説明

3次元計測装置、および3次元計測方法

【課題】偏光解析を用いながら、複数の傾斜面の各傾斜方向の違いを識別できる3次元計測装置、および3次元計測方法を提供する。
【解決手段】3次元演算部4の傾斜算出部41は、ワーク台座6によってカメラ3の撮像方向とワークWの表面との相対角度を第1の状態に設定してカメラ3が生成した撮像データに基づいて、透過光L3の偏光状態を検出し、この検出した偏光状態に基づいて、ワークWの表面の第1の傾斜角および第1の方位角を求め、ワーク台座6によって相対角度を第1の状態から第2の状態に変化させた後にカメラ3が生成した撮像データに基づいて、透過光L3の偏光状態を検出し、この検出した偏光状態に基づいて、ワークWの表面の第2の傾斜角および第2の方位角を求め、傾斜補正部42は、第1の傾斜角と第2の傾斜角との差に基づいて、第1の傾斜角または第1の方位角を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元計測装置、および3次元計測方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ワークの3次元形状を計測する3次元計測装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
図14は、従来の3次元計測装置B1の構成を示し、3次元計測装置B1は、照明部501と、直線偏光板502と、カメラ503と、3次元演算部504と、表示部505とで構成される。
【0004】
照明部501は、半球の椀状の照射面501aを有し、照射面501aの開口の略中心に配置したワークWに、円偏光した照射光L501を照射する。照射光L501がワークWの表面で反射した反射光L502は楕円偏光に変化し、照射部501の底部中心に設けた孔501bを通って直線偏光板502を透過する。直線偏光板502を透過した透過光L503は、直線偏光に変化し、この透過光L503をカメラ503が撮像する。3次元演算部504は、カメラ503の撮像データを取得し、この撮像データに基づいてワークWの3次元形状を計測し、この計測結果は、外観図、寸法等の形状データとして、液晶画面等の表示部505に表示される。
【0005】
具体的には、カメラ503が透過光L503を撮像する度に、直線偏光板502は、板面の中心軸の周方向に所定角度だけ回転して偏光方向を段階的に変化させる。そして、このカメラ503の撮像動作と直線偏光板502の回転動作とは、直線偏光板502が半回転(180°回転)するまで繰り返し行われる。
【0006】
3次元演算部504は、直線偏光板502の回転角度のそれぞれに対応した透過光L503の撮像データをカメラ503から取得し、直線偏光板502の回転角度(偏光板角度)とワークWの表面の画素の輝度(画素輝度)との関係を導出する。偏光板角度と画素輝度との関係は、図15に示すように、偏光板角度の180°周期で画素輝度が増減し、画素輝度は、偏光板角度0〜180°の間で最大値および最小値がそれぞれ1個づつ現れる。
【0007】
そして、3次元演算部504は、偏光板角度と画素輝度との関係に基づいて、透過光L503の偏光解析を画素毎に行い、画素毎の偏光状態を検出する。そして、偏光解析を行った画素は、ワークWの表面の微少な一部分Sn(表面片Sn)に相当しており、その偏光状態から、図16に示す表面片Snの法線ベクトルNの傾斜角θaと方位角θbとを求める。傾斜角θaは、カメラ503の撮像中心軸Zに対する法線ベクトルNの角度であり、方位角θbは、撮像中心軸Zに直交するX−Y平面上で、X軸に対する法線ベクトルNの角度である。
【0008】
3次元演算部504は、上述のように求めた法線ベクトルNの傾斜角θaおよび方位角θbに基づいて、表面片Snの傾斜を決定する。そして、画素毎に上記画像解析処理を行って表面片Snの傾斜を決定し、これらの表面片Snを連続させることによって、ワークWの3次元形状を計測している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第2010/021148号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来の3次元計測装置B1は、図3、図4(a)(b)に示す形状のワークW1を計測対象とした場合、以下のような問題があった。
【0011】
まず、ワークW1は、Y軸方向において互いに対向する端面M3,M4(図3、図4(a)(b)では、一端方向の端面M3のみを示す)が、上底が下底より短い台形形状となる。また、X軸方向において互いに対向する側面は、一方向へ傾斜する傾斜面M1と他方向へ傾斜するM2とで構成され、傾斜面M1,M2が、X−Y平面との間でなす内角は、「45°」である。そして、カメラ503の撮像中心軸Zが、ワークW1の上面M5の法線方向に一致するものとする。
【0012】
そして、3次元演算部504は、偏光解析によって、傾斜面M1の法線ベクトルN1の傾斜角θa501および方位角θb501、傾斜面M2の法線ベクトルN2の傾斜角θa502および方位角θb502を導出する。
【0013】
