説明

AMPK調節因子

本発明は、被験体における糖尿病、肥満、および癌の治療に有効なAMPK調節因子として有用な、式(I)または(II)の化合物ならびに薬学的に許容され得る塩、エステルおよびプロドラッグに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連パラグラフ
本出願は、2008年2月4日に出願された米国特許仮出願第61/026,001号および2008年5月7日に出願された米国特許仮出願第61/051,200号の恩典を主張する。上述の出願の全教示は参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)は、種々の細胞において細胞内代謝センサーとして作用し、細胞内でAMP:ATP比の変動をモニターして応答する(Hardie et al、Annu. Rev. Biochem. 67:821-855、1998)。AMPKが活性化されると、該酵素がいくつかのタンパク質基質をリン酸化し、細胞によるATP利用をさらに減少させる。AMPKは、触媒性サブユニット(α)および2つの関連サブユニット(βとγ)からなるヘテロ三量体複合体である。βおよびγのサブユニットはともに、α触媒性サブユニットの最適な活性に必要とされる。AMPK複合体は進化的に保存されており、また、酵母および植物にもみられ得る。哺乳動物AMPKは、サブユニットの異なるアイソフォーム:α1、α2、β1、β2、γ1、γ2、およびγ3で構成されている(HardieおよびHawley、BioEssays 23:1112 1119、2001)。異なる組合せのアイソフォームサブユニットは、インビボで異なる様式で活性化され、おそらく基質利用も異なる。AMPK活性は、あらゆる組織、例えば、肝臓、腎臓、筋肉、肺、および脳に見られる(Cheung et al.,Biochem. J. 346:659-669、2000)。
【0003】
AMPKは、アセチル-CoAカルボキシラーゼ、脂肪酸シンターゼなどの重要な酵素のリン酸化および不活化における役割のため、脂質の生合成経路の主要な調節因子であると認識されている(HardieおよびCarling、Eur. J. Biochem. 246:259 273、1997)。ごく最近の研究により、AMPKが代謝の調節において広範な役割を有することが示された(WinderおよびHardie、Am. J. Physiol. 277:E1 10、1999);これには、脂肪酸の酸化、筋肉のグルコース取込み、PEPCKおよびG6PaseなどのcAMP刺激性糖新生遺伝子の発現、ならびに肝臓での脂質生成と関連するグルコース刺激性遺伝子の発現、例えば、脂肪酸シンターゼ、Spot-14、およびL型ピルビン酸キナーゼが含まれる。また、AMPKの慢性的な活性化により、高度な運動トレーニングの効果を模倣する筋肉ヘキソキナーゼおよびグルコース輸送因子(Glut4)の発現が誘導され得る(Holmes et al. J. Appl. Phiysiol. 87:1990 1995、1999)。
【0004】
AMPKは、炭水化物代謝の重要な酵素をリン酸化し、その活性を修飾する。実際、AMPKは、アセチル-CoAカルボキシラーゼおよびHMGコレダクターゼを不活化することにより脂肪酸およびコレステロールの合成を阻害するため、脂質生成の重要な一端を担う。AMPKは、トリグリセリドの合成を制御する脂肪酸シンターゼ (FAS)の発現を低減させる。また、AMPKは、グルコースの肝臓での生成の阻害に見られる糖新生の重要な酵素の1つ(PEPCK)の発現も低減させる。AMPKは、骨格筋へのグルコースの輸送を助長することにより血中グルコースのクリアランスを増大させる。
【0005】
このような性質のすべてが組み合わされることにより、AMPKが、糖尿病およびこれに関連する代謝障害の治療選択肢の標的となっており、したがって、AMPKの薬理学的活性化因子の研究は、該病因の治療に対して大きな価値がある((WinderおよびHardie、Am. J. Physiol. 277:E1 10、1999)。
【0006】
5-アミノイミダゾール-4-カルボキサミド-1(β)-D-リボフラノシド(AICAR) およびメトホルミンなどの化合物は、インビボにおいて高濃度でAMPKを活性化することが示されている(Bergeron、R. et.al. Effect of 5-aminoimidazole-4-carboxamide-1(β)-D-ribofuranoside infusion on in vivo glucose metabolism in lean and obese Zucker rats. Diabetes 50:1076 (2001); Song, S. M. et.al. 5-Aminoimidazole-4-darboxamide ribonucleoside treatment improves glucose homeostasis in insulin-resistant diabeted (ob/ob) mice. Diabetologia 45:56 (2002); Halseth, A. E. et.al. Acute and chronic treatment of ob/ob and db/db mice with AICAR decreases blood glucose concentrations. Biochem. and Biophys. Res. Comm. 294:798 (2002), Buhl, E. S. et. al. Long-term AICAR administration reduces metabolic disturbances and lowers blood pressure in rats displaying feature of the insulin resistance syndrome. Diabetes 51 : 2199 (2002))。メトホルミンは、2型糖尿病を有する被検体の骨格筋においてAMP活性化プロテインキナーゼ活性を増大させる(Diabetes、51:2074 (2002))が、この抗糖尿病作用がこの活性化にどの程度依存しているかを調べる必要がある。レプチンおよびアジポネクチンの場合と同様、メトホルミンの刺激効果は、上流キナーゼの活性化を介した間接的なものである(Zhou,G. et.al. Role of AMP-activated protein kinase in mechanism of metformin action. The J. of Clin. Invest.,108:1167 (2001))。
【0007】
最近の進歩にもかかわらず、なお、より有効なAMPK調節因子の必要性がある。
【発明の概要】
【0008】
発明の概要
したがって、本発明は、一般式IまたはII:


を有する化合物、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、その薬学的に許容され得る塩、プロドラッグおよび溶媒和物を提供し、式中、
X1〜X4は、独立して、C、CR1またはN(式中、R1は、独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換または非置換アミノ、置換または非置換アルコキシ、置換または非置換アルキルチオ、CF3、CN、NO2、N3、置換または非置換アルキルスルホニル、アシル、脂肪族、置換脂肪族、アリール、ヘテロアリール、および複素環式からなる群より選択される)からなる群より選択され;
Y1は、O、NまたはNHであり;
Y2〜Y3は、独立して、C、CR1、O、S、NまたはNHからなる群より選択され;


は、独立して、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式、置換複素環式からなる群より選択され;式中、Zは、O、NまたはNHであり;


は、独立して、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式、置換複素環式、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニルおよび置換シクロアルケニルからなる群より選択される。
【0009】
全体を通して化合物とは、該化合物の幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、その薬学的に許容され得る塩、および溶媒和物をいうことに注意されたい。式はキラル中心を含むこと、および異性体を規定するキラル中心が示されていない場合、活性な異性体およびラセミ化合物が意図されることは理解されよう。同様に、塩および溶媒和物は、本明細書において、該化合物自体「を含む」と定義する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明の詳細な説明
第1の態様において、本発明の化合物は、上記の式(I)および(II)で表される化合物、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、その薬学的に許容され得る塩、プロドラッグおよび溶媒和物である。
【0011】
一態様において、本発明の化合物は、下記の式(III)で表される化合物、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、その薬学的に許容され得る塩、プロドラッグおよび溶媒和物:


(式中、X5〜X16は、独立して、C、CR1またはN(式中、R1はR1は、水素または電子求引基などの電子供与基であり、好ましくは、独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換または非置換アミノ、置換または非置換アルコキシ、置換または非置換アルキルチオ、CF3、CN、NO2、N3、置換または非置換アルキルスルホニル、アシル、脂肪族、置換脂肪族、アリール、ヘテロアリール、および複素環式からなる群より選択される)からなる群より選択され;


は、


(式中、X17〜X21は、独立して、C、CR1またはN(式中、R1は、独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換または非置換アミノ、置換または非置換アルコキシ、置換または非置換アルキルチオ、CF3、CN、NO2、N3、置換または非置換アルキルスルホニル、アシル、脂肪族、置換脂肪族、アリール、ヘテロアリール、および複素環式からなる群より選択される)からなる群より選択され;Y4は、O、NまたはNHであり;Y5〜Y6は、独立して、C、CR1、O、S、NまたはNHからなる群より選択される)からなる群より選択され;X1〜X4は、第1の態様に規定のとおりである)
である。
【0012】
また、R1は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換または非置換アミノ、置換または非置換アルコキシ、置換または非置換アルキルチオ、CF3、CN、NO2、N3、CHNOH、CONH2、CHO、置換または非置換アルキルスルホニル、アシル、脂肪族、置換脂肪族、アリール、ヘテロアリール、および複素環式からなる群より選択され得る。該化合物は、好ましくは、


(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、独立して、水素または1つ以上の電子供与基であり、各RはHまたはヒドロキシルから選択され、ここで、少なくとも1つのRはヒドロキシルである)
およびその塩などのビアリール置換インドールである。中心アリール基は、フェニルであり得るか、またはピリジンまたはピリダジンで置換され得、例えば:


であり得る。
【0013】
一態様において、本発明の化合物は、下記の式(IV)で表される化合物、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、その薬学的に許容され得る塩、プロドラッグおよび溶媒和物:


(式中、


は、




(式中、X17〜X21は、独立して、C、CR1またはN(式中、R1は、独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換または非置換アミノ、置換または非置換アルコキシ、置換または非置換アルキルチオ、CF3、CN、NO2、N3、置換または非置換アルキルスルホニル、アシル、脂肪族、置換脂肪族、アリール、ヘテロアリール、および複素環式からなる群より選択される)からなる群より選択され;Y4は、O、NまたはNHであり;Y5〜Y6は、独立して、C、CR1、O、S、NまたはNHからなる群より選択される)からなる群より選択され;nは、1〜3、好ましくは1または2であり、X1〜X4は、第1の態様に規定のとおりである)
である。
【0014】
一態様において、本発明の化合物は、下記の式(V)で表される化合物、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、その薬学的に許容され得る塩、プロドラッグおよび溶媒和物:


(式中、X5〜X16は、独立して、C、CR1またはN(式中、R1は、独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換または非置換アミノ、置換または非置換アルコキシ、置換または非置換アルキルチオ、CF3、CN、NO2、N3、置換または非置換アルキルスルホニル、アシル、脂肪族、置換脂肪族、アリール、ヘテロアリール、および複素環式からなる群より選択される)からなる群より選択され;


は、


(式中、X17〜X21は、独立して、C、CR1またはN(式中、R1は、独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換または非置換アミノ、置換または非置換アルコキシ、置換または非置換アルキルチオ、CF3、CN、NO2、N3、置換または非置換アルキルスルホニル、アシル、脂肪族、置換脂肪族、アリール、ヘテロアリール、および複素環式からなる群より選択される)からなる群より選択され;Y4は、O、NまたはNHであり;Y5〜Y6は、独立して、C、CR1、O、S、NまたはNHからなる群より選択される)からなる群より選択され;Y1〜Y3は、第1の態様に規定のとおりである)
である。
【0015】
一態様において、本発明の化合物は、下記の式(VI)で表される化合物、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、その薬学的に許容され得る塩、プロドラッグおよび溶媒和物:


(式中、


は、




(式中、X17〜X21は、独立して、C、CR1またはN(式中、R1は、独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換または非置換アミノ、置換または非置換アルコキシ、置換または非置換アルキルチオ、CF3、CN、NO2、N3、置換または非置換アルキルスルホニル、アシル、脂肪族、置換脂肪族、アリール、ヘテロアリール、および複素環式からなる群より選択される)からなる群より選択され;Y4は、O、NまたはNHであり;Y5〜Y6は、独立して、C、CR1、O、S、NまたはNHからなる群より選択される)からなる群より選択され;nは、1、2または3、好ましくは1または2であり、Y1〜Y3は、第1の態様に規定のとおりである)
である。
【0016】
本発明による代表的な化合物は、以下の表Aから選択されるもの、またはその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、その薬学的に許容され得る塩、プロドラッグおよび溶媒和物である。
【0017】







