説明

CGRPレセプターアンタゴニスト

本発明は、CGRPレセプターアンタゴニスト、その薬学的組成物、ならびにそれによってCGRPレセプター媒介性の疾患および障害を処置する方法に関連する。本発明の化合物がCGRPアンタゴニストとして作用する能力は、それらの化合物をヒトおよび動物(しかし、特にヒト)においてCGRPに関与する障害に対して有用な薬理学的因子にする。本発明は、患者におけるCGRPレセプターが関与する疾患または障害の危険性の処置、制御、寛解、または減少のための方法に関し、その方法は、その患者に治療有効量のCGRPレセプターのアンタゴニストである化合物を投与することを包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の技術分野)
本発明は、CGRPレセプターアンタゴニスト、その薬学的組成物、ならびにそれによってCGRPレセプター媒介性の疾患および障害を処置する方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)は、天然に存在する37アミノ酸のペプチドであり、それは、カルシトニンのメッセンジャーRNAの組織特異的な選択的プロセシングによって生成され、そして中枢神経系および末梢神経系に広く分布する。CGRPは、感覚求心ニューロンおよび感覚中枢ニューロンにおいて優勢に局在し、血管拡張を含むいくつかの生物学的作用を媒介する。CGRPは、ラットおよびヒトにおいて、それぞれ、1アミノ酸および3アミノ酸で変化するα形態およびβ形態で発現される。CGRP−αおよびCGRP−βは、同様の生物学的特性を示す。細胞から放出される場合、CGRPは、アデニリルシクラーゼの活性化と優勢に共役する特定の細胞表面レセプターに結合することによってその生物学的応答を開始する。CGRPレセプターは、いくつかの組織および細胞において同定され、そして薬理学的に評価されており、その組織および細胞としては、脳、心臓血管、内皮、および平滑筋起源のものが挙げられる。
【0003】
CGRPは、片頭痛および群発頭痛などの脳血管障害の病理に関与している強力な血管拡張因子である。臨床研究において、頸静脈におけるCGRPの高いレベルは、片頭痛発作の間に生じることが見出された(非特許文献1)。CGRPは、頭蓋内血管の平滑筋上のレセプターを活性化し、片頭痛発作の間における頭痛の痛みの主要な供給源であると考えられる血管拡張の増大をもたらす(非特許文献2)。中硬膜動脈(硬膜における主要な動脈)は、CGRPを含む数種の神経ペプチドを含む三叉神経節由来の感覚神経線維によって神経支配される。ネコにおける三叉神経節の刺激は、CGRPのレベルの増大をもたらし、そしてヒトにおいて、三叉神経系の活性化は、顔面紅潮を引き起こし、外頸静脈においてCGRPのレベルを増大させた(非特許文献3)。ラットの硬膜の電気刺激は、中硬膜動脈の直径を増大させ、これは、CGRP(8−37)(ペプチドCGRPアンタゴニスト)を予め投与することによってブロックされる効果である(非特許文献4)。三叉神経節の刺激は、ラットの顔面血流を増大させ、これは、CGRP(8−37)によって阻害された(非特許文献5)。マーモセットにおける三叉神経節の電気刺激は、非ペプチドCGRPアンタゴニストBIBN4096BSによってブロックされ得る顔面血流の増大をもたらした(非特許文献6)。したがって、CGRPの血管性作用は、CGRPアンタゴニストによって減弱、妨害、または逆転され得る。最近報告された臨床試験において、上記CGRPレセプターアンタゴニストBIBN 4096 BSは、片頭痛の急性発作の処置に有効であることが報告された(非特許文献7)。
【0004】
ラット中硬膜動脈のCGRP媒介性血管拡張は、三叉神経尾状核のニューロンを感作することが示された(非特許文献8)。同様に、片頭痛による頭痛の間における硬膜の血管の膨張は、三叉神経ニューロンを感作し得る。頭蓋外の疼痛および顔面の異痛を含む片頭痛の随伴症状のいくつかは、感作された三叉神経ニューロンの結果であり得る(非特許文献9)。CGRPアンタゴニストは、ニューロン感作の作用を減弱、妨害、または逆転することにおいて有益であり得る。
【0005】
本発明の化合物がCGRPアンタゴニストとして作用する能力は、それらの化合物をヒトおよび動物(しかし、特にヒト)においてCGRPに関与する障害に対して有用な薬理学的因子にする。このような障害としては、片頭痛および群発頭痛(非特許文献10;非特許文献11);慢性緊張型頭痛(非特許文献12);疼痛(非特許文献13);慢性疼痛(非特許文献14);神経原性炎症および炎症痛(非特許文献15;非特許文献16;非特許文献17);眼痛(非特許文献18)、歯痛(非特許文献19)、インスリン非依存性糖尿病(非特許文献20);血管障害;炎症(非特許文献21)、関節炎、気管支過敏症、喘息、(非特許文献22;非特許文献23;非特許文献24);ショック、敗血症(非特許文献25);オピエート退薬症候群(非特許文献17)、モルヒネ耐性(非特許文献26);男性および女性におけるのぼせ(非特許文献27;非特許文献28);アレルギー性皮膚炎(非特許文献29);乾癬;脳炎、脳の外傷、虚血、卒中、癲癇、および神経変性疾患(非特許文献30);皮膚疾患(非特許文献31)、神経原性の皮膚発赤、皮膚の酒さ(rosaceousness)および皮膚の紅斑;耳鳴(非特許文献32);炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、(非特許文献33)および膀胱炎が挙げられる。片頭痛および群発頭痛を含む頭痛の急性処置または予防的処置は、特に重要である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Goadsbyら,Ann.Neurol.,1990,28,183−187
【非特許文献2】Lance,Headache Pathogenesis: Monoamines,Neuropeptides,PurinesおよびNitric Oxide,Lippincott−Raven Publishers,1997,3−9
【非特許文献3】Goadsbyら,Ann.Neurol.,1988,23,193−196
【非特許文献4】Williamsonら,Cephalalgia,1997,17,525−531
【非特許文献5】Escottら,Brain Res.1995,669,93−99
【非特許文献6】Doodsら,Br.J.Pharmacol.,2000,129,420−423
【非特許文献7】Olesenら,N.Engl.J.Med.2004,350:1104−1110
【非特許文献8】Williamsonら,The CGRP Family:Calcitonin Gene−Related Peptide(CGRP),Amylin,and Adrenomedullin,Landes Bioscience,2000,245−247
【非特許文献9】Bursteinら,Ann.Neurol.2000,47,614−624
【非特許文献10】Doods,Curr Opin Inves Drugs,2001,2(9),1261−1268
【非特許文献11】Edvinssonら,Cephalalgia,1994,14,320−327
【非特許文献12】Ashinaら,Neurology,2000,14,1335−1340
【非特許文献13】Yuら,Eur.J.Pharm.,1998,347,275−282
【非特許文献14】Hulseboschら,Pain,2000,86,163−175
【非特許文献15】Holzer,Neurosci.,1988,24,739−768
【非特許文献16】Delay−Goyetら,Acta Physiol.Scanda.1992,146,537−538
【非特許文献17】Salmonら,Nature Neurosci.,2001,4(4),357−358
【非特許文献18】Mayら,Cephalalgia,2002,22,195−196
【非特許文献19】Awawdehら,Int.Endocrin.J.,2002,35,30−36
【非特許文献20】Molinaら,Diabetes,1990,39,260−265
【非特許文献21】Zhangら,Pain,2001,89,265
【非特許文献22】Fosterら,Ann.NY Acad.Sci.,1992,657,397−404
【非特許文献23】Schiniら,Am.J.Physiol.,1994,267,H2483−H2490
【非特許文献24】Zhengら,J.Virol.,1993,67,5786−5791
【非特許文献25】Beerら,Crit.Care Med.,2002,30(8),1794−1798
【非特許文献26】Menardら,J.Neurosci.,1996,16(7),2342−2351
【非特許文献27】Chenら,Lancet,1993,342,49
【非特許文献28】Spetzら,J.Urology,2001,166,1720−1723
【非特許文献29】Wallengren,Contact Dermatitis,2000,43(3),137−143
【非特許文献30】Rohrenbeckら,Neurobiol.of Disease 1999,6,15−34
【非特許文献31】GeppettiおよびHolzer編,Neurogenic Inflammation,1996,CRC Press,Boca Raton,Fla.
【非特許文献32】Herzogら,J.Membrane Biology,2002,189(3),225
【非特許文献33】Hoffmanら,Scandinavian Journal of Gastroenterology,2002,37(4)414−422
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、CGRPレセプターに対するリガンド(特に、CGRPレセプターのアンタゴニスト)として有用である化合物、その薬学的組成物、およびそれを伴う用途に関連する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の概要)
本発明は、式(I):
【0009】
【化1】

の化合物を提供する。これらの化合物は、CGRPレセプターのアンタゴニストとして有用であり、したがって、CGRP媒介性状態を処置する。本発明はまた、その薬学的組成物およびそれを伴う用途を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(発明の詳細な説明)
本発明は、式I:
【0011】
【化2】