ここで、Z軸の一方向を傾斜角θa=0°とし、X軸の一方向を方位角θb=0°とした場合、カメラ3からみたワークWの傾斜面の傾斜方向は、傾斜角θa「−90°〜90°」、方位角θb「0°〜360°」の範囲内を、任意にとり得る。しかしながら、3次元演算部504が回転検光子法等の偏光解析技術を用いて求めることができる傾斜角θaおよび方位角θbの各範囲は、傾斜角θa「0°〜90°」、方位角θb「0°〜180°」である。
【0014】
したがって、偏光解析によって得られる傾斜角θa501および方位角θb501と、偏光解析によって得られる傾斜角θa502および方位角θb502とが、互いに同一値になってしまうという問題がある。
【0015】
例えば、図17に示すように、3次元演算部504が導出した傾斜面M1の法線ベクトルN1の傾斜角θa501は「45°」、方位角θb501は「0°」となる。一方、3次元演算部504が導出した傾斜面M2の法線ベクトルN2の傾斜角θa502も「45°」、方位角θb502も「0°」となる。すなわち、傾斜面M1,M2の各法線ベクトルN1,N2は、実際は互いに異なる方向に形成されるにも関わらず、各法線ベクトルN1,N2が同一方向に形成されるかのような解析結果になる。
【0016】
このように、偏光解析によって得られる傾斜角θaおよび方位角θbでは、表面片Snの法線ベクトルN(図16参照)を一意に決定することができない。したがって、従来の3次元計測装置B1では、傾斜面M1,M2の傾斜方向の違いを識別できず、傾斜面M1,M2を区別することができなかった。
【0017】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、偏光解析を用いながら、複数の傾斜面の各傾斜方向の違いを識別できる3次元計測装置、および3次元計測方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の3次元計測装置は、既知の偏光状態の第1の光を被計測物の表面へ照射する照明装置と、前記被計測物の表面で第1の光が反射して形成される第2の光を撮像した撮像データを生成する撮像装置と、前記撮像装置の撮像方向と前記被計測物の表面との相対角度を変化させる姿勢変化手段と、前記姿勢変化手段によって前記相対角度を第1の状態に設定して前記撮像装置が生成した前記撮像データに基づいて、前記第2の光の偏光状態を検出し、この検出した偏光状態に基づいて、前記被計測物の表面の第1の傾斜角および第1の方位角を求め、前記姿勢変化手段によって前記相対角度を前記第1の状態から第2の状態に変化させた後に前記撮像装置が生成した前記撮像データに基づいて、前記第2の光の偏光状態を検出し、この検出した偏光状態に基づいて、前記被計測物の表面の第2の傾斜角および第2の方位角を求め、前記第1の傾斜角と前記第2の傾斜角との差に基づいて、前記第1の傾斜角または前記第1の方位角を補正する3次元演算部とを備えることを特徴とする。
【0019】
この発明において、前記姿勢変化手段は、前記被計測物を回転させることによって、前記撮像装置の撮像方向と前記被計測物の表面との相対角度を変化させることが好ましい。
【0020】
この発明において、前記姿勢変化手段は、前記撮像装置を回転させることによって、前記撮像装置の撮像方向と前記被計測物の表面との相対角度を変化させることが好ましい。
【0021】
この発明において、前記3次元演算部は、前記3次元演算部は、前記第1の傾斜角と前記第2の傾斜角との差に応じて前記第1の傾斜角の正負の符号を決定することによって、前記第1の傾斜角を補正することが好ましい。
【0022】
この発明において、前記3次元演算部は、前記第1の傾斜角と前記第2の傾斜角との差に応じて前記第1の方位角を180°ずらすことによって、前記第1の方位角を補正することが好ましい。
【0023】
本発明の3次元計測方法は、既知の偏光状態の第1の光を被計測物の表面へ照射し、前記被計測物の表面で第1の光が反射して形成される第2の光を撮像した撮像データを生成し、前記撮像データに基づいて、前記第2の光の偏光状態を検出し、この検出した偏光状態に基づいて、前記被計測物の表面の傾斜角および方位角を求める3次元計測方法において、前記第2の光を撮像する撮像方向と前記被計測物の表面との相対角度を第1の状態に設定して生成した前記撮像データに基づいて、前記第2の光の偏光状態を検出し、この検出した偏光状態に基づいて、前記被計測物の表面の第1の傾斜角および第1の方位角を求めるステップと、前記相対角度を前記第1の状態から第2の状態に変化させた後に生成した前記撮像データに基づいて、前記第2の光の偏光状態を検出し、この検出した偏光状態に基づいて、前記被計測物の表面の第2の傾斜角および第2の方位角を求めるステップと、前記第1の傾斜角と前記第2の傾斜角との差に基づいて、前記第1の傾斜角または前記第1の方位角を補正するステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように、本発明では、偏光解析を用いながら、複数の傾斜面の各傾斜方向の違いを識別できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施形態1の3次元計測装置を示す構成図である。