【0018】
したがって、本発明の化合物は、肥満、グルコース不耐性、真性糖尿病、高血圧ならびに大血管および小血管の虚血性疾患と関連するインスリン抵抗性の予防または治療に使用され得る。また、本発明の化合物は、2型糖尿病に随伴するいくつかの状態、例えば、高脂血症、高トリグリセリド血症、アテローム性動脈硬化、血管性再狭窄、過敏性腸症候群、膵炎、脂肪肉腫などの脂肪細胞腫瘍および癌腫、脂質異常症、ならびにインスリン抵抗性が示される他の障害、ならびにメタボリックシンドロームおよびその成分状態、例えば、高血圧、肥満および脂質異常症 (例えば、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症および低HDL)、ならびに非心臓性虚血、感染および癌などの他の病気の治療、予防または制御に使用され得る。さらに、本発明の化合物は腫瘍学および癌の治療に有用である。
【0019】
血圧の低下は、AMPK活性化の結果であることが報告されており(Buhl,E. S. et.al. Long-term AICAR administration reduces metabolic disturbances and lowers blood pressure in rats displaying feature of the insulin resistance syndrome. Diabetes、51:2199 (2002))、したがって、AMPKの活性化は、高血圧に有形な効果を有し得る。上記の効果の一部または全部の組合せをにより、AMPKの刺激によって心血管疾患(例えば、MI、脳卒中)の発生率が低下することが予測される。脂肪酸合成の増大は多くの腫瘍細胞の特徴であり、したがって、AMPKの活性化による脂肪酸の合成の低減は癌治療として有用であり得る。AMPKの刺激は、星状細胞からのケトン体の生成を刺激することが示されており(Blazquez,C. et.al. The AMP-activated protein kinase is involved in the regulation of ketone body production by astrocytes. J. Neurochem.,73:1674 (1999))、したがって、脳内の虚血性事象を治療するためのストラテジーであり得る。AMPKの刺激は、骨格筋内での結合解離タンパク質3(UCP3)の発現を刺激することが示されており(Zhou,M. et.al. UCP-3 expression in skeletal muscle:effects of exercise,hypoxia,and AMP-activated protein kinase. Am. J. Physiol. Endocrinol. Metab.,279:E622 (2000))、したがって、反応性酸素種による損傷を防ぐための方法の1つであり得る。内皮NOシンターゼ(eNOS)は、AMPK媒介性リン酸化によって活性化されることが示されており(Chen,Z. -P.,et.al. AMP-activated protein kinase phosphorylation of endothelial NO synthase. FEBS Letters,443:285 (1999))、したがって、AMPK活性化は、局所循環系を改善するために使用され得る。
【0020】
また、該化合物は、抗新生物剤として癌の治療に有用である。癌としては、充実腫瘍癌、例えば、結腸癌、乳癌、肺癌および前立腺癌、腫瘍浸潤、腫瘍増殖 腫瘍転移、口腔および咽頭(唇、舌、口、咽頭)、食道、胃、小腸、大腸、直腸、肝臓および胆道、膵臓、喉頭、肺、骨、結合組織、皮膚、子宮頚、子宮体内膜(corpus endometrium)、卵巣、精巣、膀胱、腎臓および他の泌尿器組織、目 脳および中枢神経系、甲状腺および他の内分泌腺の癌、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫および造血系悪性腫瘍、例えば、白血病およびリンパ腫、例えば、リンパ系、顆粒球系および単球系リンパ腫が挙げられる。
【0021】
AMPKの活性化によって調節され得る障害は、患者に治療有効量の本発明の化合物を、所望の結果が得られるのに必要な量および時間で投与することにより該患者において治療または予防され得る。用語「治療有効量」は、グレリンによって調節される障害が、任意の医療に適用可能な妥当な有益/リスク比で有効に改善されるのに充分な化合物の量をいう。任意の特定の患者に対する具体的な治療有効用量レベルは、種々の要素、例えば、治療される障害および該障害の重症度;使用される化合物の活性;使用される具体的な組成物;患者の年齢、体重、一般健康状態、性別および食事;投与期間、投与経路、排出速度;治療期間;および併用療法または同時治療で使用される薬物に依存する。
【0022】
本発明には、上記の本発明の化合物の薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物が包含される。また、本発明には、本発明の化合物の水和物を含む医薬組成物が包含される。用語「水和物」は、限定されないが、半水和物、一水和物、二水和物、三水和物などを含む。本発明には、任意の固体または液体物理形態の本発明の化合物を含む医薬組成物がさらに包含される。例えば、化合物は結晶形態、非晶質形態で存在し得、任意の粒子径を有する。粒子は微細化され得または凝集化され得、粒子顆粒、粉末、オイル、油状懸濁液または任意の他の形態の固体または液体物理形態である。
【0023】
本発明の化合物、およびその誘導体、断片、アナログ、ホモログ、薬学的に許容され得る塩または水和物は、薬学的に許容され得る担体または賦形剤と共に投与に適切な医薬組成物に含まれ得る。かかる組成物は典型的に、治療有効量の上記の任意の化合物、および薬学的に許容され得る担体を含む。好ましくは、糖尿病および/または肥満の治療の場合の有効量は、適切な新生物細胞の最終分化を選択的に誘導するのに有効な量であり、患者で毒性を生じる量より少ない。
【0024】
本発明の化合物は、任意の適切な手段、例えば、限定されないが、非経口、静脈内、筋肉内、皮下、移植、経口、舌下、口腔、鼻腔、肺、経皮、局所、膣、結腸、および粘膜通過投与などによって投与され得る。局所投与は、経皮パッチまたはイオン導入デバイスのような経皮投与の使用も含み得る。医薬調製物としては、活性成分として本発明の化合物を含む、固体、半固体または液体調製物(錠剤、ペレット、トローチ、カプセル、坐薬、クリーム、軟膏、エアゾール、粉末、液体、エマルション、懸濁液、シロップ、注射など)が挙げられ、選択された様式の投与に適切である。一態様において、医薬組成物は、経口投与され、従って経口投与に適切な形態、即ち固体または液体調調製物として製剤化される。適切な固体経口製剤としては、錠剤、カプセル、丸薬、顆粒、ペレット、サシェおよび発泡剤、粉末等が挙げられる。適切な液体経口製剤としては、溶液、懸濁液、分散液、エマルション、オイル等が挙げられる。本発明の一態様において、組成物はカプセルに製剤化される。本態様によれば、本発明の組成物は、活性化合物の他に、不活性担体または希釈剤、硬質ゼラチンカプセルを含む。
【0025】
例えば、ガム、デンプン、糖、セルロース物質、アクリレート、またはその混合物のような、担体または希釈剤として一般的に使用される任意の不活性賦形剤が、本発明の製剤に使用され得る。好ましい希釈剤は、微結晶セルロースである。組成物は崩壊剤(例えば、ナトリウムクロスカルメロース)および潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)をさらに含み得、結合剤、バッファ、プロテアーゼインヒビター、表面活性剤、可溶化剤、可塑剤、乳化剤、安定化剤、粘度向上剤、甘味剤、フィルム形成剤、または任意のその組み合わせから選択される1つ以上の添加剤をさらに含み得る。さらに、本発明の組成物は、調節放出または直接放出製剤の形態であり得る。
【0026】
液体製剤について、薬学的に許容され得る担体は、水性または非水性溶液、懸濁液、エマルションまたはオイルであり得る。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、および注射用有機エステル、例えば、オレイン酸エチルである。水性担体としては、水、アルコール/水溶液、エマルションまたは懸濁液、例えば生理食塩水および緩衝化媒体が挙げられる。オイルの例は石油、動物、植物、または合成起源のもの、例えば、ピーナッツ油、大豆油、鉱物油、オリーブ油、ヒマワリ油、および魚肝油である。また、溶液または懸濁液は、以下の成分: 滅菌希釈剤、例えば、注射用水、生理食塩水溶液、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒;抗細菌剤、例えばベンジルアルコールまたはメチルパラベン;抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウム;キレート剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA);バッファ、例えば、酢酸、クエン酸、またはリン酸、および浸透圧調整用薬剤、例えば、塩化ナトリウムまたはデキストロースを含み得る。pHは酸または塩基、例えば塩酸または水酸化ナトリウムで調節され得る。
【0027】
また、組成物は、結合剤(例えば、アラビアゴム、コーンスターチ、ゼラチン、カルボマー、エチルセルロース、グアールガム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン)、崩壊剤(例えば、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、アルギン酸、二酸化ケイ素、ナトリウムクロスカルメロース、クロスポビドン、グアールガム、デンプングリコール酸ナトリウム、プリモゲル)、種々のpHおよびイオン強度のバッファ(例えば、tris-HCI、酢酸、リン酸)、添加剤、例えば、表面への吸着を妨げるアルブミンまたはゼラチン、界面活性剤(例えば、Tween 20、Tween 80、プルロニックF68、胆汁酸塩)、プロテアーゼインヒビター、表面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、透過促進剤、可溶化剤(例えば、グリセロール、ポリエチレングリセロール、シクロデキストリン)、流動促進剤(例えば、コロイド状二酸化ケイ素)、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシアニソール)、安定化剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、粘度向上剤(例えば、カルボマー、コロイド状二酸化ケイ素、エチルセルロース、グアールガム)、甘味剤(例えば、スクロース、アスパルテーム、クエン酸)、風味剤(例えば、ペパーミント、メチルサリチル酸、またはオレンジフレーバー)、保存剤(例えば、チメロサール、ベンジルアルコール、パラベン)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム)、流動補助剤(例えば、コロイド状二酸化ケイ素)、可塑剤(例えば、ジエチルフタレート、トリエチルクエン酸)、乳化剤(例えば、カルボマー、ヒドロキシプロピルセルロース、ラウリル硫酸ナトリウム)、ポリマーコーティング剤(例えば、ポロキサマーまたはポロキサミン)、コーティングおよびフィルム形成剤(例えば、エチルセルロース、アクリレート、ポリメタクリレート)および/または補助剤をさらに含み得る。
【0028】
一態様において、活性化合物は、埋没物(implant)およびマイクロカプセル化送達系などの徐放製剤のような、体からの迅速な排除に対して化合物を保護する担体を用いて調製される。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸のような生体分解性、生体適合性ポリマーが使用され得る。かかる製剤の調製方法は、当業者に明白である。また、物質はAlza CorporationおよびNova Pharmaceuticals, Inc.から商業的に得られ得る。リポソーム懸濁液(例えば、ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体を用いて感染細胞を標的としたリポソーム)はまた、薬学的に許容され得る担体として使用され得る。これらは、例えば、米国特許第4,522,811号に記載されるように、当業者に公知な方法に従って調製され得る。
【0029】
投与の容易性および投薬量の均一性のために、単位投薬形態での経口組成物を製剤化することが特に有利である。本明細書で使用される単位投薬形態は、治療される被験体のための単位投薬量として適切な物理的に別々の単位のことをいう;各単位は必要な医薬担体と共に所望の療法効果を生み出すように計算された所定量の活性化合物を含む。本発明の単位投薬形態の特定は、活性化合物の独自の特性および達成される特定の療法効果ならびに個体の治療のためのかかる活性化合物を配合する当該技術分野で特有の制限によって必然的に決められ、かつ直接これらに依存する。
【0030】
医薬組成物は、投与のための説明書と共に、容器、パック、またはディスペンサーに含まれ得る。
【0031】
毎日の投与が数日〜数年の期間で連続して繰り返され得る。経口治療は、1週〜患者の生涯までの間継続し得る。好ましくは、投与は連続して5日間行い得、その後さらなる投与が必要とされるかどうかを決定するために患者を評価し得る。投与は、連続的または断続的で、即ち、連続して数日の治療後の休止時間であり得る。本発明の化合物は治療の第一日に静脈投与され得、経口投与が第二日目およびその後の連続した全ての日数に投与される。
【0032】
例えば、混合、粒状化、または錠剤形成プロセスによる活性成分を含む医薬組成物の調製は当該技術分野で十分理解されている。活性療法成分は、薬学的に許容され得るおよび活性成分と適合する賦形剤とよく混合される。経口投与について、活性剤は、ビヒクル、安定化剤、または不活性希釈剤のような本目的で通例の添加剤と混合され、通例の方法によって上記の錠剤、被覆錠剤、硬質または軟質ゼラチンカプセル、水性溶液、アルコール性溶液または油状溶液などの投与に適切な形態に変換される。
【0033】
患者に投与される化合物の量は、患者で毒性を生じる量より少ない。特定の態様において、患者に投与される化合物の量は、化合物の毒性レベルと等しいまたはこれを超える患者血漿中の化合物の濃度を生じる量より少ない。好ましくは、患者血漿中の化合物の濃度は約10nMに維持される。一態様において、患者血漿中の化合物の濃度は約25nMに維持される。一態様において、患者血漿中の化合物の濃度は約50nMに維持される。一態様において、患者血漿中の化合物の濃度は約100nMに維持される。一態様において、患者血漿中の化合物の濃度は約500nMに維持される。一態様において、患者血漿中の化合物の濃度は約1000nMに維持される。一態様において、患者血漿中の化合物の濃度は約2500nMに維持される。一態様において、患者血漿中の化合物の濃度は約5000nMに維持される。一態様において、患者血漿中の化合物の濃度は約25,000nMに維持される。一態様において、患者血漿中の化合物の濃度は約5,000nM〜約25,000nMに維持される。本発明の実施で患者に投与される化合物の最適量は使用される特定の化合物に依存する。
【0034】
定義
以下に、本発明を記載するために使用される種々の用語の定義を列挙する。これらの定義は、特定の場合に限定されていない限り、本明細書および特許請求の範囲全体を通して個々に、またはより大きな群の一部のいずれかで使用される際の用語に適用される。
【0035】
「脂肪族基」または「脂肪族」は、飽和(例えば、単結合)であり得るか、または1つ以上の不飽和単位(例えば、二重および/または三重結合)を含み得る非芳香族部分である。脂肪族基は直鎖、分枝または環状であり得、炭素、水素または任意に1つ以上のヘテロ原子を含有し、置換もしくは非置換であり得る。脂肪族基は、好ましくは、約1〜約24個の原子、より好ましくは約4〜約24個の原子、より好ましくは約4〜12個の原子、より典型的に約4〜約8個の原子を含有する。
【0036】
用語「アシル」は、水素、アルキル、部分飽和または完全飽和シクロアルキル、部分飽和または完全飽和複素環、アリール、およびヘテロアリール置換カルボニル基をいう。例えば、アシルとしては、(C1〜C6)アルカノイル(例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリル、カプロイル、t-ブチルアセチルなど)、(C3〜C6)シクロアルキルカルボニル(例えば、シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニルなど)、複素環式カルボニル(例えば、ピロリジニルカルボニル、ピロリド-2-オン-5-カルボニル、ピペリジニルカルボニル、ピペラジニルカルボニル、テトラヒドロフラニルカルボニルなど)、アロイル(例えば、ベンゾイル)およびヘテロアロイル(例えば、チオフェニル-2-カルボニル、チオフェニル-3-カルボニル、フラニル-2-カルボニル、フラニル-3-カルボニル、1H-ピロイル-2-カルボニル、1H-ピロイル-3-カルボニル、ベンゾ[b]チオフェニル-2-カルボニルなど)などの基が挙げられる。また、アシル基のアルキル、シクロアルキル、複素環、アリールおよびヘテロアリール部分は、それぞれの定義に記載される基の任意の1つであり得る。「任意に置換された」と示されている場合、アシル基は、非置換または独立して「置換された」の定義で以下に列挙される置換基の群から選択される任意に1つ以上の置換基(典型的に、1〜3個の置換基)で置換され得るか、またはアシル基のアルキル、シクロアルキル、複素環、アリールおよびヘテロアリール部分は、置換基のそれぞれ好ましいリストおよびより好ましいリストで上記のようにして置換され得る。
【0037】
用語「アルキル」は、1〜約20個の炭素原子または、好ましくは1〜約12個の炭素原子を有する線状または分岐した基を包含する。より好ましいアルキル基は、1〜約10個の炭素原子を有する「低級アルキル」基である。1〜約8個の炭素原子を有する低級アルキル基が最も好ましい。かかる基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソ-アミル、ヘキシルなどが挙げられる。
【0038】
用語「アルケニル」は、2〜約20個の炭素原子または、好ましくは2〜約12個の炭素原子の少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する線状または分岐した基を包含する。より好ましいアルケニル基は、2〜約10個の炭素原子、より好ましくは約2〜約8個の炭素原子を有する「低級アルケニル」基である。アルケニル基の例としては、エテニル、アリル、プロペニル、ブテニルおよび4-メチルブテニルが挙げられる。用語「アルケニル」、および「低級アルケニル」は、「シス」および「トランス」配置あるいは、[E」および「Z」配置を有する基を包含する。
【0039】
用語「アルキニル」は、2〜約20個の炭素原子または、好ましくは2〜約12個の炭素原子の少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する線状または分岐した基を包含する。より好ましいアルキニル基は、2〜約10個の炭素原子、より好ましくは約2〜約8個の炭素原子を有する「低級アルキニル」基である。アルキニル基の例としては、プロパルギル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチン、2-ブチニルおよび1-ペンチニルが挙げられる。
【0040】
用語「シクロアルキル」は、3〜約12個の炭素原子を有する飽和炭素環式基を包含する。用語「シクロアルキル」は、3〜約12個の炭素原子を有する飽和炭素環式基を包含する。より好ましいシクロアルキル基は、3〜約8個の炭素原子を有する「低級シクロアルキル」基である。かかる基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。
【0041】
用語「シクロアルケニル」は、3〜12個の炭素原子を有する部分不飽和炭素環式基を包含する。2つの二重結合(共役していてもしていなくてもよい)を含有する部分不飽和炭素環式基であるシクロアルケニル基は、「シクロアルキルジエニル」と呼ばれ得る。より好ましいシクロアルケニル基は、4〜約8個の炭素原子を有する「低級シクロアルケニル」基である。かかる基の例としては、シクロブテニル、シクロペンテニルおよびシクロヘキセニルが挙げられる。
【0042】
用語「アルコキシ」は、各々が1〜約20個の炭素原子または、好ましくは1〜約12個の炭素原子のアルキル部分を有する線状または分岐したオキシ含有基を包含する。より好ましいアルコキシ基は、1〜約10個の炭素原子を有する、より好ましくは1〜約8個の炭素原子を有する「低級アルコキシ」基である。かかる基の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシおよびtert-ブトキシが挙げられる。
【0043】
用語「アルコキシアルキル」は、アルキル基に結合された1つ以上のアルコキシ基を有する、すなわち、モノアルコキシアルキルおよびジアルコキシアルキル基を形成するアルキル基を包含する。
【0044】
用語「アリール」は、単独または組合せで、1、2または3個の環を含有する炭素環式芳香族系を意味し、ここで、かかる環は、垂れ下がる様式で一緒に結合され得るか、または縮合され得る。用語「アリール」は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダンおよびビフェニルなどの芳香族基を包含する。
【0045】
用語「カルボニル」は、単独で使用されようと、「アルコキシカルボニル」など他の用語と使用されようと(C=O)を表す。
【0046】
用語「カルバノイル」は、単独で使用されようと、「アリールカルバノイルアルキル」など他の用語と使用されようとC(O)NHを表す。
【0047】
用語「ヘテロシクリル」、「複素環」、「複素環式」または「ヘテロシクロ」は、飽和、部分不飽和および不飽和ヘテロ原子含有環形状の基を包含し、これらは、相応じて「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクロアルケニル」および「ヘテロアリール」と呼ばれることもあり得、ヘテロ原子は、窒素、イオウおよび酸素から選択され得る。飽和ヘテロシクリル基の例としては、1〜4個の窒素原子を含有する飽和3〜6員ヘテロ単環式基(例えば、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジノ、ピペラジニルなど);1〜2個の酸素原子および1〜3個の窒素原子を含有する飽和3〜6員ヘテロ単環式基(例えば、モルホリニルなど);1〜2個のイオウ原子および1〜3個の窒素原子を含有する飽和3〜6員ヘテロ単環式基(例えば、チアゾリジニルなど)が挙げられる。部分不飽和ヘテロシクリル基の例としては、ジヒドロチオフェン、ジヒドロピラン、ジヒドロフランおよびジヒドロチアゾールが挙げられる。ヘテロシクリル基としては、テトラゾリウムおよびピリジニウム基などの5価窒素が挙げられ得る。用語「複素環」はまた、ヘテロシクリル基がアリールまたはシクロアルキル基と縮合された基を包含する。かかる縮合二環式基の例としては、ベンゾフラン、ベンゾチオフェンなどが挙げられる。
【0048】
用語「ヘテロアリール」は、不飽和ヘテロシクリル基を包含する。ヘテロアリール基の例としては、1〜4個の窒素原子を含有する不飽和3〜6員ヘテロ単環式基、例えば、ピロリル、ピロリニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリル(例えば、4H-1,2,4-トリアゾリル、1H-1,2,3-トリアゾリル、2H-1,2,3-トリアゾリルなど)テトラゾリル(例えば、1H-テトラゾリル、2H-テトラゾリルなど)など;1〜5個の窒素原子を含有する不飽和縮合ヘテロシクリル基、例えば、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンズイミダゾリル、キノリル、イソキノリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、テトラゾロピリダジニル(例えば、テトラゾロ[1,5-b]ピリダジニルなど)など;酸素原子を含有する不飽和3〜6員ヘテロ単環式基、例えば、ピラニル、フリルなど;イオウ原子を含有する不飽和3〜6員ヘテロ単環式基、例えば、チエニルなど;1〜2個の酸素原子および1〜3個の窒素原子を含有する不飽和3〜6員ヘテロ単環式基、例えば、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル(例えば、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリルなど)など;1〜2個の酸素原子および1〜3個の窒素原子を含有する不飽和縮合ヘテロシクリル基(例えば、ベンゾキサゾリル、ベンゾキサジアゾリルなど);1〜2個のイオウ原子および1〜3個の窒素原子を含有する不飽和3〜6員ヘテロ単環式基、例えば、チアゾリル、チアジアゾリル(例えば、1,2,4-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリルなど)など;1〜2個のイオウ原子および1〜3個の窒素原子を含有する不飽和縮合ヘテロシクリル基(例えば、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリルなど)などが挙げられる。
【0049】
用語「ヘテロシクロアルキル」は、ヘテロシクロ置換アルキル基を包含する。より好ましいヘテロシクロアルキル基は、ヘテロシクロ基内に1〜6個の炭素原子を有する「低級ヘテロシクロアルキル」基である。
【0050】
用語「アルキルチオ」は、2価のイオウ原子に結合された1〜約10個の炭素原子の線状または分岐したアルキル基を含有する基を包含する。好ましいアルキルチオ基は、1〜約20個の炭素原子または、好ましくは1〜約12個の炭素原子のアルキル基を有する。より好ましいアルキルチオ基は、1〜約10個の炭素原子を有する「低級アルキルチオ」基であるアルキル基を有する。1〜約8個の炭素原子の低級アルキル基を有するアルキルチオ基が最も好ましい。かかる低級アルキルチオ基の例は、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオおよびヘキシルチオである。
【0051】
用語「アラルキル」または「アリールアルキル」は、ベンジル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、フェニルエチル、およびジフェニルエチルなどのアリール置換アルキル基を包含する。
【0052】
用語「アリールオキシ」は、酸素原子を介して他の基に結合されたアリール基を包含する。
【0053】
用語「アラルコキシ」または「アリールアルコキシ」は、酸素原子を介して他の基に結合されたアラルキル基を包含する。
【0054】
用語「アミノアルキル」は、アミノ基で置換されたアルキル基を包含する。好ましいアミノアルキル基は、約1〜約20個の炭素原子または、好ましくは1〜約12個の炭素原子を有するアルキル基を有する。より好ましいアミノアルキル基は、1〜約10個の炭素原子を有するアルキル基を有する「低級アミノアルキル」である。1〜8個の炭素原子を有する低級アルキル基を有するアミノアルキル基が最も好ましい。かかる基の例としては、アミノメチル、アミノエチルなどが挙げられる。
【0055】
用語「アルキルアミノ」は、1つまたは2つのアルキル基で置換されたアミノ基を表す。好ましいアルキルアミノ基は、約1〜約20個の炭素原子または、好ましくは1〜約12個の炭素原子を有するアルキル基を有する。より好ましいアルキルアミノ基は、1〜約10個の炭素原子を有するアルキル基を有する「低級アルキルアミノ」である。1〜約8個の炭素原子を有する低級アルキル基を有するアルキルアミノ基が最も好ましい。適当な低級アルキルアミノは、例えば、N-メチルアミノ、N-エチルアミノ、N,N-ジメチルアミノ、N,N-ジエチルアミノなどの一置換N-アルキルアミノまたは二置換N,N-アルキルアミノであり得る。
【0056】
用語「置換された」は、与えられた構造内の1つ以上の水素基の、指定された置換基の基、例えば、限定されないが、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロシクリル、チオール、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルチオアルキル、アリールチオアルキル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アリールスルホニルアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アミノカルボニル、アミノカルボニルシクロアルキル、アミノカルボニルヘテロシクリル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ハロアルキル、アミノ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、アミノアルキルアミノ、ヒドロキシ、アルコキシアルキル、カルボキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノカルボニルアルキル、アシル、アラルコキシカルボニル、カルボン酸、スルホン酸、スルホニル、ホスホン酸、アリール、ヘテロアリール、複素環式、および脂肪族による置き換えをいう。置換基は、さらに置換され得ることが理解される。
【0057】
簡単にするため、全体を通して定義され言及される化学的部分は、当業者に明白な適切な構造状況下において、一価化学的部分(例えば、アルキル、アリールなど)または多価部分であり得る。例えば、「アルキル」部分は、一価の基(例えば、CH3-CH2-)に言及され得、または他の場合では、二価の連結部分が「アルキル」であり得、この場合、当業者は、アルキルが、用語「アルキレン」に等価である二価基(例えば、-CH2-CH2-)と理解する。同様に、2価の部分が必要とされ、「アルコキシ」、「アルキルアミノ」、「アリールオキシ」、「アルキルチオ」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「複素環式」、「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」、「脂肪族」、または「シクロアルキル」であると記載されている状況において、当業者は、用語「アルコキシ」、「アルキルアミノ」、「アリールオキシ」、「アルキルチオ」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「複素環式」、「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」、「脂肪族」、または「シクロアルキル」が、対応する2価の部分をいうと理解する。
【0058】
用語「ハロゲン」または「ハロ」は、本明細書で使用されるように、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選択される原子をいう。
【0059】
用語「化合物」は、本明細書において、本明細書に示す式を有する化合物の薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物、多型、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物などを含むと定義される。
【0060】
用語「治療」は、ヒトを含む哺乳動物が、哺乳動物の状態を直接または間接的に改善する目的で医療扶助に供される任意のプロセス、作用、適用、療法などをいう。
【0061】
本明細書で使用されるように、用語「薬学的に許容され得る塩」は、論理的に正しい医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答などなく、ヒトおよび下等動物の組織との接触における使用に適し、妥当な利益/リスク比に相応する塩をいう。薬学的に許容され得る塩は当該技術分野で周知である。例えば、S. M. Berge,et al.は、J. Pharmaceutical Sciences,66:1-19 (1977)に、薬学的に許容され得る塩を詳細に記載している。該塩は、本発明の化合物の最終の単離および精製中にインサイチュで、または遊離塩基官能基を適当な有機酸もしくは無機酸と反応させることにより別々に調製され得る。薬学的に許容され得る無毒性の酸付加塩の例としては、限定されないが、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸などの無機酸または酢酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸ラクトビオン酸またはマロン酸などの有機酸と形成されるか、あるいはイオン交換などの当該技術分野で使用される他の方法を使用することにより形成されるアミノ基の塩が挙げられる。他の薬学的に許容され得る塩としては、限定されないが、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンフルスルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヒドロヨウ化物塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。さらなる薬学的に許容され得る塩としては、適宜、無毒性のアンモニウム、第4級アンモニウム、ならびにハロゲン化物、水酸化物、カルボキシレート、スルフェート、ホスフェート、ナイトレート、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、スルホネートおよびアリールスルホネートなどの対イオンを用いて形成されるアミンカチオンが挙げられる。
【0062】
本明細書で使用されるように、用語「薬学的に許容され得るエステル」は、インビボで加水分解するエステルをいい、ヒト体内で容易に分解して親化合物またはその塩が生じるものが挙げられる。適当なエステル基としては、例えば、薬学的に許容され得る脂肪族カルボン酸、特にアルカン酸、アルケン酸、シクロアルカン酸およびアルカンジオン酸に由来するものであって、各アルキルまたはアルケニル部分が有利には6個以下の炭素原子を有するものが挙げられる。具体的なエステルの例としては、限定されないが、ギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、アクリル酸エステルおよびエチルコハク酸エステルが挙げられる。
【0063】
用語「薬学的に許容され得るプロドラッグ」は、本明細書で使用されるように、論理的に正しい医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答等を伴い、ヒトおよび下等動物の組織との接触における使用に適し、妥当な利益/リスク比に相応し、その意図される使用に有効な本発明の化合物のプロドラッグ、ならびに可能な場合は本発明の化合物の両性イオン形態をいう。「プロドラッグ」は、本明細書で使用されるように、代謝的手段によって(例えば、加水分解によって)インビボで本発明の化合物に変換可能な化合物を意味する。プロドラッグの種々の形態は、例えば、Bundgaard(編),Design of Prodrugs,Elsevier (1985);Widder,et al. (編),Methods in Enzymology,第4巻,Academic Press (1985);Krogsgaard-Larsen,et al.(編)。"Design and Application of Prodrugs,Textbook of Drug Design and Development,第5章,113-191 (1991);Bundgaard,et al., Journal of Drug Deliver Reviews,8:1-38(1992);Bundgaard,J. of Pharmaceutical Sciences,77:285 以下参照 (1988);HiguchiおよびStella (編)Prodrugs as Novel Drug Delivery Systems,American Chemical Society (1975);ならびにBernard Testa & Joachim Mayer,“Hydrolysis In Drug And Prodrug Metabolism:Chemistry,Biochemistry And Enzymology,” John Wiley and Sons,Ltd. (2002)に記載のように、当該技術分野で公知である。
【0064】
本明細書で使用されるように、「薬学的に許容され得る担体」は、滅菌発熱物質無含有水などの医薬投与と適合する任意の全ての溶媒、分散媒体、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤ならびに吸収遅延剤などを含むことが意図される。適当な担体は、参照により本明細書に援用される当該技術分野の標準的な参考教科書であるRemington's Pharmaceutical Sciencesの最新版に記載されている。かかる担体または希釈剤の好ましい例としては、限定されないが、水、生理食塩水、リンゲル(finger's)液、デキストロース溶液、および5%ヒト血清アルブミンが挙げられる。リポソームおよび固定油などの非水性ビヒクルもまた使用され得る。薬学的に活性な物質のためのかかる媒体および薬剤の使用は当該技術分野で周知である。任意の従来の媒体または薬剤が活性化合物と適合性でない場合を除き、該組成物におけるその使用が企図される。補助活性化合物もまた該組成物中に組み込まれ得る。
【0065】
用語「被験体」は、本明細書で使用されるように動物をいう。好ましくは、動物は哺乳動物である。より好ましくは、哺乳動物はヒトである。また、被験体は、例えば、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、モルモット、魚類、鳥類などをいう。
【0066】
本発明の化合物は、選択的な生物学的性質を向上させるために適切な官能基を付加することにより修飾され得る。かかる修飾は当該技術分野で公知であり、与えられた生物学的系(例えば、血液、リンパ系、中枢神経系)内への生物学的浸透を増大させる、経口アベイラビリティを増大させる、注射による投与を可能にするために可溶性を増大させる、代謝を改変する、および排出速度を改変するものが挙げられ得る。
【0067】
合成された化合物は、反応混合物から分離され得、カラムクロマトグラフィー、高圧液体クロマトグラフィー、または再結晶などの方法によってさらに精製され得る。当業者によって認識され得るように、本明細書の式の化合物のさらなる合成方法は、当業者に明白である。さらに、種々の合成工程は、所望の化合物を得るために、代替的なシーケンスまたは順序で行なわれ得る。本明細書に記載の化合物の合成に有用な合成化学変換ならびに保護基の方法論(保護および脱保護)は当該技術分野で公知であり、例えば、R. Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers (1989);T.W. GreeneおよびP.G.M. Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,第2版, John Wiley and Sons (1991);L. FieserおよびM. Fieser,Fieser and Fieser's Reagent for Organic Synthesis,John Wiley and Sons (1994);ならびにL. Paquette編,Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons (1995)、ならびにその後続版などに記載のものが挙げられる。
【0068】
本明細書に記載の化合物は、1つ以上の不斉中心を含み、したがって、エナンチオマー、ジアステレオマー、および絶対立体化学に関してアミノ酸について(R)もしくは(S)または(D)もしくは(L)で定義され得る他の立体異性形態が生じる。本発明は、かかる可能なすべての異性体、ならびにそのラセミ形態および光学的に純粋な形態を含むことが意図される。光学異性体は、上記の手順によって、またはラセミ混合物を分離することによって、そのそれぞれの光学的に活性な前駆体から調製され得る。該分離は、分離剤の存在下で、クロマトグラフィーまたは反復結晶化または当業者に公知のこれらの技術のいくつかの組合せによって行なわれ得る。分離に関するさらなる詳細は、Jacques,et al., Enantiomers,Racemates,and Resolutions (John Wiley & Sons,1981)に見られ得る。本明細書に記載の化合物がオレフィン性二重結合、他の不飽和、または他の幾何不斉中心を含む場合、特に記載のない限り、該化合物は、EおよびZ幾何異性体ならびに/またはシス-およびトランス-異性体の両方を含むことが意図される。同様に、すべての互変異性形態もまた含まれることが意図される。本明細書に示された任意の炭素-炭素二重結合の立体配置は、便宜上のみのために選択され、本文中にそうと記載されていない限り、特定の立体配置を指定することを意図しない。したがって、本明細書において随意にトランスと示された炭素-炭素二重結合または炭素-ヘテロ原子二重結合は、シス、トランス、または両者の任意の比率の混合物であり得る。
【0069】
医薬組成物
本発明の医薬組成物は、1種類以上の薬学的に許容され得る担体または賦形剤と一緒に製剤化された治療有効量の本発明の化合物を含む。
【0070】
本明細書で使用されるように、用語「薬学的に許容され得る担体または賦形剤」は、任意の型の無毒性で不活性な固形、半固形または液体充填剤、希釈剤、カプセル化材料または製剤化補助剤を意味する。薬学的に許容され得る担体としての機能を果たし得る物質のいくつかの例は、ラクトース、グルコースおよびスクロースなどの糖類;アルファ-(α)、ベータ-(β)およびガンマ-(γ)シクロデキストリンなどのシクロデキストリン;トウモロコシデンプンおよびイモデンプンなどのデンプン;セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなどのその誘導体;粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;ココアバターおよび坐剤用ワックスなどの賦形剤;ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油および大豆油などの油;プロピレングリコールなどのグリコール;オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル;寒天;水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;アルギン酸;発熱物質無含有水;等張性生理食塩水;リンゲル液;エチルアルコール、およびリン酸緩衝液、ならびにラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムなどの他の無毒性の適合性潤滑剤であり、加えて、着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤および香料剤、保存剤ならびに抗酸化剤もまた、製剤者の判断に従って組成物中に存在し得る。
【0071】
本発明の医薬組成物は、経口、非経口、吸入スプレーにより、局所、直腸、鼻腔内、口内、膣または埋め込みレザバーにより、好ましくは経口投与または注射による投与によって投与され得る。本発明の医薬組成物は、任意の従来の無毒性の薬学的に許容され得る担体、補助剤またはビヒクルを含有し得る。いくつかの場合において、製剤化された化合物またはその送達形態の安定性を向上させるため、薬学的に許容され得る酸、塩基またはバッファーで製剤のpHが調整され得る。本明細書で使用される非経口という用語は、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、動脈内、滑液包内、胸骨内、鞘内、病変内および頭蓋内注射または注入技術を含む。
【0072】
経口投与のための液体投薬形態としては、薬学的に許容され得るエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシルが挙げられる。活性化合物に加え、液体投薬形態は、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実、ラッカセイ、コーン、胚芽、オリーブ、ヒマシおよびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにその混合物などの当該技術分野で一般に使用される不活性希釈剤を含有し得る。不活性な希釈剤の他に、経口組成物はまた、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味剤、香味剤および香料剤などの補助剤を含み得る。
【0073】
注射用調製物、例えば、滅菌注射用水性または油性懸濁液は、適当な分散剤または展着剤および懸濁剤を用いて公知の技術に従って製剤化され得る。また、滅菌注射用調製物は、無毒性の非経口に許容され得る希釈剤または溶媒中の滅菌注射用溶液、懸濁液またはエマルジョン、例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液であり得る。許容され得るビヒクルおよび溶媒のうち、使用され得るものは、水、リンゲル液、U.S.P.および等張性塩化ナトリウム溶液である。また、滅菌、固定油は、溶媒または懸濁媒体として以前より使用されている。この目的のため、任意の低刺激固定油、例えば、合成モノ-またはジグリセリドが使用され得る。また、オレイン酸などの脂肪酸が注射用剤の調製に使用される。
【0074】
注射用製剤は、例えば、細菌保持フィルターによる濾過によって、または使用前に、滅菌水もしくは他の滅菌注射用媒体に溶解もしくは分散され得る滅菌剤を滅菌固形組成物の形態で組み込むことによって滅菌され得る。
【0075】
薬物の効果を延長するため、しばしば、皮下または筋肉内注射による薬物の吸収を遅らせることが望ましい。これは、水溶性の乏しい結晶性または非晶質物質の懸濁液の使用によって達成され得る。したがって、薬物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、これは、結晶サイズおよび結晶性形態に依存し得る。あるいは、非経口投与薬物形態の遅延吸収は、薬物を油ビヒクルに溶解または懸濁することにより達成される。注射用蓄積形態は、ポリラクチド-ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中に薬物のマイクロカプセル化マトリックスを形成することにより作製される。ポリマーに対する薬物の比および使用される特定のポリマーの性質に応じて薬物放出速度が制御され得る。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。蓄積注射用製剤はまた、身体組織と適合性であるリポソームまたはマイクロエマルジョン中に薬物を閉じ込めることにより調製される。
【0076】
直腸または膣投与用の組成物は、好ましくは、ココアバター、ポリエチレングリコールなどの適当な非刺激性賦形剤もしくは担体または常温では固体であるが、体温では液体であり、したがって、直腸もしくは膣腔で融解し、活性化合物を放出する坐剤用ワックスと本発明の化合物を混合することにより調製され得る坐剤である。
【0077】
経口投与用の固形投薬形態としては、カプセル、錠剤、丸剤、粉末、および顆粒が挙げられる。かかる固形投薬形態において、活性化合物は、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウムなどの少なくとも1つの不活性な薬学的に許容され得る賦形剤もしくは担体および/または:a)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸などの充填剤もしくは増量剤b)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース、およびアラビアゴムなどの結合剤、c)グリセロールなどの湿潤剤、d)寒天-寒天、炭酸カルシウム、イモもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、e)パラフィンなどの溶解遅延剤、f)第4級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、g)例えば、セチルアルコールおよびグリセロールモノステアレートなどの湿潤剤、h)カオリンおよびベントナイトクレイなどの吸収剤、ならびにi)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなどの潤滑剤、ならびにその混合物と混合される。カプセル、錠剤および丸剤の場合、投薬形態は緩衝剤も含み得る。
【0078】
類似した型の固形組成物もまた、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用するソフトおよびハード充填ゼラチンカプセルにおける充填剤として使用され得る。
【0079】
腸溶性コーティングおよび医薬製剤分野で周知の他のコーティングなどのコーティングおよび殻を用いて錠剤、糖衣錠、カプセル、丸剤および顆粒の固形投薬形態が調製され得る。これらは、任意に、不透明化剤を含有し得、また、活性成分(1種類または複数種)のみを、または優先的に、腸管の特定部分に任意に遅延様式で放出する組成物であり得る。使用され得る包埋組成物の例としては、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。
【0080】
本発明の化合物の局所または経皮投与用の投薬形態としては、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー、吸入剤または貼付剤が挙げられる。活性成分は、滅菌条件下で薬学的に許容され得る担体および必要に応じて任意の必要とされる保存剤またはバッファーと混合される。眼科用製剤、点耳剤、眼用軟膏、粉末および溶液もまた、本発明の範囲内にあることが企図される。
【0081】
軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、本発明の活性化合物に加えて、動物性および植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛、またはその混合物などの賦形剤を含有し得る。
【0082】
粉末およびスプレーは、本発明の化合物の他に、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物などの賦形剤を含み得る。スプレーはさらに、クロロフルオロヒドロカーボンなどの通例のプロペラントを含み得る。
【0083】
経皮パッチは、化合物の体内への制御送達を提供するというさらなる利点を有する。かかる投与形態は、化合物を適切な媒体に溶解または懸濁することにより作製することができる。また、吸着強化剤を使用して、皮膚を通過する化合物の流入を高めることができる。速度制御膜を提供するかまたは化合物をポリマーマトリックスもしくはゲルに分散させることのいずれかにより速度を制御することができる。
【0084】
肺系送達のためには、本発明の治療組成物を、固体または液体粒状形態で製剤化し、直接投与、例えば呼吸器系への吸入により患者に投与する。本発明を実施するために調製された活性化合物の固体または液体粒状形態は吸入可能な大きさの粒子:つまり、吸入時に口および咽頭を通過、ならびに気管支および肺胞に侵入するほど充分に小さいサイズの粒子を含む。エーロゾル化治療剤、特にエーロゾル化抗生物質の送達は当該技術分野に公知である(例えば、その全てが本明細書中で参照により援用されるVanDevanterらの米国特許第5,767,068号、Smithらの米国特許第5,508,269号、およびMontgomeryによるWO 98/43,650参照)。抗生物質の肺系送達の記載は、参照により本明細書中に援用される米国特許第6,014,969号にも見られる。
【0085】
「治療有効量」の本発明の化合物は、任意の医学的治療に適用可能な妥当な利益/リスク比で、治療された被検体に治療効果を付与する化合物の量を意味する。治療効果は客観的であり得る(つまり、いくつかの試験またはマーカーにより測定可能)か、または主観的であり得る(つまり、被検体が効果の兆候を示すかまたは効果を感じる)。上述の化合物の有効量は、約0.1mg/Kg〜約500mg/Kg、好ましくは約1〜約50mg/Kgの範囲であり得る。有効用量は、投与経路および他の薬剤の併用の可能性によって変化する。しかしながら、本発明の化合物および組成物の1日当たりの全使用量は、適正な医学的判断の範囲内でかかりつけ医によって決定されることが理解されよう。任意の特定の患者についての具体的な治療有効投与レベルは、治療される障害および障害の重症度;使用される具体的な化合物の活性;使用される具体的な組成物;患者の年齢、体重、一般的な健康状態、性別および食事;使用される具体的な化合物の投与時間、投与経路および排泄速度;治療期間;使用される具体的な化合物と併用されるかまたは同時に使用される薬物ならびに医学分野に周知の要素などの種々の要素に依存する。
【0086】
ヒトまたは他の動物に1回または複数回に分けて投与される本発明の化合物の1日当たりの全用量は、例えば0.01〜50mg/体重kgまたはより一般的には0.1〜30mg/体重kgの量であり得る。単回用量組成物はかかる量、または1日当たりの用量をなすかかる量を複数に分けた量を含み得る。一般的に、本発明による治療計画は、かかる治療が必要な患者に、単回または反復投与で1日あたり約10mg〜約1000mgの本発明の化合物(1または複数)を投与することを含む。
【0087】
本明細書に記載される式の化合物は、例えば注射、静脈内、動脈内、真皮下、腹腔内、筋内または皮下、または経口、口内、鼻腔内、経粘膜、局所、眼用調製物中で、または吸入により、約0.1〜約500mg/体重kgの範囲の用量、あるいは1mg〜1000mg/投与の用量で、4〜120時間ごとに、または特定の薬物の必要条件に従って投与され得る。本明細書中の方法は、所望または所定の効果を達成するために、有効量の化合物または化合物組成物の投与を企図する。典型的に、本発明の医薬組成物は、1日当たりに約1〜約6回または連続輸液で投与される。かかる投与は、長期または救急治療として使用され得る。賦形剤または担体と薬学的に組み合わされて単一投与形態を生じ得る活性成分の量は、治療されるホストおよび具体的な投与形態に応じて異なる。典型的な製剤は、約5%〜約95%(w/w)の活性化合物を含み得る。あるいは、かかる製剤は、約20%〜約80%の活性化合物を含み得る。
【0088】
上述よりも低いか高い用量を必要とする場合もある。任意の特定の患者のための具体的な投与および治療計画は、使用される具体的な化合物の活性、年齢、体重、一般的な健康状態、性別、食事、投与回数、排出速度、薬物組合せ、疾患の重要度および経過、状態または症状、疾患に対する患者の素因、状態または症状、ならびに治療する医師の判断などの種々の要因に依存する。
【0089】
患者の状態の改善の際に、必要に応じて、本発明の化合物、組成物または組合せの維持用量が投与され得る。その後、症状が所望のレベルまで改善された場合、投与の用量もしくは頻度またはその両方は、症状に応じて、改善された状態が維持されるレベルまで低下され得る。しかし、患者は、疾患症状の何らかの再発に基づいて、長期間、治療の中断が必要となることがある。
【実施例】
【0090】
合成方法および合成例
本発明の化合物および方法は、説明のみを目的とし、本発明の範囲を限定しない以下の実施例と関連してより充分に理解されよう。開示される態様に対する種々の変化および変更は当業者に明白であり、限定されることなく本発明の化学構造、置換基、誘導体、調製および/または方法に関連するものを含むかかる変化および変更は、本発明の精神および添付の特許請求の範囲を逸脱することなくなされ得る。
【0091】