の化合物またはその薬学的に受容可能な塩を提供し;
NR基は、炭素原子1または炭素原子2にてフェニル環に結合し;
Xは、O、NR、S、SO、またはSOであり;
は、水素または4個までのR置換基によって必要に応じて置換されたC1〜C6脂肪族であり;
環Aは、O、N、S、SO、またはS(O)から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する4員〜7員の複素環であり、その複素環が、フェニルあるいはO、N、S、SO、またはS(O)から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する5員〜7員の複素環またはヘテロアリール環に必要に応じて縮合しており;環Aは、少なくとも1個のオキソ置換基を有し;
環Aは、その必要に応じて縮合した環と一緒に、5個までのR置換基によって必要に応じて置換されており;
mは、1〜3であり;
pは、1〜3であり;
nは、1〜4であり;
Yは、結合、C(R、または−C(R−C(R−であるか;
あるいは−X−Y−は、−C(R−C(R−、−C(R−C(R−C(R−、−C(R−NR−または−C(R−C(R−NR−であり;
各Rは、独立して、水素、ハロ、アリール、ヘテロアリール、C1〜C6脂肪族、C1〜C6ヘテロ脂肪族、アリール−C1〜C6脂肪族、アリール−C1〜C6ヘテロ脂肪族、ヘテロアリール−C1〜C6脂肪族、ヘテロアリール−C1〜C6ヘテロ脂肪族、またはQ−Rであり、Rが、5個までのR置換基によって必要に応じて置換されているか;あるいは
2つのRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、3員〜9員の脂環式環(cycloaliphatic)環または複素環を形成し、その複素環が、O、S、およびNから選択される3個までのヘテロ原子を有し;ここでその環が、3個までのR置換基によって必要に応じて置換されており;
各Rは、独立して、水素、ハロ、アリール、ヘテロアリール、C1〜C6脂肪族、C1〜C6ヘテロ脂肪族、アリール−C1〜C6脂肪族、ヘテロアリール−C1〜C6脂肪族であり、Rが、5個までのR置換基によって必要に応じて置換されているか;あるいは
2つのRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、3員〜9員の脂環式環または複素環を形成し、その複素環が、O、S、およびNから選択される3個までのヘテロ原子を有し;ここでその環が、3個までのR置換基によって必要に応じて置換されており;
,R,R,R、およびRの各出現は、独立して、Q−Rであり;
Qは、結合であるか、あるいはQのうちの隣接していないメチレン単位の2つまでがCO、CO、COCO、CONR、OCONR、NRNR、NRNRCO、NRCO、NRCO、NRCONR、SO、SO、NRSO、SONR、NRSONR、O、S、またはNRによって必要に応じて置換されているC1〜C6脂肪族鎖であり;
の各出現は、独立して、R’、ハロゲン、NO、CN、OR’、SR’、N(R’)、NR’C(O)R’、NR’C(O)N(R’)、NR’COR’、C(O)R’、COR’、OC(O)R’、C(O)N(R’)、OC(O)N(R’)、SOR’、SOR’、SON(R’)、NR’SOR’、NR’SON(R’)、C(O)C(O)R’、またはC(O)CHC(O)R’から選択され;
Rの各出現は、独立して、水素あるいは必要に応じて置換されたC1〜C6脂肪族基またはC1〜C6ヘテロ脂肪族から選択され;そして
R’の各出現は、独立して、水素またはC1−8脂肪族、C6−10アリール、5個〜10個の環原子を有するヘテロアリール環、もしくは3個〜10個の環原子を有する複素環から選択される必要に応じて置換された基から選択されるか、あるいはRおよびR’、またはR’の2つの出現は、それらが結合する原子と一緒になって、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0個〜3個のヘテロ原子を有する3員〜8員のシクロアルキル環、複素環、アリール環、またはヘテロアリール環を形成する。
【0012】
本発明の化合物は、上で一般に記載される化合物を含み、そして本明細書で開示されるクラス、サブクラス、および種によってさらに示される。本明細書中で使用される場合、以下の定義が、特に示されない限り適用される。
【0013】
本発明の目的のために、化学元素は、元素周期表,CASバージョン,Handbook of Chemistry and Physics,第75版に従って同定される。さらに、有機化学の一般原則は、「Organic Chemistry」,Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito:1999、および「March’s Advanced Organic Chemistry」,第5版,Ed.:Smith,M.B.およびMarch,J.,John Wiley & Sons,New York:2001(これらの内容全体は、本明細書に参考として援用される)に記載される。
【0014】
本明細書中に記載される場合、本発明の化合物は、必要に応じて、上で一般に示されるか、または本発明の特定のクラス、サブクラス、および種によって例示されるような1個以上の置換基によって置換され得る。句「必要に応じて置換された」は、句「置換または非置換の」と交換可能に使用されることが、理解される。一般に、用語「置換された」は、用語「必要に応じて」によって先行されるか否かにかかわらず、特定された置換基のラジカルによる所定の構造中の水素ラジカルの置換をいう。特に示されない限り、必要に応じて置換された基は、その基の各置換可能な位置に置換基を有することができ、そして任意の所定の構造中の1つより多い位置が、特定された基から選択される1個より多い置換基によって置換され得る場合、その置換基は、各位置において同じであっても異なっていてもよい。本発明によって想起される置換基の組合せは、好ましくは、安定な化合物または化学的に可能な化合物の形成を生じるものである。用語「安定な」とは、本明細書中で使用される場合、それらの生成、検出、ならびに好ましくは本明細書中に開示される1つ以上の目的のためのそれらの回収、精製、および使用を可能にする条件に供される場合に実質的に変化しない化合物をいう。いくつかの実施形態において、安定な化合物または化学的に可能な化合物は、40℃以下の温度で維持される場合、水分または他の化学的に反応性の条件の非存在下において、少なくとも1週間にわたって実質的に変化しない化合物である。
【0015】
用語「脂肪族」または「脂肪族基」は、本明細書中で使用される場合、完全に飽和しているか、またはその分子の残部に対する単一の結合点を有する不飽和の1個以上の単位を含む直鎖(すなわち、非分枝状)または分枝状の、置換または非置換である炭化水素鎖、あるいは完全に飽和しているか、またはその分子の残部に対する単一の結合点を有する不飽和の1個以上の単位を含むが芳香族ではない単環式炭化水素または二環式炭化水素(本明細書中で、「炭素環(carbocycle)」、「脂環式」または「シクロアルキル」とも称される)を意味する。特に明記されない限り、脂肪族基は、1〜20個の脂肪族炭素原子を含む。いくつかの実施形態において、脂肪族基は、1〜10個の脂肪族炭素原子を含む。他の実施形態において、脂肪族基は、1〜8個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の実施形態において、脂肪族基は、1〜6個の脂肪族炭素原子を含み、そしてなお他の実施形態において、脂肪族基は、1〜4個の脂肪族炭素原子を含む。いくつかの実施形態において、「脂環式」(または「炭素環」または「シクロアルキル」)とは、完全に飽和しているか、またはその分子の残部に対する単一の結合点を有する不飽和の1個以上の単位を含むが芳香族ではない単環式C〜C炭化水素または二環式C〜C14炭化水素または三環式C〜C14炭化水素をいい、その二環式環系中の任意の個々の環は、3員〜7員を有する。適切な脂肪族基としては、直鎖状または分枝状の、飽和または不飽和であるアルキル基、アルケニル基、アルキニル基およびそれらの混成(例えば、(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキルまたは(シクロアルキル)アルケニル)が挙げられるが、これらに限定されない。適切な脂環式基は、シクロアルキル、二環式シクロアルキル(例えば、デカリン)、架橋ビシクロアルキル(例えば、ノルボルニルまたは[2.2.2]ビシクロ−オクチル)、または架橋三環系(例えば、アダマンチル)を含む。
【0016】
用語「ヘテロ脂肪族」は、本明細書中で使用される場合、1個または2個の炭素原子が酸素、硫黄、窒素、リン、またはケイ素のうちの1個以上によって独立して置換されている脂肪族基を意味する。ヘテロ脂肪族基は、置換されていても置換されていなくてもよく、分枝状であっても非分枝状であってもよく、環状であっても非環状であってもよい。
【0017】
用語「複素環」、「ヘテロシクリル」、「複素脂環式(heterocycloaliphatic)」または「複素環式」は、本明細書中で使用される場合、1個以上の環原子が独立して選択されたヘテロ原子である非芳香環系、単環式環系、二環式環系、または三環式環系を意味する。いくつかの実施形態において、「複素環」、「ヘテロシクリル」、「複素脂環式」または「複素環式」基は、1個以上の環員が酸素、硫黄、窒素、またはリンから独立して選択されるヘテロ原子である3個〜14個の環員を有し、そしてその系における各環は、3個〜7個の環員を含む。
【0018】
用語「ヘテロ原子」は、1個以上の酸素、硫黄、または窒素(その任意の酸化形態(例えば、S=O、SOなど);任意の塩基性窒素の四級化形態、あるいは;複素環の置換可能な窒素(例えば、N(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルにあるような)、NH(ピロリジニルにあるような)またはNR(N−置換ピロリジニルにあるような))を含む)を意味する。
【0019】
用語「ハロ脂肪族」および「ハロアルコキシ」は、場合によっては、1個以上のハロ原子によって置換されている脂肪族またはアルコキシを意味する。用語「ハロゲン」または「ハロ」は、F、Cl、Br、またはIを意味する。ハロ脂肪族の例は、−CHF、−CHF、−CF、−CF−、またはペルハロアルキル(例えば、−CFCF)を含む。
【0020】
単独か、あるいは「アラルキル」、「アラルコキシ」、または「アリールオキシアルキル」にあるようなより大きい部分の一部として使用される用語「アリール」とは、合計で5〜14個の環員を有する単環式環系、二環式環系、および三環式環系であり、その系中の少なくとも1つの環が芳香環であり、そしてその系中の各環が3〜7個の環員を含む環系をいう。用語「アリール」は、用語「アリール環」と交換可能に使用され得る。用語「アリール」とはまた、以下に定義されるヘテロアリール環系をいう。
【0021】
単独か、あるいは「ヘテロアラルキル」または「ヘテロアリールアルコキシ」にあるようなより大きい部分の一部として使用される用語「ヘテロアリール」とは、合計で5〜14個の環員を有する単環式環系、二環式環系、および三環式環系であり、その系中の少なくとも1つの環が芳香環であり、その系中の少なくとも1つの環が1個以上のヘテロ原子を含み、そしてその系中の各環が3〜7個の環員を含む環系をいう。用語「ヘテロアリール」は、用語「ヘテロアリール環」または用語「ヘテロ芳香族」と交換可能に使用され得る。
【0022】
アリール(アラルキル、アラルコキシ、アリールオキシアルキルなどを含む)基またはヘテロアリール(ヘテロアラルキルおよびヘテロアリールアルコキシなどを含む)基は、1個以上の置換基を含み得る。アリール基またはヘテロアリール基の不飽和炭素原子上の適切な置換基は、ハロ;−R;−OR;−SR;1,2−メチレン−ジオキシ;1,2−エチレンジオキシ;Rによって必要に応じて置換されたフェニル(Ph);Rによって必要に応じて置換された−O(Ph);Rによって必要に応じて置換された−(CH1−2(Ph);Rによって必要に応じて置換された−CH=CH(Ph);−NO;−CN;−N(R;−NRC(O)R;−NRC(O)N(R;−NRCO;−NRNRC(O)R;−NRNRC(O)N(R;−NRNRCO;−C(O)C(O)R;−C(O)CHC(O)R;−CO;−C(O)R;−C(O)N(R;−OC(O)N(R;−S(O);−SON(R;−S(O)R;−NRSON(R;−NRSO;−C(=S)N(R;−C(=NH)−N(R;あるいは−(CH0−2NHC(O)Rから選択され、Rの各独立した出現は、水素、必要に応じて置換されたC1−6脂肪族非置換の5員〜6員のヘテロアリールもしくは複素環、フェニル、−O(Ph)、または−CH(Ph)から選択されるか、あるいは、上の定義にかかわらず、Rの2つの独立した出現は、同じ置換基または異なる置換基において、各R基が結合する原子と一緒になって窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0個〜3個のヘテロ原子を有する3員〜8員のシクロアルキル環、ヘテロシクリル環、アリール環、またはヘテロアリール環を形成する。Rの脂肪族基上の必要に応じた置換基は、NH、NH(C1−4脂肪族)、N(C1−4脂肪族)、ハロ、C1−4脂肪族、OH、O(C1−4脂肪族)、NO、CN、COH、CO(C1−4脂肪族)、O(ハロC1−4脂肪族)、またはハロC1−4脂肪族から選択され、Rの上記C1−4脂肪族基の各々は、非置換である。
【0023】
脂肪族基またはヘテロ脂肪族基、あるいは非芳香族複素環1個以上の置換基を含み得る。脂肪族基またはヘテロ脂肪族基、あるいは非芳香族複素環の飽和炭素上の適切な置換基は、アリール基またはヘテロアリール基の不飽和炭素に関して上に列挙されるものから選択され、そしてさらに、以下を含む:=O、=S、=NNHR、=NN(R、=NNHC(O)R、=NNHCO(アルキル)、=NNHSO(アルキル)、または=NR(各Rは、独立して、水素または必要に応じて置換されたC1−6脂肪族から選択される)。Rの脂肪族基上の必要に応じた置換基は、NH、NH(C1−4脂肪族)、N(C1−4脂肪族)、ハロ、C1−4脂肪族、OH,O(C1−4脂肪族)、NO、CN、COH、CO(C1−4脂肪族)、O(ハロC1−4脂肪族)、またはハロ(C1−4脂肪族)から選択され、Rの上記C1−4脂肪族基の各々は、非置換である。
【0024】
非芳香族複素環の窒素上の必要に応じた置換基は、−R、−N(R、−C(O)R、−CO、−C(O)C(O)R、−C(O)CHC(O)R、−SO、−SON(R、−C(=S)N(R、−C(=NH)−N(R、または−NRSOから選択され;Rは、水素、必要に応じて置換されたC1−6脂肪族必要に応じて置換されたフェニル、必要に応じて置換された−O(Ph)、必要に応じて置換された−CH(Ph)、必要に応じて置換された−(CH1―2(Ph);必要に応じて置換された−CH=CH(Ph);または酸素、窒素、もしくは硫黄から独立して選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する非置換である5員〜6員のヘテロアリールもしくは複素環であるか、あるいは上の定義にかかわらず、Rの2つの独立した出現は、同じ置換基または異なる置換基において、各Rが結合する原子と一緒になって窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0個〜3個のヘテロ原子を有する3員〜8員のシクロアルキル環、ヘテロシクリル環、アリール環、またはヘテロアリール環を形成する。Rの脂肪族基またはフェニル環上の必要に応じた置換基は、NH、NH(C1−4脂肪族)、N(C1−4脂肪族)、ハロ、C1−4脂肪族、OH、O(C1−4脂肪族)、NO、CN、COH、CO(C1−4脂肪族)、O(ハロC1−4脂肪族)、またはハロ(C1−4脂肪族)から選択され、Rの上記C1−4脂肪族基の各々は、非置換である。
【0025】
用語「スピロ環式環系」とは、2個以上の環を含む部分をいい、少なくとも1個の環は、別の環への2つの結合点を有し、その結合点は、共通の炭素環原子を介する。
【0026】
上で詳述されるように、いくつかの実施形態において、R(またはR、あるいは本明細書中で同様に定義される任意の他の変数)の2つの独立した出現は、各変数が結合する原子と一緒になって、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0個〜3個のヘテロ原子を有する3員〜8員のシクロアルキル環、ヘテロシクリル環、アリール環、またはヘテロアリール環を形成する。R(またはR、あるいは本明細書中で同様に定義される任意の他の変数)の2つの独立した出現が、各変数が結合する原子と一緒になった場合に形成される例示的な環としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:a)同じ原子に結合し、そしてその原子と一緒になって環を形成するR(またはR、あるいは本明細書中で同様に定義される任意の他の変数)の2つの独立した出現(例えば、N(R(Rの両方の出現は、その窒素原子と一緒になって、ピペリジン−1−イル、ピペラジン−1−イル、またはモルホリン−4−イル基を形成する));およびb)異なる原子に結合し、そしてそれらの原子の両方と一緒になって環を形成するR(またはR、あるいは本明細書中で同様に定義される任意の他の変数)の2つの独立した出現(例えば、フェニル基は、ORの2つの出現:
【0027】
【化3】

によって置換され、Rのこれら2つの出現は、それらが結合する酸素原子と一緒になって、環:
【0028】
【化4】

を含む縮合した6員の酸素を形成する)。種々の他の環はR(またはR、あるいは本明細書中で同様に定義される任意の他の変数)の2つの独立した出現が、各変数が結合する原子と一緒になった場合に形成され得ること、および上に記載される例は限定であることを目的としないことが、認識される。
【0029】
特に記載されない限り、本明細書中に示された構造はまた、その構造の全ての異性体(例えば、鏡像異性、ジアステレオ異性、および幾何(または立体配座))形態;例えば、各不斉中心に対するR立体配置およびS立体配置、(Z)二重結合異性体および(E)二重結合異性体、ならびに(Z)立体配座異性体および(E)立体配座異性体を含むことを意味する。したがって、本発明の化合物の単一の立体化学的異性体ならびに鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および幾何(または立体配座)異性体の混合物は、本発明の範囲内である。特に記載されない限り、本発明の化合物の互変異性形態は、本発明の範囲内である。さらに、特に記載されない限り、本明細書中に示される構造はまた、1個以上の同位体が豊富な原子の存在においてのみ異なる化合物を含むことを意味する。例えば、ジュウテリウムまたはトリチウムによる水素の置換あるいは13Cが豊富な炭素または14Cが豊富な炭素による炭素の置換を除いて、本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲内である。このような化合物は、例えば、生物学的アッセイにおける分析ツールまたは分析プローブとして有用である。
【0030】
1つの実施形態において、mは、1であり、そしてpは、1である。別の実施形態において、mは、1であり、そしてpは、2である。または、mは、2であり、そしてpは、1である。または、mは、2であり、そしてpは、2である。
【0031】
1つの実施形態において、Xは、O、NR、S、SO、またはSOであり、そしてYは、結合、C(R、または−C(R−C(R−である。
【0032】
1つの実施形態において、Xは、OまたはSである。
【0033】
1つの実施形態において、Yは、結合である。
【0034】
別の実施形態において、Yは、C(Rである。別の実施形態において、Yは、−CH−である。
【0035】
なお別の実施形態において、Yは、−C(R−C(R−である。または、Yは、−CH−CH−である。
【0036】
1つの実施形態において、各Rは、水素である。
【0037】
1つの実施形態において、少なくとも1個のRは、1個以上のハロ、OH、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルコキシカルボニル、またはジ−(C1〜C4アルキル)アミノによって必要に応じて置換されたC1〜C6脂肪族である。例示的な実施形態は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、3,3−ジメチル−ブチル、3−メチル−ブチル、2−メチル−プロピル、2−メトキシ−エチル、3−エトキシプロピル、1−(メトキシカルボニル)−3−メチル−ブチル、1−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−ブチル、アリル、アセチル、2−(ジエチルアミノ)エチル、1−メチル−2−メトキシ−エチル、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロピル、2,2,2−トリフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロ−プロピル、または2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピルを含む。さらなる実施形態において、1個以上の他のRは、水素である。
【0038】
別の実施形態において、少なくとも1個のRは、C1〜C6脂肪族、シアノ、ハロ、ハロ−C1〜C6脂肪族、アリール−C1〜C6脂肪族、ヘテロアリール−C1〜C6脂肪族、アラルキルオキシ、ジ(C1〜C6脂肪族)アミノ、O−C1〜C6脂肪族、S(O)−C1〜C6脂肪族、またはS(O)−C1〜C6脂肪族から独立して選択される1個以上の置換基によって必要に応じて置換されたフェニルまたはヘテロアリールである。さらなる実施形態において、1個以上の他のRは、水素である。
【0039】
別の実施形態において、少なくとも1個のRは、必要に応じて置換されたC3〜C7脂環式環あるいはO、N、またはSから選択される3個までのヘテロ原子を有するヘテロ脂環式環であり、その環は、1個以上のフェニル環またはヘテロアリール環に必要に応じて縮合している。例示的な環は、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、テトラヒドロ−2H−ピラニル、テトラヒドロ−2H−チオピラニル、9H−フルオレン−9−イルまたはピペリジニルを含む。さらなる実施形態において、1個以上の他のRは、水素である。
【0040】
別の実施形態において、2つのRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、必要に応じて置換された3員〜9員である脂環式環または複素環の単環式環、二環式環、または三環式環を形成する。例示的な実施形態は、9H−フルオレン−9−イル、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル、テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロヘキセニル、ピペリジニル、または1−ベンジル−ピペリジン−4−イルを含む。
【0041】
別の実施形態において、少なくとも1個のRは、−C(O)NH−R、−OC(O)−R、−NHC(O)−R、−NHC(O)O−Rを含み、Rは、必要に応じて置換されたフェニル基、ヘテロアリール基または複素環式基である。さらなる実施形態において、1個以上の他のRは、水素である。
【0042】
1つの実施形態において、両方のRは、水素である。
【0043】
1つの実施形態において、一方のRは、水素であり、そして他方のRは、1個以上のハロ、OH、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルコキシカルボニル、またはジ−(C1〜C4アルキル)アミノによって必要に応じて置換されたC1〜C6脂肪族である。例示的な実施形態は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、3,3−ジメチル−ブチル、3−メチル−ブチル、2−メチル−プロピル、2−メトキシ−エチル、3−エトキシプロピル、1−(メトキシカルボニル)−3−メチル−ブチル、1−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−ブチル、アリル、アセチル、2−(ジエチルアミノ)エチル、1−メチル−2−メトキシ−エチル、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロピル、2,2,2−トリフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロ−プロピル、または2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピルを含む。
【0044】
別の実施形態において、一方のRは、水素であり、そして他方のRは、必要に応じて置換されたC3〜C7脂環式環あるいはO、N、またはSから選択される3個までのヘテロ原子を有するヘテロ脂環式環であり、その環は、1個以上のフェニル環またはヘテロアリール環に必要に応じて縮合している。例示的な環は、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、テトラヒドロ−2H−ピラニル、テトラヒドロ−2H−チオピラニル、9H−フルオレン−9−イルまたはピペリジニルを含む。
【0045】
別の実施形態において、2つのRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、必要に応じて置換された3員〜9員である脂環式環または複素環の単環式環、二環式環、または三環式環を形成する。例示的な実施形態は、9H−フルオレン−9−イル、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル、テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロヘキセニル、ピペリジニル、または1−ベンジル−ピペリジン−4−イルを含む。
【0046】
1つの実施形態において、Rは、水素である。または、Rは、4個までのR置換基によって必要に応じて置換されたC1〜C6脂肪族である。または、Rは、4個までのR置換基によって必要に応じて置換されたC1〜C6ヘテロ脂肪族である。例示的なRは、C1〜C6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、またはブチル)、C1〜C6ヘテロアルキル、C(O)−C1〜C6アルキル、C(O)−C1〜C6ヘテロアルキルを含む。
【0047】
1つの実施形態において、Qは、結合である。または、Qは、Qのうちの隣接していないメチレン単位の2つまでがCO、CO、CONR、OCONR、NRCO、NRCO、NRCONR、SO、SO、NRSO、SONR、NRSONR、O、S、またはNRによって必要に応じて置換されているC1〜C6脂肪族鎖であり、Rは、水素またはC1〜C6アルキルである。
【0048】
別の実施形態において、各Rは、独立して、R’である。
【0049】
または、Rは、ハロゲン、NO、CN、OR’、SR’、N(R’)、NR’C(O)R’、NR’C(O)N(R’)、NR’COR’、C(O)R’、COR’、OC(O)R’、C(O)N(R’)、OC(O)N(R’)、SOR’、SOR’、SON(R’)、NR’SOR’、NR’SON(R’)、C(O)C(O)R’、またはC(O)CHC(O)R’から選択される。
【0050】
1つの実施形態において、R’は、水素である。
【0051】
1つの実施形態において、R’は、ハロ、CN、CF、CHF、OCF、またはOCHFから選択される3個までの置換基によって必要に応じて置換されたC1〜C8脂肪族基であり、そのC1〜C8脂肪族のメチレン単位の2つまでは、−CO−、−CONH(C1〜C4アルキル)−、−CO−、−OCO−、−N(C1〜C4アルキル)CO−、−O−、−N(C1〜C4アルキル)CON(C1〜C4アルキル)−、−OCON(C1〜C4アルキル)−、−N(C1〜C4アルキル)CO−、−S−、−N(C1〜C4アルキル)−、−SON(C1〜C4アルキル)−、N(C1〜C4アルキル)SO−、または−N(C1〜C4アルキル)SON(C1〜C4アルキル)−によって必要に応じて置換されている。
【0052】
1つの実施形態において、R’は、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0個〜3個のヘテロ原子を有する3員〜8員である飽和、部分的に不飽和、または完全に不飽和の単環式環であり、R’は、ハロ、CN、CF、CHF、OCF、OCHF、またはC1〜C6アルキルから選択される3個までの置換基によって必要に応じて置換されており、そのC1〜C6アルキルのメチレン単位の2つまでは、−CO−、−CONH(C1〜C4アルキル)−、−CO−、−OCO−、−N(C1〜C4アルキル)CO−、−O−、−N(C1〜C4アルキル)CON(C1〜C4アルキル)−、−OCON(C1〜C4アルキル)−、−N(C1〜C4アルキル)CO−、−S−、−N(C1〜C4アルキル)−、−SON(C1〜C4アルキル)−、N(C1〜C4アルキル)SO−、または−N(C1〜C4アルキル)SON(C1〜C4アルキル)−によって必要に応じて置換されている。
【0053】
1つの実施形態において、R’は、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0個〜5個のヘテロ原子を有する8員〜12員である飽和、部分的に不飽和、または完全に不飽和の二環式環系であり;R’は、ハロ、CN、CF、CHF、OCF、OCHF、またはC1〜C6アルキルから選択される3個までの置換基によって必要に応じて置換されており、そのC1〜C6アルキルのメチレン単位の2つまでは、−CO−、−CONH(C1〜C4アルキル)−、−CO−、−OCO−、−N(C1〜C4アルキル)CO−、−O−、−N(C1〜C4アルキル)CON(C1〜C4アルキル)−、−OCON(C1〜C4アルキル)−、−N(C1〜C4アルキル)CO−、−S−、−N(C1〜C4アルキル)−、−SON(C1〜C4アルキル)−、N(C1〜C4アルキル)SO−、または−N(C1〜C4アルキル)SON(C1〜C4アルキル)−によって必要に応じて置換されている。
【0054】
1つの実施形態において、R’の2つの出現は、それらが結合する原子と一緒になって、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0個〜4個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された3員〜12員である飽和、部分的に不飽和、または完全に不飽和の単環式環または二環式環を形成し、R’は、ハロ、CN、CF、CHF、OCF、OCHF、またはC1〜C6アルキルから選択される3個までの置換基によって必要に応じて置換されており、そのC1〜C6アルキルのメチレン単位の2つまでは、−CO−、−CONH(C1〜C4アルキル)−、−CO−、−OCO−、−N(C1〜C4アルキル)CO−、−O−、−N(C1〜C4アルキル)CON(C1〜C4アルキル)−、−OCON(C1〜C4アルキル)−、−N(C1〜C4アルキル)CO−、−S−、−N(C1〜C4アルキル)−、−SON(C1〜C4アルキル)−、N(C1〜C4アルキル)SO−、または−N(C1〜C4アルキル)SON(C1〜C4アルキル)−によって必要に応じて置換されている。
【0055】
1つの実施形態において、環Aは:
【0056】
【化5】