【図2】同上の傾斜角および方位角を示す斜視図である。
【図3】同上のワークを示す斜視図である。
【図4】(a)(b)同上のワークを示す平面図である。
【図5】(a)(b)同上の第1の状態を示す平面図である。
【図6】(a)(b)同上の第2の状態を示す平面図である。
【図7】(a)〜(c)同上の傾斜角および方位角の計測値、補正値を示すテーブル図である。
【図8】(a)(b)同上の他のワークを用いた第1の状態を示す平面図である。
【図9】(a)(b)同上の第2の状態を示す平面図である。
【図10】(a)〜(c)同上の傾斜角および方位角の計測値、補正値を示すテーブル図である。
【図11】(a)〜(c)実施形態2の傾斜角および方位角の計測値、補正値を示すテーブル図である。
【図12】(a)〜(c)同上の他のワークを用いた傾斜角および方位角の計測値、補正値を示すテーブル図である。
【図13】実施形態3の3次元計測装置を示す構成図である。
【図14】従来の3次元計測装置を示す構成図である。
【図15】偏光板角度と画素輝度との関係を示すグラフ図である。
【図16】従来の傾斜角および方位角を示す斜視図である。
【図17】従来の傾斜角および方位角の計測値を示すテーブル図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
(実施形態1)
図1は、本実施形態の3次元計測装置A1の構成を示し、3次元計測装置A1は、照明部1と、直線偏光板2と、カメラ3(撮像装置)と、3次元演算部4と、表示部5と、ワーク台座6(姿勢変化手段)とで構成される。
【0028】
照明部1は、半球の椀状の照射面1aを有し、照射面1aの開口の略中心に配置したワークW(被計測物)に、円偏光した照射光L1(第1の光)を照射する。照射光L1がワークWの表面で反射した反射光L2は楕円偏光に変化し、照射部1の底部中心に設けた孔1bを通って直線偏光板2を透過する。直線偏光板2を透過した透過光L3(第2の光)は、直線偏光に変化し、この透過光L3をカメラ3が撮像する。3次元演算部4は、カメラ3の撮像データを取得し、この撮像データに基づいてワークWの3次元形状を計測し、この計測結果は、外観図、寸法等の形状データとして、液晶画面等の表示部5に表示される。なお、3次元計測装置A1は、反射光L2を孔1bに導く図示しない導光手段を備えるものとする。
【0029】
3次元演算部4は、傾斜算出部41と、傾斜補正部42とを備える。
【0030】
傾斜算出部41は、直線偏光板2の回転制御、およびカメラ3の撮像制御を行い、直線偏光板2を、板面の中心軸の周方向に所定角度だけ回転させて偏光方向を段階的に変化させながら、直線偏光板2の各偏光方向における透過光L3をカメラ3が撮像する。すなわち、傾斜算出部41は、直線偏光板2の回転角度のそれぞれに対応した透過光L3の撮像データをカメラ3から取得し、このカメラ3の撮像動作と直線偏光板2の回転動作とを、直線偏光板2が半回転(180°回転)するまで繰り返し行う。
【0031】
そして、傾斜算出部41は、直線偏光板2の回転角度(偏光板角度)とワークWの表面の画素の輝度(画素輝度)との関係を導出する。傾斜算出部41は、偏光板角度と画素輝度との関係に基づいて、透過光L3の偏光解析を画素毎に行い、画素毎の偏光状態を検出する。この偏光状態の検知方法には、偏光楕円の方位角および楕円角率を検知する「回転検光子法」を用いる。なお、回転検光子法は、周知の偏光解析技術であるため詳細な説明は省略する。
【0032】
偏光解析を行った画素は、ワークWの表面の微少な一部分Sn(表面片Sn)に相当しており、傾斜算出部41は、その偏光状態から、図2に示す表面片Snの法線ベクトルNの傾斜角θaと方位角θbとを求める。傾斜角θaは、カメラ3の撮像中心軸Z(以降、Z軸と称す)に対する法線ベクトルNの角度であり、方位角θbは、撮像中心軸Zに直交するX−Y平面上で、X軸に対する法線ベクトルNの角度である。
【0033】
ここで、Z軸の一方向を傾斜角θa=0°とし、X軸の一方向を方位角θb=0°とした場合、カメラ3からみたワークWの傾斜面の傾斜方向は、傾斜角θa「−90°〜90°」、方位角θb「0°〜360°」の範囲内を、任意にとり得る。しかしながら、傾斜算出部41が回転検光子法を用いて求めることができる傾斜角θaおよび方位角θbの各範囲は、傾斜角θa「0°〜90°」、方位角θb「0°〜180°」である。したがって、傾斜算出部41の算出結果を用いて傾斜面の傾斜を決定した場合には、複数の傾斜面の各傾斜方向の違いを識別できない虞がある。
【0034】
そこで、3次元演算部4の傾斜補正部42は、傾斜算出部41の算出結果を補正して、傾斜面の正しい傾斜を決定しており、以下、この傾斜補正について説明する。
【0035】
ワークWとして、図3、図4(a)(b)に示すワークW1を用いる。ワークW1は、Y軸方向において互いに対向する端面M3,M4(図3、図4(b)では、一端方向の端面M3のみを示す)が、上底が下底より短い台形形状となる。また、X軸方向において互いに対向する側面は、一方向へ傾斜する傾斜面M1と他方向へ傾斜するM2とで構成され、傾斜面M1,M2が、X−Y平面との間でなす内角は、「45°」である。