【0092】
5-(2-メトキシビフェニル)-1H-インドール(2)
3.5mLのジメトキシエタンと水(3:0.5)中の1(0.052mg、0.26mmol)の溶液に、2-メトキシビフェニルボロン酸(0.09g、0.39mmol)、水酸化バリウム(0.12g、0.39mmol)および2mol%のPd(PPh3)4を不活性雰囲気下で添加した。反応混合物を85℃で加熱した。6時間後、溶液を室温まで冷却してろ過した。残渣を酢酸エチルで洗浄して、ろ液を合わせて減圧下で濃縮した。粗製の残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、45mgの2を得た:1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 8.19 (br s, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.70 (m, 2H), 7.62 (m, 2H), 7.49 (m, 2H), 7.39 (m, 2H), 7.05 (m, 2H), 6.61 (s, 1H), 3.84 (s, 3H).
【0093】
5-(2-ヒドロキシビフェニル)-1H-インドール(3) [化合物1]
4mLのジクロロメタン中の2(0.025g、0.084mmol)の溶液に、0.25mLのジクロロメタン中三臭化ホウ素の1.0M溶液を0℃で添加した。反応混合物を室温まで温めて、この温度で一晩攪拌した。完了時、反応混合物を20mLのジクロロメタンで希釈して、飽和二炭酸ナトリウム(2x15mL)、水(2x15mL)、ブライン(1x10mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、真空下で濃縮した。粗製の残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、10mgの3を得た。MS (ES +ve) m/z 286.
【0094】