であり;
は、上で定義される通りであり;
Jは、C(O)、C(R、=N−、−NR6b、または=CR6aから選択され;
Kは、C(O)、SO2、=N−、−NR6b、=CR6b、またはC(Rから選択され;
各Rは、独立して、水素であるか、オキソ、ハロ、−OH、−O−C1〜C6脂肪族、NH、NH(C1〜C6脂肪族)、またはN(C1〜C6脂肪族)から選択される5個までの置換基によって必要に応じて置換されたC1〜C6脂肪族であり;
各R6aおよびR6bは、独立して、水素、ハロ、CN、−OH、−O−C1〜C6脂肪族、NH、NH(C1〜C6脂肪族)、またはN(C1〜C6脂肪族)、オキソ、ハロ、−OH、−O−C1〜C6脂肪族、NH、NH(C1〜C6脂肪族)、もしくはN(C1〜C6脂肪族)から選択される5個までの置換基によって必要に応じて置換されたC1〜C6脂肪族、5個までのQ−R置換基によって必要に応じて置換されたフェニル、またはO、N、S、SO、もしくはSO2から選択される4個までのヘテロ原子を有する5員〜7員の複素環もしくはヘテロアリール環から選択され、その複素環またはヘテロアリール環は、5個までのQ−R置換基によって必要に応じて置換されているか;あるいは
6aおよびR6bならびにそれらが結合する原子は、連結されて、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、フラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、チエニル、ジヒドロチエニル、またはジヒドロチオピラニルから選択される環を形成し、その環が、5個までのQ−R置換基によって必要に応じて置換されている。
【0057】
1つの実施形態において、環Aは:
【0058】
【化6】

から選択される。
【0059】
別の実施形態において、環Aは:
【0060】
【化7】

から選択される。
【0061】
別の実施形態において、環Aは:
【0062】
【化8】

から選択される。
【0063】
別の実施形態において、環Aは:
【0064】
【化9】

から選択される。
【0065】
1つの実施形態において、環Aは、a−iである。
【0066】
1つの実施形態において、本発明は、式I−AまたはI−B:
【0067】
【化10】

の化合物を提供し;
N、R、R、R、およびXは、上で定義される通りであり、そして
【0068】
【化11】

は、炭素原子1または炭素原子2にてフェニル環に結合する。
【0069】
別の実施形態において、本発明は、式I’:
【0070】
【化12】

の化合物またはその薬学的に受容可能な塩を提供し;
そのNR基炭素原子1または炭素原子2にてフェニル環に結合し;
Xは、O、NR、S、SO、またはSOであり;
は、水素または4個までのR置換基によって必要に応じて置換されたC1〜C6脂肪族であり;
環Aは、O、N、S、SO、またはS(O)から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する4員〜7員の複素環であり、その複素環は、フェニルあるいはO、N、S、SO、またはS(O)から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する5員〜7員の複素環またはヘテロアリール環に必要に応じて縮合しており;環Aは、少なくとも1個のオキソ置換基を有し;
環Aは、その必要に応じて縮合した環と一緒に、5個までのR置換基によって必要に応じて置換されており;
mは、1〜3であり;
pは、1〜3であり;
nは、1〜4であり;
各Rは、独立して、水素、ハロ、アリール、ヘテロアリール、C1〜C6脂肪族、C1〜C6ヘテロ脂肪族、アリール−C1〜C6脂肪族、アリール−C1〜C6ヘテロ脂肪族、ヘテロアリール−C1〜C6脂肪族、ヘテロアリール−C1〜C6ヘテロ脂肪族であり、Rは、5個までのR置換基によって必要に応じて置換されているか;あるいは
2つのRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、3員〜9員の脂環式環または複素環を形成し、その複素環は、O、S、およびNから選択される3個までのヘテロ原子を有し;その環は、3個までのR置換基によって必要に応じて置換されており;
各Rは、独立して、水素、ハロ、アリール、ヘテロアリール、C1〜C6脂肪族、C1〜C6ヘテロ脂肪族、アリール−C1〜C6脂肪族、ヘテロアリール−C1〜C6脂肪族であり、Rは、5個までのR置換基によって必要に応じて置換されているか;あるいは
2つのRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、3員〜9員の脂環式環または複素環を形成し、その複素環は、O、S、およびNから選択される3個までのヘテロ原子を有し;ここでその環は、3個までのR置換基によって必要に応じて置換されており;
,R,R,R、およびRの各出現は、独立して、Q−Rであり;
Qは、結合であるか、あるいはQのうちの隣接していないメチレン単位の2つまでがCO、CO、COCO、CONR、OCONR、NRNR、NRNRCO、NRCO、NRCO、NRCONR、SO、SO、NRSO、SONR、NRSONR、O、S、またはNRによって必要に応じて置換されているC1〜C6脂肪族鎖であり;
の各出現は、独立して、R’、ハロゲン、NO、CN、OR’、SR’、N(R’)、NR’C(O)R’、NR’C(O)N(R’)、NR’COR’、C(O)R’、COR’、OC(O)R’、C(O)N(R’)、OC(O)N(R’)、SOR’、SOR’、SON(R’)、NR’SOR’、NR’SON(R’)、C(O)C(O)R’、またはC(O)CHC(O)R’から選択され、Rの各出現は、独立して、水素あるいは必要に応じて置換されたC1〜C6脂肪族基またはC1〜C6ヘテロ脂肪族から選択され;
R’の各出現は、独立して、水素またはC1−8脂肪族、C6−10アリール、5個〜10個の環原子を有するヘテロアリール環、もしくは3個〜10個の環原子を有するヘテロシクリル環から選択される必要に応じて置換された基から選択されるか、あるいはRおよびR’、またはR’の2つの出現は、それらが結合する原子と一緒になって、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0個〜3個のヘテロ原子を有する3員〜8員のシクロアルキル環、ヘテロシクリル環、アリール環、またはヘテロアリール環を形成する。
【0071】
式I’の1つの実施形態において、mは、1であり、そしてpは、1である。別の実施形態において、mは、1であり、そしてpは、2である。または、mは、2であり、そしてpは、1である。または、mは、2でありそしてpは、2である。
【0072】
式I’の1つの実施形態において、環Aは:
【0073】
【化13】

であり;
は、上で定義される通りであり;
Jは、C(O)、C(R、=N−、−NR6b、または=CR6aから選択され;
Kは、C(O)、SO2、=N−、−NR6b、=CR6b、またはC(Rから選択され;
各Rは、独立して、水素であるか、オキソ、ハロ、−OH、−O−C1〜C6脂肪族、NH、NH(C1〜C6脂肪族)、またはN(C1〜C6脂肪族)から選択される5個までの置換基によって必要に応じて置換されたC1〜C6脂肪族であり;
各R6aおよびR6bは、独立して、水素、ハロ、CN、−OH、−O−C1〜C6脂肪族、NH、NH(C1〜C6脂肪族)、またはN(C1〜C6脂肪族)、オキソ、ハロ、−OH、−O−C1〜C6脂肪族、NH、NH(C1〜C6脂肪族)、もしくはN(C1〜C6脂肪族)から選択される5個までの置換基によって必要に応じて置換されたC1〜C6脂肪族、5個までのQ−R置換基によって必要に応じて置換されたフェニル、またはO、N、S、SO、もしくはSO2から選択される4個までのヘテロ原子を有する5員〜7員の複素環またはヘテロアリール環から選択され、その複素環またはヘテロアリール環は、5個までのQ−R置換基によって必要に応じて置換されているか;あるいは
6aおよびR6bならびにそれらが結合する原子は、連結されて、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、フラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、チエニル、ジヒドロチエニル、またはジヒドロチオピラニルから選択される環を形成し、その環は、5個までのQ−R置換基によって必要に応じて置換されている。
【0074】
式I’の1つの実施形態において、環Aは:
【0075】
【化14】