【0036】
そして、3次元演算部4は、傾斜角θa「−90°〜90°」、方位角θb「0°〜360°」の各範囲内で傾斜面がとり得る全ての傾斜方向を識別する必要がある。傾斜方向を識別する方法としては、「0°〜180°」の範囲にある方位角θbに対して、正の傾斜角θaと負の傾斜角θaとの両方を設定可能にすることによって、上記全ての傾斜方向を識別可能になる。そこで、本実施形態の傾斜補正部42は、傾斜角θa:「−90°〜90°」、方位角θb:「0°〜180°」の各範囲内で傾斜角θaおよび方位角θbを決定するものとする。
【0037】
さらに、ワークW1は、ワーク台座6の台座本体61上に固定されており、台座本体61は、Y軸方向に設けた回転軸62の軸周りに回転自在に構成されており、傾斜算出部41によって、台座本体61の回転制御が行われる。すなわち、ワーク台座6は、ワークW1を回転させることによって、カメラ3の撮像方向(Z軸)とワークW1の表面との相対角度を変化させる姿勢変化手段に相当する。
【0038】
まず、傾斜算出部41は、台座本体61を回転制御して、図5(a)(b)に示すようにワークW1の上面M5の法線方向をZ軸方向に一致させ(第1の状態)、この状態で上記偏光解析を行う。すなわち、第1の状態におけるワークW1の傾斜面M1,M2、上面M5について、表面片Snの法線ベクトルNの傾斜角θaおよび方位角θbをそれぞれ求める。なお以降、表面片Snの法線ベクトルNの傾斜角θaおよび方位角θbを、単に傾斜角θaおよび方位角θbと称す。
【0039】
図7(a)は、第1の状態において、傾斜算出部41が導出した傾斜面M1,M2における傾斜角θa11,θa21および方位角θb11,θb21を示す。傾斜面M1における傾斜角θa11(第1の傾斜角)は「45°」、方位角θb11(第1の方位角)は「0°」となり、傾斜面M2における傾斜角θa21(第1の傾斜角)も「45°」、方位角θb21(第1の方位角)も「0°」となる。すなわち、傾斜面M1,M2の各法線ベクトルN1,N2は、実際は互いに異なる方向に形成されるにも関わらず、図5(a)(b)中の法線ベクトルN1,N2aのように同一方向に形成されるかのような解析結果になる。
【0040】
次に、傾斜算出部41は、台座本体61を回転制御して、図6(a)(b)に示すようにワークW1をY軸周りに回転角度θy=5°だけ回転(左回り)させ(第2の状態)、カメラ3の撮像方向(Z軸)とワークW1の表面との相対角度を変化させる。そして、この状態で上記偏光解析を行う。なお、回転角度θyは、傾斜角θaの計測精度より大きい値であって、且つできるだけ小さいほうが望ましい。
【0041】
図7(b)は、第2の状態において、傾斜算出部41が導出した傾斜面M1,M2における傾斜角θa12,θa22および方位角θb12,θb22を示す。傾斜面M1における傾斜角θa12(第2の傾斜角)は「40°」、方位角θb12(第2の方位角)は「0°」となり、傾斜面M2における傾斜角θa22(第2の傾斜角)は「50°」、方位角θb22(第2の方位角)は「0°」となる。
【0042】
そして、傾斜補正部42は、ワークW1の回転前(第1の状態)の傾斜角θaとワークW1の回転後(第2の状態)の傾斜角θaとの差に基づいて、傾斜角θaを補正しており、その補正結果を図7(c)に示す。
【0043】
具体的に、傾斜面M1では、傾斜角θa12が傾斜角θa11より減少している(θa11−θa12>0)。この場合、傾斜角θa11の符号を正に設定し、傾斜面M1における傾斜角θa10=θa11=45°とする。一方、傾斜面M2では、傾斜角θa22が傾斜角θa21より増加している(θa21−θa22<0)。この場合、傾斜角θa21の符号を負に設定し、傾斜面M2における傾斜角θa20=−θa21=−45°とする。
【0044】
また、傾斜補正部42は、傾斜面M1における方位角θb10=θb11=0°とし、傾斜面M2における方位角θb20=θb21=0°とする。
【0045】
而して、傾斜補正部42は、傾斜面M1における傾斜データとして、傾斜角θa10および方位角θb10を作成し、傾斜面M2における傾斜データとして、傾斜角θa20および方位角θb20を作成する。
【0046】
3次元演算部4は、傾斜面M1,M2だけでなく、上面M5についても画素毎に上記傾斜算出処理および傾斜補正処理を行って表面片Snの傾斜を決定する。したがって、これらの表面片Snを連続させることによって、計測されたワークW1の3次元形状は、正しい法線ベクトルNが設定された傾斜面を有するものになる。なお、ワークW1の回転による傾斜角θaの増減と、傾斜角θaの符号(正または負)との関係は、実試験またはシミュレーション等によって予め導出しておく。
【0047】
そして、傾斜補正部42は、ワークW1の3次元形状の計測データを表示部5へ出力し、表示部5は、傾斜補正部42から受け取った傾斜データに基づいて、ワークW1の外観図、寸法等の形状データとして表示する。