【0095】
メチル-2-(2-シアノアセトアミド)-5-ブロモベンゾエート(5)
表題の化合物は2種類の代替的な方法で調製可能である:
【0096】
A) 16mLのジクロロメタン中の4(1.00g、4.35mmol)の溶液にトリエチルアミン(1.32g、13.05mmol)を添加し、反応混合物を0℃まで冷却した。上述の溶液に、シアノアセチルクロリド(10.87mmol)(16mLのジクロロメタンおよび触媒量のDMF中でシアン酢酸(0.92g、10.87mモル)およびオキサリルクロリド(10.87mモル)から新たに調製した)を添加した。反応混合物を室温で温めた。完了後、真空下でジクロロメタンを除去し、粗製残渣を酢酸エチル(50mL)中に回収し、有機層を飽和二炭酸ナトリウム(2x25mL)、水(2x25mL)、ブライン(1x15mL)で洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)真空下で濃縮した。粗製残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ほぼ定量的な収量の5を得た。1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 8.41 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.08 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.58 (dd, J = 2.4 Hz, 9.2 Hz, 1H), 3.58 (s, 2H).
【0097】
B) 20mLのジクロロメタンとジメチルアセトアミド(4:1)中のシアン酢酸(0.92g、10.87mmol)の溶液にHATU(4.13g、10.87mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(1.75g、13.49mmol)を添加して、反応混合物を15分間攪拌した。上記溶液に10mLジクロロメタン中の4(1.00g、4.35mmol)を添加して、反応混合物を60℃で加熱した。完了後、反応混合物を室温に冷却して飽和重炭酸ナトリウム(2x25mL)、水(2x25mL)、ブライン(1x15mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)真空下で濃縮した。粗製残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ほぼ定量的な収量の5を得た。1H NMR (CDCl3+ CD3OD, 400 MHz) δ 8.41 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.08 (d, J= 2.4 Hz, 1H), 7.58 (dd, J= 2.4 Hz, 9.2 Hz, 1H), 3.58 (s, 2H).
【0098】
6-ブロモ-2,4-ジヒドロキシキノリン-3-カルボニトリル(6)
7mLのTHF中の5(0.15g、0.48mmol)の攪拌溶液を-78℃に冷却した。冷却した溶液に2.41mLのKHMDS(0.5M)溶液を添加した。反応物を室温まで温めた。完了時に、反応混合物を真空下で濃縮した。残渣に10mLの水を添加した。水層をジエチルエーテル(2x15mL)で洗浄し、次いで、1M HClで酸性化した。沈殿固体をろ過して水およびエーテルで洗浄し、60mgの6を得た。1H NMR (CD3OD, 400 MHz) δ 8.13 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.71 (dd, J = 2.4 Hz, 9.2 Hz, 1H), 7.21 (d, J = 9.2 Hz, 1H); MS (Es +ve) m/z 265, (Es -ve) m/z 263.
【0099】
6-(2-ヒドロキシビフェニル)-2,4-ジヒドロキシキノリン-3-カルボニトリル(7) [化合物2]
4.3mLのジメトキシエタン:トルエン:エタノール:水(10:1:3:6)中の6(0.037g、0.140mmol)の溶液に2-ヒドロキシビフェニルボロン酸(0.045g、0.210mmol)、炭酸セシウム(0.091g、0.28mmol)および2mol%のパラジウムテトラキスを不活性雰囲気下で添加した。反応混合物を100℃で一晩加熱した。完了後、反応混合物を室温に冷却して真空下で濃縮した。残渣を10mLの水中に回収して水層を酢酸エチル(2x15mL)で洗浄し、水層を、1M HClを用いて酸性化した。沈殿固体をろ過して水およびエーテルで洗浄し、18mgの7を得た。1H NMR (CD3OD, 400 MHz) δ 8.36 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.05 (dd, J = 2.4 Hz, 9.2 Hz, 1H), 7.75 (m, 4H), 7.46 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.34 (m, 1H), 7.18 (m, 1H), 6.94 (m, 2H); MS (Es +ve) m/z 354; (Es -ve) m/z 353.
【0100】