から選択される。
【0076】
式I’の別の実施形態において、環Aは:
【0077】
【化15】

から選択される。
【0078】
式I’の別の実施形態において、環Aは:
【0079】
【化16】

から選択される。
【0080】
式I’の別の実施形態において、環Aは:
【0081】
【化17】

から選択される。
【0082】
式I’の1つの実施形態において、環Aは、a−iである。
【0083】
任意の式I−A、I−B、またはI’の1つの実施形態において、Xは、O、NR、S、SO、またはSOであり、そしてYは、結合、C(R、または−C(R−C(R−である。
【0084】
任意の式I−A、I−B、またはI’の1つの実施形態において、Xは、OまたはSである。
【0085】
任意の式I−A、I−B、またはI’の1つの実施形態において、Yは、結合である。
【0086】
任意の式I−A、I−B、またはI’の別の実施形態において、Yは、C(Rである。別の実施形態において、Yは、−CH−である。
【0087】
任意の式I−A、I−B、またはI’のなお別の実施形態において、Yは、−C(R−C(R−である。または、Yは、−CH−CH−である。
【0088】
任意の式I−A、I−B、またはI’の1つの実施形態において、各Rは、水素である。
【0089】
任意の式I−A、I−B、またはI’の1つの実施形態において、少なくとも1個のRは、1個以上のハロ、OH、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルコキシカルボニル、またはジ−(C1〜C4アルキル)アミノによって必要に応じて置換されたC1〜C6脂肪族である。例示的な実施形態は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、3,3−ジメチル−ブチル、3−メチル−ブチル、2−メチル−プロピル、2−メトキシ−エチル、3−エトキシプロピル、1−(メトキシカルボニル)−3−メチル−ブチル、1−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−ブチル、アリル、アセチル、2−(ジエチルアミノ)エチル、1−メチル−2−メトキシ−エチル、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロピル、2,2,2−トリフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロ−プロピル、または2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピルを含む。さらなる実施形態において、1個以上の他のRは、水素である。
【0090】
任意の式I−A、I−B、またはI’の別の実施形態において、少なくとも1個のRは、C1〜C6脂肪族、シアノ、ハロ、ハロ−C1〜C6脂肪族、アリール−C1〜C6脂肪族、ヘテロアリール−C1〜C6脂肪族、アラルキルオキシ、ジ(C1〜C6脂肪族)アミノ、O−C1〜C6脂肪族、S(O)−C1〜C6脂肪族、またはS(O)−C1〜C6脂肪族から独立して選択される1個以上の置換基によって必要に応じて置換されたフェニルまたはヘテロアリールである。さらなる実施形態において、1個以上の他のRは、水素である。
【0091】
任意の式I−A、I−B、またはI’の別の実施形態において、少なくとも1個のRは、必要に応じて置換されたC3〜C7脂環式環あるいはO、N、またはSから選択される3個までのヘテロ原子を有するヘテロ脂環式環であり、その環は、1個以上のフェニル環またはヘテロアリール環に必要に応じて縮合している。例示的な環は、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、テトラヒドロ−2H−ピラニル、テトラヒドロ−2H−チオピラニル、9H−フルオレン−9−イルまたはピペリジニルを含む。さらなる実施形態において、1個以上の他のRは、水素である。
【0092】
任意の式I−A、I−B、またはI’の別の実施形態において、2つのRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、必要に応じて置換された3員〜9員である脂環式環または複素環の単環式環、二環式環、または三環式環を形成する。例示的な実施形態は、9H−フルオレン−9−イル、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル、テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロヘキセニル、ピペリジニル、または1−ベンジル−ピペリジン−4−イルを含む。
【0093】
任意の式I−A、I−B、またはI’の別の実施形態において、少なくとも1個のRは、−C(O)NH−R、−OC(O)−R、−NHC(O)−R、−NHC(O)O−Rであり、Rは、必要に応じて置換されたフェニル基、ヘテロアリール基または複素環式基である。さらなる実施形態において、1個以上の他のRは、水素である。
【0094】
任意の式I−A、I−B、またはI’の1つの実施形態において、両方のRは、水素である。
【0095】
任意の式I−A、I−B、またはI’の1つの実施形態において、一方のRは、水素であり、そして他方のRは、1個以上のハロ、OH、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルコキシカルボニル、またはジ−(C1〜C4アルキル)アミノによって必要に応じて置換されたC1〜C6脂肪族である。例示的な実施形態は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、3,3−ジメチル−ブチル、3−メチル−ブチル、2−メチル−プロピル、2−メトキシ−エチル、3−エトキシプロピル、1−(メトキシカルボニル)−3−メチル−ブチル、1−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−ブチル、アリル、アセチル,2−(ジエチルアミノ)エチル、1−メチル−2−メトキシ−エチル、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロピル、2,2,2−トリフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロ−プロピル、または2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−プロピルを含む。
【0096】
任意の式I−A、I−B、またはI’の別の実施形態において、一方のRは、水素であり、そして他方のRは、必要に応じて置換されたC3〜C7脂環式環あるいはO、N、またはSから選択される3個までのヘテロ原子を有するヘテロ脂環式環であり、その環は、1個以上のフェニル環またはヘテロアリール環に必要に応じて縮合している。例示的な環は、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、テトラヒドロ−2H−ピラニル、テトラヒドロ−2H−チオピラニル、9H−フルオレン−9−イルまたはピペリジニルを含む。
【0097】
任意の式I−A、I−B、またはI’の別の実施形態において、2つのRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、必要に応じて置換された3員〜9員である脂環式環または複素環の単環式環、二環式環、または三環式環を形成する。例示的な実施形態は、9H−フルオレン−9−イル、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル、テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロヘキセニル、ピペリジニル、または1−ベンジル−ピペリジン−4−イルを含む。
【0098】
任意の式I−A、I−B、またはI’の1つの実施形態において、Rは、水素である。または、Rは、4個までのR置換基によって必要に応じて置換されたC1〜C6脂肪族である。または、Rは、4個までのR置換基によって必要に応じて置換されたC1〜C6ヘテロ脂肪族である。例示的なRは、C1〜C6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、またはブチル)、C1〜C6ヘテロアルキル、C(O)−C1〜C6アルキル、C(O)−C1〜C6ヘテロアルキルを含む。
【0099】
任意の式I−A、I−B、またはI’の1つの実施形態において、Qは、結合である。または、Qは、Qのうちの隣接していないメチレン単位の2つまでがCO、CO、CONR、OCONR、NRCO、NRCO、NRCONR、SO、SO、NRSO、SONR、NRSONR、O、S、またはNRによって必要に応じて置換されているC1〜C6脂肪族鎖であり、Rが、水素またはC1〜C6アルキルである。
【0100】
任意の式I−A、I−B、またはI’の別の実施形態において、各Rは、独立して、R’である。
【0101】
または、Rは、ハロゲン、NO、CN、OR’、SR’、N(R’)、NR’C(O)R’、NR’C(O)N(R’)、NR’COR’、C(O)R’、COR’、OC(O)R’、C(O)N(R’)、OC(O)N(R’)、SOR’、SOR’、SON(R’)、NR’SOR’、NR’SON(R’)、C(O)C(O)R’、またはC(O)CHC(O)R’から選択される。
【0102】
任意の式I−A、I−B、またはI’の1つの実施形態において、R’は、水素である。
【0103】
任意の式I−A、I−B、またはI’の1つの実施形態において、R’は、ハロ、CN、CF、CHF、OCF、またはOCHFから選択される3個までの置換基によって必要に応じて置換されたC1〜C8脂肪族基であり、そのC1〜C8脂肪族のメチレン単位の2つまでは、−CO−、−CONH(C1〜C4アルキル)−、−CO−、−OCO−、−N(C1〜C4アルキル)CO−、−O−、−N(C1〜C4アルキル)CON(C1〜C4アルキル)−、−OCON(C1〜C4アルキル)−、−N(C1〜C4アルキル)CO−、−S−、−N(C1〜C4アルキル)−、−SON(C1〜C4アルキル)−、N(C1〜C4アルキル)SO−または−N(C1〜C4アルキル)SON(C1〜C4アルキル)−によって必要に応じて置換されている。
【0104】
任意の式I−A、I−B、またはI’の1つの実施形態において、R’は、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0個〜3個のヘテロ原子を有する3員〜8員である飽和、部分的に不飽和、または完全に不飽和の単環式環であり、R’は、ハロ、CN、CF、CHF、OCF、OCHF、またはC1〜C6アルキルから選択される3個までの置換基によって必要に応じて置換されており、そのC1〜C6アルキルのメチレン単位の2つまでは、−CO−、−CONH(C1〜C4アルキル)−、−CO−、−OCO−、−N(C1〜C4アルキル)CO−、−O−、−N(C1〜C4アルキル)CON(C1〜C4アルキル)−、−OCON(C1〜C4アルキル)−、−N(C1〜C4アルキル)CO−、−S−、−N(C1〜C4アルキル)−、−SON(C1〜C4アルキル)−、N(C1〜C4アルキル)SO−、または−N(C1〜C4アルキル)SON(C1〜C4アルキル)−によって必要に応じて置換されている。
【0105】
任意の式I−A、I−B、またはI’の1つの実施形態において、R’は、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0個〜5個のヘテロ原子を有する8員〜12員である飽和、部分的に不飽和、または完全に不飽和の二環式環系であり;R’は、ハロ、CN、CF、CHF、OCF、OCHF、またはC1〜C6アルキルから選択される3個までの置換基によって必要に応じて置換されており、そのC1〜C6アルキルのメチレン単位の2つまでは、−CO−、−CONH(C1〜C4アルキル)−、−CO−、−OCO−、−N(C1〜C4アルキル)CO−、−O−、−N(C1〜C4アルキル)CON(C1〜C4アルキル)−、−OCON(C1〜C4アルキル)−、−N(C1〜C4アルキル)CO−、−S−、−N(C1〜C4アルキル)−、−SON(C1〜C4アルキル)−、N(C1〜C4アルキル)SO−、または−N(C1〜C4アルキル)SON(C1〜C4アルキル)−によって必要に応じて置換されている。
【0106】
任意の式I−A、I−B、またはI’の1つの実施形態において、R’の2つの出現は、それらが結合する原子と一緒になって、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0個〜4個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された3員〜12員である飽和、部分的に不飽和、または完全に不飽和の単環式環または二環式環を形成し、R’は、ハロ、CN、CF、CHF、OCF、OCHF、またはC1〜C6アルキルから選択される3個までの置換基によって必要に応じて置換されており、そのC1〜C6アルキルのメチレン単位の2つまでは、−CO−、−CONH(C1〜C4アルキル)−、−CO−、−OCO−、−N(C1〜C4アルキル)CO−、−O−、−N(C1〜C4アルキル)CON(C1〜C4アルキル)−、−OCON(C1〜C4アルキル)−、−N(C1〜C4アルキル)CO−、−S−、−N(C1〜C4アルキル)−、−SON(C1〜C4アルキル)−、N(C1〜C4アルキル)SO−、または−N(C1〜C4アルキル)SON(C1〜C4アルキル)−によって必要に応じて置換されている。
【0107】
本発明の例示的な化合物は、以下の表1〜4において以下に示される。
【0108】
【表1−1】

【0109】
【表1−2】

【0110】
【表2−1】

【0111】
【表2−2】

【0112】
【表2−3】

【0113】
【表3−1】

【0114】
【表3−2】

【0115】
【表4】

本発明の化合物は、当該分野において周知である方法によって容易に調製され得る。本発明の化合物を調製するための合成スキームは、以下で例示目的のために示される。
【0116】
スキーム1:式Iの化合物の調製:
【0117】
【化18】

、n、X、Y、R、R、R、p、mおよび環Aは、上で記載される通りである。
【0118】
式Iの化合物は、スキーム1において上で示される条件下で酸1をアミン1に添加することによって調製される。
【0119】
スキーム1’:式I’(ここでYは、結合である)およびI−A(ここでYは、結合であり、そしてRは、Hである)の化合物の調製:
【0120】
【化19】

式I−AまたはI’の化合物は、スキーム1’において上で示される条件下で酸1をアミン1に添加することによって調製される。
【0121】
スキーム2:酸1の調製:
【0122】
【化20】

酸1は、スキーム2において上で示される通り、適切な置換アニリンおよびブロモ酸(bromo−acid)から調製され得る。
【0123】
スキーム2’:式I−AおよびI’(ここで、Yは、結合である)の化合物のための酸1の調製:
【0124】
【化21】

酸1は、スキーム2において上で示される通り、適切な置換アニリンおよびブロモ酸から調製され得る。
【0125】
スキーム3−A:アミン1の調製:
【0126】
【化22】

