示されていないドライブによって回転するよう形成される。
【0158】
螺旋状スキャナ301はさらに螺旋状反射鏡323を含む。その反射鏡表面は、回転中心313周囲を螺旋状に延びている。
【0159】
回転アセンブリ316の偏向反射鏡317は回転中心313上に配置されるので、視準レンズ315を離れるビームを螺旋状反射鏡323の反射面上に向けて90゜偏向することができる。ここで、そのビームは偏向反射鏡317で偏向され螺旋状反射鏡323に衝突する間に円柱レンズ321を通過する。螺旋状反射鏡323に衝突した後、ビームは反射されて回転アセンブリ316の平板反射鏡319に向かう。平板反射鏡319は衝突するビームに対し常に直角となるよう配列されているので、それ自体がビームを螺旋状反射鏡323に送り返す。後者より、ビームが今度は、再び反射され円柱レンズ321を通過後に偏向反射鏡317に戻る。偏向反射鏡は回転中心313上のビームを、下方に延びるよう方向付ける。戻るビームはその後、視準レンズ315を貫通し、反射鏡311によって偏向され、1/4波長板309を通過し、偏光ビームスプリッタ307によって90゜偏向されてから、さらに別の90゜偏向反射鏡325に衝突し、ビーム形成アセンブリ327を貫通し、さらに別の90゜偏向反射鏡329によって偏光ビームスプリッタ305に供給される。偏光ビームスプリッタ305は戻るビームを配列させ、そのビームが入射ビーム303と実質的に共直線的に延びるようにする。
【0160】
アセンブリ316の回転位置によっては、螺旋状スキャナ301は異なる光路長を提供する。これを再度図14で説明する。図14には、回転アセンブリの回転の2つの位置が示されており、平板反射鏡310が、回転の一方の位置では319‘、回転のもう一方の位置では319“として示されている。
【0161】
螺旋状反射鏡323の形状は対数螺旋となるよう選択されているので、円周角ψによっては、回転中心313から反射鏡表面までの距離は以下の等式を満たす。ここで、r0は反射鏡表面323と軸313との間で得られる最小距離である。
【0162】
r(ψ)=r0 exp (ψ cot Ψ)
ここで、コタンジェントΨが一定なので、角度Ψも一定である。角度Ψは図13に示されており、螺旋状反射鏡323に衝突するビームとその反射鏡323の螺旋での接線335との間の角度を指す。
【0163】
角度Ψが回転中心313周囲のアセンブリ316の回転位置とは無関係であるため、角度が同じであればビームは常に螺旋状反射鏡323の表面に衝突し、その結果常に同じ角度で偏向される。
【0164】
螺旋状反射鏡323に衝突するビームとそこで反射され戻るビームとの間の角度はθRとされ、これも回転位置とは無関係である。これはつまり、螺旋状反射鏡323で反射され戻るビームは平面反射鏡319に衝突するが、この平面反射鏡319もまた、角度が同じく90゜であれば通常、回転位置とは無関係であることを意味する。なぜなら、平板反射鏡319は、衝突するビームがそれ自体で反射されるように配列されているからである。反射鏡の形状として螺旋状を選択することによって、スキャナ301に入射するビームが実質的にそれ自体が逆反射されることが確実になる。
【0165】
螺旋状反射鏡323に衝突するビームがそのビーム方向とは反対に所定の広がりを持ち、螺旋状反射鏡323の表面がこのビーム方向に直角になるように方位付けられているのではないため、ビームは螺旋状スキャナ301に入ったり出たりを繰り返し、光路長は全体的なビームの断面を通して正確に一定ではない。これもまた、そこから生じる成果を制限する目的でビーム形成アセンブリ327を設ける理由である。ビーム形成アセンブリ327は拡散レンズ339、窓板341、および集束レンズ343を含む。
【0166】
回転アセンブリ316は動的に釣り合いが取れているので、回転速度が高く光路長に急激な変化があっても滑らかかつ正確に走行する。
【0167】
可変光路長を提供するための前記デバイス201および301は、可変光路長または調整可能な光学遅延がそれぞれ提供され得るあらゆる用途で使用できる。特に、干渉計デバイスおよびさらに好ましくは白色光干渉計での使用が可能である。好ましくは、上記図1〜図10関連で説明したように、デバイス201および301は、2つの物体の位置および/または方位を検出するシステムにも用いられる。