【0101】
エチル-2-アミノ-6-クロロベンゾエート(9)
7mLのTHF中の8(0.50g、2.91mmol)の溶液に、1,1'-カルボニルジイミダゾール(0.52g、3.20mmol)を添加して、反応混合物を4時間攪拌した。反応完了時に、反応混合物を真空下で濃縮して残渣固体を50mLジクロロメタンに溶解し、飽和二炭酸ナトリウム(2x25mL)、水(2x25mL)、ブライン(1x15mL)で洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)真空下で濃縮し、0.48gの固体を得た。固体を1mLエタノールおよび5mL THFに溶解して、ナトリウムエトキシド(0.18g)を添加し、反応混合物を70℃で1時間加熱した。完了時に真空下で溶媒を除去し、残渣を酢酸エチルに溶解して、水(2x15mL)、ブライン(1x15mL)で洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)真空下で濃縮し、0.29gの実質的に純粋な9を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いた精製により9の分析用試料を調製した。1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.07 (m, 1H), 6.74 (d, J= 8.0 Hz, 1H), 6.57 (d, J= 8.0 Hz, 1H).
【0102】
エチル-2-(2-シアノアセトアミド)-4-クロロベンゾエート(10)
5について記載したものと類似の方法で表題の化合物を調製した。このように、9(0.05g、0.35mmol)から開始して、上述の手順に従って、25mgの純粋な10を得た。1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 9.71 (br s, 1H), 8.19 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.40 (m, 1H), 7.26 (m, 1H), 4.51 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 3.54 (s, 2H), 1.45 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【0103】
5-クロロ-2,4-ジヒドロキシキノリン-3-カルボニトリル(11)
6について記載したものと類似の方法で表題の化合物を調製した。このように、10(0.30g、1.12mmol)から開始して、上述の手順に従って、125mgの純粋な11を得た。 MS (Es +ve) m/z 221, (Es -ve) m/z 219.
【0104】
5-(2-ヒドロキシビフェニル)-2,4-ジヒドロキシキノリン-3-カルボニトリル(12) [化合物3]
7について記載したものと類似の方法で表題の化合物を調製した。このように、11(0.043g、0.195mmol)から開始して、上述の手順に従って、Pd(PPh3)4および炭酸セシウムの代わりに2mol%Pd(OAc)2、S-phos(4mol%)および1.0M K3PO4(3当量)を用いて、10mgの純粋な12を得た。1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 10.01 (s, 1H), 9.49 (s, 1H), 7.41 (d, J= 8.0 Hz, 2H), 7.28 (m, 2H), 7.13 (m, 4H), 6.93 (m, 2H), 6.61 (d, J = 7.2 Hz, 1H); MS (Es +ve), m/z 354 (Es -ve) m/z 353.
【0105】