スキーム3−B:アミン1の調製:
【0127】
【化23】

スキーム3−Aおよびスキーム3−Bは、アミン1の合成を示し、式I中の環Aは、ヒダントイン環であり、そしてそこに結合する二環式環は、インダン環またはテトラリン環のいずれかである。
【0128】
特定の本発明の化合物は、処置のためか、または適切な場合に、その薬学的に受容可能な誘導体を含まずに存在し得ることもまた、理解される。本発明にしたがって、薬学的に受容可能な誘導体としては、薬学的に受容可能な塩、エステルおよびこのようなエステルの塩、または必要がある患者に投与する際に、本明細書中で他に記載されるような化合物、またはその代謝産物もしくは残分を直接的または間接的に提供し得る付加物または誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0129】
本明細書中で使用される場合、用語「薬学的に受容可能な塩」とは、健全な医学的判断の範囲内で、過度な毒性、刺激、アレルギー応答などを伴わずにヒトおよびより下等な動物の組織との接触に使用するために適切であり、そして合理的な利益/危険性の比に対応する化合物の塩をいう。「薬学的に受容可能な塩」は、レシピエントに対する投与の際に、本発明の化合物もしくは活性な代謝産物またはその残分を、直接的または間接的のいずれかで提供することができる、本発明の化合物の任意の非毒性の塩、またはエステル塩を意味する。本明細書中で使用される場合、用語「活性な代謝産物またはその残分」は、代謝産物またはその残分もまたCGRPのアンタゴニストであることを意味する。
【0130】
薬学的に受容可能な塩は、当該分野において周知である。例えば、S.M.Bergeらは、薬学的に受容可能な塩を、J.Pharmaceutical Sciences,1977,66,1−19(本明細書に参考として援用される)において詳細に記載する。本発明の化合物の薬学的に受容可能な塩は、適切な無機酸および無機塩基ならびに有機酸および有機塩基から誘導されるものを含む。薬学的に受容可能な非毒性の酸付加塩の例は、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸)または有機酸(例えば、酢酸、シュウ酸、マレイン惨、酒石酸、クエン酸、コハク酸またはマロン酸)を用いてか、あるいはイオン交換などの当該分野において使用される他の方法を使用することによって形成されるアミノ基の塩である。他の薬学的に受容可能な塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アルコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホネート(camphorsulfonate)、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パルモン酸塩(palmoate)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。適切な塩基由来の塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩およびN(C1−4アルキル)塩が挙げられる。本発明はまた、本明細書中に開示される化合物の任意の塩基性窒素含有基の四級化を想定する。水溶性もしくは油溶性の生成物または水もしくは油に分散可能な生成物は、このような四級化によって得られ得る。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。さらなる薬学的に受容可能な塩としては、適切な場合、非毒性のアンモニウム、四級アンモニウム、および対イオン(例えば、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩および低級アリールスルホン酸)を使用して形成されるアミンカチオンが挙げられる。
【0131】
本明細書中に記載される通り、本発明の薬学的に受容可能な組成物は、薬学的に受容可能なキャリア、佐剤またはビヒクルをさらに含み、本明細書中で使用される場合、その薬学的に受容可能なキャリア、佐剤またはビヒクルとしては、所望される特定の投薬形態に適する場合、あらゆる溶媒、希釈剤、または他の液体ビヒクル、分散補助剤または懸濁補助剤、表面活性剤、等張化剤、増粘剤または乳化剤、保存剤、固体結合剤、潤滑剤などが挙げられる。Remington’s Pharmaceutical Sciences,第16版,E.W.Martin(Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,1980)は、薬学的に受容可能な組成物の処方およびその調製のための公知の技術において使用される種々のキャリアを開示する。任意の従来のキャリア媒体が、任意の望ましくない生物学的効果をもたらすか、またはそうでなければ薬学的に受容可能な組成物の任意の他の成分と有害な様式で相互作用することなどによって本発明の化合物と不適合性である場合を除いて、そのキャリアの使用が、本発明の範囲内であることが企図される。薬学的に受容可能なキャリアとして機能し得る材料のいくつかの例としては、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝物質(例えば、リン酸塩)、グリシン、ソルビン酸またはソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分的グリセリド混合物、水、塩または電解質(例えば、硫酸プロタミン)、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコール、羊毛脂、糖類(例えば、ラクトース、グルコースおよびスクロース);デンプン(例えば、トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプン);セルロースおよびその誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース;粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤(ココアバターおよび坐剤ワックス;油(例えば、落花生油、綿実油;ヒマワリ油;ゴマ油;オリーブ油;トウモロコシ油およびダイズ油);グリコール類(例えば、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコール);エステル類(例えば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル);寒天;緩衝剤(例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム);アルギン酸;発熱物質を含まない水;等張性食塩水;リンガー溶液;エチルアルコール、およびリン酸緩衝化溶液、ならびに他の非毒性である適合性の潤滑剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム)が挙げられるが、これらに限定されず、そして着色剤、放出促進剤(releasing agent)、コーティング剤、甘味料、矯味矯臭剤および香料、保存剤および酸化防止剤もまた、処方者の判断に従って組成物中に存在することができる。
【0132】
本発明の薬学的に受容可能な組成物は、処置される感染の重篤度に依存して、ヒトおよび他の動物に対して、経口投与、直腸投与、非経口投与、槽内投与、膣投与、腹腔内投与、局所投与(散剤、軟膏剤、または点滴剤による)、頬投与、口腔スプレーまたは鼻スプレーなどとして投与され得る。特定の実施形態において、本発明の化合物は、所望の治療効果を得るために、1日(1日に1回以上)あたり被験体の体重の約0.01mg/kg〜約50mg/kgの投薬量レベル、そして好ましくは約1mg/kg〜約25mg/kgの投薬量レベルで、経口的または非経口的に投与され得る。
【0133】
経口投与のための液体投薬形態としては、薬学的に受容可能なエマルション、マイクロエマルション、溶液、懸濁物、シロップおよびエリキシルが挙げられるが、これらに限定されない。活性化合物に加えて、上記液体投薬形態は、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤(例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにその混合物)などの当該分野で一般的に使用される不活性な希釈剤を含み得る。不活性な希釈剤に加え、経口組成物はまた、佐剤(例えば、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味料、矯味矯臭剤、ならびに香料)を含み得る。
【0134】
注射可能な調製物(例えば、無菌の注射可能な水性懸濁物または油性懸濁物)は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用して公知の技術によって処方され得る。上記無菌の注射可能な調製物はまた、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液のような非毒性の非経口的に受容可能な希釈剤または溶媒中の無菌の注射可能な溶液、懸濁物またはエマルションであり得る。とりわけ、使用され得る受容可能なビヒクルおよび溶媒は、水、リンガー溶液、U.S.P.および等張性塩化ナトリウム溶液である。さらに、無菌の不揮発性油が、溶媒または懸濁媒体として従来通りに使用される。この目的のために、合成モノグリセリドまたは合成ジグリセリドを含む任意の無刺激性の不揮発性油が、使用され得る。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が、注射剤の調製において使用される。
【0135】
注射可能な処方物は、例えば、細菌保持フィルター(bacterial−retaining filter)を通した濾過、あるいは使用前に滅菌水または他の無菌の注射可能な媒体に溶解または分散され得る無菌の固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって滅菌され得る。
【0136】
本発明の化合物の効果を延長するために、皮下注射または筋肉内注射からの化合物の吸収を遅延させることが、しばしば望ましい。これは、低い水溶性を有する結晶性物質または非晶質物質の液体懸濁物の使用によって達成され得る。次いで、上記化合物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、次いでその溶解速度は、結晶の大きさおよび結晶の形態に依存し得る。あるいは、非経口的に投与された化合物形態の吸収の遅延は、油性ビヒクル中にその化合物を溶解または懸濁することによって達成される。注射可能なデポー形態は、生分解性ポリマー(例えば、ポリラクチド−ポリグリコリド)中の化合物のマイクロカプセル(microencapsule)マトリックスを形成することによって作製される。ポリマーに対する化合物の比および使用される特定のポリマーの性質に依存して、化合物の放出速度は、制御され得る。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。デポーの注射可能な処方物はまた、身体組織と適合性であるリポソームまたはマイクロエマルション中に化合物を捕捉することによって調製される。
【0137】
直腸投与または膣投与のための組成物は、好ましくは、本発明の化合物を適切な非刺激性の賦形剤またはキャリア(例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール、または周囲温度にて固体であるが体温にて液体である坐剤ワックス)と混合することによって調製され得る坐剤であり、したがって直腸または膣腔で溶解し、そして活性化合物を放出する。
【0138】
経口投与のための固体投薬形態としては、カプセル、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒剤が挙げられる。このような固体投薬形態において、活性化合物は、少なくとも1種の不活性な、薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリア(例えば、クエン酸ナトリウムまたはリン酸水素カルシウム)、ならびに/またはa)フィラー(filler)もしくは増量剤(例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸、b)結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース、およびアラビアゴム)、c)湿潤剤(humectant)(例えば、グリセロール)、d)崩壊剤(例えば、寒天−−寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウム)、e)溶解遅延剤(solution retarding agent)(例えば、パラフィン)、f)吸収促進剤(四級アンモニウム化合物、g)湿潤剤(wetting agent)(例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロール)、h)吸収剤(例えば、カオリンおよびベントナイトクレイ)、およびi)潤滑剤(例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびその混合物)と混合される。カプセル、錠剤および丸剤の場合において、上記投薬形態はまた、緩衝剤を含み得る。
【0139】
同様の型の固体組成物はまた、ラクトースまたは乳糖および高分子量ポリエチレングリコールなどのような賦形剤を用いるソフトゼラチンカプセルおよびハードゼラチンカプセルにおいてフィラーとして使用され得る。錠剤、糖剤、カプセル、丸剤、および顆粒剤の固体投薬形態は、コーティングおよびシェル(shell)(例えば、腸溶コーティングおよび薬学的処方分野において周知である他のコーティング)を用いて調製され得る。それらのコーティングおよびシェルは、必要に応じて、不透明化剤(opacifying agent)を含むことができ、そしてまた、活性成分のみか、または、優勢に、腸管の特定の部分において、必要に応じて、遅延された様式で活性成分を放出する組成物のものであり得る。使用され得る包理する組成物の例としては、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。同様の型の固体組成物はまた、ラクトースまたは乳糖および高分子量ポリエチレングリコールなどのような賦形剤を用いるソフトゼラチンカプセルおよびハードゼラチンカプセルにおいてフィラーとして使用され得る。
【0140】
活性化合物はまた、上記のような1種以上の賦形剤を含むマイクロカプセル化された形態であり得る。錠剤、糖剤、カプセル、丸剤、および顆粒剤の固体投薬形態は、コーティングおよびシェル(例えば、腸溶コーティング、放出制御コーティングおよび薬学的処方分野において周知である他のコーティング)を用いて調製され得る。このような固体投薬形態において、活性化合物は、少なくとも1種の不活性な希釈剤(例えば、スクロース、ラクトースまたはデンプン)と混合され得る。このような投薬形態はまた、通常の実施である場合、不活性な希釈剤以外のさらなる物質(例えば、ステアリン酸マグネシウムおよび微結晶性セルロースなどの錠剤化潤滑剤および他の錠剤化補助剤)を含み得る。カプセル、錠剤および丸剤の場合において、投薬形態はまた、緩衝剤を含み得る。それらの緩衝剤は、必要に応じて、不透明化剤を含むことができ、そしてまた、活性成分のみか、または、優勢に、腸管の特定の部分において、必要に応じて、遅延された様式で活性成分を放出する組成物のものであり得る。使用され得る包理する組成物の例としては、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。
【0141】
本発明の化合物の局所投与または経皮投与のための投薬形態としては、軟膏、パスタ、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー、吸入剤またはパッチが挙げられる。活性成分は、薬学的に受容可能なキャリア、および必要とされ得る場合、任意の必要とされる保存剤または緩衝剤と、無菌条件下で混合される。眼処方物、点耳剤、および点眼剤もまた、本発明の範囲内であると企図される。さらに、本発明は、経皮パッチの使用を企図し、その経皮パッチは、身体への化合物の制御された送達を提供するさらなる利点を有する。このような投薬形態は、適切な媒体に化合物を溶解または分散することによって調製され得る。吸収増強因子がまた、皮膚を横切る化合物のフラックスを増大させるために使用され得る。その速度は、速度を制御する膜を提供すること、あるいはポリマーマトリックスまたはゲルに化合物を分散することのいずれかによって制御され得る。
【0142】
本発明の化合物および薬学的に受容可能な組成物が併用療法において使用され得る(すなわち、その化合物および薬学的に受容可能な組成物が1つ以上の他の所望の治療剤または医学的手順と同時、その前、またはその後に投与され得る)ことがまた、理解される。組合せレジメンにおいて使用される治療(治療剤または手順)の特定の組合せは、所望の治療剤および/または手順の適合性ならびに達成される所望の治療効果を考慮する。使用される治療は同じ障害に対する所望の作用を達成し得る(例えば、本発明の化合物は、同じ障害を処置するために使用される他の薬剤と同時に投与され得る)か、またはそれらは異なる作用(例えば、任意の有害作用の制御)を達成し得ることもまた、理解される。本明細書中で使用される場合、特定の疾患、または状態を処置または予防するために通常投与されるさらなる治療剤は、「処置される疾患、または状態に適している」として公知である。例えば、例示的なさらなる治療剤としては、:非オピオイド鎮痛剤(エトドラク、インドメタシン、スリンダク、トルメチンなどのインドール;ナブメトンなどのナフチルアルカノン(naphthylalkanone);ピロキシカムなどのオキシカム;アセトアミノフェンなどのp−アミノフェノール誘導体;フェノプロフェン、フルビプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセンナトリウム、オキサプロジンなどのプロピオン酸;アスピリン、コリンマグネシウムトリサリチレート、ジフルニサルなどのサリチレート;メクロフェナム酸、メフェナム酸などフェナメート;およびフェニルブタゾンなどのピラゾール);あるいはオピオイド(麻薬)アゴニスト(例えば、コデイン、フェンタニル、ヒドロモルホン、レボルファノール、メペリジン、メサドン、モルヒネ、オキシコドン、オキシモルフォン、プロポキシフェン、ブプレノルフィ、ブトルファノール、デゾシン、ナルブフィン、およびペンタゾシン)が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、非薬物性鎮痛アプローチは、1つ以上の本発明の化合物の投与と組み合わせて利用され得る。例えば、麻酔学的アプローチ(脊髄内注入、神経ブロック)、神経外科的アプローチ(CNS経路の神経剥離)、神経刺激性アプローチ(経皮的神経電気刺激法、脊髄後柱刺激)、物療医学的アプローチ(理学療法、装具デバイス、ジアテルミー)、または心理学的アプローチ(認知的方法−催眠術、生体フィードバック、または行動論的方法)もまた、利用され得る。さらなる適切な治療剤またはアプローチは、The Merck Manual,第17版,Ed.Mark H.Beers and Robert Berkow,Merck Research Laboratories,1999およびFood and Drug Administrationウェブサイト,www.fda.gov(これらの内容全体は、本明細書に参考として援用される)において一般的に記載される。
【0143】
本発明の組成物中に存在するさらなる治療剤の量は、唯一の活性剤としてその治療剤を含む組成物において通常投与される量よりも多くない。好ましくは、現在開示される組成物中のさらなる治療剤の量は、唯一の治療的に活性な薬剤としてその薬剤を含む組成物中に通常存在する量の約50%〜100%の範囲である。
【0144】
本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な組成物はまた、埋め込み可能な医療デバイス(例えば、プロステーシス)、人工弁、代用血管、ステントおよびカテーテルをコーティングするための組成物中に組み込まれ得る。したがって、本発明は、他の局面において、埋め込み可能なデバイスをコーティングするための、上で一般的に記載されるような本発明の化合物、および本明細書中のクラスおよびサブクラスにおいて、その埋め込み可能なデバイスをコーティングするために適切なキャリアを含む組成物を包含する。さらに別の局面において、本発明は、上で一般的に記載されるような本発明の化合物、および本明細書中のクラスおよびサブクラスにおいて、その埋め込み可能なデバイスをコーティングするために適切なキャリアを含む組成物によってコーティングされた埋め込み可能なデバイスを包含する。適切なコーティングおよびコーティングされた埋め込み可能なデバイスの一般的な調製は、米国特許第6,099,562号;同第5,886,026号;および同第5,304,121号において記載される。上記コーティングは、代表的に、生体適合性のポリマー材料(例えば、ヒドロゲルポリマー、ポリメチルジシロキサン、ポリカプロラクトン、ポリエチレングリコール、ポリ乳酸、エチレンビニルアセテート、およびその混合物)である。上記コーティングは、必要に応じて、上記組成物において制御された放出特性を与えるためにフルオロシリコーン、ポリサッカリド、ポリエチレングリコール、リン脂質またはその組合せの適切なトップコートによってさらに覆われ得る。
【0145】
本発明の化合物は、有効量の上記化合物の投与を包含する患者(例えば、CGRPレセプターの拮抗作用を必要とする哺乳類)におけるCGRPレセプターの拮抗作用の方法において有用である。本発明は、CGRPレセプターのアンタゴニストとして本明細書で開示される化合物の使用に関する。霊長類(特に、ヒト)に加えて、種々の他の哺乳類が、本発明の方法に従って処置され得る。
【0146】
本発明の別の実施形態は、患者におけるCGRPレセプターが関与する疾患または障害の危険性の処置、制御、寛解、または減少のための方法に関し、その方法は、その患者に治療有効量のCGRPレセプターのアンタゴニストである化合物を投与することを包含する。
【0147】
本発明は、さらに、ヒトおよび動物におけるCGRPレセプター活性の拮抗作用のための医薬の製造のための方法に関し、その方法は、本発明の化合物と薬学的なキャリアまたは希釈剤とを組み合わせることを包含する。
【0148】
本発明の方法において処置される被験体は、一般的に、CGRPレセプター活性の拮抗作用が記載される哺乳類(例えば、ヒト(男性または女性))である。用語「治療有効量」は、研究者、獣医師、医師または他の臨床家によって探索される組織、系、動物またはヒトの生物学的応答または医学的応答を誘発する本発明の化合物の量を意味する。本明細書中で使用される場合、用語「処置」とは、特に、このような疾患または障害に対する素因を有する患者における言及された状態の処置および予防または予防的治療をいう。
【0149】
本発明の化合物がCGRPアンタゴニストとして作用する能力は、それらの化合物をヒトおよび動物(しかし、特にヒト)においてCGRPに関与する障害に対して有用な薬理学的因子にする。
【0150】
本発明の化合物は、以下の状態または疾患の1つ以上の危険性を処置すること、予防すること、寛解させること、制御することまたは危険性を減少させることにおける有用性を有する:頭痛;片頭痛;群発頭痛;慢性緊張型頭痛;疼痛;慢性疼痛;神経原性炎症および炎症痛;神経原性疼痛;眼痛;歯痛;糖尿病;インスリン非依存性糖尿病;血管障害;炎症;関節炎;気管支過敏症、喘息;ショック;敗血症;オピエート退薬症候群;モルヒネ耐性;男性および女性におけるのぼせ;アレルギー性皮膚炎;脳炎;脳の外傷;癲癇;神経変性疾患;皮膚疾患;神経原性の皮膚発赤、皮膚の酒さおよび紅斑;耳鳴;炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、膀胱炎;ならびにCGRPレセプターの拮抗作用によって処置または予防され得る他の状態。片頭痛および群発頭痛を含む頭痛の急性処置または予防的処置は、特に重要である。
【0151】
本発明の化合物は、本明細書に記載される疾患、障害および状態の危険性の予防、処置、制御、寛解、または減少のための方法においてさらに有用である。
【0152】
本発明の化合物は、他の薬剤と組み合わせて、上述の疾患、障害および状態の危険性の予防、処置、制御、寛解、または減少のための方法においてさらに有用である。
【0153】
本発明の化合物は、式Iの化合物または他の薬物が有用性を有し得る疾患または状態の危険性の処置、予防、制御、寛解、または減少において1つ以上の他の薬物と組み合わせて使用され得、薬物を一緒に組み合わせることは、いずれかの薬物単独よりも安全か、または有効である。このような他の薬剤は、ある経路およびその経路のために一般的に使用される量で、式Iの化合物と同時かまたは連続的に投与され得る。式Iの化合物が1つ以上の他の薬物と同時に使用される場合、このような他の薬物と式Iの化合物とを含む単位投薬形態の薬学的組成物が、好ましい。しかし、併用療法はまた、式Iの化合物および1つ以上の他の薬物がことなる重複するスケジュールにおいて投与される併用療法を含み得る。本発明の化合物および他の活性成分は、1つ以上の他の活性成分と組み合わせて使用される場合、各々が単独で使用される場合よりも低い用量で使用され得ることもまた、企図される。したがって、本発明の薬学的組成物は、式Iの化合物に加えて1つ以上の他の活性成分を含むものを含む。
【0154】
例えば、本発明の化合物は、抗炎症剤もしくは鎮痛剤または抗片頭痛剤(例えば、エルゴタミンまたは5−HT.sub.1アゴニスト、特に、5−HT.sub.1B/1Dアゴニスト(例えば、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、アルモトリプタン、フロバトリプタン、ドニトリプタン(donitriptan)、およびリザトリプタン);選択的シクロオキシゲナーゼ−2インヒビターなどシクロオキシゲナーゼインヒビター(例えば、ロフェコキシブ、エトリコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブまたはパラコキシブ(paracoxib));非ステロイド系抗炎症剤またはサイトカイン抑制性抗炎症剤(例えば、アスピリン、イブプロフェン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、スリンダク、メロキシカム、ピロキシカム、テノキシカム、ロルノキシカム、ケトロラク、エトドラク、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、トルフェナム酸、ジクロフェナク、オキサプロジン、アパゾン、ニメスリド、ナブメトン、テニダップ、エタネルセプト、トルメチン、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、ジフルニサル、サルサラート、オルサラジンまたはスルファサラジンなどの化合物を含む);あるいはステロイド系鎮痛剤)と組み合わせて使用され得る。同様に、本発明の化合物は、アセトアミノフェン、フェナセチン、コデイン、フェンタニル、スフェンタニル、メサドン、アセチルメタゾール(acetyl methadol)、ブプレノルフィンまたはモルヒネなどの鎮痛薬(pain reliever)と一緒に投与され得る。
【0155】
さらに、本発明の化合物は、インターロイキン−1インヒビターなどのインターロイキンインヒビター;NK−1レセプターアンタゴニスト(例えば、アプレピタント;NMDAアンタゴニスト;NR2Bアンタゴニスト;ブラジキニン−1レセプターアンタゴニスト;アデノシンA1レセプターアゴニスト;ナトリウムチャネルブロッカー(例えば、ラモトリジン);酢酸レボメタジルまたは酢酸メタジルなどのオピエートアゴニスト;5−リポキシゲナーゼのインヒビターなどのリポキシゲナーゼインヒビター;αレセプターアンタゴニスト(例えば、インドラミン);αレセプターアゴニスト;バニロイドレセプターアンタゴニスト;mGluR5アゴニスト、mGluR5アンタゴニストまたはmGluR52ポテンシエーター;GABA Aレセプター調節因子(例えば、アカンプロセートカルシウム;ニコチンレセプターアンタゴニストまたはニコチンレセプターアゴニスト(ニコチンを含む);ムスカリンレセプターアゴニストまたはムスカリンレセプターアンタゴニスト;選択的セロトニン取り込みインヒビター(例えば、フルキセチン、パロキセチン、セルトラリン、デュロキセチン、エシタロプラム、またはシタロプラム;三環系抗鬱剤(例えば、アミトリプチリン、ドキセピン、プロトリプチリン、デシプラミン、トリミプラミン、またはイミプラミン);ロイコトリエンアンタゴニスト(例えば、モンテルカストまたはザフィルルカスト);一酸化窒素のインヒビターまたは一酸化窒素合成のインヒビター)と組み合わせて使用され得る。
【0156】
また、本発明の化合物は、麦角アルカロイド(例えば、エルゴタミン、エルゴノビン、エルゴノビン、メチルエルゴノビン、メテルゴリン、メシル酸エルゴロイド、ジヒドロエルゴタミン、ジヒドロエルゴコルニン(ergocornine)、ジヒドロエルゴクリスチン(ergocristine)、ジヒドロエルゴクリプチン、ジヒドロ−I−エルゴクリプチン、ジヒドロ−シータ−エルゴクリプチン、エルゴトキシン、エルゴコルニン、ジヒドロエルゴクリスチン、エルゴクリプチン、I−エルゴクリプチン、シータ−エルゴクリプチン、エルゴシン(ergosine)、エルゴスタン、ブロモクリプチン、またはメチセルジド)と組み合わせて使用され得る。
【0157】
さらに、本発明の化合物は、βアドレナリンレセプターアンタゴニスト(例えば、チモロール、プロプラノロール、アテノロール、またはナドロールなど);MAOインヒビター(例えば、フェネルジン);カルシウムチャネルブロッカー(例えば、フルナリジン、ニモジピン、ロメリジン、ベラパミル、ニフェジピン、プロクロルペラジンまたはガバペンチン);神経遮断剤(オンザピンおよびクエチアピン);トピラマート、ゾニサミド、トナベルサト(tonabersat)、カラベルサト(carabersat)またはジバルプロエクスナトリウムなどの抗痙攣剤;アンギオテンシンIIアンタゴニスト(例えば、ロサルタンおよびカンデサルタンシレキセチル);リシノプリルなどアンギオテンシン変換酵素インヒビター;あるいはA型ボツリヌス毒素と組み合わせて使用され得る。
【0158】
本発明の化合物は、カフェイン、H2−アンタゴニスト、シメチコン、アルミニウムまたは水酸化マグネシウムなどのポテンシエーター;フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、シュードエフェドリン、オキシメタゾリン、エピネフリン、ナファゾリン、オキシメタゾリン、プロピルヘキセドリン、またはレボ−デソキシ−エフェドリン(levo−desoxy−ephedrine)などのうっ血除去薬;コデイン、ヒドロコドン、カラミフェン、カルベタペンタン、またはデキストロメトルファンなどの鎮咳剤;利尿剤;メトクロプラミドまたはドンペリドンなどの消化管運動改善剤、および鎮静性抗ヒスタミン剤または非鎮静性抗ヒスタミン剤と組み合わせて使用され得る。
【0159】
特に好ましい実施形態において、本発明の化合物は、抗片頭痛剤(例えば:エルゴタミン;5−HT.sub.1アゴニスト、特に、5−HT.sub.1B/1Dアゴニスト(特に、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、アルモトリプタン、フロバトリプタン、ドニトリプタン、およびリザトリプタン);および選択的シクロオキシゲナーゼ−2インヒビターなどのシクロオキシゲナーゼインヒビター(特に、ロフェコキシブ、エトリコキシブ、セレコキシブ、メロキシカム、バルデコキシブまたはパラコキシブ)と組み合わせて使用される。
【0160】
上記組合せは、本発明の化合物と、1つの他の活性化合物だけではなく、2つ以上の他の活性化合物との組合せを含む。同様に、本発明の化合物は、本発明の化合物が有用である疾患または状態の危険性の予防、処置、制御、寛解、または減少において使用される他の薬物と組み合わせて使用され得る。このような他の薬物は、ある経路およびその経路のために一般的に使用される量で、式Iの化合物と同時かまたは連続的に投与され得る。本発明の化合物が1つ以上の他の薬物と同時に使用される場合、本発明の化合物に加えてこのような他の薬物を含む薬学的組成物が、好ましい。したがって、本発明の薬学的組成物は、本発明の化合物に加えて1つ以上の他の活性成分をまた含むものを含む。
【0161】
他の活性成分に対する本発明の化合物の化合物重量比は、変動し得、そして各活性成分の有効用量に依存する。一般に、各々の有効用量が、使用される。したがって、例えば、本発明の化合物が別の薬剤と組み合わされる場合、他の薬剤に対する本発明の化合物の化合物重量比は、一般に、約1000:1〜約1:1000、または約200:1〜約1:200の範囲である。本発明の化合物と他の活性成分との組合せはまた、一般に、上述の範囲内であるが、各々の場合において、各活性成分の有効用量が、使用されるべきである。
【0162】
このような組合せにおいて、本発明の化合物および他の活性因子は、別個かまたは組み合わせて投与され得る。さらに、1つのエレメントの投与は、他の薬剤の投与前、他の薬剤の投与と同時、または他の薬剤の投与後であり、かつ同じかまたは異なる投与経路によるものであり得る。
【0163】
本発明の化合物は、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、槽内の注射または注入、皮下注射、あるいは移植)で投与されても、吸入スプレー、鼻腔内投与経路、膣投与経路、直腸投与経路、舌下投与経路、または局所投与経路によって投与されてもよく、そして各投与経路に適した従来の非毒性の薬学的に受容可能なキャリア、佐剤およびビヒクルを含む適切な投薬単位処方物中に、単独かまたは一緒に処方され得る。恒温動物の処置に加えて、本発明の化合物は、ヒトにおける使用に有効である。
【0164】
本明細書に記載される本発明がより完全に理解され得るために、以下の実施例が示される。これらの実施例は例示のみを目的とするものであり、任意の様式で本発明を限定すると解釈されないことが、理解されるべきである。
【実施例】
【0165】
(1’,3’−ジヒドロスピロ[イミダゾリジン−4,2’−インデン]−2,5−ジオン)
【0166】
【化24】

