説明

6,7,8,9−テトラヒドロ−5−アミノ−5H−ベンゾシクロヘプテン−6−オール誘導体類及び抗炎症剤として使用される関連する化合物類

本発明は、下記式I:[式中、R3は、1〜3個のヒドロキシ基、ハロゲン原子、又は1〜3個の(C1-C5)-アルコキシ基から選択された基により任意に置換さえ得るC1-C10-アルキル基、任意に置換された(C3-C7)−シクロアルキル基、任意に置換されたヘテロシクリル基、任意に置換されたアリール基、又は他の置換基を表し、Aは、-CR6R7-CH2-基又は-CH2-CR6R7-基を表し、Dは、-CR4R5-CH2-基又は-CH2-CR4R5-基を表し、R4は、ヒドロキシ基、OR10基又はO(CO)R10基を表し、R5は、(C1-C5)-アルキル基又は任意には部分的に又は完全に弗素化された(C1-C5)-アルキル基、(C3-C7)シクロアルキル基、(C1-C8)アルキレン(C3-C7)シクロアルキル基、(C2-C8)アルキレン(C3-C7)シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、(C1-C8)アルキレンへテロシクリル基、(C2-C8)アルケニレンヘテロシクリル基、アリール基、(C1-C8)アルキレンアリール基、(C2-C8)アルケニレンアリール基、(C2-C8)アルキニレンアリール基、又は他の置換基を表す]で表される、多置換された5Hベンゾシクロヘプテン誘導体に関する。前記他の置換基は請求項に特定される。本発明はまた、前記誘導体の生成方法、及び抗炎症剤へのそれらの使用にも関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、5H−ベンゾシクロヘプテン誘導体類、それらの生成方法及び抗炎症剤としてのそれらの使用に関する。
開環の非ステロイド性抗−炎症剤は、従来技術から知られている(WO 00/32584号、DE 100 38 639号及びWO02/10143号)。実験においては、それらの化合物は、抗−炎症作用と所望しない代謝作用との間の作用の分離を示し、そしてこれまで記載されている非ステロイド性グルココルチコイドよりも卓越し、又は少なくとも良好な作用を示す。
【0002】
しかしながら、従来技術の化合物は必ずしも所望しない副作用を有するとは限らず、又は十分に選択的ではないので、従来技術の化合物に対して改良されたプロフィールを有する非ステロイド性抗炎症剤を入手することが、さらなる目的である。
この目的は、請求項に説明される本発明の化合物により達成される。
【0003】
従って、本発明は、下記一般式(I):
【化1】