【0106】
4-ブロモベンズアルデヒドオキシム(14)
10mLのメタノール中の塩酸ヒドロキシルアミン(0.47g、6.76mmol)の攪拌溶液に酢酸ナトリウム(0.56g、6.76mmol)を添加して、反応混合物を15分間攪拌した。13((1.00g、5.41mmol)を添加して反応混合物を70℃で4時間加熱した。完了時に、反応混合物を真空下で濃縮した。固体残渣をジクロロメタン(25mL)および水(20mL)に溶解した。有機層を分離して水(2x20mL)、ブライン(1x15mL)で連続的に洗浄して、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、0.75gの14(幾何異性体の混合物)を得た。1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 8.06 (s, 1H), 7.51 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.43 (d, J= 8.4 Hz, 2H).
【0107】
4-ブロモベンズアルデヒド-α-クロロオキシム(15)
16mLのDMF中の14(0.75g、3.75mmol)の攪拌溶液に、N-クロロスクシンイミド(0.50g、3.75mmol)を0℃でゆっくり添加した。反応混合物を50℃で1時間温めて、砕いた氷に注いだ。水で希釈し、沈殿固体を水で洗浄して乾燥させ、0.9gの実質的に純粋な15を得た。1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.56 (d, J= 8.4 Hz, 2H), 7.37 (d, J= 8.4 Hz, 2H).
【0108】
エチル-5-アミノ-3-(4-ブロモフェニル)イソキサゾール-4-カルボキシレート(16)
0℃に冷却した4mLのエタノール中のエチルシアノ酢酸(0.11mL、1.1mmol)の溶液に、ナトリウムエトキシド(0.07g、1.1mmol)を添加して反応混合物をこの温度で15分間攪拌した。上述の溶液に3mLのエタノール中の15(0.24g、1.00mmol)を0℃で添加し、反応混合物を室温に温めた。反応混合物を室温で一晩攪拌し、真空下で濃縮した。粗製混合物を酢酸エチル(25mL)および水(20mL)に溶解した。有機層を分離して、水(2x20mL)、飽和NH4Cl(2x15mL)、ブライン(1x15mLで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、0.3gの実質的に純粋な16を得た。必要に応じて、固体は、15〜20%酢酸エチル:ヘキサン混合物を用いて粉砕してさらに精製することができる。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して分析用試料を得た。1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.55 (m, 4H), 6.10 (br s, 2H), 4.22 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.20 (t, J = 7.2 Hz, 3H); MS (Es +ve) m/z 311 (Es -ve) m/z 309.
【0109】
エチル-5-(2-シアノアセトアミド)-3-(4-ブロモフェニル)イソキサゾール-4-カルボキシレート(17)
5について記載したものと類似の方法で表題の化合物を調製した。このように、16(0.10g、0.323mmol)で開始して、上述の手順に従って90mgの純粋な17を得た。1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.35 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 7.31 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 4.05 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 3.39 (s, 1H), 1.20 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【0110】
3-(4-ブロモフェニル)-4,6-ヒドロキシイソキサゾロ[5,4-b]ピリジン-5-カルボニトリル(18)
6について記載したものと類似の方法で表題の化合物を調製した。このように、17(0.06g、0.159mmol)から開始して、上述の手順に従って、25mgの純粋な18を得た。1H NMR (CD3OD, 400 MHz) δ 7.69 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 7.63 (d, J= 7.2 Hz, 2H).
【0111】
3-(2-ヒドロキシビフェニル)-4,6-ジヒドロキシイソキサゾロ[5,4-b]ピリジン-5-カルボニトリル(19) [化合物9]
7について記載したものと類似の方法で表題の化合物を調製した。このように、18(0.022g)から開始して、上述の手順に従い、2-ヒドロキシビフェニルボロン酸の代わりに2-ヒドロキシベンゼンボロン酸を使用して、10mgの純粋な19を得た。1H NMR (CD3OD, 400 MHz) δ 7.84 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.76 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.30 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.16-7.2 (m, 1H), 6.88-6.92 (m, 2H).
【0112】

【0113】
メチル2-アミノ-5-ブロモピリジン-3-カルボキシレート(21)
5について記載したものと類似の方法で表題の化合物を調製した。このように、20(0.30g、1.3mmol)から開始して、上述の手順に従って、313mgの純粋な21を得た。
【0114】
6-ブロモ-2,4-ジヒドロキシ-1,8-ナフチリジン-3-カルボニトリル(22)
6について記載したものと類似の方法で表題の化合物を調製した。このように、21(0.313g、1.05mmol)から開始して、上述の手順に従って、106mgの純粋な22を得た。1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 8.51 (s, 1H), 8.29 (s, 1H); MS (Es +ve) m/z 267, (Es -ve) m/z 265.
【0115】
6-(2-ヒドロキシビフェニル)-2,4-ジヒドロキシ-1,8-ナフチリジン-3-カルボニトリル(23) [化合物8]
7について記載したものと類似の方法で表題の化合物を調製した。このように、22(0.106g、0.398mmol)から開始して、上述の手順に従って、56mgの純粋な23を得た。1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 11.02 (s, 1H), 9.62 (br s, 1H), 8.92 (s, 1H), 8.75 (s, 1H), 8.56 (s, 1H), 8.19 (s, 1H), 7.77 (m, 1H), 7.65 (m, 1H), 7.25 (m, 1H), 7.19 (m, 1H), 6.95 (m, 2H); MS (Es +ve) m/z 356, (Es -ve) m/z 354.
【0116】

【0117】
エチル5-アミノ-2-(4-ブロモフェニル)-1H-イミダゾール-4-カルボキシレート(27)
16mLの水中の24(1.82g、10.0mmol)にジエチルジチオリン酸(2.24g、12.0mmol)を添加し、混合物をマイクロ波照射下で15分間、80℃で加熱した。完了時に、反応混合物をジエチルエーテルで抽出し、次いで飽和NaHCO3(2x20mL)、ブライン(1x20mL0で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、真空下で濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、1.2gの25を白色固体として得た。
【0118】
15mLの無水クロロホルム中のチオアミド25(1.40g、6.5mmol)の溶液に、臭化ベンジル(4.45g、26mmol)を添加して、マイクロ波照射下、80℃でRMを15分間加熱した。反応混合物を蒸発させて乾燥させ、ジエチルエーテルを過剰に添加し、1.6gの臭化水素チオイミノエーテル26を沈殿させた。この生成物を真空下で乾燥させ、次の工程に使用した。
【0119】
10mLの無水ジクロロメタン中の26(1.00g、2.6mmol)の溶液にピリジン(0.205ml、2.6mmol)を添加した。10mLの無水ジクロロメタン中に26a(文献中に記載の手順により調製)(476mg、3.1mmol)を含む別のRBフラスコにメタノール中のNH3(6.2mmol)を添加した。両方の反応混合物をマイクロ波容器に濾過して入れ、無水クロロホルム(10mL)を添加した。マイクロ波反応器中で、反応混合物を60℃に加熱した。反応はTLCでモニターして10分で終了した。反応混合物を蒸発させて乾燥させジエチルエーテルを添加して、600mgの27を得た。生成物をろ過して、エーテルで洗浄して真空下で乾燥させた。MS (Es +ve) m/z 310.
【0120】
エチル5-(2-シアノアセトアミド)-2-(4-ブロモフェニル)-1H-イミダゾール-4-カルボキシレート(28)
5について記載したものと類似の方法で表題の化合物を調製した。このように、27(0.3g、0.97mmol)から開始して、160mgの純粋な28を得た。1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.98 (d, J= 7.2 Hz, 2H), 7.65 (d, J= 7.2 Hz, 2H), 4.21 (q, 2H), 3.30 (s, 2H), 1.25 (t, 3H). MS (Es +ve) m/z 377.
【0121】
2-(4-ブロモフェニル)-5,7-ジヒドロキシ-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-カルボニトリル(29)
6について記載したものと類似の方法で表題の化合物を調製した。このように、28(0.071g、0.189mmol)から開始して、上述の手順に従って、25mgの29を得た。MS (Es +ve) m/z 331.
【0122】
3-(2-ヒドロキシビフェニル)-4,6-ジヒドロキシイミダゾ[5,4-b]ピリジン-5-カルボニトリル(30) [化合物7]
7について記載したものと類似の方法で表題の化合物を調製した、このように、2-ヒドロキシビフェニルボロン酸の代わりに2-ヒドロキシベンゼンボロン酸を使用して29(0.022g、0.066mmol)から開始して、上述の手順に従って、5mgの30を得た。MS (Es +ve) m/z 345, (Es -ve) 343.
【0123】