エタノール(150ml)および水(150ml)中の2−インダノン(67.8mmol、9g)および炭酸アンモニウム(684mmol、66g)の溶液に、NaCN(201.9mmol、9.9g)を添加し、そして反応混合物を、70℃にて3時間にわたって撹拌した。その反応混合物を、0℃に冷却し、そして沈殿した生成物を、濾過し、水(4×)によって洗浄し、そして乾燥した。LC/MS(10%〜99%):M/Z(M+H)(obs)=203;t=1.78。
【0167】
(5’−ニトロ−1’,3’−ジヒドロスピロ[イミダゾリジン−4,2’−インデン]−2,5−ジオン)
【0168】
【化25】

0℃の濃HNO(30ml)溶液に、1’,3’−ジヒドロスピロ[イミダゾリジン−4,2’−インデン]−2,5−ジオン(3g)を少しずつ添加した。冷却浴を、取り外し、そして反応混合物を、室温で1.5時間にわたって撹拌した。その反応混合物を、氷に注ぎ、そして沈殿した生成物を、濾過し、水によって洗浄し、そして乾燥した。LC/MS(10%〜99%):M/Z(M+H)(obs)=248;t=1.82。
【0169】
(5’−アミノ−1’,3’−ジヒドロスピロ[イミダゾリジン−4,2’−インデン]−2,5−ジオン)
【0170】
【化26】

1:1のEtOAc:MeOH(300ml)中の5’−ニトロ−1’,3’−ジヒドロスピロ[イミダゾリジン−4,2’−インデン]−2,5−ジオン(10.1mmol、2.5g)および10% Pd/C(0.25g)を、H(1atm)下で1.5時間にわたって撹拌した。溶液を、濾過し、そしてエバポレートして、表題化合物を褐色固体として得た。その表題化合物を、さらに精製することなく使用した.LC/MS(10%〜99%):M/Z(M+H)(obs)=218;t=2.4。
【0171】
(2−エチル−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−3(4H)−オン)
【0172】
【化27】

DMF(10ml)中の2−ブロモブタン酸(11mmol、2145mg)に、EDC(12mmol、2.3g)およびHOBt(5mmol、675mg)を添加し、次いで2−アミノフェノール(10mmol、1091mg)を添加した。反応混合物を、室温で2時間にわたって撹拌し、水によって希釈し、そして酢酸エチルによって抽出した。有機相を、水、ブラインによって洗浄し、NaSOで乾燥し、そして減圧下で濃縮した。DMF(5ml)中の粗生成物に、KCO(1.6g)を添加し、そして反応混合物を、室温で一晩撹拌した。その反応混合物を、水によって希釈し、そしてEtOAcによって抽出した。有機層を、1N HCl、飽和NaHCOによって洗浄し、NaSOで乾燥し、そして乾燥状態になるまでエバポレートした。カラムクロマトグラフィによる精製は、所望の生成物を白色固体として与えた。LC/MS(10%〜99%):M/Z(M+H)(obs)=178;t=2.36。
【0173】
(2−(2−エチル−3−オキソ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−4(3H)−イル)酢酸)
【0174】
【化28】

DMF(2ml)中の2−エチル−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−3(4H)−オン(1.5mmol、260mg)の溶液に、NaH(1.8mmol、43mg)を添加し、そして反応混合物を、室温で1時間にわたって撹拌し、その後、ブロモ酢酸エチルを(1.5mmol、250mg)を滴下した。その反応混合物を、室温で一晩撹拌し、水によって希釈し、そして酢酸エチルによって抽出した。有機層を、1N HCl、飽和NaHCOによって洗浄し、NaSOで乾燥し、そして乾燥状態になるまでエバポレートした。粗化合物を、MeOH(3ml)および1N NaOH(3ml)に溶解し、そして室温で2時間にわたって撹拌した。MeOHを、減圧下で除去し、そして残りの水溶液を、EtOAcによって抽出した。水層を、1N HClによってpH2まで酸性化し、そしてEtOAcによって抽出した。有機相を、NaSOで乾燥し、そして溶媒を、エバポレートして、表題化合物を得た。LC/MS(10%〜99%):M/Z(M+H)(obs)=236;t=2.4。
【0175】
(N−(2,5−ジオキソ−1’,3’−ジヒドロスピロ[イミダゾリジン−4,2’−インデン]−5’−イル)−2−(2−エチル−3−オキソ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−4(3H)−イル)アセトアミド)
【0176】
【化29】

DMF(1ml)中の2−(2−エチル−3−オキソ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−4(3H)−イル)酢酸(0.2mmol、47mg)、5’−アミノ−1’,3’−ジヒドロスピロ[イミダゾリジン−4,2’−インデン]−2,5−ジオン(0.2mmol、43mg)およびDPEA(0.6mmol、104.5μl)の溶液に、HATU(0.2mmol、76mg)を添加し、そして反応混合物を、室温で16時間にわたって撹拌した。10%〜99% CHCN(0.035% TFA)/HO(0.05% TFA)を使用した分取用逆相HPLCによる精製は、表題化合物を与えた。LC/MS(10%〜99%):M/Z(M+H)(obs)=435.2;t=2.71.H NMR(400MHz,CDCl)δ 9.39(s,1H),7.68(s,1H),7.48(s,1H),7.24(q,1H),7.03(d,1H),6.87−6.92(m,4H),4.65(q,2H),4.41(q,1H),3.34(q,2H),3.00(q,2H),1.78(m,2H),0.94(t,3H)。
【0177】
(2−ブチル−2H−ベンゾ[b][1,4]チアジン−3(4H)−オン)
【0178】
【化30】

DMF(10ml)中の2−ブロモヘキサン酸(10mmol、1951mg)の溶液に、2−アミノチオフェノール(10mmol、1252mg)およびKCO(50mmol、9.9g)添加し、そして反応混合物を、室温で1時間にわたって撹拌した。EDC(10mmol、1917mg)およびHOBt(10mmol、1351mg)を、添加し、そしてその反応混合物を、室温でさらに1.5時間にわたって撹拌した。その反応混合物を、1N HClによって希釈し、そして酢酸エチルによって抽出した。有機相を、飽和NaHCO、ブラインによって洗浄し、NaSOで乾燥し、次いでシリカゲルのショートプラグを通して濾過した。溶媒のエバポレーションは、生成物を黄色固体として与えた。その生成物を、さらに精製することなく使用した。LC/MS(10%〜99%):M/Z(M+H)(obs)=222.0;t=3.07。
【0179】
(2−(2−ブチル−3−オキソ−2H−ベンゾ[b][1,4]チアジン−4(3H)−イル)酢酸
【0180】
【化31】

DMF(5ml)中の2−ブチル−2H−ベンゾ[b][1,4]チアジン−3(4H)−オン(6.3mmol、1400mg)の溶液に、NaH(6.9mmol、167mg)を添加し、そして反応混合物を、室温で1時間にわたって撹拌し、その後、ブロモ酢酸エチル(6.3mmol、1052mg)を滴下した。その反応混合物を、室温で一晩撹拌し、水によって希釈し、そして酢酸エチルによって抽出した。有機層を、1N HCl、飽和NaHCOによって洗浄し、NaSOで乾燥し、そして乾燥状態になるまでエバポレートした。粗化合物を、MeOH(10ml)および1N NaOH(10ml)に溶解し、そして室温で2時間にわたって撹拌した。MeOHを、減圧下で除去し、そして残った水溶液を、EtOAcによって抽出した。水層を、1N HClによってpH2まで酸性化し、そしてEtOAcによって抽出した。有機相を、NaSOで乾燥し、そして溶媒を、エバポレートして、表題化合物を得た。LC/MS(10%〜99%):M/Z(M+H)(obs)=280.2;t=3.01。
【0181】
(2−(2−ブチル−3−オキソ−2H−ベンゾ[b][1,4]チアジン−4(3H)−イル)−N−(2,5−ジオキソ−1’,3’−ジヒドロスピロ[イミダゾリジン−4,2’−インデン]−5’−イル)アセトアミド)
【0182】
【化32】