【0048】
このように、カメラ3の撮像方向(Z軸)とワークWの表面との相対角度を変化させることによって、傾斜算出部41が偏光解析によって算出した傾斜角は、傾斜補正部42によって補正される。したがって、ワークW1の3次元形状の計測結果は、傾斜面M1,M2の傾斜方向の違いを識別でき、傾斜面M1,M2を区別することが可能となる。すなわち、3次元計測装置A1は、偏光解析を用いながら、複数の傾斜面の各傾斜方向の違いを識別できる。
【0049】
図8(a)(b)に示すワークW2を用いた場合も、上記同様に、傾斜面の各傾斜方向の違いを認識できる。
【0050】
ワークW2は、2つの三角柱を連続して設けたものであり、Y軸方向において互いに対向する端面M15,M16(図8(b)では、一端方向の端面M15のみを示す)は、三角形を2つ並べた形状となる。そして、Y軸方向に平行に形成された4つの傾斜面M11〜M14を有しており、傾斜面M11,M12が三角形の1つの頂点を構成し、傾斜面M13,M14が三角形の1つの頂点を構成している。さらに、傾斜面M11,M13は互いに同一方向に傾斜し、傾斜面M12,M14は互いに同一方向に傾斜し、傾斜面M11,M13と傾斜面M12,M14とは互いに異なる方向に傾斜しており、傾斜面M11〜M14がX−Y平面との間でなす内角は、「30°」である。
【0051】
そして、傾斜算出部41は、台座本体61を回転制御して、図8(a)(b)に示すようにワークW2の底面の法線方向をZ軸方向に一致させ(第1の状態)、この状態で上記偏光解析を行う。すなわち、第1の状態におけるワークW2の傾斜面M11〜M14について、表面片Snの傾斜角θaおよび方位角θbをそれぞれ求める。
【0052】
図10(a)は、第1の状態において、傾斜算出部41が導出した傾斜面M11〜M14における傾斜角θa111,θa121,θa131,θa141、および方位角θb111,θb121,θb131,θb141を示す。傾斜面M11〜M14における各傾斜角θa111〜θa141(第1の傾斜角)は「30°」、各方位角θb111〜θb141(第1の方位角)は「0°」となる。すなわち、傾斜面M11,M13の各法線ベクトルN11,N13と傾斜面M12,M14の各法線ベクトルN12,N14とは、実際は互いに異なる方向に形成されるにも関わらず、図8(a)(b)中の法線ベクトルN11a,N12,N13a,N14のように同一方向に形成されるかのような解析結果になる。
【0053】
次に、傾斜算出部41は、台座本体61を回転制御して、図9(a)(b)に示すようにワークW2をY軸周りに回転角度θy=5°だけ回転(左回り)させ(第2の状態)、カメラ3の撮像方向(Z軸)とワークW2の表面との相対角度を変化させる。そして、この状態で上記偏光解析を行う。すなわち、第2の状態におけるワークW2の傾斜面M11〜M14について、表面片Snの傾斜角θaおよび方位角θbをそれぞれ求める。
【0054】
図10(b)は、第2の状態において、傾斜算出部41が導出した傾斜面M11〜M14における傾斜角θaおよび方位角θbを示す。傾斜面M11,M13における各傾斜角θa112,θa132(第2の傾斜角)は「35°」、方位角θb112,θb132(第2の方位角)は「0°」となる。また、傾斜面M12,M14における各傾斜角θa122,θa142(第2の傾斜角)は「25°」、方位角θb122,θb142(第2の方位角)は「0°」となる。
【0055】
そして、傾斜補正部42は、ワークW2の回転前(第1の状態)の傾斜角θaとワークW2の回転後(第2の状態)の傾斜角θaとの差に基づいて、傾斜角θaを補正しており、その補正結果を図10(c)に示す。
【0056】
具体的に、傾斜面M11では、傾斜角θa112が傾斜角θa111より増加している(θa111−θa112<0)。この場合、傾斜角θa111の符号を負に設定し、傾斜面M11における傾斜角θa110=−θa111=−30°とする。傾斜面M13も同様に、傾斜角θa132が傾斜角θa131より増加しているので(θa131−θa132<0)、傾斜角θa131の符号を負に設定し、傾斜面M13における傾斜角θa130=−θa131=−30°とする。
【0057】
傾斜面M12では、傾斜角θa122が傾斜角θa121より減少している(θa121−θa122>0)。この場合、傾斜角θa121の符号を正に設定し、傾斜面M12における傾斜角θa120=θa121=30°とする。傾斜面M14も同様に、傾斜角θa142が傾斜角θa141より減少しているので(θa141−θa142>0)、傾斜角θa141の符号を正に設定し、傾斜面M14における傾斜角θa140=θa141=30°とする。
【0058】
また、傾斜補正部42は、傾斜面M11における方位角θb110=θb111=0°、傾斜面M12における方位角θb120=θb121=0°、傾斜面M13における方位角θb130=θb131=0°、傾斜面M14における方位角θb140=θb141=0°とする。
【0059】