【0168】
図15に、図1に示されるマシンツールの代替案を示す。ここで、自動車403の製造用のアセンブリライン401を概略的に示す。その構造や機能が互いに相当する構成要素には、図1〜図10のものと同じ参照番号で示されているが、追加の文字が付いている。わかりやすいように、あらかじめその全体像について述べる。
【0169】
この場合に加工される加工品は自動車403であり、これは、トラック405も含む加工品台3d上をアセンブリライン401に沿って動く。その加工品を加工する目的で、4つのマシンツール1dが設けられる。これらはそれぞれのツール16dを用いて加工品403に加工を施す。ツール16dはそれぞれのマシンツール1dの分だけ比較的大きく移動している。ツール16dはそれぞれ3つのエミッタ−レシーバアセンブリを備えているが、それらは図15には示されていない。それらは、加工品台3dに対するツール16dの方位のみならず位置の測定に役立つ。それに付随する計測システムは同様に、支持体21dを介して加工品台3dに固定的に接続された複数の板20dを含む。板20dはそれぞれ3つの逆反射体19dを抱える。それらの逆反射体は、図1に示すように、ビームを反射してツール16d上に装着されたエミッタ−レシーバアセンブリに戻す。しかしながら、そのエミッタ−レシーバアセンブリは逆反射体グループ20dを1つだけ持つ各ツール16dで共動するのみならず、これに関しては、台21d上の所定の位置に装着されたそのような複数の逆反射体のグループの中から選ぶこともできる。接近可能な動作ボリュームでのツール16dの現在の位置によっては、加工品台3dに対するツール16dの一層正確な位置および方位が得られることが判明するかもしれず、その場合は特定の反射体グループ20dがその距離判定用として選択され、その反射体グループはツール16dに対し配置されるのが望ましい。
【0170】
複数の反射体アセンブリ20dがマシンツール1d周囲に配置されているので、各エミッタ−レシーバアセンブリの視野に常に反射体アセンブリ20dが存在し、その結果対応するツール16dについての距離が十分な精度で測定可能である。
【0171】
先の実施態様では、逆反射体に向かって角度範囲に放射線を放射し、その逆反射体から反射されて戻った放射線を受光する2つの機能を満足させるためのエミッタ−レシーバアセンブリが記載されていた。しかしながら、それぞれの機能のために別個の構成要素を設けることも可能である。たとえば、図3に示す実施態様を一部変更して、板31の中心にエミッタを1つだけ設け、また参照番号18、18‘、18“が付いた構成要素を放射線のレシーバとすることができる。その後で構成要素18、18‘、18“と逆反射体19、19‘、19“との間の9つの距離を測定することさえ可能である。
【0172】
しかしながら、それとは反対に、図3で18、18‘、18“が付いた構成要素がそれぞれ互いに固定された距離で配置されたエミッタであり、9つの所望の距離を測定する目的で板31の中心部にレシーバが1つだけ設けられていてもよい。
【0173】
図11および12に示す実施態様では、旋回ベルト209として鋼バンドが用いられている。しかしながら、旋回ベルト用としてそれ以外の材料を選択してもよい。他の材料の例としては、プラスチック類、繊維補強プラスチック類、ゴムなどがある。
【0174】
1つまたは複数のガイドを少なくとも部分的にベルト周囲に巻き付けることにより、図11および12に示されている実施態様で、上記のように、実際にベルトプーリに対しベルトを誘導する。しかしながら、そのベルト断面形状がプーリの周辺表面の窪みや突起に一致するような突起や窪み等を持っていれば、それによってベルトとプーリが勘合し、ベルトを直接プーリの周辺面で誘導することができる。この一例がリブ断面形状を持ったV−リブ型ベルトとして設計されたベルトであってもよく、その一例がドイツ工業規格(Deutsche Industrie Norm/DIN7867)に記載されている。
【0175】