DMF(1ml)中の2−(2−ブチル−3−オキソ−2H−ベンゾ[b][1,4]チアジン−4(3H)−イル)酢酸(0.2mmol、56mg)、5’−アミノ−1’,3’−ジヒドロスピロ[イミダゾリジン−4,2’−インデン]−2,5−ジオン(0.2mmol、43mg)およびDPEA(0.6mmol、104.5μl)の溶液に、HATU(0.2mmol、76mg)を添加し、そして反応混合物を、室温で16時間にわたって撹拌した。10%〜99% CHCN(0.035% TFA)/HO(0.05% TFA)を使用した分取用逆相HPLCによる精製は、表題化合物を与えた。LC/MS(10%〜99%):M/Z(M+H)(obs)=479.2;t=3.18。H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.19(s,1H),7.55(d,1H),7.42(q,1H),7.25−7.33(m,2H),7.16(d,1H),7.07−7.15(m,2H),4.86(d,1H),4.60(d,1H),3.59(t,1H),3.27−3.34(m,2H),2.97−3.04(m,2H),1.6(m,1H),1.24−1.28(m,5H),0.83(t,3H)。
【0183】
特定の本発明の化合物についての分析データは、表5で以下に示される。
【0184】
【表5】

(SK−N−MC−BLA(4C10)を使用するCGRP機能拮抗作用の測定)
CGRP機能拮抗作用を、組換えSK−N−MC株を使用する細胞ベースの転写アッセイにおいて特徴付けた。転写レセプター系(transcriptional reporter system)を導入するために、SK−N−MC細胞株を、cAMP応答性プロモーターの下流にβ−ラクタマーゼ遺伝子を含むレトロウイルスベクターによって形質導入した。β−ラクタマーゼの発現は、内因性CGRPレセプターの活性化の下流の事象であるcAMP増大によって誘発される。単一クローンを、CGRP誘導性β−ラクタマーゼ活性に基づく蛍光標示式細胞分取器(FACS)を使用して分離した。β−ラクタマーゼ活性を、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)色素CCF4を使用して測定した。CCF4は、β−ラクタマーゼ(Zlokarnik Gら,Science,279(5347):84−88,1998)の基質であり、そして親の基質から異なる蛍光シグナルを有する産物へと切断される。4C10クローンを、異なる濃度のCGRPおよび先に公開された値を伴う一貫した薬理学に対して、用量依存性のβ−ラクタマーゼ発現に関して選択した。SK−N−MC(4C10)株における化合物の機能的アンタゴニスト活性を評価するために、化合物を、CGRPの存在においてβ−ラクタマーゼ発現のそれらの阻害について評価した。
【0185】
SK−N−MC(4C10)を、1mMの非必須アミノ酸溶液(Invitrogen)、100ユニット/mlのペニシリン−ストレプトマイシン(Invitrogen)、1mMのピルビン酸ナトリウム(Invitrogen)および10%ウシ胎仔血清を補充したMinimal Essential Media(MEM)(Invitrogen)で培養した。上記β−ラクタマーゼアッセイのために、低い血清(MEM中の1% FBS)を、使用した。30,000個の細胞を、アッセイの前日に、ポリ−D−リジンコーティングされた384ウェルプレート(Becton Dickinson)の各ウェルにプレートした。SK−N−MC(4C10)を、200pMのCGRPの添加前に化合物と一緒に30分間にわたってプレインキュベートした。上記アッセイを、37℃にて3時間にわたってインキュベートし、β−ラクタマーゼを発現させた。CCF4色素を、添加し、そして室温で2時間にわたってインキュベートした。蛍光シグナルを、蛍光プレートリーダー(生成物に関して励起波長、400nmおよび放出波長、460nmならびに親に関して535nmにおけるTopology Compensatory Plate Reader(tcPR))を使用して読み取った。535nmに対する460nmの値の比を使用して、活性化の%を算出した。カーブフィッティングおよびIC50の算出を、MOD3を使用して行った。
【0186】
(化合物のKを算出するためのI125−CGRP結合置換アッセイ)
精製したSK−N−MC膜を、Perkin Elmerから購入した。その膜を、迅速に解凍し、そして氷上においた。上記化合物を、CGRP結合溶液(25MmのTris−HCl(pH7.4)、5mMのMgCl、0.1%のBSAおよび0.05%のTween)で希釈した。上記膜を、上記結合溶液で1:20に希釈し、そしてTissue Matster−50 Homogenizer(Omni International)によって30秒間にわたってホモジネートした。ホモジネートした膜を、結合溶液中で化合物に添加した。室温で10分間インキュベートした後、46pMの最終濃度のI125−インドチロシル(iodotyrosyl)−カルシトニン遺伝子関連ペプチド(GE healthcare)を、上記膜および化合物に添加した。室温にて2時間にわたってインキュベートした後、反応を、0.5% PEI処理されたGF/Cフィルタープレート(Perkin Elmer)を通して急速濾過することによって停止させ、そしてそのフィルタープレートを、氷冷した洗浄溶液(50mMのTris HCl(pH7.4)、5mMのMgCl2および0.1% BSA)によって細胞収集器(Tomtec)を使用して洗浄した。そのフィルタープレートの放射活性を、Topcount(Packard)上で読み取った。非特異的結合を、1μMの標識されていないCGRPをI125−CGRPの添加前に上記膜と一緒にプレインキュベートしたコントロール反応において決定した。全結合を、化合物の非存在下における上記膜とI125−CGRPとのコントロール反応において決定した。化合物によるI125−CGRPの置換の%を、非特異的な全結合コントロールを使用して算出した。カーブフィッティングを、MOD3を使用して行った。化合物のKiを、上記膜に対するCGRPのKdおよび上記アッセイに使用したI125−CGRPの量を使用して、ChengおよびPrusoff(Cheng Y.,Prusoff W.H.,Biochem.Pharmacol.22:3099−3108,1973)の方程式によって算出した。
【0187】
表1〜4における本発明の例示的な化合物は、上に記載したI125−CGRP結合アッセイおよび上に記載したCGRP機能拮抗作用アッセイにおいて、CGRPのアンタゴニストであることが見出された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化33】

の化合物またはその薬学的に受容可能な塩であって;
NR基は、炭素原子1または炭素原子2にてフェニル環に結合し;
Xは、O、NR、S、SO、またはSOであり;
は、水素または4個までのR置換基によって必要に応じて置換されたC1〜C6脂肪族であり;
環Aは、O、N、S、SO、またはS(O)から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する4員〜7員の複素環であり、該複素環が、フェニルあるいはO、N、S、SO、またはS(O)から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する5員〜7員の複素環またはヘテロアリール環に必要に応じて縮合しており;環Aは、少なくとも1個のオキソ置換基を有し;
環Aは、該必要に応じて縮合した環と一緒に、5個までのR置換基によって必要に応じて置換されており;
mは、1〜3であり;
pは、1〜3であり;
nは、1〜4であり;
Yは、結合、C(R、または−C(R−C(R−であるか;
あるいは−X−Y−は、−C(R−C(R−、−C(R−C(R−C(R−、−C(R−NR−または−C(R−C(R−NR−であり;
各Rは、独立して、水素、ハロ、アリール、ヘテロアリール、C1〜C6脂肪族、C1〜C6ヘテロ脂肪族、アリール−C1〜C6脂肪族、アリール−C1〜C6ヘテロ脂肪族、ヘテロアリール−C1〜C6脂肪族、ヘテロアリール−C1〜C6ヘテロ脂肪族、またはQ−Rであり、Rは、5個までのR置換基によって必要に応じて置換されているか;あるいは
2つのRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、3員〜9員の脂環式環または複素環を形成し、該複素環が、O、S、およびNから選択される3個までのヘテロ原子を有し;ここで該環が、3個までのR置換基によって必要に応じて置換されており;
各Rは、独立して、水素、ハロ、アリール、ヘテロアリール、C1〜C6脂肪族、C1〜C6ヘテロ脂肪族、アリール−C1〜C6脂肪族、ヘテロアリール−C1〜C6脂肪族であり、Rは、5個までのR置換基によって必要に応じて置換されているか;あるいは
2つのRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、3員〜9員の脂環式環または複素環を形成し、該複素環が、O、S、およびNから選択される3個までのヘテロ原子を有し;ここで該環が、3個までのR置換基によって必要に応じて置換されており;
、R、R、R、およびRの各出現は、独立して、Q−Rであり;
Qは、結合であるか、あるいはQのうちの隣接していないメチレン単位の2つまでがCO、CO、COCO、CONR、OCONR、NRNR、NRNRCO、NRCO、NRCO、NRCONR、SO、SO、NRSO、SONR、NRSONR、O、S、またはNRによって必要に応じて置換されているC1〜C6脂肪族鎖であり;
の各出現は、独立して、R’、ハロゲン、NO、CN、OR’、SR’、N(R’)、NR’C(O)R’、NR’C(O)N(R’)、NR’COR’、C(O)R’、COR’、OC(O)R’、C(O)N(R’)、OC(O)N(R’)、SOR’、SOR’、SON(R’)、NR’SOR’、NR’SON(R’)、C(O)C(O)R’、またはC(O)CHC(O)R’から選択され;
Rの各出現は、独立して、水素あるいは必要に応じて置換されたC1〜C6脂肪族基またはC1〜C6ヘテロ脂肪族から選択され;そして
R’の各出現は、独立して、水素またはC1−8脂肪族、C6−10アリール、5個〜10個の環原子を有するヘテロアリール環、もしくは3個〜10個の環原子を有するヘテロシクリル環から選択される必要に応じて置換された基から選択されるか、あるいはRおよびR’、またはR’の2つの出現は、それらが結合する原子と一緒になって、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0個〜3個のヘテロ原子を有する3員〜8員のシクロアルキル環、ヘテロシクリル環、アリール環、またはヘテロアリール環を形成する;
化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
【請求項2】
mは、1であり、そしてpは、1である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Xは、O、NR、S、SO、またはSOであり、そしてYは、結合、C(R、または−C(R−C(R−である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
Xは、OまたはSである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
Yは、結合である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
Yは、C(Rである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
Yは、−C(R−C(R−である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
各Rは、水素である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
1つのRは、1個以上のハロ、OH、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルコキシカルボニル、またはジ−(C1〜C4アルキル)アミノによって必要に応じて置換されたC1〜C6脂肪族である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
1つのRは、C1〜C6脂肪族、シアノ、ハロ、ハロ−C1〜C6脂肪族、アリール−C1〜C6脂肪族、ヘテロアリール−C1〜C6脂肪族、アラルキルオキシ、ジ(C1〜C6脂肪族)アミノ、O−C1〜C6脂肪族、S(O)−C1〜C6脂肪族、またはS(O)−C1〜C6脂肪族から独立して選択される1個以上の置換基によって必要に応じて置換されたフェニルまたはヘテロアリールである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
1つのRは、必要に応じて置換されたC3〜C7脂環式環あるいはO、N、またはSから選択される3個までのヘテロ原子を有するヘテロ脂環式環であり、該環が、1個以上のフェニル環またはヘテロアリール環に必要に応じて縮合している、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
2つのRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、必要に応じて置換された3員〜9員である脂環式環または複素環の単環式環、二環式環、または三環式環を形成する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
1つのRは、−C(O)NH−R、−NHC(O)−R、−NHC(O)O−Rであり、Rは、必要に応じて置換されたフェニル基、ヘテロアリール基または複素環式基である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
両方のRは、水素である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
一方のRは、水素であり、そして他方のRは、1個以上のハロ、OH、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルコキシカルボニル、またはジ−(C1〜C4アルキル)アミノによって必要に応じて置換されたC1〜C6脂肪族である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項16】
は、水素である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項17】
各Qは、独立して、結合あるいはQのうちの隣接していないメチレン単位の2つまでが、CO、CO、CONR、OCONR、NRCO、NRCO、NRCONR、SO、SO、NRSO、SONR、NRSONR、O、S、またはNRによって必要に応じて置換されているC1〜C6脂肪族鎖であり、Rが、水素またはC1〜C6アルキルである、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項18】
各Rは、独立して、R’である、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
各Rは、ハロゲン、NO、CN、OR’、SR’、N(R’)、NR’C(O)R’、NR’C(O)N(R’)、NR’COR’、C(O)R’、COR’、OC(O)R’、C(O)N(R’)、OC(O)N(R’)、SOR’、SOR’、SON(R’)、NR’SOR’、NR’SON(R’)、C(O)C(O)R’、またはC(O)CHC(O)R’から選択される、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
R’は、水素である、請求項18または19のいずれかに記載の化合物。
【請求項21】
R’は、ハロ、CN、CF、CHF、OCF、またはOCHFから選択される3個までの置換基によって必要に応じて置換されたC1〜C8脂肪族基であり、該C1〜C8脂肪族のメチレン単位の2つまでが、−CO−、−CONH(C1〜C4アルキル)−、−CO−,−OCO−、−N(C1〜C4アルキル)CO−、−O−、−N(C1〜C4アルキル)CON(C1〜C4アルキル)−、−OCON(C1〜C4アルキル)−、−N(C1〜C4アルキル)CO−、−S−、−N(C1〜C4アルキル)−、−SON(C1〜C4アルキル)−、N(C1〜C4アルキル)SO−、または−N(C1〜C4アルキル)SON(C1〜C4アルキル)−によって必要に応じて置換されている、請求項18または19のいずれかに記載の化合物。
【請求項22】
R’は、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0個〜3個のヘテロ原子を有する3員〜8員である飽和、部分的に不飽和、または完全に不飽和の単環式環であり、R’が、ハロ、CN、CF、CHF、OCF、OCHF、またはC1〜C6アルキルから選択される3個までの置換基によって必要に応じて置換されており、該C1〜C6アルキルのメチレン単位の2つまでが、−CO−、−CONH(C1〜C4アルキル)−、−CO−、−OCO−、−N(C1〜C4アルキル)CO−、−O−、−N(C1〜C4アルキル)CON(C1〜C4アルキル)−、−OCON(C1〜C4アルキル)−、−N(C1〜C4アルキル)CO−、−S−、−N(C1〜C4アルキル)−、−SON(C1〜C4アルキル)−、N(C1〜C4アルキル)SO−、または−N(C1〜C4アルキル)SON(C1〜C4アルキル)−によって必要に応じて置換されている、請求項18または19のいずれかに記載の化合物。
【請求項23】
R’は、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0個〜5個のヘテロ原子を有する8員〜12員である飽和、部分的に不飽和、または完全に不飽和の二環式環系であり;R’が、ハロ、CN、CF、CHF、OCF、OCHF、またはC1〜C6アルキルから選択される3個までの置換基によって必要に応じて置換されており、該C1〜C6アルキルのメチレン単位の2つまでが、−CO−、−CONH(C1〜C4アルキル)−、−CO−、−OCO−、−N(C1〜C4アルキル)CO−、−O−、−N(C1〜C4アルキル)CON(C1〜C4アルキル)−、−OCON(C1〜C4アルキル)−、−N(C1〜C4アルキル)CO−、−S−、−N(C1〜C4アルキル)−、−SON(C1〜C4アルキル)−、N(C1〜C4アルキル)SO−、または−N(C1〜C4アルキル)SON(C1〜C4アルキル)−によって必要に応じて置換されている、請求項18または19のいずれかに記載の化合物。
【請求項24】
R’の2つの出現は、それらが結合する原子と一緒になって、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0個〜4個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された3員〜12員である飽和、部分的に不飽和、または完全に不飽和の単環式環または二環式環を形成し、R’が、ハロ、CN、CF、CHF、OCF、OCHF、またはC1〜C6アルキルから選択される3個までの置換基によって必要に応じて置換されており、該C1〜C6アルキルのメチレン単位の2つまでが、−CO−、−CONH(C1〜C4アルキル)−、−CO−、−OCO−、−N(C1〜C4アルキル)CO−、−O−、−N(C1〜C4アルキル)CON(C1〜C4アルキル)−、−OCON(C1〜C4アルキル)−、−N(C1〜C4アルキル)CO−、−S−、−N(C1〜C4アルキル)−、−SON(C1〜C4アルキル)−、N(C1〜C4アルキル)SO−、または−N(C1〜C4アルキル)SON(C1〜C4アルキル)−によって必要に応じて置換されている、請求項18または19のいずれかに記載の化合物。
【請求項25】
環Aは:
【化34】