而して、傾斜補正部42は、傾斜面M11における傾斜データとして、傾斜角θa110および方位角θb110を作成し、傾斜面M12における傾斜データとして、傾斜角θa120および方位角θb120を作成する。さらに傾斜補正部42は、傾斜面M13における傾斜データとして、傾斜角θa130および方位角θb130を作成し、傾斜面M14における傾斜データとして、傾斜角θa140および方位角θb140を作成する。
【0060】
3次元演算部4は、画素毎に上記傾斜算出処理および傾斜補正処理を行って表面片Snの傾斜を決定する。したがって、これらの表面片Snを連続させることによって、計測されたワークW2の3次元形状は、正しい法線ベクトルNが設定された傾斜面を有するものになる。なお、ワークW2の回転による傾斜角θaの増減と、傾斜角θaの符号(正または負)との関係は、実試験またはシミュレーション等によって予め導出しておく。
【0061】
そして、傾斜補正部42は、ワークW2の3次元形状の計測データを表示部5へ出力し、表示部5は、傾斜補正部42から受け取った傾斜データに基づいて、ワークW2の外観図、寸法等の形状データとして表示する。
【0062】
(実施形態2)
本実施形態の3次元計測装置A1は、3次元演算部4の傾斜補正部42による傾斜補正処理が実施形態1と異なるものであり、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
【0063】
3次元演算部4は、傾斜角θa「−90°〜90°」、方位角θb「0°〜360°」の各範囲内で傾斜面がとり得る全ての傾斜方向を識別する必要がある。傾斜方向を識別する方法としては、「0°〜90°」の範囲にある傾斜角θaを、方位角θbの全周(0°〜360°)に亘って設定可能にすることによって、上記全ての傾斜方向を識別可能になる。そこで、本実施形態の傾斜補正部42は、傾斜角θa:「0°〜90°」、方位角θb:「0°〜360°」の各範囲内で傾斜角θaおよび方位角θbを決定するものとする。
【0064】
まず、傾斜算出部41は、台座本体61を回転制御して、図5(a)(b)に示すようにワークW1の上面M5の法線方向をZ軸方向に一致させ(第1の状態)、この状態で上記偏光解析を行う。すなわち、第1の状態におけるワークW1の傾斜面M1,M2、上面M5について、表面片Snの傾斜角θaおよび方位角θbをそれぞれ求める。図11(a)は、第1の状態において、傾斜算出部41が導出した傾斜面M1,M2の各表面片Snの傾斜角θa11,θa21および方位角θb11,θb21を示す。なお、図11(a)に示す導出結果は、図7(a)と同様であり、説明は省略する。
【0065】
次に、傾斜算出部41は、台座本体61を回転制御して、図6(a)(b)に示すようにワークW1をY軸周りに回転角度θy=5°だけ回転(左回り)させ(第2の状態)、カメラ3の撮像方向(Z軸)とワークW1の表面との相対角度を変化させる。そして、この状態で上記偏光解析を行う。図11(b)は、第2の状態において、傾斜算出部41が導出した傾斜面M1,M2の各表面片Snの傾斜角θa12,θa22および方位角θb12,θb22を示す。なお、図11(b)に示す導出結果は、図7(b)と同様であり、説明は省略する。
【0066】
そして、傾斜補正部42は、ワークW1の回転前(第1の状態)の傾斜角θaとワークW1の回転後(第2の状態)の傾斜角θaとの差に基づいて、方位角θbを補正しており、その補正結果を図11(c)に示す。
【0067】
具体的に、傾斜面M1では、傾斜角θa12が傾斜角θa11より減少している(θa11−θa12>0)。この場合、方位角θb11を補正せず、傾斜面M1における方位角θb10=θb11=0°とする。一方、傾斜面M2では、傾斜角θa22が傾斜角θa21より増加している(θa21−θa22<0)。この場合、方位角θb21に180°を加算し、傾斜面M2における方位角θb20=θb21+180°=180°とする。
【0068】
また、傾斜補正部42は、傾斜面M1における傾斜角θa10=θa11=45°とし、傾斜面M2における傾斜角θa20=θa21=45°とする。
【0069】
而して、傾斜補正部42は、傾斜面M1における傾斜データとして、傾斜角θa10および方位角θb10を作成し、傾斜面M2における傾斜データとして、傾斜角θa20および方位角θb20を作成する。
【0070】
3次元演算部4は、傾斜面M1,M2だけでなく、上面M5についても画素毎に上記傾斜算出処理および傾斜補正処理を行って表面片Snの傾斜を決定する。したがって、これらの表面片Snを連続させることによって、計測されたワークW1の3次元形状は、正しい法線ベクトルNが設定された傾斜面を有するものになる。なお、ワークW1の回転による傾斜角θaの増減と、方位角θbの補正量(0°または+180°)との関係は、実試験またはシミュレーション等によって予め導出しておく。
【0071】
そして、傾斜補正部42は、ワークW1の3次元形状の計測データを表示部5へ出力し、表示部5は、傾斜補正部42から受け取った傾斜データに基づいて、ワークW1の外観図、寸法等の形状データとして表示する。
【0072】