先に、2つの物体の相対的な位置および/または方位を測定するためのシステムおよび方法をそれぞれマシンツールでの用途で述べた。ここで、それら2つの物体とは、ツールおよびツール台であり、反射体がツール台上に装着される。しかしながら、反射体をツールの側に、エミッタまたはレシーバをそれぞれツール台側に装着することもできる。さらにそれ以外にも、距離または方位をそれぞれ測定する必要のある対となった物体について、そのシステムまたは方法をそれぞれ使用することができる。このコンテクストでは、特に、加工品の表面を走査するための座標計測デバイスが考慮されている。ここで、加工品は、マシンツールの場合と同様に、加工品台上に配置されてもよい。加工品の表面を走査するための走査チップを備えた計測ヘッドを、マシンツールのツールと類似した機械的手段によって支持することもできる。その場合、その計測ヘッドの位置を、加工品表面に沿ってモータを用いるかまたはユーザが手作業によって移動させる。しかしながら、計測ヘッドをユーザの手だけで支持し、ユーザが表面に沿って加工品を自由に動かせるようにもできる。そうすると、エミッタおよびレシーバが計測ヘッドに配置され、一方、逆反射体は加工品台に配置される。あるいは、逆反射体が計測ヘッドに配置されるのであれば、エミッタとレシーバは加工品台に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0176】
【図1】2つの物体の相対的な位置を測定するためのシステムの実施態様が組み込まれた、本発明によるマシンツールの実施態様。
【図2】2つの物体の相対的な位置を測定するための図1のシステムの詳細図。
【図3】2つの物体の相対的な位置を測定するシステムを改良したものの詳細図であり、このシステムにより2つの物体の相対的な方位をも測定できる。
【図4】位置および方位を測定する図3のシステム全体の概略図。
【図5】図2および図3の逆反射体の部分図。
【図6】図3のシステムで使用可能な干渉計装置の構造を示す概略図。
【図7】図6の干渉計装置の別の例。
【図8】図6の干渉計装置のさらに別の例。
【図9】図4、図6、図7または図8の干渉計装置で生じる放射線強度過程を示すグラフ。
【図10】図4、図6、図7または図8の干渉計装置に適用可能な光誘導装置の実施態様。
【図11】可変光路長を提供するデバイスの一実施態様の上面図。
【図12】図11のデバイスの部分側面図。
【図13】可変光路長を提供するデバイスの別の実施態様を示す概略斜視図。
【図14】図13に示すデバイスの補足的概略図。
【図15】図1の装置に複数のマシンツールを設けた変更例。
【図16】2つの物体の相対的な位置または方位を測定する方法の実施態様を説明するためのフローチャート。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの物体側に第一端部(105)、前記第一端部の反対側に第二端部を有し、前記第二端部(102)から前記第一端部(105)まで光を伝送し、そこで光を物体(19)に向けて放射する目的で備えられ、また同様に前記第一端部(105)で前記物体(19)から反射されて戻った光を受光してそれを前記第二端部(102)に送る光誘導装置(103)を備え、前記第一端部(105)は前記第二端部(102)に対し移動可能であり、
前記光誘導装置の、前記第二端部に対し移動可能な少なくとも一部が偏光維持光導体(103)を含み、第一端部で放射され第一端部で受光されるまでの光に対して1/2波長板の効果がある位相板装置(103)がさらに設けられるビーム誘導装置。
【請求項2】
1/4波長板(113)が前記第一端部(105)の正面に配置されている請求項1に記載のビーム誘導装置。
【請求項3】
前記第二端部(102)に入射する光が非偏光光である請求項1または2に記載のビーム誘導装置。
【請求項4】
光路長が設けられ相対的に移動可能な少なくとも2つの構成要素を備えた干渉計ブランチを持ち、その放射線が前記2つの構成要素間を請求項1〜3のいずれかに記載のビーム誘導装置により伝送される干渉計装置。
【請求項5】
その干渉計装置が白色光干渉計装置である請求項4に記載の干渉計装置。
【請求項6】
光ビームの可変光路長を提供するデバイスであり、
互いに所定の距離を持って配置されている少なくとも2つのローラ(203、204)によって引っ張られ、前記2つのローラ(203、204)の共通の接線に沿って動作範囲において本質的に直線状に延伸しているエンドレスベルト(209)と、