【0124】
5-(4-ブロモフェニル)-1H-インドール(32)
30mLのジメトキシエタン:トルエン:エタノール:水(10:1:3:6)中の31(3.093g、10.93mmol)の溶液に、4-ブロモヨードベンゼン(1.60g、9.94mmol)、水酸化バリウム8水和物(6.312g、20.01mmol)および5mol%Pd(PPh3)4を不活性雰囲気下で添加した。反応混合物を90℃で3時間加熱した。完了後、反応混合物を室温に冷却して真空下で濃縮した。残渣を10mLの水に回収して、水層を酢酸エチル(2x25mL)で洗浄した。有機層を回収して、ブライン(2x15mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、ろ過して濃縮し、赤色油状の粗製物を得た。カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中EtOAc 10%->35%)で物質をさらに精製して1.7gの32を白色固体として得た。
【0125】
5-(4-ブロモフェニル)-1H-インドール-3-カルバルデヒド(33)
100mlの丸底フラスコに2.8mLのジメチルホルムアミド(2.74g、3.74mmol)を入れる。フラスコおよび内容物を氷塩浴中で約0.5時間冷却し、続いて0.86mL(1.44g、94mmol)の新たに蒸留したオキシ塩化リンを攪拌しながらジメチルホルムアミドに滴下する。次いで、1mLのジメチルホルムアミド中の1.0gの32(85mmol)の溶液を上述の溶液にゆっくり添加する。添加後、溶液の温度を40℃にして1時間攪拌する。このとき、反応混合物に1NのNaOH(10mL)を滴下した。得られた混合物を沸点まで急速に加熱して、室温まで冷却する。得られた沈殿物をフィルターで回収し、固体をさらに水で洗浄した。この手順で得られた化合物33は次の反応のために充分に純粋であった。MS (Es +ve) m/z 300, (Es -ve) m/z 298.
【0126】
5-(4-ブロモフェニル)-1H-インドール-3-カルボニトリル(34)
33(1.35g、4.50mmol)、リン酸水素二アンモニウム(3.19g、23.8mmol)、1-ニトロプロパン(13.61g、152.9mmol)および氷酢酸(10mL)の混合物を一晩還流する。還流期間中、薄黄色の混合物が暗赤色になる。減圧下で揮発性の反応体と溶媒を除去し、次いで暗色残渣に過剰の水を添加する。少し後に、粗製物34が急速に沈殿した。これをろ過して分離し、ヘキサンで洗浄して減圧下で乾燥させる。化合物34を薄黄色の固体として1.19g得た。MS (Es -ve) m/z 295.
【0127】
5-(2-ヒドロキシビフェニル)-1H-インドール-3-カルバルデヒド(35) [化合物4]
7について記載したものと類似の方法で表題の化合物を調製した。このように、33(1.6g、5.3mmol)、および2-ヒドロキシビフェニルボロン酸の代わりに2-ヒドロキシベンゼンボロン酸から開始して、上述の手順に従って1gの純粋な35を得た。1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 9.80 (s, 1H), 8.39 (s, 1H), 7.79 (s, 1H), 7.61 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.51 (d, J= 8.4 Hz, 2H), 7.45 (m, 1H), 7.38 (m, 1H), 7.18 (m, 2H), 7.02 (m, 1H), 6.78 (m, 1H); MS (Es +ve) m/z 312, (Es -ve) m/z 314.
【0128】
5-(2-ヒドロキシビフェニル)-1H-インドール-3-カルボニトリル(36) [化合物5]
7について記載したものと類似の方法で表題の化合物を調製した。このように、34(1.19g、4.00mmol)、および2-ヒドロキシビフェニルボロン酸の代わりに2-ヒドロキシベンゼンボロン酸から開始して、上述の手順に従って、710mgの純粋な36を得た。1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 8.76 (br s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.75 (m, 3H), 7.57 (m, 4H), 7.29 (m, 2H), 7.05 (m, 2H); MS (Es -ve) m/z 309.
【0129】
5-(2-ヒドロキシビフェニル)-1H-インドール-3-カルバルデヒドオキシム(37) [化合物6]
3mLのメタノール中の塩酸ヒドロキシルアミン(0.014g、0.20mmol)に酢酸ナトリウム(0.016mg、0.20mmol)を添加して、反応混合物を室温で15分間攪拌した。この混合物に2mLのメタノール中の35(0.05g、0.16mmol)を添加して、反応混合物を一晩還流した。真空下で反応混合物を濃縮し、残渣をジクロロメタンに溶解して、水(2x15mL)、ブライン(1x15mL)で洗浄して、乾燥し(Na2SO4)30mgの37を薄黄色の固体として、幾何異性体の混合物(1:1)として得た。MS (Es +ve) m/z 329, MS (Es -ve) m/z 327.
【0130】

【0131】
5-(4-ブロモフェニル)-1H-インドール(2)
30mLのジメトキシエタン:トルエン:エタノール:水(10:1:3:6)中の1(3.093g、10.93mmol)の溶液に、4-ブロモヨードベンゼン(1.60g、9.94mmol)、水酸化バリウム8水和物(6.312g、20.01mmol)および5mol%Pd(PPh3)4を、不活性雰囲気下で添加した。反応混合物を90℃で3時間加熱した。完了後、反応混合物を室温に冷却し、真空下で濃縮した。残渣を10mLの水に回収し、水層を酢酸エチル(2x25mL)で洗浄した。有機層を回収して、ブライン(2x15mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、ろ過および濃縮し、赤色油状の粗製物を得た。物質をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中EtOAc 10%->35%)でさらに精製して、1.7gの2を白色固体として得た。
【0132】
5-(4-ブロモフェニル)-1H-インドール-3-カルバルデヒド(3)
100mlの丸底フラスコに2.8mLのジメチルホルムアミド(2.74g、3.74mmol)を入れる。フラスコおよび内容物を氷塩浴中で約0.5時間冷却して、続いて0.86mL(1.44g、94mmol)の新たに蒸留したオキシ塩化リンを攪拌しながらジメチルホルムアミドに滴下する。次いで、1mLのジメチルホルムアミド中の1.0gの2(85mmol)の溶液を上述の溶液にゆっくりと添加する。添加後、溶液の温度を40℃にして、1時間攪拌する。このとき、反応混合物に1NのNaOH(10mL)を滴下した。得られた混合物を沸点まで急速に加熱して、室温まで冷却する。得られた沈殿物をフィルターで回収し、固体をさらに水で洗浄した。この手順で得られた化合物3は、次の反応について充分に純粋であった。MS (Es +ve) m/z 300, (Es -ve) m/z 298.
【0133】
5-(4-ブロモフェニル)-1H-インドール-3-カルボニトリル(4)
3(1.35g、4.50mmol)、リン酸水素二アンモニウム(3.19g、23.8mmol)、1-ニトロプロパン(13.61g、152.9mmol)および氷酢酸(10mL)の混合物を一晩還流する。還流中、薄黄色の混合物が暗赤色になる。揮発性の反応体と溶媒を減圧下で除去し、次いで暗色残渣に過剰な水を添加する。少し後に粗製物4が急速に沈殿した。これをろ過して分離し、ヘキサンで洗浄して減圧下で乾燥させる。薄黄色固体として化合物34を1.19g得た。MS (Es -ve) m/z 295.
【0134】
5-(2,6-ジメトキシビフェニル)-1H-インドール-3-カルボニトリル(5)
10mLのジメトキシエタン:トルエン:エタノール:水(10:1:3:6)中の4(1.00g、3.38mmol)の溶液に、2,6-ジメトキシブロモベンゼン(1.14g、4.39mmol)、炭酸セシウム(2.75g、8.45mmol)および5mol%のPd(PPh3)4を、不活性雰囲気下で添加した。反応混合物を90℃で一晩加熱した。完了後、反応混合物を室温に冷却して真空下で濃縮した。残渣を10mLの水に回収し、水層を酢酸エチル(2x25mL)で洗浄した。有機層を回収して、ブライン(2x15mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)ろ過および濃縮して、赤色油状の粗製物を得た。物質を、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中EtOAc 10%->35%)でさらに精製し、0.65gの5をベージュ色(biege)固体として得た。
【0135】
5-(2,6-ジヒドロキシビフェニル)-1H-インドール-3-カルボニトリル(6)
CH2Cl2(20mL)中の4(1.3g、3.7mmol)の攪拌溶液に、0℃でBBr3(1.0mL、12.1mmol)を添加した。反応混合物を室温まで温め、1時間攪拌した。このとき、水(10mL)を添加して反応をクエンチした。混合物から固体が沈殿し、これをろ過して得て、クロマトグラフィー(30%→70%→100%酢酸エチル:ヘキサン)で精製し、451mgの最終生成物6を得た。
【0136】

【0137】
5-(4-ブロモフェニル)-1H-インドール(2)
30mLのジメトキシエタン:トルエン:エタノール:水(10:1:3:6)中の1(3.093g、10.93mmol)の溶液に、4-ブロモヨードベンゼン(1.60g、9.94mmol)、水酸化バリウム8水和物(6.312g、20.01mmol)および5mol%Pd(PPh3)4を、不活性雰囲気下で添加した。反応混合物を90℃で3時間加熱した。完了後、反応混合物を室温に冷却して真空下で濃縮した。残渣を10mLの水に回収し、水層を酢酸エチル(2x25mL)で洗浄した。有機層を回収し、ブライン(2x15mL)で洗浄して乾燥させ(Na2SO4)、ろ過および濃縮して赤色油状の粗製物を得た。物質をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中EtOAc 10%->35%)でさらに精製して、1.7gの2を白色固体として得た。
【0138】
5-(4-ブロモフェニル)-1H-インドール-3-カルバルデヒド(3)
100mlの丸底フラスコに、2.8mLのジメチルホルムアミド(2.74g、3.74mmol)を入れる。フラスコおよび内容物を氷塩浴中で約0.5時間冷却し、続いて0.86mL(1.44g、94mmol)の新たに蒸留したオキシ塩化リンを攪拌しながらジメチルホルムアミドに滴下する。次いで、1mLのジメチルホルムアミド中の1.0gの2(85mmol)を、上記の溶液にゆっくり添加する。添加後、溶液の温度を40℃にし、1時間攪拌する。このとき、反応混合物に1NのNaOH(10mL)を滴下した。得られた混合物を沸点まで急速に加熱して、室温まで冷却する。得られた沈殿をフィルターで回収し、固体を水でさらに洗浄した。この手順で得られた化合物3は、次の反応について充分に純粋であった。MS (Es +ve) m/z 300, (Es -ve) m/z 298.
【0139】
5-(4-ブロモフェニル)-1H-インドール-3-カルボニトリル(4)
3(1.35g、4.50mmol)、リン酸水素二アンモニウム(3.19g、23.8mmol)、1-ニトロプロパン(13.61g、152.9mmol)および氷酢酸(10mL)の混合物を一晩還流する。還流期間中、薄黄色の混合物は暗赤色になる。減圧下で揮発性の試薬と溶媒を除去し、次いで暗色残渣に過剰な水を添加する。少し後に、粗製物4が急速に沈殿した。これをろ過して分離し、ヘキサンで洗浄して減圧下で乾燥させる。薄黄色固体として化合物34を1.19g得た。MS (Es -ve) m/z 295.
【0140】
5-(4-ブロモフェニル)-1H-インドール-3-カルボキサミド(5)
エタノール中の4(1.00g、3.38mmol)の溶液を過酸化水素(30%)および1NのNaOHで処理した。反応完了時に、溶媒を除去し、得られた固体を有機溶媒で洗浄し、ベージュ固体として純粋な5を得た。
【0141】
5-(2,6-ジメトキシビフェニル)-1H-インドール-3-カルボキサミド(6)
10mLのジメトキシエタン:トルエン:エタノール:水(10:1:3:6)中の5(1.00g、3.18mmol)の溶液に2,6-ジメトキシブロモベンゼン(1.10g、4.14mmol)、炭酸セシウム(2.59g、7.95mmol)および5mol%Pd(PPh3)4を、不活性雰囲気下で添加した。反応混合物を90℃で一晩加熱した。完了後、反応混合物室温まで冷却し、真空下で濃縮した。残渣を10mLの水に回収し、水層を酢酸エチル(2x25mL)で洗浄した。有機層を回収し、ブライン(2x15mL)、で洗浄して乾燥させ(Na2SO4)、ろ過および濃縮し、赤色油状の粗製物を得た。物質を、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中EtOAc 10%->35%)でさらに精製し、0.60gの6をベージュ固体として得た。
【0142】
5-(2,6-ジヒドロキシビフェニル)-1H-インドール-3-カルボキサミド(7)
CH2Cl2(20mL)中の6(1.0g、2.69mmol)の攪拌溶液に、0℃でBBr3(1.12mL、13.44mmol)を添加した。反応混合物を室温まで温め、1時間攪拌した。このとき、水(10mL)を添加して反応をクエンチした。混合物から固体が沈殿し、これをろ過して得て、クロマトグラフィー(30%→70%→100%酢酸エチル:ヘキサン)で精製し、400mgの最終生成物7を得た。
【0143】

【0144】
5-(4-ブロモピリジン-3-イル)-1H-インドール(2)
30mLのジメトキシエタン:トルエン:エタノール:水(10:1:3:6)中の1(3.093g、10.93mmol)の溶液に、6-ブロモ-3-ヨードピリジン(3.10g、10.93mmol)、炭酸セシウム(8.90g、27.33mmol)および5mol%Pd(PPh3)4を、不活性雰囲気下で添加した。反応混合物を90℃で3時間加熱した。完了後、反応混合物を室温に冷却して、真空下で濃縮した。残渣を10mLの水に回収し、水層を酢酸エチル(2x25mL)で洗浄した。有機層を回収し、ブライン(2x15mL)で洗浄して乾燥させ(Na2SO4)、ろ過および濃縮して赤色油状の粗製物を得た。物質を、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中EtOAc 10%->35%)でさらに精製し、1.8gの2を白色固体として得た。
【0145】
5-(4-ブロモピリジン-3-イル)-1H-インドール-3-カルバルデヒド(3)
100mlの丸底フラスコに、2.8mLのジメチルホルムアミド(2.74g、3.74mmol)を入れる。フラスコおよび内容物を、氷塩浴中で約0.5時間冷却し、続いて、0.86mL(1.44g、94mmol)の新たに蒸留したオキシ塩化リンを攪拌しながらジメチルホルムアミドに滴下する。次いで、1mLのジメチルホルムアミド中の2(1.00g、3.66mmol)の溶液を上述の溶液にゆっくり添加する。添加後、溶液の温度を40℃にし、1時間攪拌する。このとき、反応混合物に1NのNaOH(10mL)を滴下した。得られた混合物を沸点まで急速に加熱して、室温に冷却させる。得られた沈殿をフィルターで回収し、固体をさらに水で洗浄した。この手順で得られた化合物3は、次の反応のために充分に純粋であった。
【0146】
5-(6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-3-カルバルデヒド(4)
2について記載したものと類似の方法で表題の化合物を調製した。このように、3(0.1g、0.33mmol)、および6-ブロモ-3-ヨードピリジンボロン酸の代わりに2-ヒドロキシベンゼンボロン酸から開始して、上述の手順に従って、50mgの純粋な4を得た。
【0147】