【0004】
[式中、R1及びR2は、お互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、任意に置換された(C1-C10)-アルキル基、任意に置換された(C1-C10)-アルコキシ基、(C1-C10)-アルキルチオ基、(C1-C5)-ペルフルオロアルキル基、シアノ基又はニトロ基を意味し、又は
R1及びR2は、一緒になって、基-O-(CH2)n-O-、 -O-(CH2)n-CH2-、-0-CH=CH-、 -(CH2)n+2-、-NH-(CH2)n+1-、 N(C1-C3-アルキル)- (CH2)n+1-及び-NH-N=CH-(ここで、nは1又は2であり、そして末端原子は隣接する環−炭素原子に直接的に結合される)から選択された基、又はNR8R9(ここで、R8及びR9は、お互い独立して、水素、C1-C5-アルキル又は(CO)-C1-C5-アルキルであり得る)を意味し、
【0005】
R11は、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、任意に置換された(C1-C10)-アルキル基、(C1-C10)−アルコキシ基、(C1-C10)-アルキルチオ基又は(C1-C5)−ペルフルオロアルキル基を意味し、
R12は、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、任意に置換された(C1-C10)-アルキル基又は(C1-C10)-アルコキシ基を意味し、
【0006】
R3は、(1〜3個のヒドロキシ基、ハロゲン原子、又は1〜3個の(C1-C5)-アルコキシ基から選択された基により任意に置換され得る)C1-C10-アルキル基、任意に置換された(C3-C7)−シクロアルキル基、任意に置換されたヘテロシクリル基、任意に置換されたアリール基、((C1-C5)−アルキル基(1〜3個のヒドロキシ基又は1〜3個のCOOR10基により任意にはそれら自体、置換され得、ここでR10はいずれかのヒドロキシ保護基、ベンジル基又はC1-C10-アルキル基を意味する)、(C1-C5)-アルコキシ基、ハロゲン原子又はエキソメチレン基から選択された1又は複数の基により任意に置換され、そして1〜3個の窒素原子及び/又は1〜2個の酸素原子及び/又は1〜2個の硫黄原子及び/又は1〜2個のケト基を任意には含む)単環式又は二環式へテロアリール基を意味し、ここでそれらの基は5H−ベンゾシクロヘプテン系のアミンに、いずれかの位置を通して結合され得、そして任意には、1又は複数の部位で水素化され得、
【0007】
Aは、-CR6R7-CH2-基又は-CH2-CR6R7-基を意味し、
Dは、-CR4R5-CH2-基又は-CH2-CR4R5-基を意味し、
R4は、ヒドロキシ基、OR10基又はO(CO)R10基を意味し、
【0008】
R5は、(C1-C5)-アルキル基又は任意には部分的にもしくは完全に弗素化された(C1-C5)-アルキル基、(C3-C7)シクロアルキル基、(C1-C8)アルキレン(C3-C7)シクロアルキル基、(C2-C8)アルキレン(C3-C7)シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、(C1-C8)アルキレンへテロシクリル基、(C2-C8)アルケニレンヘテロシクリル基、アリール基、(C1-C8)アルキレンアリール基、(C2-C8)アルケニレンアリール基、(C2-C8)アルキニレンアリール基、(1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C5)-アルキル基、1〜2個の(C1-C5)-アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子、又は1〜2個のエキソメチレン基により任意に置換され、そして1〜3個の窒素原子及び/又は1〜2個の酸素原子及び/又は1〜2個の硫黄原子を含む)単環式又は二環式へテロアリール基;(C1-C8)アルキルヘテロアリール基、又は(C2-C8)アルケニレンへテロアリール基を意味し、ここでそれらの基は、5Hベンゾシクロヘプテン系にいずれかの位置を通して結合され、そして任意には、1又は複数の部位で水素化され得、
【0009】
R6及びR7はお互い独立して、水素原子、メチル又はエチル基を意味し、又は5H−ベンゾシクロヘプテン系の炭素原子と共に(C3-C6)-シクロアルキル環を意味する]
で表される化合物に関する。
【0010】
本発明の対象は、
R1及びR2は、お互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、任意に置換された(C1-C10)-アルキル基、任意に置換された(C1-C10)-アルコキシ基、(C1-C10)-アルキルチオ基、(C1-C5)-ペルフルオロアルキル基、シアノ基又はニトロ基を意味し、又は
R1及びR2は、一緒になって、基-O-(CH2)n-O-、 -O-(CH2)n-CH2-、-0-CH=CH-、 -(CH2)n+2-、-NH-(CH2)n+1-、 N(C1-C3-アルキル)- (CH2)n+1-及び-NH-N=CH-(ここで、nは1又は2であり、そして末端原子は隣接する環−炭素原子に直接的に結合される)から選択された基、又はNR8R9(ここで、R8及びR9は、お互い独立して、水素、C1-C5-アルキル又は(CO)-C1-C5-アルキルであり得る)を意味し、
【0011】
R11は、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、任意に置換された(C1-C10)-アルキル基、(C1-C10)−アルコキシ基、(C1-C10)-アルキルチオ基又は(C1-C5)−ペルフルオロアルキル基を意味し、
R12は、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、任意に置換された(C1-C10)-アルキル基又は(C1-C10)-アルコキシ基を意味し、
【0012】
R3は、(1〜3個のヒドロキシ基、ハロゲン原子、又は1〜3個の(C1-C5)-アルコキシ基から選択された基により任意に置換され得る)C1-C10-アルキル基、任意に置換された(C3-C7)−シクロアルキル基、任意に置換されたヘテロシクリル基、任意に置換されたアリール基、((C1-C5)−アルキル基(1〜3個のヒドロキシ基又は1〜3個のCOOR10基により任意にはそれら自体、置換され得、ここでR10はいずれかのヒドロキシ保護基、ベンジル基又はC1-C10-アルキル基を意味する)、(C1-C5)-アルコキシ基、ハロゲン原子又はエキソメチレン基から選択された1又は複数の基により任意に置換され、そして1〜3個の窒素原子、及び/又は1〜2個の酸素原子、及び/又は1〜2個の硫黄原子、及び/又は1〜2個のケト基を任意には含む)単環式又は二環式へテロアリール基を意味し、ここでそれらの基は5H−ベンゾシクロヘプテン系のアミンに、いずれかの位置を通して結合され得、そして任意には、1又は複数の部位で水素化され得、
【0013】
Aは、-CR6R7-CH2-基又は-CH2-CR6R7-基を意味し、
Dは、-CR4R5-CH2-基又は-CH2-CR4R5-基を意味し、
R4は、ヒドロキシ基、OR10基又はO(CO)R10基を意味し、
【0014】
R5は、(C1-C5)-アルキル基又は任意には部分的に又は完全に弗素化された(C1-C5)-アルキル基、(C3-C7)シクロアルキル基、(C1-C8)アルキレン(C3-C7)シクロアルキル基、(C2-C8)アルキレン(C3-C7)シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、(C1-C8)アルキレンへテロシクリル基、(C2-C8)アルケニレンヘテロシクリル基、アリール基、(C1-C8)アルキレンアリール基、(C2-C8)アルケニレンアリール基、(C2-C8)アルキニレンアリール基、(1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C5)-アルキル基、1〜2個の(C1-C5)-アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子、又は1〜2個のエキソメチレン基により任意に置換され、そして1〜3個の窒素原子及び/又は1〜2個の酸素原子及び/又は1〜2個の硫黄原子を含む)単環式又は二環式へテロアリール基;(C1-C8)アルキルヘテロアリール基、又は(C2-C8)アルケニレンへテロアリール基を意味し、ここでそれらの基は、5Hベンゾシクロヘプテン系にいずれかの位置を通して結合され、そして任意には、1又は複数の部位で水素化され得、
【0015】
R6及びR7はお互い独立して、水素原子、メチル又はエチル基、又は5H−ベンゾシクロヘプテン系の炭素原子と共に(C3-C6)-シクロアルキル環を意味する、一般式(I)の立体異性体に関する。
【0016】
R1及びR2は、お互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、(C1-C10)-アルキル基、(C1-C10)-アルコキシ基、(C1-C10)-アルキルチオ基、(C1-C5)-ペルフルオロアルキル基、シアノ基又はニトロ基を意味し、又は
R1及びR2は、一緒になって、基-O-(CH2)n-O-、 -O-(CH2)n-CH2-、-0-CH=CH-、 又は-(CH2)n+2-(ここで、nは1又は2であり、そして末端原子は隣接する環−炭素原子に直接的に結合される)から選択された基、又はNR8R9(ここで、R8及びR9は、お互い独立して、水素、C1-C5-アルキル又は(CO)-C1-C5-アルキルであり得る)を意味し、
【0017】
R3は、(1〜3個のヒドロキシ基、ハロゲン原子、1〜3個の(C1-C5)−アルコキシ基から選択された基により置換され得る)C1-C10-アルキル基、任意に置換されたフェニル基又はナフチル基、(1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C5)-アルキル基、1〜2個の(C1-C5)-アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子、又は1〜2個のエキソメチレン基により任意に置換され、そして1〜3個の窒素原子及び/又は1〜2個の酸素原子及び/又は1〜2個硫黄原子を含む)単環式又は二環式へテロアリール基を意味し、ここでそれらの基は、ベンゾシクロヘプテン系のアミンに、いずれかの位置を通して結合され得、そして任意には、1又は複数の部位で水素化され得、
【0018】
Aは、-CR6R7-CH2-基又は-CH2-CR6R7-基を意味し、
Dは、-CR4R5-CH2-基又は-CH2-CR4R5-基を意味し、
R4は、ヒドロキシ基を意味し、
【0019】
R5は、(C1-C5)-アルキル基又は任意には部分的にもしくは完全に弗素化された(C1-C5)-アルキル基、アリール基、(C1-C8)アルキレンアリール基、(C2-C8)アルケニレンアリール基、(C3-C7)シクロアルキル基、(C1-C8)アルキレン(C3-C7)シクロアルキル基、又は(C2-C8)アルケニレン(C3-C7)シクロアルキル基を意味し、
R6及びR7は、お互い独立して、水素原子、メチル又はエチル基を意味し、又はベンゾシクロヘプテン系の炭素原子と共に(C3-C6)-シクロアルキル環を意味する、
一般式(I)の化合物は、本発明の化合物のサブグループである。
【0020】
R1及びR2は、お互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、(C1-C10)-アルキル基、(C1-C10)-アルコキシ基、(C1-C10)-アルキルチオ基、(C1-C5)-ペルフルオロアルキル基、シアノ基又はニトロ基を意味し、又は
R1及びR2は、一緒になって、基-O-(CH2)n-O-、 -O-(CH2)n-CH2-、-0-CH=CH-、及び-(CH2)n+2-(ここで、nは1又は2であり、そして末端原子は隣接する環−炭素原子に直接的に結合される)から選択された基、又はNR8R9(ここで、R8及びR9は、お互い独立して、水素、C1-C5-アルキル又は(CO)-C1-C5-アルキルであり得る)を意味し、
【0021】
R3は、(1〜3個のヒドロキシ基、ハロゲン原子、1〜3個の(C1-C5)−アルコキシ基から選択された基により置換され得る)C1-C10-アルキル基、任意に置換されたフェニル基、(1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C5)-アルキル基、1〜2個の(C1-C5)-アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子、又は1〜2個のエキソメチレン基により任意に置換され、そして1〜3個の窒素原子及び/又は1〜2個の酸素原子及び/又は1〜2個硫黄原子を含む)単環式又は二環式へテロアリール基を意味し、ここでそれらの基は、ベンゾシクロヘプテン系のアミンに、いずれかの位置を通して結合され得、そして任意には、1又は複数の部位で水素化され得、
【0022】
Aは、-CR6R7-CH2-基又は-CH2-CR6R7-基を意味し、
Dは、-CR4R5-CH2-基又は-CH2-CR4R5-基を意味し、
R4は、ヒドロキシ基を意味し、
【0023】
R5は、(C1-C5)-アルキル基又は任意には部分的に又は完全に弗素化された(C1-C5)-アルキル基、アリール基、(C1-C8)アルキレンアリール基、(C2-C8)アルケニレンアリール基、(C3-C7)シクロアルキル基、(C1-C8)アルキレン(C3-C7)シクロアルキル基、又は(C2-C8)アルケニレン(C3-C7)シクロアルキル基を意味し、
R6及びR7は、お互い独立して、水素原子、メチル又はエチル基を意味し、又はベンゾシクロヘプテン系の炭素原子と共に(C3-C6)-シクロアルキル環を意味する、
一般式(I)の化合物が好ましい。
【0024】
R1及びR2は、お互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、(C1-C5)-アルキル基、(C1-C5)-アルコキシ基、(C1-C5)-ペルフルオロアルキル基、又はシアノ基を意味し、又は
R1及びR2は、一緒になって、基-O-(CH2)n-O-、 -O-(CH2)n-CH2-、-0-CH=CH-、又は-(CH2)n+2-(ここで、nは1又は2であり、そして末端原子は隣接する環−炭素原子に直接的に結合される)から選択された基を意味し、
【0025】
R3は、(1〜3個のヒドロキシ基、ハロゲン原子により任意に置換され得る)C1-C10−アルキル基、(C1-C5-アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ又はC1-C5−アルコキシにより任意に置換され、ここでそれらの基は5H−ベンゾシクロヘプテン系のアミンに、いずれかの位置を通して結合され得、そして1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C3)-アルキル基、1〜2個の(C1-C3)-アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子又は1〜2個のエキソメチレン基により、1又は複数の位置で任意に置換され、そして1又は複数の部位で任意にはハロゲン化され得る)、フェニル、フタリジル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロイソキノリニル、チオフタリジル、ベンゾキサジノニル、フタラジノニル、キノリニル、イソキノリニル、キノロニル、イソキノロニル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、1,7−もしくは1,8−ナフチリジニル、ジヒドロインドロニル、ジヒドロイソインドロニル、ベンズイミダゾリル又はインドリル基を意味し、
【0026】
Aは、-CR6R7-CH2-基又は-CH2-CR6R7-基を意味し、
Dは、-CR4R5-CH2-基又は-CH2-CR4R5-基を意味し、
R4は、ヒドロキシ基を意味し、
R5は、(C1-C5)-アルキル基、又は任意には部分的にもしくは完全に弗素化された(C1-C5)-アルキル基を意味し、
R6及びR7は、お互い独立して、水素原子、メチル又はエチル基を意味し、又はベンゾシクロヘプテン系の炭素原子と共に(C3-C6)-シクロアルキル環を意味する、
一般式(I)の化合物は、特定のサブグループを表す。
【0027】
R1及びR2は、お互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、(C1-C5)-アルキル基、(C1-C5)-アルコキシ基、(C1-C5)-ペルフルオロアルキル基、又はシアノ基を意味し、又は
R1及びR2は、一緒になって、基-O-(CH2)n-O-、 -O-(CH2)n-CH2-、-0-CH=CH-、及び-(CH2)n+2-(ここで、nは1又は2であり、そして末端酸素原子及び/又は炭素原子は隣接する環−炭素原子に直接的に結合される)から選択された基を意味し、
【0028】
R3は、(1〜3個のヒドロキシ基、ハロゲン原子により任意に置換され得る)C1-C10−アルキル基、(C1-C5-アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ又はC1-C5−アルコキシにより任意に置換され、ここでそれらの基は5H−ベンゾシクロヘプテン系のアミンに、いずれかの位置を通して結合され得、そして1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C3)-アルキル基、1〜2個の(C1-C3)-アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子又は1〜2個のエキソメチレン基により、1又は複数の位置で任意に置換され、そして1又は複数の部位で任意には水素化され得る)、フェニル、フタリジル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロイソキノリニル、チオフタリジル、ベンゾキサジノニル、フタラジノニル、キノリニル、イソキノリニル、キノロニル、イソキノロニル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、1,7−もしくは1,8−ナフチリジニル、ジヒドロインドロニル、ジヒドロイソインドロニル、ベンズイミダゾリル又はインドリル基を意味し、
【0029】
Aは、-CR6R7-CH2-基又は-CH2-CR6R7-基を意味し、
Dは、-CR4R5-CH2-基又は-CH2-CR4R5-基を意味し、
R4は、ヒドロキシ基を意味し、
R5は、(C1-C5)-アルキル基、又は任意には部分的にもしくは完全に弗素化され(C1-C5)-アルキル基を意味し、
R6及びR7は、お互い独立して、水素原子、メチル又はエチル基を意味し、又はベンゾシクロヘプテン系の炭素原子と共に(C3-C6)-シクロアルキル環を意味する、一般式(I)の立体異性体は、本発明のもう1つの対象である。
【0030】
R1及びR2はお互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、(C1-C5)-アルキル基、(C1-C5)-ペルフルオロアルキル基、シアノ基、(C1-C5)-アルコキシ基を意味し、又は一緒に、(C1-C2)-アルキレンジオキシ基を意味し、そしてR1及びR2は直接的隣接すべきであり、
【0031】
R3は、(C1-C5-アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ又はC1-C5−アルコキシにより任意に置換される)、フェニル、フタリジル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロイソキノリニル、チオフタリジル、ベンゾキサジノニル、フタラジノニル、キノリニル、イソキノリニル、キノロニル、イソキノロニル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、1,7−もしくは1,8−ナフチリジニル、ジヒドロインドロニル、ジヒドロイソインドロニル、ベンズイミダゾリル又はインドリル基を意味し、ここでそれらの基はベンゾシクロヘプテン系のアミンに、いずれかの位置を通して結合され得、そして1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C3)-アルキル基、1〜2個のエキソメチレン基により、1又は複数の位置で任意に置換され、そして1又は複数の部位で任意には水素化され得、
【0032】
Aは、-CR6R7-CH2-基又は-CH2-CR6R7-基を意味し、
Dは、-CR4R5-CH2-基又は-CH2-CR4R5-基を意味し、
R4は、ヒドロキシ基を意味し、
R5は、(C1-C5)-アルキル基、又は任意には部分的に又は完全に弗素化された(C1-C5)-アルキル基を意味し、
R6及びR7は、お互い独立して、水素原子、メチル又はエチル基を意味し、又はベンゾシクロヘプテン系の炭素原子と共に(C3-C6)-シクロアルキル環を意味する、一般式(I)の立体異性体が特に好ましい。
【0033】
R1及びR2は、お互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、(C1-C10)-アルキル基、(C1-C10)-アルコキシ基、(C1-C10)-アルキルチオ基、(C1-C5)-ペルフルオロアルキル基、シアノ基又はニトロ基を意味し、又は
R1及びR2は、一緒になって、基-O-(CH2)n-O-、 -O-(CH2)n-CH2-、-0-CH=CH-、 又は-(CH2)n+2-(ここで、nは1又は2であり、そして末端原子は隣接する環−炭素原子に直接的に結合される)から選択された基、又はNR8R9(ここで、R8及びR9は、お互い独立して、水素、C1-C5-アルキル又は(CO)-C1-C5-アルキルであり得る)を意味し、
R11及びR12は、水素原子を意味し、
【0034】
R3は、(1〜3個のヒドロキシ基、ハロゲン原子、1〜3個の(C1-C5)−アルコキシ基から選択された基により置換され得る)C1-C10-アルキル基、任意に置換されたフェニル基又はナフチル基、(1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C5)-アルキル基、1〜2個の(C1-C5)-アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子、又は1〜2個のエキソメチレン基により任意に置換され、そして1〜3個の窒素原子及び/又は1〜2個の酸素原子及び/又は1〜2個硫黄原子を含む)単環式又は二環式へテロアリール基を意味し、ここでそれらの基は、ベンゾシクロヘプテン系のアミンに、いずれかの位置を通して結合され得、そして任意には、1又は複数の部位で水素化され得、
【0035】
Aは、-CR6R7-CH2-基又は-CH2-CR6R7-基を意味し、
Dは、-CR4R5-CH2-基又は-CH2-CR4R5-基を意味し、
R4は、ヒドロキシ基を意味し、
【0036】
R5は、(C1-C5)-アルキル基又は任意には部分的に又は完全に弗素化された(C1-C5)-アルキル基、アリール基、(C1-C8)アルキレンアリール基、(C2-C8)アルケニレンアリール基、(C3-C7)シクロアルキル基、(C1-C8)アルキレン(C3-C7)シクロアルキル基、又は(C2-C8)アルケニレン(C3-C7)シクロアルキル基を意味し、
R6及びR7は、お互い独立して、水素原子、メチル又はエチル基を意味し、又はベンゾシクロヘプテン系の炭素原子と共に(C3-C6)-シクロアルキル環を意味する、一般式(I)の化合物は、本発明の対象である。
【0037】
R1及びR2は、お互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、(C1-C10)-アルキル基、(C1-C10)-アルコキシ基、(C1-C10)-アルキルチオ基、(C1-C5)-ペルフルオロアルキル基、シアノ基又はニトロ基を意味し、又は
R1及びR2は、一緒になって、基-O-(CH2)n-O-、 -O-(CH2)n-CH2-、-0-CH=CH-、及び-(CH2)n+2-(ここで、nは1又は2であり、そして末端原子は隣接する環−炭素原子に直接的に結合される)から選択された基、又はNR8R9(ここで、R8及びR9は、お互い独立して、水素、C1-C5-アルキル又は(CO)-C1-C5-アルキルであり得る)を意味し、
R11及びR12は、水素原子を意味し、
【0038】
R3は、(1〜3個のヒドロキシ基、ハロゲン原子、1〜3個の(C1-C5)−アルコキシ基から選択された基により置換され得る)C1-C10-アルキル基、任意に置換されたフェニル基、(1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C5)-アルキル基、1〜2個の(C1-C5)-アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子、又は1〜2個のエキソメチレン基により任意に置換され、そして1〜3個の窒素原子及び/又は1〜2個の酸素原子及び/又は1〜2個硫黄原子を含む)単環式又は二環式へテロアリール基を意味し、ここでそれらの基は、ベンゾシクロヘプテン系のアミンに、いずれかの位置を通して結合され得、そして任意には、1又は複数の部位で水素化され得、
【0039】
Aは、-CR6R7-CH2-基又は-CH2-CR6R7-基を意味し、
Dは、-CR4R5-CH2-基又は-CH2-CR4R5-基を意味し、
R4は、ヒドロキシ基を意味し、
R5は、(C1-C5)-アルキル基又は任意には部分的に又は完全に弗素化された(C1-C5)-アルキル基、アリール基、(C1-C8)アルキレンアリール基、(C2-C8)アルケニレンアリール基、(C3-C7)シクロアルキル基、(C1-C8)アルキレン(C3-C7)シクロアルキル基、又は(C2-C8)アルケニレン(C3-C7)シクロアルキル基を意味し、
【0040】
R6及びR7は、お互い独立して、水素原子、メチル又はエチル基を意味し、又はベンゾシクロヘプテン系の炭素原子と共に(C3-C6)-シクロアルキル環を意味する、
一般式(I)の立体異性体が好ましい。
【0041】
R1及びR2は、お互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、(C1-C5)-アルキル基、(C1-C5)-アルコキシ基、(C1-C5)-ペルフルオロアルキル基、又はシアノ基を意味し、又は
R1及びR2は、一緒になって、基-O-(CH2)n-O-、 -O-(CH2)n-CH2-、-0-CH=CH-、又は-(CH2)n+2-(ここで、nは1又は2であり、そして末端原子は隣接する環−炭素原子に直接的に結合される)から選択された基を意味し、
R11及びR12は、水素原子を意味し、
【0042】
R3は、(1〜3個のヒドロキシ基、ハロゲン原子により任意に置換され得る)C1-C10−アルキル基、(C1-C5-アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ又はC1-C5−アルコキシにより任意に置換され、ここでそれらの基は5H−ベンゾシクロヘプテン系のアミンに、いずれかの位置を通して結合され得、そして1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C3)-アルキル基、1〜2個の(C1-C3)-アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子又は1〜2個のエキソメチレン基により、1又は複数の位置で任意に置換され、そして1又は複数の部位で任意には水素化され得る)、フェニル、フタリジル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロイソキノリニル、チオフタリジル、ベンゾキサジノニル、フタラジノニル、キノリニル、イソキノリニル、キノロニル、イソキノロニル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、1,7−もしくは1,8−ナフチリジニル、ジヒドロインドロニル、ジヒドロイソインドロニル、ベンズイミダゾリル又はインドリル基を意味し、
【0043】
Aは、-CR6R7-CH2-基又は-CH2-CR6R7-基を意味し、
Dは、-CR4R5-CH2-基又は-CH2-CR4R5-基を意味し、
R4は、ヒドロキシ基を意味し、
R5は、(C1-C5)-アルキル基、又は任意には部分的に又は完全に弗素化された(C1-C5)-アルキル基を意味し、
R6及びR7は、お互い独立して、水素原子、メチル又はエチル基を意味し、又はベンゾシクロヘプテン系の炭素原子と共に(C3-C6)-シクロアルキル環を意味する、
一般式(I)の立体異性体は、本発明の特定の対象である。
【0044】
R1及びR2は、お互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、(C1-C5)-アルキル基、(C1-C5)-ペルフルオロアルキル基、シアノ基、又は(C1-C5)-アルコキシ基を意味し、又は
R1及びR2は、一緒になって、基-O-(CH2)n-O-、 -O-(CH2)n-CH2-、-0-CH=CH-、又は-(CH2)n+2-(ここで、nは1又は2であり、そして末端原子は隣接する環−炭素原子に直接的に結合される)から選択された基を意味し、
R11及びR12は、水素原子を意味し、
【0045】
R3は、(C1-C5-アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ又はC1-C5−アルコキシにより任意に置換される)、フェニル、フタリジル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロイソキノリニル、チオフタリジル、ベンゾキサジノニル、フタラジノニル、キノリニル、イソキノリニル、キノロニル、イソキノロニル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、1,7−もしくは1,8−ナフチリジニル、ジヒドロインドロニル、ジヒドロイソインドロニル、ベンズイミダゾリル又はインドリル基を意味し、ここでそれらの基はベンゾシクロヘプテン系のアミンに、いずれかの位置を通して結合され得、そして1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C3)-アルキル基、1〜2個のエキソメチレン基により、1又は複数の位置で任意に置換され、そして1又は複数の部位で任意には水素化され得、
【0046】
Aは、-CR6R7-CH2-基又は-CH2-CR6R7-基を意味し、
Dは、-CR4R5-CH2-基又は-CH2-CR4R5-基を意味し、
R4は、ヒドロキシ基を意味し、
R5は、(C1-C5)-アルキル基、又は任意には部分的に又は完全に弗素化された(C1-C5)-アルキル基を意味し、
R6及びR7は、お互い独立して、水素原子、メチル又はエチル基を意味し、又はベンゾシクロヘプテン系の炭素原子と共に(C3-C6)-シクロアルキル環を意味する、一般式(I)の立体異性体が好ましい。
【0047】
R1及びR2は、お互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、(C1-C5)-アルキル基、(C1-C5)-ペルフルオロアルキル基、シアノ基、(C1-C5)-アルコキシ基、又は一緒になって、(C1-C2)-アルキレンジオキシ基を意味し、そしてR1及びR2は直接的隣接すべきであり、
R11及びR12は、水素原子であり、
【0048】