円周方向(213)に前記エンドレスベルト(209)を駆動するドライブと、
前記エンドレスベルト(209)上に固定的に装着され前記ベルト(209)と共に前記ローラ(203、204)の周りを走行する少なくとも1つの第一反射鏡装置(217)と、
動作範囲(215)に配置されたときに、動作範囲における前記エンドレスベルト(209)の延伸方向に対し実質的に平行な方向であってかつ前記第一反射鏡装置(217)へ向かう方向にその光ビームを向けるビーム誘導デバイス(221)とを備えたデバイスであって、
前記ビーム誘導デバイス(221)に向けられた光が再度入射するように前記第一反射鏡装置(217)がその光を反射するデバイスであり、
前記光ビーム誘導デバイス(221)に対し固定的に配置された第二反射鏡装置(223)が設けられ、
その光ビームが第一および第二反射鏡装置(217、223)間で互いに反射されて行き来し、少なくとも一度はビーム誘導デバイス(221)から射出してまた入射するように第一および前記第二反射鏡装置(217、223)が配置されていることを特徴とするデバイス。
【請求項7】
前記第一反射鏡装置(217)が少なくとも2つの反射体(231、245、253)を持ち、それらが前記接線に垂直な方向に互いに一定の距離をもってずらされており、
前記第二反射鏡装置(223)が、前記接線に垂直な方向(223)に所定の距離をもってずらした少なくとも1つの反射体(241、249)を備えた請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記第一反射鏡装置(217)の反射体が、ビーム誘導デバイス(221)から射出され再度入射するまでの光ビームの光路長の半分のエリアに配置された逆反射体(253)である請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記逆反射体(253)が、3対の平板反射鏡を含み、前記3対の反射鏡はそれぞれ互いに垂直に配置されている請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記第一および/または前記第二反射鏡装置(217、223)の前記反射体(231、245、241、249)が2つの平板反射鏡(229、231、237、239)を持つ少なくとも1つの反射体を備え、それらの平板反射鏡が互いに実質的に垂直関係にあり前記接線に対し実質的に45゜の角度である請求項7〜9のいずれかに記載のデバイス。
【請求項11】
前記ベルト(209)上に少なくとも3つの第一反射鏡装置(217)が、前記ベルト(209)の円周方向に互いに所定の距離をもって設置され、円周方向(213)に互いに隣接した反射鏡装置(217‘、217“)間の距離が、0.9・e〜1.2・eの長さ範囲から選択され、好ましくは1.1・eであり、この場合eとは前記2つのローラ(203、204)の互いの軸方向距離である請求項6〜10のいずれか、または請求項6の前提部分に記載のデバイス。
【請求項12】
4つの第一反射鏡装置(217)が前記ベルト(209)上に設置され、前記ベルト(209)が2つのローラ(203、204)によって引っ張られ、それらの間の距離eの値がe=a・Dであり、ここでDは2つのローラ(203、204)の直径で1.3〜1.4の範囲内の数値である請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記ベルトが金属バンド(209)を備える請求項6〜12のいずれかに記載のデバイス。
【請求項14】
光ビームについて可変光路長を提供するデバイスであり、
軸(313)周囲を少なくとも1つの円周角エリアに延伸している第一反射鏡面を持ち、円周角(ψ)の増加にしたがって円周角エリアの前記第一反射鏡面の前記軸(313)からの距離(r)が螺旋状に増加する第一反射鏡(323)と、
前記軸(313)に対し前記第一反射鏡面(323)内で放射状に配置された中心エリアを通るよう光ビームを誘導するビーム誘導デバイス(317)を備え、
前記第一反射鏡(323)および前記ビーム誘導デバイス(317)は前記軸(313)周囲を相対的に回転可能であり、ビーム誘導デバイス(317)は前記第一反射鏡(323)と相対的に配置および配向され、その結果前記ビーム誘導デバイス(317)から放射される前記光ビームが前記第一反射鏡に衝突し少なくとも1度は前記第一反射鏡(323)で反射した後に前記ビーム誘導デバイス(317)に再度入射するデバイスであり、