【0148】
5-(6-ブロモピリダジン-3-イル)-1H-インドール(2)
30mLのジメトキシエタン:トルエン:エタノール:水(10:1:3:6)中の1(3.093g、10.93mmol)の溶液に、3,6-ジクロロピリダジン(1.63g、10.93mmol)、炭酸セシウム(8.90g、27.33mmol)および5mol% Pd(PPh3)4を、不活性雰囲気下で添加した。反応混合物を90℃で3時間加熱した。完了後、反応混合物を室温まで冷却し、真空下で濃縮した。残渣を10mLの水に回収して水層を酢酸エチル(2x25mL)で洗浄した。有機層を回収してブライン(2x15mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、ろ過および濃縮して赤色油状の粗製物を得た。物質を、さらにカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中EtOAc 10%->35%)で精製し、1.8gの2を白色固体として得た。
【0149】
5-(4-ブロモピリダジン-3-イル)-1H-インドール-3-カルバルデヒド(3)
100mlの丸底フラスコに2.8mLのジメチルホルムアミド(2.74g、3.74mmol)を入れる。フラスコおよび内容物を氷塩浴中で約0.5時間冷却し、続いて0.86mL(1.44g、94mmol)の新たに蒸留したオキシ塩化リンを攪拌しながらジメチルホルムアミドに滴下する。次いで、1mLのジメチルホルムアミド中の2(1.00g、3.65mmol)の溶液を上述の溶液にゆっくりと添加する。添加後、溶液の温度を40℃にし、1時間攪拌する。このとき、反応混合物に1NのNaOH(10mL)を滴下した。得られた混合物を沸点まで急速に加熱し、室温まで冷却させる。得られた沈殿をフィルターで回収し、固体をさらに水で洗浄した。この手順で得られた化合物3は、次の反応のために充分に純粋であった。
【0150】
5-(6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-3-イル)-1H-インドール-3-カルバルデヒド(4)
2について記載したものと類似の方法で表題の化合物を調製した。このように、3(0.1g、0.33mmol)、および6-ブロモ-3-ヨードピリジンボロン酸の代わりに2-ヒドロキシベンゼンボロン酸から開始して上述の手順に従って50mgの純粋な4を得た。
【0151】
本発明の化合物は、化学的に関連のある化合物の調製に適用可能であることが知られている任意の方法により調製し得る。必要な開始材料は、有機化学の標準的な手順により得てもよい。かかる開始材料の調製は、非限定的な添付の実施例中に記載される。あるいは、必要な開始材料は、化学者の通常の技術の範囲内である説明したものと類似の手法により得ることができる。
【0152】
生物学的アッセイ:
前述のように、本発明において規定される誘導体は抗増殖活性を有する。これらの特性は、例えば以下に記載の1つ以上の手法を用いて評価され得る:
【0153】
AMPK活性のインビトロアッセイ:
AMPK活性は、ヒトアセチルCoAカルボキシラーゼI型のアミノ末端断片、アミノ酸1〜120のリン酸化により測定した。該断片は、ビオチン化融合タンパク質として大腸菌中で発現させた。60mM HEPES、pH7.0、50mM NaCL、1mM DTT、5mM MgCL2、0.05%Tween-20、100μM ATPおよび陽性対照として25μM AMPを含む5μlの反応混合物中で酵素アッセイを行った。反応は室温で60分間行ない、20mM EDTA、0.1%BSA、1%Triton-X-100、0.01%Tween-20、100mM Tris pH8.0、1:5,000希釈の内在産生抗pS79(アセチルCoAカルボキシラーゼ-1)精製ウサギポリクローナル抗体、40μg/mlのAlphaScreen(Perkin Elmer)アクセプタービーズおよび40μg/mlのAlphaScreen(Perkin Elmer)ドナービーズからなる5μlの停止溶液を添加して停止した。反応混合物をさらに室温で2時間インキュベートして、Fusion-Alphaマイクロプレート分析器で分析した。
【0154】
AMPK活性のインビトロウエスタンブロット分析:
AMPKアッセイは、AMPKアルファアッセイと同じ反応バッファで、25μl反応容量で、30℃で30分間行った。SDS-PAGEサンプルバッファで反応を停止した。抗リン-セリン79-ACC1抗体(Cell Signaling Technologies)を用いて、リン酸化GST-ACCをウエスタンブロット分析に供した。上述のアッセイに使用したAMPKは部分的に精製されたものであった(Blazquez, C. et.al)。
【0155】
AMP活性化プロテインキナーゼは、HEK(ヒト胎性腎細胞株)由来の星状細胞によるケトン体産生の制御に関連しておりJ. Neurochem. 73: 1674 (1999))、特に記載されなければ、上述のアッセイに使用した化学物質はSigmaから供給されたものであった。
【0156】
以下の表Bには、本発明の代表的な化合物およびインビトロAMPKアッセイにおけるそれらの活性を列挙する。このアッセイにおいては、以下の等級分けを使用した:ED50について、I≧50μM、50μM>II>10μM、およびIII≦10μM。
【0157】

【0158】
本明細書に参照される特許および科学文献は、当業者に利用可能な知識を確立するものである。本明細書に引用される全ての米国特許および公開または未公開米国特許出願は、参照により援用される。本明細書に引用される全ての公開外国特許および特許出願は、参照により本明細書に援用される。本明細書に引用される全ての他の公開された参考文献、書類、文献および科学文献は、参照により本明細書に援用される。
【0159】
本発明は、その好ましい態様を参照して具体的に示され記載されるが、添付の特許請求の範囲に包含される本発明の範囲を逸脱することなく、形態および詳細において、本明細書中に種々の変更がなされ得ることが当業者に理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式IまたはII:


(式中、X1〜X4は独立して、C、CR1、O、SまたはNからなる群より選択され、ここでR1は水素または電子供与基である;
Y1はO、S、NまたはNHである;
Y2〜Y3は独立してC、CR1、O、S、NまたはNHからなる群より選択される;


は独立して、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環からなる群より選択され、ここでZはO、NまたはNHである;ならびに


は独立して、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニルおよび置換シクロアルケニルからなる群より選択される)
で表される化合物およびその塩。
【請求項2】
式:


(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は独立して、水素または1つ以上の電子供与基であり、各RはHまたはヒドロキシルから選択され、少なくとも1つのRはヒドロキシルである)
を有する、請求項1記載の化合物およびその塩。
【請求項3】
R3が水素、-CN、-CHNOH、-CONH2または-CHOである、請求項2記載の化合物およびその塩。
【請求項4】
R1が水素または電子求引基である、請求項1記載の化合物およびその塩。
【請求項5】
Ar2が2-ヒドロキシフェニルまたは2,6-ジヒドロキシフェニルである、請求項1記載の化合物およびその塩。
【請求項6】
Ar2が2-ヒドロキシヘテロアリールまたはo,o-ジヒドロキシヘテロアリールである、請求項1記載の化合物およびその塩。
【請求項7】
式IまたはII:


(式中、X1〜X4は独立して、C、CR1またはNからなる群より選択され、ここでR1は独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルキルチオ、CF3、CN、NO2、N3、CNOH、CO、置換もしくは非置換アルキルスルホニル、アシル、脂肪族、置換脂肪族、アリール、ヘテロアリールおよび複素環からなる群より選択される;
Y1はO、NまたはNHである;
Y2〜Y3は独立して、C、CR1、O、S、NまたはNHからなる群より選択される;


は独立して、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環からなる群より選択され、ここでZはO、NまたはNHである;ならびに


は独立して、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニルおよび置換シクロアルケニルからなる群より選択される)
で表される化合物およびその塩。
【請求項8】
Ar2が2-ヒドロキシフェニルまたは2,6-ジヒドロキシフェニルである、請求項7記載の化合物およびその塩。
【請求項9】
式IまたはII:


(式中、X1〜X4は独立して、C、CR1またはNからなる群より選択され、ここでR1は独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルキルチオ、CF3、CN、NO2、N3、置換もしくは非置換アルキルスルホニル、アシル、脂肪族、置換脂肪族、アリール、ヘテロアリールおよび複素環からなる群より選択される;
Y1はO、NまたはNHである;
Y2〜Y3は独立して、C、CR1、O、S、NまたはNHからなる群より選択される;


は独立して、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環からなる群より選択され、ここでZはO、NまたはNHである;ならびに


は独立して、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニルおよび置換シクロアルケニルからなる群より選択される)
で表される化合物およびその塩。
【請求項10】
式(III):


(式中、X5〜X16は独立して、C、CR1またはNからなる群より選択され、ここでR1は独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルキルチオ、CF3、CN、NO2、N3、置換もしくは非置換アルキルスルホニル、アシル、脂肪族、置換脂肪族、アリール、ヘテロアリールおよび複素環からなる群より選択される;ならびに








および


からなる群より選択され、ここでX17〜X21は独立して、C、CR1またはNからなる群より選択され、R1は独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルキルチオ、CF3、CN、NO2、N3、置換もしくは非置換アルキルスルホニル、アシル、脂肪族、置換脂肪族、アリール、ヘテロアリールおよび複素環からなる群より選択される;
Y4はO、NまたはNHである;Y5〜Y6は独立してC、CR1、O、S、NまたはNHからなる群より選択される)
で表される、請求項9記載の化合物およびその塩。
【請求項11】
式(IV):


(式中、








および


からなる群より選択され、ここでX17〜X21は独立して、C、CR1またはNからなる群より選択され、ここでR1は独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルキルチオ、CF3、CN、NO2、N3、置換もしくは非置換アルキルスルホニル、アシル、脂肪族、置換脂肪族、アリール、ヘテロアリールおよび複素環からなる群より選択される;
Y4はO、NまたはNHである;Y5〜Y6は独立して、C、CR1、O、S、NまたはNHからなる群より選択される)
で表される、請求項9記載の化合物およびその塩。
【請求項12】
式(V):


(式中、X5〜X16は独立して、C、CR1またはNからなる群より選択され、ここでR1は独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルキルチオ、CF3、CN、NO2、N3、置換もしくは非置換アルキルスルホニル、アシル、脂肪族、置換脂肪族、アリール、ヘテロアリールおよび複素環からなる群より選択され、








および


からなる群より選択され、ここでX17〜X21は独立して、C、CR1またはNからなる群より選択され、ここでR1は独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルキルチオ、CF3、CN、NO2、N3、置換もしくは非置換アルキルスルホニル、アシル、脂肪族、置換脂肪族、アリール、ヘテロアリールおよび複素環からなる群より選択される;
Y4はO、NまたはNHである;Y5〜Y6は独立して、C、CR1、O、S、NまたはNHからなる群より選択される)
で表される、請求項9記載の化合物およびその塩。
【請求項13】
式(VI):


(式中、








および


からなる群より選択され、ここでX17〜X21は独立して、C、CR1またはNからなる群より選択され、R1は独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルキルチオ、CF3、CN、NO2、N3、置換もしくは非置換アルキルスルホニル、アシル、脂肪族、置換脂肪族、アリール、ヘテロアリールおよび複素環からなる群より選択され;
Y4はO、NまたはNHである;Y5〜Y6は独立して、C、CR1、O、S、NまたはNHからなる群より選択される)
で表される、請求項9記載の化合物およびその塩。
【請求項14】
表A:




に示される化合物から選択される、請求項9記載の化合物およびその塩。
【請求項15】
5-(2,6-ジヒドロキシビフェニル)-1H-インドール-3-カルボニトリル、5-(2,6-ジヒドロキシビフェニル)-1H-インドール-3-カルボキサミド、5-(6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-3-カルバルデヒド、および5-(6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-3-イル)-1H-インドール-3-カルバルデヒドから選択される化合物およびその塩。
【請求項16】
薬学的に適切な担体とともに、治療有効量の請求項1記載の化合物およびその塩を含む医薬組成物。
【請求項17】
AMPKの調節を必要とする被験体に治療有効量の請求項1記載の化合物およびその塩を投与する工程を含む、該被験体におけるAMPKの調節方法。
【請求項18】
真性糖尿病の治療を必要とする被験体に治療有効量の請求項1記載の化合物およびその塩を投与する工程を含む、該被験体における真性糖尿病の治療方法。
【請求項19】
肥満の治療を必要とする被験体に治療有効量の請求項1記載の化合物およびその塩を投与する工程を含む、該被験体における肥満の治療方法。
【請求項20】
癌の治療を必要とする被験体に治療有効量の請求項1記載の化合物およびその塩を投与する工程を含む、該被験体における癌の治療方法。

【公表番号】特表2011−511008(P2011−511008A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545273(P2010−545273)
【出願日】平成21年2月4日(2009.2.4)
【国際出願番号】PCT/US2009/033077
【国際公開番号】WO2009/100130
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(510210313)マーキュリー セラピューティクス,インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】