このように、カメラ3の撮像方向(Z軸)とワークWの表面との相対角度を変化させることによって、傾斜算出部41が偏光解析によって算出した方位角は、傾斜補正部42によって補正される。したがって、ワークW1の3次元形状の計測結果は、傾斜面M1,M2の傾斜方向の違いを識別でき、傾斜面M1,M2を区別することが可能となる。すなわち、3次元計測装置A1は、偏光解析を用いながら、複数の傾斜面の各傾斜方向の違いを識別できる。
【0073】
図8(a)(b)に示すワークW2を用いた場合も、上記同様に、傾斜面の各傾斜方向の違いを認識できる。
【0074】
まず、傾斜算出部41は、台座本体61を回転制御して、図8(a)(b)に示すようにワークW2の底面の法線方向をZ軸方向に一致させ(第1の状態)、この状態で上記偏光解析を行う。すなわち、第1の状態におけるワークW2の傾斜面M11〜M14について、表面片Snの傾斜角θaおよび方位角θbをそれぞれ求める。図12(a)は、第1の状態において、傾斜算出部41が導出した傾斜面M11〜M14の各表面片Snの傾斜角θa111,θa121,θa131,θa141、および方位角θb111,θb121,θb131,θb141を示す。なお、図12(a)に示す導出結果は、図10(a)と同様であり、説明は省略する。
【0075】
次に、傾斜算出部41は、台座本体61を回転制御して、図9(a)(b)に示すようにワークW2をY軸周りに回転角度θy=5°だけ回転(左回り)させ(第2の状態)、カメラ3の撮像方向(Z軸)とワークW2の表面との相対角度を変化させる。そして、この状態で上記偏光解析を行う。すなわち、第2の状態におけるワークW2の傾斜面M11〜M14について、表面片Snの傾斜角θaおよび方位角θbをそれぞれ求める。図12(b)は、第2の状態において、傾斜算出部41が導出した傾斜面M11〜M14の各表面片Snの傾斜角θa112,θa122,θa132,θa142、および方位角θb112,θb122,θb132,θb142を示す。なお、図12(b)に示す導出結果は、図10(b)と同様であり、説明は省略する。
【0076】
そして、傾斜補正部42は、ワークW2の回転前(第1の状態)の傾斜角θaとワークW2の回転後(第2の状態)の傾斜角θaとの差に基づいて、方位角θbを補正しており、その補正結果を図12(c)に示す。
【0077】
具体的に、傾斜面M11では、傾斜角θa112が傾斜角θa111より増加している(θa111−θa112<0)。この場合、方位角θb111に180°を加算し、傾斜面M11における方位角θb110=θb111+180°=180°とする。傾斜面M13も同様に、傾斜角θa132が傾斜角θa131より増加しているので(θa131−θa132<0)、方位角θb131に180°を加算し、傾斜面M13における方位角θb130=θb131+180°=180°とする。
【0078】
傾斜面M12では、傾斜角θa122が傾斜角θa121より減少している(θa121−θa122>0)。この場合、方位角θb121を補正せず、傾斜面M12における方位角θb120=θb121=0°とする。傾斜面M14も同様に、傾斜角θa142が傾斜角θa141より減少しているので(θa141−θa142>0)、方位角θb141を補正せず、傾斜面M14における方位角θb140=θb141=0°とする。
【0079】
また、傾斜補正部42は、傾斜面M11における傾斜角θa110=θa111=30°、傾斜面M12における傾斜角θa120=θa121=30°、傾斜面M13における傾斜角θa130=θa131=30°、傾斜面M14における傾斜角θa140=θa141=30°とする。
【0080】
而して、傾斜補正部42は、傾斜面M11における傾斜データとして、傾斜角θa110および方位角θb110を作成し、傾斜面M12における傾斜データとして、傾斜角θa120および方位角θb120を作成する。さらに傾斜補正部42は、傾斜面M13における傾斜データとして、傾斜角θa130および方位角θb130を作成し、傾斜面M14における傾斜データとして、傾斜角θa140および方位角θb140を作成する。
【0081】
3次元演算部4は、画素毎に上記傾斜算出処理および傾斜補正処理を行って表面片Snの傾斜を決定する。したがって、これらの表面片Snを連続させることによって、計測されたワークW2の3次元形状は、正しい法線ベクトルNが設定された傾斜面を有するものになる。なお、ワークW2の回転による傾斜角θaの増減と、方位角θbの補正量(0°または+180°)との関係は、実試験またはシミュレーション等によって予め導出しておく。
【0082】
そして、傾斜補正部42は、ワークW2の3次元形状の計測データを表示部5へ出力し、表示部5は、傾斜補正部42から受け取った傾斜データに基づいて、ワークW2の外観図、寸法等の形状データとして表示する。
【0083】
(実施形態3)
図13は、本実施形態の3次元計測装置A2の構成を示し、3次元計測装置A2は、照明部1と、直線偏光板2と、カメラ3(撮像装置)と、3次元演算部4と、表示部5と、カメラ台座7(姿勢変化手段)とで構成される。なお、実施形態1,2と同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