中心エリアで第二反射鏡(319)が前記ビーム誘導デバイス(317)に対し固定的に回転可能な状態で位置しており、その結果前記第一反射鏡(323)での反射後に前記光ビームが前記第二反射鏡(319)に衝突し前記第二反射鏡(319)で反射されて前記第一反射鏡(323)に戻るデバイス。
【請求項15】
前記第二反射鏡(319)が平板第二反射鏡面を備え、前記第一反射鏡面(323)が対数螺旋形状を有する請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
2つの物体(16、3)間の相対的な位置および方位を測定する方法であって、前記2つの物体は相対的に移動可能で、第一および第二の物体の上に3地点がそれぞれ所定の距離でかつ一直線上とならないように固定されており、
前記第一の物体の地点と前記第二の物体の地点との間の各距離を検出し、第一および第二の物体の異なる地点間の各距離を検出するという方法で、少なくとも9つの距離(d1、…d9)を検出し、
前記2つの物体の相対的な位置(x、y、z)および方位(α、β、γ)を少なくとも前記9つの距離(d1、…d9)に基づいて計算し、その計算が非反復的に実施されることを特徴とする方法。
【請求項17】
まず少なくとも1つの位置/方位独立データ構造(A)を前記第一の物体において固定された所定の距離および前記第二物体において固定された所定の距離から計算し、
次にその2つの物体の相対的な位置(x、y、z)および方位(α、β、γ)を数回計算し、その都度、
まず位置/方位に基づく第一データ構造(L)をその検出された距離から計算し、
次にその2つの物体の相対的な位置(x、y、z)および方位(α、β、γ)を、少なくとも1つの位置/方位独立データ構造(A)および第一データ構造(L)から計算する請求項16に記載の方法。
【請求項18】
計算機(67)による前記位置/方位独立データ構造(A)の計算が前記第一データ構造(L)の計算よりも算出時間を要する請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記位置/方位独立データ構造の算出が、第二および第三のデータ構造の算出を含み、前記第一および前記第二データ構造はそれぞれベクトルとして表現され、前記三のデータ構造がマトリクスとして表現され、また前記位置および方位の算出が、その2つのベクトルの加法に相当する操作および前記マトリクスによる前記加法の結果の乗法に相当するさらなる操作を含む請求項17または18に記載の方法。
【請求項1】
1つの物体側に第一端部(105)、前記第一端部の反対側に第二端部を有し、前記第二端部(102)から前記第一端部(105)まで光を伝送し、そこで光を物体(19)に向けて放射する目的で備えられ、また同様に前記第一端部(105)で前記物体(19)から反射されて戻った光を受光してそれを前記第二端部(102)に送る光誘導装置(103)を備え、前記第一端部(105)は前記第二端部(102)に対し移動可能であり、
前記光誘導装置の、前記第二端部に対し移動可能な少なくとも一部が偏光維持光導体(103)を含み、第一端部で放射され第一端部で受光されるまでの光に対して1/2波長板の効果がある位相板装置(103)がさらに設けられるビーム誘導装置。
【請求項2】
1/4波長板(113)が前記第一端部(105)の正面に配置されている請求項1に記載のビーム誘導装置。
【請求項3】
前記第二端部(102)に入射する光が非偏光光である請求項1または2に記載のビーム誘導装置。
【請求項4】
光路長が設けられ相対的に移動可能な少なくとも2つの構成要素を備えた干渉計ブランチを持ち、その放射線が前記2つの構成要素間を請求項1〜3のいずれかに記載のビーム誘導装置により伝送される干渉計装置。
【請求項5】
その干渉計装置が白色光干渉計装置である請求項4に記載の干渉計装置。
【請求項6】
光ビームの可変光路長を提供するデバイスであり、