R3は、フェニル、フラニル、チエニル、ピラゾリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、アザインドリジニル、フタリジル、チオフラリジル、インドリル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、インドロニル、ジヒドロインドロニル、イソインドロニル、ジヒドロイソインドロニル、ベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、インドリジニル、イソベンゾフラニル、アザインドリル、アザイソインドリル、フラノピリジル、フラノピリミジニル、フラノピラジニル、フラノピリダジニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロフラノピリジル、ジヒドロフラノピリミジニル、ジヒドロフラノピラジニル、ジヒドロフラノピリダジニル、ジヒドロベンゾフラニル、クマリニル、イソクマリニル、ジヒドロイソキノリニル、ジヒドロキノリニル、ベンズオキサジノニル、フタラジノニル、キノリニル、イソキノリニル、キノロニル、イソキノロニル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、1,7−もしくは1,8−ナフチリジニル基、テトラヒドロピラニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、ピペリジル、テトラヒドロピリジル、ジヒドロピリジル、1H−ピリジン−2−オニル、1H−ピリジン−4−オニル、4−アミノピリジル、1H−ピリジン−4−イリデンアミニル、クロマニル、イソクロマニル、クロメニル、イソクロメニル、チオクロマニル、デカヒドロキノリニル、テトラヒドロキノリニル、ジヒドロキノリニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1H−キノリン−4−オニル、デカヒドロイソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンズ[1,4]オキサジニル、1,2−ジヒドロ[1,3]ベンゾキサジン−4−オニル、3,4−ジヒドロベンズ[1,4]オキサジン−4−オニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]チアジニル、4H−ベンゾ[1,4]チアジニル、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリニル、1H−シンノリン−4−オニル、3H−キナゾリン−4−オニル、1H−キナゾリン−4−オニル、3,4−ジヒドロ−1H−キノキサリン−2−オニル、2,3−1,2,3,4−テトラヒドロ[1,5]ナフチリジニル、ジヒドロ−1H−[1,5]ナフチリジル、1H−[1,5]ナフチリド−4−オニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1H−ナフチリジン−4−オニル、1,2−ジヒドロピリド[3,2−d][1,3]オキサジン−4−オニル、オクタヒドロ−1H−インドリル、2,3−ジヒドロ−1H−インドリル、オクタヒドロ−2H−イソインドリル、1,3−ジヒドロ−2H−イソインドリル、1,2−ジヒドロインダゾリル、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジル、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジル、又は2,2−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−オニル基を意味し、ここでそれらの基はベンゾシクロヘプテン系のアミンに、いずれかの位置を通して結合され得、そして1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C3)-アルキル基、1〜2個のエキソメチレン基により、1又は複数の位置で任意に置換され、そして1又は複数の部位で任意には水素化され得、
【0049】
Aは、-CR6R7-CH2-基又は-CH2-CR6R7-基を意味し、
Dは、-CR4R5-CH2-基又は-CH2-CR4R5-基を意味し、
R4は、ヒドロキシ基を意味し、
R5は、(C1-C5)-アルキル基、又は任意には部分的に又は完全に弗素化された(C1-C5)-アルキル基を意味し、
R6及びR7は、お互い独立して、水素原子、メチル又はエチル基、又はベンゾシクロヘプテン系の炭素原子と共に(C3-C6)-シクロアルキル環を意味する、一般式(I)の立体異性体が特に好ましい。
【0050】
R1及びR2はお互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、(C1-C5)-アルキル基、(C1-C5)-ペルフルオロアルキル基、シアノ基、(C1-C5)-アルコキシ基、又は一緒になって、(C1-C2)-アルキレンジオキシ基を意味し、そしてR1及びR2は直接的隣接すべきであり、
R11及びR12は、水素原子を意味し、
【0051】
R3は、(C1-C5-アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ又はC1-C5−アルコキシにより任意に置換される)、フェニル、フタリジル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロイソキノリニル、チオフタリジル、ベンゾキサジノニル、フタラジノニル、キノリニル、イソキノリニル、キノロニル、イソキノロニル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、1,7−もしくは1,8−ナフチリジニル、ジヒドロインドロニル、ジヒドロイソインドロニル、ベンズイミダゾリル又はインドリル基を意味し、ここでそれらの基はベンゾシクロヘプテン系のアミンに、いずれかの位置を通して結合され得、そして1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C3)-アルキル基、1〜2個のエキソメチレン基により、1又は複数の位置で任意に置換され、そして1又は複数の部位で任意には水素化され得、
【0052】
Aは、-CR6R7-CH2-基又は-CH2-CR6R7-基を意味し、
Dは、-CR4R5-CH2-基又は-CH2-CR4R5-基を意味し、
R4は、ヒドロキシ基を意味し、
R5は、(C1-C5)-アルキル基、又は任意には部分的に又は完全に弗素化された(C1-C5)-アルキル基を意味し、
R6及びR7は、お互い独立して、水素原子、メチル又はエチル基を意味し、又はベンゾシクロヘプテン系の炭素原子と共に(C3-C6)-シクロアルキル環を意味する、
一般式(I)の立体異性体が特に好ましい。
【0053】
R1及びR2はお互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、(C1-C3)-アルキル基、(C1-C3)-ペルフルオロアルキル基、シアノ基、又は(C1-C3)-アルコキシ基を意味し、
R11及びR12は、水素原子を意味し、
【0054】
R3は、(C1-C3-アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ又はC1-C3−アルコキシにより任意に置換される)、フェニル、フタリジル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロイソキノリニル、チオフタリジル、ベンゾキサジノニル、フタラジノニル、キノリニル、イソキノリニル、キノロニル、イソキノロニル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、1,7−もしくは1,8−ナフチリジニル、ジヒドロインドロニル、ジヒドロイソインドロニル、ベンズイミダゾリル又はインドリル基を意味し、ここでそれらの基はベンゾシクロヘプテン系のアミンに、いずれかの位置を通して結合され得、そして1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C3)-アルキル基、1〜2個のエキソメチレン基により、1又は複数の位置で任意に置換され、そして1又は複数の部位で任意には水素化され得、
【0055】
Aは、-CR6R7-CH2-基又は-CH2-CR6R7-基を意味し、
Dは、-CR4R5-CH2-基又は-CH2-CR4R5-基を意味し、
R4は、ヒドロキシ基を意味し、
R5は、完全に弗素化された(C1-C3)-アルキル基を意味し、
R6及びR7は、お互い独立して、水素原子、メチル又はエチル基を意味し、又はベンゾシクロヘプテン系の炭素原子と共に(C3-C6)-シクロアルキル環を意味する、
一般式(I)の立体異性体が特に好ましい。
【0056】
R1及びR2は、お互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、(C1-C3)-アルキル基、CF3基、シアノ基又はメトキシ基を意味し、
R11及びR12は、水素原子を意味し、
【0057】
R3は、(C1-C3-アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-C3−アルコキシ又はメチルピロリジン−オン‐5‐イルにより任意に置換される)イソインドリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロイソキノリニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノロニル、イソキノロニル、インダゾリル、ジヒドロインドロニル、又はジヒドロイソインドロニル基を意味し、ここでそれらの基はベンゾシクロヘプテン系のアミンに、いずれかの位置を通して結合され得、そして1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C3)-アルキル基、又は1〜2個のエキソメチレン基により、1又は複数の位置で任意に置換され、そして1又は複数の部位で任意には水素化され得、
【0058】
Aは、-CR6R7-CH2-基又は-CH2-CR6R7-基を意味し、
Dは、-CR4R5-CH2-基又は-CH2-CR4R5-基を意味し、
R4は、ヒドロキシ基を意味し、
R5は、完全に弗素化された(C1-C3)-アルキル基を意味し、
R6及びR7はお互い独立して、水素原子、又はメチル又はエチル基を意味する、
一般式(I)の立体異性体が特に好ましい。
【0059】
基C1-C5-アルキル、C1-C5-アルコキシ、C1-C5-ペルフルオロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、-O-(CH2)n-O-、 -O-(CH2)n-CH2-、-0-CH=CH-、 -(CH2)n+2-、-NH-(CH2)n+1、 N(C1-C3-アルキル)- (CH2)n+1及び-NH-N=CH-(ここで、nは1又は2であり、そして二価の置換基の末端原子は、直接的に隣接する環−炭素原子に結合される)から選択された1又は2個の置換基を、5H−ベンゾシクロヘプテン系の芳香族環上に担持する化合物は、本発明の特定の対象である。
【0060】
R1及びR2がお互い独立して、水素原子、ハロゲン原子又はシアノ基を意味し、そしてR11及びR12が水素原子を意味する請求項記載の一般式Iの化合物は、もう1つの好ましい対象である。
【0061】
R1及びR2がお互い独立して、水素原子、ハロゲン原子、又はシアノ基を意味し、
R11及びR12は、水素原子を意味し、
R3は、(ハロゲン原子又はメチルピロリジン−2−オン−5−イルにより任意に置換され得る)、インダゾリル、ジヒドロインドロニル又はキノリニル基を意味し、
Aは、-CH2-CR6R7又はCR6R7-CH2-を意味し、
Dは、-CH2-CR4(R5)を意味し、
R4は、ヒドロキシ基を意味し、
R5は、C1-C3-ペルフルオロアルキル基を意味し、
R6, R7は、メチル又はエチル基を意味する、
一般式Iの立体異性体が、本発明のさらに特に好ましい対象である。
【0062】
R1及びR2がお互い独立して、水素原子、臭素もしくは塩素原子、又はシアノ基を意味し、
R11及びR12は、水素原子を意味し、
R3は、(臭素原子又はメチルピロリジン−2−オン−5−イルにより任意に置換され得る)、インダゾリル、ジヒドロインドロニル又はキノロニル基を意味し、
Aは、-CH2-C(CH3)2又はC(CH3)-CH2-を意味し、
Dは、-CH2-C(CF3)(OH)を意味し、
R4は、ヒドロキシ基を意味し、
R5は、CF3基を意味し、
R6, R7は、メチル基を意味する、一般式Iの化合物が特に好ましい。
【0063】
下記化合物、
1−ブロモ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5−[(1H−インダゾール−4−イル)アミノ]−8,8−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−5H−ベンゾシクロヘプテン−6−オール
4−{[1−ブロモ−6,7,8,9−テトラヒドロ−6−ヒドロキシ−8,8−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−5H−ベンゾシクロヘプテン−5−イル]アミノ}−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン及び4−{[1−ブロモ−6,7,8,9−テトラヒドロ−6−ヒドロキシ−8,8−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−5H−ベンゾシクロヘプテン−5−イル]アミノ}−7−ブロモ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン
2−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5−(1H−インダゾール−4−イルアミノ)−8,8−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−5H−ベンゾシクロヘプテン−6−オール
4−{[2−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−6−ヒドロキシ−8,8−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−5H−ベンゾシクロヘプテン−5−イル]アミノ}−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン
6,7,8,9−テトラヒドロ−6−ヒドロキシ−8,8−ジメチル−5−{[7−(1−メチル−5−オキソピロリジン−2−イル)−1H−インダゾール−4−イル]アミノ}−6−(トリフルオロメチル)−5H−ベンゾシクロヘプテン−2−カルボニトリル
(5R*−シス)−5−{[6,7,8,9−テトラヒドロ−6−ヒドロキシ−9,9−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−5H−ベンゾシクロヘプテン−5−イル]アミノ}キノリン−2(1H)−オン
特に(5R*−シス)−5−{[6,7,8,9−テトラヒドロ−6−ヒドロキシ−9,9−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−5H−ベンゾシクロヘプテン−5−イル]アミノ}キノリン−2(1H)−オンが特に好ましい。
【0064】
R1及びR2が一緒に、基-O-(CH2)n-O-、 -O-(CH2)n-CH2-、-0-CH=CH-、 -(CH2)n+2-、-NH-(CH2)n+1、 N(C1-C3-アルキル)- (CH2)n+1及び-NH-N=CH-を意味する化合物は、それらの化合物のサブグループである。
アルキル基R1及びR2が-(CH2)n+2-を有し、そして従って、鎖の炭素原子と一緒に、5〜6員の環を形成する化合物は、もう1つのサブグループを表す。
【0065】
R3が、(1〜3個のヒドロキシ基、ハロゲン原子、又は1〜3個の(C1-C5)-アルコキシ基により任意に置換され得る)C1-C10-アルキル基、任意に置換された(C3-C7)−シクロアルキル基、任意に置換されたヘテロシクリル基、((C1-C5)−アルキル基、(C1-C5)-アルコキシ基、ハロゲン原子又はエキソメチレン基から選択された1又は複数の基により任意に置換され、そして1〜3個の窒素原子及び/又は1〜2個の酸素原子及び/又は1〜2個の硫黄原子及び/又は1〜2個のケト基を任意には含む)単環式又は二環式へテロアリール基を意味し、ここでそれらの基は5H−ベンゾシクロヘプテン系のアミンに、いずれかの位置を通して結合され得、そして任意には、1又は複数の部位で水素化され得る、請求項1〜3のいずれか1項記載の一般式Iの化合物は、本発明のもう1つの対象である。
【0066】
R3が、(1〜3個のヒドロキシ基、ハロゲン原子により置換され得る)C1-C10-アルキル基、任意に置換されたフェニル基、(1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C5)-アルキル基、1〜2個の(C1-C5)-アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子、又は1〜2個のエキソメチレン基により任意に置換され、そして1〜3個の窒素原子及び/又は1〜2個の酸素原子及び/又は1〜2個硫黄原子を含む)単環式又は二環式へテロアリール基を意味し、ここでそれらの基は、窒素原子に、いずれかの位置を通して結合され得、そして任意には、1又は複数の部位で水素化され得る、一般式Iの化合物は、本発明のもう1つの対象である。
【0067】
R3が任意に置換されたフェニル又はナフチル基、フタリジル、チオフタリジル、ベンゾキサジノニル、フタラジノニル、キノリニル、イソキノリニル、キノロニル、イソキノロニル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、1,7−もしくは1,8−ナフチリジニル、ジヒドロインドロニル、ジヒドロイソインドロニル、ベンズイミダゾリル又はインドリル基を意味する、一般式Iの化合物がもう1つの対象である。
【0068】
R3が、(1〜3個のヒドロキシ基、ハロゲン原子により任意に置換される)C1-C10-アルキル基、任意に置換されたフェニル基、フタリジル、チオフタリジル、ベンゾキサジノニル、フタラジノニル、キノリニル、イソキノリニル、キノロニル、イソキノロニル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、1,7−もしくは1,8−ナフチリジニル、ジヒドロインドロニル、ジヒドロイソインドロニル、ベンズイミダゾリル又はインドリル基を意味する、一般式Iの化合物は、本発明の好ましい対象である。
【0069】
R3がインドリル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、キノリニル、イソキノリニル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、キノロニル、イソキノロニル、ジヒドロキノロニル、ジヒドロイソキノロニル、インダゾリル、インドロニル、イソインドロニル、ジヒドロインドロニル又はジヒドロイソインドロニル基を意味する、一般式Iの立体異性体は、本発明のもう1つの好ましい対象である。
R3がインダゾリル、ジヒドロインドロニル、ジヒドロイソインドロニル、キノロニル又はイソキノロニル基を意味する一般式Iの立体異性体が特に好ましい。
【0070】
R3が、ハロゲン原子又はメチルピロリドンにより任意には置換され得る、インダゾリル、ジヒドロインドロニル及びキノロニルを意味する一般式Iの化合物は、本発明の特に好ましい対象である。
請求項記載の基Aは、-CH2-CR6R7-又は-CR6R7-CH2-、好ましくは-CH2-C(CH3)2又は-C(CH3)2-CH2-, 特に好ましくは-CR6R7-CH2, 及びさらに特に好ましくは-C(CH3)2-CH2-を意味する。
【0071】
基Dは、-CR4R5-CH2-基又は-CH2-CR4R5-基を意味し;-CH2-CR4(R5)基が好ましく;そして-CH2-C(CF3)(OH)が特に好ましい。
基−A−D−は好ましくは、-CH2-CR6R7-CH2-CR4(R5)-、-CR6R7-CH2-CH2-CR4(R5)-及び特に好ましくは-CH2-C(CH3)2-CH2-C(CF3)(OH)-又は-C(CH3)2-CH2-CH2-C(CF3)(OH)-を意味する。
R4におけるヒドロキシ基は、保護された形で存在し、特に好ましくは、通常のヒドロキシ保護基の1つにより、又はC1-C5エーテル又はエステル(CO)R10として表すことができる。
ヒドロキシ基は基R4として好ましい。
【0072】
R5が(C1-C5)-アルキル基又は任意には部分的に又は完全に弗素化された(C1-C5)-アルキル基、(C3-C7)シクロアルキル基、(C1-C8)アルキレン(C3-C7)シクロアルキル基、(C2-C8)アルキレン(C3-C7)シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、(C1-C8)アルキレンへテロシクリル基、(C2-C8)アルケニレンヘテロシクリル基、アリール基、(C1-C8)アルキレンアリール基、(C2-C8)アルキレンアリール基、又は(C2-C8)アルケニレンアリール基を意味する、一般式Iの化合物は、本発明のもう1つの対象である。
【0073】
R5が(C1-C5)-アルキル基又は任意には部分的に又は完全に弗素化された(C1-C5)-アルキル基、アリール基、(C1-C8)アルキレンアリール基、(C2-C8)アルケニレンアリール基、(C3-C7)シクロアルキル基、(C1-C8)アルキレン(C3-C7)シクロアルキル基、又は(C2-C8)アルケニレン(C3-C7)シクロアルキル基を意味する、一般式Iの立体異性体が、本発明の特定の対象である。
【0074】
R5が(C1-C3)-アルキル基又は任意には部分的に又は完全に弗素化された(C1-C3)-アルキル基、特に好ましくは完全に弗素化された(C1-C3)アルキル基、又は特に好ましくはCF3基を意味する、一般式Iの立体異性体が本発明のもう1つの対象である。
R6及びR7は、お互い独立して、水素原子、メチル又はエチル基を意味し、又は5H−ベンゾシクロヘプテン系の炭素原子と共に(C3-C6)-シクロアルキル環を意味する。水素原子、又はメチル又はエチル基が好ましく;メチル又はエチル基が特に好ましく;そしてメチル基が特に好ましい。
例において開示される基のすべての組合せが、本発明の特定の対象である。
【0075】
定義
C1-C10-又はC1-C5-アルキル基は、直鎖又は枝分かれ鎖であり得、そしてメチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル−、tert−ブチル−、又はn−ペンチル−、2,2−ジメチルプロピル、2−メチルブチル又は3−メチルブチル基を表す。メチル又はエチル基が好ましい。
それらは、任意には、1〜3個のヒドロキシ基及び/又は1〜3個のCOOR10基により置換され得る。ヒドロキシ基が好ましい。
【0076】
部分的に又は完全に弗素化された(C1-C5)-アルキル基に関しては、次の部分的に又は完全に弗素化された基が考慮される:フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロエチル、1,1−ジフルオロエチル、1,2−ジフルオロエチル、1,1,1−トリフルオロエチル、テトラフルオロエチル、及びペンタフルオロエチル。トリフルオロメチル又はペンタフルオロエチル基が好ましい。完全に弗素化されたアルキル基はまた、当業者に知られているように、ペルフルオロアルキル基とも呼ばれる。
【0077】
C1-C10-又はC1-C5-アルコキシ基は、直鎖又は枝分かれ鎖であり、そしてメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−プロポキシ、n−ブトキシ、イソ−ブトキシ、tert−ブトキシ又はn−ペントキシ、2,2−ジメチルプロポキシ、2−メチルブトキシ、又は3−メチルブトキシ基を表す。メトキシ又はエトキシ基が好ましい。
C1-C5-アルキルチオ基は、直鎖又は枝分かれ鎖であり、そしてメチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソ−プロピルチオ、n−ブチルチオ、イソ−ブチルチオ、tert−ブチルチオ又はn−ペンチルチオ、2,2−ジメチルプロピルチオ、2−メチルブチルチオ、又は3−メチルブチルチオ基を表す。メチルチオ又はエチルチオ基が好ましい。
【0078】
用語ハロゲン原子又はハロゲンとは、弗素、塩素、臭素又はヨウ素原子を意味する。弗素、塩素又は臭素原子が好ましい。
(C3-C7)-シクロアルキル基は、任意には、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(C1-C5)-アルキル基、(C1-C5)-アルコキシ基、NR8R9基、COOR10基、CHO、シアノ、又は3〜7環−炭素原子を有する置換された飽和環状基、例えばシクロプロピル、メチルシクロプロピル、シクロブチル、メチルシクロブチル、シクロペンチル、メチルシクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、シクロヘプチル又はメチルシクロヘプチルから選択された1又は複数の基により定義される。
【0079】
(C1-C8)アルキレン(C3-C7)シクロアルキル基は例えば、-(CH2)シクロアルキル、-(C2H4)-シクロアルキル、-C(C3H6)-シクロアルキル、-(C4H8)-シクロアルキル、(C5H10)-シクロアルキル、メチレンシクロプロピル、メチレンシクロブチル、メチレンシクロペンチル、メチレンシクロヘキシル又はメチレンシクロヘプチルである。
【0080】
(C2-C8)アルキレン(C3-C7)シクロアルキル基は、例えば-(CH=CH)-シクロアルキル、 - [C(CH3)=CH]-シクロアルキル、 -[CH=C(CH3)]-シクロアルキル、 -(CH=CH-CH2)-シクロアルキル、 -(CH2-CH=CH)-シクロアルキル、 -(CH=CH-CH2-CH2)-シクロアルキル、 -(CH2-CH=CH-CH2)- シクロアルキル、 -(CH2-CH2-CH=CH)-シクロアルキル、 -(C(CH3)=CH-CH2)-シクロアルキル、 -(CH=C(CH3)-CH2)-シクロアルキルを意味する。
【0081】
ヘテロシクリル基は、窒素、酸素及び硫黄から選択された1〜3個のヘテロ原子を、環員として含む5〜7−員の非芳香族環であり、ここで同時に、1以下の酸素又は硫黄原子が環員として存在する。それは例えば、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン又はピペリジンであり得る。
【0082】
アルキレンへテロシクリル基は、骨格に、C1-C8-アルキレン基を通して結合されるヘテロシクリル基として定義され、ここでアルキレン基は直鎖又は枝分かれ鎖であり得る。
骨格が言及される場合、一般式Iの二環式ビシクロヘプテン環系を意味する。
アルケニレンへテロシクリル基は、骨格に、不飽和C2-C8-アルキレン基を通して結合されるヘテロシクリル基であり、ここでアルキレン基は直鎖又は枝分かれ鎖であり得る。
【0083】
本発明においては、アリール基は、環、例えばフェニル又はフェニレン、又はいくつかの縮合された環、例えばナフチル又はアントラニルを有する、6〜14個の炭素原子の芳香族又は部分的芳香族炭素環式基である。例えとしては、フェニル、ナフチル、テトラニル、アントラニル、インダニル及びインデニルが言及され得る。
アリール基は、ヒドロキシ、ハロゲン、C1-C5-アルキル、C1-C5-アルコキシ、シアノ、CF3又はニトロ基からの1又は複数の基により、適切な化合物をもたらすいずれかの適切な部位で置換され得る。
【0084】
置換基として、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソ−プロポキシ、ヒドロキシ、弗素、塩素、臭素、メチル、エチル、プロピル、イソ−プロピル、又はトリフルオロメチル基が言及され得る。
任意に置換されたフェニル基及びナフチル基が好ましい。
アルキレンアリール基は、環系に、C1-C8-アルキレン基を通して供給されるアリール基であり、ここでアルキレン基は直鎖又は枝分かれ鎖であり、そして任意には、またいくつかの二重結合を担持することができる。
【0085】
アルケニレンアリール基は、骨格に、C2-C8−アルケニレン基を通して結合されるアリール基であり、ここでアルケニレン基は直鎖又は枝分かれ鎖であり得る。
アルキニレンアリール基は、骨格に、C2-C8-アルキニレン基を通して結合されるアリール基であり、ここでアルキニレン基は直鎖又は枝分かれ鎖であり得る。
【0086】
1又は複数の部位で水素化され得る単環又は二環式へテロアリール基とは、少なくとも1つのヘテロ原子及び多くとも7個のヘテロ原子を含むすべての単環又は二環式芳香族環系として定義される。1〜5個のヘテロ原子を有する環系が適切である。ヘテロ原子がそれぞれのヘテロ原子について特定される数及び7個のヘテロ原子の合計最大数を越えない限り、環系において、すべての副−組合せ下で存在すことができる、1〜4個の窒素原子、1〜2個の酸素原子及び1〜2個の硫黄原子が、ヘテロ原子として適切であり;1〜3個の窒素原子、及び/又は酸素原子又は硫黄原子を含む環系がとくに好ましい。
【0087】
例えば、R3又はR5がフラニル、チエニル、ピラゾリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、アザインドリジニル、フタリジル、チオフラリジル、インドリル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、インドロニル、ジヒドロインドロニル、イソインドロニル、ジヒドロイソインドロニル、ベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、インドリジニル、イソベンゾフラニル、アザインドリル、アザイソインドリル、フラノピリジル、フラノピリミジニル、フラノピラジニル、フラノピリダジニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロフラノピリジル、ジヒドロフラノピリミジニル、ジヒドロフラノピラジニル、ジヒドロフラノピリダジニル、ジヒドロベンゾフラニル、クマリニル、イソクマリニル、ジヒドロイソキノリニル、ジヒドロキノリニル、ベンズオキサジノニル、フタラジノニル、キノリニル、イソキノリニル、キノロニル、イソキノロニル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、1,7−もしくは1,8−ナフチリジニルを意味する式Iの化合物は、本発明の一部であり、そして本発明の特定の態様を表す。
【0088】
ヘテロアリール基が部分的に又は完全に水素化される場合、R3又はR5がテトラヒドロピラニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、ピペリジル、テトラヒドロピリジル、ジヒドロピリジル、1H−ピリジン−2−オニル、1H−ピリジン−4−オニル、4−アミノピリジル、1Hピリジン−4−オニル、4−アミノピリジル、1Hピリジン−4−イリデンアミニル、クロマニル、イソクロマニル、クロメニル、イソクロメニル、チオクロマニル、デカヒドロキノリニル、テトラヒドロキノリニル、ジヒドロキノリニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1H−キノリン−4−オニル、デカヒドロイソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンズ[1,4]キサジニル、1,2−ジヒドロ[1,3]ベンゾキサジン−4−オニル、3,4−ジヒドロベンズ[1,4]オキサジン−4−オニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]チアジニル、4H−ベンゾ[1,4]チアジニル、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリニル、1H−シンノリン−4−オニル、3H−キナゾリン−4−オニル、1H−キナゾリン−4−オニル、3,4−ジヒドロ−1H−キノキサリン−2−オニル、2,3−1,2,3,4−テトラヒドロ[1,5]ナフチリジニル、ジヒドロ−1H−[1,5]ナフチリジル、1H−[1,5]ナフチリド−4−オニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1H−ナフチリジン−4−オニル、1,2−ジヒドロピリド[3,2−d][1,3]オキサジン−4−オニル、オクタヒドロ−1H−インドリル、2,3−ジヒドロ−1H−インドリル、オクタヒドロ−2H−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジル、2,2−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−オニルを意味する、式Iの化合物は、本発明の一部である。
【0089】
本発明の化合物はまた、生理学的に適合できるアニオンとの塩の形で、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、ピバル酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、メシル酸塩、クエン酸塩又は琥珀酸塩の形で存在することもできる。
請求項1記載の一般式I の化合物を形成するために生物において代謝する類似する化合物は、本発明の対象の一部である。
【0090】
本発明の化合物は、従来技術において知られている方法に従って生成され、次に一般式Iの化合物を形成するために、−30℃〜+80℃の範囲の温度下で無機又は有機酸、又はルイス酸を添加することにより環化される、一般式IIの開鎖前駆体により生成される:
【0091】
【化2】