であって;
Jは、C(O)、C(R、=N−、−NR6b、または=CR6aから選択され;
Kは、C(O)、SO2、=N−、−NR6b、=CR6b、またはC(Rから選択され;
各Rは、独立して、水素であるか、オキソ、ハロ、−OH、−O−C1〜C6脂肪族、NH、NH(C1〜C6脂肪族)、またはN(C1〜C6脂肪族)から選択される5個までの置換基によって必要に応じて置換されたC1〜C6脂肪族であり;
各R6aおよびR6bは、独立して、水素、ハロ、CN、−OH、−O−C1〜C6脂肪族、NH、NH(C1〜C6脂肪族)、またはN(C1〜C6脂肪族)、オキソ、ハロ、−OH、−O−C1〜C6脂肪族、NH、NH(C1〜C6脂肪族)、もしくはN(C1〜C6脂肪族)から選択される5個までの置換基によって必要に応じて置換されたC1〜C6脂肪族、5個までのQ−R置換基によって必要に応じて置換されたフェニル、またはO、N、S、SO、もしくはSO2から選択される4個までのヘテロ原子を有する5員〜7員の複素環もしくはヘテロアリール環から選択され、該ヘテロシクリルまたはヘテロアリール環が、5個までのQ−R置換基によって必要に応じて置換されているか;あるいは
6aおよびR6bならびにそれらが結合する原子は、連結されて、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、フラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、チエニル、ジヒドロチエニル、またはジヒドロチオピラニルから選択される環を形成し、該環が、5個までのQ−R置換基によって必要に応じて置換されている;
請求項1〜24のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項26】
環Aは:
【化35】

から選択される、請求項25に記載の化合物。
【請求項27】
環Aは、a−iである、請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
前記化合物は、式I−AまたはI−B:
【化36】

の化合物またはその薬学的に受容可能な塩であって;
【化37】

が、炭素原子1または炭素原子2にてフェニル環に結合する、請求項1に記載の化合物。
【請求項29】
式I’:
【化38】

の化合物またはその薬学的に受容可能な塩であって;
NR基は、炭素原子1または炭素原子2にてフェニル環に結合し;
Xは、O、NR、S、SO、またはSOであり;
は、水素または4個までのR置換基によって必要に応じて置換されたC1〜C6脂肪族であり;
環Aは、O、N、S、SO、またはS(O)から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する4員〜7員の複素環であり、該複素環が、フェニルあるいはO、N、S、SO、またはS(O)から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する5員〜7員の複素環またはヘテロアリール環に必要に応じて縮合しており;環Aが、少なくとも1個のオキソ置換基を有し;
環Aは、該必要に応じて縮合した環と一緒に、5個までのR置換基によって必要に応じて置換されており;
mは、1〜3であり;
pは、1〜3であり;
nは、1〜4であり;
各Rは、独立して、水素、ハロ、アリール、ヘテロアリール、C1〜C6脂肪族、C1〜C6ヘテロ脂肪族、アリール−C1〜C6脂肪族、アリール−C1〜C6ヘテロ脂肪族、ヘテロアリール−C1〜C6脂肪族、ヘテロアリール−C1〜C6ヘテロ脂肪族であり、Rが、5個までのR置換基によって必要に応じて置換されているか;あるいは
2つのRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、3員〜9員の脂環式環または複素環を形成し、該複素環が、O、S、およびNから選択される3個までのヘテロ原子を有し;ここで該環が、3個までのR置換基によって必要に応じて置換されており;
各Rは、独立して、水素、ハロ、アリール、ヘテロアリール、C1〜C6脂肪族、C1〜C6ヘテロ脂肪族、アリール−C1〜C6脂肪族、ヘテロアリール−C1〜C6脂肪族であり、Rが、5個までのR置換基によって必要に応じて置換されており;あるいは
2つのRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、3員〜9員の脂環式環または複素環を形成し、該複素環が、O、S、およびNから選択される3個までのヘテロ原子を有し;ここで該環が、3個までのR置換基によって必要に応じて置換されており;
,R,R,R、およびRの各出現は、独立して、Q−Rであり;
Qは、結合であるか、あるいはQのうちの隣接していないメチレン単位の2つまでがCO、CO、COCO、CONR、OCONR、NRNR、NRNRCO、NRCO、NRCO、NRCONR、SO、SO、NRSO、SONR、NRSONR、O、S、またはNRによって必要に応じて置換されているC1〜C6脂肪族鎖であり;
の各出現は、独立して、R’、ハロゲン、NO、CN、OR’、SR’、N(R’)、NR’C(O)R’、NR’C(O)N(R’)、NR’COR’、C(O)R’、COR’、OC(O)R’、C(O)N(R’)、OC(O)N(R’)、SOR’、SOR’、SON(R’)、NR’SOR’、NR’SON(R’)、C(O)C(O)R’、またはC(O)CHC(O)R’から選択され、Rの各出現は、独立して、水素あるいは必要に応じて置換されたC1〜C6脂肪族基またはC1〜C6ヘテロ脂肪族から選択され;
R’の各出現は、独立して、水素またはC1−8脂肪族、C6−10アリール、5個〜10個の環原子を有するヘテロアリール環、もしくは3個〜10個の環原子を有するヘテロシクリル環から選択される必要に応じて置換された基から選択されるか、あるいはRおよびR’、またはR’の2つの出現は、それらが結合する原子と一緒になって、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0個〜3個のヘテロ原子を有する3員〜8員のシクロアルキル環、ヘテロシクリル環、アリール環、またはヘテロアリール環を形成する;
化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
【請求項30】
mは、1であり、そしてpは、1である、請求項29に記載の化合物。
【請求項31】
環Aは:
【化39】

であって;
Jは、C(O)、C(R、=N−、−NR6b、または=CR6aから選択され;
Kは、C(O)、SO2、=N−、−NR6b、=CR6b、またはC(Rから選択され;
各Rは、独立して、水素であるか、オキソ、ハロ、−OH、−O−C1〜C6脂肪族、NH、NH(C1〜C6脂肪族)、またはN(C1〜C6脂肪族)から選択される5個までの置換基によって必要に応じて置換されたC1〜C6脂肪族であり;
各R6aおよびR6bは、独立して、水素、ハロ、CN、−OH、−O−C1〜C6脂肪族、NH、NH(C1〜C6脂肪族)、またはN(C1〜C6脂肪族)、オキソ、ハロ、−OH、−O−C1〜C6脂肪族、NH、NH(C1〜C6脂肪族)、もしくはN(C1〜C6脂肪族)から選択される5個までの置換基によって必要に応じて置換されたC1〜C6脂肪族、5個までのQ−R置換基によって必要に応じて置換されたフェニル、またはO、N、S、SO、もしくはSO2から選択される4個までのヘテロ原子を有する5員〜7員の複素環またはヘテロアリール環から選択され、該複素環またはヘテロアリール環が、5個までのQ−R置換基によって必要に応じて置換されているか;あるいは
6aおよびR6bならびにそれらが結合する原子は、連結されて、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、フラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、チエニル、ジヒドロチエニル、またはジヒドロチオピラニルから選択される環を形成し、該環が、5個までのQ−R置換基によって必要に応じて置換されている;
請求項29または30のいずれかに記載の化合物。
【請求項32】
環Aは:
【化40】

から選択される、請求項31に記載の化合物。
【請求項33】
環Aは、a−iである、請求項32に記載の化合物。
【請求項34】
は、水素である、請求項29〜33のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項35】
Xは、OまたはSである、請求項28〜35のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項36】
各Rは、水素である、請求項28〜35のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項37】
1つのRは、1個以上のハロ、OH、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルコキシカルボニル、またはジ−(C1〜C4アルキル)アミノによって必要に応じて置換されたC1〜C6脂肪族である、請求項28〜35のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項38】
1つのRは、C1〜C6脂肪族、シアノ、ハロ、ハロ−C1〜C6脂肪族、アリール−C1〜C6脂肪族、ヘテロアリール−C1〜C6脂肪族、アラルキルオキシ、ジ(C1〜C6脂肪族)アミノ、O−C1〜C6脂肪族、S(O)−C1〜C6脂肪族、またはS(O)−C1〜C6脂肪族から独立して選択される1個以上の置換基によって必要に応じて置換されたフェニルまたはヘテロアリールである、請求項28〜35のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項39】
1つのRは、必要に応じて置換されたC3〜C7脂環式環あるいはO、N、またはSから選択される3個までのヘテロ原子を有するヘテロ脂環式環であり、該環が、1個以上のフェニル環またはヘテロアリール環に必要に応じて縮合している、請求項28〜35のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項40】
2つのRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、必要に応じて置換された3員〜9員である脂環式環または複素環の単環式環、二環式環、または三環式環を形成する、請求項28〜35のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項41】
1つのRは、−C(O)NH−R、−NHC(O)−R、−NHC(O)O−Rであり、Rは、必要に応じて置換されたフェニル基、ヘテロアリール基または複素環式基である、請求項28〜35のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項42】
両方のRは、水素である、請求項28〜41のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項43】
一方のRは、水素であり、そして他方のRは、1個以上のハロ、OH、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルコキシカルボニル、またはジ−(C1〜C4アルキル)アミノによって必要に応じて置換されたC1〜C6脂肪族である、請求項28〜41のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項44】
各Qは、独立して、結合であるか、あるいはQのうちの隣接していないメチレン単位の2つまでがCO、CO、CONR、OCONR、NRCO、NRCO、NRCONR、SO、SO、NRSO、SONR、NRSONR、O、S、またはNRによって必要に応じて置換されているC1〜C6脂肪族鎖であり、Rが、水素またはC1〜C6アルキルである、請求項28〜43のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項45】
各Rは、独立して、R’である、請求項44に記載の化合物。
【請求項46】
各Rは、ハロゲン、NO、CN、OR’、SR’、N(R’)、NR’C(O)R’、NR’C(O)N(R’)、NR’COR’、C(O)R’、COR’、OC(O)R’、C(O)N(R’)、OC(O)N(R’)、SOR’、SOR’、SON(R’)、NR’SOR’、NR’SON(R’)、C(O)C(O)R’、またはC(O)CHC(O)R’から選択される、請求項44に記載の化合物。
【請求項47】
R’は、水素である、請求項45または46のいずれかに記載の化合物。
【請求項48】
R’は、ハロ、CN、CF、CHF、OCF、またはOCHFから選択される3個までの置換基によって必要に応じて置換されたC1〜C8脂肪族基であり、該C1〜C8脂肪族のメチレン単位の2つまでが、−CO−、−CONH(C1〜C4アルキル)−、−CO−、−OCO−、−N(C1〜C4アルキル)CO−、−O−、−N(C1〜C4アルキル)CON(C1〜C4アルキル)−、−OCON(C1〜C4アルキル)−、−N(C1〜C4アルキル)CO−、−S−、−N(C1〜C4アルキル)−、−SON(C1〜C4アルキル)−、N(C1〜C4アルキル)SO−、または−N(C1〜C4アルキル)SON(C1〜C4アルキル)−によって必要に応じて置換されている、請求項45または46のいずれかに記載の化合物。
【請求項49】
R’は、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0個〜3個のヘテロ原子を有する3員〜8員である飽和、部分的に不飽和、または完全に不飽和の単環式環であり、R’が、ハロ、CN、CF、CHF、OCF、OCHF、またはC1〜C6アルキルから選択される3個までの置換基によって必要に応じて置換されており、該C1〜C6アルキルのメチレン単位の2つまでが、−CO−、−CONH(C1〜C4アルキル)−、−CO−、−OCO−、−N(C1〜C4アルキル)CO−、−O−、−N(C1〜C4アルキル)CON(C1〜C4アルキル)−、−OCON(C1〜C4アルキル)−、−N(C1〜C4アルキル)CO−、−S−、−N(C1〜C4アルキル)−、−SON(C1〜C4アルキル)−、N(C1〜C4アルキル)SO−、または−N(C1〜C4アルキル)SON(C1〜C4アルキル)−によって必要に応じて置換されている、請求項45または46のいずれかに記載の化合物。
【請求項50】
R’は、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0個〜5個のヘテロ原子を有する8員〜12員である飽和、部分的に不飽和、または完全に不飽和の二環式環系であり;R’が、ハロ、CN、CF、CHF、OCF、OCHF、またはC1〜C6アルキルから選択される3個までの置換基によって必要に応じて置換されており、該C1〜C6アルキルのメチレン単位の2つまでが、−CO−、−CONH(C1〜C4アルキル)−、−CO−、−OCO−、−N(C1〜C4アルキル)CO−、−O−、−N(C1〜C4アルキル)CON(C1〜C4アルキル)−、−OCON(C1〜C4アルキル)−、−N(C1〜C4アルキル)CO−、−S−、−N(C1〜C4アルキル)−、−SON(C1〜C4アルキル)−、N(C1〜C4アルキル)SO−、または−N(C1〜C4アルキル)SON(C1〜C4アルキル)−によって必要に応じて置換されている、請求項45または46のいずれかに記載の化合物。
【請求項51】
R’の2つの出現は、それらが結合する原子と一緒になって、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0個〜4個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換された3員〜12員である飽和、部分的に不飽和、または完全に不飽和の単環式環または二環式環を形成し、R’が、ハロ、CN、CF、CHF、OCF、OCHF、またはC1〜C6アルキルから選択される3個までの置換基によって必要に応じて置換されており、該C1〜C6アルキルのメチレン単位の2つまでが、−CO−、−CONH(C1〜C4アルキル)−、−CO−、−OCO−、−N(C1〜C4アルキル)CO−、−O−、−N(C1〜C4アルキル)CON(C1〜C4アルキル)−、−OCON(C1〜C4アルキル)−、−N(C1〜C4アルキル)CO−、−S−、−N(C1〜C4アルキル)−、−SON(C1〜C4アルキル)−、N(C1〜C4アルキル)SO−、または−N(C1〜C4アルキル)SON(C1〜C4アルキル)−によって必要に応じて置換されている、請求項45または46のいずれかに記載の化合物。
【請求項52】
表1から選択される化合物。
【請求項53】
表2、表3または表4から選択される化合物。
【請求項54】
請求項1〜53のいずれか1項に記載の化合物と、薬学的に受容可能なキャリア、佐剤、またはビヒクルとを含む、薬学的組成物。
【請求項55】
患者におけるCGRPレセプターが関与する疾患または障害の危険性の処置、制御、寛解、または減少のための方法であって、該方法が、治療有効量の請求項1〜53のいずれか1項に記載の化合物または該化合物を含む組成物を該患者に投与する工程を包含する、方法。
【請求項56】
前記疾患または障害は、頭痛;片頭痛;群発頭痛;慢性緊張型頭痛;疼痛;慢性疼痛;神経原性炎症および炎症痛;神経原性疼痛;眼痛;歯痛;糖尿病;インスリン非依存性糖尿病;血管障害;炎症;関節炎;気管支過敏症、喘息;ショック;敗血症;オピエート退薬症候群;モルヒネ耐性;男性および女性におけるのぼせ;アレルギー性皮膚炎;脳炎;脳の外傷;癲癇;神経変性疾患;皮膚疾患;神経原性の皮膚発赤、皮膚の酒さおよび紅斑;耳鳴;炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、膀胱炎から選択される、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記疾患または障害は、片頭痛または群発頭痛である、請求項56に記載の方法。

【公表番号】特表2009−544618(P2009−544618A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−520862(P2009−520862)
【出願日】平成19年7月23日(2007.7.23)
【国際出願番号】PCT/US2007/016559
【国際公開番号】WO2008/011190
【国際公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(598032106)バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (414)
【氏名又は名称原語表記】VERTEX PHARMACEUTICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】130 Waverly Street, Camridge, Massachusetts 02139−4242, U.S.A.
【Fターム(参考)】