互いに所定の距離を持って配置されている少なくとも2つのローラ(203、204)によって引っ張られ、前記2つのローラ(203、204)の共通の接線に沿って動作範囲において本質的に直線状に延伸しているエンドレスベルト(209)と、
円周方向(213)に前記エンドレスベルト(209)を駆動するドライブと、
前記エンドレスベルト(209)上に固定的に装着され前記ベルト(209)と共に前記ローラ(203、204)の周りを走行する少なくとも1つの第一反射鏡装置(217)と、
動作範囲(215)に配置されたときに、動作範囲における前記エンドレスベルト(209)の延伸方向に対し実質的に平行な方向であってかつ前記第一反射鏡装置(217)へ向かう方向にその光ビームを向けるビーム誘導デバイス(221)とを備えたデバイスであって、
前記ビーム誘導デバイス(221)に向けられた光が再度入射するように前記第一反射鏡装置(217)がその光を反射するデバイスであり、
前記光ビーム誘導デバイス(221)に対し固定的に配置された第二反射鏡装置(223)が設けられ、
その光ビームが第一および第二反射鏡装置(217、223)間で互いに反射されて行き来し、少なくとも一度はビーム誘導デバイス(221)から射出してまた入射するように第一および前記第二反射鏡装置(217、223)が配置されていることを特徴とするデバイス。
【請求項7】
前記第一反射鏡装置(217)が少なくとも2つの反射体(231、245、253)を持ち、それらが前記接線に垂直な方向に互いに一定の距離をもってずらされており、
前記第二反射鏡装置(223)が、前記接線に垂直な方向(223)に所定の距離をもってずらした少なくとも1つの反射体(241、249)を備えた請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記第一反射鏡装置(217)の反射体が、ビーム誘導デバイス(221)から射出され再度入射するまでの光ビームの光路長の半分のエリアに配置された逆反射体(253)である請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記逆反射体(253)が、3対の平板反射鏡を含み、前記3対の反射鏡はそれぞれ互いに垂直に配置されている請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記第一および/または前記第二反射鏡装置(217、223)の前記反射体(231、245、241、249)が2つの平板反射鏡(229、231、237、239)を持つ少なくとも1つの反射体を備え、それらの平板反射鏡が互いに実質的に垂直関係にあり前記接線に対し実質的に45゜の角度である請求項7〜9のいずれかに記載のデバイス。
【請求項11】
前記ベルト(209)上に少なくとも3つの第一反射鏡装置(217)が、前記ベルト(209)の円周方向に互いに所定の距離をもって設置され、円周方向(213)に互いに隣接した反射鏡装置(217‘、217“)間の距離が、0.9・e〜1.2・eの長さ範囲から選択され、好ましくは1.1・eであり、この場合eとは前記2つのローラ(203、204)の互いの軸方向距離である請求項6〜10のいずれか、または請求項6の前提部分に記載のデバイス。
【請求項12】
4つの第一反射鏡装置(217)が前記ベルト(209)上に設置され、前記ベルト(209)が2つのローラ(203、204)によって引っ張られ、それらの間の距離eの値がe=a・Dであり、ここでDは2つのローラ(203、204)の直径で1.3〜1.4の範囲内の数値である請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記ベルトが金属バンド(209)を備える請求項6〜12のいずれかに記載のデバイス。
【請求項14】
光ビームについて可変光路長を提供するデバイスであり、
軸(313)周囲を少なくとも1つの円周角エリアに延伸している第一反射鏡面を持ち、円周角(ψ)の増加にしたがって円周角エリアの前記第一反射鏡面の前記軸(313)からの距離(r)が螺旋状に増加する第一反射鏡(323)と、
前記軸(313)に対し前記第一反射鏡面(323)内で放射状に配置された中心エリアを通るよう光ビームを誘導するビーム誘導デバイス(317)を備え、