【0092】
一般式I[式中、R1は(C1-C5)アルコキシ基を意味する]の化合物が生成される場合、最初にハロゲン化合物が生成され、そして次に、ハロゲン原子が当業者に知られている方法に従って、芳香族化合物上の置換反応により、ヒドロキシ基により置換され、任意にはこれが、当業者に知られている方法に従ってアルコキシ基に転換され得る。
一般式IIの化合物は、種々の方法に従って、Aの意味に基づいて生成される:
【0093】
I. Aが-CH2-(CR6R7)を意味する一般式Iの化合物(=一般式Iaの化合物)の生成
一般式III (式中、LGは当業者に知られているいずれかの脱離基、例えばクロリド、ブロミド、ヨージド、スルフェート又はスルホネート、例えばトシレート、メシレートを意味する)の化合物が有機溶媒、例えばベンゼン、トルエンにおいて塩基性条件、例えば水性NaOH又はKOH下で一般式IVのアルデヒドと、通常使用される相トランスファー触媒、例えば第四アンモニウム塩、例えばヨウ化テトラブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウムによる相トランスファー触媒下で反応せしめられ、一般式Vの化合物が形成され、
【0094】
【化3】

【0095】
次に、前記アルデヒドVが、Horner-Wittig条件下で、試薬VI(ここで、Rxは(C1-C3)-アルキル基又はベンジル基を意味する)と反応せしめられ、そして一般式VII の化合物が得られ、前記エステルが当業者に知られている方法に従って鹸化された後、
【0096】
【化4】

【0097】
エノールエーテルが酸性条件、例えば氷酢酸/HOAc/H2SO4条件下で分解され、そして得られるα−ケト酸が、通常使用される酸性条件下で、アルコールRy−OH(ここでRyは(C1-C5)-アルキルを意味する)によりエステル化され、Ruppert's試薬CF3Si(CH3)3と反応せしめられ、CF3基が導入され、
【0098】
【化5】

【0099】
還元剤、例えば水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAH=DIBAL)又は水素化リチウムアルミニウム(LAH=LiAlH4)により、エステルが還元され、アルデヒドXが形成される。次に、アルデヒドが、従来技術にすでに記載されているようにして、一般式R3-NH2(R3は、請求項に記載されている意味を有する)のアミンと反応される。
【0100】
【化6】

【0101】
次に、このようにして得られたイミンIIaは、−70℃〜+80℃(好ましくは、−30℃〜+80℃の範囲)の温度で14日までの間、ルイス酸の添加により環化され、一般式Iaの化合物が形成される。
【0102】
II. Aが-(CR6R7)-CH2-を意味する一般式Iの化合物(=一般式Ibの化合物)の生成
一般式XIのニトリルが任意には、水素化ナトリウム及び対応するアルキルハロゲン化物R6-Hal及び/又はR7-Hal又はHal-[(C2-C5)-アルキレン]−Halと連続的に反応され、一般式XIIの化合物が形成される:
【0103】
【化7】

【0104】
得られる一般式XIIの化合物が、通常の条件下で、阻害された水素化物、例えば水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAH, DIBAL)により還元され、アルデヒドが形成され、
【0105】
【化8】

【0106】
そして次に、任意には、亜鉛の添加を伴って、CBr4/トリフェニルホスフィンと反応され、一般式XIII の化合物が形成される:
【0107】
【化9】

【0108】
ブチルリチウムにより、一般式XIII の化合物が、アセチレンに、及びCF3-(CO)COORyにより、エステルXIVに転換される。エステルが当業者に知られている方法に従って水素化され、一般式VIII bのエステルが形成され:
【0109】
【化10】

【0110】
次に、方法Iに類似して還元され、アルデヒドが形成され、アミンR3−NH2と反応され、イミンが形成され、そして次に一般式Ibの化合物に環化される:
【0111】
【化11】

【0112】
ルイス酸として、BBr3, TiCl4, Ti(OR3)4, TiCl2(OR3)2, TiBr2(OR3)2, PdCl4, Pd(OR3)4, PdCl2(OR3)2) ,PdBr2(OR3)2, ZnCl2, ZnBr2, AICl3, AlBr3, AIEtCl2, Al Me2Cl, Cu-塩、例えばCu(OTf)2, CuCl2, CuBr2, Yb(OTf)3が適切である。
【0113】
キラルルイス酸を使用する場合、次のルイス酸が適切である:(R)- 又は(S)-SEGPHOS-PdCl2 (Mikami など. Tetrah. Asymm. 2004, 15, 3885-89),(R)- 又は (S)-BINオール-Ti(OiPr)2 (Ding など. Tetrah. Lett. 2004, 45, 2009- 12), (R)- 又は (S)-Cu iBuBOX, ), (R)- 又は(S)-Cu iPrBOX, (R)- 又は (S)-Cu PhBOX, (R)- 又は (S)- Cu AdaBOX (Evans など. J.Am.Chem.Soc. 2000, 122, 7936-43), (R)- 又は (S)-Ph-pybox Sc(OTf)3 (Evans など. J.Am.Chem.Soc. 2005, 127, 8006-7), (R)- 又は(S)-iPr-pybox Yb(OTf)3, (R)- 又は (S)-iBu-pybox Yb(OTf)3, (R)- 又は(S)-Ph-pybox Yb(OTf)3 (Qian など. Tetrah. Asymm. 2000, 11, 2347-57)。
引用される合成の新規中間体生成物もまた、本発明の対象である。
【0114】
グルココルチコイド受容体(GR)及び他のステロイドホルモン受容体(鉱物コルチコイド受容体(MR)、プロゲステロン受容体(PR)及びアンドロゲン受容体(AR))への物質の結合が、組換え的に生成された受容体の助けにより試験される。GRをコードする組換えバキュロウィルスにより感染されたSf9細胞のサイトゾル調製物が、結合研究のために使用される。対照物質[3H]−デキサメタゾンに比較して、前記物質は、GRへの非常に高い親和性を示す。
【0115】
サイトカイン、付着分子、酵素及び他の前炎症性因子の転写のGR−介在性阻害は、グルココルチコイドの抗炎症作用のための必須の分子機構として見なされる。この阻害は、他の転写因子、例えばAP-1及びNF-κ-BとGRとの相互作用により生成される(概観については、Cato, ACB and Wade E, BioEssays 18,371-378 1996を参照のこと)。
本発明の一般式Iの化合物は、ヒト単球細胞系THP−1においてリポ多糖類(LPS)により誘発されるサイトカインIL−8の分泌を阻害する。サイトカインの濃度は、市販のELISAキットにより上清液において決定された。
【0116】
一般式Iの化合物の抗炎症作用が、ラット及びマウスにおけるハズ油誘発された炎症における試験により、動物実験において試験された(J. Exp. Med. (1995)、182、99−108)。このためには、エタノール中、ハズ油溶液が、動物の耳に局部的に投与された。試験物質がまた、ハズ油投与と同時に、又はその2時間前、局部的に又は全身投与された。16〜24時間後、耳の重量が、炎症性水腫についての用量として、ペルオキシダーゼ活性が顆粒球の浸潤についての用量として、及びエラスターゼ活性が好中球顆粒球の浸潤についての用量として測定された。この試験においては、一般式Iの化合物は、局部投与及び全身投与及び全身投与後、3種の上記炎症パラメーターを阻害する。
【0117】
グルココルチコイド治療の最も所望しない作用の1つは、いわゆる“ステロイド糖尿病”である(Hatz, HJ, Glucocorticoide : Immunオールogische Grundlagen, Pharmakオールogie und Therapierichtlinien, Wissenschafliche Verlagsgesellschaft mbH, Stuttgart, 1998を参照のこと)。これについての理由は、これを担当する酵素の誘発による、及びタンパク質の分解(グルココルチコイドの異化作用)から生成される遊離アミノ酸による、肝臓における糖新生の刺激である。肝臓における異化代謝のキー酵素は、チロシンアミノトランスフェラーゼ(TAT)である。この酵素の活性は、肝臓ホモジネートから分光光度的に決定され、そしてグルココルチコイドの所望しない代謝作用についての良好な測定を提供する。TAT誘発の測定に関しては、動物が、試験物質の投与後、8時間で殺害され、肝臓が除かれ、そしてホモジネートにおけるTAT活性が測定される。この試験においては、それらが抗炎症作用を有する用量で、一般式Iの化合物は、チロシンアミノトランスフェラーゼをまったく誘発しなか、又はわづかな程度、誘発する。
【0118】
それらの抗炎症作用及びさらに、抗アレルギー性免疫抑制及び抗増殖作用に基づいて、本発明の一般式Iの立体異性体は、哺乳類及びヒトにおける次の病理学的状態の処理又は予防のための薬剤として使用され得る:この場合、用語“疾患”とは、次の症状を表す:
(i)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する肺疾患:
−いずれかの起源の慢性閉塞性肺疾患、主に気管支喘息;
−異なった起源の気管支炎;
−成人呼吸促進症候群(ARDS);
−気管支拡張症;
−すべての形の制限的肺疾患、主にアレルギー性肺胞炎;
−すべての形の肺水腫、主に毒性肺水腫、例えば放射性肺炎;
−サルコイドーシス及び肉芽腫症、特にベック病;
【0119】
(ii)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随するリウマチ性疾患/自己免疫疾患/関節疾患:
−すべての形のリウマチ性疾患、特にリウマチ様関節炎、急性リウマチ性発熱、リウマチ性多筋痛;
−反応性関節炎;
−他の起源の炎症性柔組織疾患;
−変形性関節疾患(関節症)の場合における関節炎症状;
−外傷性関節炎;
−白斑;
−いずれかの起源の膠原病、例えば全身性エクテマトオーデス、硬皮症、多発性筋炎、皮膚筋炎、シェーグレン症候群、スティル症候群、フェルティ症候群;
−サルコーシス及び肉芽腫症;
‐柔組織リウマチ;
【0120】
(iii)炎症性及び/又は増殖工程により付随されるアレルギー又は偽アレルギー疾患:
−すべての形のアレルギー性反応、例えばクインケ水腫、枯草熱、昆虫咬傷、医薬剤、血液誘導体、コントラスト媒体、等に対するアレルギー反応、過敏性ショック、蕁麻疹、アレルギー及び刺激性接触性皮膚炎、アレルギー性脈管疾患;
−アレルギー性脈管炎;
【0121】
(iv)血管炎症(脈管炎):
−汎動脈炎結節、側頭動脈炎、らい性結性紅斑;
−結節性多発性動脈炎;
−ヴェーゲー肉芽腫症;
−巨細胞関節炎;
【0122】
(v)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する皮膚学的疾患:
−アトピー性皮膚炎(主に子供における);
−すべての形の湿疹、例えばアトピー性湿疹(主に子供における);
−いずれかの起源の発疹又は皮膚炎;
−乾癬及び類乾癬群;
−毛孔性紅色ひこう疹;
−異なった病毒、例えば放射線、化学物質、熱傷、等により誘発される紅斑性疾患;
−水疱性皮膚病、例えば自己免疫尋常性天疱瘡、水疱性天疱瘡
−苔癬様グループの疾患;
−かゆみ(例えば、アレルギー起源の);
−脂漏性水腫;
−しゅさ;
−尋常性天疱瘡;
−紅斑性滲出性多形体;
−亀頭炎;
−外陰炎;
−脈管性疾患の発現;
−髪損失、例えば脱毛症領域;
−円形脱毛症;
−皮膚性T−細胞リンパ腫;
−類乾癬;
【0123】
(vi)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する腎疾患:
−ネフローゼ症候群;
−すべての腎炎、例えば糸球体腎炎;
(vii)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する肝疾患:
−急性肝細胞分解;
−異なった起源、例えばウィルス、毒性、医薬剤−誘発された急性肝炎;
−慢性攻撃性肝炎及び/又は慢性間欠性肝炎;
【0124】
(viii)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する胃腸疾患:
−限局性腸炎(クローン病);
−潰瘍性大腸炎;
−胃炎;
−逆流性食道炎;
−他の起源、例えばスプルー起源の潰瘍性大腸炎;
【0125】
(ix)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付図する直腸疾患:
−肛門水腫;
−裂;
−痔疾;
−特発性直腸炎;
【0126】
(x)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する眼疾患:
−アレルギー性角膜炎、ブドウ膜炎、虹彩炎;
−結膜炎;
−眼瞼炎;
−視神経炎;
−脈絡膜炎;
−交感性眼炎;
【0127】
(xi)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する耳−鼻−咽喉領域の疾患:
−アレルギー性鼻炎、枯草熱;
−接触性皮膚炎、感染、等により引き起こされる外耳炎;
−中耳炎;
【0128】
(xii)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する神経学的疾患;
−脳水腫、主に腫瘍誘発された脳水腫;
−多発生硬化症;
−急性髄膜炎;
−髄膜炎;
−種々の形の痙攣、例えば乳児性点頭痙攣;
−急性脊髄損傷;
−発作;
【0129】
(xiii)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する血液疾患:
−後天性溶血性貧血;
−特発性血小板減少症;
【0130】
(xiv)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する腫瘍疾患:
−急性リンパ性白血病;
−悪性リンパ腫;
−リンパ肉芽腫症;
−リンパ肉腫;
−主に乳房、気管支及び前立腺癌における集中的な転移;
【0131】
(xv)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する内分泌疾患:
−内分泌性眼窩病;
−甲状腺クリーゼ;
−ド・ケルヴァン甲状腺炎;
−ハシモト甲状腺炎;
−バセドー氏病;
−内分泌性眼障害;
−肉芽腫性甲状腺炎;
−リンパ節様甲状腺腫;
−グレーヴス病;
【0132】
(xvi)器官及び組織移植、対宿主性移植片病;
(xvii)重症性ショック状態、例えば過敏性ショック、全身性炎症応答症候群(SIRS);
【0133】
(xviii)下記における置換療法:
−先天性−次性副腎機能不全、例えば先天性副腎由来の症候群;
−後天性−次副腎機能不全、例えばアジソン病、自己免疫副腎炎、後感染性腫瘍、転移、等;
−先天性二次副腎機能不全、例えば先天性下垂体低下;
−後天性二次副腎機能不全、例えば後感染性腫瘍、等:
(xix)炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する嘔吐:
−例えば、細胞増殖抑制により誘発された嘔吐における5−HT3アンタゴニストとの組合せ;
【0134】
(xx)炎症起源の痛み、例えば腰痛;
(xxi)種々の疾病。
項目(i), (ii), (iii), (v), (viii), (ix), (x), (xi), (xv), (xx), (xxi)、特に(i), (ii), (iii), (v), (x), (xi)及び (xv)下に示される疾病の処理のための本発明の化合物の局部投与が好ましい。
【0135】
さらに、本発明の一般式Iの化合物は、合成グルココルチコイドが使用される、上記に言及されていない追加の病理学的状態の処理及び予防のために使用され得る(これに関しては、Hatz, HJ, Glucocorticoide : Immunオールogische Grundlagen, Pharmakオールogie und Therapierichtlinien, Wissenschafliche Verlagsgesellschaft mbH, Stuttgart, 1998を参照のこと)。
【0136】
すべての前記に言及された表示(i)〜(xx)は、Hatz, HJ, Glucocorticoide : Immunオールogische Grundlagen, Pharmakオールogie und Therapierichtlinien, Wissenschafliche Verlagsgesellschaft mbH, Stuttgart, 1998に、より詳細上記載されている。
【0137】
本発明はまた、組み合わせ療法又は組合された組成物にも関し、ここで式(I)のグルココルチコイド受容体(GR)アゴニスト又は医薬的に許容できるその塩、又は式(I)のGRアゴニスト又は医薬的に許容できるその塩を含む医薬組成物が、上記病理学的状態の1つを処理するために、1又は複数の医薬剤と同時に(任意には、同じ組成物において)、又は前記医薬剤と共に連続的に投与される。例えば、リウマチ様関節炎、変形性関節炎、CPOD(慢性閉塞性肺疾患)、喘息又はアレルギー性鼻炎の処理に関しては、本発明のGRアゴニストが、そのような状態の処理のための1又は複数の医薬剤と共に組合され得る。そのような組合せが吸入により投与される場合、組み合わされるべき医薬剤は次の列挙から選択され得る:
【0138】
・PDE4Dイソフォームのインヒビターを包含するPDE4インヒビター;
・選択的β. Sub2. adrenoceptorアゴニスト、例えばメタプロテノール、イソプロテノール、イソプレナリン、アルブテロール、サルブタモール、ホルモテロール、サルメテロール、テルブタリン、オルシプレナリン、メタンスルホン酸ビオルテロール、ビルブテロール又はインダカテロール;
【0139】
・ムスカリ受容体アンタゴニスト(例えば、M1, M2又はM3アンタゴニスト、例えばより選択的なM3アンタゴニスト)、例えば臭化イプラトロピウム、臭化チオトリピウム、臭化オキシトロピウム、ピレンゼピン又はテレンゼピン:
・ケモカイン受容体機能のもジュレーター(例えば、CCR1受容体アンタゴニスト);又は
・p38キナーゼ機能のインヒビター。
【0140】
本発明のもう1つの対象に関しては、式(I)のGRアゴニスト又は医薬的に許容できるその塩とのそのような組合せが、COPD、喘息又はアレルギー性鼻炎を処理するために使用され、そして吸入又は経口投与もされ得る、キサンチン(例えば、アミノフィリン又はテオフィリン)と組合して、吸入又は経口により投与され得る。
上記に言及された病理学的状態における治療作用に関しては、適切な用量は、変化し、そして例えば一般式Iの化合物の活性強度、宿主、投与の型、及び処理される病状の型及び重症度、並びに予防剤又は治療剤としての使用に依存する。
【0141】
本発明はさらに、次のものを提供する:
(i)疾病を処理するための薬剤の生成のためへの本発明の一般式Iの化合物の1つの使用;
(ii)疾病を抑制し、そしてそのような薬剤を必要とする患者に与えられる量の本発明の化合物の投与を含んで成る、疾病の処理方法;
(iii)1つの本発明の化合物又はその混合物、及び少なくとも1つの医薬的アジュバント及び/又はビークルを含んで成る、疾病を処理するための医薬組成物。
【0142】
一般的に、満足の行く結果が、毎日の用量がkg体重当たり、1μg〜100,000μgの範囲の本発明の化合物を含んで成る場合、動物において予測され得る。より大きな動物、例えばヒトの場合、推薦される毎日の用量は、kg体重当たり1μg〜100,000μgの範囲である。Kg体重当たり10〜30,000μgの用量が好ましく、そしてkg体重当たり10〜10,000μgの用量がより好ましい。例えば、この用量は適切には、1日当たり数度、適切には投与される。急性ショック(例えば、過敏性ショック)の処理に関しては、上記で言及された用量以上である単一の用量が与えられ得る。
【0143】
新規化合物に基づいての医薬製剤の配合は、生薬に通常使用されるビークル、充填剤、分解に影響を及ぼす物質、保湿剤、滑剤、吸着剤、希釈剤、風味修正剤、着色剤、等と共に加工される活性成分により、当業界において知られている手段で実施され、そして所望する投与形に転換される。この場合、Remingtオン's Pharmaceutical Science, 15th ed. Mack Publishing Company, East Pennsイルvania (1980)を参照のこと。
【0144】
経口投与に関しては、特に錠剤、被覆された錠剤、カプセル、ピル、粉末、顆粒、ロゼンジ、懸濁液、エマルジョン又は溶液が適切である。
非経口投与に関しては、注射及び注入調製物が可能である。
関節内注射に関しては、相応じて調製された結晶性懸濁液が使用され得る。
筋肉内注射に関しては、水性及び油性注射溶液又は懸濁液及び相当のデポット調製物が使用され得る。
【0145】
直腸投与に関しては、新規化合物は、全身性及び局部処理のために、坐剤、カプセル、溶液(例えば、浣腸の形で)、及び軟膏の形で使用され得る。
新規に化合物の肺投与に関しては、その化合物は、エアロゾル及び吸入剤の形で使用され得る。
眼、外耳、中耳、鼻腔及び副鼻腔への局部投与に関しては、新規化合物は、対応する医薬製剤において、ドロップ、軟膏及びチンキ剤として使用され得る。
【0146】
局部適用に関しては、ゲル、軟膏、脂肪軟膏、クリーム、ペースト、粉末、ミルク及びチンキ剤における配合が可能である。一般式Iの化合物の用量は、十分な薬理学的作用を達成するためには、それらの製剤において0.01%〜20%であるべきである。
本発明はまた、本発明の一般式Iの化合物を、治療的活性成分として含んで成る。さらに、本発明の一般式Iの化合物は、医薬的に適合でき、且つ許容できるアジュバント及びビークルと共に、治療的活性成分として本発明の一部である。
【0147】
本発明はまた、1つの本発明の医薬的活性化合物又はその混合物、又は医薬的に適合できるその塩、及び医薬的に適合できるアジュバント及びビークルを含む医薬組成物を含んで成る。
【実施例】
【0148】
例1
【化12】