【0084】
カメラ3は、カメラ台座7の台座本体71上に固定されており、台座本体71は、Y軸方向に設けた回転軸72の軸周りに回転自在に構成されており、傾斜算出部41によって、台座本体71の回転制御が行われる。すなわち、カメラ台座7は、カメラ3を回転させることによって、カメラ3の撮像方向(Z軸)とワークWの表面との相対角度を変化させる姿勢変化手段に相当する。
【0085】
そして、カメラ台座7によって、カメラ3の撮像方向とワークWの表面との相対角度を変化させることができるので、実施形態1,2と同様に、3次元演算部4の傾斜補正部42による傾斜補正処理を行うことができる。
【0086】
したがって、ワークWの3次元形状の計測結果は、実施形態1,2と同様に傾斜面の傾斜方向の違いを識別でき、傾斜面を区別することが可能となる。すなわち、3次元計測装置A2は、偏光解析を用いながら、複数の傾斜面の各傾斜方向の違いを識別できる。
【符号の説明】
【0087】
A1 3次元計測装置
1 照明部
2 直線偏光板
3 カメラ(撮像装置)
4 3次元演算部
41 傾斜算出部
42 傾斜補正部
5 表示部
6 ワーク台座(姿勢変化手段)
W ワーク(被計測物)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
既知の偏光状態の第1の光を被計測物の表面へ照射する照明装置と、
前記被計測物の表面で第1の光が反射して形成される第2の光を撮像した撮像データを生成する撮像装置と、
前記撮像装置の撮像方向と前記被計測物の表面との相対角度を変化させる姿勢変化手段と、
前記姿勢変化手段によって前記相対角度を第1の状態に設定して前記撮像装置が生成した前記撮像データに基づいて、前記第2の光の偏光状態を検出し、この検出した偏光状態に基づいて、前記被計測物の表面の第1の傾斜角および第1の方位角を求め、前記姿勢変化手段によって前記相対角度を前記第1の状態から第2の状態に変化させた後に前記撮像装置が生成した前記撮像データに基づいて、前記第2の光の偏光状態を検出し、この検出した偏光状態に基づいて、前記被計測物の表面の第2の傾斜角および第2の方位角を求め、前記第1の傾斜角と前記第2の傾斜角との差に基づいて、前記第1の傾斜角または前記第1の方位角を補正する3次元演算部と
を備えることを特徴とする3次元計測装置。
【請求項2】
前記姿勢変化手段は、前記被計測物を回転させることによって、前記撮像装置の撮像方向と前記被計測物の表面との相対角度を変化させることを特徴とする請求項1記載の3次元計測装置。
【請求項3】
前記姿勢変化手段は、前記撮像装置を回転させることによって、前記撮像装置の撮像方向と前記被計測物の表面との相対角度を変化させることを特徴とする請求項1記載の3次元計測装置。
【請求項4】
前記3次元演算部は、前記第1の傾斜角と前記第2の傾斜角との差に応じて前記第1の傾斜角の正負の符号を決定することによって、前記第1の傾斜角を補正することを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の3次元計測装置。
【請求項5】
前記3次元演算部は、前記第1の傾斜角と前記第2の傾斜角との差に応じて前記第1の方位角を180°ずらすことによって、前記第1の方位角を補正することを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の3次元計測装置。
【請求項6】
既知の偏光状態の第1の光を被計測物の表面へ照射し、前記被計測物の表面で第1の光が反射して形成される第2の光を撮像した撮像データを生成し、前記撮像データに基づいて、前記第2の光の偏光状態を検出し、この検出した偏光状態に基づいて、前記被計測物の表面の傾斜角および方位角を求める3次元計測方法において、
前記第2の光を撮像する撮像方向と前記被計測物の表面との相対角度を第1の状態に設定して生成した前記撮像データに基づいて、前記第2の光の偏光状態を検出し、この検出した偏光状態に基づいて、前記被計測物の表面の第1の傾斜角および第1の方位角を求めるステップと、
前記相対角度を前記第1の状態から第2の状態に変化させた後に生成した前記撮像データに基づいて、前記第2の光の偏光状態を検出し、この検出した偏光状態に基づいて、前記被計測物の表面の第2の傾斜角および第2の方位角を求めるステップと、
前記第1の傾斜角と前記第2の傾斜角との差に基づいて、前記第1の傾斜角または前記第1の方位角を補正するステップと
を有することを特徴とする3次元計測方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2012−211875(P2012−211875A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−78571(P2011−78571)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】