前記第一反射鏡(323)および前記ビーム誘導デバイス(317)は前記軸(313)周囲を相対的に回転可能であり、ビーム誘導デバイス(317)は前記第一反射鏡(323)と相対的に配置および配向され、その結果前記ビーム誘導デバイス(317)から放射される前記光ビームが前記第一反射鏡に衝突し少なくとも1度は前記第一反射鏡(323)で反射した後に前記ビーム誘導デバイス(317)に再度入射するデバイスであり、
中心エリアで第二反射鏡(319)が前記ビーム誘導デバイス(317)に対し固定的に回転可能な状態で位置しており、その結果前記第一反射鏡(323)での反射後に前記光ビームが前記第二反射鏡(319)に衝突し前記第二反射鏡(319)で反射されて前記第一反射鏡(323)に戻るデバイス。
【請求項15】
前記第二反射鏡(319)が平板第二反射鏡面を備え、前記第一反射鏡面(323)が対数螺旋形状を有する請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
2つの物体(16、3)間の相対的な位置および方位を測定する方法であって、前記2つの物体は相対的に移動可能で、第一および第二の物体の上に3地点がそれぞれ所定の距離でかつ一直線上とならないように固定されており、
前記第一の物体の地点と前記第二の物体の地点との間の各距離を検出し、第一および第二の物体の異なる地点間の各距離を検出するという方法で、少なくとも9つの距離(d1、…d9)を検出し、
前記2つの物体の相対的な位置(x、y、z)および方位(α、β、γ)を少なくとも前記9つの距離(d1、…d9)に基づいて計算し、その計算が非反復的に実施されることを特徴とする方法。
【請求項17】
まず少なくとも1つの位置/方位独立データ構造(A)を前記第一の物体において固定された所定の距離および前記第二物体において固定された所定の距離から計算し、
次にその2つの物体の相対的な位置(x、y、z)および方位(α、β、γ)を数回計算し、その都度、
まず位置/方位に基づく第一データ構造(L)をその検出された距離から計算し、
次にその2つの物体の相対的な位置(x、y、z)および方位(α、β、γ)を、少なくとも1つの位置/方位独立データ構造(A)および第一データ構造(L)から計算する請求項16に記載の方法。
【請求項18】
計算機(67)による前記位置/方位独立データ構造(A)の計算が前記第一データ構造(L)の計算よりも算出時間を要する請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記位置/方位独立データ構造の算出が、第二および第三のデータ構造の算出を含み、前記第一および前記第二データ構造はそれぞれベクトルとして表現され、前記三のデータ構造がマトリクスとして表現され、また前記位置および方位の算出が、その2つのベクトルの加法に相当する操作および前記マトリクスによる前記加法の結果の乗法に相当するさらなる操作を含む請求項17または18に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図10】
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【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2009−36775(P2009−36775A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−256385(P2008−256385)
【出願日】平成20年10月1日(2008.10.1)
【分割の表示】特願2002−104061(P2002−104061)の分割
【原出願日】平成14年4月5日(2002.4.5)
【出願人】(504284168)カールツァイス アーゲー (15)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月1日(2008.10.1)
【分割の表示】特願2002−104061(P2002−104061)の分割
【原出願日】平成14年4月5日(2002.4.5)
【出願人】(504284168)カールツァイス アーゲー (15)
【Fターム(参考)】
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