【0149】
1−ブロモ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5−[(1H−インダゾール−4−イル)アミノ]−8,8−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−5H−ベンゾシクロヘプテン−6−オール
3−(2−ブロモフェニル)−2,2−ジメチルプロパナール
1.63g(40.81mモル)の粉砕された水酸化ナトリウム及び150.7mg(0.41mモル)のヨウ化テトラブチルアンモニウムを、6mlのベンゼン中に導入する。12.7g(51mモル)の2−ブロモベンジルブロミド及び2.94g(40.81mモル)のイソブチルアルデヒドから成る混合物を、60℃でこの混合物に滴下し、そして次に、そのバッチを、この温度で8時間、撹拌する。室温での8時間の撹拌の後、その反応混合物を、40mlの水と共に混合し、そして400mlのジエチルエーテルと共に振盪する。有機相を水及び飽和塩化ナトリウム溶液により洗浄する。硫酸ナトリウム上での乾燥の後、溶媒を回転除去し、そして残る残渣をシリカゲル(移動溶媒、酢酸エチル/ヘキサン)上でクロマトグラフィー処理する。6.6g(67.1%)の所望する化合物を単離する。
MS (El) m/e (相対的強度): 242 (M+, 3), 169/71 (100)。
【0150】
(E/Z)−エチル−5−(2−ブロモフェニル)−4,4−ジメチル−2−エトキシペント−2−エノエート
テトラヒドロフラン/ヘプタン/トルエン中、リチウムジイソプロピルアミドの2M溶液14.75mlを、21mlのテトラヒドロフラン中、7.34g(23.371mモル)の2−ジエチルホストノ−2−エトキシ酢酸エチルエステルの溶液に、氷によりゆっくり冷却しながら、滴下し、そしてそれを0℃で30分間、撹拌する。31.5mlの無水テトラヒドロフランに溶解された6.6g(27.37mモル)の3−(2−ブロモフェニル)−2,2−ジメチル−プロパナールを、この黄色の溶液に0℃で滴下する。
【0151】
冷浴を除き、そしてそのバッチを室温で22時間、撹拌する。反応混合物を60mlの水と共に混合し、そしてそれぞれ300mlのジエチルエーテルと共に2度、振盪する。組合された有機抽出物を、水及び飽和塩化ナトリウム溶液により洗浄する。硫酸ナトリウム上での乾燥の後、及び溶媒を回転除去した後、残存する残渣をシリカゲル(移動溶媒、酢酸エチル/ヘキサン)上でクロマトグラフィー処理する。特に、E/Z混合物として、6.63g(68.2%)の所望する化合物を単離する。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ= 1.10-1.40 (12H), 2.95-3.08 (2H), 3.68-3.80 (2H), 4.13-4.32 (2H), 4.89 及び 6.17 (一緒に 1 H), 7.00-7.10 (1 H), 7.14-7.34 (2H), 7.55 (1H)。
【0152】
5−(2−ブロモフェニル)−4,4−ジメチル−2−オキソペンタン酸
6.63g(18.66mモル)の(E/Z)−エチル−5−(2−ブロモフェニル)−4,4−ジメチル−2−エトキシペント−2−エノエートを、エタノール/水から成る2:1混合物中、1Mの水酸化ナトリウム溶液186mlと共に混合し、そしてそれを室温で18時間、撹拌する。エタノールの排水の後、残渣をジエチルエーテルにより抽出する。有機相を捨てる。水性相を、pHが3に達するまで、濃HClにより酸性化する。ジエチルエーテルによる抽出の後、組合された有機抽出物を中性に洗浄し、乾燥し、そして溶媒を回転除去する。得られる生成物(5.83g=95.6%)を、エノールエーテル分解に直接的に使用する。
【0153】
最終的に、粗生成物を、1Mの硫酸108mlと共に混合し、そして90℃で17時間、撹拌する。反応混合物を、固体炭酸ナトリウムと共に、氷浴において冷却しながら、pHが9に達するまで(強い発泡性)、混合し、そしてそれをジエチルエーテルにより抽出する。エーテル相を、TLCによりモニターした後、捨てる。水性相を、pHが4に達するまで、濃HClにより酸性化する。ジエチルエーテルによる抽出物の後、及び有機相の洗浄及び乾燥の後、溶媒を回転除去し、そして得られる残渣(4.23g=79.8%)を、次の段階に粗形で導入する。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3):δ= 1.10 (6H), 2.94 (2H), 3.00 (2H), 7.05-7.14 (1 H), 7.18-7.29 (2H), 7.58 (1 H)。
【0154】
メチル−5−(2−ブロモフェニル)−4,4−ジメチル−2−オキソペンタノエート
2g(6.685mモル)の5−(2−ブロモフェニル)−4,4−ジメチル−2−オキソペンタン酸を、11.6mlのアセトンに溶解し、そして1.108g(8.022mモル)の炭酸ナトリウムと共に室温で混合する。1.23g(8.691mモル)のヨードメタンの添加の後、バッチを2時間、還流する。炭酸カリウムを、G4フリット上に吸引し、アセトンにより洗浄し、そして溶媒を回転除去する。残渣をシリカゲル上でクロマトグラフィー処理した後(移動溶媒、酢酸エチル/ヘキサン)、1.1g(52.6%)の所望する化合物を得る。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ= 1.10 (6H), 2.88 (2H), 2.93 (2H), 3.88 (3H), 7.03-7.11 (1 H), 7.18-7.25 (2H), 7.58 (1H)。
【0155】
5−(2−ブロモフェニル)−4,4−ジメチル−2−(トリフルオロメチル)−ペンタン−1,2−ジオール
1.1g(3.512mモル)のメチル−5−(2−ブロモフェニル)−4,4−ジメチル−2−オキソペンタノエートを、5.7mlのTHFに溶解し、そして599.2mg(4.214mモル)の(トリフルオロメチル)−トリメチルシランと共に0℃で混合する。8.6mgの弗化テトラブチルアンモニウムの添加の後、バッチを0〜5℃で1.5時間、撹拌する。反応混合物を氷水中に注ぎ、そしてジエチルエーテルにより2度、抽出する。組合された有機抽出物を水及びブラインにより洗浄し、そして乾燥する。
【0156】
溶媒を回転除去した後、残渣をシリカゲル(移動溶媒、酢酸エチル/ヘキサン)上でクロマトグラフィー処理する。1.17g(73.1%)のメチル−5−(2−ブロモフェニル)−4,4−ジメチル−2−(トリメチルシラニルオキシ)−2−(トリフルオロメチル)−ペンタノエートを単離する。そのエステルを10.7mlのトルエンに溶解し、そして1.2MのDIBAH溶液5.35mlと共に−10℃で混合する。-10〜0℃での1時間以上の撹拌の後、まず1.77mlのイソプロパノール及び次に、2.67mlの水を-10℃で注意して滴下する。2時間の激しい撹拌の後、沈殿物をフリット上に吸引し、酢酸エチルにより洗浄し、そして溶媒を回転蒸発器により回転除去する。1.07gのペンタンジオールをシリルエーテルとして得、これを次の段階に、さらに精製しないで導入する。
【0157】
最終的に、粗生成物(1.07g=2.503mモル)を、14mlのTHFに溶解し、そして789.7mg(2.503mモル)の弗化テトラブチルアンモニウムと共に混合する。室温で20分間の撹拌の後、バッチを氷水に添加し、そしてジエチルエーテルにより2度、抽出する。組合された有機抽出物を、水及びブラインにより洗浄する。硫酸ナトリウム上での乾燥の後、溶媒を回転除去し、そして残渣をシリカゲル(移動溶媒、酢酸エチル/ヘキサン)上でクロマトグラフィー処理する。582.5mg(65.5%)の所望するジオールを単離する。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6):δ = 0.93-1.10 (6H), 1.63 (1 H), 1.79 (1 H), 2.82-2.98 (2H), 3.52-3.72 (2H), 5.13 (1 H), 5.59 (1 H), 7.10-7.19 (1 H), 7.25-7.40 (2H), 7.59 (1H)。
【0158】
5−(2−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−2−(トリフルオロメチル)−ペンタナール
5.6mlのジメチルスルホキシド及び826.2mg(8.165mモル)のトリエチルアミンを、17mlのジクロロメタンに溶解された、580mg(1.633mモル)の5−(2−ブロモフェニル)−4,4−ジメチル−2−(トリフルオロメチル)−ペンタン−1,2−ジオールに添加する。779.7mg(4.899mモル)のSO3/ピリジン複合体の添加の後、そのバッチを室温で17時間、撹拌する。6.5mlの飽和塩化アンモニウム溶液の滴下の後、バッチを室温で15分間、撹拌し、そして次に、ジエチルエーテルにより2度、抽出する。組合された有機抽出物を、水及びブラインにより洗浄する。溶媒の乾燥及び回転除去の後、残渣をシリカゲル(移動溶媒、酢酸エチル/ヘキサン)上でクロマトグラフィー処理する。480.5mg(83.3%)の所望する化合物を単離する。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ= 0.95 (3H), 1.02 (3H), 2.13-2.30 (2H), 2.80-2.93 (2H), 3.93 (1H), 7.02-7.13 (1 H), 7.20-7.29 (2H), 7.58 (1H), 9.80 (1 H)。
【0159】
5−(2−ブロモフェニル)−1,1,1−トリフルオロ−2−[(1H−インダゾール−4−イルイミノ)−メチル]−4,4−ジメチルペンタン−2−オール
100mg(0.283mモル)の上記アルデヒド及び37.7mg(0.283mモル)の4−アミノインダゾールを、0.4mlの氷酢酸と共に混合し、そして室温で4日間、撹拌する。反応混合物を、回転蒸発によりトルエンにより3度、流し、そして残渣をシリカゲル(移動溶媒、酢酸エチル/ヘキサン)上でクロマトグラフィー処理する。101.8mg(76.6%)の所望する化合物を、単離する。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3):δ= 1.02 (3H), 1.18 (3H), 2.09 (1 H), 2.39 (1 H), 2.98 (2H), 5.10 (1 H), 6.82 (1 H), 7.00-7.10 (1 H), 7.15-7.32 (2H), 7.35- 7.49 (2H), 7.56 (1 H), 8.15 (1 H), 8.23 (1 H)。
【0160】
1−ブロモ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5−[(1H−インダゾール−4−イル)アミノ]−8,8−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−5H−ベンゾシクロヘプテン−6−オール
60mg(0.128mモル)の5−(2−ブロモフェニル)−1,1,1−トリフルオロ−2−[(1H−インダゾール−4−イルイミノ)−メチル]−4,4−ジメチルペンタン−2−オールを、2.5mlの三臭化硼素(ジクロロメタン中、1M)と共に混合し、そして次に、室温で7日間、撹拌する。反応混合物を、飽和炭素水素ナトリウム溶液と共に-30℃で少しずつ混合し、そして酢酸エチルの添加の後、室温で10分間、激しく撹拌する。酢酸エチルによる2回の抽出サイクルの後、組合された有機抽出物を、水及びブラインにより洗浄し、そして乾燥する。溶媒の回転除去の後、残渣をFlashasterにおいてクロマトグラフィー処理する。43.3mg(70.5%)の所望する化合物を単離する。
1H-NMR (300 MHz, CD3OD):δ= 1.00 (3H), 1.30 (3H), 1.40 (1 H), 1.96 (1 H), 3.09 (1 H), 3.40 (1 H), 5.30 (1 H), 5.76 (1 H), 6.79 (1 H), 7.00-7.10 (2H), 7.41 (1 H), 7.56 (1 H), 8.13 (1 H)。
【0161】
例2
【化13】

【0162】
4−{[1−ブロモ−6,7,8,9−テトラヒドロ−6−ヒドロキシ−8,8−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−5H−ベンゾシクロヘプテン−5−イル]−アミノ}−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン及び4−{[1−ブロモ−6,7,8,9−テトラヒドロ−6−ヒドロキシ−8,8−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−5H−ベンゾシクロヘプテン−5−イル]−アミノ}−7−ブロモ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン
7−{[5−(2−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−2−(トリフルオロメチル)ペンチリデン]アミノ}−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン
例1に記載される5−(2−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−2−(トリフルオロメチル)−ペンタナール73mg(0.21mモル)を、30.62mg(0.29mモル)の4−アミノ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン及び0.29mlの氷酢酸と共に室温で5日間、撹拌する。反応混合物を回転蒸発器においてトルエンにより3度、流し、そして残存する残渣をシリカゲル(移動溶媒、酢酸エチル/ヘキサン)上でクロマトグラフィー処理する。82.9mgの所望するイミンを単離する。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3):δ = 1.00 (3H), 1.10 (3H), 2.02 (1 H), 2.33 (1 H), 2.95 (2H), 3.55 (2H), 4.90 (1 H), 6.69 (1 H), 6.83 (1 H), 7.08 (1 H), 7.18-7.32 (3H), 7.55 (1H), 8.09 (1H), 8.32 (1H)。
【0163】
4−{[1−ブロモ−6,7,8,9−テトラヒドロ−6−ヒドロキシ−8,8−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−5H−ベンゾシクロヘプテン−5−イル]−アミノ}−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(I)及び4−{[1−ブロモ−6,7,8,9−テトラヒドロ−6−ヒドロキシ−8,8−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−5H−ベンゾシクロヘプテン−5−イル]−アミノ}−7−ブロモ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(II)
81mg(0.17mモル)の上記イミンを、ジクロロメタン中、1Mの三臭化硼素3.4mlと共に室温で混合し、そしてこの温度で13日間、撹拌する。さらなる作業のために、反応混合物を、飽和炭素水素ナトリウム溶液及び氷から成る混合物に添加する。50mlの酢酸エチルによる希釈の後、混合物を20分間、激しく撹拌する。有機相を分離し、そして水性相を、50mlの酢酸エチルと共にもう1度、振盪する。
【0164】
一緒にされた有機抽出物を、水及びブラインにより洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥する。乾燥剤の濾過の後、及び溶媒の回転除去の後、残存する残渣をシリカゲル上で数度クロマトグラフィー処理する(アミン相)。21.5mg(26.5%)の4−{[1−ブロモ−6,7,8,9−テトラヒドロ−6−ヒドロキシ−8,8−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−5H−ベンゾシクロヘプテン−5−イル]−アミノ}−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(I)及び7.9mg(8.4%)の4−{[1−ブロモ−6,7,8,9−テトラヒドロ−6−ヒドロキシ−8,8−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−5H−ベンゾシクロヘプテン−5−イル]−アミノ}−7−ブロモ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(II)を単離する。
【0165】
(I):1H-NMR (400 MHz, CD3OD): δ = 0.92 (3H), 1.20 (3H), 1.30 (1 H), 1.88 (1 H), 2.98 (1H), 3.30 (2H, シグナルはメタノールシグナルよりも低い), 3.48 (1H), 5.15 (1 H), 5.87 (1 H), 6.23 (1H), 6.89 (1 H), 7.05 (1H), 7.31 (1 H), 7.50 (1H)。
(II):1H-NMR (300 MHz, CD3OD):δ= 0.90 (3H), 1.20 (3H), 1.30 (1 H), 1.87 (1 H), 2.98 (1 H), 3.30 (2H, シグナルはメタノールシグナルよりも低い), 3.59 (1 H), 5.10 (1 H), 5.82 (1 H), 6.99 (1 H), 7.09 (1 H), 7.30 (1 H), 7.50 (1 H)。
【0166】
例3
【化14】

【0167】
2−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5−(1H−インダゾール−4−イルアミノ)−8,8−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−5H−ベンゾシクロヘプテン−6−オール
3−(3−クロロフェニル)−2,2−ジメチルプロパノール
7.95g(198.7mモル)の粉砕された水酸化ナトリウム及び734mg(1.98mモル)のヨウ化テトラブチルアンモニウムを、38.2mlのベンゼン中に導入する。40g(248.4mモル)の3−クロロベンジルブロミド及び14.33g(198.7mモル)のイソブチルアルデヒドから成る混合物を、60℃で(反応混合物の72℃への加熱)、この混合物に滴下する。次に、バッチを60℃で60時間、撹拌する。室温での24時間の撹拌の後、反応混合物を、200mlの氷水と共に混合し、そしてそれぞれ200mlのメチル−tert−ブチルエーテルにより3度、振盪する。組合された有機相を水及び飽和塩化ナトリウム溶液により洗浄する。硫酸ナトリウム上での乾燥の後、溶媒を回転除去し、そして残存する残渣をシリカゲル(移動溶媒、酢酸エチル/ヘキサン)上でクロマトグラフィー処理する。31.74g(81.2%)の所望する化合物(約50%の純度)を単離する。
MS(Cl)m/e(相対的強度):214(100%)。
【0168】
(E/Z)−エチル−5−(3−クロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−エトキシペント−2−エノエート
テトラヒドロフラン/ヘプタン/トルエン中、リチウムジイソプロピルアミドの2M溶液85.2mlを、100mlのテトラヒドロフラン中、21.36g(79.62mモル)の2−ジエチルホストノ−2−エトキシ酢酸エチルエステルの溶液に、氷によりゆっくり冷却しながら、滴下し、そしてそれを0℃で30分間、撹拌する。100mlの無水テトラヒドロフランに溶解された28.46g(15.66g=79.62mモル)の3−(3−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−プロパナールを、この黄色の溶液に0℃で滴下する。冷浴を除き、そしてそのバッチを室温で一晩、撹拌する。反応混合物を400mlの水に注ぎ、そしてそれぞれ200mlのメチル−tert−ブチルエーテルと共に3度、振盪する。組合された有機抽出物を、水及び飽和塩化ナトリウム溶液により洗浄する。硫酸ナトリウム上での乾燥の後、及び溶媒を回転除去した後、残存する残渣をシリカゲル(移動溶媒、酢酸エチル/ヘキサン)上でクロマトグラフィー処理する。特に、E/Z混合物として、25.76g(>100%)の所望する化合物を単離する。
MS(Cl)m/e(相対的強度):330(35%)、328(100%)、185(53%)。
【0169】
5−(3−クロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−オキソペンタン酸
28.47g(91.58mモル)の(E/Z)−エチル−5−(3−クロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−エトキシペント−2−エノエートを、エタノール/水から成る2:1混合物中、1Mの水酸化ナトリウム溶液751mlと共に混合し、そしてそれを室温で一晩、撹拌する。エタノールの排水の後、残渣を200mlの水により希釈し、そしてそれぞれ200mlのメチル−tert−ブチルエーテルにより3度、抽出する。有機相を捨てる。水性相を、pHが3に達するまで、濃HClにより酸性化する。メチル−tert−ブチルエーテルによる抽出の後(3度)、組合された有機抽出物を中性に洗浄し、乾燥し、そして溶媒を回転除去する。得られる生成物(15.82g=61.1%)を、エノールエーテル分解に直接的に使用する。
【0170】
このために、粗生成物を1Mの硫酸330ml及び87mlの氷酢酸と共に混合し、そして90℃で2日間、撹拌する。反応は、2日後、まだ完全ではないので、さらに44mlの氷酢酸を添加する。合計6日間の撹拌の後、反応混合物を、氷浴において冷却しながら、固形炭酸カリウムにより塩基性にし(pH9、強い発泡性)、そしてそれを、メチル−tert−ブチルエーテルにより3度、抽出する。水性相を、濃HClによりpH4まで酸性化する。メチル−tert−ブチルエーテルによる抽出、洗浄及び有機相の乾燥の後、溶媒を回転除去し、そして得られる残渣(11.9g=83.8%)を、次の段階において粗形として使用する。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ= 1.09 (6H), 2.69 (2H), 2.84 (2H), 7.00 (1 H), 7.13 (1 H), 7.22 (2H)。
【0171】
エチル−5−(3−クロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−オキソペンタノエート
10.61g(41.65mモル)の5−(3−クロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−オキソペンタン酸を、259mlのエタノールに添加し、4.7mlの濃硫酸と共に混合し、そして6.5時間、還流する。冷却の後、反応混合物を、500mlの飽和炭酸水素ナトリウム溶液中に注ぎ、そしてそれぞれ200mlの酢酸エチルにより3度、抽出する。組合された抽出物を、飽和炭酸水素ナトリウム溶液及びブラインにより洗浄する。硫酸ナトリウム上での乾燥の後、溶媒を回転除去し、そして残渣をシリカゲル(移動溶媒、酢酸エチル/ヘキサン)上でクロマトグラフィー処理する。5.26g(44.6%)の所望するエステルを単離する。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ = 1.05 (6H), 1.38 (3H), 2.68 (2H), 2.73 (2H), 4.30(2H), 7.00 (1 H), 7.12 (1 H), 7.20 (2H)。
【0172】
エチル−5−(3−クロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ペンタノエート
5.26g(18.59mモル)のエチル−5−(3−クロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−オキソペンタノエートを、26.8mlのTHFに溶解し、そして3.17g(22.3mモル)の(トリフルオロメチル)トリメチルシランと共に混合する。43mgの弗化テトラブチルアンモニウムの添加の後、そのバッチを室温で一晩、撹拌する。5.36gのフッ化テトラブチルアンモニウムを添加し、そしてその反応混合物を室温で、さらに2時間、撹拌する。その反応混合物を、メチル−tert−ブチルエーテルにより希釈し、そして層を分離する。メチル−tert−ブチルエーテルと共に、さらに振盪した後、組合された有機抽出物を、水及びブラインにより洗浄し、そして乾燥する。溶媒を回転除去した後、残渣をシリカゲル(移動溶媒、酢酸エチル/ヘキサン)上でクロマトグラフィー処理する。4.34g(66.2%)の所望する生成物を単離する。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ= 0.89 (3H), 1.00 (3H), 1.35 (3H), 1.90-2.06 (2H), 2.50 (1 H), 2.80 (1 H), 3.92 (1 H), 4.27-4.45 (2H), 7.09 (1 H), 7.20 (3H)。
【0173】
5−(3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−2−(トリフルオロメチル)ペンタナール
2g(5.67mモル)のエチル−5−(3−クロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ペンタノエートを、74.1mlのジエチルエーテルに溶解する。0℃で、161.4mg(4.25mモル)の水素化のリチウムを少しずつ添加する。0℃での1時間の撹拌の後、12mlの飽和炭酸水素ナトリウムを添加し、そしてそのバッチを室温で、さらに2時間、激しく撹拌する。いくらかのシリカゲルを添加した後、それをさらに10分間、撹拌し、そして反応混合物をガラス繊維フィルターを通して吸引する。エーテル相をブラインにより洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして溶媒を回転除去する。粗生成物をFlashmaster上でのクロマトグラフィー処理する。所望するアルデヒド及び出発材料から成る、1.43g(81.6%)の9:7混合物を得る。この混合物を、次の段階に、さらに精製しないで導入する。
【0174】
5−(3−クロロフェニル)−1,1,1−トリフルオロ−2−[(1H−インダゾール−4−イルイミノ)−メチル]−4,4−ジメチルペンタン−2−オール
アルデヒド及びエステルから成る上記混合物300mg(0.97mモル)及び129.39mg(0.97mモル)の4−アミノインダゾールを、1.4mlの氷酢酸と共に混合し、そして室温で4日間、撹拌する。反応混合物を、回転蒸発によりトルエンにより3度、流し、そして残渣をシリカゲル(移動溶媒、酢酸エチル/ヘキサン)上でクロマトグラフィー処理する。117.4mg(28.5%)の所望する化合物を、単離する。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3):δ= 0.95 (3H), 1.09 (3H), 1.90 (1 H), 2.24 (1 H), 2.59 (1 H), 2.85 (1 H), 6.82 (1 H), 7.09 (1 H), 7.15-7.32 (3H), 7.38- 7.52 (2H), 8.13 (1 H), 8.20 (1 H)。
【0175】
2−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5−(1H−インダゾール−4−イルアミノ)−8,8−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−5H−ベンゾシクロヘプテン−6−オール
116mg(0.27mモル)の5−(3−クロロフェニル)−1,1,1−トリフルオロ−2−[(1H−インダゾール−4−イルイミノ)−メチル]−4,4−ジメチルペンタン−2−オールを、5.47mlの三臭化硼素(ジクロロメタン中、1M)と共に混合し、そして次に、室温で7日間、撹拌する。反応混合物を、飽和炭酸水素ナトリウム溶液及び氷から成る混合物中に注ぎ、そして酢酸エチルの添加の後、それを室温で20分間、激しく撹拌する。
【0176】
酢酸エチル相を分離し、そして水性相を酢酸エチルによりさらに抽出する。組合された有機抽出物を水及びブラインにより洗浄し、そして乾燥する。溶媒の回転除去の後、残渣をシリカゲル(移動溶媒、ジクロロメタン/メタノール)上でクロマトグラフィー処理する。67.9mg(58.5%)の所望する化合物を単離する。
1H-NMR (300 MHz, CD3OD):δ= 0.88 (3H), 1.19 (3H), 1.42 (1H), 1.90 (1 H), 2.60 (1 H), 3.11 (1 H), 5.23 (1 H), 5.73 (1 H), 6.73 (1 H), 7.00 (1 H), 7.10 (1 H), 7.18 (1 H), 7.30 (1 H), 8.09 (1 H)。
【0177】
例4
【化15】

【0178】
4−{[2−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−6−ヒドロキシ−8,8−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−5H−ベンゾシクロヘプテン−5−イル]−アミノ}−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン
7−{[5−(3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−2−(トリフルオロメチル)ペンチリデン]アミノ}−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン
5−(3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−2−(トリフルオロメチル)−ペンタナール及び対応するエステルから成る、例3に記載される混合物450mg(1.46mモル)を、216mg(1.46mモル)の4−アミノ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン及び2.1mlの氷酢酸と共に室温で4日間、撹拌する。反応混合物を回転蒸発器においてトルエンにより3度、流し、そして残存する残渣をシリカゲル(移動溶媒、ヘキサン/酢酸エチル)上でクロマトグラフィー処理する。307.1(48%)mgの所望するイミンを単離する。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ = 0.90 (3H), 1.02 (3H), 1.85 (1 H), 2.20 (1 H), 2.52 (1 H), 2.81 (1 H), 3.54 (2H), 4.90 (1 H), 6.69 (1 H), 6.86 (1 H), 7.08 (1 H), 7.15-7.32 (4H), 8.04 (1 H), 8.50 (1 H)。
【0179】
4−{[2−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−6−ヒドロキシ−8,8−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−5H−ベンゾシクロヘプテン−5−イル]−アミノ}−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン
305mg(0.69mモル)の上記イミンを、ジクロロメタン中、1Mの三臭化硼素13.9mlと共に室温で混合し、そしてこの温度で5日間、撹拌する。さらなる作業のために、反応混合物を、飽和炭素水素ナトリウム溶液及び氷から成る混合物に注ぐ。50mlの酢酸エチルによる希釈の後、混合物を20分間、激しく撹拌する。有機相を分離し、そして水性相を、50mlの酢酸エチルと共にもう1度、振盪する。組合された有機抽出物を、水及びブラインにより洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥する。乾燥剤の濾過の後、及び溶媒の回転除去の後、残存する残渣をシリカゲル(ジクロロメタン/メタノール)上で数度クロマトグラフィー処理する。175.5mg(57.5%)の4−{[2−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−6−ヒドロキシ−8,8−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−5H−ベンゾシクロヘプテン−5−イル]−アミノ}−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンを単離する。
1H-NMR (300 MHz, CD3OD): δ= 0.84 (3H), 1.15 (3H), 1.40 (1 H), 1.85 (1 H), 2.58 (1 H), 3.06 (1 H), 3.25 (1 H, シグナルはメタノールシグナルよりも低い), 3.45 (1 H), 5.10 (1 H), 5.90 (1 H), 6.23 (1 H), 6.89 (1 H), 7.15 (2H), 7.28 (1 H)。
【0180】
例5
【化16】

【0181】
6,7,8,9−テトラヒドロ−6−ヒドロキシ−8,8−ジメチル−5−{[7−(1−メチル−5−オキソピロリジン−2−イル)−1H−インダゾール−4−イル]アミノ}−6−(トリフルオロメチル)−5H−ベンゾシクロヘプテン−2−カルボニトリル
例3に記載される2−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5−(1H−インダゾール−4−イルアミノ)−8,8−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−5H−ベンゾシクロヘプテン−6−オール35mg(0.083mモル)を、8.09mg(0.17mモル)のシアン化ナトリウム及び18.04mg(0.083mモル)の臭化ニッケルと共に、1mlの1−メチル−2−ピロリジノンにおいて混合し、そしてその反応物を、マイクロウェーブ(20バール、200℃、20分)に入れる。さらなる作業のために、その反応混合物を5mlの酢酸エチルと共に混合する。2mlの水の添加の後、その混合物を室温で15分間、激しく撹拌する。
【0182】
それを酢酸エチルにより、もう1度、振盪する。組合された有機抽出物を、水及びブラリンにより洗浄する。有機相の乾燥の後、溶媒を回転除去し、そして残渣をFlashmaster(アミン相、移動溶媒、メタノール/ジクロロメタン)上でクロマトグラフィー処理する。16.4mg(38.8%)の6,7,8,9−テトラヒドロ−6−ヒドロキシ−8,8−ジメチル−5−{[7−(1−メチル−5−オキソピロリジン−2−イル)−1H−インダゾール−4−イル]アミノ}−6−(トリフルオロメチル)−5H−ベンゾシクロヘプテン−2−カルボニトリル(80%)を得る。
1H-NMR (300 MHz, CD3OD):δ= 0.85 (3H), 1.20 (3H), 1.45 (1H), 1.90-2.08 (2H), 2.32-2.60 (6H), 2.69 (1H), 3.22 (1H), 5.34 (1H), 5.75 (1H), 6.83 (1H), 7.45-7.59 (3H),8.20 (1 H)。
【0183】
例6
【化17】

【0184】
(5R*−シス)−5−{[6,7,8,9−テトラヒドロ−6−ヒドロキシ−9,9−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−5H−ベンゾシクロヘプテン−5−イル]−アミノ}−キノリン−2(1H)−オン
【0185】
2−(2−クロロフェニル)−2−メチルプロパンニトリル
25g(164.92mモル)の2−クロロベンジルシアン化物を、250mlのジメチルホルムアミドに溶解し、そしてその溶液を68g(346.33mモル)のヨードメタンと共に混合する。0℃で、13.9g(346.33mモル)の水素化ナトリウム懸濁液(W=55〜60%)を少しずつ添加する。室温での一晩の撹拌の後、反応混合物を氷水中に注ぎ、そしてメチル−tert−ブチルエーテルと共に3度、振盪する。組合された有機抽出物を水及び次にブラインにより洗浄する。硫酸ナトリウム上での乾燥の後、溶媒を回転除去し、そして残渣をシリカゲル(移動溶媒、メチル−tert−ブチルエーテル/ヘキサン)上でクロマトグラフィー処理する。27.25g(91.8%)の所望する化合物を単離する。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ= 1.99 (6H), 7.24-7.33 (2H), 7.40-7.50 (2H)。
【0186】
2−(2−クロロフェニル)−2−メチルプロパナール
27.25g(151.69mモル)の上記ニトリルを、510mlのトルエンに溶解する。-70℃で、トルエン中、DIBAHの1.2M溶液186.9mlを滴下する。この温度での2.5時間の撹拌の後、26.1mlのイソプロパノール及び次に、1.72mlの10%L-(+)-酒石酸溶液を滴下する。この場合、温度が上昇する。バッチを室温で1時間、激しく撹拌する。メチル−tert−ブチルエーテルによる3サイクルの抽出の後、組合された有機抽出物をブラインにより洗浄し、乾燥し、そして溶媒を回転除去する。得られる残渣(27.5g=100%)をさらに、粗形で導入する。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3):δ= 1.50 (6H), 7.21-7.46 (4H), 9.72 (1 H)。
【0187】
1−クロロ−2−(3,3−ジブロモ−1,1−ジメチルプロプ−2−エニル)ベンゼン
29.5g(112.31mモル)のトリフェニルホスフィンを、350mlのジクロロメタンに溶解する。7.34g(112.31mモル)の亜鉛ダストの添加の後、そのバッチを0℃に冷却し、そして次に、37.2g(112.31mモル)のテトラブロモメタンを少しずつ添加する。室温での16時間の撹拌の後、140mlのジクロロメタンに溶解された10g(54.75mモル)の2−(2−クロロフェニル)−2−メチルプロパナールを滴下する。2時間の撹拌の後、反応混合物を、350mlのヘキサンと共に混合し、激しく撹拌し、そしてシリカゲル充填のフリットを通して吸引する。残渣を600mlのヘキサン/ジクロロメタン(1:1)により洗浄した後、濾液を乾燥状態に蒸発する。残渣をシリカゲル(移動溶媒、酢酸エチル/ヘキサン)上でクロマトグラフィー処理する。出発材料であることが判明された6.31gを単離し、そして従って、二重結合を形成するために反応に再び使用した。
【0188】
これに関して、改良された変法においては、414mlのジクロロメタン中、34.3g(103.46mモル)のテトラブロモメタンを溶解し、そして0℃で54.4g(207.41mモル)のトリフェニルホスフィンと共に少しずつ混合する。0℃での1時間の撹拌の後、80mlのジクロロメタンに溶解された、回収された6.31g(34.55mモル)の2−(2−クロロフェニル)−2−メチルプロパノールを滴下する。そのバッチを室温で一晩、撹拌する。反応混合物を1.3Lのヘキサン中に注ぐ。1時間の激しい撹拌の後、それをセライトを通して吸引し、そして溶媒を回転除去する。残渣をシリカゲル(移動溶媒、酢酸エチル/ヘキサン)上でクロマトグラフィー処理する。4.67g(41.4%)の所望する生成物(まだ、いくらかの出発材料を含む)を単離する。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ = 1.60 (6H), 6.93 (1 H), 7.16-7.25 (2H), 7.38 (1 H), 7.43 (1 H)。
【0189】
1−クロロ−2−(1,1−ジメチルプロプ−2−イニル)ベンゼン
4.46g(13.66mモル)の上記ジブロモアルケンを、180mlのテトラヒドロフランに溶解し、そして−70℃で、16.1ml(26.8mモル)のブチルリチウム溶液(ヘキサン中、15%)と共に少しずつ混合する。この温度での2時間の撹拌の後、2.7mlの水を注意して滴下し、そして次にその混合物を室温で2時間、激しく撹拌する。反応混合物をメチル−tert−ブチルエーテルと共に混合した後、有機相を水及び次にブラインにより洗浄する。有機相の乾燥の後、溶媒を回転除去し、そして残渣(2.83g>100%)を、次の段階に、粗形で導入する。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3): δ= 1.71 (6H), 2.30 (1 H),7.16-7.20 (2H), 7.30 (1H), 7.63 (1H)。
【0190】
エチル−5−(2−クロロフェニル)−2−ヒドロキシ−5−メチル−2−(トリフルオロメチル)へキシ−3−イノエート
2.83g(15.84mモル)の1−クロロ−2−(1,1−ジメチルプロプ−2−イニル)ベンゼンを、150mlのテトラヒドロフランに溶解し、そしてその混合物を、-60°に冷却する。この温度で、9.8ml(15.84mモル)のn−ブチルリチウム溶液(ヘキサン中、15%)を滴下し、そして次に、そのバッチを0℃で2時間、撹拌する。-60℃への反復した冷却の後、1.9ml(15.84mモル)のエチルトリフルオロピルベートを滴下する。室温での24時間の撹拌の後、反応混合物を、飽和塩化アンモニウム溶液中に注ぐ。メチル−tert−ブチルエーテルによる3サイクルの抽出の後、組合された有機抽出物をブラインにより洗浄する。流酸ナトリウムによる乾燥の後、及び溶媒の回転除去の後、残渣をFlashmaster上でクロマトグラフィー処理する。2.4g(43.6%)の所望する化合物を単離する。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ = 1.49 (3H), 1.79 (6H), 4.12 (1 H), 4.41 (2H), 7.17- 7.25 (2H), 7.39 (1H), 7.58 (1H)。
【0191】
エチル−2−ヒドロキシ−5−メチル−5−フェニル−2−(トリフルオロメチル)ヘキサノエート
2.3g(6.59mモル)を、231mgのPd/C(10%)の及び16mlのエタノールと共に混合し、そして室温で一晩水素雰囲気下で撹拌する。触媒を、ガラス−プリーツフィルターを通して吸引し、そして濾液を回転する。所望する飽和生成物及び対応するアルケン化合物から成る混合物2.14gを単離する。
【0192】
この混合物を、もう1度、水素化(15mlのエタノール、214mgのPd/C、水素雰囲気、室温での24時間の撹拌)にゆだねる。触媒をガラス−繊維フィルターを通して吸引し、濾液を回転し、そして残渣をFlashmaster上でクロマトグラフィー処理する。脱塩素化合物を主に含む生成物995.2mg(46.2%)を単離する。
MS(Cl)m/e(相対的強度);336(100%)。
【0193】
2−ヒドロキシ−5−メチル−5−フェニル−2−(トリフルオロメチル)ヘキサナール
995.2mg(2.82mモル)のエチル−2−ヒドロキシ−5−メチル−5−フェニル−2−(トリフルオロメチル)ヘキサノエートを、11.5mlのジエチルエーテルに溶解し、そして82.79mgの水素化リチウムアルミニウムと共に、0℃で少しずつ混合する。この温度での1時間の撹拌の後、10mlの飽和炭酸水素ナトリウムを注意して滴下し、そして次にバッチを1時間、激しく撹拌する。メチル−tert−ブチルエーテルによる3サイクルの抽出の後、組合された有機抽出物をブラインにより洗浄し、硫酸ナトリウムによる3サイクルの抽出の後、組合された有機抽出物をブラインにより洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥し、そして溶媒を回転除去する。残る残渣をFlashmaster上でクロマトグラフィー処理する。211.3mgの所望するアルデヒドを得る。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ= 1.25-1.38 (1 H), 1.32 (6H), 1.60-1.85 (3H), 3.71 (1 H), 7.15-7.40 (5H), 9.49 (1 H)。
【0194】
5−{[4−(2−ヒドロキシ−5−メチル−5−フェニル−2−(トリフルオロメチル)ヘキシリデン]アミノ}キノリン−2(1H)−オン
211mg(0.684mモル)の上記アルデヒド及び109.8mg(0.684mモル)の5−アミノ−キノリン−2(1H)−オンを2.6mlの氷酢酸において室温で3日間、撹拌する。バッチを、乾燥状態に達するまで、回転し、そして残渣をFlashmaster上でクロマトグラフィー処理する。177.9mg(57.7%)の所望するイミンを単離する。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3):δ = 1.30-1.40 (6H), 1.41-2.00 (4H), 4.70 (1H), 6.68- 6.80 (2H), 7.13-7.25 (1H), 7.25-7.35 (4H), 7.40 (1 H), 7.52 (1 H), 7.82 (1 H), 8.11 (1 H)。
【0195】
(5R*−シス)−5−{[6,7,8,9−テトラヒドロ−6−ヒドロキシ−9,9−ジメチル−6−(トリフルオロメチル)−5H−ベンゾシクロヘプテン−5−イル]−アミノ}−キノリン−2(1H)−オン
83.85mg(0.19mモル)の上記イミンを、1mlのジクロロメタンに溶解する。0℃に冷却した後、ジクロロメタン中、三臭化硼素の1M溶液1.9mlを滴下する。次に、バッチを室温で14日間、撹拌する。反応混合物を、飽和炭酸水素ナトリウム溶液及び氷から成る混合物中に注ぎ、そして酢酸エチルにより3度、抽出する。組合された有機抽出物を、ブラインにより洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして溶媒を回転除去する。残る残渣をFlashmaster上でクロマトグラフィー処理する。10.8mg(13%)の所望する化合物を単離する。
1H-NMR (400 MHz, DMSO [d6]): δ = 1.28-1.50 (7H), 1.73-1.87 (1H), 1.89-2.01 (1H), 2.10-2.23 (1H), 5.14 (1H), 5.72 (1H), 6.20-6.55 (3H), 7.00-7.12 (2H), 7.20 (1 H), 7.30 (1H), 7.40 (1H), 8.19 (1H), 11.5 (1H)。
【0196】
対応するイミンの使用により、次の化合物を類似して合成することができる:
5-{[6,7,8,9-テトラヒドロ-6-ヒドロキシ-9,9-ジメチル-6-(トリフルオロメチル)-5H‐ベンゾシクロヘプテン-5-イル]アミノ}イソキノリン-1(2H)-オン;
5-{[6,7,8,9-テトラヒドロ-6-ヒドロキシ-9,9-ジメチル-6-(トリフルオロメチル)-5H‐ベンゾシクロヘプテン-5-イル]アミノ}1 ,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-オン;
5-{[6,7,8,9-テトラヒドロ-6-ヒドロキシ-9,9-ジメチル-6-(トリフルオロメチル)-5H-ベンゾシクロヘプテン-5-イル]アミノ}2,3-ジヒドロ-イソインドール-1-オン;
5-{[6,7,8,9-テトラヒドロ-6-ヒドロキシ-9,9-ジメチル-6-(トリフルオロメチル)-5H-ベンゾシクロヘプテン-5-イル]アミノ}イソクロメン-1-オン;
9,9-ジメチル-5-[(7,8-ジフルオロ-2-メチルキナゾリン-5-イル)アミノ]- 6-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン-6-オール;
【0197】
9,9-ジメチル-5-[(2-メチルキナゾリン-5-イル)アミノ]-6-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン-6-オール;
9,9-ジメチル-5-[(2-メチルキノリン-5-イル)アミノ]-6-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン-6-オール;
5-{[1-クロロ-6,7,8,9-テトラヒドロ-6-ヒドロキシ-9,9-ジメチル-6-(トリフルオロメチル)-5H-ベンゾシクロヘプテン-5-イル]アミノ}キノリン-2(1H)-オン;
1-クロロ-9,9-ジメチル-5-[(2-メチルキナゾリン-5-イル)アミノ]-6-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン-6-オール;
5-{[2-クロロ-6,7,8,9-テトラヒドロ-6-ヒドロキシ-9,9-ジメチル-6-(トリフルオロメチル)-5H-ベンゾシクロヘプテン-5-イル]アミノ}キノリン-2(1H)-オン;
【0198】
2-クロロ-9,9-ジメチル-5-[(2-メチルキナゾリン-5-イル)アミノ]- 6-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン-6-オール;
5-{[1-クロロ-2-フルオロ-6,7,8,9-テトラヒドロ-6-ヒドロキシ-9,9-ジメチル-6-(トリフルオロメチル)-5H-ベンゾシクロヘプテン-5-イル]アミノ}キノリン-2(1H)-オン;
1-クロロ-2-フルオロ-9,9-ジメチル-5-[(2-メチルキナゾリン-5-イル)アミノ]-6-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン-6-オール;
5-{[2-クロロ-1-フルオロ-6,7,8,9-テトラヒドロ-6-ヒドロキシ-9,9-ジメチル-6-(トリフルオロメチル)- 5H-ベンゾシクロヘプテン-5-イル]アミノ}キノリン-2(1 H)-オン;
2-クロロ-1-フルオロ-9,9-ジメチル-5-[(2-メチルキナゾリン-5-イル)アミノ]- 6-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン-6-オール;
【0199】
5-{[1-ブロモ-6,7,8,9-テトラヒドロ-6-ヒドロキシ-9,9-ジメチル-6-(トリフルオロメチル)-5H-ベンゾシクロヘプテン-5-イル]アミノ}キノリン-2(1 H)-オン;
1-ブロモ-9,9-ジメチル-5-[(2-メチルキナゾリン-5-イル)アミノ]-6-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン-6-オール;
5-{[2-ブロモ-6,7,8,9-テトラヒドロ-6-ヒドロキシ-9,9-ジメチル-6-(トリフルオロメチル)-5H-ベンゾシクロヘプテン-5-イル]アミノ}キノリン-2(1 H)-オン;
2-ブロモ-9,9-ジメチル-5-[(2-メチルキナゾリン-5-イル)アミノ]-6-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン-6-オール;
5-{[1-ブロモ-2-クロロ-6,7,8,9-テトラヒドロ-6-ヒドロキシ-9,9-ジメチル-6-(トリフルオロメチル)- 5H-ベンゾシクロヘプテン-5-イル]アミノ}キノリン-2(1 H)-オン;
【0200】
1-ブロモ-2-クロロ-9,9-ジメチル-5-[(2-メチルキナゾリン-5-イル)アミノ]- 6-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン-6-オール;
5-{[2-ブロモ-1-クロロ-6,7,8,9-テトラヒドロ-6-ヒドロキシ-9,9-ジメチル-6-(トリフルオロメチル)- 5H-ベンゾシクロヘプテン-5-イル]アミノ}キノリン-2(1 H)-オン;
2-ブロモ-1-クロロ-9,9-ジメチル-5-[(2-メチルキナゾリン-5-イル)アミノ]-6-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン-6-オール;
5-{[1,2-ジクロロ-6,7,8,9-テトラヒドロ-6-ヒドロキシ-9,9-ジメチル-6-(トリフルオロメチル)- 5H-ベンゾシクロヘプテン-5-イル]アミノ}キノリン-2(1 H)-オン;
1,2-ジクロロ-9,9-ジメチル-5-[(2-メチルキナゾリン-5-イル)アミノ]-6-(トリフルオロメチル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン-6-オール。
【0201】
さらなる努力を伴わないで、当業者は前述の記載を用いて、本発明をその十分な程度、利用できると思われる。従って、次の好ましい特定の態様は、単なる例示的であり、開示の残りを制限するものではない。
前述及び次の例においては、すべての温度は、℃で補正しないで示され、そしてすべての部及び%は、特に断らない限り、重量によってである。
【0202】
本明細書に引用されるすべての出願、特許及び出版物、及び2005年3月22日に出願された対応するドイツ出願番号第102005014090.4号及び2005年4月11日に出願されたアメリカ仮出願番号60/669,885号の全開示は、引例により本明細書に組み込まれる。
前述の例は、本発明の一般的に又は特異的に記載される反応及び/又は操作条件を、前述の例に使用されるそれらにより置換することにより、類似する好結果を伴って反復され得る。
前述の記載から、当業者は、本発明の必須の特徴を容易に確認することができ、そして本本発明の範囲内で、本発明の種々の変更及び修飾を行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I):
【化1】

[式中、R1及びR2は、お互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、任意に置換された(C1-C10)-アルキル基、任意に置換された(C1-C10)-アルコキシ基、(C1-C10)-アルキルチオ基、(C1-C5)-ペルフルオロアルキル基、シアノ基又はニトロ基を意味し、あるいは
R1及びR2は、一緒になって、基-O-(CH2)n-O-、 -O-(CH2)n-CH2-、-0-CH=CH-、 -(CH2)n+2-、-NH-(CH2)n+1-、 N(C1-C3-アルキル)- (CH2)n+1-及び-NH-N=CH-(ここで、nは1又は2であり、そして末端原子は隣接する環−炭素原子に直接的に結合される)から選択された基、又はNR8R9(ここで、R8及びR9は、お互い独立して、水素、C1-C5-アルキル又は(CO)-C1-C5-アルキルであり得る)を意味し、
R11は、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、任意に置換された(C1-C10)-アルキル基、(C1-C10)−アルコキシ基、(C1-C10)-アルキルチオ基又は(C1-C5)−ペルフルオロアルキル基を意味し、
R12は、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、任意に置換された(C1-C10)-アルキル基又は(C1-C10)-アルコキシ基を意味し、
R3は、(1〜3個のヒドロキシ基、ハロゲン原子、又は1〜3個の(C1-C5)-アルコキシ基から選択された基により任意に置換され得る)C1-C10-アルキル基、任意に置換された(C3-C7)−シクロアルキル基、任意に置換されたヘテロシクリル基、任意に置換されたアリール基、((C1-C5)−アルキル基(1〜3個のヒドロキシ基又は1〜3個のCOOR10基により任意にはそれら自体、置換され得、ここでR10はいずれかのヒドロキシ保護基、ベンジル基又はC1-C10-アルキル基を意味する)、(C1-C5)-アルコキシ基、ハロゲン原子又はエキソメチレン基から選択された1又は複数の基により任意に置換され、そして1〜3個の窒素原子及び/又は1〜2個の酸素原子及び/又は1〜2個の硫黄原子及び/又は1〜2個のケト基を任意には含む)単環式又は二環式へテロアリール基を意味し、ここでそれらの基は5H−ベンゾシクロヘプテン系のアミンに、いずれかの位置を通して結合され得、そして任意には、1又は複数の部位で水素化され得、
Aは、-CR6R7-CH2-基又は-CH2-CR6R7-基を意味し、
Dは、-CR4R5-CH2-基又は-CH2-CR4R5-基を意味し、
R4は、ヒドロキシ基、OR10基又はO(CO)R10基を意味し、
R5は、(C1-C5)-アルキル基又は任意には部分的に又は完全に弗素化された(C1-C5)-アルキル基、(C3-C7)シクロアルキル基、(C1-C8)アルキレン(C3-C7)シクロアルキル基、(C2-C8)アルキレン(C3-C7)シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、(C1-C8)アルキレンへテロシクリル基、(C2-C8)アルケニレンヘテロシクリル基、アリール基、(C1-C8)アルキレンアリール基、(C2-C8)アルケニレンアリール基、(C2-C8)アルキニレンアリール基、(1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C5)-アルキル基、1〜2個の(C1-C5)-アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子、又は1〜2個のエキソメチレン基により任意に置換され、そして1〜3個の窒素原子及び/又は1〜2個の酸素原子及び/又は1〜2個の硫黄原子を含む)単環式又は二環式へテロアリール基;(C1-C8)アルキレンヘテロアリール基、又は(C2-C8)アルケニレンへテロアリール基を意味し、ここでそれらの基は、5Hベンゾシクロヘプテン系にいずれかの位置を通して結合され、そして任意には、1又は複数の部位で水素化され得、
R6及びR7はお互い独立して、水素原子、メチル又はエチル基を意味し、又は5H−ベンゾシクロヘプテン系の炭素原子と共に(C3-C6)-シクロアルキル環を意味する]
で表される化合物。
【請求項2】
下記一般式(I):
【化2】

[式中、R1及びR2は、お互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、(C1-C10)-アルキル基、(C1-C10)-アルコキシ基、(C1-C10)-アルキルチオ基、(C1-C5)-ペルフルオロアルキル基、シアノ基又はニトロ基を意味し、又は
R1及びR2は、一緒になって、基-O-(CH2)n-O-、 -O-(CH2)n-CH2-、-0-CH=CH-、 又は-(CH2)n+2-(ここで、nは1又は2であり、そして末端原子は隣接する環−炭素原子に直接的に結合される)から選択された基、又はNR8R9(ここで、R8及びR9は、お互い独立して、水素、C1-C5-アルキル又は(CO)-C1-C5-アルキルであり得る)を意味し、
R11及びR12は、水素原子を意味し、
R3は、(1〜3個のヒドロキシ基、ハロゲン原子、1〜3個の(C1-C5)−アルコキシ基から選択された基により置換され得る)C1-C10-アルキル基、任意に置換されたフェニル基もしくはナフチル基、(1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C5)-アルキル基、1〜2個の(C1-C5)-アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子、又は1〜2個のエキソメチレン基により任意に置換され、そして1〜3個の窒素原子及び/又は1〜2個の酸素原子及び/又は1〜2個硫黄原子を含む)単環式又は二環式へテロアリール基を意味し、ここでそれらの基は、ベンゾシクロヘプテン系のアミンに、いずれかの位置を通して結合され得、そして任意には、1又は複数の部位で水素化され得、
Aは、-CR6R7-CH2-基又は-CH2-CR6R7-基を意味し、
Dは、-CR4R5-CH2-基又は-CH2-CR4R5-基を意味し、
R4は、ヒドロキシ基を意味し、
R5は、(C1-C5)-アルキル基又は任意には部分的にもしくは完全に弗素化された(C1-C5)-アルキル基、アリール基、(C1-C8)アルキレンアリール基、(C2-C8)アルケニレンアリール基、(C3-C7)シクロアルキル基、(C1-C8)アルキレン(C3-C7)シクロアルキル基、又は(C2-C8)アルケニレン(C3-C7)シクロアルキル基を意味し、
R6及びR7は、お互い独立して、水素原子、メチルもしくはエチル基、又はベンゾシクロヘプテン系の炭素原子と共に(C3-C6)-シクロアルキル環を意味する]
で表される請求項1記載の立体異性体。
【請求項3】
下記一般式(I):
【化3】

[式中、R1及びR2は、お互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、(C1-C10)-アルキル基、(C1-C10)-アルコキシ基、(C1-C10)-アルキルチオ基、(C1-C5)-ペルフルオロアルキル基、シアノ基又はニトロ基を意味し、又は
R1及びR2は、一緒になって、基-O-(CH2)n-O-、 -O-(CH2)n-CH2-、-0-CH=CH-、及び-(CH2)n+2-(ここで、nは1又は2であり、そして末端原子は隣接する環−炭素原子に直接的に結合される)から選択された基、又はNR8R9(ここで、R8及びR9は、お互い独立して、水素、C1-C5-アルキル又は(CO)-C1-C5-アルキルであり得る)を意味し、
R11及びR12は、水素原子を意味し、
R3は、(1〜3個のヒドロキシ基、ハロゲン原子、又は1〜3個の(C1-C5)−アルコキシ基から選択された基により置換され得る)C1-C10-アルキル基、任意に置換されたフェニル基、(1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C5)-アルキル基、1〜2個の(C1-C5)-アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子、又は1〜2個のエキソメチレン基により任意に置換され、そして1〜3個の窒素原子及び/又は1〜2個の酸素原子及び/又は1〜2個硫黄原子を含む)単環式又は二環式へテロアリール基を意味し、ここでそれらの基は、ベンゾシクロヘプテン系のアミンに、いずれかの位置を通して結合され得、そして任意には、1又は複数の部位で水素化され得、
Aは、-CR6R7-CH2-基又は-CH2-CR6R7-基を意味し、
Dは、-CR4R5-CH2-基又は-CH2-CR4R5-基を意味し、
R4は、ヒドロキシ基を意味し、
R5は、(C1-C5)-アルキル基又は任意には部分的にもしくは完全に弗素化された(C1-C5)-アルキル基、アリール基、(C1-C8)アルキレンアリール基、(C2-C8)アルケニレンアリール基、(C3-C7)シクロアルキル基、(C1-C8)アルキレン(C3-C7)シクロアルキル基、又は(C2-C8)アルケニレン(C3-C7)シクロアルキル基を意味し、
R6及びR7は、お互い独立して、水素原子、メチル又はエチル基を意味し、又は5Hベンゾシクロヘプテン系の炭素原子と共に(C3-C6)-シクロアルキル環を意味する]
で表される請求項1記載の立体異性体。
【請求項4】
下記一般式(I):
【化4】

[式中、R1及びR2は、お互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、(C1-C5)-アルキル基、(C1-C5)-アルコキシ基、(C1-C5)-ペルフルオロアルキル基、又はシアノ基を意味し、又は
R1及びR2は、一緒になって、基-O-(CH2)n-O-、 -O-(CH2)n-CH2-、-0-CH=CH-、又は-(CH2)n+2-(ここで、nは1又は2であり、そして末端原子は隣接する環−炭素原子に直接的に結合される)から選択された基を意味し、
R11及びR12は、水素原子を意味し、
R3は、(1〜3個のヒドロキシ基、ハロゲン原子により任意に置換され得る)C1-C10−アルキル基、(C1-C5-アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ又はC1-C5−アルコキシにより任意に置換され、ここでそれらの基は5Hベンゾシクロヘプテン系のアミンに、いずれかの位置を通して結合され得、そして1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C3)-アルキル基、1〜2個の(C1-C3)-アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子又は1〜2個のエキソメチレン基により、1又は複数の位置で任意に置換され、そして1又は複数の部位で任意には水素化され得る)、フェニル、フタリジル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロイソキノリニル、チオフタリジル、ベンゾキサジノニル、フタラジノニル、キノリニル、イソキノリニル、キノロニル、イソキノロニル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、1,7−もしくは1,8−ナフチリジニル、ジヒドロインドロニル、ジヒドロイソインドロニル、ベンズイミダゾリル又はインドリル基を意味し、
Aは、-CR6R7-CH2-基又は-CH2-CR6R7-基を意味し、
Dは、-CR4R5-CH2-基又は-CH2-CR4R5-基を意味し、
R4は、ヒドロキシ基を意味し、
R5は、(C1-C5)-アルキル基、又は任意には部分的にもしくは完全に弗素化され(C1-C5)-アルキル基を意味し、
R6及びR7は、お互い独立して、水素原子、メチル又はエチル基を意味し、又はベンゾシクロヘプテン系の炭素原子と共に(C3-C6)-シクロアルキル環を意味する]
で表される請求項1記載の立体異性体。
【請求項5】
下記一般式(I):
【化5】

[式中、R1及びR2はお互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、(C1-C5)-アルキル基、(C1-C5)-ペルフルオロアルキル基、シアノ基、(C1-C5)-アルコキシ基、又は一緒になって(C1-C2)-アルキレンジオキシ基を意味し、そしてR1及びR2は直接的隣接すべきであり、
R3は、(C1-C5-アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ又はC1-C5−アルコキシにより任意に置換される)、フェニル、フタリジル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロイソキノリニル、チオフタリジル、ベンゾキサジノニル、フタラジノニル、キノリニル、イソキノリニル、キノロニル、イソキノロニル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、1,7−もしくは1,8−ナフチリジニル、ジヒドロインドロニル、ジヒドロイソインドロニル、ベンズイミダゾリル又はインドリル基を意味し、ここでそれらの基はベンゾシクロヘプテン系のアミンに、いずれかの位置を通して結合され得、そして1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C3)-アルキル基、1〜2個のエキソメチレン基により、1又は複数の位置で任意に置換され得、そして1又は複数の部位で任意には水素化され得、
Aは、-CR6R7-CH2-基又は-CH2-CR6R7-基を意味し、
Dは、-CR4R5-CH2-基又は-CH2-CR4R5-基を意味し、
R4は、ヒドロキシ基を意味し、
R5は、(C1-C5)-アルキル基、又は任意には部分的にもしくは完全に弗素化され(C1-C5)-アルキル基を意味し、
R6及びR7は、お互い独立して、水素原子、メチル又はエチル基、又はベンゾシクロヘプテン系の炭素原子と共に(C3-C6)-シクロアルキル環を意味する]
で表される請求項1記載の立体異性体。
【請求項6】
R1及びR2は、お互い独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、(C1-C3)-アルキル基、CF3基、シアノ基又はメトキシ基を意味し、
R11及びR12は、水素原子を意味し、
R3は、(C1-C3-アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-C3−アルコキシ又はメチルピロリジン-2−オン‐5‐イルにより任意に置換される)、イソインドリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロイソキノリニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノロニル、イソキノロニル、インダゾリル、ジヒドロインドロニル、又はジヒドロイソインドロニル基を意味し、ここでそれらの基はベンゾシクロヘプテン系のアミンに、いずれかの位置を通して結合され得、そして1〜2個のケト基、1〜2個の(C1-C3)-アルキル基、又は1〜2個のエキソメチレン基により、1又は複数の位置で任意に置換され、そして1又は複数の部位で任意には水素化され得、
Aは、-CR6R7-CH2-基又は-CH2-CR6R7-基を意味し、
Dは、-CR4R5-CH2-基又は-CH2-CR4R5-基を意味し、
R4は、ヒドロキシ基を意味し、
R5は、完全に弗素化された(C1-C3)-アルキル基を意味し、
R6及びR7はお互い独立して、水素原子、又はメチル又はエチル基を意味する、
請求項1記載の一般式(I)の立体異性体。
【請求項7】
医薬剤の製造するための請求項1〜6のいずれか1項記載の立体異性体の使用。
【請求項8】
炎症性疾患の処理のための医薬剤の製造のための請求項1〜5のいずれか1項記載の立体異性体の使用。
【請求項9】
‐炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する肺疾患、
‐炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随するリウマチ性疾患/自己免疫疾患/関節疾患、
‐炎症性及び/又は増殖工程により付随されるアレルギー又は偽アレルギー性疾患、
‐炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する皮膚学的疾患、
‐炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する眼疾患、
‐炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する耳−鼻−咽喉領域の疾患、又は炎症、アレルギー及び/又は増殖工程により付随する内分泌疾患の処理のための医薬剤の生成のための請求項8に記載の使用。
【請求項10】
少なくとも1つの請求項1〜5のいずれか1項記載の立体異性体又はその混合物、及び医薬的に適合できるビークルを含む医薬製剤。
【請求項11】
一般式Iの立体異性体の生成方法であって、
下記一般式II:
【化6】

[式中、基は、上記に示される意味を有する]
で表される立体異性体を、無機又は有機酸、又はルイス酸の添加により環化せしめることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項11記載の一般式II(式中、A-Dは、-CH2-(CR6R7)-(CH2)-C(OH)(CF3)-(一般式IIaの化合物)を意味する)の化合物の生成方法であって、一般式III (式中、LGはクロリド、ブロミド、ヨージド、スルフェート又はスルホネートを意味する)の化合物を有機溶媒において塩基性条件下で一般式IVのアルデヒドと、通常使用される相トランスファー触媒による相トランスファー触媒下で反応せしめ、一般式Vの化合物を形成させ、
【化7】

次に、前記アルデヒドVを、Horner-Wittig条件下で、試薬VI(ここで、Rxは(C1-C3)-アルキル基又はベンジル基を意味する)と反応せしめ、そして一般式VII の化合物を得、前記エステルを当業者に知られている方法に従って鹸化した後、
【化8】

エノールエーテルを酸性条件下で分解し、そして得られるα−ケト酸を、通常使用される酸性条件下で、アルコールRy−OH(ここでRyは(C1-C5)-アルキルを意味する)によりエステル化し、一般式VIIIのα−ケトエステルを形成し、Ruppert's試薬CF3Si(CH3)3と反応せしめ、
【化9】

そして当業者に知られている条件下で還元され、アルデヒドXを形成し、次に従来技術においてすでに記載されているように、一般式R3−NH2のアミンと反応せしめ、一般式IIa(ここでR3は、前記請求項に示される意味を有し、そしてA−Dは、-CH2-C(CR6R7)-(CH2)-C(OH)(CF)3-を意味する)のイミンが形成され、
【化10】

さらに、請求項11記載に従って反応せしめ得る方法。
【請求項13】
請求項11記載の一般式II(式中、A-Dは、-(CR6R7)-(CH2)2-C(OH)(CF3)-(一般式IIbの化合物)を意味する)の化合物の生成方法であって、一般式XIのニトリルを、水素化ナトリウム及び対応するアルキルハロゲン化物R6-Hal及び/又はR7−Hal又はHal-[(C2-C5)‐アルキレン]−Halと、任意に、連続的に反応せしめ、一般式XIIの化合物を形成し、
【化11】

前記化合物を、通常の条件下で還元し、アルデヒドを形成し、そして次に、任意には亜鉛の添加を伴って、CBr4/トリフェニルホスフィンと反応せしめ、一般式XIII の化合物を形成し、
【化12】

【化13】

前記化合物を、ブチルリチウムによりアセチレンに転換し、そしてCF3-(CO)COORyにより、エステルXIVに転換し、前記エステルXIVを当業者に知られている方法に従って水素化し、一般式VIII bのエステルを形成し、そして請求項12の方法に類似して、アルデヒドに還元し、
【化14】

そしてアミンR3-NH2と反応せしめ、一般式IIb(ここでR3は、前記請求項に示される意味を有し、そしてA−Dは-(CR6R7)-(CH2)2-C(OH)(CF3)-を意味する)のイミンを形成し、
【化15】

さらに、請求項11記載に従って反応せしめられ得る方法。
【請求項14】
生理学的に適合できるアニオンとの塩の形での請求項1〜5のいずれか1項記載の一般式Iの立体異性体。
【請求項15】
それらの塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、ピバル酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、メシル酸塩、クエン酸塩又は琥珀酸塩の形で存在する請求項14記載の立体異性体。

【公表番号】特表2008−534462(P2008−534462A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−502339(P2008−502339)
【出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【国際出願番号】PCT/EP2006/002742
【国際公開番号】WO2006/100099
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(300049958)バイエル・シエーリング・ファーマ アクチエンゲゼルシャフト (357)
【Fターム(参考)】